JP2018104518A - インク、インクカートリッジ、及び画像記録方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】貯蔵安定性に優れているとともに、光学濃度の高い画像を記録することが可能なインクを提供する。【解決手段】顔料、樹脂粒子、及び水を含有するインクである。顔料の表面アニオン性官能基量が、0.20mmol/g以下であり、樹脂粒子の表面アニオン性官能基量が、0.20mmol/g以下であり、さらに、下記一般式(A)で表される化合物を含有し、下記一般式(A)で表される化合物の含有量(質量%)が、顔料の含有量(質量%)に対する質量比率で、0.03倍以上0.10倍以下である。H−(CH2)n−O−(CH2CH2O)m−H ・・・(A)(nは、14以上22以下の数であり、mは、「m≧3×exp(40/n)」の関係を満たす)【選択図】なし
Description
本発明は、インク、インクカートリッジ、及び画像記録方法に関する。
インクジェット記録方法は、原理が単純でありながらも簡便に高品位なカラー画像を記録することができる。このため、インクジェット記録方法の技術の発展は著しく、これまでの主流であった家庭用文書や写真の記録だけでなく、オフィスや産業用途でも急速に普及しつつある。さらに、長尺のライン型ヘッドが近年開発されており、ヘッド幅分の画像を一度に記録できるようになった。このため、より高速での印刷が要求される商業印刷業界においてもインクジェット記録方法が採用され始めている。
商業印刷業界においては、低コストで大量に印刷しうる性能が要求される。このため、一般に印刷用紙と呼ばれ広く用いられている、安価で薄い用紙に対しても高品位な画像を記録可能であることが望まれている。とりわけ、上質紙や微塗工紙に分類される用紙に顔料インクを用いて画像を記録する場合、インクが用紙に浸透しやすいとともに顔料も紙面内に移動するため、得られる画像の光学濃度が低下しやすくなる。これに対し、顔料や樹脂を素早く凝集させて記録媒体上に多くの顔料を残し、画像の光学濃度を向上させる方法が知られている(特許文献1及び2)。しかし、この方法では固形分の凝集速度が高まるため、インクの貯蔵安定性に課題が生ずることがあった。一方、ポリオキシエチレンアルキルエーテルを含有する、貯蔵安定性を向上させた顔料インクが提案されている(特許文献3)。
しかし、特許文献3で提案された顔料インクの貯蔵安定性は良好であったが、記録される画像の光学濃度については未だ改良の余地があった。すなわち、インクの貯蔵安定性と、得られる画像の光学濃度とを両立することは困難であった。
したがって、本発明の目的は、貯蔵安定性に優れているとともに、光学濃度の高い画像を記録することが可能なインクを提供することにある。また、本発明の目的は、前記インクを用いたインクカートリッジ、及び画像記録方法を提供することにある。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明によれば、顔料、樹脂粒子、及び水を含有するインクであって、前記顔料の表面アニオン性官能基量が、0.20mmol/g以下であり、前記樹脂粒子の表面アニオン性官能基量が、0.20mmol/g以下であり、さらに、下記一般式(A)で表される化合物を含有し、下記一般式(A)で表される化合物の含有量(質量%)が、前記顔料の含有量(質量%)に対する質量比率で、0.03倍以上0.10倍以下であることを特徴とするインクが提供される。
H−(CH2)n−O−(CH2CH2O)m−H ・・・(A)
(前記一般式(A)中、nは、14以上22以下の数であり、mは、「m≧3×exp(40/n)」の関係を満たす)
H−(CH2)n−O−(CH2CH2O)m−H ・・・(A)
(前記一般式(A)中、nは、14以上22以下の数であり、mは、「m≧3×exp(40/n)」の関係を満たす)
本発明によれば、貯蔵安定性に優れているとともに、光学濃度の高い画像を記録することが可能なインクを提供することができる。また、本発明によれば、前記インクを用いたインクカートリッジ、及び画像記録方法を提供することができる。
以下に、好ましい実施の形態を挙げて、さらに本発明を詳細に説明する。なお、本発明においては、化合物が塩である場合は、インク中では塩はイオンに解離して存在しているが、便宜上、「塩を含有する」と表現する。また、インクジェット用の水性インクのことを、単に「インク」と記載することがある。また、物性値は、特に断りのない限り、常温(25℃)における値とする。
本発明者らは、貯蔵安定性に優れているとともに、光学濃度の高い画像を記録することが可能な、顔料及び樹脂粒子を含有するインクについて検討した。その結果、以下の(1)〜(4)の要件を満たすことで、貯蔵安定性に優れているとともに、光学濃度の高い画像を記録することが可能となることを見出した。
(1)顔料の表面アニオン性官能基量が、0.20mmol/g以下である。
(2)樹脂粒子の表面アニオン性官能基量が、0.20mmol/g以下である。
(3)下記一般式(A)で表される化合物を含有する。
(4)下記一般式(A)で表される化合物の含有量(質量%)が、顔料の含有量(質量%)に対する質量比率で、0.03倍以上0.10倍以下である。
H−(CH2)n−O−(CH2CH2O)m−H ・・・(A)
(前記一般式(A)中、nは、14以上22以下の数であり、mは、「m≧3×exp(40/n)」の関係を満たす)
(1)顔料の表面アニオン性官能基量が、0.20mmol/g以下である。
(2)樹脂粒子の表面アニオン性官能基量が、0.20mmol/g以下である。
(3)下記一般式(A)で表される化合物を含有する。
(4)下記一般式(A)で表される化合物の含有量(質量%)が、顔料の含有量(質量%)に対する質量比率で、0.03倍以上0.10倍以下である。
H−(CH2)n−O−(CH2CH2O)m−H ・・・(A)
(前記一般式(A)中、nは、14以上22以下の数であり、mは、「m≧3×exp(40/n)」の関係を満たす)
上記の要件を満たすことで、貯蔵安定性に優れているとともに、光学濃度の高い画像を記録することが可能なインクが得られるメカニズムについて、本発明者らは以下のように推測している。
表面アニオン性官能基量が比較的少ない顔料及び樹脂粒子を含有するインクが記録媒体に付与され、水分蒸発が始まると、静電反発による安定化作用が小さいため、凝集が速やかに開始される。このため、記録媒体表面に顔料が多く残り、画像の光学濃度(発色性)が向上する。一方、顔料及び樹脂粒子の表面アニオン性官能基量がいずれも少ないため、特に高温条件下で貯蔵する際に粒子間の静電反発力が不足しやすい。このため、顔料が凝集しやすく、インクの貯蔵安定性が低下すると考えられる。
ここで、特定構造を有するポリオキシエチレンアルキルエーテルをインクに添加すると、ポリオキシエチレンアルキルエーテルが顔料の粒子表面に吸着する。そして、ポリオキシエチレン鎖(POE鎖)による立体反発力が顔料に付与されることで、凝集が抑制されると考えられる。すなわち、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの疎水性部分(炭化水素鎖)の長さによって顔料への吸着量が定まり、親水性部分(POE鎖)の長さによって立体反発力の大きさが定まると考えられる。
POE鎖の立体反発による斥力エネルギーは、Mockerの理論(E.L.Mocker:J.Colloid Sci.,6,492(1951)参照)により、下記式(1)で表される。
VR=kT×ln(l/H) ・・・(1)
VR:斥力エネルギー
k:ボルツマン係数
T:絶対温度
l:POE鎖長
H:粒子間距離
VR=kT×ln(l/H) ・・・(1)
VR:斥力エネルギー
k:ボルツマン係数
T:絶対温度
l:POE鎖長
H:粒子間距離
ここで、安定化のためには単位面積当たりの総エネルギーN×VR(N:単位面積当たりの吸着界面活性剤分子数)が、あるエネルギーXkT(J)以上となることが必要である。すなわち、下記式(2)が導かれるとともに、これらを纏めると下記式(3)が導かれる。
N×VR≧XkT ・・・(2)
l≧H×exp(X/N) ・・・(3)
N×VR≧XkT ・・・(2)
l≧H×exp(X/N) ・・・(3)
一般式(A)中のmはPOE鎖の繰り返し数である。このため、上記式(3)中のlと一般式(A)中のmは、l=am(a:定数)の関係にある。また、炭素鎖の吸着力はファンデルワールス力に依存し、ファンデルワールス力は炭素鎖の長さに比例するため、単位面積当たりの吸着界面活性剤分子数Nは、POE鎖の繰り返し数mに比例する。顔料への界面活性剤の吸着量は、界面活性剤の濃度を変化させて測定した表面張力から算出される臨界ミセル濃度から求めることができる。実際に測定すると、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの疎水性部分を構成する炭化水素鎖に含まれる炭素の数と、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの顔料への吸着量とは、比例関係にあることがわかる。
よって、単位面積当たりの吸着界面活性剤分子数Nと、一般式(A)中のnとは、N=bn(b:定数)の関係にある。よって、これらの2つの関係を用いて上記式(3)を書き直すと、下記式(4)が導かれる。すなわち、下記式(4)が、一般式(A)中のn(炭化水素鎖に含まれる炭素の数)と、一般式(A)中のm(POE鎖の繰り返し数)との関係を表した式である。
m≧(H/a)×exp(X/bn) ・・・(4)
m≧(H/a)×exp(X/bn) ・・・(4)
各種ポリオキシエチレンアルキルエーテルを添加したインクの貯蔵安定性の評価結果を図1に示す。60℃の温度条件下で5週間静置し、粘度変化率が±10%以内であったインクの貯蔵安定性を「○」、粘度変化率が±10%を超えたインクの貯蔵安定性を「×」と評価した。図1中、貯蔵安定性の良好なインクに添加したポリオキシエチレンアルキルエーテルのうち、境界である点線の円で囲った4点を用いて式(4)にフィッティングすると下記式(5)が導かれる。なお、4点のポリオキシエチレンアルキルエーテルは、ポリオキシエチレン(55)ミリスチルエーテル、ポリオキシエチレン(40)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(30)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(20)ベヘニルエーテルである。すなわち、下記式(5)が、インクの貯蔵安定性を向上させうるポリオキシエチレンアルキルエーテルが満たすべき、POE鎖の繰り返し数mと、炭化水素鎖に含まれる炭素の数nとの関係を規定する要件である。
m≧3×exp(40/n) ・・・(5)
m≧3×exp(40/n) ・・・(5)
<インク>
本発明のインクは、顔料、樹脂粒子、及び水を含有するインクである。以下、本発明のインクを構成する成分やインクの物性などについて詳細に説明する。
本発明のインクは、顔料、樹脂粒子、及び水を含有するインクである。以下、本発明のインクを構成する成分やインクの物性などについて詳細に説明する。
(顔料)
顔料としては、例えば、カーボンブラックなどの無機顔料や有機顔料を挙げることができる。顔料としては、インクジェット用のインクに使用可能なものであれば、いずれも用いることができる。また、調色などの目的のために染料などを併用してもよい。
顔料としては、例えば、カーボンブラックなどの無機顔料や有機顔料を挙げることができる。顔料としては、インクジェット用のインクに使用可能なものであれば、いずれも用いることができる。また、調色などの目的のために染料などを併用してもよい。
顔料の表面アニオン性官能基量は、0.20mmol/g以下である。表面アニオン性官能基とは、顔料を水中に分散させるために顔料の粒子表面に結合している、解離してアニオンとなる官能基を意味する。顔料の表面アニオン性官能基量は、コロイド滴定により測定することができる。後述の実施例においては、流動電位滴定ユニット(商品名「PCD−500」)を搭載した電位差自動滴定装置(商品名「AT−510」、京都電子工業製)を使用し、電位差を利用したコロイド滴定により顔料の表面アニオン性官能基量を測定した。なお、滴定試薬としてはメチルグリコールキトサンを用いた。
