JP2018101579A - ワイヤハーネス - Google Patents

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Abstract

【課題】電線としての機能と、電線を対象物に取り付ける際の作業性と、を両立可能なワイヤハーネスを提供すること。
【解決手段】このワイヤハーネス100は、管形状を有する導体である導体管11と、導体管11の外周面を覆う絶縁体12と、を備えた管状電線10を備える。導体管11は、導体管11の管端部において導体管11に一又は複数のスリット21aが設けられた部分である一対の第1部分21と、一対の第1部分21に挟まれた導体管11の中間部である第2部分22と、を有する。第1部分21は、第2部分22に比べて小さな外力によって屈曲可能であり、第2部分22は、屈曲した場合に屈曲後の形状を自ら保持可能である。
【選択図】図3

Description

本発明は、複数の電線を備えたワイヤハーネス、に関する。
従来から、電源と種々の電気的負荷とを接続するためのワイヤハーネスが知られている。例えば、車両に搭載されるワイヤハーネス(電線束)は、多数の電線を有し、電源および制御装置と各種の電装品(電気的負荷)とを接続するようになっている。一例として、従来のワイヤハーネスの一つは、電源等と電装品とを繋ぐ多種多様な複数の電線(例えば、電源線、アース線および通信線)を粘着テープ及び結束バンド等によって束ねると共に、必要に応じてコネクタ、プロテクタ及び防水用グロメット等を取り付けるように構成される(例えば、特許文献1を参照。)。
特開2011−120318号公報
上述した従来のワイヤハーネスは、実際には、車両を製造する際、車体の所定の箇所(例えば、床下パネル、ドアパネル及びダッシュパネル等)に対し、所定の配索経路に沿って取り付けられる。そのため、従来のワイヤハーネスを構成する電線は、一般に、そのような取り付けが可能であるように、ある程度の柔軟さを有している。一方、そのような柔軟さを有する電線に上述した配索経路に沿った状態を維持させるべく、電線には、経路規制用の各種の部品(プロテクタ等)が取り付けられる。その結果、車両の製造時、作業者は、柔軟な(剛性の小さい)電線に多数の部品(プロテクタ等)が付属したワイヤハーネスを車体に取り付ける作業を行うことになる。このような作業は、一般に、作業者への負荷が大きい。
上述した取付作業の負荷の大きさは、その取付作業の効率向上の妨げとなり得る。そこで、上述した取付作業を出来る限り容易にすることにより、取付作業の効率を出来る限り向上させることが望まれる。
なお、上述した取付作業の効率を向上させることは、車両用のワイヤハーネスを車体へ取り付ける場合に限らず、他の種々の取付対象に電線束(ワイヤハーネス)を取り付ける場合においても、当然に望ましいことである。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、電線としての機能と、電線を対象物に取り付ける際の作業性と、を両立可能なワイヤハーネス、を提供することにある。
前述した目的を達成するために、本発明に係るワイヤハーネスは、下記(1)〜(5)を特徴としている。
(1)
複数の電線と、前記複数の前記電線の端部に取り付けられたコネクタと、を備えたワイヤハーネスであって、
前記複数の前記電線のうちの少なくとも1つは、
管形状を有する電気伝導体である導体管と、前記導体管の外周面を覆う絶縁体と、を有する管状電線であり、
前記導体管は、
該導体管の管端部において該導体管に一又は複数の切り込みが設けられた部分である第1部分と、前記第1部分に挟まれた該導体管の中間部の少なくとも一部である第2部分と、を有し、
前記第1部分は、前記第2部分に比べて小さな外力によって屈曲可能であり、
前記第2部分は、該第2部分の形状を自ら保持可能である、
ワイヤハーネスであること。
(2)
上記(1)に記載のワイヤハーネスであって、
前記管状電線が、
前記絶縁体の外周面を覆う筒状の編組導体を、更に有する、
ワイヤハーネスであること。
(3)
上記(1)又は上記(2)に記載のワイヤハーネスであって、
前記複数の前記電線の端部に取り付けられたコネクタを、更に備える、
ワイヤハーネス。
(4)
上記(1)〜上記(3)の何れか一つに記載のワイヤハーネスであって、
前記複数の前記電線の全てが、前記管状電線である、
ワイヤハーネスであること。
(5)
