JP2018104095A - ボトル缶 - Google Patents

ボトル缶 Download PDF

Info

Publication number
JP2018104095A
JP2018104095A JP2017245233A JP2017245233A JP2018104095A JP 2018104095 A JP2018104095 A JP 2018104095A JP 2017245233 A JP2017245233 A JP 2017245233A JP 2017245233 A JP2017245233 A JP 2017245233A JP 2018104095 A JP2018104095 A JP 2018104095A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bottle
curved surface
convex curved
grounding
axis
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017245233A
Other languages
English (en)
Inventor
孝太朗 島田
Koutarou Shimada
孝太朗 島田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Altemira Can Co Ltd
Original Assignee
Universal Can Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Universal Can Corp filed Critical Universal Can Corp
Publication of JP2018104095A publication Critical patent/JP2018104095A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】ボトムリフォーム加工等の後加工を必要とすることなく耐圧強度を確保することができ、これにより製造設備や製造工程を増大させることなく缶を薄肉化できるボトル缶を提供する。【解決手段】缶胴3と缶底2とを備えた有底筒状のボトル缶1であって、缶底2の環状凸部10は、下方へ向けて最も突出した接地部11と、接地部11の径方向の内側に連設され、上方に向かうに従い徐々に径方向の内側へ向けて傾斜するカウンタ部12と、接地部11の径方向の外側に連設され、上方に向かうに従い徐々に径方向の外側へ向けて傾斜するヒール部13と、を備え、缶胴3の直径D1が、65〜67mmであり、接地部11の直径D2が、47〜49mmであり、接地部11からドーム部9までの缶軸C方向の最大高さH1が、10.5〜12mmであり、缶軸Cを含む当該ボトル缶1の縦断面視において、カウンタ部12が缶軸Cに対して傾斜する角度θが、4〜8°である。【選択図】図2

