JP2018088940A - 単色マルチプレックス定量pcr - Google Patents

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Abstract

【課題】単色マルチプレックス定量PCRの提供。【解決手段】単一のウェル中で単一の検出標識を用いて、第2の標的核酸のコピー数と比較して第1の標的核酸のコピー数を決定するための方法および組成物を本明細書で開示する。たとえば、マルチプレックス定量PCR(MMQPCR)法によって、単一のウェル中で単一の検出標識を用いて、第2の標的核酸のコピー数と比較して第1の標的核酸のコピー数を決定するための方法および組成物を本明細書で開示する。テロメアの配列のコピー数を測定する方法をも開示する。このデータは、測定したテロメア長を、1つの集団内で観察したテロメア長に対応する死亡リスクおよび疾病出現率に関係づけるために使うことができる。【選択図】図1

Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、2008年12月22日に出願された米国特許仮出願第61/139,890号の優先権を主張し、その全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
(連邦支援による研究または開発に関する陳述)
本明細書に開示される研究と発明の一部は、NIH 5R21AG030034の機関を通してアメリカ合衆国政府助成を受けた。アメリカ合衆国は本発明にある一定の権利を保有する。
これらの方法を実施する際に有用な単一検出標識およびキットを使用する単一反応において、第2の標的核酸配列と比較して第1の標的核酸配列の相対的および絶対的コピー数を測定する方法を開示する。
リアルタイム定量的ポリメラーゼ連鎖反応法(QPCR)により各反応ウェルについて、C、すなわち、蛍光(産生物形成に比例)が上昇してベースライン蛍光を数倍の標準偏差値分上回るセット閾値を交差する分画サイクル数を測定する。(非特許文献1)。C対ログ(入力標的DNA量)プロットは線形であり、これによって同じプレートにおいて、参照DNA試料の段階希釈を増幅することによって得られた検量線と比較した未知数の相対定量ができる。
多くのQPCR応用について、研究者は、標的配列のシグナル(T)を参照配列のシグナル(R)に対して標準化することを望んでいる。初期の研究によって、TおよびRを二本鎖DNAに挿入すると蛍光を発する色素、例えば、臭化エチジウムまたはSYBRグリーンI、と別々に反応(モノプレックス)させて測定した。このアプローチは存続している。より最近の研究では、数量化されるDNA配列それぞれに対して独特の励起/発光スペクトルを持つ異なる光色素を使って、多色マルチプレックスQPCRで同じ反応容器内のTとRを測定してきた。(非特許文献2)。マルチプレックスQPCRによりT/R比を測定することによって実行すべき別々のPCR反応回数を半分に減らせる。さらに、TおよびRのシグナルの両方をそれぞれの反応容器内で収集するので、モノプレックスQPCRの別々のウェルでTとRを測定する時のように、反復反応のためにピペットする所定のDNA試料の変動量によるT/R比の変動は生じない。
多色マルチプレックスQPCRの主な不利点は、蛍光プローブの相対的に高いコストと2つ以上の蛍光色の読み取りを備えて特化したQPCR装置であるための高いコストである。マルチプレックスPCR法への伝統的アプローチ(PCR法が定量的であるかどうかに関わらず)では、1つのプライマー対による高い鋳型コピー数の初期増幅が第2のプライマー対よる別のより低い鋳型複製数の後期増幅を抑制してしまうのを防ぐようなプライマーセットとプライマー濃度を同定するのにもしばしば過剰に時間を消費している。
