JP2019055509A - 液体吐出ヘッド取り付け構造、液体吐出ユニットおよび液体を吐出する装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】液体吐出ヘッドの着弾位置が狙いの位置からずれるのを抑制することができる液体吐出ヘッド取り付け構造、液体吐出ユニットおよび液体を吐出する装置。【解決手段】液体を吐出する液体吐出ヘッド221が取り付けられる複数のヘッド取り付け部材224などの取り付け部材を有し、各取り付け部材に取り付けられた液体吐出ヘッドの鉛直方向に対する傾斜角度を、互いに異ならせた液体吐出ヘッド取り付け構造において、複数の取り付け部材のうち、前記傾斜角度が最も大きい液体吐出ヘッドが取り付けられる取り付け部材の強度を他の取り付け部材の強度よりも強くした。【選択図】図9
Description
本発明は、液体吐出ヘッドの取り付け構造および液体を吐出する装置に関するものである。
従来から、液体を吐出する液体吐出ヘッドが取り付けられる複数の取り付け部材を有し、各取り付け部材に取り付けられた液体吐出ヘッドの鉛直方向に対する傾斜角度を互いに異ならせた液体吐出ヘッド取り付け構造が知られている。
特許文献1には、上記液体吐出ヘッド取り付け構造として、用紙を支持して搬送する支持ドラムの外周面に沿うように、用紙の搬送方向に並べて配置された複数の液体吐出ヘッドを、傾斜角度を互いに異ならせて取り付けたものが記載されている。
しかしながら、液体吐出ヘッドの着弾位置が狙いの位置からずれるおそれがあった。
上記課題を解決するために、本発明は、液体を吐出する液体吐出ヘッドが取り付けられる複数の取り付け部材を有し、各取り付け部材に取り付けられた前記液体吐出ヘッドの鉛直方向に対する傾斜角度を、互いに異ならせた液体吐出ヘッド取り付け構造において、複数の取り付け部材のうち、取り付けられた前記液体吐出ヘッドの前記傾斜角度が最も大きくなる取り付け部材の強度を他の取り付け部材の強度よりも強くしたものであることを特徴とするものである。
本発明によれば、着弾位置が狙いの位置からずれるのを抑制することができる。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
[実施形態1]
[全体説明]
図1は、本実施形態1におけるインクジェット記録装置の概略構成を示す模式図である。
本実施形態1のインクジェット記録装置1は、主に、給紙部100、画像形成部200、乾燥部300、排紙部400から構成されている。インクジェット記録装置1においては、給紙部100から給紙されるシート材としての記録材である用紙Pに対し、画像形成部200で画像形成用の液体であるインクにより画像を形成する。そして、用紙上に付着したインクを乾燥部300において乾燥させた後、用紙を排紙部400から排紙する。
[全体説明]
図1は、本実施形態1におけるインクジェット記録装置の概略構成を示す模式図である。
本実施形態1のインクジェット記録装置1は、主に、給紙部100、画像形成部200、乾燥部300、排紙部400から構成されている。インクジェット記録装置1においては、給紙部100から給紙されるシート材としての記録材である用紙Pに対し、画像形成部200で画像形成用の液体であるインクにより画像を形成する。そして、用紙上に付着したインクを乾燥部300において乾燥させた後、用紙を排紙部400から排紙する。
[給紙部]
給紙部100は、主に、複数の用紙Pが積載される給紙トレイ110と、給紙トレイ110から用紙を1枚ずつ分離して送り出す給送装置120と、用紙を画像形成部200へ送り込むレジストローラ対130とから構成されている。給送装置120には、ローラやコロを用いた装置や、エア吸引を利用した装置など、あらゆる給送装置を用いることが可能である。給送装置120により給紙トレイ110から送り出された用紙は、その先端がレジストローラ対130に到達した後、レジストローラ対130が所定のタイミングで駆動することにより、画像形成部200へ給紙される。なお、本実施形態において、給紙部100は、画像形成部200へ用紙Pを送り出すものであれば、その構成に制限はない。
給紙部100は、主に、複数の用紙Pが積載される給紙トレイ110と、給紙トレイ110から用紙を1枚ずつ分離して送り出す給送装置120と、用紙を画像形成部200へ送り込むレジストローラ対130とから構成されている。給送装置120には、ローラやコロを用いた装置や、エア吸引を利用した装置など、あらゆる給送装置を用いることが可能である。給送装置120により給紙トレイ110から送り出された用紙は、その先端がレジストローラ対130に到達した後、レジストローラ対130が所定のタイミングで駆動することにより、画像形成部200へ給紙される。なお、本実施形態において、給紙部100は、画像形成部200へ用紙Pを送り出すものであれば、その構成に制限はない。
[画像形成部]
画像形成部200は、主に、給紙された用紙Pを受け取って用紙搬送ドラム210へ渡す受け渡し胴201と、受け渡し胴201によって搬送された用紙Pを外周面に担持して搬送する用紙搬送ドラム210と、用紙搬送ドラム210に担持された用紙Pに向けてインクを吐出するインク吐出部230と、用紙搬送ドラム210によって搬送された用紙Pを乾燥部300へ受け渡す渡し胴202とから構成されている。
画像形成部200は、主に、給紙された用紙Pを受け取って用紙搬送ドラム210へ渡す受け渡し胴201と、受け渡し胴201によって搬送された用紙Pを外周面に担持して搬送する用紙搬送ドラム210と、用紙搬送ドラム210に担持された用紙Pに向けてインクを吐出するインク吐出部230と、用紙搬送ドラム210によって搬送された用紙Pを乾燥部300へ受け渡す渡し胴202とから構成されている。
給紙部100から画像形成部200へ搬送されてきた用紙Pは、受け渡し胴201の表面に設けられた用紙グリッパによって先端が把持され、受け渡し胴201の表面移動に伴って搬送される。受け渡し胴201により搬送された用紙は、用紙搬送ドラム210との対向位置で用紙搬送ドラム210へ受け渡される。
用紙搬送ドラム210の表面にも用紙グリッパが設けられており、用紙の先端が用紙グリッパによって把持される。また、用紙搬送ドラム210の表面には、複数の吸引孔が分散して形成されており、各吸引孔には吸引装置211によって用紙搬送ドラム210の内側へ向かう吸い込み気流が発生する。受け渡し胴201から用紙搬送ドラム210へ受け渡された用紙Pは、用紙グリッパによって先端が把持されるとともに、吸い込み気流によって用紙搬送ドラム210の表面に吸着して、用紙搬送ドラム210の表面移動に伴って搬送される。
