JP2022502094A - 細孔サイズ、膜親和性、安定性、および抗菌活性を高めるための、細孔形成ペプチドのオリゴヌクレオチドベースの調整 - Google Patents

細孔サイズ、膜親和性、安定性、および抗菌活性を高めるための、細孔形成ペプチドのオリゴヌクレオチドベースの調整 Download PDF

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Abstract

細孔サイズの定義および制御、脂質膜に挿入された場合の安定性の向上、ならびに膜親和性を提供する、DNAナノテクノロジーを利用して修飾された細孔形成ペプチドまたはタンパク質。ペプチドまたはタンパク質に結合したオリゴヌクレオチドへのハイブリダイゼーションにより、化合物に化学修飾を容易に加えることができる。化合物はDNAテンプレートにハイブリダイズすることができ、それによって細孔にアセンブルされるモノマーの数、ひいては形成される細孔のサイズが定義される。DNAテンプレートは、柔軟なリンカーによって分離された複数のハイブリダイゼーション部位で構成される独自の一本鎖から、細孔形成の足場として機能するDNA折り紙ベースの環等の複雑で剛性のDNAナノコンストラクトまで様々である。ペプチドの膜透過セグメントまたは末端での親水性修飾は、長寿命の細孔を提供し、化合物を膜貫通コンフォメーションに維持する。化合物は、膜透過末端(細孔形成中に脂質膜に挿入される)上の様々な部分および親水性修飾と組み合わせることができ、多くの可能な結合位置が存在する。【選択図】なし

Description

本発明は、細孔サイズの定義および制御、脂質膜に挿入された場合の安定性の向上、ならびに膜親和性を提供する、DNAナノテクノロジーを利用して修飾された細孔形成ペプチドまたはタンパク質を提供する。ペプチドまたはタンパク質に結合したオリゴヌクレオチドへのハイブリダイゼーションにより、化合物に化学修飾を容易に加えることができる。化合物はDNAテンプレートにハイブリダイズすることができ、それによって細孔にアセンブルされるモノマーの数、ひいては形成される細孔のサイズが定義される。DNAテンプレートは、柔軟なリンカーによって分離された複数のハイブリダイゼーション部位で構成される独自の一本鎖から、細孔形成の足場として機能するDNA折り紙ベースの環等の複雑で剛性のDNAナノコンストラクトまで様々である。ペプチドの膜透過セグメントまたは末端での親水性修飾は、長寿命の細孔を提供し、化合物を膜貫通コンフォメーションに維持する。この親水性修飾が膜透過側のテンプレート上の分子(例えばDNAオリゴヌクレオチドまたはビオチン/ストレプトアビジン相互作用のためのビオチンなど)に結合すると、細孔の安定性がさらに向上する。化合物は、膜透過末端(細孔形成中に脂質膜に挿入される)上の様々な部分および親水性修飾と組み合わせることができ、多くの可能な結合位置が存在する。テンプレート化された細孔形成ペプチドまたはタンパク質は、標的細胞死滅に関連して使用することもできる。細胞毒性は細孔サイズに関連しているため、DNAテンプレートによるより大きな細孔の形成によって、より低濃度の細孔形成分子で細胞を死滅させることができる。葉酸(多くの癌細胞で過剰発現した葉酸受容体を標的とする)等の標的分子を形成された細孔に結合させて、細孔に標的特性を追加することができる。
ナノ細孔を使用した抵抗パルスセンシングにより、個々の分子を検出、特性評価、およびDNAまたはRNAの場合は配列決定することができる。これらの実験のほとんどは、アエロリジン、マイコバクテリウム・スメグマチス(Mycobacterium smegmatis)ポリンA(MspA)、細胞溶解素A(ClyA)、バクテリオファージPhi29 DNAパッケージングモーター、フラガセアトキシン(FraC)、特にα−溶血素(αHL)等のタンパク質ナノ細孔を利用している。部位特異的変異誘発により、タンパク質細孔の機能を微調整できるが(ナノ細孔内腔内の正確に決定された位置に目的の官能基を有するアミノ酸側鎖を提示する等)、これらのタンパク質細孔の直径はわずかな限度内でしか操作できない。
DNAナノテクノロジーの出現により、成分の自由にプログラム可能な分子配列を、わずかな労力で複雑で明確な構造にすることができた。いくつかのグループはすでに自己アセンブルされたDNA細孔を示した。これらのコンストラクトは一般に、コレステロール等の疎水性部分を有し、これは疎水性二重層に挿入されて、親水性DNAチャネルを二重層に押し込む。先駆的な研究において、Henning−Knechtelらは、DNAナノテクノロジーによる通常七量体のα−溶血素タンパク質のモノマーのテンプレート化されたアセンブリを示し、12、20、または26つ個のモノマーをアセンブルして大きな細孔を形成した。より最近では、Hagan Bayleyのグループが、多糖トランスポーターWzaのモノマーの足場を作り、脂質二重層に安定した八量体の細孔をもたらした。
抵抗パルスセンシング実験に使用されるナノ細孔を形成するように設計された操作された分子は、長寿命である必要がある。ナノ細孔を形成するモノマーは、分析に十分なデータの収集を可能にするために、少なくとも数分程度の期間、膜透過コンフォメーションにとどまる必要がある。
したがって、本発明によって解決されるべき問題は、膜内で長寿命でるとともに調整可能な直径を有するナノ細孔を提供することであった。
タンパク質およびペプチドの細孔は、固体の細孔と比較して、バイオテクノロジーによって大量に生成するのが簡単で、分析物の目詰まりを起こしにくく、寸法が明確に定義されているため、抵抗パルスセンシングに魅力的である。大きな標的分子を分析する際の主な欠点は、従来使用されている天然の細孔形成剤またはイオンチャネルタンパク質で利用可能なサイズの範囲が狭いことである。これらの一般的に使用される細孔の最大のものは、3.3〜3.8nmの内径のClyAである。タンパク質配列の操作により、ネイティブの12−mer細孔の代わりに、14−mer細孔を形成することにより、わずかに大きな細孔(4.2nm)の形成が可能になった。
0.3から25nmの直径のプログラム可能な範囲で合成的に設計された生物学的ナノ細孔を形成することができるのは、DNAナノ構造の使用であろう。DNAナノテクノロジーは、核酸の明確な形状および配列固有のプログラム可能性を使用して、ナノスケールの物体を設計および製造する。DNA折り紙法等の現在の技術では、ほぼ任意の形状で最大100nmの合成物体を作製することができる。そのようなコンストラクトはまた、ナノ細孔にまたがる人工二重層を形成するように操作された。これらの以前に提示されたコンストラクトは、DNAおよびいくつかの疎水性部分、典型的にはコレステロールによって形成された親水性チャネルからなる。これらの疎水性部分は脂質二重層の疎水性部分に挿入され、DNAから作製された親水性チャネルを膜透過構成に押し込む。これらの方法では、限られた範囲の細孔径しか達成できず、ほとんどの場合、内径が約2nm1〜5の細孔であった。DNAコンストラクト自体はイオンを透過し、コンストラクトを介してリーク電流が発生する。DNA二重鎖の変動は、ゲーティング挙動につながる可能性がある。
最近、2つのグループがタンパク質またはペプチドの核酸テンプレート化を示した6,7。Henning−Knechtelらによる第1の研究は、明確な円形のDNAナノ構造を使用して、正確な数のα−溶血素細孔形成タンパク質モノマーを配置することに焦点を当てた。通常の七量体α−HLナノ細孔の代わりに、脂質二重層への挿入をもたらす、12、20、または26個のモノマーで構成されるDNA/α−HLハイブリッドナノ細孔が開発された。Spruijtらによる他の研究は、八量体多糖トランスポーターWzaに由来するペプチドを配置するための足場としてDNAナノ構造を使用した。ペプチドの足場は、短命の八量体チャネル(+150mVで平均3.0秒)を、少なくとも1時間(−100〜+100mV)開放状態に保つことができる安定した細孔に変えることが開示された。細孔のサイズは、天然の八量体細孔を超えて増加させることができず、より小さなアセンブリのテンプレート化は、寿命の改善につながらなかった。
Henning−Knechtelらは、α−溶血素ナノ細孔の直径を調整することは可能であることを示したが、そのような大きなタンパク質モノマーの合成および修飾は簡単ではなく、費用を要する。ここに提示された発明は、ペプチド合成会社によって大規模に容易に修飾および合成され得る小さなサイズの細孔形成ペプチドを利用している。我々の知識によれば、膜内で長寿命であると同時に調整可能な直径を有するペプチド−ナノ細孔の構築を達成することができた者はいない。
WO2016/144973は、α−ヘモリシン等の細孔形成タンパク質を、抗体、受容体、およびDNAポリメラーゼ等の酵素等の生体分子にコンジュゲートさせるための高速で効率的な化学反応に基づく組成物および方法、ならびにナノ細孔デバイスおよび方法におけるそのような細孔形成タンパク質コンジュゲートの使用に関する。
上記を考慮して、当技術分野は、可変の細孔サイズ、膜への比較的高い親和性、および長寿命または安定性を有する、容易に修飾可能な細孔形成ペプチドまたはタンパク質が依然として必要とされている。そのような調整可能な細孔は、多くの細孔形成ペプチドが抗菌活性を示すため、細胞死滅用途にも望ましい。
本明細書に記載のハイブリッド細孔形成化合物によって、これらの必要性および他の必要性が満たされ、従来技術の問題が解決される。天然の細孔形成化合物は、ペプチドまたはタンパク質のN末端およびC末端の一方または両方上のペプチドまたはタンパク質に核酸オリゴヌクレオチドを結合させることによって提供される。
一実施形態では、化合物は、セラトトキシンA(CtxA)等のペプチドのN末端に共有結合した結合領域を含むDNAオリゴヌクレオチドを含む。この組み合わせにより、オリゴヌクレオチドへのハイブリダイゼーションを通じて、化合物に化学修飾を簡単に付加することができる。コレステロール修飾オリゴヌクレオチドを介した膜結合剤、例えばコレステロールの結合は、より高い膜親和性および増加した細孔形成活性を提供する。DNA−ペプチドは一本鎖DNAテンプレートをハイブリダイズし、細孔にアセンブルされたモノマーの数(3〜41以上のペプチドモノマー)、および形成された細孔のサイズを定義する。
さらなる実施形態では、ハイブリッド細孔形成化合物は、ペプチドのC末端に結合している、ポリチミン鎖からなるDNA鎖等の親水性セグメントまたは親水性尾部を備えている。二重層のシス側からペプチドを挿入した後、親水性の尾部は膜のトランス側に留まり、ペプチドを膜貫通コンフォメーションに維持し、長寿命の細孔をもたらす。比較のために、ネイティブCtxA細孔は、実験で1秒未満の寿命を示したが、親水性DNA尾部を有するハイブリッド細孔形成化合物は最大数分間安定であった。二重層のトランス側に所望のサイズのテンプレート構造を追加すると、親水性DNA尾部にハイブリダイズし、両側からテンプレート化された細孔が生成され、細孔の安定性がさらに向上する。細孔は通常、膜への迅速かつ容易な挿入のために最適化されているため、ペプチドの膜透過セグメントへの荷電した親水性DNAオリゴヌクレオチドの付加は、疎水性膜への挿入を妨げるため、直感に反する。実際、それは細孔挿入の頻度を低減するが、上記のように長寿命の細孔のより重要な特徴につながる。
