JP2018072570A - スペックル解消素子及びスペックル解消機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】スペックル解消素子によるスペックル解消効果を容易に向上させることができるようにする。【解決手段】スペックル解消素子は、円盤状基板の主表面のうち少なくとも一方の表面側に、該表面に入射した光に位相差を生じさせる微細構造をもつ微細構造領域が設けられており、前記一方の表面に対して直交する軸を中心軸とする前記円盤状基板の回転に伴って前記微細構造の光学軸方向も回転するように構成されている。【選択図】図1
Description
本発明は、スペックル解消素子とそのスペックル解消素子を含むスペックル解消機構に関するものである。
偏光解消素子は、レーザプリンタなどで問題となる偏光を解消させるための光学部品として用いられたり、光学露光装置や光学測定機などの光学機器の光学系のスペックルの発生を低減させるスペックル低減素子として用いられたりしている。
レーザからの光をマイクロレンズアレイやフライアイレンズを通すことによってひとつの光束を複数の光束に分割する際、分割された光は偏光方向が同一方向に揃っており、スペックル解消光学系の中で特定の条件が整うと、分割された光がそれぞれ干渉発生の原因となって光学系の途中で光が強めあう点(スペックル)が生じる場合がある。スペックルは、レーザ光を使用するいろいろな光学系で発生することが知られており、これを解消する方法が種々提案されているが、有効な解決策は確立されていない。
スペックルを解消する方法のひとつとして、光の偏光状態が様々になったいわゆるランダム偏光状態にすることが挙げられる。偏光が不揃いであると、指向性の低い自然光の状態に近づくために光の干渉が起こりにくいからである。
偏光解消素子として、サブ波長構造(Sub-Wavelength Structures;SWS)を備えたものが知られている(例えば特許文献1を参照。)。サブ波長構造は、使用する光の波長よりも短い周期で繰り返して配列された溝の周期構造である。
光の波長より短いピッチをもつ溝の周期構造は、周期をもつ方向ともたない方向で互いに異なる有効屈折率nTE,nTMをもち、あたかも複屈折材料であるかのように振舞う(いわゆる構造複屈折構造である)。この有効屈折率の差によって各偏波方向の光の伝播速度に差ができるため、サブ波長構造を通過する光の偏光状態が変化する。サブ波長構造は、構造の設計によって複屈折やそれらの分散を自由に制御できる。サブ波長構造のこの特性を利用して、偏光板、波長板、波長分離素子など、様々な製品が展開されている。
サブ波長構造を利用した偏光解消素子は、光を透過させる部分が複数の領域に分割され、それらの各領域に種々の光学軸方向をもったサブ波長構造が形成されている。以下、この領域をサブ波長構造領域と称する。光学軸方向とは、サブ波長構造の溝の配列方向に直交する方向である。偏光解消素子は、各サブ波長構造領域を光が走査するように平面的に駆動される。これにより、該偏光解消素子を透過する光の偏光方向が時間によって種々の方向に変更され、それらを合成した光は種々の偏光方向をもった光となる。偏光解消素子を透過した光が種々の偏光方向をもつことにより、同じ偏光方向をもった光の干渉によるスペックルが緩和される。
本発明は、スペックル解消素子によるスペックル解消効果を容易に向上させることができるようにすることを目的とするものである。
本発明に係るスペックル解消素子は、円盤状基板の主表面のうち少なくとも一方の表面側に、該表面に入射した光に位相差を生じさせる微細構造をもつ微細構造領域が設けられており、前記一方の表面に対して直交する軸を中心軸とする前記円盤状基板の回転に伴って前記微細構造の光学軸方向も回転するように構成されているものである。
