JP2018103644A - 空調装置 - Google Patents

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【課題】乗員の快適性を向上させることの可能な空調装置を提供する。【解決手段】リア空調ケース31は、空気が流れるリア通風路35、車室内の所定箇所からリア通風路35に空気を導入するための後席側内気導入口36、リア通風路35から車室内の後席領域に空気を送風するための後席吹出開口部37、38、および、リア通風路35から車外に空気を排出するための換気開口部43、44を有する。換気量調整ドア33、34は、後席吹出開口部37、38の開口面積および換気開口部43、44の開口面積を調整する。ECU4は、換気モード運転を行う際、車外環境と車室内環境との差に応じて換気量調整ドア33、34を駆動制御し、後席吹出開口部37、38の開口面積と換気開口部43、44の開口面積とを調整する。【選択図】図2

Description

本発明は、車両用の空調装置に関するものである。
従来、車両用の空調装置において、フロント空調ユニットとリア空調ユニットを備えた空調装置が知られている。
特許文献1に記載の空調装置は、車両の駐車時または車両走行時に、フロント空調ユニットにより車室内に外気を導入すると共に、リア空調ユニットにより車室内の空気を車外に排出する換気モード運転を行うことが可能である。リア空調ユニットは、車室内からリア空調ユニットのリア通風路に取り入れた空気の温度および湿度を調整して車室内の吹出口に送風する内気循環モードと、その空気を車外に排出する換気モードとを切り替えるための換気切替ドアを備えている。リア空調ユニットは、換気モード運転を行う際、換気切替ドアを換気モードとして、車室内からリア通風路に取り入れた全ての空気を車外に排出している。
特許第54044309号公報
ところで、特許文献1に記載の空調装置は、リア空調ユニットのリア通風路と車室内に設けられた吹出口とを連通する後席用ダクトを備えている。そのため、この空調装置は、換気モード運転を行っているとき、その後席用ダクトの内側の通風路に、後席用ダクトの壁から受熱した空気が貯まった状態になっている。したがって、この空調装置を用いてエンジン始動時に換気モード運転を行うと、換気モード運転から通常のエアコンモード運転に移行したときに、後席用ダクトの内側の通風路で受熱した空気が吹出口から車室内に吹き出すこととなる。例えば、夏季のエンジン始動時であれば、後席用ダクトの吹出口から空調風より温度の高い風が吹き出す。また、例えば、冬季のエンジン始動時であれば、後席用ダクトの吹出口から空調風より温度の低い風が吹き出す。したがって、この空調装置は、換気モード運転から通常のエアコンモード運転に移行するときに、乗員の快適性を損なうおそれがある。
本発明は上記点に鑑みて、換気モード運転からエアコンモード運転に移行するときの乗員の快適性を向上させることの可能な空調装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、車両に搭載される空調装置であって、
空気が流れるリア通風路(35)、車室内の所定箇所からリア通風路に空気を導入するための後席側内気導入口(36)、リア通風路から車室内の後席領域に空気を送風するための後席吹出開口部(37、38)、および、リア通風路から車外に空気を排出するための換気開口部(43、44)を有するリア空調ケース(31)と、
リア空調ケースが有するリア通風路に気流を形成するリア送風機(32)と、
後席吹出開口部の開口面積および換気開口部の開口面積を調整する換気量調整ドア(33、34)と、
リア空調ケースが有する後席吹出開口部と車室内の後席領域に設けられた後席用吹出口(40、42)とを連通する後席用ダクト(39、41)と、
後席側内気導入口からリア通風路に導入した空気を換気開口部から車外に排出する換気モード運転を行う際、車外環境と車室内環境との差に応じて換気量調整ドアを駆動制御し、後席吹出開口部の開口面積と換気開口部の開口面積とを調整する制御装置(4)を備える。
これによれば、換気モード運転を行うとき、後席側内気導入口からリア通風路に導入した空気の一部が、後席吹出開口部を経由して後席用ダクトに流れる。そのため、換気モード運転から通常のエアコンモード運転に移行したときに、後席用ダクトの吹出口から車室内に吹き出される風の温度を空調風の温度に近づけることが可能である。例えば、夏季のエンジン始動時であれば、後席用ダクトの吹出口から吹き出される風の温度を下げることが可能である。また、例えば、冬季のエンジン始動時であれば、後席用ダクトの吹出口から吹き出される風の温度を上げることが可能である。したがって、この空調装置は、換気モード運転から通常のエアコンモード運転に移行するときの乗員の快適性を向上させることができる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係の一例を示すものである。
第1実施形態の空調装置を搭載した車両の概略図である。 第1実施形態の空調装置が備えるリア空調ユニットの模式図である。 第1実施形態の空調装置が備えるフロント空調ユニットの模式図である。 第1実施形態における換気モード運転の制御を示すフローチャートである。 第1実施形態における換気量調整ドアの動作を示す特性図である。 第1実施形態における換気量調整ドアの動作を説明する説明図である。 第1実施形態における換気量調整ドアの動作を説明する説明図である。 第1実施形態における換気量調整ドアの動作を説明する説明図である。 第2実施形態における換気量調整ドアの動作を示す特性図である。 第3実施形態における換気モード運転の制御を示すフローチャートである。 第4実施形態における換気モード運転の制御を示すフローチャートである。 第5実施形態の空調装置が備えるリア空調ユニットの模式図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
