JP2018023972A - 粒状凝集剤の製造方法、粒状凝集剤および被覆粒状凝集剤 - Google Patents

粒状凝集剤の製造方法、粒状凝集剤および被覆粒状凝集剤 Download PDF

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Abstract

【課題】凝集剤成分の含有量が高く、被覆に適した粒状凝集剤を得る。【解決手段】水への溶解度が0.001g/20℃純水100g以上である水溶性の2価または3価の金属含有化合物に、該金属含有化合物を20〜70重量%含む水溶液を添加して造粒する。【選択図】なし

Description

本発明は、被覆に好適な粒状凝集剤の製造方法、該製造方法によって得られた粒状凝集剤、および該粒状凝集剤を用いた被覆粒状凝集剤に関するものである。
河川、湖沼などにおける架橋、護岸工事などの建築土木工事や砂利採取作業などで発生する泥排水には、不溶性の浮遊懸濁物質(以下「SS」という。)が多量に含まれており、このような泥排水を放流するにあたっては、生活環境や生態系に悪影響を及ぼさぬよう、水質汚濁防止法などの規制に基づいて懸濁物質をあらかじめ除去する必要がある。かかる懸濁物質の除去処理は、自然沈殿方式と凝集沈殿方式とに分類される。
特に凝集沈殿方式は、凝集剤によってSSを大きなフロックにし、該フロックを沈殿池やシックナで沈降させるので、自然沈殿方式では処理が困難な粒径の小さな懸濁物質でも沈降させることができる。凝集剤としては、無機系および有機系の物質が凝集剤として用いられている。
無機系凝集剤としては、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム(PAC)、硫酸アルミニウムカリウムまたはアルミン酸ナトリウムなどのアルミニウム含有化合物、硫酸鉄または塩化鉄などの鉄含有化合物、あるいは生石灰または消石灰などのカルシウム含有化合物があり、ポリ塩化アルミニウム、消石灰、塩化第二鉄などを使用する技術(例えば、特許文献1参照)、シリカおよび生石灰を主成分とし、塩素、鉄成分、アルミニウム成分を含む凝集剤(例えば、特許文献2参照)、あるいは、3価の鉄塩と3価のアルミニウム塩と1価のカリウム塩とアルミナカリウム塩とを含む汚泥処理剤に、さらに塩化マグネシウムを含有する排水処理剤(例えば、特許文献3参照)などが開示されている。
一方、有機系凝集剤としては、ポリアクリルアミドまたはアルギン酸ナトリウムなどのカチオン性高分子凝集剤(例えば、特許文献4参照)、アニオン性有機高分子電解質とカチオン性有機高分子電解質と中性の無機アンモニウム塩とを混合してなる凝集剤(例えば、特許文献5参照)、あるいは、天然有機酸と硫酸アルミニウム、および硫酸アルミニウムカリウム、炭酸ナトリウム、ポリアクリルアミド等からなる凝集剤(例えば、特許文献6参照)などが開示されている。
これらの凝集剤は溶解速度で効果が決まるため一般的に速効性で、使用法によっては処理水のpHが急激に変化するほか、処理水を排水するためにpH調整が必要となる。これに対し、凝集剤成分の被覆により凝集効果の持続と低pH処理水等の流出防止を可能とする技術が開示されている(例えば、特許文献7、8、9参照)。
特開昭64−90100号公報 特開2000−70608号公報 特開2000−237800号公報 特開昭63−267408号公報 特公平6−91922号公報 特開2005−118675号公報 特開2013−230418号公報 特開2006−117918号公報 特開平9−103608号公報
被膜材料を用いて粒状凝集剤の粒子表面に被膜を形成することは、凝集効果の持続と低pH処理水等の流出防止のために有効であるが、従来の芯材となる粒状凝集剤そのものは、容易に入手、作製できるものではない。粒状物を得るために多量の造粒助剤等を添加すれば凝集剤成分の含有量が低下するので経済的に成り立たない。また、これら添加剤の種類や得られた粒子の物性によっては、目的とする被覆粒状物が得られないことが考えられる。特に、粒状凝集剤の粒硬度が低すぎる場合、被膜材料を用いて粒状凝集剤の粒子表面に被膜を形成する工程において、粒状凝集剤の粒が粉化し、被覆粒状凝集剤を得ることが出来ない。また、粒状凝集剤の形状がある程度コントロールされていないと、溶出挙動が安定しないことが予測される。さらに、添加剤の種類によっては凝集剤成分との組み合わせにより溶出挙動が安定しないことも予測される。
特許文献8の方法は水溶性金属含有化合物のほかに構造材料、樹脂等の添加剤を多量に混ぜる必要があるため、その分だけ凝集剤成分の含有量が低下する等の上述の課題が残されたままであった。
また、特許文献9では粒硬度や形状等についての記載がないため、被膜材料を用いて粒状凝集剤の粒子表面に被膜を形成する方法が限られてしまうことが予測される。
上記のような従来技術に鑑み、本発明は、凝集剤成分の含有量が高く、被覆に適した粒状凝集剤を得ることを課題とする。
そこで、本発明者らは粒状凝集剤を製造する方法について、上記課題を解決すべく鋭意検討した。その結果、水への溶解度が0.001g/20℃純水100g以上である水溶性の2価または3価の金属含有化合物を含む水溶液を用いて造粒すれば凝集剤成分の含有量が低下しないことを見出した。さらに、上記水溶性の2価または3価の金属含有化合物に該化合物を20〜70重量%含む水溶液を添加して造粒することで、被覆に耐えうる強度を有し、溶出の制御を容易に行える粒状凝集剤を効率的に製造できることが判明し、本発明を完成させるに至った。
本発明は、以下から構成される。
