JP2018109420A - 密封装置 - Google Patents

密封装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2018109420A
JP2018109420A JP2016256302A JP2016256302A JP2018109420A JP 2018109420 A JP2018109420 A JP 2018109420A JP 2016256302 A JP2016256302 A JP 2016256302A JP 2016256302 A JP2016256302 A JP 2016256302A JP 2018109420 A JP2018109420 A JP 2018109420A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seal member
peripheral surface
annular
resin seal
coil spring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016256302A
Other languages
English (en)
Inventor
勝好 佐久間
Katsuyoshi Sakuma
勝好 佐久間
英也 渡辺
Hideya Watanabe
英也 渡辺
浩二 渡部
Koji Watabe
浩二 渡部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nok Corp
Original Assignee
Nok Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nok Corp filed Critical Nok Corp
Priority to JP2016256302A priority Critical patent/JP2018109420A/ja
Publication of JP2018109420A publication Critical patent/JP2018109420A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Exhaust-Gas Circulating Devices (AREA)
  • Sealing Devices (AREA)

Abstract

【課題】弁体の振れや位置ズレを抑えるとともに、弁体を含む可動部を軽くして、摩耗の発生を抑えて長期に亘って低弁漏れを実現できる。【解決手段】本発明の密封装置は、ハウジング103と、ハウジング103内に移動可能に配置され、外周面104aに環状溝11が設けられた軸体104と、樹脂材料により円環状に形成された樹脂シール部材1と、樹脂シール部材1の内周面1bに接して配置され円環状に屈曲された円環状コイルバネ2とからなり、環状溝11内に配置されるシールリング10とを備え、樹脂シール部材1は、その外周面1aが、円環状コイルバネ2の弾性力によってハウジング103の内周面111bに押接され、その一方の側面部1cを環状溝11の側壁部11bに接触させてシールし、円環状コイルバネ2は、その内周部2aを、環状溝11の溝底11aに接触させ、その弾性力によって溝底11aを押圧して軸体を調心することを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、軸周を密封する密封装置に関し、より詳しくは、弁体の振れや位置ズレを抑えるとともに、弁体を含む可動部を軽くして、摩耗の発生を抑えて長期に亘って低弁漏れを実現できる密封装置に関する。
(従来技術)
密封装置が用いられるバタフライバルブの一例として、EGR(排気ガス再循環)バルブを用いて従来技術を説明する(特許文献2において、特許文献1を用いて以下の説明をしている)。
車両に搭載されるエンジンは、EGRガスを吸気側へ戻すEGR装置(排気ガス還流装置)を搭載する。
EGR装置は、
・エンジンの排気通路から排気ガスの一部を吸気通路へ導くためのEGR流路と、
・このEGR流路の開度を調整することで吸気側へ戻されるEGRガス量をコントロールするEGRバルブと、
・このEGRバルブの開度制御(具体的には、EGRバルブに搭載される電動アクチュエータの通電制御)を行なうECU(エンジン・コントロール・ユニットの略)と、
を備える。
従来技術におけるEGRバルブの具体例を、図11に示す概略図を参照して説明する。
なお、後述する〔発明を実施するための形態〕と同一符号は、同一機能物を示すものである。
図11のEGRバルブ101は、
・内部にEGR流路2の一部が形成されるハウジング103と、
・ハウジング103に対して回転自在に支持されるシャフト104と、
・このシャフト104に固定されてEGR流路2の開閉および開度調整を行なう弁体105と、
