JP2018110192A - コイル含浸用エポキシ樹脂組成物、コイル製品の製造方法、及びイグニッションコイル - Google Patents

コイル含浸用エポキシ樹脂組成物、コイル製品の製造方法、及びイグニッションコイル Download PDF

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Abstract

【課題】コイルへの含浸性に優れ、且つ、熱伝導率及び絶縁破壊電圧が高い硬化物を得ることができるコイル含浸用エポキシ樹脂組成物、該エポキシ樹脂組成物を含浸、加熱硬化させるコイル製品の製造方法、及び該エポキシ樹脂組成物の硬化物で絶縁されてなるイグニッションコイルを提供する。【解決手段】(A)結晶性エポキシ樹脂、(B)酸無水物、(C)硬化促進剤、(D)球状クリストバライトを含むコイル含浸用エポキシ樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、コイル含浸用エポキシ樹脂組成物、コイル製品の製造方法、及びイグニッションコイルに関する。
従来から、含浸注形用エポキシ樹脂組成物は、自動車やテレビの電子部品である高圧トランス、産業用モジュール等の絶縁処理に使用されている。そして、自動車の電子機器用トランス類のうち、点火コイルはエポキシ樹脂組成物で絶縁処理し製造されている。その上、この用途の樹脂組成物では、耐クラック性、電気特性、機械特性の他に耐熱性の要求がますます大きくなっている。近年、小型化による内蔵部品の複雑化等により、絶縁距離が狭くなりつつあり、含浸注形用エポキシ樹脂組成物には、絶縁信頼性に対する要求が高まり、長期信頼性のある樹脂組成物が求められている。
このような含浸注形用エポキシ樹脂組成物において、絶縁信頼性を付与する手法としては、樹脂組成物中の不純物又は金属異物を低減し、充填材を球状にし、該充填材の高充填化が行われている(例えば、特許文献1)。また、トリー経路を形成しにくくするために、有機化処理したクレー粉末を含有させたエポキシ樹脂組成物(例えば、特許文献2)や、特定範囲の粒径を有するシリカ粒子を所定量含有させたエポキシ樹脂組成物(例えば、特許文献3)等が提案されている。
しかしながら、そのような方法でも、耐クラック性、熱伝導性、コイルへの含浸性の向上、および高温度下の硬化物の電気的特性の低下を防止することはできない。これらの諸問題を解決すべく、高性能コイルに対応した含浸注形用エポキシ樹脂組成物のための新規なフィラーが検討されてきた。一般に、結晶シリカは熱伝導率の向上に有効なフィラーであるが、その反面、結晶シリカが添加された場合でも、熱膨張率の値を小さくできず、しかもコイル含浸性が悪くなってしまう。また、溶融シリカはその添加量を増やすと熱膨張係数を小さくすることはできるが、熱伝導率を大きくすることが難しい。
前述のシリカと異なる結晶構造を有するクリストバライトは、熱伝導率を下げることなく熱膨張係数を溶融シリカ同様に保持することができることから、該クリストバライトを含む半導体封止用エポキシ樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献4,5)。また、我々は、クリストバライトを使用した、コイルへの高い含浸性を有する点火コイル注形用エポキシ樹脂組成物を開発してきた(例えば、特許文献6)。
特開2005−2310号公報 特開2006−169312号公報 特開2008−195782号公報 特開2001−172472号公報 特開2008−214382号公報 特開2015−44906号公報
