JP2018105001A - 鋼管杭式土砂崩壊予防施設及び鋼管杭式土砂崩壊予防施設の形成方法 - Google Patents

鋼管杭式土砂崩壊予防施設及び鋼管杭式土砂崩壊予防施設の形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】斜面における地すべり対策として、適切なコストにて形成できる鋼管杭(パイプアンカー)を用いた土砂崩壊予防施設、及び、これの形成方法の提供。【解決手段】斜面における土砂崩壊を予防するための施設であって、安定層Bと不安定層Aにまたがって地中に埋設されるパイプアンカー2と、パイプアンカー2から地表に至る設置孔hとを備えるパイプアンカー式土砂崩壊予防施設。【選択図】図2

Description

本発明は、斜面における地すべり対策としての予防施設に関し、特に、鋼管杭を用いた土砂崩壊予防施設、及び、これの形成方法に関する。
斜面における地すべり対策として、抑止工としての杭工がある。杭工は、斜面等に対して鋼管やH鋼などを埋設し、杭(鋼管やH鋼など)のせん断抵抗力や抵抗曲げモーメント等に基づいて、すべり力に抵抗するものである。従って、杭工に用いられる杭は、断面が大きい方が有利であり、鋼管やH鋼が用いられている。
このような杭工につき、鋼管杭工法に関する技術が特許文献1〜2によって開示されている。
特開2007−32169号公報 特開2009−68229号公報
上述のごとく、杭工は、杭のせん断抵抗力や抵抗曲げモーメント等に基づいてすべり力に抵抗するものであり、断面の大きな(太い)杭を深く打ち込むことにより、高いすべり抑止力を持つことができる。
このような杭工を、斜面における地すべり対策としての予防施設として用いる場合、従来は、地すべり対策が必要な傾斜地に、杭(鋼管等)を複数打ち込むものであり、すべり面より下の安定層(岩盤層など)に届き且つ地表に頭部が出る長さの杭を打設するものであった。
このような予防施設は、表層崩壊や全層崩壊等の地すべり対策として有効なものであるが、ケースによってはオーバースペックなものとなってしまう(コスト高になってしまう)ものであった。即ち、環境によっては、全層崩壊さえ防げればよいというようなケースもあるが、このような要望に対して、適切なコストにて対応できる杭工が存在していないという問題があった。
本発明は、上記の点に鑑み、斜面における地すべり対策として、適切なコストにて形成できる鋼管杭を用いた土砂崩壊予防施設、及び、これの形成方法を提供することを目的とする。
(構成1)
斜面における土砂崩壊を予防するための施設 であって、安定層と不安定層にまたがってまたは異なる地層間にまたがって地中に埋設される鋼管杭と、前記鋼管杭から地表に至る設置孔と、を備えることを特徴とする鋼管杭式土砂崩壊予防施設。
(構成2)
不安定層の任意の深さに埋設される鋼管杭を更に備え、
前記設置孔に充填物が充填されていることを特徴とする構成1に記載の鋼管杭式土砂崩壊予防施設。
(構成3)
前記斜面上に設置される面材を更に備えることを特徴とする構成1又は構成2に記載の鋼管杭式土砂崩壊予防施設。
(構成4)
前記鋼管杭の先端部の内側に縮径部が設けられていることを特徴とする構成1から構成3の何れかに記載の鋼管杭式土砂崩壊予防施設。
(構成5)
前記鋼管杭の上端部の内側にネジ溝が形成されていることを特徴とする構成4に記載の鋼管杭式土砂崩壊予防施設。
(構成6)
構成1から構成5の何れかに記載の鋼管杭式土砂崩壊予防施設の形成方法であって、ボーリングマシンのドリルビットに前記鋼管杭を取り付けた状態で、前記ドリルビットによる掘削に伴い、前記鋼管杭を地中に埋めるステップと、前記鋼管杭の上部に、ガイドパイプを配し、当該ガイドパイプと前記鋼管杭の掘削方向の相対位置のずれを規制するステップと、前記ドリルビットによるさらなる掘削に伴い、前記鋼管杭と前記ガイドパイプを埋め込むことにより、所定の深さまで前記鋼管杭を埋め込むステップと、前記ガイドパイプを抜き去ることで前記設置孔を形成するステップと、を備えることを特徴とする鋼管杭式土砂崩壊予防施設の形成方法。
(構成7)
前記ガイドパイプと鋼管杭の掘削方向の相対位置のずれの規制を、前記ガイドパイプの後端部において、前記ドリルビットの回転軸となるボーリングロッドに対する相対位置を固定することによって行うことを特徴とする構成6に記載の鋼管杭式土砂崩壊予防施設の形成方法。
(構成8)
前記ガイドパイプが、相互に接合される複数のガイドパイプによって形成されることを特徴とする構成7に記載の鋼管杭式土砂崩壊予防施設の形成方法。
(構成9)
前記鋼管杭と前記ガイドパイプを埋め込むステップの後に、前記ドリルビットの頭部を縮径してこれを前記鋼管杭及びガイドパイプから抜くステップと、当該ドリルビットを抜くステップの後に、前記鋼管杭と前記ガイドパイプの内部へ充填物を充填するステップを備えることを特徴とする構成6から構成8の何れかに記載の鋼管杭式土砂崩壊予防施設の形成方法。
(構成10)
