JP2007107032A - 中空スタビライザ用鋼管の製造方法及び中空スタビライザの製造方法 - Google Patents
中空スタビライザ用鋼管の製造方法及び中空スタビライザの製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】鋼管の段階で高強度を付与し、曲げ加工した後の焼入れ焼戻しの処理を施すことなく所望の強度を有するスタビライザを低コストで提供する。
【解決手段】C:0.15〜0.30質量%,Si:0.5質量%以下,Mn:1.0〜2.5質量%,P:0.013質量%以下,S:0.01質量%以下,Cr:0.5〜1.5質量%,Mo:0.1〜0.5質量%,B:0.0005〜0.005質量%,Ti:0.01〜0.1質量%,N:0.010質量%以下及びAl:0.02〜0.08質量%を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなる、ベイナイト主体の熱延コイルを電縫鋼管とする際に、電縫溶接部をMs点以下の温度に冷却した後に連続して電縫溶接部を(Ac1変態点)〜(Ac1変態点−100℃)の温度域で焼きなますことにより素材鋼管を製造し、この電縫鋼管を450〜650℃で1時間以下保持した後、この温度域で曲げ加工を施す。
【選択図】なし
【解決手段】C:0.15〜0.30質量%,Si:0.5質量%以下,Mn:1.0〜2.5質量%,P:0.013質量%以下,S:0.01質量%以下,Cr:0.5〜1.5質量%,Mo:0.1〜0.5質量%,B:0.0005〜0.005質量%,Ti:0.01〜0.1質量%,N:0.010質量%以下及びAl:0.02〜0.08質量%を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなる、ベイナイト主体の熱延コイルを電縫鋼管とする際に、電縫溶接部をMs点以下の温度に冷却した後に連続して電縫溶接部を(Ac1変態点)〜(Ac1変態点−100℃)の温度域で焼きなますことにより素材鋼管を製造し、この電縫鋼管を450〜650℃で1時間以下保持した後、この温度域で曲げ加工を施す。
【選択図】なし
Description
本発明は、自動車の走行安定性を保持する中空スタビライザを、焼入れ焼戻し処理を必要とせずに生産性良く製造することを可能にした電縫鋼管を製造する方法並びにその鋼管を用いて焼入れ焼戻し処理を行うことなく中空スタビライザを製造する方法に関する。
自動車部品であるスタビライザは、コーナリング時に車体のローリングを緩和したり、高速走行時に車体の走行安定性を確保したりするための部品である。その素形材には棒鋼や鋼管が適用されているが、最近は、軽量化の観点から鋼管が多用されている。
スタビライザは、自動車に取り付けられた状態で長時間使用されるため、疲労耐久性に優れていることが要求されている。従来から、鋼管を使用した中空スタビライザは製造・使用されているが、所望の疲労耐久性を満足させるためには1000N/mm2以上の強度を発現する素材が要求されている。
スタビライザは、自動車に取り付けられた状態で長時間使用されるため、疲労耐久性に優れていることが要求されている。従来から、鋼管を使用した中空スタビライザは製造・使用されているが、所望の疲労耐久性を満足させるためには1000N/mm2以上の強度を発現する素材が要求されている。
ところで、通常中空スタビライザは、適宜の組成とサイズを有する鋼管を素材とし、管端部の加工を行った後、所要形状に曲げ加工され、その後に焼入れ焼戻しの処理が施されて製造されている。さらにその後、疲労特性を向上させるためのショットピーニングや塗装が、必要に応じて施されている。
所望の強度を得るために焼入れ効果を発揮させるべく、素材鋼には0.20%C程度の炭素鋼が用いられている。また、スタビライザの形状としては、コの字形状が多く、数箇所に曲げ加工が施されることが多い。そして、曲げ加工を受ける鋼管には、曲げ角度90度という厳しい曲げ加工性が要求される。従来は常温下で曲げ加工が実施されていた。
所望の強度を得るために焼入れ効果を発揮させるべく、素材鋼には0.20%C程度の炭素鋼が用いられている。また、スタビライザの形状としては、コの字形状が多く、数箇所に曲げ加工が施されることが多い。そして、曲げ加工を受ける鋼管には、曲げ角度90度という厳しい曲げ加工性が要求される。従来は常温下で曲げ加工が実施されていた。
焼入れ焼戻しの処理は、スタビライザとしての疲労耐久性を確保すべき、高強度化のために施す処理である。焼入れ焼戻し効果を十分に発揮させるため、素材炭素鋼にBを添加したものを用いることが特許文献1で提案されている。
また、焼戻し工程中の温間で曲げ加工を施すことが特許文献2で提案されている。
特開昭58−197218号公報
特開昭58−188518号公報
また、焼戻し工程中の温間で曲げ加工を施すことが特許文献2で提案されている。
従来の技術では、高強度化のためにエネルギー消費量の大きい焼入れ焼戻し工程が必須となっており、高コストをもたらしている。
