JP2018097142A - スペックル解消光学系 - Google Patents

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Abstract

【課題】偏光解消素子によるスペックル解消効果をより向上させることができるスペックル解消光学系を提供する。
【解決手段】スペックル解消光学系は、基板の少なくとも一方の表面側が、光に位相差を生じさせるサブ波長構造が形成された複数のサブ波長構造領域をもつ光学面となっている偏光解消素子と、前記偏光解消素子を前記光学面と同一平面内において駆動する駆動機構と、光源からの光を複数の光束に分割し、各光束を前記偏光解消素子の前記光学面における互いに異なる位置に入射させる光分割部と、を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、偏光解消素子を用いたスペックル解消光学系に関するものである。
偏光解消素子は、レーザプリンタなどで問題となる偏光を解消させるための光学部品として用いられたり、光学露光装置や光学測定機などの光学機器の光学系のスペックルの発生を低減させるスペックル低減素子として用いられたりしている。
レーザからの光をマイクロレンズアレイやフライアイレンズを通すことによってひとつの光束を複数の光束に分割する際、分割された光は偏光方向が同一方向に揃っており、スペックル解消光学系の中で特定の条件が整うと、分割された光がそれぞれ干渉発生の原因となって光学系の途中で光が強めあう点(スペックル)が生じる場合がある。スペックルは、レーザ光を使用するいろいろな光学系で発生することが知られており、これを解消する方法が種々提案されているが、有効な解決策は確立されていない。
スペックルを解消する方法のひとつとして、光の偏光状態が様々になったいわゆるランダム偏光状態にすることが挙げられる。偏光が不揃いであると、指向性の低い自然光の状態に近づくために光の干渉が起こりにくいからである。
偏光解消素子として、サブ波長構造(Sub-Wavelength Structures;SWS)を備えたものが知られている(例えば特許文献1を参照。)。サブ波長構造は、使用する光の波長よりも短い周期で繰り返して配列された溝の周期構造である。
光の波長より短いピッチをもつ溝の周期構造は、周期をもつ方向ともたない方向で互いに異なる有効屈折率nTE,nTMをもち、あたかも複屈折材料であるかのように振舞う(いわゆる構造複屈折構造である)。この有効屈折率の差によって各偏波方向の光の伝播速度に差ができるため、サブ波長構造を通過する光の偏光状態が変化する。サブ波長構造は、構造の設計によって複屈折やそれらの分散を自由に制御できる。サブ波長構造のこの特性を利用して、偏光板、波長板、波長分離素子など、様々な製品が展開されている。
サブ波長構造を利用した偏光解消素子は、光を透過させる部分が複数の領域に分割され、それらの各領域に種々の光学軸方向をもったサブ波長構造が形成されている。以下、この領域をサブ波長構造領域と称する。光学軸方向とは、サブ波長構造の溝の配列方向に直交する方向である。偏光解消素子は、各サブ波長構造領域を光が走査するように平面的に駆動される。これにより、該偏光解消素子を透過する光の偏光方向が時間によって種々の方向に変更され、それらを合成した光は種々の偏光方向をもった光となる。偏光解消素子を透過した光が種々の偏光方向をもつことにより、同じ偏光方向をもった光の干渉によるスペックルが緩和される。
特開2011−180581号公報
本発明は、偏光解消素子によるスペックル解消効果をより向上させることができるスペックル解消光学系を提供することを目的とするものである。
本発明に係るスペックル解消光学系は、基板の少なくとも一方の表面側が、光に位相差を生じさせるサブ波長構造が形成された複数のサブ波長構造領域をもつ光学面となっている偏光解消素子と、前記偏光解消素子を前記光学面と同一平面内において駆動する駆動機構と、光源からの光を複数の光束に分割し、各光束を前記偏光解消素子の前記光学面における互いに異なる位置に入射させる光分割部と、を備えている。
