JP2018104495A - 三次元網状構造体用変性ポリエチレン、変性ポリエチレン組成物及びそれらからなる成形体 - Google Patents

三次元網状構造体用変性ポリエチレン、変性ポリエチレン組成物及びそれらからなる成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】高温下での形状保持が可能で、ヘタリの指標となる圧縮永久歪みが小さい三次元網状構造体用変性ポリエチレンを提供する。【解決手段】核磁気共鳴装置(1H−NMR)で測定されるポリエチレンの不飽和末端量が下記(a)及び(b)の条件を満たし、かつJIS K7210(1999)に準拠して190℃、荷重2.16kgの条件で測定されるメルトフローレート(MFR)が1〜50g/10分であり、示差走査熱量計(DSC)で測定される融点のピークが105℃以上に存在するポリエチレンに、不飽和シラン化合物が0.1〜5質量%グラフト変性された三次元網状構造体用変性ポリエチレン。(a)ビニル数 :0.1(個/主鎖1000C)以下(b)ビニリデン数:0.1(個/主鎖1000C)以下【選択図】なし

Description

本発明は、三次元網状構造体用変性ポリエチレン、変性ポリエチレン組成物及びこの変性ポリエチレン組成物を成形してなる成形体及びシラン架橋ポリエチレンに関する。
近年、熱可塑性樹脂をループ状に押出成形して得られた三次元網状構造体を、クッション材等の緩衝材として使用した家具や、枕、ベッド用マットなどの寝具が普及しつつある。
この三次元網状構造体は、一般的に次のようにして製造される。
即ち、熱可塑性樹脂を押出機内で溶融し、多数の孔を有するダイスから溶融した樹脂を押出成形してストランドとする。ダイスの下方には水槽が設けられており、ストランドが自然流下して水槽内に着水し、ストランドが水中に滞留すると、水による冷却で樹脂が固化し、ループ状の絡み合いを持つ三次元網状構造体が製造される(特許文献1)。
成形に用いる熱可塑性樹脂としては、エチレン・α−オレフィン共重合体が提案されている。
熱可塑性樹脂よりなる三次元網状構造体を用いた寝具等の緩衝材においては、荷重により圧縮歪みが生じ、この歪みが長時間、或いは繰り返し起こることにより緩衝材は形状回復せず徐々に潰れ、クッション性が損なわれる所謂「ヘタリ」が発生することが問題となっている。ヘタリは高温下で顕著となり、電気毛布などの暖房寝具を使用した場合、寝具の一部が変形するなどの不具合が生じることが知られている。
一方、医療用途などの寝具等の緩衝材においては、熱水処理および乾燥などの操作により寝具が変形することが問題となっている。
これらは、三次元網状構造体を構成する熱可塑性樹脂が、高温での荷重下において、流動又は塑性変形することに起因するものであるが、エチレン・α−オレフィン共重合体は融点が低く、またその成形方法への適性から分子量が比較的小さいため、高温下での形状保持が難しく、ヘタリや変形といった問題が起こりやすい。
エチレン・α−オレフィン共重合体の耐熱性を高め、高温下でのヘタリ・変形の問題を改善するために、エチレン・α−オレフィン共重合体にエチレン性不飽和シラン化合物をグラフトさせた変性エチレン・α−オレフィン共重合体が特許文献2に開示されている。
特許文献2に記載されているような変性エチレン・α−オレフィン共重合体は、ある程度の熱変形・ヘタリに対する改良効果は見られるものの、寝具等における改良効果は十分ではなく、依然、高温域では陥没又は変形する恐れがあることが見出された。特に医療用寝具として用いた場合、厚生省健康政策局が推進する医療用寝具類の消毒・洗濯方法の一つである熱水処理(80℃以上)に対応出来ないという制約を受けるため、消毒・洗濯が出来る施設が限定されたり、その費用が高額になったりすることがある。
一方、特許文献3には、重合体の分子末端に存在するビニル基が0.02(ケ/1000個の炭素)以下、重合体の分子末端に存在するビニリデン基が0.02(ケ/1000個の炭素)以下のエチレン単独重合体又はエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体が、成形加工時の熱安定性に優れることが開示されている。しかしながら、特許文献3には、三次元網状構造体に適した材料について、更にはその場合のヘタリや変形について、何らこれを示唆する記載はなされていない。
国際公開第2012/035736号公報 特開2013−181117号公報 特開平11−60632号公報
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、エチレン・α−オレフィン共重合体の大きな問題である熱変形に対する耐熱性を向上させたシラン変性ポリエチレンであって、得られるシラン架橋ポリエチレンのヘタリが小さい三次元網状構造体用変性ポリエチレンと、これを用いた変性ポリエチレン組成物、成形体及びシラン架橋ポリエチレンを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定の構造を有するポリエチレンに不飽和シラン化合物を特定量グラフトさせることにより、高温下での形状保持が可能で、ヘタリの指標となる圧縮永久歪みが小さい変性ポリエチレンを提供することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の要旨は以下の[1]〜[8]の通りである。
[1] 核磁気共鳴装置(H−NMR)で測定されるポリエチレンの不飽和末端量が下記(a)及び(b)の条件を満たし、かつJIS K7210(1999)に準拠して190℃、荷重2.16kgの条件で測定されるメルトフローレート(MFR)が1〜50g/10分であり、示差走査熱量計(DSC)で測定される融点のピークが105℃以上に存在するポリエチレンに、不飽和シラン化合物が0.1〜5質量%グラフト変性された三次元網状構造体用変性ポリエチレン。
(a)ビニル数 :0.1(個/主鎖1000C)以下
(b)ビニリデン数:0.1(個/主鎖1000C)以下
[2] 前記不飽和シラン化合物が下記式(1)で表される化合物である、[1]に記載の三次元網状構造体用変性ポリエチレン。
RSi(R’) …(1)
(式(1)中、Rはエチレン性不飽和炭化水素基であり、R’は互いに独立して炭素数1〜10の炭化水素基又は炭素数1〜10のアルコキシ基であり、R’のうちの少なくとも1つは炭素数1〜10のアルコキシ基である。)
[3] 前記ポリエチレンの密度が0.890〜0.935g/cmである、[1]又は[2]に記載の三次元網状構造体用変性ポリエチレン。
[4] 前記ポリエチレンがゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が3.0超である、[1]乃至[3]のいずれかに記載の三次元網状構造体用変性ポリエチレン。
[5] 前記ポリエチレンのDSCで測定される融点のピークが2つ以上ある、[1]乃至[4]のいずれかに記載の三次元網状構造体用変性ポリエチレン。
[6] [1]乃至[5]のいずれかに記載の変性ポリエチレンとシラノール縮合触媒とを含む三次元網状構造体用変性ポリエチレン組成物。
[7] [6]に記載の三次元網状構造体用変性ポリエチレン組成物を成形してなる成形体。
[8] [6]に記載の三次元網状構造体用変性ポリエチレン組成物を架橋反応させてなるシラン架橋ポリエチレン。
本発明の三次元網状構造体用変性ポリエチレンは、エチレン・α−オレフィン共重合体において一般的に大きな問題である熱変形・ヘタリが改善されたものであって、消毒・洗濯のための高温流体への浸漬、又はシャワー散布した場合でも変形が無く形状保持性に優れる。
本発明の変性ポリエチレンからなる三次元網状構造体は、電気毛布や湯たんぽなどの高温環境下でもヘタリの問題無く使用することができる。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下の説明は、本発明の実施の形態の一例であり、本発明はその要旨を超えない限り、以下の記載内容に限定されるものではない。
〔変性ポリエチレン〕
本発明の変性ポリエチレンは、核磁気共鳴装置(H-NMR)で測定されるポリエチレンの不飽和末端量が、(a)ビニル数:0.1(個/主鎖1000C)以下、(b)ビニリデン数:0.1(個/主鎖1000C)以下であり、かつJIS K7210(1999)に準拠して190℃、荷重2.16kgの条件で測定されるメルトフローレート(MFR)が1〜50g/10分であり、示差走査熱量計(DSC)で測定される融点のピークが105℃以上に存在するポリエチレン(以下、「本発明のポリエチレン」と称す場合がある。)に、不飽和シラン化合物が0.1〜5質量%グラフト変性された変性ポリエチレンである。