インク中の顔料の表面アニオン性官能基量を測定するには、顔料と樹脂粒子を分離する必要がある。例えば、23℃、440,000g、2時間の条件でインクを遠心分離すると、顔料が沈殿する。そして、上澄みを除去して得た沈殿物をイオン交換水中に再分散させる。これらの操作を3回繰り返して得た顔料の表面アニオン性官能基量を測定することができる。顔料としては、自己分散顔料や樹脂分散顔料などの水中に分散しうる顔料をいずれも用いることができる。また、分散方法の異なる顔料を併用してもよく、2種以上の顔料を組み合わせて用いてもよい。
無機顔料としては、ファーネスブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック、ランプブラックなどのカーボンブラックを挙げることができる。
市販のカーボンブラックとしては、以下商品名で、レイヴァン:7000、5750、5250、5000ULTRA、3500、2000、1500、1255、1250、1200、1190ULTRA−II、1170(以上、コロンビア製);モナク:700、800、880、900、1000、1100、1300、1400、2000(以上、キャボット製);ブラックパールズ:880、800、L(以上、キャボット製);カラーブラックFW1、FW2、FW2V、FW18、FW200、S150、S160、S170(以上、デグッサ製);プリンテックス:85、95、140U、140V、U、V(以上、デグッサ製);スペシャルブラック:6、5、4A、4(以上、デグッサ製);No.900、No.1000、No.2200B、No.2300、No.2350、No.2400R、MCF−88(以上、三菱化学製)などを挙げることができる。また、新たに調製したカーボンブラックを用いることもできる。
市販のカーボンブラックとしては、以下商品名で、レイヴァン:7000、5750、5250、5000ULTRA、3500、2000、1500、1255、1250、1200、1190ULTRA−II、1170(以上、コロンビア製);モナク:700、800、880、900、1000、1100、1300、1400、2000(以上、キャボット製);ブラックパールズ:880、800、L(以上、キャボット製);カラーブラックFW1、FW2、FW2V、FW18、FW200、S150、S160、S170(以上、デグッサ製);プリンテックス:85、95、140U、140V、U、V(以上、デグッサ製);スペシャルブラック:6、5、4A、4(以上、デグッサ製);No.900、No.1000、No.2200B、No.2300、No.2350、No.2400R、MCF−88(以上、三菱化学製)などを挙げることができる。また、新たに調製したカーボンブラックを用いることもできる。
有機顔料としては、シアン顔料、マゼンタ顔料、及びイエロー顔料などを用いることができる。シアン顔料としては、銅フタロシアニン顔料を用いることが好ましい。銅フタロシアニン顔料の具体例としては、C.I.Pigment Blue 1、2、3、15、15:2、15:3、15:4、16、22、60などを挙げることができる。マゼンタ顔料としては、キナクリドン顔料を用いることが好ましい。キナクリドン顔料の具体例としては、C.I.Pigment Red 5、7、12、48、48:1、57、112、122、123、146、168、184、202、207などを挙げることができる。イエロー顔料としては、アゾ顔料を用いることが好ましい。アゾ顔料の具体例としては、C.I.Pigment Yellow 12、13、14、16、17、74、83、93、95、97、98、114、128、129、151、154などを挙げることができる。
インク中の顔料の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上10.0質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以上8.0質量%以下であることがさらに好ましい。顔料の含有量が0.1質量%未満であると、記録される画像の光学濃度がやや不足することがある。一方、顔料の含有量が10.0質量%超であると、吐出安定性などが不十分になる場合がある。
インク中の顔料の含有量と樹脂粒子の含有量の合計は、インク全質量を基準として、30質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがさらに好ましい。顔料の含有量と樹脂粒子の含有量の合計が30質量%超であると、インクの吐出安定性などが不十分になる場合がある。
[自己分散顔料]
自己分散顔料は、顔料の粒子表面に親水性基が直接又は他の原子団(−R−)を介して結合したものである。親水性基としては、−COOM、−SO3M、−PO3HM、−PO3M2などを挙げることができる。上記式中の「M」は、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムである。上記式中の「M」は、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属であることが、インクの吐出安定性が良好となるために好ましい。
自己分散顔料は、顔料の粒子表面に親水性基が直接又は他の原子団(−R−)を介して結合したものである。親水性基としては、−COOM、−SO3M、−PO3HM、−PO3M2などを挙げることができる。上記式中の「M」は、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムである。上記式中の「M」は、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属であることが、インクの吐出安定性が良好となるために好ましい。
顔料の粒子表面に結合する、親水性基及び他の原子団(−R−)を含む置換基は、−CQ(PO3M2)2で表される構造を有する基であることが好ましい。上記式中の「Q」は、R’、OR’、SR’、又はNR’2を表す。なお、「R’」は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アシル基、アラルキル基、又はアリール基を表す。アルキル基としては、メチル基、エチル基を挙げることができる。アシル基としては、アセチル基、ベンゾイル基を挙げることができる。アラルキル基としては、ベンジル基を挙げることができる。アリール基としては、フェニル基、ナフチル基を挙げることができる。顔料の粒子表面に結合する、親水性基及び他の原子団(−R−)を含む置換基としては、−CH(PO3M2)2で表される構造を有する基であることが特に好ましい。
他の原子団(−R−)としては、アミド基、アミノ基、ケトン基、エステル基、エーテル基、炭素数1乃至12のアルキレン基、フェニレン基、置換フェニレン基、又はナフチレン基、及び置換ナフチレン基を挙げることができる。なかでも、他の原子団(−R−)としては、−C6H4−CONH−(ベンズアミド構造)又は−C6H4−SO2NH−(ベンゼンスルホンアミド構造)を含む基であることが好ましい。なお、他の原子団(−R−)の炭素原子には、複数のホスホン酸基が結合していてもよい。具体的には、ビスホスホン酸基やトリホスホン酸基が結合した原子団が顔料の粒子表面に結合した、いわゆるホスホン酸基修飾自己分散顔料を用いることが好ましい。親水性基のインク中での形態は、その一部が解離した状態であってもよく、すべてが解離した状態であってもよい。
顔料の粒子表面に親水性基を導入する方法は特に限定されず、公知の方法及び新たな方法のいずれによっても顔料の粒子表面に親水性基を導入することができる。具体的には、酸化剤による酸化処理;シラン化合物などのカップリング剤による処理;プラズマ処理などによって顔料の粒子表面に親水性基を導入することができる。酸化剤としては、例えば、硝酸、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、次亜塩素酸塩類、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、オゾンなどを用いることができる。なお、複数の方法を組み合わせてもよい。自己分散顔料の表面アニオン性官能基量は、顔料の粒子表面に結合させる官能基の量を調整することよって制御することができる。
無機顔料の自己分散顔料としては、カーボンブラックなどの公知の無機顔料の粒子表面に親水性基を導入した顔料(自己分散カーボンブラックなど)を挙げることができる。自己分散カーボンブラックの具体例としては、商品名「CAB−O−JET400」(キャボット製)などを挙げることができる。
有機顔料の自己分散顔料としては、公知の有機顔料の粒子表面に親水性基を導入した顔料を挙げることができる。例えば、自己分散シアン顔料、自己分散マゼンタ顔料、自己分散イエロー顔料などを挙げることができる。自己分散シアン顔料の具体例としては、商品名「CAB−O−JET450C」(キャボット製)などを挙げることができる。自己分散マゼンタ顔料の具体例としては、以下商品名で、CAB−O−JET465M、480V(以上、キャボット製)を挙げることができる。また、自己分散イエロー顔料の具体例としては、商品名「CAB−O−JET470Y」(キャボット製)を挙げることができる。
自己分散顔料として、顔料の粒子表面にホスホン酸基が直接又は他の原子団を介して表面に結合したホスホン酸基修飾自己分散顔料を用いることが好ましい。ホスホン酸基修飾自己分散顔料を用いることで、記録される画像の発色性をさらに向上させることができる。なお、他の原子団(−R−)の炭素原子には、複数のホスホン酸基が結合していてもよい。ホスホン酸基修飾自己分散顔料としては、ビスホスホン酸基やトリホスホン酸基が結合した原子団が顔料の粒子表面に結合した自己分散顔料を用いることが好ましい。なかでも、ビスホスホン酸基が結合した原子団が顔料の粒子表面に結合した自己分散顔料を用いると、記録される画像の発色性がさらに向上するために好ましい。
インク中の顔料が自己分散顔料であるか否かについては、以下に示す分析方法によって検証することができる。まず、インクを酸析した後、遠心分離して沈殿物を採取する。なお、試料が顔料分散体である場合は、顔料分散体を酸析した後、沈殿物を採取する。次いで、採取した沈殿物をシャーレに取って水を流し込み、撹拌して再分散させる。1日放置後、シャーレに沈殿物が生ずることなく、顔料が分散していれば、自己分散顔料であると判断することができる。
インク中の自己分散顔料がホスホン酸基を有するか否かについては、ICP発光分析装置を使用して分析することで検証することができる。具体的には、ICP発光分析装置を使用して自己分散顔料を分析し、リン元素が確認されれば、自己分散顔料がホスホン酸基を有すると判断することができる。
[樹脂分散顔料]
樹脂分散顔料は、顔料が樹脂分散剤によって分散される樹脂分散顔料;顔料の粒子表面を樹脂で被覆したマイクロカプセル顔料;及び顔料の粒子表面に樹脂を含む有機基が化学的に結合した樹脂結合顔料のいずれであってもよい。
樹脂分散顔料は、顔料が樹脂分散剤によって分散される樹脂分散顔料;顔料の粒子表面を樹脂で被覆したマイクロカプセル顔料;及び顔料の粒子表面に樹脂を含む有機基が化学的に結合した樹脂結合顔料のいずれであってもよい。
樹脂分散剤としては、インクジェット用のインクに従来用いられている樹脂分散剤を用いることができる。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される樹脂分散剤のポリスチレン換算の重量平均分子量は、1,000以上30,000以下であることが好ましく、3,000以上15,000以下であることがさらに好ましい。樹脂分散剤の酸価は、50mgKOH/g以上350mgKOH/g以下であることが好ましく、80mgKOH/g以上250mgKOH/g以下であることがさらに好ましい。酸価が上記の範囲内である樹脂分散剤を用いると、顔料の分散安定性及びインクの吐出安定性が向上する。樹脂分散剤の酸価は、電位差滴定により測定することができる。
インク中の樹脂分散剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上5.0質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上3.0質量%以下であることがさらに好ましい。インク中の顔料の含有量(質量%)は、樹脂分散剤の含有量(質量%)に対する質量比率で、3倍以上であることが好ましく、3.3倍以上であることがさらに好ましく、4倍以上10倍以下であることが特に好ましい。また、インク中の顔料の含有量(質量%)は、樹脂粒子の含有量(質量%)に対する質量比率で、0.3倍以上5.0倍以下であることが好ましく、0.5倍以上2.0倍以下であることがさらに好ましい。
