JP2018105396A - 車両の制御装置 - Google Patents

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Keiichi Yamaguchi
桂一 山口
隆弘 山中
Takahiro Yamanaka
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高橋 秀幸
Hideyuki Takahashi
秀幸 高橋
和寛 村瀬
Kazuhiro Murase
和寛 村瀬
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Abstract

【課題】車両の加速性能の確保と補機の継続的な稼働との両立を図る。【解決手段】駆動輪に走行のための回転駆動力を供給する駆動源、及びこの駆動源から回転駆動力の供給を受けて稼働する補機が搭載された車両の制御装置であって、補機による駆動源に対する負荷が大きい場合、同補機の負荷が小さい場合と比較して、駆動源と駆動輪との間に介在する自動変速機を、より高い車速に到達するまでアップシフトせず、またより高い車速からダウンシフトするように制御する制御装置を構成した。【選択図】図6

Description

本発明は、駆動輪に走行のための回転駆動力を供給する駆動源、及びこの駆動源から回転駆動力の供給を受けて稼働する補機が搭載された車両の制御装置に関する。
車両の室内の温度調節のために働くエアコンディショナは、駆動源、典型的には内燃機関から駆動力の伝達を受けて回転するコンプレッサにより気体の冷媒を圧縮し、その圧縮した冷媒をコンデンサにおいて放熱させ液体化した後、エバポレータに導いて気化させ、室内の空気と熱交換するものである。内燃機関と冷媒圧縮用のコンプレッサとの間には、両者を断接するマグネットクラッチが介在している。内燃機関及び補機の運転制御を司る電子制御装置(Electronic Control Unit)は、エアコンディショナの作動時に当該クラッチを締結してコンプレッサを稼働させる。そして、エアコンディショナの非作動時には当該クラッチを開放し、コンプレッサの稼働を停止させる(例えば、下記特許文献を参照)。
クラッチを締結して冷媒圧縮用コンプレッサを稼働させるとき、内燃機関に対する機械的な負荷が急増する。つまり、コンプレッサの稼働に起因してエンジン回転数が低落し、車体にショックを与える懸念がある。そこで、クラッチの締結に先んじて、内燃機関の気筒に充填される吸気量(及び、燃料噴射量)を増量して内燃機関の出力トルクを増大させ、しかる後クラッチを締結することで、エンジン回転数の低落及びショックの発生を抑制することが通例となっている。
翻って、クラッチを開放してコンプレッサの稼働を停止させるときには、気筒に充填される吸気量を減量して内燃機関の出力トルクを減少させ、しかる後クラッチを開放する。これにより、エンジン回転数の不必要な上昇を回避する。
冷媒圧縮用コンプレッサが固定容量式のものである場合、コンプレッサによる内燃機関に対する負荷を可変調整することができない。冷媒圧が高いときには、コンプレッサが内燃機関の出力トルクを多く消費することから、内燃機関から車両の駆動輪に供給することのできる余裕駆動力、換言すれば車両の加速性能が低下してしまう。上述の通り、コンプレッサの稼働時には、気筒に充填される吸気量を増量補正しているのであるが、スロットルバルブが既にある程度以上開いている状態で、さらにスロットルバルブの開度を拡大する操作を行ったとしても、内燃機関の出力トルクはあまり増大しない。運転者から見れば、アクセルペダルを強く踏み込んだとしても望んだ加速を得られないことになる。
従って、高い加速性能を確保するためには、コンプレッサの稼働を停止せざるを得ず、冷房性能が犠牲となる。このような問題は、小排気量の内燃機関を搭載した小型車両を高温地帯において運用する際に顕在化する。
特開2016−191321号公報
本発明は、車両の加速性能の確保と補機の継続的な稼働との両立を図ることを所期の目的としている。
