JP2018099141A - 混合fret検出を用いたナノポアに基づく核酸の分析 - Google Patents

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Abstract

【課題】ナノポアを使用した、ポリヌクレオチドなどのポリマーの光学検出および分析のための、例えば核酸配列を決定するための様々な方法、システムおよびデバイスを提供すること。【解決手段】ある特定のバリエーションでは、ポリヌクレオチドがナノポアを通ってトランスロケーションするときに、混合FRETシグナルを測定するステップと、混合FRETシグナルからポリヌクレオチドのヌクレオチド配列を決定するステップとを含む、ポリヌクレオチドのヌクレオチド配列を決定するための方法およびシステムが提供される。【選択図】なし

Description

関連出願への相互参照
この出願は、2013年5月24日に出願された米国仮特許出願第61/827,519号(この内容は、その全体が本明細書に援用される)への優先権の利益を主張する。
DNA配列決定技術は、例えばLernerら、The Auk、127巻:4〜15頁、2010年、Metzker、Nature Review Genetics、11巻:31〜46頁、2010年、Holtら、Genome Research、18巻:839〜846頁、2008年にあるように、この10年間にわたって生物科学に変革を起こし、例えばVoelkerdingら、Clinical Chemistry, 55巻:641〜658頁、2009年、Andersonら、Genes、1巻:38〜69頁、2010年、Freemanら、Genome Research、19巻:1817〜1824頁、2009年、Tuckerら、Am. J. Human Genet.、85巻:142〜154頁、2009年にあるように、医療業務の多くの側面に変革を起こす可能性を有する。しかし、そのような可能性を実現するためには、ラン当たりの配列決定のコストの低減、試料調製の簡素化、ラン時間の低減、読み取り長さの増加、データ分析の向上などを含めて、例えばBaker、Nature Methods、7巻:495〜498頁、2010年、Kircherら、Bioessays、32巻:524−536頁、2010年、Turnerら、Annual Review
of Genomics and Human Genetics、10巻:263〜284頁、2009年にあるような、取り組まねばならない難題が依然として山積している。ナノポアを使用した単分子の配列決定は、これらの難題のいくつかに対して、例えばMaitraら、Electrophoresis、33巻:3418〜3428頁、2012年、Venkatesanら、Nature Nanotechnology、6巻:615〜624頁、2011年のように対処しうるものの、このアプローチには、信頼性のあるナノポアの作製、DNAトランスロケーション速度の制御、ヌクレオチドの分別、ナノポアセンサーの大型アレイからの電気信号の検出など、例えばBrantonら、Nature Biotechnology、26巻(10号):1146〜1153頁、2008年、Venkatesanら(上記に引用済み)などにあるように、それ自体の持つ一連の技術的な困難性がある。
ヌクレオチドの光学検出は、例えばHuber、国際特許出願公開WO 2011/040996、Russell、米国特許第6,528,258号、Pittaro、米国特許出願公開第2005/0095599号、Joyce、米国特許出願公開第2006/0019259号、Chan、米国特許第6,355,420号、McNallyら、Nano Lett.、10巻(6号):2237〜2244頁、2010年などにあるように、ナノポア配列決定の分野の技術的な困難性のいくつかに対し、潜在的な解決策として提案されている。しかし、光学ベースのナノポア配列決定は、適当な作製技法がないこと、およびそのようなシステムの要素がどのように相互に作用するのかという理解がないことを含めて、様々な理由のために実現されていない。
国際公開第2011/040996号 米国特許第6,528,258号明細書 米国特許出願公開第2005/0095599号明細書
上記の観点から、核酸配列決定などの検体の光学検知および分析を首尾よく行えるようにする利用可能な材料と光学素子の構成があれば、概して、ナノポアセンサー技術および光学ベースのナノポア配列決定などの特定の適用には好都合となる。
マイクロ流体および/またはナノ流体デバイス中のポリヌクレオチドなどのポリマーの光学検出および分析のための様々な方法、例えば、核酸の配列を決定するためにナノポアを使用したものを、本明細書に提供する。
ある特定のバリエーションでは、ポリヌクレオチドのヌクレオチド配列を決定する方法は、(a)例えば一本鎖または二本鎖ポリヌクレオチドなどのポリヌクレオチドのヌクレオチドが、ナノポアに隣接して位置づけられるFRET対の第1のメンバーの傍を順番に通過するように、ポリヌクレオチドを、ナノポアを通ってトランスロケーションさせるステップであって、該ヌクレオチドが前記ナノポアを出るときに、複数の該ヌクレオチドが、該FRET対の該第1のメンバーのFRET距離内にあり、かつヌクレオチドの少なくとも一部分が、該FRET対の第2のメンバーで標識されている、ステップと、(b)該FRET距離内にある該FRET対の該第1のメンバーと複数の第2のメンバーとの間でFRETが発生して、混合FRETシグナルを生成するように、該ナノポアに隣接する該FRET対を光線に曝露するステップと、(c)該ポリヌクレオチドが該ナノポアを通ってトランスロケーションするときに、混合FRETシグナルを測定するステップと、(d)該混合FRETシグナルから該ポリヌクレオチドのヌクレオチド配列を決定するステップとを含む。一部の実施形態では、ナノポアは、固相膜に配置され、FRET対の第1のメンバーは、前記ナノポアに隣接する固相膜に付着している。他の実施形態では、ナノポアは、タンパク質ナノポアであり、FRET対の第1のメンバーは、タンパク質ナノポアに付着している。
別のバリエーションでは、ポリヌクレオチドのヌクレオチド配列を決定する方法は、(a)例えば一本鎖または二本鎖ポリヌクレオチドなどのポリヌクレオチドのヌクレオチドが、ナノポアを出るときに、順番にFRETゾーンを通って通過するように、ポリヌクレオチドを、出口を有するナノポアを通ってトランスロケーションさせるステップであって、該FRETゾーンが、そのような通過の間に複数の該ヌクレオチドを包囲し、かつ該ヌクレオチドの少なくとも一部分が、FRET対の少なくとも1つの第2のメンバーで標識され、かつ該FRET対の少なくとも1つの第1のメンバーが、該FRETゾーン内にある、ステップと、(b)該FRET対の第1のメンバーと第2のメンバーとの間でFRETが発生して、混合FRETシグナルを生成するように、該FRETゾーン内にある該FRET対の該第1のメンバーおよび該第2のメンバーを光線に曝露するステップと、(c)該ポリヌクレオチドが該FRETゾーンを通って動くときに、混合FRETシグナルを測定するステップと、(d)該混合FRETシグナルから該ポリヌクレオチドのヌクレオチド配列を決定するステップとを含む。
別のバリエーションでは、ポリヌクレオチドのヌクレオチド配列を決定する方法は、(a)例えば一本鎖または二本鎖ポリヌクレオチドなどの標識されたヌクレオチドを有するポリヌクレオチドを、特定の寸法に作られたナノポアを通ってトランスロケーションさせ、その結果、FRET対の第2のメンバーであるヌクレオチド上の標識が、FRET反応を抑制するように拘束され、かつ該ポリヌクレオチドのヌクレオチドが、該ナノポアを出るときに、順番にFRETゾーンを通って通過するステップであって、該FRETゾーンが、そのような通過の間に複数の前記ヌクレオチドを包囲し、かつ該FRET対の少なくとも1つの第1のメンバーが、該FRETゾーン内にある、ステップと、(b)該第1のメンバーと該第2のメンバーとの間でFRETが発生して、混合FRETシグナルを生成するように、該FRETゾーン内にある前記FRET対の該第1のメンバーおよび該第2のメンバーを光線に曝露するステップと、(c)該ポリヌクレオチドが該FRETゾーンを通って動くときに、混合FRETシグナルを測定するステップと、(d)混合FRETシグナルから該ポリヌクレオチドのヌクレオチド配列を決定するステップとを含む。
様々な方法、システムおよびデバイスが、多数の実践および適用において例示され、そのいくつかは、以下におよび本明細書を通じて要約されている。
本発明の実施形態において、例えば以下の項目が提供される。
(項目1)
ポリヌクレオチドのヌクレオチド配列を決定する方法であって、
ポリヌクレオチドのヌクレオチドがナノポアに隣接して位置づけられるFRET対の第1のメンバーの傍を順番に通過するように、前記ポリヌクレオチドを、前記ナノポアを通ってトランスロケーションさせるステップであって、前記ヌクレオチドが前記ナノポアを出るときに、複数の前記ヌクレオチドが、前記FRET対の前記第1のメンバーのFRET距離内にあり、かつ前記ヌクレオチドの少なくとも一部分が、前記FRET対の第2のメンバーで標識されている、ステップと、
前記FRET距離内にある前記FRET対の前記第1のメンバーと複数の第2のメンバーとの間でFRETが発生して、混合FRETシグナルを生成するように、前記ナノポアに隣接する前記FRET対を光線に曝露するステップと、
前記ポリヌクレオチドが前記ナノポアを通ってトランスロケーションするときに、混合FRETシグナルを測定するステップと、
前記混合FRETシグナルから前記ポリヌクレオチドのヌクレオチド配列を決定するステップと
を含む、方法。
(項目2)
前記ナノポアが、固相膜に配置され、前記FRET対の前記第1のメンバーが、前記ナノポアに隣接する前記固相膜に付着している、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記ナノポアが、タンパク質ナノポアであり、前記FRET対の前記第1のメンバーが、前記タンパク質ナノポアに付着している、項目1に記載の方法。
(項目4)
前記ポリヌクレオチドが、一本鎖または二本鎖のポリヌクレオチドである、項目1に記載の方法。
(項目5)
ポリヌクレオチドのヌクレオチド配列を決定する方法であって、
ポリヌクレオチドのヌクレオチドが、ナノポアを出るときに、順番にFRETゾーンを通って通過するように、前記ポリヌクレオチドを、出口を有する前記ナノポアを通ってトランスロケーションさせるステップであって、前記FRETゾーンは、そのような通過の間に複数の前記ヌクレオチドを包囲し、かつ前記ヌクレオチドの少なくとも一部分が、FRET対の少なくとも1つの第2のメンバーで標識され、かつ前記FRET対の少なくとも1つの第1のメンバーが、前記FRETゾーン内にある、ステップと、
前記FRET対の第1のメンバーと第2のメンバーとの間でFRETが発生して、混合FRETシグナルを生成するように、前記FRETゾーン内にある前記FRET対の前記第1のメンバーおよび前記第2のメンバーを光線に曝露するステップと、
前記ポリヌクレオチドが前記FRETゾーンを通って動くときに、混合FRETシグナルを測定するステップと、
前記混合FRETシグナルから前記ポリヌクレオチドのヌクレオチド配列を決定するステップと
を含む、方法。
(項目6)
前記ナノポアが、固相膜に配置され、前記FRET対の前記第1のメンバーが、前記ナノポアに隣接する前記固相膜に付着している、項目5に記載の方法。