スペックル解消素子としては、入射した直線偏光の光に1/2波長分の位相差を生じさせることで、その偏光方向が回転した直線偏光の状態で射出する1/2波長板が知られている。本発明もそのような1/2波長板としての機能を発現して直線偏光の光の偏光方向を時間的に変更してスペックル解消効果を発揮することを目的とするものであるが、本発明に係るスペックル解消素子は、必ずしも1つの素子だけで1/2波長板としての機能を発現する必要はない。1つの素子によって1/2波長板の機能を発現してもよいが、2つ以上の素子によって1/2波長板としての機能を発現するものであってもよい。2つ以上の素子によって1/2波長板としての機能を発現させる場合には、1つの素子は光に1/2波長よりも小さい波長分の位相差を生じさせる効果を発現するものであり、各素子が光に生じさせる位相差の合計が略1/2波長分となるように構成する。
ここで、1/2波長板の機能として、1/2波長板に直線偏光の光が入射したときに、入射光の偏光方向とその光が通過する微細構造の光学軸方向とのなす角度をθとすると、その偏光方向を2θだけ回転させた直線偏光の光を射出することが知られている。つまり、1/2波長板への入射光の偏光方向が一定である場合には、1/2波長板の微細構造の光学軸方向がθだけ回転すると、射出される光の偏光方向が2θ回転する。したがって、微細構造の光学軸方向が360度回転すれば、射出される光の偏光方向は720度回転することになる。光の偏光方向において0度と180度は同義であるため、射出される光の偏光方向が720度回転するとは、射出される光の偏光方向が0度〜180度の間での回転を4回繰り返すことを意味する。
本発明に係るスペックル解消素子の好ましい実施態様では、円盤状基板の主表面のうち少なくとも一方の表面側に、該表面に入射した光に位相差を生じさせる微細構造をもつ微細構造領域が設けられており、前記一方の表面に対して直交する軸を中心軸として前記円盤状基板を360度回転させたときに、前記一表面において光を入射させる部分における前記微細構造の光学軸方向が合計で360度回転するように構成されている。
ここで、円盤状基板を360度回転させたときに、前記一表面において光を入射させる部分における前記微細構造の光学軸方向が“合計で”360度回転するとは、円盤状基板を360度回転させると光を入射させる部分における微細構造の光学軸方向も同様に360度回転する場合だけでなく、円盤状基板を360度回転させる間に光を入射させる部分における微細構造の光学軸方向が、例えば0〜90度の間での回転を4回繰り返す場合も含むことを意味する。
本発明に係るスペックル解消素子は回転駆動することを前提とするものである。そして、上記のように、円盤状基板を360度回転させたときに、光を入射させる部分における微細構造の光学軸方向が合計で360度回転するように構成することで、このスペックル解消素子を用いて1/2波長板としての機能を発現させようとしたときに、円盤状基板を1回転させる間に最終的に射出される光の偏光方向を720度、すなわち0〜180度の間での回転を4回繰り返すことができる。本発明に係るスペックル解消素子としては、かかる機能を発現する構成を有することが好ましい。
上記の機能を発現するスペックル解消素子としては、前記微細構造領域が前記円盤状基板の円周方向において均等に4分割されており、分割された4領域のうち互いに隣接する領域の前記微細構造の光学軸方向が互いに略90度ずれているものが挙げられる。このように構成すれば、微細構造領域に形成されている微細構造の光学軸方向は、円盤状基板が90度回転するごとに元の状態に戻ることとなる。すなわち、円盤状基板が1回転する間に、微細構造の光学軸方向が0度〜90度の間での回転を4回繰り返すこととなり、合計で360度回転する。上述のように、射出される光の偏光方向は微細構造の光学軸方向の回転角度の2倍の角度だけ回転するのであるから、微細構造の光学軸方向が0度〜90度の間で回転する間に、射出される光の偏光方向は0度〜180度の間で回転する。したがって、円盤状基板が1回転する間に、射出される光の偏光方向は0度〜180度の間での回転を4回繰り返すこととなる。