樹脂分散剤は、水溶性であることが好ましい。本発明における「樹脂が水溶性である」とは、酸価と当量のアルカリで樹脂を中和した場合に、水系媒体中で粒径を有しない状態となることを意味する。樹脂分散剤を構成するモノマーとしては、例えば、スチレン、ビニルナフタレン、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、酢酸ビニル、ビニルピロリドン、アクリルアミド、及びこれらの誘導体などを挙げることができる。これらのモノマーは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。モノマーのうちの少なくとも1つは、親水性モノマーであることが好ましい。親水性モノマーとしては、アクリル酸及びメタクリル酸の少なくともいずれかを用いることが好ましい。特に、アクリル酸及びメタクリル酸のそれぞれに由来するユニットを有する共重合体を樹脂分散剤として用いることが好ましい。また、ブロック共重合体、ランダム共重合体、グラフト共重合体、及びこれらの塩などを用いることもできる。さらに、ロジン、シェラック、デンプンなどの天然樹脂を樹脂分散剤として用いてもよい。樹脂分散顔料の表面アニオン性官能基量は、例えば、樹脂分散剤の酸価や、顔料と樹脂分散剤の割合などを設定することで制御することができる。
インク中の顔料が樹脂分散剤によって分散されているか否かについては、以下に示す分析方法によって検証することができる。まず、インクを濃縮又は希釈して全固形分の含有量が10質量%程度になるように調製した液体を用意する。次いで、この液体を12,000rpmで1時間遠心分離して、顔料を含有する沈降成分を回収する。なお、液相には、水溶性有機溶剤や分散に寄与しない樹脂などの成分が含まれている。そして、回収した沈降成分に樹脂が含まれている場合は、この樹脂(樹脂分散剤)によって顔料が分散されていたと判断することができる。なお、沈降成分に主成分として含まれている樹脂が、顔料の分散に寄与する樹脂分散剤であり、液層に主成分として含まれている樹脂が、顔料の分散に寄与しない、樹脂分散剤以外の樹脂である。
(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)
本発明のインクは、下記一般式(A)で表される化合物を含有する。下記一般式(A)で表される化合物は、界面活性剤としての機能を有する、いわゆる「ポリオキシエチレンアルキルエーテル」である。
H−(CH2)n−O−(CH2CH2O)m−H ・・・(A)
(一般式(A)中、nは、14以上22以下の数であり、mは、「m≧3×exp(40/n)」の関係を満たす)
本発明のインクは、下記一般式(A)で表される化合物を含有する。下記一般式(A)で表される化合物は、界面活性剤としての機能を有する、いわゆる「ポリオキシエチレンアルキルエーテル」である。
H−(CH2)n−O−(CH2CH2O)m−H ・・・(A)
(一般式(A)中、nは、14以上22以下の数であり、mは、「m≧3×exp(40/n)」の関係を満たす)
一般式(A)で表される化合物(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)としては、ポリオキシエチレン(55)ミリスチルエーテル、ポリオキシエチレン(40)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(30)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(25)オレイルエーテル、ポリオキシエチレン(20)ベヘニルエーテルなどを挙げることができる。これらのポリオキシエチレンアルキルエーテルは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。上記のようなポリオキシエチレンアルキルエーテルのうち、市販されているものとしては、例えば、日光ケミカルズより入手可能なニッコールシリーズ;花王より入手可能なエマルゲンシリーズ;第一工業製薬より入手可能なDKシリーズ;日本触媒より入手可能なソフタノールシリーズ;日本油脂より入手可能なディスパノールシリーズなどを挙げることができる。
一般式(A)中、nは、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの疎水性部分を構成する炭化水素鎖に含まれる炭素の数である。また、一般式(A)中、mは、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの親水性部分を構成するポリオキシエチレン鎖(POE鎖)の繰り返し数である。一般式(A)中、nは、14以上22以下であり、好ましくは18以上20以下である。nが14未満であると、顔料への吸着力が低いため、必要なPOE鎖の繰り返し数が多くなる場合がある。このため、親水性分子としての作用が強くなり、インクの浸透速度が増加して画像の光学濃度がやや低下することがある。一方、nが22超であると、疎水性の程度が強くなりすぎる場合がある。このため、顔料の凝集がかえって促進されやすくなり、インクの貯蔵安定性がやや低下することがある。
一般式(A)中、mは、20以上55以下であることが好ましい。mが20未満であると、顔料に吸着しても立体反発効果が不足することがあり、インクの貯蔵安定性の向上効果がやや不十分になることがある。一方、mが55超であると、親水性分子としての作用が強くなり、インクの浸透速度が増加して画像の光学濃度がやや低下することがある。
インク中の一般式(A)で表される化合物の含有量(質量%)は、顔料の含有量(質量%)に対する質量比率で、0.03倍以上0.10倍以下である。上記の質量比率が0.03倍未満であると、顔料の粒子表面に吸着するポリオキシエチレンアルキルエーテルの絶対量が少ないため、立体障害による反発効果が不足する。一方、上記の質量比率が0.10倍超であると、顔料の粒子表面に吸着せずに遊離したポリオキシエチレンアルキルエーテルの量が増加する。このため、インクの浸透速度が増加して画像の光学濃度が低下する。
インク中の一般式(A)で表される化合物の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上1.0質量%以下であることが好ましい。一般式(A)で表される化合物(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)の含有量が0.1質量%未満であると、臨界ミセル濃度に満たないため、顔料の粒子表面にポリオキシエチレンアルキルエーテルが吸着しにくくなることがある。このため、インクの貯蔵安定性がやや不足することがある。一方、一般式(A)で表される化合物の含有量が1.0質量%超であると、顔料の粒子表面に吸着せずに遊離したポリオキシエチレンアルキルエーテルの量が増加する場合がある。このため、インクの浸透速度が増加して画像の光学濃度がやや低下することがある。
(樹脂粒子)
本発明のインクは、樹脂粒子を含有する。この樹脂粒子の表面アニオン性官能基量は、0.20mmol/g以下であり、好ましくは0.01mmol/g以上0.10mmol/g以下、さらに好ましくは0.03mmol/g以上である。樹脂粒子の表面に存在するアニオン性基としては、−COOM、−SO3M、−PO3HM、−PO3M2などを挙げることができる。なお、「M」は、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムである。
本発明のインクは、樹脂粒子を含有する。この樹脂粒子の表面アニオン性官能基量は、0.20mmol/g以下であり、好ましくは0.01mmol/g以上0.10mmol/g以下、さらに好ましくは0.03mmol/g以上である。樹脂粒子の表面に存在するアニオン性基としては、−COOM、−SO3M、−PO3HM、−PO3M2などを挙げることができる。なお、「M」は、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムである。
樹脂粒子の表面アニオン性官能基量は、コロイド滴定により測定することができる。後述の実施例においては、流動電位滴定ユニット(商品名「PCD−500」)を搭載した電位差自動滴定装置(商品名「AT−510」、京都電子工業製)を使用し、電位差を利用したコロイド滴定により樹脂粒子の表面アニオン性官能基量を測定した。なお、滴定試薬としてはメチルグリコールキトサンを用いた。
インク中の樹脂粒子の表面アニオン性官能基量を測定するには、顔料と樹脂粒子を分離する必要がある。例えば、23℃、440,000g、2時間の条件でインクを遠心分離すると、顔料が沈殿する。そして、樹脂粒子が含まれる上澄みを採取し、上記の測定方法により表面アニオン性官能基量を測定することができる。
本発明における「樹脂粒子」とは、「粒径を有する状態で水系媒体中に分散して存在しうる樹脂からなる粒子」を意味する。樹脂粒子の50%累積体積平均粒径(D50)は、1nm以上300nm以下であることが好ましく、5nm以上150nm以下であることがさらに好ましい。樹脂粒子のD50は、樹脂粒子分散体を純水で50倍(体積基準)に希釈して調製した水分散液を測定用試料とし、粒度分布測定装置(商品名「UPA−EX150」、日機装製)を使用して以下に示す測定条件にしたがって測定することができる。
[測定条件]
SetZero:30秒
測定回数:3回
測定時間:180秒
屈折率:1.5
[測定条件]
SetZero:30秒
測定回数:3回
測定時間:180秒
屈折率:1.5
樹脂粒子としては、公知のものをいずれも用いることができる。なかでも、ポリウレタン樹脂粒子及びアクリル樹脂粒子から選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。
[ポリウレタン樹脂粒子]
GPCにより測定されるポリウレタン樹脂粒子のポリスチレン換算の重量平均分子量は、5,000以上150,000以下であることが好ましく、8,000以上100,000以下であることがさらに好ましい。ポリウレタン樹脂粒子の重量平均分子量が5,000未満であると、ポリウレタン樹脂粒子の強度が低くなるため、画像の耐擦過性が不足することがある。一方、ポリウレタン樹脂粒子の重量平均分子量が150,000超であると、インクの保存安定性や吐出安定性などがやや不足することがある。
GPCにより測定されるポリウレタン樹脂粒子のポリスチレン換算の重量平均分子量は、5,000以上150,000以下であることが好ましく、8,000以上100,000以下であることがさらに好ましい。ポリウレタン樹脂粒子の重量平均分子量が5,000未満であると、ポリウレタン樹脂粒子の強度が低くなるため、画像の耐擦過性が不足することがある。一方、ポリウレタン樹脂粒子の重量平均分子量が150,000超であると、インクの保存安定性や吐出安定性などがやや不足することがある。
ポリウレタン樹脂粒子の重量平均分子量は、ポリスチレン標準試料を使用し、GPCにより測定することができる。GPCの装置などは、例えば、以下に示すものを使用することができる。また、ポリスチレン標準試料としては、商品名「PS−1」、「PS−2」(Polymer Laboratories製)を用いることができる。
装置:Alliance GPC 2695(Waters製)
カラム:Shodex KF−806Mの4連カラム(昭和電工製)
検出器:RI(屈折率)
装置:Alliance GPC 2695(Waters製)
カラム:Shodex KF−806Mの4連カラム(昭和電工製)
検出器:RI(屈折率)
ポリウレタン樹脂粒子の酸価は、100mgKOH/g以下であることが好ましく、5mgKOH/g以上30mgKOH/g以下であることがさらに好ましい。ポリウレタン樹脂粒子の酸価は、滴定法により測定することができる。例えば、樹脂粒子をTHFに溶解し、電位差自動滴定装置(商品名「AT510」、京都電子工業製)を用いて、水酸化カリウムエタノール滴定液によって電位差滴定することで酸価を測定することができる。また、ポリウレタン樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)は、−80℃以上であることが好ましく、−50℃以上であることがさらに好ましい。また、ポリウレタン樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)は、120℃以下であることが好ましく、100℃以下であることがさらに好ましい。
