JP2018093842A - 無洗米、および無洗米の製造方法 - Google Patents

無洗米、および無洗米の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の課題は、炊飯時に食用油を添加することなく、ほぐれ性や艶、風味等が均一な炊飯を得ることができる無洗米を提供することである。【解決手段】油脂の構成脂肪酸中に炭素数10〜12の直鎖飽和脂肪酸を10〜100質量%含有する15℃で固形状の油脂組成物が、生米の表面に付着している、無洗米。無洗米に固形状の油脂組成物を溶解・スプレー・冷却するか、無洗米に固形状の油脂組成物の粉末を混合して製造する。【選択図】なし

Description

本発明は、ご飯のほぐれ性や艶、食感を向上させ、風味に優れた炊飯が得られる無洗米、およびその製造方法に関する。
従来、ご飯のほぐれ性や艶、風味等を改善するために炊飯時に、水につけた生米に食用油を添加されることが行われている。これらの十分な効果を得るために、水との親和性が悪い食用油を均一に分散させる必要があり、食用油に乳化剤を添加する方法(特許文献1)、食用油中に中鎖脂肪酸トリグリセリドを含む方法(特許文献2)が提案されている。しかし、食用油の分散性は、炊飯スケールや炊飯釜の形状にも影響されるため、添加する油脂量や乳化剤含有量等を微調整する必要があった。
特開2002−153209号公報 特開2015−198590号公報
本発明の課題は、炊飯時に食用油を添加することなく、ほぐれ性や艶、風味等が均一な炊飯を得ることができる無洗米を提供することである。
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、特定の条件を満たす固形状の油脂組成物を、生米の表面に付着させることによって、炊飯時に食用油を添加することもなく、さらに、炊飯後の均一な、ほぐれ性や艶、風味等が得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記の[1]〜[9]を提供する。
[1] 油脂の構成脂肪酸中に炭素数10〜12の直鎖飽和脂肪酸を10〜100質量%含有する15℃で固形状の油脂組成物が、生米の表面に付着している、無洗米。
[2] 前記15℃で固形状の油脂組成物が粉末である、[1]に記載の無洗米。
[3] 前記粉末のゆるめ嵩密度が0.1〜0.6g/cm3である、[2]の無洗米。
[4] 前記固形状の油脂組成物に含まれる全トリグリセリドの全量を100質量%とした場合、1位〜3位に炭素数xの直鎖飽和脂肪酸残基Xを有するXXX型トリグリセリドを65〜99質量%と、前記XXX型トリグリセリドの直鎖飽和脂肪酸残基Xの1つを炭素数yの直鎖飽和脂肪酸残基Yに置換した1種以上のX2Y型トリグリセリドを35〜1質量%とを含有する油脂組成物であって、前記炭素数xは10〜12から選択される整数であり、前記炭素数yは、それぞれ独立して、x+2〜x+12から選択される整数でありかつy≦22である、[1]〜[4]のいずれかの無洗米。
[5] 前記XXX型トリグリセリドが80〜99質量%、前記1種以上のX2Y型トリグリセリドの合計が20〜1質量%である[1]〜[4]のいずれかの無洗米。
[6] 前記yが、それぞれ独立して、x+2〜x+10から選択される整数でありかつy≦22である、[1]〜[5]のいずれかの無洗米。
[7] 前記yが、それぞれ独立して、x+4〜x+8から選択される整数でありかつy≦22である、[1]〜[6]のいずれかに記載の無洗米。
[8] 前記15℃で固形状の油脂組成物が、生米100質量部に対して0.3〜15質量部の割合で生米に付着されている、[1]〜[7]のいずれかに記載の無洗米。
[9] 油脂の構成脂肪酸中に炭素数10〜12の直鎖飽和脂肪酸を10〜100質量%含有する15℃で固形状の油脂組成物を溶解し、無洗米にスプレーし、その後冷却する、無洗米の製造方法。
