JP2018095159A - ステアリング装置 - Google Patents

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吉岡 雅弘
Masahiro Yoshioka
雅弘 吉岡
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Abstract

【課題】ハウジングの内部に浸入した水が凍結することに起因する操舵トルク増大を抑制することができるステアリング装置を提供すること。
【解決手段】従動プーリにおけるフランジ部と反対側の端部には、有底円筒状のカバー60が設けられている。カバー60は、ロックナットの外周面に圧入嵌合されることで従動プーリと一体回転可能である。カバー60は、円板状の底壁61と底壁61の外縁から軸方向に延びる円筒状の側壁62とを有している。カバー60の底壁61には、貫通孔61aが設けられており、ラックシャフトが挿通されている。カバー60の側壁62の内周面62aの形状は、ロックナットの外周面と同一の形状(六角形状)をなしている。側壁62の外周面62bは、滑らかな円筒面をなしている。
【選択図】図3

Description

本発明は、ステアリング装置に関する。
従来、特許文献1に記載のあるように、車両のラックシャフトの中心軸に対してモータの出力軸が平行に配置された電動パワーステアリング装置が知られている。
上記の電動パワーステアリング装置は、ラックシャフトの外周面に取り付けられたボールねじ機構、モータの出力軸の回転を減速してボールねじ機構に伝達する減速機構、並びにボールねじ機構および減速機構の周囲を覆う円筒状のハウジングを備えている。
ボールねじ機構は、ラックシャフトの外周面に複数のボールを介して螺合された円筒状のナットを備えている。ナットは、ボールベアリングを介してハウジングの内周面に対して回転可能に支持されている。ナットが、ラックシャフトに対して相対回転することによりラックシャフトに軸方向の力が付与される。減速機構は、ナットの外周面に嵌合された従動プーリ、モータの出力軸に取り付けられた駆動プーリ、および両プーリに巻きかけられたベルトを備えている。モータの回転は、両プーリおよびベルトを介してナットに伝達される。減速機構の従動プーリおよびボールベアリングの内輪は、それらの軸方向において、ナットの第1の端部に螺合されたロックナットと、ナットの第2の端部に設けられたフランジ部とによって挟持されている。特許文献1に記載がないものの、例えば六角形状のロックナットが存在するハウジングの両端部とラックシャフトの両端に設けられたタイロッドとの間は、ブーツにより封止されている。これにより、ハウジングの内部に水をはじめとする異物が進入することが抑制される。
特開2015−594号公報
しかし、車両走行時に路面の障害物等によってブーツに孔が開いてしまい、その孔からハウジングの内部に水が浸入するおそれがある。冬季などにおいて、この浸入した水が、例えば、ロックナットの周辺に達して凍結したとき、その凍結した氷にロックナットの外面の非円形部位(六角形状の角部)が接触することで、ボールねじナットの円滑な回転、ひいては円滑なアシストが阻害されて操舵トルクが本来よりも大きくなるおそれがある。
本発明の目的は、ハウジングの内部に浸入した水が凍結することに起因する操舵トルク増大を抑制することができるステアリング装置を提供することである。
上記目的を達成し得るステアリング装置は、モータと、軸方向に往復運動する転舵シャフトと、前記転舵シャフトに複数のボールを介して螺合された円筒状のボールねじナットと、前記ボールねじナットの外周面に嵌合されるとともに、前記モータの駆動に連動して前記ボールねじナットと一体的に回転する円筒状の動力伝達部材と、前記転舵シャフト、前記ボールねじナットおよび前記動力伝達部材を収容しているハウジングと、前記動力伝達部材を前記ハウジングの内周面に対して、回転可能に支持する軸受と、前記動力伝達部材の内周面に取り付けられるとともに、前記動力伝達部材の内部の内径を拡大することで形成される段部との間で前記ボールねじナットの一部分を挟み込むものであって、非円形状の内周面を有する円環状の第1締結体と、前記動力伝達部材における前記第1締結体と反対側の端部の外周面に取り付けられるとともに、前記軸受の内輪を前記動力伝達部材の外径を拡大することで形成される段部との間に挟みこむものであって、非円形状の外周面を有する円環状の第2締結体と、前記第2締結体の外周面に嵌合されたカバーと、を備えることを前提としている。前記第2締結体の外周面に嵌合される前記カバーの第1嵌合部における外周面は、前記動力伝達部材の中心軸を回転中心とする回転面を有する。
