JP2018110240A - レジストフィルムのラミネート方法 - Google Patents

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Yukari Ito
有加利 伊藤
浩一 中山
Koichi Nakayama
浩一 中山
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Abstract

【課題】レジストフィルムを基板の凹部の形状に追従させるラミネート方法を提供する。
【解決手段】凹部を有する基板20を第1温度で加熱し、第1温度より低い第2温度で加熱して基板20上に配置する際に、凹部の開口をレジストフィルム30で覆い空洞部24を形成し、第1温度より高い第3温度でレジストフィルム30を加熱し、レジストフィルム30を凹部の内壁に接触させる。レジストフィルム30のラミネート方法において、レジストフィルム30を第1の気圧下において熱圧着によりラミネートして基板20上に配置し、第1の気圧よりも高い第2の気圧下において、レジストフィルム30を加熱する。第2の気圧は、第1の気圧よりも高く、熱圧着の圧力よりも低くてもよい。
【選択図】図2

Description

本発明は、レジストパターンの形成方法、レジストフィルムのラミネート方法及びラミネート構造体などに関する。
表裏に配線構造を有する基板に貫通孔を形成し、この貫通孔に導電材料を配置して、表裏の配線構造同士を電気的に接続するにより、集積回路を形成したチップなどに基板を積み重ねる3次元実装技術が知られている(例えば、特許文献1及び2参照。)。また、従来、プリント配線基板においては、予め貫通孔等が形成された基板に配線等を形成する際に、レジストフィルムを基板にラミネートし、露光、現像が行われる(例えば、特許文献3及び4参照。)。
特開2005−191115号公報 特開2007−233418号公報 特開平4−305993号公報 特開平6−334314号公報
一般にレジストフィルムを基板にラミネートする場合、レジストフィルムが加熱された状態で基板に重ねられた状態でレジストフィルムをローラーで加圧するラミネータ装置が用いられる。この場合、レジストフィルムを推奨のラミネート温度まで加熱し、ローラーで加圧を行うことにより、基板に配置されたレジストフィルムの上面の平坦性が確保される。
しかしながら、レジストフィルムが配置される側の基板に予め溝などの凹部が形成されている場合、凹部内に軟化したレジストフィルムが流れ込むことにより凹部内に配置されるレジストフィルムの厚さがその他の位置の部分に配置されるレジストフィルムの厚さより大きくなってしまう。すると、凹部内のレジストフィルムをフォトリソグラフィにより開口させる場合に、凹部が形成されている位置に露光不良が発生し、レジストフィルムが開口されなかったり、開口寸法などが悪化したりする問題が生じる。また、レジストフィルムが開口したとしても、凹部内のレジストフィルムの厚さが大きいために現像がオーバーにならざるを得ず、本来残存していてほしい位置のレジストフィルムが消失するなどの不良が生じるといった問題が生じる。
そこで、本発明は上記実情に鑑みてなされてものであり、凹部が形成された基板にラミネートされたフィルムレジストをフォトリソグラフィにより凹部内に開口を形成する際に発生する解像不良を低減する方法を提供することを目的とする。
本発明の一実施形態として、凹部を有する基板を準備し、感光性のレジストフィルムを第1の気圧下において前記基板上に配置する際に、前記凹部の開口を前記レジストフィルムで覆い空洞部を形成し、前記第1の気圧よりも高い第2の気圧下において、前記レジストフィルムを加熱し、前記レジストフィルムを前記凹部の内壁に接触させ、前記レジストフィルムを露光し、前記レジストフィルムを現像し、前記凹部に位置する前記レジストフ
ィルムを開口させることを有するレジストパターンの形成方法を提供する。
このレジストパターンの形成方法によれば、基板の凹部の形状に追従するようにラミネートされたレジストフィルムに発生する解像不良を抑制することができる。
なお、前記空洞部を形成する際、前記レジストフィルムがテントされた状態を維持できる温度で前記レジストフィルムが前記基板上に配置されてもよい。
これにより、空洞部にレジストフィルムが凹部に流れ込むことなどを抑制でき、空洞部の領域を確保することができる。
