JP2018089861A - 加圧式筆記具 - Google Patents

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Abstract

【課題】軸心に対して傾けて筆記した場合でも、加圧室が効率よくスムーズに加圧される加圧式筆記具を提供する。【解決手段】ボールペンレフィル3は、前方領域が軸筒2内において撓み変形可能または傾動可能なように後方領域が軸筒内に支持され、ボールペンチップ12の前端部が軸筒の先端開口部8aから突出した状態で、筆記具用インキ組成物10の後端に圧力を加える加圧機構4を備え、軸筒内に、ボールペンレフィルの前方領域を覆うように配置された先部材13と、先部材の内面に形成された段部とボールペンレフィルの外周面に設けた外段部との間に第一の弾発部材14と、を備え、先部材は外周面に被押圧部を有し、軸筒は前方領域の内周面に押圧部を有し、押圧部と被押圧部の少なくとも一方は、軸方向後方に向かって次第に大径となるテーパ面を形成する。【選択図】図1

Description

本発明は、筆記具の前端部が軸筒前端から突出した状態で、筆記具用インキ組成物の後端に圧力を加える加圧式筆記具に関するものである。
従来から、インキ収容管であるレフィルの後端部に加圧機構が設けられ、例えば、特許5558908号公報「加圧式筆記具」に開示のように、筆記等によりレフィルに対し後方への押圧力が加わると、シリンダーに対しレフィル及びホルダーが後退し、加圧室が圧縮する構造の加圧式筆記具が知られている。
特許5558908号公報
しかし、特許文献1の構造では、加圧式筆記具が筆記面に対して垂直に近い状態であるほど筆記時にレフィルが後退しやすく、加圧室が正常に圧縮され、それに伴いレフィル内のインキが加圧されるが、筆記面に対して軸筒を傾けて筆記する場合、傾ける角度が大きくなればなるほどレフィルの軸心方向に掛かる力が減少し、レフィルの後退が妨げられることで加圧室が加圧されなくなる問題があった。
本発明は、こうした問題を解決するために発明されたもので、筆記圧で筆記芯が後退することにより加圧室を加圧する加圧式筆記具において、筆記具を軸心に対して傾けて筆記した場合でも、筆記芯に掛かる軸心に対して直交する方向の力成分を軸心方向の力成分に変換することにより、加圧室が効率よく加圧される加圧式筆記具を提供することを目的とする。
本発明は、
「1.軸筒内に、筆記具用インキ組成物を充填したインキ収容筒と、該インキ収容筒の前方部にボールペンチップと、を具備したボールペンレフィルを収容してなり、
前記ボールペンチップの前端部が前記軸筒の先端開口部から突出した状態で当該ボールペンチップを後退させることで、前記軸筒内に設けた加圧機構により前記筆記具用インキ組成物の後端に圧力を加える加圧式筆記具であって、
前記ボールペンレフィルは、前方領域が前記軸筒内において撓み変形可能または傾動可能なように後方領域が当該軸筒内に支持されており、
前記ボールペンレフィルの前方領域を覆うように配置された先部材と、当該先部材に形成された段部と当該ボールペンレフィルの外周面に形成された外段部との間に圧縮状態で配置された第一の弾発部材と、を備え、
前記先部材は外周面に被押圧部を有しており、
前記軸筒は前方領域の内周面に押圧部を有しており、
前記押圧部と前記被押圧部の少なくとも一方は、軸方向後方に向かって次第に大径となるテーパ面であり、
前記ボールペンレフィルの前方領域が撓み変形または傾動した際には、前記軸筒の押圧部が前記先部材の被押圧部を当該軸筒に対して軸方向後方に相対移動させ、前記先部材により前記ボールペンレフィルが後退することで、前記加圧機構が作動して前記筆記具用インキ組成物の後端に圧力を加えることを特徴とした加圧式筆記具である。
2.前記加圧機構は、前記ボールペンレフィルの後方に内外を連通する空気孔を有するシリンダーと、前記シリンダーの後方に当該シリンダーに対し前後動可能に配設したピストンと、前記シリンダーの内部に前記ボールペンレフィルの後部内孔と前記ピストンとの間を連通する加圧室と、を備え、
前記ボールペンレフィルの後部内孔に前記シリンダーにおける縮径された前部、該シリンダーの後端開口部に前記ピストンの前部がそれぞれ装着され、
前記ボールペンレフィルが後退した際、前記加圧室が加圧されることを特徴とした前記1項に記載の加圧式筆記具である。
3.前記シリンダーの内周面に形成された内方段部と前記ピストン外周面に形成された前段部との間に圧縮状態で配置された第二の弾発部材により当該ピストンに対して当該シリンダーを前方に弾発することで、前記シリンダーにより前記ボールペンレフィルを介して前記先部材が前方へ押圧され、前記押圧部と前記被押圧部の少なくとも一部とが常に当接状態にあるよう構成したことを特徴とする前記2項に記載の加圧式筆記具。
4.前記筆記具用インキ組成物の後端に加える圧力は、大気圧を1000hPaとした場合、1000hPaより高く、1500hPa以下としたことを特徴とする前記1項ないし前記3項のいずれか1項に記載の加圧式筆記具。」である。
尚、本発明で、「前」とは、ボールペンレフィルのボールペンチップ側を指し、「後」とは、その反対側を指す。また、「内方」とは、軸筒の軸心方向を指し、「外方」とは、その反対方向を指す。
