JP2018107284A - 電気的接続構造及び電気的接続方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の一態様に係る電気的接続構造は、板状導体と、この板状導体に重ね合わされる配線板の導電パターンとの電気的な接続構造であって、上記配線板が、平面視内部領域に形成され、導電パターンが露出するランドと、平面視で上記ランドの内側から配線板の外縁に至るスリットとを有し、上記ランドの表面と、ランドの内側でスリットから露出する板状導体の表面とに連続して配設される半田又は導電性ペーストを備える。
以下、本発明の各実施形態について図面を参照しつつ詳説する。
図1及び図2に、本発明の一実施形態に係る電気的接続構造を示す。当該電気的接続構造は、板状導体1と、この板状導体1に重ね合わされる配線板2の導電パターン3とを半田4を用いて電気的に接続する構造である。
板状導体1は、ランド5に比して面積が十分に大きい板状の導体である。このような板状導体1としては、例えば蓄電池の電極間を接続するバスバー、リジッドプリント配線板のランド部等が挙げられる。
配線板2は、絶縁性を有する基材層7を有し、この基材層7の表面(板状導体1に当接する面と反対側の面)に導電パターン3が形成されたものとされる。この配線板2は、典型的には可撓性を有するフレキシブルプリント配線板とされる。また、配線板2は、導電パターン3の表面側に積層されるカバーレイ8をさらに有する。
基材層7は、十分な絶縁性及び強度を有するものであればよいが、典型的には樹脂フィルムが用いられる。この基材層7を形成する樹脂フィルムの主成分としては、例えばポリイミド、液晶ポリマー、フッ素樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等を挙げることができる。また、基材層7の材質としては、樹脂フィルム以外に、紙フェノール、紙エポキシ、ガラスコンポジット、ガラスエポキシ、テフロン(登録商標)、ガラス基材等のリジッド材、硬質材料と軟質材料とを複合したリジッドフレキシブル材を用いることが可能である。これらの中でも、絶縁性及び強度に優れるポリイミドが特に好ましい。
導電パターン3は、ランド5を含む電気回路の少なくとも一部分を形成する。導電パターン3が形成する電気回路は、ランド5において板状導体1に電気的に接続され、例えば板状導体1を流れる電流を監視又は制御するために用いられる回路を構成することができる。
ランド5は、カバーレイ8の開口によって画定されている。つまり、ランド5のスリット6以外の外縁は、カバーレイ8によって画定されることが好ましい。これにより、半田4がランド5のスリット6を除く外縁の外側(ランド5の外周面やランド5から延びる配線部の表面)に流れ出ることが防止され、ランド5と板状導体1とを接続するのに寄与する半田4の量が減少することを抑制できる。
スリット6は、一端がランド5の内側に配置され、他端が配線板2の外縁に開放される。このスリット6は、直線的に形成されていることが好ましい。また、スリット6は、少なくともランド5の外側において略一定の幅で形成されることが好ましい。これにより、半田4がスリット6内の板状導体1の表面に対する接着が容易となる。一方、スリット6のランド5内の端部の外縁の形状としては、ランド5の外縁からの間隔が略一定となる形状であることが好ましい。これにより、ランド5の表面に接着される半田4の表面張力が偏って作用することによるランド5上の半田4とスリット6内の半田4との分断を抑制することができる。なお、「略一定」とは、最大値と平均値との差及び最小値と平均値との差が平均値の10%以下、好ましくは5%以下であることを意味する。
半田4は、ランド5の表面及びスリット6内に露出する板状導体1の表面の上に表面張力によって上に凸状になるよう盛り付けられる。従って、半田4の容積としては、スリット6及びカバーレイ8の開口の容積の合計以上とすることが好ましい。
当該電気的接続構造は、ランド5の表面と、ランド5の内側でスリット6から露出する板状導体1の表面とに連続して配設される半田4を備えることによって、半田4の配設時にスリット6から板状導体1の表面に沿って側方に空気を逃がすことができるので、半田4を比較的容易に板状導体1に密着させられる。また、当該電気的接続構造は、スリット6が上記ランドの内側から延出して配線板2の外縁に至ることによって、半田4と板状導体1との接続状態を比較的容易に確認することができる。このため当該電気的接続構造は、板状導体と配線板の導電パターンとの電気的な接続が比較的確実である。
図3に、図1の電気的接続構造を備える蓄電池を示す。この蓄電池は、複数のバッテリーセル9と、バッテリーセル9の電極を直列に接続するよう並んで配設されるバスバーである複数の板状導体1と、この複数の板状導体1に積層され、板状導体1を流れる電流を制御する制御回路の少なくとも一部分を構成する配線板2とを備える。
図4及び図5に、本発明の別の実施形態に係る電気的接続構造を示す。当該電気的接続構造は、板状導体1と、この板状導体1に重ね合わされる配線板2aの導電パターン3aとを導電性ペースト10を用いて電気的に接続する構造である。
配線板2aは、絶縁性を有する基材層7を有し、この基材層7の表面(板状導体1に当接する面と反対側の面)に導電パターン3aが形成されたものとされる。なお、本実施形態の配線板2aは、カバーレイを有していない。
導電パターン3aは、ランド5aを含む電気回路の少なくとも一部分を形成する。図4の電気的接続構造における導電パターン3aは、その外縁形状によってランド5aの外縁を画定する。
