JP2018091603A - 乾燥装置、及び印刷装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】周回移動中に用紙などの剛性の低いシート状の被乾燥部材が座屈するのを防止することができる乾燥装置、及び印刷装置を提供する。【解決手段】用紙などの被乾燥部材の少なくともインクなどの被乾燥部を乾燥させる乾燥部300などの乾燥装置は、用紙などの被乾燥部材を保持する複数の乾燥棚331などの保持部材と、複数の保持部材を、水平方向に延びる仮想軸線まわりに周回移動させる周回移動機構30などの周回移動手段とを備え、前記保持部材を、前記周回移動手段に回転可能に支持した。【選択図】図2

Description

本発明は、乾燥装置、及び印刷装置に関するものである。
従来から、被乾燥部材を保持する複数の保持部材を、水平方向に延びる仮想軸線まわりに周回移動させて、保持部材に保持された被乾燥部材の少なくとも被乾燥部を乾燥する乾燥装置が知られている。
特許文献1には、上記乾燥装置として、ウイケット式搬送装置を用いて、板状の被乾燥部材を搬送するものが記載されている。上記ウイケット式搬送装置は、被乾燥部材を保持する複数の保持部材たるウイケットが、法線方向に延び出すようにコンベアチェーンに固定されている。上下方向の搬送時は、板状の被乾燥部材は、寝た姿勢でウイケットに保持されている。その後、上下方向の移動から水平方向の移動への移行時にウイケットとともに徐々に姿勢が変化していき、水平方向の搬送時は、起立した姿勢で、ウイケットに保持され搬送される。
上記特許文献1に記載の乾燥装置においては、被乾燥部材が剛性の高い板状部材であるため、被乾燥部材が起立した姿勢で水平方向の搬送されても、被乾燥部材が座屈するようなことがない。しかし、被乾燥部材が剛性の低い用紙などのシート状部材の場合、起立した姿勢で水平方向に搬送されているときに、被乾燥部材が自重で座屈してしまい、ウイケットにより被乾燥部材を保持できない場合があった。
上記課題を解決するために、本発明は、被乾燥部材を乾燥する乾燥装置において、前記被乾燥部材を保持する複数の保持部材と、複数の前記保持部材を、周回移動させる周回移動手段とを備え、前記保持部材は、前記周回移動手段に対して回転可能に支持されていることを特徴とするものである。
本発明によれば、被乾燥部材が用紙などの剛性の低いシート状部材であっても、周回移動中に被乾燥部材が座屈するのを防止することができる。
実施形態におけるインクジェット記録装置の概略構成を示す模式図である。 本実施形態における乾燥部を示す模式図である。 乾燥搬送部を示す斜視図である。 コンベアチェーンの一部を示す概略斜視図である。 乾燥搬送部の要部拡大図である。 図5のA方向から見た模式図である。 用紙の乾燥チャンバーへの搬入について説明する模式図である。 乾燥棚の移動について説明する図である。 ローラ部材により乾燥棚を水平軸心回りに周回移動させる例を示す模式図である。 乾燥棚を水平方向にのみ移動する領域を設けた例を示す模式図である。 ガイド機構の一例を示す模式図である。 第一折り返し領域おける乾燥棚のガイドの一例を示す模式図である。 乾燥棚に重心調整部を設けた一例を示す模式図である。 非接触熱源部の輻射熱と、熱風とにより用紙の画面上のインクを乾燥するように構成した乾燥機構の一例を示す模式図である。 変形例の乾燥機構の概略斜視図である。 変形例の乾燥機構を、用紙搬入・排出方向から見た模式図である。 変形例の乾燥機構における用紙搬入について説明する模式図である。 変形例の乾燥機構における用紙排出について説明する概略平面図である。 変形例の乾燥機構において上部を乾燥部、下部を冷却部とした例を、用紙搬入方向から見た模式図である。 反転搬送機構を備えたインクジェット記録装置の一例を示す模式図である。 反転搬送機構を備えたインクジェット記録装置の別の例を示す模式図である。 反転搬送機構を備えたインクジェット記録装置のさらに別の例を示す模式図である。 前処理部を備えたインクジェット記録装置の概略構成を示す模式図である。 同インクジェット記録装置で用いられる塗布装置の主要部を示す説明図である。 同インクジェット記録装置において、塗布装置の用紙搬送方向下流側に露光光源を配置した例を示す模式図である。 同インクジェット記録装置において、前処理部と画像形成部との間に乾燥部を配置しない例を示す模式図である。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
[全体説明]
図1は、本実施形態におけるインクジェット記録装置の概略構成を示す模式図である。
本実施形態のインクジェット記録装置1は、主に、給紙部100、画像形成部200、乾燥部300、排紙部400から構成されている。インクジェット記録装置1においては、給紙部100から給紙されるシート材としての記録材である用紙Pに対し、画像形成部200で画像形成用の液体であるインクにより画像を形成する。そして、用紙上に付着したインクを乾燥部300において乾燥させた後、用紙を排紙部400から排紙する。
[給紙部]
給紙部100は、主に、複数の用紙Pが積載される給紙トレイ110と、給紙トレイ110から用紙を1枚ずつ分離して送り出す給送装置120と、用紙を画像形成部200へ送り込むレジストローラ対130とから構成されている。給送装置120には、ローラやコロを用いた装置や、エア吸引を利用した装置など、あらゆる給送装置を用いることが可能である。給送装置120により給紙トレイ110から送り出された用紙は、その先端がレジストローラ対130に到達した後、レジストローラ対130が所定のタイミングで駆動することにより、画像形成部200へ給紙される。なお、本実施形態において、給紙部100は、画像形成部200へ用紙Pを送り出すものであれば、その構成に制限はない。
[画像形成部]
画像形成部200は、主に、給紙された用紙Pを受け取って用紙担持ドラム210へ渡す渡し胴201と、渡し胴201によって搬送された用紙Pを外周面に担持して搬送する用紙担持ドラム210と、用紙担持ドラム210に担持された用紙Pに向けてインクを吐出するインク吐出部220と、用紙担持ドラム210によって搬送された用紙Pを乾燥部300へ受け渡す渡し胴202とから構成されている。
給紙部100から画像形成部200へ搬送されてきた用紙Pは、渡し胴201の表面に設けられた用紙グリッパによって先端が把持され、渡し胴201の表面移動に伴って搬送される。渡し胴201により搬送された用紙は、用紙担持ドラム210との対向位置で用紙担持ドラム210へ受け渡される。
用紙担持ドラム210の表面にも用紙グリッパが設けられており、用紙の先端が用紙グリッパによって把持される。また、用紙担持ドラム210の表面には、複数の吸引孔が分散して形成されており、各吸引孔には吸引装置211によって用紙担持ドラム210の内側へ向かう吸い込み気流が発生する。渡し胴201から用紙担持ドラム210へ受け渡された用紙Pは、用紙グリッパによって先端が把持されるとともに、吸い込み気流によって用紙担持ドラム210の表面に吸着して、用紙担持ドラム210の表面移動に伴って搬送される。
本実施形態のインク吐出部220は、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の4色のインクを吐出して画像を形成するものであり、インクごとに個別の液体吐出ヘッド220C,220M,220Y,220Kを備えている。液体吐出ヘッド220C,220M,220Y,220Kは、液体を吐出するものであれば、その構成に制限はなく、あらゆる構成のものを採用することができる。必要に応じて、白色、金色、銀色などの特殊なインクを吐出する液体吐出ヘッドを設けたり、表面コート液などの画像を構成しない液体を吐出する液体吐出ヘッドを設けたりしてもよい。
インク吐出部220の液体吐出ヘッド220C,220M,220Y,220Kは、画像情報に応じた駆動信号によりそれぞれ吐出動作が制御される。用紙担持ドラム210に担持された用紙Pがインク吐出部220との対向領域を通過する際に、液体吐出ヘッド220C,220M,220Y,220Kから各色インクが吐出され、当該画像情報に応じた画像が形成される。なお、本実施形態において、画像形成部200は、用紙P上に液体を付着させて画像を形成するであれば、その構成に制限はない。
[乾燥部]
乾燥部300は、主に、画像形成部200で用紙P上に付着したインクを乾燥させるための乾燥機構301と、画像形成部200から搬送されてくる用紙Pを搬送する搬送機構302とから構成されている。画像形成部200から搬送されてきた用紙Pは、搬送機構302に受け取られた後、乾燥機構301を通過するように搬送され、排紙部400へ受け渡される。乾燥機構301を通過する際、用紙P上のインクには乾燥処理が施され、これによりインク中の水分等の液分が蒸発し、用紙P上にインクが固着するとともに、用紙Pのカールが抑制される。
[排紙部]
排紙部400は、主に、複数の用紙Pが積載される排紙トレイ410から構成されている。乾燥部300から搬送されてくる用紙Pは、排紙トレイ410上に順次積み重ねられて保持される。なお、本実施形態において、排紙部400は、用紙Pを排紙するものであれば、その構成に制限はない。
[その他の機能部]
本実施形態のインクジェット記録装置1は、給紙部100、画像形成部200、乾燥部300、排紙部400から構成されているが、他の機能部を適宜追加してもよい。例えば、給紙部100と画像形成部200との間に画像形成の前処理を行う前処理部を追加したり、乾燥部300と排紙部400との間に画像形成の後処理を行う後処理部を追加したりすることができる。
前処理部としては、例えば、インクと反応して滲みを抑制するための処理液を用紙Pに塗布する処理液塗布処理を行うものなどが挙げられるが、前処理の内容については特に制限はない。また、後処理部としては、例えば、画像形成部200で画像が形成された用紙を反転させて再び画像形成部200へ送って用紙の両面に画像を形成するための用紙反転搬送処理や、画像が形成された複数枚の用紙を綴じる処理などが挙げられるが、後処理の内容についても特に制限はない。