本発明では、駆動輪に走行のための回転駆動力を供給する駆動源、及びこの駆動源から回転駆動力の供給を受けて稼働する補機が搭載された車両の制御装置であって、補機による駆動源に対する負荷が大きい場合、同補機の負荷が小さい場合と比較して、駆動源と駆動輪との間に介在する自動変速機を、より高い車速に到達するまでアップシフト(低速段位から高速段位への変更、または減速比(変速比)をより小さくする変更をいう)せず、またより高い車速からダウンシフト(高速段位から低速段位への変更、または減速比をより大きくする変更をいう)するように制御する制御装置を構成した。
本発明によれば、車両の加速性能の確保と補機の継続的な稼働との両立を図ることができる。
本発明の一実施形態における内燃機関及び制御装置の概略構成を示す図。 同実施形態における車両用エアコンディショナの構成を示す図。 同実施形態の制御装置が制御するスロットルバルブの開度と、アクセルペダルの踏込量及びコンプレッサの負荷との関係を示す図。 同実施形態の制御装置がマグネットクラッチを締結するときに実行する処理の内容を示すタイミング図。 同実施形態の制御装置がマグネットクラッチを開放するときに実行する処理の内容を示すタイミング図。 同実施形態の制御装置が制御する自動変速機のアップシフト時の変速線図。 同実施形態の制御装置が制御する自動変速機のダウンシフト時の変速線図。
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。図1に、本実施形態において車両の駆動源となる内燃機関の概要を示す。内燃機関は、例えば火花点火式の4ストロークエンジンであり、複数の気筒1(例えば、三気筒エンジン。図1には、そのうち一つを図示している)を具備している。各気筒1の吸気ポート近傍には、燃料を噴射するインジェクタ11を設けている。また、各気筒1の燃焼室の天井部に、点火プラグ12を取り付けてある。点火プラグ12は、点火コイルにて発生した誘導電圧の印加を受けて、中心電極と接地電極との間で火花放電を惹起するものである。点火コイルは、半導体スイッチング素子であるイグナイタとともに、コイルケースに一体的に内蔵される。
吸気を供給するための吸気通路3は、外部から空気を取り入れて各気筒1の吸気ポートへと導く。吸気通路3上には、エアクリーナ31、電子スロットルバルブ32、サージタンク33、吸気マニホルド34を、上流からこの順序に配置している。
排気を排出するための排気通路4は、気筒1内で燃料を燃焼させた結果発生した排気を各気筒1の排気ポートから外部へと導く。この排気通路4上には、排気マニホルド42及び排気浄化用の三元触媒41を配置している。
外部EGR(Exhaust Gas Recirculation)装置2は、いわゆる高圧ループEGRを実現するものである。EGR装置2は、排気通路4における触媒41の上流側と吸気通路3におけるスロットルバルブ32の下流側とを連通する外部EGR通路21と、EGR通路21上に設けたEGRクーラ22と、EGR通路21を開閉し当該EGR通路21を流れるEGRガスの流量を制御するEGRバルブ23とを要素とする。EGR通路21の入口は、排気通路4における排気マニホルド42またはその下流の所定箇所に接続している。EGR通路21の出口は、吸気通路3におけるスロットルバルブ32の下流の所定箇所、具体的にはサージタンク33に接続している。
図2に、車両の室内の空調を行うエアコンディショナ5の構成を示す。エアコンディショナ5は、冷媒を圧縮し高圧化するコンプレッサ51と、圧縮された高圧冷媒を放熱させて液化させるコンデンサ52と、コンデンサ52を強制的に空冷するためのコンデンサファン53と、液化しなかった気体の冷媒を液化した冷媒から分離するレシーバ54と、液化した冷媒を噴出させるエキスパンションバルブ55と、噴出して気化した冷媒を受け入れ室内の空気と熱交換させるエバポレータ56と、高温化した内燃機関の冷却水を受け入れ室内の空気と熱交換させるヒータコア59と、室内の空気を吸引しエバポレータ56に向けて吐出してその空気を再び室内に送り込むブロワファン57と、ブロワファン57から吐出されエバポレータ56を通り抜けた空気をどの程度ヒータコア59に吹き当てるかを調節するエアミックスダンパ50とを要素に含む。コンプレッサ51、コンデンサ52、レシーバ54、エキスパンションバルブ55及びエバポレータ56は、ループする冷媒流路により接続してある。
