JP2016031355A - 車両用障害物検知装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】処理負荷を低減しつつ、路面を障害物であると誤検知してしまうことを抑制できる車両用障害物検知装置を提供する。
【解決手段】車両で用いられ、探査波を逐次送信し、探査波が物体で反射した反射波を受信する超音波センサ10が受信した反射波の振幅Aが振幅閾値THを超えていることに基づいて、障害物を検知したと判定する障害物判定部24と、所定回数分の反射波の振幅Aについて、ばらつきの程度を表す振幅差ΔAを算出する変化値算出部23とを備え、障害物判定部24は、変化値算出部23が算出した振幅差ΔAが変化許容値THを超えている場合、振幅差ΔAが変化許容値THを超えていない場合よりも、障害物を検知したと判定しにくくする。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両で用いられ、探査波を送信し、探査波が障害物にて反射した反射波を受信して障害物を検知する障害物検知装置に関する。
探査波を送信して、探査波が障害物にて反射した反射波を受信し、反射波の信号強度に基づいて障害物を検知する車両用障害物検知装置が知られている(たとえば特許文献1)。車両で用いられる障害物検知装置では、探査波が路面で反射して生じた反射波が検知判定閾値を超えないように閾値を設定する。しかし、路面にある凹凸の形状や、自車の姿勢の影響などにより、路面からの反射波の振幅が検知判定閾値を超えてしまうことがある。そこで、特許文献1では、反射波を周波数分析してノイズの周波数成分を除去している。
特開2010−139330号公報
しかし、反射波を周波数分析する処理は、高速なサンプリングと数多くのサンプリングデータの記憶が必要、且つ、周波数分析演算(例えば高速フーリエ変換)が煩雑であることから、処理能力の高い演算装置が必要であり、コストアップになってしまう。
本発明は、この事情に基づいて成されたものであり、その目的とするところは、処理負荷を低減しつつ、路面を障害物であると誤検知してしまうことを抑制できる車両用障害物検知装置を提供することにある。
上記目的は独立請求項に記載の特徴の組み合わせにより達成され、また、下位請求項は、発明の更なる有利な具体例を規定する。特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
上記目的を達成するための本発明は、車両(1)で用いられ、探査波を逐次送信し、探査波が物体で反射した反射波を受信する探査波センサ(10)が受信した反射波の振幅が振幅閾値を超えていることに基づいて、障害物を検知したと判定する障害物判定部(24)と、所定回数分の反射波の振幅について、ばらつきの程度を表す変化値を算出する変化値算出部(23)とを備え、障害物判定部は、変化値算出部が算出した変化値が変化許容値を超えている場合、変化値が変化許容値を超えていない場合よりも、障害物を検知したと判定しにくくすることを特徴とする車両用障害物検知装置である。
探査波が同じ障害物に当たって反射波が生じる場合、振幅の変化はそれほどない。これに対して、探査波が路面に当たって反射波が生じる場合、反射波の振幅のばらつきが大きくなる可能性が高いことを走行実験により見出した。そこで、本発明では、所定回数分の反射波の振幅の変化値を算出する。この変化値が変化許容値を超えた場合、反射波の振幅は、ばらつきが大きいことになるので、障害物判定部は、変化値が変化許容値を超えている場合、変化値が変化許容値を超えていない場合よりも、障害物を検知したと判定しにくくする。これにより、路面を障害物であると誤検知してしまうことを抑制できる。
また、振幅の変化値を算出して、この変化値を変化許容値と比較する演算は、周波数分析を行う場合に比較して簡単であることから処理負荷を低減することもできる。