別の実施形態では、細孔形成化合物は、複雑な剛性DNAナノコンストラクトによってテンプレート化される。特に、細孔形成への足場として機能するDNA折り紙ベースの環が開示されている。多数の結合部位を有する一本鎖テンプレートを生成することは困難であるが、折り紙法では、多くの結合部位を簡単に追加することができる。化合物結合部位の数は、特に大きな直径を有する細孔では、所望の直径を有する細孔を形成するように特に選択することができる。疎水性コレステロール等の他の機能部分は、折り紙コンストラクト上の所望の位置に結合させることができる。コンダクタンスの大きい細孔の形成が提供される。細孔の安定性は、ネイティブペプチド細孔よりも有意に優れていた。
ハイブリッド細孔形成化合物の適応性により、親和性部分および追加のC末端親水性修飾の組み合わせが可能になる。モジュール式の折り紙足場は、幾何学的に明確な位置で1つまたはいくつかのテンプレート鎖を使用する戦略と比較して、機能部分のより多くの可能な結合位置を提供する。
追加の実施形態において、テンプレート化された細孔形成化合物は、ネイティブの細孔形成化合物と比較してより大きな細孔を形成することによって、より低い濃度の細孔形成分子で細胞を死滅させるために使用される(理論的には、1つの十分に大きい細孔が1つの細胞を死滅させるのに十分であり得る)。テンプレート化された細孔の特定の位置に部分を追加して、病原体細胞または癌細胞等の定義された細胞を標的化することができる。
DNAオリゴヌクレオチドが結合した(ssDNA−CtxA)、またはクリックケミストリーを介してジベンゾシクロオクチン(DBCO)含有オリゴヌクレオチドに反応するアジド基(アジド−CtxA)をN末端に含む化合物は、ペプチド合成会社によって直接合成される。親水性尾部を有するCtxAは、C末端にアジド基で修飾されたssDNA−CtxA(ssDNA−CtxA−アジド)またはC末端にチオール基を有するアジド−CtxA(アジド−CtxA−チオール)から形成される。次いで、ssDNA−CtxA−アジドおよびアジド−CtxA−チオールは、過剰の12T−DBCOまたは12T−マレイミドと反応して、ssDNA−CtxA−12Tを形成する。
したがって、一実施形態では、第1の末端および第2の末端を有する細孔形成ペプチドまたはタンパク質を含む、ハイブリッド細孔形成化合物であって、第1のオリゴヌクレオチドが前記第1の末端に連結され、前記第1のオリゴヌクレオチドは、DNA、RNA、LNA、BNA、またはPNAに由来し、第1の機能部分が前記第2の末端に連結され、前記第1の機能部分は親水性である、ハイブリッド細孔形成化合物が開示される。
さらなる実施形態では、化合物の第2の機能部分は、ペプチドの第1の末端に結合した第1のオリゴヌクレオチドにハイブリダイズする第2のオリゴヌクレオチドに連結され、第2のオリゴヌクレオチドは、DNA、RNA、LNA、BNA、またはPNAに由来し、第2の機能部分は、疎水性膜結合剤、受容体、薬物分子、抗体、アプタマー、代謝産物、または蛍光マーカーである。
追加の実施形態では、疎水性膜結合剤が存在し、コレステロール部分を含む。
別の実施形態では、ペプチドの第2の末端に結合した化合物の第1の機能部分は、第3のオリゴヌクレオチドまたはフルオロフォアであり、第3のオリゴヌクレオチドは、DNA、RNA、LNA、BNA、またはPNAに由来する。
さらなる実施形態では、複数の、好ましくは4、6、8、または12個の相補的ハイブリダイゼーション部位を有するテンプレート鎖は、第1の末端に連結された第1のオリゴヌクレオチドの一部にハイブリダイズする。
追加の実施形態では、化合物がより大きな細孔を形成するように、複数の細孔形成ペプチドまたはタンパク質が、テンプレート鎖にハイブリダイズした第1の末端に連結された各第1のオリゴヌクレオチドとともに存在する。
別の実施形態では、化合物が四量体、六量体、八量体、または十二量体の細孔コンフォメーションを有するように、複数の細孔形成ペプチドまたはタンパク質が、テンプレート鎖にハイブリダイズした第1の末端に各第1のオリゴヌクレオチドが連結した状態で存在する
さらなる実施形態では、細孔形成ペプチドが存在し、セラトトキシンA(CtxA)である。
追加の実施形態では、第1の機能部分は第3のオリゴヌクレオチドであり、第2の膜結合剤は第3のオリゴヌクレオチドに結合して、化合物により形成された細孔の安定化を助ける。
別の実施形態では、ペプチドまたはタンパク質は、第2の末端と比較して第1の末端で異なって機能化されている。
さらなる実施形態では、上記の段落の1つに記載されるハイブリッド細孔形成化合物を形成するための方法であって、i)細孔形成ペプチドまたはタンパク質、ii)第1のオリゴヌクレオチド、およびiii)第1の機能部分を得るステップと、i)、ii)、iii)の自己アセンブリにより細孔形成化合物を形成するステップと、を含む方法が開示される。
追加の実施形態では、この方法は、複数の相補的ハイブリダイゼーション部位を有するテンプレート鎖を、i)、ii)、iii)を含む過剰の細孔形成化合物と溶液中で反応させることと、過剰な未反応の細孔形成化合物を、好ましくは高圧液体クロマトグラフィーにより除去することと、をさらに含む。
別の実施形態では、この方法は、第1のオリゴヌクレオチドを第2のオリゴヌクレオチドにハイブリダイズするステップをさらに含み、第2のオリゴヌクレオチドは、第1のオリゴヌクレオチドと比較して過剰量で存在する。
さらなる実施形態では、基板と、上記の構成のいずれかによる化合物とを含む膜であって、化合物は、基板の第1の側と基板の第2の側との間に細孔を提供する膜が開示される。
追加の実施形態では、好ましくは剛性の核酸ナノ構造が、複数の、好ましくは20または40の細孔形成剤を細孔にアセンブルするためのテンプレートとして機能し、核酸ナノ構造は、好ましくは、それに直接結合した第2の機能部分を含み、核酸ナノ構造は、好ましくは、DNA折り紙構造または一本鎖タイルアセンブリまたはRNA折り紙構造である、上記の説明のいずれかによる化合物が提供される。
本発明は、本明細書に記載の実施形態のすべての可能な組み合わせを包含することが理解されるべきである。
本発明は、図面と併せて発明を実施するための形態を読むことによってよりよく理解され、他の特徴および利点が明らかになるであろう。
プログラム可能な細孔サイズを備えたDNAアセンブルペプチド細孔の概略図を示す。(a)CtxAおよびCtxA−DNAのテンプレートアセンブルバージョンの細孔形成活性および単一チャネルコンダクタンスを記録するために使用される平面脂質二重層構成の概略図を用いたDNAハイブリダイゼーションによって媒介されるアセンブリスキームを示す。細孔形成ペプチドCtxAは、そのN末端に、2つのドメインを有する共有結合した一本鎖DNAを保持する。末端ドメインは、4、6、8、または12個の相補的ハイブリダイゼーション部位を提示するテンプレート鎖に結合する。追加のDNA鎖が、膜親和性を高めるための疎水性部分を有する化合物に結合する。追加の親水性ポリチミンセグメントがペプチドのC末端に結合して、ペプチドを膜貫通コンフォメーションに維持し、長寿命の細孔をもたらす。柔軟なリンカーとして機能する4つのチミン塩基がDNAセグメントを分離する。(b〜e)(b)四量体、(c)六量体、(d)八量体細孔、または(e)十二量体細孔の可能な特別な配置のスキーム、投影、および上面図であり、完全に占有されたテンプレート鎖は、CtxA−DNAモノマーの4、6、8または12個の結合部位を含む。 コレステロール鎖の添加後のCtxA−DNAの細孔形成活性の増加を示す。(a)ネイティブCtxA、(b)ssDNA−CtxA、および(c)dsDNA−CtxAを使用した5nMペプチド濃度での実験では、頻繁な細孔形成は示されなかった。(d)コレステロール部分を有するChol−dsDNA−CtxAの細孔形成が大幅に増加し、これにより脂質膜への親和性が増加する。(e)ネイティブCtxAに典型的な段階的な電流変動を示す(d)の電流記録の拡大図。すべての記録は、+180mVの印加電位差で行われる。 ネイティブCtxAの典型的な細孔形成活性のコンダクタンス対時間の記録を示す。記録は、アセンブルされた細孔からのペプチドモノマーの取り込みまたは放出と相関するコンダクタンスの明確な段階的増加および減少を示している。すべての記録は、+180mVの印加電位差で、20nMペプチドの存在下で行われた。 ssDNA−CtxAによって誘発される不明確なコンダクタンス変動を示す。上のパネルは、5nM ssDNA−CtxAの存在下での5分間の連続記録に対応し、使用した低濃度で予想されるように、細孔形成活性はほとんど示さない。他のパネルは、様々な拡大セクションを示しており、ネイティブCtxAの通常の明確なコンダクタンスレベルの代わりに、ノイズが多く不安定なコンダクタンスレベルを示している。すべての記録は、+180mVの印加電位差で行われた。 DNA修飾CtxAペプチド細孔を示すスキームである。ペプチドのDNA部分が一本鎖である場合、オリゴヌクレオチドは溶液中を自由に移動でき、細孔を覆う、または細孔に引き込まれる可能性がある。しかしながら、DNAが二本鎖である場合、増加した剛性によって、DNA鎖が細孔を覆う、または細孔に引き込まれることが防止される。 DNA修飾CtxAペプチドのテンプレート化が優先的な細孔サイズにつながることを示す。対応するヒストグラムの隣に、コンダクタンストレース対時間が示されている。(a)Chol−dsDNA−CtxAで観察された典型的なCtxAコンダクタンスレベル。(b)4−merテンプレートの存在下では、4−mer細孔(O2)のコンダクタンス値の急激な変動が生じる。8−merテンプレート(c)および12−merテンプレート(d)を使用すると、8−mer細孔(O6)のコンダクタンス値への直接の電流ステップ、および12−merの場合はさらに大きな変動が観察される。各パネルのコンダクタンストレースの背景にある色付きのボックスは、4−mer(O2)、8−mer(O6)、および12−mer(O10)のコンダクタンスレベルに対応している。値は、ネイティブCtxA(O2およびO6の場合)を使用した複数の実験から、ならびにネイティブCtxAコンダクタンスの開放状態の値の外挿から平均コンダクタンス値を取り、12−merのコンダクタンスの推定値を見出すことによって計算された。すべての記録は、5nM(a、b、c)または20nM(d)のCtxA−dsDNA−chol濃度で、+180mV(aおよびd)、+160mV(b)および+140mV(c)の印加電位差で行われた。a、b、およびcの実験は、水中の1M NaCl、10mM HEPESで行われ、dの実験は、膜の安定性を増加させるために30/70v/vグリセロール/水混合物中の3M CsCl、10mM HEPESで行われた。後者の場合のコンダクタンス値は、様々な実験を効率的に比較するために、水中の1M NaClで得られたコンダクタンス値に対応するように縮小されている。 Chol−dsDNA−CtxAを含む溶液にテンプレート鎖−4−merを添加した実験の60秒の電流トレースである。点描の長方形部分の拡大図を図6bに示す。記録は、+160mVの印加電位差、および5nMのChol−dsDNA−CtxA濃度で行われた。挿入図1では通常のChol−dsDNA−CtxAが観察され、挿入図2はベースラインから第2の開放状態へのコンダクタンスの明確な増加を示しており、これは、テンプレート鎖4−merの4つの結合部位すべてが占有された四量体細孔の二重層への組み込みに対応する。