・シャフト104を介して弁体5を駆動する電動アクチュエータ106と、
を具備する(例えば、特許文献1参照)。
(従来技術の課題)
EGR流路2の開度調整を行なう弁体105は、シャフト104に溶接によって固定される。
また、シャフト104は、電動アクチュエータ106に用いられる歯車減速機109の最終ギヤ110とカシメ(図中に示す×印)により固定される。
このため、弁体105を含む可動部(具体的には、弁体105+シャフト104+最終ギヤ110)の重量が非常に重くなってしまう。
この重い可動部を支持する手段は、ハウジング103とシャフト104の間に配置されるボールベアリングJ1である。
ボールベアリングJ1から弁体105までは長く離れるため、ボールベアリングJ1と弁体105の間にメタルベアリングJ2やオイルシールJ3を配置しても、弁体105の振れ幅が非常に大きくなる。これに、シャフト104と弁体105の溶接バラツキが加わる。
このため、弁体105の外周縁にシールリング114を配置して、全閉時に弁体105の周囲の隙間を閉塞することで、初期の閉弁性能を確保している。
しかしながら、エンジン振動や車両振動等の影響、あるいは排気脈動等の影響により、非常に重い可動部(弁体105+シャフト104+最終ギヤ110等)が振動すると、「弁体105とシールリング114の間」および「シールリング114とEGR流路102の内壁(ノズルの内壁等)の間」で重可動エネルギー振動が生じ、振動の吸収箇所(接触箇所)において摩耗が進行する。即ち、重量物の振動によって摩耗が発生し易い状態になる。
このため、EGRバルブ101を長期に使用すると、シール部に摩耗が生じ、全閉時の、摩耗箇所を介するEGRガスの漏れに対し、更なる改善の余地があった。
なお、全閉時にEGRガスの漏れが生じると、EGRガスを吸気側へ戻さない運転状態(例えば、エンジン負荷が大きい運転状態など)にEGRガスが吸気側へ戻され、規定の新気量(ECUが要求する空気量)が確保できなることによる、エンジンの出力低下抑制や、排気ガスのエミッション悪化防止について更なる改良が求められた。
特開2007−285311号公報 特開2012−163017号公報
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、弁体の振れや位置ズレを抑えるとともに、弁体を含む可動部を軽くして、摩耗の発生を抑えて長期に亘って低弁漏れを実現できる密封装置を提供することにある。
本発明の他の課題は、以下の記載によって明らかとなる。
上記課題は、以下の各発明によって解決される。
請求項1の発明に係る密封装置は、
ハウジングと、
前記ハウジング内に移動可能に配置され、外周面に環状溝が設けられた軸体と、
樹脂材料により円環状に形成された樹脂シール部材と、前記樹脂シール部材の内周面に接して配置され円環状に屈曲された円環状コイルバネとからなり、前記環状溝内に配置されるシールリングとを備え、
前記樹脂シール部材は、その外周面が、前記円環状コイルバネの弾性力によって前記ハウジングの内周面に押接され、その一方の側面部を前記環状溝の側壁部に接触させてシールし、
前記円環状コイルバネは、その内周部を、前記環状溝の溝底に接触させ、その弾性力によって前記溝底を押圧して前記軸体を調心することを特徴とするものである。
請求項2の発明に係る密封装置は、請求項1記載の密封装置において、
前記軸体に取付けられ、前記ハウジング内の流路内に配置され、外周縁に円周溝が設けられた弁体と、
樹脂材料により円環状に形成された樹脂シール部材と、前記樹脂シール部材の内周面に接して配置され円環状に屈曲された円環状コイルバネとからなり、前記円周溝内に配置されるシールリングとを備え、
前記樹脂シール部材は、その外周面が、前記円環状コイルバネの弾性力によって前記流路の内壁面に押接され、その一方の側面部を前記円周溝の側壁部に接触させてシールし、
前記円環状コイルバネは、その内周部を、前記円周溝の溝底に接触させ、その弾性力によって前記溝底を押圧して前記弁を調心することを特徴とするものである。
請求項3の発明に係る密封装置は、請求項1又は2記載の密封装置において、 前記円環状コイルバネは、平板が巻回されて形成されており、外周面が平坦面となっていることを特徴とするものである。
請求項4の発明に係る密封装置は、請求項1、2又は3記載の密封装置において、前記樹脂シール部材は、その内周面及び他方の側面部に、シール対象となる気体又は流体の圧力を受けることを特徴とするものである。
請求項5の発明に係る密封装置は、請求項1〜4の何れかに記載の密封装置において、前記樹脂シール部材は、少なくとも1つのステップカット部を有していることを特徴とするものである。
請求項6の発明に係る密封装置は、請求項1〜5の何れかに記載の密封装置において、前記樹脂シール部材をなす材料は、耐熱性を有するエンジニアリングプラスチックであることを特徴とするものである。