前記ボーリングマシンのボーリングロッドに、前記ガイドパイプ内において前記ボーリングロッドが略中心位置となるようにするための芯出し材が備えられていることを特徴とする構成6から構成9の何れかに記載の鋼管杭式土砂崩壊予防施設の形成方法。
(構成11)
前記鋼管杭と前記ガイドパイプを埋め込むステップの後に、前記ドリルビットの頭部を縮径して前記鋼管杭から抜き、且つ、前記ガイドパイプ内にボーリングロッドに設けられた拡径部と当接する係止部材が備えられていることにより、前記ドリルビットを抜くのと同時に前記ガイドパイプを一緒に抜き去るステップを備えることを特徴とする構成6から構成8の何れかに記載の鋼管杭式土砂崩壊予防施設の形成方法。
(構成12)
前記ボーリングロッドに設けられた拡径部が、前記ドリルビット若しくはハンマ部であり、前記係止部材が、前記ボーリングロッドが略中心位置となるようにするための芯出し材であることを特徴とする構成11に記載の鋼管杭式土砂崩壊予防施設の形成方法。
(構成13)
前記ガイドパイプを抜き去るステップの後に、これによって形成された前記設置孔と前記鋼管杭内に充填物を充填するステップを備えることを特徴とする構成11又は構成12に記載の鋼管杭式土砂崩壊予防施設の形成方法。
(構成14)
前記ガイドパイプが、相互に接合されない複数のガイドパイプによって形成され、前記ドリルビットの頭部を縮径せずに抜くことにより、同時に前記鋼管杭と前記分割ガイドパイプを抜くステップと、再度、前記鋼管杭を地中に埋めるステップと、を備えることを特徴とする構成6又は構成7に記載の鋼管杭式土砂崩壊予防施設の形成方法。
(構成15)
前記ボーリングロッドに、前記ガイドパイプ内において前記ボーリングロッドが略中心位置となるようにするための芯出し材が、前記複数のガイドパイプのそれぞれに対応する位置で備えられていることを特徴とする構成14に記載の鋼管杭式土砂崩壊予防施設の形成方法。
(構成16)
前記鋼管杭を地中に再度埋めるステップの後に、前記ドリルビットの頭部を縮径してこれを前記鋼管杭及びガイドパイプから抜くステップと、前記設置孔と前記鋼管杭内に充填物を充填するステップを備えることを特徴とする構成14又は構成15に記載の鋼管杭式土砂崩壊予防施設の形成方法。
(構成17)
構成5に記載の鋼管杭式土砂崩壊予防施設の形成方法であって、ボーリングマシンのドリルビットに前記鋼管杭を取り付けた状態で、前記ドリルビットによる掘削に伴い、前記鋼管杭を地中に埋めるステップと、前記鋼管杭上端部内側のネジに螺合させてガイドパイプを取り付けるステップと、前記ドリルビットによるさらなる掘削に伴い、前記鋼管杭と前記ガイドパイプを埋め込むことにより、所定の深さまで前記鋼管杭を埋め込むステップと、前記ドリルビットの頭部を縮径してこれを前記鋼管杭及びガイドパイプから抜くステップと、前記ガイドパイプを回転させてネジを外し、これを抜き去るステップと、を備えることを特徴とする鋼管杭式土砂崩壊予防施設の形成方法。
(構成18)
前記ガイドパイプが、相互に接合された複数のガイドパイプによって形成されていることを特徴とする構成17に記載の鋼管杭式土砂崩壊予防施設の形成方法。
(構成19)
前記ドリルビットの頭部を縮径して抜くステップの後に、前記鋼管杭と前記ガイドパイプの内部へ充填物を充填するステップを備えることを特徴とする構成17又は構成18に記載の鋼管杭式土砂崩壊予防施設の形成方法。
本発明の鋼管杭式土砂崩壊予防施設またはこれの形成方法によれば、安定層と不安定層にまたがってまたは異なる地層間にまたがって地中に埋設される鋼管杭を備え、且つ、当該鋼管杭から地表に至る設置孔が形成される(即ち、鋼管杭から地表までには鋼管杭が無い)ため、斜面における地すべり対策を適切なコストにて行うことができる。
本発明に係る鋼管杭(パイプアンカー)の設置状態を示す概略図 本発明に係るパイプアンカー及びこれの打ち込みに使用するボーリングマシンを示す図 本発明に係るパイプアンカー打ち込みに使用するボーリングマシンのドリルビット部分を示す図 実施形態1のパイプアンカー打ち込み工法に使用するガイドパイプ浮上防止金具を示す図 実施形態1のパイプアンカー打ち込み工法の概略説明図 ボーリングロッドに設けられる芯出し材を示す図 実施形態2のガイドパイプを示す図 実施形態2のパイプアンカー打ち込み工法の概略説明図 実施形態3のパイプアンカー打ち込み工法の概略説明図 実施形態4のパイプアンカー打ち込み工法の概略説明図 ガイドパイプ浮上防止金具の他の例を示す図 パイプアンカーとガイドパイプの接合例を示す図 パイプアンカーの設置状態の別の例を示す概略図
以下、本発明の実施態様について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下の実施態様は、本発明を具体化する際の一形態であって、本発明をその範囲内に限定するものではない。
<実施形態1>
図1は、本発明に係る鋼管杭式土砂崩壊予防施設100を説明するための概略図であり、斜面の上面側からみた鋼管杭であるパイプアンカーの配置例を左側に描き、斜面の断面からみた配置例を右側に描いたものである。
