JP2017072344A - 冷蔵庫 - Google Patents
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Abstract
Description
冷蔵庫の冷蔵室に備えられる貯蔵室の中の食品の鮮度を判定する鮮度判定装置であって、
鮮度判定の開始を示す信号を発信するスタートスイッチと、
前記貯蔵室の中に配置される感知部を有し、前記感知部に接する気体の所定のガス成分の濃度に対応した信号を発信するガスセンサと、
前記貯蔵室外の気体を前記感知部に供給する気体供給部と、
前記ガスセンサの信号に基づいて基準値を決定する基準値決定部と、
前記ガスセンサの信号に基づいて食品の鮮度を判定する判定部と、を備え、
前記スタートスイッチの信号を受信したとき、
前記気体供給部は、前記貯蔵室外の気体を前記感知部に供給し、
前記基準値決定部は、前記感知部に前記貯蔵室外の気体が接するときにおける前記ガスセンサの信号に基づいて基準値を決定し、
前記判定部は、前記基準値と、前記気体供給部による前記貯蔵室外の気体の供給停止後であって、前記感知部に前記貯蔵室内の気体が接するときにおける前記ガスセンサの信号に基づく値との差に基づいて、前記貯蔵室の中の食品の鮮度を判定することを特徴とする。
本発明によれば、貯蔵室の中の食品の鮮度判定を開始するたびに、ガスセンサの基準値を決定するので、測定に適合した基準値が設定されたガスセンサの信号に基づく正確な食品の鮮度判定を常に行うことができる。
前記判定部の判定結果を表示する表示装置を更に備えることを特徴とする。
前記気体供給部はファンを含み、
前記ファンにより流動した前記貯蔵室外の気体が、前記貯蔵室に設けられるスリットを通過して、前記感知部に達することを特徴とする。
前記ファンが前記貯蔵室及び冷却フィンの間に配置され、前記貯蔵室外の気体として前記冷却フィンを通過した直後の気体が用いられることを特徴とする。
本発明によれば、冷却フィンを通過した直後の気体をガスセンサの感知部に供給するので、腐敗によるガス成分の少ない気体を用いてガスセンサの基準値設定を行うことができる。これにより、正確な食品の鮮度判定が可能となる。
(本発明の1つの実施形態に係る冷蔵庫の説明)
図1は、本発明の1つの実施形態に係る冷蔵庫を前側から見た側面図である。図2は、図1の矢印Aで示す貯蔵室の部分を拡大して示した斜視図である。はじめに、図1及び図2を参照しながら、本発明の1つの実施形態に係る冷蔵庫2の概要を説明する。
冷蔵室6より下の他の収容室は、それぞれ冷蔵室、冷凍室、野菜室の機能を有するが、本実施形態に係る鮮度判定装置と関連しないので、更に詳細な説明は省略する。
図3は、貯蔵室8の内部構造を示す図であって、(a)は、図1の断面B−Bから見た側面断面図であり、(b)は、(a)に示す図に気体の流れを矢印で示した図である。図4は、貯蔵室8及びその周辺領域の内部構造を示す図であって、(a)は、図1の断面B−Bから見た側面断面図であり、(b)は、(a)に示す図に気体の流れを矢印で示した図である。図5は、本発明の1つの実施形態に係る鮮度判定装置20の制御の基本構成を示すブロックダイアグラムである。図6は、本発明の鮮度判定装置20による鮮度判定の結果を表示装置40に表示した場合の一例を示す模式図である。
図5に、本実施形態に係る鮮度判定装置20の主要な構成機器が示されている。
鮮度判定装置20は、
(1)貯蔵室8の中に配置される感知部30aを有し、感知部30aに接する気体の所定のガス成分の濃度に対応した信号を発信するガスセンサ30及びガスセンサ30からの信号に基づいた値を定めるガスセンサ制御部51と、
(2)ファン32及びファン32を起動、停止するためのファン制御部53、並びに冷蔵室6及び貯蔵室8に設けられた気体の流路を備え、貯蔵室8外の気体をガスセンサ30の感知部30aに供給する気体供給部と、
(3)鮮度判定の開始を示す信号を発信するスタートスイッチ62及び鮮度判定を行う食品を選択するための選択スイッチ64a〜64dで構成される入力部60と、