請求項7の発明に係る密封装置は、請求項6記載の密封装置において、前記耐熱性を有するエンジニアリングプラスチックは、PTFE、PEEK又はPPSであることを特徴とするものである。
請求項8の発明に係る密封装置は、請求項1〜7の何れかに記載の密封装置において、前記樹脂シール部材は、その断面形状が、矩形状、内周面に突条を有するT字状、外周面に突条を有する凸字状、圧力を受ける側に開いたコ字状、又は、圧力を受ける側及び前記軸体側に開いたL字状であることを特徴とするものである。
本発明によれば、弁体の振れや位置ズレを抑えるとともに、弁体を含む可動部を軽くして、摩耗の発生を抑えて長期に亘って低弁漏れを実現できる密封装置を提供することができる。
本発明の密封装置を用いたEGRシステムのバタフライバルブを示す断面図 図1に示す密封装置の構成の一例を示す拡大断面図 図2に示す密封装置の正面図 図2に示す密封装置の斜視図 本発明の密封装置の他の構成を示す正面図 ステップカットシールリングの形状を示す斜視図 シールリングの横断面形状をT字状とした密封装置の一例を示す断面図 シールリングの横断面形状を凸字状とした密封装置の一例を示す断面図 シールリングの横断面形状をコ字状とした密封装置の一例を示す断面図 シールリングの横断面形状を逆L字状とした密封装置の一例を示す断面図 従来のバタフライバルブを示す断面図
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
本発明の密封装置は、前述した車両のEGRシステムにおけるバタフライバルブや、その他種々の装置に使用される。図1は、本発明の密封装置を用いたEGRシステムのバタフライバルブを示す断面図である。
EGRシステムのバタフライバルブは、図1に示すように、円筒状の流路102が形成されているハウジング103を有している。流路102は、図示しないエキゾーストマニホールドとインテークマニホールドとを連通させている。
このバタフライバルブ101は、流路102を閉塞させ得る円盤状の弁体105と、この弁体105に取付けられた軸体(シャフト)104とから構成されている。軸体104は、弁体105の円形の平面部に沿って、中心線を通って取付けられており、両端部分を弁体105の両側に延在させている。
弁体105は、流路102内に配置されている。ハウジング103には、弁体105が配置される位置において流路102と直交して、軸体挿入孔111が設けられている。軸体挿入孔111は、軸体104の外径に対応した内径を有しており、流路102より細い。軸体挿入孔111は、流路102の両側に分かれて形成されている。
軸体挿入孔111には、軸体104が挿通されている。軸体104は、弁体105の一方側に延在させた部分を流路102の一方側の軸体挿入孔111に挿通させ、弁体105の他方側に延在させた部分を流路102の他方側の軸体挿入孔111に挿通させている。軸体104は、両端側の小径部104b,104cを、流路102の両側において、軸受112,113により回転可能に支持されている。
軸体104が軸回りに回転すると、弁体105が流路102内において回転される。弁体105は、円形の平面部の中心線を軸として回転され、流路102を開閉する。弁体105の外周縁には、流路102の内周面に摺接されるシールリングが取付けられている。
軸体104は、一端部104dを、軸体挿入孔111の開放端111aからハウジング103の外部に突出させている。この他端部104dには、レバー114が取り付けられている。このレバー114に図示しない電動アクチュエータからの駆動力が作用することにより、軸体104は、その軸心周りに回転操作される。軸体104の回転角度に応じて、弁体105は、流路102の流路断面積を変化させる。
ハウジング103に設けられた軸体挿入孔111と、この軸体挿入孔111に挿通された軸体104との間には、密封装置を構成するシールリング10が設けられている。シールリング10は、流路102の両側にそれぞれ設けられている。これらシールリング10は、軸体挿入孔111と軸体104との間の空隙から、シール対象となる流路102内の気体(排気ガス)が漏出しないようにするためのものである。
図2は、図1に示す密封装置の構成の一例を示す拡大断面図、図3は、図2に示す密封装置の正面図、図4は、同上の斜視図である。
シールリング10は、図1及び図2に示すように、軸体104の外周面に形成された環状溝11内に配置されている。環状溝11は、軸体104の周方向に沿って全周に亘って形成されている。
シールリング10は、図2乃至図4に示すように、樹脂シール部材1を有している。樹脂シール部材1は、樹脂材料により、円環状に形成されている。樹脂シール部材1は、横断面が矩形状となっている。樹脂シール部材1は、樹脂材料を切削加工等によって円環状に成形したものである。