特許文献1で提案された技術も、高強度化を図り疲労耐久性を高める上では有効であるが、焼入れ焼戻し処理を行う分、工程数が多く、エネルギー消費も多くなっている。特許文献2で提案された技術も、曲げ加工を焼戻し工程中で行うために加工しやすく、また時間短縮を図れる点では有意義な技術であるが、エネルギー消費に関しては上記と同様である。
本発明は、このような問題を解消すべく案出されたものであり、鋼管の段階で高強度を有するものとし、スタビライザ形状に曲げ加工した後に施す焼入れ焼戻しの処理を省略して、工程数を減らすとともに消費エネルギーを低減して低コストでスタビライザを提供しようとすることを目的とする。
特許文献1で提案された技術も、高強度化を図り疲労耐久性を高める上では有効であるが、焼入れ焼戻し処理を行う分、工程数が多く、エネルギー消費も多くなっている。特許文献2で提案された技術も、曲げ加工を焼戻し工程中で行うために加工しやすく、また時間短縮を図れる点では有意義な技術であるが、エネルギー消費に関しては上記と同様である。
本発明は、このような問題を解消すべく案出されたものであり、鋼管の段階で高強度を有するものとし、スタビライザ形状に曲げ加工した後に施す焼入れ焼戻しの処理を省略して、工程数を減らすとともに消費エネルギーを低減して低コストでスタビライザを提供しようとすることを目的とする。
本発明の中空スタビライザ用鋼管の製造方法は、その目的を達成するため、C:0.15〜0.30質量%,Si:0.5質量%以下,Mn:1.0〜2.5質量%,P:0.013質量%以下,S:0.01質量%以下,Cr:0.5〜1.5質量%,Mo:0.1〜0.5質量%,B:0.0005〜0.005質量%,Ti:0.01〜0.1質量%,N:0.010質量%以下及びAl:0.02〜0.08質量%を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなる成分組成をもつ鋼を、800〜950℃の温度域で仕上げ熱延した後、400〜600℃の温度域で巻き取ることによってベイナイト主体の金属組織を呈する熱延コイルとし、当該熱延コイルを酸洗後に電縫鋼管とする際に、電縫溶接部をMs点以下の温度に冷却した後に連続して電縫溶接部を(Ac1変態点)〜(Ac1変態点−100℃)の温度域で焼きなますことを特徴とする。
この方法で得られた電縫鋼管を用い、450〜650℃で1時間以下保持した後、この温度域で曲げ加工を施すことにより、焼入れ焼戻しの処理を施すことなく、疲労耐久性に優れた中空スタビライザが得られる。
素板が上記の厳格な条件下で製造されたベイナイト主体の熱延コイルではなく、一例として熱延後に球状化焼鈍を施したコイルを素板とする電縫鋼管であっても、上記と同じ成分組成を有する電縫鋼管を、800〜950℃の温度域に保持した後、冷却速度10℃/秒以上で400〜600℃の温度域まで冷却し、当該温度域で保持することによってベイナイト主体の金属組織を呈する電縫鋼管とした後、当該鋼管を、450〜650℃で1時間以下保持した後、この温度域で曲げ加工を施すことによっても、焼入れ焼戻しの処理を施すことなく、疲労耐久性に優れた中空スタビライザが得られる。
なお、これらの鋼管としては、板厚1.5〜4.5mm,外径10〜40mmの寸法範囲としたものが好ましい。
素板が上記の厳格な条件下で製造されたベイナイト主体の熱延コイルではなく、一例として熱延後に球状化焼鈍を施したコイルを素板とする電縫鋼管であっても、上記と同じ成分組成を有する電縫鋼管を、800〜950℃の温度域に保持した後、冷却速度10℃/秒以上で400〜600℃の温度域まで冷却し、当該温度域で保持することによってベイナイト主体の金属組織を呈する電縫鋼管とした後、当該鋼管を、450〜650℃で1時間以下保持した後、この温度域で曲げ加工を施すことによっても、焼入れ焼戻しの処理を施すことなく、疲労耐久性に優れた中空スタビライザが得られる。
なお、これらの鋼管としては、板厚1.5〜4.5mm,外径10〜40mmの寸法範囲としたものが好ましい。
本発明で提供される中空スタビライザ用鋼管は、鋼管の段階で高い強度を有するように成分調整され、かつ製造条件が調整されている。したがって、焼入れ焼戻し処理が省略されるので、中空スタビライザの製造にかかる工程数及び消費エネルギーが低減される。しかも、曲げ加工を、加工しやすい温度域で行う、いわゆる温間加工法を採用しているが、加熱されても強度低下を起こし難い鋼成分に調整しているため、スタビライザに求められる強度レベルは確保できる。温間加工に伴って曲げ加工時のエネルギー負担はあるものの、従来の焼入れ焼戻し処理を行った場合と比べると格段にエネルギー消費量は少なく、結果的に低コストで高性能のスタビライザを得ることができる。
