JP2005351543A - 解凍室付き冷却庫 - Google Patents
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Abstract
【課題】 対象物の解凍の終了を予測する手段を備えた解凍室付き冷却庫を提供する。
【解決手段】 冷却庫100は、赤外線センサ16から送信された情報に関する信号を受信するとともに、加湿器13を制御する信号を加湿器13へ送信する制御装置を備えている。また、制御装置は、ユーザによって入力された食品等5の種別の情報と赤外線センサ16から送信されてくる食品等5の厚さの情報とに基づいて、加熱器8を所定の運転条件に従って運転したときの食品等5の解凍に要する解凍時間を決定する手段を有している。
【選択図】 図2
【解決手段】 冷却庫100は、赤外線センサ16から送信された情報に関する信号を受信するとともに、加湿器13を制御する信号を加湿器13へ送信する制御装置を備えている。また、制御装置は、ユーザによって入力された食品等5の種別の情報と赤外線センサ16から送信されてくる食品等5の厚さの情報とに基づいて、加熱器8を所定の運転条件に従って運転したときの食品等5の解凍に要する解凍時間を決定する手段を有している。
【選択図】 図2
Description
本発明は、冷凍物を解凍するための解凍室を備えた冷却庫に関するものである。
従来より、冷凍物を解凍するための解凍室を備えた業務用の冷却庫が知られている。このような冷却庫においては、解凍のために、空気を加熱するヒータと、水を加熱して水蒸気を生成する水蒸気発生装置とが設けられている。ヒータで加熱された空気は、解凍室内において冷凍食品等を加熱し、水蒸気発生装置によって生成された水蒸気は、解凍室内の食品等の乾燥を防止するとともに、食品等と空気との間の凝縮熱伝達を促進させる。
なお、本明細書においては、冷凍および冷蔵の双方を含めた概念として冷却という用語を用いる。つまり、冷却庫は、冷却の対象となる空間を外気よりも低い温度にする装置の全てをいうものとする。また、冷却庫には冷凍冷蔵庫が含まれる。冷凍冷蔵庫とは、対象物を凍結させる冷凍庫と、対象物を凍結させることはないが、対象物の周囲空間を外気よりも低い温度に保持する冷蔵庫との双方を有する冷却庫であるものとする。
特開昭63−15075号公報
特開昭63−58085号公報
特開2001−112455号公報
特開2003−180315号公報
特開平7−7734号公報
上記従来の解凍室付き冷却庫においては、解凍の終了を検知する手段が設けられておらず、ユーザが自分で解凍の対象物を目視するか、触診するかなどによって、対象物の解凍を終了するか否かを決定している。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、冷凍物の解凍の終了を予測する手段を備えた解凍室付き冷却庫を提供することである。
本発明の一の局面の冷却庫は、冷凍物を解凍する解凍室と、冷凍物を加熱する熱気を生成するための加熱器と、重量、大きさ、および厚さ等の冷凍物の容量に関する情報に基づいて、加熱器を所定の運転条件に従って運転したときの冷凍物の解凍に要する解凍時間を算出する制御装置とを備えている。
上記の構成によれば、制御装置は、解凍時間を予測することができる。したがって、たとえば、冷却庫が制御装置によって制御される報知器(聴覚および視覚による報知を含む)を備えていれば、表示器に解凍に要する時間または解凍が終了する時刻をユーザに報知することも可能となる。さらに、タイマ予約によって解凍終了時刻をユーザが指定することができる。
また、前述の制御装置は、ユーザが冷凍物の解凍終了予定時刻を入力するための入力部をさらに備えていることが望ましい。また、制御装置は、解凍終了予定時刻と現在時刻との時間差を算出する手段と、時間差が解凍時間よりも大きい場合には、所定の運転条件における加熱器の能力よりも小さい能力であって、かつ、解凍終了予定時刻までに冷凍物の解凍が終了するような能力を発揮するように、加熱器を制御する手段とを有していることが望ましい。この構成によれば、極力冷凍物をゆっくり解凍することができる。
なお、解凍の終了予定時刻までの間に解凍が終了していれば、その時点において、加熱器の運転を停止させ、解凍の対象物の冷蔵を行うことが望ましい。
また、前述の冷却庫は、制御装置に制御されて、冷熱を生み出す冷凍機と、冷熱を用いて冷気を生成する蒸発器と、冷気を解凍室に導く冷気流路と、冷気流路に設けられたダンパと、解凍室内の温度を測定する温度センサとさらに備えていることが望ましい。この場合においては、制御装置は、解凍時間を算出した後、加熱器の運転を開始するまでの間、解凍室内の温度が所定温度(最大氷結晶生成温度帯よりも低い温度)になるように、ダンパを制御することが望ましい。
上記の構成によれば、加熱器による加熱を開始するまで冷凍物を最大氷結晶生成温度帯よりも低い温度に保持することができる。そのため、冷凍物が最大氷結晶生成温度帯内の温度となる時間を極力短くすることができる。そのため、冷凍物の細胞の破壊を極力低減することができる。なお、解凍室内の温度は、解凍を開始する直前まで−7℃で保持することが望ましい。また、加熱器の運転の開始から温度センサの温度が最大氷結晶生成温度帯よりも高い温度になるまで、加熱器を最大能力で運転することが望ましい。
また、前述のセンサは、解凍物の重さを測定する重量センサであり、制御装置は、解凍物の重さの情報と加熱器の所定の運転条件の情報とに基づいて、解凍時間を算出するものであってもよい。この構成によれば、解凍物の重さから解凍時間を予測することができる。