本実施形態のインク吐出部230は、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の4色のインクを吐出して画像を形成するものであり、インクごとに個別の液体吐出ヘッドを有する液体吐出ユニット220C,220M,220Y,220Kを備えている。液体吐出ヘッドは、液体を吐出するものであれば、その構成に制限はなく、あらゆる構成のものを採用することができる。必要に応じて、白色、金色、銀色などの特殊なインクを吐出する液体吐出ヘッドを設けたり、表面コート液などの画像を構成しない液体を吐出する液体吐出ヘッドを設けたりしてもよい。
液体吐出ユニット220C,220M,220Y,220Kの液体吐出ヘッドは、画像情報に応じた駆動信号によりそれぞれ吐出動作が制御される。用紙搬送ドラム210に担持された用紙Pがインク吐出部230との対向領域を通過する際に、各液体吐出ユニット220C,220M,220Y,220Kの液体吐出ヘッドから各色インクが吐出され、当該画像情報に応じた画像が形成される。なお、本実施形態において、画像形成部200は、用紙P上に液体を付着させて画像を形成するであれば、その構成に制限はない。
[乾燥部]
乾燥部300は、主に、画像形成部200で用紙P上に付着したインクを乾燥させるための乾燥機構301と、画像形成部200から搬送されてくる用紙Pを搬送する搬送機構302とから構成されている。画像形成部200から搬送されてきた用紙Pは、搬送機構302に受け取られた後、乾燥機構301を通過するように搬送され、排紙部400へ受け渡される。乾燥機構301を通過する際、用紙P上のインクには乾燥処理が施され、これによりインク中の水分等の液分が蒸発し、用紙P上にインクが固着するとともに、用紙Pのカールが抑制される。
乾燥部300は、主に、画像形成部200で用紙P上に付着したインクを乾燥させるための乾燥機構301と、画像形成部200から搬送されてくる用紙Pを搬送する搬送機構302とから構成されている。画像形成部200から搬送されてきた用紙Pは、搬送機構302に受け取られた後、乾燥機構301を通過するように搬送され、排紙部400へ受け渡される。乾燥機構301を通過する際、用紙P上のインクには乾燥処理が施され、これによりインク中の水分等の液分が蒸発し、用紙P上にインクが固着するとともに、用紙Pのカールが抑制される。
[排紙部]
排紙部400は、主に、複数の用紙Pが積載される排紙トレイ410から構成されている。乾燥部300から搬送されてくる用紙Pは、排紙トレイ410上に順次積み重ねられて保持される。なお、本実施形態において、排紙部400は、用紙Pを排紙するものであれば、その構成に制限はない。
排紙部400は、主に、複数の用紙Pが積載される排紙トレイ410から構成されている。乾燥部300から搬送されてくる用紙Pは、排紙トレイ410上に順次積み重ねられて保持される。なお、本実施形態において、排紙部400は、用紙Pを排紙するものであれば、その構成に制限はない。
[その他の機能部]
本実施形態のインクジェット記録装置1は、給紙部100、画像形成部200、乾燥部300、排紙部400から構成されているが、他の機能部を適宜追加してもよい。例えば、給紙部100と画像形成部200との間に画像形成の前処理を行う前処理部を追加したり、乾燥部300と排紙部400との間に画像形成の後処理を行う後処理部を追加したりすることができる。
本実施形態のインクジェット記録装置1は、給紙部100、画像形成部200、乾燥部300、排紙部400から構成されているが、他の機能部を適宜追加してもよい。例えば、給紙部100と画像形成部200との間に画像形成の前処理を行う前処理部を追加したり、乾燥部300と排紙部400との間に画像形成の後処理を行う後処理部を追加したりすることができる。
前処理部としては、例えば、インクと反応して滲みを抑制するための処理液を用紙Pに塗布する処理液塗布処理を行うものなどが挙げられるが、前処理の内容については特に制限はない。また、後処理部としては、例えば、画像形成部200で画像が形成された用紙を反転させて再び画像形成部200へ送って用紙の両面に画像を形成するための用紙反転搬送処理や、画像が形成された複数枚の用紙を綴じる処理などが挙げられるが、後処理の内容についても特に制限はない。
図2は、インク吐出部230の概略構成図である。
本実施形態のインク吐出部230の各液体吐出ユニット220C,220M,220Y,220Kには、複数の液体吐出ヘッド221C,221M,221Y,221Kが、主走査方向(用紙搬送ドラム210の軸方向)に千鳥状に配列されている。具体的には、複数の液体吐出ヘッドが主走査方向に等間隔で配置された2つのヘッド群で構成され、2つのヘッド群の主走査方向の位置を互いに異ならせている。
本実施形態のインク吐出部230の各液体吐出ユニット220C,220M,220Y,220Kには、複数の液体吐出ヘッド221C,221M,221Y,221Kが、主走査方向(用紙搬送ドラム210の軸方向)に千鳥状に配列されている。具体的には、複数の液体吐出ヘッドが主走査方向に等間隔で配置された2つのヘッド群で構成され、2つのヘッド群の主走査方向の位置を互いに異ならせている。
図3は、画像形成部200の構成を示す模式図である。
上述したとおり、画像形成部200へ搬送されてきた用紙Pは受け渡し胴201の表面に設けられた用紙グリッパ201aによって先端が把持され、受け渡し胴201の表面移動に伴って搬送され、用紙搬送ドラム210へ受け渡される。
用紙搬送ドラム210に受け渡された用紙Pは、用紙搬送ドラム210上の用紙グリッパ210aによって先端が把持された状態で用紙搬送ドラム210の表面に担持され、用紙搬送ドラム210の回転に伴って搬送される。
そして、用紙搬送ドラム210によって搬送された用紙Pがインク吐出部230との対向領域を通過する際、液体吐出ヘッド221C,221M,221Y,221Kから各色インクが吐出され、画像情報に応じた画像が形成される。
本実施形態において、各液体吐出ヘッド221C,221M,221Y,221Kは、用紙搬送ドラム210の回転軸を中心にして放射状に配置している。
図4は、液体吐出ヘッド221を取り外した液体吐出ユニット220の概略構成図であり、(a)は、平面図(上から見た図)、(b)は正面図(主走査方向から見た図)、(c)は、側面図(副走査方向から見た図)、(d)は、断面図である。
