以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照しながら説明する。
[画像形成装置]
図1は、本発明の実施の形態に係る画像読取装置200を備えた画像形成装置100の外観を示す概略斜視図である。図2は、図1に示す画像形成装置100を透視的に示す概略正面図である。また、図3は、図1に示す画像形成装置100における画像読取装置200部分を透視的に示す概略正面図である。なお、図1から図3において、符号Xは、主走査方向(奥行方向)を示しており、符号Yは、副走査方向(左右方向)を示しており、符号Zは、上下方向を示している。また、図2及び図3において、後述する、原稿読取ガラス213への異物の付着を判定するための構成については図示を省略している。
画像形成装置100は、画像読取装置200及び画像形成装置本体110(図1及び図2参照)を備えており、画像読取装置200により読み取った読取データ(画像データ)に基づいて画像形成装置本体110により用紙等の記録シートP(図2参照)に対して画像形成を行う。
本実施の形態に係る画像形成装置100は、モノクロ画像形成装置とされている。なお、画像形成装置100は、モノクロ画像形成装置としたが、例えば、フルカラー画像を形成できる中間転写方式のカラー複合機であってもよい。具体的には、トナー像がそれぞれ形成される複数の静電潜像担持体(具体的には感光体)を所定方向(例えば副走査方向Y)に並設した構成、所謂タンデム式のカラー画像形成装置であってもよい。また、画像形成装置100は、他のカラー画像形成装置であってもよい。
画像読取装置200は、原稿G(図2及び図3参照)の画像を読み取る画像読取部210と、原稿Gを搬送する原稿搬送部220(具体的には自動原稿送り装置)とを備え、原稿読取ガラス213(透明体の一例)を介して原稿搬送部220で搬送される原稿G(図2参照)の画像を画像読取部210で読み取るか、或いは、原稿載置台として作用する原稿載置ガラス212に載置された原稿Gの画像を画像読取部210で読み取り、読み取った原稿Gの画像を読取データ(画像データ)として出力する。
画像形成装置本体110は、図2に示すように、画像形成(印刷)を行う画像形成部101と記録シートPを搬送するシート搬送部102とを備えている。
画像形成部101は、感光体ドラム11、帯電器12、光走査装置13、現像装置14、転写装置15、除電装置16、ドラムクリーニング装置17及び定着装置18を備えている。
帯電器12は、感光体ドラム11の表面を所定の電位に均一に帯電させるようになっている。光走査装置13は、感光体ドラム11の均一に帯電された表面を露光して静電潜像を形成するようになっている。現像装置14は、感光体ドラム11の表面の静電潜像を現像して、感光体ドラム11の表面にトナー像を形成するようになっている。
転写装置15は、転写ローラ15aを備え、転写ローラ15aが感光体ドラム11との間に転写ニップ域を形成するようになっている。また、転写装置15は、シート搬送部102により搬送されてきた記録シートPを転写ニップ域に挟み込んで搬送し、転写ニップ域を通過する際に、感光体ドラム11の表面のトナー像を記録シートPに転写するようになっている。除電装置16は、感光体ドラム11の表面の残留電荷を除電するようになっている。ドラムクリーニング装置17は、感光体ドラム11の表面の残留トナーを除去及び回収するようになっている。
定着装置18は、加熱ローラ18a及び加圧ローラ18bを備え、加熱ローラ18a及び加圧ローラ18bの間に定着ニップ域を形成するようになっている。また、定着装置18は、トナー像が転写された記録シートPを定着ニップ域で挟み込んで加熱及び加圧し、トナー像を記録シートPに定着させるようになっている。
シート搬送部102は、シート供給部31(図1及び図2参照)、供給ローラ32〜32、搬送ローラ33〜33、レジストローラ34、シート搬送経路W1、排出ローラ35及びシート排出部36(図1及び図2参照)を備えている。
シート供給部31は、給紙トレイ31a,31a及び手差し給紙トレイ31bを備え、給紙トレイ31a,31a又は手差し給紙トレイ31bに積載された記録シートPが供給ローラ32〜32によってシート搬送経路W1に向けて引き出されるようになっている。
シート搬送経路W1には、レジストローラ34、搬送ローラ33〜33、感光体ドラム11、転写ローラ15a、加熱ローラ18a及び加圧ローラ18b、排出ローラ35が配設されている。
シート排出部36は、排出トレイ36a(図1及び図2参照)を備え、排出ローラ35によって外部に排出される記録シートPを排出トレイ36aに載置するようになっている。
また、シート搬送経路W1は、排出ローラ35にて逆方向に搬送される記録シートPを表裏が反転するようにレジストローラ34よりも上流側に案内する反転経路W1rを備えている。
以上説明した画像形成装置本体110では、給紙トレイ31a又は手差し給紙トレイ31bに積載された記録シートPは、供給ローラ32によって給紙トレイ31a又は手差し給紙トレイ31bからシート搬送経路W1に向けて引き出される。シート搬送経路W1に向けて引き出された記録シートPは、シート搬送経路W1を通じて搬送され、搬送ローラ33、レジストローラ34を経て、感光体ドラム11及び転写ローラ15aの間の転写ニップ域でトナー像が転写される。トナー像が転写された記録シートPは、加熱ローラ18a及び加圧ローラ18bの間の定着ニップ域でトナー像が定着され、排出ローラ35によって外部に排出されて排出トレイ36aに載置される。
また、画像形成装置本体110は、記録シートPの表面だけでなく、裏面に画像形成を行う場合は、記録シートPを排出ローラ35から反転経路W1rへ逆方向に搬送して、記録シートの表裏を反転させてレジストローラ34へ再度導き、記録シートPの表面と同様にして、記録シートPの裏面にトナー像を形成して定着させた後、排出トレイ36aへ排出する。
[画像読取装置]
画像読取装置200は、図2及び図3に示すように、原稿読取ガラス213と、原稿読取ガラス213を介して画像(具体的には原稿Gの画像)を読み取る第1走査体211(読取部の一例)とを備えている。
本実施の形態では、画像読取装置200は、原稿固定方式により原稿Gを固定して原稿Gの画像を読み取る一方、原稿移動方式により原稿Gを移動させて原稿Gの画像を読み取るように構成されている。
詳しくは、画像読取装置200は、原稿Gを原稿載置ガラス212上に載置した状態で第1走査体211を副走査方向Yにおける一方側Y1に移動させつつ原稿載置ガラス212上に載置された原稿Gの画像を主走査方向Xに走査して読み取る原稿固定読取構成と、第1走査体211を所定の読取位置Sに停止させた状態で原稿搬送部220にて原稿Gを搬送方向C(副走査方向)に搬送させつつ原稿読取ガラス213上に搬送された原稿Gの画像を主走査方向Xに走査して読み取る原稿移動読取構成とを備えている。
そして、画像読取装置200は、第1走査体211を原稿読取ガラス213の下方において読取位置Sに停止させた状態で原稿搬送部220により搬送されて原稿読取ガラス213上を通過する原稿Gの画像を読み取る原稿移動読取動作と、第1走査体211を原稿載置ガラス212の下面に沿って副走査方向Yの一方側Y1に移動させつつ原稿載置ガラス212上に載置された原稿Gの画像を読み取る原稿固定読取動作とを行う構成とされている。
画像読取部210は、上下方向Zにおいて画像形成装置本体110の上部に配設されている。画像読取部210は、第1走査体211、原稿載置ガラス212、原稿読取ガラス213、第2走査体214、集光レンズ215、イメージセンサ216及びこれらの構成部材を収容する枠体217を備えている。
第1走査体211は、原稿載置ガラス212及び原稿読取ガラス213の下方において、枠体217に対して副走査方向Yに沿って往復移動自在に設けられ、図示を省略した光学系駆動部により駆動されることにより副走査方向Yに往復移動するようになっている。第1走査体211は、原稿Gに光照射する光源211a(図3参照)と、原稿Gからの反射光Lr(図3参照)を第2走査体214へ導く第1ミラー211b(図3参照)とを有しており、光源ユニットを構成している。
原稿載置ガラス212は、透明な平板状の原稿載置板として作用するものであり、最大サイズの原稿Gのサイズよりも若干(所定サイズだけ)大きい矩形形状とされている。原稿載置ガラス212は、主走査方向Xにおける両端部が枠体217の上部開口(図示せず)の主走査方向Xにおける両縁部に載置されて保持されている。原稿載置ガラス212は、原稿Gの読み取り基準面となる画像読取面を有している。
原稿読取ガラス213は、透明な平板状の原稿読取板として作用するものであり、主走査方向Xに延びた矩形形状とされている。原稿読取ガラス213は、主走査方向Xにおける両端部が枠体217の上部開口の主走査方向Xにおける両縁部において副走査方向Yにおける原稿載置ガラス212の他方側Y2に載置されて保持されている。原稿読取ガラス213は、原稿Gの読み取り基準面となる画像読取面を有している。
第2走査体214は、第2ミラー214a(図3参照)、第3ミラー214b(図3参照)及び支持部材(図示せず)を有しており、ミラーユニットを構成している。第2走査体214における支持部材は、第1走査体211における第1ミラー211bからの光を反射して第3ミラー214bに導くように第2ミラー214aを支持している。また、第2走査体214における支持部材は、第2ミラー214aからの光を反射して集光レンズ215に導くように第3ミラー214bを支持している。
集光レンズ215は、第2走査体214における第3ミラー214bからの光をイメージセンサ216の受光面216a(図3参照)に集光するものである。
イメージセンサ216は、集光レンズ215からの光(原稿Gの画像光)を読取データ(画像データ)として電気信号に変換するものである。イメージセンサ216としては、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子を含むものを例示できる。
また、画像読取装置200における光学系駆動部は、第1走査体211を一定の速度で副走査方向Yにおける一方側Y1に移動させると共に、第2走査体214を第1走査体211の移動速度の1/2の移動速度で同じく副走査方向Yにおける一方側Y1に移動させるように構成されている。
原稿搬送部220は、画像読取部210の上面に配設されている。原稿搬送部220は、画像読取部210に対して主走査方向Xにおける一方側である背面側(操作側とは反対側)において副走査方向Yに沿った枢支軸回りに回動自在に設けられている。原稿搬送部220は、正面側(操作側)から開閉されることによって画像読取部210における原稿載置ガラス212が開閉されるようになっている。原稿搬送部220は、その下面が原稿載置ガラス212上に載置された原稿Gを上から押さえる原稿押さえ部材を兼ねている。
具体的には、原稿搬送部220は、原稿Gを自動で搬送するものであり、原稿載置トレイ221(図1から図3参照)、供給ローラ222、シート搬送経路W2(原稿搬送経路)、第1搬送ローラ223、レジストローラ224、第2搬送ローラ225、第3搬送ローラ226、排出ローラ227及び原稿排出トレイ228(図1から図3参照)を備えている。
原稿載置トレイ221は、1枚又は複数枚の原稿Gを載置するものであり、画像読取装置200の上部に配設されている。
