JP2018090142A - 乗物用シート - Google Patents

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Abstract

【課題】乗物用シートを跳ね上げ状態から操作部材の解除操作によって落とし込む際のレッグの展開し忘れを適切に防止できるようにすること。【解決手段】シートクッション3をフロアF上から跳ね上げてロックすることのできるチップアップ機構5を備えたシート1であって、シートクッション3に折り畳み可能に設けられてその展開状態でフロアF上に当てられてシートクッション3を支えた状態となるレッグ6と、シートクッション3の跳ね上げ位置でのロックを解除するための操作部材7と、を有し、レッグ6がシートクッション3に折り畳まれることで操作部材7を覆った状態となる構成とされているものである。【選択図】図3

Description

本発明は、乗物用シートに関する。詳しくは、シート本体をフロア上から跳ね上げてロックすることのできる跳ね上げ機構を備えた乗物用シートに関する。
従来、乗物用シートにおいて、シートクッションをシートバック側に向けて跳ね上げ可能なチップアップ機能を備えた構成が知られている(特許文献1)。上記跳ね上げに際しては、シートクッションからフロアに向かって延び出しているレッグを折り畳んでコンパクトに格納することができるようになっている。上記跳ね上げられたシートクッションは、その底面部に付設されたレバーを操作することにより、跳ね上げ位置での固定状態が解かれてフロア上に落とし込むことができる状態へと切り換えられるようになっている。
特開2007−182153号公報
上記従来技術では、シートクッションをレバーの操作によって跳ね上げ位置から落とし込む際、レッグを展開し忘れることで不適切な落とし込み状態を招くおそれがある。本発明は、上記問題を解決するものとして創案されたものであって、本発明が解決しようとする課題は、乗物用シートを跳ね上げ状態から操作部材の解除操作によって落とし込む際のレッグの展開し忘れを適切に防止できるようにすることにある。
上記課題を解決するために、本発明の乗物用シートは次の手段をとる。
第1の発明は、シート本体をフロア上から跳ね上げてロックすることのできる跳ね上げ機構を備えた乗物用シートであって、シート本体に折り畳み可能に設けられてその展開状態でフロア上に当てられてシート本体を支持するレッグと、シート本体の跳ね上げ位置でのロックを解除するための操作部材と、を有し、レッグがシート本体に折り畳まれることで操作部材を覆った状態となる構成とされているものである。
この第1の発明によれば、シート本体の跳ね上げ位置でのロックを解除する操作部材が、折り畳まれたレッグによって覆われるようになっていることで、レッグを展開することなく操作部材が先に誤って操作されることが防止されるようになる。したがって、レッグの展開し忘れを適切に防止することができる。
第2の発明は、上述した第1の発明において、次の構成とされているものである。レッグが操作部材の手が掛けられる領域を覆う構成とされている。
この第2の発明によれば、操作部材に手を掛ける動きがレッグによって阻まれるようになるため、レッグの展開し忘れをより適切に防止することができる。
第3の発明は、上述した第1又は第2の発明において、次の構成とされているものである。操作部材がシート本体に折り畳まれたレッグによって覆われる被覆領域と覆われずに外部に露出する非被覆領域とを有する。
この第3の発明によれば、操作部材がレッグによって覆われている状態を、レッグの非被覆領域が外部に露出している状態によってより簡便に認識できるようになるため、レッグの展開し忘れをより適切に防止することができる。
第4の発明は、上述した第1から第3のいずれかの発明において、次の構成とされているものである。レッグがシート本体に折り畳まれるヒンジ軸の軸方向の端領域で操作部材を覆う構成とされている。
この第4の発明によれば、レッグを折り畳む際に掴まれることの少ない端領域で操作部材を覆うことで、レッグを折り畳む際にレッグと操作部材との間に手を挟みにくくなるようにすることができる。
第5の発明は、上述した第1から第4のいずれかの発明において、次の構成とされているものである。操作部材がシート本体に折り畳まれたレッグに向かって張り出す形に操作される構成とされている。レッグが操作部材の操作される移動軌跡と重なる位置までシート本体に折り畳まれる構成とされている。
