JP2018095899A - 中空部材及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】鋼管内面のビードカット部の腐食ピットを抑制し得る耐食性を付与することにより、高疲労寿命化させた中空部材の提供。【解決手段】質量%で、C:0.20%〜0.40%、Si:0.50%〜1.5%、Mn:0.3%〜1.5%、Cr:0.1%〜1.6%、P:0.020%以下、S:0.010%以下、Cu:0.1%〜0.5%、Ni:0.1%〜0.5%、Nb:0.02%〜0.5%、Ca:0.005%以下、B:0.0005%〜0.0050%、Al:0.005%〜0.1%、N:0.010%以下、Ti:0.02%〜0.1%を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなる組成を有する中空部材。更に、V:0超〜0.5%、Mo:0超〜0.5%から選択される1種以上を含有することが好ましい中空部材。硬さが450Hv以上である、中空部材。中空スタピライサーとして用いる中空部材。【選択図】なし

Description

本発明は、高強度且つ高疲労寿命が要求されるスタビライザー用の中空部材及びその製造方法に関する。
自動車車体の安定性を確保するため、スタビライザーが使用されている。スタビライザーは、従来、棒鋼(中実材)を用いて製造されていたが、軽量化の観点から、中空である電縫鋼管を用いて製造されるようになってきた。また、更なる軽量化の観点から、鋼管の高強度化の検討も進められている。
一般に、スタビライザー用の中空部材は、ビードカットされた電縫鋼管を大気焼鈍し、表面の酸化スケールを除去するために硫酸酸洗を行った後、所望の寸法に冷間引抜し、次いで冷間加工歪を除去するために大気中で最終焼鈍することによって製造される。しかしながら、このようにして製造される中空部材では、電縫鋼管のビードカット部において、腐食ピットが発生する場合がある。
外面側のビードカット部は、ショットピーニングすることで疲労寿命への影響を小さくすることができる。一方、内面側の腐食ピットは、軽量化を重視する中空部材においては、素材の高強度化に伴う薄肉化によって内面応力が従来よりも増大しているため、腐食ピットは疲労寿命に対して致命的な欠陥となる。また、その使用環境での内面腐食についても問題となる。
実際、中空スタビライザー等の中空部材の疲労寿命を向上させる方法として、ショットピーニングによって圧縮残留応力を付与する方法が知られている。しかし、鋼管内面にショットピーニングする方法は、工業的に高コストとなるため実用的でない。
また、内面応力を緩和するために、鋼管肉厚tと鋼管外径Dとの比(t/D)を大きくするという、厚肉化によって鋼管の内面にかかる応力を低減させる方法がある(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、この方法では、中空部材の軽量化の目的とは逆行してしまう。
また、鋼管の内面の強化方法として、鋼管の内面に浸炭硬化層を形成する方法も知られている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、この強化方法は、電縫鋼管の溶接ビード部分を肉厚方向で安定的に強化することが困難であると共に、鋼管製造後に塗布型浸炭組成物を内面に塗布して乾燥する工程が必要となるため、製造コストが増大するという問題がある。さらに、この強化方法では、焼入れ温度及び加熱時間を厳密に管理することも必要となる。
さらに、鋼管の表面を窒化させる方法や内面を研削する方法も知られている(例えば、特許文献3及び4参照)。しかしながら、これらの方法は、疲労特性の向上には有効である一方、工程の増加を伴い、現状の鋼管製造プロセスにそのまま適用できるものではない。
特開2004−11009号公報 特開2000−118224号公報 特開平6−264177号公報 特開平7−215038号公報
本発明は、前記のような課題を解決するためになされたものであり、鋼管内面のビードカット部の腐食ピットを抑制し得る耐食性を付与することにより、高疲労寿命化させた中空部材及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、質量%で、
C:0.20%〜0.40%、
Si:0.50%〜1.5%、
Mn:0.3%〜1.5%、
Cr:0.1%〜1.6%、
P:0.020%以下
S:0.010%以下
Cu:0.1%〜0.5%、
Ni:0.1%〜0.5%、
Nb:0.02%〜0.5%、
Ca:0.005%以下