インク中のポリウレタン樹脂粒子の含有量は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上10.0質量%以下であることが好ましい。ポリウレタン樹脂粒子の含有量が0.1質量%未満であると、記録される画像の耐擦過性が不足することがある。一方、ポリウレタン樹脂粒子の含有量が10.0質量%超であると、インクの吐出安定性などが不足することがある。
ポリウレタン樹脂粒子は、一般的に用いられている従来の方法によって製造することができる。具体的には、酸基を有しないポリオールをメチルエチルケトンなどの有機溶剤中で十分に撹拌して溶解させた後、ポリイソシアネート及び酸基を有するジオールを加えて反応させ、ウレタンプレポリマー溶液を得る。得られたウレタンプレポリマー溶液を中和した後、イオン交換水を添加し、ホモミキサーで高速撹拌して乳化する。乳化後、鎖延長剤を添加して鎖延長反応を行えば、ポリウレタン樹脂粒子を製造することができる。
(1)ポリイソシアネート
ポリウレタン樹脂粒子を構成するポリウレタンは、通常、ポリイソシアネートに由来するユニットを有する。本明細書における「ポリイソシアネート」とは、2以上のイソシアネート基を有する化合物を意味する。ポリイソシアネートとしては、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネートを挙げることができる。ポリウレタンに占める、ポリイソシアネートに由来するユニットの割合は、10.0質量%以上80.0質量%以下であることが好ましい。
ポリウレタン樹脂粒子を構成するポリウレタンは、通常、ポリイソシアネートに由来するユニットを有する。本明細書における「ポリイソシアネート」とは、2以上のイソシアネート基を有する化合物を意味する。ポリイソシアネートとしては、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネートを挙げることができる。ポリウレタンに占める、ポリイソシアネートに由来するユニットの割合は、10.0質量%以上80.0質量%以下であることが好ましい。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、テトラメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、3−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネートを挙げることができる。脂環族ポリイソシアネートとしては、イソホロンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン4,4’−ジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンを挙げることができる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加ジフェニルジイソシアネート、4,4’−ジベンジルジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネートを挙げることができる。芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、α,α,α,α−テトラメチルキシリレンジイソシアネートを挙げることができる。これらのポリイソシアネートは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。上記のポリイソシアネートのなかでも、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、及びジシクロヘキシルメタン4,4’−ジイソシアネートから選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。
(2)酸基を有しないポリオール
ポリウレタン樹脂粒子を構成するポリウレタンは、通常、酸基を有しないポリオールに由来するユニットを有する。ポリウレタンに占める、酸基を有しないポリオールに由来するユニットの割合は、0.1質量%以上80.0質量%以下であることが好ましい。
ポリウレタン樹脂粒子を構成するポリウレタンは、通常、酸基を有しないポリオールに由来するユニットを有する。ポリウレタンに占める、酸基を有しないポリオールに由来するユニットの割合は、0.1質量%以上80.0質量%以下であることが好ましい。
酸基を有しないポリオールとしては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートジオールなどを挙げることができる。酸基を有しないポリオールの炭素数は、13以上250以下であることが好ましい。また、GPCにより測定される、酸基を有しないポリオールのポリスチレン換算の数平均分子量は、600以上4,000以下であることが好ましい。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、酸成分と、ポリアルキレングリコール、2価アルコール又は3価以上の多価アルコールとのエステルを挙げることができる。酸成分としては、芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸などを挙げることができる。芳香族ジカルボン酸としては、イソフタル酸、テレフタル酸、オルトフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸などを挙げることができる。脂環族ジカルボン酸としては、上記の芳香族ジカルボン酸の水素添加物などを挙げることができる。脂肪族ジカルボン酸としては、マロン酸、琥珀酸、酒石酸、シュウ酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、アルキル琥珀酸、リノレイン酸、マレイン酸、フマル酸、メサコン酸、シトラコン酸、イタコン酸などを挙げることができる。また、これらの酸成分の酸無水物、アルキルエステル、又は酸ハライドなどの反応性誘導体なども、ポリエステルポリオールを構成する酸成分として用いることができる。これらの酸成分は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリアルキレングリコールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、エチレングリコール−プロピレングリコール共重合体などを挙げることができる。2価アルコールとしては、ヘキサメチレングリコール、テトラメチレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、4,4’−ジヒドロキシフェニルプロパン、4,4’−ジヒドロキシフェニルメタンなどを挙げることができる。3価以上の多価アルコールとしては、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,5−ヘキサントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトールなどを挙げることができる。ポリエステルポリオールは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリアルキレングリコールと、アルキレンオキサイドと、2価アルコール又は3価以上の多価アルコールとの付加重合物を挙げることができる。ポリアルキレングリコールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、エチレングリコール−プロピレングリコール共重合体などを挙げることができる。2価アルコールとしては、ヘキサメチレングリコール、テトラメチレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、4,4’−ジヒドロキシフェニルプロパン、4,4’−ジヒドロキシフェニルメタンなどを挙げることができる。3価以上の多価アルコールとしては、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,5−ヘキサントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトールなどを挙げることができる。アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、α−オレフィンオキサイドなどを挙げることができる。ポリエーテルポリオールは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリカーボネートジオールとしては、従来公知の方法で製造されるポリカーボネートジオールを用いることができる。ポリカーボネートジオールとしては、例えば、アルキレンカーボネート、ジアリールカーボネート、ジアルキルカーボネートなどのカーボネート成分又はホスゲンと、脂肪族ジオール成分とを反応させて得られるポリカーボネートジオールを挙げることができる。ポリカーボネートジオールは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
酸基を有しないポリオールのなかでも、ポリエーテルポリオールを用いることが好ましい。ポリエーテルポリオールを用いると、形成される樹脂膜の柔軟性が適度に発現するため、画像の耐擦過性が向上しやすい。さらに、ポリエーテルポリオールは親水性が比較的高いため、インクの吐出安定性を向上させることができる。ポリエーテルポリオールのなかでも、ポリプロピレングリコールを用いることが特に好ましい。
(3)酸基を有するジオール
ポリウレタン樹脂粒子を構成するポリウレタンは、酸基を有するジオールに由来するユニットを有することが好ましい。本明細書における「酸基を有するジオール」とは、カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基などの酸基を有するジオールを意味する。酸基を有するジオールは、Li、Na、Kなどのアルカリ金属塩や、アンモニア、ジメチルアミンなどの有機アミン塩の状態で存在してもよい。酸基を有するジオールとしては、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸を用いることが好ましい。これらの酸基を有するジオールは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。ポリウレタンに占める、酸基を有するジオールに由来するユニットの割合は、5.0質量%以上40.0質量%以下であることが好ましい。
ポリウレタン樹脂粒子を構成するポリウレタンは、酸基を有するジオールに由来するユニットを有することが好ましい。本明細書における「酸基を有するジオール」とは、カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基などの酸基を有するジオールを意味する。酸基を有するジオールは、Li、Na、Kなどのアルカリ金属塩や、アンモニア、ジメチルアミンなどの有機アミン塩の状態で存在してもよい。酸基を有するジオールとしては、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸を用いることが好ましい。これらの酸基を有するジオールは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。ポリウレタンに占める、酸基を有するジオールに由来するユニットの割合は、5.0質量%以上40.0質量%以下であることが好ましい。
(4)鎖延長剤
ポリウレタンにより形成された樹脂粒子を製造する際には、鎖延長剤を用いてもよい。鎖延長剤は、ウレタンプレポリマーに含まれるポリイソシアネートに由来するユニットのうち、ウレタン結合を形成しなかった残存イソシアネート基と反応しうる化合物である。鎖延長剤としては、トリメチロールメラミン及びその誘導体、ジメチロールウレア及びその誘導体、ジメチロールエチルアミン、ジエタノールメチルアミン、ジプロパノールエチルアミン、ジブタノールメチルアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、ヘキシレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、イソホロンジアミン、キシリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、水素添加ジフェニルメタンジアミン、ヒドラジンなどの多価アミン化合物;ポリアミドポリアミン;ポリエチレンポリイミンを挙げることができる。
