JP2018095604A - 共役ジエン化合物の製造方法 - Google Patents

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【課題】反応寿命が長く、触媒の粉砕又は破裂が起こりにくい触媒を用いて、アリル型不飽和アルコール原料から対応する共役ジエン化合物を効率よく製造する方法の提供。【解決手段】脱水触媒の存在下、アリル型不飽和アルコールの少なくとも一種を原料とし、脱水反応によって共役ジエン化合物を製造する方法であって、脱水触媒が、ケイ素の酸化物及びアルミニウムの酸化物を含む触媒と無機繊維とを含み、その圧壊強度が3N/mm以上で、好ましくは30N/mm以下の成形体である共役ジエン化合物の製造方法。前記触媒が、二酸化ケイ素担体上にアルミニウム酸化物が担持された担持型触媒、又はケイ素とアルミニウムの複合酸化物であるシリカアルミナである共役ジエン化合物の製造方法。【選択図】図1

Description

本発明はアリル型不飽和アルコールを脱水し、効率的に共役ジエン化合物を製造することのできる触媒を用いた共役ジエン化合物の製造方法に関する。
1,3−ブタジエン、イソプレン等の共役ジエンモノマーは、合成ゴム、プラスチックなどの樹脂原料としての工業的価値が高く、その効率的な製造法が求められている。
従来、ジエンモノマーはナフサの熱分解炉(クラッカー)の熱分解物を蒸留分離し、その一留分として得られている。しかしながら、この留分精製による方法では、ジエンモノマーを選択的に得たい場合であっても他のモノマー留分(エチレン、プロピレンなど)を含めた採算性を考慮せねばならず、工業的な製造の自由度が低かった。
そこで、入手の容易なエチレン等の低分子量の化合物を原料としたジエンモノマーの製造方法が検討されている。例えば低級オレフィンの二量化を行った後にMo−Bi−X系触媒の存在下で酸化脱水素処理を行うことによる製造法が特許文献1及び特許文献2に開示されている。しかしこの方法では、酸素を用いることによる爆発の危険性があるほか、未反応ブテンの分離等を行うなど付帯設備が必要となり、設備全体が大型化するという問題がある。特にブテンの副生量が多い場合、1,3−ブタジエン中からブテンを除去する工程が必要となるが、ブテンは蒸留操作では除去することが困難であるため、溶媒抽出法等の多大なコスト又は設備投資が必要な精製操作が必要となる。
その他の方法として、特許文献3及び特許文献4に記載されるようなアリル型不飽和アルコールの脱水反応による製造法があげられる。第2族金属及び第13族金属からなる群より選択される少なくとも1種の金属Mの酸化物並びにケイ素の酸化物を含む脱水触媒が開示されている。しかし、これらの特許文献では、本明細書で後に示すコークの付着による触媒の劣化には触れられていない。
本反応の原料であるアリル型不飽和アルコール及び生成物である共役ジエンモノマーは重合性化合物である。また、副生物であるブテン等も重合性を示すほか、クロトンアルデヒドやメチルビニルケトンに代表される脱水素副生物は特に高い重合性を有する。そのため、本脱水反応は本質的にコークの生成が起こりやすい反応であり、触媒にコークが付着することが触媒失活の主要因となる。このようなコークの付着により失活した触媒は、例えば空気を含むガスの流通下に触媒を高温で処理するなど、適切な再生処理を行うことにより、その性能を回復させることができる。
一方で、コーク付着は触媒内部で発生することがあり、繰り返し反応を行ったときに、触媒内部におけるコーク付着により触媒成形体の粉砕又は破裂が進行し、触媒成形体の破片及び粉の堆積によって、反応管が閉塞するおそれがある。特許文献5では炭化水素を分解する反応に対して、700〜1500℃の範囲で焼成したマグネシウム、アルミニウム及びニッケルを含んだ触媒を高圧壊強度の成形体とすることで、内部コーク発生の耐性を触媒成形体に付与している。しかし、シリカアルミナ触媒に対して、圧壊強度を高めるために、単に高い温度での処理を行うと、比表面積が小さく、細孔径が狭く、かつ細孔容積が少ない触媒となるために、コーク堆積による失活が速くなってしまう。
別の方法での触媒の強度改善として、無機質繊維を共存させる検討がなされている。例えば、特許文献6では、無機質繊維を含有した、モリブデン及びビスマスを必須成分とする不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸製造用触媒が、機械的強度に優れ、かつ反応時の発熱が分散され、逐次反応が抑制されるために高い触媒性能を持つことが記載されている。しかし、シリカアルミナ触媒を用いた吸熱反応の記述、及び触媒内部でのコーク付着とその燃焼再生に伴う触媒劣化の記述はない。
