JP2018104842A - 繊維構造体 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い形態安定性を備え、色彩効果を安定して発揮でき、且つ高い摩耗耐久性を備えた繊維構造体の提供。
【解決手段】上層7と、下層と、上層7及び下層の中間に位置する中間層とを有する繊維構造体1で、下層上に一方向に沿って複数の凸条部6が形成され、各凸条部6は、頂部3及び頂部3の下方に位置する2つの側壁部4,5から構成され、各凸条部6を構成する一方の側壁部4が互いに略平行に設けられ、他方の側壁部5も互いに略平行に設けられ、各側壁部4,5は、前記中間層を構成し、また、各頂部3は、隣接する頂部3と互いに繋がって上層7を構成し、上層7には、複数の開口部8が点在しており、頂部3及び2つの側壁部4,5の内、少なくとも1つが、他の2つと異なる色を有している繊維構造体1。上層7の面積に対する開口部8の面積比率が0.05〜0.45である織物又は編物である、繊維構造体1。
【選択図】図2
【解決手段】上層7と、下層と、上層7及び下層の中間に位置する中間層とを有する繊維構造体1で、下層上に一方向に沿って複数の凸条部6が形成され、各凸条部6は、頂部3及び頂部3の下方に位置する2つの側壁部4,5から構成され、各凸条部6を構成する一方の側壁部4が互いに略平行に設けられ、他方の側壁部5も互いに略平行に設けられ、各側壁部4,5は、前記中間層を構成し、また、各頂部3は、隣接する頂部3と互いに繋がって上層7を構成し、上層7には、複数の開口部8が点在しており、頂部3及び2つの側壁部4,5の内、少なくとも1つが、他の2つと異なる色を有している繊維構造体1。上層7の面積に対する開口部8の面積比率が0.05〜0.45である織物又は編物である、繊維構造体1。
【選択図】図2
Description
本発明は、基部、及びこの基部上に相互に略平行に形成された複数の凸条部を有する繊維構造体に関し、特に、観察者の見る方向に応じて、視認される色彩が変化する繊維構造体に関する。
近年、よりファッション性の高い衣服や鞄、靴などを求める需要者が増加しており、このような需要者の要望に応えるべく、衣服等に優れた美観や躍動感を持たせるための繊維構造体、とりわけ編地の開発が盛んに行われている。一般的に、このような編地は、色や素材が異なる複数の糸を使用する、組織を組み合わせる、或いは、メッシュデザイン等を利用するといった手法を用いて色彩効果が付与されており、当該編地が用いられた衣服等は、編地に付与された色彩効果によって、優れた美観や躍動感を発揮する。
従来、このような色彩効果を付与した編地として、例えば、下記特許文献1(特開2013−124419号公報)に開示される、表面に凹凸模様の装飾を施すことによって色彩効果を付与した編地や、下記特許文献2(特開2013−129928号公報)に開示される、表面に波型凹凸形状が現れるようにして色彩効果を付与した装飾緯編地が提案されている。
上記特許文献1に記載された編地は、上地と下地とからなる複合生地であって、上地と下地とが結合された一重組織部と、上地と下地とが分離して二重になった袋組織部とが、それぞれ編み立て方向に沿って延び、且つこれらが編み立て方向と交差する方向において交互に配置されている。そして、袋組織部の下地の編糸には熱収縮性繊維糸が用いられており、製造時に熱処理が施されて当該熱収縮性繊維糸が収縮することによって、袋組織部の上地が隆起した凸条が形成され、表面に凹凸模様が形成される。斯くして、この編地によれば、編み立て方向に延びた凸条の2つの側面となる上地の各部分に異なる色の編糸を用いることで、上記2つの側面のうちの一方面側から見た場合と他方面側から見た場合とで異なる色が観察者に視認されるという、色彩効果が発揮される。
また、上記特許文献2に記載された装飾緯編地は、中央編目と、この中央編目の左右両側にそれぞれ傾斜面状に配置された側方編目とからなる複数の畝がコース方向に伸びるように編成され、編地表面に複数の畝による波型凹凸形状が現れるようになっており、中央編目及び2つの側方編目は、互いに相異なる色の糸で構成されている。斯くして、この装飾緯編地によれば、畝の側方から編地表面を見る角度に応じて、観察者により視認される外観が変化するという色彩効果が発揮される。また、この装飾緯編地は、編地表面の凹凸を平面に展延することができることで、編地が優れた伸縮性を有したものとなっている。
このように、上記いずれの従来技術においても、編地に色彩効果が付与されているため、かかる編地を使用した衣服等は、着用者の動きによって観察者の相対的な位置が変化してその見え方が変わるため、通常とは異なる美観や躍動感を発揮し、色彩効果が付与されていない編地を使用したものとは異なった印象を与える。