挿入図3は、通常のCtxA開放状態コンダクタンスに対応せず、定義できなかった細孔形成活性の増加を示す。 Chol−dsDNA−CtxAを含む溶液にテンプレート鎖−8−merを添加した実験の60秒の電流トレースである。点描の長方形部分の拡大図を図6cに示す。記録は、+140 mVの印加電位差、5nMのChol−dsDNA−CtxA濃度で行われた。挿入図1および2では、ベースラインから第6の開放状態へのコンダクタンスの反復的で明確な増加が観察され得、これは、テンプレート鎖−8−merの8つの結合部位すべてが占有された八量体細孔の二重層への組み込みに対応する。 完全には占有されていないテンプレート鎖−8−merでの実験に対応する電流のトレースを表す。(A)4つ(点線)または5つ(破線)のモノマーで構成されるテンプレート化された細孔の平面脂質二重層への直接挿入。(B)6つのモノマー(点線)で構成されるテンプレート化された細孔の平面脂質二重層への直接挿入。電流の増加が観察されるが、これは、テンプレート化されたアセンブリに結合する7番目のモノマーに起因する可能性があり、その結果細孔が大きくなる(破線)。両方の電流トレースは、0.1nMの濃度でChol−dsDNA−CtxAを含む溶液にテンプレート鎖−8−merを添加した実験に対応する。記録は、+200mVの印加電位差で行われた 六量体アセンブリについて示されているアセンブリに対する精製プロセスの影響を示す。対応するヒストグラムの隣に、コンダクタンストレース対時間が示されている。アセンブリの(a)精製なし、または(b)精製後の、6−merテンプレートの存在下でCtxA−dsDNA−cholについて観察されたコンダクタンスの変動である。(a)精製なしでは、様々なコンダクタンスの変動が観察され、より小さい、またはより大きい細孔構造をもたらす。挿入図:開放状態のO4へのコンダクタンスの直接的な増加と、おそらくはそれに続く膜の内外での1つのモノマーの変動を示す拡大図。(b)精製後では、遊離モノマーを除去すると、6−merテンプレートの使用から予想される値に近いサイズの細孔の1つの主要な集団が生じる。記録は、(a)1nMおよび(b)4nMのCtxA−dsDNA−chol濃度で、ならびに+200mVの印加電位差で行われた。 Chol−dsDNA−CtxAの存在下で8−merテンプレートを添加すると、高い細孔をもたらすことを示す。この代表的な電流トレースは、Chol−dsDNA−CtxA(0.1nMの濃度で添加)による断続的な細孔形成と、それに続く増幅器の飽和に達するコンダクタンスの増加(破線、>16nA)を示す。挿入図は、このトレースの最初の拡大図を示しおり、Chol−dsDNA−CtxAの最初の3つの開放状態が観察され得る。この記録は、+180mVの印加電位差で行われた。 DNA折り紙ベースのテンプレート環を示す。(a)20の化合物をテンプレート化したDNAナノ構造の3次元モデルである。DNA二重らせんは円柱として描かれている。二本鎖DNA接続(大きな放射状の円筒)は、最終的な細孔を構成する細孔形成ペプチド(環の中心にある細い円筒)を接続する。環に接続されたブロック構造は、細孔形成プロセスにはいずれの機能も有さないが、細孔に干渉する可能性のある長い一本鎖足場ループを回避するために必要である。(b)DNA折り紙環のTEM陽性染色画像である。 DNA折り紙テンプレートCtxA細孔の電流対時間の記録である。脂質膜に細孔を挿入した後、細孔電流は最初に変動し、約15分後に約5nAの安定した値に到達した。同じコンダクタンス値で極性を反転させた後でも、細孔は二重層に残った。この細孔は1時間を超えて安定していた。2つの拡大されたトレースは、膜への細孔の挿入プロセスを詳細に示している。電流は、いくつかの個別のレベルで最大15nAまで増加した。この実験では、それぞれ2つのCtxAモノマーを有する20本のDNA鎖がDNA折り紙環に取り付けられた。その実験では、0.8nMのペプチド濃度に対応する20pMの折り紙コンストラクトの濃度が使用された。 DNA二重修飾CtxAペプチドによる長寿命の細孔形成を示す。(a)DNA二重修飾CtxAモノマーによって形成された長寿命の単一チャネルの電流−電圧関係。赤い曲線は、コンダクタンスG=6.4nSをもたらす線形フィットを表している。(b)−180mV(I=−1512±108pA)の印加電位でのDNA二重修飾ペプチドからの単一細孔の見かけのシングルステップ挿入である。(c)(b)と同じ細孔は、電圧極性が−20mVから+20mVに反転した後も膜に残る。(d)5分間の電流トレースは、I=124±7.55pAの測定電流でDNA二重修飾CtxAモノマー(+20mV)によって形成された細孔の存在を示している。 使用された様々な化合物の化学構造を示す。図15Aは、商業的に合成されたssDNA−CtxAを示し、図15Bは、アジド−CtxAとDBCO−ssDNAとの間の一晩のクリック化学反応後に得られたssDNA−CtxAを示し、図15Cは、商業的に合成されたssDNA−CtxA−アジドと12T−DBCOオリゴヌクレオチドとの間の一晩のクリック化学反応後に得られたssDNA−CtxA−12Tを示し、図15Dは、商業的に合成されたssDNA−CtxA−アジドと12T−peg4−DBCOオリゴヌクレオチドとの間の一晩のクリック化学反応後に得られたssDNA−CtxA−peg4−12Tを示し、図15Eは、アジド−CtxA−チオールとDBCO−ssDNAとの間の一晩のクリック化学反応後に得られたssDNA−CtxA−12Tを示す。得られたssDNA−DNA−CtxA−チオールは、その後、チオール−マレイミド反応を介して12T−マレイミドオリゴヌクレオチドと一晩反応させた。図15Fは、アジド−CtxAとDBCOオリゴヌクレオチドとの間の一晩のクリック化学反応後に得られた折り紙構造実験のssDNA−CtxAを示し、図15Gは、アジド−CtxAと2つのDBCO部分を有するオリゴヌクレオチドとの間の一晩のクリック化学反応後に得られた折り紙構造実験用の二重標識ssDNA−CtxAを示す。 開示された化合物に基づく異なる高分子コンストラクトの概略図に対応する。左パネル:テンプレート化Chol−DS−DNA−CtxA−T12の挿入プロセス。コレステロール鎖は、二重層に挿入することにより、コンストラクトの膜親和性を増加させる。膜透過コンフォメーションでは、親水性のポリTセグメントが、ペプチドが膜から反転するのを妨げる。(1)テンプレート化Chol−ds−DNA−CtxA、(2)テンプレート化Chol−ds−DNA−CtxA−T12、(3)CtxA−T12、(4)テンプレート化ss−DNA−CtxA、(5)テンプレート化ds−DNA−CtxA、(6)両側からテンプレート化されたChol−DS−DNA−CtxA−T12。トランスDNAセグメントをトランス側のテンプレートにリンクする鎖(すなわち、90度のねじれを有することが示されている鎖)は、アセンブリを安定させるための脂質アンカー(コレステロール等)を含んでもよい、または含まなくてもよい。 開示された化合物に基づく提案されたコンストラクトのスキームに対応する。(a)膜透過末端の第2のオリゴヌクレオチドに相補的配列をハイブリダイズさせることによる膜透過コンフォメーションでのペプチドの恒久的な固定。ハイブリダイズするオリゴヌクレオチドは、コレステロール等の膜結合剤で官能化して、オリゴヌクレオチドを膜上に局在化させることができる。(b)この特定の受容体を発現する細胞の膜を標的化する親和性増加剤としての受容体結合部分の使用。(d)親和性部分は、テンプレート鎖または構造に結合することもできる。DNA折り紙テンプレートにコレステロール部分を結合することにより、この原理の実施形態を作製した。(d)単一のDNA鎖に共有結合した複数の細孔形成剤を含む化合物で、同じ数のDNA鎖を有するより多くの構成ペプチドで細孔を作製できる。この概念は、1つのDNA鎖に結合した2つのCtxAペプチドからなる化合物を使用したDNA折り紙ベースの実施形態内ですでに開示されている。(e)リンカー領域を有さず、テンプレート結合領域のみを有する化合物。そのような単純化された化合物は、DNA折り紙ベースの実施形態で使用された。 膜の両側から(すなわち、シスおよびトランスから)テンプレート化されて細孔の安定性を高める、プログラム可能な細孔サイズを備えたDNAアセンブルペプチド細孔の別の概略図を示す。設計は前の図で使用したものと同じであってもよく、またはわずかに異なってもよく、ペプチドに共有結合したより短いオリゴヌクレオチドを使用して、DNAテンプレートを細孔の上に伸ばすのではなく、立体的に膜上に平らに置く。膜面に平行な平坦な配向は、テンプレートからのDNA鎖による細孔入口の一時的または永続的な遮断の可能性を回避する。そのような遮断が発生した場合、分析物が細孔を通って移動する可能性が低くなる可能性がある。両側からテンプレート化された八量体CtxA細孔の(a)側面図、(b)上面図、および(c)正面図(同様のダブルテンプレートアプローチは、異なる細孔サイズ、例えば四量体細孔、十二量体細孔、およびそれより大きい細孔で追求され得る)。(d)両側からのDNA−ペプチド細孔のハイブリダイゼーションを示すアセンブリスキーム。 2つの異なるペプチド−DNA構造の細孔形成挙動を示す電流対時間の記録を示す。パネル(a)および(b)は、シス側にのみ8−merテンプレートが存在し、印加電位が+180mV(a)または+50mV(b)の場合の、両方の末端でのDNAで修飾されたCtxAペプチド(dsDNA−CtxA−T12)の挿入を示す。記録された電流は、使用された高電圧(+180mV)での7−merレベルと8−merレベルとの間の電流変動を示したが、電圧を+50mVに下げると、八量体細孔の予想される電流(すなわちコンダクタンス)レベルでのこの八量体細孔の安定性が向上した(影付きの領域で示されている)。電解質溶液は、1M NaCl、10mM HEPES、pH7.3で構成されていた。パネル(c)および(d)は、8−merのテンプレートがメンブレンの両側に存在する場合に、そのようなDNA−ペプチド細孔の安定性に関してなされた改善を示している。印加電圧(+100mV)はパネル(b)の電圧よりも高いが、結果として得られる細孔は劇的に改善された安定性を示し、記録時間中の電流の変動はほとんどない。この細孔は4時間以上開いたままであった。電解質溶液は、150mM NaCl、10mM HEPES、pH7.3で構成されていた。 両側からテンプレート化されたDNAペプチド細孔を介した高分子の移動イベントと一致する抵抗パルスを示す。高分子分析物は、PEG4000、PEG1500、PEG200分子、および硫酸デキストラン8000分子の混合物で構成され、記録チャンバ内でそれぞれ461μM、922μM、69μM、および31μMの最終濃度まで添加された。(a)測定された電流は、脂質膜に組み込まれた八量体の細孔の存在を示唆している。高分子分析物混合物の添加後、複数の電流の減少が観察され得る。比較的不安定なベースラインは、トランス側のテンプレートが細孔に接続されていないことに起因し得、図19a、bに示すような不安定な細孔につながる。別の説明は、一見不安定なベースラインにつながる小さなPEG200分子の頻繁な移動である可能性がある。水平破線は0pAの電流に対応する。(b)電流値は、二重層に同時に複数の細孔が存在することを示唆している。最後の組み込みステップの後、分析物の混合物の存在下で、抵抗パルスが現れ始め、これは、高分子分析物の移動と一致している。この実験は、パネルa)で使用したものと同じ分析物混合物を用いて行われた。 A549細胞に対するssDNA−CtxAペプチドの細胞毒性活性に対するDNAテンプレートの影響を示す。プロットは、テンプレート化および非テンプレート化CtxAペプチドの濃度の関数としてのA549細胞のコンフルエンスの経時変化を示す。ネイティブCtxAペプチドの場合、細胞の生存率を低下させるために50〜100μMの濃度が必要であった。DNAテンプレート化細孔(四量体、六量体、八量体および十二量体)の場合、同じ細胞の複製を完全に停止するには、2〜5μM未満の総CtxA濃度で十分であり、したがってネイティブCtxAペプチドと比較して濃度が20分の1未満となる。