なお、本実施形態では、印刷装置を、インクジェット記録装置の例で説明しているが、「印刷装置」は、シート材の被乾燥面に向けて液体を吐出する液体吐出ヘッドを備え、吐出された液体によって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではなく、例えば、それ自体意味を持たないパターン等を形成するものも含まれる。シート材は、材質を限定されるものではなく、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックスなど、液体が一時的でも付着可能なものであればよく、例えば、フィルム製品、衣料用等の布製品、壁紙や床材等の建材、皮革製品などに使用されるものであってもよい。また、「印刷装置」は、液体が付着可能なものの給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置なども含むことができる。
また、「液体」は、ヘッドから吐出可能な粘度や表面張力を有するものであればよく、特に限定されないが、常温、常圧下において、または加熱、冷却により粘度が30mPa・s以下となるものであることが好ましい。より具体的には、水や有機溶媒等の溶媒、染料や顔料等の着色剤、重合性化合物、樹脂、界面活性剤等の機能性付与材料、DNA、アミノ酸やたんぱく質、カルシウム等の生体適合材料、天然色素等の可食材料、などを含む溶液、懸濁液、エマルジョンなどであり、これらは例えば、インクジェット用インク、表面処理液等の用途で用いることができる。
また、「印刷装置」は、液体吐出ヘッドとシート材とが相対的に移動する装置があるが、これに限定するものではない。具体例としては、液体吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、液体吐出ヘッドを移動させないライン型装置などが含まれる。
また、「液体吐出ヘッド」とは、吐出孔(ノズル)から液体を吐出・噴射する機能部品である。液体を吐出するエネルギー発生源として、圧電アクチュエータ(積層型圧電素子及び薄膜型圧電素子)、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いるサーマルアクチュエータ、振動板と対向電極からなる静電アクチュエータなどの吐出エネルギー発生手段を使用することができるが、使用する吐出エネルギー発生手段が限定されるものではない。
[乾燥部の詳細]
次に、本実施形態における乾燥部300の詳細について説明する。
図2は、本実施形態における乾燥部300を示す模式図である。
本実施形態の乾燥部300における乾燥機構301は、複数の非接触熱源たる赤外線ヒータ311aを備えた非接触熱源部311、乾燥チャンバー313などを有している。乾燥チャンバー313は、その壁部材の少なくとも一部が断熱材で形成されており、乾燥チャンバー313の内部温度が下がりにくいように構成されている。乾燥機構301では、乾燥チャンバー313の内部空間へ搬送されてくる被乾燥部材たる用紙Pの画像面に対し、赤外線ヒータ311aによる輻射熱によって、用紙Pの画像面上の被乾燥部たるインクを乾燥させる。なお、「被乾燥部材」は、用紙Pに限らず、乾燥される対象の部材であればよい。また、「被乾燥部」は、インクに限られず、被乾燥部材における乾燥される対象の部分であればよい。
本実施形態の搬送機構302は、画像形成部200の受け渡し胴202から用紙Pが受け渡され、乾燥チャンバー313内に用紙Pを搬送する搬入部320と、乾燥チャンバー313内で用紙Pを搬送する乾燥搬送部330と、乾燥チャンバー313から用紙Pを排出する排出部340とを有している。
搬入部320は、画像形成部200の受け渡し胴202から用紙Pが受け渡さるベルト受入機構321と、乾燥チャンバー313内に用紙Pを搬送するベルト搬入機構322とを有している。ベルト受入機構321は、ベルトに複数の吸引孔が設けられており、吸引孔からの吸引力によって用紙Pを吸着して搬送するものである。ベルト搬入機構322については、後述する。
乾燥搬送部330は、乾燥チャンバー313内の略中央部に配置されており、主に、用紙Pを保持する保持部材たる複数の乾燥棚331と、複数の乾燥棚331を水平方向に延びる仮想軸線(以下、水平軸という)まわりに周回移動させる周回移動機構30とを有している。周回移動機構30は、乾燥チャンバー313の下方に配置された従動ギヤ334と、上方に配置された駆動ギヤ335と、これらギヤに噛み合うコンベアチェーン333とを有しており、装置の手前側と奥側に配置されている。また、各コンベアチェーン333には法線方向に延びる複数のアーム部材332が設けられており、各アーム部材332の先端に乾燥棚331が吊り下げられるような形で回転可能に支持されている。
ベルト搬入機構322は、乾燥棚331が下から上へ移動する領域に配置されており、排出部340は、乾燥棚331が上から下へ移動する領域に配置されている。また、非接触熱源部311は、乾燥チャンバー313の上部に配置されている。
ベルト搬入機構322により乾燥チャンバー内に搬送されてきた用紙Pは、乾燥棚331に保持され、上方へ移動する。そして、乾燥チャンバーの上部に配置された非接触熱源部311の赤外線ヒータ311aによる輻射熱によって、用紙Pの画像面上の被乾燥部たるインクを乾燥したのち、下方へ移動し、排出部340により乾燥チャンバー313から排出される。排出部340は、後述するベルト搬入機構322と同様な構成の、ベルト排出機構341である。
図3は、乾燥搬送部330を示す斜視図である。
コンベアチェーン333は、乾燥チャンバー内の手前側と奥側とに設けられており、手前側と奥側の駆動ギヤ335は、駆動軸335aと一体回転可能に駆動軸335aに取り付けられている。駆動軸335aは、ジョイントなどを介して、駆動モータ336に連結されている。手前側と奥側の従動ギヤ334は、従動軸と一体回転可能に従動軸に取り付けられている。
周回移動機構30を構成するコンベアチェーン333、従動ギヤ334、駆動ギヤ335などは、金属で構成されている。金属で構成することにより、樹脂で構成した場合に比べて、耐熱性を高めることができ、熱膨張などを抑制することができる。これにより、乾燥棚331を安定して周回移動させることができる。
図4は、コンベアチェーン333の一部を示す概略斜視図である。
図4は、装置手前側のコンベアチェーン333を示しており、コンベアチェーン333は、内リンク333aと外リンク333bとが交互に連なって構成されている。各リンク333a,333bには、板状の部材取り付け部333cを有しており、部材取り付け部333cの中央には、ボルト締結用の孔333dが設けられている。ボルト締結用の孔333dの間隔Lは、チェーンピッチとなり、各部材取り付け部333cに部材を取り付けることで、特に調整することなく、規定のピッチで、部材を取り付けることができる。装置奥側のコンベアチェーン333は、図とは逆側に、部材取り付け部333cを有している。
図5は、乾燥搬送部330の要部拡大図であり、図6は、図5のA方向から見た模式図である。
図5に示すように、各外リンク333bの部材取り付け部333cには、アーム取り付け部材337が取り付けられている。アーム取り付け部材337は、図6に示すように、部材取り付け部333cと平行なチェーン取り付け面37bと、このチェーン取り付け面37bの乾燥棚側の端部から90度折れ曲がったアーム取り付け面37aとを有している。アーム取り付け部材337のチェーン取り付け面37bが、ボルト337aとナット337dとにより、部材取り付け部333cに固定されている。アーム部材332は、図5に示すように、ネジ337bにより上下2箇所が、アーム取り付け面37aにネジ止めされている。
アーム部材332は、コンベアチェーン333の法線方向に延び出しており、先端へ行くに従って、徐々に幅(コンベアチェーンの移動方向長さ)が狭く(短く)なる形状となっている。アーム部材332の先端には、軸部材332aが取り付けられており、この軸部材332aに乾燥棚331が、回転自在に取り付けられている。また、図6に示すように、各アーム部材332のコンベアチェーン側端部には、手前側のアーム部材と、奥側のアーム部材とを連結する連結部材337cが取り付けられている。
本実施形態においては、乾燥棚331がアーム部材332を介してコンベアチェーンの外リンク333bに取り付けられており、乾燥棚331の間隔が、チェーンピッチをLとしたとき、2Lとなっている。
乾燥棚331は、上下方向および用紙搬入・排出方向(Y1、Y2方向)に平行な側壁部331bと、用紙Pが載置される上下方向に対して直交する載置部331aとを有している。載置部331aの用紙搬入側端部(図6の下端)には、ベルト搬入機構322を逃がすための逃がし部たる複数の搬入側切り欠き部31が設けられている。また、載置部331aの用紙排出側(図6の上端)には、ベルト排出機構341を逃がすための排出側切り欠き部32が設けられている。
図7は、用紙Pの乾燥チャンバーへの搬入について説明する図である。
図7(a)に示すように、ベルト搬入機構322は、4つのベルト搬送部322eを有しており、これらベルト搬送部322eは、用紙幅方向(駆動軸322dの軸方向)に、等間隔で配置されている。これらベルト搬送部322eは、駆動軸322dに取り付けられた駆動ローラ353、一対のローラ支持アーム354に回転自在に支持された従動ローラ352、駆動ローラと従動ローラとに張架された搬送ベルト351を有している。一対のローラ支持アーム354は、一端に従動ローラ352を回転自在に支持しており、他端が、駆動軸322dに軸受けなどを介して支持されている。駆動軸322dの一端には、ギヤ322cが取り付けられており、このギヤ322cは、駆動モータ322aの駆動ギヤ322bと噛み合っている。本実施形態では、ギヤを介して駆動モータ322aの駆動力を駆動軸に伝達しているが、駆動モータのモータ軸と、駆動軸とを同軸上に配置し、ジョイント部材を介して、駆動モータの駆動力を駆動軸に伝達するよう構成してもよい。
ベルト排出機構341は、2つのベルト搬送部322eが軸方向に設けられており、搬送ベルトの幅が、ベルト搬入機構の搬送ベルトの幅よりも広い以外は、ベルト搬入機構と同様な構成である。