また、前述のセンサは、解凍物の厚さを測定する厚さセンサであり、制御装置は、解凍物の厚さの情報と加熱器の所定の運転条件とに基づいて、解凍時間を算出するものであってもよい。この構成によれば、解凍物の厚さから解凍時間を予測することができる。
本発明の他の局面の冷却庫は、冷凍物を解凍する解凍室と、冷凍物を加熱する熱気を生成する加熱器と、加熱器を制御する制御装置と、解凍室へ前記加熱器が生成した熱気を導入する給気口と、解凍室内の空気を排気する排気口と、給気温度を測定する第1温度センサと、排気温度を測定する第2温度センサとを備えている。
また、第1温度センサにより取得された給気温度情報および第2温度センサにより取得された排気温度情報のそれぞれは、制御装置へ送信される。
また、制御装置は、加熱器の運転を開始してから所定時間経過した時点における、給気温度と排気温度との初期温度差を算出する手段と、初期温度差を算出した後における、給気温度と排気温度との現状温度差を算出する手段と、初期温度差と現状温度差との差が所定値となるまでの経過時間を算出する手段と、解凍終了を判断するために給気温度と排気温度との温度差として予め定められた目標温度差、初期温度差、経過時間、および所定値を用いて、冷凍物の解凍に要する解凍時間を算出する手段とを有する。この構成によっても、制御装置が解凍時間を予測することができる。
前述の冷却庫は、解凍時間または解凍時間に基づいて算出された冷凍物の解凍終了予定時刻を報知する報知手段をさらに備えていることが望ましい。これによれば、ユーザに解凍の終了を知覚させることができる。なお、報知器は、視覚によってユーザに解凍の終了を伝達する表示器であっても、聴覚によってユーザに解凍の終了を伝達する音発生器であってもよい。
以下、図を用いて、本発明の実施の形態の冷却庫を説明する。
(実施の形態1)
まず、実施の形態1の冷凍室付き冷却庫を図1および図2を参照しながら説明する。
まず、実施の形態1の冷凍室付き冷却庫を図1および図2を参照しながら説明する。
本実施の形態の冷却庫100は、図1に示すように、断熱壁90で囲まれた空間内に、食品等を冷凍する冷凍室1と、食品等を冷蔵する冷蔵室2と、冷凍食品等を解凍する解凍室3と、野菜が収納される野菜室40とを備えている。解凍室3内に導入される加湿空気は、加湿空気生成室55内で生成される。なお、解凍室3内の空気は、食品等の解凍が行われているときには、その温度が25℃程度となっており、その湿度が90%程度になっていることが望ましい。
また、図1に示すように、冷却庫100の底部には蒸発皿30が設けられている。また、加湿空気生成室55の底面から蒸発皿30までの間の断熱壁90内には配管31が設けられている。水蒸気生成室55において集められた解凍室3の周辺の水滴は、配管31を通って蒸発皿30へ導かれる。蒸発皿30に導かれた水は、外気に触れて蒸発する。
また、図2に示すように、解凍室3と加湿空気生成室55とは、解凍室3を囲む内壁95によって区画されている。解凍室3の底面には、アルミニウム材からなる伝熱プレート4が設置されている。伝熱プレート4の上に食品等5のような解凍対象物が載置される。伝熱プレート4は、食品等5の下側面に熱を伝達し易くするためのものである。また、加湿空気生成室55内には、水を蓄えるタンク9と、タンク9の水が流れ落ちる配管11と、配管11内の水の流量を制御する電磁弁10とが設けられている。
また、解凍室3の内壁95には、解凍室3内へ熱気を噴出し、給気口として機能する熱気流入口21と解凍室3内の空気を吸い込む排気口22とが設けられている。熱気流入口21と排気口22とはダクト15によって接続されている。
ダクト15内には、ダクト15内の加湿空気の流れを促進させる送風ファン7、水蒸気に熱を加えて25℃程度の熱気を生成する加熱器8、および、配管11の先端から落下した水滴をヒータによって100℃程度に加熱して加湿空気6を生成する加湿器13が設けられている。送風ファン7、加熱器8、および加湿器13のそれぞれは、図3を用いて後述する制御装置200によって制御される。
また、配管11は、ダクト15を貫通し、その開放端から加湿器13へ水滴を滴下させるように構成されている。また、加湿器13に滴下される水滴の量は電磁弁10の開閉動作によって調整される。なお、電磁弁10によって配管11の先端から滴下される水滴の量は、1cc/min程度に調整される。また、加湿空気6は、食品等5が加熱によって水分を奪われ、乾燥してしまうことを防止する役割、および、食品等5の表面に水蒸気が凝縮することにより解凍室3内の空気から食品等5への熱伝達を促進する役割を果たしている。
上述の本実施の形態の冷却庫100の解凍室3および加湿空気生成室55内の加湿空気の流れは次のようである。
まず、送風ファン7の駆動によって、解凍室3内の空気が排気口22からダクト15内へ吸い込まれる。次に、ダクト15内へ吸い込まれた空気は、加熱器8によって加熱される。また、配管11の先端から滴下される水滴が加湿器13のヒータによって加熱されて水蒸気となる。この水蒸気と加熱された空気とが混合された加湿空気6が、熱気流入口21から解凍室3内へ導入される。
食品等5の容量(熱容量)に関する情報としての食品等5の厚さの情報は、内壁95の天井面に設けられた複数の赤外線センサ16によって取得される。赤外線センサ16は、出力されてから食品等5の表面で反射されて戻ってくる時間によって、食品等5の表面の位置を検知することができる。それにより、食品等5の厚さが測定される。なお、食品等5の厚さを検知するセンサの代わりに、食品等5の重さを検知するセンサが用いられてもよい。