本発明によれば、ボールペンレフィルに筆圧が加えられた際に、筆圧の軸方向の成分及び筆圧の軸方向に対して垂直な成分によって、ボールペンレフィルの前方領域が軸筒内において撓み変形あるいは傾動されると、軸筒内面の押圧部が先部材の被押圧部を当該軸筒に対して軸方向後方に相対移動され、それに伴いボールペンレフィルが軸筒に対して後方に相対移動することで、筆記具用インキ組成物の後端に圧力が加えられる。このため、ボールペンレフィルに対して斜めに筆圧が掛かった場合でも効率的にボールペンレフィル内の筆記具用インキ組成物の後端が加圧された状態となり、筆記時に筆記具用インキ組成物の流出量が増えることで、筆跡濃度の向上、筆記時のかすれの防止、上向きで筆記しても空気の巻き込みを防止すること等の効果を奏する。
更に、前記軸筒の押圧部と前記先部材の被押圧部の少なくとも一方に設けるテーパ面は、軸方向後方に向かって次第に大径になるよう形成されていれば、平面で形成してもよく、曲面で形成してもよく、階段状に形成されていてもよい。また、軸筒の押圧部と先部材の被押圧部は互いが当接した際に変形しないよう硬い樹脂や金属材料で形成することが好ましい。更に、軸筒の押圧部と前記先部材の被押圧部は、筆圧が掛かった際に滑りやすいよう、互いの当接部の表面粗さを低く形成したり、当接部に潤滑剤を塗布することが好ましい。
軸筒の押圧部及び先部材の被押圧部を構成する材料は、樹脂であれば硬質なPP、ポリカーボネート、アクリル、ポリアセタール、ABS、PS等から選択することができ、更に、潤滑性が向上するよう潤滑成分を材料に含有させてもよい。
また、軸筒の押圧部及び先部材の被押圧部を金属で形成する場合は、切削性から黄銅やアルミが好適に使用でき、潤滑性及び耐久性を向上させるため表面に潤滑性のある表面処理を施してもよい。潤滑性の表面処理としては、例えば無電解ニッケルメッキ、スズ−コバルトメッキ等のめっき処理、またはアルマイト等の表面処理から選択することができる。
尚、軸筒の押圧部と先部材の被押圧部とが当接する両表面の表面粗さ(平均表面粗さRa)は、押圧部が被押圧部と当接したままスムーズに移動するよう6.3μm以下が好ましく、1.6μm以下がより好ましい。
更に、前記潤滑剤としては、例えばシリコン、グリス、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、黒鉛、タルク等が好適に使用できる。
前記加圧機構は、ボールペンレフィルが後方へ移動することで当該加圧機構が作動して当該ボールペンレフィルの内部が加圧されれば、その形状は特に限定されることはない。
前記加圧機構は、例えば、シリンダーと当該シリンダーに対して前後動可能に装着したピストンと当該シリンダー内の加圧室とを備え、ボールペンレフィルの後部にシリンダーを装着し、更にシリンダーの後方からピストンを装着し、シリンダー内にボールペンレフィルの内部まで連通する加圧室を形成した構成でもよく、ボールペンレフィルの後部に内孔を有するピストンを装着し、ピストンの後方からシリンダーを当該ピストンに被せるように装着し、シリンダー内にボールペンレフィルの内部まで連通する加圧室を形成した構成でもよい。
尚、前記加圧機構は、前記ボールペンレフィルの後部内孔にシリンダーの前部、シリンダーの後端開口部内にピストンの前部をそれぞれ装着することが好ましく、この場合、シリンダー及びピストンの装着方向が一致して装着し易くなる効果を奏する。
また、シリンダーは後部に対して前部を縮径して形成し、シリンダーの縮径した前部をボールペンレフィルの後部内孔に装着するよう構成することが好ましい。この場合、筒状体に収納可能であればインキ収容筒をシリンダーの外径に影響されること無く太く形成できるようになるため、インキ収容筒の容量を増やすことができる。
更に、ボールペンレフィル内が無制限に加圧されるとボールペンチップの先端からのインキ流出量が多くなりすぎることから、シリンダーに対してピストンの前後への移動距離はストッパーを設けて制限することが好ましい。
また、シリンダーの内周面に形成された内方段部と前記ピストン外周面に形成された前段部との間には第ニの弾発部材を圧縮状態で配置するほうが好ましく、この場合、軸筒の押圧部と先部材の被押圧部の少なくとも一部とが常に当接するよう構成することで、ボールペンレフィルに筆圧が掛かった際にペン先ががたつくことを防止し、筆記動作と略同時にシリンダーの加圧室が加圧されるため筆記開始から濃い筆跡での筆記ができる。更に、筆圧が解除された際に加圧機構を加圧状態から非加圧状態に戻すことができ、筆記時に筆記面に微量の凹凸があっても第二の弾発部材が縮むことで振動を吸収できるようになるため筆記感が向上する効果を奏する。
尚、少なくとも非使用時は、前記第一の弾発部材の弾発力より前記第二の弾発部材の弾発力を大きく構成した方が、筆記時以外は前記加圧室が加圧されないため好ましく、更に、非使用時に加圧式筆記具本体の重量(自重)がペン先に掛かった状態(例えばペン立てにボールペンチップを下にして挿した状態)で保管しても、自重では加圧機構が作動してボールペンレフィル内のインキが漏れ出ないように、第ニの弾発部材の弾発力から第一の弾発部材の弾発力を引いた値が加圧式筆記具本体の重量(自重)より大きくなるよう構成することがより好ましい。
