JP2018100025A - タイヤ - Google Patents

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浩一 坂田
Koichi Sakata
浩一 坂田
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Abstract

【課題】 稼働初期において、トレッドゴムの温度をより上昇させることができるタイヤを提供する。【解決手段】 タイヤは、異なる弾性率を有する複数のゴムで形成されるトレッドゴムを備え、トレッドゴムは、異なる弾性率を有するゴムがタイヤ周方向で接合される周接合部を備え、トレッドゴムの外側表面のタイヤ幅方向の接地端部は、周接合部を構成するゴムのうち、最も弾性率の小さいゴムで形成される。【選択図】 図3

Description

本発明は、異なる弾性率を有する複数のゴムで形成されるトレッドゴムを備えるタイヤに関する。
従来、タイヤとして、異なる二つのゴムから形成されるトレッドゴムを備えるタイヤが、知られている(例えば、特許文献1)。そして、タイヤは、トレッドゴムの外表面に複数の溝を備えており、当該溝によるエッジ効果(走行時にエッジが路面を引っ掻くことにより、路面に対するグリップ力を生じさせる効果)を有している。
ところで、稼働初期(タイヤの温度が低い時期)においては、トレッドゴムの温度が低いため、トレッドゴムが充分に弾性変形できない場合がある。これにより、例えば、トレッドゴムが、全体に亘って路面に充分に接地できないため、溝によるエッジ効果が充分に発揮できない場合がある。
特開2006−168564号公報
そこで、課題は、稼働初期において、トレッドゴムの温度をより上昇させることができるタイヤを提供することである。
タイヤは、異なる弾性率を有する複数のゴムで形成されるトレッドゴムを備え、前記トレッドゴムは、異なる弾性率を有するゴムがタイヤ周方向で接合される周接合部を備え、前記トレッドゴムの外側表面のタイヤ幅方向の接地端部は、前記周接合部を構成するゴムのうち、最も弾性率の小さいゴムで形成される。
また、タイヤにおいては、前記トレッドゴムは、タイヤ径方向の外側表面を有する外層と、前記外層とタイヤ径方向の内側で隣接される内層と、を備え、前記外層における前記周接合部の総面積は、前記内層における前記周接合部の総面積よりも、小さい、という構成でもよい。
また、タイヤにおいては、前記トレッドゴムの外側表面は、前記接地端部とタイヤ幅方向の内側で隣接する隣接部を備え、前記隣接部は、前記接地端部を形成するゴムの弾性率よりも大きい弾性率であるゴムで形成され、前記接地端部のタイヤ幅方向の寸法は、前記隣接部のタイヤ幅方向の寸法よりも、大きい、という構成でもよい。
以上の如く、タイヤは、稼働初期において、トレッドゴムの温度をより上昇させることができる、という優れた効果を奏する。
図1は、一実施形態に係るタイヤのタイヤ子午面における要部断面図である。 図2は、同実施形態に係るトレッドゴムの要部展開図である。 図3は、同実施形態に係るキャップゴムの外層の要部展開図であって、ゴムの配置を説明する図である。 図4は、同実施形態に係るキャップゴムの内層の要部展開図であって、ゴムの配置を説明する図である。 図5は、同実施形態に係るタイヤの製造方法を説明する模式図である。 図6は、同実施形態に係るタイヤの製造方法を説明する模式図である。 図7は、他の実施形態に係るキャップゴムの外層の要部展開図であって、ゴムの配置を説明する図である。 図8は、さらに他の実施形態に係るキャップゴムの外層の要部展開図であって、ゴムの配置を説明する図である。 図9は、さらに他の実施形態に係るキャップゴムの内層の要部展開図であって、ゴムの配置を説明する図である。