ステアリング装置内に水が浸入するおそれがある。この浸入した水がハウジングの内部におけるボールねじナットの周辺に到達し、冬季などにおいては、例えば、カバーの周辺に達した水が凍結することも考えられる。
その点、上記構成においては、カバーの周辺に達した水が凍結した状態で、カバーが動力伝達部材と一体回転したとしても、氷はカバーの回転面に対して滑る。回転面には、氷に対して引かかる部分は存在しない。このため、カバー、ひいては動力伝達部材およびボールねじナットは、円滑に回転する。したがって、転舵シャフトには適切なアシスト力が付与されるため、凍結に起因する操舵トルクの増大を抑制することができる。
前記カバーの前記第1嵌合部における内周面は、前記第2締結体の外周面に対応した形状を有していることが好ましい。
上記構成によれば、カバーの第1嵌合部が第2締結体の外周面の形状であるため、カバーが第2締結体により密着した状態となる。そのため、カバーが第2締結体と一体回転しても、カバーが第2締結体から離脱することが抑制できる。
前記カバーには、前記第1嵌合部の端部から径方向内側に張り出す爪部が設けられており、前記第2締結体には、前記爪部が係合される溝部が設けられていることが好ましい。
上記構成によれば、カバーの第1嵌合部の端部における爪部を第2締結体の溝部に嵌合することで、第2締結体が回転するときにおいて、カバーが第2締結体から脱落することをより抑制することができる。
前記カバーは、前記第1締結体の内周面に嵌合される第2嵌合部を有し、前記第2嵌合部の内周面は、前記動力伝達部材の中心軸を回転中心とする回転面を有することが好ましい。
上記構成によれば、カバーにおける第2嵌合部の近傍に浸入した水が凍結した状態で、カバーが動力伝達部材と一体回転したとしても、氷は第2嵌合部の回転面上を滑る。したがって、カバー、ひいては、動力伝達部材およびボールねじナットは円滑に回転する。
前記カバーの前記第2嵌合部における内周面は、前記第1締結体の内周面に対応した形状を有していることが好ましい。
上記構成によれば、カバーの第2嵌合部は、第1締結体の外周面の形状に対応する形状であるため、カバーは、第1締結体に対してより密着した状態で圧入嵌合される。そのため、カバーがロック第1締結体と一体回転するとき、カバーの第1締結体からの脱落が抑制される。
前記カバーには、前記第2嵌合部の端部から径方向外側に張り出す爪部が設けられており、前記第1締結体には、前記爪部が係合される溝部が設けられていることが好ましい。
上記構成によれば、カバーの第2嵌合部の端部における爪部を第1締結体の溝部に嵌合することで、第1締結体が回転するときにおいて、カバーが第1締結体から脱落することをより抑制することができる。
前記動力伝達部材の外周面には、前記第2締結体が前記動力伝達部材から脱落することを抑制するものであって、非円形部位を有する止め輪が設けられ、前記カバーは、有底円筒状をなし、前記第2締結体に嵌合された状態において、前記止め輪がその内部に配置されるように形成されていることが好ましい。
上記構成によれば、カバーは、有底円筒状をなしており、カバーの内部には、第2締結体の他に止め輪が配置されている。このため、カバーによって囲まれた空間には、水が浸入してこない。したがって、第2締結体の非円形状における角部および止め輪の非円形部位に凍結した氷が接触することを抑制することができる。
前記カバーの表面には、撥水性を有するコーティング層が設けられていることが好ましい。
前記カバーは、撥水性を有する材料で形成されていることが好ましい。