(1)水への溶解度が0.001g/20℃純水100g以上である水溶性の2価または3価の金属含有化合物に、該金属含有化合物を20〜70重量%含む水溶液を添加して造粒することを特徴とする、粒状凝集剤の製造方法。
(2)前記金属含有化合物100重量部と、それに対して1.0〜20.0重量部の多糖類または多糖類誘導体とを含む混合物に、前記金属含有化合物を20〜70重量%含む水溶液を添加することを特徴とする、上記(1)に記載の粒状凝集剤の製造方法。
(3)前記多糖類または多糖類誘導体が、粉末セルロース、セルロースエーテル、カルボキシメチルセルロースおよびデンプンからなる群より選ばれた1種以上であることを特徴とする、上記(2)に記載の粒状凝集剤の製造方法。
(4)前記金属含有化合物100重量部と、それに対して0.5〜10.0重量部の助剤とを含む混合物に、前記金属含有化合物を20〜70重量%含む水溶液を添加することを特徴とする、上記(1)に記載の粒状凝集剤の製造方法。
(5)前記助剤がタルクであることを特徴とする、上記(4)に記載の粒状凝集剤の製造方法。
(6)前記金属含有化合物がアルミニウム塩であることを特徴とする、上記(1)〜(5)のいずれか1項に記載の粒状凝集剤の製造方法。
(7)水への溶解度が0.001g/20℃純水100g以上である水溶性の2価または3価の金属含有化合物の粒状凝集剤であって、粒硬度が2.0kg以上、かつ2価または3価の金属を5.0重量%以上含むことを特徴とする粒状凝集剤。
(8)多糖類または多糖類誘導体を0.8〜14.0重量%含むことを特徴とする、上記(7)に記載の粒状凝集剤。
(9)前記多糖類または多糖類誘導体が、粉末セルロース、セルロースエーテル、カルボキシメチルセルロースおよびデンプンからなる群より選ばれた1種以上であることを特徴とする、上記(8)に記載の粒状凝集剤。
(10)助剤を0.4〜7.5重量%含むことを特徴とする、上記(7)に記載の粒状凝集剤。
(11)前記助剤がタルクであることを特徴とする、上記(10)に記載の粒状凝集剤。
(12)前記金属含有化合物がアルミニウム塩であることを特徴とする、上記(7)〜(11)のいずれか1項に記載の粒状凝集剤。
(13)上記(7)〜(12)のいずれか一項に記載の粒状凝集剤と、その表面を被覆する被膜材料とを有することを特徴とする被覆粒状凝集剤。
(14)前記被膜材料が1種以上の樹脂を含む被膜材料である、上記(13)に記載の被覆粒状凝集剤。
本発明の製造方法にて得られた粒状凝集剤は、特に被覆に適しており、流動や転動による粒状物の割れ、粉化が抑制できるなど、被覆加工に対応した強度を有する。
また、本発明の製造方法にて得られた粒状凝集剤は、多量の添加剤等を加えることなく製造することができるため、有効成分である2価または3価の金属含有量を通常5.0重量%以上、好ましくは5.0〜45重量%、より好ましくは6.0〜20重量%の範囲に保つことができるほか、被膜による溶出の制御が容易になる。
本発明で得られた粒状凝集剤の表面を1種以上の樹脂、詳しくはポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等の熱可塑性樹脂またはウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂を含む被膜材料で被覆することで、好ましい溶出制御性を備えた被覆粒状凝集剤を得ることができる。
以下、本発明の粒状凝集剤の製造方法について詳細に説明する。
<粒状凝集剤の製造方法>
本発明の粒状凝集剤の製造方法は、固形状の(好ましくは粉末状の)造粒原料としての水溶性の2価または3価の金属含有化合物に、バインダーとして、水溶性の2価または3価の金属含有化合物を20〜70重量%含む水溶液を添加して造粒するものである。
粒状凝集剤の固形状造粒原料として用いる「水溶性の2価または3価の金属含有化合物」と、バインダー水溶液に溶解させる「水溶性の2価または3価の金属含有化合物」は、金属含有化合物として同一の種類のものであってもよいし、金属は同一だが異なる化合物であってもよいし、金属自体が異なっていてもよいが、金属含有化合物として同一の種類のものであることが好ましい。
本発明における水溶性とは、水への溶解度が0.001g/20℃純水100g以上であることを示す。好ましくは0.01g/20℃純水100g以上である。なお、金属含有化合物の溶解度が0.01g/20℃純水100g以上であるとは、20℃の純水100gに、該金属含有化合物が0.01g以上溶解することを意味する。以下、本発明で用いる「水への溶解度が0.001g/20℃純水100g以上である水溶性の2価または3価の金属含有化合物」を単に「所定の金属含有化合物」と表記することとする。
所定の金属含有化合物は、例えば、汎用の水溶性アルミニウム含有化合物など、水溶性(水への溶解度が0.001g/20℃純水100g以上)であって、2価または3価の金属を含有する化合物であれば特に限定されるものではない。そのような金属含有化合物としては、アルミニウム、鉄およびカルシウムから選ばれる金属を含有する化合物、すなわち、2価または3価のアルミニウム塩、鉄塩およびカルシウム塩から選ばれた少なくとも1種以上であることが好ましい。具体的には、硫酸アルミニウム、硫酸アルミニウムカリウム、硫酸アルミニウムアンモニウム、ポリ塩化アルミニウム、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、ポリ硫酸第二鉄、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、硝酸カルシウム、アルギン酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸二水素カルシウム、およびこれらの複塩などが挙げられる。これらの金属含有化合物のうち、硫酸アルミニウム、硫酸アルミニウムカリウム、硫酸アルミニウムアンモニウム、ポリ塩化アルミニウム、塩化第二鉄、ポリ硫酸第二鉄がSSの除去効果が高いため好ましい。より好ましくは、硫酸アルミニウム、硫酸アルミニウムカリウム、硫酸アルミニウムアンモニウム、ポリ塩化アルミニウム等のアルミニウム塩である。また、金属含有化合物は2つ以上混合したものを用いることもでき、複塩であってもよい。