Description

本発明は、板厚を薄くして軽量化を図っても、ボトムリフォーム加工等の後加工を施すことなく耐圧強度を維持することが可能なボトル缶に関する。
従来、例えば下記特許文献1に示されるようなボトル缶が知られている。
ボトル缶は、アルミニウム合金材料からなる圧延材(板材)を打ち抜き加工して円板状のブランクとし、該ブランクにカッピング加工を施してカップ状体とし、該カップ状体にDI加工(絞りしごき加工)を施して有底筒状のDI缶とし、該DI缶にネッキング加工、ねじ成形加工、カール加工、スロットル加工等を施すことによりボトル状に製缶される。なお、「DI」とはDrawing&Ironingの略称である。
ボトル缶には、飲料等の内容物が充填され、その開口端部にキャップが取り付けられて密封される。
ところで近年、CO排出量削減等環境保護の観点から、使用する原材料の削減による、アルミニウム缶の軽量化の要請が強くなっている。具体的には、0.1g以上(約1%以上)の缶重量削減を目指した軽量缶の開発が必要とされている。一缶あたり、0.1gの削減でも、アルミニウム缶市場年間180億缶に適用できれば、大きな環境負荷低減が達成できる。
ボトル缶を軽量化するにあたっては、缶の板厚(肉厚)を薄くすることが効果的であるが、単純に肉厚を薄くすると、ボトムグロースやバックリング等の問題が生じる。ボトムグロースとは、内容物が封入された缶の内圧の上昇等により缶底の環状凸部(リム)が変形する現象である。ボトムグロースが発生すると、缶の高さ(缶軸方向の全長)が変化して製造、出荷の不具合の原因となる。またバックリングとは、缶の内圧が耐圧強度を超えたときに、缶底のドーム部が反転してしまう現象である。
このような缶底の変形を防止する目的で、例えば下記特許文献3に示されるようなボトムリフォーム加工(ボトムプロファイルリフォーマー加工、BPR加工)が提案されている。
特開2009−292480号公報 特開2015−214343号公報 特開2016−43991号公報
しかしながら、従来、ボトル缶を薄肉化しつつ耐圧強度を十分に確保するには、ボトムリフォーム加工等の後加工が必要であり、製造設備や製造工程の増大が避けられなかった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、ボトムリフォーム加工等の後加工を必要とすることなく耐圧強度を確保することができ、これにより製造設備や製造工程を増大させることなく缶を薄肉化できるボトル缶を提供することを目的としている。
本発明の一態様は、缶胴と缶底とを備えた有底筒状のボトル缶であって、前記缶胴は、缶軸方向に沿って前記缶底から前記缶胴の開口端部側へ向かう方向である上方へ向かうに従い徐々に縮径するネック部と、前記ネック部の上方に連設された口金部と、を備え、前記缶底は、缶軸方向に沿って前記開口端部から前記缶底側へ向かう方向である下方へ向けて突出するとともに、缶軸回りの周方向に沿って延びる環状凸部と、前記環状凸部の缶軸に直交する径方向の内側に連設され、上方へ向けて窪むドーム部と、を備え、前記環状凸部は、下方へ向けて最も突出した接地部と、前記接地部の径方向の内側に連設され、上方に向かうに従い徐々に径方向の内側へ向けて傾斜するカウンタ部と、前記接地部の径方向の外側に連設され、上方に向かうに従い徐々に径方向の外側へ向けて傾斜するヒール部と、を備え、前記缶胴の直径が、65〜67mmであり、前記接地部の直径が、47〜49mmであり、前記接地部から前記ドーム部までの缶軸方向の最大高さが、10.5〜12mmであり、缶軸を含む当該ボトル缶の縦断面視において、前記カウンタ部が缶軸に対して傾斜する角度が、4〜8°であることを特徴とする。
本発明のボトル缶は、缶胴の直径(外径)が65〜67mmであり、当業者が「211径」と呼ぶ缶胴外径を有するボトル缶である。そして、缶底の環状凸部(リム)において最も下方に突出させられた接地部(ノーズ部)の直径が、47〜49mmであり、接地部の直径については従来のボトル缶よりも小さく設定されている。また、接地部から、ドーム部において最も上方に窪まされた頂端までの缶軸方向の高さ(最大高さ)が、10.5〜12mmであり、ドーム部の高さについては従来のボトル缶よりも大きく設定されている。
このように接地部の直径が小さく、かつドーム部の高さが大きいことで、ボトル缶の耐圧強度が高められており、ボトムグロースやバックリング等の不具合を防止できる。このため本発明のボトル缶によれば、板厚(肉厚)を薄くして軽量化を図りつつも、缶底にボトムリフォーム加工を施すことなく、耐圧強度を十分に確保することができる。
ただし、例えば2ピース缶(円筒状をなす缶胴の開口端部にプルタブ方式の缶蓋が巻き締められた缶)等に比べて、一般にボトル缶は重心位置が高いことから、単純に接地部の直径を小さくした場合には、搬送時に缶が倒れるなどして生産性に影響する。そこで本発明では、ボトル缶の搬送時の安定性を良好に維持できるよう、接地部の直径を47mm以上とした。また、ボトル缶の耐圧強度を十分に確保できるよう、接地部の直径を49mm以下とした。
ドーム部の高さについては、10.5mm以上とすることにより耐圧強度を十分に確保することができる。ただし、単純にドーム部の高さを高くするのみでは、缶底に環状凸部を成形する際に、該環状凸部のうち接地部の径方向内側に位置するカウンタ部の肉厚が薄くなり過ぎて切れてしまう現象が生じ、成形が難しい。そこで本発明では、ドーム部の高さについては12mm以下とし、かつ、ボトル缶の縦断面視においてカウンタ部が缶軸に対して傾斜する角度を、4〜8°とした。
詳しくは、ドーム部の高さを12mm以下とするのみでは、カウンタ部の成形時の材料切れ等の成形不良を安定的に防止することは難しいため、前記角度を4°以上とすることで、カウンタ部の傾斜が急になり過ぎる(立ち過ぎる)ことを抑えるとともに、成形時の材料の流れ込み量を確保している。これにより、カウンタ部が薄肉化し過ぎることによる材料切れ等の成形不良を確実に防止することができる。また、前記角度が4°以上であることで、缶内面への塗料の噴霧時に、環状凸部のカウンタ部から突端(接地部)近傍まで塗料を安定して行き渡らせやすくなる。特にこの種のボトル缶においては、例えばビール飲料等の酒類が充填される2ピース缶等に比べて、缶内面全体に塗料を確実にかつ安定して塗布することが要求されている。
また、前記角度を8°以下とすることで、カウンタ部の傾斜が緩くなり過ぎる(寝過ぎる)ことを抑えて、缶底の耐圧性能を良好に維持することができる。
以上より本発明のボトル缶によれば、ボトムリフォーム加工等の後加工を必要とすることなく耐圧強度を確保することができ、これにより製造設備や製造工程を増大させることなく缶を薄肉化できる。また耐圧強度が高められるため、缶の材料の選定幅(選択の自由度)が広がる。そして本発明は、ボトル缶の耐圧性能、成形性、搬送性、生産性のすべてを満足することができる。
また、上記ボトル缶において、前記縦断面視で、前記環状凸部のうち、前記接地部の径方向内側に隣接配置された内側凸曲面部の曲率半径に比べて、前記接地部の径方向外側に隣接配置された外側凸曲面部の曲率半径が大きいことが好ましい。
この場合、ボトル缶の縦断面視において、環状凸部のうち接地部の径方向外側に隣接する外側凸曲面部の曲率半径が大きくされているので、搬送時における缶底の滑り性が良好に維持され、安定してボトル缶を搬送することができる。また、外側凸曲面部の曲率半径が大きいため、該外側凸曲面部が形成されたヒール部と、該ヒール部の上方に位置する缶胴と、の接続部分を、従来のボトル缶よりも缶軸方向の下方に配置することができ、これにより缶胴の印刷領域(缶外面の表示領域)を広く確保できる。また、上述したように本発明ではドーム部の高さを大きく確保しているため、その分、ボトル缶の内容量は少なくなる。そこで上記構成とすることにより、ヒール部と缶胴との接続部分を従来のボトル缶よりも缶軸方向の下方に配置して、その分ボトル缶の内容量を増やすことが可能になる。これにより、ボトル缶の缶軸方向の全長(高さ)を大きくすることなく、内容量を従来通りに維持することができる。