上記(1)〜上記(4)の何れか一つに記載のワイヤハーネスにおいて、
前記導体管が、
前記切り込みとして、該導体管の軸線周りに旋回するように延びる螺旋状のスリット、及び、該導体管の周方向に延びる複数のスリットであって該導体管の軸線方向に配列された複数のスリット、の少なくとも一方である、
ワイヤハーネスであること。
上記(1)の構成のワイヤハーネスによれば、導体管を有する管状電線が少なくとも1つの電線として使用されている。この管状電線は、その形状(管形状)に起因し、一般的な電線(例えば、撚り線)に比べて電線の剛性が高く、電線が自らの形状を維持し易い。そのため、例えば、管状電線の第2部分(導体管の中間部)をワイヤハーネスの使用目的に応じた所定の形状(例えば、ワイヤハーネスの配索形状)に加工すれば、第2部分は、自らの形状を保持可能であるため、ワイヤハーネスの形状を維持するための部材(従来のワイヤハーネスにおけるプロテクタ等)が不要となる。なお、ワイヤハーネスが管状電線と通常の電線との双方を含む場合、例えば、管状電線と通常の電線とをバンド等によって束ねれば、管状電線の剛性を利用して通常の電線の形状を保持できる。よって、複数の電線のうちの少なくとも1つが上述した管状電線であれば、上述した効果が得られることになる。
更に、導体が管形状を有する(即ち、中空部を有する)ため、導体が単なる丸棒(即ち、中空部を有さない中実な棒状体)である場合に比べ、剛性の高さを維持しながらワイヤハーネスの重量を低減できる。よって、本構成のワイヤハーネスを用いれば、柔軟な電線(一般的な撚り線など)を用いる場合に比べ、取付作業が容易となる。
更に、そのように導体(特に、導体管の第2部分)の剛性を高める一方で、第1部分(管端部の切り込みが設けられた部分)は第2部分よりも小さな外力で屈曲できるようになっている。そのため、一般的な柔軟な電線(撚り線)と同様、第1部分の形状を容易に(例えば、作業者の手作業により)変形させ、コネクタを接続対象(例えば、電源および電装品など)に接続させられる。よって、本構成のワイヤハーネスは、電線(第2部分)の剛性を高めつつ、電線としての機能(例えば、接続対象への接続のし易さ)を維持できる。
したがって、本構成のワイヤハーネスによれば、電線としての機能と、電線を対象物に取り付ける際の作業性と、を両立可能である。
上記(2)の構成のワイヤハーネスによれば、管状電線の外周面が編組導体に覆われるため、管状電線から放出される電磁ノイズを編組導体によって遮断できる。このような電磁ノイズの遮断は、特に、ワイヤハーネスを通じて高電圧が印加される場合に特に有効である。
上記(3)の構成のワイヤハーネスによれば、電線の端部にコネクタを取り付けることにより、取付対象(例えば、電装品)と電線との接続が容易になる。よって、電線を対象物に取り付ける際の作業性を、更に向上させられる。
上記(4)の構成のワイヤハーネスによれば、ワイヤハーネスを構成する電線の全てが管状電線であるため、上述した取付作業の容易さを更に向上させられる。
上記(5)の構成のワイヤハーネスによれば、切り込みとして、導体管の軸線周りに旋回するように延びる螺旋状のスリット、及び、導体管の周方向に延び且つ導体管の軸線方向に配列された複数のスリット、の少なくとも一方を設けることにより、上記(1)の特徴を有するワイヤハーネスを実現できる。
なお、螺旋状のスリットの螺旋ピッチ長は、導体管の管端部(第1部分)に求められる柔軟性などを考慮して定められればよく、特に制限されない。複数のスリットのスリット間隔についても、同様である。
したがって、本構成のワイヤハーネスによれば、電線としての機能と、電線を対象物に取り付ける際の作業性と、を両立可能である。
本発明によれば、電線としての機能と、電線を対象物に取り付ける際の作業性と、を両立可能なワイヤハーネス、を提供できる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
