JP2018095433A - クレーン - Google Patents

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洋岳 梶川
Hirotake Kajikawa
洋岳 梶川
啓資 玉木
Keisuke Tamaki
啓資 玉木
俊幸 宮嶋
Toshiyuki Miyajima
俊幸 宮嶋
藤岡 晃
Akira Fujioka
晃 藤岡
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Abstract

【課題】ブームの先端から巻き下げられたワイヤロープで荷物を吊り上げる際の荷物の振れを抑制するとともに、玉掛け作業を簡素化することの可能なクレーンを提供する。【解決手段】クレーン1における制御部100は、荷物Bの吊り上げを開始する前に、張力検出器121で測定した張力と、角度検出器122で測定した吊下角度と、長さ検出器123で測定した吊下長さと、に基づいて、メインワイヤ21及びサブワイヤ25のそれぞれにおける張力の水平方向分力を算出し、それぞれの水平方向分力が均等となるようにブーム7を旋回させる。【選択図】図4

Description

本発明は、クレーンに関する。詳細には、二本のワイヤロープで一の荷物を運搬するクレーンに関する。
従来、ブームと、ブームの基端側から先端側へ架け渡されて巻き下げられるワイヤロープと、ワイヤロープの巻き入れおよび巻き出しをするウインチと、を備え、ワイヤロープで荷物を吊り上げて運搬するクレーンが知られている。
また、クレーンで荷物を吊り上げる際に、荷物の振れを抑制する技術が知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2を参照)。しかし、これらの特許文献に記載の技術はトロリーから巻き下げられたワイヤロープで荷物を吊り上げる構成であるため、上記の如くブームの先端から巻き下げられたワイヤロープで荷物を吊り上げるクレーンに適用することができなかった。
また、二本のワイヤロープで一の荷物を吊り上げて運搬する場合は、荷物を吊り上げた際に荷物が傾くこと等を防止するために、ブームの先端が荷物の重心の真上に位置するように玉掛けを行う必要がある。しかし、非対称の荷物のように重心位置の算出が難しい場合は、ブームの先端を荷物の重心の真上に位置させることが困難となり、玉掛けに時間を要する場合があった。
特開2000−191275号公報 特開2003−312983号公報
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、ブームの先端から巻き下げられたワイヤロープで荷物を吊り上げる際の荷物の振れを抑制するとともに、玉掛け作業を簡素化することの可能なクレーンを提供することである。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
第一の発明は、
ブームと、
前記ブームを旋回させる旋回装置と、
前記ブームの基端側から先端側へ架け渡される第一ワイヤロープと、
前記第一ワイヤロープの巻き入れ及び巻き出しをする第一ウインチと、
前記ブームの基端側から先端側へ架け渡される第二ワイヤロープと、
前記第二ワイヤロープの巻き入れ及び巻き出しをする第二ウインチと、
前記第一ワイヤロープ及び前記第二ワイヤロープのそれぞれの張力を測定する張力測定部と、
前記第一ワイヤロープ及び前記第二ワイヤロープのそれぞれの吊下角度を測定する吊下角度測定部と、
前記第一ワイヤロープ及び前記第二ワイヤロープのそれぞれの吊下長さを測定する吊下長さ測定部と、
前記第一のウインチ及び前記第二のウインチによる前記第一ワイヤロープ及び前記第二ワイヤロープの巻き入れ及び巻き出し、及び、前記旋回装置による前記ブームの旋回を制御する制御部と、を備え、
前記第一ワイヤロープと前記第二ワイヤロープとによって一の荷物を吊り上げて該荷物を運搬自在とするクレーンであって、