B:0.0005%〜0.0050%、
Al:0.005%〜0.1%、
N:0.010%以下、
Ti:0.02%〜0.1%
を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなる組成を有し、硬さが450Hv以上であることを特徴とする中空部材である。
また、本発明は、質量%で、
C:0.20%〜0.40%、
Si:0.50%〜1.5%、
Mn:0.3%〜1.5%、
Cr:0.1%〜1.6%、
P:0.020%以下
S:0.010%以下
Cu:0.1%〜0.5%、
Ni:0.1%〜0.5%、
Nb:0.02%〜0.5%、
Ca:0.005%以下
B:0.0005%〜0.0050%、
Al:0.005%〜0.1%、
N:0.010%以下、
Ti:0.02%〜0.1%
を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなる組成を有するスラブを1230℃以上に加熱した後、仕上圧延して巻取温度500℃〜650℃で巻取ることによって熱延鋼板を得る熱間圧延工程と、
前記熱延鋼板を造管して電縫鋼管を得る造管工程と、
前記電縫鋼管を600℃以上Ac点以下の温度で無酸化焼鈍する無酸化焼鈍工程と、
前記無酸化焼鈍を行った電縫鋼管を冷間引抜きして引抜鋼管を得る冷間引抜工程と、
前記引抜鋼管に、Ac+50℃以上1150℃以下で10秒以上保持した後、急冷する焼入れ処理と、500℃以下で10分以上保持する焼戻し処理とを施す焼入れ焼戻し工程と
を含むことを特徴とする中空部材の製造方法である。
本発明によれば、鋼管内面のビードカット部の腐食ピットを抑制し得る耐食性を付与することにより、高疲労寿命化させた中空部材及びその製造方法を提供することができる。
硫酸酸洗によって生じた腐食ピットの例を示す写真である。 本発明におけるビードカット部の状態を示す写真である。
本発明は、高強度化による疲労寿命の向上と、耐食性の確保による疲労起点の排除とを要点とする。そのためには、C、Si、Mn、Crによって鋼管の調質硬さを確保しつつ、Nb、Ti炭化物によって結晶粒径の微細化による疲労進展速度を遅滞させる必要がある。また、腐食ピットの原因の一つであるMnSを低減するため、S含有量を規制するとともにCu添加によってCuSを生成させ、ピット状の腐食を抑制する。さらに、Siと、Cu、Ni及びCrとをバランス良く組み合わせることによって耐食性を飛躍的に向上させる。すなわち、Si添加による固溶強化と、炭化物の析出抑制による焼戻し軟化抵抗の向上とによって高強度化し、疲労強度を高める。これにより、鋼管内面の腐食ピット等を抑制して応力集中を緩和し、疲労亀裂の発生及び進展を遅滞させる。
以下、本発明の中空部材、及びその製造方法に用いられるスラブにおける鋼組成の限定理由を説明する。なお、単位は質量%である。
C:0.20%〜0.40%
Cは、炭素鋼において最も基本となる成分であり、その含有量によって焼入れ硬さ及び炭化物量が大きく変動する。C含有量が0.20%未満の鋼管では、十分な焼入れ硬さが得られない。また、溶接凝固時に固相と液相との間で元素の分配が起こった場合でもビード中心のC含有量を0.15%以上に確保するため、0.20%以上のCが必要である。一方、C含有量が0.40%を超えると、鋼管の加工性が低下して成形することができないことや焼割れも懸念される。より良好な焼入れ硬さ及び加工性を兼ね備えた鋼管を得る観点から、C含有量は0.20%〜0.30%であることが好ましい。
Si:0.50%〜1.5%
Siは、焼入れ性及び焼戻し軟化抵抗を高め、焼戻し後の強度を確保する上で有効な元素である。また、Siは、焼戻しの際にフィルム状の炭化物の生成を抑制し、平均粒径0.5μm以下の微細な炭化物を析出させることで粒界強度の低下を抑える作用を有する。また、上述したように、Siは、焼戻し後の強度及び高疲労寿命化に不可欠な元素であるとともに、Cu、Ni及びCrと組み合わせた際に鋼の耐食性に有効に作用する。このような効果を得るためには、0.50%以上のSiが必要である。ただし、Si含有量が1.5%を超えると、靭性や溶接性が劣化し、疲労寿命の低下を招く要因となる。そのため、Si含有量は0.5%〜1.5%とする必要がある。また、好ましいSi含有量は0.52%〜1.3%である。
Mn:0.3%〜1.5%
Mnは、鋼管の焼入れ性を高め、強靭化するのに有効な成分である。十分な焼入れ性を得るためには、Mnの含有量を0.3%以上とすることが必要である。しかし、Mnの含有量が1.5%を超えると、溶接ビード部に欠陥が生じ易くなる。また、熱延における金属組織がフェライト/パーライトのバンド状組織が著しく多くなり、鋼管の焼入れ性及び加工性が低下する場合がある。また、好ましいMn含有量は0.8%〜1.2%である。