図に示されるように、鋼管杭式土砂崩壊予防施設100は、鋼管杭であるパイプアンカー2が、すべり面Cを境とした不安定層Aと安定層Bにまたがって埋設されており、パイプアンカー2から地表に至る設置孔hを有する。
鋼管杭であるパイプアンカー2が、地すべり対策が必要な範囲において所定間隔ごとに複数本設置される(図では、碁盤目状に設置されるものを例としている)。パイプアンカー2の配置は、パイプアンカー2の仕様(材質、太さ、厚さ、長さ等)に基づくせん断抵抗力や抵抗曲げモーメント等と、設置箇所における不安定層Aの重量、すべり面Cの勾配や摩擦係数等と、に基づいて必要な本数及び設置間隔が定められるものである。
本実施形態の鋼管杭式土砂崩壊予防施設100においては、設置孔h及びパイプアンカー2の内部にグラウト材(充填物)が充填されている。
次に、鋼管杭式土砂崩壊予防施設100の形成方法について説明する。
図2は、パイプアンカーの打ち込みに使用するボーリングマシンを示す図である。
本発明に使用するボーリングマシン自体は、従来から使用されているものと同様のものであり、特許文献1や2等において開示されているものと基本的に同じものである。図2に示されるように、ボーリングマシン1は、架台11と、ドリルビット駆動部(モータ)12と、ウインチ17と、駆動部用ウインチ18と等を備える。
ドリルビット駆動部12は架台11上を摺動(図では上下方向)するように構成され、駆動部用ウインチ18によって、吊り上げ・下げをすることができる。このドリルビット駆動部12に、ボーリングロッドを介してエアハンマ(ハンマ部)とドリルビットが取り付けられることにより、ドリルビットが回転するとともに打撃による衝撃が付与され、掘削力を得るものである。
本発明は、基本的に傾斜地におけるパイプアンカーの打ち込みを想定しており、本実施形態のパイプアンカー打ち込み工法においては、鉛直方向にパイプアンカーを打ち込むものである(傾斜Sに対して垂直方向ではなく、鉛直方向)。なお、傾斜面に対して垂直方向にアンカーを打ち込むことも可能であるのは勿論である。
ボーリングマシン1の設置においては、控えロープ(図示せず)を用いてボーリングマシン1の姿勢を安定させる。
また、図示を省略しているが、油圧モータであるドリルビット駆動部12へ圧油を供給する油圧ユニットや、エアハンマにエアを供給するコンプレッサ等の機器も使用される。
後により詳細に説明するが、ボーリングマシン1のドリルビットにパイプアンカー2を取り付けた状態で、ドリルビットによる掘削に伴いパイプアンカー2を地中に埋め、
さらに、パイプアンカー2の上部にガイドパイプ3を配すると共にボーリングロッドを追加しつつ、ガイドパイプ3とパイプアンカー2の掘削方向の相対位置のずれを規制しながらドリルビットによるさらなる掘削行うことを繰り返すことにより、パイプアンカー2とガイドパイプ3を埋め込む(図2(a))。
これにより、所定の深さまでパイプアンカー2が埋め込まれる(不安定層Aと安定層Bにまたがって埋設される)。
この状態(図2(a))から、ドリルビット頭部を縮径してパイプアンカー2及びガイドパイプ3から抜き、パイプアンカー2とガイドパイプ3の内部へグラウト材(充填物)を充填し、グラウト材が固化する前にガイドパイプ3を抜くことで(図2(b))、パイプアンカー2の打ち込み(1本)が終了するものである。
図3は、ボーリングマシン1の、パイプアンカー2を打ち込む状態における、ドリルビット付近を示した図である(特許文献1で開示されている技術と同等)。
同図に示されるように、パイプアンカー2を打ち込む状態では、埋め込む対象であるパイプアンカー2の内部に、ドリルビット13とエアハンマ14(及びボーリングロッド)が挿通され、パイプアンカー2の下端部からビット頭部131が突出する。この状態におけるビット頭部131の回転、及び、エアハンマ14によって付与される衝撃によって図面の下方へと掘削をし、これによってパイプアンカー2を埋設するものである。
ビット頭部131は、縮径/拡径をすることが可能な構成とされており、パイプアンカー2の内部を挿通する際には、縮径することで、外形寸法がパイプアンカー2の内径より小さくなり、パイプアンカー2の下端部から突出した位置にて拡径することで、図3に示される状態となる。
パイプアンカー2の下端の内側には、リング状の部材であるシュー29が溶接によって取り付けられており(パイプアンカーの先端部の内側に縮径部が設けられている)、シュー29の上端部によって、ドリルビット13の鍔部132と突き当たる段差部が形成される。当該構成により、回転・衝撃を与えつつ図面下方へと掘削するドリルビット13と共に、先端部の内側に縮径部が設けられているパイプアンカー2も地中へと打ち込まれていくものである。
図4は、ガイドパイプ浮上防止金具を示す図である。
本実施形態では、パイプアンカー2とガイドパイプ3が連結されていない。上述のごとくパイプアンカー2は、ドリルビット13と共に地中へと打ち込まれていくが、ガイドパイプ3は、これらのパイプアンカー2やドリルビット13と連結されていないため、そのままでは地中への打ち込みが進まない。