また、本実施の形態の冷却庫100は、解凍室3の天井面に温度センサ20を有している。温度センサ20は、解凍室3内の空間の温度を測定する。温度センサ20によって検知された温度から食品等5の温度が推定される。
また、冷却庫100には、図3に示すように、赤外線センサ16から送信された情報に関する信号を受信するとともに、加熱器8を制御する信号を加熱器8へ送信する制御装置200と、ユーザが食品等5の解凍終了予定時刻の情報を入力するための入力部300とを備えている。また、制御装置200は、前述の赤外線センサ16等によって得られる情報に基づいて、加熱器8を所定の運転条件(たとえば、出力200W)に従って加熱器8を運転したときの食品等5の解凍に要する解凍時間を算出する手段を有している。この所定の運転条件における、食品の種別と重さまたは厚さとによって決定される解凍の対象物の解凍時間は、表1を用いて後述するように、予め実験によりデータ化され、制御装置200内のデータテーブルに記憶されている。本実施の形態においては、図3に示す制御装置200は、食品等5の温度が−3℃になった場合に半解凍と判定され、かつ食品等5の温度が+3℃になった場合に全解凍と判定される条件下での実験結果が、データテーブルに記憶されている。
なお、本実施の形態においては、食品等5の種別の情報および重さまたは厚さの情報を用いて、解凍時間を決定する制御を示すが、食品等5の種別の情報および重さまたは厚さの情報のうちのいずれか一方の情報によって解凍時間を決定してもよい。
したがって、制御装置200は、ユーザが入力部300に解凍の終了時刻を入力した場合に、赤外線センサ16によって得られる食品等5の重さまたは厚さの情報を用いて、データテーブルを参照して、所定の運転条件で加熱器8が運転されたときの解凍時間を決定する。なお、所定の運転条件は、たとえば、加熱器8の出力が100W、200W、および400Wなど複数種類設けられており、ユーザによりそれらの運転条件の中から1の運転条件が選択されるものであってもよい。
また、本実施の形態の解凍室3には、図2に示すように、解凍室3の内壁に開口75が設けられており、開口75には開口75の開口面積の大きさを制御するためのKダンパ70が設けられている。このKダンパ70は、制御装置200によって制御される。また、蒸発器50(図3参照)によって生成された冷気が開口75から解凍室3内へ導入されることによって、解凍室3内において、食品等5を冷凍または冷蔵することが可能である。
上記の本実施の形態の解凍室3付き冷却庫によれば、制御装置200は、たとえば、食品等5の重さまたは厚さの情報に基づいて、解凍時間を予測することができる。したがって、冷却庫100が図3に示す表示器400を備えていれば、表示器400に解凍時間または解凍終了予定時刻を表示することも可能となる。
なお、前述の制御装置200は、現在の時刻からユーザによって入力された解凍終了予定時刻までの時間が解凍時間よりも長い場合には、ユーザによって入力された解凍終了予定時刻ちょうどに食品等5の解凍が終了するように、加熱器8および加湿器13の出力を制御することが望ましい。
または、前述の所定の運転条件で解凍するのであれば、解凍終了予定時刻から解凍時間だけ遡った時刻に加熱器8の運転を開始させて、ユーザによって入力された解凍終了予定時刻丁度に解凍が終了するようにしてもよい。また、制御装置200は、現在の時刻からユーザによって入力された解凍終了予定時刻までの時間が解凍時間よりも短い場合には、解凍のための制御を実行しないで、前述の表示器400に入力情報が不適切であることを表示させる制御を実行するとよい。なお、ユーザが入力した解凍終了予定時刻と現在の時刻との差が、制御装置200が算出した食品等5の解凍に要する時間よりも十分に大きければ、前述の所定の運転条件は、加熱器8が最大能力(たとえば、200W)よりも小さな一定の能力を発揮するときの運転条件(たとえば、100W)であってもよい。このようにすれば、食品等5をゆっくりと解凍することができるため、食品等5の味を良好に保つことができる。
また、解凍の対象物の容量に関する情報を検知するセンサとして、赤外線センサ16の代わりに、解凍物の重さを測定する重量センサが用いられてもよい。なお、この場合、制御装置200は、解凍物の重さの情報と加熱器の所定の運転条件の情報とに基づいて、解凍時間を算出すれば、解凍物の重さから解凍時間を予測することができる。
なお、重量センサとしては、たとえば静電容量センサもしくは圧電センサが用いられ、重量センサは、解凍すべき食品等が搭載される伝熱プレート4の下側に設けられる。
解凍の対象物の容量に関する情報を検知するセンサとして、前述の赤外線センサ16のように、食品等5の厚みを測定する厚みセンサが用いられることが望ましいが、前述のように、解凍室3の天井面に複数の赤外線センサ16を設けるのではなく、解凍室3の内側面において鉛直方向に等間隔(たとえば5mm間隔)で複数のLED(Light Emit Diode)が設けられていてもよい。この場合、複数のLEDのうち最下のLEDから何番目のLEDまでが解凍の対象物を検出するかを判別することによって、解凍の対象物の厚さが測定される。つまり、解凍室3の底面に対して垂直な方向に並ぶように、解凍室3の側壁に設けられた複数の発光部とそれらの発光部に対応した複数の受光部とを設け、受光できないLEDの数で冷凍物の厚さが測定される。
また、前述の冷却庫100は、制御装置200に制御されて解凍室3に冷気を導入するスターリング冷凍機85(図3参照)と、解凍室3内の温度を測定する温度センサ20とをさらに備えている。また、制御装置200は、解凍時間を算出した後、加熱器8の運転を開始する前に、温度センサ20の温度が食品等5が最大氷結晶生成温度帯(−6℃〜−1℃)の温度よりも低い所定温度(たとえば、−7℃)になるように、スターリング冷凍機85の出力を制御することが望ましい。