Cr:0.1%〜1.6%
Crは、高強度化及び耐食性の改善に寄与する成分である。すなわち、Crは、Mnと同じように焼入れ性を高め、また、耐食性を向上させるのに有効な成分である。このような効果を得るためには、0.1%以上のCrを配合することが必要である。しかし、1.6%を超える多量のCrを配合すると、焼入れ前の加工性が低下する。そのため、Cr含有量は0.1%〜1.6%とする必要がある。また、好ましいCr含有量は0.2%〜1.58%である。
P:0.020%以下
Pは、延性や靭性を低下させる成分である。0.020%を超えるPを含有させると、焼入れ後に旧オーステナイト粒界の靭性が低下し、所望の疲労特性が得られない。そのため、P含有量の上限は0.020%とする必要がある。不純物としてPはできるだけ少ない方がよいが、工業的安定製造や製造コスト面からは0.020%以下で問題はない。また、好ましいP含有量は0.005%以下である。
S:0.010%以下
Sは、MnS系介在物を形成する成分であり、腐食ピットの原因となる。MnSは、量が多くなるほど曲げ加工での亀裂の起点となって延性が低下する。また、調質後の疲労亀裂の起点にもなる。そのため、S含有量の上限は、0.010%とする必要がある。さらに、熱延鋼板及び電縫鋼管の加工性と、中空部材の疲労強度とをより一層高める観点から、S含有量は0.003%以下であることが好ましい。
Cu:0.1%〜0.5%
Cuは、Niと共に耐食性の改善に寄与する成分である。また、Cuの添加によってCuSを生成させ、MnSの生成を抑制する重要な成分である。Cu含有量が0.1%未満ではその効果が認められず、0.5%を超えて添加してもその効果が飽和するばかりか、製造コストが高くなる。また、好ましいCu含有量は0.15%〜0.48%である。
Ni:0.1%〜0.5%
Niは、Cuと共に添加される成分であり、Cuによる熱間脆性の防止に有効に作用し、さらに高強度化及び耐食性の改善にも有効な成分である。Ni含有量が0.1%未満ではそれらの効果が認められず、0.5%を超える多量のNiが含まれると、表面にNiの濃淡が発生し、スケールと地鉄との界面での凹凸が著しくなって耐久性を劣化させる場合がある。さらに、Ni含有量が多くなると、製造コストの上昇を招く。そのため、Ni含有量は0.1%〜0.5%とする必要がある。また、好ましいNi含有量は0.15%〜0.45%である。
Nb:0.02%〜0.5%
Nbは、炭窒化物を形成し、焼入れ時に結晶粒の粗大化を防止する成分である。この効果を安定して得るためには、0.02%以上を含有させる必要がある。また、0.5%を超えて含有させてもその効果は飽和するばかりでなく、経済的にも不利であることから、0.02%〜0.5%の範囲とした。また、好ましいNb含有量は0.03%〜0.4%である。
Ca:0.005%以下
CaはMnS等の非金属介在物の形態を制御し、鋼の延性(加工性)、靭性を確保する成分である。Ca含有量が0.005%を超えると、Ca酸化物が大きくなり、疲労起点となる。そのため、Ca含有量は0.005%以下とする必要がある。また、Caによる上記効果を安定して得るためには、Ca含有量は0.001%〜0.005%であることが好ましい。
B:0.0005%〜0.0050%
Bは、ごく微量の添加で鋼管の焼入れ性を大幅に向上させる成分である。また、Bは、粒界を強化して靭性を改善する効果も有する。このような効果を安定して得るためには、0.0005%以上が必要である。しかし、0.0050%を超えても、その効果が飽和し、逆に靭性を劣化させる原因となる。また、上記の効果をより一層安定して得るためには、B含有量は0.0020%〜0.0040%であることが好ましい。
Al:0.005%〜0.1%
Alは、溶鋼の脱酸剤として使用される成分である。また、Alは、AlNを生成して熱処理時のオーステナイト粒の異常成長を抑制し、このN固着効果によりBNの生成を抑制してBによる焼入れ性の向上を促進させる効果がある。この効果を安定して得るためには、0.005%以上のAlを含有させる必要がある。一方、0.1%を超えるAlを含有させると、経済的に不利になるだけでなく、熱延鋼板及び鋼管の加工性が低下する。このため、Alの含有量は0.005%〜0.10%とする必要がある。また、上記の効果を安定して得るための好ましいAl含有量の上限は0.050%である。
N:0.010%以下