また、環状凸部のうち接地部の径方向内側に隣接する内側凸曲面部の曲率半径が小さくされているので、缶底の耐圧強度のさらなる向上を図ることができる。
また、上記ボトル缶において、前記縦断面視で、前記内側凸曲面部の曲率半径の中心と、前記外側凸曲面部の曲率半径の中心とが、缶軸に平行な所定の仮想直線上に位置していることが好ましい。
この場合、缶軸に平行な所定の(同一の)仮想直線上において、環状凸部の内側凸曲面部と外側凸曲面部とが互いに接するように接続される。詳しくは、前記所定の仮想直線は環状凸部の接地部を通っており、該接地部において内側凸曲面部と外側凸曲面部とが、缶軸に直交して延びる共通の接線を有するように滑らかにかつ直接的に接続される。このため、環状凸部の接地部が平面状に形成されることはなく、接地部は下方へ向けた凸曲面形状に形成されて、ボトル缶を載置する載置面に対して線接触させられる(ボトル缶の縦断面視においては点接触となる)。従って、ボトル缶の搬送時の摩擦抵抗が小さく抑えられて、滑り性が良好に維持される。
また、上記ボトル缶において、前記接地部から前記缶胴の下方の端縁までの缶軸方向の高さが、7〜8mmであることが好ましい。
上述したように本発明ではドーム部の高さを大きく確保しているため、その分、ボトル缶の内容量は少なくなる。そこで上記構成では、接地部から缶胴の下方の端縁までの缶軸方向の高さを7〜8mmとし、つまりヒール部の前記高さを従来のボトル缶よりも小さくした。これにより、ボトル缶の缶軸方向の全長(高さ)を大きくすることなく、内容量を十分に確保することができる。また、ヒール部の高さを小さくした分だけ、缶胴の缶軸方向の長さを大きくできるので、缶胴の印刷領域(表示領域)を広く確保することができる。
また、上記ボトル缶において、前記ヒール部は、前記接地部の径方向外側に隣接配置された外側凸曲面部と、前記缶胴の下方に隣接配置された上方凸曲面部と、前記外側凸曲面部と前記上方凸曲面部とを接続するヒールテーパー部と、を備え、前記縦断面視において、前記ヒールテーパー部は、上方に向かうに従い徐々に径方向外側へ向けて傾斜する直線状をなしていることが好ましい。
この場合、ボトル缶の縦断面視でヒールテーパー部が直線状に形成されることから、ボトル缶製造装置において、缶(ワークのDI缶)に各種の成形加工を施す際に、ボトル缶製造装置に設けられて缶の底部をチャッキングする缶保持具(チャック)によって、缶底を確実にかつ安定して保持することができる。
また、例えば2ピース缶とは異なり、ボトル缶においては、ヒールテーパー部の形状にスタッキング性(缶を積み重ねた際の安定性)を考慮する必要がないため、ボトル缶の縦断面視においてヒールテーパー部を直線状に形成することが可能となる。言い換えると、2ピース缶に対して上記構成を適用することは、スタッキング性を考慮して、当業者であれば通常行わない。
さらに、ボトル缶の縦断面視において、ヒールテーパー部を直線状に形成することにより、接地部の径方向外側に隣接配置した外側凸曲面部の曲率半径を大きく設定することが可能になる。これにより、上述した格別顕著な作用効果(搬送安定性の向上、缶胴の印刷領域の拡大、ボトル缶の内容量の増大等)が得られる。
また、上記ボトル缶において、前記缶底の肉厚が、0.380mm以下であることが好ましい。
この場合、ブランク(ボトル缶の成形前素材である板材)の元板厚が維持される缶底の肉厚が0.380mm以下と確実に薄くされているため、ボトル缶を効果的に軽量化できる。なお、缶の耐圧強度を維持しつつさらなる軽量化を図るには、缶底の肉厚は、好ましくは0.345mm以下であり、望ましくは0.300〜0.340mmである。
また、上記ボトル缶はアルミニウム合金材料を主成分として形成され、0.2%耐力が235〜265N/mmであることが好ましい。
この場合、ボトル缶はアルミボトルであり、例えば205℃で20分間焼成した後の0.2%耐力(AB耐力)が235〜265N/mmであるので、缶の成形性及び耐圧強度が十分に確保される。
本発明のボトル缶によれば、ボトムリフォーム加工等の後加工を必要とすることなく耐圧強度を確保することができ、これにより製造設備や製造工程を増大させることなく缶を薄肉化できる。
ボトル缶の一例を示す半縦断面図である。 ボトル缶の缶底近傍を示す縦断面図である。 図2の缶底における環状凸部の拡大図である。 ボトル缶の製造方法を説明するフローチャートである。 ボトル缶の製造工程における缶の形状の変化を説明する図である。 ボトル缶の缶底近傍の変形例を示す縦断面図である。
以下、本発明の一実施形態に係るボトル缶1について、図面を参照して説明する。なお、本実施形態の説明に用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために、要部となる部分を拡大、強調、抜粋して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際のものと同じであるとは限らない。
本実施形態のボトル缶1は、アルミニウム合金材料を主成分として形成されたアルミボトルである。このボトル缶1の材料強度は、例えば205℃で20分間焼成した後の0.2%耐力(AB耐力)が235〜265N/mmである。
図1ではボトル缶1として、缶軸C方向に沿う全長(つまり缶全高)が133mm程度とされた、当業者が「310B」サイズと呼ぶボトル缶を一例として示しているが、これに限定されるものではない。例えばボトル缶1は、缶全高が164mm程度とされた、当業者が「410B」サイズと呼ぶボトル缶であってもよい。
ボトル缶1は有底筒状をなしており、缶の周壁である缶胴3と、缶の底壁である缶底2と、を備えている。缶胴3の中心軸及び缶底2の中心軸は、互いに同軸に配置されており、本実施形態ではこれらの共通軸を缶軸Cという。
また、缶軸Cが延在する方向(缶軸Cに沿う方向)を缶軸C方向という。缶軸C方向のうち、缶底2から缶胴3の開口端部4側へ向かう方向を上方といい、開口端部4から缶底2側へ向かう方向を下方という。
また、缶軸Cに直交する方向を径方向という。径方向のうち、缶軸Cに接近する向きを径方向の内側といい、缶軸Cから離間する向きを径方向の外側という。
また、缶軸C回りに周回する方向を周方向という。
また、本実施形態でいうボトル缶1の例えば「凹」、「凸」、「窪む」、「突出する」等の各種形状は、特に説明しない限り、ボトル缶1の外面(外部に露出する表面)における各種形状を表している。
また、図1〜図3及び図6に示されるボトル缶1の缶軸Cを含む縦断面視において、ボトル缶1の各部形状の説明に用いる「凹曲線」、「凸曲線」、「直線」、「接線」等の線形状は、特に説明しない限り、ボトル缶1の外面を構成する各種の線形状を表している。
図1において缶胴3は、その開口端部4以外の部位に形成された胴部5と、開口端部4に形成されたネック部6及び口金部7と、を備える。
胴部5は、缶軸C方向に沿って略一定の外径とされた円筒状をなしており、缶胴3における最大径部分である。図2において、缶胴3の胴部5の直径(外径)D1は、65〜67mmである。
図1においてネック部6は、胴部5の上方に連設されており、缶軸C方向に沿って缶底2から開口端部4側(つまり上方)へ向かうに従い徐々に縮径して形成されている。口金部7は、ネック部6の上方に連設されており、ねじ成形部8が形成されている。口金部7は、缶胴3における最小径部分である。
缶底2は、缶軸C方向に沿って開口端部4から缶底2側(つまり下方)へ向けて突出するとともに、缶軸C回りの周方向に沿って延びる環状凸部(リム)10と、環状凸部10の径方向の内側に連設され、上方へ向けて窪むドーム部9と、を備える。
図2において、環状凸部10は、缶底2において下方へ向けて最も突出した接地部(ノーズ部)11と、接地部11の径方向の内側に連設された内周壁であるカウンタ部12と、接地部11の径方向の外側に連設された外周壁であるヒール部13と、を備えている。