ところが、特許文献1の編地は、二重袋組織部の下地糸を熱収縮させることにより、二重袋組織部の上地を隆起させて凸条を形成するというものであるため、凸条の適正な形状制御が困難で、形成される凸条の形状にバラツキを生じ易く、このため、凸条の頂部の位置が左右方向にずれ易いという問題を有している。例えば、適正な位置に頂部が在る凸条では、この頂部を挟んだ左右の各面に異なる色が適正に配置されるが、頂部の位置が左右にずれた凸条では、本来であれば一方の面にのみ配置されるべき色が他方の面にも配置された状態となる。したがって、一方の側から編地を見たときに、その側で見えるべき主たる色に加えて他方の色が混在し、逆に、他方の側から編地を見たときにも、その側で見えるべき主たる色に加えて他方の色が混在した状態になって、統一感に欠けたものとなり、十分な色彩効果が得られないのである。
更に、前記凸条は、上地の一部が隆起しただけのものであるので、それ自体の形態安定性はさほど高いとは言えないものであり、外力が作用すると容易に変形するという性状を有する。したがって、当該編織物を衣服等に使用したとしても、着用者の動きに伴う外力によって凸条が容易に変形するため、期待されるような色彩効果が発揮され難いという問題もある。
また、上記特許文献2に記載された装飾緯編地は、編地表面の凹凸を平面に展延することができるようになっているので、これを衣服等に使用した場合には、着用者の動きによって凹凸が平面に展延された状態、即ち、畝がなくなった状態となるため、期待されるような色彩効果が発揮されなくなるという問題がある。
また、特許文献1に記載された編織物及び特許文献2に記載された装飾緯編地では、摩耗耐久性が何ら考慮されていないため、これらを長期間使用した場合には、使用期間の経過に伴い、徐々に美観が損なわれるという問題もある。
本発明は以上の実情に鑑みなされたものであり、高い形態安定性を備え、色彩効果を安定して発揮することができ、且つ高い摩耗耐久性を備えた繊維構造体の提供を、その目的とする。
上記課題を解決するための本発明は、
上層と、下層と、前記上層及び下層の中間に位置する中間層とを有する繊維構造体であって、
前記下層上に一方向に沿って複数の凸条部が形成されており、
前記各凸条部は、それぞれ頂部及び該頂部の下方に位置する2つの側壁部から構成されるとともに、その一方の各側壁部は互いに略平行に設けられ、且つ他方の各側壁部も互いに略平行に設けられ、
前記各側壁部は、前記中間層を構成し、
前記各頂部は、隣接する頂部と互いに繋がって上層を構成するとともに、該上層には、複数の開口部が点在しており、
前記頂部及び2つの側壁部の内、少なくとも1つが、他の2つと異なる色を有する繊維構造体に係る。
上層と、下層と、前記上層及び下層の中間に位置する中間層とを有する繊維構造体であって、
前記下層上に一方向に沿って複数の凸条部が形成されており、
前記各凸条部は、それぞれ頂部及び該頂部の下方に位置する2つの側壁部から構成されるとともに、その一方の各側壁部は互いに略平行に設けられ、且つ他方の各側壁部も互いに略平行に設けられ、
前記各側壁部は、前記中間層を構成し、
前記各頂部は、隣接する頂部と互いに繋がって上層を構成するとともに、該上層には、複数の開口部が点在しており、
前記頂部及び2つの側壁部の内、少なくとも1つが、他の2つと異なる色を有する繊維構造体に係る。
本発明に係る繊維構造体は、上述のように、下層上に凸条部が形成され、更に、凸条部は頂部とその下方に位置する2つの側壁部から構成され、当該頂部が2つの側壁部によって支持された立体構造を有する。したがって、当該繊維構造体は、その凸条部が外力に対して容易には変形しない形態安定性を備えており、形態的に一定の品質が保証されるものとなっている。
そして、上記繊維構造体によれば、凸条部を構成する頂部及び2つの側壁部のうち、少なくとも1つの部位に、他の部位と異なる色が配置されていることによって、観察者が見る方向によって、開口部を通して視認される色が変化し、繊維構造体全体の色模様が変化するという色彩効果が発揮される。例えば、当該繊維構造体を適宜平面上に載置した状態にして、凸条部の条線と直交し、且つ一方の側壁部が視認可能な斜め上方から当該繊維構造体を見た場合、当該凸条部の頂部を含む上層が視認されるとともに、一方の側壁部が開口部を通して視認されるものの、他方の側壁部は視認されず、これとは逆の斜め上方から当該繊維構造体を見た場合、凸条部の頂部を含む上層が視認されるとともに、他方の側壁部が開口部を通して視認されるものの、前記一方の側壁部は視認できない状態にある。また、観察者が見る角度によって、頂部を含む上層と側壁部との見える面積の比率が変化した状態になる。