以下、タイヤにおける一実施形態について、図1〜図6を参照しながら説明する。なお、各図(図7〜図9も同様)において、図面の寸法比と実際の寸法比とは、必ずしも一致しておらず、また、各図面の間での寸法比も、必ずしも一致していない。
図1に示すように、本実施形態に係るタイヤ1は、ビードを有する一対のビード部21と、各ビード部21からタイヤ径方向D2の外側に延びるサイドウォール部22と、一対のサイドウォール部22のタイヤ径方向D2の外端部に連接され、タイヤ径方向D2の外側表面(トレッド面)が路面に接地するトレッド部23とを備えている。本実施形態においては、タイヤ1は、内部に空気が入れられる空気入りタイヤであって、リム30に装着される。
また、タイヤ1は、一対のビードの間に架け渡されるカーカス層24と、カーカス層24の内側に配置され、空気圧を保持するために、気体の透過を阻止する機能に優れるインナーライナー25とを備えている。カーカス層24及びインナーライナー25は、ビード部21、サイドウォール部22、及びトレッド部23に亘って、タイヤ内周に沿って配置されている。
図1(以下の図も同様)において、第1の方向D1は、タイヤ幅方向D1であり、第2の方向D2は、タイヤ1の直径方向であるタイヤ径方向D2であり、第3の方向D3(図2〜図4参照)は、タイヤ回転軸周りの方向であるタイヤ周方向D3である。また、タイヤ赤道面S1は、タイヤ回転軸に直交する面で且つタイヤ幅方向D1の中心に位置する面であり、タイヤ子午面S2(図2〜図4参照)は、タイヤ回転軸を含む面で且つタイヤ赤道面S1と直交する面である。
トレッド部23は、外側表面が路面に接地するトレッドゴム2と、トレッドゴム2とカーカス層24との間に配置されるベルト層26とを備えている。また、トレッド部23は、外側表面に、タイヤ周方向D3に沿って延びる複数の周溝27と、タイヤ周方向D3と交差するように延びる複数の陸溝(図示していない)とを備えている。
トレッドゴム2は、タイヤ径方向D2の外側表面を有するキャップゴム3と、キャップゴム3とベルト層26との間に配置されるベースゴム4とを備えている。そして、キャップゴム3は、タイヤ径方向D2の外側表面を有する外層3aと、外層3aとタイヤ径方向D2の内側で隣接される内層3bとを備えている。本実施形態においては、トレッドゴム2は、外層3a、内層3b、及びベースゴム4の三層構造となっている。
トレッドゴム2は、外側表面に路面に接地する接地面を有しており、当該接地面のうち、タイヤ幅方向D1の外側端は、接地端2a,2aという。なお、該接地面は、タイヤ1を正規リム30にリム組みし、正規内圧を充填した状態でタイヤ1を平坦な路面に垂直に置き、正規荷重を加えたときの路面に接地するトレッド面を指す。
正規リム30は、タイヤ1が基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ1ごとに定めるリム30であり、例えばJATMAであれば標準リム、TRAであれば「Design Rim」、ETRTOであれば「Measuring Rim」となる。
正規内圧は、タイヤ1が基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ1ごとに定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の最大値、ETRTOであれば「INFLATIONPRESSURE」であるが、タイヤ1が乗用車用である場合には180KPaとする。
正規荷重は、タイヤ1が基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ1ごとに定めている荷重であり、JATMAであれば最大負荷能力、TRAであれば上記の表に記載の最大値、ETRTOであれば「LOAD CAPACITY」であるが、タイヤ1が乗用車用である場合には内圧180KPaの対応荷重の85%とする。