(第1実施形態)
第1実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1に示すように、本実施形態の空調装置は、車両1に搭載されるものであり、フロント空調ユニット2、リア空調ユニット3および制御装置4(以下、ECUという)などを備えている。
フロント空調ユニット2は、車室内最前部のインストルメントパネル5の内側に配置されている。フロント空調ユニット2は、車室内の空気である内気と車室外の空気である外気の一方または両方を吸い込み、その吸い込んだ空気の温度および湿度を調整して車室内のうち前席側の空間に吹き出すことにより、車室内の空気調和を行うものである。
一方、リア空調ユニット3は、例えば、後席の側方の内壁を構成する図示していないクォータトリムと車両1の外壁との間に収容されている。リア空調ユニット3は、車室内の空気を吸い込み、その吸い込んだ空気の温度および湿度を調整して車室内のうち後席側の空間に吹き出すことにより、車室内の空気調和を行うことが可能である。また、リア空調ユニット3は、車室内の空気を車外に排出する換気モード運転を行うことが可能である。
ECU4は、CPU、ROMおよびRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成されている。ECU4は、メモリに記憶された制御プログラムに基づいて各種の演算および処理を行い、フロント空調ユニット2およびリア空調ユニット3が有する各構成を駆動制御する。
車両1のインストルメントパネル5には、フロント空調ユニット2およびリア空調ユニット3を駆動するためのエアコンスイッチ6が設けられている。また、インストルメントパネル5には、換気モード運転を行うための換気モードスイッチ7が設けられている。エアコンスイッチ6および換気モードスイッチ7はいずれも、乗員が操作可能である。それらのスイッチの信号は、ECU4に伝送される。ECU4は、それらの信号に応じて、フロント空調ユニット2とリア空調ユニット3を制御する。なお、ECU4は、車外環境と車室内環境との差に応じて、換気モード運転を自動で行うことも可能である。
リア空調ユニット3の構成について詳細に説明する。図2は、リア空調ユニット3および後席用ダクト等の模式図である。リア空調ユニット3は、リア空調ケース31、リア送風機32、第1換気量調整ドア33および第2換気量調整ドア34などを有している。
リア空調ケース31は、ある程度の弾性を有し、強度的にも優れた樹脂にて形成されている。リア空調ケース31を形成する樹脂として、例えばポリプロピレンが挙げられる。リア空調ケース31は内側に、空気が流れるリア通風路35を有している。また、リア空調ケース31は、車室内の所定箇所からリア通風路35に空気を導入するための後席側内気導入口36を有している。なお、リア空調ケース31とは別部材として構成された図示していないダクトを後席側内気導入口36に接続してもよい。この場合、そのダクトを介して、後席側内気導入口36からリア通風路35に空気が導入される。
また、リア空調ケース31は、第1後席吹出開口部37および第2後席吹出開口部38を有している。第1後席吹出開口部37と第2後席吹出開口部38はいずれも、リア通風路35から車室内の後席領域に空気を送風するための後席吹出開口部である。第1後席吹出開口部37から流出した空気は、リア空調ケース31とは別部材として構成されたルーフダクト39を通り、後席側の天井などに設けられたルーフ吹出口40から車室内へ供給される。また、第2後席吹出開口部38から流出した空気は、リア空調ケース31とは別部材として構成されたサイドダクト41を通り、後席に着座する乗員の足元付近に設けられたフット吹出口42から車室内へ供給される。ルーフ吹出口40とフット吹出口42はいずれも、車室内の後席領域に設けられた後席用吹出口である。また、ルーフダクト39とサイドダクト41はいずれも、その車室内の後席領域に設けられた後席用吹出口40、42と、リア空調ケース31が有する後席吹出開口部37、38とを連通する後席用ダクトである。
さらに、リア空調ケース31は、第1換気開口部43および第2換気開口部44を有している。第1換気開口部43と第2換気開口部44はいずれも、リア通風路35から車外に空気を排出するための換気開口部である。第1換気開口部43と第2換気開口部44とは、合流開口部45で合流している。合流開口部45から車外に空気が排出される。なお、リア空調ケース31とは別部材として構成された図示していない換気ダクトを合流開口部45に接続してもよい。この場合、合流開口部45からその換気ダクトを介して車外に空気が排出される。
リア空調ケース31の内部には、第1換気量調整ドア33、第2換気量調整ドア34、通風路切替ドア46、リア送風機32、エバポレータ47、ヒータコア48およびエアミックスドア49などが設けられている。
第1換気量調整ドア33は、第1後席吹出開口部37の開口面積と第1換気開口部43の開口面積とを連続的に調整するものである。第1換気量調整ドア33は、図示していないサーボモータなどのアクチュエータによって駆動される。第1換気量調整ドア33は、第1後席吹出開口部37と第1換気開口部43のうち一方を開くほど他方を閉じるように回転動作する。これにより、第1換気量調整ドア33は、リア通風路35から第1後席吹出開口部37に吹き出される風量と、第1換気開口部43に吹き出される風量との割合を調整することが可能である。
第2換気量調整ドア34は、第2後席吹出開口部38の開口面積と第2換気開口部44の開口面積とを連続的に調整するものである。第2換気量調整ドア34も、図示していないサーボモータなどのアクチュエータによって駆動される。第2換気量調整ドア34は、第2後席吹出開口部38と第2換気開口部44のうち一方を開くほど他方を閉じるように回転動作する。これにより、第2換気量調整ドア34は、リア通風路35から第2後席吹出開口部38に吹き出される風量と、第2換気開口部44に吹き出される風量との割合を調整することが可能である。