本発明のスペックル解消光学系は、前記偏光解消素子を経た光を1つの光束として合成する光合成部を備えていることが好ましい。そうすれば、偏光解消素子を経た後で、光分割部により複数の光束に分割された光を再び1つの光束として取り出し、利用することができる。
本発明における光分割部の一例として、前記光源からの光の一部を透過させ、残りの光を反射させる少なくとも1つの抽出ミラーと、前記抽出ミラーを透過した光及び前記抽出ミラーで反射した光のそれぞれを前記偏光解消素子の前記光学面の互いに異なる位置に導く導光光学系と、を備えたものが挙げられる。
偏光解消素子としては、光学軸方向が互いに異なる複数の前記サブ波長構造領域を備えたものを用いることができる。その場合、前記光分割部は、分割した光束を光学軸方向が互いに異なる前記サブ波長構造領域にわたって入射させるように構成されていることが好ましい。ここで、「分割した光束を光学軸方向が互いに異なるサブ波長構造領域にわたって入射させる」とは、光分割部により分割された光束のうちの少なくとも一部を、他の光束が入射するサブ波長構造領域の光学軸方向とは異なる光学軸方向をもつサブ波長構造領域に入射させることを意味する。光分割部により光を3つ以上の光束に分割する場合には、それらの光束のうちの2つ以上の光束を同じ光学軸方向をもつサブ波長構造領域又は同じサブ波長構造領域に入射させることを含む。なお、ここでは、例として詳しく述べていないが、光分割数は2以上の複数であればよい。
このように、光分割部により分割された光束のうちの少なくとも一部を、他の光束が入射するサブ波長構造領域の光学軸方向とは異なる光学軸方向をもつサブ波長構造領域に入射させれば、少なくともその一部の光束の偏光方向は偏光解消素子を経ることによって他の光束の偏光方向とは異なるようになるので、偏光解消素子によるスペックル解消効果が向上する。
さらに前記光分割部は、分割した光束のそれぞれを光学軸方向が互いに異なる前記サブ波長構造領域に入射させるように構成されていてもよい。そうすれば、光分割部によって分割された各光束の偏光方向が偏光解消素子を経ることによってすべて異なるようになるので、偏光解消素子によるスペックル解消効果がさらに向上する。
本発明の好ましい一実施形態は、前記偏光解消素子は円盤状基板からなり、前記サブ波長構造領域が前記円盤状基板の円周方向に並んで設けられており、前記駆動機構は前記偏光解消素子を回転駆動するものである。かかる構成にすることで、スペックル解消光学系の構成を簡単なものにすることができる。また、サブ波長構造領域が円盤状基板の円周方向に並んで設けられた偏光解消素子を回転駆動するように構成することで、偏光解消素子を経た光の偏光方向の時間分解機能が偏光解消素子の回転数の増加に伴って向上するので、スペックル解消効果の向上を容易に図ることができる。
本発明に係るスペックル解消光学系は、光源からの光を複数の光束に分割し、各光束を偏光解消素子の光学面における互いに異なる位置に入射させる光分割部を備えているので、光源からの光を分割して互いに光学軸方向が異なる複数のサブ波長構造領域に入射させることが可能になる。これにより、同時に偏光解消素子を経た光の中に複数の偏光方向をもった成分を含ませることができるので、偏光解消素子によるスペックル解消効果を向上させることができる。
スペックル解消光学系の一実施例を示す概略構成図である。 偏光解消素子の一例とその偏光解消素子に入射させる光束の配置の一例を示す偏光解消素子の平面図である。 同偏光解消素子を図2の状態から30°回転させたときの状態を示す平面図である。 同偏光解消素子を図3の状態からさらに30°回転させたときの状態を示す平面図である。 偏光解消素子の構造の一例を概略的に示す断面図である。 偏光解消素子の構造の他の例を概略的に示す断面図である。 偏光解消素子の構造のさらに他の例を概略的に示す断面図である。 偏光解消素子の構造のさらに他の例を概略的に示す断面図である。 偏光解消素子の構造のさらに他の例を概略的に示す断面図である。 偏光解消素子に入射させる光束の配置の他の例を示す偏光解消素子の平面図である。 同偏光解消素子を図10の状態から30°回転させたときの状態を示す平面図である。 同偏光解消素子を図11の状態からさらに30°回転させたときの状態を示す平面図である。 実施例のスペックル解消光学系を備えた光学機器の一例を示す概略構成図である。