Nは、鋼の硬さや引張強度を向上させる成分であり、AlNやTiNを形成することによってオーステナイト粒の微細化を図り、耐衝撃性や疲労特性を向上させる効果がある。しかし、N含有量が0.010%を超えると、成形加工時の材料強度の増大に繋がり、成形性を劣化させる。また、AlN、TiNによる固着能力を超えてNが残留すると、BNが生成して焼入れ性の向上効果を阻害するため、N含有量の上限は0.010%である必要がある。上記の効果を安定して得るためには、N含有量は0.001%〜0.005%であることが好ましい。
Ti:0.02%〜0.1%
Tiは、Nを固定して焼入れ性を改善する有効B量を高めることができる。さらに、Tiは、炭窒化物を形成し、焼入れ時に結晶粒の粗大化を防止する。これらの効果を安定して得るためには、少なくとも0.02%以上のTiを含有させる必要がある。また、TiはSを固定し、加工性、耐食性を改善するのに有効な成分であり、有効Bを確保するためには、SとNの固定のため、0.02%以上のTiが必要となる。しかし、0.1%を超える多量のTiを含有させると、延性を劣化させるばかりでなく、経済的に不利となる。上記の効果を得るためには、Ti含有量を0.02%〜0.1%とする必要がある。また、好ましいTi含有量は0.02%〜0.08%である。
本発明の中空部材、及びその製造方法に用いられるスラブは、上記の成分の他にV及びMoから選択される1種以上を更に含むことができる。
V:0%超過0.5%以下
Vは、炭窒化物を形成し、焼入れ時に結晶粒を微細化するとともに靭性の向上に有効であり、疲労寿命に対して一層効果的に作用する。Vは、必要に応じて添加できるが0.5%以上含有させてもその効果は飽和するばかりでなく、経済的にも好ましくないため、0.5%以下とした。また、好ましいV含有量は0.1%〜0.4%である。
Mo:0%超過0.5%以下
Moは、焼入れ性と焼戻し軟化抵抗とを向上させ、靭性が改善することで疲労寿命に対してなお一層効果的に作用する。また、MoはCuと組み合わせると、より耐食性を向上させ、特に孔食を抑制する。Moを添加する場合は、経済性の観点から、0.5%以下とする。また、好ましいMo含有量は0.1%〜0.4%である。
次に、本発明の中空部材の製造方法について説明する。本発明の中空部材の製造方法は、熱間圧延工程、造管工程、無酸化焼鈍工程、冷間引抜工程、及び焼入れ焼戻し工程を含む。
熱間圧延工程では、スラブを加熱した後、仕上圧延して巻取ることによって熱延鋼板を得る。この熱間圧延工程では、スラブの加熱温度及び巻取温度が、熱延鋼板、及びそれを用いて形成される電縫鋼管や引抜鋼管の特性に多大な影響を及ぼす。したがって、本発明の効果を得るためには、上記の組成を有するスラブを1230℃以上に加熱する必要がある。スラブの加熱温度が1230℃未満であると、所望の特性を有する電縫鋼管や引抜鋼管が得られない。
加熱したスラブは、次に、仕上圧延される。仕上温度は、特に限定されないが、好ましくは800℃〜900℃である。仕上温度が800℃未満であると、熱間変形抵抗が増大し、圧延機にかかる負荷が増大すると共に生産性が低下する傾向にある。また、金属組織の微細化や加工歪の蓄積によって熱延鋼板の強度が高くなり、造管が困難となることがある。一方、仕上温度が900℃を超えると、表層のフェライト脱炭が進行し、焼入れ後に所望の表面硬さを有する中空部材が得られないことがある。また、鋼管の内外表面にフェライトが存在してしまう結果、焼入れ不良が生じるために中空部材の疲労寿命も低下することがある。
次に、仕上圧延された熱延鋼板は、コイル状に巻取られる。このとき、加工性を確保しつつ、表面脱炭を最小限に抑える観点から、熱延鋼板を500℃〜650℃の範囲、好ましくは550℃〜600℃の巻取温度で巻取る必要がある。巻取温度が500℃未満であると、熱延鋼板の加工性が低下して造管が難しくなり、電縫鋼管を成形することができない。一方、巻取温度が650℃を超えると、巻取後の冷却中に表面脱炭が進行して焼入れ後の表面硬さが不足してしまう結果、疲労特性に優れた中空部材を得ることができない。
熱間圧延工程の後、必要に応じて焼鈍工程を含むことができる。焼鈍工程では、熱延鋼板を650℃以上の温度に5時間以上保持する焼鈍を行う。このような条件下で焼鈍を行うことにより、造管成形性が向上する。
焼鈍工程の後、必要に応じて冷間圧延工程を含むことができる。冷間圧延工程では、焼鈍鋼板を冷間圧延する。冷延率は、特に限定されないが、20%以上が好ましい。冷延率が20%未満であると、平均表面粗さRaが0.2μm以上となり、高強度に調質した場合に疲労寿命が低下することがある。