樹脂シール部材1は、自然状態(軸体104がハウジング103の外にあるとき)において、その内径が軸体104の外径(環状溝11ではない部分の外径)よりも小径であり、その外径が軸体104の外径(環状溝11ではない部分の外径)よりも大径である。したがって、この樹脂シール部材1を環状溝11内に配置した状態では、外周面1aが軸体104の外周面104a(環状溝11ではない部分)よりも外方側に突出し、内周面1bが環状溝11内に位置する。したがって、樹脂シール部材1は、環状溝11から抜け落ちることはない。
流路102内は排ガスによる約200℃の高温環境になることから、樹脂シール部材1は、耐熱性を有するエンジニアリングプラスチックが好ましく、例えば、耐熱性及び摺動性に優れたフッ素樹脂であるPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)により形成されていることが好ましい。また、樹脂シール部材1をなす材料としては、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)やPPS(ポリフェニレンサルファイド)が好ましい。
これらの材料により樹脂シール部材1を形成することにより、EGRシステムのような高温環境下でも、十分な耐熱性を有し、シール性を確保することができる。
樹脂シール部材1の内周側には、樹脂シール部材1の内周面1bに接して円環状コイルバネ2が配置されている。この円環状コイルバネ2は、ステンレス線や鋼線等から形成されたコイルバネであって、円環状に屈曲されている。この円環状コイルバネ2は、通常のコイルバネの軸心を円環状に屈曲させることによって形成することができる。
円環状コイルバネ2の線径は、例えば、0.05〜0.10mm程度である。コイルのピッチ(周方向の間隔)及びコイル径(円環状コイルバネ2の円環内外半径差)は特に限定されない。ただし、コイル径(円環状コイルバネ2の円環内外半径差)は、樹脂シール部材1が自然状態であるときの内周面1bと円周溝11の底部11aとの間隔H以上となっている。
このような形状の円環状コイルバネ2は、例えば、鋼線をコイル状に巻回し、このコイルの軸心を円環状に屈曲させることにより作成できる。これを焼き入れすることにより、弾性を有する円環状コイルバネ2が作成できる。
円環状コイルバネ2は、その円環内周部2aを、軸体104の環状溝11の溝底11aに接触させて配置される。円環状コイルバネ2は、環状溝11内において、環状溝11の溝底11aと樹脂シール部材1の内周面1bとに挟まれて押圧される。したがって、円環状コイルバネ2は、図2中矢印Sで示すように、弾性力によって樹脂シール部材1の内周面1bを押圧する。また、円環状コイルバネ2は、図2中矢印Cで示すように、弾性力によって環状溝11の溝底11aを押圧する。
円環状コイルバネ2が自然状態であるとき(軸体104がハウジング103の外にあるとき)には、樹脂シール部材1の外周面1aは、軸体104がハウジング103内に装着されたときの軸体挿入孔111の内周面111bの位置よりも、図2中矢印Pで示すしめ代分だけ外方側に突出する。樹脂シール部材1の外周面1aが軸体挿入孔111の内周面111bに押圧され、しめ代分Pだけ軸体104側に押圧されることにより、円環状コイルバネ2の弾性力によって、樹脂シール部材1の外周面1aが、軸体挿入孔111の内周面111bに押接される。
また、樹脂シール部材1は、図2中矢印Gで示すように、流路102側の側面部1dに流路102内の気体の圧力を受け、流路102から遠い側の側面部1cが環状溝11の側壁部11bに押接される。樹脂シール部材1は、その外周面1aと軸体挿入孔111の内周面111bとの押接(矢印S)、及び、側面部1dと環状溝11の側壁部11bとの押接(矢印G)により、シール性を発揮する。
PTFE、PEEK及びPPSは、ともに高PV化された材料であって、このシールリング10においては、良好なシール性が確保される。特に、PEEKは、中でも高PV化された材料であるため、高PV値の摺動条件下でも良好に使用できる。
なお、円環状コイルバネ2に代えて、ゴム材料からなるOリングを用いても、良好なシール性を確保することはできる。しかし、EGRシステムにおける密封装置のような高温環境下では、ゴム材料では耐熱性が不十分であり、使用することはできない。
そして、円環状コイルバネ2は、図2中矢印Cで示すように、弾性力によって環状溝11の溝底11aを軸体104の全周に亘って均等に押圧している。したがって、円環状コイルバネ2は、軸体104に対する調心作用を有する。すなわち、軸体104の軸体挿入孔111に対する偏心が生ずると、軸心が寄った側において円環状コイルバネ2が圧縮されて弾性力が大きくなり、逆に、軸心が離れた側において円環状コイルバネ2の弾性力が小さくなる。このような円環状コイルバネ2の弾性力の偏りにより、軸体104は、軸体挿入孔111の中心位置に戻される。軸体104が軸体挿入孔111の中心位置に戻ると、円環状コイルバネ2の弾性力は、軸体104の全周に亘って均等になる。