ベルト搬入機構322やベルト排出機構341の搬送ベルトの材料には、金属やゴムなどを使用することが可能であり、その材料に特に制限はない。ただし、乾燥チャンバー313の内部を通過する際に高温に曝されることを考慮して耐熱性のある材料(耐熱性のゴムや金属など)であるのが好ましい。同様に、乾燥チャンバー内に配置される従動ローラや、一部が乾燥チャンバーに配置されるローラ支持アーム354も耐熱性のある材料であるのが好ましい。
図7(b)に示すように、複数のベルト搬送部322eによって乾燥チャンバー内に搬送された用紙Pは、搬送方向先端が、乾燥チャンバー内に設けられた用紙突き当て部材33に突き当たり、位置決めされる。そして、ベルト搬入機構322のベルト搬送部322eを通り抜けてきた乾燥棚331に掬い上げられるような形で、乾燥棚331の載置部331aに保持される。そして、乾燥棚331に保持される形で、搬送ベルト351から離間し、乾燥チャンバー内を上方へ移動する。
用紙の排出においては、乾燥棚331がベルト排出機構のベルト搬送部を上から下へ通り抜けるときに、用紙の排出方向先端側が、ベルト搬送部の搬送ベルトに接触する。これにより、搬送ベルトにより用紙が搬送され、乾燥チャンバー313から排出される。
本実施形態においては、乾燥チャンバー内で用紙Pを水平軸回りに周回移動させて用紙Pの画像面上のインクを乾燥させることで、用紙を水平方向のみの移動させて用紙Pの画像面上のインクを乾燥させるものに比べて、乾燥部300が水平方向に大型化するのを抑制することができる。
図8は、乾燥棚331の移動について説明する図である。
図8に示すように、乾燥棚331の移動は、上方へ移動する領域A1、上方の移動から下方への移動に切り替わる領域(以下、第一折り返し領域という)A2、下方へ移動する領域A3、下方の移動から上方への移動に切り替わる領域(以下、第二折り返し領域という)A4の4つの領域に区分けすることができる。また、第一折り返し領域A2については、乾燥棚331は、半円の円弧の軌跡を描きながら移動するため、上方へ移動しながら水平方向に移動する領域A2−1と、下方へ移動しながら水平方向に移動する領域A2−2とに区分けすることができる。同様に、第二折り返し領域A4においても、乾燥棚が半円の円弧の軌跡を描きながら移動するため、下方へ移動しながら水平方向に移動する領域A4−1と、上方へ移動しながら水平方向に移動する領域A4−2とに区分けすることができる。用紙は、上方へ移動する領域A1に搬入され、第一折り返し領域A2を経て、下方へ移動する領域A3で排出される。
用紙Pを保持する乾燥棚331をアーム部材332に回転不能に固定した場合、第一折り返し領域A2において、乾燥棚331が180°回転(反転)してしまう。具体的には、乾燥棚が上方に移動しながら水平平行へ移動する領域A2−1において、乾燥棚331が徐々に起立していき、円弧状の軌跡の頂点で倒立する。そして、乾燥棚331が下方に移動しながら水平平行へ移動する領域A2−2において、乾燥棚が徐々に倒れていき、乾燥棚331が上方へ移動する領域A1では上端の箇所が、乾燥棚331が下方へ移動する領域A3では、下端となる。
用紙Pを保持する乾燥棚331をアーム部材332に回転不能に固定した場合、上方へ移動する領域A1から下方へ移動する領域A3へ移動する間に乾燥棚331が反転する。そのため、乾燥棚331が下方に移動しながら水平平行へ移動する領域A2−2や下方へ移動する領域A3で用紙が乾燥棚331から落下しないように、上下両方に用紙を載置する載置部331aを設ける必要がある。その結果、用紙Pの画像面を覆うことになり、用紙の画像面上のインクに熱を良好に与えることができなくなり、乾燥不良が生じるおそれがある。また、第一折り返し領域A2において、乾燥棚331が反転する(180°回転する)ことにより、乾燥棚331内で用紙が座屈したり、動いたりしてしまう。その結果、乾燥棚内での用紙の位置が乱れてしまう。よって、用紙乾燥後の処理工程において、規定のタイミングで用紙を搬送することができなくなってしまい、装置の高速化を十分に達成できない不具合が発生してしまう。
これに対し、本実施形態においては、乾燥棚331が、アーム部材332に回転自在に支持されている。また、乾燥棚331の載置部331a側が重くなっている。これにより、載置部331aが軸部材332aよりも下方に位置するように、乾燥棚331がアーム部材に対して回転する。また、重心が、用紙の搬入・排出方向の中心となるように構成されている。これにより、載置部331aが水平の状態が維持されるように、乾燥棚がアーム部材に対して回転する。よって、第一折り返し領域A2において、コンベアチェーン333に固定されているアーム部材332は反転するが、乾燥棚331は、乾燥棚331の自重によりアーム部材332に対して自動で回転し、載置部331aが水平な状態の姿勢が維持される。これにより、乾燥棚内で用紙が座屈したり、動いたりするのを抑制することができ、用紙の位置が乱れるのを抑制することができる。よって、乾燥棚の規定の位置に用紙を位置させた状態で、用紙を乾燥棚から排出することができ、用紙乾燥後の処理工程において、規定のタイミングで用紙を搬送することができる。
また、本実施形態においては、乾燥棚331の自重で自動的にアーム部材に対して回転し、乾燥棚の姿勢を維持しているが、ガイド機構や、駆動装置により乾燥棚の周回移動に伴い強制的に乾燥棚を回転させて、乾燥棚の姿勢を維持するようにしてもよい。
また、第一折り返し領域A2で、乾燥棚331が反転することなく、載置部331aにより常に用紙を保持することができる。これにより、用紙Pの画像面と対向する面を、乾燥棚に設ける必要がない。よって、用紙の画像面を露出させることができ、用紙の画像面上のインクに熱を良好に与えることができ、インクを良好に乾燥させることができる。
また、本実施形態においては、第一折り返し領域A2、第二折り返し領域A4において、乾燥棚331が円弧の軌跡を描くように移動する構成としている。これにより、乾燥棚331は、第一折り返し領域A2、第二折り返し領域A4において、水平方向に移動しながら、上下方向に移動する。
乾燥棚331は、上下方向に比べて水平方向の長さが長い。各折り返し領域A2,A4において、乾燥棚が水平方向(本実施形態では、用紙の搬入・排出方向)にのみ移動する構成とした場合、乾燥棚331が、次に折り返し領域に移動してくる次の乾燥棚とぶつからないためには、次の乾燥棚が折り返し領域に到達するまでの間に自らの水平方向長さ(用紙搬入・排出方向長さ)以上、移動する必要がある。乾燥棚331の間隔が狭い方が、連続印刷における紙間を狭めることができ、生産性を高めることができ好ましい。また、乾燥棚の上方の移動や下方の移動を用紙の搬入・排出速度に対してゆっくりした移動にすることができ、短い移動距離で、十分な乾燥時間を確保することができ、装置の小型化を図ることができ、好ましい。しかし、乾燥棚331の間隔を狭くすると、各折り返し領域A2,A4において、乾燥棚331が水平方向(本実施形態では、用紙の搬入・排出方向)にのみ移動する構成とした場合、折り返し領域での乾燥棚の移動スピードを、上方へ移動する領域A1や下方へ移動する領域A3での移動スピードよりもかなり速くする必要がある。従って、乾燥棚が、折り返し領域に進入したら、急加速し、折り返し領域を抜けるとき急減速することになる。その結果、乾燥棚331に保持された用紙が、急加速・急減速の際に慣性の法則により、乾燥棚に対して相対的に動いてしまい、乾燥棚内での用紙の位置が乱れてしまうおそれがある。また、各折り返し領域A2,A4の移動速度と、上方へ移動する領域A1や下方へ移動する領域A3での移動速度とが大きく異なる。そのため、各折り返し領域A2,A4の移動と、上方へ移動する領域A1や下方へ移動する領域A3での移動とを、同じ駆動機構で行うことが困難となる。従って、乾燥棚を、各折り返し領域A2,A4で水平方向に移動させる機構と、上方へ移動する領域A1や下方へ移動する領域で乾燥棚を上下方向に移動させる機構とをそれぞれ設ける必要が生じ、装置のコストアップにつながるというおそれもある。
しかし、本実施形態においては、折り返し領域A2,A4において、水平軸まわりに円弧の軌跡をとるように乾燥棚331を、移動させることで、各折り返し領域A2,A4において、乾燥棚331は、水平方向に移動しながら、上下方向に移動する。これにより、次の乾燥棚331が折り返し領域に進入するまでの間に、乾燥棚331が上下方向に移動することで、乾燥棚が水平方向に大きく移動させずとも、乾燥棚331同士がぶつかることがない。これにより、乾燥棚の間隔が狭くても、折り返し領域で、高速で乾燥棚を水平方向に移動させる必要がなくなり、乾燥棚が折り返し領域で急加速・急減速させる必要がなくなる。これにより、乾燥棚に保持された用紙が動くのを抑制することができ、乾燥棚内での用紙の位置が乱れてしまうのを抑制することができる。また、乾燥棚の間隔を狭くすることができ、連続印刷における紙間を短くすることが可能となり、生産性を高めることができる。また、乾燥棚の間隔を狭くできることで、用紙の搬入・排出スピードに対して乾燥棚の移動速度を遅くすることができ、乾燥棚の周回移動距離が短くても、長時間、用紙を乾燥チャンバー内に留まらせることができる。これにより、乾燥部300の小型化を図れ、かつ、良好に用紙の画像面上のインクを乾燥することができる。また、コンベアチェーン333などの回転駆動する回転駆動部材に、乾燥棚331を取り付けることで、一つ駆動機構で、乾燥棚331を周回移動させることができ、装置のコストダウンを図ることができる。
また、駆動ギヤ335や従動ギヤ334の直径は、小さい方が好ましい。本実施形態においては、各折り返し領域での乾燥棚の円弧の軌跡は半円状である。従って、この円弧の軌跡の頂部付近(上下方向の移動が切り替わる付近)においては、一定距離移動する間の上下方向の移動量が、折り返し領域に進入し始めや、折り返し領域を抜ける前の上下方向の移動量に比べて少なくなる。駆動ギヤ335や従動ギヤ334の直径が大きいほど、折り返し領域A2,A4での乾燥棚の円弧の軌跡の曲率が小さくなる。その結果、円弧の軌跡の頂部付近において、一定距離移動する間の上下方向の移動量がますます少なくなる。従って、アーム部材のコンベアチェーンへの取り付けピッチが狭いと、この頂部付近で、乾燥棚が隣接する乾燥棚とぶつかってしまうおそれがある。