通風路切替ドア46は、リア通風路35を流れる空気の流れを、第1換気量調整ドア33側または第2換気量調整ドア34側に切り替えるものである。通風路切替ドア46は、例えばスライドドアであり、図示していないサーボモータなどのアクチュエータに連動するギア50の回転により駆動される。図2に示したように、通風路切替ドア46がリア通風路35を流れる空気の流れを第1換気量調整ドア33側に切り替えると、リア通風路35から第1後席吹出開口部37または第1換気開口部43に空気が流れる。これに対し、通風路切替ドア46がリア通風路35を流れる空気の流れを第2換気量調整ドア34側に切り替えると、リア通風路35から第2後席吹出開口部38または第2換気開口部44に空気が流れる。
リア送風機32は、回転軸の方向から吸い込んだ空気を径方向外側に向けて吹き出す遠心ファン321と、その遠心ファン321を回転駆動する図示していないモータなどから構成されている。リア送風機32のモータと共に遠心ファン321が回転駆動すると、リア通風路35に気流が形成される。これにより、後席側内気導入口36からリア通風路35に空気が導入され、そのリア通風路35を流れた空気は、第1後席吹出開口部37、第1換気開口部43、第2後席吹出開口部38または第2換気開口部44のいずれかに吹き出される。
エバポレータ47は、リア通風路35を流れる空気を冷却する熱交換器である。エバポレータ47は、図示していない圧縮機、凝縮器および膨張弁などと共に周知の冷凍サイクルを構成している。エバポレータ47は、冷凍サイクルにおいて、膨張弁の下流側、且つ、圧縮機の上流側に配置されている。エバポレータ47が有する図示していないチューブの中を、膨張弁によって減圧されて気液二層状態となった冷媒が流れる。エバポレータ47は、そのチューブの内側を流れる冷媒と、リア通風路35を流れる空気との熱交換により、リア通風路35を流れる空気を冷却する。
ヒータコア48は、リア通風路35を流れる空気を加熱する熱交換器である。ヒータコア48が有する図示していないチューブの内側を温水が流れる。ヒータコア48は、そのチューブの内側を流れる温水と、リア通風路35を流れる空気との熱交換により、リア通風路35を流れる空気を加熱する。エバポレータ47とヒータコア48との間には、エアミックスドア49が設けられている。エアミックスドア49は、エバポレータ47を通過し、ヒータコア48を迂回して流れる風量と、エバポレータ47を通過した後にヒータコア48を通過する風量との割合を調整する。
次に、フロント空調ユニット2の構成について詳細に説明する。図3は、フロント空調ユニット2の模式図である。フロント空調ユニット2は、フロント空調ケース21、内外気切替ドア22およびフロント送風機23などを有している。
フロント空調ケース21は、ある程度の弾性を有し、強度的にも優れた樹脂にて形成されている。フロント空調ケース21を形成する樹脂として、例えばポリプロピレンが挙げられる。フロント空調ケース21は内側に、空気が流れるフロント通風路24を有している。また、フロント空調ケース21は、フロント通風路24の空気流れ方向上流側に、車室内の所定箇所からフロント通風路24に内気を導入するための前席側内気導入口241と、車外からフロント通風路24に外気を導入するための外気導入口242を有している。なお、フロント空調ケース21とは別部材として構成された図示していないダクトを前席側内気導入口241または外気導入口242に接続してもよい。その場合、それらのダクトを介して、前席側内気導入口241または外気導入口242からフロント通風路24に空気が導入される。
また、フロント空調ケース21は、フロント通風路24の空気流れ方向下流側に、フロント通風路24から車室内の前席領域に空気を送風するための複数の前席吹出開口部25を有している。前席吹出開口部25は、フェイス吹出開口部251、フット吹出開口部252、デフロスタ吹出開口部253により構成されている。フェイス吹出開口部251は、前座席に着座した乗員の上半身に向けて空調風を吹き出すものである。フット吹出開口部252は、その乗員の足元に向けて空調風を吹き出すものである。デフロスタ吹出開口部253は、車両1のフロントガラスに向けて空調風を吹き出すものである。なお、フロント空調ケース21とは別部材として構成された図示していないダクトをフェイス吹出開口部251、フット吹出開口部252およびデフロスタ吹出開口部253に接続してもよい。その場合、フェイス吹出開口部251、フット吹出開口部252およびデフロスタ吹出開口部253から流出した空気は、それらのダクトを通り、車両1に設けられた図示していないフェイス吹出口、フット吹出口およびデフロスタ吹出口から車室内へ供給される。
フロント空調ケース21の内部には、内外気切替ドア22、フロント送風機23、エバポレータ26、ヒータコア27およびエアミックスドア28などが設けられている。
内外気切替ドア22は、前席側内気導入口241の開口面積と外気導入口242の開口面積とを連続的に調整するものである。内外気切替ドア22は、図示していないサーボモータなどのアクチュエータによって駆動される。内外気切替ドア22は、前席側内気導入口241と外気導入口242のうち一方の開口部を開くほど他方の開口部を閉じるように回転動作する。これにより、内外気切替ドア22は、フロント通風路24に導入される内気の風量と外気の風量との割合を調整することが可能である。