なお、同様の機能を発現するスペックル解消素子の構成として、前記微細構造領域全体に同じ光学軸方向をもつ前記微細構造が形成されているものが挙げられる。この場合は、円盤状基板の回転角度に応じて微細構造の光学軸方向も回転するのであるから、円盤状基板が1回転する間に微細構造の光学軸方向は360度回転することになり、射出される光の偏光方向は720度回転することとなり、上記構成と同様の機能が発現される。
本発明に係るスペックル解消素子は、光を透過させる透過型の素子であってもよいし、光を反射させる反射型の素子であってもよい。また、片面にのみ微細構造領域が設けられているものであってもよいし、両面に微細構造領域が設けられているものであってもよい。
透過型のスペックル解消素子の構成の一例は、前記円盤状基板が光透過性材料で構成され、前記微細構造領域が前記円盤状基板の前記一方の表面側にのみ設けられ、前記微細構造が光に略1/2波長分の位相差を生じさせるものである。この場合、このスペックル解消素子単体で1/2波長板としての機能を発現する。
ここで、「略1/2波長分」とは厳密には1/2波長分でなくてもよいことを意味する。「略1/4波長分」についても同様である。
また、透過型のスペックル解消素子の構成の他の例は、前記円盤状基板が光透過性材料で構成され、前記微細構造領域が前記円盤状基の前記一方の表面側と他方の表面側に設けられ、前記一方の表面側と前記他方の表面側の前記微細構造を通過した光に略1/2波長分の位相差を生じさせるものである。このスペックル解消素子も単体で1/2波長板としての機能を発現する。この場合、一方の表面側と他方の表面側の微細構造はそれぞれ略1/4波長分の位相差を生じさせるように形成されていてもよいし、それ以外の組合せであってもよい。要は、一方の表面側と他方の表面側の微細構造の合計で光に略1/2波長分の位相差を生じさせるように構成されていればよい。
反射型のスペックル解消素子の構成の一例は、前記円盤状基板が前記一方の表面側に入射して前記微細構造を通過した光を反射させて前記一方の表面側から出射させる反射層を備え、前記微細構造は入射した光が出射するまでの間にその光に合計で略1/2波長分の位相差を生じさせるものである。このスペックル解消素子も単体で1/2波長板としての機能を発現する。
本発明に係るスペックル解消機構は、上述のスペックル解消素子を利用するものである。すなわち、本発明に係るスペックル解消機構は、光源からの光の光路上に配置された少なくとも1つのスペックル解消素子であって、その主表面のうち少なくとも前記光が入射する一方の表面側に、前記光に位相差を生じさせる微細構造を有する微細構造領域が設けられている本発明のスペックル解消素子と、前記スペックル解消素子を該スペックル解消素子の主平面と平行な平面内において回転させることにより、前記スペックル解消素子に入射する光が通過する領域における前記微細構造の光学軸方向を時間的に変化させる回転駆動部と、を備えている。
本発明のスペックル解消機構は、複数の前記スペックル解消素子を備え、前記回転駆動部はそれらの前記スペックル解消素子を回転させるものであってもよい。その場合、前記各スペックル解消素子の略同一の光学軸方向をもつ前記微細構造を光が通過し、すべての前記スペックル解消素子を経た光に略1/2波長分の位相差が生じるように構成されていることで、複数のスペックル解消素子によって1/2波長板としての機能を発現することができる。
本発明に係るスペックル解消素子は、円盤状基板の回転に伴って微細構造の光学軸方向も回転するように構成されているので、円盤状基板の回転に伴って出射光の偏光方向が微細構造の光学軸方向の2倍の角度だけ回転することになる。したがって、出射光の偏光方向の回転角度が円盤状基板の回転速度が高ければ高いほど向上することになるので、円盤状基板の回転速度を高めるだけで、光の偏光方向の時間分解機能が向上し、スペックル解消機能が向上する。したがって、スペックル解消機能の向上が容易である。
