JP2018105701A - 物体検知装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】残響に基づく物体の不要検知の抑制と、反射波に基づく物体検知性能の向上との両立を図ることができる物体検知装置を提供すること。【解決手段】超音波センサ30は、振動子から超音波を送信し前記振動子の振動に伴い受波信号を発生する。物体検知装置20は、超音波センサ30で受信された反射波に基づいて、移動体としての車両10の周囲に存在する物体を検知する。物体検知装置20は、前記振動子から前記超音波が送信された後の残響のうなり状態を検出するうなり検出部28と、うなり検出部28によるうなり状態の検出結果に基づいて、前記反射波に基づき前記物体を検知するときの条件を可変に設定する条件設定部29と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、超音波センサを用いて物体を検知する物体検知装置に関する。
従来、超音波センサを移動体に搭載して、移動体の周囲に存在する物体を検知するとともに、その検知結果に基づいて移動体の走行安全性を向上させるための各種制御、例えば運転者に対して報知したり、制動装置を作動させたりすることが行われている。
特許文献1には、超音波センサによる送波後の残響の継続時間の計測値が基準残響時間に対して伸びておらず、かつ超音波センサが反射波を検出している場合に、計測残響時間に、残響終了から第1反射波が終了するまでの時間を加えた加算残響時間が基準残響時間に対して伸びていると判定された場合に、残響があるうちに反射波を受信するほどの近距離に物体が存在していると判定することが開示されている。こうした制御により、近距離に存在する物体を精度良く検知するようにしている。
特開2016−31354号公報
超音波センサでは、例えば周囲の環境によって残響波形が変化することがある。また、残響波形が変化することにより、残響が未終了であるにも関わらず、残響を反射波と認識して物体を不要検知したり、あるいは、残響が終了しているにも関わらず、反射波に基づく物体検知に速やかに移行できなかったりすることが懸念される。反射波に基づく物体検知に速やかに移行できない場合、移動体から近距離に存在する物体を検知できず、検知漏れが生じることが懸念される。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、残響に基づく物体の不要検知の抑制と、反射波に基づく物体検知性能の向上との両立を図ることができる物体検知装置を提供することを一つの目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために、以下の手段を採用した。
本発明は、振動子から超音波を送信し前記振動子の振動に伴い受波信号を発生する超音波センサ(20)で受信された反射波に基づいて、移動体(10)の周囲に存在する物体を検知する物体検知装置に関する。請求項1に記載の発明は、前記振動子から前記超音波が送信された後の残響のうなり状態を検出するうなり検出部と、前記うなり検出部による前記うなり状態の検出結果に基づいて、前記反射波に基づき前記物体を検知するときの条件を可変に設定する条件設定部と、を備えることを特徴とする。
超音波センサでは、送信波の残響のうなり状態に応じて残響波形が異なり、うなりが発生している場合には残響が速やかに減衰するのに対し、うなりが発生していない場合には、うなりが発生している場合に比べて残響が緩やかに減衰する。この点に着目し、残響のうなり状態に基づいて、反射波に基づき物体を検知するときの条件を可変に設定する構成とした。こうした構成によれば、都度の残響波形に相応する条件で、反射波に基づく物体検知を行うことができる。その結果、残響に基づく物体の不要検知の抑制と、反射波に基づく物体検知性能の向上との両立を図ることができる。
第1実施形態の車両の物体検知システムの概略構成を示す図。 超音波センサの送波及び受波を説明するタイムチャート。 残響のうなり状態を説明するタイムチャート。 物体検知処理の具体的態様を示すタイムチャート。 時間閾値の設定処理の処理手順を示すフローチャート。 反射波の読込開始判定処理の処理手順を示すフローチャート。 第2実施形態の車両の物体検知システムの概略構成を示す図。 物体検知処理の具体的態様を示すタイムチャート。 時間閾値の設定処理の処理手順を示すフローチャート。 残響周波数に基づくうなり検出処理を説明するタイムチャート。 残響周波数に基づくうなり検出処理を説明するタイムチャート。 第3実施形態の車両の物体検知システムの概略構成図。 時間閾値の設定処理の処理手順を示すフローチャート。 うなり状態に基づいて低下率を可変設定する場合を示すタイムチャート。 うなり状態に基づいて低下率を可変設定する場合を示すタイムチャート。 低下率及びディレイ時間の設定処理の処理手順を示すフローチャート。 振幅閾値の設定処理の処理手順を示すフローチャート。 周囲温度に基づきうなり状態を検出する処理の処理手順を示すフローチャート。
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付しており、同一符号の部分についてはその説明を援用する。
(第1実施形態)
本実施形態の物体検知システムは、移動体としての車両に搭載されている。図1に示す物体検知システムは、車両10に搭載された超音波センサ30の測距結果を用いて、車両10の周囲に存在する物体(例えば、他の車両や道路構造物等)を検知する。