このように、本発明に係る繊維構造体では、観察者の見る方向及び角度によって、開口部を通して視認される色が変化し、繊維構造体全体の色模様が変化するという色彩効果が発揮される。そして、この色模様の変化は、見る角度を繊維構造体に近い角度から徐々に上方側に移すことで、頂部を含む上層の色の中から次第に異なる色(側壁部の色)が浮き上がるような、独特な視覚効果を伴ったものとして発現される。したがって、これを衣服等に使用した場合には、当該衣服等に非常に優れた美観や躍動感を与えることができる。
また、この繊維構造体は、上述したように、その凸条部が外力に対して容易には変形しない形態安定性を備えているため、色彩効果の程度が使用態様による影響を受け難く、高い色彩効果を安定して発揮することができる。
更に、上記繊維構造体においては、上述したように、上層に開口部を形成して当該開口部を通して側壁部が視認されるようにし、高い色彩効果を発揮するようにしつつ、隣接する頂部同士を繋げるようにして、繊維構造体表面に現れる上層の面積も大きくなるようにしている。これにより、繊維構造体は、高い色彩効果を発揮することができ、且つ表面の摩耗耐久性が高いものになっている。したがって、長期間使用したとしても優れた美観を維持することができ、また、繊維構造体を摩耗が激しいとされるカーシートやシューズアッパーに使用しても、優れた美観が損なわれ難くなる。
尚、上記繊維構造体における前記開口部とは、隣接する頂部を繋ぐことによって形成される上層の繊維組織(例えば、編み物の編組織、織物の織組織や不織布の交絡繊維組織など)が一部欠落して開口した状態をいう。
ところで、繊維構造体が発揮する色彩効果は、開口部を通して視認される側壁部分が多くなる、言い換えれば、開口部の面積が大きいほど高くなるのに対し、繊維構造体の摩耗耐久性は、表面に現れる上層の面積が大きいほど高くなる。即ち、繊維構造体が発揮する色彩効果と、繊維構造体表面の摩耗耐久性との間には、発揮する色彩効果を高くするために上層の面積に対する開口部の面積の比率(以下、「開口部面積/上層面積比」という)を高くするほど摩耗耐久性は低くなり、摩耗耐久性を高くするために前記開口部面積/上層面積比を小さくするほど色彩効果が発揮され難くなるという相反する関係がある。
そこで、上記繊維構造体において、高い色彩効果が発揮され、且つ表面の摩耗耐久性が十分高くなるようにすべく、前記開口部面積/上層面積比を0.05〜0.45とすることが好ましい。尚、前記開口部面積/上層面積比が0.05よりも小さいと、摩耗耐久性は非常に高くなるが、高い色彩効果が発揮され難くなり、また、0.45よりも大きいと、非常に高い色彩効果が発揮されるが、摩耗耐久性が若干低くなる。
このように、上記繊維構造体において、発揮される色彩効果及び表面の摩耗耐久性は、前記開口部面積/上層面積比に依存するものである。したがって、上記繊維構造体においては、開口部の形状や配置位置は特に限定されるものではなく、開口部の形状を楕円状や長方形状などの種々の形状から任意に選択することができ、また、開口部を規則的に配置するか不規則に配置するかを選択することもでき、更に、全ての開口部を同一の形状にするか開口部ごとに異なる形状にするかを選択することもできる。よって、高い色彩効果を発揮でき、且つ高い摩耗耐久性を有した繊維構造体において、開口部の形状や配置を変えることにより、様々なバリエーションのデザインを容易に創出することができる。
尚、上記繊維構造体は、織物又は編物であることが好ましく、経編物であることがより好ましい。
以上のように、本発明に係る繊維構造体は、形態安定性が高く、観察者の見る方向によって、視認される色が変化するという色彩効果を安定して発揮することができるため、これを衣服等に使用した場合には、当該衣服等に非常に優れた美観や躍動感を与えることができる。更に、この繊維構造体は、高い色彩効果を発揮でき、且つ繊維構造体表面の摩耗耐久性も高くなっているため、長期間使用しても優れた美観を維持することができ、高い摩耗耐久性が要求されるカーシートやシューズアッパーに用いても優れた美観が損なわれ難い。
以下、本発明の具体的な実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、一実施形態に係る経編地1の組織の詳細を示した図であり、図2は、図1における矢視A−A断面図である。また、図3は、表面側から見た経編地1を模式的に示した図である。同図1及び図2に示すように、当該経編地1は、下層たる基部2と、編み立て方向(図1の矢示B方向)に沿って形成された複数の凸条部6とで構成されている。また、前記凸条部6は、頂部3、及びこの頂部3の両側下方に形成された一対の側壁部4,5からなる。更に、前記凸条部6の頂部3は、この凸条部6に隣接する凸条部6の頂部3と互いに繋がって、各頂部3間に幅広の編み領域たる頂部連結部3dが形成され、これらが上層7を構成しており、この上層7には、図3に示すように、複数の開口部8が形成されている。また、前記一対の側壁部4,5は、下層と上層7との中間に位置する中間層を構成している。
