JP2018103185A - 水浄化剤、水浄化剤の製造方法、及び水浄化方法 - Google Patents

水浄化剤、水浄化剤の製造方法、及び水浄化方法 Download PDF

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Abstract

【課題】工業排水などの水浄化に使用する、植物由来の水浄化剤であって、該植物由来の水浄化剤を用いた排水の浄化処理を、自動化浄化処理装置を用いて行う際、該自動化浄化処理装置に好適に使用し得る水浄化剤の提供。【解決手段】植物粉末と高分子凝集剤との混合物を含む造粒物であることを特徴とする水浄化剤である。【選択図】なし

Description

本発明は、工業排水などの水の浄化に使用する、植物由来の水浄化剤、及び該水浄化剤を用いた水浄化方法に関する。
植物由来の水浄化剤を用いることにより、工業排水から不要物質を除去し、水を浄化する研究が各種行われている。
例えば、モロヘイヤ、この乾燥物、及びこの抽出物の少なくともいずれかと、高分子凝集剤とを含有する凝集剤を懸濁液に添加し、微粒子を凝集分離させる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、無機系工業排水から、重金属イオンの除去を目的として、例えば、排水中の重金属イオンを、モロヘイヤなどの葉菜や高分子凝集剤を用い、固液分離させたり、陽イオン交換体に吸着させることにより、排水から分離除去する方法が提案されている(例えば、特許文献2、及び3参照)。
ところで、浄化したい排水の量が多い、排水に含まれる不要物質の量が多い、あるいは排水に含まれる不要物質の種類が多いほど、これら排水の浄化処理に必要な浄化剤を自動で投入するシステムの構築が望まれる。
高速で安定した浄化処理を行ううえで、装置の自動化は重要な課題である。
一方で、装置の低コスト化の要求もある。
しかし、従来提案されている技術は、排水を浄化処理する自動化装置は全く意図しておらず、自動化装置に供しようとすると、所望の性能の水浄化剤を安定して、かつ繰り返し精度よく供給することができなかった。
そこで、低コストで、さらに所望の性能の水浄化剤を安定して、かつ繰り返し精度よく供給することができる自動化浄化装置に、好適に使用し得る水浄化剤が求められている。
特許第3876497号公報 特開2011−194384号公報 特開2011−194385号公報
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、植物由来の水浄化剤を用いた排水の浄化処理を、自動化浄化装置を用いて行う際、低コストで、さらに所望の性能の水浄化剤を安定して、かつ繰り返し精度よく供給することができる自動化浄化装置に、好適に使用し得る水浄化剤、及び該水浄化剤を用いた水浄化方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 植物粉末と高分子凝集剤との混合物を含む造粒物であることを特徴とする水浄化剤である。
<2> 植物が、長朔黄麻、及びモロヘイヤの少なくともいずれかである前記<1>に記載の水浄化剤である。
<3> 高分子凝集剤が、ポリアクリルアミドである前記<1>から<2>のいずれかに記載の水浄化剤である。
<4> 水浄化剤の嵩比重が、0.4g/cm以上である前記<1>から<3>のいずれかに記載の水浄化剤である。
<5> 水浄化剤の嵩比重のばらつき(嵩比重の最小値に対する、嵩比重の最大値と最小値との差の割合)が、4.5%以下である前記<4>に記載の水浄化剤である。
<6> 水浄化剤における植物粉末と高分子凝集剤との含有量比が、質量比(植物粉末/高分子凝集剤)で、1/1〜9/1である前記<1>から<5>のいずれかに記載の水浄化剤である。
<7> 水浄化剤が、乾燥植物を粉砕し、数平均粒径が250μm以下の植物粉末を得る植物粉末製造工程と、前記植物粉末と高分子凝集剤とを混合し、水分を加えて混練し、押出造粒により造粒物を得る造粒工程とを含む製造方法により製造される、前記<1>から<6>のいずれかに記載の水浄化剤である。
