JP2018096712A - 鮮度・熟成判定装置及び鮮度・熟成判定装置を備えた冷蔵庫 - Google Patents
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Abstract
Description
生鮮食品の収容部と、
前記収容部の中に配置された前記生鮮食品に可視光を照射する光源と、
前記可視光が照射された前記生鮮食品から反射された光の所定の波長域の光強度を検出する光センサと、
前記光センサが検出した前記所定の波長域の光強度に基づいて、前記生鮮食品の鮮度または熟成に関する判定を行う制御部と、を備えることを特徴とする。
前記光センサが青色域、緑色域及び赤色域の3つの波長域うちの何れかの光の波長域の光の光強度を検出し、
前記制御部が、前記生鮮食品の個々の食品種または食品群の分類に応じて、前記3つの波長域の光のうちの何れかの光の光強度に基づいて、前記生鮮食品の鮮度または熟成に関する判定を行うことを特徴とする。
「3つの波長域の光のうちの何れかの光の光強度に基づいて」については、1つの波長域の光の光強度に基づく場合だけでなく、複数の波長域の光の光強度に基づく場合も含まれる。
前記制御部が、前記生鮮食品のうち、肉類または魚介類については、前記光センサが検出した前記所定の波長域の光強度と前記生鮮食品中の細菌数との相関関係に基づく判定基準により判定を行い、野菜については、前記光センサが検出した前記所定の波長域の光強度と前記生鮮食品中のビタミンCまたはアミノ酸量に基づく判定基準により判定を行い、果物については、前記光センサが検出した前記所定の波長域の光強度と前記生鮮食品の糖度との相関関係に基づく判定基準により判定を行うことを特徴とする。
前記制御部が、前記光センサが検出した前記所定の波長域の光強度に基づいて、新鮮な状態、早めに食べるべきまたは要加熱の状態、及び腐敗した状態のうちのどの状態にあるか判定を行うことができ、更に、食品類に応じて、熟成した状態であるか否かの判定も行うこともできることを特徴とする。
前記収容部の中の気体の所定のガス成分の濃度を検出するガスセンサを更に備え、
前記制御部が、前記光センサが検出した前記所定の波長域の光強度、及びに前記ガスセンサが検出した前記所定のガス成分の濃度に基づいて、前記生鮮食品の鮮度または熟成に関する判定を行うことを特徴とする。
(本発明の1つの実施形態に係る鮮度・熟成判定装置の説明)
図1は、本発明の1つの実施形態に係る鮮度・熟成判定装置2を示す斜視図である。図2は、図1の断面A−Aを示す断面斜視図((a)参照)、並びに鮮度・熟成判定装置2に備えられた光センサ10b((b)参照)及びガスセンサ20((c)参照)の外形を示す斜視図である。図2(a)に示す白抜きの矢印は、空気の流れを模式的に示し、実線の矢印は、光の進行を模式的に示す。矢印Fで示す二点鎖線は、鮮度・熟成判定装置2の収容部内に配置された仮想の生鮮食品を示す。
外枠部6の開口と反対側の側面部6cは、所定の間隔だけ離間した2枚の壁部から構成され、図2(a)の白抜き矢印に示すように、収容部4内を流れた空気が収容部4外へ流出する開口(矢印P参照)が形成されている。
収容部4の外枠部6の上面部6aにおいて、2つのファン12,14の間に、引出部8の中に配置された生鮮食品Fに可視光を照射する光源10aと、生鮮食品Fから反射された光の所定の波長域の光強度を検出する光センサ10bとが備えられている。本実施形態では、光源10a及び光センサ10bを1つの筐体に収めた光センサユニット10を用いている。ただし、これに限られるものではなく、個々の機器である光源10a及び光センサ10bを隣接して配置することもできる。
本実施形態の光センサ10bは、図2(b)に示すように、受光素子と、それぞれ青色光のみを透過させるフィルタB、緑色光のみを透過させるフィルタG及び赤色光のみを透過させるフィルタRとを備えている。各フィルタB,G,Rを透過した青色光、緑色光または赤色光の光強度が、受光素子により電気信号に変換され、制御部へ送信される。
収容部4の外枠部6の上面部6aに配置された2つのファン12,14の間には、光センサユニット10に隣接して、気体の所定のガス成分の濃度を検出するガスセンサ20が備えられている。引出部8を外枠部6の奥まで押し込んだ収納状態において、判定を行う生鮮食品Fの載置位置の上方に、ガスセンサ20の感知部20aが下向きに配置されている。
ただし、ガスセンサ20の設置位置はこれに限られるものではなく、収容部4内の任意の位置に配置することができる。その場合でも、生鮮食品Fの腐敗に伴うガス成分の測定を確実に行うことができる。