本発明は、他の利点の中でも、細孔サイズ、安定性、および膜親和性の調整を可能にする様々な官能基を含むハイブリッド細孔形成化合物を包含する。ハイブリッド細孔形成化合物は、ペプチドまたはタンパク質の両方の末端に共有結合した核酸オリゴヌクレオチドを有するペプチドまたはタンパク質を含む。ハイブリッド細孔形成化合物を作製するための方法は簡単である。本発明のハイブリッド細孔形成化合物によって、多くの利点が提供される。
本発明の1つの特定の利点は、化学修飾の直接的な付加である。ここで示される化合物は、さらなる化学合成を必要とせず、既製の成分から生成され得る。
一実施形態では、コレステロールが疎水性部分としてコンストラクトに連結されて、膜の脂質二重層への化合物の親和性を増加させる。細孔形成は、コレステロールがない場合よりも10分の1未満の濃度で観察される。結果は、抗菌ペプチドの効力を高めるための1つの手法であるペプチド配列の変更なしに達成された。しかしながら、必要に応じてペプチド配列が変更されてもよい。
他の修飾は、非限定的な例として、結合した蛍光マーカー、薬物分子、受容体、抗体、アプタマー、代謝産物などを用いたDNA鎖へのハイブリダイゼーションによって達成され得る。これらの修飾は、薬物送達ならびに標的細胞死滅に有用となり得る。
リガンドを特定の部位に共有結合させることによるペプチドまたはタンパク質の修飾は、バイオセンサの作製を可能にする。抵抗パルスセンシングに基づくそのようなセンサは、特定の標的分子の検出を可能にする。本発明のモジュール性により、追加の機能化を追加または交換することが簡単である。
ハイブリッド細孔形成化合物によって提供される追加の利点は、短命のチャネルを形成するペプチドからの細孔の寿命の延長である。その後の分析に十分なデータを収集できるようにするために、抵抗パルスセンシングには長寿命の細孔が必要である。長寿命の細孔を有するハイブリッド化合物を提供することにより、病原体細胞を死滅させるための、または薬物送達のための分子の効率が増加する。
本明細書に記載されるように、膜に挿入されるペプチドの部分の一本鎖DNAは、ペプチドが膜透過コンフォメーションにある時間を成功裏に増加させる、すなわち数十ミリ秒から数秒またはさらには数分にまで増加させる。
化合物のもう1つの重要な利点は、DNAテンプレートを使用して得られる調整された細孔サイズである。DNAテンプレートは、柔軟なリンカーによって分離された複数のハイブリダイゼーション部位で構成される独自の一本鎖から、細孔形成の足場として機能するDNA折り紙ベースの環等の複雑な剛性のDNAナノコンストラクトまで様々である。実証された折り紙環のように、テンプレートとして使用される剛性の大きなナノ構造は、劇的に大きなペプチド細孔の形成を可能にする。本明細書に開示されるのは、多数のペプチドモノマー結合部位を有するテンプレート構造の単純な「ワンポット」アセンブリである。開示された比較的剛性のテンプレートは、二本鎖DNAからの柔軟なテンプレートと比較して、より安定したペプチド細孔をもたらす。
本発明の化合物は、抵抗パルスセンシングに特定の利点を提供する。例えば、安定した細孔が提供され、細孔は一般に数分間安定である。移動イベントに加えて、電流変動が細孔サイズの変化によって引き起こされる場合、データ分析は実用的ではない。親和性が高まると、単一の細孔の形成が容易になる。DNAアセンブリにより、細孔径の容易な調整および大きな細孔径が可能となる。本発明の化合物によって可能になるより大きな細孔は、より大きな標的分子を分析するために利用することができる。
本発明の化合物はまた、標的化された細胞殺傷および薬物送達のための様々な利点を提供する。これらの化合物は、親和性が高い細孔形成剤であり、低濃度で活性である。受容体結合部分、抗体、アプタマー等の病原体特異的結合部分は、病原体または他の標的細胞などの選択された細胞の標的化を可能にする。DNAアセンブリは一般に、わずかな労力でいくつかの異なる結合モチーフおよび刺激応答化合物の組み合わせを可能にする。これらの化合物は、siRNA、DNA、タンパク質、炭水化物等の高分子の送達など、分析物のサイズよりも大きい最小細孔サイズが必要な用途に役立つ。より大きな細孔は、細胞の恒常性を破壊するため、細胞を死滅させるのにもより効率的である。
本発明の化合物は、CtxA等の細孔形成ペプチドの細孔への樽板アセンブリメカニズムを利用し、これは、CtxA等の様々なペプチドが本質的に広範囲のモノマー数および細孔径から細孔を形成することができるため有利である。
ペプチドを使用してCtxA等のアルファヘリックス構造を有する化合物を形成する場合、アセンブリおよび再構成に設計の柔軟性があり、例えば、細孔を安定させるために機能性を追加することができる。通常、例えば天然のイオンチャネルタンパク質では、アルファヘリックスタンパク質は、ベータシート構造から作製された細孔よりも柔軟性があり、より多くの機能性を有する。
化合物は、明確な細孔に自己アセンブルする能力を妨げることなく、利用されるペプチドに応じて、その末端、そのC末端およびN末端の一方または両方で修飾され得るペプチドを利用する。C末端の修飾は、化学反応性の点でN末端の修飾と直交し得、すなわち、選択的な化学反応により、両端を異なるように修飾および機能化することができる。
ペプチドのC末端修飾がチオール基(−SH)を含む実施形態では、化合物は、CtxA等の天然ペプチドよりも容易に膜に組み込まれて細孔にアセンブルし、これは、組み込みが促進および制御され得ることを示している。
化学物質または試薬とペプチドのC末端、例えばCtxAとの物理的相互作用の化学反応は、膜のトランス側、すなわち化合物が添加されたシス側の反対側で、機能性を追加し、細孔を安定化することができる。
ハイブリッド細孔形成化合物は、脂質または高分子膜に自己組み込みできるペプチドを利用する。膜への再構成の方法が必要ないため、膜との組み合わせは非常に実用的である。
CtxA等のペプチドを利用する場合、電位依存性組み込みの利点を使用して、要望に応じて細孔を形成することができ、これは要望に応じてオフにすることもできる。
また、本明細書において、テンプレート化が細孔形成ペプチドの局所濃度を増加させ、したがって細孔を形成する確率を増加させることも実証されている。この効果により、アセンブリが大きな直径の細孔に偏る。スペーサー鎖、テンプレート鎖、およびこれらのセグメント間の短くて柔軟なチミジン領域で設計された化合物は、意図された細孔サイズの自己アセンブリを可能にし、立体障害を低減する。あるいは、中性のPEGリンカーを挿入することもできる。テンプレート化の多くの代替設計は、立体的な制約、完全なアセンブリの低収率、および不活性な細孔のアセンブルなどを有し得るため、これは簡単な作業ではない。
足場内の化合物の開放設計により、細孔の電気抵抗を増加させることなく、細孔をテンプレート化して組み立てることができる。
細孔のアセンブリは、アセンブルした細孔の精製と組み合わせた実験の前に生じ得る、またはアセンブリのための様々な成分および分子の段階的添加によってin situで細孔アセンブリを行うことができる。分子の使用におけるこの柔軟性は、個々の構成要素または完全なアセンブリのいずれかの限られた溶解性の起こり得る問題を軽減するのに有利である。膜の片側または両側からの連続的なその場でのアセンブリもまた、複雑な機能性を備えた細孔をアセンブルすることを可能にする。
例えば、様々な細孔形成ペプチドが本発明における使用に適している。例には、セラトトキシンA、アラメチシン、MelP5、メリチン、マガイニン、セクロピンなど、またはこれらのペプチドの任意の合成的に進化した変異体が含まれるが、これらに限定されない。好ましくは、翻訳後修飾または非天然アミノ酸を含まない細孔形成ペプチドを使用することができるが、これは、それらを合成および化学的に修飾してDNAオリゴヌクレオチドを結合させるのが簡単なためである。
オリゴヌクレオチドは、DNA、RNA、PNA、LNA、BNA、ならびに非天然核酸を含むがこれらに限定されないヌクレオチド配列から作製することができる。スペーサー領域を欠くN末端オリゴヌクレオチドを使用することができるが、テンプレートは立体障害を説明するために異なる形状を有するはずである。そのようなテンプレートは、疎水性部分、受容体などを膜表面に直接提示しながら、各ハイブリダイゼーション部位間により長いリンカーを提示することができる。別の変形例では、複数の細孔形成ペプチドが1つのオリゴヌクレオチドに結合し、テンプレート鎖を短く保ちながら、細孔内のモノマーの数を増やすことができる。
スペーサー鎖上の部分は、ジアシル鎖、コレステロール、受容体結合剤、アプタマー、抗体、代謝物などの固定部分となり得る。これらの部分は、蛍光色素、タンパク質(またはそれらをコードする遺伝子)またはアプタマー、代謝ナノ粒子、放射性マーカー、量子ドットなどのコンストラクトの検出を強化する要素であってもよい。
細孔の形成および分解は、DNAハイブリダイゼーションによって媒介される化学的、機械的、光、またはその他の信号(トーホールド媒介鎖置換、光切り替え可能な塩基、アプタマーなど)によって引き起こされる可能性がある。
C末端部分を追加して、長寿命の細孔を得ることができる。これらの部分は親水性であるか、または膜のトランス側に到達すると(例えばpHの変化により)親水性になる。これらの基は、オリゴヌクレオチド配列(DNA、RNA、PNA、LNA、BNA、および非天然核酸)、アミノ酸、または任意のその他の親水性基(チオール、アジド、ビオチンなど)であってもよい。固定は、膜のトランス側にある細孔形成ペプチドをテンプレート化することによっても実現され得る。
膜は、脂質膜(リン脂質膜、古細菌膜など)、合成膜(ブロックコポリマーなど)であってもよく、荷電、非荷電、または両性イオン性であってもよい。細孔はまた、固体ハイブリッド細孔を形成するために使用され得る。したがって、細孔は既存の固体ナノ細孔に挿入され、その特性を変化させる。
ここで、膜親和性の向上、モノマーの幾何学的配置、および細孔寿命の向上のために、セラトトキシンA(CtxA)ペプチドに基づくモジュール式DNAアセンブリシステムについて説明する。アラメチシンと同様に、36アミノ酸ペプチドCtxAは、ペプチドモノマーの会合または解離の結果として直径が増加または縮小する短い樽板細孔を形成する。この目的で、相補的なオリゴヌクレオチド配列のハイブリダイゼーションのために、ssDNAをCtxAペプチドのN末端に共有結合させる。ペプチド−DNAハイブリッドをDNA結合疎水性部分に結合させると、膜親和性が高まる。定義された数の結合部位を有するテンプレートDNA鎖を追加することにより、細孔径を4、6、8、または12−merのアセンブリに偏らせる。我々は、脂質二重層に挿入されると考えられる部分である、CtxAのC末端側に親水性DNAドメインを導入すると、ハイブリッドモノマーが二重層貫通コンフォメーションで安定化することを実証する。この修飾により、直径が動的に変動する短命のCtxA細孔が、明確な直径を有する長持ちする細孔に変わり、これは、センシング用途に役立ち得る。