しかしながら、そのような手法でも、初期の絶縁破壊電圧を向上することはできても、通電状態での絶縁破壊電圧の低下を防ぐには不十分である。さらに近年では低燃費化、ダウンサイジング化により、より高エネルギーが発生可能な矩形タイプのイグニッションコイルへの移行が目立っている。これに伴い、コイルの発熱抑制のための放熱に対し、硬化物の熱伝導率や、確実な点火のために印加電圧が高まることから絶縁信頼性はさらに要求値が高まっている。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、コイルへの含浸性に優れ、且つ、熱伝導率及び絶縁破壊電圧が高い硬化物を得ることができるコイル含浸用エポキシ樹脂組成物、該エポキシ樹脂組成物を含浸、加熱硬化させるコイル製品の製造方法、及び該エポキシ樹脂組成物の硬化物で絶縁されてなるイグニッションコイルを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するべく鋭意検討した結果、後述の組成を有するエポキシ樹脂組成物が、上記課題を解決することを見出した。
本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[5]を提供する。
[1](A)結晶性エポキシ樹脂、(B)酸無水物、(C)硬化促進剤、(D)球状クリストバライトを含むコイル含浸用エポキシ樹脂組成物。
[2]前記(A)成分が、ビフェニル型エポキシ樹脂である上記[1]に記載のコイル含浸用エポキシ樹脂組成物。
[3]前記(D)成分の数平均粒径が1〜30μmであり、前記(D)成分の配合量が、前記(A)成分100質量部に対して500〜1800質量部である上記[1]又は[2]に記載のコイル含浸用エポキシ樹脂組成物。
[4]上記[1]〜[3]のいずれかに記載のコイル含浸用エポキシ樹脂組成物をコイルに注入し含浸させ、該樹脂組成物を加熱硬化させるコイル製品の製造方法。
[5]上記[1]〜[3]のいずれかに記載のコイル含浸用エポキシ樹脂組成物の硬化物で絶縁されてなるイグニッションコイル。
本発明によれば、コイルへの含浸性に優れ、且つ、熱伝導率及び絶縁破壊電圧が高い硬化物を得ることができるコイル含浸用エポキシ樹脂組成物、該エポキシ樹脂組成物を含浸、加熱硬化させるコイル製品の製造方法、及び該エポキシ樹脂組成物の硬化物で絶縁されてなるイグニッションコイルを提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
<コイル含浸用エポキシ樹脂組成物>
まず、本発明のコイル含浸用エポキシ樹脂組成物(以下、単に「樹脂組成物」ともいう)について述べる。
〔(A)結晶性エポキシ樹脂〕
本発明で用いる(A)成分の結晶性エポキシ樹脂は、フェニル、ビフェニル、ビフェノール、ナフタレン等の平面構造を有する分子を主鎖に有し、比較的低分子量であるために、結晶性を示すものである。結晶性エポキシ樹脂は、結晶性が高いため常温では固体であるが、一旦溶融すると極めて低粘度の液体になる特性を有している。
(A)成分の結晶性エポキシ樹脂としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有すれば特に制限されず、例えば、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂等が挙げられる。中でも、ビフェニル型エポキシ樹脂が好ましく用いられる。
上記結晶性エポキシ樹脂は、例えば、YX4000(三菱化学(株)製、商品名)、YL6121H(三菱化学(株)製、商品名)、NC−3000(日本化薬(株)製、商品名)、HP−4032D(DIC(株)製、商品名)等が市販品として入手することができる。
また、(A)成分の結晶性エポキシ樹脂の他に、必要に応じて作業性改良の為、液状のエポキシ樹脂等を併用成分として使用することができる。
コイル含浸用エポキシ樹脂組成物中の(A)成分の配合量は、該樹脂組成物の硬化物の絶縁破壊電圧を高める観点から、好ましくは4〜15質量%、より好ましくは5〜10質量%である。
なお、(A)成分以外のエポキシ樹脂を併用する場合、その合計量が上記範囲内となることが好ましい。
〔(B)酸無水物〕
本発明で用いる(B)成分の酸無水物としては、通常、エポキシ樹脂の硬化剤として用いられる分子中に酸無水物基を有するものであれば特に制限なく用いることができ、例えば、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸(ME−HHPA)、メチルテトラヒドロ無水フタル酸(ME−THPA)、テトラヒドロ無水フタル酸(THPA)等の脂環式酸無水物、無水フタル酸等の芳香族酸無水物、脂肪族二塩基酸無水物(PAPA)等の脂肪族酸無水物等が挙げられる。中でも、脂環式酸無水物を好ましく用いることができる。