供給ローラ222は、原稿載置トレイ221に載置された原稿Gを1枚ずつ引き出すものであり、ピックアップローラ222a(図3参照)と、サバキローラ222b(図3参照)と、分離ローラや分離パッド等の分離部材222c(この例では分離ローラ)(図3参照)とで構成されている。ピックアップローラ222aは、原稿載置トレイ221上に載置された原稿Gを原稿載置トレイ221から原稿Gの搬送方向Cに沿ってシート搬送経路W2内へ送り出すものである。サバキローラ222bは、搬送方向Cにおいてピックアップローラ222aよりも下流側に配設されている。サバキローラ222bは、ピックアップローラ222aにて送られてきた原稿Gを分離部材222cと共に挟持しつつさらに搬送方向Cの下流側へ搬送するものである。分離部材222cは、サバキローラ222bに対峙された状態でサバキローラ222bとの間に搬送される原稿Gが1枚になるように原稿Gを捌く(分離する)ようになっている。
シート搬送経路W2は、供給ローラ222にて引き出された原稿Gを、原稿読取ガラス213を経て排出側(原稿載置トレイ221の下方)へ導くものである。
第1搬送ローラ223、レジストローラ224、第2搬送ローラ225、第3搬送ローラ226及び排出ローラ227は、シート搬送経路W2上に設けられている。
第1搬送ローラ223は、供給ローラ222にて引き出された原稿Gをレジストローラ224に搬送する。
レジストローラ224は、シート搬送経路W2に搬送される原稿Gを一旦停止して所定の読取タイミングで原稿Gの搬送を再開する。レジストローラ224は、第1搬送ローラ223にて搬送されてきた原稿Gを原稿読取ガラス213上に搬送する。
第2搬送ローラ225は、原稿読取ガラス213から搬送されてきた原稿Gを第3搬送ローラ226に向けて搬送する。第3搬送ローラ226は、第2搬送ローラ225にて搬送されてきた原稿Gを排出ローラ227に向けて搬送する。
排出ローラ227は、第3搬送ローラ226から搬送されてきた原稿Gを原稿排出トレイ228に向けて排出する。原稿排出トレイ228は、原稿載置トレイ221の下方に配設されており、排出ローラ227にて排出された原稿Gを載置する。
この例では、画像読取装置200は、密着型イメージセンサ229a(図3参照)を有する裏面読取部229(サブ読取部の一例)をさらに備えており、原稿移動読取動作において、裏面読取部229における密着型イメージセンサ229aにより原稿Gのもう一方の面(裏面)の画像を読み取るようになっている。
密着型イメージセンサ229aは、原稿Gの搬送方向Cにおいてシート搬送経路W2上の第3搬送ローラ226よりも下流側、且つ、排出ローラ227よりも上流側に設けられている。密着型イメージセンサ229aは、いわゆるCIS(Contact Image Sensor)と称されるものであり、主走査方向Xに長尺な形状とされている。
また、画像読取装置200は、画像形成装置本体110の操作側の上部に操作部230(図1参照)が設けられている。操作部230には、表示装置231(図1参照)が設けられている。
かかる構成を備えた画像読取装置200では、原稿固定方式によって原稿Gの画像を読み取る場合、原稿載置ガラス212に載置された原稿Gに原稿載置ガラス212を介して第1走査体211における光源211aからの入射光Li(図3参照)を照射しながら第1走査体211を一定の速度で副走査方向Yにおける一方側Y1に移動させて原稿Gの画像を走査する。また、第2走査体214を第1走査体211の移動速度の1/2の移動速度で同じく副走査方向Yにおける一方側Y1に移動させる。このとき、原稿載置ガラス212を介して第1走査体211における光源211aからの光照射により原稿Gから反射した反射光Lrを受光する。これにより、原稿Gの画像が第1走査体211で読み取られる。詳しくは、第1走査体211における光源211aにて照明された原稿Gからの反射光Lr(読取光)は、第1走査体211に設けられた第1ミラー211bで反射した後、第2走査体214の第2ミラー214a及び第3ミラー214bによって光路変換され、集光レンズ215を介してイメージセンサ216の受光面216aに結像し、ここで原稿Gの画像光が読み取られて電気的な画像データに変換される。
一方、原稿移動方式によって原稿Gの画像を読み取る場合、第1走査体211を原稿読取ガラス213の読取位置Sに静止させたまま、原稿搬送部220によって原稿Gを原稿読取ガラス213の画像読取面上に原稿Gが通過するように副走査方向Yにおける一方側Y1に搬送する。詳しくは、原稿載置トレイ221に載置された原稿Gは、ピックアップローラ222aにてサバキローラ222bと分離部材222cとの間に搬送され、ここで原稿Gを捌いて分離すると共にサバキローラ222bが回転駆動されることによって1枚ずつ搬送される。そして、サバキローラ222bにて搬送される原稿Gは、シート搬送経路W2にて案内されて第1搬送ローラ223に向けて1枚ずつ供給され、第1搬送ローラ223によってレジストローラ224に向けて搬送される。レジストローラ224に搬送されてきた原稿Gは、レジストローラ224によって先端が揃えられて所定の読取タイミングで画像面が原稿読取ガラス213の画像読取面に密着するように搬送される。
また、原稿読取ガラス213の画像読取面上を通過する原稿Gの一方の面(表面)に原稿読取ガラス213を介して原稿読取ガラス213の下方において読取位置Sに停止した状態の第1走査体211から入射光Liを照射する。このとき、原稿読取ガラス213を介して第1走査体211における光源211aからの光照射により原稿Gから反射した反射光Lrを受光する。これにより、原稿Gの画像が第1走査体211で読み取られる。詳しくは、原稿Gの一方の面からの反射光Lr(読取光)は、前述の原稿固定方式と同様に第1ミラー211bで反射した後、第2ミラー214a及び第3ミラー214bによって光路変換され、集光レンズ215を介してイメージセンサ216の受光面216aに結像し、ここで原稿Gの一方の面の画像が読み取られて電気的な画像データに変換される。その後、原稿読取ガラス213を通過した原稿Gは、第2搬送ローラ225及び第3搬送ローラ226を経て排出ローラ227に搬送される。このとき、原稿Gのもう一方の面(裏面)の画像を読み取る場合には、裏面読取部229における密着型イメージセンサ229aが原稿Gのもう一方の面の画像を読み取る。そして、密着型イメージセンサ229aを通過した原稿Gは、排出ローラ227によって原稿排出トレイ228に向けて排出され、原稿排出トレイ228に載置される。
なお、図2及び図3において、符号201は、画像読取装置200における筐体を示しており、符号341は、筐体201の構成部材を示している。
[異物付着判定構成について]
(第1実施形態)
図4から図12は、第1実施形態に係る画像読取装置200の異物付着判定構成を説明するための説明図である。
図4は、第1実施形態に係る画像読取装置200の異物付着判定構成の一例であって、第1光反射率被読取部材300a及び第2光反射率被読取部材300bが設けられた単一の被読取構成部材300をローラ部材311とした例を模式的に示す概略正面図である。図5は、図4に示すローラ部材311において第1光反射率被読取部材300aの周方向における長さが第2光反射率被読取部材300bの周方向における長さよりも大きくなっている例を示す概略側面図である。図4(a)及び図5(a)は、ローラ部材311における第1光反射率被読取部材300aが原稿読取ガラス213における読取位置Sに対応する箇所Tに対向している状態を示しており、図4(b)及び図5(b)は、ローラ部材311における第2光反射率被読取部材300bが原稿読取ガラス213における読取位置Sに対応する箇所Tに対向している状態を示している。
図6は、図4に示すローラ部材311を回転駆動する第1駆動装置の一例により異物付着判定を行うシステム構成を示す概略構成図である。
図7は、第1実施形態に係る画像読取装置200の異物付着判定構成の他の例であって、第1光反射率被読取部材300a及び第2光反射率被読取部材300bが設けられた単一の被読取構成部材300をベルト部材312とした例を模式的に示す概略正面図である。図8は、図7に示すベルト部材312において第1光反射率被読取部材300aの周方向における長さが第2光反射率被読取部材300bの周方向における長さよりも大きくなっている例を示す概略側面図である。図7(a)及び図8(a)は、ベルト部材312における第1光反射率被読取部材300aが原稿読取ガラス213における読取位置Sに対応する箇所Tに対向している状態を示しており、図7(b)及び図8(b)は、ベルト部材312における第2光反射率被読取部材300bが原稿読取ガラス213における読取位置Sに対応する箇所Tに対向している状態を示している。
図9は、図7及び図8に示すベルト部材312を回転駆動する第2駆動装置の一例により異物付着判定を行うシステム構成を示す概略構成図である。
図10は、第1実施形態に係る画像読取装置200の異物付着判定構成のさらに他の例であって、第1光反射率被読取部材300a及び第2光反射率被読取部材300bが設けられた単一の被読取構成部材300をガイド部材321とした例を模式的に示す概略正面図である。図10(a)は、ガイド部材321における第1光反射率被読取部材300aが原稿読取ガラス213における読取位置Sに対応する箇所Tに対向している状態を示しており、図10(b)は、ガイド部材321における第2光反射率被読取部材300bが原稿読取ガラス213における読取位置Sに対応する箇所Tに対向している状態を示している。
また、図11及び図12は、それぞれ、図10に示すガイド部材321を往復移動駆動する第3駆動装置の一例及び他の例により異物付着判定を行うシステム構成を示す概略構成図である。
なお、図11及び図12において、第1光反射率被読取部材300aが原稿読取ガラス213における読取位置Sに対応する箇所Tに対向している状態を示している。
画像読取装置200は、画像形成装置100における図示を省略した主制御部の指示の下、画像読取装置200全体の制御を司る制御部250(図6、図9、図11、図12参照)をさらに備えている。
本実施の形態では、原稿読取ガラス213(図4、図5、図7、図8、図10から図12参照)の読取位置Sに対応する箇所T(図4、図5、図7、図8、図10から図12参照)に異物E(図4、図5、図7、図8、図10から図10参照)が付着しているか否かを判定する異物付着判定は、画像読取装置200における制御部250により行う。なお、かかる異物付着判定は、画像形成装置100における図示を省略した主制御部により行うようになっていてもよい。このことは、後述する第2実施形態及び第3実施形態についても同様である。
制御部250は、CPU(Central Processing Unit)等のマイクロコンピュータからなる処理部251(図6、図9、図11、図12参照)と、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性メモリ、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリを含む記憶部252(図6、図9、図11、図12参照)とを有している。制御部250は、処理部251が記憶部252のROMに予め格納された制御プログラムを記憶部252のRAM上にロードして実行することにより、各種構成要素の作動制御を行うようになっている。記憶部252のRAMは、それぞれ、処理部251に対して作業用のワークエリア及び画像データを格納する画像メモリとしての領域を提供する。