特開2010−120933号公報 特開2011−006395号公報 特開2016−94402号公報 特開2015−182032号公報 特開2009−233662号公報 特許第3892244号
本発明の課題は、反応寿命が長く、触媒の粉砕又は破裂が起こりにくい触媒を用いて、アリル型不飽和アルコール原料から対応する共役ジエン化合物を効率よく製造する方法を提供することである。
本発明者らは鋭意検討を行った結果、アリル型不飽和アルコールに対し、アルミニウムの酸化物及びケイ素の酸化物を活性成分とし、無機繊維を含有し、かつ特定の圧壊強度を持つ成形体を脱水触媒として作用させることにより、効率的に対応する共役ジエン化合物を製造でき、脱水反応と燃焼再生を繰り返した際の触媒の粉砕又は破裂を抑制できることを見いだし、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は以下の項目[1]〜[12]に関する。
[1]
脱水触媒の存在下、一般式(1)又は一般式(2)で示されるアリル型不飽和アルコールの少なくとも一種を原料とし、脱水反応によって一般式(3)で示される共役ジエン化合物を製造する方法であって、前記脱水触媒が、ケイ素の酸化物及びアルミニウムの酸化物を含む触媒と無機繊維とを含み、その圧壊強度が3N/mm以上の成形体であることを特徴とする共役ジエン化合物の製造方法。
(式中、R〜Rはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、又は炭素数6〜12のアリール基を示す。)
(式中、R〜Rは一般式(1)と同一のものを示す。)
(式中、R〜Rは一般式(1)と同一のものを示す。)
[2]
前記無機繊維が、アルミナ繊維、ガラス繊維、シリカ繊維、シリカ−アルミナ繊維、及び炭化ケイ素繊維からなる群より選ばれる少なくとも1種である[1]に記載の共役ジエン化合物の製造方法。
[3]
前記無機繊維の平均繊維長が60μm以上である[1]又は[2]のいずれかに記載の共役ジエン化合物の製造方法。
[4]
前記脱水触媒の成形体中の前記無機繊維の含有量が、前記ケイ素の酸化物及びアルミニウムの酸化物を含む触媒100質量部に対して7〜30質量部である[1]〜[3]のいずれかに記載の共役ジエン化合物の製造方法。
[5]
前記脱水触媒の成形体の圧壊強度が30N/mm以下である[1]〜[4]のいずれかに記載の共役ジエン化合物の製造方法。
[6]
前記ケイ素の酸化物及びアルミニウムの酸化物を含む触媒が、二酸化ケイ素担体上にアルミニウムの酸化物が担持された担持型触媒である[1]〜[5]のいずれかに記載の共役ジエン化合物の製造方法。
[7]
前記ケイ素の酸化物及びアルミニウムの酸化物を含む触媒が、ケイ素とアルミニウムの複合酸化物である複合型触媒である[1]〜[5]のいずれかに記載の共役ジエン化合物の製造方法。
[8]
前記ケイ素とアルミニウムの複合酸化物がシリカアルミナである[7]に記載の共役ジエン化合物の製造方法。
[9]
前記複合型触媒のアルミニウムとケイ素の原子比(Al/Si)が0.001〜0.25である[7]又は[8]のいずれかに記載の共役ジエン化合物の製造方法。
[10]
一般式(1)及び一般式(2)のR〜Rがすべて水素原子である[1]〜[9]のいずれかに記載の共役ジエン化合物の製造方法。
[11]
一般式(1)で示されるアリル型不飽和アルコール及び一般式(2)で示されるアリル型不飽和アルコールの両方を原料とし、同時に脱水反応に供することを含む[1]〜[10]のいずれかに記載の共役ジエン化合物の製造方法。
[12]
ケイ素の酸化物及びアルミニウムの酸化物を含む触媒と無機繊維とを含み、その圧壊強度が3N/mm以上の成形体であることを特徴とする、アリル型不飽和アルコールの脱水触媒。
本発明の触媒を用いると、アリル型不飽和アルコールの脱水による共役ジエンの製造を高い選択率及び長い反応寿命で行うことができ、かつ反応工程で進行する触媒内部のコーク付着及び再生工程で進行するコーク燃焼により発生する触媒の粉砕又は破裂を抑制することができる。その結果、触媒交換操作にかかる設備、工程、及び費用を大きく抑えることができる。
実施例1のAl繊維(FMXファイバー)を含有したアルミナ担持シリカのSEM写真である。 実施例1の触媒劣化試験における焼成後の成形体の顕微鏡写真である。 比較例1の触媒劣化試験における焼成後の成形体の顕微鏡写真である。