フロント送風機23は、遠心ファン231と、その遠心ファン231を回転駆動するモータ232などから構成されている。フロント送風機23のモータ232と共に遠心ファン231が回転駆動すると、フロント通風路24に気流が形成される。これにより、前席側内気導入口241または外気導入口242からフロント通風路24に導入された空気は、そのフロント通風路24を流れ、フェイス吹出開口部251、フット吹出開口部252およびデフロスタ吹出開口部253のいずれかに吹き出される。フェイス吹出開口部251、フット吹出開口部252およびデフロスタ吹出開口部253には、それぞれの開口面積を調整するためのフェイス吹出開口部ドア254、フット吹出開口部ドア255およびデフロスタ吹出開口部ドア256が設けられている。
エバポレータ26は、フロント通風路24を流れる空気を冷却するための熱交換器である。ヒータコア27は、フロント通風路24を流れる空気を加熱するための熱交換器である。エバポレータ26およびヒータコア27の構成は、上述したリア空調ユニット3が有するエバポレータ47およびヒータコア48と実質的に同一であるので説明を省略する。フロント空調ユニット2のエバポレータ26とヒータコア27との間には、エアミックスドア28が設けられている。エアミックスドア28は、エバポレータ26を通過し、ヒータコア27を迂回して流れる風量と、エバポレータ26を通過した後にヒータコア27を通過する風量との割合を調整する。
上述したリア空調ユニット3が備えるリア送風機32、第1および第2換気量調整ドア33、34、および通風路切替ドア46は、ECU4(図1参照)によって駆動制御される。また、フロント空調ユニット2が備えるフロント送風機23、内外気切替ドア22、エアミックスドア28、フェイス吹出開口部ドア254、フット吹出開口部ドア255およびデフロスタ吹出開口部ドア256も、ECU4によって駆動制御される。ECU4は、メモリに記憶された制御プログラムに基づいて各種の演算および処理を行い、ECU4の出力側に接続された各構成を駆動制御する。
続いて、第1実施形態の空調装置が行う換気モード運転の制御処理について、図4のフローチャートを参照して説明する。
車両1のイグニッションスイッチがオンされると、ECU4は、メモリに記憶されている換気モード運転の制御プログラムを実行する。
ステップS10で、ECU4は、インストルメントパネル5に取り付けられたエアコンスイッチ6がオンされているか否かを判定する。エアコンスイッチ6がオンされている場合、上述した冷凍サイクルの圧縮機が駆動し、エバポレータ26、47により、フロント通風路24およびリア通風路35を流れる空気の冷却が開始される。このとき、ECU4は、処理をステップS20に移行する。これに対し、エアコンスイッチ6がオフされている場合、ECU4は、換気モード運転の制御処理を終了する。
ステップS20で、ECU4は、車外環境と車室内環境との差に基づき、乗員が不快を感じる係数(以下、単に「係数」という)を算出し、その係数が第1閾値より大きいか否かを判定する。その係数は、外気温度と内気温度との差(以下、「内外気温度差」という)、外気湿度と内気湿度との差(以下、「内外気湿度差」という)、および日射量の少なくとも1つに基づいて求められる。本実施形態では、内外気温度差が大きいほど、係数を大きい値とする。また、内外気湿度差が大きいほど、係数を大きい値とする。また、日射量が大きいほど、係数を大きい値とする。また、本実施形態では、第1閾値は、エアコンモード運転を行ったときの係数の低下の早さと、換気モード運転を行ったときの係数の低下の早さとがほぼ同じになる値に設定されている。第1閾値は、リア空調ユニット3の能力または車室内の容積などに基づいて任意に設定することが可能である。
したがって、例えば夏季のエンジン始動時など内外気温度差が比較的大きい場合には、係数が第1閾値より大きいものとなり、換気モード運転を行う方が、エアコンモード運転を行うよりも係数を早く低下させることが可能である。そのため、エアコンモード運転が行われる前に、換気モード運転が行われる。また、外気温度差に加えて、内外気湿度差が大きい場合、日射量が大きい場合にも、エアコンモード運転が行われる前に、換気モード運転が行われる。すなわち、ECU4は、係数が第1閾値より大きい場合、処理をステップS30に移行する。ステップS30で、ECU4は、換気モード運転を開始する。
これに対し、例えば春または秋等のエンジン始動時など内外気温度差が比較的小さい場合には、係数が第1閾値より小さいものとなり、エアコンモード運転を行う方が、換気モード運転を行うよりも係数を早く低下させることが可能である。そのため、換気モード運転を行うことなく、エアコンモード運転による車室内の空気調和が実行される。すなわち、ECU4は、係数が第1閾値より小さい場合、処理をステップS80に移行する。ステップS80で、ECU4は、エアコンモード運転を開始する。
上述したステップS30で、換気モード運転が開始される。すると、ステップS40で、ECU4は、フロント空調ユニット2が備える内外気切替ドア22およびフロント送風機23の動作を制御し、フロント空調ユニット2を外気導入モードとする。具体的に、ECU4は、内外気切替ドア22を駆動することにより、外気導入口242を開放し、前席側内気導入口241を閉塞する。これにより、外気導入口242とフロント通風路24とが連通し、前席側内気導入口241とフロント通風路24とが遮断される。
また、ECU4は、換気モード運転中、フロント空調ユニット2が備えるフロント送風機23の風量を最大出力値として駆動する。これにより、フロント通風路24を流れる風量は、最大風量に維持される。したがって、外気導入口242からフロント通風路24に導入された外気は、そのフロント通風路24から複数の前席吹出開口部25を通って車室内に吹き出される。なお、「送風機の風量の最大出力値」とは、この空調装置を搭載した車両1に設定された送風機の風量の最大出力値をいうものである。例えば、当該車両1に設定された送風機の風量が、停止側から順に1段階からn段階まで切り替わるものである場合、「送風機の風量の最大出力値」とは、n段階の風量またはそれより大きい風量をいう。
さらに、ECU4は、換気モード運転中、リア空調ユニット3が備えるリア送風機32の風量を最大出力値として駆動する。これにより、リア通風路35を流れる風量は、最大風量に維持される。