<8> 前記<1>から<7>のいずれかに記載の水浄化剤を水に溶かし、植物粉末及び高分子凝集剤の分散液を得、該分散液を排水に供することにより排水中の無機系不要物を除去することを特徴とする水浄化方法である。
本発明によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、植物由来の水浄化剤を用いた排水の浄化処理を、自動化浄化装置を用いて行う際、低コストで、さらに所望の性能の水浄化剤を安定して、かつ繰り返し精度よく供給することができる自動化浄化装置に、好適に使用し得る水浄化剤、及び該水浄化剤を用いた水浄化方法を提供することができる。
(水浄化剤)
本発明の水浄化剤は、植物粉末と高分子凝集剤との混合物を含む造粒物からなる。
本発明で「水の浄化」とは、工業排水、特に無機系工業排水を対象とし、その排水中のニッケル、銅、フッ素などの不要物を除去することをいう。
前記水浄化剤を前記排水に加えると、排水中の無機系不要物は該水浄化剤により凝集分離される。係る凝集物を排水中から取り除くと、排水は浄化される。
<植物>
前記植物としては、排水中の不要物(ニッケル、銅、フッ素など)を凝集分離することができる植物であれば、特に制限はなく、例えば、長朔黄麻(チョウサクコウマ)、モロヘイヤ、小松菜、三つ葉、水菜、ほうれん草などを挙げることができる。これらの中でも、長朔黄麻(チョウサクコウマ)、及びモロヘイヤが好ましく、以下に記載する実施例で良好な結果を示した、長朔黄麻がより好ましく使用できる。
また、植物の部位としては、葉、茎、根のいずれの部分であっても使用できるが、葉がより好ましく使用できる。
<高分子凝集剤>
前記高分子凝集剤としては、上記植物と同様、排水中の不要物(ニッケル、銅、フッ素など)を除去する効果を示すものであれば、特に制限はなく、例えば、ポリアクリルアミド、ポリアクリルアミドの部分加水分解塩、アルギン酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、CMC(カルボキシメチルセルロース)ナトリウム塩などを挙げることができる。これらの中でも、ポリアクリルアミドが好ましく使用できる。該ポリアクリルアミドとしては、例えば、市販されているFlopan AN 905、Flopan AN 926、Flopan AN 956(株式会社エス・エヌ・エフ製)などを用いることができる。
<植物粉末と高分子凝集剤との混合物の造粒物>
前記水浄化剤として、植物粉末と高分子凝集剤との混合物を含む造粒物を用いると、自動化浄化装置において、所望の性能の水浄化剤を安定して、かつ繰り返し精度よく供給することができる。
本発明者らは、植物粉末からなる水浄化剤を用いた排水の浄化装置における自動化システムを研究していたところ、植物粉末と高分子凝集剤とからなる水浄化剤を用いると以下の問題が生じることがわかった。
自動化システムにおいては、排水の浄化処理に使用する各種水浄化剤は、自動供給機に貯めておかれ、その後、定量器で定量され、所定量の水浄化剤が、反応槽中の排水に供される。ここで、水浄化剤が固形であると、反応槽へ送られる前に一旦溶解槽で溶解され、その後反応槽へ送られるという手順を踏む。つまり、自動供給機にある固形の水浄化剤は、定量器で定量され、溶解槽に投入され、そこで所定量の水と撹拌溶解させられた後、係る分散液は反応槽に送られ、排水に供される。
ところで、コスト面等の理由から、装置はできるだけコンパクトな方が好ましく、使用する自動供給機の数は少ない方が好ましい。
一方、水浄化性能を向上させるには、植物からなる水浄化剤と高分子凝集剤からなる水浄化剤の両方を使用することが好ましい。
そこで、一つの自動供給機に、植物粉末と高分子凝集剤の両方の水浄化剤を入れ、自動化装置に供しようとしたところ、植物粉末と高分子凝集剤の比重があまりにも違う(特に嵩比重が大きく異なる)ため、自動供給機内で両者の分離が起き、所望の配合割合の水浄化剤を量り取ることができないことがわかった。所望の配合割合でないと、満足のいく水浄化効果を得られないことがあり、係る水浄化剤は、性能のよい水浄化剤とはいえない。