この構成によれば、加熱器8による加熱を開始するまで食品等5を最大氷結晶生成温度帯の温度よりも低い温度に保持することができる。そのため、冷凍されている食品等5が最大氷結晶温度帯の温度の範囲内の温度となる時間を極力短くすることができる。そのため、食品等5の細胞の破壊を極力低減することができる。なお、解凍室3内の温度は、解凍を開始する直前まで−7℃で保持することが望ましい。
また、加熱器8の運転の開始から温度センサ20の温度が最大氷結晶生成温度帯の温度よりも高い温度になるまで、加熱器8を最大能力で運転することが望ましい。このようにすれば、食品等5の温度が最大氷結晶生成温度帯の温度になっている時間を最も短くすることができるため、食品等5の繊維破壊が防止される。
なお、解凍終了予定時刻までの間に解凍が終了した後、冷気を用いて解凍が終了した食品等5を冷蔵してもよいが、解凍終了予定時刻ちょうどに加熱器8の運転を停止させることが最も望ましい。
次に、図3を用いて、本実施の形態の冷却庫100の冷気の流れを説明する。
冷凍機85が生成した冷熱は、まず、冷媒によって、図3に示す蒸発器50に伝達される。蒸発器50では冷気が生成される。蒸発器50で生成された冷気は、Fファン60の回転によって冷気流路内を流れ、冷凍室1、冷蔵室2、および解凍室3のそれぞれに流れ込むことが可能である。ただし、蒸発器50と冷蔵室2との間の冷気流路にはRダンパ80が設けられ、蒸発器50と解凍室3との間の冷気流路にはKダンパ70が設けられている。Rダンパ80およびKダンパ70の機能によって冷蔵室2と冷凍室1とのそれぞれの冷気流路の幅が調節される。それによって、冷蔵室2内の温度と冷凍室1内の温度とが調節される。また、冷蔵室2と野菜室40とは連通しており、冷蔵室2によってわずかに暖められた冷気が野菜室40に流れ込む。野菜室40、解凍室3および冷凍室1の冷気は、蒸発器50に戻る。
次に、図4を用いて、解凍室内の加湿空気の流れと蒸発器50が生成する冷気の流れとを説明する。
図4に示すように、解凍室3内への加湿空気6の流路と蒸発器50が生成した冷気の流路とは別個独立の流路である。図2の送風ファン7の回転により加熱器8の熱気と加湿器13の湿気とが解凍室3内に送り込まれる。それにより、解凍室3内の空気は、温度が0〜25℃の範囲内になるように加熱器8が制御され、湿度が90%程度になるように加湿器13が制御される。その後、解凍室3内の空気は、送風ファン7によって加熱器8および加湿器13を通過し、解凍室3内に導入される。一方、解凍終了後に解凍室3内の食品等5を冷蔵するための冷気は、蒸発器50において生成され、Fファン60によってその流れが促進され、Kダンパ70が開いている場合に、解凍室3内へ導入され、食品等5を冷蔵して蒸発器50の位置まで戻る。
次に、上記のような本発明の解凍室付き冷却庫の制御処理の具体例を示す。
本実施形態の冷却庫における解凍制御処理を図5〜図8並びに表1を用いて説明する。
図5に示すように、まず、S1において、解凍室3の天井面に設けられた赤外線センサ16が、伝熱板(テーブル)4の上に載せられた食品等5を検出したか否かが判別される。S1において、赤外線センサ16が、食品等5を検出していなければ、赤外線センサ16が食品等5を検出するまで待機する。
また、S1において、赤外線センサ16が、食品等5を検出していれば、S2の処理が実行される。S2において、制御装置200は、冷却庫の前面に入力部300の近傍に設けられた表示器400の解凍終了予定時刻を表示させる部分を点滅させ、それによって、ユーザに食品等5の解凍終了予定時刻の入力操作をすべきであることが報知される。
次に、S3において、解凍終了予定時刻をユーザが入力部300を用いて入力したか否かが判別される。ユーザが解凍終了予定時刻を入力部300から入力していなければ、S2の処理が再度実行され、ユーザに解凍終了予定時刻の入力を促す表示を続行する。
また、S3において、ユーザが解凍終了予定時刻を入力部300から入力したと判定された場合には、S4の処理が実行される。S4においては、冷却庫の表示器400の食品等5の種別を表示する部分を点滅させる。それにより、ユーザに食品等5の種別を入力操作すべきであることを報知する。なお、表示器400は、一般的な液晶表示器または7セグメント表示器等いかなるものであってもよい。
S5においては、ユーザが解凍すべき食品等5の種別を入力部300を用いて入力したか否かが判別される。S5において、ユーザが食品等5の種別を入力していないと判定されれば、制御装置200は、ユーザに解凍すべき食品等5の種別を入力すべきである旨を表示器400の点滅によって報知し続ける。また、S5において、ユーザが食品等5の種別を入力したと判定されれば、S6の処理が実行される。
S6においては、制御装置200は、食品等の重さ(厚さ)および食品等の種別のデータを用いて、データテーブル1(表1)を参照し、解凍時間を決定する。
上述したS1〜S6の処理は、冷凍物としての食品等5の容量に基づいて、加熱器8を所定の運転条件で運転したときの解凍時間を算出する手段として機能している。
すなわち、S6においては、前述した伝熱プレート4の下側に設けられている重量センサまたは解凍室3内の側壁に設けられている赤外線センサを用いて、食品等5の重さまたは厚さが測定される。さらに、その測定された食品等5の重さまたは厚さのデータとユーザが入力部300から入力した食品等5の種別のデータとを用いて、伝熱プレート4の上に載せられている食品等5の解凍のために必要な時間が算出される。