バインダーとして用いる水溶液は、好ましくは所定の金属含有化合物を通常20〜70重量%、好ましくは30〜60重量%含む水溶液であり、造粒後の凝集剤に含まれる所定の金属含有化合物の量、すなわち粒状凝集剤の有効成分としての2価または3価の金属の量(有効成分量)を高く保つことができる。また、前記水溶液は前記金属含有化合物の飽和濃度以上でもよく、例えば、スラリー状の水溶液を添加しても構わない。なお、金属含有化合物の水溶液の濃度が高いと、造粒工程における混練時の流動性が悪くなる場合があるので、必要に応じて、デンプン、セルロース等の多糖類もしくはセルロースエーテル等の多糖類誘導体、タルク等の助剤、またはそれらの両方を添加し、流動性を改善するようにしてもよい。
バインダーとしての所定の金属含有化合物の水溶液の添加量は、造粒方法に応じて適宜調節すればよいが、固形状造粒原料としての所定の金属含有化合物の100重量部に対して、通常40〜65重量部、好ましくは48〜60重量部である。
本発明では、粒硬度の高い粒状凝集剤を容易に得るために、所定の金属含有化合物に多糖類または多糖類誘導体を添加してもよい。すなわち固形状造粒原料として所定の金属含有化合物と多糖類または多糖類誘導体との混合物を用いてもよい。
本発明で用いる多糖類とは、複数の単糖類が脱水縮合によって複数結合した高分子化合物のことである。また多糖類誘導体とは、多糖類にメチル基、カルボキシメチル基等の官能基が導入され、化学構造が変化した多糖類またはその金属塩のことである。具体的に多糖類は、デンプン、アミロース、アミロペクチン、グリコーゲン、(粉末)セルロース、キチン、アガロース、カラギーナン、ヘパリン、ヒアルロン酸、ペクチン、キシログルカン等が挙げられ、多糖類誘導体は、セルロースエーテル、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース等のカルボキシアルキルセルロース類、カルボキシメチルスターチ、カルボキシエチルスターチ等のカルボキシアルキルスターチ類、セルロースサクシネート、セルロースフタレート、アルギン酸、ペクチン等のアニオン性多糖類、アミノエチルセルロース、アミノプロピルセルロース等のアミノアルキルセルロース類、アミノエチルスターチ、アミノプロピルスターチ等のアミノアルキルスターチ類、キチン、キトサン等のカチオン性多糖類、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のヒドロキシアルキルセルロース類、ヒドロキシエチルスターチ、ヒドロキシプロピルスターチ等のヒドロキシアルキルスターチ類等のノニオン性多糖類、あるいは、酢酸、プロピオン酸、酪酸等の脂肪酸の1種または2種以上のエステル等、および上記多糖類誘導体のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩が挙げられる。これらのうち、粉末セルロース、セルロースエーテル、カルボキシメチルセルロースおよびデンプンからなる群より選ばれた1種以上が好ましい。多糖類または多糖類誘導体は、いずれか1種を単独で添加してもよいし、2種以上を組み合わせて添加してもよい。
多糖類または多糖類誘導体は任意成分であるが、該成分を添加する場合、その添加量は固形状造粒原料として用いる(バインダー水溶液添加前の)所定の金属含有化合物の100重量部に対して、通常0.1〜25重量部、好ましくは1.0〜20.0重量部、さらに好ましくは1.5〜18重量部である。下限値以下であると添加効果が不十分であり、上限値を超えるとコスト高になるほか、凝集剤成分中の所定の金属含有化合物量が相対的に減少する。
本発明では、発明の効果を損なわない範囲で、助剤として各種材料を固形状造粒原料に配合してもよい。所定の金属含有化合物に助剤を加えることによって流動性が上がり、造粒の生産性が向上する。
本発明で用いる助剤としては、タルク、脂肪酸エステル、炭化水素樹脂、パラフィン、高級脂肪酸、オキシ脂肪酸、脂肪酸アミド、アルキレンビス脂肪酸アミド、脂肪族ケトン、脂肪酸低級アルコールエステル、脂肪酸多価アルコールエステル、脂肪酸ポリグリコールエステル、脂肪族アルコール、多価アルコール、ポリグリコール、ポリグリセロール、金属石鹸、変性シリコーンまたはこれらの混合物が挙げられる。
助剤は任意成分であるが、該成分を添加する場合、その添加量は、固形状造粒原料として用いる(バインダー水溶液添加前の)所定の金属含有化合物の100重量部に対して、通常0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜10.0重量部、さらに好ましくは1.0〜6.0重量部である。下限値以下であると添加効果が不十分であり、上限値を超えるとコスト高になるほか、凝集剤成分中の所定の金属含有化合物量が相対的に減少する。
固形状造粒原料として用いる所定の金属含有化合物は粉末であることが好ましい。特に好ましくは、嵩比重が0.5〜1.0である粉末である。