(4)ガスセンサ30の信号に基づいて基準値を決定する基準値決定部52と、
(5)ガスセンサ30の信号に基づいて食品の鮮度を判定する判定部54と、を備える。
(1)気体供給部は、貯蔵室8外の気体をガスセンサ30の感知部30aに供給し、
(2)基準値決定部52は、感知部30aに貯蔵室8外の気体が接するときにおけるガスセンサ30の信号に基づいて基準値を決定し、
(3)判定部54は、基準値と、気体供給部による貯蔵室8外の気体の供給停止後であって、感知部30aに貯蔵室8内の気体が接するときにおけるガスセンサ30の信号に基づく値との差に基づいて、貯蔵室8の中の食品の鮮度を判定する。
上記のガスセンサ制御部51,基準値決定部52,ファン制御部53,判定部54及び表示制御部55は、鮮度判定装置20の制御部50に備えられている。
ファン32として、冷蔵室内の気体を循環させる電動ファンと同様のファンを用いることができる。
冷蔵室内を循環した気体が冷却フィンを通過するとき、食品が腐敗する過程で放出されるガス成分の一部は、凝縮温度以下に冷却されて凝縮する。また、水溶性のものは、冷却フィンに付着した水分に溶ける。これにより、腐敗する過程で放出されるガス成分の一部が冷却フィンに付着して除去される。
本実施形態では、冷却フィン34を通過した直後の気体をガスセンサ30の感知部30aに供給するので、腐敗によるガス成分の少ない気体を用いてガスセンサ30の基準値設定を行うことができる。これにより、正確な食品の鮮度判定が可能となる。
図3から明らかなように、貯蔵室8の上側には、貯蔵室上側流路14が設けられている。ガスセンサ30は、貯蔵室上側流路14の中央位置の貯蔵室上側流路14の流路壁14aに取り付けられる。ガスセンサ30の感知部30aは、貯蔵室8内の貯蔵室引出10の上方に下向きに配置されている。この配置により、ファン32による貯蔵室8外の気体の供給が停止後は、貯蔵室引出10に載せられた食品の腐敗に伴うガス成分を含む気体が、確実にガスセンサ30の感知部30aに接する状態になる。ただし、ガスセンサ30の感知部30aの設置位置はこれに限られるものではなく、貯蔵室8内の任意の位置に配置することができる。その場合でも、食品の腐敗に伴うガス成分の測定を確実に行うことができる。
図7は、本発明の1つの実施形態に係る鮮度判定装置20における鮮度判定のための制御処理の一例を示すフローチャートである。図8は、生鮮食品の鮮度判定を行うためのセンサ出力及び細菌数の相関関係、及び鮮度判定の判定基準の一例を示したグラフである。
次に、図7及び図8を参照しながら、本発明の1つの実施形態に係る鮮度判定装置20における鮮度判定のための制御処理の一例を説明する。
スタートスイッチ62,選択スイッチ64a〜dとして、押し釦スイッチ以外の任意のスイッチを用いることもできる。また、表示装置40に表示されたカーソルを移動させてスイッチ操作することもできるし、表示装置40がタッチパネルであれば、タッチパネル操作でスイッチ操作することもできる。
図8には、センサ出力−細菌数の相関データ及び鮮度判定の判定データの一例を示すグラフである。グラフの縦軸にはセンサ出力Sを示し、横軸には細菌数Pを示す。縦軸は、1.000の場合が基準値であり、値が1.000から0に近くなるにつれて、検出ガス濃度が増加することを示す。横軸の単位は、CFU/gである。CFUは、Colony Forming Unit(コロニーフォーミングユニット)の略称である。横軸のスケールは対数で示されている。
ここで、食品中に介在する細菌(中温性好気性細菌)の菌数の多少により食品の微生物汚染状況(衛生状態)を判断する代表的な衛生指標菌(汚染指標菌)を下表に示す。
(判定の基準を表す表)
「可食」とは、食品を問題なく食べることができることを意味する。「要加熱」とは、安全のため食品を加熱してから食べる必要があることを意味する。「不可食」とは、加熱したとしても食品を食べてはいけないことを意味する。本実施形態では、細菌数に基づく判定なので、客観性の高い適確な判断が実現できる。