このコンストラクトの1つの特徴は、前庭部を含む大きなαHLキャップドメインと同様に、固体のイオン遮断構造がないことである。対照的に、我々が提示するアセンブリは、前庭部または密に詰まったテンプレート構造からの抵抗への追加の寄与を回避する、ゆるく充填した開放DNA構造によって幾何学的に配置された短い膜貫通チャネルである。人工イオンチャネルのこの最小限の設計の追加の明確な利点は、大量生成の可能性と、ハイスループットスクリーニングのための優れた柔軟性を伴う任意の位置でペプチドのアミノ酸の配列および数を変更する可能性とを備えたすべての成分の固相合成の使用である。DNAアセンブルペプチド細孔は、薬物送達または病原体の標的死滅等のセンシング以外の用途にも使用され得る。
結果および考察
CtxA−DNAハイブリッドコンストラクトのアセンブリ。36アミノ酸ペプチドCtxAをベースとした新たなペプチド−DNAハイブリッドを設計する。図1に示すように、55塩基長のssDNAオリゴヌクレオチドは、その5’末端がペプチドのN末端側に結合している。その配列は、スペーサー領域およびテンプレート結合ドメインの2つの部分からなる。4つのチミン(T)塩基からなる柔軟なリンカーは、コンストラクトのすべてのドメインを接続する。スペーサー鎖は25ヌクレオチド長のスペーサー領域にハイブリダイズして、剛性の二重鎖を形成する。脂質膜への親和性を高めるために、このスペーサー鎖は、その3’末端がコレステロール部分で修飾されており、以降、コレステロール鎖と呼ばれる。18個の核酸塩基で構成されるテンプレート結合領域により、4つのチミン塩基のリンカーによって分離された4、6、8、または12のハイブリダイゼーション部位を有する一本鎖DNAテンプレートへのペプチド−DNAハイブリッドの結合が可能になる。
より剛性が高く、より明確なDNAテンプレートを得るために、直径33.4nm(内径20.6nm)の環状の折り紙構造を構築した。環は、DNAヘリックスを円形に曲げることによって形成された。82×15×11nmのブロック構造が環に接続されている。ブロックは細孔アセンブリには役立たないが、残りの足場を使い切って、細孔のすぐ近くにある大きな一本鎖DNAループの影響を回避する。環の下側に分布する20のステープルは拡張部を有し、DNA結合ペプチドを(他の設計の55塩基長の配列の代わりに)20ヌクレオチド長の相補的結合配列とハイブリダイズさせる準備ができている。20−merペプチドは、直径約8.7nmのはるかに小さな細孔を形成するため、リンカーが必要である。したがって、ペプチド−DNAコンジュゲートは、折り紙構造とペプチドとの間の6.1nmリンカーとして機能する接続DNA二重鎖を使用して、構造に対して遠位のコンフォメーションでハイブリダイズする。この二本鎖結合の両側に2つの追加のチミン塩基が挿入され、柔軟なリンカーとして機能した。ペプチド細孔アセンブリを妨げる可能性のある二本鎖DNAリンカーの立体的および静電的反発をさらに回避するために、非荷電PEGリンカーを介してペプチドを結合オリゴヌクレオチドに接続した。あるいは、PEGリンカーを介して結合した2つの反応性DBCO基を有する鎖を使用して、最大40−merのペプチド細孔を形成した。
前述の設計と同様に、ステープル拡張を介して追加の機能部分を容易に結合させることができる。コレステロール部分を有し得る直交結合配列を有する8つの拡張部をさらに追加して、膜に対する折り紙構造の膜親和性を高めた。
小さなペプチドからアセンブルされた細孔は、明確なコンダクタンスレベルでの樽板細孔の形成、および5nm以下の細孔長を有するチャネルの形成等の魅力的な特性を備え、センシング用途の分解能向上させる可能性があるため、この研究ではCtxAペプチドを使用する。その低分子量は、ペプチドの大量合成を可能にするだけでなく、ペプチドの化学的機能化も可能にする。さらに、ペプチドは正に帯電しているため、哺乳動物細胞と比較して、多くの病原体の負に帯電した外膜により強く容易に結合する。この機能により、CtxAベースの細孔アセンブリは標的細胞死滅用途にとって魅力的となる。
図1b−eは、我々が設計したDNAアセンブルペプチド細孔の緩い開放した分子設計を示す。イオンは、DNAベースの足場の鎖間を流れることができ、足場が細孔の膜透過セグメントへのアクセス抵抗を大幅に増加させないという利点がある。この設計は、電圧降下を細孔の膜貫通ペプチド部分に集中させ、コンダクタンスの変化に敏感にし、抵抗パルスセンシング等の用途の信号対雑音比を高める。
細孔形成活性を高めるための疎水性機能化。膜に対するDNAアセンブルペプチド細孔の親和性を高めるためにコレステロール部分を導入する。図2は、平面脂質二重層実験による単一チャネル記録で、同じ総ペプチド濃度5nMで記録されたネイティブCtxAペプチドの細孔と様々なDNAアセンブルペプチド細孔の活性を比較している。典型的には、ネイティブCtxA、追加の鎖のないCtxA−DNA(ssDNA−CtxA)、およびスペーサー鎖のあるCtxA−DNA(dsDNA−CtxA)は、これらの低ペプチド濃度で細孔形成をほとんどまたはまったく示さない(図2a〜c)。対照的に、コレステロール鎖にハイブリダイズしたCtxA−DNA(Chol−dsDNA−CtxA)は、頻繁な細孔形成イベントを示す(図2d)。この分子からの電流記録の拡大図は、10nMを超える濃度のネイティブCtxAで観察されたものと同様の明確なコンダクタンスステップを示している(図3)。
これらの結果は、CtxAペプチドのN末端dsDNA修飾が膜への挿入を阻害せず、この修飾が疎水性基を露出する場合にそれを支持することを示している。さらに、得られた細孔のコンダクタンス挙動も、ネイティブCtxAのコンダクタンス挙動と非常に似ており、細孔サイズとともに値が非線形的に増加する。コンダクタンスのこの非線形増加に加えて、図2eに示すChol−dsDNA−CtxAによって誘発された電流トレースの拡大図は、等しいコンダクタンス値の段階的な増加も示し、膜透過コンフォメーションにおいて同じサイズの複数の細孔が同時に存在することを示す。
ネイティブCtxAが有意な細孔形成を示すには10〜20nMの最小濃度が必要であるが、Chol−dsDNA−CtxAによる頻繁な細孔形成イベントを観察するには、1nMという低い濃度で十分である。
興味深いことに、ssDNA−CtxAを10nMを超える濃度で添加した対照実験では、ネイティブCtxAの通常の明確な動作ではなく、明確に定義されていないコンダクタンスの変動が生じる(図4)。N末端にぶら下がっているssDNAは、細孔を覆い、またはその内腔に進入し、変動性のコンダクタンスレベルをもたらし得る。相補的なコレステロール鎖を追加すると、図2d、eに示すように、明確な段階的なコンダクタンス挙動が復元されるが、これはおそらく、細孔のN末端入口における得られたdsDNA鎖の増加した剛性が、細孔を覆うまたは細孔に進入する可能性を低減するためである(図5)。
Figure 2022502094

O8からO10のコンダクタンス値は、フィッティング関数から最初の7つの開放状態の実験データに外挿される。この関数は、モノマーの幾何学的配置、1.2nmのペプチド直径、および2.7〜4nmの細孔長を想定している。
直径は、Chol−dsDNA−CtxAの測定および外挿されたコンダクタンス値Gに基づいて推定される。エラーは、平均の標準偏差から計算される。我々が使用した方程式は、Cruickshank et al.,Biophysical Journal 73,1925−1931(1997)によって示さたが、2つのアクセス抵抗(1つは細孔の入口、もう1つは細孔からの出口)およびチャネル抵抗を考慮している。
Figure 2022502094

式中、チャネル長(l)は、ペプチドの膜透過セグメントのアミノ酸配列に基づく最短チャネル長である2.7nmと、膜透過チャネルが二重層全体にまたがると仮定した場合の4nmの間に含まれ、バッファー抵抗率(ρ)は0.1130Ωm(測定された導電率σ=8.85Sm−1から)である。テンプレート化された12−merを使用した実験は、脂質膜の安定性を高めるために、水中の30%(v/v)グリセロール中の3M CsCl、10mM HEPESで行われた(測定された導電率σ=13.99Sm−1)。
表1は、ネイティブCtxAおよびChol−dsDNA−CtxAの最初の6つの開放状態(O1からO6)のコンダクタンス値に有意差がないことを示している(対応のある試料のt検定、p=0.36)。この結果は、CtxAのN末端側にdsDNAを添加しても、形成される細孔の直径は大きく変化しないことを意味する。
従来、細孔形成ペプチドは、ペプチドのアミノ酸配列を修飾して、低濃度での細孔形成活性を高めることによって操作されている3−5。我々はここで、疎水性コレステロール部分を有するDNA鎖の追加が、ペプチド機能に影響を与える配列変更を必要とせずに同じ効果を達成することを示す。
DNAテンプレート化による定義されたサイズの細孔の形成。
DNA鎖および細孔形成ペプチドを組み合わせる可能性をさらに探求し、CtxA−DNAのテンプレート結合領域配列に相補的な繰り返し配列からなるDNAテンプレート鎖を導入する。我々は、テンプレート上のハイブリダイゼーション部位の数と比較して、定義された一定数のモノマーで構成される細孔を形成することを目的とする。実現可能性を実証するために、CtxA−DNAの4、6、8、または12のハイブリダイゼーション部位を含むテンプレート鎖(「4−merテンプレート」、「6−merテンプレート」、「8−merテンプレート」、および「12−merテンプレート」)の影響を示す。表1に示すように、そのような四量体、六量体、八量体、および十二量体のアセンブリは、Chol−dsDNA−CtxAの測定されたO2、O4、およびO6コンダクタンス値、ならび推定O10コンダクタンス値を見出だすためのこれらの測定値の外挿に基づいて、0.5±0.3、1.4±0.4、2.3±0.5nmおよび3.9±0.5nmの直径を有する細孔をもたらす。
図6aは、テンプレート鎖を追加する前に、5nM Chol−dsDNA−CtxAの存在下で+180mVの一定の印加電位差で記録された平面脂質二重層を横切る電流トレースを示す。離散的で反復的なステップサイズで動的に変化するコンダクタンスレベルは、細孔形成の樽板モデルと一致し、対応するヒストグラムの様々なピークで表される。4−merテンプレートを追加すると、コンダクタンスレベルを観察する相対頻度が劇的に変化する。図6bは、予想通り、4−merのコンダクタンスに対する分布の強いバイアスを示している。記録の時間分解能(約20μs)で、予想される四量体細孔に対応するレベルまで、330±26pSの単一ステップコンダクタンス変化が観察される(図6bおよび図7)。O2レベルは、コンダクタンスの非常に短い減少によってのみ中断される。我々は、モノマーが膜貫通コンフォメーションから膜敷設コンフォメーションに変化すると、局所濃度が高いため、アセンブリから逃げることができず、脂質膜にすばやく挿入されると仮説を立てた。図6aに示すように、遊離モノマーはコンダクタンスレベルの動的変動をもたらすため、コンダクタンスが四量体細孔を超えるレベルまで増加することは稀であり、これは、この細孔が互いに結合した4つのモノマーを含むことをさらに示唆している。