ガイドパイプ浮上防止金具27(及び係止部151)は、ガイドパイプ3を地中へ打ち込むための構成であり、ガイドパイプとパイプアンカーの掘削方向の相対位置のずれを規制するものである。
ガイドパイプ浮上防止金具27は、ガイドパイプ3やパイプアンカー2の内部に挿通されるボーリングロッド15(or15´)が、ガイドパイプ3やパイプアンカー2の中心部に位置するように遊びを持って(回動可能、且つ、摺動可能に)保持する部材であり、ガイドパイプ3の後端部に取り付けられる。
ボーリングロッド15´には、当該ガイドパイプ浮上防止金具27に対して、突き当たる部材となる係止部151が形成される。これにより、ボーリングロッドに対する相対位置が固定される。なお、係止部151が形成されたロッドがボーリングロッド15´であり、係止部151が無い通常のロッドをボーリングロッド15とする。
パイプアンカー2では、ドリルビット13、エアハンマ14及びボーリングロッド15(これら3つの構成を以下「掘削アッセンブリ」という。)の掘削が進むに伴いシュー29によって先端(下端)側で引っ張られ埋設されていくものが、ガイドパイプ3では、掘削アッセンブリの掘削が進むに伴い後端(上端)側で、押込まれる形となる。
図5は、実施形態1の鋼管杭打ち込み工法の全体工程の概略を示す説明図である。
図5に示されるように、実施形態1の工法は、大まかに手順01〜06を有している。ここの例では、ボーリングマシン1の架台11の長さより深い位置にパイプアンカー2を打ち込むために、ガイドパイプ3が相互に結合される分割されたガイドパイプ(31〜33)によって形成されるものを使用している。分割されたガイドパイプ(31〜33)は、基本的には単なる鋼管であるが、相互に接続できるようにネジが切ってある。即ち、各分割されたガイドパイプの上端側(若しくは下端側)において内周に雌ネジが形成されており、下端側(若しくは上端側)の外周に雄ネジが形成され、両者をねじ接合することでガイドパイプ3が形成されるものである。
手順01において、先ずパイプアンカー2を埋設する。
図2、3で説明したように、パイプアンカー2の下端にシュー29が取り付けられており、パイプアンカー2の内部を挿通されたドリルビット13とエアハンマ14によって鉛直方向に掘削し、この掘削に伴ってパイプアンカー2が埋設されるものである。
パイプアンカー2が埋設されたら、一旦掘削を停止して、上部のボーリングロッド15をいくつか取り外してパイプアンカー2の上にガイドパイプ31を配置するためのスペースを形成する。なお、ボーリングロッド15は、複数の分割されたボーリングロッドをつなぐことによって、掘削の深さに応じて長さを調節することができるものである。
パイプアンカー2の上にガイドパイプ31を配置したら、ガイドパイプ浮上防止金具27を取り付け(予めガイドパイプ31に取り付けておくものであって良い)、ボーリングロッド15及びボーリングロッド15´の取り付けを行う。ボーリングロッド15´は図4で示したように、ガイドパイプ浮上防止金具27に対応する位置となるように取り付ける。
続いて手順02として、ガイドパイプ31の埋設を行う。
前述したごとく、掘削アッセンブリの掘削が進むに伴って、パイプアンカー2は先端(下端)側で引っ張られ埋設され、ガイドパイプ31は後端(上端)側で押込まれて埋設されるものである。
図5の手順02に示されるように、ガイドパイプ31も埋設されたら、掘削を停止して、ガイドパイプ32を配置する。ガイドパイプ32の配置作業は、ガイドパイプ31の配置作業と同様であるが、ガイドパイプ31と32は前述のごとくネジによって螺合され、ガイドパイプ浮上防止金具27を、ガイドパイプ31の上端からガイドパイプ32の上端に付け替える作業が行われる。
続いて手順03として、ガイドパイプ32の埋設を行う。
ガイドパイプ32も埋設されたら、さらに同様の作業を繰り返すことにより、ガイドパイプ33の埋設も行う(手順04)。
ガイドパイプ33の埋設が終わったら(即ち、パイプアンカー2が所定の深さに埋設されたら)、ビット頭部131を縮径し、掘削アッセンブリを、パイプアンカー2及びガイドパイプ3からから抜く(手順05)。
この状態で、パイプアンカー2とガイドパイプ3の内部へグラウト材(充填物)を充填し、グラウト材が固化する前にガイドパイプ3を抜くことにより、設置孔hとパイプアンカー2の内部にグラウト材が充てんされた状態となり、これが固化することでパイプアンカー2の打ち込み(1本)が終了する。この打ち込み作業を繰り返すことにより、鋼管杭式土砂崩壊予防施設100を形成する。なお、ガイドパイプ3の抜管は、ボーリングマシン1のウインチ17を利用するなどして行う。
