JP2018100222A - 角膜損傷の治療剤、改善剤または予防剤 - Google Patents

角膜損傷の治療剤、改善剤または予防剤 Download PDF

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明弘 樋口
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Abstract

【課題】 本発明は、角膜損傷の治療剤、改善剤または予防剤を提供することを課題とする。
【解決手段】 斯かる課題を解決する手段として、ニコチンアミドモノヌクレオチド若しくはニコチンアミドリボシドまたはその薬理学的に許容される塩を有効成分とする、角膜損傷の治療剤、改善剤または予防剤を提供する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ニコチンアミドモノヌクレオチド若しくはニコチンアミドリボシドまたはその薬理学的に許容される塩を有効成分とする、角膜損傷の治療剤、改善剤または予防剤に関する。
ニコチンアミドモノヌクレオチドおよびニコチンアミドリボシドは、代謝経路で機能する補酵素NAD+(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)の中間代謝産物であり、老化への関与が示唆され、アンチエイジング医薬への応用が期待されている(非特許文献1)。
しかしながら、ニコチンアミドモノヌクレオチドやニコチンアミドリボシドが、角膜損傷の治療、改善または予防に有効であることは知られていなかった。
Imai S. Pharmacol Res. 2010 Jul; 62(1): 42-47.
本発明の目的の一つは、新規な角膜損傷の治療剤、改善剤または予防剤を提供することである。
本発明者は、鋭意検討の結果、ニコチンアミドモノヌクレオチドまたはニコチンアミドリボシドが、角膜損傷の治療、改善または予防に有効であるとの驚くべき発見をした。本発明は、この発見に基づき、さらに検討を重ねて完成したものである。
すなわち、本発明は以下の態様を包含する:
項1、ニコチンアミドモノヌクレオチド若しくはニコチンアミドリボシドまたはその薬理学的に許容される塩を有効成分とする、角膜損傷の治療剤、改善剤または予防剤。
項2、点眼薬である、項1に記載の治療剤、改善剤または予防剤。
項3、ニコチンアミドモノヌクレオチド若しくはニコチンアミドリボシドまたはその薬理学的に許容される塩を有効成分とする、角膜損傷を治療、改善または予防するための、抗酸化能増強剤。
項4、点眼薬である、項3に記載の増強剤。
本発明によれば、新規な角膜損傷の治療剤、改善剤または予防剤が提供される。
体重の測定結果を示すグラフ。 涙量の測定結果を示すグラフ。 蛍光スコアを示すグラフ。 NMN点眼処理群(Smoking + 30mM NMN eye drop)における抗酸化関連遺伝子の発現量を、喫煙処理群(Smoking)に対する変化の割合(Fold change)により示すグラフ。ΔCt値は試料中の標的mRNAの量に反比例する値である。
本発明は、ニコチンアミドモノヌクレオチド若しくはニコチンアミドリボシドまたはその薬理学的に許容される塩を有効成分とする、角膜損傷の治療剤、改善剤または予防剤である。
本明細書において、「治療」とは、疾患若しくは症状の治癒又は或いは症状の抑制を意味する。「改善」とは、疾患若しくは症状の改善(部分的な治癒)又は或いは症状の部分的な抑制を意味する。「予防」とは、疾患又は症状の発現を未然に防ぐことを意味する。
本発明の治療剤、改善剤または予防剤は、ニコチンアミドモノヌクレオチド若しくはニコチンアミドリボシドまたはその薬理学的に許容される塩を有効成分とする。
ニコチンアミドモノヌクレオチド(Nicotinamide mononucleotide、NMN)は、下記化学式で表される化合物である。
ニコチンアミドリボシド(Nicotinamide riboside)は、下記化学式で表される化合物である。
薬理学的に許容される塩としては、酸付加塩及び塩基付加塩が挙げられる。具体的には、金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩などのアルカリ土類金属塩など。)、アンモニウム塩、無機酸との塩(例えば、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸など無機酸との塩など。)、有機酸との塩(例えば、酢酸、フタル酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などの有機酸との塩など)が挙げられる。