一方、駆動ギヤ335や従動ギヤ334の直径を小さくすることで、折り返し領域A2,A4での乾燥棚の円弧の軌跡の曲率を大きくすることができ、円弧の軌跡の頂部付近において、コンベアチェーンが一定距離移動する間の乾燥棚の上下方向の移動量を多くすることができる。従って、アーム部材332のコンベアチェーン333への取り付けピッチが狭くとも、この頂部付近で、乾燥棚が隣接する乾燥棚と上下方向でぶつかるのを抑制することができる。これにより、連続印刷における紙間をより一層狭めることが可能となり、生産性をより一層高めることができる。
また、乾燥棚を、アーム部材を介してコンベアチェーンに取り付けることにより、駆動ギヤ335や従動ギヤ334の直径を小さくしても、上方に移動する乾燥棚と、下方に移動する乾燥棚とがぶつからないようすることができる。
また、本実施形態においては、先の図2に示すように、複数の赤外線ヒータ311aからなる非接触熱源部311を、乾燥搬送部330よりも上部に設けている。これにより、第一折り返し領域A2で、用紙の画像面に赤外線ヒータの輻射熱を直接当てることができ、良好に用紙の画像のインクを乾燥することができる。
本実施形態においては、コンベアチェーン333により、乾燥棚331を水平軸回りに周回移動させているが、ワイヤー、ベルトなどの無端状の部材により乾燥棚331を水平軸回りに周回移動させてもよい。また、図9に示すように、ローラ部材1333により乾燥棚331を水平軸回りに周回移動させてもよい。
また、図10に示すように、乾燥棚331が水平方向にのみ移動する領域を設けてもよい。図10に示す構成においても、乾燥棚331をアーム部材に回転自在に支持することにより、乾燥棚331の姿勢を維持して、乾燥チャンバー内を移動させることができる。
また、図10に示す構成においては、乾燥棚331が水平方向にのみ移動する領域において、乾燥棚331が隣接する乾燥棚とぶつからないようにするために、アーム部材332の間隔Bが、乾燥棚の用紙の搬入・排出方向の長さW以上にする必要がある。そのため、乾燥棚331の間隔が、先の図2よりも広くなってしまうという欠点がある。しかし、この図10においては、用紙の画像面が、非接触熱源部311と対向する領域を、先の図2に示す構成よりも長くすることができる。これにより、用紙の画像形成面に赤外線ヒータの輻射熱を直接当てることができる領域を長くすることができ、良好に用紙の画像のインクを乾燥させることができるという利点がある。
本実施形態においては、乾燥棚331が水平な姿勢でアーム部材332に回転自在に支持されるよう、用紙搬入・排出方向中央で、乾燥棚331を回転自在に支持し、かつ、乾燥棚331の重心が、用紙搬入・排出方向中央になるように、乾燥棚331を構成している。しかし、装置に衝撃や振動が発生した際に、乾燥棚331が揺動し、乾燥棚に保持された用紙が動いて、位置が乱れてしまうおそれがある。従って、乾燥棚331が水平の姿勢を維持しながら移動するように、ガイドするのが好ましい。ここでいう水平な姿勢とは、乾燥棚の用紙載置面が、水平方向と平行となっている状態の乾燥棚の姿勢である。
図11は、ガイド手段たるガイド機構の一例を示す模式図であり、図11(a)は、平面図であり、図11(b)は、側面図である。
図11に示すように乾燥棚331の側壁部331bの用紙搬入・排出方向両端に一対のガイド部材20a,20bが設けられている。各ガイド部材20a,20bは、ガイドアーム21、ガイドコロ22で構成されており、ガイドアーム21の一端が、乾燥棚の側壁部331bに取り付けられており、ガイドアーム21の他端にガイドコロ22が回転自在に取り付けられている。
図11(b)に示すように、乾燥棚331が上方へ移動する領域A1においては、側壁部331bの用紙搬入側端部に取り付けられた一対のガイド部材のガイドコロ22が、乾燥チャンバー313の側面に対向している。乾燥棚331が水平の姿勢のときは、各ガイドコロ22は、乾燥チャンバーの側面から離間しており、各ガイドコロ22と乾燥チャンバーの側面との間には、僅かな隙間を有している。
乾燥棚が上方へ移動する領域A1においては、用紙搬入側(図中右側)の一対のガイド部材のうち上側のガイド部材20aのガイドコロが乾燥チャンバーの側面に当接することで、乾燥棚の図11(b)における図中時計回りの回転を阻止する。また、一対のガイド部材のうち下側のガイド部材20bのガイドコロが乾燥チャンバーの側面に当接することで、乾燥棚の図11(b)における図中反時計回りの回転を阻止する。これにより、乾燥棚が上方へ移動する領域A1において、乾燥棚は、水平の姿勢を維持して上方へ移動することができる。よって、装置に衝撃や振動が発生しても、乾燥棚が、上方へ移動する領域A1において、揺動するのを抑制することができ、この領域で用紙が動くのを抑制することができる。
一方、乾燥棚が下方へ移動する領域A3においては、用紙排出側(図中左側)の一対のガイド部材のうち下側のガイド部材20bのガイドコロが乾燥チャンバーの側面に当接することで、図中時計回りの回転を阻止する。また、一対のガイド部材のうち上側のガイド部材20aのガイドコロが乾燥チャンバーの側面に当接することで、乾燥棚の図中反時計回りの回転を阻止する。これにより、乾燥棚が下方へ移動する領域A3において、乾燥棚331は、水平の姿勢を維持して下方へ移動することができる。よって、装置に衝撃や振動が発生しても、乾燥棚が、下方へ移動する領域A3において、揺動するのを抑制することができ、この領域で用紙が動くのを抑制することができる。
上記では、乾燥棚が水平の姿勢のとき、ガイドコロ22が乾燥チャンバーの側面から離間する構成としているが、接触する構成であってもよい。
図12は、第一折り返し領域A2おける乾燥棚のガイドの一例を示す模式図である。図中鎖線Kは、乾燥棚331の移動軌跡を示している。
図12に示すように、第一折り返し領域A2の乾燥棚331が上方へ移動しながら水平方向に移動する領域A2−1には、第一折り返しガイド23aが設けられている。また、第一折り返し領域A2の乾燥棚331が下方へ移動しながら水平方向に移動する領域A2−2には、第二折り返しガイド23bが設けられている。
各折り返しガイド23a,23bは、装置の奥行き方向(紙面と直交する方向)の両側に設けられており、装置奥側の折り返しガイドが、装置奥側の一対のガイド部材をガイドし、装置手前側の折り返しガイドが、装置手前側の一対のガイド部材をガイドする。
第一折り返しガイド23aは、略円弧状の形状をしており、乾燥棚331の移動方向下流にいくに従い徐々に厚みが増す形状となっている。第二折り返しガイド23bも略円弧状の形状をしているが、厚みについては、第一折り返しガイド23aとは異なり、乾燥棚331の移動方向下流にいくに従い徐々に厚みが減少する形状となっている。
乾燥棚331が上方へ移動しながら水平方向に移動する領域A2−1においては、用紙搬入側(図中右側)の一対のガイド部材のうち、上側のガイド部材のガイドコロが、第一折り返しガイドの上面に案内される。また、下側のガイド部材のガイドコロが、第一折り返しガイドの下面に案内される。このように、領域A2−1においては、用紙搬入側の一対のガイド部材で第一折り返しガイド23aを挟み込む形で、乾燥棚が移動する。よって、この領域A2−1において、用紙搬入側の一対のガイド部材のうち上側のガイド部材20aのガイドコロが第一折り返しガイド23aの上面に当接することで乾燥棚の図中時計回りの回転が阻止される。また、用紙搬入側の一対のガイド部材のうち下側のガイド部材20bのガイドコロが第一折り返しガイド23aの下面に当接することで乾燥棚の図中反時計回りの回転が阻止される。これにより、装置に衝撃や振動が発生しても、この領域A2−1において、乾燥棚が揺動するのを抑制することができ、この領域A2−1で用紙が動くのを抑制することができる。
また、乾燥棚331が下方へ移動しながら水平方向に移動する領域A2−2においては、用紙搬出側(図中左側)の一対のガイド部材のうち、上側のガイド部材のガイドコロが、第一折り返しガイドの上面に案内される。また、下側のガイド部材のガイドコロが、第一折り返しガイドの下面に案内される。このように、領域A2−2においては、用紙排出側の一対のガイド部材が第二折り返しガイド23bを挟み込む形で、乾燥棚が移動する。よって、この領域A2−2において、用紙排出側の一対のガイド部材のうち下側のガイド部材20bのガイドコロが第二折り返しガイド23bの下面に当接することで乾燥棚の図中時計回りの回転が阻止される。また、用紙排出側の一対のガイド部材のうち上側のガイド部材20aのガイドコロが第二折り返しガイド23bの上面に当接することで乾燥棚の図中反時計回りの回転が阻止される。これにより、装置に衝撃や振動が発生しても、この領域A2−2において、乾燥棚が揺動するのを抑制することができ、この領域A2−2で用紙が動くのを抑制することができる。
このように、上方へ移動する領域A1、第一折り返し領域A2、下方へ移動する領域A3で、乾燥棚331は、水平姿勢を維持して移動することができる。これにより、装置に衝撃や振動が発生した際に、用紙を保持した乾燥棚が揺動するのを抑制することができ、乾燥棚内で用紙が動くのを抑制することができる。よって、乾燥棚での用紙の位置が、規定の位置からずれるのを抑制することができ、用紙乾燥後の処理工程において、規定のタイミングで用紙を搬送することができる。その結果、装置の高速化を図ることができる。
また、製造誤差などにより乾燥棚の重心が、用紙搬入・排出方向中央からずれる場合がある。この場合、乾燥棚が水平方向に対して傾いた姿勢で、アーム部材に支持されるおそれがある。その結果、この傾いた姿勢の乾燥棚に保持された用紙においては、乾燥チャンバー内移動中に、乾燥棚の傾斜方向に動いて、規定の位置からずれてしまうおそれがある。従って、乾燥棚に重心調整部を設けるのが好ましい。
図13は、乾燥棚に重心調整部を設けた一例を示す模式図である。