本発明に係るスペックル解消機構は、上記のスペックル解消素子を回転させる構成であるため、簡単な構成で実現可能であるとともに、スペックル解消素子の回転速度を高めるだけで光の偏光方向の時間分解機能が向上するので、スペックル解消機能の向上が容易である。
以下、本発明に係るスペックル解消素子及びスペックル解消機構の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1はスペックル解消素子の一実施例を示す平面図である。
この実施例のスペックル解消素子2は、円盤状基板の少なくとも一方の表面側に、光に位相差を生じさせる機能を有する微細構造が形成された微細構造領域4a〜4dを備えている。微細構造領域4a〜4dは円盤状基板の主平面を周方向に均等に4つに分割された領域である。各領域4a〜4d内に描かれた矢印は各領域4a〜4dに形成されている微細構造の光学軸方向を示している。それらの矢印からわかるように、互いに隣接する微細構造領域に形成されている微細構造の光学軸方向は、互いに90度ずつずれている。
図2は図1のスペックル解消素子2が90度回転したときの状態を示している。図2からわかるように、互いに隣接する微細構造領域の微細構造の光学軸方向が90度ずつずれていることで、スペックル解消素子2が90度回転したときに、ハッチングで示された光入射領域の微細構造の光学軸方向が元の状態(図1の状態)と同じ状態に戻る。すなわち、このスペックル解消素子2が1回転する間に、光入射領域における微細構造の光学軸方向が0〜90度の間での回転を4回繰り返し、合計で360度回転することになる。
既述のように、1/2波長板に入射した直線偏光の光の偏光方向は、1/2波長板の光学軸方向の回転角度の2倍の角度だけ回転した状態で射出される。この原理から、この実施例のスペックル解消素子2を1/2波長板とした場合に、素子2を1回転させる間に光入射領域に入射した光の偏光方向が0〜180度の間での回転を4回繰り返すこととなる。
図1及び図2のスペックル解消素子2において、微細構造領域4a〜4dに形成されている微細構造のパターン深さは必ずしも均一でなくてもよい。微細構造領域4a〜4dに形成されている微細構造のパターン深さを不均一にすることで、光の偏光方向を時間的に変更する効果に加えて、光に生じさせる位相差を時間的に変化させる効果を発現することができる。
例えば、微細構造領域4aでは「1/2波長±0」の位相差、微細構造領域4bでは「1/2波長+α」の位相差、微細構造領域4cでは「1/2波長±0」の位相差、微細構造領域4bでは「1/2波長‐α」の位相差がそれぞれ発生するように設計する。αは位相のズレ量であり、例えば1/2波長の180°に対して3°〜10°である。これにより、このスペックル解消素子2からの出射光には直線偏光の光と楕円偏光の光が含まれることになり、光の偏光方向の時間分割機能が向上し、スペックル解消効果が向上する。
図1及び図2のスペックル解消素子2と同様の効果を発現するスペックル解消素子の構成を図3に示す。
この実施例のスペックル解消素子2’は、円盤状基板の少なくとも一方の表面側の全体に微細構造領域4’を備えている。微細構造領域4’内に描かれている矢印はこの微細構造領域4’に形成されている微細構造の光学軸方向であり、微細構造領域4’に形成されている微細構造は単一の光学軸方向しかもっていないことが示されている。これにより、スペックル解消素子2’を例えば90度回転させると、図4に示されるように、光入射領域における微細構造の光学軸方向も90度回転する。
すなわち、この実施例のスペックル解消素子2’は、素子2’の回転に伴って同じ角度だけ光学軸方向も回転し、素子2’が1回転する間に光学軸方向が360度回転する。したがって、光入射領域に入射し射出される光の偏光方向は、素子2’が1回転する間に720度回転する。偏光方向が720度回転することは0〜180度の回転を4回繰り返すことと同義である。