[ポリエチレン]
本発明のポリエチレンの具体例としては、例えば、低・中密度ポリエチレン等のエチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体等のエチレン・α−オレフィン共重合体;エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のエチレン系共重合樹脂等が挙げられる。更に上記重合体を単独で用いるのみならず、2種類以上の重合体をブレンドして用いることも可能である。
これらのうち、本発明のポリエチレンとしては、エチレン・α−オレフィン共重合体単体、或いはエチレン・α−オレフィン共重合体を含むポリエチレン組成物が適宜用いられる。
即ち、耐熱性、耐ヘタリ性、押出性等の観点から、本発明のポリエチレンとしては、エチレン・α−オレフィン共重合体、或いはエチレン・α−オレフィン共重合体を含むポリエチレン組成物を用い、これを不飽和シラン化合物で変性して耐熱性を改善することが好ましい。
エチレン・α−オレフィン共重合体の中でも本発明においては、耐熱性と流動性、更に柔軟性のバランスに優れる点から、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、及びエチレン−1−オクテン共重合体がより好ましい。この中でもエチレン−1−ヘキセン共重合体が特に好ましい。
なお、エチレン・α−オレフィン共重合体は、1種又は2種以上のα−オレフィン2〜60質量%と、エチレン40〜98質量%とを共重合させたもの、即ち、α−オレフィン単位含有量が2〜60質量%で、エチレン単位含有量が40〜98質量%のものが好ましい。
本発明のポリエチレンは、核磁気共鳴装置(H-NMR)で測定されるポリエチレンの不飽和末端量が、下記(a)及び(b)の条件を満たす。
(a)ビニル数 :0.1(個/主鎖1000C)以下
(b)ビニリデン数:0.1(個/主鎖1000C)以下
上記(a)及び(b)を満たすことにより、熱変性・ヘタリの改善効果が得られるメカニズムの詳細は明らかではないが、ビニル基及びビニリデン基は反応活性が高いため、これらの基がポリエチレン主鎖末端に多く存在し、その含有量が0.1(個/主鎖1000C)を超えると、後述する不飽和シラン化合物とのグラフト反応がポリエチレン主鎖末端で優先的に起きてしまい、見掛けの分子量増大こそ起きるものの、架橋後のポリエチレン分子同士の相互拘束が不十分となり、熱変形・ヘタリと言った物性向上にはつながらないこと、従って、上記(a)及び(b)を満たし、ポリエチレン主鎖末端のビニル基及びビニリデン基数の少ないものであれば、ポリエチレン主鎖末端でのグラフト反応が起こり難く、架橋によるポリエチレン分子同士の相互拘束を十分に高め、耐熱変形・ヘタリ性に優れたものとすることができることによると推測される。
なおここで、ビニル数、ビニリデン数は、H−NMRにおける二重結合に由来するピークを測定することで求められる。より詳細な測定方法の具体例は後掲の実施例の項において示す。
本発明のポリエチレンのメルトフローレート(MFR)は、JIS K7210(1999)に準拠して温度190℃、荷重2.16kgの条件で測定されるメルトフローレート(MFR)で、1〜50g/10分である。MFRが大きいと、複数のストランドを押出して成形する際、溶融張力が低いためストランド切れが発生するためループが安定せず、ストランドが丸まった塊を形成し、またストランド径もストランド毎に異なるものとなり、三次元網状構造体としてストランドの絡み合いの均一性が劣り、製品としての性能、品質が低下する。また、MFRが小さいと、押出成形時のモーター負荷、樹脂圧力が上昇し、溶融張力が高いためストランド径が増加し、溶融状態のストランドが変形しにくくループ形成が困難となるため、3次元網目状構造体として柔軟性に劣る品質となる。これらの観点から、ポリエチレンのMFRの下限値は1g/10分、好ましくは5g/10分以上であり、より好ましくは10g/10分以上であり、さらに好ましくは16g/10分以上であり、一方、上限値は50g/10分、好ましくは45g/10分以下であり、より好ましくは35g/10分以下である。
本発明のポリエチレンは、示差走査熱量計(DSC)で測定される融点のピークが105℃以上に存在するものである。融点のピークが105℃以上に存在するものでないと熱変形しやすくなり、高温下での形状保持性の指標となるビカット軟化温度も低下する。この観点から、ポリエチレンの融点のピークは105℃以上であることが好ましい。ただし、融点のピークの最高温度は130℃以下が好ましい。融点のピークが130℃を超えると、成形時、ストランドが水面に着水した際、ストランド同士の融着が上手くいかず三次元網状構造体の網目構造が不均一になり、製品の反発力が低下したり、繰り返し圧縮時のヘタリが大きくなったりする。
また、材料の融点のピークは複数個存在した方が融点分布が広くなり融着可能温度が拡がって、成形条件が振れた場合にもストランド同士の融着不良を起こし難くなることから、本発明のポリエチレンは、融点のピークを2つ以上有することが好ましい。この場合、融点のピークの少なくとも1つは105〜130℃の範囲に、少なくとも1つは80〜105℃の範囲に存在することが好ましい。
なお、ポリエチレンの融点は示差走査熱量計(DSC)により求められ、DSCにおける結晶部に由来するピークを測定することで求められる。より詳細な測定方法の具体例は後掲の実施例の項において示す。
本発明のポリエチレンは、密度(JIS K7112(1999)A法にて測定)が0.890〜0.935g/cmであることが好ましく、より好ましくは0.900〜0.925g/cm、さらに好ましくは0.908〜0.925g/cmである。密度が上記上限値である0.935g/cm超では得られる製品が硬くなりクッション性が損なわれ、上記下限値である0.890g/cm未満ではポリエチレンの耐熱性が低く温水での消毒・洗濯の際、変形を起こすおそれがある。
ポリエチレンの密度のより詳細な測定方法の具体例は後掲の実施例の項において示す。
本発明のポリエチレンは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が3.0超であることが好ましく、3.1〜4.0であることが更に好ましい。
GPCにより測定されるMw/Mn(分子量分布)は、重合体の各種物性、成形性の改良に関わり、成形品の外観等の改良にも関係する。
本発明のポリエチレンのMw/Mnが上記範囲内にあると、より優れた成形加工性を発揮することができる。一方、分子量分布(Mw/Mn)が3.0未満であると、成形時に押出負荷が大きくなったり、ストランド表面の平滑性が損なわれることがある。
ポリエチレンの分子量分布は、分子量分布を制御できる触媒や適当な重合条件を採用することにより所定の範囲とすることができる。また、バイモーダル又はマルチモーダルの重合体の場合は、各成分の分子量を調整することにより制御することができる。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による分子量及び分子量分布のより詳細な測定方法の具体例は後掲の実施例の項において示す。
本発明のポリエチレンは、それぞれ前記の特徴を満足すれば、製造時に用いる触媒や製造方法等に特に限定されるものではないが、好ましくは以下に示す触媒の存在下にエチレンとα−オレフィンを共重合させて得られる直鎖状のエチレン系共重合体であることが望ましい。
以下に、本発明のポリエチレンの製造に好適な触媒について説明する。
本発明のポリエチレンを製造するには、特に以下のa1〜a4の化合物を混合して得られる触媒の存在下に原料モノマーを重合することが望ましい。
a1:一般式Me (OR 4−p−q−rで表される化合物
(上記式中、Me1は、ジルコニウム、チタン、ハフニウムを示し、R及びRはそれぞれ炭素数1〜24の炭化水素基、Rは、2,4−ペンタンジオナト配位子又はその誘導体、ベンゾイルメタナト配位子、ベンゾイルアセトナト配位子又はその誘導体、Xはハロゲン原子を示し、p、q及びrはそれぞれ0≦p≦4、0≦q≦4、0≦r≦4、0≦p+q+r≦4の範囲を満たす整数である。)
a2:一般式Me (OR z−m−nで表される化合物
(上記式中、Meは、周期表第1族、第2族、第12族、第13族の元素、R及びRはそれぞれ炭素数1〜24の炭化水素基、Xはハロゲン原子又は水素原子(ただし、Xが水素原子の場合、Meは周期表第13族の元素に限る)を示し、zはMeの価数を示し、m及びnはそれぞれ0≦m≦z、0≦n≦zの範囲を満たす整数であり、かつ、0≦m+n≦zである。)