図3は、本発明の1つの実施形態に係る鮮度・熟成判定装置が配置された冷蔵庫50を正面側から見た側面図である。次に、図3を参照しながら、本発明の1つの実施形態に係る冷蔵庫50の概要を説明する。
図4は、本発明の1つの実施形態に係る鮮度・熟成判定装置2の制御部100の基本構成を示すブロックダイアグラムである。次に、図4を参照しながら、本発明の1つの実施形態に係る鮮度・熟成判定装置2の制御部100の概要を説明する。
(1)光センサユニット10に備えられた光源10a及び光センサ10bを制御する光センサ制御部110と、
(2)ガスセンサ20を制御するガセセンサ制御部120と、
(3)光センサ10bやガスセンサ20の検出信号に基づいて、生鮮食品Fの鮮度や熟成を判定する判定部130と、
(4)判定部130による判定の結果を表示装置30に表示するための表示制御部140と、
を備える。
以上のような制御機器の構成に基づき、判定部130が、光センサ10bやガスセンサ20の検出信号に基づいて、下記に示すような生鮮食品の鮮度・熟成判定を行う。
図5は、光センサが検出した光強度またはガスセンサが検出したガス濃度と、生鮮食品の食品種に対応した鮮度・熟成を示すパラメータとの相関関係を示すグラフである。
以上のように、光センサ及びガスセンサともに、一般細菌数が腐敗と見なせる値となった7日目の測定値を閾値として、可食の可否を判断することができる。
以上のように、光センサ及びガスセンサともに、測定値の増減の傾向が逆転した以降において、一般細菌数が腐敗と見なせる値となった7日目の測定値を閾値として、可食の可否を判断することができる。
時間経過が7日目にバナナの糖度がほぼ上限に達しているので、各色の光強度について、この7日目の測定値を閾値として、バナナが食べ頃であるか否か、つまり熟成したか否か判断することができる。
図6は、生鮮食品の各食品種と、光センサが検出した光強度またはガスセンサが検出したガス濃度との相関の有無を示した表である。ここで、
(1)表に示された〇印は、相関性が強いものを示す。更に詳細に述べれば、相関係数Rについて、R22≧0.8の場合を意味する。
(2) 表に示された△印は、相関性が認められたものを示す。更に詳細に述べれば、相関係数Rについて、0.8≧R22>0.6の場合を意味する。
(3) 表に示された×印は、相関性が認められなかったものを示す。
試験結果に基づき、〇印で示す相関性が強いもの、及び△印に示す相関性が認められたものについて、鮮度・熟成判定が可能であると判断され、鮮度・熟成判定のアルゴリズムを作成した。図6の表では、鮮度・熟成判定が可能な食品類を、太線の破線で囲んで示す。
魚介類全般について、光センサにより検出された赤色光の光強度に基づき、一部の魚介類について、青色光の光強度に基づいて、鮮度・熟成判定が可能であると判断された。また、魚介類全般について、赤色光または青色光の光強度に加えて、ガスセンサから検出されたガス濃度に基づいて、鮮度・熟成判定が可能であると判断された。
(1)肉類は、赤色または青色光の光強度、
(2)魚介類は、赤色光(一部の魚介類は青色光も)の光強度、
(3)葉物野菜は、緑または青色光の光強度、
(4)緑系野菜は、緑色光の光強度、
(5)白・黄・赤系野菜は、赤色光の光強度、
(6)青・紫系野菜は、青色光の光強度、
(7)桃・赤系果物は、赤色光の光強度、
(8)橙・黄・緑系果物は、緑色光の光強度、
(9)青・紫系果物は、緑色または青色光の光強度
に基づいて、鮮度・熟成判定のアルゴリズムを形成できると判断できる。
図7は、生鮮食品の各食品種について、光センサが検出した所定の波長域の光強度に基づいて、生鮮食品の鮮度または熟成に関する判定を行うための判定基準の例を示す表である。図8は、生鮮食品の食品群の分類に対応して、光センサが検出した所定の波長域の光強度に基づいて、生鮮食品の鮮度または熟成に関する判定を行うための判定基準の例を示す表である。図7及び図8に示す表に記載された数値は光強度を示し、その単位はLxである。
次に、図7及び図8を参照しながら、光センサにより検出された光強度に基づく鮮度・熟成判定のアルゴリズムの説明を行う。
まず、肉類のうち、食品種が豚肉の場合の鮮度・熟成判定のアルゴリズムは以下のようになる。
(1)光センサにより検出されたる赤色光の光強度が100以上または青色光の光強度が50以上の場合には、新鮮な可食状態にあると判断する。