樹脂組成物中の(B)成分の配合量は、好ましくは5〜40質量%、より好ましくは6〜30質量%、更に好ましくは6〜20質量%である。配合量を5質量%以上とすることで、樹脂の硬化が十分にすすみ、40質量%以下とすることで、耐熱性の低下を抑制することができる。
また、(B)成分の酸無水物の配合量は、前記(A)成分の結晶性エポキシ樹脂が有するエポキシ基数(a)と(B)成分の酸無水物が有する酸無水物基数(b)との比[(a)/(b)]が、好ましくは0.5〜1.5、より好ましくは0.8〜1.2である。[(a)/(b)]を0.5以上とすることで硬化物の耐湿信頼性が向上し、1.5以下とすることで硬化物の強度低下を防ぐことができる。
〔(C)硬化促進剤〕
本発明で用いる(C)成分の硬化促進剤は、(A)成分の結晶性エポキシ樹脂同士、又は(A)成分の結晶性エポキシ樹脂と(B)成分の酸無水物との反応を促進する作用を有するものであれば特に制限されるものではなく、硬化促進剤として一般に用いられているものを用いることができる。例えば、ベンジルジメチルアミン〔例えば、カオーライザーNo.20(花王(株)製、商品名)〕、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、2−エチル−4−メチルイミダゾール(2E4MZ)、4級アンモニム塩〔例えば、M2−100(日本油脂(株)製、商品名)〕等が挙げられる。中でも、硬化性の観点からベンジルジメチルアミン又は4級アンモニム塩を使用することが好ましい。
これらは単独又は2種類以上を混合して使用することができる。
(C)成分の硬化促進剤の配合量は、前記(B)成分の酸無水物100質量部に対して、好ましくは0.3〜5質量部、より好ましくは0.3〜3質量部、更に好ましくは0.5〜1質量部である。配合量を0.3質量部以上とすることで、硬化時間が長くなるのを抑え、硬化特性を十分に向上させることができ、5質量部以下とすることで、反応速度が速くなり過ぎず、ポットライフを長くすることができる。
〔(D)球状クリストバライト〕
本発明で用いる(D)成分の球状クリストバライトは、エポキシ樹脂組成物の硬化物の熱伝導率を高める効果を有する。(D)成分の球状クリストバライトは、球状溶融シリカをクリストバライト化することで得ることができる。例えば、球状溶融シリカを1200〜1600℃の高温で5〜24時間加熱し、結晶を確実に成長させた後、20〜50時間かけてゆっくりと室温まで冷却することでクリストバライト化させることができる。
(D)成分の球状クリストバライトは、数平均粒径1〜30μmを有するものが好ましく、5〜30μmを有するものがより好ましい。数平均粒径を1μm以上とすることでコイルへの含浸性を向上させることができ、30μm以下とすることで作業性を高めることができる。
なお、数平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布計にて求めることができる。
(D)成分の球状クリストバライトの配合量は、前記(A)成分の結晶性エポキシ樹脂100質量部に対して、好ましくは500〜1800質量部、より好ましくは600〜1500質量部、さらに好ましくは700〜1200質量部である。500質量部以上とすることで樹脂組成物の硬化物の熱伝導率、及び絶縁破壊電圧を高めることができ、1800質量部以下とすることで樹脂組成物への分散性を高めることができる。
(D)成分の球状クリストバライトは、例えば、C40−C1((株)アドマテックス製、商品名;数平均粒径30μm)、TS15−103−20(新日鉄住金マテリアルズ(株)製、商品名;数平均粒径10μm)等を市販品として入手することができる。
また、含浸性を損なわない範囲において、破砕のクリストバライトや溶融シリカ、結晶シリカなどのフィラーも併用成分として使用することができる。これらは単独又は2種以上混合して使用することができる。