続いて、ステップS50で、ECU4は、第1換気量調整ドア33または第2換気量調整ドア34を係数に応じて調整する。本実施形態では、図2で示したように、例えば夏季において、通風路切替ドア46が第1換気量調整ドア33側の通風路を開放し、第2換気量調整ドア34側の通風路を閉塞している場合について説明する。その場合、ECU4は、係数に応じて第1換気量調整ドア33を駆動制御する。それと共に、ECU4は、第2換気量調整ドア34を駆動し、第2後席吹出開口部38を閉塞するか、または第2換気開口部44を閉塞する。
ECU4が行う第1換気量調整ドア33の制御について、図5を参照して説明する。
図5では、車外環境と車室内環境との差に基づいて算出された係数を横軸に示し、第1換気量調整ドア33の開度を縦軸に示している。
上述したように、第1閾値は、エアコンモード運転を行ったときの係数の低下の早さと、換気モード運転を行ったときの係数の低下の早さとがほぼ同じになる値に設定されている。また、第2閾値は、第1閾値より大きい値であり、且つ、リア空調ユニット3の最大能力で換気モード運転を行うことが係数を下げるために好ましいと言える値に設定されている。第1および第2閾値は、リア空調ユニット3の能力または車室内の容積などに基づいて任意に設定することが可能である。
ECU4は、係数が第2閾値以上のとき、第1換気量調整ドア33を駆動制御し、第1換気開口部43を全開とし、第1後席吹出開口部37を全閉とする。そのときの状態を図6に示す。図6に示した状態では、後席側内気導入口36からリア通風路35に導入された空気の全てが、第1換気開口部43から車外に排出される。これにより、換気モード運転が開始されてから、所定時間(例えば数秒から数十秒)経過すると、例えば夏季のエンジン始動時における車室内の熱気の大部分が排出される。
また、ECU4は、係数が第1閾値より大きく、第2閾値より小さいとき、第1換気量調整ドア33を駆動制御し、第1換気開口部43と第1後席吹出開口部37の両方を開放する。詳細には、ECU4は、係数が小さくなるに従い、第1後席吹出開口部37の開口面積を大きくし、第1換気開口部43の開口面積を小さくするように、第1換気量調整ドア33を駆動制御する。すなわち、ECU4は、係数が小さくなるに従い、第1換気開口部43に流れる風量を小さくし、第1後席吹出開口部37に流れる風量を大きくする。なお、換気モード運転が開始されると、時間の経過と共に、車室内の換気がすすみ、係数が小さくなる。
具体的には、ECU4は、外気温度と内気温度との差、外気湿度と内気湿度との差、および日射量の少なくとも1つが大きいほど、第1後席吹出開口部37の開口面積を小さくし、第1換気開口部43の開口面積を大きくするように第1換気量調整ドア33を駆動制御する。一方、ECU4は、外気温度と内気温度との差または外気湿度と内気湿度との差の少なくとも1つが小さくなるに従い、第1後席吹出開口部37の開口面積を大きくし、第1換気開口部43の開口面積を小さくするように第1換気量調整ドア33を駆動制御する。なお、本明細書において、開口面積が小さいとは、開口面積が0である場合も含むものである。
第1換気量調整ドア33が第1換気開口部43と第1後席吹出開口部37の両方を開放している状態を図7に示す。図7に示した状態では、後席側内気導入口36からリア通風路35に導入された空気の一部が第1換気開口部43から車外に排出される。また、後席側内気導入口36からリア通風路35に導入された空気の他の一部が第1後席吹出開口部37からルーフダクト39に流れる。これにより、ルーフダクト39の内側の通風路391でルーフダクト39の壁から受熱した空気は、リア空調ユニット3から送風される空調風によって冷やされ、ルーフ吹出口40から車室内に徐々に吹き出される。
さらに、ECU4は、係数が第1閾値以下のとき、第1換気量調整ドア33を駆動制御し、第1換気開口部43を全閉とし、第1後席吹出開口部37を全開とする。そのときの状態を図8に示す。図8に示した状態は、換気モード運転が終了した状態であり、後席側内気導入口36からリア通風路35に導入された空気の全てが第1後席吹出開口部37からルーフダクト39を通り、ルーフ吹出口40から車室内に吹き出される。
図4に示すフローチャートのステップS60で、ECU4は、係数が第1閾値より小さくなったか否かを判定する。係数が第1閾値より大きい場合、ECU4は、処理をステップS50に戻し、係数に応じて第1換気量調整ドア33を駆動制御して、第1後席吹出開口部37の開口面積と第1換気開口部43の開口面積とを調整する。上述したように、換気モード運転の開始から所定時間が経過すると、係数が次第に低下する。その係数の低下に伴って、ECU4は、第1換気開口部43に流れる風量を次第に小さくし、第1後席吹出開口部37に流れる風量を次第に大きくするように第1換気量調整ドア33を駆動制御する。
ステップS60で、ECU4は、係数が第1閾値より小さくなると、処理をステップS70に移行する。ステップS70で、ECU4は、換気モード運転を終了する。続いて、ステップS80以降、ECU4は、通常のエアコンモード運転を開始する。これにより、車室内の空気は、さらに冷却される。
以上説明した第1実施形態の空調装置は、次の作用効果を奏する。
(1)第1実施形態では、ECU4は、換気モード運転を行う際、車外環境と車室内環境との差に基づいて算出された係数に応じて第1換気量調整ドア33を駆動制御し、第1後席吹出開口部37の開口面積と第1換気開口部43の開口面積とを調整する。
これによれば、換気モード運転を行うとき、後席側内気導入口36からリア通風路35に導入した空気の一部が、第1後席吹出開口部37を経由してルーフダクト39に流れる。そのため、換気モード運転から通常のエアコンモード運転に移行したときに、ルーフダクト39のルーフ吹出口40から車室内に吹き出される風の温度を空調風の温度に近づけることが可能である。例えば、夏季のエンジン始動時であれば、ルーフダクト39のルーフ吹出口40から吹き出される風の温度を下げることが可能である。したがって、この空調装置は、換気モード運転から通常のエアコンモード運転に移行するときの乗員の快適性を向上させることができる。