以下、本発明に係るスペックル解消光学系の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1はスペックル解消光学系の一実施例を示す概略構成図である。
この実施例のスペックル解消光学系2は、例えばレーザ光源などの光源(図示は省略)から発せられた直線偏光の光の光束6を複数の光束に分割する光分割部4と、光分割部4によって分割された各光束の光路上に配置された偏光解消素子8と、偏光解消素子8を経た光を集光する集光レンズ12と、集光レンズ12によって集光された光を1つの光束16として取り出す光ファイバ14と、を備えている。
偏光解消素子8は、詳細については後述するが、複数のサブ波長構造領域が設けられている光学面を少なくとも一方の表面側に有し、駆動機構10によってその光学面と同一平面内において平面運動させられる。偏光解消素子8が駆動機構10によって平面運動させられることで、サブ波長構造領域が時間的に変位する。
この実施例の光分割部6は、1つの光束として入射した光6を3つの光束6a〜6cに分割して、各光束6a〜6cを偏光解消素子8の光学面における互いに異なる位置に入射させるように構成されている。なお、光分割部6による光分割数はこれに限らず、2つの光束、又は4つ以上の光束に分割するように構成されていてもよい。
この実施例では、光分割部4が光束6を3つの光束6a〜6cに分割するために、ミラー18、20、22、23、24、26、28を備えている。ミラー18の反射率は67%程度であり、入射する光束6の約1/3の光束6aを透過させ、残り約2/3の光束を反射させる。ミラー20及び22は全反射ミラーであり、ミラー18を透過した光束6aを反射させて偏光解消素子8の光学面の所定の位置に導くように配置されている。
ミラー23はミラー18で反射した光束の光路上に配置されている。ミラー23の反射率は50%程度であり、ミラー18で反射した光束のうち約1/2、すなわち光束6の約1/3の光束6bを反射させ、残りの光束6cを透過させる。ミラー24及び26は全反射ミラーであり、ミラー23で反射した光束を反射させて偏光解消素子8の光学面における光束6aとは異なる位置に導くように配置されている。ミラー28は全反射ミラーであり、ミラー23を透過した光を偏光解消素子8の光学面の所定の位置に導くように配置されている。
この実施例において、ミラー18及び23は、入射した光の一部を透過させ、残りを反射させる抽出ミラーをなし、ミラー20、22、24、26及び28は、各抽出ミラーによって抽出された光束6a〜6cを偏光解消素子8の互いに異なる位置へ導く導光光学系をなしている。
図1では、光分割部4で分割された各光束6a〜6cが偏光解消素子8を透過するように描かれているが、偏光解消素子8は透過型のものに限られず、反射型のものであってもよい。偏光解消素子8が反射型のものである場合には、偏光解消素子8で反射した光を集光するように集光レンズ12が配置される。
また、この実施例では、偏光解消素子8を経た光束6a〜6cを1つの光束16に合成するための光合成部として集光レンズ12及び光ファイバ14を備えているが、光合成部の構成はこれに限られず、1つの光束に合成することができるものであれば、いかなる構成であってもよい。
次に、図2〜図4を参照して、偏光解消素子8の一例及びその偏光解消素子8へ入射する光束6a〜6cの位置関係の一例について説明する。
この例の偏光解消素子8は円盤状基板からなり、その円盤状基板の少なくとも一表面が、4つのサブ波長構造領域30a〜30dを有する光学面となっている。この例の偏光解消素子8は、駆動機構(図1参照)によって円盤状基板の中心を回転中心として回転させられる。4つのサブ波長構造領域30a〜30dは、円盤状基板の主平面を均等に4分割した領域である。