a3:共役二重結合を持つ有機環状化合物
a4:Al−O−Al結合を含む変性有機アルミニウムオキシ化合物及び/又はホウ素化合物
上記触媒成分a1の一般式Me (OR 4−p−q−rで表される化合物の式中、Meはジルコニウム、チタン、ハフニウムを示し、これらの遷移金属の種類は限定されるものではなく、複数を用いることもできるが、得られる共重合体の耐候性の優れる点からジルコニウムが含まれることが特に好ましい。R及びRはそれぞれ炭素数1〜24の炭化水素基で、好ましくは炭素数1〜12、更に好ましくは1〜8の炭化水素基である。具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基などのアルキル基;ビニル基、アリル基などのアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、インデニル基、ナフチル基などのアリール基;ベンジル基、トリチル基、フェネチル基、スチリル基、ベンズヒドリル基、フェニルブチル基、ネオフイル基などのアラルキル基などが挙げられる。これらは分岐があってもよい。Rは、2,4−ペンタンジオナト配位子又はその誘導体、ベンゾイルメタナト配位子、ベンゾイルアセトナト配位子又はその誘導体を示す。Xはフッ素、ヨウ素、塩素及び臭素などのハロゲン原子を示す。p及びqはそれぞれ、0≦p≦4、0≦q≦4、0≦r≦4、0≦p+q+r≦4の範囲を満たす整数である。
前記2,4−ペンタンジオナト配位子又はその誘導体、ベンゾイルメタナト配位子、ベンゾイルアセトナト配位子又はその誘導体の具体例としては、テトラ(2,4−ペンタンジオナト)ジルコニウム、トリ(2,4−ペンタンジオナト)クロライドジルコニウム、ジ(2,4−ペンタンジオナト)ジクロライドジルコニウム、(2,4−ペンタンジオナト)トリクロライドジルコニウム、ジ(2,4−ペンタンジオナト)ジエトキサイドジルコニウム、ジ(2,4−ペンタンジオナト)ジ−n−プロポキサイドジルコニウム、ジ(2,4−ペンタンジオナト)ジ−n−ブトキサイドジルコニウム、ジ(2,4−ペンタンジオナト)ジベンジルジルコニウム、ジ(2,4−ペンタンジオナト)ジネオフイルジルコニウム、テトラ(ジベンゾイルメタナト)ジルコニウム、ジ(ジベンゾイルメタナト)ジエトキサイドジルコニウム、ジ(ジベンゾイルメタナト)ジ−n−プロポキサイドジルコニウム、ジ(ジベンゾイルメタナト)ジ−n−ブトキサイドジルコニウム、ジ(ベンゾイルアセトナト)ジエトキサイドジルコニウム、ジ(ベンゾイルアセトナト)ジ−n−プロポキサイドジルコニウム、ジ(ベンゾイルアセトナト)ジ−n−ブトキサイドジルコニウム等が挙げられる。
上記触媒成分a1の一般式で示される化合物の例としては、テトラメチルジルコニウム、テトラエチルジルコニウム、テトラベンジルジルコニウム、テトラプロポキシジルコニウム、ジプロポキシジクロロジルコニウム、トリプロポキシモノクロロジルコニウム、テトラエトキシジルコニウム、テトラブトキシジルコニウム、テトラブトキシチタン、テトラブトキシハフニウムなどが挙げられ、特にテトラプロポキシジルコニウム、テトラブトキシジルコニウムなどのZr(OR化合物が好ましい。
触媒成分a1は、1種のみを用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。
上記触媒成分a2の一般式Me (OR z−m−nで表される化合物の式中、Meは、周期表第1族、第2族、第12族、第13族の元素を示し、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、ホウ素、アルミニウムなどが挙げられる。R及びRはそれぞれ炭素数1〜24の炭化水素基、好ましくは炭素数1〜12、更に好ましくは1〜8の炭化水素基であり、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基などのアルキル基;ビニル基、アリル基などのアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、インデニル基、ナフチル基などのアリール基;ベンジル基、トリチル基、フェネチル基、スチリル基、ベンズヒドリル基、フェニルブチル基、ネオフイル基などのアラルキル基などが挙げられる。これらは分岐があってもよい。Xはフッ素、ヨウ素、塩素及び臭素などのハロゲン原子又は水素原子を示すものである。ただし、Xが水素原子の場合はMeはホウ素、アルミニウムなどに例示される周期表第13族の元素の場合に限るものである。また、zはMeの価数を示し、m及びnはそれぞれ、0≦m≦z、0≦n≦zの範囲を満たす整数であり、かつ、0≦m+n≦zである。
上記触媒成分a2の一般式で示される化合物の例としては、メチルリチウム、エチルリチウムなどの有機リチウム化合物;ジメチルマグネシウム、ジエチルマグネシウム、メチルマグネシウムクロライド、エチルマグネシウムクロライドなどの有機マグネシウム化合物;ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛などの有機亜鉛化合物;トリメチルボロン、トリエチルボロンなどの有機ボロン化合物;トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリデシルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、ジエチルアルミニウムエトキサイド、ジエチルアルミニウムハイドライドなどの有機アルミニウム化合物等の誘導体が挙げられる。
触媒成分a2は、1種のみを用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。
上記触媒成分a3の共役二重結合を持つ有機環状化合物は、環状で共役二重結合を2個以上、好ましくは2〜4個、更に好ましくは2〜3個有する環を1個又は2個以上有し、全炭素数が4〜24、好ましくは4〜12である環状炭化水素化合物;前記環状炭化水素化合物が部分的に1〜6個の炭化水素残基(典型的には、炭素数1〜12のアルキル基又はアラルキル基)で置換された環状炭化水素化合物;共役二重結合を2個以上、好ましくは2〜4個、更に好ましくは2〜3個有する環を1個又は2個以上有し、全炭素数が4〜24、好ましくは4〜12である環状炭化水素基を有する有機ケイ素化合物;前記環状炭化水素基が部分的に1〜6個の炭化水素残基又はアルカリ金属塩(ナトリウム又はリチウム塩)で置換された有機ケイ素化合物が含まれる。特に好ましくは分子中のいずれかにシクロペンタジエン構造を持つものが望ましい。
上記の好適な化合物としては、シクロペンタジエン、インデン、アズレン又はこれらのアルキル、アリール、アラルキル、アルコキシ又はアリールオキシ誘導体などが挙げられる。また、これらの化合物がアルキレン基(その炭素数は通常2〜8、好ましくは2〜3)を介して結合(架橋)した化合物も好適に用いられる。
環状炭化水素基を有する有機ケイ素化合物は、下記一般式で表示することができる。
SiR 4−L
ここで、Aはシクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル基、インデニル基、置換インデニル基で例示される前記環状水素基を示し、Rはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基などのアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシ基;フェニル基などのアリール基;フェノキシ基などのアリールオキシ基;ベンジル基などのアラルキル基などの、炭素数1〜24、好ましくは1〜12の炭化水素残基を示し、Lは1≦L≦4、好ましくは1≦L≦3の整数である。
上記成分a3の有機環状炭化水素化合物の具体例として、シクロペンタジエン、メチルシクロペンタジエン、エチルシクロペンタジエン、1,3−ジメチルシクロペンタジエン、インデン、4−メチル−1−インデン、4,7−ジメチルインデン、シクロヘプタトリエン、メチルシクロヘプタトリエン、シクロオクタテトラエン、アズレン、フルオレン、メチルフルオレンのような炭素数5〜24のシクロポリエン又は置換シクロポリエン、モノシクロペンタジエニルシラン、ビスシクロペンタジエニルシラン、トリスシクロペンタジエニルシラン、モノインデニルシラン、ビスインデニルシラン、トリスインデニルシランなどが挙げられる。
触媒成分a3は、1種のみを用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。