図2〜図4に示すように、キャップゴム3は、第1及び第2リボンゴム5,6がタイヤ周方向D3に沿って螺旋状に巻かれて、形成されている。また、キャップゴム3は、第1及び第2リボンゴム5,6がタイヤ径方向D2で二層となるように巻かれて、形成されている。これにより、キャップゴム3は、外層3a及び内層3bの二層構造となっている。
なお、図3は、外層3aの第1及び第2リボンゴム5,6の配置を示しており、図4は、図3と同じ位置における、内層3bの第1及び第2リボンゴム5,6の配置を示している。また、図2〜図4において、平面S2は、所定(同一)のタイヤ子午面S2を示している。
第1及び第2リボンゴム5,6の断面形状は、略同じである。即ち、第1及び第2リボンゴム5,6の各方向D1,D2の寸法は、略同じである。なお、第1及び第2リボンゴム5,6の断面形状は、成形対象となるトレッドゴム2(キャップゴム3)の形態に応じた種々の断面形状とすることができる。例えば、第1及び第2リボンゴム5,6の断面形状は、略三角形状、略台形状、平板形状等とすることができる。
ところで、キャップゴム3は、異なる弾性率を有する第1及び第2ゴム7,8で形成されている。なお、第1ゴム7の弾性率は、第2ゴム8の弾性率よりも、小さい。そして、図3及び図4(以下の図も同様)において、第1ゴム7は、網掛け領域で図示され、第2ゴム8は、無地領域で図示されている。本実施形態においては、第1リボンゴム5は、第1ゴム7のみで形成され、第2リボンゴム6は、第1ゴム7と第2ゴム8とで形成されている(図3の破線は、第1ゴム7と第2ゴム8との境界部6cを示している)。
なお、弾性率は、引張弾性率であって、JIS K6251に規定されている方法に準じて室温(25℃)で測定した値である。例えば、第2ゴム8の弾性率は、第1ゴム7の弾性率の1.2倍〜5.0倍であることが好ましい。そして、例えば、第1ゴム7の100%引張弾性率は、0.5MPa〜3.5MPaであることが好ましく、また、第2ゴム8の100%引張弾性率は、0.6MPa〜17.5MPaであることが好ましい。
各リボンゴム5,6は、タイヤ周方向D3と平行に配置される平行部5a,6aと、タイヤ周方向D3に対して傾斜して配置される傾斜部5b,6bとを備えている。そして、各リボンゴム5,6は、平行部5a,6aと傾斜部5b,6bとが繰り返すように連接して、配置されている。
また、第1及び第2リボンゴム5,6の平行部5a,6a及び傾斜部5b,6bのそれぞれは、タイヤ幅方向D1で交互に配置されている。なお、平行部5a,6aのタイヤ周方向D3の寸法は、傾斜部5b,6bのタイヤ周方向D3の寸法よりも、大きくなっている。
外層3aのタイヤ幅方向D1の内側領域と内層3bのタイヤ幅方向D1の全域とは、第1ゴム7と第2ゴム8とがタイヤ周方向D3で接合される複数の周接合部9を備えている。なお、周接合部9は、第1リボンゴム5の第1ゴム7で形成される傾斜部5bと第2リボンゴム6の第2ゴム8で形成される傾斜部6bとがタイヤ周方向D3で接合されて、形成されている。
そして、周接合部9は、タイヤ周方向D3に対して交差するように配置されている。具体的には、周接合部9は、タイヤ周方向D3に対して傾斜して交差するように配置されている。例えば、周接合部9は、タイヤ周方向D3との交差角度が20°以上であることが好ましく、また、30°以上であることがより好ましく、さらに、45°以上であることが非常に好ましい。
本実施形態においては、複数の周接合部9は、タイヤ幅方向D1に並列されており、それぞれ所定のタイヤ子午面S2の位置に配置されている。即ち、周接合部9の第1の群(図3及び図4の上方側の周接合部9)は、周接合部9の第2の群(図3及び図4の下方側の周接合部9)に対して、タイヤ周方向D3において、略180°に相当する距離だけ離れて配置されている。