なお、各色の液体吐出ユニット220の構成は同一であるので、以下の説明では、適宜、色符号を省略して説明する。
図4に示すように液体吐出ユニット220は、液体吐出ヘッドが取り付けられる2つのヘッド取り付け部材224と一対の支持部材225とを有している。各ヘッド取り付け部材224は、主走査方向に長尺な形状で、液体吐出ヘッド221が貫通するヘッド貫通孔224aが複数設けられた平面部と、この平面部の副走査方向(用紙搬送方向)両端から上方に立ち上がった側面部とで構成されている。
なお、各色の液体吐出ユニット220の構成は同一であるので、以下の説明では、適宜、色符号を省略して説明する。
図4に示すように液体吐出ユニット220は、液体吐出ヘッドが取り付けられる2つのヘッド取り付け部材224と一対の支持部材225とを有している。各ヘッド取り付け部材224は、主走査方向に長尺な形状で、液体吐出ヘッド221が貫通するヘッド貫通孔224aが複数設けられた平面部と、この平面部の副走査方向(用紙搬送方向)両端から上方に立ち上がった側面部とで構成されている。
各ヘッド取り付け部材224は、長手方向両端が、それぞれ支持部材225に固定されて支持されている。各ヘッド取り付け部材224は、水平方向に対して傾斜した状態で、支持部材225に固定される。これにより、ヘッド取り付け部材224の平面部に対して垂直に取り付けられる液体吐出ヘッドが、用紙搬送ドラム210の表面に沿うように配置することができる。また、先の図2に示したように複数の液体吐出ヘッド221は、液体吐出ユニット220に千鳥状に配列される関係で、一方のヘッド取り付け部材に設けられたヘッド貫通孔224aの個数と、他方のヘッド取り付け部材に設けられたヘッド貫通孔224aの個数が異なっている。
図5は、ヘッド取り付け部材224と液体吐出ヘッド221とを示す斜視図である。
液体吐出ヘッド221は、フレーム部材222を有しており、このフレーム部材222の4角にネジ223が貫通するネジ貫通孔222aが設けられている。また、このフレーム部材222の長手方向両端における短手方向中央には、位置決め穴222bが設けられている。
ヘッド取り付け部材224のヘッド貫通孔224aの周囲には、ネジ223が留められるネジ穴224cと、位置決め突起224bとが設けられている。
液体吐出ヘッド221は、フレーム部材222を有しており、このフレーム部材222の4角にネジ223が貫通するネジ貫通孔222aが設けられている。また、このフレーム部材222の長手方向両端における短手方向中央には、位置決め穴222bが設けられている。
ヘッド取り付け部材224のヘッド貫通孔224aの周囲には、ネジ223が留められるネジ穴224cと、位置決め突起224bとが設けられている。
液体吐出ヘッド221は、フレーム部材222よりもノズル面側を、ヘッド取り付け部材224のヘッド貫通孔224aに挿入し、位置決め穴222bに位置決め突起224bを入れ込んで、ヘッド取り付け部材224に位置決めする。そして、ネジ223を、ネジ貫通孔222aに貫通させ、ネジ穴224cに留めることで、液体吐出ヘッド221がヘッド取り付け部材224に取り付けられる。各液体吐出ヘッドは、ヘッド取り付け部材224の複数のヘッド貫通孔224aが形成された平面部に対して垂直に取り付けられる。
本実施形態においては、先の図3に示すように、各液体吐出ヘッド221を、用紙搬送ドラム210の表面に沿って配置する関係上、各液体吐出ヘッド221が鉛直方向に対して傾斜して配置される。そのため、用紙搬送ドラム210の頂部付近に配置される液体吐出ヘッド221の鉛直方向に対する傾斜角度は小さいが、用紙搬送ドラム210の頂部付近から離れるに従って、液体吐出ヘッド221の鉛直方向に対する傾斜角度が大きくなる。特に、C色の液体吐出ユニット220Cに保持されるC色の液体吐出ヘッド221Cや、K色の液体吐出ユニット220Kに保持されるK色の液体吐出ヘッド221Kの傾斜角度が大きくなる。
図6は、液体吐出ヘッド傾斜配置時のヘッド取り付け部材224の変形について説明する図である。
図6は、C色の液体吐出ユニット220Cについて示している。
液体吐出ユニット220の各ヘッド取り付け部材224は、水平方向に対して傾斜させて配置されている。上側に位置する用紙搬送方向下流側のヘッド取り付け部材224の水平方向に対して角度a傾かせて配置されており、下側に位置する用紙搬送方向下流側のヘッド取り付け部材224の水平方向に対して角度b(a<b)傾かせて配置されている。
図6は、C色の液体吐出ユニット220Cについて示している。
液体吐出ユニット220の各ヘッド取り付け部材224は、水平方向に対して傾斜させて配置されている。上側に位置する用紙搬送方向下流側のヘッド取り付け部材224の水平方向に対して角度a傾かせて配置されており、下側に位置する用紙搬送方向下流側のヘッド取り付け部材224の水平方向に対して角度b(a<b)傾かせて配置されている。
各液体吐出ヘッド221Cは、傾斜して設けられ、液体吐出ヘッド221Cの重心位置よりも下側で、ヘッド取り付け部材224に取り付けられている。そのため、液体吐出ヘッド221Cには、自重により図中時計回りに倒れるような力が生じている。また、ヘッド取り付け部材224も、傾斜して装置本体に設けられているため、上から見た時に、液体吐出ヘッドにより隠れるヘッド取り付け部材224の下側(以下、隠れ側という)に荷重が集中する。
液体吐出ユニット220Cに設けられた2つのヘッド群のうち、下側に配置されるヘッド群の液体吐出ヘッドの鉛直方向に対する傾斜角度βが、上側に配置されるヘッド群の液体吐出ヘッドの鉛直方向に対する傾斜角度αよりも大きい。その結果、2つのヘッド取り付け部材224のうち、下側に配置される下側のヘッド取り付け部材の隠れ側に加わる荷重の方が、上側に配置される上側のヘッド取り付け部材の隠れ側に加わる荷重よりも大きくなる。その結果、下側のヘッド取り付け部材224の隠れ側が液体吐出ヘッドの荷重(液体吐出ヘッドが倒れようとする力)に耐えられず、図6(b)にしめすように、用紙搬送ドラム側へ変形してしまう。これにより、下側のヘッド取り付け部材224に取り付けられた液体吐出ヘッド221が、図6(b)の矢印Kに示すように、図中時計回りに回転するように倒れ、液体吐出ヘッド221から吐出された液体の着弾位置が狙いの着弾位置からずれてしまう。その結果、用紙に形成した画像が乱れてしまうのである。