接地部11は、このボトル缶1が不図示のテーブル上面等の載置面に載置されたときに、該載置面に当接する。カウンタ部12は、接地部11から上方に向かうに従い徐々に径方向の内側へ向けて傾斜して形成されている。ヒール部13は、接地部11から上方に向かうに従い徐々に径方向の外側へ向けて傾斜して形成されている。
接地部11の直径D2は、47〜49mmである。接地部11からドーム部9までの缶軸C方向に沿う最大高さ(以下、ドーム部9の高さということがある)H1は、10.5〜12mmである。なお、ドーム部9の高さH1は11mm以下がより好ましい。接地部11から缶胴3の下方の端縁までの缶軸C方向の高さ(以下、ヒール部13の高さということがある)H2は、7〜8mmである。
また、缶底2の肉厚Bは、0.380mm以下である。缶底2の肉厚Bは、好ましくは0.345mm以下であり、望ましくは0.300〜0.340mmである。
ヒール部13は、接地部11の径方向外側に隣接配置された外側凸曲面部14と、缶胴3の下方に隣接配置された上方凸曲面部15と、外側凸曲面部14と上方凸曲面部15とを接続する凹曲面部16と、を備えている。
外側凸曲面部14は、凸曲面状をなしており、ヒール部13の下端部に配置されて、接地部11を介しカウンタ部12に接続している。上方凸曲面部15は、凸曲面状をなしており、ヒール部13の上端部に配置されて、缶胴3の下方の端縁に接続している。凹曲面部16は、凹曲面状をなしており、外側凸曲面部14と上方凸曲面部15との間に配置されて、これらの凸曲面部14、15同士を接続している。図3に示される縦断面視において、ヒール部13の凹曲面部16の曲率半径R3は、例えば10〜30mmである。
図2に示されるボトル缶1の縦断面視において、上方凸曲面部15は、径方向外側及び下方へ向けて(つまり外周側斜め下方へ向けて)突出する凸曲線状をなしている。ボトル缶1の周壁のうち、この縦断面視において上方凸曲面部15がなす凸曲線の曲率半径の中心を通り缶軸Cに垂直な仮想平面(不図示)を基準面として、基準面の下方が缶底2であり、上方が缶胴3である。
ボトル缶1の縦断面視において、外側凸曲面部14は、径方向外側及び下方へ向けて突出する凸曲線状をなしている。図3に示されるボトル缶1の環状凸部10近傍の縦断面視において、外側凸曲面部14の曲率半径R1は、例えば1.2〜2.0mmである。曲率半径R1は、好ましくは1.5〜2.0mmである。またこの縦断面視において、外側凸曲面部14の曲率半径R1の中心O1は、接地部11を通り缶軸Cに平行な所定の仮想直線VL上に位置している。
カウンタ部12は、接地部11の径方向内側に隣接配置された内側凸曲面部17と、ドーム部9の径方向外側に隣接配置された上方凹曲面部18と、内側凸曲面部17と上方凹曲面部18とを接続するカウンタテーパー部19と、を備えている。
内側凸曲面部17は、凸曲面状をなしており、カウンタ部12の下端部に配置されて、接地部11を介しヒール部13に接続している。上方凹曲面部18は、凹曲面状をなしており、カウンタ部12の上端部に配置されて、ドーム部9の外周縁部に接続している。図3に示される縦断面視において、上方凹曲面部18の曲率半径R4は、例えば1.5〜3.0mmである。カウンタテーパー部19は、上方へ向かうに従い徐々に縮径するテーパー面状をなしており、内側凸曲面部17と上方凹曲面部18との間に配置されて、これらの凸曲面部17、凹曲面部18同士を接続している。図2及び図3に示される縦断面視で、カウンタテーパー部19は、上方に向かうに従い徐々に径方向内側へ向けて傾斜する直線状をなしている。
そして、図2及び図3に示される缶軸Cを含むボトル缶1の縦断面視において、カウンタ部12が、缶軸C(図示の例では缶軸Cに平行な所定の仮想直線VL)に対して傾斜する角度θは、4〜8°である。具体的には、カウンタ部12の延長線と、缶軸Cとが交差して形成される鋭角及び鈍角のうち、鋭角の角度θが4〜8°である。角度θは、カウンタ部12のうちカウンタテーパー部19が、缶軸Cに対して傾斜する傾斜角である。
ボトル缶1の縦断面視において、上方凹曲面部18は、径方向外側及び上方へ向けて(つまり外周側斜め上方へ向けて)窪む凹曲線状をなしている。
ボトル缶1の縦断面視において、内側凸曲面部17は、径方向内側及び下方へ向けて(つまり内周側斜め下方へ向けて)突出する凸曲線状をなしている。図3に示されるボトル缶1の環状凸部10近傍の縦断面視において、環状凸部10のうち、接地部11の径方向内側に隣接配置された内側凸曲面部17の曲率半径R2に比べて、接地部11の径方向外側に隣接配置された外側凸曲面部14の曲率半径R1が大きくされている。この縦断面視で、内側凸曲面部17の曲率半径R2は、例えば1.0〜1.7mmである。曲率半径R2は、好ましくは1.2〜1.7mmである。またこの縦断面視において、内側凸曲面部17の曲率半径R2の中心O2は、接地部11を通り缶軸Cに平行な所定の仮想直線VL上に位置している。
図2及び図3に示されるボトル缶1の縦断面視において、ドーム部9の曲率半径R5は、例えば25〜70mmである。ドーム部9は、該ドーム部9の径方向全域にわたって、単一(同一)の曲率半径R5を有していてもよい。また、ドーム部9は、径方向の各部において互いに曲率半径R5が異なっていてもよい。例えばドーム部9は、互いに径方向の位置が異なり、互いに曲率半径が異なる、第1の径方向部分および第2の径方向部分を有する。第1の径方向部分は、第1の曲率半径を有する。第2の径方向部分は、第1の径方向部分よりも径方向内側に配置され、第1の曲率半径よりも大きい第2の曲率半径を有する。缶軸Cは、第2の径方向部分を通る。この場合、ドーム部9の耐圧性能をより高めることができる。
次に、ボトル缶1の製造方法について、製造工程の一例を用いて説明する。
図4に示されるように、ボトル缶1は、板材打ち抜き工程S01、カッピング工程(絞り工程)S02、DI工程(絞りしごき工程)S03、トリミング工程S04、印刷・塗装(缶外面)工程S05、塗装(缶内面)工程S06、ネッキング工程S07、トリミング工程S08、ねじ成形工程S09、カール工程S10及びスロットル工程S11等を経て、製缶される。
板材打ち抜き工程S01では、アルミニウム合金材料からなる圧延材(板材)を打ち抜き加工して、図5(a)に示されるような、円板状のブランクW0を成形する。
カッピング工程(絞り工程)S02では、ブランクW0をカッピングプレスによって絞り加工(カッピング加工)して、図5(b)に示されるようなカップ状体W1に成形する。
DI工程(絞りしごき工程)S03では、DI缶製造装置によってカップ状体W1に再絞り及びしごき加工を施して、図5(c)に示されるように、缶胴3と缶底2とを備えた有底円筒状のDI缶W2を成形する。特に図示していないが、DI缶製造装置は、往復直線運動機構と、往復直線運動機構にラム軸等を介して接続されるパンチと、パンチが挿通される貫通孔が形成された複数のダイスと、最前端のダイスの端面に配置したカップ状体W1内に挿入され、該カップ状体W1の底壁を前記端面に押し付けて固定するカップホルダースリーブと、を備えている。
またDI工程S03において、缶底2には、上述したドーム部9及び環状凸部10がプレス成形される。
DI工程S03を経たDI缶W2は、缶胴3の開口端部4に耳が形成されていて高さが不均一であるので、トリミング工程S04において、トリミング装置を用いて開口端部4のトリミング加工を行い、図5(d)に示されるように、缶胴3の開口端部4の高さが全周にわたって均等に揃えられたDI缶W2とする。
次いで、DI缶W2を洗浄して油分等を除去した後に、表面処理を施して乾燥し、DI缶W2の外面の印刷及び塗装を行い(印刷・塗装(缶外面)工程S05)、DI缶W2の内面の塗装を行う(塗装(缶内面)工程S06)ことにより、図5(e)に示されるようなDI缶W2とする。