図4の電気的接続構造におけるランド5aは、図1の電気的接続構造におけるランド5とは、スリット6aの形状が異なることにより内縁の形状が異なっている。
スリット6aは、一端がランド5aの内側に配置され、他端が配線板2aの外縁に開放される。図4の電気的接続構造におけるスリット6aは、ランド5a内の端部が平面視で大きくなっており、その端部外縁が、平面視でランド5aの外形から略一定の間隔となるよう形成されている。
導電性ペースト10は、導電性粒子及びそのバインダーを含むものとされる。また、導電性ペースト10は、バインダーを硬化させる硬化剤を含有してもよく、さらに例えば増粘剤、レベリング剤等の助剤を含有してもよい。
コンフォーマルコート層11は、導電性ペースト10及び導電パターン3aを保護する層であり、防湿性及び絶縁性を備える材料から形成することができる。
当該電気的接続構造は、導電性ペースト10の配設時にスリット6aから板状導体1の表面に沿って側方に空気を逃がすことができるので、導電性ペースト10を比較的容易に板状導体1に密着させられる。また、当該電気的接続構造は、スリット6aが上記ランドの内側から延出して配線板2aの外縁に至ることによって、導電性ペースト10と板状導体1との接続状態を比較的容易に確認することができる。このため当該電気的接続構造は、板状導体と配線板の導電パターンとの電気的な接続が比較的確実である。
本発明のさらに別の実施形態に係る電気的接続方法は、板状導体1と、板状導体1に重ね合わされる配線板2の導電パターン3との電気的な接続方法であって、図1及び図4のような電気的接続構造を形成する方法である。当該電気的接続方法の説明では、図1の電気的接続構造の構成要素を用いて説明するが、当該電気的接続方法において各構成の具体的形状等を図1の電気的接続構造における形状等に限定するものではない。
ランド形成工程では、導電パターン3を形成し、必要に応じてカバーレイ8を積層することによって、ランド5の外縁を画定する。このようなランド5の形成方法としては、従来のプリント配線板の製造方法を適用することができる。
スリット形成工程では、配線板2に、例えばレーザー加工、パンチ加工等によって、スリット6を形成する。
重ね合わせ工程では、板状導体1の表面に配線板2を重ね合わせ、好ましくは板状導体1に配線板2を固定する。この板状導体1と配線板2との固定方法としては、接着剤を用いる方法、熱圧着する方法等が適用できる。
半田又は導電性ペースト配設工程では、ランド5の表面及びスリット6の内部に半田4又は導電性ペーストを充填し、ランド5と板状導体1とを電気的に接続する。
当該電気的接続方法は、スリット形成工程を備えることによって、半田又は導電性ペースト配設工程でスリット6から空気を逃がすことができるので、半田4又は導電性ペーストを容易に板状導体1に接続でき、かつ半田4又は導電性ペーストと板状導体1との接続状態を容易に確認することができる。スリット形成工程でランド5の内側から延出するようスリット6を形成することによって、ランド5の表面の半田4又は導電性ペーストと、スリット内の板状導体1の表面の半田4又は導電性ペーストとが分断され難い。このため当該電気的接続方法は、板状導体1と配線板2の導電パターン3との電気的な接続が比較的確実である。
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
2,2a 配線板
3,3a 導電パターン
4 半田
5,5a ランド
6,6a スリット
7 基材層
8 カバーレイ
9 バッテリーセル
10 導電性ペースト
11 コンフォーマルコート層
Claims (6)
- 板状導体と、この板状導体に重ね合わされる配線板の導電パターンとの電気的な接続構造であって、
上記配線板が、
平面視内部領域に形成され、導電パターンが露出するランドと、
平面視で上記ランドの内側から配線板の外縁に至るスリットとを有し、
上記ランドの表面と、ランドの内側でスリットから露出する板状導体の表面とに連続して配設される半田又は導電性ペーストを備える電気的接続構造。 - 上記スリットがランドの重心位置を含む領域に形成されている請求項1に記載の電気的接続構造。
- 上記ランドの面積の上記スリットのランドの内側部分の面積に対する比が0.5以上10以下である請求項1又は請求項2に記載の電気的接続構造。
- 上記ランドの配線板の外縁からの離間距離がランドの平均径の0.2倍以上2.0倍以下である請求項1、請求項2又は請求項3に記載の電気的接続構造。
- 上記配線板がカバーレイを有し、上記ランドがカバーレイの開口により画定される請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電気的接続構造。
- 板状導体と、この板状導体に重ね合わされる配線板の導電パターンとの電気的な接続方法であって、
上記配線板の平面視内部領域に導電パターンが露出するランドを形成する工程と、
上記配線板に平面視で上記ランドの内側から配線板の外縁に達するスリットを形成する工程と、
上記板状導体に配線板を重ね合わせる工程と、
上記ランドの表面と、ランドの内側でスリットから露出する板状導体の表面とに半田又は導電性ペーストを連続して配設する工程と
を備える電気的接続方法。
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JP2016252063A JP2018107284A (ja) | 2016-12-26 | 2016-12-26 | 電気的接続構造及び電気的接続方法 |
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