各サブ波長構造領域30a〜30dには、この偏光解消素子8へ入射する光6(図1参照)の波長よりも短いピッチをもつ連続的な凹凸周期構造(サブ波長構造)が形成されている。各サブ波長構造領域30a〜30dのサブ波長構造は、各サブ波長構造領域30a〜30dに入射した光に対して略1/2波長分の位相差を生じさせるように設計されている。
各サブ波長構造領域30a〜30dに描かれた矢印は各サブ波長構造領域30a〜30dの光学軸方向を示しており、それらの光学軸方向は互いに異なっている。サブ波長構造領域30bはサブ波長構造領域30aの光学軸方向から反時計回りに22.5°回転した光学軸方向をもち、サブ波長構造領域30cはサブ波長構造領域30bの光学軸方向からさらに反時計回りに22.5°回転した光学軸方向をもち、サブ波長構造領域30dはサブ波長構造領域30cの光学軸方向からさらに反時計回りに22.5°回転した光学軸方向をもっている。
各サブ波長構造領域30a〜30dは1/2波長板としての機能を有するため、各サブ波長構造領域30a〜30dに入射した直線偏光の光の偏光方向は、その偏光方向と各サブ波長構造領域30a〜30dの光学軸方向とがなす角度θの2倍の角度2θだけ回転した状態で偏光解消素子8から出射することとなる。
図2はある時間帯での偏光解消素子8の状態を示しており、サブ波長構造領域30aが右上、サブ波長構造領域30bが左上、サブ波長構造領域30cが左下、サブ波長構造領域30dが右下に位置している。この状態において、光束6aはサブ波長構造領域30aの中央の位置、すなわちサブ波長構造領域30aと30dの境界線から45°反時計回りへ回転した位置に入射している。光束6bはサブ波長構造領域30bの中央の位置、すなわちサブ波長構造領域30aと30bの境界線から45°反時計回りへ回転した位置に入射している。光束6cはサブ波長構造領域30cの中央の位置、すなわちサブ波長構造領域30bと30cの境界線から45°反時計回りへ回転した位置に入射している。
各光束6a〜6cは1つの光束6を分割したものであるから、互いに同じ偏光方向をもっている。光束6a〜6cの偏光方向を図2の状態におけるサブ波長構造領域30aの光学軸方向と同じ方向(図2〜図4において上下方向)とすると、光束6aの偏光方向とサブ波長構造領域30aの光学軸方向がなす角度θは0°、光束6bの偏光方向とサブ波長構造領域30bの光学軸方向がなす角度θは−22.5°、光束6cの偏光方向とサブ波長構造領域30cの光学軸方向がなす角度θは−45°である。したがって、各光束6a、6b、6cはそれぞれ0°、−45°、−90°回転させられた状態で偏光解消素子8から出射する。すなわち、偏光解消素子8から射出される光には入射時の偏光方向に対して0°、−45°、−90°の角度をなす偏光方向をもった成分が含まれることになり、光6の偏光方向が3方向に分解される。ただし、光の偏光方向の角度は時計回りを正とする。
偏光解消素子8を図2の状態から時計回りに30°回転した状態が図3である。この状態でも、光束6aはサブ波長構造領域30aに入射し、光束6bはサブ波長構造領域30bに入射し、光束6cはサブ波長構造領域30cに入射する。サブ波長構造領域30a、30b及び30cの光学軸方向はそれぞれ図2の状態から時計回りに30°回転しているから、光束6aの偏光方向とサブ波長構造領域30aの光学軸方向がなす角度θは30°、光束6bの偏光方向とサブ波長構造領域30bの光学軸方向がなす角度θは7.5°、光束6cの偏光方向とサブ波長構造領域30cの光学軸方向がなす角度θは−15°である。したがって、各光束6a、6b、6cはそれぞれ60°、15°、−30°回転させられた状態で偏光解消素子8から出射する。すなわち、偏光解消素子8から射出される光には入射時の偏光方向に対して60°、15°、−30°の角度をなす偏光方向をもった成分が含まれることになる。