この第5の発明によれば、折り畳まれたレッグによって操作部材の操作を行いにくくなるように規制することができる。或いは、操作部材を操作方向に動かすことでレッグを展開方向に押し動かして、レッグを先に展開させるべきことを操作者に認識させやすくすることができる。
実施例1の乗物用シートの概略構成を表した斜視図である。 シートクッションを跳ね上げた状態を表した斜視図である。 シートクッションの跳ね上げ位置でレッグを折り畳んだ状態を表した斜視図である。 図3のIV視拡大図である。 図1のV視拡大図である。 操作レバーによる跳ね上げ機構のロック解除の操作構造を表した模式図である。 シートクッションの跳ね上げにより跳ね上げ機構がロック状態となる様子を表した模式図である。 レッグのターンオーバ式のバネ付勢構造を表した模式図である。
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を用いて説明する。
《シート1の概略構成について》
始めに、実施例1のシート1(乗物用シート)の構成について、図1〜図8を用いて説明する。なお、以下の説明において、前後上下左右等の各方向を示す場合には、各図中に示されたそれぞれの方向を指すものとする。本実施例のシート1は、図1に示すように、自動車の後部側座席として構成されており、着座乗員の背凭れ部となるシートバック2と、着座部となるシートクッション3と、を備えた構成とされている。上記シート1は、同列に3人掛け可能な幅広タイプのベンチシートとして構成されている。
具体的には、上記シート1は、上述したシートバック2が同列に3人掛け可能なひと続きとなる幅広な形状とされ、シートクッション3が左右で6:4分割されたセミセパレート型の構成とされている。上記シートクッション3は、その左右で2分割されたそれぞれが独立して動くことのできる構成とされているが、以下ではこれらを代表して6:4分割された幅広側となる2人掛け可能な左側部分の構成について詳しく説明していくこととする。
上述したシートバック2及びシートクッション3は、それぞれ、車両のフロアF上に設置された左右一対のベースブラケット4に対してそれらの両サイド部が連結されて支持された状態として設けられている。具体的には、上述したシートバック2は、その左右両サイドの下端部が、各側のベースブラケット4に対して、それぞれ、不図示のリクライニング調節機能を備えたリクライナを介して背凭れ角度の調節が行える状態に連結された状態として設けられている。
また、シートクッション3は、その左右両サイドの後端部が、各側のベースブラケット4に対して、それぞれ、後述するチップアップ機構5を構成するヒンジ軸5Aを介して起倒回転可能にヒンジ連結された状態として設けられている。上記連結により、シートクッション3は、図1に示すようにフロアF上に倒し込まれた着座使用可能な使用位置と、図2に示すようにシートバック2の前部に略重なる位置まで後側に跳ね上げられた着座使用不能な跳上位置と、の間で起倒回転することができる状態とされている。ここで、上述したシートクッション3が本発明の「シート本体」に相当し、チップアップ機構5が本発明の「跳ね上げ機構」に相当する。
上述したシートクッション3は、図1に示すように、通常、フロアF上の使用位置に倒し込まれた状態とされている時には、上述したチップアップ機構5がシートクッション3の起倒回転をロックした状態とされていることにより、同使用位置の状態に保持された状態とされている。この状態では、シートクッション3は、その前部が、底面部からフロアF側に向かって垂下する形に張り出す立板状のレッグ6によって、フロアF上に下支えされた状態として保持されるようになっている。詳しくは、上記レッグ6は、その中央下端部がフロアF上に設置された不図示の保持バネに上側から嵌り込んで弾性的にガタ抑えされた状態となってフロアF上に下支えされた状態として保持されるようになっている。
上述したシートクッション3は、上述した使用位置の状態から、使用者がその底面部に配設された操作部材7の操作レバー7Aに手を掛けて同操作レバー7Aを前下側に引き起こすように操作することにより、上述したチップアップ機構5による使用位置でのロック状態が解除されるようになっている。そして、上記解除操作後に、使用者がシートクッション3を後側へと跳ね上げることにより、シートクッション3が図2に示すようにシートバック2の前部に略重ねられた跳上位置の状態へと切り換えられる。その際、チップアップ機構5は、シートクッション3が上記図1に示す使用位置の状態から少しでも後側へと跳ね上げられれば、操作レバー7Aの操作が途中で戻されてもロック状態には戻されないようになっている。したがって、シートクッション3の跳ね上げ途中で操作レバー7Aの操作を途中でやめても、シートクッション3を図2に示す跳上位置まで一気に跳ね上げることができる。
