JP6196415B1 - 靴 - Google Patents

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Abstract

靴(10)は、アッパー(12)の一部又は全部が経編地(1)で形成されており、経編地(1)は、基部と、該基部上に編み立て方向に沿って相互に平行に形成された複数の凸条部とを有し、前記凸条部は、編み立て方向に沿って延びた編み列からなる頂部と、編み立て方向に沿って延び、前記基部側が該基部に編み込まれるとともに、前記頂部側が該頂部に係止され、該基部と頂部とを連結するように編成された編み列からなる2つの側壁部とからなり、前記頂部及び2つの側壁部のうち、少なくとも1つの部位は、他の部位と異なる色が配置されている。

Description

本発明は、色彩効果を発揮する編地をアッパー材に用いた靴に関する。
靴のアッパー材には、求められる機能や性能に合わせて、織地や編地、合成皮革、樹脂などの種々の素材が用いられており、例えば、通気性や軽量性が求められるランニング用シューズやレーシング用シューズのアッパー材には、一般的に、メッシュ構造のダブルラッセル経編地が用いられている(特許文献1)。
特開2004−230151号公報
ところで、近年、靴に対して高いファッション性を求める需要者が増加しており、そのような需要者の要望に応えるべく、靴に優れた美観や躍動感を持たせることが、重要な課題の一つとなっている。しかしながら、上記一般的なダブルラッセル経編地は、それ自体ありふれたデザインであるものが大多数であり、靴に優れた美観等を持たせるという観点からすると、十分であるとは言えない。
また、ランニング用シューズ等に用いられる一般的なダブルラッセル経編地においては、目付や厚みを調整することにより通気性などを変化させることができ、例えば、目付を小さくしたり、厚みを薄くしたりすることで通気性を高めることができる。しかしながら、この場合、目付を小さくすることや厚みを薄くすることに起因した耐久性の低下は避けられないため、従来の一般的なダブルラッセル経編地においては、通気性と耐久性とを両立することが難しいという問題がある。
更に言えば、一般的なダブルラッセル経編地は、形状復元性が乏しい場合があり、着用回数が増えるにつれて、安定したフィット感が得られ難くなるという問題がある。このように、一般的なダブルラッセル経編地の形状復元性が乏しいのは、引張試験によって得られる応力−ひずみ曲線において、ヒステリシスが生じていることに起因している。
本発明は以上の実情に鑑みなされたものであり、優れた美観や躍動感を有するとともに、通気性と耐久性とを兼ね備え、且つ、良好な形状復元性を備えた靴の提供を、その目的とする。
上記課題を解決するための本発明は、
基部と、該基部上に編み立て方向に沿って相互に平行に形成された複数の凸条部とを有し、
前記凸条部は、編み立て方向に沿って延びた編み列からなる頂部と、編み立て方向に沿って延び、前記基部側が該基部に編み込まれるとともに、前記頂部側が該頂部に係止され、該基部と頂部とを連結するように編成された編み列からなる2つの側壁部とからなり、
前記頂部及び2つの側壁部のうち、少なくとも1つの部位は、他の部位と異なる色が配置されている編地によって、アッパー材の一部又は全部が形成されている靴に係る。
上記靴は、アッパー材の一部又は全部が前記編地によって形成されているため、優れた美観や躍動感を持ったものとなる。
具体的に言うと、前記編地は、凸条部を構成する頂部及び2つの側壁部のうち、少なくとも1つの部位が、他の部位と異なる色が配置されていることによって、観察者が編み立て方向と交差する方向から編地を見る際の位置に応じて、視認される色が変化するという色彩効果を発揮する。
例えば、頂部に配置する色と、2つの側壁部に配置する色とを変えた場合には、編地表面を正面から見ると、頂部に配置した色が視認され、編み立て方向と交差する方向から見ると、頂部に配置した色に加え、側壁部に配置した色が視認される。
また、頂部及び一方の側壁部に配置する色と、他方の側壁部に配置する色とを変えた場合、一方の側壁部側から見ると、頂部及び一方の側壁部に配置した色が視認され、他方の側壁部側から見ると、当該他方の側壁部に配置した色が視認される。
また、頂部及び2つの側壁部に配置する色を全て異なる色とした場合、編地表面を正面から見ると、頂部に配置した色が視認され、一方の側壁部側から見ると、頂部に配置した色に加え、当該一方の側壁部に配置した色が視認され、他方の側壁部側から見た場合には、頂部に配置した色及び他方の側壁部に配置した色が視認される。
このように、前記編地は観察者が当該編地を見る際の位置に応じて視認される色が変化するという色彩効果を発揮するものであるため、当該編地によりアッパー材を形成することで、着用者の足の動きに応じて、編地表面に対する観察者の相対的な位置が変化し、上記色彩効果が発揮され、靴が優れた美観や躍動感を持ったものとなる。