また、外層3aのタイヤ幅方向D1の内側領域と内層3bのタイヤ幅方向D1の全域とは、第1ゴム7と第2ゴム8とがタイヤ幅方向D1で接合される複数の幅接合部10を備えている。なお、幅接合部10は、第1リボンゴム5の第1ゴム7で形成される平行部5aと第2リボンゴム6の第2ゴム8で形成される平行部6aとがタイヤ幅方向D1で接合されて、形成されている。
そして、幅接合部10は、タイヤ幅方向D1に対して交差するように配置されている。なお、幅接合部10は、タイヤ周方向D3に対して僅かに交差するように配置されているものも含まれる。例えば、幅接合部10は、タイヤ周方向D3との交差角度が10°未満であるものも含まれる。
外層3aのタイヤ幅方向D1の外側領域である接地端部11は、第1ゴム7及び第2ゴム8のうち、弾性率の小さい第1ゴム7で形成されている。具体的には、接地端部11は、第1リボンゴム5の第1ゴム7で形成される部分と第2リボンゴム6の第1ゴム7で形成される部分とで、形成されている。
したがって、接地端部11を構成する第1ゴム7は、周接合部9を構成するゴム7,8のうち、最も弾性率の小さいゴムである。また、接地端部11を構成する第1ゴム7は、キャップゴム3を構成するゴム7,8のうち、最も弾性率の小さいゴムである。なお、接地端部11は、トレッドゴム2の路面に接地する接地面におけるタイヤ幅方向D1の外側端部の領域である。即ち、接地端部11のタイヤ幅方向D1の外側端縁は、接地端2aである。
また、外層3aは、接地端部11とタイヤ幅方向D1の内側で隣接する隣接部12を備えている。隣接部12は、接地端部11を形成する第1ゴム7の弾性率よりも大きい弾性率である第2ゴム8で形成されている。そして、接地端部11のタイヤ幅方向D1の寸法W1は、隣接部12のタイヤ幅方向D1の寸法W2よりも、大きくなっている。
このように、外層3aが、第1ゴム7のみで形成される接地端部11を備えているため、外層3aの周接合部9の数量は、内層3bの周接合部9の数量よりも、少なくなっている。したがって、外層3aにおける周接合部9の総面積は、内層3bにおける周接合部9の総面積よりも、小さくなっている。
また、同様に、外層3aにおける幅接合部10の総面積は、内層3bにおける幅接合部10の総面積よりも、小さくなっている。よって、外層3aにおける接合部9,10の総面積は、内層3bにおける接合部9,10の総面積よりも、小さくなっている。
ところで、ベースゴム4は、所定の弾性率を有する1つのゴムで形成されている。例えば、ベースゴム4は、一枚の帯状ゴムがタイヤ周方向D3に沿って配置するように巻かれることで、形成されている。本実施形態においては、第1ゴム7及び第2ゴム8の弾性率は、ベースゴム4を形成するゴムの弾性率よりも、大きくなっている。
なお、第1ゴム7及び第2ゴム8の弾性率は、ベースゴム4を形成するゴムの弾性率よりも、小さくてもよい。斯かる構成によれば、接地端部11を構成する第1ゴム7は、トレッドゴム2を構成するゴム4,7,8のうち、最も弾性率の小さいゴムとなる。
本実施形態に係るタイヤ1の構成については以上の通りであり、次に、本実施形態に係るタイヤ1の作用効果について説明する。
まず、車両が走行する際に、タイヤ1がタイヤ周方向D3やタイヤ幅方向D1の力を受けるため、周接合部9及び幅接合部10が弾性変形する。このとき、周接合部9及び幅接合部10は、異なる弾性率を有するゴム7,8が接合されて形成されているため、歪むように弾性変形する。これにより、周接合部9及び幅接合部10が発熱するため、稼働初期において、トレッドゴム2の温度を上昇させることができる。
したがって、稼働初期においても、トレッドゴム2は、充分な温度を有するため、充分に弾性変形できる。その結果、トレッドゴム2の外側表面を全体に亘って路面に接地させることができる。これにより、例えば、溝(周溝27、陸溝)によるエッジ効果が充分に発揮できるため、稼働初期の操縦安定性能を向上させることができる。