[10] 油脂の構成脂肪酸中に炭素数10〜12の直鎖飽和脂肪酸を10〜100質量%含有し、15℃で固形状である油脂組成物の粉末を、無洗米に混合する、無洗米の製造方法。
本発明によれば、特定の条件を満たす固形状の油脂組成物を、生米の表面に付着させることによって、炊飯時に食用油を添加することもなく、さらに、炊飯後の均一な、ほぐれ性や艶、風味等を有する炊飯が得られる無洗米、および無洗米の製造方法を提供することができる。
以下、本発明の「無洗米」について詳細に例示説明する。なお、本発明の実施の形態において、A(数値)〜B(数値)は、A以上B以下を意味する。
<無洗米>
本発明では、後述する固形状の油脂組成物が生米の表面に付着している状態である無洗米である。本発明において、無洗米とは、研ぎ洗いすることなく水を加えて炊くだけで食べられるように加工された米のことであり、精白で少し残ってしまう肌糠(ぬか)をあらかじめ取り去ってあるために、この糠を洗い落とすための研ぎ洗い作業の必要がない米である。肌糠をあらかじめ取り去る方法としては、特に限定するものではないが、水洗い乾燥法・湿式法、乾式法、BG製法、NTWP製法などが挙げられる。なお、無洗米に使用される米は、ジャポニカ種、インディカ種、ジャパニカ種及びそれらの交配によって生じた品種を用いることができる。
<固形状の油脂組成物>
本発明は、生米の表面に付着している固形状の油脂組成物として、油脂の構成脂肪酸中に炭素数10〜12の直鎖飽和脂肪酸を10〜100質量%含有する15℃で固形状の油脂組成物を用いる。生米に付着させる油脂組成物は、長期間、空気(酸素)と接触するので、酸化を防止するために飽和脂肪酸であることが好ましく、また、保存時に生米に付着した油脂組成物が流れ落ちることを防ぐため、作業時のベトツキなどのハンドリングをよくするために油脂組成物は固形状であることが好ましい。そのため、15℃で固形状の油脂組成物を用いることが好ましい。
一方、融点が高すぎる油脂組成物を用いると、炊飯時には、加熱により固形状の油脂組成物は溶解するが、食事時には、冷却し固化することにより、ご飯粒が造粒してしまう可能性がある。そのため、適度な融点を示す炭素数10〜12の直鎖飽和脂肪酸を油脂の構成脂肪酸中に10〜100質量%含有する油脂組成物を用いる。油脂組成物の融点が40℃以下であれば、食事時に直ちに固化することなく好ましく、融点が15〜35℃であることがより好ましく、融点が25〜35℃であることがさらに好ましい。炭素数10〜12の直鎖飽和脂肪酸は、より好ましくはカプリン酸である。炭素数10〜12の直鎖飽和脂肪酸の油脂の構成脂肪酸中の含有量は50〜100質量%がより好ましく、60〜100質量%がさらに好ましい。
本発明で用いる固形状の油脂組成物は、生米の表面に付着している固形状の油脂組成物は、生米に付着させるとき、あるいは付着させた後に粉末状であることが、生米が造粒しない点で好ましい。
本発明で用いる固形状の油脂組成物の粉末時のゆるめ嵩密度は、例えば実質的に油脂のみからなる場合、0.1〜0.6g/cm3、好ましくは0.15〜0.5g/cm3であり、より好ましくは0.2〜0.4g/cm3である。ここで「ゆるめ嵩密度」とは、粉体を自然落下させた状態の充填密度である。ゆるめ嵩密度(g/cm3)の測定は、例えば、内径15mm×25mLのメスシリンダーに、当該メスシリンダーの上部開口端から2cm程度上方からコーティング用粉末油脂組成物の適量を落下させて疎充填し、充填された質量(g)の測定と容量(cm3)の読み取りを行い、cm3当たりの当該コーティング用粉末油脂組成物の質量(g)を算出することで求めることができる。また、ゆるめ嵩密度は、(株)蔵持科学器械製作所のカサ比重測定器を使用し、JIS K−6720(又はISO 1060−1及び2)に基づいて測定したカサ比重から算出することもできる。具体的には、試料120cm3を、受器(内径40mm×高さ85mmの100cm3円柱形容器)の上部開口部から38mmの高さの位置から、該受器に落とす。受器から盛り上がった試料はすり落とし、受器の内容積(100cm3)分の試料の質量(Ag)を秤量し、以下の式からゆるめ嵩密度を求めることができる。