障害物検知システム1の構成図である。 図1の超音波センサ10、ECU20の詳細構成図である。 第1実施形態においてECU20が実行する処理を示すフローチャートである。 送信波がポールに反射して生じた反射波から計測した距離Dと、その距離Dの算出に用いた反射波の振幅Aの変化を例示する図である。 送信波がアスファルト路面に反射して生じた反射波から計測した距離Dと、その距離Dの算出に用いた反射波の振幅Aの変化を例示する図である。 第2実施形態においてECU20が実行する処理を示すフローチャートである。 距離Dから変化許容値THを決定する関係を例示する図である。 車速Vから変化許容値THを決定する関係を例示する図である。 振幅Aから変化許容値THを決定する関係を例示する図である。 加速度Gから変化許容値THを決定する関係を例示する図である。 第3実施形態においてECU20が実行する処理を示すフローチャートである。 第4実施形態においてECU20が実行する処理を示すフローチャートである。 第5実施形態においてECU20が実行する処理を示すフローチャートである。
<第1実施形態>
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1に示す障害物検知システム1は、車両2に搭載されており、報知装置3、超音波センサ10A〜10D、本発明の車両用障害物検知装置の実施形態となるECU20を備える。報知装置3は、表示装置3aとスピーカ3bを備える。表示装置3aは、車両2の運転席から視認可能な位置に配置されて、障害物を検知したことを運転者に知らせる図形や文字などが表示される。スピーカ3bは、障害物を検知したことを運転者に知らせる音が出力される。
4つの超音波センサ10A〜10Dは互いに同じ構成である。この超音波センサ10A〜10Dは探査波センサに相当する。本実施形態では、いずれの超音波センサ10A〜10Dも、車両後端面に取り付けられているリアバンパ4に配置されている。超音波センサ10A、10Dは、リアバンパ4のコーナーに配置され、超音波センサ10B、10Cは、リアバンパ4の両コーナー間を略3等分する位置付近に配置されている。これら4つの超音波センサ10A〜10Dを区別しないときは、単に、超音波センサ10と表記する。
なお、超音波センサ10A〜10Dの数および位置は一例であり、超音波センサ10の数は、1〜3個、あるいは、5個以上でもよい。また、超音波センサ10が車両2の前端面に備えられていてもよい。この超音波センサ10はLINバス40によりECU20と接続されている。
超音波センサ10は、図2に示すように、送受信素子11、送信回路部12、受信回路部13、制御部14を備える。送受信素子11は、超音波を送信するとともに、送信した超音波(以下、送信波)が外部の物体で反射して生じた反射波を受信する。なお、送信波を送信する素子と、反射波を受信する素子を別々に備えていてもよい。
送信回路部12は、超音波領域の所定周波数の正弦波をパルス変調してパルス信号を生成する。このパルス信号に基づいて、送受信素子11から超音波を周期的に出力させる。超音波を出力する周期は、たとえば、数百ミリ秒である。受信回路部13は、反射波を受信し、受信した反射波を増幅およびAD変換して制御部14に出力する。
制御部14は、送信回路部12にパルス信号を生成させることを指示する指示信号を出力する。また、受信回路部13から反射波を表す信号である反射波信号を取得する。この反射波信号の振幅Aが振幅閾値THを超えた場合に物体ありと判断する。物体ありと判断した場合には、送信波を送信してから反射波が振幅閾値THを超えるまでの時間に音速を乗じることで、物体までの距離Dを算出する。また、反射波が振幅閾値THを超えてから下回るまでの間の最大値を反射波の振幅Aとして決定する。これら物体までの距離Dと、反射波の振幅AをECU20に出力する。
ECU20は、センサ値取得部21、記憶部22、変化値算出部23、障害物判定部24を備える。センサ値取得部21は、通信インターフェースであり、LINバス40と接続されており、超音波センサ10が出力する距離Dと振幅Aを逐次取得する。
記憶部22は、フラッシュメモリなどの書き込み可能なメモリであり、センサ値取得部21が逐次取得した距離Dと振幅Aを記憶する。