超音波センサ30は、超音波を探査波として送信し、探査波が周囲の物体で反射した反射波を受信することにより、車両周囲に存在する物体の有無や物体までの距離を検出するセンサである。超音波センサ30は、車両10の運転支援制御(例えば、衝突回避制御等)を実施する運転支援ECU40と通信可能に接続されており、運転支援ECU40からの指令に基づいて物体検知情報を出力する。物体検知情報には、車両10の周囲に存在する物体の位置や距離、方位に関する情報が含まれている。超音波センサ30は、送受波部21と、物体検知装置としての検知ECU20とを備えている。送受波部21は振動子を有し、1個の振動子が送波と受波とを兼用する構成となっている。
検知ECU20は、送波部22、受波部23及び制御部24を備えており、これらにより送受波機能を実現する。送波部22は、超音波領域の所定周波数の正弦波をパルス変調することによりパルス信号を生成して送受波部21に出力し、送受波部21から所定の送信周期で振動子を振動させ、探査波として超音波を出力させる。受波部23は、振動子の振動を電気信号に変換し、受波信号として波形処理部25に出力する。
制御部24は、運転支援ECU40からの指令に基づいて、送波部22及び受波部23に対して送受波の指令信号を出力するとともに、反射波に基づき認識した物体検知情報を運転支援ECU40に出力する。検知ECU20は、波形処理部25、振幅計測部26及び周波数計測部27を更に備えており、制御部24と共に、物体検知情報を生成する機能を実現する。
波形処理部25は、波形処理として、受波信号に対してフィルタ処理及び増幅処理を行い、包絡線検波回路にて包絡線を検波する。振幅計測部26は、受信波(残響及び反射波を含む。)の振幅値を計測する。本実施形態では、振幅値の上限値が定められており、振幅値がその上限値よりも大きい場合には、振幅値が上限値Amaxで固定される。周波数計測部27は、受信波の周波数を計測する。例えば、電圧が正の値から負の値へ変化する点をゼロクロス点とし、そのゼロクロス点間の時間の逆数を周波数とする。
ここで、図2を参照して、超音波センサ30の送波及び受波の一連の流れについて説明する。図2の横軸は時間であり、縦軸は振幅値Aである。図2では包絡線検波した波形で表している。
送波部22は、制御部24からの制御指令に応じて、時刻t10から時刻t11までの間、パルス信号を送受波部21に出力する。これにより、送受波部21の振動子が振動し、所定周波数の超音波が送受波部21から送信される(時刻t10〜t11)。また、送波終了の時刻t11以降の期間(t11〜t12)で送信波の残響が生じる。残響は、送波のための振動停止後において振動子の機械的な慣性振動が継続することにより発生する。
時刻t10から時刻t11の期間に送信された超音波が、車両周囲に存在する物体で反射し、反射波として送受波部21に受波されると、物体との距離に応じた時刻(図2では時刻13)で振幅値Aが増大する。制御部24は、この反射波の振幅値Aと振幅閾値Athとを比較し、振幅値Aが振幅閾値Athよりも大きいことにより物体有りと判定する。車両10と物体との距離が短いほど、反射波はより早い時刻に現れる。
残響が継続している期間t11〜t12では、残響を反射波と誤認識して、物体の検知を誤るおそれがある。そこで制御部24は、送受波部21で超音波を送信してから所定のマスク時間Tmが経過した後に、受信波を反射波として読み込み開始し、その読み込んだ反射波により物体の検知を行うこととしている。マスク時間Tmは、超音波の送信指令が終了した時刻t11を始点とし、残響終了の時刻t1aを終点とする期間に対応するように設定される。残響の終了判定について本実施形態では、超音波の送信終了後に振幅値Aが振幅閾値Athよりも小さくなってから時間閾値Tthが経過したことにより残響終了と判定する。超音波の送信指令の終了からマスク時間Tmが経過するまでは、反射波の読み込みを禁止し、マスク時間Tmが経過すると、反射波の読み込みを開始して、反射波の振幅に基づく物体検知を開始する。
なお、本実施形態では、マスク時間Tmを設定する際の振幅閾値と、物体検知する際の振幅閾値とを同じ値としたが(図2参照)、異なる値としてもよい。符号Tcは超音波の送信周期であり、送信周期Tcごとに(例えば、数百ミリ秒間隔で)送受波部21から超音波が送信される。
残響部分では、周波数が異なる複数の波が干渉して合成波が生成されることにより「うなり」が発生することがある。すなわち、図3に示すように、時刻t21で送波を終了するとそれ以降の期間で残響が生じるが、残響の振幅値Aが増減変動することがある。そのため、振幅値Aが振幅閾値Athを一旦下回っても、その後再び振幅閾値Athを超える可能性がある。この点を考慮すると、マスク時間Tmについては、残響に基づく物体の誤検知を回避すべく十分に長い時間を設定しておくことが好ましい。その一方で、マスク時間Tmを必要以上に長く設定すると、近距離に存在する物体に対する検知性能が低下してしまうことが懸念される。こうした残響のうなりの状態は、例えば超音波センサ30の周囲温度や、超音波センサ30内のコイル及びコンデンサ等の回路構成に応じて変化する。
そこで本実施形態の検知ECU20は、図1に示すように、送信波の残響のうなり状態を検出するうなり検出部28と、残響のうなり状態の検出結果に基づいて、反射波に基づき物体を検知するときの条件を可変に設定する条件設定部29と、を備えている。制御部24は、条件設定部29で設定した条件を用いて、反射波に基づく物体検知を行っている。以下、うなり検出部28及び条件設定部29で行う処理について詳しく説明する。
残響にうなりが発生している場合とそうでない場合とでは、残響の振幅値Aが減少傾向にある期間での振幅値Aの傾きが異なる。具体的には、残響でうなりが発生していない場合には、図2に示すように、残響の振幅値Aがゼロに向けて単調減少する期間(以下、「振幅立ち下がり期間Td」という。)での振幅値Aの傾きは比較的緩やかである。これに対し、残響でうなりが発生している場合には、図3に示すように、振幅立ち下がり期間Tdでの振幅値Aの傾きは、うなりが発生していない場合に比べて急峻となる。この点に着目し、うなり検出部28は、振幅立ち下がり期間Tdでの振幅値Aの傾きに基づいて残響のうなりの有無を検出する。