そして、上記編地は、その側壁部が基部に編み込まれるとともに、頂部に係止されていることにより、編地の凸条部自体の形状安定性が高く、外力が作用してもその形状が変形し難いため、色彩効果の程度が使用態様の影響を受け難く、安定した色彩効果が発揮される。したがって、上記靴は、着用された状態であっても、編地による色彩効果が安定して発揮され、優れた美観や躍動感を持ったものとなる。
更に、上記靴においては、前記アッパー材を構成する編地が、従来の一般的なダブルラッセル経編地と異なり、その目付等が大きい場合であっても通気性が低下しないため、当該靴は、そのアッパーが耐久性と通気性とを兼ね備えたものとなる。
加えて、前記編地は、従来のダブルラッセル経編地と比較して、応力−ひずみ曲線において、ヒステリシス現象が発生し難いため、当該編地によってアッパー材の一部又は全部が形成された靴は、アッパーが良好な形状復元性を有したものとなり、繰り返し着用した場合であってもフィット感の低下が起き難くなっている。
尚、上記編地は、前記2つの側壁部にて異なる色が配置されていても良いし、2つの側壁部に配置されている色が1つの編み列中で変化しても良い。更に、2つの側壁部の少なくとも一部が接していても良いし、2つの側壁部の少なくとも一部が繊維によって連結されていても良い。このようにすれば、複雑な模様を表現することが可能となり、多様性に富んだ美観を持たせることができる。
尚、前記編地において、前記頂部は、連結糸によって連結された少なくとも2列の鎖編み列からなり、前記2つの側壁部は、それぞれ鎖編み列からなり、前記側壁部の鎖編み列は、頂部側に形成されたループが前記頂部の鎖編み列中に挿入状態で係止されていることが好ましい。
また、前記編地は、前記各凸条部における頂部の一部と、この凸条部に隣接する他の凸条部における頂部の一部との間に前記連結糸が架け渡され、メッシュ部が形成されていても良い。この場合、凸条部同士が相互に隣接する他の凸条部とメッシュ部によって連結された状態となるため、凸条部の形状安定性をより高めることができ、色彩効果がより安定して発揮される。更に、メッシュ部が形成されていることにより、当該メッシュ部の開口部分を通して凸条部が視認されるようになるため、メッシュ部がない場合と比較して、複雑な模様を表現することができ、靴の見た目に多様性を持たせることができる。
更に、前記編地は、前記各凸条部における頂部の一部と、この凸条部に隣接する他の凸条部における頂部の一部との間を連結するように編成された、少なくとも1つの切れ目(開口部)を有する編み領域が形成されていても良い。この場合においても、上記と同様に、編み領域によって凸条部同士が連結された状態となり、当該凸条部の形状安定性が高まり、色彩効果が安定して発揮される。また、切れ目を通して凸条部が視認されるようになるため、編み領域が形成されていない場合に比べ、編地表面に現れる模様を複雑なものにすることができ、靴の外観のバリエーションを増やすことができる。
また、前記編地は、前記基部における、前記各凸条部とこの凸条部に隣接する他の凸条部との間に、少なくとも1列の編み列が形成されていても良い。この場合、各凸条部がこれに隣接する凸条部から分離され、各凸条部間の間隔が広くなるため、側壁部を視認することができる観察者の位置の範囲が変化し、各凸条部間の間隔が狭い場合とは異なる色彩効果を発揮させることができる。尚、各凸条部間の間隔を広くし過ぎると、観察者が側壁部を視認することができる位置の範囲が狭くなり過ぎて、色彩効果が十分に発揮されなくなる、或いは、基部の視認される部分が多くなり過ぎて、美観が損なわれる虞がある。したがって、各凸条部の間隔は、1.5mm〜4mm程度となるようにすることが好ましい。
また、前記編地における基部は、メッシュ状に形成しても良い。このようにすることで、編地が軽量化されるとともに通気性も高くなるため、当該編地により形成されたアッパーの軽量化が図られ、且つ通気性も高くなる。
また、編糸として透明糸を用いるようにしても良い。このようにすれば、基部を目立たなくして凸条部の色彩を際立たせ、凸条部を構成する頂部及び2つの側壁部に異なる色を配置することによって奏される色彩効果を高めることができる。
ところで、本願発明者らが鋭意実験を重ねて得た知見によれば、前記編地は、編み立て方向(編み列に沿った方向)における剛性の方が編み列と交差する方向における剛性よりも高い、即ち、編み列に沿った方向には伸縮し難く、編み列と交差する方向には伸縮し易いという特性を有している。
そこで、上記靴においては、前記編地の編み列が、靴のソールが載置される基準面と直交する方向に対して+60°以内となるように配置されることが好ましい。言い換えれば、上記靴においては、前記編地の編み列が、シューセンター軸を軸周りに周回する方向に対して+60°以内となるように配置されることが好ましい。尚、前記基準面と直交する方向に対する角度又はシューセンター軸を軸周りに周回する方向に対する角度は、靴のつま先に向けて倒れる方向を「+」と定義している。また、「シューセンター軸」とは、足入れした際の第2趾付け根と踵後端とを結ぶ軸を意味する。