(項目7)
前記ナノポアが、タンパク質ナノポアであり、前記FRET対の前記第1のメンバーが、前記タンパク質ナノポアに付着している、項目5に記載の方法。
(項目8)
前記ポリヌクレオチドが、一本鎖または二本鎖のポリヌクレオチドである、項目5に記載の方法。
(項目9)
ポリヌクレオチドのヌクレオチド配列を決定する方法であって、
標識されたヌクレオチドを有するポリヌクレオチドを、特定の寸法に作られたナノポアを通ってトランスロケーションさせ、その結果、FRET対の第2のメンバーである前記ヌクレオチド上の標識が、FRET反応を抑制するように拘束され、かつ前記ポリヌクレオチドのヌクレオチドが、前記ナノポアを出るときに、順番にFRETゾーンを通って通過するステップであって、前記FRETゾーンが、そのような通過の間に複数の前記ヌクレオチドを包囲し、かつ前記FRET対の少なくとも1つの第1のメンバーが、前記FRETゾーン内にある、ステップと、
前記第1のメンバーと前記第2のメンバーとの間でFRETが発生して、混合FRETシグナルを生成するように、前記FRETゾーン内にある前記FRET対の前記第1のメンバーおよび前記第2のメンバーを光線に曝露するステップと、
前記ポリヌクレオチドが前記FRETゾーンを通って動くときに、混合FRETシグナルを測定するステップと、
前記混合FRETシグナルから前記ポリヌクレオチドのヌクレオチド配列を決定するステップと
を含む、方法。
(項目10)
前記ナノポアが、固相膜に配置され、前記FRET対の前記第1のメンバーが、前記ナノポアに隣接する前記固相膜に付着している、項目9に記載の方法。
(項目11)
前記ナノポアが、タンパク質ナノポアであり、前記FRET対の前記第1のメンバーが、前記タンパク質ナノポアに付着している、項目9に記載の方法。
(項目12)
前記ポリヌクレオチドが、一本鎖または二本鎖のポリヌクレオチドである、項目9に記載の方法。
(項目13)
前記FRET対の前記第1のメンバーが、ドナーであり、前記FRET対の前記第2のメンバーが、アクセプターである、項目1〜12のいずれか1項に記載の方法。
(項目14)
前記アクセプターの少なくとも1つが、有機蛍光色素である、項目13に記載の方法。
(項目15)
前記ドナーの少なくとも1つが、量子ドットである、項目13に記載の方法。
(項目16)
ポリヌクレオチドのヌクレオチド配列を決定するためのシステムであって、
第1のチャンバーと第2のチャンバーとの間に流体連通を提供し、かつポリヌクレオチドが通ってトランスロケーションすることができるナノポアであって、前記ナノポアは、前記ポリヌクレオチドのヌクレオチドが、順番に前記ナノポアの出口を通って通過するように、特定の寸法に作られており、そして前記ポリヌクレオチドのヌクレオチドが、FRET対のメンバーで標識されている場合はいつでも、前記ナノポアの内部のそのようなメンバーと、前記ナノポアの外部のメンバーとの間でFRETが抑制されている、ナノポアと、
前記ナノポアの前記出口のFRET距離内に配置された前記FRET対のメンバーであって、ここで前記ナノポアの前記出口のFRET距離内に配置された前記FRET対のメンバーは、前記ポリヌクレオチドを標識するメンバーとは異なるメンバーであり、複数のヌクレオチドが、前記ナノポアの前記出口から現れるときに、配置された前記メンバーのFRET距離内を通過する、メンバーと
を含む、システム。
(項目17)
前記ナノポアが、固相膜に配置され、前記FRET対の前記第1のメンバーが、前記ナノポアに隣接する前記固相膜に付着している、項目16に記載のシステム。
(項目18)
前記ナノポアが、タンパク質ナノポアであり、前記FRET対の前記第1のメンバーが、前記タンパク質ナノポアに付着している、項目16に記載のシステム。
(項目19)
前記ポリヌクレオチドが、一本鎖または二本鎖のポリヌクレオチドである、項目16に記載のシステム。
(項目20)
前記FRET対の配置された前記メンバーが、ドナーであり、前記ポリヌクレオチドを標識している前記メンバーが、アクセプターである、項目16から19のいずれか一項に記載のシステム。
(項目21)
前記アクセプターが、有機蛍光色素である、項目20に記載のシステム。
(項目22)
前記ドナーが、量子ドットである、項目20に記載のシステム。
図1Aは、単一種のアクセプター分子で標識されたポリヌクレオチド検体の場合の、混合FRETシグナルの収集を伴う一実施形態の概略図である。 図1Bは、単一種のアクセプター分子で標識された試験ポリヌクレオチドの、混合FRETシグナルのデータを示す図である。 図1Cは、2種のアクセプター分子で標識されたポリヌクレオチド検体の場合の、混合FRETシグナルの収集を伴う一実施形態の概略図である。 図1Dは、2種のアクセプター分子で標識された試験ポリヌクレオチドの、混合FRETシグナルのデータを示す図である。 図2A〜Cは、ハイブリッドバイオセンサーの一実施形態を説明する図である。 図2Dは、オリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションを使用した、FRET対のメンバーの位置づけを伴うデバイスの一実施形態を説明する図である。 図2Eは、ハイブリッドナノポアの一実施形態を説明する図であり、ここで固体状態膜(201)の表面は、脂質層が接着された(203)疎水性層(202)を用いて被覆されている。脂質は、挿入されたポアタンパク質を含むギガオーム(gigaohm)シールを形成する。
本明細書に記載された様々な方法、システムおよびデバイスが、様々な改変および代替の形態に適用しうる一方で、その具体例は、図面中の例によって示されており、詳細に記載されることになる。しかし、その意図は、記載された特定の実施形態に限定されることにはないことを理解されたい。むしろ、その意図は、本発明の精神および範囲にある全ての改変、等価物および代替を網羅することにある。例えば、特定のナノポアの種類および数、特定の標識、FRET対、検出スキームおよび作製アプローチは、説明のために示されている。しかし、本開示は、この点に限定されることを意図しておらず、それは、本明細書に議論された様々なシステムの態様を実行するために、他の種類のナノポア、配列されたナノポアおよび他の作製技術を利用することができるためであることを理解されたい。ある特定の態様のためのガイダンスは、例えば、Cao、Nanostructures & Nanomaterials(Imperial College Press、2004年)、Levinson, Principles of Lithography、第2版(SPIE Press、2005年)、DoeringおよびNishi編、Handbook of Semiconductor Manufacturing Technology、第2版(CRC Press、2007年)、Sawyerら、Electrochemistry for Chemists、第2版(Wiley Interscience、1995年)、BardおよびFaulkner、Electrochemical Methods:Fundamentals and Applications、第2版(Wiley、2000年)、Lakowicz、Principles of Fluorescence Spectroscopy、第3版(Springer、2006年)、Hermanson、Bioconjugate Techniques、第2版(Academic Press、2008年)などを含めた多くの利用可能な参考文献および当業者に周知の論文に見られ、これらの関連部分は、参照により本明細書に組み入れられている。
本明細書に記載された様々な方法およびシステムは、ポリマー検体などの検体の特性を測定するためのナノポアおよびFRET対の使用に関する。FRET対は、一般的に、1つまたは複数のFRETドナーおよび1つまたは複数のFRETアクセプターであり、ここで、各ドナーは、各アクセプターとFRET反応を生じることができる。一態様では、このことは、FRET対のドナーが、アクセプターの吸収スペクトルに実質的に重複する発光スペクトルを有することを意味する。別の態様では、ドナーおよびアクセプターの遷移双極子は、効率的なエネルギー転移が可能となるような形で整列させなければならない。ある特定のバリエーションの一部は、検出事象の間に複数のFRETアクセプターがFRETシグナルを生成し、その結果、混合FRETシグナルが収集されるという条件下での、FRET対の使用に関する認識と理解に基づく。一部の態様では、ある特定のバリエーションの一部はまた、ナノポアのFRET抑制特性の発見および理解と、ナノポアを通ってトランスロケーションしている標識された検体を検出することを可能にするためのこの特性の適用とに基づく。本明細書に記載されたバリエーションが、それによって限定されることを意図しないにも関わらず、ナノポアは、特定の寸法に作られた孔を伴って選択される場合があり、その結果、FRET対の標識は、ナノポアを通ってトランスロケーションする間に、FRET相互作用に関与するために正しく位置することはできないことが考えられる。ナノポアの孔内のポリヌクレオチドの標識の双極子は、制限されたナノポア径に基づき、回転自由において拘束される。ナノポアに付着した対応のFRET対の整列を伴う、この双極子整列の減少は、FRET効率を劇的に制限する。標識されたポリヌクレオチドは、ナノポアを出た後にFRET相互作用に関与しうるが、この時点で、検体(例えばポリヌクレオチド)上のFRETアクセプターまたはドナーは、混合FRET事象を可能にする回転自由を再び得る。
検出される検体の種類、利用されるドナーおよびアクセプターの種類、ナノポア、ドナーおよびアクセプターの物理的な配置、検体をドナーまたはアクセプターによって標識するか否かなどに応じて、広範な実施形態が考慮される。一実施形態では、測定される検体は、アクセプターで標識されたポリマーであり、特にアクセプターで標識されたポリヌクレオチドである。後者の実施形態の1種では、ナノポアを通ってトランスロケーションした時に生成される混合FRETシグナルを測定することによって、ポリヌクレオチドのヌクレオチド配列を決定しうるように、ポリヌクレオチド検体の異なるヌクレオチドを、1種または複数の異なる種類のアクセプターを用いて標識する。別の実施形態では、測定される検体は、ドナーで標識されたポリマーであり、特にドナーで標識されたヌクレオチドである。ポリヌクレオチドの配列は、ナノポアを通ってトランスロケーションした時に混合FRETシグナルを測定することによって、決定される。さらに別の実施形態では、ポリヌクレオチド検体の4種のヌクレオチドのうち少なくとも1種が、FRET対のメンバーで標識されている。ポリヌクレオチド中の標識されたヌクレオチドの位置は、標識されたポリヌクレオチドを、標識されたナノポアを通ってトランスロケーションさせて、FRET事象を測定することによって、決定される。同じポリヌクレオチド試料の残りのヌクレオチドを標識し、続いて前記試料を、標識されたナノポアを通ってトランスロケーションさせることによって、ポリヌクレオチドの部分配列を生成する。そのような部分配列は、再度整列させることができ、その結果ポリヌクレオチドの全長配列を生じる。