このような円環状コイルバネ2の調心作用により、軸体104の心振れを防止し、弁体105の振れや位置ズレを防止することができる。
このシールリング10を軸体104に装着するには、まず、軸体104がハウジング103の外にある状態で、円環状コイルバネ2を軸体104の環状溝11内に装着する。このとき、円環状コイルバネ2の軸心を伸ばして、その内周部2aの内径を軸体104の外径(環状溝11ではない部分の外径)よりも大きくして、軸体104に挿入する。次いで、この円環状コイルバネ2を環状溝11の位置までずらすことにより、円環状コイルバネ2は、環状溝11内に装着される。
次に、軸体104がハウジング103の外にある状態で、樹脂シール部材1を軸体104の環状溝11内に装着する。このとき、樹脂シール部材1の周長を伸ばして、その内周面1bの内径を軸体104の外径(環状溝11ではない部分の外径)よりも大きくして、軸体104に挿入する。次いで、この樹脂シール部材1を環状溝11の位置までずらすことにより、樹脂シール部材1は、環状溝11内に装着される。このとき、樹脂シール部材1は、円環状コイルバネ2の外周側に、円環状コイルバネ2に重ねられた状態となる。
円環状コイルバネ2及び樹脂シール部材1は、軸体104の軸方向については、環状溝11の側壁部11b、11cとの間の距離(円環状コイルバネ2のコイル径及び樹脂シール部材1の幅と環状溝11の幅との差)分しか移動することがない。したがって、円環状コイルバネ2及び樹脂シール部材1は、環状溝11の側壁部11b、11cとの間の距離を短くすることにより、軸体104の軸方向について位置決めされる。
円環状コイルバネ2及び樹脂シール部材1は、それぞれ自然状態においてはその内径が軸体104の外径(環状溝11ではない部分の外径)よりも小さいので環状溝11から抜け落ちることはない。また、円環状コイルバネ2のコイル径(円環状コイルバネ2の内外半径差)は、樹脂シール部材1が自然状態であるときの内周面1bと溝底11aとの間隔以上となっているので、円環状コイルバネ2は、樹脂シール部材1により軸体104の軸心側に押圧され、環状溝11の溝底11aに接触される。
そして、軸体104を軸体挿入孔111内に装着すると、樹脂シール部材1の外周面1aが軸体挿入孔111の内周面111bにより、しめ代分Pだけ軸体104側に押圧され、円環状コイルバネ2の弾性力(復元力)によって、樹脂シール部材1の外周面1aが、軸体挿入孔111の内周面111bに押接される。
このシールリング10においては、円環状コイルバネ2の弾性力によって樹脂シール部材1が相手面である軸体挿入孔111の内周面111bに密着され、無圧環境下でもシール性を確保できる。また、密封対象が排ガス等の気体であっても、相手面との間の微小な隙間を埋めるようなシール性を十分に確保することができる。
EGRシステムにおいては、シールリング10の密封度が高いことにより、排ガス中の窒素酸化物(NO)の低減や、部分負荷時の燃費向上が達成される。
また、このシールリング10においては、樹脂シール部材とゴム材料からなるOリングとを組み合わせた従来のシールリングと異なり、樹脂シール部材1は、その側面部1dのみならず内周面1bにも、流路102内の気体の圧力を受ける。したがって、流路102内の気体の圧力は、樹脂シール部材1の流路102から遠い側の側面部1cと環状溝11の側壁部11bとの押接(図2中矢印G)のみならず、樹脂シール部材1の外周面1aと軸体挿入孔111の内周面111bとの押接(図2中矢印S)にも作用する。すなわち、樹脂シール部材1の外周面1aと軸体挿入孔111の内周面111bとは、円環状コイルバネ2の弾性力と、流路102内の気体の圧力との両方の作用によって押接され、強いシール性を発揮することができる。
さらに、このシールリング10においては、円環状コイルバネ2の弾性力は、コイルの径方向であればいずれの方向であっても等しく作用するため、樹脂シール部材1と円環状コイルバネ2との間に位置ずれが生じても、樹脂シール部材1に対する押圧力が変化しないため、常に良好なシール性を発揮することができる。
図5は、本発明の密封装置の他の構成を示す正面図である。
このシールリング10の円環状コイルバネ2は、図5に示すように、平板を巻回して形成し、外周面を平坦面としたものとしてもよい。平板の厚さは、例えば、0.03〜0.07mm程度である。この場合には、円環状コイルバネ2は、コイルの外周部が平坦面であることにより、樹脂シール部材1に対する接触面積が大きくなるので、樹脂シール部材1の局所的な横断面変形を防止することができ、良好なシール性を維持させることができる。
図6は、ステップカットシールリングの形状を示す斜視図である。