前記頂部3は、隣接する凸条部6の頂部3と互いに繋がるように、複数の連結糸3cによって連結された2本の鎖編み列3a,3bからなり、側壁部4,5は、後述するループ4a1,5a1が前記2本の鎖編み列3a,3bにそれぞれ係止された鎖編み列4a,5aからなる。すなわち、前記頂部3及び2つの側壁部4,5は、それぞれ独立した糸で形成されている。また、前記基部2は、前記側壁部4,5の鎖編み列4a,5aがそれぞれ結接された鎖編み列2a,2bと、これら鎖編み列2a,2b同士を連結する連結糸2cからなり、前記各凸条部6間に形成された連結部2dとからなる。尚、図1において、頂部3を構成する鎖編み列3a,3b及び側壁部4,5を構成する鎖編み列4a,5aは実線、連結糸3cは点線で示し、基部2の鎖編み列2a,2b、連結糸2cは図示を省略した。また、同図では、便宜上、複数の連結糸3cの一部のみを図示している。
また、本例の経編地1においては、頂部3を構成する2本の鎖編み列3a,3b及び前記複数の連結糸3cには第1色の編糸、側壁部4を構成する鎖編み列4a及び基部2の鎖編み列2aに第2色の編糸、側壁部5の鎖編み列5a及び基部2の鎖編み列2bに第3色の編糸をそれぞれ使用し、前記基部2を構成する連結糸2cには透明な編糸を使用している。尚、前記複数の連結糸3cは、上記のように、頂部3を構成する2本の鎖編み列3a,3bと同色の色糸を使用するようにしても良いし、異色の色糸を使用するようにしても良い。また、前記基部2を構成する鎖編み列2a,2bは、上記のように、それぞれ結接される側壁部4,5の鎖編み列4a,5aと同色の色糸を使用するようにしても良いし、異色の色糸を使用するようにしても良い。
尚、本例においては、前記基部2の鎖編み列2a,2b、頂部3の鎖編み列3a,3b及び複数の連結糸3c、並びに側壁部4,5の鎖編み列4a,5aに用いる編糸として、ポリエステル糸やナイロン糸、レーヨン糸等のフィラメント糸の他、紡績糸などを例示することができる。また、前記基部2の連結糸2cとしては、ポリエステルや熱可塑性エラストマー、ナイロンなどからなる透明度の高いモノフィラメント糸を例示することができる。
そして、この経編地1は、複数の編針を有する、相互に対向して配置された2列の針床、及び当該針床に所定の糸を供給する供給機構を備えた公知のダブルラッシェル編み機を用いて編成することができる。
具体的には、一方側の針床(表側の針床)において、供給機構によって供給される第1色の編糸により2つの鎖編み列3a,3bを編成しつつ、ウェール方向に隣接するこれら2つの鎖編み列3a,3bを複数の連結糸3cにより連結して頂部3を形成しつつ、頂部3とこれに隣接する頂部3とを複数の連結糸3cによって部分的に連結し、各頂部3間に複数の連結糸3cからなる幅広の編み領域たる頂部連結部3dを形成する。これにより、編成される経編地1は、その上層7に、複数の開口部8が点在したものとなる。
一方、他方側の針床(裏側の針床)において、供給機構によって供給される第2色及び第3色の編糸により、側壁部4,5を構成する2つの鎖編み列4a,5aをそれぞれ編成するとともに、供給機構によって供給される透明な編糸により、基部2を構成する鎖編み列2a,2bを編成しつつ、各鎖編み列2a,2bと、これらの近傍にある他の鎖編み列2a,2bとをウェール方向に沿って複数の連結糸2cにより連結する。
ここで、本例の経編地1は、側壁部4,5の鎖編み列4a,5aを編成する際に、頂部3の鎖編み列と対向する側(表側の針床と対向する側)にループ4a1,5a1を形成し、頂部3の鎖編み列3a,3bの編目に当該ループ4a1,5a1を挿入するようにして、側壁部4,5の鎖編み列4a,5aを頂部3の鎖編み列3a,3bに係止する一方、側壁部4,5の鎖編み列4a,5aを、基部2の鎖編み列2a,2bに編み込むようにして、基部2の鎖編み列2a,2bと側壁部4,5の鎖編み列4a,5aとをそれぞれ結接するようにしている。
斯くして、基部2と頂部3とが側壁部4,5によって連結され、頂部3及び側壁部4,5からなる凸条部6が基部2上に形成された一枚の立体的な経編地が編成される。
このように編成された経編地1は、編成段階で基部2と凸条部6とを形成するようにしているため、凸条部6の形状にバラツキが生じ難く、各凸条部6の形状がほぼ均一なものとなる。また、凸条部6は、それぞれ鎖編み列で構成された頂部3と側壁部4,5とからなり、側壁部4,5を構成する鎖編み列4a,5aは、頂部3の鎖編み列3a,3bに係止されるとともに、基部2の鎖編み列2a,2bに編み込まれており、頂部3が2つの側壁部4,5によって支持されるとともに、2つの側壁部4,5が基部2に固定された立体構造を有している。したがって、この経編地1は、各凸条部6が外力に対して容易には変形しない形態安定性を備えており、形態的に一定の品質が保証されるものとなっている。