また、本出願人が下側のヘッド取り付け部材224の変形を調べたところ、主走査方向(長手方向)の中央が用紙搬送ドラム側に凹む撓み変形も生じることがわかった。これは、先の図4に示したように、ヘッド取り付け部材224の長手方向両端は、支持部材225に固定されている関係で強度があるが、中央部分は強度が弱い。その結果、長手方向中央部の先の図6(b)に示す変形量が、端部よりも多くなり、中央が用紙搬送ドラム側に凹む撓み変形も生じたと考えられる。
図7は、主走査方向(長手方向)の中央が用紙搬送ドラム側に凹む撓み変形がヘッド取り付け部材224に生じたときの不具合について説明する図である。(a)は、ヘッド取り付け部材224に撓み変形が生じていない液体吐出ユニット220Cの概略拡大図であり、(b)は、ヘッド取り付け部材224に撓み変形が生じている液体吐出ユニット220Cの概略拡大図である。また、図7は、C色の液体吐出ユニット220Cを搬送方向上流側から見た図である。
図7(a)に示すように、図中手前の下側のヘッド取り付け部材224に撓み変形が生じていないとき、下側のヘッド取り付け部材224に取り付けられた液体吐出ヘッドの図中右端のノズルから吐出された液体の着弾位置から図中左端のノズルから吐出された液体の着弾位置までの長さは、a[mm]である。また、図中奥側の上側のヘッド取り付け部材224に取り付けられた液体吐出ヘッドの一端のノズルから吐出された液体の着弾位置から、上側のヘッド取り付け部材224に取り付けられた液体吐出ヘッドの他端のノズルから吐出された液体の着弾位置までの距離は、b[mm]である。また、ノズルから用紙表面までの距離は、一律にc[mm]である。
一方、図7(b)に示すように、下側のヘッド取り付け部材224に撓み変形が生じると、下側のヘッド取り付け部材224に取り付けられた液体吐出ヘッド221Cの図中右端のノズルから吐出された液体の着弾位置から図中左端のノズルから吐出された液体の着弾位置までの長さが、a[mm]よりも長いa’[mm]となってしまう。また、上側のヘッド取り付け部材に取り付けられた液体吐出ヘッドの一端のノズルから吐出された液体の着弾位置から、上側のヘッド取り付け部材224に取り付けられた液体吐出ヘッド221Cの他端のノズルから吐出された液体の着弾位置までの距離が、b[mm]よりも長いb’[mm]となってしまう。その結果、着弾位置の間隔が、狙いの間隔よりも空いてしまい、画像が乱れてしまう。
さらに、ノズルから用紙表面までの距離が、長手方向中央側が、c[mm]よりも短いc’[mm]となり、長手方向中央側が、c[mm]よりも長いc’’[mm]となる。その結果、用紙表面に着弾した液体の直径が、長手方向で均一ではなくなり、画像が乱れてしまう。
図8は、従来の各液体吐出ユニット220C、220M、220Y、220Kについて示す図である。
図8示すように、従来では、各液体吐出ユニット220C、220M、220Y、220Kは、2つのヘッド群のうち、液体吐出ヘッドの数が多い方のヘッド群が、用紙搬送方向上流側に位置するようにしていた。そのため、用紙搬送方向上流側のヘッド取り付け部材に設けられるヘッド貫通孔の数が、用紙搬送方向下流側のヘッド取り付け部材よりも多くなる。その結果、取り付け部材の開口面積が、用紙搬送方向下流側のヘッド取り付け部材よりも広くなる。これにより、用紙搬送方向上流側のヘッド取り付け部材224の強度が、用紙搬送方向下流側のヘッド取り付け部材224の強度よりも弱くなる。
図8示すように、従来では、各液体吐出ユニット220C、220M、220Y、220Kは、2つのヘッド群のうち、液体吐出ヘッドの数が多い方のヘッド群が、用紙搬送方向上流側に位置するようにしていた。そのため、用紙搬送方向上流側のヘッド取り付け部材に設けられるヘッド貫通孔の数が、用紙搬送方向下流側のヘッド取り付け部材よりも多くなる。その結果、取り付け部材の開口面積が、用紙搬送方向下流側のヘッド取り付け部材よりも広くなる。これにより、用紙搬送方向上流側のヘッド取り付け部材224の強度が、用紙搬送方向下流側のヘッド取り付け部材224の強度よりも弱くなる。
従来においては、C色の液体吐出ユニット220C、M色の液体吐出ユニット220Mについては、液体吐出ヘッド221が取り付けられる数が多く強度的に弱い取り付け部材が下側に配置されてしまい、下側のヘッド取り付け部材が液体吐出ヘッドの荷重により変形し、C色やM色に画像の乱れが生じていた。
図9は、本実施形態の各液体吐出ユニット220C、220M、220Y、220Kについて示す図である。
図9に示すように、本実施形態においては、各液体吐出ユニット220C、220M、220Y、220Kは、ヘッド貫通孔224aの数が少ないヘッド取り付け部材224が下側に位置するように配置した。具体的に説明すると、下側が図9(a)の右側のC,M色の液体吐出ユニット220C、220Mについては、用紙搬送方向上流側にヘッド貫通孔224aの数が少ないヘッド取り付け部材224を配置した。一方、下側が、図9(a)の左側のY,K色の液体吐出ユニット220Y、220Kについては、用紙搬送方向下流側にヘッド貫通孔224aの数が少ないヘッド取り付け部材224を配置した。
図9に示すように、本実施形態においては、各液体吐出ユニット220C、220M、220Y、220Kは、ヘッド貫通孔224aの数が少ないヘッド取り付け部材224が下側に位置するように配置した。具体的に説明すると、下側が図9(a)の右側のC,M色の液体吐出ユニット220C、220Mについては、用紙搬送方向上流側にヘッド貫通孔224aの数が少ないヘッド取り付け部材224を配置した。一方、下側が、図9(a)の左側のY,K色の液体吐出ユニット220Y、220Kについては、用紙搬送方向下流側にヘッド貫通孔224aの数が少ないヘッド取り付け部材224を配置した。
これにより、各液体吐出ユニット220C、220M、220Y、220Kにおいて、2つのヘッド取り付け部材のうち、液体吐出ヘッドの傾斜角度が大きな下側のヘッド取り付け部材の開口面積を、上側のヘッド取り付け部材の開口面積よりも狭くできる。その結果、下側のヘッド取り付け部材の強度を、上側のヘッド取り付け部材の強度よりも強くすることができる。よって、各液体吐出ユニットのヘッド取り付け部材224が、液体吐出ヘッドの荷重により変形するのを抑制することができ、着弾位置が狙いの位置からずれるのを抑制することができ、良好な画像を得ることができる。
図10は、変形例の液体吐出ユニット220の概略構成図である。
この変形例においては、下側のヘッド取り付け部材224にリブ224dを設けて下側のヘッド取り付け部材224の強度を、上側のヘッド取り付け部材224の強度よりも高めたものである。これにより、下側のヘッド取り付け部材224の変形を抑制することができ、着弾位置が狙いの位置からずれるのを抑制することができ、良好な画像を得ることができる。