また、前記筆記具用インキ組成物の後端に加える圧力は、大気圧を1000hPaとした場合、1000hPaより高く、1500hPa以下とすることで、安定したインキ消費量を得られやすく、且つ加圧した状態でのボールペンチップの前端部からのインキ漏れを抑制することができ好ましい。また、筆記具用インキ組成物の後端に加える圧力は、ペン先からのインキ漏れを抑制する効果がさらに高まるため 1200hPa以下とすることがより好ましい。
尚、前記筆記具用インキ組成物の後端に加える圧力は、加圧前と加圧後の圧縮空間の体積変化量を測定して計算によって測定することができる。この時、20℃、大気圧を1000hPaとして計算を行う。
本発明に用いる筆記具用インキ組成物は、油性インキ、水性インキ、剪断減粘性インキなど、特に限定されるもののではないが、筆記状態であっても紙面から筆記先端が離脱した際(筆圧がかかっていない状態)では非加圧となるため、粘度の比較的低いインキに好適に用いることができ、加圧によるインキ流出量の増加、筆跡濃度の向上を得ることができるため、マイクロカプセル顔料を含有した熱変色性インキや非浸透面に筆記する筆記具に用いることが好ましい。
尚、非浸透面上への筆記は筆記面が極端に平滑であることが多く、筆端部のボール回転に向けた駆動力が生じ難い。そのため、筆記時に筆記具用インキ組成物の後端に加えられた加圧力によって、ボール受け座周辺に潤滑性良好なインキが充たされ回転抵抗を低減すること、更には、平滑な筆記面上に粘度を有したインキが移行することで回転環境が形成できる。
また、前記ボールペンレフィルの単位面積当たりのインキ消費量値が0.7〜1.5mg/cmとすることで、前記した筆跡濃度を得られやすい。さらに、インキ消費量値は0.7〜1.2mg/cmとすることが好ましい。尚、良好な筆跡を得るには、筆跡幅はボール径よりも小さくすることが重要であり、加圧状態での筆跡幅としては、ボール径の65%〜95%が好ましく、より好ましくは、70%〜90%である。
尚、筆跡幅は、前記筆記によって得られた筆跡をISO13660に準じて、筆跡幅(mm)は、反射率の60%以下の領域の平均値を測定したもので、本願発明における筆跡幅は、パーソナル画質評価装置(QEA(Quality Engineering Associates)社製、PIAS−II)によって求めることができる。尚、本発明においては、15箇所測定し、その平均値によって求めたものである。
また、ボールペンチップとしては、金属製のパイプの先端近傍を外面より内方に押圧変形させたボール抱持部にボールを抱持してなるもの、或いは、金属材料をドリル等による切削加工により形成したボール抱持部にボールを抱持してなるもの、或いは、金属製のパイプや金属材料の切削加工により形成したチップに抱持するボールをコイルスプリングにより前方に付勢させたもの等を適用できる。
更に、前記ボールは、超硬合金、ステンレス鋼、ルビー、セラミック等からなるボールペンに用いることができる汎用のものが適用でき、直径0.1mm〜2.0mm、好ましくは0.2mm〜1.2mmの範囲のものが好適に用いられる。特に、ボール径が0.5mm以下の小径のものでは、筆記距離に対するボールの回転数が多く、非浸透面に筆記し難くなることから、本発明がより好適に作用するので、ボール径が0.5mm以下のボールペンレフィルに使用することが最も効果的である。
前記ボールペンチップの形状も特に限定されるものではないが、チップ本体に、ボール抱持室の底壁の中央に形成したインキ流通孔と、該インキ流通孔から放射状に延びる複数本のインキ流通溝とを有しており、前記ボール抱持室の底壁に、略円弧面状のボール座を設け、前記ボール座にボール径0.5mm以下のボールを載置させ、ボールの一部をチップ先端縁より突出させて回転自在に抱持してなり、前記ボールペンチップ前端部の内壁に、略円弧面状のシール面を形成するとともに、ボールの縦方向のクリアランスが15〜40μmとすることで、安定した筆跡と、ボール座の磨耗を抑制することができるので好ましい。
これは、前記ボール抱持室の底壁に、略円弧面状のボール座を設けることで、ボールとチップ本体の接触面積が増加するため、座の磨耗が抑制するためと考えられる。但し、ボール座を形成することで、ボール抱持室のボールを除く空間(体積)が減少するため、インキ消費量は減少する傾向となるが、本発明の加圧式筆記具においては、加圧力によってインキを多く吐出することが可能となる。特に、前記ボール座にφ0.5mm以下のボールを載置させたボールペンにおいては、ボール座の磨耗が顕著であるため、本発明の効果は顕著であり、ボールの縦方向のクリアランスが15〜40μm、好ましくは、20〜30μmとすることで、安定した筆跡と、チップ先端からのインキ漏れを抑制することができる。
前記筆記具用インキ組成物を収容するインキ収容筒は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の熱可塑性樹脂からなる成形体や、金属材料が用いられ、インキの低蒸発性、生産性の面でポリプロピレンが好適に用いられる。また、加圧状態を維持するため、EVOHなどのガスバリア性の材料を、単層や多層、他の材料に積層するなど適宜用いることができる。