本発明者等は、まず、要求特性を満足した中空スタビライザ用材料を開発するため、素管となる電縫鋼管を構成する鋼の合金元素,機械的性質に及ぼす熱延条件の影響について、数多くの実験を行った。その結果、本発明で規定した成分を有する鋼を800〜950℃の仕上げ温度で熱延した後、400〜600℃の温度で巻き取った熱延コイルを素材として電縫鋼管を製造することが有効であることを見出した。
この熱延コイルは、ベイナイト主体の金属組織を呈し、焼入れ焼戻しの処理を施さなくても1000N/mm2以上の強度と良好な加工性を有している。
この熱延コイルを酸洗後に電縫溶接し、その溶接部を溶融状態から急冷していわゆる焼入れ状態にすると、溶接部は母材部に比べて硬くて伸びが小さい状態となっている。そこで、焼入れ状態を改善するために、溶接部を対象に焼きなまして母材硬さまで軟化させると、全体として1000N/mm2以上の強度と良好な加工性を発揮させることができたものである。なお、この焼きなまし時には、母材全体が焼きなまし状態になるような加熱は避けるべきである。
この熱延コイルを酸洗後に電縫溶接し、その溶接部を溶融状態から急冷していわゆる焼入れ状態にすると、溶接部は母材部に比べて硬くて伸びが小さい状態となっている。そこで、焼入れ状態を改善するために、溶接部を対象に焼きなまして母材硬さまで軟化させると、全体として1000N/mm2以上の強度と良好な加工性を発揮させることができたものである。なお、この焼きなまし時には、母材全体が焼きなまし状態になるような加熱は避けるべきである。
本発明者等は、また本発明で規定した成分を有する鋼板から製造された電縫鋼管であっても、中空スタビライザ形状の曲げ加工する前に、所定の熱処理を施して全体がベイナイト主体の金属組織を呈する鋼管とすれば、焼入れ焼戻しの処理を施さなくても1000N/mm2以上の強度と良好な加工性を有する素管となって、高性能な中空スタビライザを製造できることを見出したものである。
このような素管を、温間で曲げ加工することにより容易に中空スタビライザを製造することができる。
以下にその詳細を説明する。
このような素管を、温間で曲げ加工することにより容易に中空スタビライザを製造することができる。
以下にその詳細を説明する。
まず、本発明で規定した合金成分,熱処理条件等を説明する。
C:0.15〜0.30質量%
中空スタビライザとして要求される強度を得るために必要な合金元素であり、C含有量が0.15質量%未満では必要な1000N/mm2 以上の強度が得られない。しかし、0.30質量%を超えるC含有量では、曲げ加工性や靭性が低下する。
Si:0.5質量%以下
Siが多量に含まれると溶接性が劣化し、スケール疵も発生し易くなる。また、熱延板の表面品質を低下させ、靭性を阻害する悪影響もみられる。したがって、本発明では、Si含有量の上限を0.5質量%に規制した。
C:0.15〜0.30質量%
中空スタビライザとして要求される強度を得るために必要な合金元素であり、C含有量が0.15質量%未満では必要な1000N/mm2 以上の強度が得られない。しかし、0.30質量%を超えるC含有量では、曲げ加工性や靭性が低下する。
Si:0.5質量%以下
Siが多量に含まれると溶接性が劣化し、スケール疵も発生し易くなる。また、熱延板の表面品質を低下させ、靭性を阻害する悪影響もみられる。したがって、本発明では、Si含有量の上限を0.5質量%に規制した。
Mn:1.0〜2.5質量%
鋼板の焼入れ性を高め、強靭化を図る上で重要な合金元素である。Mnは、熱延における冷却中にフェライト変態を抑制し、極めて遅い冷却速度でもベイナイト主体の組織にする作用を呈する。その作用を発揮させるためには少なくとも1.0質量%を必要とする。逆に、2.5質量%を超える多量のMnが含まれると、強度上昇効果や焼入れ性が飽和し、却って溶接性や靭性が劣化する。
P:0.03質量%以下
曲げ加工性や靭性を劣化させる元素であり、P含有量が0.03質量%を超えるとそれらの特性が著しく劣化する。
鋼板の焼入れ性を高め、強靭化を図る上で重要な合金元素である。Mnは、熱延における冷却中にフェライト変態を抑制し、極めて遅い冷却速度でもベイナイト主体の組織にする作用を呈する。その作用を発揮させるためには少なくとも1.0質量%を必要とする。逆に、2.5質量%を超える多量のMnが含まれると、強度上昇効果や焼入れ性が飽和し、却って溶接性や靭性が劣化する。
P:0.03質量%以下
曲げ加工性や靭性を劣化させる元素であり、P含有量が0.03質量%を超えるとそれらの特性が著しく劣化する。
S:0.01質量%以下
Mnと結合しやすい元素であり、鋼中介在物であるMnSを形成して曲げ加工性の劣化をもたらす。そのため、本発明では、S含有量を0.01質量%以下に規制した。
Cr:0.5〜1.5質量%
温間での軟化抵抗、再加熱時の焼戻し軟化抵抗を高くする元素である。その効果を得るためには少なくとも0.5質量%を必要とする。しかし、1.5質量%を超えるほどに多量のCrが含まれると、温間での曲げ加工性の低下をもたらす。
Mnと結合しやすい元素であり、鋼中介在物であるMnSを形成して曲げ加工性の劣化をもたらす。そのため、本発明では、S含有量を0.01質量%以下に規制した。