触媒成分a4のAl−O−Al結合を含む変性有機アルミニウムオキシ化合物とは、アルキルアルミニウム化合物等の有機アルミニウム化合物と水とを反応させることにより得られる、通常アルミノキサンと称される変性有機アルミニウムオキシ化合物であり、分子中に通常1〜100個、好ましくは1〜50個のAl−O−Al結合を含有する。この変性有機アルミニウムオキシ化合物は線状でも環状でもいずれでもよい。
有機アルミニウム化合物と水との反応は通常不活性炭化水素溶媒中で行われる。該不活性炭化水素溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の脂肪族、脂環族、芳香族炭化水素溶媒が好ましい。水と有機アルミニウム化合物との反応比(水/Alモル比)は通常0.25/1〜1.2/1、好ましくは0.5/1〜1/1であることが望ましい。
ホウ素化合物としては、テトラ(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸トリエチルアルミニウム(トリエチルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラ(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸ジメチルアニリニウム(ジメチルアニリニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ブチルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラ(3,5ージフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。
触媒成分a4は、1種のみを用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。
上記触媒はa1〜a4を混合接触させて使用しても良いが、好ましくは成分a5として、無機担体及び/又は粒子状ポリマー担体に担持させて使用することが望ましい。
該無機物担体及び/又は粒子状ポリマー担体としては、炭素質物、金属、金属酸化物、金属塩化物、金属炭酸塩又はこれらの混合物あるいは熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等が挙げられる。該無機物担体に用いることができる好適な金属としては、鉄、アルミニウム、ニッケルなどが挙げられる。
無機担体としては、具体的には、SiO、Al、MgO、ZrO、TiO、B、CaO、ZnO、BaO、ThO等又はこれらの混合物が挙げられ、SiO−Al、SiO−V、SiO−TiO、SiO−V、SiO−MgO、SiO−Cr等が挙げられる。これらの中でもSiO及びAlからなる群から選択された少なくとも1種の成分を主成分とするものが好ましい。
また、粒子状ポリマー担体としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれも使用でき、具体的には、粒子状のポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリノルボルネン、各種天然高分子及びこれらの混合物等が挙げられる。
上記無機物担体及び/又は粒子状ポリマー担体は、このまま使用することもできるが、好ましくは予備処理としてこれらの担体を有機アルミニウム化合物やAl−O−Al結合を含む変性有機アルミニウム化合物などに接触処理させた後に成分a5として用いることもできる。
本発明のエチレンは、好ましくは前記触媒の存在下、実質的に溶媒の存在しない気相重合法、或いはスラリー重合法、溶液重合法等により、実質的に酸素、水等を断った状態で、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素等に例示される不活性炭化水素溶媒の存在下又は不存在下で製造される。重合条件は特に限定されないが、重合温度は通常15〜350℃、好ましくは20〜200℃、更に好ましくは50〜110℃であり、重合圧力は低中圧法の場合通常常圧〜70kgf/cmG、好ましくは常圧〜20kgf/cmGであり、高圧法の場合通常1500kgf/cmG以下が望ましい。重合時間は低中圧法の場合通常3分〜10時間、好ましくは5分〜5時間程度が望ましい。高圧法の場合、通常1分〜30分、好ましくは2分〜20分程度が望ましい。また、重合方式は一段重合法でもよく、水素濃度、モノマー濃度、重合圧力、重合温度、触媒等の重合条件が互いに異なる二段階以上の多段重合法でもよく、特に限定されるものではない。
本発明のポリエチレンとしては、1種を単独で用いてもよく、上記のポリエチレンのうち、モノマー組成や物性、製造方法等の異なるものの2種以上を混合して用いてもよい。
[不飽和シラン化合物]
本発明に用いる不飽和シラン化合物は限定されないが、下記式(1)で表される不飽和シラン化合物が好適に用いられる。
RSi(R’) …(1)
上記式(1)において、Rはエチレン性不飽和炭化水素基であり、R’は互いに独立して炭素数1〜10の炭化水素基又は炭素数1〜10のアルコキシ基であり、R’のうちの少なくとも1つは炭素数1〜10のアルコキシ基である。
式(1)において、Rは好ましくは炭素数2〜10のエチレン性不飽和炭化水素基であり、より好ましくは炭素数2〜6のエチレン性不飽和炭化水素基である。具体的には、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、シクロヘキセニル基等のアルケニル基が挙げられる。
式(1)において、R’は好ましくは炭素数1〜6の炭化水素基又は炭素数1〜6のアルコキシ基であり、より好ましくは炭素数1〜4の炭化水素基又は炭素数1〜4のアルコキシ基である。また、R’のうちの少なくとも1つは、好ましくは炭素数1〜6のアルコキシ基であり、より好ましくは炭素数1〜4のアルコキシ基である。
R’の炭素数1〜10の炭化水素基は脂肪族基、脂環族基、芳香族基のいずれであってもよいが、脂肪族基であることが望ましい。また、R’の炭素数1〜10のアルコキシ基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよいが、直鎖状又は分岐状であることが好ましい。R’が炭化水素基の場合、具体的には、メチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、シクロヘキシル基等に代表されるアルキル基、又はフェニル基等に代表されるアリール基等が挙げられる。R’がアルコキシ基の場合、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、β−メトキシエトキシ基が挙げられる。
不飽和シラン化合物が前記式(1)で表される場合、3つのR’のうち少なくとも1つはアルコキシ基であるが、2つのR’がアルコキシ基であることが好ましく、全てのR’がアルコキシ基であることがより好ましい。
不飽和シラン化合物としては、式(1)で表されるものの中でもビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、プロペニルトリメトキシシラン等に代表されるビニルトリアルコキシシランが望ましい。これはビニル基によってポリエチレンへの変性を可能とし、アルコキシ基によって後述の架橋反応が進行するからである。即ち、不飽和シラン化合物により変性ポリエチレンにグラフト変性されて導入されたアルコキシ基が、シラノール縮合触媒の存在下、水と反応して加水分解してシラノール基を生成させ、シラノール基同士が脱水縮合することにより、変性ポリエチレン同士が結合して架橋反応が起こる。
なお、これらの不飽和シラン化合物は、1種類を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の三次元網状構造体用変性ポリエチレンは、不飽和シラン化合物の変性量(グラフト変性により変性ポリエチレンに導入された不飽和シラン化合物量)が、0.1〜5.0質量%である。変性量が上記下限値未満の場合は、耐熱性に劣り、三次元網状構造体とした場合に高温下で変形・ヘタリを発生しやすいので好ましくない。また、変性量が上記上限値より高い場合は粘度が高くなり、押出成形時のストランド径が太くなるので好ましくない。これらをより良好なものとする観点から、不飽和シラン化合物の変性量は、好ましくは0.2質量%以上であり、より好ましくは0.3質量%以上であり、一方、好ましくは5.0質量%以下であり、より好ましくは3.0質量%以下、さらに好ましくは2.5質量%以下である。