具体的には、うなり検出部28は、図1に示すように、傾き算出部28aとうなり判定部28bとを備える。傾き算出部28aは、残響が継続している期間、より具体的には、探査波の送信後に振幅値Aが振幅閾値Athを下回る前の期間において、振幅立ち下がり期間Tdでの振幅値Aの傾きの絶対値(以下、「立ち下がり傾きα」という。)を算出する。なお、立ち下がり傾きαが「振幅傾き」に相当する。
うなり判定部28bは、傾き算出部28aで算出した立ち下がり傾きαと、うなり判定値αthとを比較する。そして、立ち下がり傾きαがうなり判定値αth以下の場合、つまり、残響が減衰するときの振幅値Aの低下が緩慢である場合には、残響にうなりは発生していないと判定する。一方、立ち下がり傾きαがうなり判定値αthよりも大きい場合、つまり、残響が減衰するときの振幅値Aの低下が急峻である場合には、残響にうなりが発生していると判定する。うなり検出部28は、残響のうなり状態の検出結果を条件設定部29に出力する。
なお、残響にうなりが発生している場合、図3に示すように、残響が継続している期間内において振幅値Aが増減変動することによって、1回の残響期間内で、残響の振幅値Aが減少傾向にある期間が複数回出現する。うなり検出部28は、振幅値Aが減少する毎に振幅値Aの傾きを算出して都度書き替えることにより、最後の振幅立ち下がりApでの振幅値Aの傾きを認識し、これを立ち下がり傾きαとしてうなり判定を行う。
条件設定部29は、うなり検出部28から残響のうなり状態の検出結果を入力し、残響のうなり状態に応じて、反射波に基づき物体を検知するときの条件として時間閾値Tthを可変に設定する。すなわち、本実施形態では、残響のうなり状態に基づいて、反射波に基づく物体の検知を開始する開始条件を可変に設定する。具体的には、残響部分でうなりが発生していない場合には、時間閾値Tthとして第1時間閾値TthAを設定し、うなりが発生している場合には、第1時間閾値TthAよりも長い第2時間閾値TthB(TthB>TthA)を設定する。条件設定部29は、設定した時間閾値Tthを制御部24に出力する。
制御部24は、超音波を送信した後に振幅値Aが振幅閾値Athを下回ってからの経過時間を計測し、その計測時間(以下、「LOW時間」という。)と、残響のうなりの有無に応じて設定した時間閾値Tthとを比較する。そして、LOW時間が時間閾値Tthを超えると反射波の読み込みに移行し、反射波の振幅値Aと振幅閾値Athとの比較結果に基づき物体の検知を行う。
運転支援ECU40は、CPU、各種メモリ等から構成されたマイコンを主体として構成され、超音波センサ30から取得した物体検知情報に基づいて、車両10の運転支援制御を実施する。運転支援制御としては、車両10が物体に接触しないように車両10の運転者に対して警報音による報知を行ったり、あるいは、物体との接触回避のための制動制御やステアリング制御等の各種制御を行ったりする。
本実施形態の物体検知処理の具体的態様について、図4のタイムチャートを用いて説明する。図4中、(a)は、送信波の残響でうなりが発生していない場合を示し、(b)は、残響でうなりが発生している場合を示している。
図4(a)において、時刻t30〜t31で振動子駆動の指令信号が出力され、時刻t31以降の残響でうなりが発生していない場合、残響の振幅値Aは緩やかな立ち下がりで減衰していく。また、振幅立ち下がり期間Tdにおいて、立ち下がり傾きαがうなり判定値αth以下であることに伴い、時間閾値Tthとして第1時間閾値TthAが設定される。振幅値Aが振幅閾値Athを下回ると、LOW時間のカウントアップが開始される(時刻t32)。そして、時刻t32以降でLOW時間が第1時間閾値TthAを超えると、その時刻t33以降で反射波の読み込みが開始される。この場合、残響の減衰時において振幅値Aの変化が安定しているため、残響終了の判定後、反射波の読み込み開始に速やかに移行されることとなる。
一方、残響でうなりが発生している場合には、図4(b)に示すように、残響の振幅値Aは、振幅値Aが単調減少する期間、つまり最後の振幅立ち下がりApで急峻に立ち下がる。最後の振幅立ち下がりApでの立ち下がり傾きαがうなり判定値αthよりも大きいことに伴い、時間閾値Tthとして第2時間閾値TthBが設定される。振幅値Aが振幅閾値Athを下回った時刻t41でLOW時間の計測が開始された後、LOW時間が第2時間閾値TthB(TthB>TthA)を超えると、その時刻t42以降で反射波の計測が開始される。この場合、探査波の送信後に振幅値Aが振幅閾値Athを下回ってから十分な時間が経過した後に反射波の読み込みが開始され、残響に基づく物体の誤検知が回避される。
次に、本実施形態の物体検知装置で実行される処理について、図5及び図6のフローチャートを用いて説明する。図5は、時間閾値Tthの設定処理の処理手順を示し、図6は、反射波の読込開始判定処理の処理手順を示す。これらの処理は、送受波部21から超音波を送信する旨の送信指令が出力された後に、検知ECU20により所定周期毎に実行される。
図5において、ステップS101では、残響を受波部23で受信する。ステップS102では、その受信した残響の振幅値Aが振幅閾値Athを下回る前の期間で、振幅値Aの立ち下がり傾きαを算出する。
ステップS103では、立ち下がり傾きαがうなり判定値αthよりも大きいか否かを判定する。立ち下がり傾きαがうなり判定値αth以下の場合には、ステップS104へ進み、時間閾値Tthとして第1時間閾値TthAを設定し、これを記憶部に記憶する。一方、立ち下がり傾きαがうなり判定値αthよりも大きい場合には、ステップS105へ進み、時間閾値Tthとして第2時間閾値TthBを設定して記憶部に記憶しておく。その後、本処理を終了する。