Cr:0.5〜1.5質量%
温間での軟化抵抗、再加熱時の焼戻し軟化抵抗を高くする元素である。その効果を得るためには少なくとも0.5質量%を必要とする。しかし、1.5質量%を超えるほどに多量のCrが含まれると、温間での曲げ加工性の低下をもたらす。
Mo:0.1〜0.5質量%
強度及び焼入れ性の向上に有効な合金元素であり、遅い冷却速度でも強靭なベイナイト主体の金属組織を生成する作用を発揮する。また温間での軟化抵抗を高くする作用も呈する。これらの作用を発揮させるためには少なくとも0.1質量%を必要とする。しかしながら、0.5質量%を超える多量のMoを含ませても、強度や焼入れ性の更なる向上が望めず、却って高価なMoを多量に消費することから経済的に不利となる。
強度及び焼入れ性の向上に有効な合金元素であり、遅い冷却速度でも強靭なベイナイト主体の金属組織を生成する作用を発揮する。また温間での軟化抵抗を高くする作用も呈する。これらの作用を発揮させるためには少なくとも0.1質量%を必要とする。しかしながら、0.5質量%を超える多量のMoを含ませても、強度や焼入れ性の更なる向上が望めず、却って高価なMoを多量に消費することから経済的に不利となる。
B:0.0005〜0.0050質量%
極く微量の添加で鋼材の焼入れ性を大幅に向上させると共に、粒界の歪みエネルギーを低下させ、粒界を強化する作用を呈し、靭性の低下防止に有効な合金元素である。このような作用は、0.0005質量%以上のB含有で顕著になる。しかし、B含有量が0.0050質量%を超えても、B添加による効果が飽和し、逆に靭性が劣化する。
極く微量の添加で鋼材の焼入れ性を大幅に向上させると共に、粒界の歪みエネルギーを低下させ、粒界を強化する作用を呈し、靭性の低下防止に有効な合金元素である。このような作用は、0.0005質量%以上のB含有で顕著になる。しかし、B含有量が0.0050質量%を超えても、B添加による効果が飽和し、逆に靭性が劣化する。
Ti:0.01〜0.1質量%
鋼材に固溶しているNを窒化物として固定する上でも重要な合金成分である。すなわち、Nの固定に消費されるB量が抑えられ、Bによる焼入れ改善作用が効率よく発揮される。また温間での軟化抵抗を高くする作用を呈する。このような作用は、0.01質量%以上のTi含有で顕著になる。しかし、0.05質量%を超える多量のTiが含まれると、粗大な窒化物が形成され、靭性の劣化をもたらす。
鋼材に固溶しているNを窒化物として固定する上でも重要な合金成分である。すなわち、Nの固定に消費されるB量が抑えられ、Bによる焼入れ改善作用が効率よく発揮される。また温間での軟化抵抗を高くする作用を呈する。このような作用は、0.01質量%以上のTi含有で顕著になる。しかし、0.05質量%を超える多量のTiが含まれると、粗大な窒化物が形成され、靭性の劣化をもたらす。
N:0.010質量%以下
Tiと結合してTiNを生成し、鋼材を高強度化し、結晶粒を微細化させる作用を呈する。しかし、0.010質量%を超える多量のNが含まれると、過剰のNがBと結合してBの焼入れ性向上作用を低減させる。
Al:0.020〜0.080質量%
溶鋼の脱酸剤として添加される元素であり、0.020質量%以上が必要である。しかし、Al含有量が0.080質量%を超えると、鋼の清浄度が損なわれ、表面疵が発生し易くなる。
Tiと結合してTiNを生成し、鋼材を高強度化し、結晶粒を微細化させる作用を呈する。しかし、0.010質量%を超える多量のNが含まれると、過剰のNがBと結合してBの焼入れ性向上作用を低減させる。
Al:0.020〜0.080質量%
溶鋼の脱酸剤として添加される元素であり、0.020質量%以上が必要である。しかし、Al含有量が0.080質量%を超えると、鋼の清浄度が損なわれ、表面疵が発生し易くなる。
熱間圧延の仕上げ温度:800〜950℃
熱間圧延では、仕上げ温度800〜950℃の温度域で仕上げ熱延する。仕上げ温度が800℃に満たないと、変形抵抗が増大し、鋼板の絞り込み等,通板性に支障を来す。また、低い仕上げ温度では2相域圧延となり、加工フェライトが生成し易くなる。他方、仕上げ温度が950℃を超えると、熱延組織が粗大化し、加工性が劣化すると共に熱延における冷却歪みが増大して鋼板の形状が劣化し、熱延における水乗りや冷却ムラが発生し易くなる。その結果、機械的性質の安定性が損なわれる。
熱間圧延では、仕上げ温度800〜950℃の温度域で仕上げ熱延する。仕上げ温度が800℃に満たないと、変形抵抗が増大し、鋼板の絞り込み等,通板性に支障を来す。また、低い仕上げ温度では2相域圧延となり、加工フェライトが生成し易くなる。他方、仕上げ温度が950℃を超えると、熱延組織が粗大化し、加工性が劣化すると共に熱延における冷却歪みが増大して鋼板の形状が劣化し、熱延における水乗りや冷却ムラが発生し易くなる。その結果、機械的性質の安定性が損なわれる。
巻取り温度:400〜600℃