不飽和シラン化合物の変性量は、変性前のエチレンに対するグラフト変性により導入された不飽和シラン化合物の質量割合であり、サンプルを加熱燃焼させて灰化し、灰分をアルカリ融解して純水に溶解後定量し、高周波プラズマ発光分析装置を用いるICP発光分析法により確認することができる。そのより詳細な測定方法の具体例は後掲の実施例の項において示す。
なお、本発明の三次元網状構造体用変性ポリエチレンは、本発明の効果を損なわない範囲で不飽和シラン化合物以外の化合物を併用してグラフト変性したものであってもよい。不飽和シラン化合物以外の化合物としては、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸等の不飽和カルボン酸、及び、これらの酸無水物等が例示される。
[グラフト変性]
本発明の三次元網状構造体用変性ポリエチレンは、上記の本発明のポリエチレンに上記の不飽和シラン化合物をグラフト変性することにより製造することができる。グラフト変性の方法には特に制限は無く、公知の手法に従って行うことができ、例えば、溶液変性、溶融変性、電子線や電離放射線の照射による固相変性、超臨界流体中での変性等が好適に用いられる。これらの中でも設備やコスト競争力に優れた溶融変性が好ましく、連続生産性に優れた押出機を用いた溶融混練変性が更に好ましい。溶融混練変性に用いられる装置としては、例えば単軸スクリュー押出機、二軸スクリュー押出機、バンバリーミキサー、ロールミキサー等が挙げられる。これらの中でも連続生産性に優れた単軸スクリュー押出機、二軸スクリュー押出機が好ましい。
一般に、ポリエチレンへの不飽和シラン化合物のグラフト変性は、ポリエチレンの炭素−水素結合を開裂させて炭素ラジカルを発生させ、これへ不飽和官能基が付加する、といったグラフト反応によって行われる。炭素ラジカルの発生源としては、上述した電子線や電離放射線の他、高温度とする方法や、有機、無機過酸化物等のラジカル発生剤を用いることで行うこともできる。コストや操作性の観点で有機過酸化物を用いることが好ましい。
変性ポリエチレンを製造する際に用いるラジカル発生剤には限定は無いが、例えば、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル及びケトンパーオキサイド群に含まれる有機過酸化物、並びにアゾ化合物等が挙げられる。
具体的には、例えば、ハイドロパーオキサイド群にはキュメンハイドロパーオキサイド、ターシャリーブチルハイドロパーオキサイド等が含まれ、ジアルキルパーオキサイド群にはジクミルパーオキサイド、ジターシャリーブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジターシャリーブチルパーオキシヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジターシャリーブチルパーオキシヘキシン−3等が含まれ、ジアシルパーオキサイド群にはラウリルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等が含まれる。パーオキシエステル群にはターシャリーパーオキシアセテート、ターシャリーブチルパーオキシベンゾエイト、ターシャリーブチルパーオキシイソプロピルカーボネート等が含まれ、ケトンパーオキサイド群にはシクロヘキサノンパーオキサイド等が含まれる。アゾ化合物としては、アゾビスイソブチロニトリル、メチルアゾイソブチレート等が挙げられる。
これらのラジカル発生剤は1種類を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
一般的に用いられる溶融押出変性の操作としては、上記本発明のポリエチレン、不飽和シラン化合物、及び有機過酸化物を配合、ブレンドして混練機や押出機に投入し、加熱溶融混練しながら押出しを行い、先端ダイスから出てくる溶融樹脂を水槽等で冷却して変性ポリエチレンを得るものである。
本発明のポリエチレンと不飽和シラン化合物との配合の比率としては特に制限は無いが、好ましい配合の範囲としては、ポリエチレン100質量部に対し、不飽和シラン化合物が1〜10質量部である。ポリエチレンに対して不飽和シラン化合物が少なすぎると、本発明の効果を奏するために必要な所定の変性量が得られない場合があり、また多すぎると未反応の不飽和シラン化合物が多量に残留し、性能に悪影響を及ぼす可能性を生じる。
不飽和シラン化合物と有機過酸化物との配合の比率としては特に制限は無いが、好ましい配合の範囲としては、不飽和シラン化合物100質量部に対し、有機過酸化物が1〜10質量部である。不飽和シラン化合物に対して有機過酸化物の量が上記下限値以上であると、十分な量のラジカルが発生して必要な所定の変性量が得られ易く、また、上記上限値以下であるとポリエチレンの劣化を抑えやすくなる傾向にある。
また、溶融押出変性条件としては、例えば単軸スクリュー押出機、二軸スクリュー押出機においては150〜300℃程度の温度で押出すことが好ましい。
[配合剤]
本発明の変性ポリエチレンには、樹脂組成物に常用されている配合剤を、本発明の効果を損なわない範囲で含有させることができる。このような配合剤としては、例えば熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、結晶核剤、防錆剤、粘度調整剤、及び顔料等を挙げることができる。
このうち、酸化防止剤、特にフェノール系、硫黄系、又はリン系の酸化防止剤を含有させるのが好ましい。酸化防止剤は、変性ポリエチレン100質量部に対して0.1〜1質量部含有させるのが好ましい。
また、紫外線吸収剤や粘度調整剤を含有させてもよい。
紫外線吸収剤としては、具体的には、2−ヒドロキシ−4−ノルマル−オクチルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−N−オクトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系;2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアリゾール系;フェニルサルチレート、p−オクチルフェニルサルチレート等のサリチル酸エステル系のものが用いられる。紫外線吸収剤は、変性ポリエチレン100質量部に対して1.0〜0.01質量部含有させるのが好ましい。
粘度調整剤としてはゴム配合油、具体的にはパラフィン系プロセスオイルが好ましい。粘度調整剤は、変性ポリエチレン100質量部に対して0.5〜5質量部含有させるのが好ましい。
[物性]
本発明の三次元網状構造体用変性ポリエチレンは、JIS K7210(1999)に準拠して190℃、2.16kg荷重にて測定したメルトフローレート(MFR)が、通常1g/10分以上、好ましくは5g/10分以上、より好ましくは10g/10分以上、さらに好ましくは16g/10分以上であり、通常50g/10分以下、好ましくは45g/10分以下、より好ましくは35g/10分以下である。MFRが前記下限値以上であると、ダイスウェル及び溶融張力が低いためストランド径が増加しにくく、三次元網状構造体の側面に沿ってループを形成しやすく、良好な反発感を持つ製品を作製しやすくなる。MFRが前記上限値以下であると、複数のストランドを押出成形する際、ストランドの吐出が安定しやすく、複数のストランドが丸まって固まった樹脂塊を形成しにくい。またループ形成及びストランドの融着が安定し、ストランド径も均一となりやすく、三次元網状構造体としての均一性が良好となり、製品としての性能、品質が向上する傾向にある。
〔変性ポリエチレン組成物〕
本発明の三次元網状構造体用変性ポリエチレンとシラノール縮合触媒とを用いて三次元網状構造体用変性ポリエチレン組成物とすることができる。
この変性ポリエチレン組成物は、本発明の変性ポリエチレンが流動性に優れることから、組成物としたときの流動性、成形性にも優れる。
[シラノール縮合触媒]
本発明に用いることのできるシラノール縮合触媒としては、金属有機酸塩、チタネート、ホウ酸塩、有機アミン、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、無機酸及び有機酸、並びに無機酸エステルからなる群から選択される1種以上の化合物等が挙げられる。