更に、筆記具用インキ組成物の後端部にはインキ追従体(液栓)を配することもできる。前記インキ追従体としては、液状または固体のいずれを用いることもでき、前記液状のインキ追従体としては、ポリブテン、α−オレフィンオリゴマー、シリコーン油、精製鉱油等の不揮発性媒体が挙げられ、所望により前記媒体中にシリカ、珪酸アルミニウム、膨潤性雲母、脂肪酸アマイド等を添加することもできる。また、固体のインキ追従体としては樹脂成形物が挙げられる。前記液状及び固体のインキ追従体は併用することも可能である。
また、筆記具用水性インキ組成物は、染料または顔料のどちらを含有してもよいが、顔料を含有することが好ましい。顔料については、無機、有機、加工顔料などが挙げられるが、具体的にはカーボンブラック、アニリンブラック、群青、黄鉛、酸化チタン、酸化鉄、フタロシアニン系、アゾ系、キナクリドン系、キノフタロン系、スレン系、トリフェニルメタン系、ペリノン系、ペリレン系、ギオキサジン系、アルミニウム顔料、パール顔料、可逆熱変色性顔料、蛍光顔料、蓄光顔料、熱変色性顔料、補色顔料等が挙げられる。これらの顔料は、単独又は2種以上組み合わせて使用してもかまわない。含有量は、インキ組成物全量に対し、0.1〜20.0質量%が好ましい。
更に必要に応じて、水に相溶性のある従来汎用の水溶性有機溶剤を用いることができる。具体的には、エタノール、プロパノール、ブタノール、グリセリン、ソルビトール、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、チオジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、スルフォラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。
尚、前記水溶性有機溶剤は一種又は二種以上を併用して用いることができ、2〜60重量%、好ましくは5〜35重量%の範囲で用いられる。
更にまた、紙面への定着性や粘性を付与、非浸透面上での筆跡定着性を向上させために水溶性樹脂や樹脂エマルジョンを添加することが好ましい。前記水溶性樹脂としては、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、スチレンマレイン酸共重合物、セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、デキストリン等が挙げられる。前記樹脂エマルジョンとして、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、ポリエステル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂等が挙げられる。前記水溶性樹脂や樹脂エマルジョンは一種又は二種以上を併用することができ、インキ組成中1〜30重量%の範囲で用いられる。
その他、必要に応じて、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、酢酸ソーダ等の無機塩類、水溶性のアミン化合物等の有機塩基性化合物等のpH調整剤、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、サポニン等の防錆剤、石炭酸、1、2−ベンズチアゾリン3−オンのナトリウム塩、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸プロピル、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)ピリジン等の防腐剤或いは防黴剤、尿素、ノニオン系界面活性剤、ソルビット、マンニット、ショ糖、ぶどう糖、還元デンプン加水分解物、ピロリン酸ナトリウム等の湿潤剤、消泡剤、ノニオン系の界面活性剤を使用してもよい。
更に、アスコルビン酸類、エリソルビン酸類、α−トコフェロール、カテキン類、合成ポリフェノール、コウジ酸、アルキルヒドロキシルアミン、オキシム誘導体、α−グルコシルルチン、α−リポ酸、ホスホン酸塩、ホスフィン酸塩、亜硫酸塩、スルホキシル酸塩、亜ジチオン酸塩、チオ硫酸塩、二酸化チオ尿素等を添加して化学的に気泡を除去することもできる。
また、N−ビニル−2−ピロリドンのオリゴマー、N−ビニル−2−ピペリドンのオリゴマー、N−ビニル−2−ピロリドン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン、ε−カプロラクタム、N−ビニル−ε−カプロラクタムのオリゴマー等の増粘抑制剤を添加することで、出没式等、常時、ペン先が露出する形態での機能を高めることもできる。
更に、潤滑剤を使用することができ、例えば、金属石鹸、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、エチレンオキサイド付加型カチオン活性剤、リン酸エステル系活性剤、β−アラニン型界面活性剤、N−アシルアミノ酸、N−アシルメチルタウリン、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールやその塩やオリゴマー、3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、チオカルバミン酸塩、ジメチルジチオカルバミン酸塩、α−リポ酸、N−アシル−L−グルタミン酸とL−リジンとの縮合物やその塩等が用いられる。