前記制御部は、前記荷物の吊り上げを開始する前に、
前記張力測定部で測定した前記張力と、前記吊下角度測定部で測定した前記吊下角度と、前記吊下長さ測定部で測定した前記吊下長さと、に基づいて、前記第一ワイヤロープ及び前記第二ワイヤロープのそれぞれにおける張力の水平方向分力を算出し、
前記第一ワイヤロープにおける張力の水平方向分力と前記第二ワイヤロープにおける張力の水平方向分力が均等となるように前記ブームを旋回させる、としたものである。
第二の発明は、
ブームと、
前記ブームを旋回させる旋回装置と、
前記ブームの基端側から先端側へ架け渡される第一ワイヤロープと、
前記第一ワイヤロープの巻き入れ及び巻き出しをする第一ウインチと、
前記ブームの基端側から先端側へ架け渡される第二ワイヤロープと、
前記第二ワイヤロープの巻き入れ及び巻き出しをする第二ウインチと、
前記第一ワイヤロープ及び前記第二ワイヤロープのそれぞれの張力を測定する張力測定部と、
前記第一ワイヤロープ及び前記第二ワイヤロープのそれぞれの吊下角度を測定する吊下角度測定部と、
前記第一ワイヤロープ及び前記第二ワイヤロープのそれぞれの吊下長さを測定する吊下長さ測定部と、
前記第一のウインチ及び前記第二のウインチによる前記第一ワイヤロープ及び前記第二ワイヤロープの巻き入れ及び巻き出し、及び、前記旋回装置による前記ブームの旋回を制御する制御部と、を備え、
前記第一ワイヤロープと前記第二ワイヤロープとによって一の荷物を吊り上げて該荷物を運搬自在とするクレーンであって、
前記制御部は、前記荷物の吊り上げを開始する前に、
前記張力測定部で測定した前記張力と、前記吊下角度測定部で測定した前記吊下角度と、前記吊下長さ測定部で測定した前記吊下長さと、に基づく、前記第一ワイヤロープ及び前記第二ワイヤロープのそれぞれにおける張力の水平方向分力の算出と、前記第一ワイヤロープ及び前記第二ワイヤロープにおける張力の水平方向分力の差が小さくなる位置への前記ブームの旋回と、を交互に繰り返すことにより、前記第一ワイヤロープ及び前記第二ワイヤロープにおける張力の水平方向分力が均等になるように前記ブームを旋回させる、としたものである。
第三の発明は、第一の発明又は第二の発明に係るクレーンにおいて、
前記制御部は、前記第一ウインチ及び前記第二ウインチによる前記第一ワイヤロープ及び前記第二ワイヤロープの巻き入れ及び巻き出しを制御することにより前記第一ワイヤロープ及び前記第二ワイヤロープの緊張を維持した状態で、前記旋回装置を駆動させて前記ブームを前記荷物の重心位置の上方に旋回させることにより、前記第一ワイヤロープ及び前記第二ワイヤロープにおける張力の水平方向分力を均等にする、としたものである。
第一の発明に係るクレーンは、二本のワイヤロープにおける張力の水平方向分力が均等となった状態で荷物の吊り上げを開始できるため、荷物の横行振れを防ぐことができるとともに、玉掛け作業を簡素化することが可能となる。
第二の発明に係るクレーンは、二本のワイヤロープにおける張力の水平方向分力の算出と、ブームの旋回と、を交互に繰り返すことにより、二本のワイヤロープにおける張力の水平方向分力を均等にする際に、ブームの旋回時に生じる誤差等を低減させることができるため、荷物の横行振れを防いで円滑に荷物を吊り上げることができる。
第三の発明に係るクレーンは、ブームを荷物の重心位置の上方に旋回させることにより、二本のワイヤロープにおける張力の水平方向分力を簡易な方法で均等にすることができる。
走行時におけるクレーンを示す側面図である。 吊り上げ作業時におけるクレーンを示す側面図である。 クレーン装置の制御ブロック図である。 (a)から(c)はそれぞれ、荷物の吊り上げ作業時における概略説明図である。 荷物の吊り上げ作業時における制御フロー図である。