Higuchi,R.,Fockler,C.,Dollinger,G.and Watson,R.、Kinetic PCR analysis: real−time monitoring of DNA amplification reactions. Biotechnology(NY),(1993)11,1026−1030 Wittwer,C.T.,Herrmann,M.G.,Gundry,C.N.and Elenitoba−Johnson,K.S.、Real−time multiplex PCR assays.Methods,(2001)25,430−442
本発明は、単一の検出標識を使って単一反応内の2つ以上の標的核酸配列のコピー数を測定する方法を提供する。テロメアの配列のコピー数を測定する方法をも開示する。このデータは、測定したテロメア長を、1つの集団内で観察したテロメア長に対応する死亡リスクおよび疾病出現率に関係づけるために使うことができる。
単一検出標識を使用し、均一システムである単一ウェルでの単色マルチプレックス定量PCR(MMQPCR)による第2の標的核酸配列のコピー数と比較して第1の標的核酸配列の相対的かつ絶対的コピー数を測定する方法と構成を本明細書で開示する。
開示された方法と構成のその他の有利点は、以下に続く記載に一部説明し、一部その記載から理解でき、または開示された方法と構成を実施することにより習得できるはずである。開示された方法と構成の利点は、添付の請求項に特に指摘してある要素と組み合わせによって実現し獲得することができるだろう。上記の一般的な記載と次の詳細な記載は例示的かつ説明のためのみのものであり、本発明を請求された通りに制限するものではない。
本発明はまた、以下の項目を提供する。
(項目1)
第1の標的核酸のコピー数および第2の標的核酸のコピー数を決定する方法であって、

a)均一系での反応混合物を形成するために、第1の標的核酸を第1のプライマーセットと接触させ、かつ第2の標的核酸を第2のプライマーセットと接触させ、かつ単一の検出標識を加えることと、
b)第1の融解温度(Tm)を有する第1のアンプリコンを形成するために第1のプライマーセットを用いて第1の標的核酸をポリメラーゼ連鎖反応によって増幅し、かつ前記第1のTmより高い第2のTmを有する第2のアンプリコンを形成するために第2プライマーセットを用いて第2の標的核酸をポリメラーゼ連鎖反応によって増幅することと、
c)ポリメラーゼ連鎖反応中に、前記第1のTmより低い第1のシグナル取得温度で検出標識の量を測定することと、
d)前記反応混合物の前記温度を前記第1のTmより高くかつ前記第2のTmより低い第2のシグナル取得温度まで上げて、前記検出標識の量を測定することと、
e)(b)から(d)までのステップを少なくとも1回繰り返すことと、
f)前記第1の標的核酸および前記第2の標的核酸の相対的コピー数を決定することとを含む方法。
(項目2)
前記第1の標的核酸配列の前記コピー数が前記第2の標的核酸配列の前記コピー数よりも大きい項目1に記載の方法。
(項目3)
前記増幅ステップのそれぞれの間に、前記検出標識の前記量が前記第1のシグナル取得温度および前記第2のシグナル取得温度で検出される項目1に記載の方法。
(項目4)
前記第1のTmと前記第2のTmとの差が少なくとも4℃である項目1に記載の方法。
(項目5)
前記第2のプライマーセット中の前記プライマーのうちの少なくとも1つが、前記プライマーの5’末端でGCクランプを含む項目1に記載の方法。
(項目6)
前記第1のプライマーセット中の前記プライマーのうちの少なくとも1つが、AおよびTのヌクレオチドを有する5’配列を含む項目1に記載の方法。
(項目7)
前記第1のプライマーセット中の前記プライマーの3’末端が互いに相補的である項目1に記載の方法。
(項目8)
前記第1のプライマーセットのうちの1つのプライマーが前記プライマーの3’末端に隣接する少なくとも1つのミスマッチヌクレオチドを含むミスマッチプライマーであり、前記ヌクレオチドが前記標的核酸に相補的ではないが、前記第1のプライマーセット中の別のプライマーの3’末端ヌクレオチドに相補的である項目7に記載の方法。