なお、表1に示すように、たとえば、所定の運転条件が加熱器8の出力が200Wである場合に、肉、魚、米、パン、および冷凍食品等の重さまたは厚さに対応した、予め実験により確かめられた解凍に要する時間のデータがデータテーブル1に記憶されている。従って、食品等5の重さ(厚さ)および食品等5の種別のデータが制御装置200に入力されれば、一義的に、解凍すべき食品等5の解凍に要する時間(解凍時間)が決定される。
次に、S7において、現在の時刻Aを取得する。なお、現在の時刻は、冷却庫内の制御回路が有しているタイマによって計時されている時刻である。
次に、S8において、(解凍終了予定時刻−現在の時刻A−解凍時間)の値がゼロより大きいか否かが判別される。つまり、ユーザによって入力された解凍終了予定時刻までに、食品等5の解凍を終了することが可能であるか否かが判別される。
S8において、(解凍終了予定時刻−現在の時刻A−解凍時間)がゼロ以下であると判別されれば、S9Eにおいて、ユーザに対して、入力のやり直しを指示するエラー表示を表示器400に表示した後、S1の処理が実行される。
一方、S8において、ユーザによって入力された解凍終了予定時刻までに食品等5の解凍を終了することができると判定された場合には、制御装置200はS9以後の解凍制御処理を実行する。
次に、図6に示すS9において、制御装置200は、解凍室3内に蒸発器50が生成した冷気を導くための開口75に設けられたKダンパ70(図3参照)を開く制御を実行する。それにより、蒸発器50が生成した冷気が解凍室3内に導かれ、解凍室3内が−7℃程度になるようにKダンパ70の開口量が制御される。次に、S10において現在の時刻Bの取得が前述したタイマの計時時刻を取得することによって行なわれる。
次に、S11において、(解凍終了予定時刻−現在の時刻B−解凍時間)の値がゼロ以下であるか否かが判別される。つまり、S11において、実際に加熱器8を動作させて、食品等5の解凍を開始するか否かが判別される。
S11において、(解凍終了予定時刻−現在の時刻B−解凍時間)がゼロ以下でないと判定されれば、すなわち、まだ加熱器8を動作させて解凍を開始するべき時刻ではないと判定されればS9の処理が再度繰り返される。
一方、S11において、(解凍終了予定時刻−現在の時刻B−解凍時間)の値がゼロ以下であれば、すなわち、解凍を開始すべき時刻であると判定されればS12の処理が実行される。S12においては、解凍室3内に蒸発器50が生成した冷気を導くKダンパ70を閉じる。それにより、解凍室3内への冷気の流入が遮断される。
次に、S13において、加熱器8および加湿器13の運転を開始する。それにより、解凍室3内の温度は25℃になるように制御され、かつ、解凍室3内の湿度は95度になるように制御される。なお、この制御に関しては、解凍室3内に設けられた温度センサ20および湿度センサ(図示せず)によって得られた情報に基づいて、制御装置200が加熱器8および加湿器13の出力を制御することによって行われる。
次に、S14において、現在の時刻Cを取得する。この値は、前述したように制御装置200内に設けられているタイマの値である。
次に、S15において、(解凍終了予定時刻−現在の時刻C)が0以下であるか否かが判別される。すなわち、解凍終了予定時刻になっているか否かが判別される。S15において、未だ解凍終了予定時刻になっていないと判定されればS13の処理が繰り返される。S15において、既に解凍終了予定時刻になっていると判定されれば、図7のS16の処理が実行され、制御装置200は、加熱器8および加湿器13を停止させる。
次に、S17において、解凍室3内に蒸発器50が生成した冷気を導く開口のKダンパ70を開くための処理が実行される。また、解凍室3内が1℃程度になるように制御装置200によってKダンパ70の開口量が制御される。次に、S18において、制御装置200は、表示器400に解凍が終了した旨を表示させる。次に、S19において、赤外線センサ16が食品等を検出するか否かが判別される。すなわち、食品等5の解凍が終了したか否かが判別される。S19において、赤外線センサ16が食品等5を検出していなければ、S1の処理が再度実行される。また、S19において赤外線センサが食品等を検出していれば、S17において、解凍室3内において食品等5を冷蔵する処理が繰り返される。
また、図6を用いて説明したS9〜S15の処理は、次に説明する図8に示すようなSA9〜SA15の処理であってもよい。
図8に示す解凍制御処理においては、SA9において、解凍室3内へ導入される冷気の量を調整可能なKダンパ70を閉じる。次に、SA10において、現在の時刻Dが取得される。次に、SA11において、解凍余裕時間=(解凍終了予定時刻−現在の時刻D)の値を算出する。次に、SA12において、制御装置200は、食品等5の種別および解凍余裕時間のデータを用いて、データテーブル2(表2)を参照し、加熱器の出力を決定する。
なお、表2に示すデータテーブル2においては、解凍終了予定時刻ちょうどに解凍を終了する場合の、食品等5の種別および解凍余裕時間に対応して加熱器8の出力の値が記憶されている。つまり、解凍終了予定時刻ちょうどに解凍を終了する場合において、食品等5の種別および解凍余裕時間に応じて加熱器8をいかなる出力で運転すればよいかを示すデータが記憶されている。要するに、前述の表1の運転条件で運転されたときの加熱器8の出力(200W)よりも小さい出力で食品等5の解凍を実行し、ユーザが指定する解凍終了予定時刻ちょうどに食品等5の解凍を終了するための加熱器8の出力が表2に記憶されている。