上記構成によれば、カバーの表面を撥水性を有するコーティング層で覆うこと、カバーを撥水性を有する材料で形成することで、カバーに水が付着しにくくなる。そのため、カバーの表面について水が凍結して、その凍結した氷がハウジングの内部に接触することを抑制することができる。
上記のステアリング装置において、前記カバーは、その表面に付着した水滴の接触角が90度より大きくなるような撥水性を有することが好ましい。
本発明のステアリング装置によれば、凍結状況での操舵トルク増大を抑制することができる。
電動パワーステアリング装置の第1の実施形態の構成を示す断面図。 第1の実施形態の電動パワーステアリング装置におけるアシスト機構の概略構成を示す断面図。 (a)は、第1の実施形態におけるカバーの断面図、(b)は、第1の実施形態における軸方向からみたカバーの正面図。 第1の実施形態における止め輪の構成を示した概略図。 (a)は、第2の実施形態の電動パワーステアリング装置におけるアシスト機構の概略構成を示す断面図、(b)は、第2の実施形態におけるロックナットのフランジ部周辺の拡大断面図。 (a)は、第2の実施形態におけるカバーの断面図、(b)は、第2の実施形態におけるカバーの突部周辺の拡大断面図、(c)は、第2の実施形態における軸方向からみたカバーの正面図。 (a)は、他の実施形態におけるカバーの断面図、(b)は、他の実施形態における軸方向からみたカバーの正面図。 水滴とカバーの表面との間の接触角を示した概略図。
<第1の実施形態>
以下、ステアリング装置を電動パワーステアリング装置(以下、「EPS」という)に具体化した第1の実施形態を説明する。
図1に示すように、EPS1は、ユーザのステアリングホイール10の操作に基づいて転舵輪15,15を転舵させる操舵機構2、およびユーザのステアリングホイール10の操作を補助するアシスト機構3を備えている。
操舵機構2は、ステアリングシャフト11および転舵シャフトとしてのラックシャフト12を備えている。ラックシャフト12の外周面には、ねじ溝12aと、ラック歯12bとが設けられている。ステアリングシャフト11は、ステアリングホイール10と連結されたコラムシャフト11aと、コラムシャフト11aの下端部に連結されたインターミディエイトシャフト11bと、インターミディエイトシャフト11bの下端部に連結されたピニオンシャフト11cとを有している。ピニオンシャフト11cの下端部には、ピニオン歯11dが設けられている。ピニオン歯11dは、ラックシャフト12のラック歯12bと噛み合っている。
したがって、ステアリングシャフト11の回転運動は、ピニオンシャフト11cのピニオン歯11dとラックシャフト12のラック歯12bとの噛み合いを介してラックシャフト12の軸方向(図1中のX方向)の往復直線運動に変換される。当該往復直線運動が、ラックシャフト12の両軸端部にそれぞれ連結されたタイロッド14,14を介して、左右の転舵輪15,15にそれぞれ伝達されることにより、転舵輪15,15の転舵角が変化する。タイロッド14,14は、ラックシャフト12に対して角度が付いた状態で取り付けられている。
アシスト機構3は、ラックシャフト12の周囲に設けられている。アシスト機構3は、アシスト力の発生源であるモータ20と、ラックシャフト12の周囲に一体的に取り付けられたボールねじ機構30と、モータ20の回転軸21の回転力をボールねじ機構30に伝達するベルト式の減速機構40とを有している。アシスト機構3は、モータ20の回転軸21の回転力を減速機構40およびボールねじ機構30を介して、ラックシャフト12をその軸方向に往復直線運動させる力に変換する。このラックシャフト12に付与される軸方向の力がアシスト力となり、ユーザのステアリングホイール10の操作を補助する。