図13に示すように、重心調整部は、重り40と、重り40を保持するための保持部331cとからなり、乾燥棚の載置部の下面の用紙搬入・排出方向中央に設けられている。保持部331cは、矩形状の孔であり、この孔に重り40を、挿入することにより、乾燥棚の重心を、確実に、狙いの位置である用紙搬入・排出方向中央、かつ、支持位置よりも下方にすることができる。これにより、乾燥棚を確実に水平姿勢にすることができる。その結果、乾燥チャンバー内移動中に用紙が乾燥棚に対して移動して、規定の位置に対してずれるのを抑制することができる。なお、保持部331cは、乾燥棚を水平姿勢にすることができる位置に設ければよい。
また、非接触熱源部311の輻射熱と、熱風とにより用紙の画面上のインクを乾燥するようにしてもよい。
図14は、非接触熱源部311の輻射熱と、熱風とにより用紙の画面上のインクを乾燥するように構成した乾燥機構301の一例を示す模式図である。
図14に示すように、乾燥機構301の下方には、100℃〜140℃の熱風を送風する第一送風ファン41aが、複数設けられている。また、ベルト搬入機構322により乾燥チャンバー内に搬入されてきた用紙に100℃〜140℃の熱風を吹き付ける第二送風ファン41bが設けられている。また、加熱部301aの上面には、乾燥チャンバー内の空気を排気する排気口42が、複数設けられている。
乾燥棚331に保持された用紙Pの画像面に対し、非接触熱源部311の輻射熱と、各送風ファン41a,41bにより送られてきた熱風によって、用紙Pの画像面上のインクを乾燥する。これにより、非接触熱源部311の輻射熱のみで用紙Pの画像面上のインクを乾燥する場合に比べて、良好に用紙Pの画像面上のインクを乾燥することができる。
また、乾燥チャンバー内においては、下方に温度の低い空気が溜まりやすく、高温の空気が上方に溜まりやすいため、乾燥チャンバー内に温度偏差が生じやすい。従って、熱風を送風する第一送風ファン41aが、下方にない場合は、下方に温度の低い空気が溜まってしまう。また、排気口が上部にない場合、高温の空気が、上方に溜まってしまう。しかし、本実施形態においては、熱風を送風する第一送風ファン41aを下方に設け、上部に排気口を設けることで、下方に温度の低い空気が溜まるのを抑制し、上方に温度の高い空気が溜まるのも抑制することができる。これにより、乾燥チャンバー内の温度分布の均一化を図ることができる。
また、排気口を設けることで、乾燥チャンバー内のインクから蒸発した水分や溶剤を、排気口から排出することができ、乾燥チャンバー内を乾燥した状態に維持することができる。また、インクから蒸発した水分や溶剤を含む高温の空気は、上昇して乾燥チャンバーの上部に溜まりやすいので、乾燥チャンバーの上壁部に排気口を設けることで、効率的にインクから蒸発した水分や溶剤を排気することができる。
次に、乾燥機構301の変形例について説明する。
図15は、変形例の乾燥機構の概略斜視図であり、図16は、変形例の乾燥機構を、用紙搬入・排出方向から見た模式図である。
図15、図16に示すように、この変形例1の乾燥機構301は、用紙搬入・排出方向と平行な軸まわりに乾燥棚331を周回移動させるものである。乾燥チャンバーの一方の側面から用紙を搬入し、この側面に対向する他方の側面から用紙を排出する構成の場合、先の図2に示した用紙搬入・排出方向に対して直交する軸まわりに乾燥棚331を周回移動させる構成では、用紙搬入位置と、用紙排出位置が次のようになる。すなわち、用紙搬入位置を、乾燥棚331が上方へ移動する移動領域A1に設け、用紙排出位置を、乾燥棚が下方へ移動する移動領域に設けることになるのである。その結果、先の図2に示す構成では、下方の移動から上方への移動に切り替わる領域である第二折り返し領域A4を、用紙の画像面上のインクの乾燥に用いることができない。
また、先の図2に示す構成では、用紙の搬入・排出方向(Y1,Y2方向)に乾燥棚が2つ並ぶ構成となるため、乾燥機構301が、用紙の搬入・排出方向(Y1,Y2方向)に大型化してしまう。
一方、本変形例では、図15に示すように、用紙搬入位置と、用紙排出位置とを、乾燥棚が上方へ移動する領域A1にすることができる。これにより、乾燥チャンバー内で、乾燥棚に保持された用紙を、ほぼ一周させて、排出することができ、移動領域A1〜A4すべてを、用紙の画面上のインクの乾燥に用いることができる。これにより、用紙の画面上のインクを良好に乾燥させることができる。
また、本変形例では、用紙搬入・排出方向(Y1,Y2方向)には、乾燥棚が一つとなる構成となるため、先の図2に示す構成に比べて、用紙の搬入・排出方向(Y1,Y2方向)に小型化することができる。また、本変形例では、装置の奥行き方向に乾燥棚が並ぶ構成となるため、先の図2に比べて、乾燥部300が、奥行き方向に大型化してしまう。しかし、画像形成部200の奥行き方向には、例えば、インク吐出部220の奥側に、レジストローラ対130等の用紙を搬送する搬送部材を駆動する駆動装置などの電装部が設けられるため、奥行き方向にある程度の長さを有している。従って、乾燥機構301の奥行き方向の大型化が、インクジェット記録装置1に与える影響は、少ない。
図17は、変形例の乾燥機構301における用紙搬入について説明する模式図である。
(a)は、概略平面図であり、(b)は、搬入方向から見た概略図である。
本変形例では、アーム部材332が支持する乾燥棚331の一方の側壁部331bから用紙を搬入し、他方の側壁部331bから用紙を排出する。そのため、図17(b)に示すように、各側壁部331bには、用紙が通り抜けるための矩形状の開口部34が設けられている。
また、乾燥棚331の用紙搬入側の側壁部の手前側(図中左側、周回移動機構30側の反対側)には、ベルト搬入機構322が通り抜けるための切り欠き33aが設けられている。また、乾燥棚331の用紙排出側の側壁部の手前側(図中左側・周回移動機構30側の反対側)には、後述する排出コロを逃がすための切り欠き33bが設けられている。
この変形例におけるベルト搬入機構は、先の図7に示したベルト搬入機構と同様、奥行き方向に複数のベルト搬送部を有している。しかし、複数のベルト搬送部のうち、乾燥棚331の移動領域にオーバラップするベルト搬送部は、アーム部材と干渉しない手前側のベルト搬送部のみとなっている。従って、変形例においては、載置部331aの搬入側切り欠き部31は、手前側のみ設けられている。
乾燥棚331の移動領域にオーバラップする手前側(図中左側)のベルト搬送部が、切り欠き33aを通り抜けたタイミングで、用紙Pが、用紙搬入側の側壁部の開口部34を通って、乾燥棚内へ搬送される。また、乾燥棚内へ搬送されてきた用紙は、乾燥棚331の移動領域にオーバラップする手前側(図中左側)のベルト搬送部によって、しっかりと、乾燥棚の内部まで搬送される。これにより、用紙の搬送方向後端まで、乾燥棚内へ搬送することができる。
このように、乾燥棚内に搬送された用紙は、上述と同様、乾燥棚331に掬い上げられるような形で、乾燥棚331の載置部331aに保持される。そして、乾燥棚331に保持される形で、搬送ベルト351から離間し、乾燥チャンバー内を上方へ移動する。
この変形例の乾燥機構においては、乾燥棚331から用紙を排出する排出部が、乾燥棚が上方へ移動する領域A1にあるため、用紙を排出する排出手段が、上から用紙に当接する構成となる。乾燥棚331は、排出手段により用紙を排出中も上昇を続ける。そのため、搬入部と同様な構成(ベルト搬送部などの排出手段の一部を乾燥棚の移動領域に入り込ませ、乾燥棚の載置部に排出手段を逃がす切り欠きを設けた構成)にした場合、用紙排出時に用紙が、排出手段とともに、載置部の切り欠きに入り込んでしまう。その結果、用紙にしわなどのダメージが生じるおそれがある。さらには、切り欠きと排出手段とに用紙が挟まり、用紙が排出できないなどの不具合が発生するおそれもある。そこで、この変形例では、乾燥棚331の用紙Pを排出する排出位置と、乾燥棚331の移動領域から退避した退避位置との間を移揺動可能に排出手段を構成し、用紙を排出した後は、退避位置に移動することにより、排出手段が、乾燥棚の移動の妨げにならないようにした。
図18は、変形例の乾燥機構301における用紙排出について説明する概略平面図である。
図18に示すように、乾燥チャンバー内から用紙を排出する排出部340は、排出手段としての排紙コロ342aを備えている。この排紙コロ342aは、一対の排紙アーム342bの一端に回転自在に支持されている。一対の排紙アーム342bの他端は、乾燥部300に回転自在に支持されており、支持する排紙コロ342aが、乾燥棚331の移動領域に入り込んで、乾燥棚331の用紙Pを排出する排出位置と、乾燥棚331の移動領域から退避した退避位置との間を揺動可能に構成されている。排紙コロ342aは、一対のプーリとこれらプーリに張架されたタイミングベルトとからなるベルト駆動伝達機構により、駆動モータの駆動力が伝達され、回転駆動する。
乾燥チャンバー内を一周して用紙を保持した乾燥棚331が、再び上方へ移動する領域A1に戻ってくると、回転駆動している排紙コロ342aに、乾燥棚331の載置部に載置された用紙が当接する。すると、排紙コロ342aの回転駆動力により、用紙は、排紙方向Y2に搬送され、側壁部の開口部を通り抜けて、乾燥棚から排出される。この排紙コロ342aによる用紙排出中も乾燥棚は、上昇していくが、排紙アームの他端を支点にして、排紙アームが回転することで、排紙コロが、乾燥棚の載置部に持ち上げられるような形で上昇し、用紙を搬送することができる。乾燥棚から用紙排出後も乾燥棚に持ち上げられていき、ある程度持ち上げられたところで、乾燥棚から離れる。これにより、用紙排出後に排紙コロが、乾燥棚の移動領域から退避し、排紙コロが乾燥棚の移動の妨げとにならない。乾燥棚から離間した後は、一対の排紙アームが上記とは逆方向に回転し、排紙コロが下降し、次の乾燥棚に保持された用紙の画像面に当接する。
この変形例では、排紙コロが、用紙の画像面に当接するが、用紙の画像面のインクは、すでに乾燥しているので、排紙コロにより用紙に形成された画像が乱されることはない。また、一対の排紙アームを回転駆動させる駆動機構を設け、乾燥棚から用紙を排出したら、一対の排紙アームを回転駆動させて、排紙コロを強制的に退避位置へ退避させてもよい。