しかし、細孔径の動的変動は依然として発生し(図7、パネル1)、コンダクタンスはベースラインからO1、O2、およびO3まで順次増加した。これらの結果は、それら自体と相互作用して三量体を形成するか、テンプレート化CtxA−DNAアセンブリと相互作用して標的外の細孔サイズを形成する遊離Chol−dsDNA−CtxAハイブリッドの存在に起因すると考えられる。
テンプレートの長さをさらに8または12のハイブリダイゼーション部位に増やすと、より大きな細孔の形成が可能になる。そのような八量体アセンブリの2秒間の記録を図6c(図8の全60秒の電流トレース)に示し、十二量体アセンブリの2秒間の記録を図6dに示す。8−merテンプレートを使用すると、大きな細孔構造の二重層への挿入に対応する8470±700pSのコンダクタンス値へのいくつかの離散した遷移が識別され得る。DNAアセンブルペプチドの濃度が低い(5nM)にもかかわらず、より小さな細孔のコンダクタンス変動(平均コンダクタンス値:1460±270pS)も観察され、不安定な電流ベースラインが生じ、その結果、7010±700pSの差を有する離散したコンダクタンスステップが生じる。この値は、二重層に出入りする8つのモノマーで構成される細孔と一致している。全60秒の電流トレースのヒストグラムは、テンプレート鎖−8−merの使用によって予想されるように、8−mer(O6)に対応するこの支配的な集団を示す。12のハイブリダイゼーション部位を有するテンプレートを使用すると、表1の値に基づいて、11−merおよび12−merに最も近いコンダクタンス値へのさらに大きな遷移が観察された。
図6に示す電流トレースは、予想されるサイズを有する細孔の形成を示しているが、この結果は各試行で得られたものではなく、より小さいまたはより大きいCtxA開放状態の起因し得るコンダクタンス値の変動が頻繁に観察された。より小さな細孔は、ペプチド−DNAハイブリッドによって完全に占有されていないテンプレート鎖を持つ構造に起因すると考えられる。あるいは、完全に占有されているが、膜透過コンフォメーションをとっていない1つ以上のモノマーを有するテンプレート鎖もまた、予想より小さい細孔をもたらすであろう。図9に、8−merテンプレートを使用した場合の、4、5、および6つのモノマーで構成される細孔の二重層への直接挿入の2つの例を示す。コンダクタンスが1つの優勢な開放状態からより高い状態に増加することが時折観察されることは、テンプレート化された細孔に結合する遊離ペプチド−DNAモノマーに対応し得る。図9bに示す電流トレースは、この可能性を反映し得る。完全に占有されているかどうかに関係なく、異なるテンプレート鎖からのペプチドモノマーも凝集して、より大きな構造を形成し得る。例えば、2つのテンプレート化された細孔が組み合わさって、より大きな細孔を形成し得る。テンプレート鎖と比較して大過剰のDNA修飾モノマーの使用、および精製による非結合モノマーの除去は、テンプレート化された細孔に結合する遊離ペプチド−DNAモノマーの可能性を潜在的に低減し得る。
図10において、アセンブリの精製の前後での、6−merテンプレートの存在下でChol−dsDNA−CtxAを添加したときの細孔形成活性を示す2つの代表的な実験を比較する。図10aに示す電流トレースは、精製せずに図6と同じ実験条件下で記録されている。図10aの挿入図に示すように、初期電流遷移は、五量体活性、およびそれに続くO3(5−mer)開放状態とO4(6−mer)開放状態との間のコンダクタンスの変動に相関しているようである。コンダクタンスの最初の増加はベースラインからO4コンダクタンス値までであったため、これらのイベントは、1つのモノマーが二重層の内外で変動する完全にテンプレート化された6−merテンプレートに起因すると考えられる。コンダクタンス値は後にΔG=1±0.1nSだけ増加し、これは別個の細孔の形成に起因し得るが、点線で示されているように、5−merと6−merとの間の変動が引き続き発生する。図10bは、同じコンストラクトの電流トレースの1秒の部分を示しているが、完全にアセンブルされた6−merテンプレートの精製後のものである。ここで、五量体のコンダクタンス値と六量体のコンダクタンス値との間に含まれる値を有する1つの主要なコンダクタンス状態が観察される。四量体活性も観察されたが、テンプレート化されたアセンブリの精製により、遊離モノマーがコンストラクトに結合する可能性が回避され、より明確な構造が得られる。ここで観察されたより小さなアセンブリは、膜透過コンフォメーションをとらないモノマーによって誘発される可能性が最も高い。
形成される細孔のサイズを所望のサイズに偏らせることに加えて、テンプレート鎖の存在はまた、テンプレートがない場合よりも低濃度での細孔形成の増加をもたらす。実験の50%近くで、8−merテンプレートを追加すると、多数の細孔が並列に組み込まれ、増幅器の電流制限(〜16nA)を超える場合がある。図11に、Chol−dsDNA−CtxA(0.1nM)を含む溶液中の8−merテンプレートの存在下での細孔形成活性の増加の例を示す。この電流トレースの開始時に、様々なレベルの通常のChol−dsDNA−CtxAコンダクタンス状態が観察され、続いて、二重層が無傷のままで、増幅器の制限を超えるコンダクタンスの急速な増加が観察される。テンプレート鎖がない場合、200倍高いペプチド濃度(20nM)でも、同様に広範な細孔形成活性が観察されることは稀である。この高い活性は、特にこれらの実験で使用された低ペプチド−DNA濃度(0.1nM)を考慮すると、細孔形成におけるテンプレートおよびコレステロール鎖の強力な増強を明確に示している。
DNAテンプレート化による定義されたサイズの細孔の形成。
抵抗パルスセンシングのためのサイズ調整可能な細孔のアセンブリには、個別の明確なDNAオブジェクトが必要である。いくつかの部分的に相補的な鎖を使用することにより、Henning−KnechtelらおよびSpruijtetalらの最近の2つの論文に示されているように、複雑さが制限された柔軟なコンストラクトのみが形成され得る。対照的に、DNA折り紙技術では、大きく、比較的剛性が高く、幾何学的に明確なテンプレートを、所望の形状および原子精度でアセンブルすることができる。簡単な設計、生成および精製のためのすぐに利用できるツールは、これらの高分子コンストラクトの開発を容易にする。約8000塩基および約200ステープルの1つの足場鎖からなる折り紙構造は、例えば親和性部分によって、細孔形成剤および他の官能基に多数の結合部位を提供し、膜または部分への結合を増強して、増強された検出のために標的分析物を捕捉することができる。同様の拡張核酸構造もまた、一本鎖タイルアセンブリまたはRNA折り紙等の他の方法を使用して得ることができる8,9。図12は、そのようなDNA折り紙テンプレート化CtxA細孔のTEM画像とともに3D表現を示す。図13は、平面脂質二重層を横切るその化合物の電流トレースを示す。この細孔は、20個のDNA結合部位を有する折り紙環によって形成された。結合した各DNAオリゴヌクレオチドは、PEGリンカーを介して結合した2つのCtxAモノマーを有し、最大40のテンプレート化されたCtxAペプチドをもたらす。細孔の挿入は、異なる数のペプチドモノマーの膜透過コンフォメーションの存在に起因し得るいくつかの別個のレベルで生じた。0.45±0.25nAの電流での第1のレベルは、5〜8つのCtxAモノマーの挿入に対応し、3.6±0.8nAの電流での第2のレベルが速やかに続く(約10ミリ秒後)。このレベルは、細孔を形成するためにアセンブルされた約16個のCtxAモノマーに対応し、より小さな電流(1.3±0.4nA)のレベルによって中断され、我々はこれを、いくつかのモノマーが細孔から飛び出し、約13個モノマーからなるより小さな細孔をもたらしたと解釈した。電流は上昇し続け、15秒後に約30個のモノマーに対応する13.8±0.6nAの最大値に達した。15秒後、細孔電流は減少し始め、最終的には細孔内の約19個のペプチドモノマーに対応する5.4±0.1nAの電流値で安定した。次いで、この細孔は1時間超安定し、電圧を80mVに下げることができ、膜に挿入された状態から細孔を失うことなく−100mVに戻すこともできた。この実験では、コンストラクトの親和性を高めるためにコレステロールアンカーを使用しなかったが、これは、コンストラクトが非常に低濃度ですでに活性化されていたためである。他の実験では、コレステロールアンカーがある場合およびない場合において、単一標識DNA−CtxAコンジュゲートからの大きな細孔の長寿命の形成が観察された。
ネイティブCtxAの最初の6つの開放状態のコンダクタンス値から、実験データへの多項式フィットで外挿された細孔内のモノマーの数を推定した。
C末端のCtxAの親水性修飾は、長寿命の開放状態をもたらす。
センシング等の用途では、脂質または高分子膜に長寿命で安定した細孔が必要である。より長持ちする細孔を形成するCtxA−DNAハイブリッドを設計するために、ペプチドのC末端部分に12個のチミン塩基からなるさらなる親水性セグメントを追加し、両端がDNA鎖に共有結合したCtxAを生成した。C末端セクションが膜透過型になると、このセグメントは膜透過型コンフォメーションでCtxAを捕捉し得ると仮説を立てた。この膜透過DNA配列により、膜のトランス側に付加された相補的な12アデニン塩基オリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションが可能になる。ハイブリダイゼーション後、この二本鎖セグメントは、膜のシス側に戻る可能性がさらに低く、潜在的に細孔をさらに安定化させる。この12アデニンベースのオリゴヌクレオチドをコレステロール部分で修飾すると、polyA配列が二重層に固定され、ペプチドのC末端部分の12個のチミン塩基へのハイブリダイゼーションの可能性が高まる。
図14aは、比較的直線的な挙動を示す膜に挿入された単一チャネルの電流−電圧曲線を示す。この挙動は、CtxA等の電位依存性ペプチドでは珍しく、通常、細孔形成はしきい値電圧を超えてのみ発生する。この結果は、ペプチドがT12を有する親水性C末端修飾により、その膜貫通コンフォメーションで安定化されるという仮定を裏付けている。図14b〜dは、DNA二重修飾CtxAモノマーによって形成された細孔の脂質膜への挿入(b)と、−20mVという低い電圧での二重層におけるその存在(c)を示す。我々は、親水性T12尾部が、ネイティブCtxA等の膜に末梢で関連付けられているコンフォメーションにペプチドが戻るのを妨げると仮説を立てた。図14c〜dが示すように、ナノ細孔は極性の反転後も脂質膜内で開放したままであり、コンダクタンス値を変更せずに少なくとも20分間開放したままであった(d)。対照的に、ネイティブCtxAまたはC末端のT12修飾のないDNAアセンブルCtxA細孔は、通常、寿命が数百ミリ秒の範囲で約3桁短い細孔をもたらした。