以上のごとく、本実施形態の鋼管杭式土砂崩壊予防施設100によれば、必要な箇所にのみ鋼管杭(パイプアンカー)が設置されるものであり、適切なコストにて土砂崩壊予防施設を形成することができる。即ち、図1に示されるように、パイプアンカー2が、すべり面Cを境とした不安定層Aと安定層Bにまたがって埋設され、それ以上の不要な長さを有していないため、例えば全層崩壊さえ防げればよいというようなケースにおいて、適切なコストにて土砂崩壊予防施設を形成することができるものである。また、従来の杭工法のような地表面に杭頭が突出した状態にはならないため、景観を損なわず、美観に優れている。従来の杭工としての固定観念(地表から打ち込み、地表に頭が出ている)を打破した画期的な土砂崩壊予防施設である。
また、本実施形態の鋼管杭式土砂崩壊予防施設の形成方法によれば、ボーリングマシンの架台の長さよりも深い位置へのパイプアンカー2の打ち込みを、最小限の機材・資材で簡便に行うことができ、人力によって機材・資材を搬入する必要がある傾斜地等において、非常に有用な工法となる。
なお、前述のごとく、本実施形態ではパイプアンカー2とガイドパイプ3が連結されないため、パイプアンカー2とガイドパイプ3の相対位置がずれるおそれがある。掘削方向(上下方向)については、前述のごとくボーリングロッド15´とガイドパイプ浮上防止金具27によって規制される。また、水平方向のずれについては、基本的に掘削によって形成された孔によって規制されるものではあるが、パイプアンカー2とガイドパイプ3の中心がずれてしまうおそれがある。そこで、図6に例示したように、ボーリングロッド15に、ガイドパイプ3内においてボーリングロッドが略中心位置となるようにするための芯出し材152を設けるようにしてもよい。芯出し材152は、ガイドパイプ3の内径よりも僅かに小さい直径をもってボーリングロッド15に固定されるものである。芯出し材152は、ガイドパイプ3の先端側(即ちガイドパイプ31の先端側)に配されるようにすると効果的である。
また、図12に示したように、ガイドパイプ3の下端(ガイドパイプ31の下端)側と、パイプアンカー2の上端側に、相互にはまるスリーブを設けることにより、ガイドパイプ3とパイプアンカー2が、掘削方向には着脱自在であるが、水平方向のずれに対しては規制される構成としてもよい(図12では、ガイドパイプ31の下端に、外径が小さくなるオスのスリーブを設け、これを受け入れるメスのスリーブをパイプアンカー2の上端に形成したものを例としている)。このようにすることで、芯出し材152が不要であり、ガイドパイプ3の中を通って行われる掘削土砂の排出もスムーズとなり、好適である。
<実施形態2>
次に、実施形態2の鋼管杭式土砂崩壊予防施設の形成方法について説明する。なお、実施形態1と同様の構成については同一の符号を使用し、ここでの説明を省略若しくは簡略化する。
実施形態2は、図7に示されるように、実施形態1のガイドパイプ31に対し、その内部に、ボーリングロッド15が略中心位置となるようにするための芯出し材311を備えたガイドパイプ31´を用いる点で相違する。この芯出し材311は、中心部にボーリングロッド15を摺動可能かつ回動可能に挿通させる孔を有して、ガイドパイプ31の内部に固定(溶接等)され、ボーリングロッド15がガイドパイプ31の略中心となるようにするものである。また、芯出し材311は、エアハンマ14(ボーリングロッドに設けられた拡径部)と当接する係止部材でもある。
形成される鋼管杭式土砂崩壊予防施設100自体は、実施形態1と同様であるので、ここでの説明を省略する。
図8は、実施形態2の鋼管杭打ち込み工法の全体工程の概略を示す説明図である。
手順01〜手順04は、ガイドパイプ31に替えてガイドパイプ31´を用いる以外は、実施形態1と同様であるため、ここでの説明を省略する。
手順04にて、パイプアンカー2とガイドパイプ3の埋設が終わったら、ビット頭部131を縮径し、掘削アッセンブリをパイプアンカー2から抜く。この際、ガイドパイプ31´に形成された芯出し材311(係止部材)が、エアハンマ14(ボーリングロッドに設けられた拡径部)に引っ掛かるため、掘削アッセンブリの引き上げに伴ってガイドパイプ31´(即ちガイドパイプ3)も引き抜かれる(手順05)。これにより、設置孔hとパイプアンカー2のみが残された状態となる。
この設置孔hとパイプアンカー2内にグラウト材(充填物)を充填し、グラウト材が固化することでパイプアンカー2の打ち込み(1本)が終了する。この打ち込み作業を繰り返すことにより、鋼管杭式土砂崩壊予防施設100を形成する。
以上のごとく、本実施形態の鋼管杭式土砂崩壊予防施設の形成方法によれば、掘削アッセンブリの引き上げに伴ってガイドパイプ3も引き抜くことができるため、工程の削減ができる点で実施形態1より有利である。
ただし、ガイドパイプ3が引き抜かれた状態にて設置孔hへのグラウト材の充填を行うため、地盤が軟弱であること等により、設置孔hが自立し難いような場合には、グラウト材の充填が不十分となる場合がある。従って、設置孔hが自立し難いような条件である場合には、実施形態1(又は後の実施形態4)が好適である。