本発明は、筆記圧でボールペンレフィルが後退することにより加圧室を加圧する加圧式筆記具において、筆記具を軸心に対して傾けて筆記した場合でも、ボールペンレフィルに掛かる軸心に対して直交する方向の力成分を軸心方向の力成分に変換することにより、加圧室が効率よく加圧される加圧式筆記具を提供できた。
本実施例の加圧式筆記具の縦断面図である。 図1の加圧式筆記具の前方領域の拡大縦断面図である。 図1の加圧式筆記具においてボールペンレフィルを軸筒の先端から前方へ突出させた状態の縦断面図である。 ボールペンレフィル3に筆圧が加えられてない場合の図3の加圧式筆記具の前方領域の拡大縦断面図である。 ボールペンレフィル3に筆圧が加えられている場合の図3の加圧式筆記具の前方領域の拡大縦断面図である。
次に図面を参照しながら、本発明の加圧式筆記具を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
図1は、本実施例の加圧式筆記具の概略縦断面図であり、図2は図1の加圧式筆記具1の要部拡大図であり、図3は図1の加圧式筆記具1においてボールペンレフィル3を軸筒2の先端から前方へ突出させた状態の縦断面図であり、図4は、図3の加圧式筆記具1において、ボールペンレフィル3を紙面に当接させた状態の縦断面図であり、図5は図4においてボールペンレフィルに筆圧を掛けた状態を示す縦断面図である。
本実施例の加圧式筆記具1は、図1から図5に示すように、軸筒2と、軸筒2に支持され軸筒2内で傾動可能なボールペンレフィル3と、ボールペンレフィル3の後方に配置された加圧機構4と、加圧機構4の後方に配置され軸筒2の後部開口部2aから後方に向かって突出するノック体5と、軸筒2の側面に回動可能に係止された可動式のクリップ6と、により構成してある。尚、軸筒2は、後軸7と後軸7の前方領域に固定(螺着)された前軸8とにより構成してある。
ボールペンレフィル3は、PP樹脂からなる透明のインキ収容筒9に、後述するインキ配合A1で得た筆記具用インキ組成物10及び当該筆記具用インキ組成物10の後端にインキの消費に伴い追従するグリース状のインキ追従体11を直接収容し、インキ収容筒9の前端開口部に、ボール(φ0.38mm)を回転自在に抱持したボールペンチップ12の後端部を圧入嵌合して得たものである。
前軸8(軸筒2)は、前端にボールペンレフィル3のボールペンチップ12が突出可能な前端開口部8aを形成してある。また、軸筒8の内方にはボールペンレフィル3の前方領域を囲うようにパイプ状に形成した先部材13が配置してあり、先部材13の段部13aとボールペンレフィル3の外段部3aとの間に第1コイルスプリング14(第一の弾発部材)を張架して、先部材13に対してボールペンレフィル3を軸方向後方に弾発してある。
また、前軸8(軸筒2)には前方領域の内周面に張り出した押圧部8bを形成してあり、先部材13の前端外周部には被押圧部13bを形成してある。本実施例の被押圧部13bは軸筒2の軸方向に対して30°の角度を有する平面で形成されたテーパ面13cとして構成してある。
尚、図4に示すように、ボールペンレフィル3が傾動する前において、押圧部8bと被押圧部13bとが互いに当接している。そして、図5に示すように、ボールペンレフィル3が傾動する際に、押圧部8bが被押圧部13bを軸筒2に対して軸方向後方に相対移動させるようになっている。
具体的には、前軸8は硬質なポリカーボネート樹脂を射出成形することで形成してあり、押圧部8bの表面粗さ(算術平均粗さRa)を0.8μm以下に形成した。
また、先部材13は黄銅を切削加工し、その表面を滑りやすくなるように、先部材13の表面にスズ−コバルトメッキを施し、テーパ面13c表面の表面粗さ(算術平均粗さRa)を0.6μm以下に形成した。
これにより、ボールペンレフィル3に筆圧が掛かった際、筆圧の軸方向と直交する成分により押圧部は大きく変形することはなく、被押圧部に当接したままスムーズに滑るものとなった。
加圧機構4は、ボールペンレフィル3の後方に軸筒2に対して前後動可能に配置した円筒状のシリンダー15と、シリンダー15の後端開口部15aに挿入されシリンダー15に対して前後に摺動可能に係着したピストン16と、ピストン16の側面に嵌着されたOリング17と、シリンダー15とピストン16の間に張架した第2コイルスプリング18(第二の弾発部材)とで構成してある。
シリンダー15ついて詳述すると、シリンダー15は前後に貫通する段状に形成された内孔15bを有しており、シリンダー15の外周面には、内孔15bまで貫通する空気孔15cを形成してある。
また、シリンダー15の内孔15bには、シリンダー15の内側部15dとピストン16の前端とOリング17とにより囲まれた加圧空間19が形成され、加圧空間19は空気孔15cによりシリンダー15の外部と通気される。