ECU20は、CPU、ROM、RAM、入出力インターフェースなどを備えた公知の回路構成であり、ROMあるいは記憶部22に記憶されているプログラムをCPUが実行することで、ECU20は、変化値算出部23、障害物判定部24として機能する。これら変化値算出部23、障害物判定部24の機能は図3を用いて説明する。また、ECU20は、車内LAN30と接続されており、報知装置3とは、この車内LAN30を介して接続されているものとする。また、ECU20は、車内LAN30を介して、車速V、車両2の加速度G、シフトポジション信号を取得する。
ECU20は、図3に示す処理を実行する。図3に示す処理は、ここではシフトポジションが後退ポジションであることを示すシフトポジション信号が入力された場合に開始することとする。そして、シフトポジションが後退ポジションであることを示すシフトポジション信号が入力されている間は、送信波の送信周期で、図3の処理を繰り返し実行する。この図3に示す処理は、超音波センサ10別に実行する。なお、図3に示す処理の一部または全部を、一つあるいは複数のIC等によりハードウェア的に構成してもよい。
また、ECU20は、シフトポジションが後退ポジションであることを示すシフトポジション信号が入力されている間、超音波センサ10に、周期的に送信波を出力させる。超音波センサ10は、前述したように、物体ありと判断した場合には、物体までの距離Dと、反射波の振幅AをECU20に出力する。
図3において、ステップS10、S30は、変化値算出部23が実行し、その他のステップは障害物判定部24が実行する。ステップS10では、超音波センサ10が出力してセンサ値取得部21が取得した距離Dと振幅Aを、記憶部22に記憶する。なお、超音波センサ10は、反射波信号の振幅Aが振幅閾値THを超えない場合には、距離Dと振幅AをECU20に出力しない。この場合には、このステップS10では、距離Dと振幅Aはなしであることを記憶部22に記憶する。
ステップS20では、ステップS10で記憶した距離Dが報知範囲内であるか否かを判断する。ステップS10で記憶した距離Dが報知範囲内ではない場合、および、ステップS10で記憶した距離Dがなしである場合には、ステップS20の判断がNOになる。ステップS20の判断がNOであれば後述するステップS60に進む。ステップS20の判断がYESであればステップS30に進む。
ステップS30では、シフトポジションが後退ポジションになった後に記憶部22に記憶された最新の振幅Aおよび過去2回の合計3回分の振幅Aの振幅差ΔAを算出する。記憶部22に、シフトポジションが後退ポジションになった後の振幅Aが3回分記憶されていない場合には、この振幅差ΔAは算出しない。振幅差ΔAは3回分の振幅Aのうち最大値と最小値の差である。この振幅差ΔAは、3回分の振幅Aのばらつきを表す指標であり、請求項の変化値に相当する。
ステップS40では、ステップS30で算出した振幅差ΔAが予め設定されている変化許容値THよりも小さいか否かを判断する。この判断がYESであればステップS50に進む。ステップS50では、報知装置3から、障害物を検知したことを報知する報知処理を行う。
ステップS20の判断がNOである場合、または、ステップS40の判断がNO、すなわち振幅差ΔAが変化許容値TH以上である場合には、ステップS60に進む。ステップS60では、非報知状態とする。非報知状態とした場合、報知処理を行なっていれば報知処理を中止する。報知処理を行なっていなければ、報知処理を行なっていない状態を継続する。
ここで、距離Dが報知範囲内(S20:YES)であっても、振幅差ΔAが変化許容値TH以上である場合(S40:NO)には報知処理を行わない理由を説明する。
図4は、上図が、送信波が障害物であるポールに反射して生じた反射波から計測した距離Dであり、下図が、その距離Dの算出に用いた反射波の振幅Aである。また、図4の例は、車両2が時速5km以下の極低速で障害物に接近している場合の例である。車両2が障害物に接近中であるので、上図に示すように距離Dは漸減しており、下図に示すように反射波の振幅Aは漸増している。
そして、同じポールに反射して生じた反射波であるので、振幅Aは車両2とポールとの距離Dが短くなることに応じて大きくなる程度であり、振幅Aのばらつきは少ない。したがって、振幅差ΔAは小さい。