なお、図3の状態においてサブ波長構造領域30dの光学軸方向は入射光の偏光方向(図において上下方向)に対して−37.5°の角度をなしている。
偏光解消素子8を図3の状態から時計回りにさらに30°回転した状態が図4である。この状態では、光束6aはサブ波長構造領域30bに入射し、光束6bはサブ波長構造領域30cに入射し、光束6cはサブ波長構造領域30dに入射する。サブ波長構造領域30b、30c及び30dの光学軸方向はそれぞれ図3の状態からさらに時計回りに30°回転しているから、光束6aの偏光方向とサブ波長構造領域30bの光学軸方向がなす角度θは45°、光束6bの偏光方向とサブ波長構造領域30cの光学軸方向がなす角度θは15°、光束6dの偏光方向とサブ波長構造領域30dの光学軸方向がなす角度θは−7.5°である。したがって、各光束6a、6b、6cはそれぞれ90°、30°、−15°回転させられた状態で偏光解消素子8から出射する。すなわち、偏光解消素子8から射出される光には入射時の偏光方向に対して90°、35°、−15°の角度をなす偏光方向をもった成分が含まれることになる。
このように、各光束6a、6b、6cの偏光方向は偏光解消素子8の回転によって時間変化することになる。したがって、偏光解消素子8を経た光に含まれる3成分の偏光方向が時間変化する。したがって、この実施例のスペックル解消光学系2は、1つの偏光方向しかもたない直線偏光の光6を複数の光束6a〜6cに分割し、各光束6a〜6cの偏光方向を異なる角度で回転させるとともに、その回転角度を時間変化させるので、スペックル解消光学系2を経た光16に含まれる偏光成分のランダム性が向上し、スペックル解消効果が向上する。
なお、光分割部4が光源からの光を2つの光束に分割するように構成されている場合には、分割後の各光束を同じサブ波長構造領域に入射させてもよいが、互いに異なる光学軸方向をもつサブ波長構造領域に入射させることで、より高いスペックル解消効果が得られる。その場合、偏光解消素子8に、光学軸方向が45°ずつずれた複数のサブ波長構造領域を設け、分割後の2つの光束を互いの光学軸方向が直交する2つのサブ波長構造領域に入射させるようにしてもよい。そうすれば、偏光解消素子8を経ることによって出射光の偏光方向が90°ずれた2成分の光を得ることができ、高いスペックル解消効果が得られる。
偏光解消素子8の構造型として種々のものが考えられるが、その例として図5に示されるような片面透過型、図6に示されるような両面透過型、図8や図9に示されるような反射型が挙げられる。
図5に示した片面透過型の偏光解消素子8は、例えば石英などの光透過性材料で構成された円盤状基板の一表面側にサブ波長構造領域30a〜30dが設けられているものである。サブ波長構造領域30a〜30dには、図においてシボ及び矢印で示されるように、光の波長よりも短いピッチをもつ連続した凹凸構造からなり、通過する光に位相差を生じさせるサブ波長構造が設けられている。この偏光解消素子8が単体で1/2波長板をなす場合には、サブ波長構造が光に略1/2波長分の位相差を生じさせるように設計される。
このような片面透過型の偏光解消素子8では、サブ波長構造領域30a〜30dが形成されている面とは反対側の面に、図7に示されているように、マイクロレンズアレイやフライアイレンズなどの光拡散機能を有する構造32を形成することもできる。このような構造は、例えば特開2011−180581に開示されており、これと同様の方法によって形成することができる。
また、偏光解消素子8のサブ波長構造領域30a〜30dが形成されている面とは反対側の面に、構造32の代わりに、使用波長以下の位相差発生機能構造や位相差発生膜構造などを設けてもよい。その場合、それらの構造によって光に生じさせる位相差の大きさがそれらの構造が設けられている位置によって異なるように、それらの構造が不均一に設けられていることが好ましい。そうすれば、そのような構造が偏光解消素子8に入射した各光束6a〜6cに与える位相差発生効果が、偏光解消素子8の駆動に伴って時間変化し、スペックル解消効果のさらなる向上を図ることができる。