そして、上述したシートクッション3は、上述した跳上位置へと跳ね上げられたところで操作レバー7Aの操作が戻されることにより、チップアップ機構5が付勢によりロック作動して、上記跳上位置にロックされた状態となる。その際、上述したシートクッション3の底面部から起立状に張り出すレッグ6は、張り出し姿勢のまま変えられることなくシートクッション3と共に後側へと跳ね上げられるようになっている。したがって、次に、上記張り出し姿勢のままとなっているレッグ6を図3に示すようにシートクッション3の底面部に畳み込む操作を行う。
ここで、上述したレッグ6は、上述したシートクッション3の底面部に対して、同底面部に形成された凹部3A内にてその立板形状の一辺部分がシート幅方向を向くヒンジ軸6Bにより起倒回転可能にヒンジ連結された状態として設けられている。上記連結により、レッグ6は、図2に示すようにシートクッション3の底面部から起立状に張り出す展開位置と、図3に示すようにシートクッション3の底面部に形成された凹部3A内に収められるように畳み込まれた収納位置と、の間で起倒回転することができる状態とされている。
上述したレッグ6は、図8に示すように、上述したシートクッション3との間に引張バネ6Dが掛着されており、同引張バネ6Dによって上述した展開位置と収納位置とにそれぞれ付勢方向が切り換えられて掛けられるようになっている。具体的には、上述した引張バネ6Dは、上述したレッグ6とシートクッション3とに対して、レッグ6の展開収納される動きに合わせてレッグ6の回転中心であるヒンジ軸6Bを跨って移動する位置に掛着されている。
上記掛着により、引張バネ6Dは、上述したレッグ6が展開位置から収納位置へと畳み込まれる時には、同引張バネ6Dがヒンジ軸6Bを越えるまではレッグ6に展開方向の付勢力を掛けるが、引張バネ6Dがヒンジ軸6Bを越えた先からはレッグ6に収納方向の付勢力を掛ける状態へと切り換えられるようになっている。したがって、レッグ6が収納位置に畳み込まれた時には、レッグ6は引張バネ6Dの付勢力によって収納位置に押さえ付けられた状態として保持されるようになる。
また、引張バネ6Dは、上述したレッグ6が収納位置から展開位置へと起こし上げられる時には、同引張バネ6Dがヒンジ軸6Bを越えるまではレッグ6に収納方向の付勢力を掛けるが、引張バネ6Dがヒンジ軸6Bを越えた先からはレッグ6に展開方向の付勢力を掛ける状態へと切り換えられるようになっている。したがって、レッグ6が展開位置に起こし上げられた時には、レッグ6は引張バネ6Dの付勢力によって展開位置に押さえ付けられた状態として保持されるようになる。
上記構成のレッグ6は、図3にて前述したように、シートクッション3の底面部に畳み込まれることにより、同底面部に形成された凹部3A内に収められた状態として保持される。以上の操作により、レッグ6をシートクッション3の底面部にコンパクトに畳み込んだ状態として、シートクッション3をシートバック2と重ねる跳上位置まで跳ね上げてロックした状態とすることができる。
次に、上記跳ね上げられたシートクッション3をフロアF上の使用位置へと戻すには、先ず、レッグ6をシートクッション3の底面部から起こし上げて展開位置の状態へと切り換える。これにより、図2に示すように、上記起こし上げられたレッグ6が展開位置に起こし上げられたところで位置保持されて自立した状態となる。次に、シートクッション3の底面部に設けられた操作部材7の操作レバー7Aに手を掛けて同操作レバー7Aを前側に引き起こすように操作する。これにより、上述したチップアップ機構5による跳上位置でのロック状態が解除される。したがって、上記解除操作後に、シートクッション3をフロアF上へと倒し込むことにより、シートクッション3が図1に示すようにレッグ6をフロアF上に底付きさせた使用位置の状態へと切り換えられる。
その際、チップアップ機構5は、シートクッション3を跳ね上げる時と同じように、シートクッション3が上記図2に示す跳上位置の状態から少しでも前側へと倒し込まれれば、操作レバー7Aの操作が途中で戻されてもロック状態には戻されないようになっている。したがって、シートクッション3の倒し込み途中で操作レバー7Aの操作を途中でやめても、シートクッション3を図1に示す使用位置まで一気に倒し込むことができる。そして、上記シートクッション3は、上記使用位置へと倒し込まれた位置で操作レバー7Aの操作が戻されることにより、チップアップ機構5が付勢によりロック作動して、上記倒し込まれた使用位置にロックされた状態となる。