更に、シリンダー15の前部15eは後部外周部15fより小径で形成してあり、前部15eには外方へ向かって突出する装着部15gが円周状に2箇所形成してある。また、ボールペンレフィル3の後端内周部3bはシリンダー15の装着部15gに着脱自在に装着してあるため、加圧空間19はシリンダー15の内孔15bによりボールペンレフィル3の後部内孔3cまで連通してある。
尚、装着部15gは、シリンダー15にボールペンレフィル3を装着した際、シリンダー15とボールペンレフィル3との間の気密が確保され、且つ、手で簡単に着脱可能になるよう外方への突出量(外径)を調整してある。
具体的には、シリンダー15へのボールペンレフィル3の取り付け時に掛かる力は2.3kgfであり、ボールペンレフィルを3を手で引っ張るこことで簡単に取り外すことができた。
ピストン16について詳述すると、ピストン16は、後端部16aに設けた鍔部16bがノック体5の前端5aと当接しており、ピストン16の前部16cは後端部16aより小径に形成してある。
また、ピストン16の側面には外方へ向かって突出する突起部16dが軸心を挟んで対称に2箇所形成してある。そして、突起部16dをシリンダー15の後部外周部15fに軸心に沿って延びるように形成した窓部15hに、前後方向に摺動自在に嵌着してある。
更に、ピストン16の前部16cの側面には軸周方向に溝状の溝部16eを形成してあり、溝部16eには合成ゴムで形成したOリング17(密閉部材)を嵌着してある。このOリング17の外側部はシリンダー15の内側部15dに摺接しており、シリンダー15の後端開口部15aをピストン16とOリング17とで空気が漏れないように密閉してある。
尚、シリンダー15が後退した際、シリンダー15の後端にピストン16の鍔部16bが当接することで、シリンダー15の後退を制限し、シリンダー15内の加圧空間19の圧縮量を規制してある。
第2コイルスプリング18(第二の弾発部材)について詳述すると、第2コイルスプリング18は、シリンダー15の内方段部15iとピストン16の前段部16fとの間に張架してあり、ピストン16に対してシリンダー15を前方に弾発してある。
尚、第2コイルスプリング18(第二の弾発部材)の弾発力は、ボールペンレフィル3の出没状態、非出没状態に係らず第1コイルスプリング14(第一の弾発部材)の弾発力より大きく設定してあり、非使用時にボールペンレフィル3のボールペンチップ12の前端部12aに加圧式筆記具1の自重が掛かってもシリンダー15が後方へ移動して加圧空間19が加圧されないように、第2コイルスプリング18の弾発力から第1コイルスプリング14の弾発力を引いた値が加圧式筆記具1の自重より大きくなるよう設定してある。
具体的には、実施例の第1コイルスプリング14(第一の弾発部材)の取り付け時の弾発力は250gfであり、第2コイルスプリング18(第ニの弾発部材)の取り付け時の弾発力は320gfであり、加圧式筆記具1の自重は15gで形成した。
尚、加圧空間19は、シリンダー15の前後への摺動によりOリング17の位置がシリンダー15の空気孔15cより前方にあるときは密閉状態となり、Oリング17の位置が空気孔15cより後方にあるときは、加圧空間19とシリンダー外部とが空気孔15c により通気され非密閉状態となる。
また、クリップ6について詳述すると、クリップ6は、後軸7の後端部の外壁と、クリップ6の内壁間に第3コイルスプリング20を配設することにより、クリップ6の先端部を、後軸7の外壁面側に常時弾発するよう付設してある。そして、クリップ6の後端部を押圧(図1の矢印G方向)することにより、クリップ6と後軸7との連結部Rを支点とし、クリップ6の先端内壁部を後軸7の外壁面から離間可能な可動式クリップとして構成してある。
また、本実施例の加圧式筆記具1は、ボールペンレフィル3の筆記先端であるボールペンチップ12を前軸8の先端開口部8aから出没させる出没機構21を備えており、出没機構21は、従来から知られているものである。
具体的には、図1の状態からノック体5を前軸8の先端開口部8a方向に押圧(図1の矢印F方向)すると、ノック体5の前端5aに押されたピストン16が前進する。その際、第2コイルスプリング18(第一の弾発部材)の弾発力は、第1コイルスプリング14(第一の弾発部材)の弾発力より大きく設定してあることから、第2コイルスプリング18は圧縮されることなく加圧空間19は非加圧状態のままシリンダー15と共にボールペンレフィル3が第2コイルスプリング18により前方に押圧されて前進し、ボールペンレフィル3のボールペンチップ12が前軸8の先端開口部8aから突出する。そして、ノック体5の外壁に形成した係止部5bが、後軸7の側面に配置したクリップ6の先端部の被係止部6aに係止することで、ボールペンレフィル3のボールペンチップ12を、前軸8の先端開口部8aから突出した状態を維持させる図3の状態となる。
ここで、クリップ6の後端部を押圧(図3の矢印G方向)し、クリップの被係止部6aに係止したノック体5の係止部5bの係止状態を解除すると、第1コイルスプリング14の付勢力によって、ボールペンレフィル3、シリンダー15、ピストン16及びノック体5が後方に移動し、ボールペンチップ12を前軸8の先端開口部8a内に没入させ、図1の状態に戻る。
次に、図4及び図5を用いて、本実施例の加圧式筆記具1の筆記動作について説明を行う。