金属有機酸塩としては例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクトエート、酢酸第一錫、オクタン酸第一錫、ナフテン酸コバルト、オクチル酸鉛、ナフテン酸鉛、オクチル酸亜鉛、カプリル酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸鉄、オクチル酸鉄、ステアリン酸鉄等が挙げられる。チタネートとしては例えば、チタン酸テトラブチルエステル、チタン酸テトラノニルエステル、ビス(アセチルアセトニトリル)ジ−イソプロピルチタネート等が挙げられる。有機アミンとしては例えば、エチルアミン、ジブチルアミン、ヘキシルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルソーヤアミン、テトラメチルグアニジン、ピリジン等が挙げられる。アンモニウム塩としては例えば、炭酸アンモニウム、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド等が挙げられる。ホスホニウム塩としては例えば、テトラメチルホスホニウムハイドロオキサイド等が挙げられる。無機酸及び有機酸としては例えば、硫酸、塩酸、酢酸、ステアリン酸、マレイン酸、トルエンスルホン酸、アルキルナフチルスルホン酸などのスルホン酸等が挙げられる。無機酸エステルとしては例えば、リン酸エステル等が挙げられる。
これらの中で、好ましくは金属有機酸塩、スルホン酸、リン酸エステルが挙げられ、更に好ましくは錫の金属カルボン酸塩、例えばジオクチル錫ジラウレート、アルキルナフチルスルホン酸、エチルヘキシルリン酸エステルが挙げられる。
なお、以上に挙げたシラノール縮合触媒は1種のみを用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
シラノール縮合触媒の配合量としては特に限定されるものではないが、変性ポリエチレン100質量部に対し、好ましくは0.0001〜0.5質量部であり、更に好ましくは0.0001〜0.3質量部である。シラノール縮合触媒の配合量が上記下限値以上であると架橋反応が十分に進行し、耐熱性が良好となる傾向にあるために好ましく、上記上限値以下であると押出機内で早期架橋が起こりにくく、早期架橋によるストランド切れ、及びストランド切れによる樹脂塊が発生しにくくなる傾向があるために好ましい。
シラノール縮合触媒は、ポリオレフィンとシラノール縮合触媒とを配合したマスターバッチとして用いることが好ましい。このマスターバッチに用いることのできるポリオレフィンとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、及びプロピレン−エチレン共重合体が挙げられる。
ポリエチレンとしては、例えば、低・中密度ポリエチレン等のエチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体等のエチレン・α−オレフィン共重合体;エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のエチレン系共重合樹脂等が挙げられる。
これらの中でも本発明においては、耐熱性と流動性、更に柔軟性のバランスに優れたエチレン・α−オレフィン共重合体が好ましく、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体がより好ましい。この中でもエチレン−1−ヘキセン共重合体が特に好ましい。
なお、エチレン・α−オレフィン共重合体は、1種又は2種以上のα−オレフィン2〜60質量%と、エチレン40〜98質量%とを共重合させたものであることがより好ましい。
シラノール縮合触媒のマスターバッチには、これらのポリオレフィンの1種のみを用いてもよく、2種以上をブレンドして用いてもよい。
シラノール縮合触媒を、ポリオレフィンとシラノール縮合触媒とを配合したマスターバッチとして用いる場合、マスターバッチ中のシラノール縮合触媒の含有量には特に制限は無いが、通常0.1〜5.0質量%程度とすることが好ましい。
シラノール縮合触媒含有マスターバッチとしては市販品を用いることができ、例えば、三菱化学社製「LZ082」を用いることができる。
[その他の成分]
本発明の変性ポリエチレン組成物には、本発明の変性ポリエチレン、及びシラノール縮合触媒以外に、その他の成分として各種の添加剤や変性ポリエチレン及び触媒マスターバッチ中のポリオレフィン以外の樹脂等を、本発明の効果を損なわない範囲で含有させることができる。
そのような例としては、接着性、相溶性を改善するために、粘着付与剤として熱可塑性固形樹脂や固形状ゴム、液状樹脂、軟化剤、可塑剤等を含有させることが挙げられる。例えば、ロジンとその誘導体、テルペン樹脂や石油樹脂とその誘導体、アルキッド樹脂、アルキルフェノール樹脂、テルペンフェノール樹脂、クマロンインデン樹脂、合成テルペン樹脂、アルキレン樹脂、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリブテン、イソブチレンとブタジエンの共重合物、鉱油、プロセスオイル、パイン油、アントラセン油、松根油、可塑剤、動植物油、重合油等を含有させることができる。
また、前述の変性ポリエチレンに配合し得る配合剤を含有させることができる。
〔シラン架橋ポリエチレン〕
本発明の変性ポリエチレンとシラノール縮合触媒を含む本発明の変性ポリエチレン組成物を押出成形、射出成形、プレス成形等の各種成形方法により成形した後、水雰囲気中に曝すことにより、シラノール基間の架橋反応を進行させ、シラン架橋ポリエチレンとすることができる。水雰囲気中に曝す方法は、各種の条件を採用することができ、水分を含む空気中に放置する方法、水蒸気を含む空気を送風する方法、水浴中に浸漬する方法、温水を霧状に散水させる方法等が挙げられる。
本発明の変性ポリエチレン組成物は、ポリエチレンのグラフト変性に用いた不飽和シラン化合物由来の加水分解可能なアルコキシ基がシラノール縮合触媒の存在下、水と反応して加水分解することによりシラノール基が生成し、更にシラノール基同士が脱水縮合することにより、架橋反応が進行し、変性ポリエチレン同士が結合してシラン架橋ポリエチレンを生成する。
架橋反応の進行速度は水雰囲気中に曝す条件によって決まるが、通常20〜130℃の温度範囲、かつ10分〜1週間の範囲で曝せばよい。特に好ましい条件は、20〜130℃の温度範囲、1時間〜160時間の範囲である。水分を含む空気を使用する場合、相対湿度は1〜100%の範囲から選択される。
シラン架橋ポリエチレンが長期間に亘って優れた特性を発揮するために、シラン架橋ポリエチレンのゲル分率(架橋度)は50%以上、特に60%以上であることが好ましい。ゲル分率は、変性ポリエチレンの不飽和シラン化合物のグラフト率(変性量)、シラノール縮合触媒の種類と配合量、架橋させる際の条件(温度、時間)等を変えることにより、調整することができる。このゲル分率の上限は特に制限されないが、通常90%である。ゲル分率は、後掲の実施例の項に記載される方法で測定することができる。
本発明の変性ポリエチレンとシラノール縮合触媒とを含む本発明の変性ポリエチレン組成物は、これを押出成形してストランドとし、次いでこのストランド同士を熱融着してから、水冷却することにより、三次元網状構造体とすることができる。例えば国際公開第2012/035736号に記載されているような製造装置及び成形方法により、変性ポリエチレン組成物を三次元網状構造体に成形することができる。このようにして得られた三次元網状構造体は前述したように水雰囲気に曝し、シラン架橋ポリエチレンとして用いることが好ましい。
特に、本発明の変性ポリエチレン組成物は成形時には架橋せずに成形することができるため、成形直後のループ性、熱接着性等特殊な成形性を必要とする三次元網状構造体を効率よく成形することができ、しかも得られた成形品は、エチレン・α−オレフィン共重合体等のポリエチレンの大きな課題である耐熱性が改善されていることから、高温での荷重下でもヘタリの問題がなく、優れたクッション性を示す三次元網状構造体を提供することができる。
[用途]
本発明の変性ポリエチレン、変性ポリエチレン組成物及びシラン架橋ポリエチレンの用途は特に限定されないが、家具、ベッド用マット、枕等の寝具;車両用、船舶などの乗物用座席等のクッション材として好適に用いることができる。なお、これらの用途に適用される場合、前述の三次元網状構造体として用いることが好ましい。この三次元網状構造体は、必要に応じて、他の材料との積層体として用いることもできる。
ただし、本発明の成形体は何ら三次元網状構造体の単体に限定されるものではない。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。また、以下の実施例における各種の製造条件や評価結果の値は、本発明の実施態様における上限又は下限の好ましい値としての意味を持つものであり、好ましい範囲は前記した上限又は下限の値と、下記実施例の値又は実施例同士の値との組み合わせで規定される範囲であってもよい。