なお、ここでは、ボーリングロッドに設けられた拡径部がエアハンマ14(ハンマ部)であり、これと当接する係止部材が芯出し材311であるものを例としているが、これらに限られるものではなく、上記説明からも明らかなように、掘削アッセンブリの引き上げに伴ってガイドパイプも引き抜くことができるように、拡径部と係止部材が構成されているものであればよい。ただし、本実施形態で説明したものによれば、それぞれ他の機能(ロッドの芯出し機能とハンマ機能)を有する構成によって兼用しているため、好適である。
<実施形態3>
次に、実施形態3の鋼管杭式土砂崩壊予防施設の形成方法について説明する。なお、実施形態1と同様の構成については同一の符号を使用し、ここでの説明を省略若しくは簡略化する。
実施形態3は、ガイドパイプ3が、相互に接合されない複数のガイドパイプ(31´´〜33´´)によって形成されている点で、実施形態1と異なる(ガイドパイプ31´´〜33´´には、ネジを形成する必要が無く単なる鋼管であってよい)。
形成される鋼管杭式土砂崩壊予防施設100自体は、実施形態1と同様であるので、ここでの説明を省略する。
図9は、実施形態3の鋼管杭打ち込み工法の全体工程の概略を示す説明図である。
手順01〜手順04は、ガイドパイプ31〜33に替えてガイドパイプ31´´〜33´´を用いる以外は、実施形態1と同様であるため、ここでの説明を省略する。
手順04にて、パイプアンカー2とガイドパイプ3の埋設が終わったら、ビット頭部131を縮径せずに掘削アッセンブリの引き上げを行う。これにより、ビット頭部131がパイプアンカー2に引っ掛かるため、掘削アッセンブリの引き上げに伴って同時にパイプアンカー2とガイドパイプ3(ガイドパイプ31´´〜33´´)も引き抜かれる(手順05)。
その後に、手順01と同様の作業にて、再度パイプアンカー2を埋設し(手順05)、ビット頭部131を縮径して掘削アッセンブリの引き上げを行う。これにより、設置孔hとパイプアンカー2のみが残された状態となる。
この設置孔hとパイプアンカー2内にグラウト材(充填物)を充填し、グラウト材が固化することでパイプアンカー2の打ち込み(1本)が終了する。この打ち込み作業を繰り返すことにより、鋼管杭式土砂崩壊予防施設100を形成する。
以上のごとく、本実施形態によれば、ガイドパイプとして単なる鋼管を使用することができるため、よりコストの削減をすることが可能となる。ただし、設置孔hが自立し難いような条件である場合には、再度のパイプアンカー2の埋設(手順05)がうまくいかないおそれもあり、他の実施形態が好適である。
なお、前述のごとく、本実施形態ではパイプアンカー2とガイドパイプ3が連結されず、且つ、各ガイドパイプ31´´〜33´´も連結されないため、これらの中心がずれてしまうおそれがある。そこで、図6に例示したのと同様に、ボーリングロッド15に、ガイドパイプ3内においてボーリングロッドが略中心位置となるようにするための芯出し材152を設けるようにしてもよい。芯出し材152は、各ガイドパイプ31´´〜33´´のそれぞれに対応する位置に配されるようにする。特に、ガイドパイプ31´´〜33´´のそれぞれの先端側と後端側の双方に配されるようにすると効果的である。
また、図12で示したのと同様に、各ガイドパイプ31´´〜33´´がスリーブで相互にはまるようにすることで、パイプ相互の水平方向のずれを抑止してもよい。
<実施形態4>
次に、実施形態4の鋼管杭式土砂崩壊予防施設の形成方法について説明する。なお、実施形態1と同様の構成については同一の符号を使用し、ここでの説明を省略若しくは簡略化する。
実施形態4は、パイプアンカー2とガイドパイプ3が連結される点で、実施形態1と異なる。
形成される鋼管杭式土砂崩壊予防施設100自体は、実施形態1と同様であるので(パイプアンカー2の上端部内側にネジ溝が形成されている点のみ相違)、ここでの説明を省略する。
図10は、実施形態4の鋼管杭打ち込み工法の全体工程の概略を示す説明図である。
手順01〜手順04は、基本的には実施形態1と同様であるが、パイプアンカー2の上端部内側にネジ溝が形成されており、これと螺合するネジ山がガイドパイプ31´´´の下端部に形成されていて、パイプアンカー2とガイドパイプ3が連結されるものであるため、その連結作業が必要となる。後に説明するように、パイプアンカー2とガイドパイプ3の連結は後に分離する必要があるため、パイプアンカー2とガイドパイプ3の螺合は軽く手で締める程度とする(ガイドパイプ同士の螺合はチェーンレンチを使う等して、パイプアンカー2とガイドパイプ3の螺合よりきつく締める)。
パイプアンカー2とガイドパイプ3が連結されるため、パイプアンカー2の埋設に従ってガイドパイプ3も埋設される。従って、実施形態1等で必要であった、ボーリングロッド15´とガイドパイプ浮上防止金具27は不要である(ボーリングロッド15´とガイドパイプ浮上防止金具27を用いても構わない)。
手順04にて、パイプアンカー2とガイドパイプ3の埋設が終わったら、ビット頭部131を縮径して掘削アッセンブリの引き上げを行う(手順05)。