ゆるめ嵩密度(g/cm3)=A(g)/100(cm3
測定は3回行ってその平均値を取ることが好ましい。
油脂の構成脂肪酸中に炭素数10〜12の直鎖飽和脂肪酸を10〜100質量%含有する15℃で固形状の油脂組成物として、トリカプリン、トリラウリンのほか、これらのトリグリセリド中に他の脂肪酸を含む合成油、あるいはヤシ油、パーム核油、ヤシ油分別油、パーム核油分別油の硬化油を用いることができる。なお、本発明で用いる固形状の油脂組成物は、本発明の効果を損なわない限り、その他のトリグリセリドを含んでいてもよい。その他のトリグリセリドは、複数の種類のトリグリセリドであってもよく、合成油脂であっても天然油脂であってもよい。合成油脂としては、ジカプリル酸モノカプリン酸グリセリル等が挙げられる。天然油脂としては、例えば、菜種油、大豆油、ひまわり油、コーン油、ゴマ油、綿実油、紅花油、パーム油、パーム核油、パーム油又はパーム核油の分別油、ココアバター等が挙げられる。本発明の油脂組成物中の全トリグリセリドを100質量%とした場合、その他のトリグリセリドは、1質量%以上、例えば、5〜50質量%程度含まれていても問題はない。その他のトリグリセリドの含有量は、例えば、0〜50質量%、好ましくは0〜30質量%、より好ましくは0〜18質量%、更に好ましくは0〜15質量%、最も好ましくは0〜8質量%である。
油脂の構成脂肪酸中に炭素数10〜12の直鎖飽和脂肪酸を10〜100質量%含有する15℃で固形状の油脂組成物として、以下の油脂組成物を用いると、油脂組成物を冷却することにより、機械粉砕等特別の加工手段を採らなくても、粉末状になるので好ましい。これらの効果により、無洗米に付着した油脂組成物が、作業時の摩擦や保管時の加熱等で仮に溶解して、再固化しても、無洗米と無洗米を接着する油脂組成物が、粉末になり崩壊するので、無洗米の造粒防止になり、好ましい。
上記油脂組成物は、油脂組成物に含まれるトリグリセリドの全量を100質量%とした場合、1位〜3位に炭素数xの直鎖飽和脂肪酸残基Xを有する1種類又はそれ以上のXXX型トリグリセリドを65〜99質量%と、前記XXX型トリグリセリドの直鎖飽和脂肪酸残基Xの1つを炭素数yの直鎖飽和脂肪酸残基Yに置換した1種以上のX2Y型トリグリセリドを35〜1質量%とを含有する油脂組成物であって、前記炭素数xは8〜20から選択される整数であり、前記炭素数yは、それぞれ独立して、x+2〜x+12から選択される整数でありかつy≦22である条件から選ばれる、油脂組成物である。上記2種類のトリグリセリドを上記質量%にて含む当該油脂組成物は、乳化剤、賦形剤等の添加剤を含めることなく、容易に粉末状となる。当該油脂組成物については、先に出願したPCT/JP2015/070850(特願2014−149168号)において、油脂組成物及び粉末油脂組成物として詳しく説明されているので、ここでは詳細を割愛する。
前述のXXX型トリグリセリドは、単一種又は複数種、好ましくは単一種(1種類)のXXX型トリグリセリドである。当該XXX型トリグリセリドは、1位〜3位に炭素数xの直鎖飽和脂肪酸残基Xを有するトリグリセリドであり、各脂肪酸残基Xは互いに同一である。ここで、当該炭素数xは10〜12から選択される整数であり、好ましくは、カプリン酸及び/又はラウリル酸であり、より好ましくはカプリン酸である。
XXX型トリグリセリドは、油脂組成物中の全トリグリセリドを100質量%とした場合、65〜99質量%含まれる。XXX型トリグリセリドの含有量として好ましくは、75〜99質量%であり、より好ましくは80〜99質量%であり、更に好ましくは83〜98質量%であり、特に好ましくは85〜98質量%であり、殊更好ましくは90〜98質量%である。