コンプレッサ51は、内燃機関に付随する補機の一種であり、内燃機関の出力軸であるクランクシャフトから回転駆動力の伝達を受けて回転駆動され、冷媒を圧縮する。本実施形態では、コンプレッサ51として、ベーン式のロータリコンプレッサを想定している。内燃機関のクランクシャフトとコンプレッサ51との間には、両者の接続を断接切換可能なマグネットクラッチ6が介在する。尤も、クラッチ6は、マグネットクラッチには限定されず、液圧(油圧)制御される態様のクラッチであっても構わない。
コンデンサ52は、車両のエンジンルームにおける走行風が当たる部位に配置しており、コンデンサファン53を回転させているか否かにかかわらず、車両の走行中にエンジンルームに吹き込む走行風により冷却される。コンデンサ52の背後には、内燃機関の冷却水を放熱させるラジエータ7が控えている。ラジエータ7もまた、走行風により冷却される。
コンデンサファン53は、内燃機関の冷却水を放熱させるラジエータ7を強制的に空冷するためのラジエータファンをも兼ねている。コンデンサファン兼ラジエータファン53は、ラジエータ7の背後に位置し、前方から空気を吸引して後方に吐出することで、コンデンサ52及びラジエータ7をともに冷却する。
ブロワファン57から吐出された空気は、エバポレータ56を通過する際に、冷媒から冷熱を得(冷媒に熱を奪われ)て低温化する。同時に、当該空気に含まれていた水蒸気が凝縮してエバポレータ56に付着し、湿度が低下する。エバポレータ56は、夏期に室内の温度を低下させる冷房のためだけでなく、冬季に室内の湿度を低下させて車両の窓ガラスの曇りを低減する役割をも担う。
エアミックスダンパ50は、エバポレータ56を通過した空気のうち、ヒータコア59を通過して室内に向かう空気の量と、ヒータコア59を迂回して室内に向かう空気の量との割合を調節する。このエアミックスダンパ50により、室内に吹き出す風の温度を調整することが可能である。
本実施形態の車両の制御装置たるECU0は、プロセッサ、メモリ、入力インタフェース、出力インタフェース等を有したマイクロコンピュータシステムである。
ECU0の入力インタフェースには、車両の実車速を検出する車速センサから出力される車速信号a、クランクシャフトの回転角度及びエンジン回転数を検出するクランク角センサ(エンジン回転センサ)から出力されるクランク角信号b、運転者によるアクセルペダルの踏込量をアクセル開度(いわば、要求負荷)として検出するセンサから出力されるアクセル開度信号c、吸気通路3(特に、サージタンク33)内の吸気温及び吸気圧を検出する温度・圧力センサから出力される吸気温・吸気圧信号d、内燃機関の温度を示唆する冷却水温を検出する水温センサから出力される水温信号e、外気温を検出する外気温センサから出力される外気温信号f、吸気カムシャフトの複数のカム角にてカム角センサから出力されるカム角信号g、エバポレータ56若しくはその近傍またはその下流の温度を検出する温度センサから出力されるエバポレータ温信号h、エアコンディショナ5のコンデンサ52から流下する(コンデンサの下流52かつエキスパンションバルブ55の上流の)冷媒の圧力を検出する冷媒圧センサから出力される冷媒圧信号m、車室内の温度を検出する室内温センサから出力される室内温信号t等が入力される。
ECU0の出力インタフェースからは、点火プラグ12のイグナイタに対して点火信号i、インジェクタ11に対して燃料噴射信号j、スロットルバルブ32に対して開度操作信号k、EGRバルブ23に対して開度操作信号l、内燃機関と車両の駆動輪とを繋ぐ自動変速機の変速段(または、減速比)を指令する制御信号n、マグネットクラッチ6に通電する電気回路上のスイッチに対してクラッチ締結信号o等を出力する。
ECU0のプロセッサは、予めメモリに格納されているプログラムを解釈、実行し、運転パラメータを演算して内燃機関の運転を制御する。ECU0は、内燃機関の運転制御に必要な各種情報a、b、c、d、e、f、g、h、m、tを入力インタフェースを介して取得し、エンジン回転数を知得するとともに気筒1に充填される吸気量を推算する。そして、それらエンジン回転数及び吸気量に基づき、吸気量に見合った要求燃料噴射量、燃料噴射タイミング(一度の燃焼に対する燃料噴射の回数を含む)、燃料噴射圧、点火タイミング、要求EGR率、エアコンディショナ5のコンプレッサ51の稼働のON/OFF、自動変速機の変速段等といった各種運転パラメータを決定する。ECU0は、運転パラメータに対応した各種制御信号i、j、k、l、n、oを出力インタフェースを介して印加する。