造管工程では、熱延鋼板(或いは、焼鈍鋼板又は冷延鋼板)を造管して電縫鋼管を得る。造管方法としては、特に限定されないが、公知の手段を用いて電縫溶接される。具体的には、熱延鋼板を所定の幅にスリットし、ロール成形及び高周波加熱によって端面を溶接して水冷する。このようにして得られた電縫鋼管の外面及び内面の溶接部では、溶融金属(これを「溶接ビード」という)が隆起するため、この隆起したビードを必要により除去する。なお、通常は、除去操作が容易な外面の隆起した溶接ビードのみを切削等によって除去する。
また、溶接ビード部は、急冷凝固組織であり、硬く且つ脆い性質を有するため、溶接ビード部をAc点以下の温度で焼戻し、溶接ビード部の靭性を回復させるシームアニールを行うことが好ましい。焼戻し温度がAc点を超えると、オーステナイト化するため、その後の冷却によって焼入れされた状態となり、ビードの加工性が得られないことがある。一方、焼戻し温度の下限は、成分にあわせて適宜設定すればよいが、生産性等の観点から、Ac変態点−100℃であることが好ましい。溶接ビード部の加熱方法としては、特に限定されることはなく、高周波加熱等の公知の方法を用いることができる。
そして、このようにして製造された電縫鋼管は、必要に応じ、形状を修正して直管度を高め、所定の長さに切断される。
無酸化焼鈍工程では、電縫鋼管を600℃以上Ac点以下の温度で無酸化焼鈍する。
無酸化焼鈍時の雰囲気は、無酸化状態であれば特に限定されない。具体的には、DXガスやRXガス雰囲気とすればよい。通常、焼鈍は大気雰囲気下で行われるが、この場合、表面酸化が著しく、硫酸酸洗によってスケールを除去する必要がある。しかしながら、硫酸洗浄は、表面肌の凹凸が大きくなり疲労起点の一因となる。本発明では、無酸化雰囲気下で焼鈍を行うため、上記のような問題は生じない。実際、硫酸酸洗を行うと、図1に示すような腐食ピットが生じる。他方、本発明のように無酸化焼鈍を行うと、硫酸酸洗が必要でないため、図2に示すように腐食ピットは生じない。
無酸化焼鈍の時間は、鋼管の寸法により異なるが、鋼管の昇温時間や酸化を考慮すると、15分以内であることが好ましい。
冷間引抜工程では、無酸化焼鈍を行った電縫鋼管を冷間引抜きして引抜鋼管を得る。引抜率としては、特に限定されないが、疵抑制の観点から、減面率(断面積の減少率)が30%以下であることが好ましい。また、冷間引抜きは、通常の潤滑油を用いて行うことができる。このようにして得られる引抜鋼管は、表面スケールが1μm以下であり、スケールが緻密であるため、耐食性が高い。
なお、冷間引抜工程の後、必要に応じて無酸化焼鈍工程を含むことができる。無酸化焼鈍工程の条件は、冷間引抜工程の前の無酸化焼鈍工程の条件と同様にすればよい。
また、引抜鋼管は、必要に応じて、形状を修正して直管度を高め、所定の長さに切断される。
焼入れ焼戻し工程では、引抜鋼管に焼入れ処理と焼き戻し処理とを施す。
焼入れ処理における加熱方法は、特に限定されることはなく、通電加熱方法や高周波加熱方法等の公知の方法を用いることができる。
焼入れ処理は、Ac+50℃以上1150℃以下で10秒以上保持した後に急冷することによって行われる。焼入れ温度が1150℃を超えると、長時間保持した場合にオーステナイト粒が異常成長し、疲労特性が著しく低下することがある。また、酸化抑制及び熱処理コスト低減の観点から、保持時間は1分以内とすることが好ましい。したがって、焼入れ処理は、好ましくはAc+50℃〜1150℃とし、セメンタイトを固溶させて均一なオーステナイトを形成させるために10秒〜1分間保持することが好ましい。
なお、急冷時に引抜鋼管内に水分が浸入した場合、焼戻しまでの経過時間により錆が発生する場合がある。この錆びの発生は疲労寿命の低下に繋がるため、焼入れ処理後に引抜鋼管内の乾燥等を行ってもよい。
焼戻し処理における加熱方法は、全体が均一な温度に保持できる加熱方法であれば特に限定されることはなく、公知の方法を用いて行うことができる。
焼戻し処理は、500℃以下で10分以上保持することによって行われる。このような処理により、焼戻しマルテンサイトが得られ、強度を確保することが可能になる。焼戻し温度が500℃を超えると、強度が急激に低下するため、中空部材の内面側からの疲労特性の向上が図れない。焼戻し温度の下限は、特に限定されることはないが、300℃であることが好ましい。特に、中空部材の靭性を安定させる格子欠陥の回復を考慮すると、焼戻し温度は300℃〜400℃であることが好ましい。
焼戻し時間は、焼戻し温度や鋼組成等にあわせて適宜設定すればよく、特に限定されることはないが、一般に10分〜120分であり、好ましくは30分〜60分である。なお、焼戻し処理における雰囲気は窒素雰囲気が好ましい。また、焼戻し後の冷却方法については特に限定されることはない。