また、2種類の水浄化剤が分離した中で、定量を繰り返し行っても、得られる水浄化剤は、毎回配合割合の異なった水浄化性能にムラのあるものとなり、所望の配合割合の水浄化剤を繰り返し精度よく量り取ることができない。
さらにまた、植物粉末は、特に嵩比重の値が小さいために、このような嵩比重の値が小さい植物粉末を含んだ水浄化剤を自動供給機において定量しようとすると、一定質量になるまで定量器に水浄化剤を投入する必要があることから、定量に時間及び電力がかかる。自動供給機で嵩比重の値が低い水浄化剤を量り取るには、デメリットが多い。
本発明者らは、上記問題に対し、種々の実験を行った結果、水を浄化する自動化浄化装置に好適に使用し得る水浄化剤の態様を見出した。
つまり、植物粉末と高分子凝集剤との混合物を含む造粒物からなる水浄化剤が、上記問題を解決できることを見出した。
本発明の水浄化剤は、造粒物であることから流動性がよく、自動供給機や定量器などにおいて、つまりを生じることはなく、定量した水浄化剤を溶解槽へ安定供給することができる。
また、本発明の水浄化剤は、植物粉末と高分子凝集剤とを所望の割合で造粒していることから、期待通りの水浄化効果が得られる。
さらにまた、植物粉末と高分子凝集剤との混合物を造粒したことにより、本発明の水浄化剤は、嵩比重の値がある程度高い値を示しており、嵩比重の値のバラツキが少ないものとなっている。
水浄化剤の嵩比重の値のバラツキが少ないことで、定量を繰り返し行っても、毎回配合割合のブレが少ない、水浄化性能にムラのない水浄化剤を得ることができる。
本発明の水浄化剤を、自動化浄化装置に使用すると、植物粉末と高分子凝集剤の比重差から生じる問題を解決することができ、植物粉末と高分子凝集剤とが所望の配合割合で含有された水浄化剤を、繰り返し精度よく量り取ることができる。
また、本発明の水浄化剤の嵩比重の値は、植物粉末と高分子凝集剤とを単純に混合しただけの水浄化剤の嵩比重の値と比べるとかなり高い値を示しており(後述する実施例において、比較例1〜3と比較した実施例1〜3の結果より、そのことが示されている)、これにより定量にかかる時間と電力が抑えることから、自動化浄化装置への適用が有効に図られる。
前記水浄化剤における前記植物粉末と前記高分子凝集剤との含有量比は、質量比(植物粉末/高分子凝集剤)で、1/1〜9/1であることが好ましい。
水浄化性能を満足するためには、前記水浄化剤における前記植物粉末の含有量比は、質量比(植物粉末/高分子凝集剤)で、1/1以上であることが好ましい。また、水浄化剤の嵩比重の値をある程度高くするためには、前記水浄化剤における前記高分子凝集剤の含有量比は、質量比(植物粉末/高分子凝集剤)で、9/1以上であることが好ましい。
前記水浄化剤における前記植物粉末と前記高分子凝集剤との含有量比が上記範囲にあると、水浄化性能もよく、嵩比重の値も高く、嵩比重の値のバラツキも少ない良好な結果を示す水浄化剤となる。
前記造粒物の形態(直径、長さ)としては、特に制限はなく、後述する製造方法との関係で適宜選択することができるが、市販の定量器の供給口のサイズに広く適合させるには、造粒物の直径は3mm以下、長さは3mm以下が好ましい。また、供給口の通りをスムーズにし、溶解時の溶解性も考慮するなら、造粒物の直径は1mm以下、長さは1mm以下がより好ましい。
<<水浄化剤の特性>>
前記水浄化剤の嵩比重は、0.4g/cm以上が好ましい。
本発明の対象とする自動化システムにおいては、水浄化剤の嵩比重が、0.4g/cm以上であると、定量にかかる時間と電力を抑えることができ、自動化浄化装置への適用を有効に図ることができる。
ここで、嵩比重は以下のように求めることができる。
[嵩比重]
嵩比重は、パウダーテスターPT−N型(ホソカワミクロン社製)を用い測定することができる。
100ccのステンレスカップに100ccの試料を静かに入れ、その時の試料の比重を測定し、嵩比重とする。
前記水浄化剤の嵩比重のばらつき(嵩比重の最小値に対する、嵩比重の最大値と最小値との差の割合)は、4.5%以下であるとよい。