本発明では、一般式(1)又は一般式(2)で示されるアリル型不飽和アルコールの少なくとも一種を原料とし、脱水反応によって一般式(3)で示される共役ジエン化合物を製造するにあたり、脱水触媒として、ケイ素の酸化物及びアルミニウムの酸化物を含む触媒と無機繊維とを含み、圧壊強度3N/mm以上の触媒成形体を使用する。但し、ケイ素の酸化物及びアルミニウムの酸化物を含む触媒にゼオライトは含まれない。
(式中、R〜Rはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、又は炭素数6〜12のアリール基を示す。)
(式中、R〜Rは一般式(1)と同一のものを示す。)
(式中、R〜Rは一般式(1)と同一のものを示す。)
一般式(1)、(2)及び(3)においてR〜Rはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、又は炭素数6〜12のアリール基を示す。炭素数1〜5のアルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ペンチル基などが挙げられる。炭素数6〜12のアリール基としてはフェニル基、トリル基、ナフチル基などが挙げられる。R〜Rはそれぞれ独立に、水素原子、又は炭素数1〜5のアルキル基であることが好ましく、得られる共役ジエン化合物の有用性から水素原子であることがより好ましい。R〜Rは互いに同じであっても、異なっていてもよいが、すべて水素原子であることが最も好ましい。このとき、一般式(1)の化合物は2−ブテン−1−オール(クロチルアルコール)、一般式(2)の化合物は3−ブテン−2−オールとなり、生成物である一般式(3)の化合物は1,3−ブタジエンとなる。
本脱水反応では、一般式(1)で示されるアリル型不飽和アルコール及び一般式(2)で示されるアリル型不飽和アルコールの両方を原料とし、同時に脱水反応に供することが有利である。これにより、例えばジオールの一分子脱水反応によって得ることができる、一般式(1)で示されるアリル型不飽和アルコール及び一般式(2)で示されるアリル型不飽和アルコールの両方を含有する生成物を、これらのアリル型不飽和アルコールを互いに分離することなく脱水反応に使用することができる。脱水反応の前に上記生成物に対して必要に応じて他の成分の分離及び精製を行ってもよい。
本脱水反応においては、一般式(1)又は一般式(2)で示されるアリル型不飽和アルコール以外の不飽和アルコールが併存していてもよい。
本脱水反応では、コーキングによる触媒の反応点である酸点の被覆及び触媒細孔内への入り口の閉塞が生じることによって、触媒が失活する。そのため酸量が多く、細孔径が大きく、触媒細孔容積が多い触媒ほど、コーキングによる被覆又は閉塞が進行しても原料の転化率が維持される。すなわち、燃焼再生までの反応寿命を長くすることができる。一方で、触媒内部で反応が進行すると触媒内部でのコーキングが起こり、そのことが触媒の粉砕又は破裂を生じさせる。粉砕又は破裂した触媒片は反応管の差圧上昇等の問題を引き起こすため、脱水反応及び触媒再生を繰り返すことができなくなる。触媒の劣化を抑制し、脱水反応及び触媒再生の繰り返しを可能にするためには、触媒内部でのコーキングに対する耐性を触媒に付与しなければならない。本発明における無機繊維の役割は明確ではないが、アルミニウムの酸化物及びケイ素の酸化物を含む触媒粒子の2次粒子及び/又は3次粒子をつなぎとめる効果に寄与していると考えられる。この効果によって、触媒内部にコークが付着したとしても、触媒成形体の膨張によって生じる劣化を防止することができる。
本発明で用いる脱水触媒は、ケイ素の酸化物及びアルミニウムの酸化物を含む触媒(ゼオライトを除く)と無機繊維とを含み、かつ、圧壊強度が3N/mm以上である触媒成形体である。本明細書において、「アルミニウムの酸化物及びケイ素の酸化物を含む触媒」は、後述する担持型(本明細書において「表面型」ともいう。)触媒と複合型(本明細書において「バルク型」ともいう。)触媒の両方を包含する。
アルミニウムの酸化物及びケイ素の酸化物を含む触媒は、調製法により一般に複合型(バルク型)触媒と担持型(表面型)触媒の2種類に分類することができる。触媒の調製方法としては種々の方法を用いることが可能であり、例えば含浸法、イオン交換法、CVD法、混練法、共沈法、ゾルゲル法等があげられる。
複合型(バルク型)触媒は、二酸化ケイ素前駆体及び二酸化ケイ素から選ばれる第1触媒原料と、アルミニウム酸化物前駆体及びアルミニウム酸化物から選ばれる第2触媒原料との組み合わせを用いて、混練法、共沈法、ゾルゲル法などによって調製される。複合型(バルク型)触媒は、各成分が原子レベルで結合した複合酸化物であり、表面だけでなく固体内部にもアルミニウム原子が多く存在している。ゾルゲル法としては、ケイ素アルコキシド及びアルミニウムアルコキシドのアルコール溶液に、水を添加してゲルを調製した後、乾燥及び焼成する方法が挙げられる。この際、触媒として酸又は塩基を加えてもよいし、無触媒で触媒調製を行ってもよい。複合酸化物の例としてはシリカアルミナ等が挙げられる。