(2)第1実施形態では、係数は、外気温度と内気温度との差、外気湿度と内気湿度との差、および日射量の1つに基づいて求められる。
これによれば、ECU4は、第1換気量調整ドア33の開度を適切に制御することが可能である。
(3)第1実施形態では、ECU4は、外気温度と内気温度との差、外気湿度と内気湿度との差、および日射量の少なくとも1つが大きいほど、第1後席吹出開口部37の開口面積を小さくし、第1換気開口部43の開口面積を大きくするように第1換気量調整ドア33を駆動制御する。
これによれば、換気モード運転を行う際、外気温度と内気温度との差、外気湿度と内気湿度との差、および日射量の少なくとも1つが大きいとき、車室内の空気が迅速かつ大量に車外に排出される。したがって、この空調装置は、換気モード運転による車室内の空気の排出にかかる時間を短くし、換気の即効性を高めることができる。
(4)第1実施形態では、ECU4は、外気温度と内気温度との差、外気湿度と内気湿度との差、および日射量の少なくとも1つが小さくなるに従い、第1後席吹出開口部37の開口面積を大きくし、第1換気開口部43の開口面積を小さくするように第1換気量調整ドア33を駆動制御する。
これによれば、換気モード運転が終了する前に、後席側内気導入口36からリア通風路35に導入した空気の一部を、第1後席吹出開口部37を経由してルーフダクト39に流すことが可能である。そのため、換気モード運転から通常のエアコンモード運転に移行したとき、ルーフダクト39のルーフ吹出口40から車室内に吹き出される風の温度を空調風の温度に近づけることができる。
(第2実施形態)
第2実施形態について説明する。第2実施形態は、第1実施形態に対して、換気モード運転の制御処理の一部を変更したものであり、その他については第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
図9に示すように、第2実施形態では、ECU4は、換気モード運転を行うとき、第1換気量調整ドア33の開度を段階的に変える制御を行う。具体的には、ECU4は、係数が第1閾値から係数C1の範囲にあるとき、第1換気量調整ドア33の開度をP1とする。ECU4は、係数がC1からC2の範囲にあるとき、第1換気量調整ドア33の開度をP2とする。ECU4は、係数がC2から第2閾値の範囲にあるとき、第1換気量調整ドア33の開度をP3とする。なお、第1換気量調整ドア33の開度を変える段階の数は、任意に設定することが可能である。
上述した第2実施形態の空調装置は、第1実施形態の空調装置と同様の作用効果を奏することが可能である。さらに、第2実施形態では、ECU4による第1換気量調整ドア33の駆動制御を簡素なものとすることができる。
(第3実施形態)
第3実施形態について説明する。第3実施形態は、第1実施形態に対して、換気モード運転の制御処理の一部を変更したものであり、その他については第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
第3実施形態による換気モード運転の制御処理について、図10のフローチャートを参照して説明する。なお、第3実施形態では、インストルメントパネル5に、フロント空調ユニット2の外気導入モードと内気循環モードとを乗員が手動で切り替えるための内外気切替スイッチが設けられているものとする。
制御の開始からステップS10までの処理は、第1実施形態と同様である。ステップS10に続くステップS15で、ECU4は、内外気切替スイッチが、外気導入モードとなっているか否かを判定する。ECU4は、内外気切替スイッチが、外気導入モードとなっている場合、処理をステップS20に移行する。ステップS20からステップS80までの処理は、第1実施形態と同様である。
一方、ECU4は、内外気切替スイッチが、内気循環モードとなっている場合、処理をステップS80に移行する。ステップS80で、ECU4は、エアコンモード運転を開始する。
上述した第3実施形態の空調装置は、第1および第2実施形態の空調装置と同様の作用効果を奏することが可能である。さらに、第3実施形態の空調装置は、内外気切替スイッチが設けられている車両1に搭載することができる。
(第4実施形態)
第4実施形態について説明する。第4実施形態は、第1実施形態に対して、換気モード運転の制御処理の一部を変更したものであり、その他については第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
第4実施形態による換気モード運転の制御処理について、図11のフローチャートを参照して説明する。なお、第4実施形態も、第1実施形態と同様に、通風路切替ドア46が第1換気量調整ドア33側の通風路を開放し、第2換気量調整ドア34側の通風路を閉塞している場合について説明する。
制御の開始からステップS40までの処理は、第1実施形態と同様である。ステップS40に続くステップS45で、ECU4は、換気モード運転を行う際、第1換気開口部43から車外に排出される空気量と、車体の隙間から車外に排出される空気量との和が、フロント空調ユニットが外気を車室内に導入する空気量より小さくなるように、第1換気量調整ドア33を駆動制御する。
続いて、ステップS50で、ECU4は、は、第1実施形態と同様に、第1換気量調整ドア33を係数に応じて調整する。そして、ステップS60で、ECU4は、係数が第1閾値より小さくなったか否かを判定する。係数が第1閾値より大きい場合、ECU4は、処理をステップS45に戻し、ステップS45とステップS50の処理を繰り返し実行する。ステップS70以降の処理は、第1実施形態と同様である。