このようにすれば、靴の長手方向に沿って編地が伸縮し易くなることで、着用者の足の動きに追随するようにアッパーの一部又は全体が同方向に伸縮自在な状態となり、着用時のフィット感が良好なものとなる。また、靴の長手方向と交差する方向に沿って編地が伸縮し難くなるため、紐締めを行った際に、靴紐(シューレース)に作用した張力による編地の伸びが抑えられ、適切な緊締力で紐締めを行うことができる。
尚、編地の伸びをより抑え、大きな緊締力を得るためには、編地の紐締めを行う際にシューレースに作用する張力の方向と、前記編地の編み列とを平行に近づけることが効果的である。したがって、上記靴においては、前記編地の編み列が、靴のソールが載置される基準面と直交する方向に対して+30°から+60°の範囲内となるように配置し、前記シューレースに作用する張力の方向と、編み列とが極力平行となるようにすることがより好ましい。
また、上記靴においては、アッパーの母趾球部、小趾球部、前足部及び中足部のうちの少なくとも1つの部位が前記編地によって形成されていることが好ましい。このようにすれば、靴を着用した際の足へのフィット性が向上する。
以上のように、本発明に係る靴は、編地が安定した色彩効果を発揮することにより、優れた美観や躍動感を備えたものとなり、また、アッパーが耐久性と通気性とを兼ね備え、且つ、良好な形状復元性を備えたものとなる。
第1の経編地の組織の詳細を示した図である。 図1におけるA−A間の断面図である。 第1の経編地の色彩効果を説明するための図である。 実施例1、比較例1及び比較例2の初期剛性比を表したグラフである。 実施例1及び比較例1の引張試験の結果を表したグラフである。 実施例1、比較例1及び比較例2の各目付、厚み及び空気量をまとめた表である。 第1実施形態に係る靴の概略構成を示した、足の外側から見た側面図である。 第1実施形態に係る靴の概略構成を示した、足の外側から見た側面図である。 第1実施形態に係る靴の概略構成を示した、足の内側から見た側面図である。 図7におけるB部を拡大した拡大図である。尚、凸条部については、1つを除き、図示を省略した。 第2実施形態に係る靴の概略構成を示した、足の外側から見た側面図である。 図11におけるC部を拡大した拡大図である。尚、凸条部については、1つを除き、図示を省略した。 第3実施形態に係る靴の概略構成を示した、足の外側から見た側面図である。 第2の経編地の組織の詳細を示した図である。 図14におけるD−D間の断面図である。 第2の経編地の色彩効果を説明するための図である。 第3の経編地の組織の詳細を示した図である。 第4の経編地の組織の詳細を示した図である。 第5の経編地の組織の詳細を示した図である。 第5の経編地の変形例に係る経編地によってアッパーを形成した靴の概略構成を示した、足の外側から見た側面図である。
以下、本発明の具体的な実施の形態について、図面を参照して説明する。
まず、靴のアッパー材の一部又は全部を形成する経編地について説明する。
[第1の経編地1]
図1は、第1の経編地1の組織の詳細を示した図であり、図2は、図1におけるA−A間の断面図である。同図1及び同図2に示すように、当該経編地1は、基部2と、頂部3及び当該頂部3の両側に形成された2つの側壁部4,5からなり、編み立て方向に沿って形成された凸条部6とから構成されている。
前記頂部3は連結糸3cによって連結された2本の鎖編み列3a,3bからなり、側壁部4,5は、後述するループ4a,5aが前記2本の鎖編み列3a,3bにそれぞれ係止された鎖編み列4a,5aからなる。また、前記基部2は、前記側壁部4,5の鎖編み列4a,5aが結接された鎖編み列2a,2bと、これら鎖編み列2a,2b同士を連結する連結糸2cからなり、各凸条部6間に連結された連結部2dとから構成されている。尚、図1中において、頂部3を構成する鎖編み列3a,3b及び側壁部4,5を構成する鎖編み列4a,5aは実線、頂部3の連結糸3cは破線、基部2の連結糸2cは点線で示し、基部2の鎖編み列2a,2bは図示を省略した。
また、この経編地1においては、頂部3を構成する2本の鎖編み列3a,3bに第1色の編糸、側壁部4を構成する鎖編み列4aに第2色の編糸、側壁部5の鎖編み列5aに第3色の編糸をそれぞれ使用し、前記基部2を構成する鎖編み列2a,2b及び前記連結糸2c,3cには透明な編糸を使用している。尚、前記基部2を構成する鎖編み列2a,2bは、それぞれ結接される側壁部4,5の鎖編み列4a,5aと同色の色糸を使用しても良く、頂部3の連結糸3cは、当該頂部3を構成する鎖編み列3a,3bと同色の色糸を使用するようにしても良い。
尚、この経編地1においては、前記基部2の鎖編み列2a,2b、頂部3の鎖編み列3a,3b及び連結糸3c、並びに側壁部4,5の鎖編み列4a,5aに用いる編糸として、ポリエステル糸やナイロン糸、レーヨン糸等のフィラメント糸の他、紡績糸などを例示することができる。また、前記基部2の連結糸2cとしては、ポリエステルや熱可塑性エラストマー、ナイロンなどからなる透明度の高いモノフィラメント糸を例示することができる。