これに対して、図5は、送信波がアスファルト路面に反射して生じた反射波から計測した距離D(上図)と、振幅A(下図)である。送信波がアスファルト路面で反射する位置、すなわち路面までの距離Dは、ポールなどの障害物とは異なり、ばらつくことも多いが、この図5に示すように、障害物の場合と同様な傾向で計測されることもある。
しかし、距離Dが、障害物で反射した場合と同様な傾向で計測される場合であっても、図5下図に示すように、振幅Aのばらつきを表す振幅差ΔAは、障害物の場合と異なり大きくなることがある。
図4と図5に例示した振幅差ΔAの違いは走行実験により見出しているが、この違いが生じる理由は、次のように推定できる。路面には凹凸があり、常に同じ面からの反射波が得られるとは限らない。また、超音波を反射する面が多数あることから、超音波センサ10が受信する反射波は多数の反射波から構成される。それらの反射波が干渉しあい、受信する場所や時間により干渉の程度が異なることから、振幅Aがばらつき、その結果、振幅差ΔAが大きくなると推定できる。
図5に示す振幅差ΔAが変化許容値TH以上である場合(S40:NO)、距離Dが報知範囲内(S20:YES)であっても、路面までの距離Dを計測している可能性がある。そこで、ステップS50の報知処理は実行せず、非報知状態とする(S60)。
(第1実施形態の効果)
以上、説明した第1実施形態では、最新の3回分の反射波の振幅Aの振幅差ΔAを算出する(S30)。この振幅差ΔAが変化許容値TH以上である場合(S40:NO)、振幅Aが振幅閾値THを超えており、距離Dが報知範囲内であっても(S20:YES)、障害物を検知したと判定しない。これにより、路面を障害物であると誤検知してしまうことを抑制できる。
また、振幅差ΔAを算出して、この振幅差ΔAを変化許容値THと比較する処理は、周波数分析を行う場合に比較して簡単であることから処理負荷を低減することもできる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態を説明する。この第2実施形態以下の説明において、それまでに使用した符号と同一番号の符号を有する要素は、特に言及する場合を除き、それ以前の実施形態における同一符号の要素と同一である。また、構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分については先に説明した実施形態を適用できる。
第2実施形態では、ECU20は、図3に示した処理に代えて図6に示す処理を実行する。図6に示す処理は、ステップS20とステップS30の間に、ステップS22を備える点が図3と相違する。このステップS22は、障害物判定部24が実行する処理である。
第1実施形態では、変化許容値THは固定値であったが、第2実施形態では、ステップS22で変化許容値THを、距離D、車速V、振幅A、加速度Gの4つの許容値変化因子に基づいて設定する。
距離Dと振幅Aは、ステップS10で記憶した距離D、振幅Aを用いる。車速Vと加速度Gは、車内LAN30を用いて取得する。図7〜図10は、距離D、車速V、振幅A、加速度Gから変化許容値THを決定する予め記憶されている関係を示している。
図7〜図10のうち、距離D、車速V、加速度Gから変化許容値THを決定する図7、図8、図10は、距離D、車速V、加速度Gが大きくなるほど変化許容値THが大きくなる関係である。これに対して、振幅Aから変化許容値THを決定する図9は、振幅Aが大きくなるほど、変化許容値THが小さくなる関係である。
また、図7、8、10では、許容値変化因子がある値以上である場合には、変化許容値THを所定の最大値TH(MAX)とするようになっている。変化許容値THを最大値TH(MAX)とすると、ステップS40の判断は必ずYESとなる。したがって、距離D、車速V、加速度Gがある値以上である場合には、振幅Aがばらついているかどうかを考慮しないことになる。
距離D、車速V、加速度Gが大きくなるほど変化許容値THを大きくするのは、距離D、車速V、加速度Gが大きくなると、障害物からの反射波であっても、振幅Aのばらつきが大きくなるからである。