本発明の技術的思想は、ブームの先端から巻き下げされる二本のワイヤロープで荷物を吊り上げて運搬するクレーンであれば、以下に説明するクレーン1とは異なる構成の他のクレーン(例えば、後述する走行体2を備えておらず、クレーン装置3のみのクレーンなど)にも適用できる。
まず、図1から図3を用いて、クレーン1の構成について簡単に説明する。図1及び図2は、それぞれ走行時及び吊り上げ作業時におけるクレーン1を示している。図3はクレーン1におけるクレーン装置3の制御ブロック図を示している。
クレーン1は、主にクレーン1の下部を構成する走行体2と、上部を構成するクレーン装置3と、を備えたクレーン車として構成されている。
走行体2は、左右一対のフロントタイヤ4とリヤタイヤ5を備えている。また、走行体2は、吊り上げ作業を行う際に接地させて安定を図るアウトリガ6を備えている。更に、走行体2は、これらを駆動するための油圧アクチュエータに加え、エンジンやトランスミッションなどを備えている。
クレーン装置3は、旋回台11と、ブーム7と、キャビン8とを主に備える。クレーン装置3は、走行体2に搭載されたエンジンの動力が油圧システム(図示省略)を通じて伝達されることによって動作する。
旋回台11は、走行体2の上側に旋回自在に支持されている。より詳細には、旋回台11は、旋回ギア等で構成された旋回装置12により、走行体2上の旋回平面に沿って旋回可能に構成されている。
ブーム7は旋回台11の後部において、前方へ突き出すように配設される。より詳細には、ブーム7は、起伏シリンダ13(図3を参照)を駆動させることにより、旋回平面に直交する起伏平面に沿って起伏可能とされる。また、ブーム7は、伸縮シリンダ14(図3を参照)を駆動させることにより、ブーム7の長手方向に沿って伸縮可能に構成されている。さらに、ブーム7は旋回装置12によって旋回台11が旋回することにより、クレーン装置3において旋回可能とされる。
また、クレーン装置3は、ブーム7の右方にキャビン8を備えている。キャビン8は、クレーン装置3の動作を制御するための各種操作部(例えば、メインウインチレバー109、サブウインチレバー110、旋回レバー112、起伏レバー113、伸縮レバー114等の各種入力手段、図3を参照)を有する。キャビン8に搭乗した作業者は、各種操作部を操作することによって、クレーン装置3を動作させる。
更に、クレーン装置3は、メインウインチ9とサブウインチ10を備えている。
ブーム7の先端部分は、主にブームヘッドと複数のシーブとで構成され、第一ワイヤロープであるメインワイヤ21と、第二ワイヤロープであるサブワイヤ25と、がブーム7の基端側から先端側へ架け渡されている。ブーム7を架け渡されたメインワイヤ21及びサブワイヤ25は、ガイドシーブを回って下方に向けて巻き下げられる。メインワイヤ21にはメインフックブロック22が掛けられている。サブワイヤ25の先端にはサブフックブロック26が固定されている。メインワイヤ21及びサブワイヤ25の基端部は、それぞれメインウインチ9及びサブウインチ10に連結されている。クレーン装置3は、メインウインチ9とサブウインチ10を駆動することにより、メインワイヤ21及びサブワイヤ25の巻き入れ及び巻き出しを行う。
クレーン装置3は上記の構成において、メインフックブロック22及びサブフックブロック26に荷物B(図4(a)から(c)を参照)を係止した状態で、メインウインチ9とサブウインチ10とによるメインワイヤ21及びサブワイヤ25の巻き入れ・巻き出し、及び、旋回装置12によるブーム7の旋回を行うことにより、荷物Bの運搬を行うのである。
図3に示す如く、クレーン装置3はクレーン装置3の動作を制御する制御部100を備える。本実施形態における制御部100は、主としてRAMやROMなどからなる記憶部や、記憶部に記憶されたプログラムを実行するCPU等からなる演算処理部などで構成される。制御部100には、メインウインチ9、サブウインチ10、旋回装置12、起伏シリンダ13、伸縮シリンダ14等の出力手段が電気的に接続されており、制御部100から発信した信号に基づいて各出力手段が駆動する。即ち、制御部100は、メインウインチ9及びサブウインチ10によるメインワイヤ21及びサブワイヤ25の巻き入れ及び巻き出し、及び、旋回装置12によるブーム7の旋回を制御するのである。