本発明の粒状凝集剤の製造方法では、公知の各種の造粒方法を採用することができる。例えば、パン造粒機、ドラム造粒機などを使用する転動造粒法、攪拌造粒機等を使用する攪拌造粒法、ブランジャー(2軸パドル式混合機)等を使用するスラリー式造粒法、ブリケット機等を使用する成形造粒法、押出機を使用する押出造粒法等を挙げることができる。これらの中でも押出造粒法、転動造粒法、攪拌造粒法によれば、粒硬度の高い粒状凝集剤が得られるので特に好ましい。いずれの造粒法においても、基本的に、所定の金属含有化合物と、必要に応じて多糖類もしくは多糖類誘導体、助剤、またはこれら両方とをそれぞれ適量含む固形状造粒原料に、所定の金属含有化合物が溶解したバインダー水溶液を適量添加して、造粒工程を実施すればよい。
<粒状凝集剤>
本発明の粒状凝集剤は、水への溶解度が0.001g/20℃純水100g以上である水溶性の2価または3価の金属含有化合物の粒状凝集剤であって、粒硬度が一定値以上、かつ2価または3価の金属を通常5.0重量%以上、好ましくは5.0〜45重量%、より好ましくは6.0〜20重量%含むものである。このような粒状凝集剤は、前述したような本発明の製造方法によって得られるものである。粒状凝集剤に含まれる物質は、本発明の製造方法との関係ですでに記載した所定の金属含有化合物、多糖類または多糖類誘導体、助剤などを含む固形状造粒原料と、該固形状造粒原料に加えたバインダー水溶液に含まれる所定の金属含有化合物などである。
本発明の粒状凝集剤の粒硬度は、通常2.0kgf以上、好ましくは3kgf以上であり、より好ましくは5kgf以上、さらに好ましくは7kgf以上、20kgf以下の範囲である。本発明における粒硬度は、無作為に選び出した粒子10粒について、例えば木屋式硬度計を用いて圧縮破砕強度を測定した値の平均値である。粒硬度がこの範囲であれば、本発明の粒状凝集剤を被膜材料で被覆した被覆粒状凝集剤の溶出機能が制御しやすい。また、粒状凝集剤の硬度が20kgfを越える場合には、粒子の形状が被覆に適さない場合があり、所望の溶出機能等が得られないことがある。
粒状凝集剤中の2価または3価の金属の含有率(有効成分量)は、常法に従って測定することができる。例えば所定の重量(初期重量)の粒状凝集剤を乳鉢等ですり潰し、メスフラスコ等の中で、すり潰した粉末を純水にて完全に溶解させる。充分に溶解させた後、2価または3価の金属の濃度を測定し、溶解液中の2価または3価の金属の重量を算出し、初期重量に対する溶解液中の2価または3価の金属の重量の割合を粒状凝集剤の有効成分量とみなす。2価または3価の金属の濃度は、例えば高周波誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析法など、金属の種類に応じた適切な手法を用いて測定すればよい。
上記のような測定方法から理解されるように、有効成分量の算出に用いられる2価または3価の金属の重量には、粒状凝集剤の固形状造粒原料としての所定の金属含有化合物中に含まれる2価または3価の金属と、それに添加されるバインダー水溶液中に溶解している(金属含有化合物由来の)2価または3価の金属の両方の重量が包含される。また、有効成分量の算出に用いられる「初期重量」には、固形状造粒原料およびバインダー水溶液それぞれに用いられる所定の金属含有化合物の合計重量のほか、必要に応じて用いられる多糖類もしくは多糖類誘導体、助剤、またはこれら両方の重量、つまり粒状凝集剤の全成分の重量が包含される(バインダー水溶液の溶媒である水は、製造後の粒状凝集剤には実質的に含まれないので、その重量は包含されない)。所定の金属含有化合物および水のみを用いて、すなわち所定の金属含有化合物のみからなる造粒原料に、所定の金属含有化合物を含むバインダー水溶液を添加して粒状凝集剤を製造すれば、有効成分量を通常5.0重量%以上、好ましくは5.0〜45重量%、より好ましくは6.0〜20重量%の範囲とすることができる。所定の金属含有化合物および水以外の成分を用いる場合は、そのような成分の使用量が多いほど粒状凝集剤の有効成分量は少なくなるので、多糖類もしくは多糖類誘導体、助剤、またはこれら両方は、有効成分量が5.0重量%を下回らないような適切な範囲で使用すればよい。
粒状凝集剤の粒径は特に限定されるものではないが、通常2.00mm以上であり、2.00〜10.0mmであることが好ましく、より好ましくは2.00〜6.00mmである。このような範囲の粒径を有する粒状凝集剤の重量割合が、全体に対して80%以上を占めることが好ましい。粒状凝集剤は篩いを用いることにより、前記範囲内で任意の粒径を有するものを選択することができる。粒径は被覆のしやすさや使用目的、機能によって任意に選択すればよい。
本発明の粒状凝集剤の形状は特に限定されるものではないが、下記式で表される面積と周囲長によって求めた円形度が0.7以上、好ましくは0.75以上であれば、安定した溶出挙動が得られる。
円形度=4π×(粒の投影面積)/(粒周囲長)2
粒状凝集剤の円形度は、無作為に選び出した粒子10gについて、粒子画像測定装置(例えば、株式会社サタケ製グレインスキャナー(RSQI 10A))を用いて測定することができる。
粒子の円形度係数を0.7以上とするためには、粒状凝集剤の製造方法において形状を球形とする整形工程を設けることが好ましく、一般的な回転円盤式整粒機等によって粒の角を削ることが推奨される。
前述したような本発明の製造方法において、多糖類もしくは多糖類誘導体、助剤、またはこれらの両方を使用した場合、得られる粒状凝集剤もそれらの成分を含有するものとなる。