画像読取装置200は、第1光反射率被読取部材300a(図4から図12参照)と、第1光反射率被読取部材300aよりも光反射率が小さい第2光反射率被読取部材300b(図4から図12参照)とを備えている。この例では、画像読取装置200は、予め定めた所定の基準光反射率(例えば80%)以上の予め定めた所定の第1光反射率(例えば80%〜100%程度)を有する(例えば白色の)第1光反射率被読取部材300aと、第1光反射率よりも小さい予め定めた所定の第2光反射率(例えば0%〜10%程度)を有する(例えば黒色の)第2光反射率被読取部材300bとを備えている。ここで、第1光反射率被読取部材300aの白色の第1光反射率として、80%〜100%程度を例示でき、第2光反射率被読取部材300bの黒色の第2光反射率として、0%〜10%程度を例示できる。なお、第2光反射率被読取部材300bの第2光反射率は、10%よりも大きく、且つ、80%よりも小さい光反射率であってもよい。
そして、制御部250は、第1異物付着判定手段Q1(図6、図9、図11、図12参照)と、第2異物付着判定手段Q2(図6、図9、図11、図12参照)とを備える。
第1異物付着判定手段Q1は、原稿読取ガラス213を介して第1光反射率被読取部材300aからの反射光Lr(図4、図5、図7、図8、図10から図12参照)を第1走査体211にて読み取り、読み取った第1読取データDT1(図6、図9、図11、図12参照)に基づいて原稿読取ガラス213の読取位置Sに対応する箇所Tに異物Eが付着しているか否か(具体的には第1読取データDT1の値が所定の第1閾値よりも大きいのか以下なのか或いは第1閾値以上なのか下回るのか)を判定する。
第2異物付着判定手段Q2は、原稿読取ガラス213を介して第2光反射率被読取部材300bからの反射光Lrを第1走査体211にて読み取り、読み取った第2読取データDT2(図6、図9、図11、図12参照)に基づいて原稿読取ガラス213の読取位置Sに対応する箇所Tに異物Eが付着しているか否か(具体的には第2読取データDT2の値が所定の第2閾値よりも大きいのか以下なのか或いは第2閾値以上なのか下回るのか)を判定する。
[第1実施形態について]
第1実施形態によれば、第1異物付着判定手段Q1により、原稿読取ガラス213を介して光反射率が第2光反射率被読取部材300bの光反射率よりも大きい第1光反射率被読取部材300a〔この例では基準光反射率以上の第1光反射率(例えば白色又は略白色の80%〜100%程度の光反射率)を有する第1光反射率被読取部材300a〕からの反射光Lrを第1走査体211にて読み取り、読み取った第1読取データDT1に基づいて原稿読取ガラス213の読取位置Sに対応する箇所Tに異物Eが付着しているか否かを判定する。従って、原稿読取ガラス213の読取位置Sに対応する箇所Tに明度が所定明度以下又は所定明度よりも小さい第1異物Ea(例えば、ボールペン、マジックペン等の濃度が所定濃度以上の濃い色又は所定濃度よりも濃い色のインクや、黒色等の濃度が所定濃度以上の濃い色又は所定濃度よりも濃い色の紙粉等の黒色系の異物)が付着している場合には、第2光反射率被読取部材300bの光反射率よりも大きい光反射率〔第1光反射率(例えば白色又は略白色の80%〜100%程度の光反射率)〕の第1光反射率被読取部材300aからの反射光Lrの読取データの値と、第1異物Ea(黒色系の異物)からの反射光Lrの読取データの値との差異が大きいことから、第1異物Eaを異物であると判別し易い。従って、第1異物Ea(黒色系の異物)を確実に異物であると判定することができる。
一方、第2異物付着判定手段Q2により、原稿読取ガラス213を介して光反射率〔第2光反射率(例えば黒色又は略黒色の0%〜10%程度の光反射率)〕が第1光反射率被読取部材300aの光反射率(第1光反射率)より小さい第2光反射率被読取部材300bからの反射光Lrを第1走査体211にて読み取り、読み取った第2読取データDT2に基づいて原稿読取ガラス213の読取位置Sに対応する箇所Tに異物Eが付着しているか否かを判定する。従って、原稿読取ガラス213の読取位置Sに対応する箇所Tに明度が所定明度よりも大きい又は所定明度以上の第2異物Eb(例えば、付箋等の濃度が所定濃度よりも淡い色又は所定濃度以下の淡い色の糊や、白色等の濃度が所定濃度よりも淡い色又は所定濃度以下の淡い色の紙粉等の白色系の異物)が付着している場合には、第1光反射率被読取部材300aの光反射率よりも小さい光反射率〔第2光反射率(例えば黒色又は略黒色の0%〜10%程度の光反射率)〕の第2光反射率被読取部材300bからの反射光Lrの読取データの値と、第2異物Eb(白色系の異物)からの反射光Lrの読取データの値との差異が大きいことから、第2異物Ebを異物であると判別し易い。従って、第2異物Eb(白色系の異物)を確実に異物であると判定することができる。
そして、第1異物付着判定手段Q1にて原稿読取ガラス213の読取位置Sに対応する箇所Tに異物Eが付着しているか否かを判定し、第2異物付着判定手段Q2にて原稿読取ガラス213の読取位置Sに対応する箇所Tに異物Eが付着しているか否かを判定するので、原稿読取ガラス213の読取位置Sに対応する箇所Tに異物Eが付着しているか否かを判別するための制御構成を簡素化することができる。
かくして、簡単な制御構成でありながら、異物Eの明度に関わらず原稿読取ガラス213の読取位置Sに対応する箇所Tに異物Eが付着しているか否かを判定することができる。
なお、第1光反射率被読取部材300aとしては、代表的には、白色又は略白色の被読取部材を例示できる。また、第1光反射率被読取部材300aは、灰色等の無彩色の被読取部材や、黄色、緑色等の有彩色の被読取部材であってもよい。このことは、後述する第2実施形態及び第3実施形態についても同様である。
また、第2光反射率被読取部材300bとしては、第1光反射率被読取部材300aの光反射率(第1光反射率)よりも小さい光反射率(第2光反射率)を有する被読取部材であれば、何れのものであってもよく、例えば、黒色又は略黒色、灰色等の無彩色の被読取部材や、茶色、青色等の有彩色の被読取部材を例示できる。このことは、後述する第2実施形態についても同様である。
第1実施形態では、画像読取装置200は、第1光反射率被読取部材300a及び第2光反射率被読取部材300bが設けられた単一の被読取構成部材300〔具体的にはローラ部材311(図4から図6参照)、ベルト部材312(図7から図9参照)及びガイド部材321(図10から図12参照)〕をさらに備えている。
こうすることで、第1光反射率被読取部材300a及び第2光反射率被読取部材300bを設ける部材の数を最小限にすることができ、これにより、画像読取装置200の装置構成の簡素化を実現させることができる。
この例では、第1光反射率被読取部材300a及び第2光反射率被読取部材300bは、単一の被読取構成部材300の厚み方向の全体に亘って設けられている。但し、それに限定されるものではなく、単一の被読取構成部材300の厚み方向における少なくとも外表面に設けることができる。
ここで、単一の被読取構成部材300は、原稿読取ガラス213に対向するように配設された回転部材310である態様を例示できる。
第1光反射率被読取部材300aは、回転部材310の周方向における第1領域3111(図4、図5、図7、図8、図10参照)に設けられている。第2光反射率被読取部材300bは、回転部材310の周方向における第1領域3111以外の第2領域3112(図4、図5、図7、図8、図10参照)に設けられている。
回転部材310は、代表的には、ローラ部材311(第1実施形態−1)及びベルト部材312(第1実施形態−2)を例示できる。
(第1実施形態−1)
図4から図6に示す第1実施形態−1では、回転部材310は、ローラ部材311とされている。
第1領域3111(図4及び図5参照)は、ローラ部材311の周方向における一部に設けられている。第1光反射率被読取部材300aは、第1領域3111の少なくとも一部に(この例では全体的に)設けられている。第2領域3112(図4及び図5参照)は、ローラ部材311の周方向における第1領域3111以外の部分に設けられている。第2光反射率被読取部材300bは、第2領域3112の少なくとも一部に(この例では全体的に)設けられている。
ローラ部材311は、第1異物付着判定手段Q1において第1走査体211が原稿読取ガラス213を介してローラ部材311における第1光反射率被読取部材300aからの反射光Lrを読み取る第1回転位置R1〔図4(a)及び図5(a)参照〕と、第2異物付着判定手段Q2において第1走査体211が原稿読取ガラス213を介してローラ部材311における第2光反射率被読取部材300bからの反射光Lrを読み取る第2回転位置R2〔図4(b)及び図5(b)参照〕との間で選択的に回転可能とされている。
詳しくは、画像読取装置200は、ローラ部材311を回転駆動する第1駆動装置410(図6参照)をさらに備えている。
第1駆動装置410は、駆動部411(この例ではモータ)(図6参照)と、駆動部411からの回転駆動力をローラ部材311に伝達する駆動伝達機構412(図6参照)と、ローラ部材311の回転位置を検知する検知装置413(図6参照)とを備えている。
駆動部411は、回転軸411aがローラ部材311の回転軸311aと平行又は略平行に画像読取装置200の本体フレーム(図示せず)に回転自在に固定されている。この例では、駆動部411は、駆動パルス信号が入力されることで駆動するステッピングモータとされている。
駆動伝達機構412は、この例では、ギア列とされており、第1ギア412a及び第2ギア412bを備えている。第1ギア412aは、駆動部411の回転軸411aに固定されている。ローラ部材311は、主走査方向Xに沿って画像読取装置200の本体フレーム(図示せず)に回転自在に支持されている。第2ギア412bは、第1ギア412aと噛合し、且つ、ローラ部材311の回転軸311aに固定されている。
これにより、第1駆動装置410は、駆動部411からの一方向B1及び他方向B2の回転駆動力を第1ギア412a及び第2ギア412bを介してローラ部材311に伝達してローラ部材311を他方向B2及び一方向B1に回転させることができる。
検知装置413は、駆動部411により回転する何れかの部材(この例ではローラ部材311の回転軸311a)に設けられた被検知片413aと、被検知片413aを検知する検知部413b(この例では光透過型のフォトセンサ)とを備えている。
イメージセンサ216は、制御部250の入力系に電気的に接続されている。検知部413bは、制御部250の入力系に電気的に接続されている。駆動部411は、制御部250の出力系に電気的に接続されている。
制御部250は、検知部413bからの検知信号に基づいてローラ部材311の回転位置を制御する。