本実施形態のECU0は、エアコンディショナ5を作動させる旨の指令が搭乗者によって与えられ、コンプレッサ51を稼働させて冷媒の圧縮を実行するべき状況において、マグネットクラッチ6を締結し、内燃機関のクランクシャフトとコンプレッサ51とを接続する。コンプレッサ51を稼働させるべき状況とは、例えば、エバポレータ温信号hを参照して知得されるエバポレータ温度が所定の稼働条件温度よりも上昇したときである。エアコンディショナ5を作動させるべき旨の指令は、例えば、搭乗者がコックピット内に設けられたエアコンスイッチを手指でONに操作することを通じて行われる。
そして、コンプレッサ51を停止するべき状況では、マグネットクラッチ6の締結を解除して、内燃機関のクランクシャフトとコンプレッサ51とを切り離す。コンプレッサ51を停止するべき状況とは、例えば、エバポレータ温度が所定の停止条件温度よりも低下したときである。停止条件温度の値は、上記の稼働条件温度の値よりもやや(例えば、1℃ないし2℃程度)低い。
ECU0は、コンプレッサ51を稼働させる場合、コンプレッサ51を稼働させない場合と比較して、同じアクセルペダルの踏込量に対するスロットルバルブ32の開度をより大きく拡大し、気筒1に充填される吸気量及び燃料噴射量を増量補正する。これにより、コンプレッサ51が消費する回転駆動力を補う。特に、本実施形態では、図3に示すように、コンプレッサ51による内燃機関に対する負荷が大きくなるほど、スロットルバルブ32の開度をより大きく拡大するようにしている。
コンプレッサ51の内燃機関に対する負荷は、エンジン回転数(に比例するコンプレッサ51の回転数)及び冷媒圧に基づいて推測することができる。コンプレッサ51による負荷は、冷媒圧が高くなるほど大きくなる一方、エンジン回転数が高くなるほど小さくなる傾向にある。ECU0のメモリには予め、エンジン回転数及び冷媒圧と、コンプレッサ51による負荷との関係を規定したマップデータが格納されている。ECU0は、現在のエンジン回転数及び冷媒圧をキーとして当該マップを検索し、現在のコンプレッサ51の負荷の推定値を知得する。
マグネットクラッチ6を締結してコンプレッサ51を稼働させるにあたっては、図4に示すように、コンプレッサ51を稼働させるべき状況にあると判断した時点t1からマグネットクラッチ6を締結する時点t2までの間の遅延時間において、スロットルバルブ32の開度を徐々に拡大する操作を行う。これは、クラッチ6の締結前に予め内燃機関の出力する駆動力を増大させておき、クラッチ6締結時におけるエンジン回転数の低落及び車体へのショックの発生を抑制する意図である。
翻って、マグネットクラッチ6を開放してコンプレッサ51を停止させるにあたっては、図5に示すように、コンプレッサ51を停止させるべき状況にあると判断した時点t3からマグネットクラッチ6を開放する時点t4までの間の遅延時間において、スロットルバルブ32の開度を徐々に縮小する操作を行う。これは、クラッチ6の開放前に予め内燃機関の出力する駆動力を減少させておき、クラッチ6開放時におけるエンジン回転数の不必要な上昇を回避する意図である。
しかして、本実施形態のECU0は、図6に示すように、コンプレッサ51による内燃機関に対する負荷が大きい場合、コンプレッサ51による内燃機関に対する負荷が小さい場合と比較して、車両の自動変速機がより高い車速に到達するまでアップシフトしないように、自動変速機の変速線を変更する。
コンプレッサ51の負荷が大きいほど、自動変速機のアップシフトを行う条件となる車速を高く設定することにより、コンプレッサ51の負荷が大きい状態では、自動変速機のアップシフトの時期が遅くなり、より長い期間に亘って低速段位での走行が継続されるようになる。結果、自動変速機を介してより大きな回転駆動力を駆動輪に入力することができ、コンプレッサ51の稼働を停止せずに車両の加速性能を高めることが可能となる。