粒状凝集剤が多糖類または多糖類誘導体を含む場合、その含有量(粒状凝集剤全体の重量に対する多糖類または多糖類誘導体の重量の比率)は、固形状造粒原料への配合量(所定の金属含有化合物100重量部に対する割合)や、バインダー水溶液中の所定の金属含有化合物の重量によって変動するが、通常0.05〜17重量%、好ましくは0.8〜14.0重量%、より好ましくは1.2〜13重量%である。
粒状凝集剤が助剤を含む場合、その含有量(粒状凝集剤全体の重量に対する助剤の重量の比率)は、固形状造粒原料への配合量(所定の金属含有化合物100重量部に対する割合)や、バインダー水溶液中の所定の金属含有化合物の重量によって変動するが、通常0.05〜14重量%、好ましくは0.4〜7.5重量%、より好ましくは0.8〜5.0重量%である。
<被覆粒状凝集剤>
本発明の被覆粒状凝集剤は、本発明の粒状凝集剤と、その表面を被覆する被膜材料とを有するものである。被膜材料としては、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂から選ばれる1種以上の樹脂を含む被膜材料、および硫黄などの1種以上の無機物質を含む(樹脂は含まない)被膜材料が挙げられる。これらの被膜材料で粒状凝集剤の表面を被覆することにより、溶出制御性を有する粒状凝集剤が得られる。所望の溶出制御性を賦与しやすい点から、本発明の粒状凝集剤は、1種以上の樹脂を含む被膜材料で被覆することが好ましい。樹脂を含む被膜材料によって被覆された粒状凝集剤に関する基本的な事項は、例えば特開2013−230418号公報(特許文献7)を参照することができ、本発明の粒状凝集剤は当該文献に記載された発明における芯材として用いることができる。
被膜材料に配合することのできる樹脂は、熱可塑性樹脂であっても、熱硬化性樹脂であってもよいが、熱可塑性樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂としては、オレフィン系重合体、塩化ビニリデン系重合体、ジエン系重合体、ワックス類、ポリエステル、石油樹脂、天然樹脂等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、フラン樹脂、キシレン−ホルムアルデヒド樹脂、ケトン−ホルムアルデヒド樹脂、アミノ樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル、エポキシ樹脂、ケイ素樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられる。このうち、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂またはアルキッド樹脂が好ましい。
オレフィン系重合体としては、例えば、低密度/高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−一酸化炭素共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、エチレン−ブタジエン共重合体、ポリブテン、ブテン−エチレン共重合体、ブテン−プロピレン共重合体、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素三元共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体およびエチレン−メタクリル酸エステル共重合体などが挙げられる。これらのオレフィン系重合体の混合物、例えば低密度ポリエチレンとエチレン−酢酸ビニル共重合体との混合物を用いることもできる。
塩化ビニリデン系重合体としては、例えば、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体などが挙げられる。ジエン系重合体としては、例えば、ブタジエン重合体、イソプレン重合体、クロロプレン重合体、ブタジエン−スチレン共重合体、EPDM重合体およびスチレン−イソプレン共重合体などが挙げられる。
ワックス類としては、例えば、蜜ロウ、木ロウおよびパラフィンなどが挙げられる。ポリエステルとしては、例えば、ポリ乳酸およびポリカプロラクトンなどの脂肪族ポリエステルならびにポリエチレンテレフタレートなどの芳香族ポリエステルが挙げられる。
更に、樹脂を含有する被膜材料は、フィラーや親水性付与のための界面活性剤などを含むものであってもよい。フィラーとしてはタルク、クレー、カオリン、ベントナイト、硫黄、白雲母、金雲母、雲母状酸化鉄、金属酸化物、珪酸質、ガラス、アルカリ土類金属の炭酸塩、硫酸塩、および澱粉等を挙げることができ、界面活性剤としては、ポリオールの脂肪酸エステルに代表されるノニオン界面活性剤等を挙げることができる。
樹脂を含有する被膜材料において、樹脂の含有割合は適宜調節することができるが、被膜材料全重量に対し、10〜100重量%の範囲であることが好ましく、20〜100重量%の範囲であることがより好ましい。なお、被膜材料中の樹脂の含有割合の残部(100重量%−樹脂の含有割合)が、フィラー、界面活性剤などの成分の含有割合に相当する。
一方、無機物質を含有する(樹脂は含まない)被膜材料としては、硫黄を含有するものが好ましい。
無機物質を含有する被膜材料において、無機物質の含有割合は適宜調節することができるが、被膜材料全重量に対し、20〜100重量%の範囲であることが好ましく、50〜90重量%の範囲であることがより好ましい。