熱延後の鋼帯は、金属組織をベイナイト主体のものとして高強度コイルを得るため、400〜600℃の温度域で巻き取られる。巻取り温度が400℃未満では、強度上昇が著しくなり、熱延条件の変動によって機械的性質の安定性が損なわれる。なお、実際の熱延条件の変動の影響を少なくするためには450℃以上とすることが好ましい。また、過度に低い巻取り温度は、冷却歪みを発生させ、鋼板に形状不良を引き起こす原因となる。逆に600℃を超える巻取り温度では、熱延条件の変動によって1000N/mm2以上の強度が得られない場合があるとともに、粒界酸化を起こし易く、疲労特性の低下をもたらすおそれがある。
熱延後の鋼帯は、金属組織をベイナイト主体のものとして高強度コイルを得るため、400〜600℃の温度域で巻き取られる。巻取り温度が400℃未満では、強度上昇が著しくなり、熱延条件の変動によって機械的性質の安定性が損なわれる。なお、実際の熱延条件の変動の影響を少なくするためには450℃以上とすることが好ましい。また、過度に低い巻取り温度は、冷却歪みを発生させ、鋼板に形状不良を引き起こす原因となる。逆に600℃を超える巻取り温度では、熱延条件の変動によって1000N/mm2以上の強度が得られない場合があるとともに、粒界酸化を起こし易く、疲労特性の低下をもたらすおそれがある。
電縫溶接時の冷却温度,焼きなまし温度,及び焼きなまし後の電縫溶接部と鋼管母材部の硬さの差
一般的に中空スタビライザでは、トーション部からアーム部に至って曲げ加工が施される。その程度は、中立線上で曲げ半径30mm以上,曲げ角度90度以下である。また、一般的に鋼管を曲げる場合には、焼きなましを十分に施していない溶接部は母材部に比べて硬くて延性に乏しいため、可能であれば曲げの中心線近くにするなどして、溶接部に極力ひずみが付与されないような対策が採られている。しかしながら、スタビライザの場合は、形状が複雑で、複数箇所に曲げ部が形成される場合が多く、必ずしも前記のような対策は採れない。
一般的に中空スタビライザでは、トーション部からアーム部に至って曲げ加工が施される。その程度は、中立線上で曲げ半径30mm以上,曲げ角度90度以下である。また、一般的に鋼管を曲げる場合には、焼きなましを十分に施していない溶接部は母材部に比べて硬くて延性に乏しいため、可能であれば曲げの中心線近くにするなどして、溶接部に極力ひずみが付与されないような対策が採られている。しかしながら、スタビライザの場合は、形状が複雑で、複数箇所に曲げ部が形成される場合が多く、必ずしも前記のような対策は採れない。
本発明の鋼管は、上記熱延コイルを酸洗し、通常の手段で電縫溶接する。通常、電縫溶接部は溶融状態から急冷されていわゆる焼入れ状態になるために、母材部に比べて硬くて伸びが小さい状態となる。鋼管に曲げ加工性を持たせるためには、焼入れ硬化部の伸びを改善させることが必要である。そこで、本発明では、電縫溶接部をMs点以下まで積極的に急冷した後、引続いてその溶接部のみに焼なまし処理を施す。焼きなまし処理には、高周波加熱等の局部過熱する方法が適用できる。
本発明者等の実験によれば、溶接部と母材部との硬さの差を50HV以下にすれば、上記の曲げ加工条件(曲げ半径,角度)に対応できることが見出された。
そのような硬さ条件を満たすために、焼なまし温度は、(Ac1変態点)〜(Ac1変態点−100℃)の範囲とする。焼きなまし温度がAc1変態点を超えた場合にはオーステナイト化するため、その後の冷却により焼入れされた状態となり、軟化させる目的が達成できない。また、Ac1変態点−100℃を下回る温度では十分に軟化しない。焼きなまし温度温度が低いと、軟化に要する時間が長くなり生産性が低下するので、下限値はAc1変態点−70℃とすることが好ましい。
本発明者等の実験によれば、溶接部と母材部との硬さの差を50HV以下にすれば、上記の曲げ加工条件(曲げ半径,角度)に対応できることが見出された。
そのような硬さ条件を満たすために、焼なまし温度は、(Ac1変態点)〜(Ac1変態点−100℃)の範囲とする。焼きなまし温度がAc1変態点を超えた場合にはオーステナイト化するため、その後の冷却により焼入れされた状態となり、軟化させる目的が達成できない。また、Ac1変態点−100℃を下回る温度では十分に軟化しない。焼きなまし温度温度が低いと、軟化に要する時間が長くなり生産性が低下するので、下限値はAc1変態点−70℃とすることが好ましい。
曲げ加工の温度条件
一般的に、鋼管に限らず高強度材に、室温で曲げ角度90度に至るような多大な歪みが付与されるような曲げ加工を施すことは困難である。そこで、本発明の中空スタビライザ製造方法では、伸びの改善を伴う温間成形法を採用する。一般的に余計な加熱・冷却を施すと強度が低下するが、本発明で規定した鋼ではCr,Mo,Tiといった温間での軟化抵抗を高くする作用を有する元素を添加しているため、温間成形法を採用しても、強度低下が抑制される。