次に、反射波の読込開始判定処理について説明する。図6において、ステップS201では、残響を受波部23で受信し、ステップS202で、その受信した残響の振幅値Aが振幅閾値Athよりも小さいか否かを判定する。振幅値Aが振幅閾値Ath以上であれば、ステップS203へ進み、LOW時間をゼロで保持する。一方、振幅値Aが振幅閾値Athよりも小さい場合には、ステップS204へ進み、LOW時間をカウントアップする。
続くステップS205では、図5の処理で設定した時間閾値Tthを記憶部から読み出す。読み出す時間閾値Tthは、今回の送信周期内で設定した値であるが、前回以前の送信周期で設定した値であってもよい。ステップS206では、LOW時間と時間閾値Tthとを比較する。LOW時間が時間閾値Tthよりも小さければ、一旦そのまま本ルーチンを終了する。
その後、LOW時間がカウントアップされて時間閾値Tthを超えると、ステップS206で肯定判定されてステップS207へ進み、受信波を反射波として読み込み開始し、本処理を終了する。その後は、図示しない別ルーチンにより、反射波の振幅値Aと振幅閾値Athとの比較結果に基づく物体検知が行われる。
以上詳述した本実施形態によれば、次の優れた効果が得られる。
残響のうなり状態に基づいて、反射波に基づき物体を検知するときの条件を可変に設定する構成としたため、都度の残響波形に相応する条件で、反射波に基づく物体検知を行うことができる。これにより、残響に基づく物体の不要検知の抑制と、反射波に基づく物体検知性能の向上との両立を図ることができる。
残響のうなり状態に応じて、残響波の振幅の立ち下がり傾きαが異なる点に着目し、立ち下がり傾きαに基づいて、残響のうなり状態を検出する構成とした。この構成によれば、最後の振幅立ち下がりApの期間において振幅値Aの傾きを少なくとも算出すればよいため、少ない処理負荷で残響のうなり状態を検出することができる。
うなり検出部28による残響のうなり状態の検出結果に基づいて、反射波に基づき物体の検知を開始する条件としての時間閾値Tthを可変に設定する構成とした。具体的には、残響にうなりが発生していない場合に、残響にうなりが発生している場合に比べて、振幅値Aが振幅閾値Athを下回った後に、受波信号を反射波として取得開始する時期が早くなるように時間閾値Tthを設定する構成とした。こうした構成によれば、残響の振幅が再度大きくなる可能性があるような不安定な状況では、反射波に基づく物体の検知開始を遅らせることができ、逆に、残響が安定して減衰している状況では、反射波に基づく物体の検知開始に早目に移行することができる。これにより、残響が未終了のまま物体の検知を開始することによる不要検知の抑制と、車両10から近距離に存在する物体の検知性能の向上とを両立させることができる。
また、残響波の振幅の立ち下がり傾きαが緩やかであり、残響が伸びている場合でも、反射波に基づく物体の検知を開始するまでの時間を短くでき、物体の検知性能を確保することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について上記第1実施形態との相違点を中心に説明する。第1実施形態では、残響波形の立ち下がり部分の傾きの絶対値である立ち下がり傾きαに基づいて、残響のうなり状態を検出する構成とした。これに対し、本実施形態では、残響の振幅値Aが所定以上の変化で増減変動する頻度を検出することにより、残響のうなり状態を検出する。
図7は、本実施形態の物体検知システムの概略構成図である。なお、図7は、図1と異なる部分を示している。図7において、うなり検出部28は、変動検出部28cとうなり判定部28dとを備える。変動検出部28cは、超音波を送信した後に振幅値Aが振幅閾値Athを下回る前の期間で、残響の振幅値Aが所定値以上の変動量で増減変動した回数(以下、「うなり回数δ」という。)を計測する。例えば図8に示すように、探査波の送信終了後の時刻t51以降の期間において、振幅値Aが変動閾値Dthを下回る極小点Pの出現回数をカウントし、その出現回数をうなり回数δとして設定する。変動閾値Dthは、上限値Amaxよりも小さく、かつ振幅閾値Athよりも大きい値に設定されている。
うなり判定部28dは、変動検出部28cで検出したうなり回数δと、うなり判定値δthとを比較し、うなり回数δがうなり判定値δth以下の場合には、残響でうなりは発生していないと判定する。一方、うなり回数δがうなり判定値δthよりも大きい場合には、残響でうなりが発生していると判定する。条件設定部29は、うなり検出部28から残響のうなり状態の検出結果を入力し、うなりの有無に応じて時間閾値Tthを可変設定する。
次に、本実施形態の時間閾値Tthの設定処理について図9のフローチャートを用いて説明する。この処理は、送受波部21から超音波を送信する旨の送信指令が出力された後に、検知ECU20により所定周期毎に実行される。
図9において、ステップS301では、残響を受波部23で受信する。ステップS302では、その受信した残響の振幅値Aが振幅閾値Athを下回る前の期間において、残響の振幅値Aに基づいてうなり回数δを算出する。
ステップS303では、うなり回数δがうなり判定値δthよりも大きいか否かを判定する。うなり回数δがうなり判定値δth以下の場合には、ステップS304へ進み、時間閾値Tthとして第1時間閾値TthAを設定し、これを記憶部に記憶する。一方、うなり回数δがうなり判定値δthよりも大きい場合には、ステップS305へ進み、時間閾値Tthとして第2時間閾値TthBを設定して記憶部に記憶しておく。その後、本処理を終了する。図9の処理で設定した時間閾値Tthは、上記図6に示した反射波の読込開始判定処理で用いられ、図示しない別ルーチンにより、反射波の振幅値Aと振幅閾値Athとの比較結果に基づく物体検知が行われる。