ポリウレタンにより形成された樹脂粒子を製造する際には、鎖延長剤を用いてもよい。鎖延長剤は、ウレタンプレポリマーに含まれるポリイソシアネートに由来するユニットのうち、ウレタン結合を形成しなかった残存イソシアネート基と反応しうる化合物である。鎖延長剤としては、トリメチロールメラミン及びその誘導体、ジメチロールウレア及びその誘導体、ジメチロールエチルアミン、ジエタノールメチルアミン、ジプロパノールエチルアミン、ジブタノールメチルアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、ヘキシレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、イソホロンジアミン、キシリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、水素添加ジフェニルメタンジアミン、ヒドラジンなどの多価アミン化合物;ポリアミドポリアミン;ポリエチレンポリイミンを挙げることができる。
さらに、鎖延長剤としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールを挙げることができる。これらの鎖延長剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
[アクリル樹脂粒子]
GPCにより測定されるアクリル樹脂粒子のポリスチレン換算の重量平均分子量は、100,000以上3,000,000以下であることが好ましく、300,000以上1,000,000以下であることがさらに好ましい。アクリル樹脂粒子の重量平均分子量が100,000未満であると、アクリル樹脂粒子の強度が低くなるため、画像の耐擦過性が不足することがある。一方、アクリル樹脂粒子の重量平均分子量が3,000,000超であると、インクの保存安定性や吐出安定性などがやや不足することがある。
GPCにより測定されるアクリル樹脂粒子のポリスチレン換算の重量平均分子量は、100,000以上3,000,000以下であることが好ましく、300,000以上1,000,000以下であることがさらに好ましい。アクリル樹脂粒子の重量平均分子量が100,000未満であると、アクリル樹脂粒子の強度が低くなるため、画像の耐擦過性が不足することがある。一方、アクリル樹脂粒子の重量平均分子量が3,000,000超であると、インクの保存安定性や吐出安定性などがやや不足することがある。
アクリル樹脂粒子の重量平均分子量は、ポリスチレン標準試料を使用し、GPCにより測定することができる。GPCの装置などは、例えば、以下に示すものを使用することができる。また、ポリスチレン標準試料としては、商品名「PS−1」、「PS−2」(Polymer Laboratories製)を用いることができる。
装置:Alliance GPC 2695(Waters製)
カラム:Shodex KF−806Mの4連カラム(昭和電工製)
検出器:RI(屈折率)
装置:Alliance GPC 2695(Waters製)
カラム:Shodex KF−806Mの4連カラム(昭和電工製)
検出器:RI(屈折率)
アクリル樹脂粒子の酸価は、150mgKOH/g以下であることが好ましく、25mgKOH/g以上140mgKOH/g以下であることがさらに好ましい。アクリル樹脂粒子の酸価は、滴定法により測定することができる。例えば、樹脂粒子をTHFに溶解し、電位差自動滴定装置(商品名「AT510」、京都電子工業製)を用いて、水酸化カリウムエタノール滴定液によって電位差滴定することで酸価を測定することができる。また、アクリル樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)は、−20℃以上であることが好ましく、−10℃以上であることがさらに好ましく、25℃以上であることが特に好ましい。また、アクリル樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)は、120℃以下であることが好ましく、100℃以下であることがさらに好ましい。
インク中のアクリル樹脂粒子の含有量は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上10.0質量%以下であることが好ましい。アクリル樹脂粒子の含有量が0.1質量%未満であると、記録される画像の耐擦過性が不足することがある。一方、アクリル樹脂粒子の含有量が10.0質量%超であると、インクの吐出安定性などが不足することがある。
アクリル樹脂粒子を構成するアクリル樹脂を得るために用いるモノマーとしては、(メタ)アクリル系モノマーを挙げることができる。(メタ)アクリル系モノマーの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル;アクリル酸、メタクリル酸などの(メタ)アクリル酸を挙げることができる。アクリル樹脂は、(メタ)アクリル系モノマーの単重合体であってもよく、(メタ)アクリル系モノマーとその他のモノマーとの共重合体であってもよい。その他のモノマーとしては、例えば、ビニルエステル類、オレフィン類、スチレン類、クロトン類、イタコン類、マレイン酸類、フマル酸類、アクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルケトン類、グリシジルエステル類、不飽和ニトリル類などを挙げることができる。アクリル樹脂が共重合体である場合、共重合体中の(メタ)アクリル系モノマーに由来するユニットの含有割合は、共重合体全体を基準として、50モル%以上であることが好ましい。
(水及び水溶性有機溶剤)
本発明のインクは、水を含有する。水としては、脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、50質量%以上90質量%以下であることが好ましい。
本発明のインクは、水を含有する。水としては、脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、50質量%以上90質量%以下であることが好ましい。
本発明のインクは水溶性有機溶剤を含有することが好ましい。本明細書における「水溶性有機溶剤」とは、「20℃の水への溶解度が500g/L以上である有機溶剤」を意味する。水溶性有機溶剤としては、一般的なインクに使用可能なものを用いることができる。水溶性有機溶剤としては、例えば、アルコール類、グリコール類、アルキレングリコール類、ポリエチレングリコール類、含窒素化合物類、含硫黄化合物類などを挙げることができる。これらの水溶性有機溶剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。インク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、50質量%以下であることが好ましく、5質量%以上45質量%以下であることがさらに好ましい。
本発明のインクは、下記[群A]より選択される少なくとも一種の水溶性有機溶剤を含有することが好ましい。また、[群A]に属する水溶性有機溶剤の合計含有量が、[群A]に属しない水溶性有機溶剤の合計含有量よりも多いことが好ましい。なお、インク中の[群A]に属する水溶性有機溶剤の合計含有量が、[群A]に属しない水溶性有機溶剤の合計含有量に対する質量比率で、4倍以上であることが好ましく、4.1倍以上であることがさらに好ましく、10倍以上であることが特に好ましい。
[群A]:グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、重量平均分子量10,000以下のポリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、及びジグリセロール
[群A]:グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、重量平均分子量10,000以下のポリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、及びジグリセロール
インク中の[群A]に属する水溶性有機溶剤の合計含有量は、インク全質量を基準として、50質量%以下であることが好ましく、5質量%以上45質量%以下であることがさらに好ましく、10質量%以上40質量%以下であることが特に好ましい。
(界面活性剤)
本発明のインクは、さらに、一般式(A)で表される化合物(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)以外の界面活性剤(以下、便宜上「第2の界面活性剤」とも記す)を含有することが好ましい。第2の界面活性剤としては、ノニオン性界面活性剤であるアセチレングリコール等のエチレンオキサイド付加物、フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤が好ましい。なかでも、アセチレングリコール等のエチレンオキサイド付加物、フッ素系界面活性剤が特に好ましい。
本発明のインクは、さらに、一般式(A)で表される化合物(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)以外の界面活性剤(以下、便宜上「第2の界面活性剤」とも記す)を含有することが好ましい。第2の界面活性剤としては、ノニオン性界面活性剤であるアセチレングリコール等のエチレンオキサイド付加物、フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤が好ましい。なかでも、アセチレングリコール等のエチレンオキサイド付加物、フッ素系界面活性剤が特に好ましい。
アセチレングリコール等のエチレンオキサイド付加物としては、以下商品名で、Surfynol 104、440、465、アセチレノール E40、E60、E100(以上、川研ファインケミカル製);Dynol 604、607、800、810(以上、エアプロダクツ製)などを挙げることができる。フッ素系界面活性剤としては、以下商品名で、FS−3100、FS−30、FSN−100(以上、デュポン製);メガファックF−444(DIC製);DSN403N(ダイキン工業製)などを挙げることができる。
グリフィン法により算出される第2の界面活性剤のHLB値(Hydrophile−Lipophile Balance)は、11以下であることが好ましい。HLB値が11以下の界面活性剤を含有させることで、記録媒体へのインクの浸透速度が比較的遅くなり、画像の発色性をより高めることができる。HLB値が11以下の界面活性剤のうち、アセチレングリコール等のエチレンオキサイド付加物としては、以下商品名で、Surfynol 104、440(以上、エアプロダクツ製);アセチレノール E40、E60(以上、川研ファインケミカル製);Dynol 604、607、800、810(以上、エアプロダクツ製)などを挙げることができる。フッ素系界面活性剤としては、以下商品名で、FS−3100、FS−30、FSN−100(以上、デュポン製);メガファックF−444(DIC製)、DSN403N(ダイキン工業製)などを挙げることができる。
第2の界面活性剤の含有量は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上3.0質量%以下であることが好ましく、0.2質量%以上1.5質量%以下であることがさらに好ましい。第2の界面活性剤の含有量が0.1質量%未満であると、ドット径が十分に大きくならないことがある。一方、第2の界面活性剤の含有量が3.0質量%超であると、インクが記録媒体に浸透しやすくなり、画像の光学濃度がやや不足することがある。さらに、インクには2種以上の第2の界面活性剤を含有させることが好ましい。なかでも、アセチレングリコール等のエチレンオキサイド付加物と、フッ素系界面活性剤又はシリコン系界面活性剤とを組み合わせて含有させることで、ドット径を大きくする効果を得ることができる。
(添加剤)
本発明のインクは、必要に応じて、上記の界面活性剤以外の界面活性剤、pH調整剤、表面滑り剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、及びキレート化剤などの種々の添加剤を含有してもよい。