また、図3に示す如く、制御部100にはメインウインチレバー109、サブウインチレバー110、旋回レバー112、起伏レバー113、伸縮レバー114等の入力手段が電気的に接続されており、各入力手段から制御部100に信号が入力される。
また、クレーン装置3は、メインワイヤ21及びサブワイヤ25について、それぞれの張力(図4(a)に示す張力f1・f2)を測定する張力測定部である張力検出器121と、それぞれの吊下角度(図4(a)に示す角度θ1・θ2)を測定する吊下角度測定部である角度検出器122と、それぞれの吊下長さ(図4(a)に示す長さR1・R2)を測定する吊下長さ測定部である長さ検出器123と、を備える。本実施形態における張力検出器121としては、ブーム7の先端部に備え付けられたロードセルなどが用いられる。また、角度検出器122としては、ブーム7の先端部に備え付けられた二個のロードセル(例えば、鉛直方向・水平方向のそれぞれの張力を検出するロードセル)などを組み合わせて構成される。また、長さ検出器123としては、メインウインチ9及びサブウインチ10の回転数測定器が用いられる。
次に、図4及び図5を用いて、張力検出器121で測定した張力と、角度検出器122で測定した吊下角度と、長さ検出器123で測定した吊下長さと、に基づいて、クレーン装置3を制御して荷物Bを吊り上げる手法について説明する。本明細書において、「荷物Bを吊り上げる」とは、荷物Bがメインワイヤ21及びサブワイヤ25のみによって支持された状態(荷物Bが支持体S・Sから離間した状態)を意味する。
図4においては、ブーム7の先端部からメインワイヤ21及びサブワイヤ25が巻き下げられて荷物Bを吊り上げる状態を模式的に表している。図4(a)は荷物Bを吊り上げる状態を荷物Bの長手方向から見た図、図4(b)はメインワイヤ21及びサブワイヤ25の巻き入れ開始直後の状態をブーム7の長手方向から見た図、図4(c)は荷物Bの吊り上げ直前の状態をブーム7の長手方向から見た図である。
本実施形態において、荷物Bは長尺体であり、図4に示す如くブーム7の延出方向(伸縮方向)である前後方向と直交する方向(ブーム7の旋回半径方向、以下単に「半径方向」と記載する)に長手方向を向けて配置される。なお、クレーン1で吊り上げる荷物の形状は長尺体に限定されるものではなく、クレーン1で他の形状の荷物を吊り上げることも可能である。クレーン装置3に運搬される前の状態では、荷物Bは地面GLに配置された支持体S・Sの上に載置されている。また、図4(b)及び(c)に示す如く、メインワイヤ21とサブワイヤ25とは、ブーム7の先端において、半径方向に幅Dだけ離れた箇所から巻き下げられている。
荷物Bの吊り上げを開始する前に、作業者は図4(a)及び(b)に示す如くメインワイヤ21及びサブワイヤ25を用いて荷物Bを玉掛けする。この際、メインワイヤ21及びサブワイヤ25は別々の位置に玉掛けを行い、2箇所の玉掛け位置の間に荷物Bの重心Gが配置されるようにする。
制御部100は、荷物Bの吊り上げを開始する前に、図5におけるステップS01に示す如く、メインウインチ9とサブウインチ10を駆動することにより、メインワイヤ21及びサブワイヤ25の巻き入れを開始する。
次に、制御部100は、張力検出器121で測定したメインワイヤ21及びサブワイヤ25の張力f1・f2と、角度検出器122で測定したメインワイヤ21及びサブワイヤ25の吊下角度θ1・θ2とから、メインワイヤ21及びサブワイヤ25のそれぞれにおける張力の水平方向分力(f1sinθ1・f2sinθ2)を算出する。