図19は、変形例の乾燥機構において上部を加熱部301a、下部を、用紙を冷却する冷却部301bとした例を、用紙搬入方向から見た模式図である。
図19に示すように、下部の冷却部301bと、上部の加熱部301aとは、乾燥棚が通過するための空間以外は、仕切り壁313aにより仕切られている。加熱部301aの下方には、熱風を送風する送風ファン41が設けられており、上壁部には、加熱部内の熱風を排気する複数の排気口42が設けられている。また、冷却部301bの上方には、冷却風を送風する冷却用送風ファン44が設けられており、底部には、冷却部内の冷却風を排気する冷却風排気口45が設けられている。
乾燥機構に搬送されて、乾燥棚に保持された用紙は加熱部301aを移動する。そして、送風ファン41から送られてきた熱風と、非接触熱源部の輻射熱とにより用紙の画像面のインクが加熱され乾燥される。加熱部301aで乾燥せしめられた乾燥棚に保持された用紙は、仕切り壁313aを通って冷却部301bへ移動する。冷却部301bに移動してきた乾燥棚に保持された用紙は、冷却用ファンから送られてきた冷却風により冷却される。そして、冷却風により冷やされた乾燥棚に保持された用紙は、排出部で乾燥機構から排紙される。
乾燥機構301に冷却部を設けることで、乾燥機構排出後に用紙を冷却するための冷却機構を設ける場合に比べて、装置の小型化を図ることができる。また、冷却部301bを加熱部301aよりも下方に設けることで、冷却部301bの空気が、乾燥棚が通過するための空間を通って、加熱部301aへ流れ込むのを抑制することができる。
図20は、反転搬送機構380を備えたインクジェット記録装置の一例を示す模式図である。
図20に示すように、反転搬送機構380は、複数のベルト搬送部や反転レジストローラ対382などを備えている。また、乾燥機構301よりも用紙搬送方向下流側には、用紙の搬送先を反転搬送機構380と排紙部400との間で選択的に切り替える切替爪381が揺動可能に設けられている。
用紙の両面に画像を記録するときは、切替爪381が図の姿勢を取るように、切替爪381を回転させる。乾燥機構301から排出された用紙は、切替爪381により反転搬送機構380へ搬送される。反転搬送機構380に搬送された用紙は、スイッチバックして、反転レジストローラ対382に向けて搬送される。そして、用紙の搬送方向先端が、反転レジストローラ対382に到達した後、反転レジストローラ対382が所定のタイミングで駆動することにより、インク吐出部220へ再送され、用紙のもう一方の面に画像が形成される。
本実施形態においては、所定枚数以上、用紙の両面に画像を形成する場合は、インターリーフ搬送制御で、用紙の両面に画像を形成する。インターリーフ搬送制御は、用紙の片面に画像を連続して形成し、これらを反転搬送機構380に搬送し、片面に画像が形成された用紙のインク吐出部220への搬送と、給紙部100からインク吐出部220への用紙の搬送とを交互に行う搬送制御である。かかる制御を行うことで、用紙の両面に画像を所定枚数以上行う場合の生産性の低下を抑制することができる。
このようなインターリーフ搬送制御においては、切替爪381は、紙間で搬送先を切り替える必要がある。そのため、乾燥棚331の周回移動中に乾燥棚内で用紙が、用紙排出方向に移動して、紙間が規定の紙間よりも狭くなると、切替爪381の搬送先の切替が完了する前に、次の用紙の先端が到達してしまう。その結果、本来搬送されるべき搬送先とは、異なる搬送先に搬送されるおそれがあり、搬送不良が生じるおそれがある。
また、乾燥棚331の周回移動中に乾燥棚内で用紙が用紙排出方向と反対方向に移動して、紙間が規定の紙間よりも広がると、反転レジストローラ対382の駆動開始時に、用紙の搬送方向先端が反転レジストローラ対382に到達しない場合がある。この場合、用紙の一方の面に形成された画像の位置に対して他方の面に形成された画像の位置がずれてしまう不具合が発生するおそれがある。この画像位置ずれの不具合は、一枚のみ両面に画像形成を行う場合においても、発生しうる課題である。
しかし、本実施形態においては、上述したように、乾燥棚331の姿勢を維持して乾燥棚331が周回移動するので、乾燥棚内で用紙が規定の位置に対して動くのが抑制される。よって、紙間が狭まったり広がったりするのを抑制することができ、インターリーフ搬送制御において、搬送不良の発生や画像の位置ずれの発生を抑制することができる。
図21は、反転搬送機構380を備えたインクジェット記録装置の別の例を示す模式図である。
この図21に示す例においては、排紙部400への搬送経路と、反転搬送機構380の搬送経路に、それぞれ、用紙を冷却する冷却部510を配置している。また、この図21に示す構成では、反転搬送機構380は、レジストローラ対130に向けて用紙を、再送する構成である。冷却部510は、冷却風を用紙に吹きつける複数の送風ファンからなっている。このように冷却部510を設けることで、乾燥機構301で温度上昇した用紙を冷やして、排紙部400や、画像形成部200へ搬送することができる。
図22は、反転搬送機構380を備えたインクジェット記録装置のさらに別の例を示す模式図である。
この図22においては、乾燥部300と排紙部400との間に後処理部として、冷却反転部500を設けたものである。この冷却反転部500に、切替爪381と、冷却部510とが設けられており、もう一方の面に画像を形成する場合は、冷却反転部500で反転搬送機構380へ搬送される。一方、排紙部400へ用紙を搬送する際は、冷却部510で用紙を冷却してから、排紙部400へ搬送される。
次に、本実施形態における乾燥部300の一変形例について説明する。
上述した実施形態では、インクが吐出されて画像が形成された後の用紙を乾燥する乾燥部300の例であったが、本変形例は、上述した前処理部において所定の処理液を用紙Pに塗布等により付与する処理を行い、画像形成部200でインクが吐出されて画像が形成される前に、処理液が付与された用紙を乾燥させる乾燥部に適用したものである。
図23は、前処理部を備えたインクジェット記録装置の概略構成を示す模式図である。
図23に示すインクジェット記録装置は、上述した実施形態に係るインクジェット記録装置1に対し、給紙部100と画像形成部200との間に、前処理部600及び乾燥部300’を追加した点を除いて、基本構成については上述した実施形態と同様である。また、追加される乾燥部300’の基本構成についても上述した実施形態と同様である。したがって、以下、上述した実施形態とは異なる点を中心に説明する。
図24は、前処理手段としての塗布装置610の主要部を示す説明図である。
前処理部600は、給紙部100から給紙された用紙Pに処理液を塗布する塗布装置610を備えている。処理液としては、例えば、用紙の表面に塗布することで用紙の表面を改質する改質材が挙げられる。具体的には、予め用紙にムラなく塗布しておくことで、インクの水分を速やかに用紙に浸透させるとともに色成分を増粘させ、更には乾燥も早めることによって滲み(フェザリング、ブリーディング等)や裏抜けを防止し、生産性(単位時間当たりの画像出力枚数)を上げることを可能にする定着剤(セット剤)が挙げられる。
処理液は、組成的には、例えば界面活性剤(アニオン系、カチオン系、ノニオン系のいずれか、若しくはこれらを2種類以上混合させたもの)に対して、水分の浸透を促進するセルロース類(ヒドロキシプロピルセルロース等)とタルク微粉体のような基剤を加えた溶液等を用いることができる。 更に微粒子を含有することもできる。
本変形例の塗布装置610は、用紙を搬送する搬送ローラ611と、搬送ローラ611に対向して用紙に処理液601を塗布する塗布ローラ612と、塗布ローラ612に処理液601を供給して液膜(処理液601の膜)を薄くするスクイーズローラ613とを有している。 なお、各ローラの回転方向は図中矢印方向である。これらのローラは、搬送ローラ611に塗布ローラ612が接し、塗布ローラ612にスクイーズローラ613が接して配置されている。
塗布装置610によって用紙に処理液601を塗布するとき、スクイーズローラ613が図中矢印方向に回転することで、液トレイ614内の処理液601がスクイーズローラ613の表面ですくい上げられ、液膜層601aの状態でその回転によって移送され、スクイーズローラ613と塗布ローラ612との谷部分(接触部:ニップ部)上に溜まる(処理液601b)。ここで、スクイーズローラ613と塗布ローラ612は一定の加圧力で接しており、谷部分に溜められた処理液601bは両ローラ613,612の間を通過する際に圧力でしごかれ、処理液601の液膜層601cが形成されて塗布ローラ612の回転によって搬送ローラ611側に移送される。塗布ローラ612で移送される液膜層601cは用紙に塗布される。
このようにして処理液601の液膜層601cが塗布された用紙は、上述した実施形態の乾燥部300と同様の構成をもつ乾燥部300’に搬送され、乾燥処理がなされる。この乾燥部300’によって乾燥処理を受けた後の用紙は、画像形成部200へ給紙され、画像形成部200においてインクの吐出を受けて画像が形成される。
また、図25に示すように、塗布装置610の用紙搬送方向下流側に、紫外線などの活性エネルギー線を照射する露光手段としての露光光源620を配置してもよい。これにより、用紙Pに処理液601を塗布した後、活性エネルギー線を照射して処理液601を一部硬化(半硬化)させ、その後に乾燥部300’にて処理液601を乾燥させることができる。図25に示す例は、後述の光重合開始剤を含有し、さらに水分含有量が高い処理液601を用いる場合に、特に有効である。
この場合、処理液601に光重合開始剤を含んでいることが好ましい。光重合開始剤としては、光ラジカル重合開始剤が好ましく、芳香族ケトン類、ホスフィンオキサイド化合物、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、及びアルキルアミン化合物などが挙げられる。
活性エネルギー線としては、紫外線の他、例えば可視光線、α線、γ線、X線、電子線などがある。活性エネルギー線の露光光源620としては、水銀ランプ、メタルハライドランプ、発光ダイオード、レーザーダイオードなどが挙げられる。