粒状凝集剤の粒子の表面を被膜材料で被覆する方法は、特に限定されるものではなく、例えば、溶融させた被膜材料を該粒子表面に噴霧する方法、溶剤に被膜材料を溶解させた被膜材料溶解液を該粒子表面に噴霧する方法、被膜材料の粉体を該粒子表面に付着させた後に溶融する方法、モノマーを該粒子表面に噴霧し、該粒子表面で反応させて樹脂化(被膜化)する方法、更に、被膜材料の溶融液ないし被膜材料溶解液に該粒子を浸すディップ法などを挙げることができる。
樹脂を含む被膜材料で粒状凝集剤の粒子を被覆する方法としては、被膜材料中の樹脂を溶解し得る溶剤に溶解させた被膜材料溶解液を、噴霧により該粒子表面に付着させ、被膜を形成させる方法(以下「溶解液噴霧法」と云う)、若しくは該被膜材料を加熱により溶融させて得られた被膜材料溶融液を、噴霧により該粒子表面に付着させ、被膜を形成させる方法(以下「溶融液噴霧法」と云う)を挙げることができる。
本発明の被覆粒状凝集剤は、どちらの方法で得られたものであっても構わないが、生産効率の高さや、得られる被膜の均一性などの面から、転動または流動状態にある粒状凝集剤の粒子に被膜材料溶解液を噴霧により付着させ、その後に熱風に晒すことにより被膜を形成させる方法によって得られたものであることが好ましい。
上記方法にて得られた被覆粒状凝集剤は、12時間以上の溶出制御性を有し、無被覆の粒状凝集剤よりも溶出が遅ければよい。より好ましくは、2日〜100日程度の溶出制御性である。ここで言う溶出制御性とは、被覆粒状凝集剤に含まれる有効成分量の80%が25℃の蒸留水中に溶出する日数で表される性能である。
上記溶出制御性の評価方法は以下に示す通りである。
すなわち、本発明の被覆粒状凝集剤2.5gを不織布の袋に詰め、溶出用パックとする。250mlのスチロール製容器に純水200mlと溶出用パックを入れ、蓋をした後、25℃の恒温器内に静置する。評価開始から6時間目までは1時間毎、それ以降は24時間経過毎に、容器内を軽く撹拌し、溶出液のアルミニウム濃度を測定する。溶出液中のアルミニウム含有量と予め求めておいた仕込みアルミニウム量から、溶出率を算出する。残りの溶出液は廃棄し、新たに純水200mlを加え、再度25℃の恒温器内に静置する。以上の操作を積算溶出率が80%を超えるまで繰り返す。
本発明に係る被覆粒状凝集剤を使用する際、無被覆の粒状凝集剤と適宜、混合して用いても充分な効果が発揮される。混合して用いる際は、目標とする溶出制御性の程度を鑑みて上述する評価法によりその混合割合を決定すればよい。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[実施例1]押出造粒法による粒状凝集剤の製造
硫酸アルミニウムを含む水溶液(濃度50重量%)の調製は、50Lの容器を用いて純水6.25kgを入れた後、攪拌しながら硫酸アルミニウム6.25kgを10分かけて投入し、さらに10分攪拌を継続して行い、硫酸アルミニウムを溶解させることにより行った。
固形(粉末状)の硫酸アルミニウム25kgをミキサー(M20型、マツボー製)に投入後、上記のとおり調製した水溶液(硫酸アルミニウム濃度50重量%)12.5kgを加えて10分程度混練することにより混練物を得た。次いで、得られた混練物を用いてペレッター(商品名、ダイス孔径φ3.0mm、不二パウダル製)にて押出造粒を行い、円柱状の粒状物を得た。得られた円柱状の粒状物を回転円盤式整粒機(QJ−400型、不二パウダル製)で2分整粒を行った。得られた整粒物を流動層乾燥機(MDD−400型、不二パウダル製)にて熱風温度80℃で10分程度乾燥させた後、熱風温度100℃で30分程度乾燥させ、アルミニウム7重量%以上含む粒状物を得た。その後篩を用いて、粒径2.5mm〜6.0mmの粒状凝集剤を得た。円形度はいずれも0.7以上であった。
[実施例2]撹拌造粒法による粒状凝集剤の製造
固形(粉末状)の硫酸アルミニウム40kgをミキサー(マツボー製、FKM−130D型)に投入し、装置内を50℃に加温した。5分間混合した後、上記実施例1にて調製した硫酸アルミニウム水溶液を所定量加え、約2.5mmの粒径になるまで造粒した。造粒後、上記実施例1と同様にして粒径2.5〜6.0mmの粒状凝集剤を得た。
[実施例3]転動造粒法による粒状凝集剤の製造
固形(粉末状)の硫酸アルミニウム500gを直径450mmの回転皿型パン造粒機に入れ、25r/minの回転速度で該混合物を転動させながら上記実施例1にて調製した硫酸アルミニウム水溶液を少量ずつ添加し、平均粒径が2.5mm程度になるまで造粒した。造粒後、上記実施例1と同様にして粒径2.5〜6.0mmの粒状凝集剤を得た。
(粒状凝集剤の評価)
実施例1〜3で得られた粒状凝集剤について、「粒硬度」の測定および「有効成分量」の評価を行った。粒硬度の測定は、木屋式硬度計(藤原製作所製)により行った。有効成分量は、硫酸アルミニウム中に含まれる有効成分(アルミニウム)が5.0重量%以上を「高」、5.0重量%未満を「低」と評価した。
Figure 2018023972
[実施例4〜9]
水溶液の調製のため、および粒状凝集剤の固形状造粒原料としてそれぞれ用いた硫酸アルミニウム(A)を表2記載の2価または3価の金属含有化合物(B〜G)に変更する他は実施例1と同様にして本発明の粒状凝集剤を得た。円形度はいずれも0.7以上であった。粒硬度はいずれも、3〜10kgfであった。
[比較例1〜7]
硫酸アルミニウムを含む水溶液の代わりに純水を用いた。表2記載の2価または3価の金属含有化合物(A〜G)25kgを上記混練機に投入後、純水12.5kgを加え10分混練したが、混練中に固まりが生じ、いずれも押出造粒を行うことが出来なかった。別途、水分量を調整して行ったが、同様に押出造粒を行うことが出来なかった。