尚、前記基部2から頂部3までの高さh(下層から上層7までの高さ)は、前記ダブルラッシェル編み機における対向して配置された2列の針床間の距離や編糸の伸縮度合いに依存するものであるが、高さhを高くするほど凸条部6の形状は崩れ易くなるため、当該高さhが1mm〜4mm程度となるように、針床間の距離を変える、或いは、編成時のテンション等を調整することが好ましい。
また、この経編地1は、3つの部位、即ち、頂部3、及びこの頂部3の下方に位置する2つの側壁部4,5から構成された凸条部を一方の面に有する、凹凸形状を備えた編地であり、3つの部位の内、少なくとも1つの部位の色を他の2つの部位の色とは異なる色にしていることにより、凸条部を真上から見た場合、一方側から見た場合、他方側から見た場合のそれぞれの方向において、意図する色を観察者に視認させることができ、高い色彩効果を安定して発揮する。
以下、この経編地1が奏する色彩効果について、図4を参照しつつ、具体的に説明する。
この経編地1は、編み立て方向と交差する方向から当該経編地1を見るときの観察者の位置に応じて、視認される色彩が変化する。具体的に言うと、観察者が図4の紙面に向かって左手側の領域R1内から経編地1を見た場合には、頂部3を含む上層7が視認されるとともに、側壁部4が開口部8を通して視認される一方、側壁部5は死角に位置するため、当該側壁部5は視認されない。したがって、観察者には、頂部3を含む上層7及び側壁部4に付されたそれぞれの色が視認される。
逆に、観察者が図4の紙面に向かって右手側の領域R2内から経編地1を見た場合、頂部3を含む上層7が視認されるとともに、側壁部5が開口部8を通して視認され、一方、側壁部4は死角に位置するため、当該側壁部4は視認されない。したがって、観察者には、頂部3を含む上層7及び側壁部5に付されたそれぞれの色が視認される。尚、本例において、領域R1及び領域R2の角度は、およそ40°〜60°である。
図4中の領域R3及び領域R4は、それぞれ領域R1及び領域R2に付随する領域であり、これら領域R3及び領域R4は、例えば、観察者の位置が領域R1内から領域R2内へと変わる、即ち、観察者が頂部3を含む上層7及び側壁部4を視認している状態から、頂部3を含む上層7及び側壁部5を視認する状態へと移り変わる間を補完して、美妙な色彩効果を奏するのに有効な働きをする領域である。尚、この経編地1を上面から見る場合、側壁部4,5の幅が頂部3の幅よりも小さい場合には、頂部3を含んだ上層7及び基部2が視認され、側壁部4,5の幅が頂部3の幅よりも大きい場合には、頂部3を含んだ上層7が視認されるとともに、開口部8を通して側壁部4,5及び基部2が視認される。
本例においては、頂部3及び連結糸3cの色を第1色、一方側壁部4の色を第2色、他方側壁部5の色を第3色とし、側壁部4,5の幅を頂部3の幅よりも大きくしている。したがって、経編地1を正面から見ると、頂部3を含んだ上層7が視認されるとともに、開口部8を通して側壁部4,5及び基部2が視認される、即ち、第1色の中に、第2色及び第3色を含んだ部分が点在した水玉模様が観測される。尚、図3は、この水玉模様が観測されている状態を図示したものである。
また、領域R1内から見ると、頂部3を含んだ上層7に加え、開口部8を通して一方の側壁部4が視認される、即ち、第1色の中に第2色の部分が点在した水玉模様が観測される。更に、領域R2内から見ると、頂部3を含んだ上層7に加え、開口部8を通して他方の側壁部5が視認される、即ち、第1色の中に第3色の部分が点在した水玉模様が観測される。
このように、本例の経編地1によれば、観察者が当該経編地1を見る際の位置に応じて、言い換えれば、観察者の見る方向及び角度に応じて、観察者が視認する部位が変化する。したがって、頂部3及び側壁部4,5に任意の異なる色を配置することで、開口部を通して視認される色が変化し、経編地全体の色模様が変化するという色彩効果を発現させることができる。そして、この色模様の変化は、見る角度を経編地1に近い角度から徐々に上方側に移すことで、頂部3を含む上層7の色の中から次第に異なる色(側壁部4,5の色)が浮き上がるような、独特な視覚効果を伴ったものとして発現される。
斯くして、このような経編地1を衣服や鞄、靴などに使用すると、着用者の動きに応じて、経編地1の表面に対する観察者の相対的な位置が変化して、上記色彩効果が発揮されるため、当該衣服等に非常に優れた美観や躍動感を持たせることができる。