そして、制御部100は、メインワイヤ21及びサブワイヤ25のそれぞれにおける張力の水平方向分力(f1sinθ1・f2sinθ2)と、長さ検出器123で測定したメインワイヤ21及びサブワイヤ25の吊下長さR1・R2と、に基づいて、各水平方向分力f1sinθ1・f2sinθ2が均等となるようにブーム7を旋回させる。なお、本明細書において用いる「均等」とは、「荷物Bが傾いたり、移動したりしない程度に力の大きさが同じ」という意味であり、必ずしも二つの数値が厳密に一致している必要はない。
具体的には図5におけるステップS02に示す如く、制御部100は、張力f1の水平方向分力f1sinθ1と張力f2の水平方向分力f2sinθ2とが均等になっているか否か(その差が0か否か)を判断する。
張力f1の水平方向分力f1sinθ1と張力f2の水平方向分力f2sinθ2とが均等になっていないと判断した場合、図5におけるステップS03に進み、制御部100は、張力f1の水平方向分力f1sinθ1が張力f2の水平方向分力f2sinθ2よりも小さいか否かを判断する。
張力f1の水平方向分力f1sinθ1が張力f2の水平方向分力f2sinθ2よりも小さい(図4(b)に示す状態)と判断した場合、図5におけるステップS04に進み、制御部100は、メインウインチ9とサブウインチ10を駆動してメインワイヤ21及びサブワイヤ25の巻き入れ又は巻き出しを行って二本のワイヤロープの吊下長さを制御(具体的には、メインワイヤ21の巻き出し及びサブワイヤ25の巻き入れ)し、同時に、図4(b)中の矢印Mに示す如く、サブワイヤ25の方向に長さLだけブーム7を旋回させる(二本のワイヤロープの吊下長さは、ブーム7を旋回した際に弛まないように調整される)。図4(b)に示す如く、長さLはブーム7の中心と、荷物Bの重心Gとの半径方向の距離である。
このように、制御部100はメインウインチ9及びサブウインチ10によるメインワイヤ21及びサブワイヤ25の巻き入れ及び巻き出しを制御することにより、メインワイヤ21及びサブワイヤ25の緊張を維持した状態で、旋回装置12を駆動させてブーム7を荷物Bの重心Gの上方に旋回させることにより、メインワイヤ21及びサブワイヤ25における張力の水平方向分力を均等にするのである。
ここで、ブーム7の旋回量である長さLは以下の数式1によって算出される。
Figure 2018095433
上記数式1において、W1はメインワイヤ21の玉掛け位置と荷物Bの重心Gとの半径方向の距離であり(図4(b)を参照)、以下の数式2及び数式3からなる連立方程式の解として、数式4によって表される。
Figure 2018095433
上記数式2は、荷物Bの重心Gにおいて、メインワイヤ21によって加えられるモーメントとサブワイヤ25によって加えられるモーメントとが釣り合うことから導かれる。
Figure 2018095433
上記数式3は、半径方向の長さの関係から幾何学的に導かれる。
Figure 2018095433
一方、張力f1の水平方向分力f1sinθ1が張力f2の水平方向分力f2sinθ2よりも大きいと判断した場合、図5におけるステップS05に進み、制御部100は、メインウインチ9とサブウインチ10を駆動してメインワイヤ21及びサブワイヤ25の巻き入れ又は巻き出しを行って二本のワイヤロープの吊下長さを制御(具体的には、メインワイヤ21の巻き入れ及びサブワイヤ25の巻き出し)し、同時に、メインワイヤ21の方向に長さLだけブーム7を旋回させる(二本のワイヤロープの吊下長さは、ブーム7を旋回した際に弛まないように調整される)。長さLはブーム7の中心と、荷物Bの重心Gとの半径方向の距離である。
ここで、ブーム7の旋回量である長さLは以下の数式5によって算出される。
Figure 2018095433
上記数式5において、W2はサブワイヤ25の玉掛け位置と荷物Bの重心Gとの半径方向の距離であり、前記数式2及び数式3からなる連立方程式の解として、数式6によって表される。