なお、運転者がアクセルペダルを踏み込むことで、スロットルバルブ32の開度がベース線、即ちコンプレッサ51を稼働させない(コンプレッサ51による負荷が0の)場合の変速線を超えて高くなるときには、スロットルバルブ32の開度を、図3に示しているアクセルペダルの踏込量に応じた(そして、現在のコンプレッサ51の負荷の大きさに対応した)本来の開度よりも縮小し(特に、ベース線を越えて高くならないようにクリップし)、その状態で車速がアップシフトのための(現在のコンプレッサ51の負荷の大きさに対応した)変速線の高さまで上昇するのを待ち、しかる後に自動変速機をアップシフトする。
並びに、本実施形態のECU0は、図7に示すように、コンプレッサ51による内燃機関に対する負荷が大きい場合、コンプレッサ51による内燃機関に対する負荷が小さい場合と比較して、自動変速機がより高い車速からダウンシフトするように、自動変速機の変速線を変更する。
コンプレッサ51の負荷が大きいほど、自動変速機のダウンシフトを行う条件となる車速を高く設定することにより、コンプレッサ51の負荷が大きい状態では、自動変速機のダウンシフトの時期が早くなり、より長い期間に亘って低速段位での走行が継続されるようになる。結果、自動変速機を介してより大きな回転駆動力を駆動輪に入力することができ、コンプレッサ51の稼働を停止せずに車両の加速性能を高めることが可能となる。
本実施形態では、駆動輪に走行のための回転駆動力を供給する駆動源(内燃機関)、及びこの駆動源から回転駆動力の供給を受けて稼働する補機(コンプレッサ51)が搭載された車両の制御装置であって、補機による駆動源に対する負荷が大きい場合、同補機の負荷が小さい場合と比較して、駆動源と駆動輪との間に介在する自動変速機を、より高い車速に到達するまでアップシフトせず、またより高い車速からダウンシフトするように制御する制御装置0を構成した。本実施形態によれば、車両の加速性能の確保と補機の継続的な稼働との両立を図ることができる。特に、コンプレッサ51の稼働を停止することなく、つまりはエアコンディショナ5の冷房性能を犠牲にすることなく、運転者の望む加速性能を実現することが可能となる。
補機による負荷が大きい場合には自動変速機の変速線を高車速側に偏倚させる一方、補機による負荷が小さい場合には変速線を高車速側に偏倚させないので、徒にエンジン回転数を上昇させずに済み、燃料消費量の増加を抑制することができる。このことは、燃費性能の一層の向上に寄与する。
なお、本発明は以上に詳述した実施形態に限られるものではない。例えば、上記実施形態では、車両の駆動源として内燃機関を想定していたが、駆動源が電動機であることもあり得る。駆動源として内燃機関と電動機との双方を搭載したハイブリッド車両に本発明を適用することも、当然に可能である。
また、上記実施形態では、補機としてエアコンディショナ5の冷媒圧縮用コンプレッサ51を想定していたが、車両の電装系に電力を供給するための発電機や、冷却水、潤滑油、トランスミッションフルード等の流体を吐出し圧送するためのポンプもまた補機に該当し、当該補機の内燃機関に対する負荷の大きさに応じて自動変速機の変速線を変更することも考えられる。
その他各部の具体的構成は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明は、車両に搭載された駆動源及び自動変速機の制御に適用できる。
0…制御装置(ECU)
51…補機(冷媒圧縮用コンプレッサ)
6…クラッチ
a…車速信号
b…クランク角信号
j…燃料噴射信号
k…開度操作信号
m…冷媒圧信号
n…自動変速機の制御信号
o…クラッチ締結信号

Claims (1)

  1. 駆動輪に走行のための回転駆動力を供給する駆動源、及びこの駆動源から回転駆動力の供給を受けて稼働する補機が搭載された車両の制御装置であって、
    補機による駆動源に対する負荷が大きい場合、同補機の負荷が小さい場合と比較して、駆動源と駆動輪との間に介在する自動変速機を、より高い車速に到達するまでアップシフトせず、またより高い車速からダウンシフトするように制御する制御装置。
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