ボールねじ機構30、減速機構40、ピニオンシャフト11c、およびラックシャフト12は、ハウジング16に収容されている。ハウジング16は、減速機構40の付近で軸方向に分割された第1ハウジング16aおよび第2ハウジング16bを連結することにより構成されている。第1ハウジング16aおよび第2ハウジング16bの連結部分は、ラックシャフト12の延びる方向に対して交わる方向へ突出している。第2ハウジング16bの外壁(図中の右側壁)には、貫通孔22が設けられている。モータ20の回転軸21は、貫通孔22を通じて第2ハウジング16bの内部に伸びている。モータ20は、第2ハウジング16bに設けられたフランジ部17およびモータ20に設けられたフランジ部24をボルト23により連結することで、第2ハウジング16bに固定されている。回転軸21は、ラックシャフト12に対して平行である。
尚、ハウジング16の両端部と、タイロッド14,14との間には蛇腹状のブーツ18,18が設けられている。ブーツ18は、水や埃などの異物がハウジング16の内部に浸入することを抑制する。
次に、アシスト機構3について詳細に説明する。
図2に示すように、ボールねじ機構30は、ラックシャフト12に複数のボール32を介して螺合する円筒状のボールねじナット31を備えている。ボールねじナット31の内周面には、ラックシャフト12のねじ溝12aに対応する螺旋状のねじ溝33が設けられている。ボールねじナット31のねじ溝33とラックシャフト12のねじ溝12aにより囲まれる螺旋状の空間は、ボール32が転動する転動路Rとして機能する。また、図示しないが、ボールねじナット31には転動路Rの2箇所に開口して、当該2箇所の開口を短絡する循環路が設けられている。したがって、ボール32は、ボールねじナット31内の循環路を介して転動路R内を無限循環することができる。
減速機構40は、モータ20の回転軸21に一体的に取り付けられた駆動プーリ41、ボールねじナット31の外周に一体的に取り付けられた動力伝達部材としての従動プーリ42、および駆動プーリ41と従動プーリ42との間に巻きかけられたベルト43を備えている。ベルト43は、心線を含むゴム製の歯付きベルトである。また、駆動プーリ41および従動プーリ42は、歯付きプーリである。
ボールねじナット31の一端の外周面には、その周方向の全長に亘ってフランジ部31aが形成されている。ボールねじナット31の外周面には、ボールねじナット31のフランジ部31aの形状に対応して、ボールねじナット31を覆うように従動プーリ42が嵌合されている。すなわち、従動プーリ42の一端(図2中の右端)は、その内径が拡大されている。従動プーリ42の内部において、内径が拡大された部分(以後、内径拡大部と呼称)と拡大されていない部分との境界には段部42cが設けられている。フランジ部31aの当接面(図2中の左側面)は段部42cと当接している。
従動プーリ42の内径拡大部には、第1締結体としての円環状のロックスクリュー34が螺合されている。ロックスクリュー34の外周面にはねじ溝36が形成されている。従動プーリ42における内径拡大部の内周面において、その開口端から一定の範囲には、ねじ溝35が形成されている。ロックスクリュー34は、フランジ部31aに当接する位置まで、従動プーリ42の内径拡大部のねじ溝35が設けられた部分に螺合されている。従動プーリ42の段部42cと、ロックスクリュー34とでフランジ部31aが挟み込まれることで、ボールねじナット31は従動プーリ42と一体回転可能に固定されている。尚、ロックスクリュー34の内周面は、非円形状をなしている。具体的には、軸方向からみて、ロックスクリュー34の内周面は、十二角形状をなしている。
従動プーリ42は、円筒状の軸受44を介して第1ハウジング16aの内周面に対して回転可能に支持されている。例えば、軸受44は、複列アンギュラ玉軸受(一般的で汎用性のある形式の軸受)である。軸受44の内輪は、従動プーリ42における内径拡大部の外周面に設けられたフランジ部42aと、従動プーリ42におけるフランジ部42aと反対側の端部に螺合された第2締結体としての環状のロックナット46との間に挟持されることで固定されている。従動プーリ42のフランジ部42aと反対側の端部(図2中の左端部)における外周面には、ねじ溝48が設けられている。ロックナット46の内周面には、従動プーリ42のねじ溝48と螺合するねじ溝47が設けられている。ロックナット46の外周面は、非円形状をなしている。具体的には、軸方向からみて、ロックナット46の外周面は、六角形状をなしている。軸受44の外輪は、その外輪の軸方向両側に設けられている固定部材49を介して第1ハウジング16aと第2ハウジング16bとの間に挟持されることにより固定されている。