ところで、図3において前述した、シートクッション3を跳上位置からフロアF上へ倒し込む操作を行う際、レッグ6の展開操作を行うことなく操作レバー7Aが先に操作されることがあると、レッグ6が折り畳まれた状態のままシートクッション3がフロアF上の使用位置へと倒し込まれることとなるため問題である。そこで、このような不適切な操作が行われることを防止するために、上述した操作レバー7Aは、図4に示すようにレッグ6が折り畳まれることによってレッグ6によって覆われる位置に配置されていて、レッグ6の展開操作を行わなければその操作を行うことができないように設けられた状態とされている。
《チップアップ機構5の具体的な構成について》
以下、上述したレッグ6及び操作部材7のより具体的な構成について、チップアップ機構5の構成と併せて詳しく説明していく。先ず、図6〜図7を参照しながら、チップアップ機構5の構成について説明する。チップアップ機構5は、シートクッション3の左右各側の後端部を各側のベースブラケット4に対して起倒回転可能にヒンジ連結するヒンジ軸5Aと、シートクッション3の側部にヒンジ軸5B1により回転可能にヒンジ連結された操作リンク5Bと、を有する。
上述した各ヒンジ軸5Aは、それぞれ、シート幅方向に軸方向を向けて配設されている。操作リンク5Bは、略T字型のリンク形状とされ、そのT字の交差部分がシート幅方向に軸方向を向けるヒンジ軸5B1によりシートクッション3の側部に回転可能にヒンジ連結された状態とされている。上述した操作リンク5Bは、そのT字の一端にシート幅方向に突出するロックピン5B2が取り付けられていると共に、他の一端とシートクッション3との間に引張バネ5B3が掛着され、残る一端と前述した操作レバー7Aとの間にケーブル7A2が繋げられた構成とされている。
上記構成の操作リンク5Bは、常時は、上述した引張バネ5B3から掛けられる付勢力によって、図6に示す時計回り方向に回転付勢された状態とされている。上記付勢により、操作リンク5Bは、シートクッション3がフロアF上の使用位置に倒し込まれた状態にある時には、ロックピン5B2をベースブラケット4の外周部に形成された第1係止溝4A内に入り込ませた状態として保持されるようになっている。上記ロックピン5B2の入り込みにより、シートクッション3の跳ね上げ方向の回転が、操作リンク5Bのつっかえによって規制された状態として保持されるようになっている。
上述した操作リンク5Bは、上述した操作レバー7Aが操作されることにより、同操作レバー7Aとの間に繋がれたケーブル7A2を介して上述した引張バネ5B3の付勢力に抗した図示反時計回り方向に回転操作される。上記操作により、操作リンク5Bは、ロックピン5B2をベースブラケット4の第1係止溝4A内から外し出して、シートクッション3の回転規制状態を解いた状態となる。したがって、次に、シートクッション3を跳上位置まで跳ね上げていくと、操作リンク5Bがこの動きに合わせてヒンジ軸5B1を中心に回転方向に動かされていき、ロックピン5B2がベースブラケット4の第1係止溝4Aから回転方向に外れた位置へと動かされていく。
そのため、上記シートクッション3の跳ね上げ途中で操作レバー7Aの操作が戻されても、操作リンク5Bは、上述した引張バネ5B3の付勢力によってロックピン5B2がベースブラケット4の第1係止溝4Aから外れた円弧状に湾曲した外周面上の位置に当てられて、シートクッション3の跳ね上げに伴って同外周面に沿って摺動していく形で移動していくことができるようになっている。そして、上記シートクッション3が図7に示すように跳上位置まで跳ね上げられると、ロックピン5B2がベースブラケット4の外周部に形成された第2係止溝4B上の位置へと移される。
したがって、この位置で操作レバー7Aの操作が戻されることにより、ロックピン5B2が付勢により上述した第2係止溝4B内に入り込んで、シートクッション3の回転が操作リンク5Bのつっかえにより規制された状態となって保持される。なお、上記ロックピン5B2を第2係止溝4Bから外し出す操作は、上述した操作レバー7Aが再度操作されることによって行われるが、前出の動きと同じであるため、詳細な説明を省略することとする。
《レッグ6の具体的な構成について》