ただし、ユーザが指定した解凍終了予定時刻ちょうどに食品等5の解凍を終了することは必須の要件ではなく、解凍余裕時間がかなり長い場合には、解凍終了予定時刻よりも前に解凍を終了するように、表2に示すデータテーブルに記憶されている加熱器8の出力の値が設定されていてもよい。
次に、SA13において、前述の決定された出力で加熱器8を運転するとともに、解凍室3内の湿度が95%になるように加湿器13を制御する。なお、加湿器13は、解凍室3内に設けられた湿度センサ(図示せず)の値に応じて、その出力が調整される。
次に、SA14において、現在の時刻Eを取得する。次に、SA15において、(解凍終了予定時刻−現在の時刻)がゼロ以下であるか否かが判別される。すなわち、解凍終了予定時刻になっているか否かが判別される。SA15において、解凍終了予定時刻になっていないと判定されればSA13の処理が繰り返されるが、SA15において解凍終了予定時刻になっていると判定されればS16の処理が実行される。
図8に示すSA9〜SA15の処理は、解凍終了予定時刻と現在の時刻との時間差の値が解凍時間の値よりも大きい場合に、所定の運転条件により加熱器が発揮する能力(200W)よりも小さい能力(表2のたとえば、160W)であって、解凍終了予定時刻までに冷凍物の解凍が終了するような能力を発揮するよう、加熱器を制御する手段に相当する。したがって、図8に示す変形例の解凍制御処理によれば、冷凍物がゆっくりと解凍されるため、急速に解凍する場合に比較して、加熱ムラがなく解凍された食品等5の味が良好となる。
(実施の形態2)
本実施の形態の冷却庫の基本構造は、実施の形態1の冷却庫とほぼ同様である。そのため、実施の形態1の冷却庫と異なる部分のみ説明する。
本実施の形態の冷却庫の基本構造は、実施の形態1の冷却庫とほぼ同様である。そのため、実施の形態1の冷却庫と異なる部分のみ説明する。
本実施の形態の冷却庫100においては、解凍室3と、解凍室3へ加熱器8の熱気を導入し、給気口として機能する熱気流入口21と、解凍室3内の空気を排出する排気口22と、熱気流入口21の近傍に設けられ、第1温度Nを測定する第1温度センサ23と、排気口22の近傍に設けられ、第2温度Hを測定する第2温度センサ24とを有している。第1温度センサ23により取得された第1温度情報および第2温度センサ24により取得された第2温度情報のそれぞれは、制御装置200へ送信される。なお、第1温度センサ23は、加熱器8と熱気流入口21との間に設けられていてもよく、また、第2温度センサ24は、加熱器8と排気口22との間に設けられていてもよい。
制御装置200は、まず、加熱器8の運転を開始した後において、第1温度情報と第2温度情報とに基づいて、第1温度N1と第2温度H1との初期温度差D1の値を算出する。この初期温度差D1の値は、制御装置200内のメモリに記憶される。その後、制御装置200は、第1温度情報と第2温度情報とに基づいて、第1温度N1と第2温度N2との現状の温度差D2の値を算出する処理を繰り返す。
それにより、制御装置200は、初期温度差D1と現状の温度差D2との差が所定値、たとえば、1℃となるまでの単位時間の値Kを測定する。また、制御装置200は、解凍終了時の第1温度N1と第2温度N2と間の温度差D1として予め定められた値である目標温度差Jの値をメモリに記憶している。そのため、制御装置200は、目標温度差J、初期温度差D1、単位時間の値K、および所定値(1)を用いて、食品等5の解凍に要する解凍時間Tを決定することができる。このように、本実施の形態の冷却庫においても、制御装置200は解凍のために必要な時間を予測することが可能である。
より具体的には、第1温度(N1,N2)と第2温度(H1,H2)との温度差(D1,D2)の変化の値D1-D2が所定値(たとえば、1)になるまでの時間を算出し、その後、制御装置200は、その時間に初期温度差D1と目標温度差Jとの差を掛け算した値を所定値(1)で除算した結果得られた値を解凍に要する時間(解凍時間T)として算出する。なお、目標温度差Jの値は、予め実験により算出された値である。たとえば、目標温度差Jの値が6である場合には、制御装置200は、第1温度センサ23によって検出された温度が25℃であり、かつ、第2温度センサ24によって検知された温度が19℃である時点において、すなわち、第1温度Nと第2温度Hとの間の温度差が6℃になった時点において食品等5の解凍が終了したものと判定する。
なお、本実施の形態においては、前述したように食品等5の表面温度が+3℃になったときを解凍の終了時点であると仮定して、食品等5の表面温度が+3℃になるときの熱気流入口21の温度センサ23と排気口22の温度センサ24との温度差である目標温度差J、たとえば10℃等の値が、実験結果として得られているものとする。
次に、本発明の実施の形態の解凍制御処理(2)を図9のフローチャートに基づき説明する。
本実施の形態の解凍室付き冷却庫の解凍制御処理においては、まず、制御装置200は、SS1において、赤外線センサ16が伝熱プレート4上に食品等5が搭載されていることを検出したか否かを判別する。SS1において、赤外線センサ16が食品等5を検出していなければ、制御装置200はそのまま待機するが、赤外線センサ16が食品等5を検出していれば、SS2の処理が実行される。
SS2においては、制御装置200は、表示器400の解凍押圧スイッチを示す部分を点滅させる。SS3においては、解凍開始スイッチのユーザによる押圧があったか否かが判別される。SS3において、解凍開始スイッチの押圧がなければ、制御装置200は、そのまま表示器400の解凍押圧スイッチを示す部分を点滅させる制御を継続するが、解凍開始スイッチが押圧されれば、SS4の処理が実行される。