詳しくは、記憶部252には、検知部413bにより被検知片413aを検知したときの被検知片413aの基準検知位置(ホームポジション)を基準として、基準検知位置から第1回転位置R1までの周方向における第1距離(第1回転角度、この例では駆動部411への駆動パルス信号の第1パルス数)と、基準検知位置から第2回転位置R2までの周方向における第2距離(第2回転角度、この例では駆動部411への駆動パルス信号の第2パルス数)と、第1回転位置R1と第2回転位置R2との間の周方向における相対距離(相対回転角度、この例では駆動部411への駆動パルス信号の相対パルス数)とが予め記憶されている。
制御部250は、検知部413bにより被検知片413aを検知した基準検知位置(ホームポジション)からローラ部材311を第1回転位置R1に移動させる場合には、基準検知位置から記憶部252に記憶されている第1距離(この例では第1パルス数)だけ駆動部411を回転させる。これにより、制御部250は、ローラ部材311を基準検知位置から回転させて第1回転位置R1に位置させることができる。
一方、制御部250は、検知部413bにより被検知片413aを検知した基準検知位置(ホームポジション)からローラ部材311を第2回転位置R2に移動させる場合には、基準検知位置から記憶部252に記憶されている第2距離(この例では第2パルス数)だけ駆動部411を回転させる。これにより、制御部250は、ローラ部材311を基準検知位置から回転させて第2回転位置R2に位置させることができる。
また、操作部230における表示装置231は、制御部250の出力系に電気的に接続されている。
(第1実施形態−2)
図7から図9に示す第1実施形態−2では、回転部材310は、ベルト部材312とされている。
第1領域3121(図7及び図8参照)は、互いに間隔をおいて対向する一対のベルトローラ部材313,314に巻掛けられたベルト部材312の周方向における一部に設けられている。第1光反射率被読取部材300aは、第1領域3121の少なくとも一部に(この例では全体的に)設けられている。第2領域3122(図7及び図8参照)は、ベルト部材312の周方向における第1領域3121以外の部分に設けられている。第2光反射率被読取部材300bは、第2領域3122の少なくとも一部に(この例では全体的に)設けられている。
ベルト部材312は、第1異物付着判定手段Q1において第1走査体211が原稿読取ガラス213を介してベルト部材312における第1光反射率被読取部材300aからの反射光Lrを読み取る第1回転位置R1〔図7(a)及び図8(a)参照〕と、第2異物付着判定手段Q2において第1走査体211が原稿読取ガラス213を介してベルト部材312における第2光反射率被読取部材300bからの反射光Lrを読み取る第2回転位置R2〔図7(b)及び図8(b)参照〕との間で選択的に回転可能とされている。
詳しくは、画像読取装置200は、ベルト部材312が巻き掛けられる一対のベルトローラ部材313,314と、ベルト部材312を回転駆動する第2駆動装置420(図9参照)とをさらに備えている。
一対のベルトローラ部材313,314は、主走査方向Xに沿って画像読取装置200の本体フレーム(図示せず)に回転自在に支持されている。
第2駆動装置420は、駆動部421(この例ではモータ)(図9参照)と、駆動部421からの回転駆動力を一対のベルトローラ部材313,314のうち駆動側のベルトローラ部材313に伝達する駆動伝達機構422(図9参照)と、ベルト部材312の回転位置を検知する検知装置423(図9参照)とを備えている。
駆動部421は、回転軸421aが一対のベルトローラ部材313,314の回転軸313a,314aと平行又は略平行に画像読取装置200の本体フレーム(図示せず)に回転自在に固定されている。この例では、駆動部421は、駆動パルス信号が入力されることで駆動するステッピングモータとされている。
駆動伝達機構422は、この例では、ギア列とされており、第1ギア422a及び第2ギア422bを備えている。第1ギア422aは、駆動部421の回転軸421aに固定されている。一対のベルトローラ部材313,314は、画像読取装置200の本体フレーム(図示せず)に回転自在に支持されている。第2ギア422bは、第1ギア422aと噛合し、且つ、駆動側のベルトローラ部材313の回転軸313aに固定されている。
これにより、第2駆動装置420は、駆動部421からの一方向B1及び他方向B2の回転駆動力を第1ギア422a及び第2ギア422bを介して駆動側のベルトローラ部材313に伝達してベルトローラ部材313,314を他方向B2及び一方向B1に回転させることができる。
検知装置423は、駆動部421により回転する何れかの部材(この例では駆動側のベルトローラ部材313の回転軸313a)に設けられた被検知片423aと、被検知片423aを検知する検知部423b(この例では光透過型のフォトセンサ)とを備えている。
検知部423bは、制御部250の入力系に電気的に接続されている。駆動部421は、制御部250の出力系に電気的に接続されている。
制御部250は、検知部423bからの検知信号に基づいてベルト部材312の回転位置を制御する。
詳しくは、記憶部252には、検知部423bにより被検知片423aを検知したときの被検知片423aの基準検知位置(ホームポジション)を基準として、基準検知位置から第1回転位置R1までの周方向における第1距離(第1回転角度、この例では駆動部421への駆動パルス信号の第1パルス数)と、基準検知位置から第2回転位置R2までの周方向における第2距離(第2回転角度、この例では駆動部421への駆動パルス信号の第2パルス数)と、第1回転位置R1と第2回転位置R2との間の周方向における相対距離(相対回転角度、この例では駆動部421への駆動パルス信号の相対パルス数)とが予め記憶されている。
制御部250は、検知部423bにより被検知片423aを検知した基準検知位置(ホームポジション)からベルト部材312を第1回転位置R1に移動させる場合には、基準検知位置から記憶部252に記憶されている第1距離(この例では第1パルス数)だけ駆動部421を回転させる。これにより、制御部250は、ベルト部材312を基準検知位置から回転させて第1回転位置R1に位置させることができる。
一方、制御部250は、検知部423bにより被検知片423aを検知した基準検知位置(ホームポジション)からベルト部材312を第2回転位置R2に移動させる場合には、基準検知位置から記憶部252に記憶されている第2距離(この例では第2パルス数)だけ駆動部421を回転させる。これにより、制御部250は、ベルト部材312を基準検知位置から回転させて第2回転位置R2に位置させることができる。
(第1実施形態−1及び第1実施形態−2)
第1実施形態−1及び第1実施形態−2では、原稿読取ガラス213を介して第1光反射率被読取部材300aからの反射光Lrを第1走査体211にて読み取る構成と、原稿読取ガラス213を介して第2光反射率被読取部材300bからの反射光Lrを第1走査体211にて読み取る構成とを回転部材310(この例ではローラ部材311、ベルト部材312)を回転させるといった簡単な構成で実現させることができる。
第1実施形態−1及び第1実施形態−2では、制御部250は、回転部材310(この例ではローラ部材311、ベルト部材312)を第1回転位置R1と第2回転位置R2との間で移動させる場合には、次のように駆動部411,421を回転させる。すなわち、制御部250は、回転部材310(この例ではローラ部材311、ベルト部材312)が第1回転位置R1に位置しているときには第1回転位置R1から第2回転位置R2に位置するように記憶部252に記憶されている相対距離(この例では相対パルス数)だけ駆動部411,421を所定の方向に回転させる。一方、制御部250は、回転部材310(この例ではローラ部材311、ベルト部材312)が第2回転位置R2に位置しているときには第2回転位置R2から第1回転位置R1に位置するように記憶部252に記憶されている相対距離(この例では相対パルス数)だけ駆動部411,421を所定の方向とは逆方向に回転させる。ここで、第1回転位置R1と第2回転位置R2とが互いに180度離れた位置に位置している場合には、制御部250は、第1異物付着判定手段Q1と第2異物付着判定手段Q2との間で実行を切り替えるときに、駆動部411,421により回転部材310(この例ではローラ部材311、ベルト部材312)を第1回転位置R1と第2回転位置R2との間でどちらに回転させるようになっていてもよい。
ところで、第1回転位置R1と第2回転位置R2とは互いに180度離れた位置に設けられていると、第1異物付着判定手段Q1と第2異物付着判定手段Q2との間で実行を切り替えるときに、回転部材310(この例ではローラ部材311、ベルト部材312)を180度回転させる必要があり、そうすると、第1異物付着判定手段Q1と第2異物付着判定手段Q2との間での実行の切り替えに時間を要する。
これに対し、第1実施形態−1及び第1実施形態−2において、第1回転位置R1と第2回転位置R2とは互いに180度離れた位置以外の位置に設けられている場合には(図5及び図8参照)、制御部250は、第1異物付着判定手段Q1と第2異物付着判定手段Q2との間で実行を切り替えるときに、駆動部411,421により回転部材310(この例ではローラ部材311、ベルト部材312)を第1回転位置R1と第2回転位置R2との間の周方向における距離が近い方に回転させるようになっている。
こうすることで、第1異物付着判定手段Q1と第2異物付着判定手段Q2との間で実行を切り替えるときに、回転部材310(この例ではローラ部材311、ベルト部材312)を180度より小さい角度で回転させることができ、それだけ、第1異物付着判定手段Q1と第2異物付着判定手段Q2との間での実行の切り替え時間を短縮させることができる。
ところで、第2光反射率被読取部材300bは、光反射率が第1光反射率被読取部材300aの光反射率よりも小さいので(第1光反射率被読取部材300aの第1光反射率よりも小さい第2光反射率を有しているので)、汚れ等による光反射率への影響は無い又は少ない。これに対し、第1光反射率被読取部材300aは、第2光反射率被読取部材300bの光反射率よりも大きい光反射率(この例では基準光反射率以上の第1光反射率)を有しているので、汚れ等により光反射率が部分的に低下し易く、異物E(具体的にはEa)の判定精度が悪化する。また、例えば、第1光反射率被読取部材300aを用いてシェーディング補正を行う場合、シェーディング補正の補正精度が悪化する。
この点、第1実施形態−1及び第1実施形態−2では、第1光反射率被読取部材300aの周方向における長さが第2光反射率被読取部材300bの周方向における長さよりも大きくなっている(図5及び図8参照)。
こうすることで、周方向における長さが第2光反射率被読取部材300bの周方向における長さよりも大きくなっている第1光反射率被読取部材300aにおいて汚れ等により光反射率が低下していない部分を設定変更可能な第1回転位置R1(設定位置)として広範囲に位置させることができ、これにより、第1光反射率被読取部材300aの汚れ等により光反射率が低下していない部分を広く利用することができる。従って、異物E(具体的にはEa)の判定精度を長期に亘って維持することができる。また、例えば、第1光反射率被読取部材300aを用いてシェーディング補正を行う場合、シェーディング補正の補正精度を長期に亘って維持することができる。