図6に示した両面透過型の偏光解消素子8は、例えば石英などの光透過性材料で構成された円盤状基板の一方と他方の平面の両側にサブ波長構造領域30a〜30dが設けられているものである。図においてシボ及び矢印で示されているように、光は円盤状基板の両面のサブ波長構造を通過する。そのため、この偏光解消素子8が単体で1/2波長板をなす場合には、一方の表面側のサブ波長構造と他方の表面側のサブ波長構造の合計で略1/2波長分の位相差を光に生じさせればよい。例えば、各表面側のサブ波長構造で略1/4波長分の位相差が生じるように設計すればよい。
なお、図5及び図6において、光束6a〜6cが偏光解消素子8の主平面に対して垂直に入射しているが、斜めに入射させてもよい。
図8に示した反射型偏光解消素子8は、円盤状基板の一方の表面側にサブ波長構造領域30a〜30dが設けられ、各サブ波長構造領域30a〜30dのサブ波長構造よりも下層側に反射層34が設けられている。円盤状基板は光透過性材料で構成されていてもよいし、別の材料で構成されていてもよい。
この反射型偏光解消素子8の一方の表面に入射した光6a〜6cは、図中のシボ及び矢印で示されているように、サブ波長構造を通過した後、反射層34で反射し、再びサブ波長構造を通過して射出される。したがって、光はサブ波長構造を2回通過することになる。そのため、この偏光解消素子8が単体で1/2波長板をなす場合には、光が1回通過したときに略1/4波長分の位相差が生じるようにサブ波長構造を設計すればよい。
図9に示した反射型偏光解消素子8は、光透過性材料からなる円盤状基板の一方の表面側にサブ波長構造領域30a〜30dが設けられ、その反対側の面に反射層34が設けられている。これにより、一方の表面に入射した光6a〜6cはサブ波長構造を通過した後、他方の表面側の反射層34で反射し、再び一方の平面側のサブ波長構造を通過して射出される。したがって、光はサブ波長構造を2回通過することになる。そのため、この偏光解消素子8が単体で1/2波長板をなす場合には、光が1回通過したときに略1/4波長分の位相差が生じるようにサブ波長構造を設計すればよい。
以上において説明した偏光解消素子8は、無機材料によって構成されたものであってもよいし、有機材料によって構成されたものであってもよい。
以上において説明した実施例は、微細構造による構造複屈折によって波長板としての機能を発現するものであるが、本発明の機能及び効果は、他の構造の光学素子によっても発現することができる。例えば、有機フィルムで製作された波長板や複屈折結晶材料などで構成された波長板であってもよい。
本発明者は、スペックル解消光学系1のスペックル解消効果について検証を行なった。その結果を表1に示す。
Figure 2018097142
この検証では、株式会社オキサイドの標準型スペックルコントラスト測定光学装置で光分割部4による光分割数と偏光解消素子8の回転数を変更したときのスペックルコントラスト値(以下、Cs値)を測定した。Cs値はスペックルが多く現れるほど大きな値になるものであるため、測定されるCs値が低いほどスペックル解消効果が高いと評価することができる。
表1において、光分割数が1とは、光源からの光6を光分割部4を介することなく偏光解消素子8に入射させて測定したことを意味する。光分割数が2とは、光源からの光6を2つの光束に分割し、それらの光束が互いに異なるサブ波長構造領域に入射するようにして測定したことを意味する。また、光分割数が3とは、上記図2〜図4を用いて説明した実施例と同様の条件で測定したことを意味する。光分割数が4とは、光源からの光を光分割部4によって4つの光束に分割し、それらの光束が互いに異なるサブ波長構造領域に入射するようにして測定したことを意味する。
この検証では、まず、光分割数が1〜4のどの場合においても、偏光解消素子8の回転数を上昇させることによってCs値が改善することがわかった。さらに、光分割数を増加させることによってCs値が改善することがわかった。したがって、この検証により、スペックル解消効果の向上には、偏光解消素子8の運動速度を上昇させることのほか、光分割数を増やすことが効果的であることが実証された。