(2)光センサにより検出されたる赤色光の光強度が95以上100未満の場合または青色光の光強度が55以上50未満の場合には、要加熱の状態であり、早めに食べるべき状態であると判断する。
(3)光センサにより検出されたる赤色光の光強度が95未満または青色光の光強度が45未満となった場合には、腐敗している状態であると判断する。
(1)光センサにより検出されたる赤色光の光強度が135以上の場合には、新鮮な可食状態にあると判断する。
(2)光センサにより検出されたる赤色光の光強度が130以上135未満の場合には、要加熱の状態であり、早めに食べるべき状態であると判断する。
(3)光センサにより検出されたる赤色光の光強度が130未満となった場合には、腐敗している状態であると判断する。
[赤色光の場合]
(1)光センサにより検出されたる赤色光の光強度が130以上の場合には、新鮮な可食状態にあると判断する。
(2)光センサにより検出されたる赤色光の光強度が100以上130未満の場合には、要加熱の状態であり、早めに食べるべき状態であると判断する。
(3)光センサにより検出されたる赤色光の光強度が100未満となった場合には、腐敗している状態であると判断する。
[緑色光の場合]
(1)光センサにより検出されたる緑色光の光強度が300以上の場合には、新鮮な可食状態にあると判断する。
(2)光センサにより検出されたる緑色光の光強度が270以上300未満の場合には、要加熱の状態であり、早めに食べるべき状態であると判断する。
(3)光センサにより検出されたる色光の光強度が270未満となった場合には、腐敗している状態であると判断する。
[緑色光の場合]
(1)光センサにより検出されたる緑色光の光強度が220以上の場合には、新鮮な可食状態にあると判断する。
(2)光センサにより検出されたる緑色光の光強度が200以上220未満の場合には、熟成された食べ頃のであると判断する。
(3)光センサにより検出されたる赤色光の光強度が200未満となった場合には、腐敗している状態であると判断する。
[青色光の場合]
(1)光センサにより検出されたる青色光の光強度が170以上の場合には、新鮮な可食状態にあると判断する。
(2)光センサにより検出されたる青色光の光強度が150以上170未満の場合には、熟成された食べ頃のであると判断する。
(3)光センサにより検出されたる色光の光強度が150未満となった場合には、腐敗している状態であると判断する。
まず、肉類の場合の鮮度・熟成判定のアルゴリズムは以下のようになる。
(1)光センサにより検出されたる赤色光の光強度が100以上の場合または青色光の光強度が50以上の場合には、新鮮な可食状態にあると判断する。
(2)光センサにより検出されたる赤色光の光強度が95以上100未満の場合または青色光の光強度が55以上50未満の場合には、要加熱の状態であり、早めに食べるべき状態であると判断する。
(3)光センサにより検出されたる赤色光の光強度が95未満または青色光の光強度が45未満となった場合となった場合には、腐敗している状態であると判断する。
(1)光センサにより検出されたる緑色光の光強度が200以上の場合には、新鮮な可食状態にあると判断する。
(2)光センサにより検出されたる緑色光の光強度が130以上200未満の場合には、熟成された食べ頃のであると判断する。
(3)光センサにより検出されたる赤色光の光強度が130未満となった場合には、腐敗している状態であると判断する。
更に多くの段階に分けて判定結果を示すこともできる。また、危険度をパーセント等で定量的に示すこともあり得る。また、冷蔵庫に配置されている場合、判定の結果に基づく、冷蔵庫の自動制御も可能である。例えば、要加熱の状態であり、早めに食べるべき状態であると判定された場合、冷蔵庫の冷却能力を高める制御を行うことも考えられる。
また、生鮮食品Fの個々の食品種またはその群に対応して、青色域、緑色域及び赤色域の3つの波長域うち、最適な波長域の光強度に基づいて判定するので、生鮮食品Fの鮮度または熟成に関する判定をより確実に行うことができる。
また、新鮮な状態、熟成した状態、早めに食べるべきまたは要加熱の状態、腐敗した状態といった鮮度や熟成に関する判定を行うので、生鮮食品Fの食品群の分類に応じた適切な判定を行うことができる。
図9は、ガスセンサによる検出値及び細菌数の相関関係、及び生鮮食品の鮮度または熟成に関する判定を行うための判定基準の例を示したグラフである。グラフの横軸には細菌数Pを示し、縦軸にはガスセンサによる測定値、つまりセンサ出力S(以下、図9に関する説明においては「センサ出力」と記載する)を示す。縦軸は、1.000の場合が基準値であり、値が1.000から0に近くなるにつれて、検出ガス濃度が増加することを示す。横軸の単位は、CFU/gである。CFUは、Colony Forming Unit(コロニーフォーミングユニット)の略称である。横軸のスケールは対数で示されている。