そして、この経編地1は、複数の編針を有し、対向して配置された2列の針床及び当該針床に所定の糸を供給する供給機構を備えた公知のダブルラッセル編み機を用いて編成することができる。
具体的には、一方側の針床(表側の針床)において、供給機構によって供給される第1色の編糸により2つの鎖編み列3a,3bを編成しつつ、ウェール方向に隣接するこれら2つの鎖編み列3a,3bを連結糸3cにより連結して頂部3を形成する。
一方、他方側の針床(裏側の針床)において、供給機構によって供給される第2色及び第3色の編糸により、側壁部4,5を構成する2つの鎖編み列4a,5aをそれぞれ編成するとともに、供給機構によって供給される透明な編糸により、基部2を構成する鎖編み列2a,2bを編成しつつ、各鎖編み列2a,2bと、これらの近傍にある他の鎖編み列2a,2bとをウェール方向に沿って複数の連結糸2cにより連結する。
ここで、本例の編地は、側壁部4,5の鎖編み列4a,5aを編成する際に、頂部3の鎖編み列と対向する側(表側の針床と対向する側)にループ4a,5aを形成し、頂部3の鎖編み列3a,3bの編目に当該ループ4a,5aを挿入するようにして、側壁部4,5の鎖編み列4a,5aを頂部3の鎖編み列3a,3bに係止する一方、側壁部4,5の鎖編み列4a,5aを、基部2の鎖編み列2a,2bに編み込むようにして、基部2の鎖編み列2a,2bと側壁部4,5の鎖編み列4a,5aとをそれぞれ結接するようにしている。
斯くして、基部2と頂部3とが側壁部4,5によって連結され、頂部3及び側壁部4,5からなる凸条部6が基部2上に形成された一枚の立体的な経編地が編成される。
このように編成された経編地1は、基部2と凸条部6とを編成時に形成するようにしているため、凸条部6の形状にバラツキが生じ難く、各凸条部6の形状がほぼ均一なものとなっている。また、凸条部6は、それぞれ鎖編み列で構成された頂部3と側壁部4,5とからなり、側壁部4,5を構成する鎖編み列4a,5aは、頂部3の鎖編み列3a,3bに形成されるとともに、基部2の鎖編み列2a,2bに編み込まれているため、各凸条部6の形状安定性も高いものとなっている。
尚、前記基部2から頂部3までの高さhは、前記ダブルラッセル編み機における対向して配置された2列の針床間の距離や編糸の伸縮度合いに依存するものであるが、高さhを高くするほど凸条部6の形状は崩れ易くなるため、当該高さhが1mm〜4mm程度となるように、針床間の距離を変える、或いは、編成時のテンション等を調整することが好ましい。
次に、経編地1が奏する色彩効果について、図3を参照しつつ、以下説明する。
この経編地1は、編み立て方向と交差する方向から当該経編地1を見るときの観察者の位置に応じて、視認される色彩が変化する。具体的に言うと、観察者が図3の紙面に向かって左手側の領域R1内から経編地1を見た場合には、頂部3に加えて側壁部4が視認されるため、観察者は第1及び第2色を視認することができる一方、観察者にとって側壁部5は死角に位置するため、第3色は観察者に視認されない。
これに対して、観察者が図3の紙面に向かって右手側の領域R2内から経編地1を見た場合、頂部3に加えて側壁部5が視認されるため、観察者は第1及び第3色を視認することができる一方、側壁部4は観察者から見て死角に位置するため、第2色は観察者に視認されない。尚、本例において、領域R1及び領域R2の角度は、およそ40°〜60°である。
図3中の領域R3及び領域R4は、それぞれ領域R1及び領域R2に付随する領域であり、これら領域R3及び領域R4は、例えば、観察者の位置が領域R1内から領域R2内へと変わる、即ち、観察者が第1及び第2色を視認している状態から主に第1及び第3色を視認している状態へと移り変わる間を補完して、美妙な色彩効果を奏するのに有効な働きをする領域である。
このように、経編地1は、観察者が当該経編地1を見る際の位置に応じて、観察者が視認する色が変化する色彩効果を奏するものである。尚、上記経編地1においては、連結糸2cに透明な編糸を使用しているため、当該連結糸2cに有色糸を用いた場合よりも凸条部6の色彩が際立つようになっている。
次に、経編地1の特性について説明する。
図4は、前記経編地1(実施例1)、従来のランニング用シューズに用いられるダブルラッセルメッシュ(比較例1)及びレーシング用シューズに用いられるダブルラッセルメッシュ(比較例2)について、JIS L1096に準拠した引張試験を行い、これにより得られた編み列に沿った方向におけるひずみεと、編み列と直交する方向におけるひずみεとの比(ε/ε)たる初期剛性比を算出した結果を示したグラフである。