以上詳述した第2実施形態によれば、残響のうなり状態に応じて、残響波の振幅が増減変動する頻度が異なる点に着目し、当該頻度を表すうなり回数δに基づいて、残響のうなり状態を検出する構成とした。この構成によれば、残響のうなりを直接検出でき、うなり状態をより精度良く検出することができる。その結果、物体の不要検知の抑制と物体の検知性能向上との両立の観点において、より適した時期で反射波の読み込みを開始することができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について上記第1実施形態との相違点を中心に説明する。第1実施形態では、立ち下がり傾きαに基づいて残響のうなり状態を検出する構成としたが、本実施形態では、残響の周波数に基づいてうなり状態を検出する。
残響周波数に基づくうなり検出処理について、図10及び図11を用いて説明する。図10は、残響でうなりが発生している場合を表し、図11は、残響でうなりが発生していない場合を表す。図10及び図11中、上段は合成波の振幅値Aの推移を表し、下段は、低周波数成分及び高周波数成分のそれぞれの振幅値Aの推移を表したものである。
残響のうなりは、周波数が異なる複数の波が干渉して合成波が生成されることにより生じる。残響でうなりが発生している場合には、図10に示すように、低周波数成分と高周波数成分との振幅値Aは経時的にほぼ同じ変化となり、周波数計測部27では、高周波数成分の周波数が計測される。これに対し、残響が低周波数側にシフトしており、周波数計測部27で低周波数成分の振動の周波数が計測されている場合、図11に示すように、残響にうなりは発生しない。この点に着目し、本実施形態では、残響の周波数に基づいてうなり状態を検出することとしている。
図12は、本実施形態の物体検知システムの概略構成図である。なお、図12は、図1と異なる部分を示している。うなり検出部28は、探査波の送信指令の終了後に計測した残響周波数(以下、「残響計測周波数fa」という。)を周波数計測部27から入力し、その入力した残響計測周波数faに基づいて、残響にうなりが発生しているか否かを判定する。本実施形態では、基準温度時(例えば常温時)の残響周波数と駆動周波数との高低の関係を示す周波数情報を予め記憶部に記憶しておき、その周波数情報を用いて残響のうなり状態を検出する。なお、本実施形態では、基準温度(例えば常温)において残響でうなりが発生するように超音波センサ30が設計されており、通常は、残響周波数として振幅成分の大きい高周波数成分の周波数(駆動周波数よりも高い周波数)が計測されるシステムを想定している。
具体的には、うなり検出部28は、残響計測周波数faと駆動周波数との関係が、基準温度時の残響周波数と駆動周波数との関係と同じか否かを判定する。両者の関係が基準温度時と同じであれば、残響部分にうなりは発生しているものと判定する。一方、両者の関係が基準温度時と異なっている場合には、残響部分にうなりが発生していないものと判定する。条件設定部29は、うなり検出部28から残響のうなり状態の検出結果を入力し、うなりの有無に応じて時間閾値Tthを可変設定する。
次に、本実施形態の時間閾値Tthの設定処理について図13を用いて説明する。この処理は、送受波部21から超音波を送信する旨の送信指令が出力された後に、検知ECU20により所定周期毎に実行される。
図13において、ステップS401では、残響を受波部23で受信する。ステップS402では、残響計測周波数faを取得し、ステップS403で、残響計測周波数faと駆動周波数との関係が基準温度時と同じか否かを判定する。残響計測周波数faと駆動周波数との関係が基準温度時と同じでない場合、ステップS404へ進み、時間閾値Tthとして第1時間閾値TthAを設定し、これを記憶部に記憶する。一方、残響計測周波数faと駆動周波数との関係が基準温度時と同じ場合には、ステップS405へ進み、時間閾値Tthとして第2時間閾値TthBを設定して記憶部に記憶しておく。その後、本処理を終了する。
なお、図13の処理で設定した時間閾値Tthは、上記図6で示した反射波の読込開始判定処理で用いられ、図示しない別ルーチンにより、反射波の振幅値Aと振幅閾値Athとの比較結果に基づく物体検知が行われる。
以上詳述した第3実施形態によれば、残響のうなり状態に応じて、残響周波数の現れ方が異なる点に着目し、残響周波数に基づいて残響のうなり状態を検出する構成とした。この構成によれば、残響周波数を用いて、残響のうなり状態を比較的簡単に検出することができる。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について、上記第1実施形態との相違点を中心に説明する。第1実施形態では、残響のうなり状態に応じて時間閾値Tthを可変に設定することによりマスク時間Tmを可変にした。これに対し、本実施形態では、受波信号に基づき算出した振幅との比較に用いる振幅閾値Athとして、受波信号を反射波に基づく信号として取得開始する開始判定に用いる残響閾値Athaと、反射波による物体を検知する物体検知判定に用いる反射波閾値Athbとを設け、反射波の読込開始への移行に伴い、振幅閾値Athを残響閾値Athaから反射波閾値Athbに切り替える構成としている。
なお、物体検知処理について本実施形態では、探査波の送信後に振幅値Aが振幅閾値Athを下回ってから所定時間が経過したことを条件に反射波の読み込みに移行し、読み込んだ反射波の振幅値Aに基づいて物体を検知する。残響閾値Athaが第1閾値に相当し、反射波閾値Athbが第2閾値に相当する。