Figure 2018095433
その後、図5におけるステップS02に戻り、制御部100は、張力検出器121で測定したメインワイヤ21及びサブワイヤ25の張力f1・f2と、角度検出器122で測定したメインワイヤ21及びサブワイヤ25の吊下角度θ1・θ2とから、メインワイヤ21及びサブワイヤ25のそれぞれにおける張力の水平方向分力(f1sinθ1・f2sinθ2)を再度算出する。そして、制御部100は、張力f1の水平方向分力f1sinθ1と張力f2の水平方向分力f2sinθ2が均等になっているか否か(その差が0か否か)を判断する。
ステップS02においてf1sinθ1とf2sinθ2とが均等になっていないと判断した場合は、図5におけるステップS03からステップS05を繰り返す。前記ステップS03からステップS05において、ブーム7は図4(b)に示す如く荷物Bの重心Gの真上に旋回するため、理論的には既にf1sinθ1とf2sinθ2とは均等になるはずであるが、本実施形態においてはブーム7の旋回時に生じる誤差等を低減するため、ステップS03からステップS05を繰り返す構成としている。
ステップS02においてf1sinθ1とf2sinθ2とが均等になっている(その差が0である)と判断した場合は、図5におけるステップS06に進み、メインワイヤ21及びサブワイヤ25を等速で巻き入れ、荷物Bの吊り上げを開始する。即ち、制御部100は、メインワイヤ21及びサブワイヤ25のそれぞれにおける張力の水平方向分力(f1sinθ1・f2sinθ2)が均等となった状態で、荷物Bの吊り上げを開始するのである。
本実施形態に係るクレーン1によれば、上記の如く荷物Bの吊り上げを開始する前に、メインワイヤ21及びサブワイヤ25のそれぞれにおける張力の水平方向分力(f1sinθ1・f2sinθ2)が均等となるようにブーム7を旋回させる構成としている。これにより、ブーム7の先端から巻き下げられた二本のワイヤロープで荷物Bを吊り上げた際に、荷物Bの長手方向の揺れ(横行振れ)を抑制することができる。
また、本実施形態によれば、玉掛けの際にブーム7の先端が荷物Bの重心Gの真上に位置していない場合でも、荷物Bの吊り上げの際にはブーム7の先端は荷物Bの重心Gの真上に位置するため、吊り上げ作業時の横行振れを抑制することができる。このため、非対称の荷物のように重心位置の算出が難しい場合でも、玉掛けの際にブーム7の先端を荷物の重心の真上に位置させる必要がなくなるため、玉掛け作業を簡素化することが可能となる。
また、本実施形態によれば、メインワイヤ21及びサブワイヤ25のそれぞれにおける張力の水平方向分力の算出と、水平方向分力の差が小さくなる位置へのブーム7の旋回と、を交互に繰り返すことにより、メインワイヤ21及びサブワイヤ25のそれぞれにおける張力の水平方向分力が均等となるようにブーム7を旋回させる構成としている。これにより、ブーム7の旋回時に生じる誤差等を低減させることができる。
また、本実施形態によれば、制御部100はメインウインチ9及びサブウインチ10によるメインワイヤ21及びサブワイヤ25の巻き入れ及び巻き出しを制御することにより、メインワイヤ21及びサブワイヤ25の緊張を維持した状態で、旋回装置12を駆動させてブーム7を荷物Bの重心Gの上方に旋回させる構成としている。これにより、簡易な方法でメインワイヤ21及びサブワイヤ25における張力の水平方向分力を均等にすることが可能となる。
1 クレーン
7 ブーム
9 メインウインチ
10 サブウインチ
12 旋回装置
21 メインワイヤ(第一ワイヤロープ)
25 サブワイヤ(第二ワイヤロープ)
B 荷物
G 重心

Claims (3)

  1. ブームと、
    前記ブームを旋回させる旋回装置と、
    前記ブームの基端側から先端側へ架け渡される第一ワイヤロープと、
    前記第一ワイヤロープの巻き入れ及び巻き出しをする第一ウインチと、