この変形例においては、下側のヘッド取り付け部材224にリブ224dを設けて下側のヘッド取り付け部材224の強度を、上側のヘッド取り付け部材224の強度よりも高めたものである。これにより、下側のヘッド取り付け部材224の変形を抑制することができ、着弾位置が狙いの位置からずれるのを抑制することができ、良好な画像を得ることができる。
また、例えば、下側のヘッド取り付け部材を鉄とし、上側のヘッド取り付け部材をアルミとして、下側のヘッド取り付け部材の強度を、上側のヘッド取り付け部材の強度よりも高めてもよい。
また、C色の液体吐出ヘッド221Cの傾斜角度は、M色の液体吐出ヘッド221Mの傾斜角度よりも大きいため、C色のヘッド取り付け部材の上から見た時に、液体吐出ヘッドにより隠れる隠れ側は、M色のヘッド取り付け部材の隠れ側よりも液体吐出ヘッドの荷重が多くかかり、変形しやすい。そのため、C色のヘッド取り付け部材の強度を、M色のヘッド取り付け部材の強度よりも強くするのが好ましい。また、同様に、K色のヘッド取り付け部材の強度をY色のヘッド取り付け部材よりも強くするのが好ましい。
図11は、液体吐出ヘッドを移動させて用紙Pに画像を記録するシリアル型のインクジェット記録装置における液体吐出ユニット220の概略構成図である。
図11(a)に示すように、シリアル型のインクジェット記録装置は、ガイドロッド242およびガイドステー243に主走査方向(図11(a)の紙面と直交する方向)に移動可能に支持されたキャリッジ241を備えている。このキャリッジ241には、2つのヘッド取り付け部材224が取り付けられている。図11(b)に示すように、各ヘッド取り付け部材224には、C,M,Y,Kの液体吐出ヘッド221C,221M,221Y,221Kが取り付けられる。
図11(a)に示すように、シリアル型のインクジェット記録装置は、ガイドロッド242およびガイドステー243に主走査方向(図11(a)の紙面と直交する方向)に移動可能に支持されたキャリッジ241を備えている。このキャリッジ241には、2つのヘッド取り付け部材224が取り付けられている。図11(b)に示すように、各ヘッド取り付け部材224には、C,M,Y,Kの液体吐出ヘッド221C,221M,221Y,221Kが取り付けられる。
また、用紙搬送ドラム210の表面に沿うように下側のヘッド取り付け部材に取り付けられる液体吐出ヘッドの鉛直方向に対する傾斜角度を、上側のヘッド取り付け部材に取り付けられる液体吐出ヘッドの鉛直方向に対する傾斜角度よりも大きくしている。そして、2つのヘッド取り付け部材のうち、取り付けられた液体吐出ヘッド傾斜角度が大きい下側のヘッド取り付け部材には、図10に示した変形例と同様、リブ224dを設けて強度を強めている。これにより、下側のヘッド取り付け部材224の上から見た時に、液体吐出ヘッドにより隠れる隠れ側の変形を抑制することができ、着弾位置が狙いの位置からずれるのを抑制することができ、良好な画像を得ることができる。
[実施形態2]
図12は、実施形態2における各液体吐出ユニット220C,220M,220Y,220Kの概略構成図である。
この実施形態2における各液体吐出ユニット220C,220M,220Y,220Kは、主走査方向に長い液吐出ヘッド(ライン型ヘッド)を一つ備えている。
この図12に示す液体吐出ユニットは、ヘッド取り付け部材224は、一つである。かかる構成においても、ヘッド取り付け部材224の上から見たときに液体吐出ヘッドに一部が隠れる隠れ側(図中下側)に液体吐出ヘッドの荷重が集中し、ヘッド取り付け部材224の隠れ側が変形するおそれがある。よって、ヘッド取り付け部材224の隠れ側にリブ224dを設け、ヘッド取り付け部材224の隠れ側の強度を強めている。これにより、ヘッド取り付け部材の変形による着弾位置のずれを抑制することができ、良好な画像を得ることができる。
図12は、実施形態2における各液体吐出ユニット220C,220M,220Y,220Kの概略構成図である。
この実施形態2における各液体吐出ユニット220C,220M,220Y,220Kは、主走査方向に長い液吐出ヘッド(ライン型ヘッド)を一つ備えている。
この図12に示す液体吐出ユニットは、ヘッド取り付け部材224は、一つである。かかる構成においても、ヘッド取り付け部材224の上から見たときに液体吐出ヘッドに一部が隠れる隠れ側(図中下側)に液体吐出ヘッドの荷重が集中し、ヘッド取り付け部材224の隠れ側が変形するおそれがある。よって、ヘッド取り付け部材224の隠れ側にリブ224dを設け、ヘッド取り付け部材224の隠れ側の強度を強めている。これにより、ヘッド取り付け部材の変形による着弾位置のずれを抑制することができ、良好な画像を得ることができる。
なお、「液体を吐出する装置」は、インクジェット記録装置に限らず、液体を吐出する液体吐出ヘッドまたは液体吐出ユニットを備え、液体吐出ヘッドを駆動させて液体を吐出させる装置であればよい。「液体を吐出する装置」には、液体が付着可能なものに対して液体を吐出することが可能な装置だけでなく、液体を気中や液中に向けて吐出する装置も含まれる。
この「液体を吐出する装置」は、液体が付着可能なものの給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置なども含むことができる。例えば、「液体を吐出する装置」としては、インクを吐出させて用紙に画像を形成するインクジェット記録装置などの画像形成装置、立体造形物(三次元造形物)を造形するために、粉体を層状に形成した粉体層に造形液を吐出させる立体造形装置(三次元造形装置)が挙げられる。
また、「液体を吐出する装置」としては他にも、用紙の表面を改質するなどの目的で用紙の表面に処理液を塗布するために処理液を用紙に吐出する処理液塗布装置、原材料を溶液中に分散した組成液を、ノズルを介して噴射させて原材料の微粒子を造粒する噴射造粒装置なども挙げられる。
また、「液体を吐出する装置」としては他にも、用紙の表面を改質するなどの目的で用紙の表面に処理液を塗布するために処理液を用紙に吐出する処理液塗布装置、原材料を溶液中に分散した組成液を、ノズルを介して噴射させて原材料の微粒子を造粒する噴射造粒装置なども挙げられる。