本発明の中空スタビライザ製造方法では、素材鋼管を450℃以上に加熱した後、当該温度域で曲げ加工を施すことにより曲げ角度90度の曲げ加工が可能となった。しかし、650℃を超える温度まで加熱すると軟化が大きく、目標の強度が得られなくなる。さらには、粒界酸化を起こし易くなり、疲労特性の劣化をもたらすおそれがある。そこで、成形温度は450〜650℃とする。また、上記の温度範囲であっても、長時間にわたって均熱保持すると軟化が進行して強度が低下するため、保持時間は1時間以内にする必要がある。
一般的に、鋼管に限らず高強度材に、室温で曲げ角度90度に至るような多大な歪みが付与されるような曲げ加工を施すことは困難である。そこで、本発明の中空スタビライザ製造方法では、伸びの改善を伴う温間成形法を採用する。一般的に余計な加熱・冷却を施すと強度が低下するが、本発明で規定した鋼ではCr,Mo,Tiといった温間での軟化抵抗を高くする作用を有する元素を添加しているため、温間成形法を採用しても、強度低下が抑制される。
本発明の中空スタビライザ製造方法では、素材鋼管を450℃以上に加熱した後、当該温度域で曲げ加工を施すことにより曲げ角度90度の曲げ加工が可能となった。しかし、650℃を超える温度まで加熱すると軟化が大きく、目標の強度が得られなくなる。さらには、粒界酸化を起こし易くなり、疲労特性の劣化をもたらすおそれがある。そこで、成形温度は450〜650℃とする。また、上記の温度範囲であっても、長時間にわたって均熱保持すると軟化が進行して強度が低下するため、保持時間は1時間以内にする必要がある。
本発明の中空スタビライザ製造方法は、素管の電縫鋼管として、全体が、主としてベイナイト主体の金属組織を呈するものを用いれば、焼入れ焼戻しの処理を施さなくても1000N/mm2以上の強度と良好な加工性を有する中空スタビライザが得られるものである。
そして、ベイナイト主体の金属組織を呈する電縫鋼管を得るためにその製造条件を規定したものの他に、既に製造された電縫鋼管であっても、その後の熱処理によりベイナイト主体の金属組織を持たせたものでも、温間成形により所望の特性を有する中空スタビライザを製造することができる。
そして、ベイナイト主体の金属組織を呈する電縫鋼管を得るためにその製造条件を規定したものの他に、既に製造された電縫鋼管であっても、その後の熱処理によりベイナイト主体の金属組織を持たせたものでも、温間成形により所望の特性を有する中空スタビライザを製造することができる。
なお、自動車部品として用いられる中空スタビライザとしては、肉厚1.5〜4.5mm,外径10〜40mmのものが多用されているので、本発明にあっても、板厚1.5〜4.5mmの熱延コイルを用い、外径10〜40mmの電縫鋼管を製造し、この鋼管を素材としてスタビライザ形状に曲げ加工を施すことが好ましい。
また、通常のスタビライザ製造工程にあっては、疲労特性を向上させるためのショットピーニングや防錆のための塗装が施されているが、本発明における中空スタビライザ製造方法においても、ショットピーニングや塗装が施されてもよいことは言うまでもない。
また、通常のスタビライザ製造工程にあっては、疲労特性を向上させるためのショットピーニングや防錆のための塗装が施されているが、本発明における中空スタビライザ製造方法においても、ショットピーニングや塗装が施されてもよいことは言うまでもない。
実施例1:
表1の組成を持つ各種鋼を溶製した。次いで、仕上げ圧延温度830℃,巻取り温度460〜690℃の条件で熱間圧延し、板厚2〜4mmの熱延鋼帯を得た。次に、スキンパス圧延,酸洗の後、ロール成形法により造管、さらには電縫溶接して外径19.1〜30.0mmの鋼管を得た。なお、鋼管外面のビードカットは実施しており、さらには溶接部は溶接直後にMs点以下である150℃に水冷し、次いで高周波加熱により溶接部を680℃で焼きなました。
次に、温間での曲げ試験を行った。また、曲げ試験と同じ温度に加熱した後の直管部を室温での引張試験に供した。なお、曲げ試験は、各々1mの長さに切断した鋼管を使用し、高周波誘導加熱により所望の温度に鋼管を加熱し、パイプベンダー装置にて引曲げ法によって行った。そして、曲げ半径は30mm,曲げ角度は90度に設定した。
評価は、曲げ部での割れの発生の有無で行っており、破断に至らないような亀裂でも割れ発生と評価した。
引張試験は、両端つかみ部の管内部に内径とほぼ等しい棒状冶具を挿入した状態でチャッキングして試験を行った。
表1の組成を持つ各種鋼を溶製した。次いで、仕上げ圧延温度830℃,巻取り温度460〜690℃の条件で熱間圧延し、板厚2〜4mmの熱延鋼帯を得た。次に、スキンパス圧延,酸洗の後、ロール成形法により造管、さらには電縫溶接して外径19.1〜30.0mmの鋼管を得た。なお、鋼管外面のビードカットは実施しており、さらには溶接部は溶接直後にMs点以下である150℃に水冷し、次いで高周波加熱により溶接部を680℃で焼きなました。