上記のようにして焼入れ及び焼戻しされた中空部材は、優れた疲労強度を示す。また、より一層向上させるために、焼入れ及び焼戻し工程の後に、ショットピーニング等による圧縮残留応力を中空部材の外面に付与してもよい。その後、必要に応じて塗装処理を施すこともできる。
本発明によると、鋼管内面の腐食による疲労起点が少なくなり、高強度鋼管の薄肉化に対応した疲労寿命を顕著に向上させることができる。また、鋼管内面の錆が発生し難いため、継続的な使用によっても疲労寿命の低下がなく、品質安定性に優れた中空部材の製造が実現できる。
以下、実施例及び比較例により本発明を詳細に説明するが、これらによって本発明が限定されるものではない。
(実施例1)
表1に示す組成を有するスラブを1250℃に加熱した後、仕上温度880℃で仕上圧延し、巻取温度550℃で巻取って板厚5.0mmの熱延鋼板を得た。次に、この熱延鋼板を酸洗した後、680℃で20時間の球状化焼鈍を行った。次に、得られた焼鈍鋼板をφ30.0mm×t5.0mmに造管して電縫鋼管を得た。そして、電縫鋼管の外面及び内面の溶接部においてビードカットを行った後、680℃でシームアニールを行った。ここで、得られた電縫鋼管の加工性を評価するために、2/3D(Dは鋼管の外径である。以下同じ)の条件でへん平試験を行った。この評価において、破壊が確認されなかったものを○、破壊が確認されたものを×と表す。
次に、電縫鋼管をDXガス雰囲気下、680℃で15分、無酸化焼鈍した後、冷間引抜きしてφ25.4mm×t4.5mm(減面率25%)の引抜鋼管を得た。ここで、得られた引抜鋼管の加工性を評価するため、2/3Dの条件でへん平試験を行った。この評価において、破壊が確認されなかったものを○、破壊が確認されたものを×と表す。
次に、上記で得られた長さ700mmの引抜鋼管をコの字型に曲げ加工し(曲げ角度80°)、通電加熱によって1100℃で1分間保持した後に急冷する焼入れ処理を行った。その後、500℃以下で10分保持して焼戻し処理を行うことにより、焼戻し処理後の鋼管の内面表層部50μm位置の硬さ(ビッカース硬さ)を450HVに調整し、ショットピーニングを施した。
上記のようにして得られた中空部材について、耐久性及び耐食性を評価した。
耐久性は、中空部材の両端を固定し、曲げ部に最大応力650MPaを負荷し、周波数を2Hzとした疲労試験を行った。この評価において、中空部材が破断するまでの繰り返し回数が1×10回以上であれば、従来の中空部材(中空スタビライザー)と比較して疲労寿命が向上していると認められる。そのため、中空部材が破断するまでの繰り返し回数が1×10回以上のものを○、中空部材が破断するまでの繰り返し回数が1×10回未満のものを×と表す。
耐食性は、15%濃度の硫酸水溶液に中空部材を60℃で20分間浸漬させた後、中空部材のビードカット部の内面について、腐食ピットの最大深さをレーザー顕微鏡(測定面積4mm)によって測定した。この評価において、腐食ピットの最大深さが50μm以下のものを○、腐食ピットの最大深さが50μmを超えるものを×と表す。
上記の各評価結果を表2に示す。
Figure 2018095899
Figure 2018095899
本発明例である鋼種No.1〜11は、電縫鋼管及び引抜き鋼管の加工性が良好であると共に、腐食ピットを抑制し得る耐食性を有しつつ耐久性が高くて高疲労寿命化が達成された中空部材を与えた。
これに対して、鋼種No.12及び13は、Si含有量が低すぎたため、腐食ピットが発生してしまい、所望の耐食性が得られなかった。
鋼種No.14は、Cu含有量が低すぎたため、腐食ピットが発生してしまい、所望の耐食性が得られなかった。
鋼種No.15は、C含有量が低すぎたため、耐久性が低下し、所望の疲労寿命が得られなかった。
鋼種No.16は、Si、Mn及びNiの含有量が低すぎたため、腐食ピットが発生すると共に疲労寿命も低下してしまった。
鋼種No.17は、Cu及びNiの含有量が低すぎたため、腐食ピット発生してしまい、所望の耐食性が得られなかった。
鋼種No.18は、Si含有量が少なく、Nbが配合されていなかったため、旧オーステナイト粒径が成長し、疲労寿命が低下した。
鋼種No.19は、C含有量が高すぎ、Bが配合されていなかったため、熱処理での表層硬さが不足し、疲労寿命を確保できなかった。
鋼種No.20は、Ni及びCrの含有量が低すぎたため、腐食ピットが発生してしまい、所望の耐食性が得られなかった。
鋼種No.21及び22は、Si又はMnの含有量が高すぎたため、造管後の加工性が低下した。