振幅Aが大きくなるほど変化許容値THを小さくする理由は、振幅Aが大きいほど、障害物からの反射波である可能性が高く、障害物からの反射波である場合には、図5に例示したように、振幅差ΔAは小さい傾向にあるからである。したがって、変化許容値THを小さくしても、障害物からの反射波である場合には振幅差ΔAは変化許容値THよりも小さくなるからである。
ステップS22では、距離D、車速V、振幅A、加速度Gの4つの許容値変化因子と、図7〜図10に示す関係とを用いて、4つの変化許容値THを決定する。そして、4つの変化許容値THのうちの最大値を、ステップS40で用いる変化許容値THに設定する。
(第2実施形態の効果)
この第2実施形態では、変化許容値THを、許容値変化因子に基づいて設定する(S22)。そのため、変化許容値THを固定値とする場合よりも、路面を障害物であると誤検知してしまうことを精度よく抑制できる。
また、複数の許容値変化因子、すなわち距離D、車速V、振幅A、加速度Gを用いてそれぞれ変化許容値THを決定し、4つの変化許容値THのうちの最大値を、振幅差ΔAと比較する変化許容値THに設定する。したがって、障害物からの反射波であるにも関わらず、非報知としてしまうことを抑制しつつ、路面を障害物であると誤検知してしまうことを抑制できる。
<第3実施形態>
第3実施形態では、ECU20は、図6に示した処理に代えて図11に示す処理を実行する。図11に示す処理は、ステップS22とステップS30の間に、ステップS24とステップS26を備える点が図6と相違する。これらステップS24、S26も、障害物判定部24が実行する。図3に示す処理と同様、この図11に示す処理も、超音波センサ10別に実行する。したがって、ステップS22では、超音波センサ10別に、変化許容値THを決定している。変化許容値THを決定する許容値変化因子には、距離Dと振幅Aが含まれており、これらは、超音波センサ10ごとに異なる可能性があるので、変化許容値THは、超音波センサ10ごとに異なる可能性がある。
ステップS24では、ステップS22で各超音波センサ10に対して決定した変化許容値THを、その変化許容値THを決定した超音波センサ10(以下、対象超音波センサ)に近接する超音波センサ10の変化許容値THと比較する。この比較を各超音波センサ10について行う。
近接する超音波センサ10は、ここでは、対象超音波センサの隣に位置する超音波センサ10とする。したがって、たとえば、超音波センサ10Aが対象超音波センサである場合には、近接する超音波センサ10は超音波センサ10Bであり、超音波センサ10Bが対象超音波センサである場合には、近接する超音波センサ10は超音波センサ10A、10Cである。
変化許容値THの比較は変化許容値THの差ΔTHを算出して行う。変化許容値THの差ΔTHは請求項の相違値に相当する。この差ΔTHが、予め設定されている最大値採用閾値THを超えている場合(S24:YES)には、ステップS26に進む。
ステップS26では、最大変化許容値を、対象超音波センサの変化許容値THに設定する。最大変化許容値は、対象超音波センサに対して決定した変化許容値THと、その対象超音波センサに近接する超音波センサ10に対して決定した変化許容値THのうちの最大値である。このステップS26を実行しない場合には、ステップS22で決定した変化許容値THをそのまま用いてステップS40の判断を行うことになる。
(第3実施形態の効果)
この第3実施形態では、各超音波センサ10に対して決定した変化許容値THと、対象超音波センサに近接する超音波センサ10に対して決定した変化許容値THとの差ΔTHが、最大値採用閾値THを超えているか否かを判断している(ステップS24)。