従動プーリ42の外周面においてロックナット46と反対側の部分に設けられた溝部には、止め輪45が嵌め込まれている。止め輪45は、軸方向においてロックナット46と隣接している。止め輪45によりロックナット46が従動プーリ42から抜け落ることが防止されている。
図4に示すように、止め輪45は、その一部が切り欠かれている略円環状をなしている。止め輪45は、その一部が切り欠かれている環状部45aと、環状部45aの切り欠かれた端部から止め輪45の径方向外側に延出している非円形部位としての一対の突出部45bを有している。
図2に示すように、従動プーリ42におけるフランジ部42aと反対側の端部には、有底円筒状のカバー60が設けられている。カバー60は、ロックナット46の外周面に圧入嵌合されることで従動プーリ42と一体回転可能である。カバー60の回転中心は、従動プーリ42の中心軸mと一致している。カバー60の底壁61にはラックシャフト12が貫通されている。カバー60の内部には、ロックナット46の一部および止め輪45が配置されている。カバー60の外周面と、第1ハウジング16aの内周面との間には隙間が設けられている。
図3(a)および図3(b)に示すように、カバー60は、円板状の底壁61と底壁61の外縁に設けられた円筒状の側壁62とを有している。カバー60の底壁61には、貫通孔61aが設けられている。貫通孔61aの内径は、ラックシャフト12の外径よりも大きく設定されている。貫通孔61aには、ラックシャフト12が挿通される。
図3(b)に示すように、カバー60の第1嵌合部としての側壁62の内周面62aの形状は、ロックナット46の外周面と同一の形状(具体的には、六角形状)をなしている。側壁62の外周面62bは、中心軸mを回転中心とする半径R1の回転面としての滑らかな円筒面をなしている。円筒面が滑らかであるとは、カバー60の外周面62bにカバー60の回転方向(図3(b)中のC方向)に対して交わる面を有する部位がない状態のことである。尚、カバー60の外周面62bは、中心軸mを含む平面上の任意の線を中心軸mの回りに回転して得られる回転面であればよい。
図8に示すように、カバー60は、撥水性を有する材料、例えば、ポリテトラフルオロエチレンで構成されている。ここで、撥水性を有するとは、カバー60の表面に対して水滴Wを滴下した状態において、カバー60の表面と水滴Wのなす接触角αが90より大きくなることをいう。また、接触角αとは、水滴Wのカバー60と接触する部分から、水滴Wの表面に対して接線を引いたとき、この接線とカバー60の表面のなす角度のうち水滴W側の角度のことをいう。
このような構成からなるアシスト機構3では、モータ20の回転軸21が回転すると、回転軸21と一体となって駆動プーリ41が回転する。駆動プーリ41の回転は、ベルト43を介して従動プーリ42に伝達されて、これにより従動プーリ42は回転する。この従動プーリ42の回転に伴って、ロックナット46およびカバー60も一体的に回転する。また、従動プーリ42に一体的に取り付けられたボールねじナット31も回転する。ボールねじナット31とラックシャフト12との間に介在される多数のボール32は、双方から負荷を受けて転動路R内を無限循環する。ボール32が無限循環することにより、ボールねじナット31に付与されるトルクがラックシャフト12の軸方向に沿った方向の力に変換される。このため、ラックシャフト12は、ボールねじナット31に対して軸方向に沿った方向に相対移動する。ラックシャフト12に付与される軸方向の力がアシスト力となり運転者のステアリング操作を補助する。
次に、本実施の形態にかかるEPS1の作用を説明しつつ、その効果を説明する。