ところで、ウエット路面の旋回時には、旋回中心に対してタイヤ幅方向D1の外側の接地端部11が大きな力を受ける。また、ウエット路面の制動時には、タイヤ幅方向D1の外側である両方の接地端部11,11が比較的大きな力を受けることで、接地端部11の接地長が伸びる。それに対応して、接地端部11は、弾性率の小さい第1ゴム7で形成している。
これにより、ウエット路面の旋回時において、旋回中心に対してタイヤ幅方向D1の外側の接地端部11は、大きな力を受けることで、路面に対して追従して変形する。また、ウエット路面の制動時において、両方の接地端部11,11は、比較的大きな力を受けることで、路面に対して追従して変形する。したがって、ウエット路面に対する操縦安定性能(旋回性能、制動性能)を向上させることができる。
さらに、接地端部11のタイヤ幅方向D1の寸法W1が、大きくなっているため、ウエット路面の旋回時及び制動時に、タイヤ幅方向D1の外側において、路面に追従して変形できる領域が、大きくなる。したがって、ウエット路面に対する操縦安定性能(旋回性能、制動性能)をさらに向上させることができる。
なお、周接合部9及び幅接合部10が発熱することにより、稼働初期の操縦安定性能が向上する一方で、タイヤ1の温度が充分に上昇した後の転がり抵抗が、増加してしまう。そこで、外層3aにおける周接合部9及び幅接合部10の総面積は、内層3bにおける周接合部9及び幅接合部10の総面積よりも、小さくなっている。
これにより、路面に接地する外層3aは、周接合部9及び幅接合部10に起因して弾性変形する領域が小さいため、発熱によるエネルギー損失を小さくできる。一方、路面に接地しない内層3bは、周接合部9及び幅接合部10に起因して弾性変形する領域が大きいため、稼働初期に確実に発熱できる。このように、タイヤ1の転がり抵抗が増加することを抑制しつつ、稼働初期の操縦安定性能を確実に向上させることができる。
また、本実施形態においては、タイヤ幅方向D1の最外側に配置される周溝27は、接地端部11に配置されている。即ち、当該周溝27は、周接合部9及び幅接合部10から離れて配置されている。これにより、接合部9,10が、変形が大きくなり易い周溝27から離れているため、接合部9,10に起因するクラックが発生することを抑制することができる。
次に、本実施形態に係るタイヤ1の製造方法について、図5及び図6を参照しながら説明する。
図5に示すように、成形装置40は、第1リボンゴム5を押し出す第1押出装置41と、第2リボンゴム6を押し出す第2押出装置42とを備えている。また、成形装置40は、各押出装置41,42から押し出されて形成される紐状のリボンゴム5,6が巻き付けられる巻付部43を備えている。
押出装置41,42は、リボンゴム5,6の断面形状が一定の形状となるように、ゴム7,8を押し出している。そして、押出装置41,42は、単位時間当たりのゴム7,8の押し出し量が一定となるように、ゴム7,8を押し出している。また、第1押出装置41と第2押出装置42とは、巻付部43を介在させて、巻付部43の直径方向で対向するように配置されている。
押出装置41,42は、第1ゴム7を押し出す第1押出部41a,42aと、第2ゴム8を押し出す第2押出部41b,42bと、外部に押し出すゴム7,8を切り替える切替部41c,42cとを備えている。本実施形態においては、第1押出装置41は、第1ゴム7のみからなる第1リボンゴム5を押し出し、第2押出装置42は、第1ゴム7と第2ゴム8とが交互に連接される第2リボンゴム6を押し出している。
巻付部43は、円柱状に形成されており、軸周り(回転方向D4)に回転可能である。これにより、巻付部43は、回転することで、押し出されて成形されたリボンゴム5,6が外周部に巻き付けられる。また、巻付部43は、軸方向に移動可能であるため、押出装置41,42に対して、軸方向に相対変位可能である。