なお、前記凹部は、順テーパー状となっていてもよい。
これにより、レジストフィルムを基板の凹部の形状に追従させることをより確実に行える。
なお、前記凹部の内壁の前記レジストフィルムの厚さは、前記基板の表面の前記レジストフィルムの厚さ以下となっていてもよい。
これにより、凹部に追従させたレジストフィルムに開口を設けることが容易となる。
本発明の一実施形態として、凹部を有する基板を準備し、レジストフィルムを第1の気圧下において前記基板上に配置する際に、前記凹部の開口を前記レジストフィルムで覆い空洞部を形成し、前記第1の気圧よりも第2の気圧高い圧力下において、前記レジストフィルムを加熱し、前記レジストフィルムを前記凹部の内壁に接触させること、を有するレジストフィルムのラミネート方法が提供される。
このレジストフィルムのラミネート方法によれば、基板の凹部の形状に追従するようにラミネートされたレジストフィルムに発生する解像不良を抑制することができる。
また、本発明の一実施形態として、底部と前記底部に所定の角度で接続する側面とにより構成された凹部を有する基板と、前記凹部の前記底部の一部、及び前記凹部の前記側面に沿って配置されたレジストフィルムとを有し、前記レジストフィルムは、前記凹部の底部を露出する開口を有し、かつ前記凹部の前記側面よりも緩やかな角度で前記開口に接続する傾斜部を有する構造体が提供される。
この構造体により、レジストフィルムに沿って配線層を配置した場合に、開口と傾斜部との接続箇所における配線層の断線を抑制することができる。
また、前記レジストフィルムに沿って配置された配線層をさらに有し、前記配線層は前記素子に電気的に接続されていてもよい。
これにより、集積回路を形成したチップなどに構造体を積み重ね、3次元実装を実現することができる。
本発明に係るレジストパターンの形成方によれば、基板の凹部の形状に追従するようにラミネートされたレジストフィルムに発生する解像不良を抑制することができる。
また、本発明に係る構造体によれば、開口したレジストフィルムにさらに配線等を追従
させることを容易に行うことができる。
凹部を有する基板の上面の一例図 本発明の一実施形態におけるレジストパターンの形成について説明するための図 凹部を有する基板の断面の一例図 本発明の一実施形態におけるレジストパターンの形成について説明するための図 従来技術と本発明の一実施形態におけるレジストフィルムを基板に重ねあわせて配置する場合のレジストフィルムの温度とレジストフィルムに加える圧力との関係を示す図 本発明の一実施形態のレジストパターンの形成に対する比較例について説明するための図 本発明の一実施形態によりレジストパターンを形成した場合の基板の断面写真 比較例によりレジストパターンを形成した場合の基板の断面写真 比較例によりレジストパターンを形成した場合の基板の断面写真 本発明の一実施形態によりレジストパターンを形成した場合の基板の断面写真 本発明の一実施形態によりレジストパターンを形成した場合の基板の断面写真
本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明を行う。なお、本発明は以下の説明に限定されるものではなく、種々の変形を加えて実施することができる。また、図面においては、幅及び高さなどの寸法の比、角度などを実際の場合よりも誇張して示している場合がある。
<レジストパターンの形成方法>
図1は、本発明の一実施形態おいて準備される基板の上面図を示す。基板20には一または複数の凹部2を有する。凹部2の配置は任意とすることができる。図1では、上面視において円形状の凹部2が一部マトリクス状(2×4)、アレイ状(1×4)、あるいは任意に配置されている例を示すが、これに限るものではなく多様な配置を採用することができる。凹部2は、上面視において矩形状、多角形状であってもよい。
基板20の材料としては特に制限はなく、例えば、シリコン等の半導体、ガラス、樹脂などの絶縁材料などの任意のものを使用することができる。また、基板20の厚みも特に制限はなく、例えば、100μm〜1mmの範囲で適宜選択することができる。基板20に形成された凹部2は、基板20の一方の面側に開口する凹形状の有底孔である。凹部2としては、基板20の厚み方向に貫通しないように形成された有底孔である場合や、基板20の厚み方向に貫通するが基板20の他方の面側に形成された素子が底部となるような有底孔である場合もある。以下に説明する本発明の一実施形態においては、凹部2は、基板20の一方の面側に開口し、基板20の他方の面側に配置される素子と基板20の裏面に配置される素子とを接続するための開口として用いることができる。