本発明のコイル含浸用エポキシ樹脂組成物には、カップリング剤を配合してもよい。カップリング剤としては、シランカップリング剤、チタン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等を用いることができ、耐湿性等の特性向上に優れていることから、シランカップリング剤を用いることが好ましく、特に、エポキシシランカップリング剤を用いることが好ましい。
エポキシシランカップリング剤の具体例としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルメチルトリエトキシシラン((株)NUC製、商品名:A−1871)、γ−グリシドキシプロピルメチルトリメトキシシラン((株)NUC製、商品名:A−187)、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン((株)NUC製、商品名:A−186)等が挙げられ、これらは単独でも2種類以上を併用してもよい。
カップリング剤を使用する場合の配合量は、樹脂組成物中に好ましくは0.01〜0.3質量%、より好ましくは0.01〜0.1質量%である。上記範囲内であれば、前記(D)成分の球状クリストバライトの表面改質を十分に行うことができる。
また、予め表面処理を施した球状クリストバライトを用いてもよい。
本発明のコイル含浸用エポキシ樹脂組成物には、以上の各成分の他に、本発明の効果を阻害しない範囲で、この種の組成物に一般に配合される、アルミナ、マグネシア、窒化硼素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、タルク、炭酸カルシウム、チタンホワイト、クレー、ベンガラ、ガラス繊維、炭素繊維等の無機充填剤、チクソ性付与材、消泡剤、着色剤、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、三酸化アンチモン、有機リン系等の難燃剤、及びその他添加剤等を必要に応じて配合することができる。
本発明のコイル含浸用エポキシ樹脂組成物中に含まれる上記(A)成分〜(D)成分の合計含有量は、好ましくは80〜100質量%、より好ましくは85〜100質量%、更に好ましくは90〜100質量%である。
本発明のコイル含浸用エポキシ樹脂組成物は、常法により上述した各成分、すなわち、(A)結晶性エポキシ樹脂、(B)酸無水物、(C)硬化促進剤、(D)球状クリストバライト及びその他の成分を加えて、十分に混合、撹拌して製造することができる。このとき、好ましくは、(A)結晶性エポキシ樹脂、(D)球状クリストバライトの必須成分と、その他必要に応じて配合される成分とを混合した主剤成分と、(B)酸無水物、(C)硬化促進剤の必須成分と、その他必要に応じて配合される成分とを混合した硬化剤成分とを、それぞれ調整した2液性のエポキシ樹脂組成物とし、使用時に、主剤成分と硬化剤成分とを均一に混合することにより製造することができる。なお、硬化剤成分に(D)成分を配合してもよく、その場合には、主剤成分と硬化剤成分とを混合した後において、上記で説明した(D)成分の配合量となるようにすればよい。
こうして得られたコイル含浸用エポキシ樹脂組成物は、自動車用点火コイルに含浸用として使用することができる。
また、上記のようにして得られた本発明のコイル含浸用エポキシ樹脂組成物は、電気機器部品、例えば、コイル、ICチップ等の封止、被覆、絶縁等に適用すれば優れた特性と信頼性を付与することができる。中でも絶縁信頼性の要求されるモールドコイル、特にイグニッションコイルを注形含浸するのに好ましく使用することができる。
本発明のコイル含浸用樹脂組成物のコイル含浸性は、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上とすることができる。また、上記樹脂組成物の粘度は、B型粘度計を用いて測定することができ、110℃、回転速度30rpmの条件で測定した値は、好ましくは5.0〜8.0Pa・sであり、より好ましくは5.5〜7.5Pa・sである。さらに、上記樹脂組成物を硬化してなる硬化物のJIS R 2616(2001)に準拠する方法により測定した熱伝導率は、好ましくは1.5W/m・K以上、より好ましくは1.6W/m・K以上とすることができる。また、上記樹脂組成物を硬化してなる硬化物のJIS C 2105(2006)に準拠する方法により測定した絶縁破壊電圧は、好ましくは30kV/mm以上、より好ましくは31kV/mm以上とすることができる。