次に、センサ出力S及び上記のセンサ出力−細菌数の相関データを参照して、食品の細菌数Pを求める(ステップS26)。例えば、センサ出力Sの値が0.7の場合、魚であれば、細菌数Pが約1×103CFU/gであり、豚肉であれば、細菌数Pが約1×105CFU/gである。
ステップS28の判断で、もし、細菌数PがN1以上である(NO)と判別したときには、次に、細菌数Pが、腐敗開始に対応するN2未満であるか否か判断する(ステップS32)。この判断で、もし、細菌数PがN2未満である(YES)と判別したときには、「要加熱」と判定し(ステップS34)、ステップS38へ進む。
以上のように、ステップ22からステップS36の制御処理により、基準値A0と、気体供給部による貯蔵室8外の気体の供給停止後であって、ガスセンサ30の感知部30aに貯蔵室8内の気体が接するときにおけるガスセンサ30の信号に基づく値A1との差であるセンサ出力Sに基づいて、貯蔵室8の中の食品の鮮度を判定することができる。
図6には、鮮度判定をする食品として魚が選択され、鮮度判定の結果が[要加熱」だった場合の表示装置40での表示例を示す
このように、ガスセンサ30は、鮮度判定を行うときだけ稼働するので、エネルギ消費を削減できる。特に、ガスセンサ30が感度を上げるためにヒータを備えている場合には、より大きな省エネ効果が期待できる。
上記の実施形態では、表示装置40に鮮度判定の結果を表示したが、鮮度判定装置20が表示装置40を備えない場合もあり得る。この場合、例えば、音声やランプ等で鮮度判定の結果を報知することも考えられる。また、鮮度判定の結果に基づく自動制御も可能である。例えば、細菌数Pの値が初期腐敗の開始に対応するN1に近くなっている場合に、冷蔵項2の冷却能力を高める制御を行うことも考えられる。
4 扉
6 冷蔵室
8 貯蔵室
8a 壁部
10,10’ 貯蔵室引出
12 スリット
14 貯蔵室上側流路
14a 流路壁
16 開口
18 開口
20 鮮度判定装置
30 ガスセンサ
30a 感知部
32 ファン
40 表示装置
50 制御部
51 ガスセンサ制御部
52 基準値決定部
53 ファン制御部
54 判定部
55 表示制御部
60 入力部
62 スタートスイッチ
64a〜d 選択スイッチ
Claims (5)
- 冷蔵庫の冷蔵室に備えられる貯蔵室の中の食品の鮮度を判定する鮮度判定装置であって、
鮮度判定の開始を示す信号を発信するスタートスイッチと、
前記貯蔵室の中に配置される感知部を有し、前記感知部に接する気体の所定のガス成分の濃度に対応した信号を発信するガスセンサと、
前記貯蔵室外の気体を前記感知部に供給する気体供給部と、
前記ガスセンサの信号に基づいて基準値を決定する基準値決定部と、
前記ガスセンサの信号に基づいて食品の鮮度を判定する判定部と、を備え、
前記スタートスイッチの信号を受信したとき、
前記気体供給部は、前記貯蔵室外の気体を前記感知部に供給し、
前記基準値決定部は、前記感知部に前記貯蔵室外の気体が接するときにおける前記ガスセンサの信号に基づいて基準値を決定し、
前記判定部は、前記基準値と、前記気体供給部による前記貯蔵室外の気体の供給停止後であって、前記感知部に前記貯蔵室内の気体が接するときにおける前記ガスセンサの信号に基づく値との差に基づいて、前記貯蔵室の中の食品の鮮度を判定することを特徴とする鮮度判定装置。 - 前記判定部の判定結果を表示する表示装置を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の鮮度判定装置。
- 前記気体供給部はファンを含み、
前記ファンにより流動した前記貯蔵室外の気体が、前記貯蔵室に設けられるスリットを通過して、前記感知部に達することを特徴とする請求項1または2に記載の鮮度判定装置。 - 前記ファンが前記貯蔵室及び冷却フィンの間に配置され、前記貯蔵室外の気体として前記冷却フィンを通過した直後の気体が用いられることを特徴とする請求項3に記載の鮮度判定装置。
- 請求項1から4の何れか1項に記載の鮮度判定装置を備えた冷蔵庫。
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