図2(a)は、凹部2のうち任意の一つを通る断面線による基板20の断面図を示す。基板20の上面21と、この上面21よりも基板20の内側に窪んでなる凹部2を備える。凹部2は、側面22及び底部23により形成される内壁を含む。凹部2は、例えば基板20にエッチングを行うことにより形成することができる。また、切削などの機械加工をすることによっても形成することができる。側面22は底部23に所定の角度で接続する。側面22は図2(a)においては底部23に対して90°未満の角度で接続し、凹部2の開口が底部23よりも広い順テーパー状となっている。凹部2が順テーパー状である場合には、後述のようにパターニングしたフィルムレジスト上にさらに構造体などを作製することが容易となる。なお、側面22は、上面21と底部23とに対して略垂直となっていてもよい。凹部2の開口幅は特に制限はないが、例えば、30μm〜150μmの範囲で適宜選択することができる。また、凹部2の深さについても特に制限はないが、例えば、10μm〜100μmの範囲で適宜選択することができる。なお、図示は省くが、基板20の上面21から材料の外側に突出するように配線等が設けられていてもよい。
図2(a)において、上面21と底部23とは同じ基板20の表面に形成されている。しかし、本発明は上面21と底部23とは同じ基板20に形成されていることに限定はされない。例えば、凹部2は、基板20を貫通している孔として形成されていてもよい。この場合、図3Aに示すように、基板40が上面21と凹部2の側面22を形成し、基板20の片側に符号41として示す素子が配置され、素子41の上面が凹部2の底部23を形成するようになっていてもよい。素子41は、例えば、受動素子、能動素子、配線層、電極などであってもよい。
図2(b)は、基板20の上面21にレジストフィルム30を配置した状態の断面図を示す。レジストフィルム30はシート状の形状を有しており、典型的にはドライフィルムレジストと呼ばれるものである。例えば、永久絶縁膜としてレジストフィルム30を用いる場合には、ポリイミド樹脂などを含むものを用いることができる。レジストフィルム30の厚みに特に制限はないが、例えば、10μm〜100μmの範囲のものを使用することができる。第1の気圧下において、レジストフィルム30を基板20上に配置し、レジストフィルム30の下面と基板20の上面21とをラミネートする。第1の気圧としては、典型的にはレジストフィルム30の下面と基板20の上面21との間に気泡が発生しないように大気圧よりも低い圧力とする。
図2(b)に示すように本発明の一実施形態においては、レジストフィルム30の下面と基板20の上面21とが接触するが、レジストフィルム30の下面は凹部2の内壁、特に底部23の一部または全体とは接触せず、凹部2内に内壁とレジストフィルムの下面とにより形成される空洞部24が形成されるように、レジストフィルム30の温度を調整する。空洞部24の内圧は、第1の気圧となる。このとき、ラミネート温度が高すぎると、レジストフィルム30が軟化して流動性が高まり、凹部2内に流れ込むことにより空洞部24が形成されなくなる場合がある。このため、レジストフィルム30の推奨のラミネート温度よりも低い温度でラミネートを行うことが好ましい。
さらに詳しく説明すると、ラミネートに用いられるレジストフィルム30は、そのラミネート温度がレジストフィルム30の製造者などから示される。本発明の一実施形態においては、その推奨のラミネート温度よりも低い温度にてラミネータを用いてレジストフィルム30を基板にラミネートすることができる。本発明の一実施形態における好ましいラミネート温度は、基板20の表面へのレジストフィルム30の粘度による追従性などを考慮して設定するため、凹部2内に充填しきらない粘度となる温度をラミネート温度として設定することができる。この場合、レジストフィルム30がシート状の形状を保って凹部2の開口を覆い、レジストフィルム30がテントされた(tented)状態を維持できる温度とすることができる。
また、レジストフィルム30について推奨のラミネート圧力が示されている場合には、推奨のラミネート圧力よりも小さい加圧力として、レジストフィルム30を基板20にラミネートすることが好ましい。ラミネート圧力を小さくすることにより、ラミネータのローラーにより加圧されてレジストフィルム30が凹部2内に多量に充填されるのを防ぐことができるからである。