そして、巻付部43が押出装置41,42に対して不動である際には、リボンゴム5,6の平行部5a,6aが形成され、巻付部43が押出装置41,42に対して軸方向に移動している際には、リボンゴム5,6の傾斜部5b,6bが形成される。これにより、図6に示すように、リボンゴム5,6は、平行部5a,6aと傾斜部5b,6bとが繰り返すように連接して、配置され、また、第1及び第2リボンゴム5,6の平行部5a,6a及び傾斜部5b,6bは、タイヤ幅方向D1で交互に配置される。
そして、第1リボンゴム5の第1ゴム7で形成される傾斜部5bと第2リボンゴム6の第2ゴム8で形成される傾斜部6bとがタイヤ周方向D3で接合されることで、周接合部9が形成される。また、第1リボンゴム5の第1ゴム7で形成される平行部5aと第2リボンゴム6の第2ゴム8で形成される平行部6aとがタイヤ幅方向D1で接合されて、幅接合部10が形成される。なお、周接合部9は、タイヤ周方向D3において、180°に相当する距離だけ離れて配置されている。
なお、図6においては、キャップゴム3以外の部材は、図示されていない。例えば、ベースゴム4を構成するゴム部材が巻付部43に巻き付けられており、リボンゴム5,6は、当該ゴム部材の上から、巻き付けられていてもよい。
その後、図示していないが、第1及び第2リボンゴム5,6がタイヤ径方向D2で2層となるように巻かれる。そして、例えば、拡径変形される工程を経ることで、未加硫のタイヤが成形される。そして、未加硫のタイヤが加硫装置で加硫されることで、加硫されたタイヤ1が製造される。
以上より、本実施形態に係るタイヤ1は、異なる弾性率を有する複数のゴム7,8で形成されるトレッドゴム2を備え、前記トレッドゴム2は、異なる弾性率を有するゴム7,8がタイヤ周方向D3で接合される周接合部9を備え、前記トレッドゴム2の外側表面のタイヤ幅方向D1の接地端部11は、前記周接合部9を構成するゴム7,8のうち、最も弾性率の小さいゴム7で形成される。
斯かる構成によれば、車両が走行する際に、タイヤ1がタイヤ周方向D3の力を受けるため、周接合部9は、タイヤ周方向D3に弾性変形する。そして、周接合部9は、異なる弾性率を有するゴム7,8がタイヤ周方向D3で接合されているため、歪むように弾性変形することになる。これにより、周接合部9が発熱するため、稼働初期において、トレッドゴム2の温度をより上昇させることができる。
さらに、トレッドゴム2の外側表面のタイヤ幅方向D1の接地端部11は、周接合部9を構成するゴム7,8のうち、最も弾性率の小さいゴム7で形成されている。これにより、ウエット路面の旋回時に、旋回中心に対してタイヤ幅方向D1の外側の接地端部11は、大きな力を受けることで、路面に対して追従して変形することができる。したがって、ウエット路面における旋回性能を向上させることができる。
また、ウエット路面の制動時に、タイヤ幅方向D1の外側である両方の接地端部11,11は、比較的大きな力を受けることで、路面に対して追従して変形することができる。したがって、ウエット路面における制動性能を向上させることができる。このように、ウエット路面に対する操縦安定性能(旋回性能、制動性能)をさらに向上させることができる。
また、本実施形態に係るタイヤ1においては、前記トレッドゴム2は、タイヤ径方向D2の外側表面を有する外層3aと、前記外層3aとタイヤ径方向D2の内側で隣接される内層3bと、を備え、前記外層3aにおける前記周接合部9の総面積は、前記内層3bにおける前記周接合部9の総面積よりも、小さい、という構成である。
斯かる構成によれば、外層3aにおける周接合部9の総面積は、内層3bにおける周接合部9の総面積よりも、小さくなっている。これにより、路面に接地する外層3aは、周接合部9に起因して弾性変形する領域が小さいため、発熱によるエネルギー損失を小さくできる。したがって、タイヤ1の転がり抵抗が増加することを抑制することができる。
一方、路面に接地しない内層3bは、周接合部9に起因して弾性変形する領域が大きいため、稼働初期に確実に発熱できる。このように、タイヤ1の転がり抵抗が増加することを抑制しつつ、稼働初期において、トレッドゴム2の温度を確実に上昇させることができる。