[原料]
本発明の実施例及び比較例では、以下の原料を用いた。
[ポリエチレン]
・PE−1:
下記製造例1により製造されたポリエチレンを使用した。
<製造例1>
(重合触媒の調製)
窒素下で電磁誘導撹拌機付き触媒調製器(No.1)に精製トルエンを加え、次いでジプロポキシジクロロジルコニウム(Zr(OPr)Cl)28g及びメチルシクロペンタジエン48gを加え、0℃に系を保持しながらトリデシルアルミニウムを45g滴下し、滴下終了後、反応系を50℃に保持して16時間撹拌した。この溶液をA液とする。
次に、窒素下で別の撹拌器付き触媒調製器(No.2)に精製トルエンを加え、前記A溶液を添加し、次いでメチルアルミノキサン6.4molのトルエン溶液を添加し反応させた。これをB液とする。
次に、窒素下で撹拌器付き調製器(No.1)に精製トルエンを加え、次いで予め400℃で所定時間焼成処理したシリカ(富士デビソン社製、グレード#952、表面積300m/g)1400gを加えた後、前記B溶液の全量を添加し、室温で攪拌した。
次いで、窒素ブローにて溶媒を除去して流動性の良い固体触媒粉末を得た。
これを触媒Cとする。
(原料モノマーの重合)
連続式の流動床気相法重合装置を用い、重合温度65℃、全圧20kgf/cmGでエチレンと1−ヘキセンの共重合を行った。
前記触媒Cを連続的に供給すると共に、系内のガス組成を一定に保つため、各原料ガスを連続的に供給しながら重合を行い、温度190℃、荷重2.16kで測定されるMFRが28g/10分、密度が0.913g/cmであるポリエチレン(PE−1)を製造した。
・PE−2:
カーネル(登録商標)KS571(日本ポリエチレン社製、エチレン−ヘキセン共重合体、MFR:12g/10分(190℃、2.16kg荷重)、密度:0.907g/cm)を使用した。
・PE−3:
PE−1とは異なるメタロセン触媒及びプロセスを使用して、エチレンと1−ヘキセンの共重合を行ない、温度190℃、荷重2.16kで測定されるMFRが28g/10分、密度が0.906g/cmであるポリエチレンを製造した。
[触媒マスターバッチ(MB)]
・触媒MB:LZ082(三菱化学社製、錫触媒(ジオクチル錫ジラウレート)を下記物性の線状低密度ポリエチレン中に1質量%含有するもの)を使用した。
(線状低密度ポリエチレンの物性)
MFR:4g/10分(190℃、2.16kg荷重)
密度:0.900g/cm
融点:90℃
[測定・評価方法]
各種物性、特性の測定・評価方法は以下の通りである。
<ポリエチレン及び変性ポリエチレンの測定>
(融点)
日立ハイテクサイエンス社製の示差走査熱量計、商品名「DSC6220」を用いて、JIS K7121(2010)に準じて、試料約5mgを加熱速度100℃/分で20℃から200℃まで昇温し、200℃で3分間保持した後、冷却速度10℃/分で−10℃まで降温し、その後、加熱速度10℃/分で200℃まで昇温した時に測定されたサーモグラムから補外ピーク終了点(℃)を算出し融点とした。
(密度)
JIS K7112(1999)A法に準拠して、射出成形した厚さ2mm、長さ40mm、幅15mmの試験片を用い、水中置換法にて測定した。
(不飽和末端量)
試料300mgをo−ジクロロベンゼン/重水素化臭化ベンゼン(CBr)=4/1(体積比)2.4ml及び化学シフトの基準物質であるヘキサメチルジシロキサンと共に内径10mmφのNMR試料管に入れて窒素置換した後封管し、加熱溶解して均一な溶液としてNMR測定に供した。
NMR測定は10mmφのクライオプローブを装着したブルカー・バイオスピン社製のNMR装置AVANCE III400を用いた。H−NMRの測定条件は試料の温度120℃、パルス角4.5°、パルス間隔2秒、積算回数256回とした。
主鎖の合計1000個の炭素原子あたりの不飽和結合量はH−NMRスペクトルのシグナル強度を用い、以下の式から求めた。
ビニリデン個数(個/主鎖1000C)=Ivd×1000/Itotal
ビニル個数(個/主鎖1000C)=Ivi×1000/Itotal
ここで、Ivi、Ivdはそれぞれ、以下の式で示される量である。
Ivi=(I5.08〜4.84+I5.89〜5.69)/3
Ivd=(I4.82〜4.68)/2
Iは積分強度を、Iの下つき添字の数値は化学シフトの範囲を示す。
例えばI5.08〜4.84は5.08ppmと4.84ppmの間に検出したプロトンシグナルの積分強度を示す。
なお、化学シフトはヘキサメチルジシロキサンのプロトンシグナルを0.09ppmとして設定し、他のプロトンによるシグナルの化学シフトはこれを基準とした。
表1中、単位「個/主鎖1000C」は「個/1000C」と表記する。
(メルトフローレート(MFR))
JIS K7210(1999)に準拠して、190℃、2.16kg荷重にて測定した。
(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による分子量及び分子量分布の測定)
下記の条件により測定した。
《測定条件》
使用機種:日本ウォーターズ社製Alliance GPCV2000型
測定温度:145℃
溶媒:オルトジクロロベンゼン(ODCB)
カラム:昭和電工社製Shodex HT−806M×2本+同 HT−G
流速:1.0mL/分
注入量:0.3mL
《試料の調製》
4mLバイアル瓶に試料3mg及びオルトジクロロベンゼン(0.1mg/mLの1,2,4−トリメチルフェノールを含む)3mLを秤り採り、樹脂製スクリューキャップ及びテフロン(登録商標)製セプタムで蓋をした後、温度150℃に設定したセンシュー科学社製SSC−9300型高温振とう機を用いて2時間溶解を行う。溶解終了後、不溶成分がないことを目視で確認する。
《較正曲線の作成》
4mLガラス瓶を4本用意し、それぞれに下記(1)〜(4)の組み合わせの単分散ポリスチレン標準試料又はn−アルカンを0.2mgずつ秤り採り、続いてオルトジクロロベンゼン(0.1mg/mLの1,2,4−トリメチルフェノールを含む)3mLを秤り採り、樹脂製スクリューキャップ及びテフロン(登録商標)製セプタムで蓋をした後、温度150℃に設定したセンシュー科学社製SSC−9300型高温振とう機を用いて2時間溶解を行う。
(1)Shodex S−1460,同S−66.0,n−エイコサン
(2)Shodex S−1950,同S−152,n−テトラコンタン
(3)Shodex S−3900,同S−565,同S−5.05
(4)Shodex S−7500,同S−1010,同S−28.5
試料溶液が入ったバイアル瓶を装置にセットし、前述の条件にて測定を行い、サンプリング間隔1秒でクロマトグラム(保持時間とび示差屈折計検出器の応答のデータセット)を記録する。得られたクロマトグラムから各ポリスチレン標準試料の保持時間(ピーク頂点)を読み取り、分子量の対数値に対してプロットする。ここで、n−エイコサン及びn−テトラコンタンの分子量は、それぞれ600及び1200とする。このプロットに非線形最小自乗法を適用し、得られた4次曲線を較正曲線とする。
《分子量の計算》
前述の条件にて測定を行い、サンプリング間隔1秒でクロマトグラムを記録する。
このクロマトグラムから、森定雄著「サイズ排除クロマトグラフィー」(共立出版)第4章p.51〜60に記載の方法で微分分子量分布曲線及び平均分子量値(Mn、Mw及びMz)を算出する。但し、dn/dcの分子量依存性を補正するため、クロマトグラムにおけるベースラインからの高さHを下記の式にて補正する。クロマトグラムの記録(データ取り込み)及び平均分子量計算は、Microsoft社製OS Windows(登録商標)XPをインストールしたPC上で自社製プログラム(Microsoft製Visual Basic6.0で作成)を用いて行う。
H’=H/[1.032+189.2/M(PE)]
なお、ポリスチレンからポリエチレンへの分子量変換は、下記の式を用いる。
M(PE)=0.468×M(PS)
<変性ポリエチレンの測定・評価>
(変性量)
シラン変性ポリエチレンを加熱燃焼させ灰化し、灰分をアルカリ融解して純水に溶解後定量し、高周波プラズマ発光分析装置(島津製作所社製ICPS7510)を用いてICI発光分析法によりグラフト変性により導入された不飽和シラン化合物量の定量を行った。
<シラン架橋ポリエチレンの評価>
(ゲル分率)
キシレン沸点にて10時間ソックスレー抽出した後の不溶分の質量%を測定した。
(圧縮永久歪み)