この判断は、各超音波センサ10に対して決定した変化許容値THと、近接する超音波センサ10に対して決定した変化許容値THとの相違を判断している。近接する超音波センサ10に対して決定した変化許容値THとの相違が大きい場合には、変化許容値THを大きくしないと、障害物で反射して生じた反射波から算出した振幅差ΔAであっても、変化許容値TH以上となってしまう可能性が高くなる。しかし、この第3実施形態では、差ΔTHが最大値採用閾値THを超えている場合には、最大変化許容値を対象超音波センサの変化許容値THに設定する。したがって、対象超音波センサの変化許容値THが、近接する超音波センサ10の変化許容値THに合わせて大きい値に設定される場合が生じる。そのため、障害物で反射して生じた反射波から算出した振幅差ΔAが、変化許容値TH以上となってしまうことが抑制される。
<第4実施形態>
第4実施形態では、ECU20は、図11に示した処理に代えて図12に示す処理を実行する。図12に示す処理は、ステップS28、S29、S42、S44、S52を備えている点が図11と相違する。これらステップS28、S29、S42、S44、S52は障害物判定部24が実行する。
第4実施形態では、ステップS24の判断がNOであった場合、あるいは、ステップS26を実行した場合にはステップS28を実行する。ステップS28では、振幅Aが振幅閾値THを連続して超えた回数が回数閾値に到達したか否かを判断する。振幅Aが振幅閾値THを超えている場合に距離Dが超音波センサ10で算出される。したがって、振幅Aが振幅閾値THを連続して超えた回数には、ステップS10で連続して距離Dを記憶した回数を用いる。回数閾値の初期値は、たとえば3回である。
ステップS28の判断がNOであればステップS60に進み、ステップS28の判断がYESであればステップS30に進む。
また、この第4実施形態では、ステップS40の判断がNOあった場合にはステップS42において、回数閾値は増加済みであるか否かを判断する。この判断がYESであればステップS50に進み、報知処理を行う。
ステップS42の判断がNOであればステップS44に進み、回数閾値を増加させる。増加させる回数は予め設定されており、たとえば、1回〜3回のうちのいずれかである。回数閾値を増加させた後は、ステップS60に進む。ステップS44で増加させた回数閾値は、ステップS20の判断がNOである場合に実行するステップS29、または、報知処理(S50)を行なった場合に実行するステップS52でリセットする。
(第4実施形態の効果)
この第4実施形態では、ステップS50の報知処理を実行するにはステップS28の判断がYESになる必要がある。したがって、振幅Aが振幅閾値THを連続して超えた回数が回数閾値に到達したことに基づいて、障害物を検知したことを報知することになる。
ただし、ステップS28の判断がYESとなっても、振幅差ΔAが変化許容値THを超えている場合(S40:YES)であって、まだ、回数閾値を大きくしていない場合には、回数閾値を増加させるのみで(S44)、報知処理(S50)は行わない。そして、再び、ステップS28の判断がYESとなった場合には、振幅差ΔAが変化許容値THを超えていても(S40:YES)、回数閾値を増加済みであるので(S42:YES)、報知処理を行う(S50)。
すなわち、この第4実施形態では、振幅差ΔAが変化許容値THを超えている場合には、障害物を検知したことの報知を行うまでの回数閾値を大きくしている。これにより、路面を障害物であると誤検知してしまうことを抑制しつつも、障害物が存在しているのに、障害物を検知したことを報知できないことも抑制できる。
<第5実施形態>
第5実施形態では、ECU20は、図12に示した処理に代えて図13に示す処理を実行する。図13に示す処理は、ステップS21を備えている点が図12と相違する。このステップS21は障害物判定部24が実行する。なお、図13において、省略している部分は図12と同じ処理を実行する。
ステップS21では、報知中か否か、すなわち、障害物を検知したと判定して、障害物検知したことを報知している状態であるかを判断する。ステップS50を実行した後であって、ステップS60を実行して非報知状態としていなければ、報知中であると判断する。この判断がNO、すなわち、非報知状態であれば、既に説明したステップS22に進む。ステップS21の判断がYESであれば、ステップS50に進み、報知処理を行う。
(第5実施形態の効果)