また、本実施形態に係るタイヤ1においては、前記トレッドゴム2の外側表面は、前記接地端部11とタイヤ幅方向D1の内側で隣接する隣接部12を備え、前記隣接部12は、前記接地端部11を形成するゴム7の弾性率よりも大きい弾性率であるゴム8で形成され、前記接地端部11のタイヤ幅方向D1の寸法W1は、前記隣接部12のタイヤ幅方向D1の寸法W2よりも、大きい、という構成である。
斯かる構成によれば、隣接部12は、接地端部11とタイヤ幅方向D1で隣接し、接地端部11を形成するゴム7の弾性率よりも大きい弾性率であるゴム8で形成されている。そして、接地端部11のタイヤ幅方向D1の寸法W1が、隣接部12のタイヤ幅方向D1の寸法W2よりも大きくなっているため、ウエット路面の旋回時及び制動時に、タイヤ幅方向D1の外側において、路面に追従して変形できる領域が、大きくなる。したがって、ウエット路面に対する操縦安定性能(旋回性能、制動性能)を効果的に向上させることができる。
なお、タイヤ1は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、タイヤ1は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に一つ又は複数選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
上記実施形態に係るタイヤ1においては、周接合部9は、外層3a及び内層3bに備えられている、という構成である。しかしながら、タイヤ1は、斯かる構成に限られない。例えば、周接合部9は、内層3bのみに備えられている、という構成でもよい。そして、外層3aは、図7に示すように、タイヤ周方向D3との交差角度が10°未満である幅接合部10のみを備え、周接合部9を備えていない、という構成でもよい。
また、上記実施形態に係るタイヤ1においては、リボンゴム5,6の断面形状は、略同じである、という構成である。しかしながら、タイヤ1は、斯かる構成に限られない。例えば、図8に示すように、第1リボンゴム5の断面形状は、異なっている、という構成でもよい。図8に係る接地端部11を構成する第1リボンゴム5のタイヤ幅方向D1の寸法は、他の部分の当該寸法よりも、大きくなっている。
また、上記実施形態に係るタイヤ1においては、周接合部9は、タイヤ周方向D3に対して傾斜して交差するように配置されている、という構成である。しかしながら、タイヤ1は、斯かる構成に限られない。例えば、図9に示すように、周接合部9は、タイヤ周方向D3に対して直交して交差するように配置されている、という構成でもよい。
また、上記実施形態に係るタイヤ1においては、トレッドゴム2の一部(キャップゴム3)は、紐状のリボンゴム5,6が巻かれて、形成されている、という構成である。しかしながら、タイヤ1は、斯かる構成に限られない。例えば、トレッドゴム2の少なくとも一部は、図9に示すように、シート状のシートゴム13,14がタイヤ周方向D3に連接されて、形成されている、という構成でもよい。
また、上記実施形態に係るタイヤ1においては、外層3aにおける周接合部9の総面積は、内層3bにおける周接合部9の総面積よりも、小さい、という構成である。しかしながら、タイヤ1は、斯かる構成に限られない。例えば、外層3aにおける周接合部9の総面積は、内層3bにおける周接合部9の総面積以上である、という構成でもよい。
また、上記実施形態に係るタイヤ1においては、接地端部11のタイヤ幅方向D1の寸法W1は、隣接部12のタイヤ幅方向D1の寸法W2よりも、大きい、という構成である。しかしながら、タイヤ1は、斯かる構成に限られない。例えば、接地端部11のタイヤ幅方向D1の寸法W1は、隣接部12のタイヤ幅方向D1の寸法W2以下である、という構成でもよい。