ニコチンアミドモノヌクレオチド及びニコチンアミドリボシドは公知の化合物であり、公知の製造方法により製造することができる。
本発明の治療剤、改善剤または予防剤は、角膜損傷を対象とする。角膜損傷とは、眼球の表面に位置する角膜の傷を意味する。角膜損傷は、外傷性の角膜障害、角膜傷害、角膜びらん、角膜潰瘍等を包含する。より具体的には、物理的な衝撃、機械的な衝撃若しくは化学薬品(例えば、強アルカリ。)への接触に起因する角膜の損傷、疾病(例えば、ウィルス性または細菌性の感染。)に基づく角膜の損傷、コンタクトレンズの装着に起因する角膜の損傷、角膜に対する手術(例えば、LASIK手術)に起因する角膜の損傷が例示されるが、これに限定されない。
ただし、本発明のある態様においては、涙の分泌量が減ったり、量は十分でも涙の質が低下することによって、目の表面を潤す力が低下した病態であるドライアイは、「角膜損傷」には含まれない。
後述の実施例に示すように、本発明の治療剤、改善剤または予防剤の投与により、抗酸化酵素(anti-oxidative enzyme)をコードする抗酸化関連遺伝子の発現量が増大する。本発明を束縛するものではないが、当該遺伝子の発現量増大し、抗酸化能が増強されることにより、角膜損傷の治療、改善または予防の効果が発揮される。従って、本発明はニコチンアミドモノヌクレオチド若しくはニコチンアミドリボシドまたはその薬理学的に許容される塩を有効成分とする、角膜損傷を治療、改善または予防するための、抗酸化能増強剤をも提供する。
ここで、抗酸化酵素(anti-oxidative enzyme)をコードする抗酸化関連遺伝子としてはは、細胞の抗酸化能を増強する種々のものが公知である。特に限定されるものではないが、GSTμ2(Glutathione S-transferase μ2)遺伝子、Gpx4(Glutathione peroxidase 4)遺伝子、Gclm(Glutamate-cycteine ligase)遺伝子及びTxnrd(Thioredoxin reductase 1)遺伝子などが挙げられる。
本発明の治療剤、改善剤または予防剤は、本発明の化合物を有効成分として含有する老視を予防及び/又は治療するための医薬組成物として提供されうる。
本発明の治療剤、改善剤または予防剤は、ヒトを含む哺乳動物(例えばヒト、ウシ、ウマ、ブタ、サル、イヌ、ネコ、マウス、ラット、ウサギ、ヤギ、ヒツジ等)に用いることが可能であり、好ましくはヒトに用いられる。
本発明の治療剤、改善剤または予防剤を医薬組成物として提供する場合、必要に応じて薬学的に許容される担体と配合し、目的に応じて各種の投与形態を採用可能である。該形態は特に限定されず、例えば、点眼剤、経口剤、注射剤、坐剤、軟膏剤、貼付剤等が挙げられ、点眼剤が好ましい。これらの投与形態は、各々当業者に公知慣用の製剤方法により製造できる。点眼剤は、水性点眼剤、非水性点眼剤、懸濁性点眼剤、乳濁性点眼剤、眼軟膏等のいずれでもよい。このような製剤は、投与形態に適した組成物として、必要に応じて薬学的に許容される担体、例えば等張化剤、キレート剤、安定化剤、pH調節剤、防腐剤、抗酸化剤、溶解補助剤、粘稠化剤等を配合し、当業者に公知の製剤方法により製造できる。
等張化剤としては、グルコース、トレハロース、ラクトース、フルクトース、マンニトール、キシリトール、ソルビトール等の糖類、グリセリン、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール等の多価アルコール類、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム等の無機塩類等が挙げられ、その配合量は、組成物全量に対して0〜5重量%が好ましい。
キレート剤としては、エデト酸二ナトリウム、エデト酸カルシウム二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、エデト酸カルシウム等のエデト酸塩類、エチレンジアミン四酢酸塩、ニトリロ三酢酸又はその塩、ヘキサメタリン酸ソーダ、クエン酸等が挙げられ、その配合量は、組成物全量に対して0〜0.2重量%が好ましい。
安定化剤としては、亜硫酸水素ナトリウム等が挙げられ、その配合量は、組成物全量に対して0〜1重量%が好ましい。