ここで、振幅閾値Athを残響閾値Athaから反射波閾値Athbに切り替える際、残響波形が振幅閾値Athを常時下回るように振幅閾値Athを設定することにより、残響による物体の不要検知を回避することが可能である。その一方で、振幅閾値Athを高く設定すると、反射率が小さい物体の検知性能を十分に確保できないことが懸念される。また、残響でうなりが発生している場合とそうでない場合とでは、残響の最後の振幅立ち下がりApでの傾きが異なる。
そこで本実施形態では、探査波の送信後に振幅閾値Athを残響閾値Athaから反射波閾値Athbに切り替える際には、振幅閾値Athを徐々に低下させるとともに、残響のうなり状態に応じて、振幅閾値を残響閾値Athaから反射波閾値Athbへ徐変させるときの振幅閾値Athの単位時間当たりの変化量(以下、「低下率B」という。)を可変に設定することとしている。なお、低下率Bは正の値で示され、低下率Bが大きいほど、振幅閾値Athを急峻な傾きで低下させることを意味する。
図14及び図15は、本実施形態の具体的態様を表すタイムチャートであり、図14は残響でうなりが発生していない場合、図15は残響でうなりが発生している場合を示している。
残響が継続している期間では、残響閾値Athaを用いて残響が終了したか否かを判定する。本実施形態では、送波後の振幅値Aが残響閾値Athaを下回ってから所定のディレイ時間Tyが経過した時点で残響が終了したと判定し(図14の時刻t51、図15の時刻t61)、反射波の読み込みを開始する。反射波の読込開始後の期間では、振幅閾値Athと振幅値Aとを比較し、振幅値Aが振幅閾値Athを超えたことに基づき物体の検知有りと判定する。
残響でうなりが発生していない場合には、図14に示すように、残響が終了した旨の判定後、振幅閾値Athを第1低下率B1(B1>0)で残響閾値Athaから反射波閾値Athbに向けて徐々に小さくしていく。そして、振幅閾値Athが反射波閾値Athbまで低下すると、その後の期間(時刻t52以降の期間)では、次の送信周期が来るまで、振幅閾値Athが反射波閾値Athbで保持される。
これに対し、残響でうなりが発生している場合には、図15に示すように、振幅閾値Athの低下率Bを、第1低下率B1よりも大きい第2低下率B2に設定する。これにより、振幅閾値Athの徐変期間t61〜t62では、振幅閾値Athを急峻な傾きで低下させて反射波閾値Athbへと移行させる。この場合、残響でうなりが発生していない場合に比べて、振幅閾値Athが反射波閾値Athbへ速やかに移行し、より早期の段階から低反射率の物体検知が可能となる。一方、残響でうなりが発生していない場合には、振幅閾値Athを緩慢に減少させて反射波閾値Athbに移行させるため、残響波形による物体の誤検知を回避することが可能となる。
本実施形態では、残響のうなり状態に応じてディレイ時間Tyを可変に設定している。具体的には、残響にうなりが発生していない場合には、ディレイ時間Tyを第1ディレイ時間Ty1とし、うなりが発生している場合には、第1ディレイ時間Ty1よりも長い第2ディレイ時間Ty2を設定している。残響にうなりが発生している場合、振幅値Aが増減変動するため、振幅値Aが振幅閾値Athよりも一旦小さくなった後に、再び振幅閾値Athを超えることが考えられる。したがって、この場合にはディレイ時間Tyを長めに設定することにより、残響に基づく物体の誤検知を回避するようにしている。
次に、本実施形態の物体検知処理について、図16及び図17のフローチャートを用いて説明する。図16は、振幅閾値Athの低下率B及びディレイ時間Tyの設定処理の処理手順を示し、図17は、振幅閾値Athの設定処理の処理手順を示す。これらの処理は、送受波部21から超音波を送信する旨の送信指令を出力した後に、検知ECU20により所定周期毎に実行される。
図16において、ステップS501では、残響を受波部23で受信する。ステップS502では、その受信した残響の振幅値Aが残響閾値Athaを下回る前の期間で、振幅値Aに基づいて立ち下がり傾きαを算出し、ステップS503で、立ち下がり傾きαがうなり判定値αthよりも大きいか否かを判定する。立ち下がり傾きαがうなり判定値αth以下の場合には、ステップS504へ進み、低下率Bを第1低下率B1に設定するとともに、ディレイ時間Tyを第1ディレイ時間Ty1に設定し、これらを記憶部に記憶する。一方、立ち下がり傾きαがうなり判定値αthよりも大きい場合には、ステップS505へ進み、低下率Bを第2低下率B2(B2>B1)に設定するとともに、ディレイ時間Tyを第2ディレイ時間Ty2(Ty2>Ty1)に設定して記憶部に記憶しておく。その後、本処理を終了する。
次に、振幅閾値Athの設定処理について説明する。図17において、ステップS601では、送信波及び残響を受波部23で受信し、ステップS602で、振幅値Aに基づいて残響が終了したか否かを判定する。具体的には、探査波の送信後の振幅値Aが振幅閾値Athを下回ってからディレイ時間Tyが経過したか否かを判定する。ディレイ時間Tyは、図16で設定した値を読み出す。残響が終了していないと判定された場合には、ステップS603へ進み、振幅閾値Athを残響閾値Athaに設定する。
ステップS602で肯定判定された場合、つまり残響が終了している場合には、ステップS604へ進み、振幅閾値Athが反射波閾値Athbまで低下する前か否かを判定する。振幅閾値Athが反射波閾値Athbよりも高ければステップS604で肯定判定されてステップS605へ進み、振幅閾値Athを低下率Bで徐変させる。具体的には、図16で設定した低下率Bを読み出し、振幅閾値Athの前回値を低下率Bで減少させた値を振幅閾値Athの今回値とする。
一方、振幅閾値Athが反射波閾値Athbまで低下している場合にはステップS606へ進み、振幅閾値Athを反射波閾値Athbで保持し、本ルーチンを終了する。なお、図17の処理で設定した振幅閾値Athは、図示しない別ルーチンにより、反射波の振幅値Aとの比較に用いられ、これにより物体検知が行われる。