また、上記実施形態に係るタイヤ1においては、トレッドゴム2の一部の層(キャップゴム3の外層3a及び内層3b)が、異なる弾性率を有する複数のゴム7,8で形成されている、という構成である。しかしながら、タイヤ1は、斯かる構成に限られない。例えば、トレッドゴム2の全ての層が、異なる弾性率を有する複数のゴム7,8で形成されている、という構成でもよい。
また、上記実施形態に係るタイヤ1においては、トレッドゴム2は、外層3a、内層3b、及びベースゴム4の三層に形成されている、という構成である。しかしながら、タイヤ1は、斯かる構成に限られない。例えば、トレッドゴム2は、一層、二層、又は四層以上に形成されている、という構成でもよい。
また、上記実施形態に係るタイヤ1においては、外層3a及び内層3bの周接合部9は、タイヤ周方向D3において、180°に相当する距離だけ離れて配置されている、という構成である。しかしながら、タイヤ1は、斯かる構成に限られない。例えば、外層3a及び内層3bの周接合部9は、タイヤ周方向D3で隣接する周接合部9と、タイヤ周方向D3において、15°〜180°に相当する距離だけ離間して配置されている、という構成でもよい。
また、上記実施形態に係るタイヤ1においては、周接合部9は、弾性率の異なる二つのゴム7,8で形成されている、という構成である。しかしながら、タイヤ1は、斯かる構成に限られない。例えば、周接合部9は、弾性率の異なる三つ以上のゴムから選択された二つのゴムで、それぞれ形成されている、という構成でもよい。
また、タイヤ1は、加硫前のタイヤ(未加硫タイヤ)も、加硫後のタイヤ(加硫タイヤ)も含まれる。なお、加硫後のタイヤにおいては、タイヤ1を鋭利な刃物で切断し、その断面により、ゴム7,8の境界面を観察することができる。これにより、ゴム7,8の配置状態の特定は、可能である。
1…タイヤ、2…トレッドゴム、2a…接地端、3…キャップゴム、3a…外層、3b…内層、4…ベースゴム、5…第1リボンゴム、5a…平行部、5b…傾斜部、6…第2リボンゴム、6a…平行部、6b…傾斜部、6c…境界部、7…第1ゴム、8…第2ゴム、9…周接合部、10…幅接合部、11…接地端部、12…隣接部、13…シートゴム、14…シートゴム、21…ビード部、22…サイドウォール部、23…トレッド部、24…カーカス層、25…インナーライナー、26…ベルト層、27…周溝、30…リム、40…成形装置、41…第1押出装置、41a…第1押出部、41b…第2押出部、41c…切替部、42…第2押出装置、42a…第1押出部、42b…第2押出部、42c…切替部、43…巻付部、D1…タイヤ幅方向、D2…タイヤ径方向、D3…タイヤ周方向、D4…回転方向、S1…タイヤ赤道面、S2…タイヤ子午面

Claims (3)

  1. 異なる弾性率を有する複数のゴムで形成されるトレッドゴムを備え、
    前記トレッドゴムは、異なる弾性率を有するゴムがタイヤ周方向で接合される周接合部を備え、
    前記トレッドゴムの外側表面のタイヤ幅方向の接地端部は、前記周接合部を構成するゴムのうち、最も弾性率の小さいゴムで形成される、タイヤ。
  2. 前記トレッドゴムは、タイヤ径方向の外側表面を有する外層と、前記外層とタイヤ径方向の内側で隣接される内層と、を備え、
    前記外層における前記周接合部の総面積は、前記内層における前記周接合部の総面積よりも、小さい、請求項1に記載のタイヤ。
  3. 前記トレッドゴムの外側表面は、前記接地端部とタイヤ幅方向の内側で隣接する隣接部を備え、
    前記隣接部は、前記接地端部を形成するゴムの弾性率よりも大きい弾性率であるゴムで形成され、
    前記接地端部のタイヤ幅方向の寸法は、前記隣接部のタイヤ幅方向の寸法よりも、大きい、請求項1又は2に記載のタイヤ。
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