図1は、本発明の実施形態に係るワイヤハーネスが車両に適用された一例を示す概略図であり、図1(a)は本例の車両を側方から見た概略図であり、図1(b)は本例の車両を上方から見た概略図である。 図2は、本発明の実施形態に係るワイヤハーネスに用いられる管状電線の基本構造を示す図であり、図2(a)は管状電線の管端部を拡大して示す斜視図であり、図2(b)は管状電線の全体を示す斜視図である。 図3は、本発明の実施形態に係るワイヤハーネスに用いられる管状電線の実際の使用例を示す図であり、図3(a)は管状電線の管端部を拡大して示す斜視図であり、図3(b)は複数の管状電線を束ねることによってワイヤハーネスを構成した様子を示す斜視図であり、図3(c)は図3(b)に示すワイヤハーネスの端子部分にコネクタを取り付けたときの端部を拡大して示す側面図である。 図4は、図1(b)に示した管状電線の拡大図である。 図5は、ワイヤハーネスを配索形状に沿った形状に加工する工程を説明する概略図であり、図5(a)〜図5(c)は同工程を時系列順に並べた図である。 図6(a)及び図6(b)は、スリットの形状が異なる他の例を示す図2(a)に対応する図である。 図7(a)及び図7(b)は、端子の取り付け方法が異なる他の例を示す図3(a)に対応する図である。 図8は、導体管の中空部分に電流のバイパス路を設けた電線の一部断面図である。
<実施形態>
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るワイヤハーネス100について説明する。
図1(a)及び図1(b)は、本発明の実施形態に係るワイヤハーネス100をハイブリッド車両30に適用した状態を示している。以下、ハイブリッド車両30は、単に「車両30」とも称呼される。
車両30は、図1(a)及び図1(b)に示すように、車体31の後方に配置されたバッテリ32、車体31の前方に配置されたパワー・コントロール・ユニット33、発電電動機34、及び、内燃機関35を備えている。バッテリ32とパワー・コントロール・ユニット33とは、電線10によって電力を授受可能であるように接続されている。ワイヤハーネス100は、その両端部に設けられたコネクタ(後述するコネクタ17)がバッテリ32及びパワー・コントロール・ユニット33にそれぞれ接続され、その中間部が車体31の床下を通過するように配索されている。なお、パワー・コントロール・ユニット33と発電電動機34とは、ワイヤハーネス100と同様の電線によって接続されてもよく、通常の電線によって接続されてもよい。
以下、先ず、図2を参照しながら、ワイヤハーネス100に用いられる管状電線10の基本構造について説明する。図2(a)及び図2(b)に示すように、管状電線10は、円管形状を有する導体である導体管11と、導体管11の外周面を覆う管形状の樹脂製の絶縁体12と、を備える。導体管11の中空部分は空洞となっている。換言すると、導体管11の中空部分には、何らの部材(例えば、他の電線など)も挿入されていない。
以下、説明の便宜上、管状電線10を単に「電線10」と称呼する。
導体管11は、例えば、銅、ステンレス、アルミニウム及びアルミニウム合金などの金属材料(電気伝導体)によって構成されている。なお、図2(a)では、説明の便宜上、電線10の開口端近傍において絶縁体12が除去されて導体管11が露出しているが、実際には、図2(b)に示すように、絶縁体12は電線10の開口端まで延びて導体管11の全体を覆っている。
図2(b)に示すように、導体管11は、導体管11の両側の管端部であって導体管11の軸線周りに旋回するように延びる螺旋状のスリット21a(切り込み)が設けられた部分である一対の第1部分21と、一対の第1部分21に挟まれた導体管11の中間部であって外周面にスリット21aが設けられていない部分である第2部分22と、を有する。
なお、電線10の管端部とは、電線10の開口端と、電線10の配索形状を考慮した所定長さだけ開口端から離れた位置と、の間において、第1部分21に要求される機能を発揮するために必要な範囲、と定義される。よって、第1部分21は、電線10の開口端を含むように設けられてもよく、必要に応じて(例えば、後述する図3(a)に示すように、端子15を取り付けるための取付部23等を開口端近傍に形成する必要がある場合)、開口端近傍を含まないように設けられてもよい。
本例では、導体管11は、軸線方向及び周方向の全域に亘って、一様の肉厚(但し、スリット21aが形成された部分を除く)を有する円管形状を有する。第1部分21に設けられたスリット21aは、軸線周りに旋回するように螺旋状に連続的に延びている。スリット21aは、導体管11の外周面から内周面まで切り込むように(導体管11の厚さ方向のスリットの深さが、導体管11の厚さと等しいように)に構成されてもよく、スリット21aの深さが導体管11の厚さ(肉厚)の一部であるように(即ち、スリット21aの深さが、導体管11の外周面と内周面とを繋ぐほどには深くないように)構成されてもよい。