次に、図1〜図3を参照しながらレッグ6の構成について説明する。レッグ6は、金属製の丸パイプ材が略U字状の形に折り曲げられて形成されたレッグフレーム6Aと、レッグフレーム6AにそのU字形状を表側から覆うように被せ付けられた樹脂製のレッグカバー6Cと、レッグ6をシートクッション3に対して回転付勢する引張バネ6Dと、を有する。上記レッグ6は、上述したレッグフレーム6AのU字の各端部が、それぞれ、上述したシートクッション3内の図示しない骨格部に対して、シート幅方向に軸方向を向けるヒンジ軸6Bにより回転可能にヒンジ連結された状態として設けられている。上記連結により、レッグ6は、図1〜図2に示すようにシートクッション3の底面部から起立状に張り出す展開位置と、図3に示すようにシートクッション3の底面部に形成された凹部3A内に収められるように畳み込まれた収納位置と、の間で起倒回転することができる状態とされている。なお、引張バネ6Dによるレッグ6の付勢構造については前述したため省略することとする。
《操作部材7の具体的な構成について》
次に、図5を参照しながら操作部材7の構成について説明する。操作部材7は、シートクッション3の底面部に設けられた四角枠状のベゼル7Bと、同ベゼル7B内に回転操作可能に組み付けられた操作レバー7Aと、を有する。上述したベゼル7Bは、シートクッション3の底面部に形成された凹部3A内における左前側の端寄りの箇所に面一状に埋め込まれた状態となって設けられている。より詳しくは、上述したベゼル7Bは、図3〜図4に示すように、前述したレッグ6が凹部3A内の収納位置に畳まれた状態となる時に、同レッグ6の左側領域によってその左下側の角部領域(非被覆領域A2)を残す大部分の領域(被覆領域A1)が前側から覆われた状態となる位置に設けられている。
操作レバー7Aは、図5に示すように、上述したベゼル7Bに対して、シート幅方向に軸方向を向けるヒンジ軸7A1により回転可能にヒンジ連結された状態として設けられている。上述したヒンジ軸7A1は、上述した操作レバー7Aの前端部分をベゼル7Bの左右両側の各枠辺部分に対して回転可能にヒンジ連結した状態とされている。上記連結により、操作レバー7Aは、ベゼル7Bの四角枠内に面一状に収められた初期位置と、同初期位置からヒンジ軸7A1を中心にベゼル7Bの四角枠から飛び出す形に起こし上げられた操作位置(図6〜図7参照)と、の間で起倒回転することができる状態として設けられている。詳しくは、上記操作レバー7Aは、その後端部分が使用者によって手が掛けられて操作される取っ手7A3となっており、同取っ手7A3に後側から手を掛け入れるための開口部7B1がベゼル7Bのひと回り大きな枠形状によってベゼル7Bとの間に形成された構成とされている。ここで、開口部7B1が本発明の「手が掛けられる領域」に相当する。
上述した操作レバー7Aは、その操作前の常時は、上述したベゼル7Bとの間に掛着された不図示のバネにより、上述した初期位置の状態に保持されている。上記保持により、操作レバー7Aは、シートクッション3がフロアF上の使用位置に倒し込まれた状態とされている時には、シートクッション3の底面部から垂れ下がる方向に重力作用が掛けられていても、上記ベゼル7Bの四角枠内に面一状に収められた初期位置の状態として保持されるようになっている。
上記操作レバー7Aは、上述した初期位置の状態から、使用者がシート1の左側の図示しない車両の乗降ドア側に立った位置などからシートクッション3の下側に手を伸ばして、上述したベゼル7Bの開口部7B1から操作レバー7Aの取っ手7A3に手を掛け入れるなどして、同取っ手7A3を前下側に押し下げるように力を掛けることにより、上記のようにヒンジ軸7A1を中心に前側へ押し回されるように操作される。この操作により、図6〜図7において前述したように、操作レバー7Aに繋がれたケーブル7A2を介して上述したチップアップ機構5のロック状態が解除されるようになっている。
上述した操作レバー7Aは、その操作された力が取り除かれることにより、上述した不図示のバネの付勢力によって、操作前の初期位置の状態へと戻されるようになっている。上述した操作レバー7Aは、図2に示すようにシートクッション3が跳上位置へと跳ね上げられても、上述したレッグ6がシートクッション3の底面部から起立状に張り出した展開位置の状態として保持されている間は、シートクッション3の底面部に前側に向かって露出した状態として保持されるようになっている。したがって、上記操作レバー7Aは、上述した展開状態のレッグ6によってその操作が阻害されることなく、使用者によって操作レバー7Aの位置を視覚的に簡単に認識して操作することができる状態として保持されることとなる。