同図4から分かるように、実施例1は初期剛性比が2以上となっており、編み列に沿った方向(凸条部6に沿った方向)における剛性の方がこれと直交する方向における剛性よりも高く、その差も大きい。このことから、前記経編地1は、凸条部6に沿った方向には伸縮し難く、凸条部6と直交する方向には伸縮し易いという特性を有していることが分かる。これに対して、比較例1は、初期剛性比が0.8程度であり、編み列に沿った方向とこれと直交する方向における剛性の差が小さく、実施例1のような特性を有していない。一方、比較例2は、初期剛性比の値が0.4程度であり、編み列に沿った方向における剛性よりも、これと直交する剛性の方が高く、編み列と直交する方向よりも編み列に沿った方向に伸縮し易くなっており、実施例1のような色彩効果を発揮するものでなく、当該比較例2を靴に使用しても、色彩効果を伴う優れた美観を有するものとはならない。
図5は、実施例1、比較例1について、上記と同様に、JIS L1096に準拠した引張試験を行った結果を示したグラフであり、横軸はひずみε、縦軸は引張荷重(N)である。尚、この引張試験においては、各試料片に対して編み列に沿った方向に引張荷重をかけた。
図5から見てとれるように、比較例1においては、ヒステリシス現象が顕著に現れており、大きな残留ひずみが生じているのに対し、実施例1では発生している残留ひずみが極めて小さい。つまり、前記経編地1は、従来のダブルラッセルメッシュと比較し、編み列に沿った方向において、極めて高い形状復元性を有している。
また、図6は、実施例1、比較例1及び比較例2について、JIS L1096に準拠したフラジール試験法によって空気量を測定した結果をまとめた表であり、表中の目付及び厚みは、試験に用いた各試料片の目付及び厚みを表している。
同図6から分かるように、実施例1及び比較例2と、比較例1とでは、空気量が大きく異なり、実施例1及び比較例2は良好な通気性を備えている。また、実施例1と比較例2とを比べると、実施例1の方が目付も大きく、且つ厚いにもかかわらず、比較例2と同等の通気性を有している。このことから、前記経編地1は、目付を大きくし、且つ厚みを持たせて適切な耐久性を確保しつつ、十分な通気性も確保できることが分かる。
ついで、前記経編地1によってアッパーの一部を形成した靴10について説明する。
本例の靴10は、図7に示すように、着地の衝撃を吸収するソール11や、足の甲を包むアッパー12、アッパー12を足の甲にフィットさせるシューレース13などを備えている。尚、図7は、靴10の概略構成を示したものであり、細部については図示を省略している。
前記アッパー12は、図8及び図9に示すように、母趾球部12a、小趾球部12b、前足部12c及び中足部12dを含む領域の外皮に前記経編地1が用いられている。尚、図8及び図9においては、経編地1の表面に現れる凸条部6などの形状については図示を省略している。
このように、アッパー12の外皮の一部に前記経編地1を使用することによって、着用者の足の動きに応じて、経編地1の表面に対する観察者の相対的な位置が変化し、経編地1の色彩効果が発揮されるため、靴10は優れた美観や躍動感を備えたものとなっている。
また、上述したように、前記経編地1においては、凸条部6の形状のバラツキが非常に少ないため、色彩効果が安定して発揮されるとともに、凸条部6の形状安定性が高いため、着用者の動きによって外力が作用したとしても、色彩効果が安定して発揮される。
更に、図10に示すように、前記靴10においては、経編地1の編み列、言い換えれば、凸条部6が、ソール11が載置される基準面Mと直交する方向(矢印N)に対して、所定角度θ(本例においてはおよそ+30°)だけ傾斜して配置された状態となるように、当該経編地1を用いるようにし、経編地1が靴10の長手方向に沿って伸縮し易く、これと交差する方向に沿って伸縮し難い状態となるようにしている。尚、前記靴10の長手方向に沿って経編地1が伸縮し易い状態にし、且つ、前記長手方向と交差する方向に沿って経編地1が伸縮し難い状態にするためには、前記角度θを+60°以内にすることが好ましい。
このようにすることで、着用者の足の動きに追従するように、前記母趾球部12a、小趾球部12b、前足部12c及び中足部12dを含む領域が靴10の長手方向に沿って伸縮するようになり、着用時のフィット感が良好なものとなる。
また、靴10の長手方向と交差する方向には経編地1が伸縮し難いため、紐締めを行う際に、シューレース13に作用した張力による経編地1の伸びが抑制される。したがって、適切な緊締力で紐締め行うことができる。
尚、紐締め時にシューレース13に作用する張力の方向と、経編地1の凸条部6に沿った方向とが平行に近づくほど、紐締めを行う際に、経編地1の伸びがより抑えられ、大きな緊締力を得ることができる。したがって、経編地1の凸条部6が、ソール11が載置される基準面Mと直交する方向(矢印N)に対して、+30°から+60°だけ傾斜して配置された状態となるように、当該経編地1をアッパー12に用いるようにすることがより好ましく、例えば、図11及び図12に示した靴20のように、角度θがおよそ+45°となるように、経編地1をアッパー12の一部に用いることが好ましい。
また、上述したように、前記経編地1は、従来のランニング用シューズやレーシング用シューズに用いられるダブルラッセルメッシュと比較して、形状復元性が優れているという特性を有しているため、当該経編地1をアッパー12の一部として使用することによって、靴10を繰り返し着用した際のフィット感の低下を抑えることができる。