第1部分21は、スリット21aが設けられていることに起因し、第2部分22と比べて剛性が低い。よって、第1部分21は、第2部分22に比べて小さな外力によって屈曲可能となっている。なお、導体管11の材質および厚さ(肉厚)が同じであれば、スリット21aの深さが大きいほど、及び、スリット21aのピッチ(軸線周りに1周したときの軸線方向の移動距離)が小さいほど、第1部分21を屈曲させるために必要な外力を小さくすることができる。逆に、導体管11の材質および厚さ(肉厚)が同じであれば、スリット21aの深さが小さいほど、及び、スリット21aのピッチ(軸線周りに1周したときの軸線方向の移動距離)が大きいほど、第1部分21を屈曲させるために必要な外力が大きくなる。このように、第1部分21を屈曲させるために必要な外力の大きさは、導体管11の材質および厚さ、並びに、スリット21aの深さ及びピッチを調整することにより、任意に設計できる(例えば、電線10の配索場所および配索形状に適した大きさに設計できる)ことになる。
第1部分21は、外力の印加によって屈曲された状態でその外力の印加を解除したときに屈曲された状態を自ら保持できない程度に、その材料および厚さ、並びに、スリット21aの深さ及びピッチが調整されている。一方、第2部分22は、スリット21aが設けられていないため、第1部分21に比べて剛性が高い。よって、第2部分22は、外力の印加によって屈曲された状態でその外力の印加を解除したとき、屈曲された状態を自ら保持可能である。
電線10では、導体管11そのものが、従来の電線(撚り線)における導体部分に相当する。即ち、導体管11そのものが導電路(電流の通路)として使用される。よって、導体管11の形状は、導体管11の断面積(ドーナツ状の断面の面積)が従来の電線(撚り線)の導体部分の断面積と同等となるように決定されることが好ましい。
次いで、図3を参照しながら、電線10を実際に使用する際の一例について説明する。図3(a)に示す例では、導体管11と、導体管11の外周面を覆う絶縁体12と、に加え、絶縁体12の外周面を覆う編組導体13と、編組導体13の外周面を覆うシース14と、が更に設けられている。
編組導体13は、網目状に編まれた金属細線によって構成された筒状体である。シース14は、樹脂によって構成されている。図3(a)では、説明の便宜上、絶縁体12、編組導体13及びシース14の端面が、この順に、電線10の開口端から次第に離れた位置に記載されているが、実際には、絶縁体12、編組導体13及びシース14は、電線10の開口端近傍まで延びて導体管11の全体を覆っている。
図3(a)に示す例では、導体管11の開口端を含む開口端近傍に、端子15を取り付けるための取付部23が設けられている。取付部23の外周面にはスリット21aが設けられていない。即ち、この例では、第1部分21は、管端部において、開口端近傍を含まないように設けられている。
金属製の端子15は、相手側端子(図示省略)と接続される矩形状の平板部15aと、平板部15aの一側から延びる接続部15bと、を有する。この接続部15bが導体管11の取付部23に挿入された状態にて取付部23を押し潰すことにより、取付部23と接続部15bとが接合・固定されている。導体管11の中空部分は空洞となっている(即ち、中空部分には、何らの部材(他の電線等)も挿入されていない)。
図3(b)に示す例では、図3(a)に示す電線10が複数(本例では2本)束ねられることにより、ワイヤハーネス100が形成されている。なお、本例では、複数の電線10は粘着テープ16によって束ねられている。粘着テープ16に代えて、結束バンド等が用いられてもよい。
図3(c)に示す例では、上述した図3(a)に示す2本の電線10の各々に取り付けられた2つの端子15が1つのコネクタ17に収容・固定され、2本の電線10を含むワイヤハーネス100が形成されている。ワイヤハーネス100は、2本の電線10の一端側にのみコネクタ17を備えてもよく(例えば、他端側は、端子15が露出した状態としてもよく)、2本の電線10の両端側にそれぞれコネクタ17を備えてもよい。
図4は、図1(b)に示す車両30に適用された電線10の一例を示す。図4に示す例では、車両30に適用された電線10として、両端側にそれぞれコネクタ17(17a,17b)が設けられた図3(c)に示す2本の電線10を含むワイヤハーネス100が使用されている。ワイヤハーネス100を構成する電線10の第1部分21及び第2部分22は、車体31の形態に対応した所期の配索形状に沿って、屈曲しながら延びている。具体的な配索手順の詳細については、後述される(図5を参照)。