担持型(表面型)触媒は、二酸化ケイ素(SiO)担体に含浸法、イオン交換法、CVD法などによってアルミニウム酸化物前駆体を付着又は堆積させて調製される触媒であり、二酸化ケイ素(SiO)担体上にアルミニウム酸化物が担持されている。この型の場合、焼結時に一部のアルミニウム酸化物と二酸化ケイ素は混じり合い複合酸化物を形成することがあるが、アルミニウム原子の多くが触媒表面に存在している。二酸化ケイ素(SiO)は市販の物をそのまま、あるいは粉砕処理、強熱処理、酸処理等の前処理を行ってから使用することができる。含浸法としては、アルミニウムの硝酸塩水溶液又はアルミニウムアルコキシドのアルコール溶液を二酸化ケイ素担体に加えた後、乾燥及び焼成する方法が挙げられる。加える溶液の量は二酸化ケイ素担体の細孔容積相当でもよいし、細孔容積以上の量を加えて溶液を濃縮し得られた含浸担体を濾別してもよい。アルミニウムの硝酸塩水溶液に二酸化ケイ素担体を加えた後、pHを調整するなどしてアルミニウムを水酸化物にして沈降させ担体上に担持させる等の方法をとることもできる。
本発明の触媒には、アルミニウムとは異なる金属酸化物又は金属が含まれていてもよい。そのような金属酸化物又は金属の例としては、酸化マグネシウム、酸化ランタン、酸化モリブデンなどがあげられる。
本発明の触媒のアルミニウムとケイ素の原子比(Al/Si)は0.001〜0.30であることが好ましい。複合型(バルク型)触媒では0.001〜0.25であることがより好ましく、0.03〜0.15であることが最も好ましい。担持型(表面型)触媒では0.005〜0.025であることがより好ましく、0.006〜0.012であることが最も好ましい。原子比がこの範囲内であると、副生物の低減又はコーキングの抑制の面で好ましく、また、細孔構造及び成形性を含めた触媒調製の自由度を高くできる。複合型(バルク型)触媒の原子比(Al/Si)は、リガク製の走査型蛍光X線分析装置ZSX PrimusIIを用いて、XRF分析にて決定される。担持型(表面型)触媒の原子比(Al/Si)は仕込み比から計算することもできるが、ICP−MSによりアルミニウム量を求め、触媒の乾燥質量からアルミニウム酸化物の質量を差し引いた質量を二酸化ケイ素の質量とし、Al/Siが計算される。測定方法の詳細は実施例の項に記載する。
本発明の触媒は、窒素ガス吸着法により測定された平均細孔径が6.0〜70.0nmであるメソ孔を有することが好ましい。平均細孔径はより好ましくは9.0〜55.0nm、特に好ましくは12.0〜40.0nmである。測定方法の詳細は実施例の項に記載する。平均細孔径が6.0nm以上であると、コーキングの進行が遅く、触媒寿命が長くなる。また、副反応が少ないため共役ジエン化合物の選択率も向上する。平均細孔径が70.0nm以下である触媒は表面積及び反応点の数が適切であり、生産性(STY)の低下が小さい。
無機繊維としては、アルミナ繊維、ガラス繊維、シリカ繊維、シリカ−アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維などを用いることができる。なかでも、価格等の汎用性から、アルミナ繊維又はガラス繊維が好適に用いられる。無機繊維は2種類以上を適宜組み合わせて使用してもよく、平均繊維長及び/又は平均繊維径の異なる無機繊維、あるいはガラス繊維の場合にはガラス組成の異なるガラス繊維を適宜組み合わせて使用することもできる。
無機繊維の平均繊維長は60μm〜1.0mmであることが好ましく、より好ましくは100μm〜800μmであり、最も好ましくは100μm〜500μmである。無機繊維の平均繊維径は2μm〜20μmであることが好ましく、より好ましくは4μm〜15μmである。無機繊維が短すぎる場合は、無機繊維による触媒粒子のつなぎとめ効果が少なくなるため、劣化抑制が不十分となることがある。無機繊維が長すぎる場合は、成形体中での無機繊維の分散に問題が生じることがある。無機繊維が細すぎる場合は、無機繊維自体の折損が生じやすくなる。無機繊維が太すぎる場合は、触媒粒子の2次粒子及び/又は3次粒子同士が無機繊維によってつなぎとめられていない箇所が発生するため、劣化抑制が不十分となることがある。