上記の態様および実施形態のいくつかを、図1Aに図説する。ポリヌクレオチドなどのポリマー検体(1000)は、そのモノマーユニットが、ポリマーの一次配列と同じ順番でナノポアを通ってトランスロケーションするように、例えば電気泳動によって、ナノポア(1002)を通って駆動され、このナノポアは、ポリマー(1000)のコンフォメーションを拘束する。さらに、上記にふれたように、アクセプターで標識されたモノマーユニットが、ナノポア(1002)の孔内にある場合は常に、当該アクセプターとそのFRET対のドナー(例えば1012)とのFRET相互作用は抑制される。そのような抑制は、典型的には、アクセプターおよびドナーの双極子が好ましくない方向に位置づけられているために、当該アクセプターがドナーのFRET距離内にある場合でさえ、検出可能なFRETシグナルが産生されないということを意味する。一方で、アクセプターで標識されたモノマーユニットが、ナノポアの孔からFRETゾーン(1008)の中へ現れるや、直ちに強力なFRETシグナルが産生するが[ドナー(1012)が近接するため]、その後に、ポリマー(1000)がトランスロケーションすることによって、FRETゾーン(1008)からアクセプターが運び出されるため、そのシグナルは、アクセプターとドナーとの距離が増すにつれて、速やかに減少する。FRETゾーン(1008)は、ナノポア(1002)の出口(1015)に直に隣接した空間領域であり、ナノポア(1002)を通っておよび離れてトランスロケーションする際の、ドナー(1012)と、ポリマー(1000)に付着しているアクセプター標識とのFRET距離によって画定される。図1Aには、中黒の丸(1004)として図示された1種のモノマーユニットのみが標識されており、斑入りの丸(1006)として図示された残りのモノマーユニットは標識されていない。図示されているように、標識された3つのモノマーユニット(「1」、「2」および「3」と表示)は、FRETゾーン(1008)にある。ドナー(1012)が、励起ビーム(1014)によって励起されると、FRET相互作用(1010)が生成し、3つのモノマーユニット上のアクセプターはFRET発光(1016)を産生し、その発光は、検出器(1018)によって収集されて混合FRETシグナル強度(1029)として記録される。モノマーユニット1、2および3上のアクセプター由来のシグナル強度の寄与は、曲線(それぞれ1031、1032および1033)によって図示されており、それらは検出器(1018)によって組み合わされて、破線の曲線(1022)によって示される混合FRETシグナルを与える。以降に記載する実施例では、図1Aに相当する実施形態は、シトシンのみが標識されている配列(1082)3’−AACGGCCCTTCGATCTCATTGAGGATGAGAGGAGAGTCAAAGGAAGA−ACGAGGATGAGAGGAGAGTGAGAGCAAAGGAAGAACGAGGATGAGAGG−AGAGTGAGAGCAAAGGAAGAA−5’(配列番号1)について、図1Bに示されるデータを生じた。図1Bでは、標識されたCの相対的な位置のみが示されており、その結果、データ中の当該位置とピークとの対応を理解することができる。強度のあるピークは、星印によって、(1080)にあるもののように示されている。データは、配列(1082)の3’側が最初になった配向でのトランスロケーションについて、相対的な混合FRETシグナルの強度に対する時間をプロットしたものである。
例えば、頻度、強度、波長などの種々の特徴を有するシグナルが、種々の種類のモノマーユニットについて生成し、それによって、種々の種類のモノマーユニットを区別することが可能になるように、種々のアクセプター標識が、種々の種類のモノマーユニットに付着している実施形態が提供される。そのような一実施形態では、少なくとも2種の異なるアクセプター標識が使用されて、標的ポリヌクレオチドの異なるヌクレオチドが標識される。そのような実施形態の1つの装置を、図1Cに図示する。ポリヌクレオチド(1070)は、第1のアクセプターで標識されたシトシン(またはシチジンもしくはデオキシシチジン)(中黒の丸、1064)、第2のアクセプターで標識されたチミジンまたはチミン(斜交平行の丸、1066)、ならびに標識されていないグアニンおよびアデニン(斑入りの丸、1068)を含む。上述のように、ポリヌクレオチド(1070)がナノポア(1002)を通ってトランスロケーションするときに、ヌクレオチドがFRETゾーン(1008)内に出るが、その場で、アクセプター(もし存在すれば)がFRET反応に関与して、FRET発光(1062)を生成する。そのような発光は、利用している異なるアクセプター標識の異なるシグナルの特徴、例えば、二色性ミラーおよび/またはフィルターによって分離することができる波長などに従い、FRET発光(1062)を分離するための既存の光学的な構成成分である検出器(1060)によって収集される。その結果、最初に収集した混合FRETシグナルは、異なるアクセプター由来の混合FRETシグナルを表す2種またはそれ超のシグナルに分割されるが、これらは、既存の構成成分(1072)によってさらに処理されてもよい。また、以降の実施例にてさらに充実して記載されているのは、図1Cに対応する実施形態であり、シトシン(またはシチジンもしくはデオキシシチジン)およびチミジンまたはチミンのみが標識されている配列(1092)5’−GCTATGTGGCGCGGTATTATTAAGAAGGAGACTGAGAGGAGAGAAGGAGCAAGAAGGAAATGAGAGCGAGAGGAGAAGAAGGAGGAAGAAG−3’(配列番号2)について、図1Dに示されるデータを生じた。Tに付着している第1のアクセプター由来のシグナルが、破線(1095)によって示され、Cに付着している第1のアクセプター由来のシグナルが、実線(1096)によって示されている。図1Dでは、標識されたTおよびCの位置が、太字(それぞれ1051、1052、1053、1054、1055および1056)として示されている。標識されたTおよびCに対応するプロット中の強度のピークは、同じ参照番号によって示されている。データは、配列(1070)の3’側が最初になった配向でのトランスロケーションについて、相対的な混合FRETシグナルの強度に対して時間をプロットしたものである。
上記にふれたように、一態様では、方法は、(a)例えば一本鎖または二本鎖ポリヌクレオチドなどのポリヌクレオチドのヌクレオチドが、ナノポアに隣接して位置づけられるFRET対の第1のメンバーの傍を順番に通過するように、ポリヌクレオチドを、ナノポアを通ってトランスロケーションさせるステップであって、該ヌクレオチドが該ナノポアを出るときに、複数の該ヌクレオチドが、該FRET対の該第1のメンバーのFRET距離内にあり、かつヌクレオチドの一部分が、該FRET対の第2のメンバーで標識されている、ステップと、(b)該FRET距離内にある該FRET対の該第1のメンバーと複数の第2のメンバーとの間でFRETが発生して、混合FRETシグナルを生成するように、該ナノポアに隣接する該FRET対を光線に曝露するステップと、(c)該ポリヌクレオチドが該ナノポアを通ってトランスロケーションするときに、混合FRETシグナルを測定するステップと、(d)該混合FRETシグナルから該ポリヌクレオチドのヌクレオチド配列を決定するステップとによって実行されてもよい。一部の実施形態では、ナノポアは、以降にさらに充実して記載されているように、固相膜のポアの内部へ挿入されたタンパク質ナノポアを含む、ハイブリッドナノポアである。ハイブリッドナノポアでは、FRET対の第1のメンバーは、「クリック」化学などの、例えばKolbら、Angew. Chem. Int. Ed.、4巻:2004〜2021頁、2001年などにあるような既存の連結化学を使用して、タンパク質ナノポアに直接的に付着されているか、あるいは、固相膜に直接的に付着されている。一実施形態では、FRET対の第1のメンバーは、例えば図2Dを参照して議論されているように、直接的または間接的にタンパク質ナノポアに付着されている。別の実施形態ではFRET対の第1のメンバーは、量子ドットなどのドナーである。量子ドットは、典型的には、アクセプター、特に有機色素であるアクセプターよりもはるかに大きく、そのような有機色素は、典型的には、200から2000ダルトンの範囲の分子量を有する。それゆえ、FRETを量子ドットドナーと複数標識されたポリマー検体との間で発生させるために、複数のアクセプターが同時に、量子ドットのFRET距離内へ持ち込まれる。そのような状況下では、複数のFRETシグナルが、当該シグナルが収集される間にわたる同じ時間内に生成し、それによって混合FRETシグナルが生じる。
ナノポアおよびナノポア配列決定
本明細書に記載の様々な方法、システムおよびデバイスを使用したナノポアは、固体状態のナノポア、タンパク質ナノポア、または固体状態の膜もしくは類似のフレームワークに構成されたタンパク質ナノポアを含むハイブリッドナノポアである。ナノポアの重要な特長は、(i)検体、特にポリマー検体を、順番に検出ゾーンを通って通過するように拘束する点、(ii)トランスロケーション手段との適合性、すなわち、ナノポアを通って検体を駆動するためのどんな方法も使用される点、および(iii)ナノポアの管腔または孔内で、FRET対のメンバーに対しFRETを抑制する点である。
ナノポアは、以下に限定されないが、窒化ケイ素(Si)、二酸化ケイ素(SiO)などを含めた種々の材料で作製されうる。DNA配列決定などの分析用の適用のためのナノポアの作製および操作は、参照により組み入れられている以下の例示的な参考文献:Russell、米国特許第6,528,258号、Feier、米国特許第4,161,690号、Ling、米国特許第7,678,562号、Huら、米国特許第7,397,232号、Golovchenkoら、米国特許第6,464,842号、Chuら、米国特許第5,798,042号、Sauerら、米国特許第7,001,792号、Suら、米国特許第7,744,816号、Churchら、米国特許第5,795,782号、Bayleyら、米国特許第6,426,231号、Akesonら、米国特許第7,189,503号、Bayleyら、米国特許第6,916,665号、Akesonら、米国特許第6,267,872号、Mellerら、米国特許出願公開第2009/0029477号、Howorkaら、国際特許出願公開WO2009/007743、Brownら、国際特許出願公開WO2011/067559、Mellerら、国際特許出願公開WO2009/020682、Polonskyら、国際特許出願公開WO2008/092760、Van der Zaagら、国際特許出願公開WO2010/007537、Yanら、Nano Letters、5巻(6号):1129〜1134頁、2005年、Iqbalら、Nature Nanotechnology、2巻:243〜248頁、2007年、Wanunuら、Nano Letters、7巻(6号):1580〜1585頁、2007年、Dekker、Nature Nanotechnology、2巻:209〜215頁、2007年、Stormら、Nature Materials、2巻:537〜540頁、2003年、Wuら、 Electrophoresis、29巻(13号):2754〜2759頁、2008年、Nakaneら、Electrophoresis、23巻:2592〜2601頁、2002年、Zheら、J. Micromech. Microeng.、17巻:304〜313頁、2007年、Henriquezら、The Analyst、129巻:478〜482頁、2004年、Jagtianiら、J. Micromech.