更に、本例の靴10は、通気性と耐久性とを両立可能な経編地1によってアッパー12の一部が形成されていることにより、当該アッパー12が通気性と耐久性とを兼ね備えたものとなっている。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明が採り得る具体的な態様は何らこれらに限定されるものではない。
例えば、上例の靴10においては、母趾球部12a、小趾球部12b、前足部12c及び中足部12dを含む領域の外皮に前記経編地1を用いるようにしているが、これに限られるものではなく、図13に示す靴30のように、後足部を含む領域の外皮に経編地1を用いるようにしても良い。
また、上例の靴10においては、アッパー12の外皮に経編地1を用いるようにしているが、これに限られるものでなく、アッパー12の内皮の一部又は全部を経編地1によって形成しても良い。このようにしても、本発明に係る靴は、経編地1の特性、即ち、凸条部6に沿った方向に伸縮し難く、これと直交する方向に伸縮し易いこと、形状復元性が高いこと、並びに、耐久性及び通気性を兼ね備えることに起因した上記効果を奏するものとなる。
また、アッパー12の外皮及び内皮の一部又は全部を経編地1によって形成しても良い。このようにしても、本発明に係る靴は、優れた美観や躍動感を備え、且つアッパーが耐久性及び通気性に優れ、良好な形状復元性を備えたものとなる。
更に、上例においては、アッパーの一部に第1の経編地1を用いるようにしているが、これに代えて、以下に述べる第2から第5の経編地を用いるようにしても良い。
[第2の経編地]
図14及び図15を参照しつつ、第2の経編地41について説明する。尚、図14においては、基部2の鎖編み列2a,2bの図示を省略し、図15においては、図14では図示していない凸条部も図示し、計3つの凸条部を図示するようにした。また、以下の説明において、経編地1と同一の構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図14及び図15に示すように、当該第2の経編地41は、前記基部2の連結部2dに当該基部2を構成する鎖編み列2eが連結糸2cとは別の編糸によって編成され、当該鎖編み列2eを含む鎖編み列2a,2b,2eと、これらの近傍に位置する他の鎖編み列2a,2b,2eとがウェール方向において複数の連結糸2cにより連結され編成されている。尚、前記鎖編み列2eに用いられる編糸は有色無色を問わないが、透明な編糸を用いることによって、凸条部6の色彩を容易に際立たせることができる。
この経編地41においては、基部2の連結部2dに鎖編み列2eが更に編成されていることにより、経編地1と比較して各凸条部6間の間隔が広がっている。そのため、図16に示すように、頂部3及び側壁部4が視認される領域R1’並びに頂部3及び側壁部5が視認される領域R2’は、経編地1における領域R1及び領域R2よりも狭くなる一方、領域R3’及び領域R4’は、領域R3及び領域R4よりも広くなっている。
このように、当該経編地41は、領域R3’及び領域R4’が広がっていることにより、より一層鮮明な色彩変化を発揮する。
尚、連結部2dに編成する鎖編み列2eの数は、必ずしも1列に限られず、2列以上であっても良いが、凸条部6間の間隔が空きすぎると、領域R1’及び領域R2’が狭くなり過ぎて色彩効果が十分に発揮されなくなる、或いは、基部2の露出が多くなり過ぎて美感が損なわれる虞がある。したがって、凸条部6の高さhも考慮して、領域R1’及び領域R2’の範囲が適切な値(好ましくはおよそ20°以上)となり、領域R3’及び領域R4’の範囲が適切な値(好ましくは40°以上)となり、各凸条部6間の間隔lが1.5mm〜4mm程度(編針3本〜5本分程度)となるように、鎖編み列2eの数を決めることが好ましい。
[第3の経編地]
次に、図17を参照しつつ、第3の経編地51について、以下説明する。尚、上記と同様に、経編地1と同一の構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。また、図17においても、基部2の鎖編み列2a,2bの図示を省略した。
図17に示すように、第3の経編地51は、前記基部2の連結部2dに鎖編み列2eを編成するとともに、当該鎖編み列2eを含む鎖編み列2a,2b,2eの一部と、これらの近傍に位置する他の鎖編み列2a,2b,2eの一部とが、基部2の連結部2dが所謂メッシュ状となるように、ウェール方向において複数の連結糸2cにより連結され編成されている。尚、鎖編み列2eは、図17において実線で示した。
この経編地51は、経編地1と同様に、当該経編地51を見る際の観察者の位置に応じて色彩が変化する色彩効果を奏し、また、基部2の連結部2dをメッシュ状にすることで、経編地51自体の軽量化を図ることができ、当該経編地51によって靴のアッパーを形成することで、容易に通気性を確保することができる。
[第4の経編地]