ここで、シェーディング補正とは、光源211aからの入射光Liの光量ムラや、イメージセンサ216における各受光素子間の感度ムラ(受光感度のムラ)を無くす又は略無くすための補正であり、例えば、白色又は略白色の被読取部材(具体的にはシェーディング補正板)に光源211aから光を照射して得られた基準読取データに基づいて、各受光素子からの画素の出力値が均一又は略均一な値となるように予め各画素の出力値を調整しておく補正を挙げることができる。
ところで、第2光反射率被読取部材300bは、光反射率が第1光反射率被読取部材300aの光反射率よりも小さいので(第1光反射率被読取部材300aの第1光反射率よりも小さい第2光反射率を有しているので)、回転部材310(この例ではローラ部材311、ベルト部材312)が第2回転位置R2に位置していると、第1走査体211にて画像(具体的には原稿Gの画像)を読み取るときに、第2光反射率被読取部材300bが裏写りし易い。このことは、特に比較的薄い原稿Gの画像を読み取る際に顕著となる。
この点、第1実施形態−1及び第1実施形態−2では、制御部250は、原稿読取ガラス213を介して第1走査体211にて画像(具体的には原稿Gの画像)を読み取る前に、回転部材310(この例ではローラ部材311、ベルト部材312)を第1回転位置R1に位置させておく。
こうすることで、第1光反射率被読取部材300aは、第2光反射率被読取部材300bの光反射率よりも大きい光反射率(この例では基準光反射率以上の第1光反射率)を有しているので、第1走査体211にて画像(具体的には原稿Gの画像)を読み取るときに、第1光反射率被読取部材300aが裏写りし難い又はしない。このことは、特に比較的薄い原稿Gの画像を読み取る際に有効となる。
単一の被読取構成部材300は、前記したような回転部材310の他、原稿読取ガラス213の画像読取面に沿って延びた長尺部材320(図10から図12参照)であってもよい。長尺部材320は、代表的には、ガイド部材321(第1実施形態−3)(具体的には原稿ガイド部材)を例示できる。
(第1実施形態−3)
図10から図12に示す第1実施形態−3では、長尺部材320は、ガイド部材321とされている。
ガイド部材321は、原稿読取ガラス213に対向するように配設されている。この例では、ガイド部材321は、原稿読取ガラス213との間に原稿Gの搬送経路を形成する。すなわち、ガイド部材321は、搬送方向Cに搬送される原稿Gをガイドする原稿ガイド板を構成している。
第1光反射率被読取部材300aは、ガイド部材321の長手方向(具体的には往復移動方向)における一方側の第1領域3211(図10参照)に〔詳しくは第1領域3211の少なくとも一部に(この例では全体的に)〕設けられている。第2光反射率被読取部材300bは、ガイド部材321の長手方向(具体的には往復移動方向)における他方側の第2領域3212(図10参照)に〔詳しくは第2領域3212の少なくとも一部に(この例では全体的に)〕設けられている。
ガイド部材321と第1走査体211及び原稿読取ガラス213の双方とのうち何れか一方(この例ではガイド部材321)は、第1異物付着判定手段Q1において第1走査体211が原稿読取ガラス213を介してガイド部材321における第1光反射率被読取部材300aからの反射光Lrを読み取る第1移動位置M1〔図10(a)参照〕と、第2異物付着判定手段Q2において第1走査体211が原稿読取ガラス213を介してガイド部材321における第2光反射率被読取部材300bからの反射光Lrを読み取る第2移動位置M2〔図10(b)参照〕との間で選択的に往復移動可能とされている。
こうすることで、原稿読取ガラス213を介して第1光反射率被読取部材300aからの反射光Lrを第1走査体211にて読み取る構成と、原稿読取ガラス213を介して第2光反射率被読取部材300bからの反射光Lrを第1走査体211にて読み取る構成とを長尺部材320(この例ではガイド部材321)を往復移動させるといった簡単な構成で実現させることができる。
詳しくは、画像読取装置200は、それぞれ、ガイド部材321を往復移動駆動する第3駆動装置430(図11参照)及び第3駆動装置440(図12参照)をさらに備えている。
ガイド部材321は、副走査方向Yに沿って画像読取装置200の本体フレーム(図示せず)に往復移動自在に支持されている。
−第3駆動装置の一例−
図11に示す第3駆動装置430は、駆動部431(この例ではモータ)と、駆動部431からの回転駆動力をガイド部材321に伝達する駆動伝達機構432と、ガイド部材321の移動位置を検知する検知装置433とを備えている。
駆動部431は、回転軸431aが主走査方向Xと平行又は略平行に画像読取装置200の本体フレーム(図示せず)に回転自在に固定されている。この例では、駆動部431は、駆動パルス信号が入力されることで駆動するステッピングモータとされている。
駆動伝達機構432は、この例では、回転運動を直線運動に変換するものであり、ピニオンギア432a及びラックギア432bを備えている。ピニオンギア432aは、駆動部431の回転軸431aに固定されている。ラックギア432bは、ピニオンギア432aと噛合し、且つ、画像読取装置200の本体フレーム(図示せず)に対して主走査方向Xに往復移動自在に配設されている。また、ラックギア432bは、ガイド部材321を支持部材432cによって支持している。
これにより、第3駆動装置430は、駆動部431からの一方向B1及び他方向B2の回転駆動力をピニオンギア432a及びラックギア432bを介してガイド部材321に伝達してガイド部材321を副走査方向Yにおける一方側Y1及び他方側Y2に往復移動させることができる。
検知装置433は、駆動部431により回転する何れかの部材(この例では駆動部431の回転軸431a)に設けられた被検知片433aと、被検知片433aを検知する検知部433b(この例では光透過型のフォトセンサ)とを備えている。
検知部433bは、制御部250の入力系に電気的に接続されている。駆動部431は、制御部250の出力系に電気的に接続されている。
制御部250は、検知部433bからの検知信号に基づいてガイド部材321の移動位置を制御する。
詳しくは、記憶部252には、検知部433bにより被検知片433aを検知したときの被検知片433aの基準検知位置(ホームポジション)を基準として、基準検知位置から第1移動位置M1までの第1距離(この例では駆動部431への駆動パルス信号の第1パルス数)と、基準検知位置から第2移動位置M2までの第2距離(この例では駆動部431への駆動パルス信号の第2パルス数)と、第1移動位置M1と第2移動位置M2との間の相対距離(この例では駆動部431への駆動パルス信号の相対パルス数)とが予め記憶されている。
制御部250は、検知部433bにより被検知片433aを検知した基準検知位置(ホームポジション)からガイド部材321を第1移動位置M1に位置させる場合には、基準検知位置から記憶部252に記憶されている第1距離(この例では第1パルス数)だけ駆動部431を回転させる。これにより、制御部250は、ガイド部材321を基準検知位置から移動させて第1移動位置M1に位置させることができる。
一方、制御部250は、検知部433bにより被検知片433aを検知した基準検知位置(ホームポジション)からガイド部材321を第2移動位置M2に位置させる場合には、基準検知位置から記憶部252に記憶されている第2距離(この例では第2パルス数)だけ駆動部431を回転させる。これにより、制御部250は、ガイド部材321を基準検知位置から移動させて第2移動位置M2に位置させることができる。
第1実施形態−3では、制御部250は、ガイド部材321を第1移動位置M1と第2移動位置M2との間で移動させる場合には、次のように駆動部431を回転させる。すなわち、制御部250は、ガイド部材321が第1移動位置M1に位置しているときには第1移動位置M1から第2移動位置M2に位置するように記憶部252に記憶されている相対距離(この例では相対パルス数)だけ駆動部431を所定の方向に回転させる。一方、制御部250は、ガイド部材321が第2移動位置M2に位置しているときには第2移動位置M2から第1移動位置M1に位置するように記憶部252に記憶されている相対距離(この例では相対パルス数)だけ駆動部431を所定の方向とは逆方向に回転させる。
−第3駆動装置の他の例−
図12に示す第3駆動装置440は、駆動部441(この例ではプランジャー型ソレノイド装置)と、駆動部441とガイド部材321とを連結する連結部材442と、ガイド部材321を付勢する付勢部材443とを備えている。
駆動部441は、ガイド部材321の副走査方向Yにおける一方側Y1又は他方側Y2(この例では一方側Y1)において画像読取装置200の本体フレーム(図示せず)に固定されている。駆動部441は、副走査方向Yにおける一方側Y1又は他方側Y2に往復移動する可動部441a(この例ではプランジャー)及び可動部441aを副走査方向Yにおける一方側Y1又は他方側Y2(この例では一方側Y1)に駆動する駆動部本体441b(この例ではソレノイド装置本体)を有している。
連結部材442は、一端部442aがガイド部材321(この例では副走査方向Yにおける一方側Y1の端部321a)に接続され、且つ、他端部442bが駆動部441における可動部441aに接続されている。
付勢部材443は、ガイド部材321が副走査方向Yにおける一方側Y1及び他方側Y2のうち駆動部441により移動する側とは反対側に付勢するものである。この例では、付勢部材443は、コイルバネとされており、一端部443aがガイド部材321(この例では副走査方向Yにおける他方側Y2の端部321b)に接続され、且つ、他端部443bが画像読取装置200の本体フレームFLに固定されている。
これにより、第3駆動装置440は、駆動部441の駆動状態及び非駆動状態によりガイド部材321を副走査方向Yにおける一方側Y1及び他方側Y2に往復移動させることができる。
駆動部441は、制御部250の出力系に電気的に接続されている。
制御部250は、駆動部441への駆動動作によりガイド部材321の移動位置を制御する。
詳しくは、制御部250は、ガイド部材321を第1移動位置M1に位置させる場合には、駆動部441を駆動する。これにより、制御部250は、ガイド部材321を付勢部材443の副走査方向Yにおける他方側Y2への付勢力に抗して副走査方向Yにおける一方側Y1への第1移動位置M1に位置させることができる。
一方、制御部250は、ガイド部材321を第2移動位置M2に位置させる場合には、駆動部441に対する駆動を解除する。これにより、制御部250は、ガイド部材321を付勢部材443の副走査方向Yにおける他方側Y2への付勢力により副走査方向Yにおける他方側Y2への第2移動位置M2に位置させることができる。
なお、第3駆動装置440において、第1移動位置M1と第2移動位置M2とが入れ替わるように構成されていてもよい。
ところで、第2光反射率被読取部材300bは、光反射率が第1光反射率被読取部材300aの光反射率よりも小さいので(第1光反射率被読取部材300aの第1光反射率よりも小さい第2光反射率を有しているので)、長尺部材320(この例ではガイド部材321)と第1走査体211及び原稿読取ガラス213の双方とのうち何れか一方(この例ではガイド部材321)が第2移動位置M2に位置していると、第1走査体211にて画像(具体的には原稿Gの画像)を読み取るときに、第2光反射率被読取部材300bが裏写りし易い。このことは、特に比較的薄い原稿Gの画像を読み取る際に顕著となる。