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一実施形態では、1種または複数のポリヌクレオチド検体などの検体を検出するためのデバイスまたはシステムは、以下の要素:(a)第1のチャンバーと第2のチャンバーとを隔てており、孔を通って該第1のチャンバーと該第2のチャンバーとを接続する少なくとも1つの開口部を有する、固相膜と、(b)蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)対の複数の第2のメンバーが付着されている1つまたは複数の検体が該孔を横切るときはいつでも、複数の第2のメンバーが、該FRET対の第1のメンバーのFRET距離内を順番に通過するよう拘束されるように、少なくとも1つの開口部に付着された、FRET対の第1のメンバーとを含む。一部の実施形態では、固相膜は、低いエネルギーのイオンビームを用いて処理され、自家蛍光をブリーチされる。
別の実施形態では、連結された複数のモノマーユニット、例えばヌクレオチドなどを有する複数の検体またはポリマー検体を検出するための、デバイスまたはシステムを提供する。ポリヌクレオチドの配列を決定するためのそのような実施形態は、以下の要素:(a)第1のチャンバーと第2のチャンバーとを隔てており、該第1のチャンバーおよび該第2のチャンバーを接続する少なくとも1つの開口部を有し、少なくとも1つの表面に疎水性被覆を有する、固相膜と、(b)該疎水性被覆上に配置してもよい脂質層と、(c)開口部に固定化されており、出口のある孔を有し、該第1のチャンバーと該第2のチャンバーとの間の流体連通が、該タンパク質ナノポアの孔を介してのみ発生するように、脂質二重層と相互作用して、開口部の固相膜によってシールを形成しており、ポリヌクレオチドのヌクレオチドが順番に該孔の該出口を通って通過するように、かつ該ポリヌクレオチドのヌクレオチドがFRET対の第2のメンバーで標識されるときはいつでも、該孔の内部の当該第2のメンバーと該孔の外部の該FRET対の第1のメンバーとの間でFRETが抑制されるように、特定の寸法に作られている、タンパク質ナノポアと、(d)該ポリヌクレオチドのヌクレオチドが孔から現れるときはいつでも、複数の該ヌクレオチドが該FRET対の該第1のメンバーのFRET距離内にあるように、固相膜またはタンパク質ナノポアに付着された、FRET対の第1のメンバーとのうち、1種または複数を含んでいてもよい。
一部の実施形態では、脂質層が安定的に接着するように固相膜の表面がそれ自体で十分に疎水性である点において、疎水性被覆は任意のものである。少なくとも1つの開口部は、固相膜の表面に接続または隣接している内部表面もしくは壁を有することになる。一部の実施形態では、少なくとも1つの開口部は、複数の開口部となることになり、その複数の開口部は、開口部の直線的なアレイなどの規則的なアレイとして配置され、その間隔は、利用されるFRET対の数および種類、ならびに使用される光学検出系に一部依存する。それぞれの開口部はある直径を有し、そのため、一部の実施形態では、その中にタンパク質ナノポアが実質的に固定化されている。一部の実施形態では、実質的に固定化されているとは、タンパク質ナノポアが、開口部の壁に対して固相膜の平面において5nmを超えて動かない場合があることを意味する。別の実施形態では、実質的に固定化されているとは、タンパク質ナノポアが、開口部の壁に対して固相膜の平面において5nmを超えて動かない場合があることを意味する。タンパク質ナノポアのそれぞれは、孔または通路または管腔を有し、タンパク質ナノポアを開口部に固定化する場合に、第1のチャンバーと第2のチャンバーとの間の流体連通を可能とする。一般に、孔は、開口部と同軸方向に整列される。疎水性層の1つの機能は、少なくとも1つの開口部の中および/または直接隣接して、脂質を保持するための表面を提供することである。そのような脂質は、次いで、機能的なコンフォメーションで、かつ開口部壁を用いて流体シールを形成する様式で、開口部内のタンパク質ナノポアを配置し固定化することを可能にする。一部の実施例では、そのようなシールはまた、タンパク質ナノポアの周囲の第1のチャンバーと第2のチャンバーの間に電流が通過するのを防止する。一部の実施形態では、荷電している検体は、第1のチャンバー内の電解質溶液中に配置されて、固相膜を横切って電場を設けることによって、タンパク質ナノポア(複数可)の孔(複数可)を通り、第2のチャンバー内の電解質溶液内にトランスロケーションする。製造の利便性のために、一部の実施形態では、疎水性被覆は、固相膜の一表面上および開口部(複数可)の壁(複数可)にあるものとなる。
一部の実施形態では、固相膜は、以降にさらに充実して記載されているように、低いエネルギーのイオンビームを用いて処理され、自家蛍光をブリーチされる。
図2A〜2Cは、ハイブリッドバイオセンサーの略図である。2つのチャンバーまたは区画をシス(101)およびトランス(107)で隔てる固体状態の担体または固相膜(103)に、ナノメートルサイズの穴(102)を穿つ。一本鎖または二本鎖DNAなどの荷電しているポリマー(105)に付着されたタンパク質バイオセンサー(例えばタンパク質ナノポア)(104)を、電気泳動による輸送によって、固体状態のナノ穴に包埋した。図1Cでは、タンパク質バイオセンサーは挿入されている。ナノメートルサイズの穴では、その表面は疎水性被覆(106)を有し、付着された脂質層(109)を有してもよい。ナノポアは2つの側面またはオリフィスを有していてもよい。一方の側は、「シス」側と呼ばれ、(−)負電極または負に荷電した緩衝液/イオンの区画もしくは溶液に面している。他方の側は、「トランス」側と呼ばれ、(+)電極または正に荷電した緩衝液/イオンの区画もしくは溶液に面している。標識された核酸分子やポリマーなどの生物学的なポリマーは、ナノポアを通って印加された電場によって、ポアを通して引き込み、駆動させることができ、例えば、ナノポアのシス側で入れて、ナノポアのトランス側で出すことができる。
図2Dは、固体状態の膜(103)に穿たれた開口部の中へ挿入されたタンパク質ナノポア(104)を示す。タンパク質ナノポア(104)に付着されているのは、オリゴヌクレオチド(108)であり、そのオリゴヌクレオチドに、相補的な二次オリゴヌクレオチド(111)がハイブリダイズしている。前記二次オリゴヌクレオチド(111)は、それに付着されたFRET対(110)の1つまたは複数の第1または第2のメンバーを有する。あるいは、FRET対のメンバーは、タンパク質ナノポアのアミノ酸に直接的に付着されていてもよい。例えば、ヘモリシンのサブユニットを、既存の遺伝子工学的な技法によって改変し、ナノポアの出口に隣接して適当に位置するアミノ酸、例えばスレオニン129をシステインにより置換してもよい。例えばHermanson(上記に引用)などの既存の連結化学を使用して、FRET対のオリゴヌクレオチドまたはメンバーが、システインのチオ基を介して付着されてもよい。
一部の実施形態では、ハイブリッドナノポアを、特にポリヌクレオチドの光学ベースのナノポア配列決定のために利用する。そのような実施形態は、固体状態のオリフィスまたは開口部を含み、それに、タンパク質ナノポアなどのタンパク質バイオセンサーが安定的に挿入されている。タンパク質ナノポア(例えばアルファヘモリシン)は、荷電しているポリマー(例えば二本鎖DNA)に付着されていてもよく、このポリマーは、印加された電場中で抵抗力の役割を果たし、タンパク質ナノポアを固体状態の膜の開口部内へ導くために使用されうる。一部の実施形態では、固体状態の担体の開口部は、タンパク質よりも僅かに小さいように選択され、それによって、タンパク質が開口部を通ってトランスロケーションするのを防止する。代わりに、タンパク質は、固体状態のオリフィス内へ包埋されることになる。固体状態の担体を改変して、差し込み型タンパク質バイオセンサーの共有結合付着を可能にする活性部位を表面に生成することができ、その結果、安定なハイブリッドバイオセンサーがもたらされる。
バイオセンサー中のポリマー付着部位は、タンパク質工学によって生成させることができ、例えば、ポリマーの特異的な結合を可能にする変異体タンパク質を構築することができる。一例として、システイン残基を、タンパク質の所望の位置に挿入してもよい。システインは、天然に存在するアミノ酸を置き換えるか、追加的なアミノ酸として組み入れることができる。タンパク質の生物学的機能を破綻させないように、注意を払わねばならない。ポリマー(すなわちDNA)の末端の第1級アミン基を、次いで、ヘテロ二官能性架橋剤(例えばSMCC)を使用して活性化させる。続いて、活性化ポリマーを、タンパク質バイオセンサーのシステイン残基に共有結合で付着させる。一部の実施形態では、バイオセンサーへのポリマーの付着は可逆的である。切断可能な架橋を実行することによって、壊れ易い化学結合(例えばS−S結合)を導入して、固体状態の開口部内へバイオセンサーを挿入した後に、荷電しているポリマーを除去してもよい。
当業者にとって、荷電しているポリマーをタンパク質バイオセンサーに共有結合で付着または非共有結合で付着させる方法に用いる多岐にわたる異なるアプローチは、考えうることであり、上記のアプローチが一例としての役割を果たすに過ぎないことは、明らかである。また、当業者は、種々の異なるポリマーを抵抗力として使用することができ、そのようなポリマーとして、以下に限定されないが、一本鎖または二本鎖DNA、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリ−L−リジン、線状多糖などが挙げられることを理解することになる。これらのポリマーは、所与のpHで負電荷(−)または正電荷(+)のどちらかを示し、そのため、ポリマー−バイオセンサー複合体を固体状態の開口部の中へ引き込むように、電場の極性が調整される場合があることもまた明らかである。
一部の実施形態では、ドナーフルオロフォアは、タンパク質ナノポアに付着されている。この複合体は、次いで、固体状態のナノ穴を横切って電場を印加することによって、固体状態の開口部またはナノ穴(直径3〜10mm)の中へ挿入されてゆき、やがてタンパク質ナノポアは、固体状態のナノ穴の中へ輸送されて、ハイブリッドナノポアを形成する。ハイブリッドナノポアの形成は、(a)固体状態のナノ穴の部分的な遮蔽に基づいて、挿入されたタンパク質ナノポアが電流の急落を生じることによって、および(b)ドナーフルオロフォアを光学検出することによって、検証することができる。
安定なハイブリッドナノポアが一本鎖を形成したら、蛍光標識された(またはアクセプターで標識された)DNAをシスチャンバー[(+)電極を備えたチャンバー]に添加してもよい。印加された電場は、負に荷電したssDNAを、ハイブリッドナノポアを通してトランスロケーションさせるが、その間に、標識されたヌクレオチドは、ドナーフルオロフォアのすぐ傍に到達する。ある特定のバリエーションでは、二本鎖DNAを利用してもよい。
固体状態のまたは合成のナノポアは、上記に引用した参考文献に例示されるように、種々の手法で調製されうる。一部の実施形態では、ヘリウムイオン顕微鏡を使用して、例えば参照により本明細書に組み入れられているYangら、Nanotechnolgy、22巻:285310頁、2011年に開示されているように、種々の材料中の合成ナノポアに穿孔してもよい。自立膜となるように加工された薄膜材料、例えば窒化ケイ素などの1つまたは複数の領域を支持するチップを、ヘリウムイオン顕微鏡(HIM)のチャンバーに導入する。HIMモータ制御を使用して、自立膜をイオンビームの経路内に持ち込み、一方で顕微鏡を低倍率に設定する。焦点および非点補正(stigmation)を含めたビームパラメータを、自立膜に隣接する領域に、しかし固体担体上に調整する。パラメータを適正に固定したら、自立膜領域がイオンビームスキャン領域の中心になるようにチップの位置を動かし、ビームをブランクとする。予測されるナノポアパターン全体を含むのに十分であり、のちの光学読み取りに有用となる(すなわち光学倍率、カメラの解像度などに依存する)のに十分な寸法(μm単位)に、HIM視野を設定する。次いで、全視野を通してピクセル滞留時間でイオンビームを1回ラスタさせて、その結果、膜の自家蛍光の全てまたは多くを除去するのに十分な総イオン線量を得る。次いで、視野を適正値(上記で使用されるよりも小さい)に設定して、単一のナノポアまたはナノポアアレイのどちらかに対して、リソグラフィで画定されたフライス削りを行う。パターンのピクセル滞留時間を設定して、1種または複数の所定の直径のナノポアを得るが、当該径は、試料加工前に較正試料を使用して決定する。この全工程を、単一のチップ上の所望の各領域について、および/またはHIMチャンバー内に導入された各チップについて繰り返す。