また、レジストフィルム30を推奨のラミネート温度より低い温度にし、基板20を推奨のラミネート温度に加熱した状態でレジストフィルム30を基板20に重ねて配置してもよい。これにより、レジストフィルム30が基板20と接する部分は推奨のラミネート温度とすることができ、かつ、空洞部24上のレジストフィルム30には空洞部24の存在により温度が伝達しにくいため、レジストフィルム30がテントされた(tented)状態を維持することができる。
図4は、推奨のラミネート温度と推奨のラミネート圧力と本発明の実施形態における温度と加圧力との関係の一例を示す。推奨のラミネート温度の範囲がTRであり、推奨のラミネート圧力の範囲がPRであれば、従来技術においては、領域401の範囲内においてレジストフィルム30が加熱され加圧される。しかし、本発明の一実施形態においては、推奨温度よりも低い温度にレジストフィルムを加熱し、推奨加圧力よりも小さい加圧力を用いるので、領域401よりも原点側に位置する領域402においてレジストフィルム30が加熱され加圧されることになる。
なお、図4に示すように、本発明の一実施形態においては、推奨のラミネート温度の範囲内にレジストフィルム30を加熱する場合には、推奨のラミネート圧力よりも小さい加圧力を用いることもできる。また、推奨のラミネート圧力の範囲内の加圧力を用いる場合には、推奨のラミネート温度よりも低い温度にレジストフィルム30を加熱することもできる。上述のように、本発明の一実施形態においては、レジストフィルム30がテントされた(tented)状態を維持できればよいからである。
図2(c)は、基板20の上にレジストフィルム30を配置した後に、レジストフィルム30の温度を上昇させ、かつ、周囲の気圧を第1の気圧よりも高い第2の気圧とした後の断面図を示す。このときの温度としては、典型的には推奨のラミネート温度以上の温度を挙げることができる。また、第2の気圧としては、第1の気圧よりも高い気圧であればよく、典型的には第1の気圧が真空である場合には第2の気圧は大気圧であってもよい。ラミネート後のレジストフィルム30の温度を上昇させることにより、レジストフィルム30が軟化し変形しやすくする。さらに、空洞部24は密閉された状態であって、かつ内圧が第1の気圧となっているため、周囲の気圧を第2の気圧とすることにより、空洞部24内の気圧が相対的に低くなり、空洞部24を覆うレジストフィルム30の部分に底部23へ向かう圧力が加わり、凹部2の上部(凹部2の開口)にテントされた部分のレジストフィルム30が凹部2の内部に入り込むこととなる。これにより、レジストフィルム30を凹部2の形状に追従してラミネート可能であって、かつ必要以上にその厚さが過大になることを防止することができる。第1の気圧と第2の気圧の差は好ましくは1000Pa以上とすることが好ましい。
さらにテントされた部分のレジストフィルム30が凹部2の内部に入り込むことを助長する目的で、ラミネート時の圧力よりも低い圧力でレジストフィルム30を押圧してもよい。
また、図2(b)に示すように基板20の上面21にレジストフィルム30を配置する際において、真空状態あるいは低い気圧下でなくてもよく、レジストフィルム30を透過する気体雰囲気中とすることもできる。例えば、水素ガスやヘリウムガスなどの分子のサイズが小さいガスの雰囲気中で行うことができる。この場合には、図2(b)に示すように基板20の上にレジストフィルム30を配置した後に、周囲の気圧を低下させ、空洞部24内のガスを、レジストフィルム30を透過させて空洞部24内のガスを排出させた後に、レジストフィルム30の温度を上昇させ、かつ、周囲の気圧を上昇させるようにしてもよい。また、レジストフィルム30を透過する気体雰囲気中に限らず、凝集性のある気体雰囲気中とすることもできる。例えば、ペンタフルオロプロパンなどの凝集性のあるガスの雰囲気中で行うことができる。
また、レジストフィルム30の温度を上昇させて加圧することにより、レジストフィルム30と基板20とが密着しやすくなる場合にはレジストフィルム30の上面21と接触している側の反対側からローラーなどにより加圧してもよい。ただし、この時の加圧力が過大であると、レジストフィルム30の上面21と接触している側の反対側の面が平坦となる場合があるので注意が必要である。