また、この検証では、偏光解消素子8として、図5に示すような片面透過型の偏光解消素子8を用いた場合(MLAなし・ランダム位相差発生構造なし)、図7に示すような1/2波長板と光拡散板が一体化した偏光解消素子8を用いた場合(MLAあり)、さらには、光に位相差を発生させる位相差発生構造であってその位相差発生量がその構造の位置で異なるランダム位相差発生構造を、図7のMLAに代えて1/2波長板の裏面に設けた偏光解消素子8を用いた場合(ランダム位相差発生構造あり)について、Cs値を測定した。その結果、1/2波長板と光拡散板が一体化した偏光解消素子8を用いた場合、1/2波長板の裏面にランダム位相差発生構造を設けた偏光解消素子8を用いた場合のそれぞれにおいてCs値が改善する傾向があることがわかった。
以上において説明した実施例では、光分割部4によって分割した光束6a〜6cを互いに異なるサブ波長構造領域に入射させるように構成されているが、本発明はこれに限定されない。例えば、図10に示されているように、偏光解消素子8の状態によっては、すべての光束6a〜6cが同じ微細構造領域に入射するようになっていてもよい。
図10の例について説明すると、光分割部4によって分割された各光束6a〜6cは、偏光解消素子8の光学面の互いに異なる位置であって、偏光解消素子8の円周方向に互いに22.5°ずつずれた位置に入射するように構成されている。
各光束6a〜6cの偏光方向をサブ波長構造領域30aの光学軸方向と同じ方向(図において上下方向)であるとすると、図10の状態では、各光束6a〜6cの偏光方向とサブ波長構造領域30aの光学軸方向がなす角度は0°であるため、各光束6a〜6cは入射時の偏光方向と同じ偏光方向をもって偏光解消素子8から出射することになる。
図11に示されているように、偏光解消素子8が図10の状態から反時計回りに30°回転すると、光束6aと6bはサブ波長構造領域30aに入射し、光束6cはサブ波長構造領域30bに入射する。サブ波長構造領域30aと30bの光学軸方向はそれぞれ図10の状態から時計回りに30°回転しているから、光束6aの偏光方向とサブ波長構造領域30aの光学軸方向がなす角度θは30°、光束6bの偏光方向とサブ波長構造領域30aの光学軸方向がなす角度θは30°、光束6cの偏光方向とサブ波長構造領域30bの光学軸方向がなす角度θは7.5°である。したがって、各光束6a、6b、6cはそれぞれ60°、60°、15°回転させられた状態で偏光解消素子8から出射する。すなわち、偏光解消素子8から射出される光には入射時の偏光方向に対して60°と15°の角度をなす偏光方向をもった成分が含まれることになる。したがって、同時に偏光解消素子8から出射された光に2つの偏光方向をもった成分が含まれるので、光分割部4によって光を分割しないで偏光解消素子8へ光6を入射させた場合に比べて、スペックル解消効果の向上が見込める。
さらに、図12に示されているように、偏光解消素子8が図11の状態から反時計回りに30°回転すると、光束6aはサブ波長構造領域30aに入射し、光束6bと6cはサブ波長構造領域30bに入射する。サブ波長構造領域30aと30bの光学軸方向はそれぞれ図11の状態からさらに時計回りに30°回転しているから、光束6aの偏光方向とサブ波長構造領域30aの光学軸方向がなす角度θは60°、光束6bの偏光方向とサブ波長構造領域30bの光学軸方向がなす角度θは37.5°、光束6cの偏光方向とサブ波長構造領域30bの光学軸方向がなす角度θは37.5°である。したがって、各光束6a、6b、6cはそれぞれ120°、75°、75°回転させられた状態で偏光解消素子8から出射する。すなわち、偏光解消素子8から射出される光には入射時の偏光方向に対して120°と75°の角度をなす偏光方向をもった成分が含まれることになる。
このように、光分割部4によって分割した光を、偏光解消素子8の光学面における近い位置に入射させた場合でも、時間帯によって出射光16に複数の偏光方向成分を含ませることができ、出射光16の偏光方向のランダム性を向上させる効果が得られる。