一部の実施形態では、固体状態の担体を修飾して、差し込み型タンパク質バイオセンサーの共有結合性付着を可能にする活性部位を、その表面に生成してもよく、また、所与の適用のためにより適するものとする方法で、その表面の特性を改変してもよい。そのような修飾は、共有結合性のものであっても非共有結合性のものであってもよい。共有結合的な表面の修飾には、有機シラン化合物が固体表面のシラノール基に結合する、シリル化(silanization)ステップが含まれる。例えば、アルコキシシランのアルコキシ基を加水分解して、シラノール含有種を形成する。これらのシランの反応は、4つのステップを含む。最初に、不安定基の加水分解が起こる。オリゴマーの縮合がそれに続く。次いで、オリゴマーは、基質の水酸基との水素結合。最後に、乾燥および硬化の間に、担体との共有結合が、同時の脱水を伴って形成される。共有結合で付着させるために、活性側基を持った有機シランを利用してもよい。そのような側基は、以下に限定されないが、いくつか挙げるならば、エポキシ側鎖、アルデヒド、イソシアネート、イソチオシアネート、アジドまたはアルキン(クリック化学)からなる。当業者にとっては、表面にタンパク質を共有結合で付着する複数の手法をとりうることは自明である。例えば、有機シラン上のある特定の側基は、タンパク質が結合することができる前に活性化させる必要がある場合がある(例えば、N−ヒドロキシスクシンイミドエステルを用いて活性化された第1級アミンまたはカルボキシル側基)。固体表面にタンパク質を付着する別の手法は、そのタンパク質に付着されているある親和性パートナーと、固体表面に位置している第2の親和性パートナーとを具えることによって、親和性結合を介して達成される。そのような親和性対は、以下に限定されないが、ビオチン−ストレプトアビジン、抗原−抗体ならびにアプタマーおよびその対応する標的分子の群からなる。
一実施形態では、固体状態のナノポアの表面修飾は、該表面を疎水性にする有機シランを用いた処理を含む。そのような有機シランとしては、以下に限定されないが、アルカンシラン(例えばオクタデシルジメチルクロロシラン)、または5個から30個の炭素のアルカン鎖長を有するフッ化アルカンシランなどの修飾アルカンシランが挙げられる。疎水性表面を、次いで脂質のペンタン中希釈溶液を用いて処理してもよい。溶媒を乾燥して、水溶液中に表面を浸漬した後、脂質は、表面上に自発的に層を形成することになる。固体表面上の脂質の層は、ハイブリッドナノポアの形成のために有効であることが判明する場合がある。固相上の脂質層は、タンパク質と固体状態のナノポアとの間の漏れ電流を低減する場合があり、挿入されたタンパク質ポアの安定性を高める場合がある。低い静電容量の固体担体ならびに前記担体の脂質被覆の組合せによって、ハイブリッドナノポアを通してDNAをトランスロケーションさせることにより生成される電流の変動に基づく電気的な読み取りに、ハイブリッドナノポアシステムが適応されうる。そのようなシステムを用いて電気的な読み取りを達成するために、非修飾DNAのトランスロケーション速度を低下させる手段を、脂質で被覆されたハイブリッドナノポアと組み合わせなければならない。ポリメラーゼやヘリカーゼなどの分子モータは、ハイブリッドナノポアと組み合わせてもよく、DNAがハイブリッドナノポアを通るトランスロケーション速度を効率良く低減しうる。表面を被覆するために使用する脂質は、スフィンゴ脂質類、リン脂質類またはステロール類からなる群に由来していてもよい。
生物学的なポリマーまたは分子(例えば、核酸)を配列決定するための方法および/またはシステムは、ポアまたはナノポアに付着している1種または複数種のドナー標識を励起させるステップを含んでよい。生物学的なポリマーを、ポアまたはナノポアを通してトランスロケーションさせることができ、ここで、生物学的なポリマーのモノマーは1種または複数種のアクセプター標識で標識されている。標識されたモノマーが、ポアまたはナノポアを通過する、それから出る、またはそれに入るときに、その後に、モノマーの励起したドナー標識からアクセプター標識にエネルギーが転移し得る。エネルギー転移の結果としてアクセプター標識により放出されたエネルギーは、アクセプター標識により放出されたエネルギーが生物学的なポリマーの単一のまたは特定のモノマー(例えば、ヌクレオチド)に対応し得る、またはそれに関連づけられ得る場合に検出することができる。次に、生物学的なポリマーの配列について、標識されたモノマーを同定することを可能にするモノマーのアクセプター標識により放出されたエネルギーを検出することに基づいて推定または配列決定することができる。ポア、ナノポア、チャネルまたは通路、例えば、イオン浸透性のポア、ナノポア、チャネルまたは通路を、本明細書に記載のシステムおよび方法において利用することができる。
ナノポアは、1種または複数の標識が付着されていてもよい。一部の実施形態では、標識は、フェルスター共鳴エネルギー転移(FRET)対のメンバーである。そのような標識は、有機フルオロフォア、化学発光標識、量子ドット、金属ナノ粒子および蛍光タンパク質を含みうる。核酸は、ヌクレオチド当たり別個に1個の標識を持ちうる。ヌクレオチドに付着されている標識は、有機フルオロフォア、化学発光標識、量子ドット、金属ナノ粒子および蛍光タンパク質の群からなる。ポアタンパク質の標識付着部位は、タンパク質工学によって生成され、例えば、標識の特異的な結合を可能にする変異体タンパク質を構築することができる。一例として、システイン残基を、タンパク質の所望の位置に挿入してもよく、当該位置は、標識を付着するために使用されうるチオール(SH)基を挿入する。システインを、天然に存在するアミノ酸に置き換えるか、追加的なアミノ酸として組み入れることができる。タンパク質の生物学的機能を破綻させないように、注意を払わねばならない。マレイミドによって活性化された標識を、次いでタンパク質ナノポアのチオール残基に共有結合で付着させる。一実施形態では、タンパク質ナノポアへの標識の付着、または核酸上の標識の付着は、可逆的である。切断可能な架橋を実行することによって、壊れ易い化学結合(例えばS−S結合またはpHに不安定な結合)を導入して、対応する条件に見合う場合に、標識を除去してもよい。
ナノポアまたはポアは、1種または複数種のドナー標識で標識することができる。例えば、ナノポアのシス側もしくは表面および/またはトランス側もしくは表面を1種または複数種のドナー標識で標識することができる。標識は、ポアまたはナノポアの基部に、またはナノポアもしくはポアを成している別の部分またはモノマーに付着させることができる。標識は、ナノポアがその全体にわたっている膜もしくは担体の一部に、または膜、担体もしくはナノポアに付着しているリンカーもしくは他の分子に付着させることができる。ナノポアまたはポア標識は、ポア標識が、ポアを通してトランスロケーションする生物学的なポリマー、例えば核酸のアクセプター標識の近傍にくることが可能なように、ナノポア、担体または膜の上に位置づける、またはそれに付着させることができる。ドナー標識は、同じまたは異なる放出スペクトルまたは吸収スペクトルを有してよい。ポア構造の標識化は、共有結合または非共有結合による相互作用を介して達成される。
ドナー標識は、核酸がナノポアを通してトランスロケーションすることを害する閉塞を引き起こすことなく、ナノポアの開口部のできるだけ近くに置くことができる。ポア標識は、種々の適切な性質および/または特性を有してよい。例えば、ポア標識は、特定の要件に適う、エネルギーを吸収する性質を有してよい。ポア標識は、例えば約0〜1000nmまたは約200〜500nmにわたる大きな放射エネルギー吸収断面を有してよい。ポア標識は、核酸標識のエネルギー吸収よりも高い特定のエネルギー範囲内の放射を吸収してよい。2つの標識間でエネルギー転移が起こり得る距離を調節するために、ポア標識の吸収エネルギーを核酸標識の吸収エネルギーに対して調節することができる。ポア標識は、少なくとも10回または10回の励起およびエネルギー転移サイクルに対して安定かつ機能性であってよい。
自家蛍光を低減するための固相膜の処理
一部の実施形態では、微小電気機械システム(MEMS)材料の固相膜を、低エネルギーのイオンビームを用いて処理して、その自家蛍光をブリーチする。典型的には、そのような処理は、表面または表面の近くでMEMS材料の物理的な変化を引き起こして、自家蛍光に寄与する構造を破壊または不活化するのに十分な高いエネルギーで、しかし、融解、蒸発、著しい変形およびスパッタリングが起こるような高いエネルギーを用いずに、MEMS材料の表面領域にイオンビームを向けることによって行われる。必要とされる最小のエネルギーは、ビームエネルギーをゼロから始めて次第に増加させてゆき、ビームエネルギーの増加に伴う自家蛍光の減少を測定することによって、材料ごとで容易に決定されうる。本明細書に使用される場合の「自家蛍光」という用語は、「バックグラウンド蛍光」と同義に使用され、MEMS材料の一部分ではない蛍光標識を励起するために選択された光源を用いて励起されると、MEMS材料の表面またはその近くの供給源から発する蛍光を意味する。そのため、MEMS材料の自家蛍光は、光源の周波数に依存する。一態様では、本方法が、可視光領域の周波数ならびに近赤外線から近紫外線の周波数の自家蛍光を低減するように、有機蛍光色素を励起するべく光源の周波数を選択する。MEMS材料は、微小作製が可能な広範な種類の固体を含み、光学検出を使用した分析技法において使用される。例示的なMEMS材料は、窒化ケイ素や二酸化ケイ素などのシリコンベースの担体または酸化アルミニウムなどの金属ベースの担体である。一態様では、MEMS材料は、加工されて膜の形態で使用される。一実施形態では、MEMS材料は窒化ケイ素である。広範な種類の集束イオンビームを、そのようなブリーチに利用してもよく、様々なエネルギーでのそのようなビームの産生および適用についてのガイドラインは、Natasiら、Ion Solid Interactions: Fundamentals and Applications(Cambridge University Press、1996年)などの文献および他の文献に見られる。例示的な集束イオンビームとしては、ヘリウムイオンビーム、ネオンイオンビームおよびガリウムイオンビームが挙げられる。一実施形態では、ヘリウムイオンビームを本方法に使用する。ヘリウムイオンビームは、市販のイオンビーム顕微鏡(HIM)(例えばZeiss Orion Nanofab)を用いて産生することができる。窒化ケイ素などのMEMS材料の表面に送達されるエネルギー量または用量は、自己蛍光を減らすために、2e−10から8e−10nC/nmの範囲にあってもよい。
ナノポアおよび検体のための標識
一部の実施形態では、ナノポアを、1種または複数の量子ドットを用いて標識してもよい。具体的には、一部の実施形態では、1種または複数の量子ドットを、ナノポアへ付着するか、隣接する(およびナノポアの入口または出口のFRET距離内の)固相支持体に付着して、検体上のアクセプターとのFRET反応におけるドナーとして利用してもよい。そのような量子ドットの使用は、周知されており、参照により本明細書に組み入れられている米国特許第6,252,303号、第6,855,551号、第7,235,361号などの科学文献および特許文献に広く記載されている。
ポア標識として利用することができる量子ドットの1つの例は、水溶液中で合成することができるCdTe量子ドットである。CdTe量子ドットは、第一級アミン、チオールなどの求核基またはカルボン酸などの官能基で機能付与させることができる。CdTe量子ドットは、量子ドットを、タンパク質ポアの外側の第一級アミンに共有結合的に連結させるために利用することができるカルボン酸官能基を有するメルカプトプロピオン酸キャップ形成リガンドを含んでよい。架橋反応は、バイオコンジュゲーション(bioconjugation)の当業者に公知の標準の架橋試薬(ホモ二官能性の試薬ならびにヘテロ二官能性の試薬)を使用して達成することができる。修飾により、核酸がナノポアを通してトランスロケーションすることが害されない、または実質的に害されないことを確実にするために気をつけることができる。これは、ドナー標識をナノポアに付着させるために使用する、使用架橋剤分子の長さを変動させることによって達成することができる。
天然のアルファ溶血素タンパク質のリジン残基131の第一級アミン(Song、L.ら、Science、274巻、(1996年):1859〜1866頁)を使用して、カルボキシ修飾されたCdTe量子ドットを、1−エチル−3−[3−ジメチルアミノプロピル]カルボジイミド塩酸塩/N−ヒドロキシスルホスクシンイミド(EDC/NHS)カップリング化学によって共有結合させることができる。あるいは、アミノ酸129(スレオニン)をシステインに交換してもよい。天然のアルファヘモリシンタンパク質には他のシステインがないため、新たに挿入したシステインのチオール側基を、他の化学部分を共有結合で付着するために使用してもよい。