SS4においては、加熱器8の運転が開始される。本実施の形態においては、加熱器8の出力は、解凍に支障がない出力であれば、いかなる値であってもよいが、その値はほぼ一定に維持されていることが望ましい。
次に、SS5においては、熱気流入口21に設けられた第1温度センサ23の温度情報が検出され、前述の第1温度N1の値を示す信号が制御装置200によって受信される。
その後、SS6において、第1温度N1の値が所定時間、N1±1の範囲内にはいっているか否かが判別される。SS6において、第1温度N1の値が所定時間、N1±1の範囲内にはいっていなければ、SS5の処理が継続されるが、第1温度N1の値が所定時間、N1±1の範囲内にはいっていれば、SS7の処理が実行される。つまり、加熱器8を起動した直後においては、第1温度センサ23によって検出される温度が不安定であるため、制御装置200は、第1温度センサ23によって検出される温度が安定したことを確認してから次の処理を実行する。
次に、SS7において、排気口22の第2温度センサ24によって温度情報が検出される。つまり、第2温度H1の値を示す信号が、第2温度センサ24によって送信され、制御装置200によって受信される。その後、SS8において、第1温度N1のデータと第2温度H1のデータとを用いて、初期温度差D1=N1-H1の値が算出される。そのとき、SS9において、制御装置200は、現在の時刻tを記憶するとともに、時刻を計時する時計として機能するタイマとは別のタイマをスタートさせる。つまり、初期温度差D1が算出された時点を基準とする時間の計時が開始される。
次に、SS10においては、再び、熱気流入口21に設けられた第1温度センサ23の温度情報が検出される。つまり、再度、前述の第1温度N2の値を示す信号が、第1温度センサ23によって送信され、制御装置200によって受信される。その後、SS11において、再度、排気口22の第2温度センサ24によって温度情報が検出される。つまり、再度、第2温度H2の値を示す信号が、第2温度センサ24によって送信され、制御装置200によって受信される。その後、SS12において、第1温度N2のデータと第2温度H2のデータとを用いて、現状の温度差D2=N2-H2の値が算出される。
次に、SS13において、初期温度差D1と現状の温度差D2との差D1-D2の値が所定値(たとえば、1)以上であるか否かが判別される。言い換えれば、差D1-D2の値が所定値または所定値よりもわずかに大きな値であるか否かが判別される。
SS13において、差D1-D2の値が所定値よりも小さければ、差D1-D2の値が所定値以上になるまで、制御装置200は、SS10からSS13の処理を繰り返す。一方、SS13において、差D1-D2の値が所定値以上になれば、SS14の処理が実行される。SS14においては、タイマの値Kが取得され、その後、タイマがリセットされる。つまり、SS10〜SS13の処理を繰り返すことによって、差D1-D2が所定値になるまでの時間が測定される。
次に、SS15において、目標温度差Jの値がメモリから読出される。次に、SS16において、初期温度差D1と目標温度差Jとの差とタイマの値Kとの積を所定値(1)で除算することによって、解凍時間T=K×(D1-J)/所定値の値が算出される。
次に、SS17において、前述のメモリに記憶されている時刻tのデータと解凍時間Tのデータとを用いて解凍終了予定時刻を算出する処理が行なわれる。その結果、SS18において、表示器400に解凍終了予定時刻を表示する処理が行なわれる。これにより、ユーザは解凍の開始からしばらく時間が経過したときに、解凍室3内に入れられた食品等5の解凍終了時刻を知ることができる。
その後、SS19において、解凍終了予定時刻になったか否かが判別される。SS19において、解凍終了予定時刻になっていないと判定されれば、SS18の処理が継続される、すなわち、解凍終了予定時刻までは解凍終了時刻が表示器400に表示される。なお、解凍終了時刻の代わりに、解凍時間Tを表示してもよい。
また、SS19において、解凍終了予定時刻になっていると判定されれば、S20において、表示器400がクリアされ、解凍が終了した旨が表示器400に表示されるとともに、加熱器8の運転が停止される。
その後、赤外線センサ16が伝熱プレート4上の食品等5を検出しなくなったか否かが判別される。SS21において、赤外線センサ16が食品等5を検出しなくなっていれば、解凍制御処理(2)が最初から繰り返されるが、赤外線センサ16が食品等5を検出していれば、そのままSS21の処理が継続される。すなわち、解凍が終了した食品等5が伝熱プレート4から取り出されるまで、解凍制御処理(2)が終了しないように設定されている。
本実施の形態においては前述のような処理を行うことによって解凍終了予定時刻を算出したが、前述のような処理によって解凍終了予定時刻を予測する論理を、次に説明する。
本実施の形態においては、熱気流入口21を流れる熱気の温度と排気口22を流れる空気の温度との温度差の値を利用して、解凍時間を算出する。
まず、加熱器8の運転が開始され、加熱器8の運転が安定した時点の熱気流入口21を流れる熱気の温度と排気口22を流れる空気の初期の温度差が算出される。その後、熱気流入口21を流れる熱気の温度と排気口22を流れる空気の現状の温度差が算出される処理が繰り返される。それにより、現状の温度差と初期の温度差との差の値が所定値になるまでの時間を測定することができる。これにより、解凍室3内の加湿空気6の体積はほぼ一定であるとみなすことができるため、解凍室3内において単位時間の値Kあたりに食品等5と加湿空気6との間で交換される熱量Δqが推定される。