上述した第4実施形態では、ステップS45の処理により、換気モード運転を行うとき、車室内が負圧になることが防がれる。そのため、車室内が負圧になることで生じる乗員の不快感を防ぎ、または、車体の隙間などから車室内へ埃や砂などが侵入することを防ぐことができる。
(第5実施形態)
第5実施形態について説明する。第5実施形態の空調装置は、第1実施形態の空調装置と同一の構成および制御フローを備えるものである。ただし、上述した第1実施形態では、例えば夏季における換気モード運転の制御処理について説明した。これに対し、第5実施形態では、例えば冬季における換気モード運転の制御処理について説明する。
図12に示すように、第5実施形態では、通風路切替ドア46が第1換気量調整ドア33側の通風路を閉塞し、第2換気量調整ドア34側の通風路を開放している。また、エバポレータ47とヒータコア48との間に設けられたエアミックスドア49は、ヒータコア48を通過する風量を大きくする。ヒータコア48は、リア通風路35を流れる空気を加熱する。
第5実施形態の空調装置が行う換気モード運転の制御処理について、第1実施形態と同様に、図4のフローチャートを参照して説明する。
制御の開始からステップS10までの処理は、第1実施形態と同様である。
ステップS20で、ECU4は、車外環境と車室内環境との差に基づいて算出される係数が、第1閾値より大きいか否かを判定する。第5実施形態では、車室内温度が外気温度より低く、内外気温度差が大きいほど、係数を大きい値とする。また、内外気湿度差が大きいほど、係数を大きい値とする。また、日射量が小さいほど、係数を大きい値とする。したがって、例えば冬季のエンジン始動時などに車室内温度が外気温度よりも低く、内外気温度差が比較的大きい場合には、係数が第1閾値より大きいものとなり、エアコンモード運転による制御が行われる前に、換気モード運転が行われる。その場合、ECU4は、処理をステップS30に移行する。ステップS30で、ECU4は、換気モード運転を開始する。ステップS30に続くステップS40の処理は、第1実施形態と同様である。
続いて、ステップS50で、ECU4は、係数に応じて第2換気量調整ドア34を調整する。それと共に、ECU4は、第1換気量調整ドア33を駆動し、第1後席吹出開口部37を閉塞するか、または第1換気開口部43を閉塞する。
換気モード運転が行われているとき、ECU4は、係数が第1閾値より大きく、第2閾値より小さくなると、係数に応じて第2換気量調整ドア34を駆動制御し、第2後席吹出開口部38の開口面積と第2換気開口部44の開口面積とを調整する。そのとき、第2換気量調整ドア34は、第1換気開口部43と第1後席吹出開口部37の両方を開放する。これにより、後席側内気導入口36からリア通風路35に導入された空気の一部が第2換気開口部44から車外に排出される。また、後席側内気導入口36からリア通風路35に導入された空気の他の一部が第2後席吹出開口部38からサイドダクト41に流れる。したがって、サイドダクト41の内側の通風路411でサイドダクト41の壁に吸熱された空気は、リア空調ユニット3から送風される空調風によって温められ、フット吹出口42から車室内に徐々に吹き出される。
ステップS60で、ECU4は、係数が第1閾値より小さくなったことを判定すると、処理をステップS70に移行する。ステップS70で、ECU4は、換気モード運転を終了する。続いて、ステップS80以降、ECU4は、通常のエアコンモード運転を開始する。このとき、ECU4は、第2換気量調整ドア34を駆動制御し、第2換気開口部44を全閉とし、第2後席吹出開口部38を全開とする。これにより、後席側内気導入口36からリア通風路35に導入された空気の全てが第2後席吹出開口部38からサイドダクト41を通り、フット吹出口42から車室内に吹き出される。これにより、車室内が暖房される。
以上説明した第5実施形態では、ECU4は、換気モード運転を行う際、車外環境と車室内環境との差に基づいて算出された係数に応じて第2換気量調整ドア34を駆動制御し、第2後席吹出開口部38の開口面積と第2換気開口部44の開口面積とを調整する。
これによれば、換気モード運転を行うとき、後席側内気導入口36からリア通風路35に導入した空気の一部が、第2後席吹出開口部38を経由してサイドダクト41に流れる。そのため、換気モード運転から通常のエアコンモード運転に移行したときに、サイドダクト41のフット吹出口42から車室内に吹き出される風の温度を空調風の温度に近づけることが可能である。例えば、冬季のエンジン始動時であれば、サイドダクト41のフット吹出口42から吹き出される風の温度を上げることが可能である。したがって、この空調装置は、換気モード運転から通常のエアコンモード運転に移行するときの乗員の快適性を向上させることができる。
(他の実施形態)
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。
上述した実施形態では、空調装置が行う換気モード運転に関し、エンジン始動時における車室内の熱気または寒気の排出を一例にして説明した。これに対し、空調装置が行う換気モード運転は、それに限らず、例えば臭気の排出など、車室内の空気を入れ替える種々の目的に使用することが可能である。また、空調装置が行う換気モード運転は、エンジン始動時に限らず、例えば車両運転中または車両の停車中にも実行することが可能である。
(まとめ)