(項目9)
前記第1のプライマーセットの前記ミスマッチプライマーの伸長産物が、前記第1のプライマーセット中の前記別のプライマーとハイブリダイズすることができる項目8に記載の方法。
(項目10)
前記第1のプライマーセットの前記プライマーのうちの1つが、前記第1の標的核酸をプライミングすることからブロックされる項目1に記載の方法。
(項目11)
前記第1の標的核酸をプライミングすることからブロックされた前記プライマーが、その3’末端でミスマッチ塩基を含む項目10に記載の方法。
(項目12)
前記検出標識がインターカレーティング染料である項目1に記載の方法。
(項目13)
前記第1の標的核酸および第2の標的核酸のコピー数が、それぞれ前記第2の核酸と比較して前記第1の核酸の相対量を測定する項目1に記載の方法。
(項目14)
前記第1の標的核酸がタンデムリピート配列を含む項目1に記載の方法。
(項目15)
前記第1の標的核酸が試料から得られる項目1に記載の方法。
(項目16)
前記第1の標的核酸の前記コピー数が前記試料中に存在する前記タンデムリピート配列の数を決定する項目14に記載の方法。
(項目17)
前記第1の標的核酸配列の前記コピー数が前記第2の標的核酸配列の前記コピー数と同様である項目1に記載の方法。
(項目18)
前記ポリメラーゼ連鎖反応が少なくとも3つの連続するステージのサイクルを含み、前記ポリメラーゼ連鎖反応のサイクルの第1のステージが、前記ポリメラーゼ連鎖反応のアニーリング温度がサイクルの第2のステージのアニーリング温度よりも高い1つのポリメラーゼ連鎖反応を含み、前記ポリメラーゼ連鎖反応のサイクルの前記第2のステージが、サイクルの第1のステージのアニーリング温度よりもポリメラーゼ連鎖反応のアニーリング温度が低い1つのポリメラーゼ連鎖反応を含み、およびポリメラーゼ連鎖反応のサイクルの第3のステージが、前記ポリメラーゼ連鎖反応のアニーリング温度がサイクルの前記第1のステージのアニーリング温度よりも低く、かつサイクルの前記第2のステージのアニーリング温度よりも高い項目17に記載の方法。
(項目19)
前記ポリメラーゼ連鎖反応のサイクルの前記第1のステージの間に、前記第1のアンプリコンだけが形成される項目18に記載の方法。
(項目20)
前記ポリメラーゼ連鎖反応のサイクルの前記第2のステージの間に、前記第2のアンプリコンだけが形成される項目18に記載の方法。
(項目21)
前記ポリメラーゼ連鎖反応のサイクルの前記第3のステージの間に、前記第1および第2の両アンプリコンが形成される項目18に記載の方法。
(項目22)
前記第2のシグナル取得温度で検出標識が決定されるまで前記増幅ステップが繰り返される項目18に記載の方法。
(項目23)
前記増幅ステップのそれぞれの間に、前記検出標識の量が前記第1シグナル取得温度および前記第2のシグナル取得温度で検出される項目18に記載の方法。
(項目24)
前記第1のTmと前記第2のTmとの間の差が少なくとも4℃である項目18に記載の方法。
(項目25)
前記第2のプライマーセット中の前記プライマーのうちの少なくとも1つが前記プライマ−の5’末端でGCクランプを含む項目18に記載の方法。
(項目26)
前記第1のプライマーセット中の前記プライマーのうちの少なくとも1つが、AおよびTのヌクレオチドを有する5’配列を含む項目18に記載の方法。
(項目27)
前記第1のプライマーセットの前記プライマーの3’末端が互いに相補的である項目18に記載の方法。
(項目28)
前記第1のプライマーセットのうちの1つのプライマーが、前記プライマーの3’末端に隣接する少なくとも1つのミスマッチヌクレオチドを含むミスマッチプライマーであり、前記ヌクレオチドが前記標的核酸には相補的でないが前記第1のプライマーセット中の前記別のプライマーの前記3’末端ヌクレオチドに相補的である項目27に記載の方法。