また、加熱器8がほぼ一定の能力で運転されていれば、その後においても、食品等5と加湿空気6とは同じ割り合いで熱量の交換を行うと推定される。そのため、予め実験によって熱気流入口21の第1温度Nと排気口22の第2温度Hとの温度差Dが何度になれば食品等5の解凍が終了するかを示す目標温度差Jのデータが制御装置200に記憶されていれば、加熱器8の運転が安定した時点以後において、解凍を終了させるために、熱気流入口21の第1温度Nと排気口の第2温度Nとの温度差Dを何度低減させればよいかが推定される。
解凍のために必要とされる熱気流入口21の第1温度Nと排気口22の第2温度Hとの温度差Dの低減量ΔDが特定されれば、その低減量ΔDの実現のために加湿空気6と食品等5との間で交換される熱量ΔQは、前述の単位時間(K)あたりに交換される熱量Δqの何倍であるかが推定される。その結果、制御装置200は、すでに単位時間Kのデータを有しているため、所定時間が経過した時点以後において解凍の終了のために必要な食品等5と加湿空気6との間での熱量ΔQの交換に必要な時間(解凍時間T)を予測することができる。したがって、初期の温度差Dを取得した時刻tが特定されていれば、その時刻tに解凍のために必要な時間(解凍時間T)を加えることによって、解凍終了予定時刻が算出される。
なお、本実施の形態においても、実施の形態1のS17と同様に、解凍の終了後、解凍室3内に食品等5が残存している場合には、Kダンパ70を開き、蒸発器50によって生成された冷気を解凍室3内へ導くことによって、解凍が終了した食品等5を冷蔵してもよい。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 冷凍室、2 冷蔵室、3 解凍室、4 伝熱プレート、5 食品等、6 加湿空気、7 送風ファン、8 加熱器、9 タンク、10 電磁弁、11 配管、13 加湿器、16 赤外線センサ、20 温度センサ、21 熱気流入口、22 排気口、23 第1温度センサ、24 第2温度センサ、100 冷却庫。
Claims (5)
- 冷凍物を解凍する解凍室と、
前記冷凍物を加熱する熱気を生成するための加熱器と、
重量、大きさ、および厚さ等の前記冷凍物の容量に関する情報に基づいて、前記加熱器を所定の運転条件に従って運転したときの前記冷凍物の解凍に要する解凍時間を算出する制御装置とを備えた、解凍室付き冷却庫。 - ユーザが前記冷凍物の解凍終了予定時刻を入力するための入力部をさらに備え、
前記制御装置は、
前記解凍終了予定時刻と現在時刻との時間差を算出する手段と、
前記時間差が前記解凍時間よりも大きい場合には、前記所定の運転条件における前記加熱器の能力よりも小さい能力であって、かつ、前記解凍終了予定時刻までに前記冷凍物の解凍が終了するような能力を発揮するように、前記加熱器を制御する手段とを有している、請求項1に記載の解凍室付き冷却庫。 - 前記制御装置に制御されて、冷熱を生み出す冷凍機と、
前記冷熱を用いて冷気を生成する蒸発器と、
前記冷気を前記解凍室に導く冷気流路と、
前記冷気流路に設けられたダンパと、
前記解凍室内の温度を測定する温度センサとをさらに備え、
前記制御装置は、前記解凍時間を算出した後、前記加熱器の運転を開始するまでの間、前記解凍室内の温度が所定温度(最大氷結晶生成温度帯よりも低い温度)になるように、前記ダンパを制御する手段を有する、請求項2に記載の解凍室付き冷却庫。 - 冷凍物を解凍する解凍室と、
前記冷凍物を加熱する熱気を生成する加熱器と、
前記加熱器を制御する制御装置と、
前記解凍室へ前記加熱器が生成した熱気を導入する給気口と、
前記解凍室内の空気を排気する排気口と、
給気温度を測定する第1温度センサと、
排気温度を測定する第2温度センサとを備え、
前記第1温度センサにより取得された給気温度情報および前記第2温度センサにより取得された排気温度情報のそれぞれは、前記制御装置へ送信され、
前記制御装置は、
前記加熱器の運転を開始してから所定時間経過した時点における、前記給気温度と前記排気温度との初期温度差を算出する手段と、
前記初期温度差を算出した後における、前記給気温度と前記排気温度との現状温度差を算出する手段と、
前記初期温度差と前記現状温度差との差が所定値となるまでの経過時間を算出する手段と、
解凍終了を判断するために前記給気温度と前記排気温度との温度差として予め定められた目標温度差、前記初期温度差、前記経過時間、および前記所定値を用いて、前記冷凍物の解凍に要する解凍時間を算出する手段とを有する、解凍室付き冷却庫。 - 前記解凍時間または前記解凍時間に基づいて算出された前記冷凍物の解凍終了予定時刻を報知する報知手段をさらに備えた、請求項1〜4のいずれかに記載の解凍室付き冷却庫。
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JP2004172544A JP2005351543A (ja) | 2004-06-10 | 2004-06-10 | 解凍室付き冷却庫 |
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JP2004172544A JP2005351543A (ja) | 2004-06-10 | 2004-06-10 | 解凍室付き冷却庫 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2004
- 2004-06-10 JP JP2004172544A patent/JP2005351543A/ja not_active Withdrawn
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