図2(d)は、基板20のレジストフィルム30が配置された側に露光装置40を配置させ、パターン41及び42に応じた露光を行う場合の図である。この場合のパターン41及び42としては、レジストフィルム30のポジ型又はネガ型の種類によって遮光部と透過部とを指定することができる。露光によりレジストフィルム30の現像液に対する溶解度が変わり、レジストフィルム30が露光パターンに応じて、部分30−1と部分30−2との部分に分かれる。
図2(e)は、レジストフィルム30を現像した後の断面を示す。図2(e)に示すように、レジストフィルム30−1が残り、開口31が形成されている。
なお、本発明の一実施形態におけるレジストパターンの形成方法においては、以下の処理を行ってもよい。
図3B(a)に示すように、レジストフィルム30−1をエッチングマスクとして基板20をエッチングする。基板20に形成される溝部42は有底孔であってもよいし、貫通孔であってもよい。基板20の上面21と基板20の下面43とに貫通孔を設けると上面21と下面33との間に電気的接続をとることができるため好ましい。図3B(a)では、基板20の下面43側には素子45が形成されている場合には、基板20の上面21と下面43とを貫通する溝部42によって素子45が露出する。
図3B(b)に示すように、レジストフィルム30−1は永久絶縁膜として利用することができる。この場合には、レジストフィルム30−1上にさらに蒸着法、スパッタ法、めっき法などにより金属膜44などを形成する。金属膜44は、素子45と接続することができる。このようにして配線構造体を作製することができる。
以上、説明したように、本発明の一実施形態においては、図2(c)に示すように、レジストフィルム30が凹部2の形状に追随して変形し、凹部2内におけるレジストフィルム30の厚さと上面21上におけるレジストフィルム30の厚さとを略同じ、あるいは、凹部2内におけるレジストフィルム30の厚さを上面21上におけるレジストフィルム30の厚さより小さくすることができる。これにより、凹部2内におけるレジストフィルム30の厚さの増大を抑制することができ、露光時の凹部2内における解像度の低下を抑制することができる。したがって、図2(e)に示すように、開口31を底部23に容易に到達させることができる。これにより、例えば、開口31を介して底部23に接続する配線を形成することができる。
また、凹部2外においてもレジストフィルム30を露光によりパターニングする場合、レジストフィルム30が凹部2の形状に追随して変形し、凹部2内におけるレジストフィルム30の厚さと上面21上におけるレジストフィルム30の厚さとを略同じとすることにより、露光の強度を凹部2内及び凹部2外において略同じとすることができる。これに
より、露光の強度の調整の時間を減少させ、生産性を上げることができる。
(比較例)
図5は、比較例を説明する。図5(a)は、凹部2の一つを通る断面線による基板120の断面図を示す。この段階では、図2(a)と同じである。
図5(b)は、基板120の上にレジストフィルム130を配置した状態の断面図を示す。本比較例では、図2(a)から図2(b)を得るときよりもレジストフィルム130の温度を高くし、レジストフィルム130を上面121に密着させる際にレジストフィルム130に加圧するこれにより、レジストフィルム130の上面は、平坦となる。しかし、凹部2内にレジストフィルム130が入り込んでしまい、上面121の上におけるレジストフィルム130の厚さよりも凹部2内におけるレジストフィルム130の厚さが大きくなる。
図5(c)は、図2(d)と同じ露光条件で基板120のレジストフィルム130が配置された側に露光装置140を配置させ、パターン141及び142に応じた露光を行う場合の図である。この場合、上面121の上におけるレジストフィルム130の厚さよりも凹部2に対応する凹部内におけるレジストフィルム130の厚さが大きくなっているので、凹部2に対応する凹部内における解像度が本発明の一実施形態によるよりも低下し、部分130−2の形成が不十分となる。このため、現像を行うと、図5(d)に示すように開口132の底部が底部23に達しないこととなる。このため、開口131を介して底部123に接続する配線を形成することができなくなる。