上述の実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、車両に搭載される空調装置は、リア空調ケース、リア送風機、換気量調整ドア、後席用ダクトおよび制御装置を備える。リア空調ケースは、空気が流れるリア通風路、車室内の所定箇所からリア通風路に空気を導入するための後席側内気導入口、リア通風路から車室内の後席領域に空気を送風するための後席吹出開口部、および、リア通風路から車外に空気を排出するための換気開口部を有する。リア送風機は、リア空調ケースが有するリア通風路に気流を形成する。換気量調整ドアは、後席吹出開口部の開口面積および換気開口部の開口面積を調整する。後席用ダクトは、リア空調ケースが有する後席吹出開口部と車室内の後席領域に設けられた後席用吹出口とを連通する。制御装置は、後席側内気導入口からリア通風路に導入した空気を換気開口部から車外に排出する換気モード運転を行う際、車外環境と車室内環境との差に応じて換気量調整ドアを駆動制御し、後席吹出開口部の開口面積と換気開口部の開口面積とを調整する。
第2の観点によれば、車外環境と車室内環境との差は、外気温度と内気温度との差、外気湿度と内気湿度との差、および日射量の少なくとも1つに基づいて求められる。
これによれば、制御装置は、換気量調整ドアの開度を適切に制御することが可能である。
第3の観点によれば、制御装置は、外気温度と内気温度との差、外気湿度と内気湿度との差、および日射量の少なくとも1つが大きいほど、後席吹出開口部の開口面積を小さくし、換気開口部の開口面積を大きくするように換気量調整ドアを駆動制御する。
これによれば、換気モード運転を行う際、外気温度と内気温度との差、外気湿度と内気湿度との差、および日射量の少なくとも1つが大きいとき、車室内の空気が迅速かつ大量に車外に排出される。したがって、この空調装置は、換気モード運転による車室内の空気の排出にかかる時間を短くし、換気の即効性を高めることができる。
第4の観点によれば、制御装置は、外気温度と内気温度との差または外気湿度と内気湿度との差の少なくとも1つが小さくなるに従い、後席吹出開口部の開口面積を大きくし、換気開口部の開口面積を小さくするように換気量調整ドアを駆動制御する。
これによれば、換気モード運転が終了する前に、後席側内気導入口からリア通風路に導入した空気の一部を、後席吹出開口部を経由して後席用ダクトに流すことが可能である。そのため、換気モード運転から通常のエアコンモード運転に移行したとき、後席用ダクトから車室内に吹き出される風の温度を空調風の温度に近づけることができる。
第5の観点によれば、空調装置は、フロント空調ユニットをさらに備える。フロント空調ユニットは、車両の前席側に搭載されるフロント空調ケース、および、フロント空調ケースが有するフロント通風路に気流を形成するフロント送風機を有し、フロント送風機の駆動により車室内に空気調和された空気を送風可能である。制御装置は、換気モード運転を行う際、換気開口部から車外に排出される空気量と、車体の隙間から車外に排出される空気量との和が、フロント空調ユニットが外気を車室内に導入する空気量より小さくなるように、換気量調整ドアを駆動制御する。
これによれば、換気モード運転を行うとき、車室内が負圧になることが防がれる。そのため、車室内が負圧になることで生じる乗員の不快感を防ぎ、または、車体の隙間などから車室内へ埃や砂などが侵入することを防ぐことができる。
4 制御装置
31 リア空調ケース
32 リア送風機
33、34 換気量調整ドア
35 リア通風路
36 後席側内気導入口
37、38 後席吹出開口部
39、41 後席用ダクト
40、42 後席用吹出口
43、44 換気開口部

Claims (5)

  1. 車両に搭載される空調装置であって、
    空気が流れるリア通風路(35)、車室内の所定箇所から前記リア通風路に空気を導入するための後席側内気導入口(36)、前記リア通風路から車室内の後席領域に空気を送風するための後席吹出開口部(37、38)、および、前記リア通風路から車外に空気を排出するための換気開口部(43、44)を有するリア空調ケース(31)と、
    前記リア空調ケースが有する前記リア通風路に気流を形成するリア送風機(32)と、
    前記後席吹出開口部の開口面積および前記換気開口部の開口面積を調整する換気量調整ドア(33、34)と、
    前記リア空調ケースが有する前記後席吹出開口部と車室内の後席領域に設けられた後席用吹出口(40、42)とを連通する後席用ダクト(39、41)と、
    前記後席側内気導入口から前記リア通風路に導入した空気を前記換気開口部から車外に排出する換気モード運転を行う際、車外環境と車室内環境との差に応じて前記換気量調整ドアを駆動制御し、前記後席吹出開口部の開口面積と前記換気開口部の開口面積とを調整する制御装置(4)と、を備える空調装置。
  2. 車外環境と車室内環境との差は、外気温度と内気温度との差、外気湿度と内気湿度との差、および日射量の1つに基づいて求められる請求項1に記載の空調装置。
  3. 前記制御装置は、外気温度と内気温度との差、外気湿度と内気湿度との差、および日射量の少なくとも1つが大きいほど、前記後席吹出開口部の開口面積を小さくし、前記換気開口部の開口面積を大きくするように前記換気量調整ドアを駆動制御する請求項1または2に記載の空調装置。
  4. 前記制御装置は、外気温度と内気温度との差または外気湿度と内気湿度との差の少なくとも1つが小さくなるに従い、前記後席吹出開口部の開口面積を大きくし、前記換気開口部の開口面積を小さくするように前記換気量調整ドアを駆動制御する請求項1ないし3のいずれか1つに記載の空調装置。
  5. 車両の前席側に搭載されるフロント空調ケース(21)、および、前記フロント空調ケースが有するフロント通風路(24)に気流を形成するフロント送風機(23)を有し、前記フロント送風機の駆動により車室内に空気調和された空気を送風可能なフロント空調ユニット(2)をさらに備え、
    前記制御装置は、換気モード運転を行う際、前記換気開口部から車外に排出される空気量と、車体の隙間から車外に排出される空気量との和が、前記フロント空調ユニットが外気を車室内に導入する空気量より小さくなるように、前記換気量調整ドアを駆動制御する請求項1ないし4のいずれか1つに記載の空調装置。

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