コネクタ17aは、パワー・コントロール・ユニット33の相手側コネクタ33aに嵌合され、コネクタ17bは、バッテリ32の相手側コネクタ32aに嵌合されている。これにより、バッテリ32とパワー・コントロール・ユニット33とは、2本の電線10によって電力を授受可能であるように接続されている。
更に、2本の電線10(第2部分22)は、車体31の所定位置に設けられた固定具18(例えば、クランプ)により、車両30に固定されている。但し、固定具18は、必ずしも必要ではなく、電線10の配索形状等によっては固定具18を省略することも可能である。
各電線10の編組導体13(図3(a)を参照)は、遮蔽した電磁ノイズを外部に放出するべく、図示しないアース部材によってアース対象(例えば、パワー・コントロール・ユニット33の筐体、バッテリ32の筐体、及び、車体31のフレーム等)に直接接続され、接地(アース)されている。
次いで、図5(並びに、上述した図3及び図4)を参照しながら、図4に示すワイヤハーネス100を製造し、配索形状に沿った形状に加工し、車体31に配索する各工程について順に説明していく。
先ず、図5(a)に示すように、直線的に延びる2本の電線10及びそれらの両端側に設けられたコネクタ17a,17bを含むワイヤハーネス100を製造する。具体的には、直線的に延びる導体管11を準備する。次いで、図2に示すように、その導体管11の両側の管端部(開口端近傍を含まない)のそれぞれに螺旋状のスリット21aを形成することにより、両端部に位置する一対の取付部23と、一対の取付部23の内側に隣接する一対の第1部分21と、一対の第1部分21に挟まれた第2部分22と、からなる導体管11を得る。次いで、その導体管11の外周面を管状の絶縁体12で覆う。例えば、絶縁体12は、熱収縮性の樹脂チューブの中空部に導体管11を挿入した後、その樹脂チューブを熱収縮させて導体管11に密着させることによって構成され得る。その後、図3に示すように、絶縁体12の外周面を管状の編組導体13で覆い、編組導体13の外周面を管状のシース14で覆う。
このような構成により、後述するように電線10(第1部分21)の湾曲に伴って切り込み21aが開閉しても、その切り込み21aが絶縁体12に覆われることになる。その結果、切り込み21aが開いたときの開口を通じて導体管11の外部から中空部に向けて異物(水分など)が侵入することが防がれる。よって、電線10は、そのような異物に起因する導体管の腐食、及び、導体管から外部への漏電などをより確実に防止できる。
続いて、導体管11の各取付部23に端子15の接続部15bを挿入した状態にて取付部23を押し潰すことにより、導体管11の両端部に端子15をそれぞれ取り付ける(図3を参照。)。これにより、両端部に端子15が取付けられた電線10が得られる。この電線10を2本準備して粘着テープ(図示省略)等を用いて束ね、2本の電線10の一方側の2つの端子15をコネクタ17aに収容・固定し、他方側の2つの端子15をコネクタ17bに収容・固定する。これにより、図5(a)に示す屈曲していない直線的に延びるワイヤハーネス100が製造される。
次いで、図5(b)に示すように、所期の配索形状(例えば、図1に示す配索形状)に対応するように2本の電線10の第2部分22を屈曲させる。この第2部分22の屈曲処理は、例えば、所定の機械および治具等を利用して行われる。上述したように、第2部分22は、屈曲した状態を自ら保持できるように構成されている。この時点にて、第1部分21は屈曲していない。
次いで、図5(c)に示すように、2本の電線10の一対の第1部分21を屈曲させて、コネクタ17aをパワー・コントロール・ユニット33の相手側コネクタ33aに嵌合させ、コネクタ17bをバッテリ32の相手側コネクタ32aに嵌合させる。上述したように、第1部分21は第2部分22と比べて小さな外力によって屈曲可能であるので、第1部分21の屈曲処理は作業者の手作業にて行われ得る。
そして、2本の電線10(第2部分22)の所定箇所を固定具18により車両30に固定する。これにより、図4に示す形態にて、ワイヤハーネス100の配索が完了する。
以上、本発明の実施形態に係る電線10によれば、導体である導体管11が管形状を有するため、従来のワイヤハーネスに用いられる電線(撚り線)に比べ、剛性が高く、形状を維持し易い。更に、管形状(中空有り)のため、剛体の丸棒などを用いる場合に比べ、電線自身の重量を低減できる。加えて、導体管11の中空部分が空洞となっていることにより、電線10からの放熱を中空部分に逃しやすい。