以上、詳述した第4実施形態によれば、残響のうなり状態に応じて、残響が減衰するときの振幅の立ち下がり傾きαが異なる点に着目し、うなり検出部28による残響のうなり状態の検出結果に基づいて、振幅閾値を残響閾値Athaから反射波閾値Athbへ徐変させるときの単位時間当たりの変化量である低下率Bを可変に設定する構成とした。具体的には、残響でうなりが発生していない場合には、残響でうなりが発生している場合に比べて低下率Bを小さくする構成とした。こうした構成によれば、残響の減衰が緩やかな状況では、振幅閾値Athを緩やかに低下させるため、残響による物体の不要検知を抑制することができる。また、残響の減衰が急峻な状況では、振幅閾値Athを速やかに低下させるため、車両10から近距離に存在する物体の検知性能の向上を図ることができる。また、低反射率の物体について精度良く検知することができる。
うなり検出部28による残響のうなり状態の検出結果に基づいてディレイ時間Tyを可変に設定する構成とした。具体的には、残響にうなりが発生していない場合に、残響にうなりが発生している場合に比べて、受波信号を反射波として取得開始する時期が早くなるようにディレイ時間Tyを設定する構成とした。こうした構成によれば、残響の振幅が再度大きくなる可能性があるような不安定な状況では、反射波に基づく物体の検知開始を遅らせることができ、逆に、残響が安定して減衰している状況では、反射波に基づく物体の検知開始に早目に移行することができる。これにより、残響が未終了のまま物体の検知を開始することによる不要検知の抑制と、車両10から近距離に存在する物体の検知性能の向上とを両立させることができる。
(他の実施形態)
本発明は上記実施形態に限定されず、例えば以下のように実施されてもよい。
・超音波センサ30の周囲温度に基づいて、残響のうなり状態を検出する構成としてもよい。具体的には、所定の温度範囲内で残響にうなりが発生するように超音波センサ30が設計されているシステムにおいて、超音波センサ30の周囲温度が所定の温度範囲内である場合に、残響にうなりが発生しているものと判定する。一方、超音波センサ30の周囲温度が上記温度範囲から外れている場合に、残響にうなりが発生していないものと判定する。
図18は、温度に基づく時間閾値Tthの設定処理の処理手順を示すフローチャートである。この処理は、送受波部21から超音波を送信する旨の送信指令を出力した後に、検知ECU20により所定周期毎に実行される。図18において、ステップS701では、残響を受波部23で受信し、ステップS702では、超音波センサ30の周囲温度を検出する(温度検出部)。温度検出方法は特に限定されず、例えば、外気温度を検出する温度センサを車両10に設けておき、その温度センサを用いて検出する。続くステップS703では、検出温度が所定の温度範囲内(例えば、常温又はその付近に設定された温度範囲内)であるか否かを判定し、検出温度が所定の温度範囲外である場合には、ステップS704へ進み、残響にうなりは発生していないものとして、時間閾値Tthとして第1時間閾値TthAを設定する。一方、検出温度が所定の温度範囲内である場合には、ステップS705へ進み、残響にうなりが発生しているものとして、時間閾値Tthとして第2時間閾値TthBを設定する。図18の処理で設定した時間閾値Tthは、上記図6に示した反射波の読込開始判定処理で用いられ、図示しない別ルーチンにより、反射波の振幅値Aと振幅閾値Athとの比較結果に基づく物体検知が行われる。
・上記実施形態では、うなり検出部28によって残響のうなりの有無を検出したが、うなりの強弱の度合いを検出し、その検出結果に基づいて、時間閾値Tthや低下率Bを可変に設定する構成としてもよい。具体的には、立ち下がり傾きαに応じて時間閾値Tthを設定し、立ち下がり傾きαが大きいほど時間閾値Tthを長く設定する。あるいは、うなり回数の数に応じて時間閾値Tthを設定し、うなり回数が多いほど時間閾値Tthを長く設定する。
・上記第4実施形態では、立ち下がり傾きαに基づいて残響のうなり状態を検出し、その検出結果を用いて低下率Bを可変に設定する構成としたが、うなり状態の検出方法はこれに限定されない。例えば、うなり回数や残響周波数、あるいは超音波センサ30の周囲温度に基づいて残響のうなり状態を検出し、その検出結果を用いて低下率Bを可変に設定する構成としてもよい。
・上記第1〜第3実施形態では、探査波の送信終了後に振幅値Aが振幅閾値Athを下回ってからの時間をLOW時間とし、LOW時間と時間閾値Tthとの比較結果に基づいて、反射波の読み込み開始に移行する構成としたが、送信終了からの時間をカウントして閾値と比較することにより、反射波の読み込み開始に移行する構成としてもよい。この場合、送信指令終了からの時間の閾値を、残響のうなり状態に基づいて可変に設定する。
・上記第3実施形態では、基準温度時の残響周波数と駆動周波数との関係を示す周波数情報を予め定めておき、残響計測周波数faと駆動周波数との関係が基準温度時と同じか否かを判定することによって残響のうなり状態を検出したが、残響の周波数に基づくうなり状態の検出方法はこれに限定されない。例えば、残響が生じている期間内で、駆動周波数に対する残響周波数の高低が変化したか否かを判定し、その判定結果に基づいて残響のうなり状態を検出する構成としてもよい。具体的には、残響が生じている期間内で、残響計測周波数faが駆動周波数よりも高い周波数から低い周波数へ遷移した場合、又は残響計測周波数faが駆動周波数よりも低い周波数から高い周波数へ遷移した場合に、残響でうなりが発生していないものと判定する。また、残響が生じている期間内で、残響計測周波数faが駆動周波数よりも高い状態が継続している場合に、残響でうなりが発生しているものと判定する。