脱水触媒の成形体中の無機繊維の含有量は、ケイ素の酸化物及びアルミニウムの酸化物を含む触媒100質量部に対して、1〜50質量部であることが好ましく、より好ましくは5〜40質量部、さらにより好ましくは7〜30質量部である。無機繊維の含有量が少なすぎると、触媒粒子の2次粒子及び/又は3次粒子同士が無機繊維によってつなぎとめられていない箇所が発生するため、劣化抑制が不十分となることがある。無機繊維の含有量が多すぎると成形体中に含有される触媒成分が少なくなり、反応寿命が低下する場合がある。
触媒成形体は、粉末状の触媒を無機繊維と種々の方法で混合し、成形して得ることができる。成形方法に特に制限はなく、例えば打錠成形、押出成形、転動造粒等から選択される。
触媒成形体の粒径及び形状は、反応方式、反応器の形状などに応じて適宜選択できる。触媒の成形に用いるバインダー、滑剤等の添加剤は、特に制限されない。
触媒成形体の細孔容積は、圧壊強度の主因子の一つであり、添加剤の種類、量、成形圧力、焼成温度等によって、ある程度の幅で制御可能である。すなわち、一般的に成形圧力を高くし、かつ焼成温度を高めることによって、圧壊強度を上げることができる。しかし、圧壊強度を上げたときに細孔径及び細孔容積が小さくなると、コーキングによる失活が起こりやすくなる。
触媒成形体の圧壊強度は3N/mm以上である。触媒成形体の圧壊強度は4N/mm以上であることが好ましく、5N/mm以上であることがより好ましく、10N/mm以上であることが最も好ましい。触媒成形体の圧壊強度が3N/mm未満であると、触媒成形体内部のコーク堆積によって、触媒粒子間の結合が弱いために容易に粉砕又は破裂が生じてしまう。触媒成形体の圧壊強度の上限値は、コーク堆積を受容したときに脱水反応に必要な細孔容積を維持できる範囲であれば制限はないが、30N/mm以下とすることが、触媒活性を維持できる程度の大きさの細孔容積を維持できるため好ましい。触媒成形体の圧壊強度の調整は、無機繊維含有量、焼成温度、添加有機物量、焼成前のケーキ(水分を含んだ触媒及び無機繊維の混合物)の水分量などを制御することで可能である。具体的には焼成温度を高くすれば触媒粒子のシンタリングが促進され、圧壊強度は大きくなる。添加有機物量を多くすれば、有機物が燃焼除去される過程で、空隙が生まれるため、圧壊強度は小さくなる。ケーキの水分量を多くすれば、成形体中の触媒密度が小さくなるため、圧壊強度が小さくなる。
細孔容積を触媒成形体に付与するために添加剤を用いることは一般に知られていることであり、本発明においても種々の方法を適用することができる。その他、触媒調製時、成形時などにおいて、原料触媒粉末の粒子径の制御、成形圧力の制御等によって細孔容積を増減させることも一般に行われることであり、これらを本発明に適用することができる。
本発明の脱水反応で使用する反応装置として連続式の気相流通反応装置が好適である。触媒は固定床又は流動床のいずれの方式でもよく、特にメンテナンスの面などから固定床が望ましい。
反応装置の一例として、上部に反応原料であるアリル型不飽和アルコールの気化器を備えた直管型反応器が挙げられる。反応器に触媒を充填し、原料を気化器で蒸発させて生じた原料ストリームを反応器に導入する。反応器下部の熱交換器で反応生成物を冷却して水等を分離し、生成物を回収する。気化した原料のアリル型不飽和アルコールを窒素ガス、水蒸気などの不活性ガスで希釈して反応に供してもよい。
反応温度は200〜450℃の範囲であることが適しており、250〜350℃であることがより好ましい。200℃以上であると反応が速やかに進む。また、450℃以下とすると副反応による選択率低下の影響が小さくなる。反応圧力は加圧、常圧、又は減圧のいずれでもよい。
触媒充填容積あたりの不飽和アルコールの導入量は0.05〜20kg/(h・L−cat)の範囲とすることができ、好ましくは0.1〜10kg/(h・L−cat)であり、最も好ましくは0.2〜5kg/(h・L−cat)である。導入量が少ない場合は十分な生産量を得ることができないことがある。多い場合には未反応の原料が増加し、分離及び精製に余分な労力が必要となる。
アリル型不飽和アルコールを含む原料ストリームの触媒充填容積に対する空間速度[SV]は100〜40000[/h]の範囲とすることができ、特に400〜10000[/h]であることが好適である。空間速度が低すぎる場合は接触時間の増加により、不飽和アルコール原料及び生成したジエン化合物から副生成物が生じる可能性がある。空間速度が高すぎる場合には転化率が低下し、収率が低下することがある。触媒の空時収率STYは、反応圧力を上げる、原料ガス中の不飽和アルコール濃度を高める、SVを上げることにより大きくすることができる。