Figure 2018023972
表1に記載した「2価または3価の金属含有化合物」の情報は以下の通りである。
A:硫酸アルミニウム(水溶解度100g/20℃純水100g):商品名「硫酸バンド」(大明化学工業製)
B:硫酸アルミニウムカリウム(水溶解度10〜14g/20℃純水100g):商品名「カリミョウバン」(大明化学工業製)
C:硫酸アルミニウムアンモニウム(水溶解度14g/20℃純水100g):商品名「アンモニウムミョウバン」(大明化学工業製)
D:炭酸カルシウム(水溶解度14.8g/20℃純水100g):商品名「ママカルソ」(日東粉化工業製)
E:硫酸カルシウム(水溶解度0.21g/20℃純水100g):商品名「硫酸カルシウム」(太平化学産業製)
F:ポリ塩化アルミニウム(水溶解度0.001g/20℃純水100g以上):「ポリ塩化アルミニウム(粉末パック)」(大明化学工業製)
G:塩化第一鉄(水溶解度64.4g/20℃純水100g以上):商品名「塩化鉄(II)四水和物」(米山薬品工業製)
[実施例10〜22]、[比較例8〜14]
実施例10〜22、比較例8〜14は、(i)バインダーとして添加する硫酸アルミニウム水溶液の濃度、(ii)多糖類もしくは多糖類誘導体、または助剤の使用量、の少なくとも一方を表3記載のように変更したこと以外は、実施例1と同様にして行った。バインダー水溶液は少量ずつ添加し、添加液量を調整した。多糖類または多糖類誘導体や助剤(タルク)を用いた実施例、比較例については、それらの成分は硫酸アルミニウム25kg(100重量部)をミキサーに投入した後に加えた。
また、これらの実施例および比較例における「混練時の流動性」を評価した。手で触った感触で、流動性が特に高いものを◎、中程度のものを○、流動性が悪いものを×とした。結果を表3にあわせて示す。
Figure 2018023972
表3に記載した「多糖類または多糖類誘導体」および「タルク」の情報は以下の通りである。
H:カルボキシメチルセルロース:商品名「カルボキシメチルセルロースナトリウム」、和光純薬工業製
I:デンプン:商品名「でんぷん(とうもろこし)」、関東化学製
J:粉末セルロース:商品名「ハンフロック」、JSR製
K:セルロースエーテル:商品名「メチルセルロース」、巴工業製
タルク:50%粒子径8μm(レーザー回析式粒度分布測定機による)
(粒状凝集剤の評価)
実施例10〜22および比較例10〜14で得られた粒状凝集剤について、「粒硬度」、「円形度」、「粒径」および「有効成分量」の測定・評価を行った。粒硬度の測定は、木屋式硬度計(藤原製作所製)により行った。円形度の測定は株式会社サタケ製グレインスキャナー(RSQI 10A)により行った。粒径の測定は試験用ふるい(東京スクリーン株式会社製、目開き:2.00、6.00mm)に粒状凝集剤100gを乗せ適宜振動させ、目開き:2.00mmのふるいに残留した重量(%)にて評価した。有効成分量は、硫酸アルミニウム中に含まれる有効成分(アルミニウム)が5.0重量%以上を「高」、5.0重量%未満を「低」と評価した。
結果を下記表4に示す。本発明の製造方法(実施例10〜22)により、粒硬度が所定の基準を満たし(比較的高く)、円形度も所定の基準(0.7以上)を満たし、粒径も所定の基準(2.00mm〜6.00mmの重量割合が80%以上)を満たし、かつ有効成分量の高い粒状凝集剤を製造できることが示されている。これらの基準を満たすことで、得られた粒状凝集剤を被覆した際、比較的安定した溶出制御性をもつ被覆粒状凝集剤を得ることができる。比較例10〜13については粒状凝集剤が得られなかったので、粒硬度の測定および有効成分量の評価は行えず、それらの欄は「−」となっている。
Figure 2018023972
(被覆粒状凝集剤の溶出制御性の評価)
実施例10〜22および比較例8〜14で得られた粒状凝集剤を用いて、被覆加工を行い、被覆粒状凝集剤とし、その溶出制御性を評価した。被覆加工は特開2013−230418号公報(特許文献7)記載の製造方法1に準じて行った。被膜組成は、タルク(50%粒子径8μm(レーザー回析式粒度分布測定機による))/低密度ポリエチレン(旭化成ケミカルズ製、サンテックM2270)/エチレン−酢酸ビニル共重合体(三井デュポン製、エバフレックス360)/ヘキサオキシエチレンノニルフェニルエーテル=59/20/20/1(重量比)とした。
得られた被覆粒状凝集剤2.5gを不織布の袋に詰め、溶出用パックとした。250mlのスチロール製容器に蒸留水200mlと溶出用パックを入れ、蓋をした後、25℃の恒温器内に静置した。評価開始から6時間目までは1時間毎、それ以降は24時間経過毎に、容器内を軽く撹拌し、溶出液のアルミニウム濃度を測定した。溶出液中のアルミニウム含有量と予め求めておいた仕込みアルミニウム量から、溶出率を算出した。残りの溶出液は廃棄し、新たに蒸留水200mlを加え、再度25℃の恒温器内に静置した。以上の操作を積算溶出率が80%を超えるまで繰り返す。被覆粒状凝集剤の溶出率は下記の式により算出した。
溶出率(%)=水中に溶出したアルミニウム量/被覆粒状凝集剤2.5g中のアルミニウム量 ×100
評価開始から6時間目までは1時間毎、それ以降は24時間経過毎の溶出率を積算していき、その積算溶出率が80%に達する時間を「80重量%溶出時間」とした。80重量%溶出時間が、12時間以上2400時間未満であれば良好「◎」とし、12時間未満および2400時間以上を不良「×」と判定した。