また、本変形例では、前処理部600と画像形成部200との間に乾燥部300’を配置し、前処理部600の塗布装置610によって処理液601が塗布された用紙Pを、画像形成部200でインクが吐出されて画像が形成される前に乾燥させているが、これに限らない。例えば、図26に示すように、前処理部600と画像形成部200との間には乾燥部を配置せず、画像形成部200の用紙搬送方向下流側の乾燥部300にて、前処理部の塗布装置610によって塗布された処理液601と画像形成部200で付与されたインクとを一括して乾燥するようにしても良い。なお、光重合開始剤を含む処理液601を用いる場合には、図25で示した露光光源620を画像形成部200と乾燥部300との間に配置しても良い。
以上に説明したものは一例であり、以下の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様1)
用紙Pなどの被乾燥部材を乾燥する乾燥装置において、被乾燥部材を保持する複数の乾燥棚331などの保持部材と、複数の前記保持部材を、周回移動させる周回移動機構30などの周回移動手段とを備え、保持部材は、前記周回移動手段に対して回転可能に支持されている。
これによれば、周回移動機構30などの周回移動手段に乾燥棚331などの保持部材を回転可能に支持することにより、周回移動に伴い保持部材を周回移動手段に対して回転させることができる。よって、周回移動に伴い、ガイド機構などの回転手段を用いて強制的に、あるいは、保持部材の自重で自動的に、保持部材を周回移動手段に対して回転させて、保持部材の姿勢を、例えば、保持部材に保持されたシート状の被乾燥部材が座屈しない姿勢に維持することができる。これにより、保持部材に保持された被乾燥部材が用紙などの剛性の低いシート状部材であっても、周回移動中に座屈するのを防止することができる。
(態様2)
態様1において、乾燥棚331などの保持部材が、円弧状の軌跡を取りながら移動するように、周回移動機構30などの周回移動手段を構成した。
これによれば、実施形態で説明したように、乾燥棚331などの保持部材は、水平方向に移動しながら、上下方向に移動することができる。これにより、上下方向において、隣接する保持部材に対して互いに異なる位置を取りながら、水平方向に移動することができる。よって、保持部材を水平方向に大きく移動させずとも、保持部材同士がぶつかることがない。その結果、高速で保持部材を水平方向に移動させる必要がなくなり、保持部材が折り返し領域で急加速・急減速させる必要がなくなる。これにより、保持部材に保持された用紙などの被乾燥部材が動くのを抑制することができ、保持部材内で被乾燥部材を規定の位置に位置させることができる。また、保持部材の間隔を狭くすることができ、生産性を高めることができる。また、保持部材の間隔を狭くできることで、被乾燥部材の搬入・排出スピードに対して保持部材の移動速度を遅くすることができ、保持部材の周回移動距離が短くても、長時間、被乾燥部材を乾燥チャンバー内に位置させることができる。これにより、乾燥装置の小型化を図れ、かつ、良好に被乾燥部材のインクなどの被乾燥部を乾燥することができる。
(態様3)
態様1または2において、用紙Pなどの被乾燥部材を加熱する加熱部301aなどの加熱区間と、該加熱区間で加熱された被乾燥部材を冷却する冷却部301bなどの冷却区間とを設け、被乾燥部材の周回移動の経路に前記加熱区間と前記冷却区間が含まれる。
これによれば、図19を用いて説明したように、用紙などの被乾燥部材を加熱した後、被乾燥部材を冷却して、排出することができる。
(態様4)
態様3において、乾燥棚331などの保持部材に用紙Pなどの被乾燥部材を搬送する方向と直交する方向に加熱部301aなどの加熱区間と冷却部301bなどの冷却区間とが並べて配置されている。
これによれば、乾燥棚331などの保持部材に用紙Pなどの被乾燥部材を搬送する方向に加熱部301aなどの加熱区間と冷却部301bなどの冷却区間とを並べて配置した場合に比べて、装置を搬送方向に小型化することができる。
(態様5)
態様3または4において、加熱部301aなどの加熱区間と冷却部301bなどの冷却区間との並び方向が、上下方向であり、上部を加熱区間とし、下部を冷却区間とした。
これによれば、図19を用いて説明したように、冷却区間の空気が、乾燥区間に流れ込むのを抑制することができ、乾燥区間の温度低下を抑制することができる。
(態様6)
態様1乃至5いずれかにおいて、当該乾燥装置の上部に非接触で用紙などの被乾燥部材に熱を付与する非接触熱源部311などの非接触熱源を配置した。
これによれば、実施形態で説明したように、用紙などの被乾燥部材に直接、非接触熱源の輻射熱を付与することができ、被乾燥部材のインクなどの被乾燥物を良好に乾燥させることができる。
(態様7)
態様1乃至6いずれかにおいて、周回移動機構30などの周回移動手段は、回転駆動するコンベアチェーン333などの回転駆動部材と、回転駆動部材取り付けられており、乾燥棚331などの保持部材が回転自在に支持される複数のアーム部材332とを備える。
(態様8)
態様7において、乾燥棚331などの保持部材は、用紙Pなどの被乾燥部材が載置される載置部331aを有し、載置部331aがアーム部材332に対する軸部材332aなどの回転軸よりも下方に位置した姿勢の状態で保持部材が周回移動する。
これによれば、乾燥棚331などの保持部材の自重によりアーム部材332に対して自動で回転し、載置部331aが水平な状態の姿勢を維持することができる。
(態様9)
態様1乃至8において、乾燥棚331などの保持部材は、用紙Pなどの被乾燥部材が載置される載置部331aを有し、載置部331aが水平の姿勢を維持しながら周回移動するように、保持部材をガイドするガイド手段(本実施形態では、ガイド部材20a,20b、乾燥チャンバーの側面、第一折り返しガイド23a、第二折り返しガイド23bなどで構成)を備えた。
これによれば、図11、図12を用いて説明したように、装置に衝撃や振動が発生した祭に、乾燥棚331などの保持部材が揺動するのを抑制することができ、用紙などの被乾燥部材が保持部材内で動くのを抑制することができる。
(態様10)
態様1乃至9において、乾燥棚331などの保持部材の重心位置を調整するための重心調整部が、前記保持部材に設けられている。
これによれば、図13を用いて説明したように、製造誤差などにより乾燥棚331などの保持部材の重心位置が、狙いの位置からずれていても、重心調整部により保持部材の重心位置を狙いの位置に調整することができる。
(態様11)
態様10において、重心調整部は、重り40と、乾燥棚331などの保持部材に設けられ重り40を保持する保持部331cとを有する。
これによれば、図13を用いて説明したように、保持部331cに重り40を保持させることで、容易に乾燥棚331などの保持部材の重心位置を狙いの位置に調整することができる。
(態様12)
態様1乃至11いずれかにおいて、用紙Pなどの被乾燥部材を乾燥棚331などの保持部材から排出する排紙コロ342aなどの排出手段を有し、前記排出手段を、前記保持部材から被乾燥部材を排出する排出位置と、前記保持部材の移動領域から退避した退避位置との間を移動可能に構成した。
これによれば、図18を用いて説明したように、排紙コロ342aなどの排出手段により乾燥棚331などの保持部材に保持された用紙Pなどの被乾燥部材を保持部材から排出後、排紙手段を、保持部材の移動領域から退避した退避位置に位置させることができる。これにより、排出手段が、乾燥棚の移動の妨げとなるのを防止することができる。
(態様13)
態様1乃至12いずれかにおいて、周回移動機構30などの周回移動手段は、回転駆動するコンベアチェーン333などの回転駆動部材を備え、前記回転駆動部材を金属で構成した。
これによれば、実施形態で説明したように、回転駆動部材を樹脂で構成した場合に比べて、耐熱性を高めることができ、熱膨張などを抑制することができる。これにより、乾燥棚331などの保持部材を安定して周回移動させることができる。
(態様14)
態様1乃至13いずれかにおいて、周回移動機構30などの前記周回移動手段は、回転駆動する回転駆動部材を備え、該回転駆動部材として、コンベアチェーンなどのチェーンを用いた。
これによれば、図4を用いて説明したように、容易に乾燥棚331など保持部材を、規定のピッチで配置することができる。
(態様15)
請求項1乃至14いずれかにおいて、乾燥棚331などの保持部材に用紙Pなどの被乾燥部材を搬送する方向に対して直交する方向に延びる仮想軸線回りに複数の保持部材が周回移動するよう周回移動機構30などの周回移動手段を構成した。
これによれば、乾燥棚などの保持部材の被乾燥部材を搬送する方向に対して直交する方向の両端をアーム部材により回転自在に支持でき、アーム部材が、保持部材へ被乾燥部材を搬送する時に邪魔となることがない。
(態様16)
態様1乃至15において、乾燥棚331などの保持部材に用紙Pなどの被乾燥部材を搬送するベルト搬送部322eなどの搬送手段を有し、前記搬送手段の一部が、前記保持部材の移動領域に入り込んでおり、前記保持部材に、前記搬送手段を逃がす搬入側切り欠き部31などの逃がし部を設けた。
実施形態で説明したように、ベルト搬送部322eなどの搬送手段の一部を、乾燥棚331などの保持部材の移動領域に入り込ませることで、用紙などの被乾燥部材を、保持部材の内部まで確実に搬送することができる。また、前記保持部材に、前記搬送手段を逃がす搬入側切り欠き部31などの逃がし部を設けることで、ベルト搬入機構322にぶつかることなく、保持部材を周回移動させることができる。
(態様17)
態様1乃至14いずれかにおいて、乾燥棚331などの保持部材に用紙Pなどの被乾燥部材を搬送する方向と、前記保持部材に保持された被乾燥部材を排出する方向とが同方向であって、前記保持部材に被乾燥部材を搬送する方向と同方向に延びる仮想軸線回りに複数の保持部材が周回移動するよう周回移動機構30などの周回移動手段を構成した。
これによれば、図15などを用いて説明したように、水平軸心を、乾燥棚331などの保持部材に用紙Pなどの被乾燥部材を搬送する方向と直交する方向にした場合に比べて、前記保持部材に被乾燥部材を搬送する方向に装置を小型化することができる。