(1)路面上の障害物等によって、ラックシャフト12の両端に設けられているブーツ18に穴が形成され、その穴からハウジング16の内部に水が浸入するおそれがある。この浸入した水がハウジング16の内部におけるボールねじナット31の周辺に到達し、冬季などにおいては、例えば、カバー60の外周面62bの周辺に達した水が凍結することも考えられる。この状態で、カバー60が従動プーリ42と一体回転したとしても、氷はカバー60の滑らかな円筒面である外周面62bに対して滑る。外周面62bには、氷に対して引かかる部分は存在しない。このため、カバー60、ひいては従動プーリ42およびボールねじナット31は、円滑に回転する。したがって、ラックシャフト12には適切なアシスト力が付与されるため、凍結に起因する操舵トルクの増大を抑制することができる。
(2)カバー60の内周面62aは、ロックナット46の外周面の形状(六角形状)と同じ形状であるため、カバー60はロックナット46に対してより密着した状態で圧入嵌合される。そのため、カバー60がロックナット46と一体回転するとき、カバー60のロックナット46からの脱落が抑制される。
(3)カバー60は、有底円筒状をなしており、カバー60の内部には、ロックナット46の他に止め輪45が配置されている。このため、カバー60の内部(底壁61の底面と側壁62の内周面)、ロックナット46の外面の一部(図2中の左側面)、および従動プーリ42の外周面によって囲まれた空間には、水が浸入してこない。したがって、ロックナット46の角部および止め輪45の一対の突出部45bに凍結した氷が接触することを抑制することができる。
(4)カバー60は撥水性を有する材料で構成されているため、カバー60の表面に水滴Wが付着しにくくなる。そのため、カバー60の表面についた水滴Wが凍結して、その凍結した氷がハウジング16の内部に接触することを抑制することができる。
<第2の実施形態>
以下、ステアリング装置の第2の実施形態を説明する。尚、同一の符号を付してその詳細な説明は割愛する。
図5(a)に示すように、従動プーリ42において、内径拡大部は、フランジ部42aと反対側の端部に設けられている。カバー60は、ロックナット46の外周面およびロックスクリュー34の内周面にそれぞれ嵌合される2つの部分を有している。
図6(a)に示すように、カバー60の底壁61の内面において、貫通孔61aの周縁部には、第2嵌合部としての円筒状の内壁63が設けられている。内壁63の内周面は貫通孔61aと連続している。
図6(c)に示すように、内壁63の内周面63aは、中心軸mを回転中心とする回転面としての滑らかな円筒面をなしている。内壁63の外周面63bは、ロックスクリュー34の内周面の形状(具体的には、十二角形状)に対応した十二角形状を有している。尚、カバー60の内周面63aは、中心軸mを含む平面上の任意の線を中心軸mの回りに回転して得られる回転面であればよい。
図6(a)に示すように、カバー60の側壁62において、底壁61と反対側の端部における内周面には、複数の突部64が設けられている。図6(c)に示すように、カバー60の突部64は、側壁62の内周面(六角形状)の各面に1つずつ設けられている。図6(b)に示すように、カバー60の突部64における底壁61側の側端面には、爪部65が設けられている。
図5(a)に示すように、カバー60の側壁62は、ロックナット46の外周面に嵌合されている。また、カバー60の内壁63は、ロックスクリュー34の内周面に嵌合されている。この状態において、カバー60の底壁61は、ロックスクリュー34と従動プーリ42に当接している。ロックナット46の外周面62bにおいて、軸受44と反対側の端部における外周面には、円環状のフランジ部46aが設けられている。カバー60の側壁62は、フランジ部46aの外周面に嵌合されている。
図5(b)に示すように、ロックナット46のフランジ部46aの軸受44側の側端面には、爪部65の形状に対応した溝部46bが設けられている。カバー60の側壁62をフランジ部46aの外周面に嵌合した状態において、カバー60の爪部65は、ロックナット46の溝部46bに嵌合されている。尚、ロックナット46の溝部46bは、軸方向からみてカバー60の突部64が設けられている位置に対応するように設けられている。
本実施の形態によれば、第1の実施形態の(1)〜(4)の効果に加えて、次の効果が得られる。