1つまたは複数のポア標識をポアタンパク質に付着させるための種々の方法、機構および/または経路を利用することができる。ポアタンパク質は、公知の性質または種々の官能基を有するアミノ酸が天然のタンパク質配列に導入されるように遺伝子操作することができる。天然に存在するタンパク質配列のそのような修飾は、量子ドットをポアタンパク質にバイオコンジュゲーションするために有利であり得る。例えば、システイン残基を導入することにより、直接的に量子ドットを結合させること、例えば、CdTe量子ドットをポアタンパクに結合させることを可能にし得るチオール基が導入されることになる。同様に、リジン残基を導入することにより、量子ドットを結合させるための第一級アミンが導入されることになる。グルタミン酸またはアスパラギン酸を導入することにより、量子ドットを結合させるためのカルボン酸部分が導入されることになる。これらの基は、ホモ二官能性架橋剤分子またはヘテロ二官能性架橋剤分子のいずれかを使用する、量子ドットとのバイオコンジュゲーションのために受け入れられる。ポリヒスチジンの挿入によって、金属ヒスチジンの配位を介してタンパク質ポアへ量子ドットを直接的に結合することが可能になる。バイオコンジュゲーションのための官能基を導入することを目的とする、ポアタンパク質に対するそのような修飾は、当業者に公知である。修飾により、核酸がナノポアを通してトランスロケーションすることが害されない、または実質的に害されないことを確実にするために注意を払うべきである。
ナノポア標識は、前記ナノポアを脂質二重層に挿入する前、またはその後にタンパク質ナノポアに付着させることができる。脂質二重層に挿入する前に標識を付着させる場合、ナノポアの基部を標識し、ポアタンパク質がランダムに標識されることを回避するために注意を払うことができる。これは、ポアタンパク質を、ポア標識の部位特異的な付着を可能にするように遺伝子操作することによって達成することができる(0047節を参照されたい)。この手法の利点は、標識されたナノポアの大量生産である。あるいは、予め挿入されたナノポアの標識化反応により、ポアタンパク質を遺伝子操作せずに、標識がナノポアの基部(トランス側)に部位特異的に付着すること確実にすることができる。
生物学的なポリマー、例えば、核酸分子または核酸ポリマーを、1種または複数種のアクセプター標識で標識することができる。核酸分子について、核酸分子の4種のヌクレオチドまたは構成要素のそれぞれを、アクセプター標識で標識し、それによって、それぞれの天然に存在するヌクレオチドに対する標識された(例えば、蛍光)対応物を創出することができる。アクセプター標識は、変換される核酸の一部または鎖全体の1つまたは複数のヌクレオチドに付着させることができるエネルギー受容分子の形態であってよい。
種々の方法を利用して、核酸分子または核酸ポリマーのモノマーまたはヌクレオチドを標識することができる。標識されたヌクレオチドは、元の試料を鋳型として使用する新しい核酸の合成中に核酸に組み入れることができる(「合成による標識化」)。例えば、核酸の標識化は、PCR、全ゲノム増幅、ローリングサークル増幅、プライマー伸長などによって、または当業者に公知の上記の方法の種々の組み合わせおよび進展によって達成することができる。
核酸の標識化は、標識を有する修飾されたヌクレオチド類似体の存在下で核酸を複製し、それによりその標識が新しく生成する核酸に組み入れられることによって達成することができる。標識化プロセスは、二次的な標識化ステップにおいてエネルギー受容部分に共有結合的に付着させるために使用することができる官能基を有するヌクレオチド類似体を組み入れることによっても達成することできる。そのような複製は、全ゲノム増幅(Zhang、L.ら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、89巻(1992年):5847頁)または鎖置換増幅、例えば、ローリングサークル増幅、ニックトランスレーション、転写、逆転写、プライマー伸長およびポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、縮重オリゴヌクレオチドプライマーPCR(DOP−PCR)(Telenius、H.ら、Genomics、13巻(1992年):718〜725頁)など、または上記の方法の組み合わせによって実現することができる。
標識は、求核試薬(アミン、チオールなど)などの反応性基を含んでよい。そこで、そのような天然の核酸には存在しない求核試薬を使用して、例えば、NHSエステル、マレイミド、エポキシ環、イソシアネートなどのアミンまたはチオール反応性化学によって蛍光標識を付着させることができる。そのような求核試薬反応性蛍光色素(すなわちNHS色素)は、種々の供給源から容易に購入することができる。核酸を小さな求核試薬で標識することの利点は、「合成による標識化」手法を使用したときに、そのような標識されたヌクレオチドが組み入れられる効率が高いことにある。かさのある蛍光標識された核酸構成要素は、重合プロセスの間の標識の立体障害に起因して、新しく合成されるDNAにポリメラーゼによって組み入れられにくい可能性がある。
DNAは、標識されたヌクレオチドのポリメラーゼ媒介性組み入れを伴わずに、直接化学修飾することができる。修飾の1つの例としては、グアニン塩基をそれらのN7位において修飾するシスプラチン含有色素が挙げられる(Hoevel、T.ら、Bio Techniques、27巻(1999年):1064〜1067頁)。別の例としては、ピリミジンを、C6位においてヒドロキシルアミンで修飾して6−ヒドロキシルアミノ誘導体を導くことが挙げられる。生じたアミン基は、アミン反応性色素(例えばNHS−Cy5)でさらに修飾することができる。さらに別の例は、ポリメラーゼによって容易に組み入れられるアジド修飾またはアルキン修飾されたヌクレオチドである(Gierlichら、Chem. Eur. J.、2007年、13巻、9486〜0404頁)。アルキン修飾またはアジド修飾されたポリヌクレオチドは、その後、よく確立されたクリック化学のプロトコールに従って、アジド修飾またはアルキン修飾されたフルオロフォアで標識される。
核酸分子は、核酸と反応すると、5−ブロモシステイン、8−ブロモアデニンおよび8−ブロモグアニンをもたらすN−ブロモスクシンイミドで直接修飾することができる。修飾されたヌクレオチドは、ジアミン求核試薬とさらに反応し得る。次いで、残りの求核試薬をアミン反応性色素(例えばNHS色素)と反応させることができる(Hermanson G. in BioconjugateTechniques、Academic
Press、1996年、ISBN978−0−12−342336−8)。
核酸鎖内の1つ、2つ、3つまたは4つのヌクレオチドの組み合わせを、それらの標識された対応物と交換することができる。標識されたヌクレオチドの種々の組み合わせについて平行して配列決定すること、例えば、供給源の核酸またはDNAを、4つの単一標識された試料に加えて、2つの標識されたヌクレオチドの組み合わせで標識して、合計10個の異なって標識された試料核酸分子または試料DNA(G、A、T、C、GA、GT、GC、AT、AC、TC)をもたらすことができる。生じた配列パターンは、冗長な配列読み取りにおいて重複しているヌクレオチド位置に起因して、より正確な配列アラインメントを可能にし得る。
特定のバリエーションにおいて、ポリマー、例えば核酸分子を配列決定するための方法は、膜または膜様構造または他の担体に挿入されるナノポアまたはポアタンパク質(または合成ポア)を提供するステップを含み得る。ポアの基部または他の部分を、1つまたは複数のポア標識で修飾することができる。基部とは、ポアのトランス側を称し得る。場合によって、ポアのシス側および/またはトランス側を、1つまたは複数のポア標識で修飾することができる。分析または配列決定される核酸ポリマーを、標識されたバージョンの核酸ポリマーを作製するための鋳型として使用することができ、それにより、生じたポリマーの4種のヌクレオチドの1つまたは4種のヌクレオチド全てに至るまでが、ヌクレオチドの標識された類似体(複数可)で置き換えられる。標識された核酸ポリマーをナノポアに通すように強いる電場を印加し、一方外部の単色のまたは他の光源を使用してナノポアを照光し、それによってポア標識を励起させることができる。核酸の標識されたヌクレオチドがナノポアを通過する、それから出る、またはそれに入るときに、その後に、またはその前に、ポア標識からヌクレオチド標識にエネルギーが転移し、それにより、より低いエネルギー放射の放出がもたらされる。次いで、ヌクレオチド標識の放射を共焦点顕微鏡装置または他の光学検出システムまたは当業者に公知の、単一分子を検出することができる光学顕微鏡システムによって検出する。そのような検出システムの例としては、これらに限らないが、共焦点顕微鏡、落射蛍光顕微鏡および内部全反射蛍光(TIRF)顕微鏡が挙げられる。標識されたモノマーを有する他のポリマー(例えば、タンパク質および核酸以外のポリマー)も、本明細書に記載の方法に従って配列決定することができる。
エネルギーは、標識されたモノマーがナノポアから出る、それに入る、またはそれを通過するときに、その後に、またはその前に、ポリマーのアクセプターで標識されたモノマー(例えば、ヌクレオチド)のアクセプター標識がドナー標識と相互作用する場合、ポアまたはナノポアのドナー標識(例えば、量子ドット)からポリマー(例えば、核酸)上のアクセプター標識に転移し得る。例えば、ドナー標識とアクセプター標識との間の相互作用またはエネルギー転移が、標識されたモノマーがナノポアを出て、ナノポアチャネルまたは開口の外側のドナー標識の付近または近傍にくるまで起こらないように、ドナー標識は、ナノポアのシス側もしくはトランス側またはシス表面もしくはトランス表面上でナノポアに位置づける、またはそれに付着させることができる。結果として、標識間の相互作用、ドナー標識からアクセプター標識へのエネルギー転移、アクセプター標識からのエネルギーの放出および/またはアクセプター標識からのエネルギーの放出の測定または検出は、ナノポアを通る通路、チャネルまたは開口の外側、例えば、ナノポアのシス側またはトランス側上のシスチャンバーまたはトランスチャンバー内で起こり得る。モノマーのアクセプター標識から放出されたエネルギーを測定または検出することを利用して、モノマーを同定することができる。
ナノポア標識は、標識が目に見え、または露出して標識の励起または照光を助長することができるように、ナノポアの通路、チャネルまたは開口の外側に位置づけることができる。ドナー標識とアクセプター標識との間の相互作用およびエネルギー転移、ならびにエネルギー転移の結果としてのアクセプター標識からのエネルギーの放出は、ナノポアの通路、チャネルまたは開口の外側で起こり得る。これにより、アクセプター標識からのエネルギーまたは光の放出を、例えば、光学的な検出または測定デバイスによって検出または測定することの容易さおよび精度を促進し得る。ドナー標識とアクセプター標識の相互作用はナノポアのチャネル内部で起こってよく、ドナー標識をナノポアのチャネル内に位置づけることができる。
ドナー標識は、種々の様式で、かつ/またはナノポアの種々の部位に付着させることができる。例えば、ドナー標識は、ナノポアの部分またはユニットに直接的に、または間接的に付着させる、または接続することができる。あるいは、ドナー標識は、ナノポアに隣接して位置づけることができる。
ポリマー(例えば、核酸)のアクセプターで標識されたモノマー(例えば、ヌクレオチド)のそれぞれは、ポリマーがトランスロケーションするナノポアまたはチャネルに、もしくはその隣に位置づけられる、または、それに直接もしくは間接的に付着しているドナー標識と逐次的に相互作用し得る。ドナー標識とアクセプター標識との間の相互作用は、ナノポアのチャネルまたは開口の外側で、例えば、アクセプターで標識されたモノマーがナノポアを出た後で、またはモノマーがナノポアに入る前に起こり得る。相互作用は、ナノポアのチャネルまたは開口の内部で、または部分的にその内部で、例えば、アクセプターで標識されたモノマーがナノポアを通過しているとき、それに入ったとき、またはそれから出たときに起こり得る。
核酸の4種のヌクレオチドのうち1つを標識する場合、単一ヌクレオチド標識の放出から生じる時間依存的なシグナルを、核酸配列における標識されたヌクレオチドの位置に対応する配列に変換する。次いで、このプロセスを、4種のヌクレオチドのそれぞれに対して別々の試料中で繰り返し、次いで、4つの部分配列をアラインメントして全体の核酸配列を組み立てる。
多色標識された核酸(DNA)配列を分析する場合、核酸分子に存在し得る1種または複数種のドナー標識から4種の別個のアクセプター標識のそれぞれにエネルギーが転移することにより、直接配列を読み取ることを可能にする4種の別個の波長または色の光(それぞれが4種のヌクレオチドの1つに関連づけられる)が放出され得る。