ここで、食品中に介在する細菌(中温性好気性細菌)の菌数の多少により食品の微生物汚染状況(衛生状態)を判断する代表的な衛生指標菌(汚染指標菌)を下表に示す。
(判定の基準を表す表)
(1)ガスセンサ出力がN1未満の場合には、新鮮な可食状態にあると判断する。
(2)ガスセンサ出力がN1以上N2未満の場合には、要加熱の状態であり、早めに食べるべき状態であると判断する。
(3)ガスセンサ出力がN2以上となった場合には、腐敗している不可食の状態であると判断する。
上記のように、肉類に関しては、光センサ及びガスセンサによる両方の判定が可能である。この場合、判定の確率を高めるため、光センサ及びガスセンサによる両方の判定の結果が一致した時点で、判定を確定する制御処理が可能である。また、時間の経過にともない、光センサまたはガスセンサの一方による判定の結果が出た時点で、判定を確定する制御処理も可能である。用途に応じて、最適な制御処理を行うのが好ましい。
更に、光センサ及びガスセンサによる判定結果を組み合わせた演算式を形成して、最適な判断処理を行うこともできる。
また上記の鮮度・熟成判定装置2を備えた冷蔵庫50では、鮮度・熟成判定装置2が奏する任意の作用効果を有することができる。
4 収容部
6 外枠部
6a 上面部
6b 下面部
6c 側面部
8 引出部
10 光センサユニット
10a 光源
10b 光センサ
12 ファン
14 ファン
20 ガスセンサ
20a 感知部
30 表示装置
50 冷蔵庫
52 冷蔵室
100 制御部
110 光センサ制御部、
120 ガスセンサ制御部、
130 判定部、
140 表示制御部、
Claims (6)
- 生鮮食品の収容部と、
前記収容部の中に配置された前記生鮮食品に可視光を照射する光源と、
前記可視光が照射された前記生鮮食品から反射された光の所定の波長域の光強度を検出する光センサと、
前記光センサが検出した前記所定の波長域の光強度に基づいて、前記生鮮食品の鮮度または熟成に関する判定を行う制御部と、を備えることを特徴とする鮮度・熟成判定装置。
- 前記光センサが青色域、緑色域及び赤色域の3つの波長域うちの何れかの光の波長域の光の光強度を検出し、
前記制御部が、前記生鮮食品の個々の食品種または食品群の分類に応じて、前記3つの波長域の光のうちの何れかの光の光強度に基づいて、前記生鮮食品の鮮度または熟成に関する判定を行うことを特徴とする請求項1に記載の鮮度・熟成判定装置。
- 前記制御部が、前記生鮮食品のうち、肉類または魚介類については、前記光センサが検出した前記所定の波長域の光強度と前記生鮮食品中の細菌数との相関関係に基づく判定基準により判定を行い、野菜については、前記光センサが検出した前記所定の波長域の光強度と前記生鮮食品中のビタミンCまたはアミノ酸量に基づく判定基準により判定を行い、果物については、前記光センサが検出した前記所定の波長域の光強度と前記生鮮食品の糖度との相関関係に基づく判定基準により判定を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の鮮度・熟成判定装置。
- 前記制御部が、前記光センサが検出した前記所定の波長域の光強度に基づいて、新鮮な状態、早めに食べるべきまたは要加熱の状態、及び腐敗した状態のうちのどの状態にあるか判定を行うことができ、更に、食品類に応じて、熟成した状態であるか否かの判定も行うこともできることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の鮮度・熟成判定装置。
- 前記収容部の中の気体の所定のガス成分の濃度を検出するガスセンサを更に備え、
前記制御部が、前記光センサが検出した前記所定の波長域の光強度、及びに前記ガスセンサが検出した前記所定のガス成分の濃度に基づいて、前記生鮮食品の鮮度または熟成に関する判定を行うことを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の鮮度・熟成判定装置。
- 請求項1から5の何れか1項に記載の鮮度・熟成判定装置を備えたことを特徴とする冷蔵庫。
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