所望のサイズの長寿命細孔へのC末端T12修飾を有するCtxAペプチドのプログラムされたアセンブリを探求するために、我々は8−merテンプレート(図19a、b)を用いた実験を繰り返した。記録された電流は、使用した高電圧(+180mV、図19a)で7−merレベルと8−merレベルとの間の電流変動を示したが、電圧を+50mVに低減すると、この八量体細孔の安定性が向上した(図19b)。8−merテンプレート(N>10)が関与する実験の30%において、そのような長持ちする八量体が得られ、残りの実験では、予想よりも少ないモノマーを含む長持ちする細孔が観察された。時折、コンダクタンスの短時間の一時的変動も観察されたが、これも、1つまたはいくつかのペプチドモノマーがアセンブリから離脱する、およびそれに結合することに起因する。
つまり、これらの結果は、T12を有する親水性C末端修飾がそれらの膜透過型コンフォメーションにおいてペプチドを安定化したという仮説を裏付けている。さらに、テンプレート鎖を追加することで、細孔のサイズを定義することができた。したがって、CtxAペプチドの膜透過部分を修飾することにより、コンダクタンスレベル間で動的に変動する細孔形成ペプチドからの細孔の開放状態を延長するための戦略が提供される。
膜のトランス側に存在するT12尾部を利用して、我々は、1つはテンプレートに結合し、他方はCtxAのT12尾部に結合する2つのハイブリダイゼーション領域を有する別のオリゴヌクレオチド配列を設計した。最初に、8−merテンプレートおよびこれらの新たなオリゴヌクレオチド配列の8つ(図18dの下部を参照)で構成される構造を調製および精製したが、これはトランステンプレート構造と呼ばれる。DNA−CtxA−T12による細孔形成後、トランステンプレート構造はそのT12尾部を介してCtxAペプチドにハイブリダイズし(図18d)、細孔の安定性の向上をもたらした(図19c、d)。図19c、dの例に示される細孔は、4時間超の間膜内で開放状態を維持した。
CtxAペプチドの膜透過部分を修飾することにより、コンダクタンスレベル間の動的変動につながる細孔形成ペプチドからの長寿命細孔の形成経路が提供される。
長寿命で安定した細孔を得た後、分析物の混合物(PEG4000、PEG1500、PEG200、および硫酸デキストラン8000、それぞれ最終濃度461μM、922μM、69μM、および31μM)を膜の両側のコンパートメントに追加した。両端がDNAで修飾されたCtxAペプチドによって形成された八量体の細孔に分析物を添加した後の2つの異なる実験からの電流トレースを図20に示す。図20aは、開放した八量体の細孔に対応するベースラインからの電流の複数の減少を示す。図20bもまた、分子の移動に対応し得るいくつかの電流の減少を示す。電流は最初に複数のステップで増加したが、これは膜に複数の細孔が挿入されたためである。しかしながら、潜在的な移動は、最後の電流ステップの後にのみ現れ始め、これは分析物がこの細孔を通過することしかできないことを示唆する。別の仮説は、細孔が段階的に成長し、分子が細孔を通過し得るのに十分な大きさの細孔のときに移動が現れたというものである。
CtxA細孔を4−mer、6−mer、8−mer、または12−merのテンプレートでアセンブルすると、ネイティブCtxAよりも低濃度での癌細胞の複製が防止された。
CtxA細孔のDNAテンプレートは、標的細胞死滅の用途において細孔の毒性を高めるのに役立ち得る。生物学的には、抗菌ペプチドCtxAは、チチュウカイミバエにより、その卵を保護するために産生される10。細孔形成抗菌ペプチドの細胞毒性は孔径およびペプチド濃度と相関するため11、我々は、CtxAをテンプレート化するとネイティブCtxAよりも低濃度で病原体または癌細胞が死滅すると仮説を立てたが、これは、テンプレート化が、高い局所濃度および非テンプレート化CtxAより大きい細孔をもたらすためである11
テンプレート化DNAペプチドの細胞毒性活性を調査するために、対称としてのネイティブCtxAと比較して、4−mer、6−mer、8−merまたは12−merテンプレート化CtxAペプチドの添加後の上皮肺癌細胞株A549の増殖を監視した。細胞生存率の指標として、各ペプチド濃度の経時的なコンフルエンスの変化を決定した。図21は、細胞の生存率を低下させるために50〜100μMのネイティブCtxAが必要であったことを示している。CtxAのDNAテンプレート化細孔の場合、同じ細胞の複製を完全に停止するには、5μM未満の総CtxA濃度で十分であった。同様の毒性には、100μMのネイティブCtxAが必要であり、したがってテンプレート化CtxAペプチドと比較して20倍超高い濃度が必要であった。
結論
DNAナノテクノロジーを使用した36アミノ酸の細孔形成ペプチドCtxAに基づくモジュール式アセンブリプラットフォームが開示される。ペプチドを一本鎖DNAオリゴヌクレオチドに共有結合させることにより、ペプチド−DNAハイブリッドをコレステロール保持DNA鎖で簡単に機能化することもでき、ペプチドの膜への親和性および明確なコンダクタンス状態を形成する傾向が大幅に高まる。DNA修飾ペプチドモノマーに対して定義された数の結合部位を有するDNAテンプレート鎖を使用すると、事前に定義されたサイズの細孔が優先的に生じる。コンダクタンス値に基づいて約0.5〜3.9nmの範囲の推定内径を有する、四量体、六量体、八量体、および十二量体のアセンブリが示される。これらのテンプレート化アセンブリは、ネイティブCtxA等の短命の細孔を形成したが、CtxAペプチドの膜透過側に親水性DNAドメインを追加すると、ペプチドモノマーが膜貫通コンフォメーションで捕捉される。この修飾により、長寿命の細孔が得られ、これは1つの安定した一定のコンダクタンスレベルで30分もの間持続し得る。あるいは、剛性のDNA折り紙構造により、より多くのモノマー(この提示された試みでは最大40)をテンプレート化して、より大きな細孔を形成することができた。これらの折り紙細孔はまた、ネイティブCtxAよりも長時間安定しており、80分を超える開放細孔持続時間を達成した。
細孔形成ペプチドのDNA媒介アセンブリは、ナノ細孔センシングで従来使用されている細孔と比較して、以下のいくつかの明確な利点を提供する:(i)テンプレート構造を使用することによる単一モノマー増分での孔径のサブナノメートルの微調整、(ii)前庭部によって引き起こされる追加の抵抗のない、緩く開放したDNAベースフレーム、(iii)構造内の定義された位置を標的化する配列固有の直交ハイブリダイゼーション化学、(iv)3つの異なる種を使用した単純な設計、(v)受容体、抗体またはアプタマー等の特定の機能を追加するための新しい経路を開く可能性、および(vi)非テンプレート化CtxAペプチドと比較して20分の1未満の総ペプチド濃度で癌細胞を死滅させる可能性。この結果は、原則として、テンプレートを追加する前は死滅させるには低すぎるDNA−CtxAペプチド濃度を使用することにより、DNAテンプレートの追加を使用してin situで細孔形成を誘発することを可能にする。この研究の将来の拡張は、ssDNAタグ付きリガンド、抗体、またはアプタマーをコンストラクトにハイブリダイズさせることにより、特定の細胞型12、病原体、または分析物を標的化する可能性がある。
要約すると、単純な設計のCtxAモノマーのDNA操作により、センシング、薬物送達、および病原体細胞死滅の用途に役立つ可能性のある、一定の単一チャネルコンダクタンスを備えた、長持ちする明確な細孔を形成することができる。
方法
DNA修飾ペプチドの調製
これらの化合物は、DNAオリゴヌクレオチド(ssDNA−CtxA)を有するCtxA誘導体から商業的に合成されるか、各実験室で反応される。したがって、N末端にアジド基を含むCtxA(アジド−CtxA)は、クリックケミストリーを介して一晩反応し、所望の配列のジベンゾシクロオクチン(DBCO)を含むオリゴヌクレオチドになる。親水性尾部を有するCtxAは、C末端でアジド基(ssDNA−CtxA−アジド)、またはC末端でチオール基を有するアジド−CtxA(アジド−CtxA−チオール)で修飾されたssDNA−CtxAから形成される。次いで、ssDNA−CtxA−アジドおよびアジド−CtxA−チオールは、過剰な12T−DBCOまたは12T−マレイミドと反応してssDNA−CtxA−12Tを形成する。次いで、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用して、過剰な未反応種を除去する。テンプレート鎖を含む溶液にssDNA−CtxA−12Tモノマーを大過剰で添加し、HPLCを使用して完全なアセンブリを収集し、過剰なssDNA−CtxA−12Tモノマーを除去する。コンジュゲーションが成功したことを、HPLCペプチドマッピング、SECまたはSAXで確認した。化学物質は純水またはTEバッファーのいずれかに可溶化した。図15は、使用された様々な化合物に使用したリンカーの化学構造を示す。
脂質の調製/平面脂質二重層の形成
二重層の脂質組成は、7:3:1(w/w)比(PC/PE/PS)のPOPC、DOPEおよびPOPS、またはジフィタノイルホスファチジルコリン(DiPhyPC)の折り紙構造で構成されていた。得られた脂質混合物をペンタンに溶解した(総脂質濃度:10mg/mL)。緩衝電解質溶液は、30%グリセロール中の1M NaCl、10mM HEPES、pH7.4または3M CsCl、10mM HEPES、pH7.4で構成されていた。
1つの大きなコンパートメント(最大容量1.5mLを含む)および1つの小さなコンパートメント(最大容量200μLを含む)を備えたテフロンチャンバを設計した。テフロンフィルム(Eastern Scientific LLC、Rockville、MD)の開口部の両側に1μLの前処理溶液(ヘキサン中のヘキサデカン2.5%(v/v))を滴下することにより、開口部が50μmのテフロンフィルムを前処理した。次いで、高真空グリース(Dow Corning Corporation)を使用してテフロンフィルムをテフロンチャンバに取り付け、テフロンチャンバの2つのコンパートメントを分離した。コンパートメント間の唯一の接続は、MontalおよびMueller10によって説明された手法を使用して、実質的に無溶媒の平面脂質二重層を形成したテフロンフィルムの開口部であった。簡単に説明すると、両方のコンパートメントに電解質溶液を追加し(大きい方のコンパートメントでは1.2mL、小さい方のコンパートメントでは160μL)、緩衝電解質溶液の表面に1〜2μLの脂質溶液を広げた。溶媒が蒸発した後、脂質単分子層(ラングミュア膜)が空気−水界面に形成された。二重層が形成されたことを示すベースライン電流(−3pA<I<3pA)が測定されるまで、電解質溶液を上下させた。次いで、60±10pFの静電容量が測定されるまで、1つのコンパートメントで電解質溶液を上下させることによって膜を薄くした。静電容量を監視するために、三角波電圧を印加し、静電容量を増幅器で計算するか、または増幅器の手動静電容量補償を使用して視覚的に決定した。ペプチドを添加する前に、両方の極性で最大200mVの膜透過電圧を5分間印加することにより、二重層の安定性(リーク電流がないこと、予想されるノイズレベル)を確認した。EPC7(HEKA Instruments Inc.,Holliston、MA、USA)またはBC−535(Warner Instruments Hamden、CT、USA)の2つの異なる増幅器の1つを使用し、2つのAg/AgClペレット電極(Warner Instruments Hamden、CT、USA)を介して両方のコンパートメントを増幅器に接続した。テフロンチャンバをファラデーケージ内のBM4防振プラットフォーム(Minus K(登録商標)Technology,Inc.,Inglewood、CA、USA)に設置した。室温(22±1°C)ですべての実験を行い、様々なモデルセルですべての構成を試験して、増幅器および関数発生器の適切な機能を確認した。50kHzおよびローパス10kHzで電流をサンプリングした。OriginLab(OriginLab Corporation、Northampton、MA、USA)およびpClamp(Molecular Devices、Sunnyvale、CA、USA)ソフトウェアを使用してデータを分析しました。