本発明の対象とする自動化システムにおいては、水浄化剤の嵩比重のばらつきが、4.5%以下であると、配合割合のブレが少ない、水浄化性能にムラのない水浄化剤を、繰り返し精度よく供給することができ、自動化浄化装置への適用を有効に図ることができる。
ここで、嵩比重のばらつきは以下のように求めることができる。
[嵩比重のばらつき]
測定試料である水浄化剤を、一定の大きさの袋(例えば、700mm×500mmのポリ袋)に入れ、袋の口を熱封止する。その際、次の振動操作において、該水浄化剤が自由に動ける程度の空間が確保されているように袋に入れる水浄化剤の量を考慮する。次に、造粒物が崩れない程度に、袋に入れた水浄化剤を上下に振動させ、その後、該袋の上下部分を含む5点から試料を取り出し、それぞれの嵩比重を測定する。
嵩比重の最大値と最小値を記録し、その最大値と最小値をもとに以下の計算によりばらつきを求める。
(嵩比重の最大値と最小値の差/嵩比重の最小値)×100
<<造粒物の製造方法>>
前記水浄化剤は、乾燥植物を粉砕し、数平均粒径が250μm以下の植物粉末を得る植物粉末製造工程と、前記植物粉末に高分子凝集剤を混合し、水分を加えて混練し、押出造粒により造粒物を得る造粒工程とを含む製造方法により製造される。
植物粉末を得るには、まず植物を天日乾燥、又は乾燥機による乾燥により、水分量が5%以下となるまで乾燥させるとよい。次に乾燥した植物を、例えば、アトマイザー(ハンマーミル、ダルトン社製)を用いて、数平均粒径が250μm以下になるように粉砕する。
ここで、数平均粒径は、例えば、Morphologi G3(マルバーン社製)を用いて測定することができる。
一方、高分子凝集剤を用意する。高分子凝集剤の大きさは、造粒物の大きさ以下であればよく、市販のものが造粒物の大きさ以下の大きさであれば、そのまま使用できる。造粒物の大きさ以上の場合は、例えば、アトマイザー(ハンマーミル、ダルトン社製)を用いて、所望の大きさになるよう粉砕すればよい。
次に、上記で得られた植物粉末と、上記高分子凝集剤とを混合し、水分を加えて混練する。水の添加量としては、例えば、植物粉末と高分子凝集剤とを混合した合計質量に対し、水が15質量%〜250質量%であるのが好ましい。
混合物に対し水を加える目安としては、水を加えた混合物を手で握った時に簡単に混合物が解けずに形が残る程度であるとよい。
水の添加量の目安としては、高分子凝集剤が水を多く吸収するため、高分子凝集剤の混合割合が高いほど、加える水の量は多くなり、例えば、質量比(植物粉末/高分子凝集剤)が、9/1で混合されている混合物に対しては、混合物の合計質量に対し水15質量%を加え、3/1で混合されている混合物に対しては、水20質量%を加え、1/1で混合されている混合物に対しては、水82質量%加える。
混練・造粒装置としては、特に制限はなく、市販の造粒装置を使用することができ、例えば、押出式の造粒機(ダルトン製ディスクペレッター)が挙げられる。
混練後、該混練物を造粒機により押出し造粒物を得る。造粒物の直径は、3mm以下が好ましい。該造粒物は、流動層乾燥機で水分が5%以下になるまで乾燥させる。
その後、パワーミルP3型解砕機(昭和化学機械工作所製)により、所定の長さ(好ましくは、2mm以下の長さ)となるように切りそろえられる。こうして本発明の植物粉末と高分子凝集剤とを混合してなる造粒物からなる水浄化剤が得られる。
(水浄化方法)
本発明の水浄化方法は、上述した本発明の水浄化剤を水に溶かし、植物粉末と高分子凝集剤との分散液を得、該分散液を排水に供することにより排水中の無機系不要物を除去する方法である。
前記水浄化剤は、定量器で定量され、その後溶解槽に供給される。
そこで、所定量の水に溶解されて、得られた水浄化剤の分散液は、反応槽に送られ、排水に供される。反応槽において、排水中の無機系不要物(例えば、ニッケル、銅、フッ素など)は、植物粉末と高分子凝集剤とにより凝集分離される。該凝集物を取り除くことにより、排水は浄化される。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
実施例において、嵩比重、嵩比重のばらつきは、次のようにして求めた。
[嵩比重]