なお、樹脂シール部材1は、図6に示すように、少なくとも1つのステップカット部31を有するステップカットシールリングとしてもよい。ステップカット部31は、樹脂シール部材1をなす円環が切断されている箇所であり、その切断面が、周方向に位置の異なる複数の横断面31a、31b、31cを有している。ステップカット部31において対向する切断面は、周方向の位置が互いに異なっており、いずれかが周方向への突出部の先端となっており、突出部の切断面を突出していない切断面に対向させ、互いに組み合った状態となっている。
この樹脂シール部材1は、円環状コイルバネ2の弾性力によって外周側に拡径され、ステップカット部31において対向する切断面が互いに離反されたときにも、周方向への突出部同士が重なっているため、シール状態を維持することができる。
さらに、樹脂シール部材1は、その横断面形状を、矩形状の他に、内周面1bに突条を有するT字状、外周面1aに突条を有する凸字状、流路102側(圧力を受ける側)に開いたコ字状、又は、流路102及び軸体104側に開いた逆L字状とすることができる。
図7は、シールリングの横断面形状をT字状とした密封装置の一例を示す断面図である。
図7に示すように、樹脂シール部材1の横断面形状を、内周面1bに突条1eを有するT字状とした場合には、内周側の突条(リブ)1eが樹脂シール部材1の形状を維持するための補強部となるので、樹脂シール部材1を薄肉化してもシール性を維持することができる。
そして、このシールリング10においては、樹脂シール部材1が薄肉であることにより、流路102内の気体の圧力が樹脂シール部材1の外周面1aと軸体挿入孔111の内周面111bとの押接(図7中矢印S)に良好に作用し、強いシール性を発揮することができる。また、このシールリング10においては、流路102内の気体の圧力が突条1eの両側面に均等にかかることにより、樹脂シール部材1内に応力歪みが生ずることがなく、樹脂シール部材1を薄肉化してもシール性を維持することができる。
図8は、シールリングの横断面形状を凸字状とした密封装置の一例を示す断面図である。
図8に示すように、樹脂シール部材1の横断面形状を、外周面1aに突条1eを有する凸字状とした場合には、外周側の突条(リブ)1eが樹脂シール部材1の形状を維持するための補強部となるので、樹脂シール部材1を薄肉化してもシール性を維持することができる。また、軸体挿入孔111の内周面111bへの当接面(突条1eの先端面)の面積が狭いことにより、内周面111bとの間の摩擦が低減され、軸体104を回転させるために要するトルクを低減することができる。
図9は、シールリングの横断面形状をコ字状とした密封装置の一例を示す断面図である。
図9に示すように、樹脂シール部材1の横断面形状を、流路102側(圧力を受ける側)に開いたコ字状とした場合には、流路102内の気体の圧力が、樹脂シール部材1の外周面1aと軸体挿入孔111の内周面111bとの押接(図9中矢印S)、及び、樹脂シール部材1の流路102から遠い側の側面部1cと環状溝11の側壁部11bとの押接(図9中矢印G)の双方に良好に作用し、強いシール性を発揮することができる。
図10は、シールリングの横断面形状を逆L字状とした密封装置の一例を示す断面図である。
図10に示すように、樹脂シール部材1の横断面形状を、流路102及び軸体104側に開いた逆L字状(流路102から遠い側に突条1eを有する形状)とした場合には、流路102内の気体の圧力が、樹脂シール部材1の外周面1aと軸体挿入孔111の内周面111bとの押接(図10中矢印S)、及び、樹脂シール部材1の流路102から遠い側の側面部1cと環状溝11の側壁部11bとの押接(図10中矢印G)の双方に良好に作用し、強いシール性を発揮することができる。
ところで、本発明の密封装置は、バタフライバルブ101の弁体105の外周縁に設けられるシールリングとしても使用することができる。この場合には、弁体105の外周縁に円周溝を設けて、この円周溝内に、前述したように円環状コイルバネ及び樹脂シール部材を配置する。樹脂シール部材は、その外周面が、円環状コイルバネの弾性力によって流路102の内壁面に押接され、その一方の側面部を円周溝の側壁部に接触させる。円環状コイルバネは、その内周部を、円周溝の溝底に接触させ、その弾性力によって溝底を押圧する。
このシールリングは、弁体105の全閉時に弁体105の周囲の隙間を閉塞することで、初期の閉弁性能を確保する。また、このシールリングの使用により、弁体105を含む可動部を軽くし、また、円環状コイルバネの調心作用により軸体104の心振れを防止し、弁体105の振れや位置ズレを防止することができ、摩耗の発生を抑えて長期に亘って低弁漏れを実現することができる。
1 樹脂シール部材
1a 外周面
1b 内周面
1c 側面部
2 円環状コイルバネ
2a 内周部
10 シールリング
11 環状溝
11a 溝底
11b 側壁部
101 バタフライバルブ
102 流路
103 ハウジング
111b 内周面
104 軸体
104a 外周面
105 弁体