トランスロケーション速度
ナノポアベースの配列決定アプローチに関連する主な障壁は、核酸がナノポアを通って高速でトランスロケーションすることであり(〜500.000〜1.000.000ヌクレオチド/秒)、記録機器の帯域幅が制限されているために、この高速は、直接的な配列読み取りを可能とはしない。2種の異なるナノポアタンパク質を使用して、核酸のトランスロケーションを遅延させる手法は、最近Cherfら[Nat Biotechnol、2014年2月14日、30巻(4号):344〜8頁]およびManraoら[Nat Biotechnol、2012年3月25日; 30巻(4号):349〜53頁]によって示されており、参照により本明細書に組み入れられている。どちらのグループも、標的の鋳型から相補的な鎖を合成するためにDNAポリメラーゼを使用し、その結果、鋳型DNAは、ナノポアを通って段階的にトランスロケーションした。それゆえ、核酸ポリメラーゼの合成速度(10〜500ヌクレオチド/秒)は、DNAのトランスロケーション速度を決定し、その速さは直接的な核酸のトランスロケーションよりも大まかには3〜4桁低いことから、単一ヌクレオチドの分析が実現可能になった。しかし、ポリメラーゼに補助されたトランスロケーションは、ポリメラーゼのための結合部位を生成するために著しい試料の調製を要し、核酸合成は、大量にまとめて遮断されざるを得ず、核酸−ポリメラーゼ複合体がナノポアタンパク質によって捕捉される時にのみ開始することができる。このことは、商業的な環境における実施を阻みかねない、相当に複雑な設定をもたらす。さらに、失速した重合などのポリメラーゼ合成反応の変動ならびに核酸からのポリメラーゼの解離が、配列読み取りを妨げ、その結果、高いエラー率と読み取り長の低減とをそれぞれもたらすことがある。本願に記載された光学的ナノポア配列は、DNAトランスロケーションを遅延させることについて異なる手法を使用する。標的の核酸は、蛍光修飾されたヌクレオチドを組み入れることによって、酵素により複製される。結果として生じる標識された核酸は、名目直径が増えており、そのため、ナノポアを通して引き込む際に、トランスロケーション速度が減少する。光学配列決定のための好適なトランスロケーション速度は、毎秒1〜1000ヌクレオチドの範囲にあり、さらに好ましい範囲は、毎秒200〜800ヌクレオチドであり、最も好ましいトランスロケーション速度は、毎秒200〜600ヌクレオチドである。
あるいは、ポリヌクレオチド、特に一本鎖ポリヌクレオチドのトランスロケーション速度は、付加物および/または標識、例えば塩基に付着された有機色素が、ポリヌクレオチドのトランスロケーションを阻害するものの阻止しないように、特定の寸法に作られたナノポアを利用することによって制御されうる。トランスロケーション速度は、標識および/または付加物を所定の密度で付着することによって選択されうる。そのような標識および/または付加物は、例えばヌクレオチド3個ごとなどの規則正しい間隔で付着されていてもよいし、無作為に、または、例えば全てのCに標識される場合などの擬似的無作為に付着されていてもよい。一部の実施形態では、例えば全てのAとC、もしくは全てのAとG、もしくは全てのAとT、もしくは全てのCなど、選択された数の異なるヌクレオチドが標識されていてもよく、それらは、平均のトランスロケーション速度をもたらす。そのような平均速度は、未標識のヌクレオチドに付加物を付着することによって低下しうる。付加物としては、既存の化学を使用してヌクレオチドに付着されうる任意の分子が挙げられ、通常は有機分子である。典型的には、付加物は、例えばフルオレセイン、Cy3などの一般的な有機色素と同じ範囲の分子量である。付加物は、シグナルを生成する、すなわち標識として役割を果たすことができてもできなくともよい。一部の実施形態では、付加物および/または標識は、ヌクレオチドの塩基に付着されている。他の実施形態では、標識および/または付加物は、ポリヌクレオチド中のヌクレオシド間の連結に付着されていてもよい。一態様では、ナノポアを通る一本鎖ポリヌクレオチドのトランスロケーション速度を制御する方法は、ある密度でポリヌクレオチドに付加物を付着させるステップを含み、この一本鎖ポリヌクレオチドのトランスロケーション速度は、付着されている付加物の数が大きいほど、または付着されている付加物の密度に伴って、単調に低下する。一部の実施形態では、ポリヌクレオチドの全種類のヌクレオチドが標識されるわけではない。例えば、4つの異なるセットのポリヌクレオチドが生成されてもよく、ここで、各セットのヌクレオチドは、同じ分子(例えば、蛍光有機色素アクセプター)で標識されているが、各セットでは、異なる種類のヌクレオチドが標識されることになる。そのため、セット1では、Aのみが標識され得、セット2では、Cのみが標識され得、セット3では、Gのみが標識され得るなど。そのような標識化の後、次いで、4つのセットのポリヌクレオチドは、本明細書に記載した方法およびシステム、ならびに4回の分析にて生成されたデータから決定したポリヌクレオチドのヌクレオチド配列に従って、別個に分析されうる。ポリヌクレオチドのヌクレオチドのいくつかが標識されていない、そのような実施形態および同様の実施形態(例えば2種類の標識が使用される)では、ナノポアを通るトランスロケーション速度は、ポリヌクレオチドに沿った標識の分布によって、影響を受けることになる。トランスロケーション速度におけるそのような可変性を防止するために、いくつかの実施例では、ヌクレオチド配列を決定するシグナルを形成するためのアクセプターまたはドナーで標識されていないヌクレオチドは、シグナルを産生しない付加物を付着することによって修飾されてもよく、このシグナルを産生しない付加物は、トランスロケーション速度に対し、シグナル産生標識と実質的に同じ効果を及ぼす。
本実施例では、ポリヌクレオチドのアクセプターで標識されたヌクレオチドの配列を決定するためのナノポア装置を記載し、この後、本装置は、第1のポリヌクレオチド中のアクセプターで標識されたシトシンの配列を検出するために、かつ第2のポリヌクレオチド中の第1のアクセプターで標識されたチミンまたはチミジンおよび第2のアクセプターで標識されたシトシンの配列を検出するために、使用される。
窒化ケイ素膜中にナノポア(複数可)を形成するためのHIM穿孔:穿孔工程の前に、酸素プラズマを用いて、30nmのSi膜が架かった50×50μmのエッチング窓を持つ3mmのSiチップ(Protochips、ノースカロライナ州)を清浄にする。清浄にしたチップを、ヘリウムイオン顕微鏡(Orion、Zeiss)の真空チャンバー内へ挿入する。挿入後、4+/−2nmの穴を生じるように較正された曝露時間で、20μmの開口部を通して、〜5pAのビーム電流を伴う集束イオン流を用いて、ナノ穴を穿つ。
タンパク質ナノポア:野生型アルファヘモリシンタンパク質のクローン化されたバリアントを、in vitro転写/翻訳反応用の鋳型として使用した。結果として生じたモノマーは、終濃度6.25mMとなるようにデオキシコール酸ナトリウムを段階的に添加し、続いて4℃で12時間インキュベートすることによって、七量体とした。結果として生じた七量体を、ヘテロ二官能性架橋剤剤[SMCC、スルホスクシニミジル−4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシラート]を使用して、アミン修飾されたオリゴヌクレオチドに付着した。このオリゴヌクレオチドは、3kbのdsDNA断片用のハイブリダイゼーション部位としての役割を果たし、Si膜中の穿たれた穴の内部へタンパク質ナノポアを引き込むための抵抗力として使用される。オリゴヌクレオチド修飾に加えて、マレイミドで活性化された1種または複数の蛍光色素を用いて、タンパク質ナノポアの基部も修飾する。付着されたフルオロフォアは、FRET反応のドナーまたはアクセプターのどちらかとして役立ち得る。
ハイブリッドナノポア:穴が穿たれたTEM格子を、90℃に加熱したピラニア溶液(3:1 硫酸:H、体積比)に15分間沈めることによって、または空気プラズマに5分間おくことによって、清浄にする。広範囲を水ですすいだ後、シスおよびトランスのチャンバーに隔てられたDerlinホルダーに、TEM格子を取り付ける。ナノポアの光学精査を可能にするカバースリップを用いて、トランスチャンバーをシールした。エタノールを用いて各チャンバーを満たし、ナノポアの湿潤化を促進する。続いて、エタノールを水と交換して、次いで、緩衝化された1M KCl溶液に交換する。トランスチャンバーでは、緩衝化KClが50%のグリセロールを含有しており、TIR(全反射)イメージングを促す。シスおよびトランスのどちらのチャンバーとも、該緩衝溶液に接触し、シスチャンバーにおけるカソード(+)とトランスチャンバーにおけるアノード(−)とを備えたAg/AgCl電極を保有する。ナノポアタンパク質をSiN膜のシス側に添加して、電場(200〜600mV)を印加することによって、穿たれたナノ穴へタンパク質ナノポアを差し込んで、ハイブリッドナノポアを形成する。
600mVで5〜25分後、通常は穿たれた穴の50〜75%に、タンパク質ナノポアが挿入される。ハイブリッドナノポアの形成を、APON 60×TIRF油浸対物レンズと、タンパク質ナノポアに付着されたフルオロフォアを励起するために使用される532nmダイオードレーザーとを備え付けた倒立顕微鏡(Olympus IX71)で確認する。シスチャンバーの緩衝液を交換して、過剰量のナノポアタンパク質を除去した。標識された一本鎖(ss)DNAを、終濃度10nMとなるようにシスチャンバーに添加する。電場を200〜400mVに低減して、ハイブリッドナノポアを通るssDNAのトランスロケーションを促進させる。標識されたDNAは、ナノポアを出るときに、励起されたドナーフルオロフォアのすぐ近傍にある。FRET反応が起こり、標識されたDNAからの光子放出を生じる。放出された光子を収集し、フィルターをかけ、500〜5000Hzのフレーム速度でOrca Flash 4.0 cMOSカメラ(Hamamatsu)を使用してイメージングする。ImageJを使用して、生のTIFFイメージから、ハイブリッドナノポア全体を網羅する5×5ピクセル面積からデータを抽出する。生のトレースを正規化し、ピーク検知アルゴリズムを使用してFRETシグナルを特定する。特定されたピークに対し、塩基のコール(calling)を行う。
以下の107merの一本鎖ポリヌクレオチド(配列番号1)の各シトシンを、Cy5フルオロフォアを用いて標識した。

標識されたポリヌクレオチドを、3’側が最初になった配向にてハイブリッドナノポアを通ってトランスロケーションさせて、標識されたシトシン由来の混合FRETシグナルを収集した。生データを図1Bに示す。ハイブリッドナノポアを通ってトランスロケーションするときに、DNAのシトシンの数に対応する複数のピークが観察された。驚くことに、3’末端のホモポリマーは完全に分解された。
5’端から20番目のヌクレオチド位の後に、以下の一本鎖ポリヌクレオチド(配列番号2)の全シトシンおよび全チミジンを、Cy5およびAtto700をそれぞれ用いて標識した。

標識されたポリヌクレオチドを、3’側が最初になった配向にてハイブリッドナノポアを通ってトランスロケーションさせて、標識されたシトシンおよびチミジン由来の混合FRETシグナルを収集した。生データを図1Dに示す。この生データトレース中のピークは、鋳型鎖中の標識されたヌクレオチドの位置に類似したパターンを示す。
本開示は、明記された具体的な形態の範囲を限定することを意図するものではないが、本明細書に記載されているバリエーションの代替、修正および等価物を網羅することを意図するものである。さらに、本開示の範囲は、本開示の観点から当業者に自明となりうる他のバリエーションを完全に包含する。本願の発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
定義