得られた共役ジエン化合物に対し、さらに蒸留等による精製操作を行うことで、純度を高めたジエン化合物を入手することができる。
触媒を再生するためのコーク燃焼温度は、酸素ガスを含むガス流通下にて、200〜600℃であることが適しており、300〜550℃であることがより好ましく、400〜500℃であることが最も好ましい。コーク燃焼温度が200℃以上であるとコークの燃焼反応が速やかに進む。コーク燃焼温度が600℃以下であると触媒の酸点、比表面積、及び細孔容積への影響が小さくなる。酸素導入量及び外部加熱温度を調整することによって、コーク燃焼温度を得ることができる。
上記に述べた方法は、本発明の実施形態の一つであり、実施に当たってはその神髄に照らして、別の実施形態をとることもできるが、それらは全て本発明の範疇に含まれる。
以下、実施例により本発明の効果を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
アルミニウムの酸化物及びケイ素の酸化物を含む複合型触媒中のアルミニウムとケイ素量は、リガク製の走査型蛍光X線分析装置ZSX PrimusIIを用いて、XRF分析にて行う。乳鉢で粉砕した触媒粉を、外径18mm、内径13mm、高さ5mmのポリ塩化ビニル製のセルにつめて35kNで15秒間加圧して、測定試料を調製する。標準試料を外標準としてEZスキャンモードにて分析する。アルミニウム酸化物量とケイ素酸化物量の測定値から、Al/Si比を求める。
触媒成形体の嵩密度は以下のように決定する。10mLメスシリンダーに約5mLの触媒を測りとる。その際、数回タッピングを行い、触媒をならし、その体積と重量を測定する。測定重量を測定体積で除算し、嵩密度を計算する。
触媒成形体の圧壊強度は、木屋式デジタル硬度計(藤原製作所製、KHT−20N型)5mmチップ(杵)にて、測定することができる。円柱形状の触媒成形体を横方向に加圧し、得られた値をチップの直径又は触媒粒の長さの小さい方で割った値を成形体のmm当たりの圧壊強度として、20粒測定の平均値から算出する。
[反応装置]
以下の実施例及び比較例の脱水反応には、固定床の常圧気相流通反応装置を使用した。反応管(ステンレス製)は内径13mm、全長300mmで、上部に原料を蒸発させるための気化器、及び希釈剤(窒素ガス)の導入口が接続され、下部には冷却器、及び気液分離器が設置されている。反応によって生じたガス及び液はそれぞれ別々に回収し、ガスクロマトグラフィー装置にて測定し、検量線補正後、目的物の収量及び原料残量を求め、これらより転化率及び選択率を求めた。
脱水反応における、転化率の計算には以下の式を用いた。
触媒成形体内部へのコーク付着による粉砕及び破裂の進行は、以下の手順で確認した。コーク付着による触媒成形体の互着を防ぐため、触媒成形体をイソウール(登録商標)とマクマホンで気流を阻害しないように包み込み、所定時間の脱水反応を行った後、触媒成形体を回収し、電気炉にて450℃で8時間焼成した。焼成前後の重量差から、平均コーク堆積量を得た。目視による観察によって、触媒成形体における粉砕、破裂、ひび割れなどの有無を確認した。
[触媒調製]
以下、脱水触媒の調製に関する参考例、実施例及び比較例を示す。
(参考例1:担持型触媒aの製造)
硝酸アルミニウム・九水和物(和光純薬工業株式会社製、特級)1.92gとイオン交換水80gを入れ、硝酸アルミニウム水溶液を得た。蒸発皿にシリカ粉であるキャリアクト(登録商標)G−10(粒径5μm、富士シリシア化学株式会社)20.00gを測り取り、硝酸アルミニウム水溶液を少量ずつ滴下し、手で混ぜることで均一に混合した。110℃のオーブンで、一昼夜乾燥し、300℃、3時間焼成し、担持型触媒aを得た。
(参考例2:複合型触媒bの調製)
500mLの3口フラスコに、メカニカルスターラーに接続したテフロン(登録商標)半月板撹拌翼、滴下ロート、及びジムロート冷却管を装着した。このフラスコに、窒素ガス雰囲気中で、テトラエチルオルトシリケート(シグマアルドリッチ社製、>99%)60.0g、アルミニウムイソプロポキシド(東京化成工業株式会社製)2.9g、超脱水イソプロパノール(和光純薬工業株式会社製)173gを加え、液温が69〜70℃になるように油浴中で撹拌した。滴下ロートにイソプロパノール(特級、和光純薬工業株式会社製)9gと蒸留水(和光純薬工業株式会社製)10.9gの混合溶液を入れ、上記フラスコに30分間かけて滴下した。滴下終了後も撹拌を続け、合計24時間、69〜70℃で反応させた。得られた白色粉末を濾過後、イソプロパノールで洗浄した。70℃のオーブンで12時間乾燥したのち、マッフル炉(ADVANTEC製KM−280)で500℃、5時間焼成した。得られた粉末を実施例1と同様の方法で成形後、同じマッフル炉で500℃、2時間焼成し、シリカアルミナである複合型触媒bを得た。XRF分析で測定されたAlとSiの原子比(Al/Si)は0.09(mol/mol)であった。