更に、本例の経編地1によれば、頂部3同士が連結糸3cからなる頂部連結部3dによって連結された状態にして、上層7の面積を大きくするようにしているため、頂部3同士が繋がっていない場合と比較して、当該経編地1の表面の摩耗耐久性が高くなっている。
したがって、この経編地1は、上記色彩効果を発揮し、且つ表面の摩耗耐久性が高くなっているため、これを衣服等に用いた場合に、長期間使用したとしても優れた美観を維持することができ、また、当該経編地1を摩耗が激しいとされるカーシートやシューズアッパーに使用しても、優れた美観が損なわれ難くなる。
本例の経編地1において、優れた色彩効果が発揮されるためには、開口部8の面積を大きくして上層7よりも下方の領域にある側壁部4,5などを視認され易くする必要があり、また、経編地1表面の摩耗耐久性を高めるためには、上層7の面積を大きくする必要がある。即ち、発揮される色彩効果と表面の摩耗耐久性との間には、色彩効果を高くするために上層7の面積に対する開口部8の面積の比率(開口部面積/上層面積比)を高くするほど摩耗耐久性は低くなり、摩耗耐久性を高くするために開口部面積/上層面積比を低くするほど色彩効果が発揮され難くなるという相反関係がある。そこで、本例の経編地1では、開口部面積/上層面積比を0.05〜0.45の範囲内になるようにしている。
前記開口部面積/上層面積比を0.05〜0.45の範囲内になるようにすることで、優れた色彩効果が発揮され、且つ経編地1表面の摩耗耐久性を高くすることができる。これに対し、前記開口部面積/上層面積比が0.05を下回る、即ち、上層7の面積に対して開口部8の面積が小さくなり過ぎると、観察者が視認することができる側壁部4,5の面積が上層7の面積に対して小さくなり過ぎ、色彩効果が発揮され難くなる。また、開口部面積/上層面積比が0.45を上回る、即ち、開口部8の面積に対して上層7の面積が小さくなり過ぎると、十分な摩耗耐久性が得られなくなる。
また、開口部面積/上層面積比は、0.07〜0.35の範囲内になるようにすることがより好ましい。このようにすれば、経編地1は、表面の摩耗耐久性が非常に高く、且つ非常に優れた色彩効果を発揮するものとなる。
尚、本例の経編地1において、色糸を使用する場合は、上記のように、頂部3及び2つの側壁部4,5の内、少なくとも1つの部位が他の部位と異なる色となるのであれば、その種類は特に限定されるものではなく、上述したように、フィラメント糸や紡績糸、透明糸、弾性糸など自由に選択し使用することができる。
また、連結糸3cを頂部3の鎖編み列3a,3bの編糸と同色の糸を使用するようにしているが、例えば、連結糸3cに透明糸又は半透明糸を用いるようにしても良い。この場合、複数の連結糸3cからなる頂部連結部3dを通して側壁部4,5が透けて見えるようになるため、経編地1の外観を、頂部3の鎖編み列3a,3bの編糸と連結糸3cとを同色とした場合の外観とは異なったものにすることができる。
更に、複数の連結糸3cによって編成される頂部連結部3dの密度を変えることで、経編地1の外観を変化させることも可能である。即ち、経編地1は、頂部連結部3dの密度を低くした場合、頂部連結部3dを通して側壁部4,5が透けて見える外観を呈し、密度を高くした場合、頂部連結部3dを通して側壁部4,5が見えない外観を呈するようになる。
以下、本発明に係る繊維構造体の具体的な実施例について、比較例と共に説明する。
実施例1−6は、いずれも、ダブルラッシェル編み機を用い、上述した編成方法によって編成した、図1−図3に示した経編地である。また、基部2を構成する鎖編み列2a,2b、頂部3を構成する鎖編み列3a,3b及び連結糸3c、並びに側壁部4,5を構成する鎖編み列4a,5aに用いる各編糸としてポリエステル・マルチフィラメント糸を用いた。一方、基部2を構成する連結糸2cとして、透明なポリエステル・エラストマー糸を用いた。この実施例1−6の経編地は、編地の組織を調整し、隣接する頂部3間の連結割合を調整することによって、上述した開口部面積/上層面積比を種々変化させた態様の編地である。
比較例1は、頂部3全体とこれに隣接する頂部3全体とを連結糸3cによって連結し、開口部8を形成しないように編成した経編地である。また、比較例2は、連結糸3cによって隣接する頂部3同士を連結しないように編成した経編地である。
実施例1−6、並びに比較例1及び2に係る経編地の評価は以下の方法で行った。
[開口部面積/上層面積比]