本発明のインクは、必要に応じて、上記の界面活性剤以外の界面活性剤、pH調整剤、表面滑り剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、及びキレート化剤などの種々の添加剤を含有してもよい。
pH調整剤としては、緩衝能を有するアミン化合物を用いることが好ましい。緩衝能を有するアミン化合物としては、N−ブチルジエタノールアミンなどを挙げることができる。また、表面滑り剤としては、フッ素系界面活性剤やポリエチレンワックスなどを用いることができる。
<インクカートリッジ>
本発明のインクカートリッジは、インクを収容するインク収容部を備える。そして、このインク収容部に、上記で説明した本発明のインクが収容されている。インク収容部としては、例えば、液体のインクを収容するインク収容室と、負圧によりその内部にインクを保持する負圧発生部材を収容する負圧発生部材収容室と、を有するものを挙げることができる。また、液体のインクを収容するインク収容室を備えず、インクの全量を負圧発生部材により保持する構成のインク収容部を備えたインクカートリッジであってもよい。さらに、インク収容部と、記録ヘッドと、を備えた形態のインクカートリッジであってもよい。
本発明のインクカートリッジは、インクを収容するインク収容部を備える。そして、このインク収容部に、上記で説明した本発明のインクが収容されている。インク収容部としては、例えば、液体のインクを収容するインク収容室と、負圧によりその内部にインクを保持する負圧発生部材を収容する負圧発生部材収容室と、を有するものを挙げることができる。また、液体のインクを収容するインク収容室を備えず、インクの全量を負圧発生部材により保持する構成のインク収容部を備えたインクカートリッジであってもよい。さらに、インク収容部と、記録ヘッドと、を備えた形態のインクカートリッジであってもよい。
<画像記録方法>
本発明の画像記録方法は、上記で説明した本発明のインクを記録媒体に付与するインク付与工程を有する。また、本発明の画像記録方法は、さらに、記録媒体を搬送する搬送工程と、インクが付与された記録媒体を加熱する加熱工程と、を有することが好ましい。
本発明の画像記録方法は、上記で説明した本発明のインクを記録媒体に付与するインク付与工程を有する。また、本発明の画像記録方法は、さらに、記録媒体を搬送する搬送工程と、インクが付与された記録媒体を加熱する加熱工程と、を有することが好ましい。
図2は、本発明の画像記録方法に用いる画像記録装置の一例を示す模式図である。図2に示す画像記録装置においては、ロール状に巻かれた記録媒体を使用し、画像を記録した記録媒体を、再度ロール状に巻き取る形態が示されている。すなわち、図2に示す画像記録装置は、記録媒体供給手段1と、インク付与手段2と、加熱手段3と、記録媒体回収手段4と、を備える。記録媒体供給手段1は、ロール状に巻かれた記録媒体を保持して供給するためのユニットである。インク付与手段2は、記録媒体供給手段1から送出された記録媒体にインクを付与するためのユニットである。加熱手段3は、インクが付与された記録媒体を加熱するためのユニットである。そして、記録媒体回収手段4は、インクが付与されて画像が記録された記録媒体を巻き取るためのユニットである。記録媒体は、ローラー対やベルトなどの搬送部材を含む搬送手段により、図2中の実線で示した搬送経路に沿って搬送され、各ユニットにおいて処理される。なお、記録媒体回収手段4でロール状に巻き取された記録媒体を別の装置などに供給し、記録媒体を所望の大きさに切断したり、製本したりするなどの処理を行ってもよい。
搬送工程における記録媒体の搬送速度は、50m/分以上であることが好ましく、100m/分以上であることが好ましい。また、乾燥性などの観点から、1色あたりのインクの打ち込み量は、6.5mg/inch2以下であることが好ましく、5.0mg/inch2以下であることがさらに好ましい。
(インク付与工程)
インク付与工程は、記録媒体にインクを付与する工程である。記録媒体にインクを付与する方式としては、インクジェット方式を採用することが好ましい。すなわち、本発明の画像記録方法は、インクジェット記録方法であることが好ましい。インクジェット方式としては、サーマルインクジェット方式であっても、ピエゾインクジェット方式であってもよい。サーマルインクジェット方式は、インクに熱エネルギーを付与して記録ヘッドの吐出口からインクを吐出させる方式である。また、ピエゾインクジェット方式は、ピエゾ素子を用いて記録ヘッドの吐出口からインクを吐出させる方式である。本発明の画像記録方法においては、樹脂粒子を含有するとともに、固形分濃度が比較的高いインクを用いることから、インクの吐出安定性の観点で、ピエゾインクジェット方式によってインクを記録媒体に付与することが好ましい。
インク付与工程は、記録媒体にインクを付与する工程である。記録媒体にインクを付与する方式としては、インクジェット方式を採用することが好ましい。すなわち、本発明の画像記録方法は、インクジェット記録方法であることが好ましい。インクジェット方式としては、サーマルインクジェット方式であっても、ピエゾインクジェット方式であってもよい。サーマルインクジェット方式は、インクに熱エネルギーを付与して記録ヘッドの吐出口からインクを吐出させる方式である。また、ピエゾインクジェット方式は、ピエゾ素子を用いて記録ヘッドの吐出口からインクを吐出させる方式である。本発明の画像記録方法においては、樹脂粒子を含有するとともに、固形分濃度が比較的高いインクを用いることから、インクの吐出安定性の観点で、ピエゾインクジェット方式によってインクを記録媒体に付与することが好ましい。
記録ヘッドは、シリアルタイプの記録ヘッドであっても、フルラインタイプの記録ヘッドであってもよい。シリアルタイプの記録ヘッドは、記録媒体の搬送方向と交差する方向に記録ヘッドを走査して画像を記録する記録ヘッドである。また、フルラインタイプの記録ヘッドは、複数のノズルが記録媒体の最大幅をカバーする範囲に配列された記録ヘッドである。より高速に画像を記録できることから、フルラインタイプのインクジェット記録ヘッドを使用することが好ましい。フルラインタイプのインクジェット記録ヘッドは、記録媒体の搬送方向に対して直行する方向にノズル列が配列されたものであることが好ましい。また、フルラインタイプのインクジェット記録ヘッドは、通常、インクの色ごとに複数設けられているとともに、それぞれの記録ヘッドが記録媒体の搬送方向に沿って順に平行に配列されていることが好ましい。
(加熱工程)
加熱工程は、インクが付与された記録媒体の表面温度が70℃以上となるように加熱する工程である。本発明における「インクが付与された記録媒体の表面温度」とは、インクが記録媒体に付与された時点を0秒とした場合に、0.5秒搬送された位置における記録媒体の表面温度を意味する。例えば、記録媒体の搬送速度を「V」m/分と仮定する。このように仮定した場合、記録媒体におけるインクの付与領域Xが、インクが付与された位置から搬送方向に沿って「(V×0.5)/60」m移動した位置における付与領域Xの表面温度を測定すればよい。なお、フルラインタイプのインクジェット記録ヘッドの場合における「インクが付与された位置」とは、記録ヘッドの直下の位置を意味する。
加熱工程は、インクが付与された記録媒体の表面温度が70℃以上となるように加熱する工程である。本発明における「インクが付与された記録媒体の表面温度」とは、インクが記録媒体に付与された時点を0秒とした場合に、0.5秒搬送された位置における記録媒体の表面温度を意味する。例えば、記録媒体の搬送速度を「V」m/分と仮定する。このように仮定した場合、記録媒体におけるインクの付与領域Xが、インクが付与された位置から搬送方向に沿って「(V×0.5)/60」m移動した位置における付与領域Xの表面温度を測定すればよい。なお、フルラインタイプのインクジェット記録ヘッドの場合における「インクが付与された位置」とは、記録ヘッドの直下の位置を意味する。
加熱工程においては、インクが付与された記録媒体の表面温度が80℃以上となるように加熱することが好ましい。また、記録媒体が熱によって変形することを防止する観点から、表面温度が140℃以下となるように加熱することが好ましい。記録媒体を加熱する方法としては、ヒーターを設けて記録媒体の表面側(インクが付与される側)から加熱する方法、裏面側から加熱する方法、及び両面を加熱する方法などを挙げることができる。
インクの付与前から付与後にかけて連続して記録媒体を加熱してもよい。インクの付与前は、記録媒体が加熱されていない、又は表面温度70℃未満に加熱されていることが好ましく、60℃以下に加熱されていることがさらに好ましく、40℃以下に加熱されていることが特に好ましい。
記録媒体を加熱する際には、例えば、加圧ローラーなどを使用して記録媒体を加圧してもよい。記録媒体を加圧することで、画像の定着性を向上させることができる。記録媒体を加圧する際には、加熱工程のすべての過程にわたって加圧しなくてもよく、加熱工程の一部の過程でのみ加圧してもよい。また、記録媒体を多段階で加圧してもよく、加熱工程の後にさらに加圧工程を有していてもよい。
(記録媒体)
記録媒体としては、従来、一般的に用いられている記録媒体をいずれも使用することができる。なかでも、記録媒体の水の吸収係数Kaは、0.1mL・m-2・ms-1/2以上であることが好ましく、0.2mL・m-2・ms-1/2以上であることがさらに好ましく、0.3mL・m-2・ms-1/2以上であることが特に好ましい。記録媒体の水の吸収係数Kaを導出する方法としては、JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法No.51の「紙及び板紙の液体吸収性試験方法」に記載されたブリストー法を用いる。ブリストー法については多くの市販図書に説明があるため、詳細な説明は省略するが、濡れ時間Tw及び粗さ指数Vr(mL/m2)により、吸収係数Ka(mL・m-2・ms-1/2)が定義される。図3は、記録媒体の水の吸収係数Kaを説明する吸収曲線の一例を示す図である。図3に示す吸収曲線は、液体が記録媒体に接触した後、濡れ時間Twを経て記録媒体の内部への浸透が始まるという浸透モデルに基づく。濡れ時間Tw後における直線の傾きが吸収係数Kaである。この吸収係数Kaは、記録媒体の内部への液体の浸透速度に対応する。濡れ時間Twは、図3に示すように、吸収係数Kaを算出するための最小二乗法による近似直線Aと、液体の転移量V及び粗さ指数Vrで表される「V=Vr」の直線Bとの交点ABを求め、この交点ABまでの時間として算出される。なお、記録媒体に浸透させる液体(水)の温度は25℃とする。すなわち、本発明における水の吸収係数Kaは、25℃の水の吸収係数Kaである。
記録媒体としては、従来、一般的に用いられている記録媒体をいずれも使用することができる。なかでも、記録媒体の水の吸収係数Kaは、0.1mL・m-2・ms-1/2以上であることが好ましく、0.2mL・m-2・ms-1/2以上であることがさらに好ましく、0.3mL・m-2・ms-1/2以上であることが特に好ましい。記録媒体の水の吸収係数Kaを導出する方法としては、JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法No.51の「紙及び板紙の液体吸収性試験方法」に記載されたブリストー法を用いる。ブリストー法については多くの市販図書に説明があるため、詳細な説明は省略するが、濡れ時間Tw及び粗さ指数Vr(mL/m2)により、吸収係数Ka(mL・m-2・ms-1/2)が定義される。図3は、記録媒体の水の吸収係数Kaを説明する吸収曲線の一例を示す図である。図3に示す吸収曲線は、液体が記録媒体に接触した後、濡れ時間Twを経て記録媒体の内部への浸透が始まるという浸透モデルに基づく。濡れ時間Tw後における直線の傾きが吸収係数Kaである。この吸収係数Kaは、記録媒体の内部への液体の浸透速度に対応する。濡れ時間Twは、図3に示すように、吸収係数Kaを算出するための最小二乗法による近似直線Aと、液体の転移量V及び粗さ指数Vrで表される「V=Vr」の直線Bとの交点ABを求め、この交点ABまでの時間として算出される。なお、記録媒体に浸透させる液体(水)の温度は25℃とする。すなわち、本発明における水の吸収係数Kaは、25℃の水の吸収係数Kaである。