(実施例1:触媒Aの調製)
参考例1の担持型触媒aを11.00g、無機繊維としてアルミナ繊維であるFMXバルクファイバー(商品名FMX100/99)(ITM株式会社製、平均繊維径4μm、平均繊維長100μm)0.99g(添加量9質量%)、メチルセルロース400(和光純薬工業株式会社製、化学用)1.32g、イオン交換水20gをよく混合した。得られた混合物を複合型混練押出機(井元製作所製、IMC−197D型)、予備混練回転速度調節:40、押出回転速度調製出力:40の条件にて、2mm径の太さで押し出したものを、50℃で一昼夜乾燥後、600℃にて5時間焼成した。得られた棒状物を2〜4mmにカットすることで触媒Aを得た。触媒Aの平均圧壊強度は3N/mmであった。
(実施例2:触媒Bの調製)
FMXバルクファイバーの添加量を1.65g(添加量15質量%)としたこと以外は、実施例1と同様にして、触媒Bを得た。触媒Bの平均圧壊強度は4N/mmであった。
(実施例3:触媒Cの調製)
無機繊維をガラス繊維であるミルドファイバー(商品名:EFH100−31、セントラルグラスファイバー株式会社製、平均繊維径11μm、平均繊維長100μm)としたこと以外は、実施例1と同様にして、触媒Cを得た。触媒Cの平均圧壊強度は5N/mmであった。
(実施例4:触媒Dの調製)
FMXバルクファイバーを0.495g(添加量4.5質量%)としたこと以外は、実施例1と同様にして、触媒Dを得た。触媒Eの平均圧壊強度は3N/mmであった。
(実施例5:触媒Eの調製)
FMX100/99をFMX500/99(ITM株式会社製、平均繊維径4μm、平均繊維長500μm)としたこと以外は、実施例1と同様にして、触媒Eを得た。触媒Eの平均圧壊強度は3N/mmであった。
(比較例1:触媒Fの調製)
FMXバルクファイバーを添加していないこと以外は、実施例1と同様にして、触媒Fを得た。触媒Fの平均圧壊強度は4N/mmであった。
(比較例2:触媒Gの調製)
メチルセルロース400の量を1.72g、イオン交換水を26.00gとした以外は、実施例1と同様にして、触媒Gを得た。触媒Gの平均圧壊強度は1N/mmであった。
(比較例3:触媒Hの調製)
FMXバルクファイバーを添加していないこと、焼成温度を1050℃にて5時間焼成したこと以外は、実施例1と同様にして、触媒Hを得た。触媒Hの平均圧壊強度は10N/mmであった。
(実施例6:触媒Iの調整)
参考例1の担持型触媒aの代わりに参考例2の複合型触媒bを用いたこと、FMXバルクファイバーを2.475g(添加量22.5質量%)としたこと以外は実施例1と同様にして、触媒Iを得た。触媒の平均圧壊強度は8N/mmであった。
[脱水反応]
以下、反応実施例を示す。反応寿命は、原料のアリル型不飽和アルコール(式(1)及び式(2)の合計)の転化率と反応時間とのグラフから、転化率が約100%から低下して、98.5%となるまでの時間を読み取り、その値とした。
(反応実施例1)
複合型触媒Aに対して3−ブテン−2−オール/2−ブテン−1−オール混合溶液を基質とし、窒素ガス及び水蒸気を希釈剤として反応を行った。触媒は5mL使用した。基質の3−ブテン−2−オール及び2−ブテン−1−オールのモル比率は6:4であり、合計導入量は触媒1mLあたり毎時1.35gであった。水蒸気の導入量は触媒1mLあたり毎時0.84L、窒素ガス導入量は触媒1mLあたり毎時0.42Lで反応温度は300℃に設定した(SV=1680[/h])。結果を表1に示す。
(触媒劣化試験)
SUS製金網メッシュにて包んだ触媒成形体に対して、3−ブテン−2−オール/2−ブテン−1−オール混合溶液を基質とし、窒素ガス及び水蒸気を希釈剤として反応を行った。触媒は40粒使用した。基質の3−ブテン−2−オール及び2−ブテン−1−オールのモル比率は6:4であり、合計導入量は毎時11.2gであった。水蒸気の導入量は触媒1mLあたり毎時1L、窒素ガス導入量は毎時2Lで反応温度は300℃に設定した。168時間の脱水反応を行った後、触媒成形体を回収し、電気炉にて空気雰囲気、450℃で8時間焼成した。焼成前後の重量差から、反応前の触媒量に対する平均コーク堆積量(反応前の触媒量を100%としたときのコーク堆積重量)を求めた。また、目視による焼成後の触媒成形体の観察によって、変化がない場合は3点、形状を保ちながらもヒビ割れがある場合は2点、割れが進行して複数の破片になっている場合は1点、粉化している場合は0点とし、40粒の平均値を求めた。結果を表1に示す。