また、「液体を吐出する装置」は、液体吐出ヘッドと液体が付着可能なものとが相対的に移動する装置を挙げることができる。具体例としては、液体吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、液体吐出ヘッドを移動させないライン型装置などを挙げることができる。また、「液体を吐出する装置」は、液体吐出ヘッドと液体が付着可能なものとが相対的に移動する装置に限定するものではない。
また、「液体を吐出する装置」は、吐出された液体によって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、それ自体意味を持たないパターン等を形成するもの、三次元像を造形するものも含まれる。
上記「液体が付着可能なもの」とは、液体が少なくとも一時的に付着可能なものであって、付着して固着するもの、付着して浸透するものなどを意味する。具体例としては、用紙、記録紙、記録用紙、フィルム、布などの被記録媒体、電子基板、圧電素子などの電子部品、粉体層(粉末層)、臓器モデル、検査用セルなどの被液体吐出媒体であり、特に限定しない限り、液体が付着するすべてのものが含まれる。
上記「液体が付着可能なもの」の材質は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックスなど液体が一時的でも付着可能であればよい。
また、「液体」は、ヘッドから吐出可能な粘度や表面張力を有するものであればよく、特に限定されないが、常温、常圧下において、または加熱、冷却により粘度が30mPa・s以下となるものであることが好ましい。より具体的には、水や有機溶媒等の溶媒、染料や顔料等の着色剤、重合性化合物、樹脂、界面活性剤等の機能性付与材料、DNA、アミノ酸やたんぱく質、カルシウム等の生体適合材料、天然色素等の可食材料、などを含む溶液、懸濁液、エマルジョンなどであり、これらは例えば、インクジェット用インク、表面処理液、電子素子や発光素子の構成要素や電子回路レジストパターンの形成用液、3次元造形用材料液等の用途で用いることができる。
また、「液体吐出ヘッド」は、ノズルから液体を吐出・噴射する機能部品である。液体を吐出するエネルギー発生源として、圧電アクチュエータ(積層型圧電素子及び薄膜型圧電素子)、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いるサーマルアクチュエータ、振動板と対向電極からなる静電アクチュエータなどを使用するものが含まれる。
また、本願の用語における、画像形成、記録、印字、印写、印刷、造形等はいずれも同義語とする。
以上に説明したものは一例であり、以下の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様1)
液体を吐出する液体吐出ヘッド221が取り付けられる複数のヘッド取り付け部材224などの取り付け部材を有し、各取り付け部材に取り付けられた液体吐出ヘッドの鉛直方向に対する傾斜角度を、互いに異ならせた液体吐出ヘッド取り付け構造において、複数の取り付け部材のうち、前記傾斜角度が最も大きい液体吐出ヘッドが取り付けられる取り付け部材(本実施形態では、下側のヘッド取り付け部材)の強度を他の取り付け部材の強度よりも強くした。
鉛直方向に対して傾斜させて液体吐出ヘッドを取り付けた場合、液体吐出ヘッドは、自重で倒れようとする。液体吐出ヘッドの鉛直方向に対する傾斜角度が大きいほど、この倒れこもうとする力が強くなる。その結果、取り付けられた液体吐出ヘッドの前記傾斜角度が最も大きくなる取り付け部材が、上記倒れこもうとする力に耐えられず変形してしまう場合があった。その結果、液体吐出ヘッドの姿勢(傾斜角度)が変化し、着弾位置が狙いの位置からずれるおそれがあった。
そこで、態様1では、複数の取り付け部材のうち、取り付けられた液体吐出ヘッドの前記傾斜角度が最も大きくなる下側のヘッド取り付け部材などの取り付け部材の強度を、他の取り付け部材の強度よりも強くした。これにより、液体吐出ヘッドの傾斜角度が最も大きくなる取り付け部材の変形を抑制することができ、この取り付け部材に取り付けられた液体吐出ヘッドの姿勢が変化するのを抑制することができる。その結果、液体吐出ヘッドから吐出された液体の着弾位置が狙いの位置からずれるのを抑制することができる。
(態様1)
液体を吐出する液体吐出ヘッド221が取り付けられる複数のヘッド取り付け部材224などの取り付け部材を有し、各取り付け部材に取り付けられた液体吐出ヘッドの鉛直方向に対する傾斜角度を、互いに異ならせた液体吐出ヘッド取り付け構造において、複数の取り付け部材のうち、前記傾斜角度が最も大きい液体吐出ヘッドが取り付けられる取り付け部材(本実施形態では、下側のヘッド取り付け部材)の強度を他の取り付け部材の強度よりも強くした。
鉛直方向に対して傾斜させて液体吐出ヘッドを取り付けた場合、液体吐出ヘッドは、自重で倒れようとする。液体吐出ヘッドの鉛直方向に対する傾斜角度が大きいほど、この倒れこもうとする力が強くなる。その結果、取り付けられた液体吐出ヘッドの前記傾斜角度が最も大きくなる取り付け部材が、上記倒れこもうとする力に耐えられず変形してしまう場合があった。その結果、液体吐出ヘッドの姿勢(傾斜角度)が変化し、着弾位置が狙いの位置からずれるおそれがあった。
そこで、態様1では、複数の取り付け部材のうち、取り付けられた液体吐出ヘッドの前記傾斜角度が最も大きくなる下側のヘッド取り付け部材などの取り付け部材の強度を、他の取り付け部材の強度よりも強くした。これにより、液体吐出ヘッドの傾斜角度が最も大きくなる取り付け部材の変形を抑制することができ、この取り付け部材に取り付けられた液体吐出ヘッドの姿勢が変化するのを抑制することができる。その結果、液体吐出ヘッドから吐出された液体の着弾位置が狙いの位置からずれるのを抑制することができる。
(態様2)
態様1において、前記傾斜角度が最も大きい液体吐出ヘッドが取り付けられる下側のヘッド取り付け部材などの取り付け部材の開口面積を、他の取り付け部材の開口面積よりも狭くした。
これによれば、実施形態で説明したように、傾斜角度が最も大きい液体吐出ヘッドが取り付けられる下側のヘッド取り付け部材などの取り付け部材の強度を、他の取り付け部材よりも強くすることができる。
態様1において、前記傾斜角度が最も大きい液体吐出ヘッドが取り付けられる下側のヘッド取り付け部材などの取り付け部材の開口面積を、他の取り付け部材の開口面積よりも狭くした。
これによれば、実施形態で説明したように、傾斜角度が最も大きい液体吐出ヘッドが取り付けられる下側のヘッド取り付け部材などの取り付け部材の強度を、他の取り付け部材よりも強くすることができる。
(態様3)