次に、光学機器に対する上記偏光解消光学系2の適用例について、図13を用いて説明する。図13はスクリーン投影装置の構成の一例を示す概略構成図である。
このスクリーン投影装置は、光源部36、スペックル解消光学系2、ミラー46、レンズ48、ミラー50、投影レンズ52及びスクリーン54を備えている。光源部36は赤、緑、青の三色の光をそれぞれ発光するレーザーダイオード(LD)又は発光ダイオード(LED)からなる光源38a,38b,38cを備え、それらの光源38a,38b,38cから発せられる光をハーフミラー40,42によって合成し、レンズ44を介して出射する。なお、光源部36を構成する光源はLDやLEDに限られず、他の光源であってもよい。
光源部36から出射される光6は、以上において説明したスペックル解消光学系2に入射する。スペックル解消光学系2では、光6を光分割部4(図1参照)によって複数の光束に分割して偏光解消素子8(図1参照)へ入射させ、その偏光解消素子8を経た光を合成し、1つの光束16として射出する。
スペックル解消光学系2から出射した光16は、ミラー46、レンズ48、ミラー50及び投影レンズ52を経てスクリーン54に投影される。ミラー50はMEMS素子からなるミラー(MEMSミラー)ないしはMEMSミラーアレイであってもよい。なお、本発明では煩雑をさけるため、上記を総称してMEMSミラーと表記する。MEMSミラーは、電気的に駆動することができる単独又は複数のマイクロミラーを備え、マイクロミラーの下部に設けられた電極の駆動のオン/オフによってマイクロミラーの傾斜状態を変化させることができる。したがって、ミラーを個別に駆動することにより、表示画素ごとに光の投射を制御することができる。
2 スペックル解消光学系
4 光分割部
6 光
6a〜6c 分割された光束
8 偏光解消素子
10 駆動機構
12 集光レンズ
14 光ファイバ
16 合成された光
18,20,22,23,24,26,28 レンズ
30a〜30d サブ波長構造領域
32 光拡散構造(マイクロレンズアレイ)
34 反射層

Claims (6)

  1. 基板の少なくとも一方の表面側が、光に位相差を生じさせるサブ波長構造が形成された複数のサブ波長構造領域をもつ光学面となっている偏光解消素子と、
    前記偏光解消素子を前記光学面と同一平面内において駆動する駆動機構と、
    光源からの光を複数の光束に分割し、各光束を前記偏光解消素子の前記光学面における互いに異なる位置に入射させる光分割部と、を備えたスペックル解消光学系。
  2. 前記偏光解消素子を経た光を1つの光束として合成する光合成部をさらに備えている請求項1に記載のスペックル解消光学系。
  3. 前記光分割部は、前記光源からの光の一部を透過させ、残りの光を反射させる少なくとも1つの抽出ミラーと、前記抽出ミラーを透過した光及び前記抽出ミラーで反射した光のそれぞれを前記偏光解消素子の前記光学面の互いに異なる位置に導く導光光学系と、を備えている請求項1又は2に記載のスペックル解消光学系。
  4. 前記偏光解消素子は、光学軸方向が互いに異なる複数の前記サブ波長構造領域を備えており、
    前記光分割部は、分割した光束を光学軸方向が互いに異なる前記サブ波長構造領域にわたって入射させるように構成されている請求項1から3のいずれか一項に記載のスペックル解消光学系。
  5. 前記光分割部は、分割した光束のそれぞれを光学軸方向が互いに異なる前記サブ波長構造領域に入射させるように構成されている請求項4に記載のスペックル解消光学系。
  6. 前記偏光解消素子は円盤状基板からなり、前記サブ波長構造領域が前記円盤状基板の円周方向に並んで設けられており、
    前記駆動機構は前記偏光解消素子を回転駆動するものである請求項1から5のいずれか一項に記載のスペックル解消光学系。
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