図3及び図4のスペックル解消素子2'において、微細構造領域4'に形成されている微細構造のパターン深さは均一であってもよいし不均一であってもよい。微細構造領域4'に形成されている微細構造のパターン深さが不均一であれば、光の偏光方向を時間的に変化させるだけでなく、光に生じさせる位相差を時間的に変化させることができるので、スペックル解消効果を向上させることができる。例えば、微細構造領域4'内に、光に「1/2波長±0」の位相差を生じさせる部分のほかに、「1/2波長+α」の位相差を生じさせる部分や「1/2波長‐α」の位相差を生じさせる部分を設けることで、このスペックル解消素子2からの出射光には直線偏光の光と楕円偏光の光が含まれることになり、光の偏光方向の時間分割機能が向上し、スペックル解消効果が向上する。
以上において説明したスペックル解消素子2,2’は、単体で1/2波長板としての機能を発現するものであってもよいし、複数のスペックル解消素子2,2’を組み合わせることによって1/2波長板としての機能を発現するものであってもよい。例えば2枚のスペックル解消素子2又は2’によって1/2波長板としての機能を発現する場合には、1つのスペックル解消素子2又は2’が略1/4波長分の位相差を光に生じさせるように構成すればよいので、微細構造の凹凸のアスペクト比が1/2波長板を単体で構成する場合に比べて小さくて済み、素子の形成が容易になる。
スペックル解消素子2、2’の構造型として種々のものが考えられるが、その例として図5に示されるような片面透過型、図6に示されるような両面透過型、図7や図8に示されるような反射型が挙げられる。
図5に示した片面透過型のスペックル解消素子2又は2’は、例えば石英などの光透過性材料で構成された円盤状基板の一方の平面側に微細構造領域4又は4’が設けられているものである。微細構造領域4又は4’には、図においてシボ及び矢印で示されるように、通過する光に位相差を生じさせる微細構造(サブ波長構造)をなす凸部6aと凹部6bが設けられている。このスペックル解消素子2又は2’が単体で1/2波長板をなす場合には、微細構造6が光に略1/2波長分の位相差を生じさせるように設計される。
このような片面透過型のスペックル解消素子2又は2'では、微細構造領域4又は4'が形成されている面とは反対側の面に、マイクロレンズアレイやフライアイレンズなどの光拡散機能を有する構造を形成することもできる。波長板と光拡散板とが一体化した構造は、例えば特開2011−180581に開示されており、これと同様の方法によって形成することができる。
図6に示した両面透過型のスペックル解消素子2又は2’は、例えば石英などの光透過性材料で構成された円盤状基板の一方と他方の平面の両側に微細構造領域4又は4’が設けられているものである。図においてシボ及び矢印で示されているように、光は円盤状基板の一方の平面側に設けられた微細構造6と他方の平面側に設けられた微細構造6の両方を通過する。そのため、このスペックル素子2又は2’が単体で1/2波長板をなす場合には、一方の平面側の微細構造6と他方の平面側の微細構造6の合計で略1/2波長分の位相差を光に生じさせればよい。例えば、各平面側の微細構造6で略1/4波長分の位相差が生じるように設計すればよい。
なお、図5及び図6において、光が素子2,2’の微細構造領域4,4’に対して垂直に入射しているが、斜めに入射させてもよい。
図7に示した反射型スペックル解消素子2又は2’は、円盤状基板の一方の平面側に微細構造領域4又は4’が設けられ、微細構造領域4又は4’をなす微細構造6よりも下層側に反射層8が設けられている。円盤状基板は光透過性材料で構成されていてもよいし、別の材料で構成されていてもよい。
この反射型スペックル解消素子2又は2’の一方の表面に入射した光は、図中のシボ及び矢印で示されているように、微細構造6を通過した後、反射層8で反射し、再び微細構造6を通過して射出される。したがって、光は微細構造6を2回通過することになる。そのため、このスペックル素子2又は2’が単体で1/2波長板をなす場合には、光が1回通過したときに略1/4波長分の位相差が生じるように微細構造6を設計すればよい。