記録媒体としては、白色度や不透明度を向上させる目的で、カオリン、タルクなどの鉱物;炭酸カルシウム、二酸化チタン、シリカなどの填料がその表面に付与された記録媒体を使用することが好ましい。なかでも、炭酸カルシウムはカオリンやタルクよりも白色度が高く、二酸化チタンやシリカなどよりも安価であるために好ましい。本発明の画像記録方法で用いる記録媒体中のカルシウムの含有量は、水素以外のすべての元素の合計を基準として、1質量%以上5質量%以下であることが好ましい。
記録媒体は、所望のサイズに予めカットされたものであってもよく、ロール状に巻かれた長尺であって、画像記録後に所望のサイズにカットされるものであってもよい。なかでも、張力を付与しやすいため、ロール状に巻かれた長尺の記録媒体を用いることが好ましい。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。なお、成分量に関して「部」及び「%」と記載しているものは特に断らない限り質量基準である。
<自己分散顔料の調製(1)>
(自己分散顔料A)
ピグメントイエロー74(クラリアント製)20g(固形分)、((4−アミノベンゾイルアミノ)−メタン−1,1−ジイル)ビスホスホン酸の一ナトリウム塩7mmol、硝酸20mmol、及び純水200mLを混合した。シルヴァーソン混合機を使用し、室温条件下、6,000rpmで混合した。30分混合後、得られた混合物に、少量の水に溶解させた亜硝酸ナトリウム20mmolをゆっくり添加した。亜硝酸ナトリウムの添加によって混合物の温度は60℃に達した。この状態で1時間反応させた。反応後、水酸化ナトリウム水溶液を添加して混合物のpHを10に調整した。30分後、純水20mLを添加し、スペクトラムメンブランを用いてダイアフィルトレーションした。次いで、イオン交換法によりナトリウムイオンをアンモニウムイオンに置換し、顔料の含有量が10.0%となるようにして自己分散顔料分散液Aを得た。得られた自己分散顔料分散液Aには、カウンターイオンがアンモニウムである下記式(I)で表される基が顔料の粒子表面に結合した自己分散顔料Aが分散状態で含有されている。この自己分散顔料Aの表面アニオン性官能基量は、0.15mmol/gであった。
(自己分散顔料A)
ピグメントイエロー74(クラリアント製)20g(固形分)、((4−アミノベンゾイルアミノ)−メタン−1,1−ジイル)ビスホスホン酸の一ナトリウム塩7mmol、硝酸20mmol、及び純水200mLを混合した。シルヴァーソン混合機を使用し、室温条件下、6,000rpmで混合した。30分混合後、得られた混合物に、少量の水に溶解させた亜硝酸ナトリウム20mmolをゆっくり添加した。亜硝酸ナトリウムの添加によって混合物の温度は60℃に達した。この状態で1時間反応させた。反応後、水酸化ナトリウム水溶液を添加して混合物のpHを10に調整した。30分後、純水20mLを添加し、スペクトラムメンブランを用いてダイアフィルトレーションした。次いで、イオン交換法によりナトリウムイオンをアンモニウムイオンに置換し、顔料の含有量が10.0%となるようにして自己分散顔料分散液Aを得た。得られた自己分散顔料分散液Aには、カウンターイオンがアンモニウムである下記式(I)で表される基が顔料の粒子表面に結合した自己分散顔料Aが分散状態で含有されている。この自己分散顔料Aの表面アニオン性官能基量は、0.15mmol/gであった。
<界面活性剤を添加した効果の確認>
表1に示す各成分を混合し、十分撹拌した後、ガラスフィルター(商品名「AP20」、MILLIPORE製)でろ過して各インクを調製した。表1中の「第1の界面活性剤」の種類(構造)を表2に示す。表1中の材料(成分)の略称は以下の通りである。
表1に示す各成分を混合し、十分撹拌した後、ガラスフィルター(商品名「AP20」、MILLIPORE製)でろ過して各インクを調製した。表1中の「第1の界面活性剤」の種類(構造)を表2に示す。表1中の材料(成分)の略称は以下の通りである。
・SF300:ポリウレタン樹脂粒子(第一工業製薬製、表面アニオン性官能基量:0.03mmol/g)
・PEG1000:ポリエチレングリコール1000(キシダ化学製)
・Dynol800:アセチレングリコール系界面活性剤(エアープロダクツ製、HLB値:8.0)
・PEG1000:ポリエチレングリコール1000(キシダ化学製)
・Dynol800:アセチレングリコール系界面活性剤(エアープロダクツ製、HLB値:8.0)
<評価(1)>
(貯蔵安定性)
E型粘度計を使用して調製したインクの粘度を測定した。測定後、温度60℃に設定した恒温槽内にインクを5週間静置した。25℃までインクを冷却した後、E型粘度計を使用してインクの粘度を測定し、以下に示す評価基準にしたがって貯蔵安定性を評価した。結果を表2に示す。
A:貯蔵前後でのインクの粘度の変化割合が、±5%以下であった。
B:貯蔵前後でのインクの粘度の変化割合が、±5%より大きく、±10%以下であった。
C:貯蔵前後でのインクの粘度の変化割合が、±10%より大きかった。
(貯蔵安定性)
E型粘度計を使用して調製したインクの粘度を測定した。測定後、温度60℃に設定した恒温槽内にインクを5週間静置した。25℃までインクを冷却した後、E型粘度計を使用してインクの粘度を測定し、以下に示す評価基準にしたがって貯蔵安定性を評価した。結果を表2に示す。
A:貯蔵前後でのインクの粘度の変化割合が、±5%以下であった。
B:貯蔵前後でのインクの粘度の変化割合が、±5%より大きく、±10%以下であった。
C:貯蔵前後でのインクの粘度の変化割合が、±10%より大きかった。
(画像の光学濃度)
記録媒体(商品名「JETSCRIPT DL9084」、坪量91g/m2、Mitsubishi Hitec Paper Europe GmbH製)に対し、バーコータNo.6(RMS製)を使用してインクを付与した。インクの付与後、直ちに100℃に設定した恒温槽内に移し、5分間静置して乾燥させて画像サンプルを得た。反射濃度計(商品名「RD19I」、グレタグマクベス製)を使用して得られた画像サンプルの光学濃度を測定し、以下に示す評価基準にしたがって画像の光学濃度を評価した。結果を表2に示す。
A:光学濃度が、1.45以上であった。
B:光学濃度が、1.4以上1.45未満であった。
C:光学濃度が、1.4未満であった。
記録媒体(商品名「JETSCRIPT DL9084」、坪量91g/m2、Mitsubishi Hitec Paper Europe GmbH製)に対し、バーコータNo.6(RMS製)を使用してインクを付与した。インクの付与後、直ちに100℃に設定した恒温槽内に移し、5分間静置して乾燥させて画像サンプルを得た。反射濃度計(商品名「RD19I」、グレタグマクベス製)を使用して得られた画像サンプルの光学濃度を測定し、以下に示す評価基準にしたがって画像の光学濃度を評価した。結果を表2に示す。
A:光学濃度が、1.45以上であった。
B:光学濃度が、1.4以上1.45未満であった。
C:光学濃度が、1.4未満であった。
表2に示すように、一般式(A)で表される化合物(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)を第1の界面活性剤として含有するインクのみ、貯蔵安定性に優れているとともに、光学濃度に優れた画像を記録できたことがわかる。
<自己分散顔料の調製(2)>
(自己分散顔料B)
水5.5gに濃塩酸5gを溶かして得た溶液を5℃に冷却し、p−アミノ安息香酸0.9gを加えた。この溶液の温度を常に10℃以下に保持した状態とし、5℃の水9gに亜硝酸カリウム2.2gを溶かして得た溶液を加えた。15分間撹拌後、ピグメントイエロー74(クラリアント製)6g(固形分)を撹拌下で添加して、さらに15分間撹拌してスラリーを得た。得られたスラリーをろ紙(商品名「標準用濾紙No.2」、アドバンテック製)でろ過し、粒子を十分に水洗し、110℃のオーブンで乾燥させた。イオン交換法によりカリウムイオンをアンモニウムイオンに置換して、顔料の含有量が10.0%となるように調整して自己分散顔料分散液Bを得た。得られた自己分散顔料分散液Bには、カウンターイオンがアンモニウムである安息香酸基が顔料の粒子表面に結合した自己分散顔料Bが分散状態で含有されている。この自己分散顔料Bの表面アニオン性官能基量は、0.19mmol/gであった。
(自己分散顔料B)
水5.5gに濃塩酸5gを溶かして得た溶液を5℃に冷却し、p−アミノ安息香酸0.9gを加えた。この溶液の温度を常に10℃以下に保持した状態とし、5℃の水9gに亜硝酸カリウム2.2gを溶かして得た溶液を加えた。15分間撹拌後、ピグメントイエロー74(クラリアント製)6g(固形分)を撹拌下で添加して、さらに15分間撹拌してスラリーを得た。得られたスラリーをろ紙(商品名「標準用濾紙No.2」、アドバンテック製)でろ過し、粒子を十分に水洗し、110℃のオーブンで乾燥させた。イオン交換法によりカリウムイオンをアンモニウムイオンに置換して、顔料の含有量が10.0%となるように調整して自己分散顔料分散液Bを得た。得られた自己分散顔料分散液Bには、カウンターイオンがアンモニウムである安息香酸基が顔料の粒子表面に結合した自己分散顔料Bが分散状態で含有されている。この自己分散顔料Bの表面アニオン性官能基量は、0.19mmol/gであった。
(自己分散顔料C)
水5.5gに濃塩酸5gを溶かして得た溶液を5℃に冷却し、4−アミノフタル酸1.5gを加えた。この溶液の温度を常に10℃以下に保持した状態とし、5℃の水9gに亜硝酸カリウム2.2gを溶かして得た溶液を加えた。15分間撹拌後、ピグメントイエロー74(クラリアント製)6g(固形分)を撹拌下で添加し、さらに15分間撹拌してスラリーを得た。得られたスラリーをろ紙(商品名「標準用濾紙No.2」、アドバンテック製)でろ過し、粒子を十分に水洗し、110℃のオーブンで乾燥させた。イオン交換法によりカリウムイオンをアンモニウムイオンに置換して、顔料の含有量が10.0%となるように調整して自己分散顔料分散液Cを得た。得られた自己分散顔料分散液Cには、カウンターイオンがアンモニウムであるフタル酸基が顔料の粒子表面に結合した自己分散顔料Cが分散状態で含有されている。この自己分散顔料Cの表面アニオン性官能基量は、0.43mmol/gであった。
水5.5gに濃塩酸5gを溶かして得た溶液を5℃に冷却し、4−アミノフタル酸1.5gを加えた。この溶液の温度を常に10℃以下に保持した状態とし、5℃の水9gに亜硝酸カリウム2.2gを溶かして得た溶液を加えた。15分間撹拌後、ピグメントイエロー74(クラリアント製)6g(固形分)を撹拌下で添加し、さらに15分間撹拌してスラリーを得た。得られたスラリーをろ紙(商品名「標準用濾紙No.2」、アドバンテック製)でろ過し、粒子を十分に水洗し、110℃のオーブンで乾燥させた。イオン交換法によりカリウムイオンをアンモニウムイオンに置換して、顔料の含有量が10.0%となるように調整して自己分散顔料分散液Cを得た。得られた自己分散顔料分散液Cには、カウンターイオンがアンモニウムであるフタル酸基が顔料の粒子表面に結合した自己分散顔料Cが分散状態で含有されている。この自己分散顔料Cの表面アニオン性官能基量は、0.43mmol/gであった。
<樹脂分散顔料の調製>
(樹脂分散顔料A)
機械的撹拌装置を備えた500mLナスフラスコを超音波発生装置の槽内に入れた。このナスフラスコに、樹脂分散剤1.5g、及びテトラヒドロフラン120mLを入れ、超音波をかけながらよく撹拌した。樹脂分散剤としては、スチレン−アクリル酸ランダム共重合体(酸価70mgKOH/g)を用いた。また、別の容器に、カーボンブラック(商品名「FW18PS」、キャボット製)5g、及びテトラヒドロフラン120mLを入れた。カーボンブラックの粒子表面がテトラヒドロフランで十分に濡れるまで、遊星式撹拌機(クラボウ製)を使用して混合した後、ナスフラスコ中に添加してよく混合した。樹脂分散剤の中和率が100%となる量の水酸化カリウムを含有する水溶液を滴下注入して転相させた後、60分間プレミキシングした。次いで、ナノマイザ(商品名「NM2−L200AR」、吉田機械興業製)を使用して2時間分散して分散体を得た。ロータリエバポレータを用いて得られた分散体からテトラヒドロフランを留去して濃度を調整し、顔料の含有量が6.0%である樹脂分散顔料分散液Aを得た。得られた樹脂分散顔料分散液Aには、樹脂分散顔料Aが含有されており、樹脂分散顔料Aの表面アニオン性官能基量は0.09mmol/gであった。また、樹脂分散剤の含有量に対する、顔料の含有量の質量比率(顔料/樹脂分散剤)は、3.3倍であった。
(樹脂分散顔料A)