DI缶W2の外面への塗装には、ポリエステル系塗料を用いる。外面塗装では、印刷、外面仕上げ塗装が行われる。印刷、外面仕上げ塗装の焼付・乾燥は、同時に行われる。上述したように、ボトル缶1の開口端部4には、ネック部6と、ねじ成形部8を有する口金部7とが形成されているが、これらのネック部6及び口金部7の成形は、塗装工程S05、S06よりも後工程において行われる。ネック部6及び口金部7の成形時には、塗膜に対して強い負荷が作用し、塗膜の焼付が十分でないと開栓性への影響が生じる。このため、DI缶W2への焼付・乾燥の温度は、例えば2ピース缶等に比べて高く設定される。つまり、ボトル缶1は開栓性を良好に維持するために2ピース缶等よりも多くの熱を受けるので、その分、耐圧強度を確保しにくい傾向にある。このような理由等により、当業者が2ピース缶等の周知技術をボトル缶に単純に適用することは困難であった。一方、本実施形態のボトル缶1によれば、上述した特別な構成により耐圧強度を確保することが可能である(本実施形態の詳しい作用効果については後述する)。
また、外面塗装後は、内面塗装と内面塗装の乾燥・焼付が行われる。DI缶W2の内面への塗装は、スプレーノズルによって開口端部4から缶底2へ向けて塗料を噴霧して行われる。噴霧した塗料を乾燥することにより、缶内面に塗膜を形成して耐食性を付与している。
このDI缶W2を、ボトル缶製造装置に移送する。ボトル缶製造装置では、複数種類のダイ加工ツール(ネッキング成形金型)を用いて、缶胴3の開口端部4及びその近傍に段階的にダイ加工(ネッキング加工)を施すことにより、ネック部6及び口金部7を成形する(ネッキング工程S07)。また必要に応じて、複数種類のダイ加工同士の間に、トリミング加工ツールを用いて、高さが不揃いとなった開口端部4のトリミング加工を行う(トリミング工程S08)。これにより、図5(f)に示されるように、缶胴3にネック部6及び口金部7を有するボトル缶W3が成形される。
次いで、缶胴3の口金部7に、ねじ成形加工ツールを用いてねじ成形加工を施す(ねじ成形工程S09)。また口金部7に、カール加工ツールを用いてカール加工を施し(カール工程S10)、スロットル加工ツール(カール潰し加工ツール)を用いてスロットル加工(スロットル工程S11)を施す。
これにより、図5(g)に示されるようなボトル缶1が製缶される。ボトル缶1には、スロットル工程S11よりも後工程において飲料等の内容物が充填され、口金部7にキャップ(不図示)が取り付けられて密封される。
以上説明した本実施形態に係るボトル缶1は、缶胴3の直径(外径)D1が65〜67mmであり、当業者が「211径」と呼ぶ缶胴外径を有するボトル缶である。そして、缶底2の環状凸部10において最も下方に突出させられた接地部11の直径D2が、47〜49mmであり、接地部11の直径D2については従来のボトル缶よりも小さく設定されている。また、接地部11から、ドーム部9において最も上方に窪まされた頂端までの缶軸C方向の高さ(最大高さ)H1が、10.5〜12mmであり、ドーム部9の高さについては従来のボトル缶よりも大きく設定されている。
このように接地部11の直径D2が小さく、かつドーム部9の高さH1が大きいことで、ボトル缶1の耐圧強度が高められており、ボトムグロースやバックリング等の不具合を防止できる。このため本実施形態のボトル缶1によれば、板厚(肉厚)を薄くして軽量化を図りつつも、缶底2にボトムリフォーム加工を施すことなく、耐圧強度を十分に確保することができる。
ただし、例えば2ピース缶(円筒状をなす缶胴の開口端部にプルタブ方式の缶蓋が巻き締められた缶)等に比べて、一般にボトル缶は重心位置が高いことから、単純に接地部11の直径D2を小さくした場合には、搬送時に缶が倒れるなどして生産性に影響する。そこで本実施形態では、ボトル缶1の搬送時の安定性を良好に維持できるよう、接地部11の直径D2を47mm以上とした。また、ボトル缶1の耐圧強度を十分に確保できるよう、接地部11の直径D2を49mm以下とした。
ドーム部9の高さH1については、10.5mm以上とすることにより耐圧強度を十分に確保することができる。ただし、単純にドーム部9の高さH1を高くするのみでは、缶底2に環状凸部10を成形する際に、該環状凸部10のうち接地部11の径方向内側に位置するカウンタ部12の肉厚が薄くなり過ぎて切れてしまう現象が生じ、成形が難しい。そこで本実施形態では、ドーム部9の高さH1については12mm以下とし、かつ、ボトル缶1の縦断面視においてカウンタ部12が缶軸Cに対して傾斜する角度θを、4〜8°とした。
詳しくは、ドーム部9の高さH1を12mm以下とするのみでは、カウンタ部12の成形時の材料切れ等の成形不良を安定的に防止することは難しいため、角度θを4°以上とすることで、カウンタ部12の傾斜が急になり過ぎる(立ち過ぎる)ことを抑えるとともに、成形時の材料の流れ込み量を確保している。これにより、カウンタ部12が薄肉化し過ぎることによる材料切れ等の成形不良を確実に防止することができる。なお、ドーム部9の高さH1が11mm以下であると、カウンタ部12の成形性がより安定する。また、角度θが4°以上であることで、缶内面への塗料の噴霧時に、環状凸部10のカウンタ部12から突端(接地部11)近傍まで塗料を安定して行き渡らせやすくなる。特にこの種のボトル缶1においては、例えばビール飲料等の酒類が充填される2ピース缶等に比べて、缶内面全体に塗料を確実にかつ安定して塗布することが要求されている。
また、角度θを8°以下とすることで、カウンタ部12の傾斜が緩くなり過ぎる(寝過ぎる)ことを抑えて、缶底2の耐圧性能を良好に維持することができる。
以上より本実施形態のボトル缶1によれば、ボトムリフォーム加工等の後加工を必要とすることなく耐圧強度を確保することができ、これにより製造設備や製造工程を増大させることなく缶を薄肉化できる。また耐圧強度が高められるため、缶の材料の選定幅(選択の自由度)が広がる。そして本実施形態は、ボトル缶1の耐圧性能、成形性、搬送性、生産性のすべてを満足することができる。
また本実施形態では、ボトル缶1の縦断面視において、環状凸部10のうち、接地部11の径方向内側に隣接配置された内側凸曲面部17の曲率半径R2に比べて、接地部11の径方向外側に隣接配置された外側凸曲面部14の曲率半径R1が大きいので、下記の作用効果を奏する。
すなわちこの場合、ボトル缶1の縦断面視において、環状凸部10のうち接地部11の径方向外側に隣接する外側凸曲面部14の曲率半径R1が大きくされているので、搬送時における缶底2の滑り性が良好に維持され、安定してボトル缶1を搬送することができる。また、外側凸曲面部14の曲率半径R1が大きいため、該外側凸曲面部14が形成されたヒール部13と、該ヒール部13の上方に位置する缶胴3と、の接続部分を、従来のボトル缶よりも缶軸C方向の下方に配置することができ、これにより缶胴3の印刷領域(缶外面の表示領域)を広く確保できる。また、上述したように本実施形態ではドーム部9の高さH1を大きく確保しているため、その分、ボトル缶1の内容量は少なくなる。そこで上記構成とすることにより、ヒール部13と缶胴3との接続部分を従来のボトル缶よりも缶軸C方向の下方に配置して、その分ボトル缶1の内容量を増やすことが可能になる。これにより、ボトル缶1の缶軸C方向の全長(高さ)を大きくすることなく、内容量を従来通りに維持することができる。
また、環状凸部10のうち接地部11の径方向内側に隣接する内側凸曲面部17の曲率半径R2が小さくされているので、缶底2の耐圧強度のさらなる向上を図ることができる。
また本実施形態では、ボトル缶1の縦断面視において、内側凸曲面部17の曲率半径R2の中心O2と、外側凸曲面部14の曲率半径R1の中心O1とが、缶軸Cに平行な所定の仮想直線VL上に位置しているので、下記の作用効果を奏する。