前述X2Y型トリグリセリドは、上記XXX型トリグリセリドの脂肪酸残基Xの1つを炭素数yの脂肪酸残基Yに置換したX2Y型トリグリセリドを1種以上含む。ここで、1つのX2Y型トリグリセリドに含まれる各脂肪酸残基Xは互いに同一であり、かつXXX型トリグリセリドの脂肪酸残基Xとも同一である。当該1つのX2Y型トリグリセリドに含まれる脂肪酸残基Yの炭素数yはx+2〜x+12でありかつy≦22である条件から選ばれる整数である。炭素数yは、好ましくはy=x+2〜x+10を満たし、より好ましくはy=x+4〜x+8を満たす条件から選ばれる整数である。また、炭素数yの上限値は、好ましくはy≦20であり、より好ましくはy≦18である。本発明の油脂組成物は複数、例えば、2種類〜5種類、好ましくは3〜4種類のX2Y型トリグリセリドを含んでいてもよく、その場合の各X2Y型トリグリセリドの定義は上述の通りである。各X2Y型トリグリセリドの脂肪酸残基Yの炭素数yは、上述の範囲内から、各X2Y型トリグリセリドごとにそれぞれ独立して選択される。例えば、本発明の油脂組成物を、トリカプリンとパーム核ステアリン極度硬化油とをエステル交換して製造する場合は、xは共通してx=10であるが、yはそれぞれy=12、14、16及び18である4種類のX2Y型トリグリセリドを含む。
脂肪酸残基Yは、飽和あるいは不飽和の脂肪酸残基であってもよい。具体的な脂肪酸残基Yとしては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸及びベヘン酸等の残基が挙げられるがこれに限定するものではない。脂肪酸としてより好ましくは、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸及びベヘン酸であり、さらに好ましくは、ミリスチン酸、パルミチン酸及びステアリン酸である。
このX2Y型トリグリセリドの脂肪酸残基Yは、1位〜3位の何れに配置していてもよい。
X2Y型トリグリセリドは、油脂組成物中の全トリグリセリドを100質量%とした場合、35〜1質量%含まれる。X2Y型トリグリセリドの含有量としては、例えば、25〜1質量%であり、好ましくは20〜1質量%であり、より好ましくは17〜1質量%であり、更に好ましくは15〜2質量%であり、殊更好ましくは10〜2質量%である。本発明の油脂組成物に複数のX2Y型トリグリセリドが含まれる場合、上記X2Y型トリグリセリドの量は、含まれるX2Y型トリグリセリドの合計量である。
上記XXX型トリグリセリドと上記X2Y型トリグリセリドを含有する油脂組成物を任意に加熱・融解して溶融状態の油脂組成物を得、その後冷却すると溶融状態の油脂組成物よりも体積が増加した空隙を有する固形物が形成される。得られた該固形物を外部より軽く衝撃を加えて粉砕する(ほぐす)ことで容易に固形状の油脂組成物が粉末化する。なお、粉末の油脂組成物の粒径は特に制限されないが、JIS標準篩で100メッシュ以上、好ましくは120メッシュ以上、より好ましくは170メッシュ以上のメッシュをパスするような範囲を例示することができる。
本発明で用いる固形状の油脂組成物は、上記トリグリセリドの他、任意乳化剤、酸化防止剤、香料、デキストリン等のその他の成分を含んでいてもよい。これらその他の成分の量は、本発明の効果を損なわない限り任意の量とすることができるが、例えば、油脂組成物の全質量を100質量%とした場合、0〜70質量%、好ましくは0〜20質量%、より好ましくは0〜5質量%である。
本発明で用いる固形状の油脂組成物は、生米100質量部に対して0.3〜15質量部付着していることが好ましく、より好ましくは0.3〜3質量%であり、さらに好ましくは0.5〜1質量%である。
<無洗米の製造方法>