Claims (8)

  1. ハウジングと、
    前記ハウジング内に移動可能に配置され、外周面に環状溝が設けられた軸体と、
    樹脂材料により円環状に形成された樹脂シール部材と、前記樹脂シール部材の内周面に接して配置され円環状に屈曲された円環状コイルバネとからなり、前記環状溝内に配置されるシールリングとを備え、
    前記樹脂シール部材は、その外周面が、前記円環状コイルバネの弾性力によって前記ハウジングの内周面に押接され、その一方の側面部を前記環状溝の側壁部に接触させてシールし、
    前記円環状コイルバネは、その内周部を、前記環状溝の溝底に接触させ、その弾性力によって前記溝底を押圧して前記軸体を調心することを特徴とする密封装置。
  2. 前記軸体に取付けられ、前記ハウジング内の流路内に配置され、外周縁に円周溝が設けられた弁体と、
    樹脂材料により円環状に形成された樹脂シール部材と、前記樹脂シール部材の内周面に接して配置され円環状に屈曲された円環状コイルバネとからなり、前記円周溝内に配置されるシールリングとを備え、
    前記樹脂シール部材は、その外周面が、前記円環状コイルバネの弾性力によって前記流路の内壁面に押接され、その一方の側面部を前記円周溝の側壁部に接触させてシールし、
    前記円環状コイルバネは、その内周部を、前記円周溝の溝底に接触させ、その弾性力によって前記溝底を押圧して前記弁体を調心することを特徴とする請求項1記載の密封装置。
  3. 前記円環状コイルバネは、平板が巻回されて形成されており、外周面が平坦面となっていることを特徴とする請求項1又は2記載の密封装置。
  4. 前記樹脂シール部材は、その内周面及び他方の側面部に、シール対象となる気体又は流体の圧力を受けることを特徴とする請求項1、2又は3記載の密封装置。
  5. 前記樹脂シール部材は、少なくとも1つのステップカット部を有していることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の密封装置。
  6. 前記樹脂シール部材をなす材料は、耐熱性を有するエンジニアリングプラスチックであることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の密封装置。
  7. 前記耐熱性を有するエンジニアリングプラスチックは、PTFE、PEEK又はPPSであることを特徴とする請求項6記載の密封装置。
  8. 前記樹脂シール部材は、その断面形状が、矩形状、内周面に突条を有するT字状、外周面に突条を有する凸字状、圧力を受ける側に開いたコ字状、又は、圧力を受ける側及び前記軸体側に開いたL字状であることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の密封装置。
JP2016256302A 2016-12-28 2016-12-28 密封装置 Pending JP2018109420A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016256302A JP2018109420A (ja) 2016-12-28 2016-12-28 密封装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016256302A JP2018109420A (ja) 2016-12-28 2016-12-28 密封装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018109420A true JP2018109420A (ja) 2018-07-12