ついで、第4の経編地61について、図18を参照しつつ、以下説明する。尚、以下の説明においても上記と同様に、経編地1と同一の構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図18に示すように、この経編地61は、上記経編地1,41,51と異なり、基部2の連結部2dにループからなる編み列2fを連結糸2cによって形成しつつ、連結糸2cを側壁部4,5の各鎖編み列4a,5aに結接し、基部2の連結部2dがメッシュ状となるように編成されている。
この経編地61についても、前記経編地51と同様に、観察者が当該経編地61を見る際の位置に応じて色彩が変化する色彩効果を発揮し、また、連結部2dをメッシュ状としたことによって、編地自体の軽量化が図れ、当該経編地51を靴のアッパーに使用することで、容易に通気性を確保することができる。
[第5の経編地]
次に、第5の経編地71について、図19を参照しつつ、以下説明する。尚、上記と同様に、経編地1と同一の構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。また、図19においては、基部2全体の図示を省略した。
この経編地71は、図19に示すように、各凸条部6の頂部3の一部と、これと隣接する他の凸条部6の頂部3の一部との間を、複数の連結糸7によって連結し、頂部3とほぼ同じ高さの平面内にメッシュ状の組織を形成するように編成されている。尚、前記連結糸7は、有色糸であることが好ましい。また、連結糸7は、図19において点線で示した。
この経編地71においては、頂部3とほぼ同じ高さの平面内にメッシュ状の組織が形成されていることにより、観察者によって、メッシュの開口部分を通して凸条部6が視認されるようになるため、メッシュ状の組織がない場合と比較して、複雑な模様を表現することができる。また、凸条部6が他の凸条部6と連結された状態となっているため、凸条部6の形状安定性をより高めることができる。
尚、この第5の経編地71においては、頂部3同士を連結する複数の連結糸7によって、幅広の編み領域を編成し、頂部3とほぼ同じ高さの平面内に、切れ目(小さな開口部)を有する編み組織を形成するようにしても良い。
図20は、上記のような切れ目81aを有する編み組織が形成された経編地81をアッパー材に用いた靴40を示す図である。同図20に示すように、この靴40は、アッパー12の母趾球部、小趾球部、前足部、中足部及び後足部を含む、外皮のほぼ全体に経編地81が用いられている。
そして、この靴40においては、複数の連結糸7によって編成された幅広の編み領域が観察者に視認されるとともに、凸条部6の頂部3及び側壁部4,5が前記切れ目81aを通して視認されるため、その美観が、幅広の編み領域が編成されていないものとは異なったものとなる。また、前記連結糸7の色、頂部3の鎖編み列3a,3b及び各側壁部4,5の鎖編み列4a,5aの編糸の色の組み合わせを変えることで、外観が大きく変化する。したがって、経編地81によってアッパー12を形成することで、靴の外観に容易に多様性を持たせることができる。また、幅広の編み領域が編成されていないものと比べて、フィット性をより一層向上させることができる。
尚、本発明に係る靴のアッパーに用いられる経編地が採り得る態様は何らこれらに限定されるものではない。
例えば、上述した各経編地1,41,51,61,71,81において、頂部3を構成する鎖編み列3a,3bを第1色の編糸、一方の側壁部4を構成する鎖編み列4aを第2色の編糸、他方の側壁部5を構成する鎖編み列5aを第3色の編糸で編成し、頂部3及び各側壁部4,5にそれぞれ異なる色を配置するようにしているが、これに限られるものではなく、頂部3及び各側壁部4,5のうち、いずれか1つが他の部分と異なる色となるようにすれば良い。
具体的に言えば、頂部3及び側壁部4を構成する各鎖編み列3a,3b,4aを第1色の編糸によって編成し、側壁部5を構成する鎖編み列5aを第2色の編糸によって編成するようにしても良い。この場合、観察者が側壁部4側から経編地を見ると、第1色のみが視認され、側壁部5側から見ると、第1及び第2色が視認される。
また、頂部3の鎖編み列3a,3bを第1色の編糸によって編成し、各側壁部4,5の鎖編み列4a,5aを第2色の編糸で編成するようにしても良く、この場合には、観察者が各側壁部4,5側から経編地を見ると、第1及び第2色が視認され、経編地を正面から見ると、ほぼ第1色のみが視認される。
このように、頂部3及び各側壁部4,5のうち、いずれか1つが他の部分と異なる色となるようにすれば、編み立て方向と交差する方向から経編地を見るときの観察者の位置に応じて色彩が変化するという色彩効果を発揮させることが可能である。
また、各経編地1,41,51,61,71,81においては、2本の鎖編み列3a,3bを連結糸3cによって連結して頂部3を編成するようにしているが、頂部3を構成する鎖編み列の数は、これに限られるものではなく、頂部3は、3列以上の鎖編み列を連結糸によって連結して編成しても良い。