更に、第2部分22(導体管11の中間部)を電線10の使用目的に応じた所定の形状(例えば、ワイヤハーネスの配索形状)に加工すれば、第2部分22は、屈曲後の形状を自ら保持可能であるため、従来のワイヤハーネスのように電線の形状を維持するため部材(プロテクタ等)が不要となる。したがって、車両への組み付け時の固定具(クランプ等)の数も低減できる。更に、第1部分21(管端部のスリット21aが設けられた部分)を第2部分22よりも小さな外力で屈曲できるため、第1部分21を柔軟に(例えば、作業者の手作業により)変形させて管端部を接続対象(例えば、電源および電装品など)に容易に接続できる。
<他の態様>
なお、本発明は上記各実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用できる。例えば、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
例えば、上記実施形態では、導体管11の第1部分21のスリットとして、導体管11の軸線周りに旋回するように螺旋状に連続的に延びるスリット21aが形成されている(図2(a)を参照)。しかし、図6(a)に示すように、第1部分21のスリットとして、導体管11の周方向に延び且つ導体管11の軸線方向に配列された複数のスリット21bが形成されていてもよい。図6(a)に示す複数のスリット21bでは、周方向に延びる複数のスリット(スリット長さは導体管11の周長さよりも短い)が、周方向にオフセットして互い違いになるように配列されている。更に、図6(b)に示すように、第1部分21のスリットとして、螺旋状に連続的に延びるスリット21aと、軸線方向に配列された複数のスリット21bと、が混在していてもよい。
更に、上記実施形態では、導体管11の取付部23(管端部)に端子15の接続部15bを挿入した状態にて取付部23を押し潰すことにより、導体管11の端部に端子15を取り付けている(図3(a)を参照)。しかし、図7(a)に示すように、押し潰して平坦化された導体管11の取付部23(管端部)に、端子15の接続部15bを重ねてボルト19によってボルト締結することにより、導体管11の端部に端子15を取り付けてもよい。加えて、図7(b)に示すように、端子15の接続部15bにリング状の加締め片15cを設け、加締め片15cに管状の導体管11の取付部23(管端部)を挿入した状態にて加締め片15cを圧着することにより、導体管11の端部に端子15を取り付けてもよい。
更に、上記実施形態では、電線10の両端に第1部分21が配置され、第1部分21に挟まれる電線10の中間部に第2部分22が配置されるようになっている。しかし、必要に応じ(例えば、複雑な配索形状に対応可能な柔軟さが中間部の一部において求められる場合)、電線10の中間部にも、スリット21aが形成された部分(第3部分)が設けられてもよい。この第3部分の柔軟さは、第1部分21の柔軟さと同程度であっても異なってもよい。
更に、電線10(導体管11)の全体にスリット21aを形成し、電線10の全体が第1部分21であるように電線10を構成してもよい。この場合、電線10の所定部分(例えば、電線10の管端部に挟まれた中間部)における切り込みの度合い(例えば、螺旋状のスリットの螺旋ピッチ長、又は、複数のスリットのスリット間隔)を電線に求められる剛性を考慮して調整すれば、その部分(例えば、中間部)が自らの形状を保持可能となる。換言すると、この所定部分を、上記実施形態における第2部分22と同様の機能を有す部分として用い得る。なお、自らの形状を保持可能な部分を必要としない場合、電線10の全体が、上記実施形態における第1部分21と同様の柔軟さを有するように構成されてもよい。
更に、上記実施形態では、電線10の内側(中空部)は空洞のままとなっている。しかし、例えば、電線10を補強する等の目的から、電線10の内側(中空部)に樹脂製の丸棒などを挿入させてもよい。
更に、導体管11の第1部分21にスリット21aを設けたことに起因して第1部分21の導電路の断面積が不足する(電流量に対して断面積が小さくなり過ぎる)場合、図8に示すように、導体管11の中空部分を通り、且つ、第1部分21の両側に位置する第2部分22と取付部23とを結ぶ(よって、第1部分21をバイパスする)バイパス路24を設けても良い。バイパス路24は、導電性のある柔軟な部材で構成されることが好ましい。