図8に示した反射型スペックル解消素子2又は2’は、光透過性材料からなる円盤状基板の一方の平面側に微細構造領域4又は4’が設けられ、他方の平面側に反射層8が設けられている。これにより、一方の表面に入射した光は微細構造6を通過した後、他方の表面側の反射層8で反射し、再び一方の平面側の微細構造6を通過して射出される。したがって、光は微細構造6を2回通過することになる。そのため、このスペックル素子2又は2’が単体で1/2波長板をなす場合には、光が1回通過したときに略1/4波長分の位相差が生じるように微細構造6を設計すればよい。
以上において説明したスペックル解消素子2,2’は、無機材料によって構成されたものであってもよいし、有機材料によって構成されたものであってもよい。
以上において説明した実施例は、微細構造による構造複屈折によって波長板としての機能を発現するものであるが、本発明の機能及び効果は、他の構造の光学素子によっても発現することができる。例えば、有機フィルムで製作された波長板や複屈折結晶材料などで構成された波長板であってもよい。
図9は、一実施例のスペックル解消機構を用いたスクリーン投影装置の概略構成図である。
このスクリーン投影装置は、光源部10、スペックル解消素子2又は2’、回転駆動部20、ミラー22、レンズ24、ミラー26、投影レンズ28及びスクリーン30を備えている。光源部10は赤、緑、青の三色の光をそれぞれ発光するレーザーダイオード(LD)又は発光ダイオード(LED)からなる光源12a,12b,12cを備え、それらの光源12a,12b,12cから発せられる光をハーフミラー14,16によって合成し、レンズ18を介して出射する。なお、光源部10を構成する光源はLDやLEDに限られず、他の光源であってもよい。
光源部10から出射される光の光軸上にスペックル解消素子2又は2’が配置されている。スペックル解消素子2は図1及び図2を用いて説明したスペックル解消素子であり、スペックル解消素子2’は図3及び図4を用いて説明したスペックル解消素子である。この実施例では2つのスペックル解消素子2又は2’が用いられており、これら2つのスペックル解消素子2又は2’によって1/2波長板としての機能を発現するようになっている。すなわち、これら2つのスペックル解消素子2又は2’を透過する光に対して略1/2波長分の位相差を生じさせ、それによって光源部10からの光の偏光方向を回転させる。
なお、1つのスペックル解消素子2又は2’のみが用いられていてもよいし、3つ以上のスペックル解消素子2又は2’が用いられていてもよい。1つのスペックル解消素子2又は2’のみを用いる場合には、そのスペックル解消素子2又は2’単体で1/2波長板としての機能を発現する。3つ以上のスペックル解消素子2又は2’はそれらの素子が光に生じさせる位相差の合計が略1/2波長分となるように構成する。
この実施例では、透過型のスペックル解消素子2又は2’を用いた場合を示しているが、1つ又は2つ以上の反射型スペックル解消素子2又は2’を用いることもできる。
スペックル解消素子2又は2’は高速度モータ等によって構成される回転駆動部20によって、光源部10からの光が入射する微細構造の光学軸方向が時間的に変化するように回転駆動される。2つのスペックル解消素子2又は2’は、光源部10からの光の光軸上に同じ光学軸方向をもつ微細構造が必ずくるように配置されている。これにより、光源部10からの光が同じ光学軸方向をもつ微細構造を通過し、それによって略1/2波長分の位相差が生じて偏光方向が回転させられる。スペックル解消素子2又は2’と回転駆動部20は、光源部10からの光の偏光方向を時間的に変化させてスペックル解消効果を生じさせるスペックル解消機構を構成する。