<コイル製品の製造方法>
本発明のコイル製品の製造方法は、上述したコイル含浸用エポキシ樹脂組成物をコイルに注入し含浸させ、該樹脂組成物を加熱硬化させることを特徴とする。該樹脂組成物を加熱硬化させる条件は特に限定されないが、例えば、加熱温度を好ましくは100〜300℃、より好ましくは100〜200℃で、加熱時間を好ましくは0.5〜8時間、より好ましくは1〜5時間とすることができる。
<イグニッションコイル>
本発明のイグニッションコイルは、上述したコイル含浸用エポキシ樹脂組成物の硬化物で絶縁されてなるものである。このようなイグニッションコイルとしては、直径2.0cm以下のプラスチックケース中に配置された、直径50μm以下の被覆銅線を鉄心に巻いたコイルをコイル含浸用エポキシ樹脂組成物によって含浸、硬化させてなるペンタイプのイグニッションコイル、及び約4.0cm角のプラスチックケース中に配置された、直径30μm以下の被覆銅線を鉄心に巻いたコイルをコイル含浸用エポキシ樹脂組成物によって含浸、硬化させてなる矩形タイプのイグニッションコイルが挙げられる。このイグニッションコイルにおける樹脂組成物の樹脂占有体積割合は30%以下であることが好ましい。
イグニッションコイルとしては、磁気コア、1次コイル及び2次コイルを備えたコイル本体に、本発明のコイル含浸用エポキシ樹脂組成物により注形、含浸させて得られるコイル製品を用いることが、該コイル含浸用エポキシ樹脂組成物の特性を生かすことができ、コイル特性も優れたものとなる点から好ましい。
なお、上記コイル製品は、コイル等の電気・電子部品に対し、例えば、該コイル含浸用エポキシ樹脂組成物を2液性のエポキシ樹脂における常法に従い注形し、硬化させることにより製造することもできる。
次に実施例により、本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
表1の主剤の欄に記載の種類及び配合量の各成分を130℃に加熱した万能混合機に投入し、1時間、真空下で混合することにより主剤を調製した。
次に、表1の硬化剤の欄に記載の種類及び配合量の各成分を60℃に加熱した万能混合機に投入し、1時間、真空下で混合することにより硬化剤を調製した。
上記主剤100質量部に対して、上記硬化剤22質量部を、万能混合機を用いて混合してコイル含浸用エポキシ樹脂組成物を調製した。
コイル含浸用エポキシ樹脂組成物の調製に使用した表1に記載の各成分の詳細は以下のとおりである。
(主剤)
<エポキシ樹脂>
〔(A)成分〕
・YX4000:結晶性エポキシ樹脂、三菱化学(株)製、商品名
・HP−4032D:結晶性エポキシ樹脂、DIC(株)製、商品名
〔(A)成分以外のエポキシ樹脂〕
・エポミック(登録商標)R140P:ビスフェノールA型エポキシ樹脂、三井化学(株)製、商品名
・セロキサイド2021P:脂環式エポキシ樹脂、(株)ダイセル製、商品名
<フィラー>
〔(D)成分〕
・C40−C1:球状クリストバライト、(株)アドマテックス製、商品名、数平均粒径30μm
・TS15−103−20:球状クリストバライト、新日鉄住金マテリアルズ(株)製、商品名、数平均粒径10μm
〔(D)成分以外のフィラー〕
・CR−30:破砕クリストバライト、瀬戸窯業原料(株)製、商品名、平均粒径30μm
・FB−20D:溶融球状シリカ、デンカ(株)製、商品名、平均粒径23μm
<その他の成分>
・TSA720:消泡剤、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ(株)製、商品名
・A−187:エポキシシランカップリング剤、(株)NUC製、商品名
・ECB602:着色剤、アデカ工業(株)製、製品名
・BYK410:チクソ性付与剤、ビックケミー・ジャパン(株)製、製品名
(硬化剤)