嵩比重は、パウダーテスターPT−N型(ホソカワミクロン社製)を用いて測定した。
100ccのステンレスカップに100ccの試料を静かに入れ、その時の試料の比重を測定し、嵩比重とした。
[嵩比重のばらつき]
測定試料である水浄化剤を、700mm×500mmのポリ袋に入れ、袋の口を熱封止した。次に、袋に入れた水浄化剤を上下に振動させ、その後、該袋の上下部分を含む5点から試料を取り出し、それぞれの嵩比重を測定した。
嵩比重の最大値と最小値を記録し、その最大値と最小値をもとに以下の計算によりばらつきを求めた。
(嵩比重の最大値と最小値の差/嵩比重の最小値)×100
(実施例1)
中国産の長朔黄麻を天日乾燥により水分含有量が5%以下になるまで乾燥させた。
次に、その乾燥した植物をアトマイザー(ハンマーミル、ダルトン社製)で、数平均粒径が250μm以下になるまで粉砕し、植物粉末を得た。
高分子凝集剤は、ポリアクリルアミドの粉末(Flopan AN 956 株式会社エス・エヌ・エフ製)を使用した。
植物粉末:高分子凝集剤の混合割合を質量比(植物粉末/高分子凝集剤)が1/1となるように、植物粉末と高分子凝集剤を混合し、該混合物の合計質量に対し水を82質量%加えて混練した。
該混練物を押出式の造粒機(ダルトン製ディスクペレッター)を用いて押出し造粒物を得た。造粒機のダイスサイズ(φ)を2mmとし、直径約2mmの造粒物を得た。この造粒物を、流動層乾燥機で、水分が5%以下まで乾燥した後、パワーミルP3型解砕機により長さ(L)を約2mmで切り落とし、造粒物1を得た。
造粒物1について、上述した測定を行い、嵩比重値(最大値、最小値)、嵩比重のばらつきを求めた。結果を表1に示す。
<自動供給機への適用の有効性評価>
嵩比重をある程度高い値とすることにより、定量にかかる時間と電力を抑えるという観点から、水浄化剤の嵩比重の値(最小値の方で評価する)を以下の基準で分類し、自動化浄化装置への適用の有効性(その1)を評価した。結果を表1に示す。
−評価基準−
○:嵩比重の値が0.4g/cm以上である。
△:嵩比重の値が0.33g/cm以上0.4g/cm未満である。
×:嵩比重の値が0.33g/cm未満である。
配合割合のブレが少ない、水浄化性能にムラのない水浄化剤を、繰り返し精度よく供給することができるという観点から、水浄化剤の嵩比重のばらつきを以下の基準で分類し、自動化浄化装置への適用の有効性(その2)を評価した。結果を表1に示す。
−評価基準−
◎:水浄化剤の嵩比重のばらつきが1%以下である。
○:水浄化剤の嵩比重のばらつきが1%より大きく4.5%以下である。
□:水浄化剤の嵩比重のばらつきが4.5%より大きく6%以下である。
△:水浄化剤の嵩比重のばらつきが6%より大きく10%以下である。
×:水浄化剤の嵩比重のばらつきが10%より大きい。
(実施例2)
実施例1において、植物粉末:高分子凝集剤の混合割合を質量比(植物粉末/高分子凝集剤)が3/1となるように、植物粉末と高分子凝集剤を混合し、該混合物の合計質量に対し水を20質量%加えて混練した以外は、実施例1と同様にして水浄化剤を得た。
実施例1と同様にして、嵩比重値(最大値、最小値)、嵩比重のばらつきを求め、併せて自動供給機への適用の有効性も評価した。結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1において、植物粉末:高分子凝集剤の混合割合を質量比(植物粉末/高分子凝集剤)が9/1となるように、植物粉末と高分子凝集剤を混合し、該混合物の合計質量に対し水を15質量%加えて混練した以外は、実施例1と同様にして水浄化剤を得た。
実施例1と同様にして、嵩比重値(最大値、最小値)、嵩比重のばらつきを求め、併せて自動供給機への適用の有効性も評価した。結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1の植物粉末と高分子凝集剤を用い、植物粉末:高分子凝集剤の混合割合を質量比(植物粉末/高分子凝集剤)が1/1となるように、植物粉末と高分子凝集剤を混合した非造粒物の水浄化剤を比較例1とした。