この点、第1実施形態−3において、制御部250は、原稿読取ガラス213を介して第1走査体211にて画像(具体的には原稿Gの画像)を読み取る前に、ガイド部材321と第1走査体211及び原稿読取ガラス213の双方とのうち何れか一方(この例ではガイド部材321)を第1移動位置M1に位置させておく。
こうすることで、第1光反射率被読取部材300aは、第2光反射率被読取部材300bの光反射率よりも大きい光反射率(この例では基準光反射率以上の第1光反射率)を有しているので、第1走査体211にて画像(具体的には原稿Gの画像)を読み取るときに、第1光反射率被読取部材300aが裏写りし難い又はしない。このことは、特に比較的薄い原稿Gの画像を読み取る際に有効となる。
−第1走査体及び原稿読取ガラスの双方を移動させる場合−
なお、第1走査体211及び原稿読取ガラス213の双方を第1移動位置M1と第2移動位置M2との間で選択的に往復移動させる場合には、第3駆動装置430,440において、ガイド部材321に代えて原稿読取ガラス213を往復移動させるようにすることができる。そして、かかる構成において、第1走査体211及び原稿読取ガラス213の双方を移動させるにあたり、第1走査体211及び原稿読取ガラス213を第1走査体211と原稿読取ガラス213との相対位置関係を維持した状態で移動させるようにすることができる。
(第2実施形態)
前述した第1実施形態に係る画像読取装置200では、被読取構成部材を単一の被読取構成部材300とした例を示したが、第2実施形態に係る画像読取装置200では、被読取構成部材を2つの被読取構成部材(第1被読取構成部材330及び第2被読取構成部材340)とした例を示している。なお、第2実施形態に係る画像読取装置200において、第1実施形態に係る画像読取装置200と実質的に同じ構成部材には同一符号を付し、その説明を省略する。
図13及び図14は、第2実施形態に係る画像読取装置200の異物付着判定構成を説明するための説明図である。
図13は、第2実施形態に係る画像読取装置200の異物付着判定構成の一例であって、第1光反射率被読取部材300aが設けられた第1被読取構成部材330をガイド部材331とし、第2光反射率被読取部材300bが設けられた第2被読取構成部材340を画像読取装置200における筐体201の構成部材341とした例を模式的に示す概略正面図である。図13(a)は、原稿読取ガラス213における読取位置Sに対応する箇所Tがガイド部材331における第1光反射率被読取部材300aに対向している状態を示しており、図13(b)は、原稿読取ガラス213における読取位置Sに対応する箇所Tが筐体201の構成部材341における第2光反射率被読取部材300bに対向している状態を示している。
図14は、図13に示す原稿読取ガラス213を往復移動駆動する第4駆動装置の一例により異物付着判定を行うシステム構成を示す概略構成図である。
なお、図14において、原稿読取ガラス213における読取位置Sに対応する箇所Tが第1光反射率被読取部材300aに対向している状態を示している。
第2実施形態では、制御部250は、第1異物付着判定手段Q1(図14参照)と、第2異物付着判定手段Q2(図14参照)とを備える。
第1異物付着判定手段Q1は、原稿読取ガラス213を介して第1光反射率被読取部材300aからの反射光Lrを第1走査体211にて読み取り、読み取った第1読取データDT1に基づいて原稿読取ガラス213の読取位置Sに対応する箇所Tに異物Eが付着しているか否か(具体的には第1読取データDT1の値が所定の第1閾値よりも大きいのか以下なのか或いは第1閾値以上なのか下回るのか)を判定する(図13(a)参照)。
第2異物付着判定手段Q2は、原稿読取ガラス213を介して第2光反射率被読取部材300bからの反射光Lrを裏面読取部229にて読み取り、読み取った第2読取データDT2に基づいて原稿読取ガラス213の読取位置に対応する箇所Tに異物Eが付着しているか否か(具体的には第2読取データDT2の値が所定の第2閾値よりも大きいのか以下なのか或いは第2閾値以上なのか下回るのか)を判定する(図13(b)参照)。
[第2実施形態について]
第2実施形態によれば、第1異物付着判定手段Q1により、原稿読取ガラス213を介して光反射率が第2光反射率被読取部材300bの光反射率よりも大きい第1光反射率被読取部材300a〔この例では基準光反射率以上の第1光反射率(例えば白色又は略白色の80%〜100%程度の光反射率)を有する第1光反射率被読取部材300a〕からの反射光Lrを第1走査体211にて読み取り、読み取った第1読取データDT1に基づいて原稿読取ガラス213の読取位置Sに対応する箇所Tに異物Eが付着しているか否かを判定する。従って、原稿読取ガラス213の読取位置Sに対応する箇所Tに明度が所定明度以下又は所定明度よりも小さい第1異物Ea(黒色系の異物)が付着している場合には、第2光反射率被読取部材300bの光反射率よりも大きい光反射率〔第1光反射率(例えば白色又は略白色の80%〜100%程度の光反射率)〕の第1光反射率被読取部材300aからの反射光Lrの読取データの値と、第1異物Ea(黒色系の異物)からの反射光Lrの読取データの値との差異が大きいことから、第1異物Eaを異物であると判別し易い。従って、第1異物Ea(黒色系の異物)を確実に異物であると判定することができる。
一方、第2異物付着判定手段Q2により、原稿読取ガラス213を介して光反射率〔第2光反射率(例えば黒色又は略黒色の0%〜10%程度の光反射率)〕が第1光反射率被読取部材300aの光反射率(第1光反射率)より小さい第2光反射率被読取部材300bからの反射光Lrを裏面読取部229にて読み取り、読み取った第2読取データDT2に基づいて原稿読取ガラス213の読取位置Sに対応する箇所Tに異物Eが付着しているか否かを判定する。従って、原稿読取ガラス213の読取位置Sに対応する箇所Tに明度が所定明度よりも大きい又は所定明度以上の第2異物Eb(白色系の異物)が付着している場合には、第1光反射率被読取部材300aの光反射率よりも小さい光反射率〔第2光反射率(例えば黒色又は略黒色の0%〜10%程度の光反射率)〕の第2光反射率被読取部材300bからの反射光Lrの読取データの値と、第2異物Eb(白色系の異物)からの反射光Lrの読取データの値との差異が大きいことから、第2異物Ebを異物であると判別し易い。従って、第2異物Eb(白色系の異物)を確実に異物であると判定することができる。
そして、第1異物付着判定手段Q1にて原稿読取ガラス213の読取位置Sに対応する箇所Tに異物Eが付着しているか否かを判定し、第2異物付着判定手段Q2にて原稿読取ガラス213の読取位置Sに対応する箇所Tに異物Eが付着しているか否かを判定するので、原稿読取ガラス213の読取位置Sに対応する箇所Tに異物Eが付着しているか否かを判別するための制御構成を簡素化することができる。
かくして、簡単な制御構成でありながら、異物Eの明度に関わらず原稿読取ガラス213の読取位置Sに対応する箇所Tに異物Eが付着しているか否かを判定することができる。
第2実施形態では、画像読取装置200は、第1光反射率被読取部材300aが設けられた第1被読取構成部材330(この例ではガイド部材331)と、第1被読取構成部材330とは別体とされて第2光反射率被読取部材300bが設けられた第2被読取構成部材340〔この例では画像読取装置200における筐体201の構成部材341(具体的には底板)〕とをさらに備えている。この例では、筐体201は、画像読取装置200における原稿搬送部220に設けられている。また、ガイド部材331は、原稿読取ガラス213との間に原稿Gの搬送経路を形成する。すなわち、ガイド部材331は、搬送方向Cに搬送される原稿Gをガイドする原稿ガイド板を構成している。また、第1光反射率被読取部材300a及び第2光反射率被読取部材300bは、それぞれ、第1被読取構成部材330及び第2被読取構成部材340の厚み方向の全体に亘って設けられている。但し、それに限定されるものではなく、第1被読取構成部材330及び第2被読取構成部材340の厚み方向における少なくとも外表面に設けることができる。
原稿読取ガラス213は、第1異物付着判定手段Q1において第1走査体211が原稿読取ガラス213を介してガイド部材331における第1光反射率被読取部材300aからの反射光Lrを読み取る第1移動位置M1〔図13(a)参照〕と、第2異物付着判定手段Q2において裏面読取部229が原稿読取ガラス213の第1走査体211で読み取った位置と同一又は略同一位置を介して筐体201の構成部材341における第2光反射率被読取部材300bからの反射光Lrを読み取る第2移動位置M2〔図13(b)参照〕との間で往復移動可能とされている。
こうすることで、原稿読取ガラス213を介して第1光反射率被読取部材300aからの反射光Lrを第1走査体211にて読み取る構成と、原稿読取ガラス213を介して第2光反射率被読取部材300bからの反射光Lrを裏面読取部229にて読み取る構成とを原稿読取ガラス213を往復移動させるといった簡単な構成で実現させることができる。
ここで、第1被読取構成部材330は、ガイド部材331(具体的には原稿ガイド部材)とすることができ、第1光反射率被読取部材300aは、ガイド部材331の原稿読取ガラス213との対向面に設けることができる。第2被読取構成部材340は、画像読取装置200の筐体201の底部の構成部材341(具体的には底板)とすることができ、第2光反射率被読取部材300bは、画像読取装置200の筐体201の底部の構成部材341に設けることができる。
詳しくは、画像読取装置200は、原稿読取ガラス213を往復移動駆動する第4駆動装置450(図14参照)をさらに備えている。
原稿読取ガラス213は、副走査方向Yに沿って画像読取装置200の本体フレーム(図示せず)に往復移動自在に支持されている。
第4駆動装置450は、前述した第1実施形態−3の第3駆動装置430,440において、ガイド部材331に代えて原稿読取ガラス213を往復移動させるようにすることができる。従って、ここでは第4駆動装置450の詳しい説明は省略する。
(第3実施形態)
前述した第1実施形態及び第2実施形態に係る画像読取装置200では、被読取部材を第1光反射率被読取部材300a及び第2光反射率被読取部材300bの2つの被読取部材とした例を示したが、第3実施形態に係る画像読取装置200では、被読取部材を単一の被読取部材(この例では第1光反射率被読取部材300a)とした例を示している。なお、第3実施形態に係る画像読取装置200において、第1実施形態及び第2実施形態に係る画像読取装置200と実質的に同じ構成部材には同一符号を付し、その説明を省略する。
図15及び図16は、第3実施形態に係る画像読取装置200の異物付着判定構成を説明するための説明図である。
図15は、第3実施形態に係る画像読取装置200の異物付着判定構成の一例であって、第1光反射率被読取部材300aが設けられた被読取構成部材350をガイド部材351とした例を模式的に示す概略正面図である。図15(a)は、ガイド部材351における第1光反射率被読取部材300aが原稿読取ガラス213における読取位置Sに対応する箇所Tに対向している状態を示しており、図15(b)は、ガイド部材351における第1光反射率被読取部材300aが第1走査体211からの光(入射光Li)の光路上から退避して原稿読取ガラス213における読取位置Sに対応する箇所Tを開放している状態を示している。