スペックル解消素子2又は2’を経た光は、ミラー22、レンズ24、ミラー26及び投影レンズ28を経てスクリーン30に投影される。ミラー26はMEMS素子からなるミラー(MEMSミラー)ないしはMEMSミラーアレイであってもよい。なお、本発明では煩雑をさけるため、上記を総称してMEMSミラーと表記する。MEMSミラーは、電気的に駆動することができる単独又は複数のマイクロミラーを備え、マイクロミラーの下部に設けられた電極の駆動のオン/オフによってマイクロミラーの傾斜状態を変化させることができる。したがって、ミラーを個別に駆動することにより、表示画素ごとに光の投射を制御することができる。
2,2' スペックル解消素子
4a〜4d,4' 微細構造領域
6 微細構造
8 反射層
10 光源部
12a〜12c 光源
14,16 ハーフミラー
18,24 レンズ
22 ミラー
26 MEMS素子
28 投影レンズ
30 スクリーン
4a〜4d,4' 微細構造領域
6 微細構造
8 反射層
10 光源部
12a〜12c 光源
14,16 ハーフミラー
18,24 レンズ
22 ミラー
26 MEMS素子
28 投影レンズ
30 スクリーン
Claims (11)
- 円盤状基板の主表面のうち少なくとも一方の表面側に、該表面に入射した光に位相差を生じさせる微細構造をもつ微細構造領域が設けられており、前記一方の表面に対して直交する軸を中心軸とする前記円盤状基板の回転に伴って前記微細構造の光学軸方向も回転するように構成されたスペックル解消素子。
- 前記円盤状基板を360度回転させたときに、前記一表面において光を入射させる部分における前記微細構造の光学軸方向が合計で360度回転するように構成されている請求項1に記載のスペックル解消素子。
- 前記微細構造領域は前記円盤状基板の円周方向において均等に4分割されており、分割された4領域のうち互いに隣接する領域の前記微細構造の光学軸方向が互いに略90度ずれている請求項2に記載のスペックル解消素子。
- 前記各領域の微細構造のパターン深さが互いに不均一である請求項3に記載のスペックル解消素子。
- 前記微細構造領域全体に同じ光学軸方向をもつ前記微細構造が形成されている請求項2に記載のスペックル解消素子。
- 前記微細構造領域の微細構造のパターン深さが不均一である請求項5に記載のスペックル解消素子。
- 前記円盤状基板は光透過性材料で構成され、前記微細構造領域は前記円盤状基板の前記一方の表面側にのみ設けられ、前記微細構造は光に略1/2波長分の位相差を生じさせるものである請求項1から6のいずれか一項に記載のスペックル解消素子。
- 前記円盤状基板は光透過性材料で構成され、前記微細構造領域は前記円盤状基の前記一方の表面側と他方の表面側に設けられ、前記一方の表面側と前記他方の表面側の前記微細構造を通過した光に略1/2波長分の位相差を生じさせるものである請求項1から6のいずれか一項に記載のスペックル解消素子。
- 前記円盤状基板は前記一方の表面側に入射して前記微細構造を通過した光を反射させて前記一方の表面側から出射させる反射層を備え、前記微細構造は入射した光が出射するまでの間にその光に合計で略1/2波長分の位相差を生じさせるものである請求項1から6のいずれか一項に記載のスペックル解消素子。
- 光源からの光の光路上に配置された少なくとも1つのスペックル解消素子であって、その主表面のうち少なくとも前記光が入射する一方の表面側に、前記光に位相差を生じさせる微細構造を有する微細構造領域が設けられている請求項1又は2に記載のスペックル解消素子と、
前記スペックル解消素子を該スペックル解消素子の主平面と平行な平面内において回転させることにより、前記スペックル解消素子に入射する光が通過する領域における前記微細構造の光学軸方向を時間的に変化させる回転駆動部と、を備えたスペックル解消機構。 - 複数の前記スペックル解消素子を備え、前記回転駆動部はそれらの前記スペックル解消素子を回転させるものであり、
前記各スペックル解消素子の略同一の光学軸方向をもつ前記微細構造を光が通過し、すべての前記スペックル解消素子を経た光に略1/2波長分の位相差が生じるように構成されている請求項10に記載のスペックル解消素子。
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