・残響のうなり状態に応じて時間閾値Tthを可変設定する構成において、残響部分でうなりが複数回検出された場合に、そのうなりの周期Le(図15参照)に基づいて時間閾値Tthを可変に設定してもよい。具体的には、うなりの周期Leが短いほど、残響波形が安定するまでに時間がかかることに鑑み、うなりの周期Leが短いほど時間閾値Tthを長く設定する。こうした構成とすることにより、残響に基づく物体の不要検知を一層回避することができ、また、残響終了後には速やかに反射波の取得に移行することができる。
・残響部分のうなり状態につき、複数の検出方法を組み合わせて検出する構成としてもよい。例えば、立ち下がり傾きαとうなり回数δとに基づいて残響のうなり状態を検出する構成や、立ち下がり傾きαと残響周波数とに基づいて残響のうなり状態を検出する構成、あるいは、立ち下がり傾きαと周囲温度とに基づいて残響のうなり状態を検出する構成等が挙げられる。複数の検出方法を組み合わせる構成によれば、残響のうなり状態をより精度良く検出することができる。
・上記第1実施形態では、残響にうなりが発生している場合に、振幅値Aが単調減少する期間、つまり振幅立ち下がりApでの立ち下がり傾きαを認識し、これに基づきうなり判定を行う構成としたが、振幅値Aが単調減少する期間よりも前で生じた振幅値Aの増減変動について、振幅の単位時間当たりの減少量を算出し、これに基づきうなり判定を行ってもよい。
・超音波センサ30は、常温時にうなりが発生するように設計されていてもよいが、常温時にうなりが発生しないように設定されていてもよい。
・上記実施形態では、車両に搭載された物体検知装置を一例に挙げて説明したが、例えば、鉄道車両、船舶、航空機、ロボット等の移動体に搭載することもできる。
・上記の各構成要素は概念的なものであり、上記実施形態に限定されない。例えば、一つの構成要素が有する機能を複数の構成要素に分散して実現したり、複数の構成要素が有する機能を一つの構成要素で実現したりしてもよい。
10…車両(移動体)、20…検知ECU(物体検知装置)、21…送受波部、28…うなり検出部、29…条件設定部、30…超音波センサ、40…運転支援ECU。

Claims (9)

  1. 振動子から超音波を送信し前記振動子の振動に伴い受波信号を発生する超音波センサ(30)で受信された反射波に基づいて、移動体(10)の周囲に存在する物体を検知する物体検知装置(20)であって、
    前記振動子から前記超音波が送信された後の残響のうなり状態を検出するうなり検出部と、
    前記うなり検出部による前記うなり状態の検出結果に基づいて、前記反射波に基づき前記物体を検知するときの条件を可変に設定する条件設定部と、
    を備える物体検知装置。
  2. 前記残響の振幅が減少傾向にある期間での前記振幅の単位時間当たりの減少量として振幅傾きを算出する傾き算出部を備え、
    前記うなり検出部は、前記傾き算出部で算出した振幅傾きに基づいて前記うなり状態を検出する、請求項1に記載の物体検知装置。
  3. 前記残響の振幅が所定以上の変化量で増減変動する頻度を検出する変動検出部を備え、
    前記うなり検出部は、前記変動検出部で検出した頻度に基づいて前記うなり状態を検出する、請求項1又は2に記載の物体検知装置。
  4. 前記残響の周波数を計測する周波数計測部を備え、
    前記うなり検出部は、前記周波数計測部で計測した周波数に基づいて前記うなり状態を検出する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の物体検知装置。
  5. 前記超音波の送信終了から所定時間が経過した後に、前記受波信号を前記反射波に基づく信号として取得開始し、
    前記条件設定部は、前記うなり検出部による前記うなり状態の検出結果に基づいて、前記受波信号を前記反射波に基づく信号として取得開始する時期を可変に設定する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の物体検知装置。
  6. 前記条件設定部は、前記残響にうなりが発生していない場合に、前記残響にうなりが発生している場合に比べて、前記受波信号を前記反射波に基づく信号として取得開始する時期を早い時期に設定する、請求項5に記載の物体検知装置。
  7. 前記超音波の送信終了後の期間において前記受波信号に基づき算出した振幅との比較に用いる振幅閾値として、前記受波信号を前記反射波に基づく信号として取得開始する取得開始判定に用いる第1閾値と、前記反射波に基づき前記物体を検知する物体検知判定に用いる第2閾値とが設定されており、
    前記条件設定部は、前記超音波の送信終了後の期間に前記振幅閾値を前記第1閾値から前記第2閾値へ切り替える際に、前記振幅閾値を前記第1閾値から前記第2閾値へ徐変させ、
    前記うなり検出部による前記うなり状態の検出結果に基づいて、前記振幅閾値を前記第1閾値から前記第2閾値へ徐変させるときの単位時間あたりの変化量を可変に設定する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の物体検知装置。
  8. 前記条件設定部は、前記残響にうなりが発生していない場合に、前記残響にうなりが発生している場合に比べて、前記振幅閾値が前記第1閾値から前記第2閾値へ緩慢に変化するように前記変化量を可変に設定する、請求項7に記載の物体検知装置。
  9. 前記超音波センサの周囲の温度を検出する温度検出部を備え、
    前記うなり検出部は、前記温度検出部で検出した温度に基づいて前記うなり状態を検出する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の物体検知装置。
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