第5実施形態では、報知中であると判断した場合には(S21:YES)、振幅差ΔAと変化許容値THを比較するステップS40を実行せずに、報知処理(S50)を実行する。すなわち、第5実施形態では、報知中である場合には、振幅差ΔAと変化許容値THを比較せず、振幅Aが振幅閾値THを超えているか否かにより、障害物を検知したか否かを判定していることになる。
このようにすることで、障害物を検知したことを報知した後に、その報知が短期間で行われなくなることが抑制される。したがって、障害物を検知したことを報知している期間と、報知をしない期間とが短期間で切り替わってしまい、運転者を混乱させてしまうことが抑制される。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、次の変形例も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できる。
<変形例1>
たとえば、前述の実施形態では、変化値として振幅差ΔAを算出していたが、複数回分の振幅Aの最大値と最小値の比、分散など、ばらつきの程度を表す他の指標を変化値として算出してもよい。
<変形例2>
第2実施形態では、変化許容値THを、距離D、車速V、振幅A、加速度Gの4つの許容値変化因子に基づいて設定していたが、これら4つの許容値変化因子うちの3つ、あるいは2つ、あるいは1つを用いて変化許容値THを設定してもよい。
<変形例3>
第3実施形態では、対象超音波センサの変化許容値THと、対象超音波センサに近接する超音波センサ10の変化許容値THとの差ΔTHが最大値採用閾値THを超えている場合に、対象超音波センサの変化許容値THを最大変化許容値に設定していた。しかし、差ΔTHが最大値採用閾値THの比較を行わずに、対象超音波センサの変化許容値THを最大変化許容値に設定してもよい。
<変形例4>
第4実施形態において、回数閾値を、変化許容値THと同様に、許容値変化因子、すなわち、距離D、車速V、振幅A、加速度Gの少なくとも一つに基づいて変化させてもよい。回数閾値を距離D、車速V、振幅A、加速度Gの少なくとも一つに基づいて変化させる場合、距離D、車速V、振幅A、加速度Gは、回数閾値変化因子と言える。
距離D、車速V、振幅A、加速度Gと回数閾値との関係は、図7〜図10に示す関係にける縦軸を、変化許容値から回数閾値に置き換えた関係である。したがって、距離Dが近いほど回数閾値を小さくし、車速Vが小さいほど回数閾値を小さくし、振幅Aが大きいほど回数閾値を小さくし、加速度Gが小さいほど回数閾値を小さく設定する。複数種類の回数閾値変化因子を用いる場合には、各回数閾値変化因子からそれぞれ決定した回数閾値のうち最大値を、回数閾値に到達したか否かの判断(S28)に用いる回数閾値に設定する。
<変形例5>
変形例4において、さらに、距離D、車速V、振幅A、加速度Gに基づいて変化許容値を設定せず、すなわち、図12のステップS22を実行せず、変化許容値を予め設定されている固定値としてもよい。
1:障害物検知システム、 2:車両、 3:報知装置、 4:リアバンパ、 10:超音波センサ、 11:送受信素子、 12:送信回路部、 13:受信回路部、 14:制御部、 20:ECU、 21:センサ値取得部、 22:記憶部、 23:変化値算出部、 24:障害物判定部、 30:車内LAN、 40:LINバス

Claims (13)

  1. 車両(1)で用いられ、
    探査波を逐次送信し、前記探査波が物体で反射した反射波を受信する探査波センサ(10)が受信した前記反射波の振幅が振幅閾値を超えていることに基づいて、障害物を検知したと判定する障害物判定部(24)と、
    所定回数分の前記反射波の振幅について、ばらつきの程度を表す変化値を算出する変化値算出部(23)とを備え、
    前記障害物判定部は、前記変化値算出部が算出した前記変化値が変化許容値を超えている場合、前記変化値が前記変化許容値を超えていない場合よりも、障害物を検知したと判定しにくくすることを特徴とする車両用障害物検知装置。
  2. 請求項1において、