結果を下記表5に示す。粒硬度が所定の基準を満たし(比較的高く)、かつ有効成分量も高い本発明の粒状凝集剤(実施例10〜22)を用いることにより、溶出制御性に優れた被覆粒状凝集剤を製造できることが示されている。粒硬度が低い場合(比較例8〜9)、安定した溶出制御性が得られなかった。また、粒硬度が高くても有効成分量が低い場合(比較例14)、得られる被覆粒状凝集剤の溶出制御性は劣ったものとなる。比較例10〜13については粒状凝集剤が得られず、被覆粒状凝集剤を製造できなかったので、溶出制御性の欄は「−」となっている。
Figure 2018023972
(被覆粒状凝集剤の品質安定性の評価)
実施例10〜22および比較例8〜14で得られた粒状凝集剤を用いて、被覆加工を行い、被覆粒状凝集剤とし、その品質安定性を評価した。被覆加工は特開2013−230418号公報(特許文献7)記載の製造方法1に準じて行った。被膜組成は、タルク(50%粒子径8μm(レーザー回析式粒度分布測定機による)/低密度ポリエチレン(旭化成ケミカルズ製、サンテックM2270)/エチレン−酢酸ビニル共重合体(三井デュポン製、エバフレックス360)/ヘキサオキシエチレンノニルフェニルエーテル=59/20/20/1(重量比)である。
得られた被覆粒状凝集剤2.5gを不織布の袋に詰め、溶出用パックとした。250mlのスチロール製容器に蒸留水200mlと溶出用パックを入れ、蓋をした後、25℃の恒温器内に静置した。評価開始から6時間目までは1時間毎、それ以降は24時間経過毎に、容器内を軽く撹拌し、溶出液のアルミニウム濃度を測定した。溶出液中のアルミニウム含有量と予め求めておいた仕込みアルミニウム量から、溶出率を算出した。残りの溶出液は廃棄し、新たに蒸留水200mlを加え、再度25℃の恒温器内に静置した。以上の操作を積算溶出率が80%を超えるまで繰り返す。被覆粒状凝集剤の溶出率は下記の式により算出した。
溶出率(%)=水中に溶出したアルミニウム量/被覆粒状凝集剤2.5g中のアルミニウム量 ×100
評価開始から6時間目までは1時間毎、それ以降は24時間経過毎の溶出率を積算していき、その積算溶出率が80%に達する時間を評価した。同様の操作を計10回繰り返し行い、被覆粒状凝集剤の溶出制御性のばらつきがないか(品質安定性)を評価した。
結果を下記表6に示す。粒硬度が所定の基準を満たし(比較的高く)、かつ有効成分量も高い本発明の粒状凝集剤(実施例10〜22)を用いることにより、溶出制御性に優れた被覆粒状凝集剤を安定して製造できることが示されている。粒硬度が低い場合(比較例8〜9)、そもそも安定した溶出制御性を示す被覆粒状凝集剤が得られなかった。また、粒硬度が高くても有効成分量が低い場合(比較例14)、得られる被覆粒状凝集剤の溶出制御性は劣ったものとなる。比較例10〜13については粒状凝集剤が得られず、被覆粒状凝集剤を製造できなかったので、溶出制御性の欄は「−」となっている。
Figure 2018023972

Claims (14)

  1. 水への溶解度が0.001g/20℃純水100g以上である水溶性の2価または3価の金属含有化合物に、該金属含有化合物を20〜70重量%含む水溶液を添加して造粒することを特徴とする、粒状凝集剤の製造方法。
  2. 前記金属含有化合物100重量部と、それに対して1.0〜20.0重量部の多糖類または多糖類誘導体とを含む混合物に、前記金属含有化合物を20〜70重量%含む水溶液を添加することを特徴とする、請求項1に記載の粒状凝集剤の製造方法。
  3. 前記多糖類または多糖類誘導体が、粉末セルロース、セルロースエーテル、カルボキシメチルセルロースおよびデンプンからなる群より選ばれた1種以上であることを特徴とする、請求項2に記載の粒状凝集剤の製造方法。
  4. 前記金属含有化合物100重量部と、それに対して0.5〜10.0重量部の助剤とを含む混合物に、前記金属含有化合物を20〜70重量%含む水溶液を添加することを特徴とする、請求項1に記載の粒状凝集剤の製造方法。
  5. 前記助剤がタルクであることを特徴とする、請求項4に記載の粒状凝集剤の製造方法。
  6. 前記金属含有化合物がアルミニウム塩であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の粒状凝集剤の製造方法。
  7. 水への溶解度が0.001g/20℃純水100g以上である水溶性の2価または3価の金属含有化合物の粒状凝集剤であって、
    粒硬度が2.0kgf以上、かつ2価または3価の金属を5.0重量%以上含むことを特徴とする粒状凝集剤。
  8. 多糖類または多糖類誘導体を0.8〜14.0重量%含むことを特徴とする、請求項7に記載の粒状凝集剤。
  9. 前記多糖類または多糖類誘導体が、粉末セルロース、セルロースエーテル、カルボキシメチルセルロースおよびデンプンからなる群より選ばれた1種以上であることを特徴とする、請求項8に記載の粒状凝集剤。
  10. 助剤を0.4〜7.5重量%含むことを特徴とする、請求項7に記載の粒状凝集剤。
  11. 前記助剤がタルクであることを特徴とする、請求項10に記載の粒状凝集剤。
  12. 前記金属含有化合物がアルミニウム塩であることを特徴とする、請求項7〜11のいずれか1項に記載の粒状凝集剤。
  13. 請求項7〜12のいずれか一項に記載の粒状凝集剤と、その表面を被覆する被膜材料とを有することを特徴とする被覆粒状凝集剤。
  14. 前記被膜材料が1種以上の樹脂を含む被膜材料である、請求項13に記載の被覆粒状凝集剤。
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