pH調節剤としては、塩酸、炭酸、酢酸、クエン酸等の酸が挙げられ、さらに水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウムなどのアルカリ金属炭酸塩又は炭酸水素塩、酢酸ナトリウムなどのアルカリ金属酢酸塩、クエン酸ナトリウムなどのアルカリ金属クエン酸塩、トロメタモール等の塩基等が挙げられ、その配合量は、組成物全量に対して0〜20重量%が好ましい。
防腐剤としては、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル等のパラオキシ安息香酸エステル、グルコン酸クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム等の第4級アンモニウム塩、アルキルポリアミノエチルグリシン、クロロブタノール、ポリクォード、ポリヘキサメチレンビグアニド、クロルヘキシジン等が挙げられ、その配合量は、組成物全量に対して0〜0.2重量%が
好ましい。
抗酸化剤としては、亜硫酸水素ナトリウム、乾燥亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、濃縮混合トコフェロール等が挙げられ、その配合量は、組成物全量に対して0〜0.4重量%が好ましい。
溶解補助剤としては、安息香酸ナトリウム、グリセリン、D−ソルビトール、ブドウ糖、プロピレングリコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、マクロゴール、D−マンニトール等が挙げられ、その配合量は、組成物全量に対して0〜3重量%が好ましい。
粘稠化剤としては、ポリエチレングリコール、メチルセルロース、エチルセルロース、カルメロースナトリウム、キサンタンガム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等が挙げられ、その配合量は、組成物全量に対して0〜70重量%が望ましい。
点眼剤を調製する場合、例えば、所望の上記成分を滅菌精製水、生理食塩水、緩衝液(例えば、ホウ酸緩衝液、リン酸緩衝液など。)等の水性溶剤、又は綿実油、大豆油、ゴマ油、落花生油等の植物油等の非水性溶剤に溶解又は懸濁させ、所定の浸透圧に調整し、濾過滅菌等の滅菌処理を施すことにより行うことができる。
尚、眼軟膏剤を調製する場合は、前記各種の成分の他に、軟膏基剤を含むことができる。前記軟膏基剤としては、特に限定されないが、ワセリン、流動パラフィン、ポリエチレン等の油性基剤;油相と水相とを界面活性剤等により乳化させた乳剤性基剤;ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール等からなる水溶性基剤等が好ましく挙げられる。
本発明の治療剤、改善剤または予防剤の有効成分であるニコチンアミドモノヌクレオチド若しくはニコチンアミドリボシドまたはその薬理学的に許容される塩の用量は、患者の体重、年齢、性別、症状、投与形態及び投与回数等によって異なるが、通常は成人に対して、有効成分を1日に体重1kgあたり、0.1μg〜1g程度、1μg〜500mg程度、10μg〜500mg程度を1回、又は、数回に分けて投与すればよい。また、液体点眼剤の場合は、0.01〜50mg/mL、好ましくは0.1〜10mg/mLのものを1日数回、1回に1〜数滴点眼すればよい。
本発明はまた、角膜損傷の治療、改善または予防方法であって、有効量のニコチンアミドモノヌクレオチド若しくはニコチンアミドリボシドまたはその薬理学的に許容される塩を、治療、改善、予防等を必要としている者に投与する工程を含む方法をも提供する。
本発明はまた、ニコチンアミドモノヌクレオチド若しくはニコチンアミドリボシドまたはその薬理学的に許容される塩の角膜損傷を治療、改善または予防するための使用をも提供する。
本発明はまた、ニコチンアミドモノヌクレオチド若しくはニコチンアミドリボシドまたはその薬理学的に許容される塩の角膜損傷の治療、改善または予防するための医薬を製造するための使用をも提供する。
本明細書中に引用されているすべての特許出願および文献の開示は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれるものとする。
実施例1 喫煙ラットを用いた治癒効力試験
WO2012/161112に記載された通り、以下に示す方法で角結膜上皮障害モデルを作製し、ニコチンアミドモノヌクレオチドの角結膜上皮障害に対する治癒効果を評価した。
この実験は、各個体の両眼を用い、両眼に同じ薬液を投与し、群間で比較を行った。試験群には喫煙処理及び点眼処理を施し(NMN点眼群(Smoking+NMN))、喫煙処理及び点眼処理を施さない群(Non-treatment)及び喫煙処理のみを施した群(喫煙処理群(Smoking))を、対照群とした。