柔軟なテンプレートの実験
ペプチド−DNAハイブリッドを使用して、2つの異なる手法で実験を行った:(i)すべての成分を順番に、すなわち最初にssDNA−CtxAを、次いでテンプレート鎖を次々に加えた、または(ii)ssDNA−CtxAをDNA LoBindチューブ(Eppendorf Tubes、Hamburg、Germany)内のスペーサー鎖(コレステロールありもしくはなし)と混合し、テンプレート鎖を室温で一晩反応させた(プレインキュベーション実験)。また、HPLC−SEC精製を使用した場合と使用しない場合のプレインキュベーション実験も行った。未精製のアセンブリの場合、化学量論的にDNA修飾ペプチドおよびスペーサー鎖を追加し、次いでn−merテンプレート(nは4、6、または8に等しい)をnモルのDNA修飾ペプチドに対して1モルの比率で追加した。アセンブリを精製する際、テンプレート鎖と比較して過剰なペプチド−DNAモノマーを追加し(1molのn−merテンプレートに対して少なくとも5nmolのペプチド)、HPLC−SEC精製(Agilent SEC3カラム、300mm、300nm細孔サイズ、4.6mm内径)を使用して過剰なモノマーを除去した。次いで、収集したアセンブリを後で使用するために+4°Cで保管し、実験の前にスペーサー鎖を過剰に追加した。コレステロール部分がスペーサー鎖に結合したら、コレステロール部分の凝集を回避するために、鎖を+60°Cで5分間加熱する。順次添加の実験では、ナノモル範囲の濃度で様々な成分を添加したが、プレインキュベーション実験では、すべての成分をマイクロモル濃度で添加し、後で試料を希釈してから緩衝電解質溶液に添加した。
折り紙構造アセンブリプロトコル
折り紙構造を折りたたむために、TEバッファーを含む20mMのMgCl溶液中で、50nMの足場を4倍モル過剰のステープル鎖と混合した。構造を90°Cに加熱し、18時間以内に57°Cから49°Cまでゆっくりと冷却した。続いて、他の場所で説明されているように11、PEG沈殿によって折り畳まれた構造から過剰なステープルを除去した。PEG精製では、バッファーを1M NaClを含むTEに変更した。
折り紙コンストラクトにCtxAを結合させるために、ペプチド−オリゴヌクレオチドコンジュゲートを5倍モル過剰で構造に添加し、室温で少なくとも1時間インキュベートした。最後に、HPLCサイズ排除クロマトグラフィー(Agilent SEC3カラム、300mm、300nm細孔サイズ、4.6mm内径)により、結合していないペプチドおよびペプチド−DNAコンジュゲートを除去した。
折り紙構造に結合する前に、コレステロールオリゴヌクレオチドを60℃で5分間加熱した。必要に応じて、最終濃度1μMのコレステロール鎖を、さらに精製することなく使用直前に折り紙コンストラクトに添加した。
細胞培養実験。
25mM HEPES、1%L−グルタミン、10%ウシ胎児血清を含むRPMI 1640培地中で肺上皮A549細胞を増殖させ、細胞培養物の細菌汚染を防止するために1%ペニシリン−ストレプトマイシンを添加した。96ウェルプレート(TPP、Trasadingen、Switzerland)に、ウェルあたり10’000個の細胞を、ウェルあたり50uLの総量で播種した。プレートを37℃および5%CO2に設定されたインキュベータ内に配置されたIncuCyte Zoom画像化システム(Essen Bioscience、Ann Arbor、MI、USA)内に設置し、コンフルエンスの経時変化を監視することにより細胞の増殖を監視した。テンプレート化CtxA−DNAアセンブリまたは対照としてのネイティブCtxAを追加する前に、細胞を播種し、接着および複製のために20時間放置した。次いで、2時間ごとに細胞のコンフルエンスを測定した。コンフルエンスの経時変化に対する様々なペプチドアセンブリの影響を推定するために、ペプチド添加後に観察されたコンフルエンスレベルを直線的にフィッティングした。
DNAおよびアミノ酸配列
図15は、化合物のリンカー化学をさらに示している。
CtxAのアミノ酸配列は、配列番号1に示されている。
柔軟なテンプレートとともに使用されるオリゴヌクレオチドのヌクレオチド配列と、配列番号2〜4に示されている。
配列は、設計ソフトウェアcadnanoから生成されるように5`から3`まで提供される。
ブロック成分ステープルの配列は、配列番号5〜148に示されている。未修飾の環ステープルの配列は、配列番号149〜165に示されている。コレステロール鎖配列およびCtxAペプチドに結合するために使用される鎖の配列は、配列番号166および167に示されている。ペプチド結合部位の配列は、配列番号168〜188に示されている。コレステロール結合部位の配列は、配列番号189〜196に示されている。足場配列は、配列番号197に示されている。
誤解を避けるために、本発明の組成物は、本明細書に開示される前記成分の様々な範囲を含む成分のすべての可能な組み合わせを包含する。さらに、「含む」という用語は、他の要素の存在を排除するものではないことが留意される。しかしながら、ある特定の成分を含む生成物または組成物の説明はまた、前記成分からなる生成物を開示することも理解されたい。同様に、ある特定のステップを含む方法の説明もまた、ステップからなる方法を開示することも理解されたい。
特許法に従って、最善の形態および好ましい実施形態が示されたが、本発明の範囲はそれらに限定されず、むしろ添付の特許請求の範囲により限定される。
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Claims (15)

  1. 第1の末端および第2の末端を有する細孔形成ペプチドまたはタンパク質を含む、ハイブリッド細孔形成化合物であって、第1のオリゴヌクレオチドが前記第1の末端に連結され、前記第1のオリゴヌクレオチドは、DNA、RNA、LNA、BNA、またはPNAに由来し、第1の機能部分が前記第2の末端に連結され、前記第1の機能部分は親水性である、ハイブリッド細孔形成化合物。
  2. 第2の機能部分が、前記ペプチドの前記第1の末端に結合した前記第1のオリゴヌクレオチドにハイブリダイズする第2のオリゴヌクレオチドに連結され、前記第2のオリゴヌクレオチドは、DNA、RNA、LNA、BNA、またはPNAに由来し、前記第2の機能部分は、疎水性膜結合剤、受容体、薬物分子、抗体、アプタマー、代謝産物、または蛍光マーカーである、請求項1に記載の化合物。
  3. 前記疎水性膜結合剤が存在し、コレステロール部分を含む、請求項2に記載の化合物。
  4. 前記ペプチドの前記第2の末端に結合した前記第1の機能部分が、第3のオリゴヌクレオチドまたはフルオロフォアであり、前記第3のオリゴヌクレオチドは、DNA、RNA、LNA、BNA、またはPNAに由来する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
  5. 複数の、好ましくは4、6、8、または12個の相補的ハイブリダイゼーション部位を有するテンプレート鎖が、前記第1の末端に連結された前記第1のオリゴヌクレオチドの一部にハイブリダイズする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
  6. 前記化合物がより大きな細孔を形成するように、複数の前記細孔形成ペプチドまたはタンパク質が、前記テンプレート鎖にハイブリダイズした第1の末端に連結された各第1のオリゴヌクレオチドとともに存在する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物。
  7. 前記化合物が四量体、六量体、八量体、または十二量体の細孔コンフォメーションを有するように、複数の前記細孔形成ペプチドまたはタンパク質が、前記テンプレート鎖にハイブリダイズした前記第1の末端に各第1のオリゴヌクレオチドが連結した状態で存在する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物。
  8. 前記細孔形成ペプチドが存在し、セラトトキシンA(CtxA)である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
  9. 前記第1の機能部分が前記第3のオリゴヌクレオチドであり、第2の膜結合剤が前記第3のオリゴヌクレオチドに結合して、前記化合物により形成された細孔の安定化を助ける、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物。
  10. 前記ペプチドまたはタンパク質が、前記第2の末端と比較して前記第1の末端で異なって機能化されている、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載のハイブリッド細孔形成化合物を形成するための方法であって、
    i)前記細孔形成ペプチドまたはタンパク質、
    ii)前記第1のオリゴヌクレオチド、および
    iii)前記第1の機能部分を得るステップと、
    i)、ii)、iii)の自己アセンブリにより前記細孔形成化合物を形成するステップと、を含む方法。
  12. 複数の相補的ハイブリダイゼーション部位を有する前記テンプレート鎖を、i)、ii)、iii)を含む過剰の前記細孔形成化合物と溶液中で反応させるステップと、
    過剰な未反応の細孔形成化合物を、好ましくは高圧液体クロマトグラフィーにより除去するステップと、をさらに含む、請求項11に記載の方法。
  13. 前記第1のオリゴヌクレオチドを前記第2のオリゴヌクレオチドにハイブリダイズするステップをさらに含み、前記第2のオリゴヌクレオチドは、前記第1のオリゴヌクレオチドと比較して過剰量で存在する、請求項12に記載の方法。
  14. 基板と、請求項1〜10のいずれか1項に記載の化合物とを含む膜であって、前記化合物は、前記基板の第1の側と前記基板の第2の側との間に細孔を提供する膜。
  15. 拡張された、好ましくは剛性の核酸ナノ構造が、複数の、好ましくは20または40の細孔形成剤を細孔にアセンブルするためのテンプレートとして機能し、前記核酸ナノ構造は、好ましくは、それに直接結合した前記第2の機能部分を含み、前記核酸ナノ構造は、好ましくは、DNA折り紙構造または一本鎖タイルアセンブリまたはRNA折り紙構造である、請求項1〜4のいずれ1項に記載の化合物。
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