(反応実施例2〜6、反応比較例1〜3)
表1に示す触媒を使用し、反応実施例1と同様にして脱水反応を行った。結果を表1に示す。
(SEM写真)
実施例1のアルミニウム酸化物が二酸化ケイ素担体上に担持された触媒粒子と無機繊維とを含む触媒成形体のSEM写真を図1に示す。触媒粒子の2次粒子及び3次粒子の中に無機繊維が存在していることが分かる。
無機繊維がない触媒F及び触媒Hでは、粉砕又は破裂が発生し、繰り返しの反応が行えない。触媒Gでは無機繊維含有量が十分であっても圧壊強度が低いために、粉砕又は破裂が発生した。触媒Gでは、添加有機物の量が多いために、添加有機物が燃焼する過程で、空隙が生まれ圧壊強度が低くなる。それに対して、触媒A〜Eでは、触媒劣化試験の平均点が1.9以上であることから、無機繊維を含有させて所定の圧壊強度を付与することによって、触媒成形体の劣化特性が大幅に改善している。特に触媒A〜Cでは、目視によるひび割れもないことから、半永久的な繰り返しの使用が可能である。触媒Hでは焼成温度が1050℃と高いため、触媒のシンタリングが促進されている。そのため、圧壊強度が高いものの、無機繊維によるつなぎ止めがないため、触媒内部で発生するコーキングによる粉砕又は破裂が進行したものと推定される。
以上から、本発明の脱水触媒成形体は、アリル型不飽和アルコールの脱水反応と燃焼再生を繰り返して使用可能であることがわかる。

Claims (12)

  1. 脱水触媒の存在下、一般式(1)又は一般式(2)で示されるアリル型不飽和アルコールの少なくとも一種を原料とし、脱水反応によって一般式(3)で示される共役ジエン化合物を製造する方法であって、前記脱水触媒が、ケイ素の酸化物及びアルミニウムの酸化物を含む触媒と無機繊維とを含み、その圧壊強度が3N/mm以上の成形体であることを特徴とする共役ジエン化合物の製造方法。
    (式中、R〜Rはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、又は炭素数6〜12のアリール基を示す。)
    (式中、R〜Rは一般式(1)と同一のものを示す。)
    (式中、R〜Rは一般式(1)と同一のものを示す。)
  2. 前記無機繊維が、アルミナ繊維、ガラス繊維、シリカ繊維、シリカ−アルミナ繊維、及び炭化ケイ素繊維からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の共役ジエン化合物の製造方法。
  3. 前記無機繊維の平均繊維長が60μm以上である請求項1又は2のいずれかに記載の共役ジエン化合物の製造方法。
  4. 前記脱水触媒の成形体中の前記無機繊維の含有量が、前記ケイ素の酸化物及びアルミニウムの酸化物を含む触媒100質量部に対して7〜30質量部である請求項1〜3のいずれかに記載の共役ジエン化合物の製造方法。
  5. 前記脱水触媒の成形体の圧壊強度が30N/mm以下である請求項1〜4のいずれかに記載の共役ジエン化合物の製造方法。
  6. 前記ケイ素の酸化物及びアルミニウムの酸化物を含む触媒が、二酸化ケイ素担体上にアルミニウムの酸化物が担持された担持型触媒である請求項1〜5のいずれかに記載の共役ジエン化合物の製造方法。
  7. 前記ケイ素の酸化物及びアルミニウムの酸化物を含む触媒が、ケイ素とアルミニウムの複合酸化物である複合型触媒である請求項1〜5のいずれかに記載の共役ジエン化合物の製造方法。
  8. 前記ケイ素とアルミニウムの複合酸化物がシリカアルミナである請求項7に記載の共役ジエン化合物の製造方法。
  9. 前記複合型触媒のアルミニウムとケイ素の原子比(Al/Si)が0.001〜0.25である請求項7又は8のいずれかに記載の共役ジエン化合物の製造方法。
  10. 一般式(1)及び一般式(2)のR〜Rがすべて水素原子である請求項1〜9のいずれかに記載の共役ジエン化合物の製造方法。
  11. 一般式(1)で示されるアリル型不飽和アルコール及び一般式(2)で示されるアリル型不飽和アルコールの両方を原料とし、同時に脱水反応に供することを含む請求項1〜10のいずれかに記載の共役ジエン化合物の製造方法。
  12. ケイ素の酸化物及びアルミニウムの酸化物を含む触媒と無機繊維とを含み、その圧壊強度が3N/mm以上の成形体であることを特徴とする、アリル型不飽和アルコールの脱水触媒。
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