本発明の無洗米の製造方法は、油脂の構成脂肪酸中に炭素数10〜12の直鎖飽和脂肪酸を10〜100質量%含有する15℃で固形状の油脂組成物を溶解し、無洗米に溶解した油脂組成物をスプレーし、その後冷却する工程、を含む製造方法(A)である。または、油脂の構成脂肪酸中に炭素数10〜12の直鎖飽和脂肪酸を10〜100質量%含有し、15℃で固形状である油脂組成物の粉末を、無洗米に混合する工程、を含む製造方法(B)である。
本発明の無洗米の製造方法では、肌糠(ぬか)をあらかじめ取り去った生米を用いるが、前記<無洗米>に記載のものを用いることができる。また、油脂の構成脂肪酸中に炭素数10〜12の直鎖飽和脂肪酸を10〜100質量%含有する15℃で固形状の油脂組成物、あるいは粉末油脂組成物は、前述の<固形状の油脂組成物>に記載のものを用いることができる。
製造方法(A)における、固形状の油脂組成物の溶解は油脂の融点以上である必要があり、好ましくは40℃以上、より好ましくは50℃以上、さらに好ましくは60℃以上に加熱する。また、油脂組成物の熱劣化を防止する点から、加熱は150℃以下が好ましく、より好ましくは120℃以下、さらに好ましくは100℃以下である。最も好ましい範囲は、60〜80℃で加熱することが好ましい。
スプレーは、均一に生米に付着するように、生米を回転させながら、溶解した油脂組成物をスプレーすることが好ましい。例えば、タンクの中で生米を混ぜながら、あるいは、生米を転がらせながら、スプレーする方法などが挙げられる。
スプレー後に冷却するが、冷却温度は、油脂組成物の融点以下であればよいが、効率的に油脂組成物を固化するために、油脂組成物の融点より10℃以上低い冷却温度が好ましい。例えば、融点が40〜60℃の油脂組成物の場合、冷却温度は0〜25℃が好ましい。
なお、スプレー時に予め生米を冷やしておくと、油脂組成物の固化が促進され、好ましい。
製造方法(B)において、15℃で固形状である油脂組成物の粉末を用いるが、油脂組成物の粉末化は、油脂を液体窒素中で凍結粉砕する方法等や、極度硬化油等の常温で固体脂含量が高い油脂を粉砕機で粉砕後、篩で粒度を揃える方法や、極度硬化油等の常温で固体脂含量が高い油脂を融解し、直接噴霧する方法のほか、前述の<固形状の油脂組成物>で記載した粉末を用いてもよい。
15℃で固形状である油脂組成物の粉末と無洗米を混合する工程における混合は、摩擦熱等により、粉末状の油脂組成物が融解しないことが好ましく、40℃以下、あるいは融点以下に冷却しながら撹拌することが好ましい。
次に、実施例、比較例及び参考例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらに何ら制限されるものではない。また。以下において「%」とは、特別な記載がない場合、質量%を示す。
<原料油脂>
原料油脂1:トリカプリン
原料油脂2:パーム油硬化油
原料油脂3:MCT(カプリル酸:カプリン酸=75:25のトリグリセリド
原料油脂4:菜種サラダ油
原料油脂5:粉末油脂

〔原料油脂5の製造 :x=10、y=14〕
攪拌機、温度計、窒素ガス吹込管及び水分分離機を備えた500mLの四つ口フラスコに、グリセリン(阪本薬品工業社製)44.4g(0.482mol)と、ミリスチン酸(Palmac98−14(アシッドケム社製))25.6g(0.112mol)とカプリン酸(Palmac99−10(アシッドケム社製))265.6g(1.541mol)を仕込み、窒素気流下、250℃の温度で15時間反応させた。過剰のカプリン酸を190℃、減圧下にて留去した後、脱色・濾過、脱臭を行い、50℃において淡黄色液状の反応物を186g得た(XXX型:80.6質量%、X2Y型:17.0質量%)。得られた反応物80gとトリカプリン(日清オイリオグループ株式会社製)120gを混合し原料油脂とした(XXX型:91.9質量%、X2Y型:6.8質量%)。原料油脂を27恒温槽にて品温が27℃になるまで冷却した後、上記トリカプリン(日清オイリオグループ株式会社製)を液体窒素で冷却固化させ、凍結粉砕機(アズワン株式会社製)で粉砕した油脂粉末を原料油脂に対して0.1質量%添加し、20℃恒温槽にて6時間静置し、体積が増加した空隙を有する固形物を形成させた後、ほぐすことで粉末状の結晶組成物を得た(ゆるめ嵩密度:0.2g/cm3、平均粒径75μm)。