Family

ID=62845162

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016256302A Pending JP2018109420A (ja) 2016-12-28 2016-12-28 密封装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2018109420A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101988402B1 (ko) * 2017-12-11 2019-06-12 평화오일씰공업 주식회사 코일 스프링 조립체 및 이를 구비한 오일 씰

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4863829U (ja) * 1971-11-17 1973-08-14
JP2009293753A (ja) * 2008-06-09 2009-12-17 Nok Corp シールリングおよびこれを有するシール構造
JP2012525555A (ja) * 2009-04-28 2012-10-22 バル・シール・エンジニアリング・インコーポレイテッド 多層状傾斜コイルばねおよび関連する方法
WO2014129505A1 (ja) * 2013-02-20 2014-08-28 Nok株式会社 密封装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4863829U (ja) * 1971-11-17 1973-08-14
JP2009293753A (ja) * 2008-06-09 2009-12-17 Nok Corp シールリングおよびこれを有するシール構造
JP2012525555A (ja) * 2009-04-28 2012-10-22 バル・シール・エンジニアリング・インコーポレイテッド 多層状傾斜コイルばねおよび関連する方法
WO2014129505A1 (ja) * 2013-02-20 2014-08-28 Nok株式会社 密封装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101988402B1 (ko) * 2017-12-11 2019-06-12 평화오일씰공업 주식회사 코일 스프링 조립체 및 이를 구비한 오일 씰

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5452489B2 (ja) 高温ボールバルブシール
WO2017077816A1 (ja) シールリング
JP2011043218A (ja) 流体制御弁
CN111566397B (zh) 偏心型蝶形阀
WO2016067464A1 (ja) 流体制御バルブ
JP7178178B2 (ja) シールリング
US11085543B2 (en) Butterfly valve including a valve body, shaft, groove portion and seal ring
JP2019039441A (ja) 複合シールリング
JP2011196464A (ja) ボール弁型バルブ装置
JP2011179625A (ja) ボールバルブ
JP2008106823A (ja) シール構造
JP2018109420A (ja) 密封装置
JP2018109421A (ja) 密封装置
JP5548555B2 (ja) 排気弁用軸封構造
JP2018109419A (ja) 密封装置
WO2020090180A1 (ja) 密封装置
JP4469637B2 (ja) 内燃機関の排気制御装置
CN220622838U (zh) 阀结构、热管理系统及车辆
JP2021116822A (ja) 弁装置
JP7354961B2 (ja) 複合シールリング
WO2020213544A1 (ja) バルブ装置
JP7107237B2 (ja) バタフライバルブ
CN117090972A (zh) 阀结构、热管理系统及车辆
JP2008255979A (ja) 流量制御弁
JP2012127207A (ja) バタフライバルブ

Legal Events

Date Code Title Description
RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20181116

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191107

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20201028

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201104

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20210510