また、被乾燥部材を搬送する方向と、保持部材に保持された被乾燥部材を排出する方向とが同方向とした構成において、保持部材に保持された被乾燥部材を、装置内でほぼ一周させて排出させることができ、被乾燥部材のインクなどの被乾燥部を、良好に乾燥することができる。
(態様18)
態様17において、乾燥棚331などの保持部材に用紙Pなどの被乾燥部材を搬送するベルト搬送部322eなどの搬送手段が、前記保持部材に被乾燥部材を搬送する方向と直交する方向に複数設けられており、複数の前記搬送手段のうち、周回移動機構30などの周回移動手段の保持部材を回転自在に支持するアーム部材332の移動領域外に配置された搬送手段の一部が、前記保持部材の移動領域に入り込んでおり、
前記保持部材に、前記搬送手段を逃がす逃がし部を設けた。
これによれば、図17を用いて説明したように、アーム部材332の移動領域外に配置されたベルト搬送部322eなどの搬送手段の一部が、前記保持部材の移動領域に入り込むことで、用紙などの被乾燥部材を、乾燥棚331などの保持部材の内部まで確実に搬送することができる。また、保持部材に、搬送手段を逃がす搬入側切り欠き部31などの逃がし部を設け、かつ、アーム部材332の移動領域外に配置された搬送手段のみ前記保持部材の移動領域に入り込ませることで、搬送手段にアーム部材332や乾燥棚331ぶつかることなく、保持部材を周回移動させることができる。
(態様19)
用紙P等のシート材の表面に向けてインク等の液体を吐出させる液体吐出ヘッド220C,220M,220Y,220K等の液体吐出手段と、前記液体吐出手段により液体を乾燥させる乾燥部300等の乾燥装置とを備えたインクジェット記録装置等の印刷装置において、前記乾燥装置として、態様1乃至18のいずれかの乾燥装置を用いた。
これによれば、シート材が座屈することなく、インクを乾燥することができる。
(態様20)
用紙P等のシート材に液体を吐出させる液体吐出ヘッド220C,220M,220Y,220K等の液体吐出手段と、液体吐出手段のシート材の搬送方向上流側で、液体が吐出される前のシート材に処理液を付与する前処理部600などの前処理手段と、前記前処理手段により処理液が付与されたシート材を乾燥する乾燥部300などの乾燥装置と、を備えた印刷装置において、乾燥装置として、態様1乃至18のいずれかの乾燥装置を用いた。
これによれば、シート材が座屈することなく、処理液を乾燥することができる。
1:インクジェット記録装置
20a,20b:ガイド部材
21:ガイドアーム
22:ガイドコロ
23a:第一折り返しガイド
23b:第二折り返しガイド
30:周回移動機構
31:搬入側切り欠き部
32:排出側切り欠き部
33:用紙突き当て部材
34:開口部
37a:アーム取り付け面面
37b:チェーン取り付け面面
41:送風ファン
41a:第一送風ファン
41b:第二送風ファン
42:排気口
44:冷却用送風ファン
45:冷却風排気口
100:給紙部
200:画像形成部
220:インク吐出部
300:乾燥部
301:乾燥機構
301a:加熱部
301b:冷却部
302:搬送機構
311:非接触熱源部
311a:赤外線ヒータ
313:乾燥チャンバー
313a:仕切り壁
320:搬入部
321:ベルト受入機構
322:ベルト搬入機構
322e:ベルト搬送部
330:乾燥搬送部
331:乾燥棚
331a:載置部
331b:側壁部
331c:保持部
332:アーム部材
332a:軸部材
333:コンベアチェーン
333a:内リンク
333b:外リンク
333c:部材取り付け部
333d:孔
334:従動ギヤ
335:駆動ギヤ
335a:駆動軸
336:駆動モータ
337:アーム取り付け部材
337c:連結部材
340:排出部
341:ベルト排出機構
342a:排紙コロ
342b:排紙アーム
351:搬送ベルト
352:従動ローラ
353:駆動ローラ
354:ローラ支持アーム
380:反転搬送機構
381:切替爪
382:反転レジストローラ対
400:排紙部
500:冷却反転部
510:冷却部
A1:上方へ移動する領域
A2:第一折り返し領域
A3:下方へ移動する領域
A4:第二折り返し領域
P:用紙
特開平3−288709号公報

Claims (20)

  1. 被乾燥部材を乾燥する乾燥装置において、
    前記被乾燥部材を保持する複数の保持部材と、
    複数の前記保持部材を、周回移動させる周回移動手段とを備え、
    前記保持部材は、前記周回移動手段に対して回転可能に支持されていることを特徴とする乾燥装置。
  2. 請求項1に記載の乾燥装置において、
    前記保持部材が、円弧状の軌跡を取りながら移動するように、前記周回移動手段を構成したことを特徴とする乾燥装置。
  3. 請求項1または2に記載の乾燥装置において、
    前記被乾燥部材を加熱する加熱区間と、該加熱区間で加熱された前記被乾燥部材を冷却する冷却区間とを設け、
    前記被乾燥部材の周回移動の経路に前記加熱区間と前記冷却区間が含まれることを特徴とする乾燥装置。
  4. 請求項3に記載の乾燥装置において、
    前記保持部材に被乾燥部材を搬送する方向と直交する方向に前記加熱区間と前記冷却区間とが並べて配置されていることを特徴とする乾燥装置。
  5. 請求項3または4に記載の乾燥装置において、
    前記加熱区間と前記冷却区間との並び方向が、上下方向であり、
    上部を加熱区間とし、下部を冷却区間としたことを特徴とする乾燥装置。
  6. 請求項1乃至5いずれか一項に記載の乾燥装置において、
    当該乾燥装置の上部に非接触で前記被乾燥部材に熱を付与する非接触熱源を配置したことを特徴とする乾燥装置。
  7. 請求項1乃至6いずれか一項に記載の乾燥装置において、
    前記周回移動手段は、回転駆動する回転駆動部材と、
    該回転駆動部材に取り付けられており、前記保持部材が回転自在に支持される複数のアーム部材とを備えることを特徴とする乾燥装置。
  8. 請求項7に記載の乾燥装置において、
    前記保持部材は、前記被乾燥部材が載置される載置部を有し、
    前記載置部が前記アーム部材に対する回転軸よりも下方に位置した姿勢の状態で前記保持部材が周回移動することを特徴とする乾燥装置。
  9. 請求項1乃至8いずれか一項に記載の乾燥装置において、
    前記保持部材は、前記被乾燥部材が載置される載置部を有し、
    前記載置部が水平の姿勢を維持しながら周回移動するように、保持部材をガイドするガイド手段を備えたことを特徴とする乾燥装置。
  10. 請求項1乃至9いずれか一項に記載の乾燥装置において、
    前記保持部材の重心位置を調整するための重心調整部が、前記保持部材に設けられていることを特徴とする乾燥装置。
  11. 請求項10に記載の乾燥装置において、
    前記重心調整部は、重りと、前記保持部材に設けられ前記重りを保持する保持部とを有することを特徴とする乾燥装置。
  12. 請求項1乃至11いずれか一項に記載の乾燥装置において、
    前記被乾燥部材を前記保持部材から排出する排出手段を有し、
    前記排出手段を、前記保持部材から被乾燥部材を排出する排出位置と、前記保持部材の移動領域から退避した退避位置との間を移動可能に構成したことを特徴とする乾燥装置。
  13. 請求項1乃至12いずれか一項に記載の乾燥装置において、
    前記周回移動手段は、回転駆動する回転駆動部材を備え、
    前記回転駆動部材を金属で構成したことを特徴とする乾燥装置。
  14. 請求項1乃至13いずれか一項に記載の乾燥装置において、
    前記周回移動手段は、回転駆動する回転駆動部材を備え、
    該回転駆動部材として、チェーンを用いたことを特徴とする乾燥装置。
  15. 請求項1乃至14いずれか一項に記載の乾燥装置において、
    前記保持部材に被乾燥部材を搬送する方向に対して直交する方向に延びる仮想軸線回りに複数の保持部材が周回移動するよう前記周回移動手段を構成したことを特徴とする乾燥装置。
  16. 請求項1乃至15いずれか一項に記載の乾燥装置において、
    前記保持部材に被乾燥部材を搬送する搬送手段を有し、
    前記搬送手段の一部が、前記保持部材の移動領域に入り込んでおり、
    前記保持部材に、前記搬送手段を逃がす逃がし部を設けたことを特徴とする乾燥装置。
  17. 請求項1乃至14いずれか一項に記載の乾燥装置において、
    前記保持部材に被乾燥部材を搬送する方向と、前記保持部材に保持された被乾燥部材を排出する方向とが同方向であり、
    前記保持部材に被乾燥部材を搬送する方向と同方向に延びる仮想軸線回りに複数の保持部材が周回移動するよう前記周回移動手段を構成したことを特徴とする乾燥装置。
  18. 請求項17に記載の乾燥装置において、
    前記保持部材に被乾燥部材を搬送する搬送手段が、前記保持部材に被乾燥部材を搬送する方向と直交する方向に複数設けられており、
    複数の前記搬送手段のうち、前記周回移動手段の前記保持部材を回転自在に支持するアーム部材の移動領域外に配置された搬送手段の一部が、前記保持部材の移動領域に入り込んでおり、
    前記保持部材に、前記搬送手段を逃がす逃がし部を設けたことを特徴とする乾燥装置。
  19. シート材に液体を吐出させる液体吐出手段と、
    シート材に付着した液体を乾燥させる乾燥装置とを備えた印刷装置において、
    前記乾燥装置として、請求項1乃至18のいずれか一項に記載の乾燥装置を用いたことを特徴とする印刷装置。
  20. シート材に液体を吐出させる液体吐出手段と、
    前記液体吐出手段のシート材の搬送方向上流側で、前記液体が吐出される前のシート材に処理液を付与する前処理手段と、
    前記前処理手段により処理液が付与されたシート材を乾燥する乾燥装置と、を備えた印刷装置において、
    前記乾燥装置として、請求項1乃至18のいずれか1項に記載の乾燥装置を用いたことを特徴とする印刷装置。
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