ここで、ゆるめ嵩密度は、(株)蔵持科学器械製作所のカサ比重測定器を使用し、JIS K-6720(又はISO 1060-1及び2)に基づいて測定したカサ比重から算出した。具体的には、試料120mLを、受器(内径40mm×高さ85mmの100mL円柱形容器)の上部開口部から38mmの高さの位置から、該受器に落とした。続いて、受器から盛り上がった試料をすり落とし、受器の内容積(100mL)分の試料の質量(Ag)を秤量し、以下の式からゆるめ嵩密度を求めた。
ゆるめ嵩密度(g/mL)=A(g)/100(mL)
測定は3回行って、その平均値を測定値とした。
ここで、平均粒径は、日機装株式会社製 Microtrac MT3300ExII)でレーザー回折散乱法(ISO133201、ISO9276−1)に基づいて測定した。
Figure 2018093842
<無洗米1>
「秋田県産無洗米あきたこまち」を無洗米1とした。
<無洗米2:実施例1>
原料油脂1を60℃で溶解した。無洗米1(5kg)を撹拌しながら、溶解した原料油脂1(25g)をスプレーした。スプレー後、5℃で2時間冷却して無洗米2を得た。
<無洗米3:実施例2>
原料油脂1(100g)と原料油脂2(各100g)を60℃で溶解しながら混合し、混合油脂を得た。無洗米1(5kg)を撹拌しながら、溶解した混合油脂(50g)をスプレーした。スプレー後、5℃で2時間冷却して無洗米3を得た。
<無洗米4:実施例3>
原料油脂1を60℃で溶解した。無洗米1(5kg)を撹拌しながら、溶解した原料油脂1(500g)をスプレーした。スプレー後、5℃で2時間冷却して無洗米4を得た。
<無洗米5:比較例1>
無洗米1(5kg)を撹拌しながら、60℃に加温した原料油脂3(25g)をスプレーした。スプレー後、5℃で2時間冷却して無洗米5を得た。
<無洗米6:比較例2>
無洗米1(5kg)を撹拌しながら、60℃に加温した原料油脂4(25g)をスプレーした。スプレー後、5℃で2時間冷却して無洗米6を得た。
<無洗米7:実施例4>
原料油脂5(粉末 100g)と5kgの無洗米1(5kg)を撹拌しながら混合して無洗米7を得た。
<実施例5〜8、比較例3〜5の無洗米の炊飯>
無洗米1〜7を20℃で2ヶ月間、タンクにて保管した。その後、家庭用炊飯ジャーで無洗米を450g(3合)、又は業務用IH炊飯ジャーで無洗米を4.5kg(3升)炊飯した。炊き上がった米飯をパットに移して15℃で1時間放置し、米飯のほぐれ性、艶、食感、風味を官能評価した。結果を表2に示す。
<参考例1の無洗米の炊飯>
無洗米1を、20℃で2ヶ月間、タンクにて保管した。その後、家庭用炊飯ジャーで無洗米1を450g(3合)水とともに仕込み、原料油脂1を3.5g添加し、炊飯した。炊き上がった米飯をパットに移して15℃で1時間放置し、米飯のほぐれ性、艶、食感、風味を官能評価した。また、炊飯条件のスケールを大きく(業務用IH炊飯ジャー 無洗米4.5kg(3升)、原料油脂1 22.5g)して同様に評価を行った。結果を表2に示す。
[官能評価]
上記のように得られた米飯について、5名の専門パネラーによる官能評価を行った。官
能評価の観点は以下のとおりである。
<ご飯のほぐれ性評価>
◎:ご飯1粒ずつがそれぞれくっつかず、ほぐれている
○:ご飯どうしがさほどくっつかず、ほぐれている
△:ご飯の塊がところどころにみとめられる
×:ご飯全体がねばついていて塊となり、ほぐれていない
<ご飯の艶評価>
◎:光沢があり、つやつやしている
○:やや光沢がある
△:光沢がない
×:くすんでいる
<ご飯の食感評価>