次に、温間での曲げ試験を行った。また、曲げ試験と同じ温度に加熱した後の直管部を室温での引張試験に供した。なお、曲げ試験は、各々1mの長さに切断した鋼管を使用し、高周波誘導加熱により所望の温度に鋼管を加熱し、パイプベンダー装置にて引曲げ法によって行った。そして、曲げ半径は30mm,曲げ角度は90度に設定した。
評価は、曲げ部での割れの発生の有無で行っており、破断に至らないような亀裂でも割れ発生と評価した。
引張試験は、両端つかみ部の管内部に内径とほぼ等しい棒状冶具を挿入した状態でチャッキングして試験を行った。
その結果を表2に示す。
No.3,7は巻取り温度が高いために軟質であり、規定範囲内の温度にて割れを生じることなく曲げ加工は可能となったが、目標の強度を得ることはできなかった。これに対して、鋼成分,熱延条件,曲げ温度が本発明で規定した範囲内であったNo.1,2及び4〜6では曲げと強度の両方について目標を達成することができた。
No.3,7は巻取り温度が高いために軟質であり、規定範囲内の温度にて割れを生じることなく曲げ加工は可能となったが、目標の強度を得ることはできなかった。これに対して、鋼成分,熱延条件,曲げ温度が本発明で規定した範囲内であったNo.1,2及び4〜6では曲げと強度の両方について目標を達成することができた。
実施例2:
実施例1の表1に示した組成の鋼A,Cを溶製した後、仕上げ圧延温度830℃,巻取り温度450℃の条件で熱間圧延し、板厚2.6〜3.5mmの熱延鋼帯を得た。次いで、スキンパス圧延,酸洗の後、ロール成形法により造管して外径23.0〜25.4mmの電縫鋼管を得た。なお、鋼管外面のビードカットは実施している。
電縫溶接においては、溶接直後にMs点以下である150℃に水冷し、次いで高周波加熱により電縫溶接部を種々の温度で焼きなました。
実施例1の表1に示した組成の鋼A,Cを溶製した後、仕上げ圧延温度830℃,巻取り温度450℃の条件で熱間圧延し、板厚2.6〜3.5mmの熱延鋼帯を得た。次いで、スキンパス圧延,酸洗の後、ロール成形法により造管して外径23.0〜25.4mmの電縫鋼管を得た。なお、鋼管外面のビードカットは実施している。
電縫溶接においては、溶接直後にMs点以下である150℃に水冷し、次いで高周波加熱により電縫溶接部を種々の温度で焼きなました。
表3に、温間曲げ加工前の鋼管の溶接部と母材部の硬さ,曲げ試験結果及び加熱後の強度を示す。なお、硬さ測定は、マイクロビッカース硬さ試験機を用い、鋼管長さ方向断面を樹脂埋め込みして鏡面まで研摩した後に測定した。溶接部については10点測定し、その最大硬さを採用した。また母材部については溶接部を除く5点測定し、その平均値を採用した。そしてΔHVは溶接部の最大硬さと母材部の平均硬さの差である。
表3に示す結果からもわかるように、No.13,14は溶接部の最大硬さが高く、硬さの差ΔHVが50HVを超えていた。その理由は、No.13においては焼きなまし温度が低かったことが原因である。一方、No.14においては焼きなまし温度がAc1変態点を超えており、その後の冷却によって焼入れされた状態となったことが原因である。このため、No.13,14では、温間曲げ並びに加熱後の強度試験の結果、両者は強度を満足させる温度域で割れを生じさせることなく曲げ加工することができなかった。
これに対して、溶接部の硬さと母材部の硬さの差が50HV以下であった本発明例にあっては、所望の曲げ加工性と強度を得ることができていた。
表3に示す結果からもわかるように、No.13,14は溶接部の最大硬さが高く、硬さの差ΔHVが50HVを超えていた。その理由は、No.13においては焼きなまし温度が低かったことが原因である。一方、No.14においては焼きなまし温度がAc1変態点を超えており、その後の冷却によって焼入れされた状態となったことが原因である。このため、No.13,14では、温間曲げ並びに加熱後の強度試験の結果、両者は強度を満足させる温度域で割れを生じさせることなく曲げ加工することができなかった。
これに対して、溶接部の硬さと母材部の硬さの差が50HV以下であった本発明例にあっては、所望の曲げ加工性と強度を得ることができていた。
実施例3:
表4に示すように、表1のA,C,Eに加え、他の組成を有する各種鋼を溶製した後、仕上げ圧延温度880℃,巻取り温度500℃で熱間圧延し、板厚1.6〜4.5mmの熱延鋼帯を得た。次いで、スキンパス圧延,酸洗の後、ロール成形法により造管して外径19.1〜38.1mmの電縫鋼管を得た。なお、溶接管は、溶接直後にMs点以下である150℃に水冷し、次いで高周波加熱により電縫溶接部を680℃で焼きなました。
表4に示すように、表1のA,C,Eに加え、他の組成を有する各種鋼を溶製した後、仕上げ圧延温度880℃,巻取り温度500℃で熱間圧延し、板厚1.6〜4.5mmの熱延鋼帯を得た。次いで、スキンパス圧延,酸洗の後、ロール成形法により造管して外径19.1〜38.1mmの電縫鋼管を得た。なお、溶接管は、溶接直後にMs点以下である150℃に水冷し、次いで高周波加熱により電縫溶接部を680℃で焼きなました。