すなわちこの場合、缶軸Cに平行な所定の(同一の)仮想直線VL上において、環状凸部10の内側凸曲面部17と外側凸曲面部14とが互いに接するように接続される。詳しくは、所定の仮想直線VLは環状凸部10の接地部11を通っており、該接地部11において内側凸曲面部17と外側凸曲面部14とが、缶軸Cに直交して延びる共通の接線を有するように滑らかにかつ直接的に接続される。このため、環状凸部10の接地部11が平面状に形成されることはなく、接地部11は下方へ向けた凸曲面形状に形成されて、ボトル缶1を載置する載置面に対して線接触させられる(ボトル缶1の縦断面視においては点接触となる)。従って、ボトル缶1の搬送時の摩擦抵抗が小さく抑えられて、滑り性が良好に維持される。
また本実施形態では、接地部11から缶胴3の下方の端縁までの缶軸C方向の高さH2が、7〜8mmであるので、下記の作用効果を奏する。
すなわち、上述したように本実施形態ではドーム部9の高さH1を大きく確保しているため、その分、ボトル缶1の内容量は少なくなる。そこで上記構成では、接地部11から缶胴3の下方の端縁までの缶軸C方向の高さH2を7〜8mmとし、つまりヒール部13の高さH2を従来のボトル缶よりも小さくした。これにより、ボトル缶1の缶軸C方向の全長(高さ)を大きくすることなく、内容量を十分に確保することができる。また、ヒール部13の高さH2を小さくした分だけ、缶胴3の缶軸C方向の長さを大きくできるので、缶胴3の印刷領域(表示領域)を広く確保することができる。
また本実施形態では、缶底2の肉厚Bが、0.380mm以下である。つまり、ブランク(ボトル缶1の成形前素材である板材)W0の元板厚が維持される缶底2の肉厚Bが0.380mm以下と確実に薄くされているため、ボトル缶1を効果的に軽量化できる。なお、缶の耐圧強度を維持しつつさらなる軽量化を図るには、缶底2の肉厚Bは、好ましくは0.345mm以下であり、望ましくは0.300〜0.340mmである。
また本実施形態では、ボトル缶1がアルミニウム合金材料を主成分として形成されたアルミボトルであり、例えば205℃で20分間焼成した後の0.2%耐力(AB耐力)が235〜265N/mmであるので、缶の成形性及び耐圧強度が十分に確保される。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、例えば下記に説明するように、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
前述の実施形態では、接地部11から缶胴3の下方の端縁までの缶軸C方向の高さ(ヒール部13の高さ)H2が7〜8mmであるとしたが、これに限定されるものではない。ヒール部13の高さH2は、7mmより小さくてもよく、8mmより大きくてもよい。
また、缶底2の肉厚Bが0.380mm以下であるとしたが、肉厚Bは、0.380mmより大きくてもよい。
また、ボトル缶1の材料強度は、例えば205℃で20分間焼成した後の0.2%耐力(AB耐力)が235〜265N/mmであるとしたが、これに限定されるものではない。
また図6は、前述の実施形態で説明したボトル缶1の変形例を表している。この変形例では、環状凸部10のヒール部13が、外側凸曲面部14と、上方凸曲面部15と、外側凸曲面部14と上方凸曲面部15とを接続するヒールテーパー部20と、を備えている。ヒールテーパー部20は、上方へ向かうに従い徐々に拡径するテーパー面状をなしており、外側凸曲面部14と上方凸曲面部15との間に配置されて、これらの凸曲面部14、15同士を接続している。図6に示されるように、缶軸Cを含むボトル缶1の縦断面視において、ヒールテーパー部20は、上方に向かうに従い徐々に径方向外側へ向けて傾斜する直線状をなしている。
この変形例によれば、ボトル缶1の縦断面視でヒールテーパー部20が直線状に形成されることから、ボトル缶製造装置において、缶(ワークのDI缶W2)に各種の成形加工を施す際に、ボトル缶製造装置に設けられて缶の底部をチャッキングする缶保持具(チャック)によって、缶底2を確実にかつ安定して保持することができる。
また、例えば2ピース缶とは異なり、ボトル缶1においては、ヒールテーパー部20の形状にスタッキング性(缶を積み重ねた際の安定性)を考慮する必要がないため、ボトル缶1の縦断面視においてヒールテーパー部20を直線状に形成することが可能となる。言い換えると、2ピース缶に対して上記構成を適用することは、スタッキング性を考慮して、当業者であれば通常行わない。
さらに、ボトル缶1の縦断面視において、ヒールテーパー部20を直線状に形成することにより、接地部11の径方向外側に隣接配置した外側凸曲面部14の曲率半径R1を大きく設定することが可能になる。これにより、上述した格別顕著な作用効果(搬送安定性の向上、缶胴3の印刷領域の拡大、ボトル缶1の内容量の増大等)が得られる。
その他、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において、前述の実施形態、変形例及びなお書き等で説明した各構成(構成要素)を組み合わせてもよく、また、構成の付加、省略、置換、その他の変更が可能である。また本発明は、前述した実施形態によって限定されることはなく、特許請求の範囲によってのみ限定される。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。ただし本発明はこの実施例に限定されるものではない。
本発明の実施例1〜6として、前述した実施形態のボトル缶1を用意した。具体的には、実施例1〜6のボトル缶1として、接地部11の直径D2が47〜49mmであり、ドーム部9の高さH1が10.5〜12mmであり、カウンタ部12の傾斜角θが4〜8°であるものを用いた。また、従来の比較例1〜3のボトル缶として、カウンタ部12の傾斜角θが4〜8°でないもの(比較例1、2)、接地部11の直径D2が47〜49mmでないもの(比較例2)、ドーム部9の高さH1が10.5〜12mmでないもの(比較例3)を用意した。
上記以外の、外側凸曲面部14の曲率半径R1、内側凸曲面部17の曲率半径R2、缶底2の肉厚B(ブランクW0の元板厚)、ボトル缶1の缶軸C方向の全長(全高)については、下記表1の通りとした。また、缶胴3の直径D1は、すべての缶について66mmとした。
そして、各ボトル缶の仕様にて、10缶ずつ耐圧強度の試験を行い評価を行った。なお、評価の基準は下記の通りとした。
・「OK」…試験した10缶すべてについて、耐圧強度が−3σでも657kPaをクリアした。
・「NG」…試験した10缶のうち少なくとも1つ以上において、耐圧強度が−3σで657kPaをクリアできない(ボトムグロースやバックリングが生じた)ものがあった。
Figure 2018104095
表1の結果より、本発明の実施例1〜6においては、耐圧強度の評価がすべて「OK」となり、元板厚を0.345mm以下にまで薄肉化したボトル缶1の耐圧強度が、ボトムリフォーム加工を行わなくても十分に確保された。
一方、比較例1においては、成形時にカウンタ部が薄肉化し過ぎて切れてしまう現象が生じた。また、比較例2、3は、ボトル缶の耐圧強度を確保することができなかった。
本発明のボトル缶は、ボトムリフォーム加工等の後加工を必要とすることなく耐圧強度を確保することができ、これにより製造設備や製造工程を増大させることなく缶を薄肉化できる。従って、産業上の利用可能性を有する。
1 ボトル缶
2 缶底
3 缶胴
4 開口端部
6 ネック部
7 口金部
9 ドーム部
10 環状凸部
11 接地部
12 カウンタ部
13 ヒール部
14 外側凸曲面部
15 上方凸曲面部
17 内側凸曲面部
20 ヒールテーパー部
B 缶底の肉厚
C 缶軸
D1 缶胴の直径(外径)
D2 接地部の直径
H1 接地部からドーム部までの缶軸方向の最大高さ(ドーム部の高さ)
H2 接地部から缶胴の下方の端縁までの缶軸方向の高さ(ヒール部の高さ)
O1 外側凸曲面部の曲率半径の中心
O2 内側凸曲面部の曲率半径の中心
R1 外側凸曲面部の曲率半径
R2 内側凸曲面部の曲率半径
VL 缶軸に平行な所定の仮想直線
θ 角度(傾斜角)