図16は、図15に示すガイド部材351を往復移動駆動する第5駆動装置の一例により異物付着判定を行うシステム構成を示す概略構成図である。
なお、図16において、第1光反射率被読取部材300aが原稿読取ガラス213における読取位置Sに対応する箇所Tに対向している状態を示している。
第3実施形態では、画像読取装置200は、原稿読取ガラス213を介して第1走査体211にて読み取られた反射光Lrの光量が予め定めた所定光量以上になる或いは上回る第1変位位置N1、及び、原稿読取ガラス213を介して第1走査体211にて読み取られた反射光Lrの光量が所定光量を下回る或いは以下になる第2変位位置N2の間で変位可能とされた第1光反射率被読取部材300aを備えている。第1光反射率被読取部材300aは、この例では、予め定めた所定の基準光反射率以上の予め定めた所定の光反射率(例えば白色又は略白色の80%〜100%程度の光反射率)を有している。
制御部250は、第1異物付着判定手段Q1(図16参照)と、第2異物付着判定手段Q2(図16参照)とを備える。
第1異物付着判定手段Q1は、第1光反射率被読取部材300aを第1変位位置N1に位置させた状態で原稿読取ガラス213を介して第1光反射率被読取部材300aからの反射光Lrを第1走査体211にて読み取り、読み取った第1読取データDT1に基づいて原稿読取ガラス213の読取位置Sに対応する箇所Tに異物Eが付着しているか否か(具体的には第1読取データDT1の値が所定の第1閾値よりも大きいのか以下なのか或いは第1閾値以上なのか下回るのか)を判定する(図15(a)参照)。
第2異物付着判定手段Q2は、第1光反射率被読取部材300aを第2変位位置N2に位置させた状態で原稿読取ガラス213を介して第1光反射率被読取部材300aからの反射光Lrを第1走査体211にて読み取り、読み取った第2読取データDT2に基づいて原稿読取ガラス213の読取位置Sに対応する箇所Tに異物Eが付着しているか否か(具体的には第2読取データDT2の値が所定の第2閾値よりも大きいのか以下なのか或いは第2閾値以上なのか下回るのか)を判定する(図15(b)参照)。
ここで、第2異物付着判定手段Q2において、第1光反射率被読取部材300aを第2変位位置N2に位置させた状態で原稿読取ガラス213を介して第1光反射率被読取部材300aからの反射光Lrを第1走査体211にて読み取る場合には、第1光反射率被読取部材300aからの反射光Lrが第1走査体211に受光しない場合も含む概念である。
[第3実施形態について]
第3実施形態によれば、第1異物付着判定手段Q1により、第1光反射率被読取部材300aを第1変位位置N1に位置させた状態で原稿読取ガラス213を介して第1光反射率被読取部材300aからの反射光Lrを第1走査体211にて読み取り、読み取った第1読取データDT1に基づいて原稿読取ガラス213の読取位置Sに対応する箇所Tに異物Eが付着しているか否かを判定する。従って、原稿読取ガラス213の読取位置Sに対応する箇所Tに明度が所定明度以下又は所定明度よりも小さい第1異物Ea(黒色系の異物)が付着している場合には、第1変位位置N1に位置させた状態の第1光反射率被読取部材300aからの反射光Lrの読取データの値と、第1異物Ea(黒色系の異物)からの反射光Lrの読取データの値との差異が大きいことから、第1異物Eaを異物であると判別し易い。従って、第1異物Ea(黒色系の異物)を確実に異物であると判定することができる。
一方、第2異物付着判定手段Q2により、第1光反射率被読取部材300aを第2変位位置N2に位置させた状態で原稿読取ガラス213を介して第1光反射率被読取部材300aからの反射光Lrを第1走査体211にて読み取り、読み取った第2読取データDT2に基づいて原稿読取ガラス213の読取位置Sに対応する箇所Tに異物Eが付着しているか否かを判定する。従って、原稿読取ガラス213の読取位置Sに対応する箇所Tに明度が所定明度よりも大きい又は所定明度以上の第2異物Eb(白色系の異物)が付着している場合には、第2変位位置N2に位置させた状態の第1光反射率被読取部材300aからの反射光Lrの読取データの値と、第2異物Eb(白色系の異物)からの反射光Lrの読取データの値との差異が大きいことから、第2異物Ebを異物であると判別し易い。従って、第2異物Eb(白色系の異物)を確実に異物であると判定することができる。
そして、第1異物付着判定手段Q1にて原稿読取ガラス213の読取位置Sに対応する箇所Tに異物Eが付着しているか否かを判定し、第2異物付着判定手段Q2にて原稿読取ガラス213の読取位置Sに対応する箇所Tに異物Eが付着しているか否かを判定するので、原稿読取ガラス213の読取位置Sに対応する箇所Tに異物Eが付着しているか否かを判別するための制御構成を簡素化することができる。
かくして、簡単な制御構成でありながら、異物Eの明度に関わらず原稿読取ガラス213の読取位置Sに対応する箇所Tに異物Eが付着しているか否かを判定することができる。
第3実施形態では、画像読取装置200は、第1光反射率被読取部材300aが設けられた被読取構成部材350(この例ではガイド部材351)をさらに備えている。この例では、ガイド部材351は、原稿読取ガラス213との間に原稿Gの搬送経路を形成する。すなわち、ガイド部材351は、搬送方向Cに搬送される原稿Gをガイドする原稿ガイド板を構成している。また、第1光反射率被読取部材300aは、被読取構成部材350の厚み方向の全体に亘って設けられている。但し、それに限定されるものではなく、被読取構成部材350の厚み方向における少なくとも外表面に設けることができる。
第1異物付着判定手段Q1は、原稿読取ガラス213を介して第1光反射率被読取部材300aからの反射光Lrを第1走査体211にて読み取るにあたり、ガイド部材351を第1変位位置N1に位置させる。また、第2異物付着判定手段Q2は、原稿読取ガラス213を介して第1光反射率被読取部材300aからの反射光Lrを第1走査体211にて読み取るにあたり、ガイド部材351を第2変位位置N2に位置させる。
ガイド部材351は、第1変位位置N1と第2変位位置N2との間で変位可能(この例では往復移動可能)とされている。
詳しくは、画像読取装置200は、ガイド部材351を変位駆動(この例では往復移動駆動)する第5駆動装置460(図16参照)をさらに備えている。
第3実施形態において、第1変位位置N1は、第1光反射率被読取部材300aを原稿読取ガラス213の読取位置Sに対応する箇所Tに対向させた位置とされている。
第2変位位置N2は、第1変位位置N1から光軸方向に所定距離離間させた位置であってもよいし、第1光反射率被読取部材300aを第1変位位置N1から光軸方向とは交差する方向(例えば直交又は略直交する方向)に移動させて光軸から外れた位置であってもよい。この例では、第2変位位置N2は、第1光反射率被読取部材300aを第1変位位置N1から光軸方向とは直交又は略直交する方向に移動させて光軸から外れた位置とされている。
第5駆動装置460は、前述した第1実施形態−3の第3駆動装置430,440の如く、ガイド部材351を往復移動させるようにすることができる。従って、ここでは第5駆動装置460の詳しい説明は省略する。
(第1実施形態から第3実施形態の共通の構成)
第1実施形態から第3実施形態において、制御部250は、第1異物付着判定手段Q1及び第2異物付着判定手段Q2を行った後にシェーディング補正を行う。制御部250は、第1異物付着判定手段Q1における第1読取データDT1をシェーディング補正に用いる。ここで、シェーディング補正を行うための白色又は略白色の被読取部材は、第1実施形態から第3実施形態では、第1光反射率被読取部材300aである。
こうすることで、シェーディング補正のための読み取り動作を省略することができる。しかも、原稿読取ガラス213の読取位置Sに対応する箇所Tに黒色系及び/又は白色系の異物E(第1異物Ea及び/又は第2異物Eb)が付着していると判別した後、原稿読取ガラス213の清掃等により原稿読取ガラス213の読取位置Sに対応する箇所Tに黒色系及び/又は白色系の異物E(第1異物Ea及び/又は第2異物Eb)が存在しないようにすることができ、それだけシェーディング補正を精度良く行うことができる。
第1実施形態から第3実施形態において、画像読取装置200は、報知装置〔この例では表示装置231(図6、図9、図11、図12、図14、図16参照)〕をさらに備えている。報知装置(この例では表示装置231)は、制御部250の出力系に電気的に接続されている。
制御部250は、第1異物付着判定手段Q1及び第2異物付着判定手段Q2の少なくとも一方において、原稿読取ガラス213の読取位置Sに対応する箇所Tに異物E(Ea,Eb)が付着していると判定した場合には、報知装置(この例では表示装置231)において原稿読取ガラス213を清掃することを促す警報を発する(この例ではメッセージ表示を行う、例えば「原稿読取ガラスを清掃して下さい。」というメッセージを表示する)。
こうすることで、原稿読取ガラス213に異物Eが付着していることをユーザー等の操作者に知らせることができ、これにより、ユーザー等の操作者に原稿読取ガラス213を清掃させることができる。
ここで、報知装置としては、原稿読取ガラス213を清掃することを促す表示を行う(具体的にはメッセージ表示を行う)表示装置231の他、原稿読取ガラス213を清掃することを促す警報音及び/又は音声を発する警報装置を例示できる。
制御部250は、第1異物付着判定手段Q1において、原稿読取ガラス213の読取位置Sに対応する箇所Tに異物Eが付着していると判定した場合には、報知装置(この例では表示装置231)において原稿読取ガラス213の読取位置Sに対応する箇所Tに明度が所定明度以下又は所定明度よりも小さい第1異物Ea(黒色系の異物)が付着している可能性があることを報知する警報を発し(この例では第1メッセージ表示を行う、例えば「黒色系の糊や紙粉等の異物が付着している可能性があります。」というメッセージを表示する)。また、制御部250は、第2異物付着判定手段Q2において、原稿読取ガラス213の読取位置Sに対応する箇所Tに異物Eが付着していると判定した場合には、報知装置(この例では表示装置231)において原稿読取ガラス213の読取位置Sに対応する箇所Tに明度が所定明度よりも大きい又は所定明度以上の第2異物Eb(白色系の異物)が付着している可能性があることを報知する警報を発する(この例では第2メッセージ表示を行う、例えば「白色系の糊や紙粉等の異物が付着している可能性があります。」というメッセージを表示する)。
こうすることで、原稿読取ガラス213の読取位置Sに対応する箇所Tに第1異物Ea(黒色系の異物)が付着しているときには、原稿読取ガラス213に第1異物Eaが付着している可能性があることをユーザー等の操作者に知らせることができる。また、原稿読取ガラス213の読取位置Sに対応する箇所Tに第2異物Eb(白色系の異物)が付着しているときには、原稿読取ガラス213に第2異物Ebが付着している可能性があることをユーザー等の操作者に知らせることができる。これにより、ユーザー等の操作者に異物の種類(例えば黒系の異物か或いは白系の異物か)をある程度認識させた状態で異物を清掃させることができる。