◎:ご飯粒それぞれに粘りがあり、油脂などを添加していないご飯本来の食感が感じられ

○:ご飯粒に粘りが残っており、油脂を添加してないご飯本来の食感に近い
△:ご飯粒に粘りが少なく、ご飯本来の食感を感じない
×:ご飯粒に粘りがなく、かつ、ご飯本来の味がなく、まずい
<ご飯の臭い>
◎:ご飯本来の風味が残っており、異臭を感じない
○:ご飯本来の風味が残っており、異臭をさほど感じない
△:ご飯本来の風味が感じられず、異臭を少し感じる
×:ご飯本来の風味がなく、異味異臭を感じる
<ご飯の雑味>
◎:ご飯本来の味を有し、雑味を感じない
○:ご飯本来の味を有し、雑味をさほど感じない
△:ご飯本来の味がやや損なわれている
×:ご飯本来の風味がなく、異味を感じる
Figure 2018093842
表2の結果から明らかであるように、本発明の無洗米2〜4,及び7は、無洗米1,5,6に比べて、ほぐれ性や艶、風味等が良好な炊飯を得ることができた。さらに、炊飯時に油脂を添加する参考例に比べて、均一で良好な炊飯を得ることができた。
<実施例9:無洗米の炊飯>
無洗米6,7を各200、紙袋に入れ、40℃で3時間保管し、15℃で24時間保管した。無洗米6の一部は、造粒がみられたが、無洗米7は造粒がみられなかった。

Claims (10)

  1. 油脂の構成脂肪酸中に炭素数10〜12の直鎖飽和脂肪酸を10〜100質量%含有する15℃で固形状の油脂組成物が、生米の表面に付着している、無洗米。
  2. 前記15℃で固形状の油脂組成物が粉末である、請求項1に記載の無洗米。
  3. 前記粉末のゆるめ嵩密度が0.1〜0.6g/cm3である、請求項2に記載の無洗米。
  4. 前記固形状の油脂組成物に含まれる全トリグリセリドの全量を100質量%とした場合、1位〜3位に炭素数xの直鎖飽和脂肪酸残基Xを有するXXX型トリグリセリドを65〜99質量%と、前記XXX型トリグリセリドの直鎖飽和脂肪酸残基Xの1つを炭素数yの直鎖飽和脂肪酸残基Yに置換した1種以上のX2Y型トリグリセリドを35〜1質量%とを含有する油脂組成物であって、前記炭素数xは10〜12から選択される整数であり、前記炭素数yは、それぞれ独立して、x+2〜x+12から選択される整数でありかつy≦22である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の無洗米。
  5. 前記XXX型トリグリセリドが80〜99質量%、前記1種以上のX2Y型トリグリセリドの合計が20〜1質量%である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の無洗米。
  6. 前記yが、それぞれ独立して、x+2〜x+10から選択される整数でありかつy≦22である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の無洗米。
  7. 前記yが、それぞれ独立して、x+4〜x+8から選択される整数でありかつy≦22である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の無洗米。
  8. 前記15℃で固形状の油脂組成物が、生米100質量部に対して0.3〜15質量部の割合で生米に付着されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の無洗米。
  9. 油脂の構成脂肪酸中に炭素数10〜12の直鎖飽和脂肪酸を10〜100質量%含有する15℃で固形状の油脂組成物を溶解し、無洗米にスプレーし、その後冷却する、無洗米の製造方法。
  10. 油脂の構成脂肪酸中に炭素数10〜12の直鎖飽和脂肪酸を10〜100質量%含有し、15℃で固形状である油脂組成物の粉末を、無洗米に混合する、無洗米の製造方法。
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