「ナノポア」とは、所定のまたは認識されうる順番で検体が担体を通って通過すること、およびポリマー検体の場合、所定のまたは認識されうる順番でそのモノマーユニットが担体を通って通過することを可能にする、担体に位置づけられる任意の開口を意味する。後者の場合には、所定のまたは認識されうる順番は、ポリマー中のモノマーユニットの一次配列であってもよい。ナノポアの例としては、タンパク質性のまたはタンパク質ベースのナノポア、合成または固体状態のナノポア、およびタンパク質ナノポアが中に包埋されている固体状態のナノポアを含むハイブリッドナノポアが挙げられる。ナノポアは、例えば1〜10nm、もしくは1〜5nm、もしくは1〜3nm、または他の様々なサイズの内径を持ちうる。タンパク質ナノポアの例としては、以下に限定されないが、アルファ−ヘモリシン、電位依存性ミトコンドリアポリン(VDAC)、OmpF、OmpC、MspAおよびLamB(マルトポリン)が挙げられ、これらは例えばRhee, Mら、Trends in Biotechnology、25巻(4号)(2007年):174−181頁、Bayleyら(上記に引用)、Gundlachら、米国特許出願公開第2012/0055792号などに開示され、参照により本明細書に組み入れられている。単一の核酸分子のトランスロケーションを可能にする任意のタンパク質ポアが利用されうる。ナノポアタンパク質は、ポアの外部の特異的な部位、またはポア形成タンパク質を構成する1種または複数のモノマーユニットの外部の特異的な部位で、標識されていてもよい。ポアタンパク質は、以下に限定されないが、アルファ−ヘモリシン、MspA、電位依存性ミトコンドリアポリン(VDAC)、炭疽菌ポリン、OmpF、OmpCやLamB(マルトポリン)などのタンパク質の群から選ばれる。ポアタンパク質の固体状態の穴への組み込みは、荷電しているポリマーがポアタンパク質に付着することによって達成される。電場を印加した後、荷電している複合体は、電気泳動によって固体状態の穴の中へ引き込まれる。合成ナノポアまたは固体状態のナノポアは、様々な形態の固体担体中に作られていてもよく、そのような例としては、以下に限定されないが、シリコーン(例えばSi3N4、SiO2)、金属、酸化金属(例えばAl2O3)、プラスチック、ガラス、半導体材料、またはそれらの組合せが挙げられる。合成ナノポアは、脂質二層膜中に位置づけられた生物学的なタンパク質ポアよりも安定であってもよい。合成ナノポアはまた、以下に限定されないが、重合したエポキシなどの、適当な担体中に包埋されたカーボンナノチューブを使用することによって作られていてもよい。カーボンナノチューブは、均一でありかつ明確に定義された化学的または構造的な特性を有しうる。様々なサイズのカーボンナノチューブを入手することができ、1nmから数百nmに及ぶ。カーボンナノチューブの表面電荷は、約ゼロであることが公知であり、その結果、ナノポアを通る核酸の電気泳動による輸送が、簡単かつ予測可能になる(Ito, T.ら、Chem. Commun.、12巻(2003年):1482〜83頁)。合成ナノポアの担体表面は、化学的に修飾されて、タンパク質ポアの共有結合での付着を可能とするか、または表面の特性を光学ナノポア配列決定に適したものとしてもよい。そのような表面修飾は、共有結合的であるか非共有結合的でありうる。大半の共有結合性修飾は、有機シランの沈着を含み、そのための最も一般的なプロトコールは、以下のように記載される:1)水性アルコールからの沈着。これは、シリル化された表面を調製するための最も簡易的な方法である。95%エタノール−5%水溶液を、酢酸を用いてpH4.5〜5.5に調整する。撹拌しながらシランを添加し、終濃度2%を生じる。加水分解およびシラノール基の形成の後、担体を2〜5分間加える。すすいだ後、エタノール中に少しの間浸漬することによって、過剰の遊離の材料を除く。シラン層の硬化は、摂氏110度で5〜10分間とした。2)蒸気相沈着。乾燥した非プロトン性の条件で化学蒸着によって、シランを担体に適用することができる。これらの方法は、単層の沈着に向く。閉鎖されたチャンバーの設計では、担体が、5mmの蒸気圧を達成するのに十分な温度に加熱される。あるいは、シランの蒸発が観察されるまで、真空を適用することができる。3)スピンオン沈着。スピンオンの適用は、最大限の機能付与と多層の沈着とに向く加水分解条件下、または単層の沈着に向く乾燥条件下で、行うことができる。
「FRET」または「フェルスターまたは蛍光共鳴エネルギー転移」とは、ドナーからアクセプターフルオロフォアへの非放射性の双極子間エネルギー転移機構を意味する。FRETの効率は、ドナーとアクセプターとの距離、ならびにフルオロフォアの特性に依存しうる(Stryer, L.、Annu Rev Biochem.、47巻(1978年):819〜846頁)。「FRET距離」とは、FRETドナーとFRETアクセプターとの距離を意味し、その距離にわたってFRET相互作用が起こり、検出可能なFRETシグナルがFRETアクセプターによって産生されうる。
「ポリヌクレオチド」または「オリゴヌクレオチド」は、互換的に使用され、それぞれは、ヌクレオチドモノマーの線状ポリマーを意味する。ポリヌクレオチドおよびオリゴヌクレオチドを構成するモノマーは、ワトソン−クリック型の塩基対合、塩基スタッキング、フーグスティーン型または逆フーグスティーン型の塩基対合などの、モノマー間相互作用の規則的なパターンによって、天然のポリヌクレオチドに特異的に結合することができる。そのようなモノマーおよびそれらのヌクレオチド間の連結は、天然に存在するものであってもよく、その類似体、例えば天然に存在するか天然に存在しない類似体などであってもよい。天然に存在しない類似体としては、PNA類、ホスホロチオエートのヌクレオシド間連結、標識(例えば、フルオロフォアまたはハプテン)の付着を可能にする塩基含有連結基などがある。オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドの使用が、酵素によるプロセッシング、例えばポリメラーゼによる延長、リガーゼによるライゲーションなどを必要とするときはいつでも、これらの例でのオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドが、任意のまたはいくつかの位置で、ヌクレオシド間連結、糖部分または塩基についてのある特定の類似体を含有することはないことを、当業者は理解することになる。数千のモノマーユニットに対して通常「オリゴヌクレオチド」と呼ばれる場合、ポリヌクレオチドは、典型的には一対から少数のモノマーユニット、例えば5〜40個のサイズに及ぶ。別段に表示のない限り、また、文脈から自明でない限り、ポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドが、「ATGCCTG」などの文字の配列(大文字または小文字)によって表されている場合、ヌクレオチドは、左から右へ5’→3’の順であり、「A」はデオキシアデノシンを示し、「C」はデオキシシチジンを示し、「G」はデオキシグアノシンを示し、「T」はチミジンを示し、「I」はデオキシイノシンを示し、「U」はウリジンを示すことが理解されよう。別段に言及のない限り、専門用語および原子の付番のしきたりは、StrachanおよびRead、Human Molecular Genetics、2巻、(Wiley−Liss, New York、1999年)に開示されているものに従うことになる。通常、ポリヌクレオチドは、ホスホジエステル結合によって連結された4種の天然のヌクレオチド(例えば、DNAについてはデオキシアデノシン、デオキシシチジン、デオキシグアノシン、デオキシチミジン、またはRNAについてはそれらのリボース相当物)を含むが、非天然のヌクレオチド類似体、例えば修飾された塩基、糖またはヌクレオシド間連結を含んでいてもよい。当業者には、酵素が活性のために特異的なオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチド基質(例えば一本鎖DNA、RNA/DNA二重鎖など)の要件を有する場合、オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチド基質のために適切な組成物の選択は、当業者の知識の十分範囲内であり、特に、Sambrookら、Molecular Cloning、第2版(Cold Spring Harbor Laboratory、New York、1989年)や他の参考文献などの論文によるガイダンスがあることは明らかである。同様に、オリゴヌクレオチドおよびポリヌクレオチドは、一本鎖形態または二本鎖形態(すなわちオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドおよびそれぞれの相補体の二重鎖)のどちらかで示されていてもよい。用語が使用されている文脈から、どちらの形態が意図されているのか、または両方の形態が意図されているのか否かは、当業者には明らかである。
「配列の決定」、「配列決定」および「ヌクレオチド配列を決定すること」や、ポリヌクレオチドに関連する他の用語には、ポリヌクレオチドの部分配列ならびに全長配列の情報の決定が含まれる。すなわち、この用語には、4種の天然のヌクレオチドであるA、C、GおよびTの全セットのうちのサブセットの配列が含まれ、例えば、標的ポリヌクレオチドのAのみおよびCのみの配列などがある。すなわち、この用語には、標的ポリヌクレオチド内の4種のヌクレオチドのうち1種、2種、3種または全ての正体、順番および位置の決定が含まれる。一部の実施形態では、この用語には、標的ポリヌクレオチド内の4種のヌクレオチドのうち2種、3種または全ての正体、順番および位置の決定が含まれる。一部の実施形態では、配列の決定は、その配列が2進コード、例えば「c−(cではない)(cではない)c−(cではない)−c・・・」を表す「100101・・・」で表されるように、例えば標的ポリヌクレオチド「catcgc・・・」内のシトシンなどの、単一種のヌクレオチドの順番および位置を特定することによって達成されてもよい。一部の実施形態では、この用語は、標的ポリヌクレオチドの指紋として役割を果たす標的ポリヌクレオチドの部分配列、つまり、ポリヌクレオチドのセット内の、例えば細胞によって発現されるあらゆる異なるRNA配列などの標的ポリヌクレオチドを一意的に特定する部分配列を含む。
本明細書に記載され、例示されている個々のバリエーションおよび実施形態のそれぞれは、容易に、任意の他のバリエーションの特徴から分離すること、またはそれと組み合わせることができる別個の構成成分および特徴を有する。改変を行って特定の状況、材料、組成物、プロセス、プロセスの行為(複数可)またはステップ(複数可)を本発明の目的(複数可)、主旨または範囲に適合させることができる。
本明細書に列挙されている方法では、列挙されている事象を、事象が列挙されている順序で行うだけでなく、論理的に可能性がある任意の順序で行うことができる。さらに、さまざまな値が提供される場合、その範囲の上限と下限の間に入るあらゆる値および任意の他の明示された値、またはその明示された範囲の間に入る値は、本発明の範囲内に包含される。また、記載されている本発明のバリエーションのいかなる任意選択の特徴も、それぞれ独立に、または本明細書に記載の特徴の任意の1つまたは複数と組み合わせて規定し、特許請求することができる。
本明細書で言及した全ての現存する主題(例えば、刊行物、特許、特許出願およびハードウェア)は、その主題が本発明の主題と矛盾する可能性がある場合(その場合、本明細書に存在するものがまさる)を除く限りではその全体が参照により本明細書に組み込まれる。参照された項目は、単に本出願の出願日前のそれらの開示についてのみ提供される。本明細書におけるいずれも、先行発明によって本発明がそのような材料に先行する権利がないことを容認するものであると解釈されるべきではない。
単数形の項目を参照することは、同じ項目が複数存在する可能性を包含する。より詳細には、本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される、単数形、「a(1つの)」、「an(1つの)」、「前記」および「the(その)」は、文脈によりそうでないことが明確に規定されない限り、複数の指示対象を包含する。特許請求の範囲は、いかなる任意選択の要素も排除するように立案することができることにも留意する。そのように、この記述は、特許請求の範囲の要素の列挙に関連して「単に」、「のみ」などの排他的な用語を使用すること、または、「否定的な」限定を使用することの先行詞としての機能を果たすものとする。別段の定義のない限り、本明細書において使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する分野の当業者に一般に理解されているものと同じ意味を有する。
本開示は、明記された具体的な形態の範囲を限定することを意図するものではないが、本明細書に記載されているバリエーションの代替、修正、異なるバリエーションにおける開示された構成要素の組合せ、および等価物を網羅することを意図するものである。さらに、本開示の範囲は、本開示の観点から当業者に自明となりうる他のバリエーションを完全に包含する。本願の発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。

Claims (1)

  1. 本明細書に記載の発明。
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