鋼種No.23は、Ca含有量が高すぎたため、介在物が大きくなり、疲労寿命が低下した。
鋼種No.24は、Ti含有量が高すぎたため、疲労寿命が低下すると共に、腐食ピットも発生した。
鋼種No.25は、Cr含有量が高すぎたため、造管後の加工性が低下した。
鋼種No.26は、P及びSの含有量が高すぎ、且つNbの含有量が低すぎたため、疲労寿命が低下し、腐食ピットも発生した。
(実施例2)
実施例2では、適切な製造条件を把握するため、実施例1のNo.1〜10と同じ組成を有するスラブを用い、表3に示すように製造条件のいくつかを変動させて評価を行った。すなわち、スラブの加熱温度を1210℃〜1260℃に加熱した後、仕上温度830℃〜880℃で仕上圧延し、巻取温度460℃〜680℃で巻取って板厚5.0mm〜7.1mmの熱延鋼板を得た。次に、この熱延鋼板を酸洗した後、焼鈍温度600℃〜690℃で3時間〜20時間の球状化焼鈍を行った。なお、サンプルNo.5−2及び5−5については、球状化焼鈍は行わなかった。その後、サンプルNo.7−1〜7−3については、冷延率10%〜30%で冷間圧延した。次に、焼鈍鋼板又は冷延鋼板をφ30.0mm×t5.0mmに造管して電縫鋼管を得た。そして、電縫鋼管の外面及び内面の溶接部においてビードカットを行った後、680℃でシームアニールを行った。ここで、得られた電縫鋼管の加工性を評価するために、2/3Dの条件でへん平試験を行った。この評価において、破壊が確認されなかったものを○、破壊が確認されたものを×と表す。なお、この加工性の評価が悪かったサンプルNo.5−5については、以降の処理及び評価は行わなかった。
次に、電縫鋼管をDXガス又はRXガス雰囲気下にて焼鈍温度550℃〜740℃で15分、無酸化焼鈍した後、冷間引抜きしてφ25.4mm×t4.5mm(減面率25%)の引抜鋼管を得た。なお、サンプルNo.5−6では、従来の製造工程(大気雰囲気下での焼鈍−硫酸酸洗−冷間引抜き−大気雰囲気下での焼鈍−硫酸酸洗)を行った。大気雰囲気下での焼鈍は680℃で15分間行い、硫酸酸洗は60℃で20分間行い、冷間引抜きの条件は他のサンプルと同様の条件とした。得られた引抜鋼管の加工性を評価するため、2/3Dの条件でへん平試験を行った。この評価において、破壊が確認されなかったものを○、破壊が確認されたものを×と表す。なお、この加工性の評価が悪かったサンプルNo.2−5については、以降の処理及び評価は行わなかった。
次に、上記で得られた長さ700mmの引抜鋼管をコの字型に曲げ加工し(曲げ角度80°)、通電加熱によって930℃〜1210で0秒〜70秒間保持した後に急冷する焼入れ処理を行った後、300℃〜530℃で30分間の焼戻し処理を行い、ショットピーニングを施した。ここで、焼戻し処理後の鋼管の内面表層部50μm位置の硬さ(ビッカース硬さ)を評価した。
上記のようにして得られた中空部材について、耐久性及び耐食性を評価した。
耐久性は、中空部材の両端を固定し、曲げ部に最大応力600MPaを負荷し、周波数を2Hzとした疲労試験を行った。この評価において、中空部材が破断するまでの繰り返し回数が1×10回以上であれば、従来の中空部材(中空スタビライザー)と比較して疲労寿命が向上していると認められる。そのため、中空部材が破断するまでの繰り返し回数が1×10回以上のものを○、中空部材が破断するまでの繰り返し回数が1×10回未満のものを×と表す。
耐食性の評価方法は、実施例1と同様である。
上記の各評価結果を表4に示す。
Figure 2018095899
Figure 2018095899
本発明例であるサンプルNo.1−1、2−1〜2−4、3−2、4−1、5−2〜5−3、6−1、7−1〜7−3、9−1及び10−1は、電縫鋼管及び引抜き鋼管の加工性が良好であると共に、腐食ピットを抑制し得る耐食性を有しつつ耐久性が高くて高疲労寿命化が達成された中空部材を与えた。
これに対して、サンプルNo.2−5は、無酸化焼鈍における焼鈍温度が低すぎたため、内面疵が発生し、引抜鋼管の加工性が十分に得られなかった。
サンプルNo.3−1は、焼鈍工程における焼鈍温度が低すぎたため、十分な球状化セメンタイトが得られず、耐久性が十分に得られなかった。
サンプルNo.4−2は、焼鈍工程における焼鈍時間が短すぎたため、十分な球状化セメンタイトが得られず、耐久性が十分に得られなかった。
サンプルNo.5−1は、巻取温度が高すぎたため表層脱炭が進行し、また、焼入れ時間も短すぎたため、耐久性が十分に得られなかった。
サンプルNo.5−4は、焼戻し温度が高すぎたため、硬さが著しく低下し、耐久性が十分に得られなかった。