<酸無水物(液状酸無水物)>
〔(B)成分〕
・WW:メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ポリント製、商品名
<硬化促進剤>
〔(C)成分〕
・カオーライザーNo.20:ベンジルジメチルアミン(BDMA)、花王(株)製、商品名
<フィラー>
〔(D)成分〕
・C40−C1:球状クリストバライト、(株)アドマテックス製、商品名、数平均粒径30μm
〔(D)成分以外のフィラー〕
・CR−30:破砕クリストバライト、瀬戸窯業原料(株)製、商品名、平均粒径30μm
・FB−20D:溶融球状シリカ、デンカ(株)製、商品名、平均粒径23μm
<その他の成分>
・TSA720:消泡剤、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ(株)製、商品名
以下に示す測定条件により、実施例1〜6、及び比較例1〜5で調製したコイル含浸用エポキシ樹脂組成物特性、並びに硬化物特性の測定、及び評価を行った。なお、評価結果を表1に示した。
<評価項目>
(1)コイル含浸性
テストコイル(巻き線径40μm、巻き数22000)にコイル含浸用エポキシ樹脂組成物を真空注入し、100℃で3時間、その後150℃で3時間、加熱硬化させた。この加熱硬化処理後のテストコイルを切断し、含浸状態を観察し、テストコイルへの該樹脂組成物の含浸率を下記の式より算出した。なお、含浸率80%以上を合格とした。
含浸率(%)=[(含浸部位面積)/(全巻き線面積)]×100
(2)粘度
コイル含浸用エポキシ樹脂組成物の粘度を、JIS Z 8803(2011)に準拠し、B型粘度計を用いて、110℃、回転速度30rpmの条件で測定した。
(3)熱伝導率
コイル含浸用エポキシ樹脂組成物を100℃で3時間、その後150℃で3時間、加熱硬化させて、サンプル片(縦150mm、横100mm、高さ15mm)を作製し、京都電子工業(株)製の熱伝導計を用いて、該サンプル片の熱伝導率をJIS R 2616(2001)に準拠し、温度25℃において測定した。なお、1.5W/m・K以上を合格とした。
(4)絶縁破壊電圧
コイル含浸用エポキシ樹脂組成物を100℃で3時間、その後150℃で3時間、加熱硬化させて、サンプル片(縦100mm、横100mm、高さ1mm)を作製し、東京精電(株)製の絶縁破壊試験機を用いて、該サンプル片の絶縁破壊電圧をJIS C 2105(2006)に準拠し、温度25℃において測定した。なお、30kV/mm以上を合格とした。
Figure 2018110192
これらの結果から、本発明のコイル含浸用エポキシ樹脂組成物は、作業性がよく、含浸性が良好な樹脂組成物であり、その硬化物は熱伝導率及び絶縁破壊電圧が高く、信頼性に優れるため、この樹脂組成物を用いて得られるイグニッションコイルは装置の信頼性が高いものである。
本発明のコイル含浸用エポキシ樹脂組成物は、電気機器部品、例えば、コイル、ICチップ等の封止、被覆、絶縁材料として極めて有用である。

Claims (5)

  1. (A)結晶性エポキシ樹脂、(B)酸無水物、(C)硬化促進剤、(D)球状クリストバライトを含むコイル含浸用エポキシ樹脂組成物。
  2. 前記(A)成分が、ビフェニル型エポキシ樹脂である請求項1に記載のコイル含浸用エポキシ樹脂組成物。
  3. 前記(D)成分の数平均粒径が1〜30μmであり、前記(D)成分の配合量が、前記(A)成分100質量部に対して500〜1800質量部である請求項1又は2に記載のコイル含浸用エポキシ樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のコイル含浸用エポキシ樹脂組成物をコイルに注入し含浸させ、該樹脂組成物を加熱硬化させるコイル製品の製造方法。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載のコイル含浸用エポキシ樹脂組成物の硬化物で絶縁されてなるイグニッションコイル。
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