主走査方向(用紙搬送方向と直交する方向)に傾斜角度が同一の複数の前記液体吐出ヘッドが並べて配置されたヘッド群が、副走査方向(用紙の搬送方向)に複数設けられており、ヘッド群を構成する複数の液体吐出ヘッドが、同一の取り付け部材に取り付けられており、傾斜角度が最も大きいヘッド群の液体吐出ヘッドの個数が、他の液体吐出ヘッド群よりも少ない。
これによれば、実施形態で説明したように、傾斜角度が最も大きい液体吐出ヘッドが取り付けられる下側のヘッド取り付け部材などの取り付け部材に設けられる液体吐出ヘッドが貫通するヘッド貫通孔224aの個数を、他の取り付け部材よりも減らすことができ、傾斜角度が最も大きい液体吐出ヘッドが取り付けられる取り付け部材の開口面積を他の取り付け部材の開口面積よりも狭くできる。
主走査方向(用紙搬送方向と直交する方向)に傾斜角度が同一の複数の前記液体吐出ヘッドが並べて配置されたヘッド群が、副走査方向(用紙の搬送方向)に複数設けられており、ヘッド群を構成する複数の液体吐出ヘッドが、同一の取り付け部材に取り付けられており、傾斜角度が最も大きいヘッド群の液体吐出ヘッドの個数が、他の液体吐出ヘッド群よりも少ない。
これによれば、実施形態で説明したように、傾斜角度が最も大きい液体吐出ヘッドが取り付けられる下側のヘッド取り付け部材などの取り付け部材に設けられる液体吐出ヘッドが貫通するヘッド貫通孔224aの個数を、他の取り付け部材よりも減らすことができ、傾斜角度が最も大きい液体吐出ヘッドが取り付けられる取り付け部材の開口面積を他の取り付け部材の開口面積よりも狭くできる。
(態様4)
液体を吐出する液体吐出ヘッド221を、鉛直方向に対して傾斜させて取り付ける液体吐出ヘッド取り付け構造(本実施形態では、支持部材225、ヘッド取り付け部材224などで構成)において、液体吐出ヘッド221が取り付けられるヘッド取り付け部材224などの取り付け部材を有し、鉛直方向上から見た時、前記液体吐出ヘッドにより少なくとも一部が隠される側の前記取り付け部材の強度を、隠されない側の強度よりも強くした。
実施形態で説明したように、鉛直方向に対して傾斜して取り付けられた液体吐出ヘッドの自重で倒れようとする力は、取り付け部材の鉛直方向上から見た時、前記液体吐出ヘッドにより少なくとも一部が隠される側に集中する。その結果、取り付け部材の液体吐出ヘッドにより隠される側が変形し、液体吐出ヘッド221の姿勢が変化して、着弾位置が狙いの着弾位置に対してずれが生じる。
態様4においては、ヘッド取り付け部材224などの取り付け部材の取り付け部材の鉛直方向上から見た時、前記液体吐出ヘッドにより少なくとも一部が隠される側の強度を、隠されない側の強度よりも強くしたことで、液体吐出ヘッドの自重で倒れようとする力の集中によって、取り付け部材の液体吐出ヘッドにより少なくとも一部が隠される側が変形するのを抑制することができる。これにより、液体吐出ヘッド221の姿勢が変化するのが抑制され、着弾位置が狙いの着弾位置に対してずれが生じるのを抑制することができる。
液体を吐出する液体吐出ヘッド221を、鉛直方向に対して傾斜させて取り付ける液体吐出ヘッド取り付け構造(本実施形態では、支持部材225、ヘッド取り付け部材224などで構成)において、液体吐出ヘッド221が取り付けられるヘッド取り付け部材224などの取り付け部材を有し、鉛直方向上から見た時、前記液体吐出ヘッドにより少なくとも一部が隠される側の前記取り付け部材の強度を、隠されない側の強度よりも強くした。
実施形態で説明したように、鉛直方向に対して傾斜して取り付けられた液体吐出ヘッドの自重で倒れようとする力は、取り付け部材の鉛直方向上から見た時、前記液体吐出ヘッドにより少なくとも一部が隠される側に集中する。その結果、取り付け部材の液体吐出ヘッドにより隠される側が変形し、液体吐出ヘッド221の姿勢が変化して、着弾位置が狙いの着弾位置に対してずれが生じる。
態様4においては、ヘッド取り付け部材224などの取り付け部材の取り付け部材の鉛直方向上から見た時、前記液体吐出ヘッドにより少なくとも一部が隠される側の強度を、隠されない側の強度よりも強くしたことで、液体吐出ヘッドの自重で倒れようとする力の集中によって、取り付け部材の液体吐出ヘッドにより少なくとも一部が隠される側が変形するのを抑制することができる。これにより、液体吐出ヘッド221の姿勢が変化するのが抑制され、着弾位置が狙いの着弾位置に対してずれが生じるのを抑制することができる。
(態様5)
液体を吐出する液体吐出ヘッド221と、液体吐出ヘッド221を、鉛直方向に対して傾斜させて取り付けるヘッド取り付け構造(本実施形態では、支持部材225、ヘッド取り付け部材224などで構成)とを備えた液体吐出ユニット220において、前記ヘッド取り付け構造として態様1乃至4いずれかのヘッド取り付け構造を用いた。
これによれば、液体吐出ヘッドから吐出された液体を狙いの位置に着弾させることができる。
液体を吐出する液体吐出ヘッド221と、液体吐出ヘッド221を、鉛直方向に対して傾斜させて取り付けるヘッド取り付け構造(本実施形態では、支持部材225、ヘッド取り付け部材224などで構成)とを備えた液体吐出ユニット220において、前記ヘッド取り付け構造として態様1乃至4いずれかのヘッド取り付け構造を用いた。
これによれば、液体吐出ヘッドから吐出された液体を狙いの位置に着弾させることができる。
(態様6)
液体を吐出する液体吐出ヘッド221と、液体吐出ヘッド221を、鉛直方向に対して傾斜させて取り付けるヘッド取り付け構造(本実施形態では、支持部材225、ヘッド取り付け部材224などで構成)を備えたインクジェット記録装置1などの液体を吐出する装置であって、ヘッド取り付け構造として態様1乃至4いずれかのヘッド取り付け構造を用いた。
これによれば、液体吐出ヘッドから吐出した液体を、狙いの位置に着弾させることができる。
液体を吐出する液体吐出ヘッド221と、液体吐出ヘッド221を、鉛直方向に対して傾斜させて取り付けるヘッド取り付け構造(本実施形態では、支持部材225、ヘッド取り付け部材224などで構成)を備えたインクジェット記録装置1などの液体を吐出する装置であって、ヘッド取り付け構造として態様1乃至4いずれかのヘッド取り付け構造を用いた。
これによれば、液体吐出ヘッドから吐出した液体を、狙いの位置に着弾させることができる。
(態様7)
液体吐出ユニット220を備えたインクジェット記録装置1などの液体を吐出する装置において、前記液体吐出ユニットとして、態様5に記載の液体吐出ユニットを用いた。
これによれば、液体吐出ヘッドから吐出した液体を、狙いの位置に着弾させることができる。