(実験方法)
雄性Sprague-Dawley(SD)ラット(6週齢)に喫煙処理を施し、角結膜上皮障害モデルを作製した。具体的には、ラットを入れたチャンバー中にタバコ(Seven Stars)の主流煙(300mL)を30分毎に6回添加し、1日あたり3時間、12日間処理することにより角結膜上皮障害を惹起した。
点眼条件として、ニコチンアミドモノヌクレオチド(CAS 1094-61-7)のPBS溶液(濃度:30mM)を、それぞれ1回5μLで喫煙処理前に1回、処理後に3回の都合1日4回、12日間連日点眼した。
なお、動物は各群6匹(12眼)とした。12日後の喫煙処理後に、体重(Body weight)、涙量(Tear volume)及び蛍光染色スコアを測定した。
点眼終了後、角膜上皮の障害部を蛍光色素フルオレセインにて染色した。角膜上皮の障害の程度は、角膜全体を上中下及び左中右の合わせて9つの部分に分割して、各部分ごとに下記の基準で障害をスコア化し、その合計値を求めた。その後、群間においてスコア値を比較検討した。統計解析は、各群の有意差をDunnett法を用いて検定した。なお、公平な評価を行うため、点眼開始から角膜上皮障害のスコア化まで、各群に投与した薬液の内容にブラインドをかけ、スコア化後に照合した。
(角膜上皮のフルオレセイン染色スコア判断基準)
0:染色されない(点状蛍光なし)
1:わずかに点状蛍光がみられる
2:比較的多く点状蛍光がみられる
3:密に点状蛍光がみられる。
(結果)
結果を図1〜3に示す。
体重は、喫煙処理により有意に減少するものの、NMN点眼群(Smoking+NMN)と喫煙処理群(Smoking)では有意差がなかった(図1)。
また、涙量も喫煙処理により有意に減少するものの、NMN点眼群(Smoking+NMN)と喫煙処理群(Smoking)では有意差がなかった(図2)。このことは、NMN点眼により涙量は増加しないことを示している。
蛍光染色スコアは、喫煙処理により有意に増大する(Non-smoking v.s. Smoking:P<0.005)。NMN点眼群(Smoking+NMN)(蛍光スコア平均値:2.1±1.0)では、喫煙処理群(Smoking)(蛍光スコア平均値:4.0±1.0)に比べて有意に減少した(Smoking v.s. Smoking+NMN:P<0.005)。NMN点眼による角膜状態の改善が認められた(図3)。
蛍光染色スコアの結果から、本発明の治療剤、改善剤または予防剤が角膜損傷に対して有効であることは明らかである。
実施例2 抗酸化関連遺伝子の発現量測定
実施例1でのNMN点眼群ラットにおける抗酸化関連遺伝子の発現量を測定した。
(実験方法)
NMN点眼群(Smoking+NMN)及び喫煙処理群(Smoking)ラットから角膜を摘出し、TRIzol(Life Technologies社製)を使用してtotal RNAを抽出した。TaqMan Real-time RT-PCR(Life Technologies社製)を用いた定量RT-PCR法により、GSTμ2(Glutathione S-transferase μ2)遺伝子、Gpx4(Glutathione peroxidase 4)遺伝子、Gclm(Glutamate-cycteine ligase)遺伝子及びTxnrd(Thioredoxin reductase 1)遺伝子のmRNA発現変動を測定した。
mRNA発現変動の解析は、比較Ct法(ΔCt法)により行った。
(結果)
結果を図4に示す。NMN点眼群(Smoking+NMN)において、抗酸化関連遺伝子の発現量の有意な増大が認められた。実施例1の結果と併せて、抗酸化関連遺伝子がコードする抗酸化酵素の発現増大が、角膜損傷の改善に寄与していることが示唆される。

Claims (4)

  1. ニコチンアミドモノヌクレオチド若しくはニコチンアミドリボシドまたはその薬理学的に許容される塩を有効成分とする、角膜損傷の治療剤、改善剤または予防剤。
  2. 点眼薬である、請求項1に記載の治療剤、改善剤または予防剤。
  3. ニコチンアミドモノヌクレオチド若しくはニコチンアミドリボシドまたはその薬理学的に許容される塩を有効成分とする、角膜損傷を治療、改善または予防するための、抗酸化能増強剤。
  4. 点眼薬である、請求項3に記載の増強剤。
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