露光が不十分であることを解消するために、露光強度を増大させるなどのことも考えられる。しかし、この場合、開口132のパターン精度が悪化し、開口132のパターンが所定の寸法及び/又は形状とならない場合がある。
また、凹部2に対応する凹部内のレジストフィルム130が必要以上に厚い場合には、現像液による現像をオーバー(過剰)に行う必要がある。しかし、オーバー現像を行うと、レジストフィルム130の薄い部分(例えば、上面121と側面122の接続箇所)のレジストフィルム130が除去されてしまう場合がある。
(実施による比較)
図6として、図2を用いて説明した本発明の一実施形態を用いてレジストフィルムにレジストパターンを実際に形成した基板の断面写真を示す。図6に示すように基板20の上面21、凹部2の側面22及び底部23に開口31を有するレジストフィルムの材料30−1が形成されている。図6に示すように、開口31は底部23まで到達している。
また、図6に示すように、本発明の一実施形態を用いてレジストフィルムにレジストパターンを形成すると、開口31の側面とレジストフィルムの上面との境界33において、開口31の側面とレジストフィルムの上面とが鈍角で接している。これにより、開口31の底部から配線を形成した場合、その配線が境界33上に配置されることになっても配線の断線を抑制することが可能となる。
一方、図7は、図5を用いて説明した比較例を用いてレジストフィルムにレジストパターンを実際に形成した基板の断面写真を示す。図6に対応するように基板120の上面121、凹部2に相当する凹部の側面122及び底部123に開口131を有するレジストフィルムの材料130−1が形成されている。図6と異なり、開口131は底部123まで達していない。これは、凹部2内におけるレジストの厚さが上面121上よりも厚くなっているため、露光の解像度などが不十分などとなったためと考えられる。
上述の比較例において開口131を底部123まで到達させるためには、図7を得る場合よりも現像液による現像をオーバーに行う必要がある。図8は、上述の比較例において、このようなオーバー現像を行った場合の基板の断面写真を示す。図8に示すように、開口31が底部123まで到達しているが、開口131の側面とレジストフィルムの上面とが87°と鋭角に接している。
<構造体>
図9及び図10のそれぞれは、本発明の一実施形態に係る構造体を示す。構造体90及び91は、底部23と底部23に所定の角度で接続する側面22とにより構成された凹部2を有する基板20と、凹部2の底部23の一部、及び凹部2の側面22に沿って配置されたレジストフィルム30−1とを有し、レジストフィルム30−1は、凹部2の底部23を露出する開口31を有し、かつ凹部2の側面22よりも緩やかな角度で開口31に接続する傾斜部92を有する。
基板20の、レジストフィルム30−1が配置された側とは反対側の面には、素子が配置されていてもよい。この場合、さらに基板20はレジストフィルム30−1の開口31が、その素子に到達する貫通孔を形成していてもよい。すなわち、素子は、基板20の貫通孔である開口31によって露出している。
さらに、レジストフィルム30−1には図3Bにおけるように、上面に沿って配線層44が配置されてもよい。そして、図3Bに示すように、配線層44が素子41に電気的に接続されていてもよい。配線層44が形成されるレジストフィルム30−1の傾斜部92、93が、凹部2の側面22が底部23となる角度よりも小さく緩やかな角度となっているため、配線層44の形成が容易となり、かつ形成された配線層44の破断などが抑制される。

Claims (2)

  1. 凹部を有する基板を第1温度で加熱し、
    前記第1温度より低い第2温度で加熱して前記基板上に配置する際に、前記凹部の開口を前記レジストフィルムで覆い空洞部を形成し、
    前記第1温度より高い第3温度で前記レジストフィルムを加熱し、前記レジストフィルムを前記凹部の内壁に接触させる、
    レジストフィルムのラミネート方法。
  2. 前記レジストフィルムを前記第1の気圧下において熱圧着によりラミネートして前記基板上に配置し、
    前記第1の気圧よりも高い第2の気圧下において、前記レジストフィルムを加熱し、
    前記第2の気圧は、前記第1の気圧よりも高く、前記熱圧着の圧力よりも低い、
    請求項1に記載のレジストフィルムのラミネート方法。
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