    前記ブームの基端側から先端側へ架け渡される第二ワイヤロープと、
    前記第二ワイヤロープの巻き入れ及び巻き出しをする第二ウインチと、
    前記第一ワイヤロープ及び前記第二ワイヤロープのそれぞれの張力を測定する張力測定部と、
    前記第一ワイヤロープ及び前記第二ワイヤロープのそれぞれの吊下角度を測定する吊下角度測定部と、
    前記第一ワイヤロープ及び前記第二ワイヤロープのそれぞれの吊下長さを測定する吊下長さ測定部と、
    前記第一のウインチ及び前記第二のウインチによる前記第一ワイヤロープ及び前記第二ワイヤロープの巻き入れ及び巻き出し、及び、前記旋回装置による前記ブームの旋回を制御する制御部と、を備え、
    前記第一ワイヤロープと前記第二ワイヤロープとによって一の荷物を吊り上げて該荷物を運搬自在とするクレーンであって、
    前記制御部は、前記荷物の吊り上げを開始する前に、
    前記張力測定部で測定した前記張力と、前記吊下角度測定部で測定した前記吊下角度と、前記吊下長さ測定部で測定した前記吊下長さと、に基づいて、前記第一ワイヤロープ及び前記第二ワイヤロープのそれぞれにおける張力の水平方向分力を算出し、
    前記第一ワイヤロープにおける張力の水平方向分力と前記第二ワイヤロープにおける張力の水平方向分力が均等となるように前記ブームを旋回させる、ことを特徴とするクレーン。
  2. ブームと、
    前記ブームを旋回させる旋回装置と、
    前記ブームの基端側から先端側へ架け渡される第一ワイヤロープと、
    前記第一ワイヤロープの巻き入れ及び巻き出しをする第一ウインチと、
    前記ブームの基端側から先端側へ架け渡される第二ワイヤロープと、
    前記第二ワイヤロープの巻き入れ及び巻き出しをする第二ウインチと、
    前記第一ワイヤロープ及び前記第二ワイヤロープのそれぞれの張力を測定する張力測定部と、
    前記第一ワイヤロープ及び前記第二ワイヤロープのそれぞれの吊下角度を測定する吊下角度測定部と、
    前記第一ワイヤロープ及び前記第二ワイヤロープのそれぞれの吊下長さを測定する吊下長さ測定部と、
    前記第一のウインチ及び前記第二のウインチによる前記第一ワイヤロープ及び前記第二ワイヤロープの巻き入れ及び巻き出し、及び、前記旋回装置による前記ブームの旋回を制御する制御部と、を備え、
    前記第一ワイヤロープと前記第二ワイヤロープとによって一の荷物を吊り上げて該荷物を運搬自在とするクレーンであって、
    前記制御部は、前記荷物の吊り上げを開始する前に、
    前記張力測定部で測定した前記張力と、前記吊下角度測定部で測定した前記吊下角度と、前記吊下長さ測定部で測定した前記吊下長さと、に基づく、前記第一ワイヤロープ及び前記第二ワイヤロープのそれぞれにおける張力の水平方向分力の算出と、前記第一ワイヤロープ及び前記第二ワイヤロープにおける張力の水平方向分力の差が小さくなる位置への前記ブームの旋回と、を交互に繰り返すことにより、前記第一ワイヤロープ及び前記第二ワイヤロープにおける張力の水平方向分力が均等になるように前記ブームを旋回させる、ことを特徴とするクレーン。
  3. 前記制御部は、前記第一ウインチ及び前記第二ウインチによる前記第一ワイヤロープ及び前記第二ワイヤロープの巻き入れ及び巻き出しを制御することにより前記第一ワイヤロープ及び前記第二ワイヤロープの緊張を維持した状態で、前記旋回装置を駆動させて前記ブームを前記荷物の重心位置の上方に旋回させることにより、前記第一ワイヤロープ及び前記第二ワイヤロープにおける張力の水平方向分力を均等にする、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のクレーン。
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