更に、上記各経編地1,41,51,61,71,81においては、連結糸2cとして透明糸を用いるようにしているが、これに限られるものではなく、有色糸であっても良い。
1,41,51,61,71,81 経編地
2 基部
2a,2b 鎖編み列
2c 連結糸
2d 連結部
2e 鎖編み列
2f 編み列
3 頂部
3a,3b 鎖編み列
3c 連結糸
4,5 側壁部
4a,5a 鎖編み列
4a,5a ループ
6 凸条部
7 連結糸
10,20,30,40 靴
11 ソール
12 アッパー
13 シューレース

Claims (16)

  1. 基部と、該基部上に編み立て方向に沿って相互に平行に形成された複数の凸条部とを有し、
    前記凸条部は、編み立て方向に沿って延びた編み列からなる頂部と、編み立て方向に沿って延び、前記基部側が該基部に編み込まれるとともに、前記頂部側が該頂部に係止され、該基部と頂部とを連結するように編成された編み列からなる2つの側壁部とからなり、
    前記頂部及び2つの側壁部のうち、少なくとも1つの部位は、他の部位と異なる色が配置されている編地によって、アッパー材の一部又は全部が形成されており、
    前記頂部は、連結糸によって連結された少なくとも2列の鎖編み列からなり、
    前記2つの側壁部は、それぞれ鎖編み列からなり、
    前記側壁部の鎖編み列は、頂部側に形成されたループが前記頂部の鎖編み列中に挿入状態で係止されていることを特徴とする靴。
  2. 基部と、該基部上に編み立て方向に沿って相互に平行に形成された複数の凸条部とを有し、
    前記凸条部は、編み立て方向に沿って延びた編み列からなる頂部と、編み立て方向に沿って延び、前記基部側が該基部に編み込まれるとともに、前記頂部側が該頂部に係止され、該基部と頂部とを連結するように編成された編み列からなる2つの側壁部とからなり、
    前記頂部及び2つの側壁部のうち、少なくとも1つの部位は、他の部位と異なる色が配置されている編地によって、アッパー材の一部又は全部が形成されており、
    前記編み列は、靴のソールが載置される基準面と直交する方向に対して+60°以内となるように配置されていることを特徴とする靴。
  3. 前記各凸条部における頂部の一部と、該凸条部に隣接する他の凸条部における頂部の一部との間に前記連結糸が架け渡され、メッシュ部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の靴。
  4. 前記各凸条部における頂部の一部と、該凸条部に隣接する他の凸条部における頂部の一部との間を連結するように編成された、少なくとも1つの切れ目を有する編み領域が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の靴。
  5. 2つの側壁部にて異なる色が配置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の靴。
  6. 2つの側壁部に配置されている色が、1つの編み列中で変化することを特徴とする請求項に記載の靴。
  7. 2つの側壁部の少なくとも一部が接していることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の靴。
  8. 2つの側壁部の少なくとも一部が繊維によって連結されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の靴。
  9. 前記基部における、前記各凸条部と該凸条部に隣接する他の凸条部との間に、少なくとも1列の編み列が形成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の靴。
  10. 前記基部は、メッシュ状に形成されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の靴。
  11. 前記基部は、透明糸からなることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の靴。
  12. 前記編み列は、前記靴のソールが載置される基準面と直交する方向に対して+30°から+60°の範囲内となるように配置されていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の靴。
  13. 少なくともアッパーの母趾球部が、前記編地によって形成されていることを特徴とする請求項1〜1のいずれか1項に記載の靴。
  14. 少なくともアッパーの小趾球部が、前記編地によって形成されていることを特徴とする請求項1〜1のいずれか1項に記載の靴。
  15. 少なくともアッパーの前足部が、前記編地によって形成されていることを特徴とする請求項1〜1のいずれか1項に記載の靴。
  16. 少なくともアッパーの中足部が、前記編地によって形成されていることを特徴とする請求項1〜1のいずれか1項に記載の靴。
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