機械的撹拌装置を備えた500mLナスフラスコを超音波発生装置の槽内に入れた。このナスフラスコに、樹脂分散剤1.5g、及びテトラヒドロフラン120mLを入れ、超音波をかけながらよく撹拌した。樹脂分散剤としては、スチレン−アクリル酸ランダム共重合体(酸価70mgKOH/g)を用いた。また、別の容器に、カーボンブラック(商品名「FW18PS」、キャボット製)5g、及びテトラヒドロフラン120mLを入れた。カーボンブラックの粒子表面がテトラヒドロフランで十分に濡れるまで、遊星式撹拌機(クラボウ製)を使用して混合した後、ナスフラスコ中に添加してよく混合した。樹脂分散剤の中和率が100%となる量の水酸化カリウムを含有する水溶液を滴下注入して転相させた後、60分間プレミキシングした。次いで、ナノマイザ(商品名「NM2−L200AR」、吉田機械興業製)を使用して2時間分散して分散体を得た。ロータリエバポレータを用いて得られた分散体からテトラヒドロフランを留去して濃度を調整し、顔料の含有量が6.0%である樹脂分散顔料分散液Aを得た。得られた樹脂分散顔料分散液Aには、樹脂分散顔料Aが含有されており、樹脂分散顔料Aの表面アニオン性官能基量は0.09mmol/gであった。また、樹脂分散剤の含有量に対する、顔料の含有量の質量比率(顔料/樹脂分散剤)は、3.3倍であった。
(樹脂分散顔料B)
樹脂分散剤の量を2.5gとしたこと、及びスチレン−アクリル酸ランダム共重合体(酸価80mgKOH/g)を樹脂分散剤として用いたこと以外は、前述の樹脂分散顔料Aの場合と同様にして、樹脂分散顔料分散液Bを得た。得られた樹脂分散顔料分散液Bには、樹脂分散顔料Bが含有されており、樹脂分散顔料Bの表面アニオン性官能基量は0.19mmol/gであった。また、樹脂分散剤の含有量に対する、顔料の含有量の質量比率(顔料/樹脂分散剤)は、2.0倍であった。
樹脂分散剤の量を2.5gとしたこと、及びスチレン−アクリル酸ランダム共重合体(酸価80mgKOH/g)を樹脂分散剤として用いたこと以外は、前述の樹脂分散顔料Aの場合と同様にして、樹脂分散顔料分散液Bを得た。得られた樹脂分散顔料分散液Bには、樹脂分散顔料Bが含有されており、樹脂分散顔料Bの表面アニオン性官能基量は0.19mmol/gであった。また、樹脂分散剤の含有量に対する、顔料の含有量の質量比率(顔料/樹脂分散剤)は、2.0倍であった。
(樹脂顔料分散体C)
樹脂分散剤の量を1.0gとしたこと、及びスチレン−アクリル酸ランダム共重合体(酸価80mgKOH/g)を樹脂分散剤として用いたこと以外は、前述の樹脂分散顔料Aの場合と同様にして、樹脂分散顔料分散液Cを得た。得られた樹脂分散顔料分散液Cには、樹脂分散顔料Cが含有されており、樹脂分散顔料Cの表面アニオン性官能基量は0.34mmol/gであった。また、樹脂分散剤の含有量に対する、顔料の含有量の質量比率(顔料/樹脂分散剤)は、0.5倍であった。
樹脂分散剤の量を1.0gとしたこと、及びスチレン−アクリル酸ランダム共重合体(酸価80mgKOH/g)を樹脂分散剤として用いたこと以外は、前述の樹脂分散顔料Aの場合と同様にして、樹脂分散顔料分散液Cを得た。得られた樹脂分散顔料分散液Cには、樹脂分散顔料Cが含有されており、樹脂分散顔料Cの表面アニオン性官能基量は0.34mmol/gであった。また、樹脂分散剤の含有量に対する、顔料の含有量の質量比率(顔料/樹脂分散剤)は、0.5倍であった。
<インクの調製>
表3−1〜3−5に示す各成分(単位:%)を混合し、十分に撹拌した後、ガラスフィルター(商品名「AP20」、MILLIPORE製)でろ過して各インクを調製した。表3−1〜3−5中の各成分の略称は以下の通りである。
表3−1〜3−5に示す各成分(単位:%)を混合し、十分に撹拌した後、ガラスフィルター(商品名「AP20」、MILLIPORE製)でろ過して各インクを調製した。表3−1〜3−5中の各成分の略称は以下の通りである。
(顔料)
・COJ400:Cab−o−jet400(キャボット製)、カーボンブラック自己分散顔料分散体(表面アニオン性官能基量:0.18mmol/g)
・COJ450C:Cab−o−jet450C(キャボット製)、シアン自己分散顔料分散体(表面アニオン性官能基量:0.17mmol/g)
・COJ465M:Cab−o−jet465M(キャボット製)、マゼンタ自己分散顔料分散体(表面アニオン性官能基量:0.17mmol/g)
・COJ470Y:Cab−o−jet470Y(キャボット製)、イエロー自己分散顔料分散体(表面アニオン性官能基量:0.15mmol/g)
・COJ480V:Cab−o−jet480V(キャボット製)、マゼンタ自己分散顔料分散体(表面アニオン性官能基量:0.18mmol/g)
・COJ200:Cab−o−jet200(キャボット製)、カーボンブラック自己分散顔料分散体(表面アニオン性官能基量:0.26mmol/g)
・COJ270Y:Cab−o−jet270Y(キャボット製)、イエロー自己分散顔料分散体(表面アニオン性官能基量:0.22mmol/g)
・COJ400:Cab−o−jet400(キャボット製)、カーボンブラック自己分散顔料分散体(表面アニオン性官能基量:0.18mmol/g)
・COJ450C:Cab−o−jet450C(キャボット製)、シアン自己分散顔料分散体(表面アニオン性官能基量:0.17mmol/g)
・COJ465M:Cab−o−jet465M(キャボット製)、マゼンタ自己分散顔料分散体(表面アニオン性官能基量:0.17mmol/g)
・COJ470Y:Cab−o−jet470Y(キャボット製)、イエロー自己分散顔料分散体(表面アニオン性官能基量:0.15mmol/g)
・COJ480V:Cab−o−jet480V(キャボット製)、マゼンタ自己分散顔料分散体(表面アニオン性官能基量:0.18mmol/g)
・COJ200:Cab−o−jet200(キャボット製)、カーボンブラック自己分散顔料分散体(表面アニオン性官能基量:0.26mmol/g)
・COJ270Y:Cab−o−jet270Y(キャボット製)、イエロー自己分散顔料分散体(表面アニオン性官能基量:0.22mmol/g)
(樹脂粒子)
・SF300:ポリウレタン樹脂粒子(第一工業製薬製、表面アニオン性官能基量:0.03mmol/g)
・U9370:ポリウレタン樹脂粒子(アルバーディンク製、表面アニオン性官能基量:0.14mmol/g)
・AC2714:アクリル樹脂粒子(アルバーディンク製、表面アニオン性官能基量:0.06mmol/g)
・SF170:ポリウレタン樹脂粒子(第一工業製薬製、表面アニオン性官能基量:0.27mmol/g)
・Joncryl711:アクリル樹脂粒子(BASF製、表面アニオン性官能基量:0.77mmol/g)
・SF300:ポリウレタン樹脂粒子(第一工業製薬製、表面アニオン性官能基量:0.03mmol/g)
・U9370:ポリウレタン樹脂粒子(アルバーディンク製、表面アニオン性官能基量:0.14mmol/g)
・AC2714:アクリル樹脂粒子(アルバーディンク製、表面アニオン性官能基量:0.06mmol/g)
・SF170:ポリウレタン樹脂粒子(第一工業製薬製、表面アニオン性官能基量:0.27mmol/g)
・Joncryl711:アクリル樹脂粒子(BASF製、表面アニオン性官能基量:0.77mmol/g)
(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)
・エマルゲン350:ポリオキシエチレン(31)ステアリルエーテル(商品名「エマルゲン350」、花王製)
・BB−20:ポリオキシエチレン(20)ベヘニルエーテル(商品名「ニッコールBB−20」、日光ケミカルズ製)
・エマルゲン350:ポリオキシエチレン(31)ステアリルエーテル(商品名「エマルゲン350」、花王製)
・BB−20:ポリオキシエチレン(20)ベヘニルエーテル(商品名「ニッコールBB−20」、日光ケミカルズ製)
(第2の界面活性剤)
・AE100:アセチレングリコール系界面活性剤(商品名「アセチレノールE100」、川研ファインケミカル製、HLB値:13.6)
・FS3100:フッ素系界面活性剤(商品名「Capstone FS−3100」、デュポン製、HLB値:9.8)
・AE100:アセチレングリコール系界面活性剤(商品名「アセチレノールE100」、川研ファインケミカル製、HLB値:13.6)
・FS3100:フッ素系界面活性剤(商品名「Capstone FS−3100」、デュポン製、HLB値:9.8)
<評価(2)>
(貯蔵安定性)
前述の「評価(1)」における「貯蔵安定性」と同様の手順により、インクの貯蔵安定性を評価した。結果を表4に示す。
(貯蔵安定性)
前述の「評価(1)」における「貯蔵安定性」と同様の手順により、インクの貯蔵安定性を評価した。結果を表4に示す。
(画像の光学濃度)
以下に示す評価基準としたこと以外は、前述の「評価(1)」における「画像の光学濃度」と同様の手順により、画像の光学濃度を評価した。結果を表4に示す。
[ブラックインク]
A:光学濃度が、1.50以上であった。
B:光学濃度が、1.45以上1.50未満であった。
C:光学濃度が、1.45未満であった。
[シアンインク、マゼンタインク、イエローインク]
A:光学濃度が、1.45以上であった。
B:光学濃度が、1.4以上1.45未満であった。
C:光学濃度が、1.4未満であった。
以下に示す評価基準としたこと以外は、前述の「評価(1)」における「画像の光学濃度」と同様の手順により、画像の光学濃度を評価した。結果を表4に示す。
[ブラックインク]
A:光学濃度が、1.50以上であった。
B:光学濃度が、1.45以上1.50未満であった。
C:光学濃度が、1.45未満であった。
[シアンインク、マゼンタインク、イエローインク]
A:光学濃度が、1.45以上であった。
B:光学濃度が、1.4以上1.45未満であった。
C:光学濃度が、1.4未満であった。
Claims (9)
- 顔料、樹脂粒子、及び水を含有するインクであって、
前記顔料の表面アニオン性官能基量が、0.20mmol/g以下であり、
前記樹脂粒子の表面アニオン性官能基量が、0.20mmol/g以下であり、
さらに、下記一般式(A)で表される化合物を含有し、
下記一般式(A)で表される化合物の含有量(質量%)が、前記顔料の含有量(質量%)に対する質量比率で、0.03倍以上0.10倍以下であることを特徴とするインク。
H−(CH2)n−O−(CH2CH2O)m−H ・・・(A)
(前記一般式(A)中、nは、14以上22以下の数であり、mは、「m≧3×exp(40/n)」の関係を満たす) - 前記顔料が、ホスホン酸基修飾自己分散顔料である請求項1に記載のインク。
- 前記顔料が、樹脂分散剤によって分散される樹脂分散顔料であり、
前記顔料の含有量(質量%)が、前記樹脂分散剤の含有量(質量%)に対する質量比率で、3倍以上である請求項1に記載のインク。 - 前記一般式(A)で表される化合物の含有量が、インク全質量を基準として、0.1質量%以上0.5質量%以下である請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインク。
- 前記一般式(A)中、mが、20以上50以下の数である請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインク。
- 前記一般式(A)中、nが、18以上20以下の数である請求項1乃至5のいずれか1項に記載のインク。
- さらに、グリフィン法により算出されるHLB値が11以下である界面活性剤を含有する請求項1乃至6のいずれか1項に記載のインク。
- インクと、前記インクを収容するインク収容部とを備えたインクカートリッジであって、
前記インクが、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のインクであることを特徴とするインクカートリッジ。 - 記録媒体にインクを付与するインク付与工程を有する画像記録方法であって、
前記インクが、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のインクであることを特徴とする画像記録方法。
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---|---|---|---|
JP2016250507A JP2018104518A (ja) | 2016-12-26 | 2016-12-26 | インク、インクカートリッジ、及び画像記録方法 |
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