実施例1−6及び比較例1及び2に係る経編地を、それぞれ30cm×30cmにサンプリングし、サンプリングした経編地全体を画素数1920×1080でカラー写真を撮影し、その写真を画像処理により上層面に該当する部分を黒色、開口部に該当する部分を白色に塗り、上層に該当する黒色の画素、開口部に該当する白色の画素をそれぞれ計数し、計数された画素数の比をとって、開口部面積/上層面積比とした。尚、黒色と白色に塗る際に、上層部と開口部の境界線が確認しづらい場合には、倍率400倍まで画像拡大し、境界線を確認した。また、白色及び黒色の画素数の算出には、画像処理ソフト「JTrim」を使用した。開口部面積/上層面積比は、上記評価方法を5回試行し、各試行での算出値の平均値にて算出した。
実施例1−6及び比較例1及び2に係る経編地を、それぞれ30cm×30cmにサンプリングし、サンプリングした経編地全体を画素数1920×1080でカラー写真を撮影し、その写真を画像処理により上層面に該当する部分を黒色、開口部に該当する部分を白色に塗り、上層に該当する黒色の画素、開口部に該当する白色の画素をそれぞれ計数し、計数された画素数の比をとって、開口部面積/上層面積比とした。尚、黒色と白色に塗る際に、上層部と開口部の境界線が確認しづらい場合には、倍率400倍まで画像拡大し、境界線を確認した。また、白色及び黒色の画素数の算出には、画像処理ソフト「JTrim」を使用した。開口部面積/上層面積比は、上記評価方法を5回試行し、各試行での算出値の平均値にて算出した。
[摩耗耐久性の評価試験]
テーバ式摩耗試験機を用いて、上層表面を摩耗したときの糸切れまでの摩耗回数をカウントする試験を3回行い、3回の平均摩耗回数について、次の4段階で評価した。試験は、開口部面積/上層面積比の算出の際に作製した上記実施例1−6、並びに比較例1及び2に係る経編地について行った。
優(摩耗回数が200回以上の場合)
良(摩耗回数が100〜200回未満の場合)
可(摩耗回数が30〜100回未満の場合)
不(摩耗回数が30回未満の場合)
テーバ式摩耗試験機を用いて、上層表面を摩耗したときの糸切れまでの摩耗回数をカウントする試験を3回行い、3回の平均摩耗回数について、次の4段階で評価した。試験は、開口部面積/上層面積比の算出の際に作製した上記実施例1−6、並びに比較例1及び2に係る経編地について行った。
優(摩耗回数が200回以上の場合)
良(摩耗回数が100〜200回未満の場合)
可(摩耗回数が30〜100回未満の場合)
不(摩耗回数が30回未満の場合)
[色彩効果の評価試験]
各経編地を20cm×20cmにサンプリングして、これをJIS L 1059に規定されている観察板に、凸条部の条線が地面に対して垂直となるように貼り付け、経編地から3m離れ、且つ経編地の正面に対して60°の位置から経編地を画素数1920×1080でカラー写真を撮影し、その写真を画像処理により上層面に該当する部分を黒色、側壁部に該当する部分を白色に塗り、上層に該当する黒色の画素、側壁部に該当する白色の画素をそれぞれ計数し、計数された画素数の比をとって、上層に配した色の視認面積に対する側壁部に配した色の視認面積の比率(側壁部色面積/上層色面積)を算出し、算出した値を基に次の4段階で評価した。尚、黒色と白色に塗る際に、上層部と開口部の境界線が確認しづらい場合には、倍率400倍まで画像拡大し、境界線を確認する。また、白色及び黒色の画素数の算出には、画像処理ソフト「JTrim」を使用した。側壁部色面積/上層色面積は、上記評価方法を5回試行し、各試行での算出値の平均値にて算出した。
優(算出した値が0.3超の場合)
良(算出した値が0.1超0.3以下の場合)
可(算出した値0超0.1以下の場合)
不(算出した値が0の場合)
各経編地を20cm×20cmにサンプリングして、これをJIS L 1059に規定されている観察板に、凸条部の条線が地面に対して垂直となるように貼り付け、経編地から3m離れ、且つ経編地の正面に対して60°の位置から経編地を画素数1920×1080でカラー写真を撮影し、その写真を画像処理により上層面に該当する部分を黒色、側壁部に該当する部分を白色に塗り、上層に該当する黒色の画素、側壁部に該当する白色の画素をそれぞれ計数し、計数された画素数の比をとって、上層に配した色の視認面積に対する側壁部に配した色の視認面積の比率(側壁部色面積/上層色面積)を算出し、算出した値を基に次の4段階で評価した。尚、黒色と白色に塗る際に、上層部と開口部の境界線が確認しづらい場合には、倍率400倍まで画像拡大し、境界線を確認する。また、白色及び黒色の画素数の算出には、画像処理ソフト「JTrim」を使用した。側壁部色面積/上層色面積は、上記評価方法を5回試行し、各試行での算出値の平均値にて算出した。
優(算出した値が0.3超の場合)
良(算出した値が0.1超0.3以下の場合)
可(算出した値0超0.1以下の場合)
不(算出した値が0の場合)