    前記障害物判定部は、前記変化値算出部が算出した前記変化値が前記変化許容値を超えている場合、前記振幅が前記振幅閾値を超えていても、障害物を検知したと判定しないことを特徴とする車両用障害物検知装置。
  3. 請求項1において、
    前記障害物判定部は、
    前記反射波の振幅が前記振幅閾値を超えた回数と回数閾値との比較に基づいて、前記障害物を検知したと判定するようになっており、
    前記変化値算出部が算出した前記変化値が前記変化許容値を超えた場合に、前記回数閾値をそれまでよりも大きくすることを特徴とする車両用障害物検知装置。
  4. 請求項1または3において、
    前記障害物判定部は、
    前記反射波の振幅が前記振幅閾値を超えた回数と回数閾値との比較に基づいて、前記障害物を検知したと判定するようになっており、
    前記車両の車速、前記車両の加速度、前記物体までの距離、前記反射波の振幅の少なくとも一つに基づいて前記回数閾値を設定することを特徴とする車両用障害物検知装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項において、
    前記障害物判定部は、前記車両の車速、前記車両の加速度、前記物体までの距離、前記反射波の振幅の少なくとも一つに基づいて前記変化許容値を設定することを特徴とする車両用障害物検知装置。
  6. 請求項5において、
    前記障害物判定部は、前記車両の車速に基づいて前記変化許容値を設定するようになっており、車速が小さいほど前記変化許容値を小さく設定することを特徴とする車両用障害物検知装置。
  7. 請求項5において、
    前記障害物判定部は、前記車両の加速度に基づいて前記変化許容値を設定するようになっており、加速度が小さいほど前記変化許容値を小さく設定することを特徴とする車両用障害物検知装置。
  8. 請求項5において、
    前記障害物判定部は、前記物体までの距離に基づいて前記変化許容値を設定するようになっており、距離が近いほど前記変化許容値を小さく設定することを特徴とする車両用障害物検知装置。
  9. 請求項5において、
    前記障害物判定部は、前記反射波の振幅に基づいて前記変化許容値を設定するようになっており、振幅が大きいほど前記変化許容値を小さく設定することを特徴とする車両用障害物検知装置。
  10. 請求項5において、
    前記障害物判定部は、前記変化許容値を設定するために用いる許容値変化因子である前記車両の車速、前記車両の加速度、前記物体までの距離、前記反射波の振幅のうちから複数の前記許容値変化因子をそれぞれ用いて前記変化許容値を決定し、前記許容値変化因子別に決定した前記変化許容値のうちの最大値を、前記変化許容値に設定することを特徴とする車両用障害物検知装置。
  11. 請求項5において、
    前記探査波センサが前記車両に複数備えられており、
    前記障害物判定部は、
    前記物体までの距離、前記反射波の振幅の少なくとも一方に基づいて、前記探査波センサ別に前記変化許容値を決定し、
    各探査波センサに対して決定した前記変化許容値と各探査波センサに近接する他の前記探査波センサに対して決定した前記変化許容値のうちの最大値である最大変化許容値を、各探査波センサの前記変化許容値に設定することを特徴とする車両用障害物検知装置。
  12. 請求項11において、
    前記障害物判定部は、各探査波センサに対して決定した前記変化許容値と、各探査波センサに近接する他の前記探査波センサに対して決定した前記変化許容値との相違の程度を表す相違値が最大値採用閾値を超えたことに基づいて、前記最大変化許容値を前記変化許容値に設定することを特徴とする車両用障害物検知装置。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項において、
    前記障害物判定部は、前記障害物を検知したと判定している状態では、前記変化値と前記変化許容値との比較を行わずに、前記障害物を検知したか否かを判定することを特徴とする車両用障害物検知装置。
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