更に、上記実施形態では、導体管11の外周面に絶縁体12が直接設けられているが、導体管11と絶縁体12との間に他の層を挟んでもよい。更に、導体管11の断面形状は、円形でなくてもよい。例えば、導体管の断面形状を三角形にすると、円形に比べて狭いスペースに無駄なく管を配置し易く、電線をコンパクトに敷設できる。更に、導体管の断面形状を四角形にすると、円形に比べて剛性が向上する。更に、電線10の強度向上等のため、導体管11の中空部分に絶縁性の部材を介在させてもよい。
ここで、上述した本発明に係るワイヤハーネスの特徴をそれぞれ以下(1)〜(5)に簡潔に纏めて列記する。
(1)
複数の電線(10)を備えたワイヤハーネス(100)であって、
前記複数の前記電線のうちの少なくとも1つは、
管形状を有する電気伝導体である導体管(11)と、前記導体管の外周面を覆う絶縁体(12)と、を有する管状電線(10)であり、
前記導体管(11)は、
該導体管の管端部において該導体管に一又は複数の切り込み(21a,21b)が設けられた部分である第1部分(21)と、前記第1部分に挟まれた該導体管の中間部の少なくとも一部である第2部分(22)と、を有し、
前記第1部分(21)は、前記第2部分に比べて小さな外力によって屈曲可能であり、
前記第2部分(22)は、該第2部分の形状を自ら保持可能である、
ワイヤハーネス。
(2)
上記(1)に記載のワイヤハーネスであって、
前記管状電線(10)が、
前記絶縁体(12)の外周面を覆う筒状の編組導体(13)を、更に有する、
ワイヤハーネス。
(3)
上記(1)又は上記(2)に記載のワイヤハーネスにおいて、
前記複数の前記電線の端部に取り付けられたコネクタ(17)を、更に備える、
ワイヤハーネス。
(4)
上記(1)〜上記(3)の何れか一つに記載のワイヤハーネスであって、
前記複数の前記電線の全てが、前記管状電線(10)である、
ワイヤハーネス。
(5)
上記(1)〜上記(4)の何れか一つに記載のワイヤハーネスにおいて、
前記導体管(11)が、
前記切り込みとして、該導体管の軸線周りに旋回するように延びる螺旋状のスリット(21a)、及び、該導体管の周方向に延びる複数のスリットであって該導体管の軸線方向に配列された複数のスリット(21b)、の少なくとも一方である、
ワイヤハーネス。
10 電線
11 導体管
12 絶縁体
13 編組導体
14 シース
15 端子
21 第1部分
21a,21b スリット(切り込み)
22 第2部分
23 取付部
100 ワイヤハーネス

Claims (5)

  1. 複数の電線を備えたワイヤハーネスであって、
    前記複数の前記電線のうちの少なくとも1つは、
    管形状を有する電気伝導体である導体管と、前記導体管の外周面を覆う絶縁体と、を有する管状電線であり、
    前記導体管は、
    該導体管の管端部において該導体管に一又は複数の切り込みが設けられた部分である第1部分と、前記第1部分に挟まれた該導体管の中間部の少なくとも一部である第2部分と、を有し、
    前記第1部分は、前記第2部分に比べて小さな外力によって屈曲可能であり、
    前記第2部分は、該第2部分の形状を自ら保持可能である、
    ワイヤハーネス。
  2. 請求項1に記載のワイヤハーネスであって、
    前記管状電線が、
    前記絶縁体の外周面を覆う筒状の編組導体を、更に有する、
    ワイヤハーネス。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のワイヤハーネスにおいて、
    前記複数の前記電線の端部に取り付けられたコネクタを、更に備える、
    ワイヤハーネス。
  4. 請求項1〜請求項3の何れか一項に記載のワイヤハーネスであって、
    前記複数の前記電線の全てが、前記管状電線である、
    ワイヤハーネス。
  5. 請求項1〜請求項4の何れか一項に記載のワイヤハーネスにおいて、
    前記導体管が、
    前記切り込みとして、該導体管の軸線周りに旋回するように延びる螺旋状のスリット、及び、該導体管の周方向に延びる複数のスリットであって該導体管の軸線方向に配列された複数のスリット、の少なくとも一方である、
    ワイヤハーネス。
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