液体吐出ユニット220を備えたインクジェット記録装置1などの液体を吐出する装置において、前記液体吐出ユニットとして、態様5に記載の液体吐出ユニットを用いた。
これによれば、液体吐出ヘッドから吐出した液体を、狙いの位置に着弾させることができる。
(態様8)
態様6または7において、用紙などの被液体吐出媒体を搬送する用紙搬送ドラム210などの円筒形状の搬送部材を備え、液体吐出ヘッド221を複数備え、複数の液体吐出ヘッドは、前記搬送部材の回転軸を中心にして放射状に、前記被液体吐出媒体の搬送方向に並んで配置されている。
これによれば、円筒状部材の表面に担持された用紙などの被液体吐出媒体に対して、狙いの着弾位置に液体を着弾させることができる。
態様6または7において、用紙などの被液体吐出媒体を搬送する用紙搬送ドラム210などの円筒形状の搬送部材を備え、液体吐出ヘッド221を複数備え、複数の液体吐出ヘッドは、前記搬送部材の回転軸を中心にして放射状に、前記被液体吐出媒体の搬送方向に並んで配置されている。
これによれば、円筒状部材の表面に担持された用紙などの被液体吐出媒体に対して、狙いの着弾位置に液体を着弾させることができる。
1 :インクジェット記録装置
100 :給紙部
110 :給紙トレイ
120 :給送装置
130 :レジストローラ対
200 :画像形成部
201 :受け渡し胴
202 :渡し胴
201a :用紙グリッパ
210 :用紙搬送ドラム
210a :用紙グリッパ
211 :吸引装置
220 :液体吐出ユニット
221 :液体吐出ヘッド
222 :フレーム部材
222a :ネジ貫通孔
222b :位置決め穴
223 :ネジ
224 :ヘッド取り付け部材
224a :ヘッド貫通孔
224b :位置決め突起
224c :ネジ穴
224d :リブ
225 :支持部材
230 :インク吐出部
300 :乾燥部
301 :乾燥機構
302 :搬送機構
400 :排紙部
410 :排紙トレイ
P :用紙
100 :給紙部
110 :給紙トレイ
120 :給送装置
130 :レジストローラ対
200 :画像形成部
201 :受け渡し胴
202 :渡し胴
201a :用紙グリッパ
210 :用紙搬送ドラム
210a :用紙グリッパ
211 :吸引装置
220 :液体吐出ユニット
221 :液体吐出ヘッド
222 :フレーム部材
222a :ネジ貫通孔
222b :位置決め穴
223 :ネジ
224 :ヘッド取り付け部材
224a :ヘッド貫通孔
224b :位置決め突起
224c :ネジ穴
224d :リブ
225 :支持部材
230 :インク吐出部
300 :乾燥部
301 :乾燥機構
302 :搬送機構
400 :排紙部
410 :排紙トレイ
P :用紙
Claims (8)
- 液体を吐出する液体吐出ヘッドが取り付けられる複数の取り付け部材を有し、
各取り付け部材に取り付けられた前記液体吐出ヘッドの鉛直方向に対する傾斜角度を、互いに異ならせた液体吐出ヘッド取り付け構造において、
複数の取り付け部材のうち、前記傾斜角度が最も大きい液体吐出ヘッドが取り付けられる取り付け部材の強度を他の取り付け部材の強度よりも強くしたことを特徴とする液体吐出ヘッド取り付け構造。 - 請求項1に記載の液体吐出ヘッド取り付け構造において、
前記傾斜角度が最も大きい液体吐出ヘッドが取り付けられる取り付け部材の開口面積を、他の取り付け部材の開口面積よりも狭くしたことを液体吐出ヘッド取り付け構造。 - 請求項2に記載の液体吐出ヘッド取り付け構造において、
主走査方向に前記傾斜角度が同一の複数の前記液体吐出ヘッドが並べて配置されたヘッド群が、副走査方向に複数設けられており、
前記ヘッド群を構成する複数の液体吐出ヘッドが、同一の取り付け部材に取り付けられており、
前記傾斜角度が最も大きいヘッド群の液体吐出ヘッドの個数が、他の液体吐出ヘッド群よりも少ないことを特徴とする液体吐出ヘッド取り付け構造。 - 液体を吐出する液体吐出ヘッドを、鉛直方向に対して傾斜させて取り付ける液体吐出ヘッド取り付け構造において、
前記液体吐出ヘッドが取り付けられる取り付け部材を有し、
鉛直方向上から見た時、前記液体吐出ヘッドにより少なくとも一部が隠される側の前記取り付け部材の強度を、隠されない側の強度よりも強くしたことを特徴とする液体吐出ヘッド取り付け構造。 - 液体を吐出する液体吐出ヘッドと、
前記液体吐出ヘッドを、鉛直方向に対して傾斜させて取り付けるヘッド取り付け構造とを備えた液体吐出ユニットにおいて、
前記ヘッド取り付け構造として請求項1乃至4いずれか一項に記載のヘッド取り付け構造を用いたことを特徴とする液体吐出ユニット。 - 液体を吐出する液体吐出ヘッドと
前記液体吐出ヘッドを、鉛直方向に対して傾斜させて取り付けるヘッド取り付け構造とを備えた液体を吐出する装置において、
前記ヘッド取り付け構造として請求項1乃至4いずれか一項に記載のヘッド取り付け構造を用いたことを特徴とする液体を吐出する装置。 - 液体吐出ユニットを備えた液体を吐出する装置において、
前記液体吐出ユニットとして、請求項5に記載の液体吐出ユニットを用いたことを特徴とする液体を吐出する装置。 - 請求項6または7に記載の液体を吐出する装置において、
被液体吐出媒体を搬送する円筒形状の搬送部材を備え、
前記液体吐出ヘッドを複数備え、
複数の液体吐出ヘッドは、前記搬送部材の回転軸を中心にして放射状に、前記被液体吐出媒体の搬送方向に並んで配置されていることを特徴とする液体を吐出する装置。
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CN113119595A (zh) * | 2020-01-14 | 2021-07-16 | 精工爱普生株式会社 | 液体喷射装置 |
-
2017
- 2017-09-20 JP JP2017180353A patent/JP2019055509A/ja active Pending
Cited By (2)
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CN113119595A (zh) * | 2020-01-14 | 2021-07-16 | 精工爱普生株式会社 | 液体喷射装置 |
CN113119595B (zh) * | 2020-01-14 | 2023-06-09 | 精工爱普生株式会社 | 液体喷射装置 |
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