Claims (7)

  1. 缶胴と缶底とを備えた有底筒状のボトル缶であって、
    前記缶胴は、
    缶軸方向に沿って前記缶底から前記缶胴の開口端部側へ向かう方向である上方へ向かうに従い徐々に縮径するネック部と、
    前記ネック部の上方に連設された口金部と、を備え、
    前記缶底は、
    缶軸方向に沿って前記開口端部から前記缶底側へ向かう方向である下方へ向けて突出するとともに、缶軸回りの周方向に沿って延びる環状凸部と、
    前記環状凸部の缶軸に直交する径方向の内側に連設され、上方へ向けて窪むドーム部と、を備え、
    前記環状凸部は、
    下方へ向けて最も突出した接地部と、
    前記接地部の径方向の内側に連設され、上方に向かうに従い徐々に径方向の内側へ向けて傾斜するカウンタ部と、
    前記接地部の径方向の外側に連設され、上方に向かうに従い徐々に径方向の外側へ向けて傾斜するヒール部と、を備え、
    前記缶胴の直径が、65〜67mmであり、
    前記接地部の直径が、47〜49mmであり、
    前記接地部から前記ドーム部までの缶軸方向の最大高さが、10.5〜12mmであり、
    缶軸を含む当該ボトル缶の縦断面視において、前記カウンタ部が缶軸に対して傾斜する角度が、4〜8°であることを特徴とするボトル缶。
  2. 請求項1に記載のボトル缶であって、
    前記縦断面視において、前記環状凸部のうち、前記接地部の径方向内側に隣接配置された内側凸曲面部の曲率半径に比べて、前記接地部の径方向外側に隣接配置された外側凸曲面部の曲率半径が大きいことを特徴とするボトル缶。
  3. 請求項2に記載のボトル缶であって、
    前記縦断面視において、前記内側凸曲面部の曲率半径の中心と、前記外側凸曲面部の曲率半径の中心とが、缶軸に平行な所定の仮想直線上に位置していることを特徴とするボトル缶。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のボトル缶であって、
    前記接地部から前記缶胴の下方の端縁までの缶軸方向の高さが、7〜8mmであることを特徴とするボトル缶。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のボトル缶であって、
    前記ヒール部は、
    前記接地部の径方向外側に隣接配置された外側凸曲面部と、
    前記缶胴の下方に隣接配置された上方凸曲面部と、
    前記外側凸曲面部と前記上方凸曲面部とを接続するヒールテーパー部と、を備え、
    前記縦断面視において、前記ヒールテーパー部は、上方に向かうに従い徐々に径方向外側へ向けて傾斜する直線状をなしていることを特徴とするボトル缶。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のボトル缶であって、
    前記缶底の肉厚が、0.380mm以下であることを特徴とするボトル缶。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載のボトル缶であって、
    当該ボトル缶はアルミニウム合金材料を主成分として形成され、0.2%耐力が235〜265N/mmであることを特徴とするボトル缶。
JP2017245233A 2016-12-22 2017-12-21 ボトル缶 Pending JP2018104095A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016249504 2016-12-22
JP2016249504 2016-12-22