筆記の際、軸筒2は、その軸方向に対して鋭角を成す(図4及び図5参照)ように把持されるのが一般的である。このため、ボールペンチップ12の前端部12aには、軸筒2の軸方向に垂直な成分と当該軸方向の成分とを含む筆圧が加えられる。本実施例の加圧式筆記具1は、筆記時に図4の状態からボールペンチップ12の前端部12aに筆圧が加えられると、筆圧の軸方向に垂直な成分と軸方向の成分とにより、シリンダー15内の加圧空間19が加圧され、それによりボールペンレフィル3内の筆記具用インキ組成物10及びインキ追従体11がボールペンチップ12側に押圧されることで、ボールペンチップ12の前端部12aからのインキ流出量が増加し、筆記時の筆記濃度が上がり、また、筆記時のかすれを防止することができる。
具体的には、図5に示すように、筆圧の軸方向の成分によってボールペンレフィル3の前方領域が傾動し、前軸8の押圧部8bによって先部材13の被押圧部13bは軸方向後方に押圧される。
この際、ノック体5の係止部5bがクリップ6の被係止部6aに係止することでノック体5の後方への移動を阻止していることから、ノック体5及びノック体5に当接しているピストン16の後方への移動が阻止される。そして、先部材13の後端部13dはボールペンレフィル3の第2段部3dに当接しているため、第2コイルスプリング18の弾発力に抗して、ボールペンリフィル3及びボールペンレフィル3が装着されたシリンダー15が軸筒2に対して後方に相対移動される。
これと同時に、筆圧の軸方向の成分によって、ボールペンレフィル3が軸筒2に対して軸方向後方に押圧される。これにより、第2コイルスプリング18の弾発力に抗して、ボールペンリフィル3及びボールペンレフィルが装着されたシリンダー15が軸筒2に対して軸方向後方に相対移動される。すなわち、シリンダー15の後退量が一層増加する。
つまり、筆記時にボールペンレフィル3に筆圧が加えられると、筆圧の軸方向に垂直な成分と軸方向の成分とにより、先ず、第2コイルスプリング18が圧縮し、シリンダー15が後方へ移動する。そして、シリンダー15の空気孔15cがOリング17の位置より後方へ移動し、シリンダー15の内側部15dにOリング17が圧接して加圧空間19を密閉する。更に、シリンダー15が後方へ移動すると、第2コイルスプリング18を更に圧縮させ、ボールペンレフィル3の後部内孔3c及び加圧空間19を圧縮させ、ボールペンレフィル3内の筆記用インキ組成物10の後方に配設したインキ追従体11の後端に圧力が加えられた状態となる。
また、筆圧を解除(非筆記時)すると、第2コイルスプリング18の弾発力により、シリンダー15及びボールペンレフィル3が軸方向前方(元の位置)に押し戻される。その際、シリンダー15の空気孔15cの位置がOリング17まで達すると、空気孔15cが開放されて加圧空間19及びボールペンレフィル3の後部内孔3cの密閉を解除して、大気圧と同圧になり、図4の状態に戻る。尚、本実施例では、筆記時において、筆記具用インキ組成物10の後端にインキ追従体11を介して加えた最大圧力は1100hPaであった。
尚、インキ配合A1は、色材として顔料であるピグメントブラック7、溶剤として水と、顔料分散機能と筆跡定着性能を兼備した水溶性樹脂としてアクリル系樹脂(商品名HPD−96 ジョンソンポリマー株式会社製)を採用し、各成分を所定量正確に秤量し、ボールミルで顔料を均一に分散させた顔料分散体を得た。次いで、pH調整剤であるトリエタノールアミン、防錆潤滑剤として燐酸エステル界面活性剤である商品名プライサーフA−208S(第一工業製薬株式会社製)、筆跡の定着性向上剤としてアルリルエマルジョンである商品名ジョンクリル7001(ジョンソンポリマー株式会社製)、非浸透面上への濡れ性向上剤として水溶性変性シリコーンオイルである商品名KF−618(信越化学工業株式会社)、防菌剤として1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンを所定量正確に秤量し、ディスパー撹拌機にて50℃の攪拌温度で1時間加温撹拌した後、液温が30℃になるまで徐々に冷却した。更に、その均一混合液体をディスパーで撹拌しながら、20℃の蒸気圧が4.3kPaであるイソプロピルアルコールを所定量徐々に添加して30℃の温度で20分間撹拌することにより筆跡、外観共に黒色の水性ボールペン用インキを得た。尚、商品名HPD−96、ジョンクリル7001については、それぞれの有効固形分量を勘案してインキ設計した。また、20℃でのインキ粘度を5mPa・sとした。
また、インキ粘度は、トキメック製 B8M型粘度計を用い、BLローターの回転速度12rpmにおける粘度を20℃の環境下で測定した。
尚、本実施例は、便宜上、後端ノック操作により、ボールペンレフィル3の筆記先端であるボールペンチップ12を前軸8(軸筒2)の前端開口部8aから出没させる機構の加圧式筆記具を例示しているが、ノック式、キャップ式、スライド式、回転式等、特に限定されるものではない。また、少なくとも1本のボールペンレフィルが軸筒内に収容される構成であればよく、例えば、複数本のボールペンレフィルが軸筒内に収容される構成であってもよい。