この状態において、パイプアンカー2とガイドパイプ3の内部へグラウト材(充填物)を充填し、グラウト材が固化する前にガイドパイプ3を抜くことにより、設置孔hとガイドパイプ3の内部にグラウト材が充てんされた状態となり、これが固化することでパイプアンカー2の打ち込み(1本)が終了する。
ガイドパイプ3の引き抜きは、ガイドパイプ3を回転させて、パイプアンカー2とガイドパイプ3の螺合を外し、ガイドパイプ3を抜き去る(手順06)ことによって行う。
この打ち込み作業を繰り返すことにより、鋼管杭式土砂崩壊予防施設100を形成する。
以上のごとく、本実施形態によれば、実施形態1と同様に、パイプアンカー2とガイドパイプ3の内部へグラウト材(充填物)を充填するため、充填物の充填を確実に行うことができる。
なお、各実施形態では、ガイドパイプが3つのガイドパイプによって形成されるものを例としているが、ガイドパイプの数やそれぞれの長さについては、安定層Bの深さに対応させて適宜定めればよい。例えば、安定層Bが浅いような場合には1つのガイドパイプで施工するものであってよい。
また、ガイドパイプの相互の接合(実施形態1,2,4)を、ネジによるものを例として説明したが、他の接合方法であってもよい。
また、各実施形態では、設置孔hとパイプアンカー2内にグラウト材を充填するものを例としているが、充填物はグラウト材でなくともよく(例えば、砂や土、礫等であってもよい)、また、設置孔hとパイプアンカー2内に充填物を充填しないものであってもよい。
パイプアンカーとガイドパイプが接合されない場合(実施形態1,2,3)の、ガイドパイプの埋設のための構成として、ボーリングロッド15´とガイドパイプ浮上防止金具27を例として説明したが、これに限るものではなく、ガイドパイプとパイプアンカーの掘削方向の相対位置のずれを規制できるものであればよい。
図11にはこのようなものの一例を示した。図11(a)のガイドパイプ浮上防止金具28は、ガイドパイプと同程度の径の鋼管を輪切りにしたものに対して四方からボルト止めできる構成とされ、ボーリングロッド15のロッド締付け用の溝に対してボルト281を締め付けることにより、ボーリングロッド15に取り付けられる。図11(b)のガイドパイプ浮上防止金具28´は、図11(a)のガイドパイプ浮上防止金具28に対して、更に係止部282を形成することにより、ガイドパイプの後端部(上端部)との当接をより確実にしたものである。ガイドパイプ浮上防止金具は、ボーリングロッドに対して取り付けられて、ガイドパイプに設けられる芯出し材やガイドパイプの後端部(上端部)に突き当たる部材であればよく、例えば蝶番によって開閉可能な締め込みジグ(ボーリングロッドの外周にはまるようなジグ)等であってもよい。
各実施形態では、パイプアンカーにシュー29(縮径部)を設けるもの(シュー29によって先端(下端)側で引っ張られ埋設されていくもの)を例として説明したが、ボーリングロッド15´とガイドパイプ浮上防止金具27により、パイプアンカーを埋設させるもの(後端(上端)側で押込んで埋設するもの)であってもよい。この場合には、シュー29(縮径部)を不要とすることができるため、実施形態1〜3では、パイプアンカーとして単なる鋼管を用いることもできる。
実施形態の鋼管杭式土砂崩壊予防施設100では、図1、2に示されるように、パイプアンカー2が鉛直方向(斜面に対して垂直方向ではなく、鉛直方向)に埋設されるものを説明しているが、斜面に対して垂直方向に埋設されるものであってもよい。ただし、斜面に対して垂直方向に埋設する場合、不安定層Aのすべりによる力(荷重)がパイプアンカー2に対してほぼ直角に作用することとなり、加わるせん断力が最大化されてしまう。従って、パイプアンカー2を鉛直方向に打ち込む方が、荷重が分力されるため好適である。
実施形態の鋼管杭式土砂崩壊予防施設100では、図1に示されるように、パイプアンカー2が碁盤目状に設置されるものを例としてが、これに限られるものではない。例えばチドリ状に配置されるもの等であってもよい。
また、鋼管杭式土砂崩壊予防施設100では、すべり面Cを境とした不安定層Aと安定層Bにまたがって埋設されるパイプアンカー2だけについて説明したが、不安定層の任意の深さに埋設されるパイプアンカーをさらに設けるようにしてもよい。図13に、そのような例を示した。
図13の例では、崩壊の恐れのある面(基本的には異なる地層の境界面)としてA〜Dを想定し、それぞれの面に対してパイプアンカー2を設けるものを示している。“崩壊の恐れのある面”やその上の土量等は設置現場ごとに異なるものであり、パイプアンカー2を設ける深さや本数は、それぞれの現場に応じて適宜決定される。パイプアンカー2が複数の“崩壊の恐れのある面”をまたいで設置されるものであってもよい。なお、実際の現場においては、“崩壊の恐れのある面”を明瞭な面として評価できるとは限らず、図13の概念図におけるA〜Dが実際に“崩壊の恐れのある面”として明瞭に存在するとは限らない。施行の概念としては、施行対象場所の崩壊の危険性がどの程度であるか(どの程度の範囲、深さにおいて崩壊の危険性がどの程度あるか)を評価し、それに応じて、必要な範囲と深さに必要な本数のパイプアンカー2を打設することになる。即ち、パイプアンカー2が“崩壊の恐れのある面”をまたいで設置されること、異なる地層間にまたがって設置されることは有効なことであるが、本発明がこれに限られるものではなく、パイプアンカー2が不安定層の任意の深さに埋設されるものも含まれる。