サンプルNo.5−5は、巻取温度が低すぎたため、一部にベイナイトやマルテンサイトが生成してしまい、電縫鋼管の加工性を確保することができなかった。
サンプルNo.5−6は、無酸化焼鈍を行わず、従来の製造工程(大気雰囲気下での焼鈍−硫酸酸洗−冷間引抜き−大気雰囲気下での焼鈍−硫酸酸洗)を行ったため、表面酸化が著しく、脱炭も進行し、硫酸酸洗によって表面が凹凸となり、耐久性が十分に得られなかった。また、サンプルNo.5−6は、脱炭による粒界酸化のために、腐食ピットが発生し、耐食性も十分に得られなかった。
サンプルNo.8−1は、焼入れ温度が高すぎたため、オーステナイト結晶粒の成長と脱炭が進行するとともに表面スケールが著しくなり、耐久性が十分に得られなかった。
サンプルNo.8−2は、焼入れ時間が短すぎたために、炭化物の固溶が不足し、耐久性が十分に得られなかった。
サンプルNo.10−2は、無酸化焼鈍における焼鈍温度が高すぎたため、一部がオーステナイト化して不均一組織となり、また、高温で脱炭やスケールが生成し、耐久性及び耐食性が十分に得られなかった。
以上の結果からわかるように、本発明によれば、鋼管内面のビードカット部の腐食ピットを抑制し得る耐食性を付与することにより、高疲労寿命化させた中空部材及びその製造方法を提供することができる。

Claims (6)

  1. 質量%で、
    C:0.20%〜0.40%、
    Si:0.50%〜1.5%、
    Mn:0.3%〜1.5%、
    Cr:0.1%〜1.6%、
    P:0.020%以下
    S:0.010%以下
    Cu:0.1%〜0.5%、
    Ni:0.1%〜0.5%、
    Nb:0.02%〜0.5%、
    Ca:0.005%以下
    B:0.0005%〜0.0050%、
    Al:0.005%〜0.1%、
    N:0.010%以下、
    Ti:0.02%〜0.1%
    を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなる組成を有し、硬さが450Hv以上であることを特徴とする中空部材。
  2. 前記組成が、質量%で、V:0%超過0.5%以下、Mo:0%超過0.5%以下から選択される1種以上を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の中空部材。
  3. 中空スタビライザーとして用いられることを特徴とする請求項1又は2に記載の中空部材。
  4. 質量%で、
    C:0.20%〜0.40%、
    Si:0.50%〜1.5%、
    Mn:0.3%〜1.5%、
    Cr:0.1%〜1.6%、
    P:0.020%以下
    S:0.010%以下
    Cu:0.1%〜0.5%、
    Ni:0.1%〜0.5%、
    Nb:0.02%〜0.5%、
    Ca:0.005%以下
    B:0.0005%〜0.0050%、
    Al:0.005%〜0.1%、
    N:0.010%以下、
    Ti:0.02%〜0.1%
    を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなる組成を有するスラブを1230℃以上に加熱した後、仕上圧延して巻取温度500℃〜650℃で巻取ることによって熱延鋼板を得る熱間圧延工程と、
    前記熱延鋼板を造管して電縫鋼管を得る造管工程と、
    前記電縫鋼管を600℃以上Ac点以下の温度で無酸化焼鈍する無酸化焼鈍工程と、
    前記無酸化焼鈍を行った電縫鋼管を冷間引抜きして引抜鋼管を得る冷間引抜工程と、
    前記引抜鋼管に、Ac+50℃以上1150℃以下で10秒以上保持した後、急冷する焼入れ処理と、500℃以下で10分以上保持する焼戻し処理とを施す焼入れ焼戻し工程と
    を含むことを特徴とする中空部材の製造方法。
  5. 前記熱間圧延工程と前記造管工程との間に、前記熱延鋼板を650℃以上の温度に5時間以上保持する焼鈍を行って焼鈍鋼板を得る焼鈍工程をさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の中空部材の製造方法。
  6. 前記焼鈍工程と造管工程との間に、前記焼鈍鋼板を冷間圧延する冷間圧延工程をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の中空部材の製造方法。
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