実施例1と同様にして、嵩比重値(最大値、最小値)、嵩比重のばらつきを求め、併せて自動供給機への適用の有効性も評価した。結果を表1に示す。
(比較例2)
比較例1において、植物粉末:高分子凝集剤の混合割合を質量比(植物粉末/高分子凝集剤)が3/1となるようにした以外は、比較例1と同様にして非造粒物の水浄化剤を得た。
実施例1と同様にして、嵩比重値(最大値、最小値)、嵩比重のばらつきを求め、併せて自動供給機への適用の有効性も評価した。結果を表1に示す。
(比較例3)
比較例1において、植物粉末:高分子凝集剤の混合割合を質量比(植物粉末/高分子凝集剤)が9/1となるようにした以外は、比較例1と同様にして非造粒物の水浄化剤を得た。
実施例1と同様にして、嵩比重値(最大値、最小値)、嵩比重のばらつきを求め、併せて自動供給機への適用の有効性も評価した。結果を表1に示す。
Figure 2018103185
表1の結果から、植物粉末と高分子凝集剤との混合物の造粒物からなる本発明の水浄化剤は、嵩比重の値がある程度高く、嵩比重の値のバラツキが少ないものであることが確認できた。
本発明者らが確認したところ、長朔黄麻の粉末の嵩比重は、0.15g/cm、高分子凝集剤の嵩比重は、0.75g/cmである。これらの混合物の嵩比重は、比較例1〜3で示されるように、0.18g/cm〜0.33g/cm程度である。しかし、本発明の水浄化剤は、これらの混合物の造粒物としたことで、嵩比重の値を数段引き上げることができた。
<水浄化性能の評価>
ニッケルイオンが20ppm溶解している酸性溶液からニッケルイオンを凝集沈殿させる方法により、実施例の水浄化剤の水浄化性能について評価した。
先ず、ジャーテスターを用いて溶液を150rpmで攪拌しながら塩化第2鉄50ppmを添加し、続けて水酸化ナトリウムを添加してpH9〜10とすることで1次凝集を実施した。
次に、2次凝集として実施例1の水浄化剤、比較例1の水浄化剤、実施例1において使用した高分子凝集剤(Flopan AN 956 株式会社エス・エヌ・エフ製)のみからなる水浄化剤(比較例4とする)を用い、それぞれ10ppm添加し、回転数を50rpmにして2分間攪拌した。攪拌停止後1分経過した上澄み水を採取し、ラムダ(Λ)9000(共立理化学研究所製)により、ニッケル濃度を測定した。結果を表2に示す。
Figure 2018103185
表2の結果から、高分子凝集剤のみからなる水浄化剤(比較例4)に対し、長朔黄麻に50%置き換えることで浄化性能(ニッケルの凝集沈殿性)が向上することが、比較例1の結果より確認できた。そして、その水浄化性能は、植物粉末と高分子凝集剤との混合物の造粒物の態様であっても維持されていることが、実施例1の結果より確認できた。
植物粉末と高分子凝集剤との混合物を含む造粒物からなる本発明の水浄化剤は、優れた水浄化性能を示すことが確認できた。

Claims (5)

  1. 長朔黄麻、及びモロヘイヤの少なくともいずれかの植物粉末と高分子凝集剤との混合物からなる造粒物である水浄化剤であって、
    前記水浄化剤の嵩比重が、0.4g/cm以上であることを特徴とする水浄化剤。
  2. 高分子凝集剤が、ポリアクリルアミドである請求項1に記載の水浄化剤。
  3. 水浄化剤の嵩比重のばらつき(嵩比重の最小値に対する、嵩比重の最大値と最小値との差の割合)が、4.5%以下である請求項1から2のいずれかに記載の水浄化剤。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の水浄化剤の製造方法であって、
    乾燥植物を粉砕し、植物粉末を得る植物粉末製造工程と、前記植物粉末と高分子凝集剤とを混合し、水分を加えて混練し、押出造粒により造粒物を得る造粒工程とを含むことを特徴とする水浄化剤の製造方法。
  5. 請求項1から3のいずれかに記載の水浄化剤を水に溶かし、植物粉末及び高分子凝集剤の分散液を得、該分散液を排水に供することにより排水中の無機系不要物を除去することを特徴とする水浄化方法。
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