ここで、報知装置としては、表示装置231の他、原稿読取ガラス213の読取位置Sに対応する箇所Tに第1異物Ea(黒色系の異物)及び第2異物Eb(白色系の異物)の少なくとも一方が付着している可能性があることを示す警報音及び/又は音声を発する警報装置を例示できる。
(その他の実施の形態)
なお、第1実施形態から第3実施形態において、第1異物付着判定手段Q1及び第2異物付着判定手段Q2のうち少なくとも一方において、原稿読取ガラス213の読取位置Sに対応する箇所Tに異物E(Ea,Eb)が付着していると判定した場合には、第1走査体211及び原稿読取ガラス213のうち何れか一方を異物E(Ea,Eb)が判定されなくなるまで所定距離ずつ副走査方向Yに移動させるようにしてもよい。
また、第1実施形態から第3態様において、原稿読取ガラス213の少なくとも読取位置Sに対応する箇所Tを清掃する清掃装置をさらに備え、第1異物付着判定手段Q1及び第2異物付着判定手段Q2のうち少なくとも一方において、原稿読取ガラス213の読取位置Sに対応する箇所Tに異物E(Ea,Eb)が付着していると判定した場合には、清掃装置により原稿読取ガラス213の読取位置Sに対応する箇所Tを自動的に清掃するようにしてもよい。
(第1実施形態から第3実施形態の動作の処理例)
次に、第1実施形態から第3実施形態に係る画像読取装置200の制御部250による異物付着判定動作の処理例について図17から図20を参照しながら以下に説明する。
−異物付着判定動作の処理の一例−
図17は、第1実施形態から第3実施形態に係る画像読取装置200の異物付着判定動作の処理の一例を示すフローチャートである。図18は、第1実施形態から第3実施形態に係る画像読取装置200において、第1異物付着判定動作の処理での主走査方向Xにおける各画素の第1読取データDT1の値及び第1閾値α1を示すグラフである。また、図19は、第1実施形態から第3実施形態に係る画像読取装置200において、第2異物付着判定動作の処理での主走査方向Xにおける各画素の第2読取データDT2の値及び第2閾値α2を示すグラフである。
図17に示すように、先ず、制御部250は、原稿Gの画像を読み取る指示である画像読取指示があるまで待機し(ステップS1:No)、画像読取指示があると(ステップS1:Yes)、ステップS2aに移行する。
次に、制御部250は、第1光反射率被読取部材300aを読み取るための第1イニシャル処理を行う(ステップS2a)。
詳しくは、制御部250は、ステップS2aの第1イニシャル処理において、第1実施形態−1及び第1実施形態−2では、ローラ部材311及びベルト部材312を第1回転位置R1に位置させ、第1実施形態−3及び第2実施形態では、ガイド部材321及び原稿読取ガラス213を第1移動位置M1に位置させる。また、第3実施形態では、ガイド部材351を第1変位位置N1に位置させる。
次に、制御部250は、第1異物付着判定手段Q1による第1異物付着判定動作の処理において、原稿読取ガラス213を介して第1光反射率被読取部材300aからの反射光Lrを第1走査体211にて読み取って第1読取データDT1を取得し(ステップS3)、得られた第1読取データDT1に基づいて原稿読取ガラス213の読取位置Sに対応する箇所Tに異物Eが付着しているか否かを判定する(ステップS4)。
詳しくは、制御部250は、第1読取データDT1(例えば主走査方向Xにおける各画素のうち連続する所定数の画素の値)が所定の第1閾値α1(図18参照)を下回るとき又は第1閾値α1以下のときには原稿読取ガラス213の読取位置Sに対応する箇所Tに黒色系の異物E(第1異物Ea)が付着していると判定する(ステップS4:Yes)。そして、制御部250は、表示装置231において原稿読取ガラス213の読取位置Sに対応する箇所Tに黒色系の異物E(第1異物Ea)が付着している可能性があることを報知する第1メッセージを、清掃を促すメッセージと共に表示する(ステップS5)。
一方、制御部250は、第1読取データDT1(例えば主走査方向Xにおける各画素の値)が第1閾値α1以上のとき又は第1閾値α1を上回るときには原稿読取ガラス213の読取位置Sに対応する箇所Tに黒色系の異物E(第1異物Ea)が付着していないと判定し(ステップS4:No)、そのまま、ステップS6に移行する。このとき、第1読取データDT1を記憶部252に記憶しておく。
次に、制御部250は、第2光反射率被読取部材300bを読み取るための第1移行処理を行う(ステップS6)。
詳しくは、制御部250は、ステップS6の移行処理において、第1実施形態−1及び第1実施形態−2では、ローラ部材311及びベルト部材312を第2回転位置R2に位置させ、第1実施形態−3及び第2実施形態では、ガイド部材321及び原稿読取ガラス213を第2移動位置M2に位置させる。また、第3実施形態では、ガイド部材351を第2変位位置N2に位置させる。
次に、制御部250は、第2異物付着判定動作の処理において、第1実施形態及び第3実施形態では、原稿読取ガラス213を介して第2光反射率被読取部材300bからの反射光Lrを第1走査体211にて読み取り、また、第2実施形態では、原稿読取ガラス213を介して第2光反射率被読取部材300bからの反射光Lrを裏面読取部229にて読み取って第2読取データDT2を取得し(ステップS7)、得られた第2読取データDT2に基づいて原稿読取ガラス213の読取位置Sに対応する箇所Tに異物Eが付着しているか否かを判定する(ステップS8)。
詳しくは、制御部250は、第2読取データDT2(例えば主走査方向Xにおける各画素のうち連続する所定数の画素の値)が所定の第2閾値α2(図19参照)以上のとき又は第2閾値α2を上回るときには原稿読取ガラス213の読取位置Sに対応する箇所Tに白色系の異物E(第2異物Eb)が付着していると判定する(ステップS8:Yes)。そして、制御部250は、表示装置231において原稿読取ガラス213の読取位置Sに対応する箇所Tに白色系の異物E(第2異物Eb)が付着している可能性があることを報知する第2メッセージを、清掃を促すメッセージと共に表示する(ステップS9)。
一方、制御部250は、第2読取データDT2(例えば主走査方向Xにおける各画素の値)が第2閾値α2を下回るとき又は第2閾値α2以下のときには原稿読取ガラス213の読取位置Sに対応する箇所Tに白色系の異物E(第2異物Eb)が付着していないと判定し(ステップS8:No)、そのまま、ステップS10に移行する。
ここで、第1閾値α1及び第2閾値α2は等しくてもよいし、互いに異なっていても良い。異物E(Ea,Eb)の判定感度を向上させる観点からは、図18及び図19に示すように、第1閾値α1を第2閾値α2よりも大きくすることが好ましい。この例では、反射光Lrの光量(受光光量)が大きい程、第1読取データDT1及び第2読取データDT2の値が大きくなる場合を例示している。従って、反射光Lrの量が大きい程、第1読取データDT1及び第2読取データDT2の値が小さくなるようにした場合には、言うまでもないが、前述の第1閾値α1及び第2閾値α2の条件及び大小関係は逆になる。このことは、後述する異物付着判定動作の処理の他の例についても同様である。
次に、制御部250は、ステップS4の判定で「No」のときに記憶部252に記憶しておいた第1読取データDT1を用いてシェーディング補正を行う(ステップS10)。こうすることで、白色系の異物E(第2異物Eb)が付着していない状態での第1読取データDT1を用いてシェーディング補正を行うことができる。
次に、制御部250は、第1光反射率被読取部材300aを読み取るための第2移行処理を行う(ステップS11)。
詳しくは、制御部250は、ステップS11の第2移行処理において、第1実施形態−1及び第1実施形態−2では、ローラ部材311及びベルト部材312を第2回転位置R2から第1回転位置R1に戻し、第1実施形態−3及び第2実施形態では、ガイド部材321及び原稿読取ガラス213を第2移動位置M2から第1移動位置M1に戻す。また、第3実施形態では、ガイド部材351を第2変位位置N2から第1変位位置N1に戻す。
そして、制御部250は、原稿Gの画像を読み取る画像読取処理を行い(ステップS12)、処理を終了する。
−異物付着判定動作の処理の他の例−
前述した図17に示す処理例では、第1異物付着判定動作の処理を行った後に第2異物付着判定動作の処理を行うようにしたが、第2異物付着判定動作の処理を行った後に第1異物付着判定動作の処理を行うようにしてもよい。
図20は、第1実施形態から第3実施形態に係る画像読取装置200の異物付着判定動作の処理の他の例を示すフローチャートである。
図20に示すフローチャートにおいて、図17に示すフローチャートと実質的に同じ処理には同一符号を付し、図17に示すフローチャートの処理とは異なる点を中心に説明する。
図20に示すように、先ず、制御部250は、原稿Gの画像を読み取る指示である画像読取指示があるまで待機し(ステップS1:No)、画像読取指示があると(ステップS1b:Yes)、ステップS2bに移行する。
次に、制御部250は、第2光反射率被読取部材300bを読み取るための第2イニシャル処理を行う(ステップS2b)。
詳しくは、制御部250は、ステップS2bの第2イニシャル処理において、第1実施形態−1及び第1実施形態−2では、ローラ部材311及びベルト部材312を第2回転位置R2に位置させ、第1実施形態−3及び第2実施形態では、ガイド部材321及び原稿読取ガラス213を第2移動位置M2に位置させる。また、第3実施形態では、ガイド部材351を第2変位位置N2に位置させる。
次に、制御部250は、ステップS7〜ステップS9の第2異物判定動作の処理を行い、第2読取データDT2(例えば主走査方向Xにおける各画素の値)が第2閾値α2を下回るとき又は第2閾値α2以下のときには原稿読取ガラス213の読取位置Sに対応する箇所Tに白色系の異物E(第2異物Eb)が付着していないと判定し(ステップS8:No)、ステップS11に移行する。
次に、制御部250は、第2移行処理を行い(ステップS11)、ステップS3〜ステップS5の第1異物判定動作の処理を行い、第1読取データDT1(例えば主走査方向Xにおける各画素の値)が第1閾値α1以上のとき又は第1閾値α1を上回るときには原稿読取ガラス213の読取位置Sに対応する箇所Tに黒色系の異物E(第1異物Ea)が付着していないと判定し(ステップS4:No)、ステップS3で取得した第1読取データDT1を用いてシェーディング補正を行う(ステップS10)。
以上説明した図20に示す処理例では、白色系及び黒色系の双方の異物E(第1異物Ea及び第2異物Eb)が付着していない状態での第1読取データDT1を用いてシェーディング補正を行うことができる。また、図17に示す処理例で行っていたステップS6の第1移行処理を省略することができ、それだけ処理時間を短縮することができる。
本発明は、以上説明した実施の形態に限定されるものではなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、かかる実施の形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。