次に、温間での曲げ試験を行った。また、曲げ試験と同じ温度に加熱した後の直管部を室温での引張試験に供した。なお、曲げ試験は、各々1mの長さに切断した鋼管を使用し、高周波誘導加熱により所望の温度に鋼管を加熱し、パイプベンダー装置にて引曲げ法によって行った。そして、曲げ半径は30mm,曲げ角度は90度に設定した。
評価は、曲げ部での割れの発生の有無で行っており、破断に至らないような亀裂でも割れ発生と評価した。
引張試験は、両端つかみ部の管内部に内径とほぼ等しい棒状冶具を挿入した状態でチャッキングして試験を行った。
その結果を表5に示す。
評価は、曲げ部での割れの発生の有無で行っており、破断に至らないような亀裂でも割れ発生と評価した。
引張試験は、両端つかみ部の管内部に内径とほぼ等しい棒状冶具を挿入した状態でチャッキングして試験を行った。
その結果を表5に示す。
表5に示す結果からもわかるように、試験No.21,23,26,31,35は、1000N/mm2以上の引張強さを有しているものの、曲げ加工温度が低かったために曲げ部に割れが発生していた。また、試験No.34は、曲げ部に割れは発生していなかったが、曲げ加工時の温度が高すぎたために軟化が進行し、所望の強度が得られなかった。
なお、試験No.38については、素材鋼のC含有量が少なすぎたために所望の強度が得られなかった。また試験No.40については、素材鋼がCr,Mo,Ti,Bを含んでいないために、所定の曲げ加工温度に加熱したときに軟化を防ぐことができなかった。なお、試験No.39は曲げ加工温度が低かったために曲げ部に割れが発生したものである。さらに、素材鋼のC含有量が多すぎた試験No.41は、曲げ加工性が不良であり、上限近い温度で曲げ加工した場合であっても、大きな割れを生じていた。
なお、試験No.38については、素材鋼のC含有量が少なすぎたために所望の強度が得られなかった。また試験No.40については、素材鋼がCr,Mo,Ti,Bを含んでいないために、所定の曲げ加工温度に加熱したときに軟化を防ぐことができなかった。なお、試験No.39は曲げ加工温度が低かったために曲げ部に割れが発生したものである。さらに、素材鋼のC含有量が多すぎた試験No.41は、曲げ加工性が不良であり、上限近い温度で曲げ加工した場合であっても、大きな割れを生じていた。
Claims (3)
- C:0.15〜0.30質量%,Si:0.5質量%以下,Mn:1.0〜2.5質量%,P:0.013質量%以下,S:0.01質量%以下,Cr:0.5〜1.5質量%,Mo:0.1〜0.5質量%,B:0.0005〜0.005質量%,Ti:0.01〜0.1質量%,N:0.010質量%以下及びAl:0.02〜0.08質量%を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなる成分組成をもつ鋼を、800〜950℃の温度域で仕上げ熱延した後、400〜660℃の温度域で巻き取ることによってベイナイト主体の金属組織を呈する熱延コイルとし、当該熱延コイルを酸洗後に電縫鋼管とする際に、電縫溶接部をMs点以下の温度に冷却した後に連続して電縫溶接部を(Ac1変態点)〜(Ac1変態点−100℃)の温度域で焼きなまして、電縫溶接部の最大硬さと鋼管母材部の硬さの差を50HV以下とすることを特徴とする中空スタビライザ用鋼管の製造方法。
- 鋼管の寸法範囲が、板厚1.5〜4.5mm,外径10〜40mmである請求項1に記載の中空スタビライザ用鋼管の製造方法。
- 請求項1又は2に記載の製造方法で得られた鋼管を、450〜650℃で1時間以下保持した後、この温度域で曲げ加工を施すことを特徴とする中空スタビライザの製造方法。
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JP2005297662A JP2007107032A (ja) | 2005-10-12 | 2005-10-12 | 中空スタビライザ用鋼管の製造方法及び中空スタビライザの製造方法 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009235499A (ja) * | 2008-03-27 | 2009-10-15 | Nisshin Steel Co Ltd | 中空スタビライザーの製造方法 |
JP2011194469A (ja) * | 2010-02-23 | 2011-10-06 | Jfe Steel Corp | 高強度電縫鋼管の口絞り縮径加工方法および加工部品 |
CN108018488A (zh) * | 2017-12-13 | 2018-05-11 | 武汉钢铁有限公司 | 一种ct110级连续管用热轧钢带及生产方法 |
-
2005
- 2005-10-12 JP JP2005297662A patent/JP2007107032A/ja not_active Withdrawn
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