実施形態の鋼管杭式土砂崩壊予防施設100では、パイプアンカー2(及び設置孔hに充填されるグラウト材)のみによって予防施設が構成されるものを例として説明したが、これに加えて、斜面の表面に金網等の各種の面材を設置するようにしてもよい。斜面表面に金網等の面材を設置することで、表層の浸食も防止され、斜面の安定性がより向上する。斜面への面材の設置方法については従来の工法を適宜選択すればよい。例えば、ピンアンカー等によって面材を斜面に設置する等である。なお、ここでは斜面表面に金網を設置するものを例としたが、これに限られるものではなく、斜面表面を保護する各種の対策工(表層崩壊防止や、浸食防止、落成防止等を目的として適用される各種ののり面対策工)を、本発明に係る鋼管杭式土砂崩壊予防施設と併せて適用することができる。
100...鋼管杭式土砂崩壊予防施設
1...ボーリングマシン
11...架台
12...ドリルビット駆動部
13...ドリルビット
131...ビット頭部
14...エアハンマ(ハンマ部、拡径部)
15、15´...ボーリングロッド
151...係止部
152...芯出し材
17...ウインチ
18...駆動部用ウインチ
2...パイプアンカー(鋼管杭)
3...ガイドパイプ
27...ガイドパイプ浮上防止金具
29...シュー(縮径部)
h...設置孔
311...芯出し材(係止部材)

Claims (9)

  1. 斜面における土砂崩壊を予防するための施設であって、
    安定層と不安定層にまたがってまたは異なる地層間にまたがって地中に埋設される鋼管杭と、
    前記鋼管杭から地表に至る設置孔と、
    を備えることを特徴とする鋼管杭式土砂崩壊予防施設。
  2. 不安定層の任意の深さに埋設される鋼管杭を更に備え、
    前記設置孔に充填物が充填されていることを特徴とする請求項1に記載の鋼管杭式土砂崩壊予防施設。
  3. 前記斜面上に設置される面材を更に備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の鋼管杭式土砂崩壊予防施設。
  4. 前記鋼管杭の先端部の内側に縮径部が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の鋼管杭式土砂崩壊予防施設。
  5. 前記鋼管杭の上端部の内側にネジ溝が形成されていることを特徴とする請求項4に記載の鋼管杭式土砂崩壊予防施設。
  6. 請求項1から請求項5の何れかに記載の鋼管杭式土砂崩壊予防施設の形成方法であって、
    ボーリングマシンのドリルビットに前記鋼管杭を取り付けた状態で、前記ドリルビットによる掘削に伴い、前記鋼管杭を地中に埋めるステップと、
    前記鋼管杭の上部に、ガイドパイプを配し、当該ガイドパイプと前記鋼管杭の掘削方向の相対位置のずれを規制するステップと、
    前記ドリルビットによるさらなる掘削に伴い、前記鋼管杭と前記ガイドパイプを埋め込むことにより、所定の深さまで前記鋼管杭を埋め込むステップと、
    前記ガイドパイプを抜き去ることで前記設置孔を形成するステップと、
    を備えることを特徴とする鋼管杭式土砂崩壊予防施設の形成方法。
  7. 前記ガイドパイプと鋼管杭の掘削方向の相対位置のずれの規制を、前記ガイドパイプの後端部において、前記ドリルビットの回転軸となるボーリングロッドに対する相対位置を固定することによって行うことを特徴とする請求項6に記載の鋼管杭式土砂崩壊予防施設の形成方法。
  8. 前記ガイドパイプが、相互に接合される複数のガイドパイプによって形成されることを特徴とする請求項7に記載の鋼管杭式土砂崩壊予防施設の形成方法。
  9. 請求項5に記載の鋼管杭式土砂崩壊予防施設の形成方法であって、
    ボーリングマシンのドリルビットに前記鋼管杭を取り付けた状態で、前記ドリルビットによる掘削に伴い、前記鋼管杭を地中に埋めるステップと、
    前記鋼管杭上端部内側のネジに螺合させてガイドパイプを取り付けるステップと、
    前記ドリルビットによるさらなる掘削に伴い、前記鋼管杭と前記ガイドパイプを埋め込むことにより、所定の深さまで前記鋼管杭を埋め込むステップと、
    前記ドリルビットの頭部を縮径してこれを前記鋼管杭及びガイドパイプから抜くステップと、
    前記ガイドパイプを回転させてネジを外し、これを抜き去るステップと、
    を備えることを特徴とする鋼管杭式土砂崩壊予防施設の形成方法。
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