射出成形した厚さ2mmのシート成形品を直径30mmの円形状に打ち抜き、これを6枚重ね、JIS K6262(2013)に準拠して、スペーサーにより25%圧縮した状態で、23℃で24時間、次いで表1に示す試験温度(70℃)で22時間熱処理を行い、圧縮をとき、処理後23℃の恒温室に30分放置した後、厚さを測定し、圧縮永久歪み(CS:単位%)を計算した。圧縮永久歪みの値は低い方が良好である。
(ビカット軟化温度)
180℃・50kgfで圧縮成形した後、30℃・50kgfで10分間冷却させ作製した厚さ4mm、150mm×150mmの平板より、厚さ4mm、10mm×30mmの角柱を切り出し、JIS K7206 A50法(2016)に準拠して測定した。
(総合評価)
三次元網状構造体の適合性として、ゲル分率が60質量%以上、70℃の圧縮永久歪みが70%以上、ビカット軟化温度が90℃以上のものを良好「○」、それ以外のものを不良「×」とした。
[実施例及び比較例]
<実施例1>
ポリエチレンとしてPE−1を100質量部、不飽和シラン化合物としてビニルトリメトキシシラン(VTMOS)2.0質量部と、有機過酸化物としてジクミルパーオキサイド0.05量部をブレンダーにて攪拌した。その後、温度220℃に設定された二軸スクリュー押出機(池貝社製、PCM45)に投入し、ノズルより出てきたストランドを水槽にて冷却固化させた後にペレット状にカッティングして変性ポリエチレン−Aを得た。得られた変性ポリエチレン−Aの物性を表1に示す。
上記で得られた変性ポリエチレン−A100質量部に対して、触媒MBとしてLZ082を5質量部加えて変性ポリエチレン組成物−Aを得た。これを射出成形機により200℃の条件下で成形し、80℃の温水に24時間浸してシラン架橋ポリエチレン−Aよりなる厚さ2mmのシート状成形品を製造した。得られたシラン架橋ポリエチレン−Aのゲル分率、圧縮永久歪み、ビカット軟化温度を評価した。結果を表1に示す。
<実施例2>
不飽和シラン化合物としてビニルトリメトキシシラン(VTMOS)3.0質量部と、有機過酸化物としてジクミルパーオキサイド0.1質量部を用いた以外は、実施例1と同様な操作を行い、変性ポリエチレン−Bを得た。変性ポリエチレン−Bを用い実施例1と同様な操作を行い変性ポリエチレン組成物−Bを製造し、更に、シラン架橋ポリエチレン−Bを製造した。
変性ポリエチレン−B及びシラン架橋ポリエチレン−Bについて評価を行った結果を表1に示す。
<比較例1>
ポリエチレンとしてPE−2を100質量部用い、VTMOS、有機過酸化物を用いない以外は、実施例1と同様の操作を行い、非変性ポリエチレン−Cを得た。非変性ポリエチレン−Cを用い、触媒MB:LZ082を用いない以外は実施例1と同様の操作を行い変性ポリエチレン組成物−Cを製造し、更に、非架橋ポリエチレン−Cを製造した。
非変性ポリエチレン−C及び非架橋ポリエチレン−Cについて評価を行った結果を表1に示す。
<比較例2>
ポリエチレンとしてPE−2を100質量部用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、変性ポリエチレン−Dを得た。変性ポリエチレン−Dを用い実施例1と同様の操作を行い変性ポリエチレン組成物−Dを製造し、更に、シラン架橋ポリエチレン−Dを製造した。変性ポリエチレン−D及びシラン架橋ポリエチレン−Dについて評価を行った結果を表1に示す。
<比較例3>
ポリエチレンとしてPE−3を100質量部用い、不飽和シラン化合物としてビニルトリメトキシシラン(VTMOS)3.0質量部と、有機過酸化物としてジクミルパーオキサイド0.1質量部を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、変性ポリエチレン−Eを得た。変性ポリエチレン−Eを用い実施例1と同様の操作を行い変性ポリエチレン組成物−Eを製造し、更に、シラン架橋ポリエチレン−Eを製造した。変性ポリエチレン−E及びシラン架橋ポリエチレン−Eについて評価を行った結果を表1に示す。
<比較例4>
VTMOS、有機過酸化物を用いない以外は、実施例1と同様の操作を行い、非変性ポリエチレン−Fを得た。非変性ポリエチレン−Fを用い、触媒MB:LZ082を用いない以外は実施例1と同様の操作を行い非変性ポリエチレン組成物−Fを製造し、更に、非架橋ポリエチレン−Fを製造した。非変性ポリエチレン−F及び非架橋ポリエチレン−Fについて評価を行った結果を表1に示す。
Figure 2018104495
上記の結果より次のことが分かる。
実施例1〜2に示すように、不飽和末端であるビニル量、ビニリデン量がそれぞれ0.1(個/主鎖1000C)以下であるポリエチレンを原料とした変性ポリエチレンを用いたシラン架橋ポリエチレンはヘタリの指標となる70℃における圧縮永久歪みにおいて歪みが小さく良好な結果を示し、また、耐熱変形の指標となるビカット軟化温度も上昇しており良好となっている。また、実施例1,2に示されるように本発明の変性ポリエチレンは圧縮永久歪が小さいため、耐久性、耐熱性に優れることが分かる。更に実施例1〜2は流動性に優れるため、樹脂圧が低いなど優れた成形性を期待できる。
一方、比較例2,3のように、不飽和末端であるビニル量、ビニリデン量がそれぞれ0.1個/主鎖1000C超であるポリエチレンを原料として用いると、シラン変性、シラン架橋を行っても圧縮永久歪は大きく、ビカット軟化温度も低いものとなる。このため歪が残りやすく耐久性、及び耐熱性に劣る。
比較例1,4は、シラン変性、シラン架橋を行っていないものであり、圧縮永久歪みも、ビカット軟化温度も劣る。
以上のことから、不飽和末端であるビニル量、ビニリデン量がそれぞれ0.1(個/主鎖1000C)以下であるポリエチレンを原料としたシラン変性ポリエチレンを用いて、圧縮永久歪みが小さく形状復元性に優れ、かつ、耐熱変形性にも優れるシラン架橋ポリエチレンを製造することができることが分かる。
本発明の変性ポリエチレンは耐久性、耐熱性に優れるため、加温条件下でも圧縮永久歪みが小さく、電気毛布等の電気寝具の使用によるヘタリや変形が発生しにくいシラン架橋ポリエチレンを与えることができる。このため、本発明の変性ポリエチレン、変性ポリエチレン組成物及びシラン架橋ポリエチレンは、家具、ベッド用マット、枕等の寝具;車両用、船舶用座席等のクッション材の構成材料として好適に用いることができる。

Claims (8)

  1. 核磁気共鳴装置(H−NMR)で測定されるポリエチレンの不飽和末端量が下記(a)及び(b)の条件を満たし、かつJIS K7210(1999)に準拠して190℃、荷重2.16kgの条件で測定されるメルトフローレート(MFR)が1〜50g/10分であり、示差走査熱量計(DSC)で測定される融点のピークの1つが105℃以上であるポリエチレンに、不飽和シラン化合物が0.1〜5質量%グラフト変性された三次元網状構造体用変性ポリエチレン。
    (a)ビニル数 :0.1(個/主鎖1000C)以下
    (b)ビニリデン数:0.1(個/主鎖1000C)以下
  2. 前記不飽和シラン化合物が下記式(1)で表される化合物である、請求項1に記載の三次元網状構造体用変性ポリエチレン。
    RSi(R’) …(1)
    (式(1)中、Rはエチレン性不飽和炭化水素基であり、R’は互いに独立して炭素数1〜10の炭化水素基又は炭素数1〜10のアルコキシ基であり、R’のうちの少なくとも1つは炭素数1〜10のアルコキシ基である。)
  3. 前記ポリエチレンの密度が0.890〜0.935g/cmである、請求項1又は2に記載の三次元網状構造体用変性ポリエチレン。
  4. 前記ポリエチレンがゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が3.0超である、請求項1乃至3のいずれかに記載の三次元網状構造体用変性ポリエチレン。
  5. 前記ポリエチレンのDSCで測定される融点のピークが2つ以上ある、請求項1乃至4のいずれかに記載の三次元網状構造体用変性ポリエチレン。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の変性ポリエチレンとシラノール縮合触媒とを含む三次元網状構造体用変性ポリエチレン組成物。
  7. 請求項6に記載の三次元網状構造体用変性ポリエチレン組成物を成形してなる成形体。
  8. 請求項6に記載の三次元網状構造体用変性ポリエチレン組成物を架橋反応させてなるシラン架橋ポリエチレン。
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