尚、観察用照明装置は、JIS L 1059に規定されている頭上照明を使用し、色照明ランプには、JIS C 7601のFL40 S・Wを4本使用し、反射板の内部を白エナメルで塗装したものとし、照度を300ルクスとした。また、観察板の表面の色は、JIS L 0805に規定する汚染用グレースケール2号のb2と同等の色とした。
実施例1−6、並びに比較例1及び2の経編地に関する、開口部面積/上層面積比、摩耗耐久性の評価結果及び色彩効果を図5にまとめた。
図5から見てとれるように、実施例1は、開口部面積/上層面積比が0.04であり、摩耗耐久性が非常に高いものの、色彩効果が若干発揮され難かった。また、実施例2は、開口部面積/上層面積比が0.46であり、非常に高い色彩効果を発揮したものの、摩耗耐久性が若干低いという結果が得られた。
これに対し、実施例3−6は、それぞれ、開口部面積/上層面積比が0.05,0.45,0.07,0.35であり、摩耗耐久性及び色彩効果について良好な結果が得られ、特に、開口部面積/上層面積比が0.07である実施例5及び0.35である実施例6では、摩耗耐久性も非常に高く、非常に高い色彩効果を発揮するという結果が得られた。
一方、比較例1は、開口部面積/上層面積比が0であり、開口部が形成されていないため、開口部を通して側壁部が視認されず、色彩効果は発揮されなかったが、上層の面積が大きくなっているため、摩耗耐久性が高いという結果が得られた。また、比較例2は、開口部面積/上層面積比が1であり、頂部同士が連結されておらず、上層の面積が小さいため、摩耗耐久性が極めて低いが、側壁部は視認され易くなっているため、高い色彩効果を発揮するという結果が得られた。
このことから、経編地が高い摩耗耐久性を備え、且つ高い色彩効果を発揮するものであるためには、開口部面積/上層面積比を0.05〜0.45の範囲内にすることが好ましく、この比率が0.05未満の場合には、色彩効果が十分に発揮されなくなり、この比率が0.45を超えた場合には、摩耗耐久性が非常に低くなるになることが分かる。また、開口部面積/上層面積比は、0.07〜0.35の範囲内にあることがより好ましく、比率がこの範囲内にあることで、経編地は、摩耗耐久性が非常に高くなり、且つ、非常に高い色彩効果を発揮するものとなる。
以上、本発明の具体的な実施の形態について説明したが、本発明が採り得る具体的な態様は、何らこれに限定されるものではない。
例えば、上述した各実施形態では繊維構造体を経編地としたが、これに限られるものではなく、緯編地であっても良く、更には、編地に限られるものではなく、上述した凸条部6を有し、上層7に開口部8,8’が形成されたものであれば、織地であっても良い。このような織地によっても上記と同様の効果が得られる。
また、上層7に形成する開口部8の形状や配置は適宜変更しても良い。例えば、図6に示す他の実施形態に係る経編地11のように、頂部3を挟んで線対称に2つの開口部8’を形成し、頂部3を挟んで一つの開口部が形成されているように見えるようにすれば、経編地1とは異なる外観を呈したものにすることができ、経編地1と同様に、観察者の見る方向に応じて、開口部8’を通して視認される色が変化し、経編地11全体の色模様が変化するという色彩効果も発現される。
1,11 経編地
2 基部
2a,2b 鎖編み列
2c 連結糸
3 頂部
3a,3b 鎖編み列
3c 連結糸
3d 頂部連結部
4,5 側壁部
4a,5a 鎖編み列
4a1,5a1 ループ
6 凸条部
7 上層
8,8’ 開口部
2 基部
2a,2b 鎖編み列
2c 連結糸
3 頂部
3a,3b 鎖編み列
3c 連結糸
3d 頂部連結部
4,5 側壁部
4a,5a 鎖編み列
4a1,5a1 ループ
6 凸条部
7 上層
8,8’ 開口部
Claims (4)
- 上層と、下層と、前記上層及び下層の中間に位置する中間層とを有する繊維構造体であって、
前記下層上に一方向に沿って複数の凸条部が形成されており、
前記各凸条部は、頂部及び該頂部の下方に位置する2つの側壁部から構成され、前記各凸条部を構成する一方の側壁部が互いに略平行に設けられ、且つ他方の側壁部も互いに略平行に設けられており、
前記各側壁部は、前記中間層を構成し、
前記各頂部は、隣接する頂部と互いに繋がって上層を構成するとともに、該上層には、複数の開口部が点在しており、
前記頂部及び2つの側壁部の内、少なくとも1つが、他の2つと異なる色を有することを特徴とする繊維構造体。 - 前記上層の面積に対する前記開口部の面積の比率は、0.05〜0.45の範囲内であることを特徴とする請求項1記載の繊維構造体。
- 前記繊維構造体が織物又は編物であることを特徴とする請求項1又は2記載の繊維構造体。
- 前記繊維構造体が経編物であることを特徴とする請求項1又は2記載の繊維構造体。
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