しかし、上述した操作レバー7Aは、図3及び図4に示すように、上述したシートクッション3の跳ね上げ後にレッグ6が凹部3A内の収納位置へと折り畳まれることにより、同レッグ6の左側領域によって開口部7B1と共に前側から完全に覆われてしまい、操作レバー7Aに手を掛けて操作することがスペース的に難しい状態であることを使用者に対して視覚的に認識させられる状態へと切り換えられるようになっている。
すなわち、上記レッグ6が折り畳まれることにより、操作部材7は、そのベゼル7Bの一部領域(非被覆領域A2)がレッグ6からはみ出した状態に露出して、使用者に対して操作部材7のある位置を視覚的に認識させることができるようになっている。しかし、上記操作部材7は、その大部分の領域(被覆領域A1)がレッグ6によって前側から覆われていて、操作レバー7Aの操作が行えない状態となっていることから、使用者に対して先ずレッグ6の展開操作を行わなければ操作レバー7Aの操作を行うことができない状態であることを認識させることができるようになっている。したがって、上記構成によって、レッグ6の展開操作を行う前に操作レバー7Aが操作されてしまうことを適切に防止することができる。
《まとめ》
以上をまとめると、本実施例のシート1は次のような構成とされている。すなわち、シート本体(シートクッション3)をフロア(フロアF)上から跳ね上げてロックすることのできる跳ね上げ機構(チップアップ機構5)を備えた乗物用シート(シート1)であって、シート本体(シートクッション3)に折り畳み可能に設けられてその展開状態でフロア(フロアF)上に当てられてシート本体(シートクッション3)を支えた状態となるレッグ(レッグ6)と、シート本体(シートクッション3)の跳ね上げ位置でのロックを解除するための操作部材(操作部材7)と、を有し、レッグ(レッグ6)がシート本体(シートクッション3)に折り畳まれることで操作部材(操作部材7)を覆った状態となる構成とされているものである。
このように、シート本体(シートクッション3)の跳ね上げ位置でのロックを解除する操作部材(操作部材7)が、折り畳まれたレッグ(レッグ6)によって覆われるようになっていることで、レッグ(レッグ6)を展開することなく操作部材(操作部材7)が先に誤って操作されることが防止されるようになる。したがって、レッグ(レッグ6)の展開し忘れを適切に防止することができる。
また、レッグ(レッグ6)が操作部材(操作部材7)の手が掛けられる領域(開口部7B1)を覆う構成とされている。このような構成とされていることにより、操作部材(操作部材7)に手を掛ける動きがレッグ(レッグ6)によって阻まれるようになるため、レッグ(レッグ6)の展開し忘れをより適切に防止することができる。
また、操作部材(操作部材7)がシート本体(シートクッション3)に折り畳まれたレッグ(レッグ6)によって覆われる被覆領域(被覆領域A1)と覆われずに外部に露出する非被覆領域(非被覆領域A2)とを有する。このような構成とされていることにより、操作部材(操作部材7)がレッグ(レッグ6)によって覆われている状態を、レッグ(レッグ6)の非被覆領域(非被覆領域A2)が外部に露出している状態によってより簡便に認識できるようになるため、レッグ(レッグ6)の展開し忘れをより適切に防止することができる。
また、レッグ(レッグ6)がシート本体(シートクッション3)に折り畳まれるヒンジ軸(ヒンジ軸6B)の軸方向の端領域(左側領域)で操作部材(操作部材7)を覆う構成とされている。このような構成とされていることにより、レッグ(レッグ6)を折り畳む際に掴まれることの少ない端領域で操作部材(操作部材7)を覆うことで、レッグ(レッグ6)を折り畳む際にレッグ(レッグ6)と操作部材(操作部材7)との間に手を挟みにくくなるようにすることができる。
また、操作部材(操作部材7)がシート本体(シートクッション3)に折り畳まれたレッグ(レッグ6)に向かって張り出す形に操作される構成とされている。レッグ(レッグ6)が操作部材(操作部材7)の操作される移動軌跡と重なる位置(凹部3A内に収められる位置)までシート本体(シートクッション3)に折り畳まれる構成とされている。このような構成とされていることにより、折り畳まれたレッグ(レッグ6)によって操作部材(操作部材7)の操作を行いにくくなるように規制することができる。或いは、操作部材(操作部材7)を操作方向に動かすことでレッグ(レッグ6)を展開方向に押し動かして、レッグ(レッグ6)を先に展開させるべきことを操作者に認識させやすくすることができる。