(5)カバー60における内壁63の内周面63aの近傍に浸入した水が凍結した状態で、カバー60が従動プーリ42と一体回転したとしても、氷は内壁63の滑らかな円筒面である内周面63a上を滑る。したがって、カバー60、ひいては、従動プーリ42およびボールねじナット31は円滑に回転する。
(6)カバー60の内壁63の外周面63bは、ロックスクリュー34の外周面の形状(十二角形状)と同じ形状であるため、カバー60は、ロックスクリュー34に対してより密着した状態で圧入嵌合される。そのため、カバー60がロックスクリュー34と一体回転するとき、カバー60のロックスクリュー34からの脱落が抑制される。
(7)カバー60の突部64における爪部65をロックナット46の溝部46bに嵌合することで、ロックナット46が回転するときにおいて、カバー60がロックナット46から脱落することをより抑制することができる。
尚、第1〜第3の実施形態は、技術的に矛盾が生じない範囲で以下のように変更してもよい。
・第1の実施形態において、カバー60の底壁61を割愛してもよい。第2の実施形態において、カバー60の底壁61および内壁63を割愛してもよい。また、第1および第2の実施形態において、図7に示すように、カバー60をロックナット46の外周面にだけ嵌合される円筒状にしてもよい。このようにしても、ロックナット46の外周面(六角形状)の角部に凍結した氷が接触しなくなる。ただし、カバー60を円筒状に形成した場合、止め輪45の一対の突出部45bが無くなるように円環状に設けることが好ましい。
・第1および第2の実施形態において、カバー60は、撥水性を有する材料としてのポリテトラフルオロエチレンで形成されていたが、その他にもポリクロロトリフルエチレン,ポリフッ化ビニリデン等で形成されていてもよい。
・また、第1および第2の実施形態において、カバー60は撥水性を有する材料としてのポリテトラフルオロエチレンで構成されていたが、撥水性を持たない材料で構成されていてもよい。この場合、図7(a)および図7(b)に示すように、カバー60の表面を撥水性を有する材料で構成されるコーディング層70で覆うようにすることが好ましい。
・第2の実施形態において、カバー60に突部64および爪部65を設けたが、これに限らない。たとえば、内壁63の底壁61と反対側の端部にも突部および爪部を設けてもよい。その場合、ロックスクリュー34の内周面側にもロックナット46の溝部46bと同様の溝部を設ける。このようにすることで、カバー60がロックナット46およびロックスクリュー34から脱落することをより抑制することができる。尚、突部64および爪部65を割愛してもよい。
・第1および第2の実施形態において、例えば、カバー60の側壁62における内周面62aおよびカバー60の内壁63における外周面63bの形状を円筒状にしてもよい。この場合、ロックナット46の外周面にカバー60の内周面62aが圧入嵌合されるように、およびロックスクリュー34の内周面にカバー60の内壁63における外周面63bが圧入嵌合されるように、カバー60の側壁62の内径およびカバー60の内壁63の外径を調整することが好ましい。
・第1および第2の実施形態では、モータ20の回転軸21およびラックシャフト12が平行であるEPS1に具体化して説明していたが、これに限らない。たとえば、モータ20の回転軸21とラックシャフト12が同軸となっていてもよい。具体的には、モータ20の回転軸21が中空のモータシャフトをなしており、モータシャフトの内部にボールねじナット31が嵌合される構成となる。このような構成となっていても、第1および第2の実施形態におけるカバー60を使用することで、同様の効果が得られる。
・第1および第2の実施形態において、カバー60の外周面62bおよび内周面63aは、滑らかな円筒面をなしていたが、例えば、円筒面ではなく、ひょうたん形の面を有していてもよい。すなわち、カバー60の外周面62bおよび内周面63aは、中心軸mを含む平面上の任意の線を中心軸mの回りに回転して得られる回転面であればよい。