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018104095A true JP2018104095A (ja) 2018-07-05

Family

ID=62785702

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017245233A Pending JP2018104095A (ja) 2016-12-22 2017-12-21 ボトル缶

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2018104095A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021046227A (ja) * 2019-09-19 2021-03-25 ユニバーサル製缶株式会社 缶体および製品缶
JP2021138441A (ja) * 2020-03-09 2021-09-16 東洋製罐グループホールディングス株式会社 シームレス缶体及びシームレス缶体の製造方法

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3693828A (en) * 1970-07-22 1972-09-26 Crown Cork & Seal Co Seamless steel containers
US4294373A (en) * 1978-11-20 1981-10-13 Ball Corporation Lightweight metal container
JPH03111918U (ja) * 1990-02-28 1991-11-15
JPH0487940A (ja) * 1990-07-26 1992-03-19 Mitsubishi Materials Corp アルミニウム缶
JPH0717539A (ja) * 1993-07-02 1995-01-20 Mitsubishi Materials Corp 薄肉金属缶
JP2001139012A (ja) * 1999-11-12 2001-05-22 Mitsubishi Materials Corp
JP2009292480A (ja) * 2008-06-02 2009-12-17 Universal Seikan Kk アルミニウム缶
CN201553353U (zh) * 2009-09-23 2010-08-18 太平洋制罐(北京)有限公司 500ml容量铝制两片易拉罐
JP2015214343A (ja) * 2014-05-08 2015-12-03 ユニバーサル製缶株式会社

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3693828A (en) * 1970-07-22 1972-09-26 Crown Cork & Seal Co Seamless steel containers
US4294373A (en) * 1978-11-20 1981-10-13 Ball Corporation Lightweight metal container
JPH03111918U (ja) * 1990-02-28 1991-11-15
JPH0487940A (ja) * 1990-07-26 1992-03-19 Mitsubishi Materials Corp アルミニウム缶
JPH0717539A (ja) * 1993-07-02 1995-01-20 Mitsubishi Materials Corp 薄肉金属缶
JP2001139012A (ja) * 1999-11-12 2001-05-22 Mitsubishi Materials Corp
JP2009292480A (ja) * 2008-06-02 2009-12-17 Universal Seikan Kk アルミニウム缶
CN201553353U (zh) * 2009-09-23 2010-08-18 太平洋制罐(北京)有限公司 500ml容量铝制两片易拉罐
JP2015214343A (ja) * 2014-05-08 2015-12-03 ユニバーサル製缶株式会社

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021046227A (ja) * 2019-09-19 2021-03-25 ユニバーサル製缶株式会社 缶体および製品缶
JP7328847B2 (ja) 2019-09-19 2023-08-17 アルテミラ製缶株式会社 缶体および製品缶
JP2021138441A (ja) * 2020-03-09 2021-09-16 東洋製罐グループホールディングス株式会社 シームレス缶体及びシームレス缶体の製造方法
WO2021181949A1 (ja) * 2020-03-09 2021-09-16 東洋製罐グループホールディングス株式会社 シームレス缶体及びシームレス缶体の製造方法
JP7447564B2 (ja) 2020-03-09 2024-03-12 東洋製罐グループホールディングス株式会社 シームレス缶体及びシームレス缶体の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100264680B1 (ko) 금속 컨테이너 본체를 형성하는 방법
EP2969785B1 (en) Drawn and ironed aerosol can
WO2020158355A1 (ja) シームレス缶体及びシームレス缶体の製造方法
JPH0261861B2 (ja)
JP2018104095A (ja) ボトル缶
JP2016043991A (ja)
JP2018177250A (ja) 缶体及びその製造方法
JP2009292480A (ja) アルミニウム缶
JP6877943B2 (ja) ボトル缶の製造方法
JP2018103227A (ja) ボトムリフォーム機構、トップ支持部材、及び缶の製造方法
JP6760460B1 (ja) シームレス缶体及びシームレス缶体の製造方法
JP7206046B2 (ja) ボトル缶およびボトル缶の製造方法
JP6650283B2 (ja) 缶の製造方法及び缶
JP4112137B2 (ja) 缶及びその製造方法
JP2018099710A (ja) Di缶及びボトル缶
JP2018184188A (ja) ボトル缶及びキャップ付きボトル缶
JP7328847B2 (ja) 缶体および製品缶
JP7310412B2 (ja) 缶及びその製造方法
US20220055785A1 (en) Bottle can, manufacturing method of bottle can, and design method of bottle can
JP7072380B2 (ja) ボトル缶の製造方法
WO2023084891A1 (ja) 樹脂被覆アルミ合金製絞りしごき缶
JP7402835B2 (ja) シームレス缶体及びシームレス缶体の製造方法
EP3919400A1 (en) Bottle can, production method for bottle cans, and design method for bottle cans
JP2019111554A (ja) ボトル缶の製造方法
JP7424448B2 (ja) シームレス缶体及びシームレス缶体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200910

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210624

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210706

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210903

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220201

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220331

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20220705