以上、本発明の実施形態を1つの実施例を用いて説明したが、本発明は上記実施例のほか各種の形態で実施することができるものである。例えば、本発明の乗物用シートの構成は、鉄道等の自動車以外の車両や、航空機、船舶等の様々な乗物用に供されるシートにも広く適用することができるものである。
また、シート本体をフロア上から跳ね上げてロックすることのできる跳ね上げ機構は、シートクッションを後側へ跳ね上げるチップアップ機構の他、様々な跳ね上げタイプの機構にも適用することができるものである。具体的には、シート全体を側方に跳ね上げて荷室を拡大させるスペースアップシートや、シートバックを前倒しした状態でシート全体を前方に跳ね上げて荷室や乗降スペースを拡大させるタンブルシートや、シートクッションを前方に引き起こしてその空いたスペースにシートバックを前倒しするダブルフォールディングシート等の、各種の跳ね上げを伴う機構が挙げられる。
また、レッグは、板状の構造に限らず、棒状その他の異形状の構造から成るものであってもよい。また、操作部材は、回転操作式の他、スライド操作式や押込み操作式の構造から成るものであってもよく、その操作方向も特に限定されるものではない。また、上記レッグが折り畳まれた時に操作部材を覆う態様は、操作部材全体を視覚的に完全に覆うものの他、操作部材を視覚的には完全に覆わないもしくは全く覆わないが操作部材の操作を機械的に阻害できるように干渉する状態に覆うものや、操作部材を視覚的には完全に覆うもしくは一部のみ覆うが操作部材の操作を機械的に阻害することなく許容する状態に覆うものであってもよい。また、レッグは、そのどの領域で操作部材を覆うようになっていてもよい。また、シート本体のレッグが折り畳まれる領域は、必ずしもレッグを内部に収納するような凹部形状となっていなくてもよく、単に一般面上にレッグが折り畳まれるようになっているものであってもよい。
1 シート(乗物用シート)
2 シートバック
3 シートクッション(シート本体)
3A 凹部
4 ベースブラケット
4A 第1係止溝
4B 第2係止溝
5 チップアップ機構(跳ね上げ機構)
5A ヒンジ軸
5B 操作リンク
5B1 ヒンジ軸
5B2 ロックピン
5B3 引張バネ
6 レッグ
6A レッグフレーム
6B ヒンジ軸
6C レッグカバー
6D 引張バネ
7 操作部材
7A 操作レバー
7A1 ヒンジ軸
7A2 ケーブル
7A3 取っ手
7B ベゼル
7B1 開口部(手が掛けられる領域)
F フロア
A1 被覆領域
A2 非被覆領域

Claims (5)

  1. シート本体をフロア上から跳ね上げてロックすることのできる跳ね上げ機構を備えた乗物用シートであって、
    前記シート本体に折り畳み可能に設けられてその展開状態で前記フロア上に当てられて前記シート本体を支持するレッグと、
    前記シート本体の跳ね上げ位置でのロックを解除するための操作部材と、を有し、
    前記レッグが前記シート本体に折り畳まれることで前記操作部材を覆った状態となる構成とされている乗物用シート。
  2. 請求項1に記載の乗物用シートであって、
    前記レッグが前記操作部材の手が掛けられる領域を覆う構成とされている乗物用シート。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の乗物用シートであって、
    前記操作部材が前記シート本体に折り畳まれた前記レッグによって覆われる被覆領域と覆われずに外部に露出する非被覆領域とを有する乗物用シート。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の乗物用シートであって、
    前記レッグが前記シート本体に折り畳まれるヒンジ軸の軸方向の端領域で前記操作部材を覆う構成とされている乗物用シート。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の乗物用シートであって、
    前記操作部材が前記シート本体に折り畳まれた前記レッグに向かって張り出す形に操作される構成とされており、
    前記レッグが前記操作部材の操作される移動軌跡と重なる位置まで前記シート本体に折り畳まれる構成とされている乗物用シート。
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