1…EPS、12…ラックシャフト、16…ハウジング、20…モータ、31…ボールねじナット、32…ボール、34…ロックスクリュー、42…従動プーリ、42c…段部、44…軸受、45…止め輪、46…ロックナット、46b…溝部、60…カバー、61…底壁、62…側壁、62a…内周面、62b…外周面、63…内壁、63a…内周面、63b…外周面、64…突部、65…爪部、m…中心軸、α…接触角、W…水滴。

Claims (10)

  1. モータと、
    軸方向に往復運動する転舵シャフトと、
    前記転舵シャフトに複数のボールを介して螺合された円筒状のボールねじナットと、
    前記ボールねじナットの外周面に嵌合されるとともに、前記モータの駆動に連動して前記ボールねじナットと一体的に回転する円筒状の動力伝達部材と、
    前記転舵シャフト、前記ボールねじナットおよび前記動力伝達部材を収容しているハウジングと、
    前記動力伝達部材を前記ハウジングの内周面に対して、回転可能に支持する軸受と、
    前記動力伝達部材の内周面に取り付けられるとともに、前記動力伝達部材の内部の内径を拡大することで形成される段部との間で前記ボールねじナットの一部分を挟み込むものであって、非円形状の内周面を有する円環状の第1締結体と、
    前記動力伝達部材における前記第1締結体と反対側の端部の外周面に取り付けられるとともに、前記軸受の内輪を前記動力伝達部材の外径を拡大することで形成される段部との間に挟みこむものであって、非円形状の外周面を有する円環状の第2締結体と、
    前記第2締結体の外周面に嵌合されたカバーと、を備え、
    前記第2締結体の外周面に嵌合される前記カバーの第1嵌合部における外周面は、前記動力伝達部材の中心軸を回転中心とする回転面を有するステアリング装置。
  2. 前記カバーの前記第1嵌合部における内周面は、前記第2締結体の外周面に対応した形状を有している請求項1に記載のステアリング装置。
  3. 前記カバーには、前記第1嵌合部の端部から径方向内側に張り出す爪部が設けられており、
    前記第2締結体には、前記爪部が係合される溝部が設けられている請求項1または請求項2に記載のステアリング装置。
  4. 前記カバーは、前記第1締結体の内周面に嵌合される第2嵌合部を有し、
    前記第2嵌合部の内周面は、前記動力伝達部材の中心軸を回転中心とする回転面を有する請求項1〜3のいずれか一項に記載のステアリング装置。
  5. 前記カバーの前記第2嵌合部における内周面は、前記第1締結体の内周面に対応した形状を有している請求項4に記載のステアリング装置。
  6. 前記カバーには、前記第2嵌合部の端部から径方向外側に張り出す爪部が設けられており、
    前記第1締結体には、前記爪部が係合される溝部が設けられている請求項4または請求項5に記載のステアリング装置。
  7. 前記動力伝達部材の外周面には、前記第2締結体が前記動力伝達部材から脱落することを抑制するものであって、非円形部位を有する止め輪が設けられ、
    前記カバーは、有底円筒状をなし、前記第2締結体に嵌合された状態において、前記止め輪がその内部に配置されるように形成されている請求項1〜6のいずれか一項に記載のステアリング装置。
  8. 前記カバーの表面には、撥水性を有するコーティング層が設けられている請求項1〜7のいずれか一項に記載のステアリング装置。
  9. 前記カバーは、撥水性を有する材料で形成されている請求項1〜7のいずれか一項に記載のステアリング装置。
  10. 請求項8または請求項9に記載のステアリング装置において、
    前記カバーは、その表面に付着した水滴の接触角が90度より大きくなるような撥水性を有するステアリング装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20200031451A (ko) * 2018-09-14 2020-03-24 주식회사 만도 스티어 바이 와이어식 조향장치
CN114641632A (zh) * 2019-11-07 2022-06-17 日本精工株式会社 动力传递装置

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