よって、本実施例では、筆圧が掛かった時のみ筆記具用インキ組成物10に加圧が掛かるように構成してあるため、ボールペンチップ12を前軸2の先端開口部8aより突出させた状態のまま放置しても、インキ収容筒9内の筆記具用インキ組成物10が漏れ出すことはない。
また、軸筒2を筆記面に対して斜めに把持して筆記しても、筆圧の軸方向に垂直な成分と軸方向の成分とによりボールペンレフィル3内の筆記具用インキ組成物10を効率よく加圧することができ、単位時間当たりのインキ流出量を増大させ、筆記時の筆記濃度を濃くさせ、筆記時のかすれを防止することができた。
更に、軸筒の押圧部と先部材の被押圧部の少なくとも一部とが常に当接するよう構成することで、ボールペンレフィル3に筆圧が掛かった際に筆記先端ががたつくことを防止し、筆記角度にかかわらず筆記動作と略同時にシリンダーの加圧室が加圧されるため筆記開始から濃い筆跡での筆記ができるものとなった。
また、本発明は筆記時のみ加圧する方式とすることにより、本来筆記し難い非浸透面への筆記を確実にできるものとなった。
本発明の加圧式筆記具は、インキ色、単式、複式など加圧式筆記具として広く利用可能である。
1…加圧式筆記具、
2…軸筒、2a…後部開口部、
3…ボールペンレフィル、3a…外段部、3b…内周部、3c…後部内孔、
3d…第2段部、
4…加圧機構、
5…ノック体、5a…前端、5b…係止部、
6…クリップ、6a…被係止部、
7…後軸、
8…前軸、8a…前端開口部、8b…押圧部、
9…インキ収容筒、
10…筆記具用インキ組成物、
11…インキ追従体、
12…ボールペンチップ、12a…前端部、
13…先部材、13a…段部、13b…被押圧部、13c…テーパ面、13d…後端部、
14…第1コイルスプリング(第一の弾発部材)、
15…シリンダー、15a…後部開口部、15b…内孔、15c…空気孔、
15d…内側部、15e…前部、15f…後部外周部、15g…装着部、
15h…窓部、15i…内方段部、
16…ピストン、16a…後端部、16b…鍔部、16c…前部、16d…突起部、
16e…溝部、16f…前段部、
17…Oリング、
18…第2コイルスプリング(第二の弾発部材)、
19…加圧空間、
20…第3コイルスプリング、
21…出没機構、
A1…インキ配合、
R…連結部。

Claims (4)

  1. 軸筒内に、筆記具用インキ組成物を充填したインキ収容筒と、該インキ収容筒の前方部にボールペンチップと、を具備したボールペンレフィルを収容してなり、
    前記ボールペンチップの前端部が前記軸筒の先端開口部から突出した状態で当該ボールペンチップを後退させることで、前記軸筒内に設けた加圧機構により前記筆記具用インキ組成物の後端に圧力を加える加圧式筆記具であって、
    前記ボールペンレフィルは、前方領域が前記軸筒内において撓み変形可能または傾動可能なように後方領域が当該軸筒内に支持されており、
    前記ボールペンレフィルの前方領域を覆うように配置された先部材と、当該先部材に形成された段部と当該ボールペンレフィルの外周面に形成された外段部との間に圧縮状態で配置された第一の弾発部材と、を備え、
    前記先部材は外周面に被押圧部を有しており、
    前記軸筒は前方領域の内周面に押圧部を有しており、
    前記押圧部と前記被押圧部の少なくとも一方は、軸方向後方に向かって次第に大径となるテーパ面であり、
    前記ボールペンレフィルの前方領域が撓み変形または傾動した際には、前記軸筒の押圧部が前記先部材の被押圧部を当該軸筒に対して軸方向後方に相対移動させ、前記先部材により前記ボールペンレフィルが後退することで、前記加圧機構が作動して前記筆記具用インキ組成物の後端に圧力を加えることを特徴とした加圧式筆記具である。
  2. 前記加圧機構は、前記ボールペンレフィルの後方に内外を連通する空気孔を有するシリンダーと、前記シリンダーの後方に当該シリンダーに対し前後動可能に配設したピストンと、前記シリンダーの内部に前記ボールペンレフィルの後部内孔と前記ピストンとの間を連通する加圧室と、を備え、
    前記ボールペンレフィルの後部内孔に前記シリンダーにおける縮径された前部、該シリンダーの後端開口部に前記ピストンの前部がそれぞれ装着され、
    前記ボールペンレフィルが後退した際、前記加圧室が加圧されることを特徴とした請求項1に記載の加圧式筆記具である。
  3. 前記シリンダーの内周面に形成された内方段部と前記ピストン外周面に形成された前段部との間に圧縮状態で配置された第二の弾発部材により当該ピストンに対して当該シリンダーを前方に弾発することで、前記シリンダーにより前記ボールペンレフィルを介して前記先部材が前方へ押圧され、前記押圧部と前記被押圧部の少なくとも一部とが常に当接状態にあるよう構成したことを特徴とする請求項2に記載の加圧式筆記具。
  4. 前記筆記具用インキ組成物の後端に加える圧力は、大気圧を1000hPaとした場合、1000hPaより高く、1500hPa以下としたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の加圧式筆記具。
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