(項目29)
前記第1のプライマーセット中の前記ミスマッチプライマーの前記伸長産物が、前記第1のプライマーセット中の前記別のプライマーとハイブリダイズすることができる項目28に記載の方法。
(項目30)
前記第1のプライマーセット中の前記プライマーのうちの1つが前記第1の標的核酸をプライミングすることからブロックされる項目18に記載の方法。
(項目31)
前記第1の標的核酸をプライミングすることからブロックされる前記プライマーがその3’末端で1つのミスマッチ塩基を含む項目30に記載の方法。
(項目32)
前記検出標識がインターカレーティング染料である項目18に記載の方法。
(項目33)
前記第1の標的核酸および第2の標的核酸のコピー数が前記第2の核酸と比較して前記第1の核酸の相対量を測定する項目18に記載の方法。
(項目34)
前記第1の標的核酸がタンデムリピート配列を含む項目18に記載の方法。
(項目35)
前記第1の標的核酸が試料から得られる項目18に記載の方法。
(項目36)
前記第1の標的核酸の前記コピー数が前記試料中に存在する前記タンデムリピート配列の数を決定する項目35に記載の方法。
(項目37)
前記第1のシグナル取得温度および前記第2のシグナル取得温度の間に決定される前記検出標識の量が対照と比較される項目1に記載の方法。
(項目38)
前記第1のシグナル取得温度および前記第2のシグナル取得温度の間に決定される前記検出標識の量が対照と比較される項目1に記載の方法。
と構成の利点は、添付の請求項に特に指摘してある要素と組み合わせによって実現し獲得することができるだろう。上記の一般的な記載と次の詳細な記載は例示的かつ説明のためのみのものであり、本発明を請求された通りに制限するものではない。
付随する図は、本明細書に組み込まれて本明細書の一部を構成し、開示された方法と構成と更にその記載のいくつかの実施の形態を説明し、開示された方法と構成の原理を説明する役割をはたす。
サイクル1で、telgプライマーは未変性のテロメア配列とハイブリダイズし、DNA合成を刺激する図である。telcプライマーは、未変性のテロメア配列とハイブリダイズするが、3’末端のミスマッチによりDNA合成を刺激することができない。図示されるように互いにハイブリダイズすると、図示されない別の配置で、それぞれの3’末端塩基を含むtelgとtelcとが複数のミスマッチを起し、従って、プライマー二量体形成が抑制される。telgおよびtelcの3’末端が完全に相補の3つの塩基対が重なり整合できるが、効率的にプライマー二量体形成させるのに充分安定していない。サイクル2において、telcは、サイクル1で合成されたtelgのプライマー伸長産物にそってハイブリダイズするが、その他の配置はtelcの3’末端塩基でミスマッチを生じるので、示された配置でハイブリダイズする時のみDNA合成を刺激することができる。telg伸長産物では、上線は、telgプライマーそれ自体の配列を特徴付け、またイタリックの塩基は、PCRのサイクル1で新しく合成した配列を特徴付ける。プライマーの5’末端の非鋳型の大文字の配列は、テロメアPCR産物の3’末端がテロメアPCR産物のその他のコピーの中央でDNA合成を刺激するのを抑制する。 テロメアプライマーのみ(丸印)と、アルブミンプライマーのみ(×印)と、または両方のプライマーセットのみ(三角形)とヒトゲノムDNA150ngを一緒に25サイクル増幅(材料と方法の章に与えられた温度プロファイル)した後の融解曲線を示す図である。鋳型コントロール無しの融解曲線は黒色でシンボルはない。最後の88℃でのインキュベーションの後、反応は72℃にまで冷却し、シグナルは72℃〜95℃まで0.5℃刻み(各ステップ30秒間の休止)で獲得した。テロメアおよびアルブミンアンプリコンの融解温度は約11度の温度差がある。 長いテロメア(丸印)、中程度の長さのテロメア(×印)、または短いテロメア(三角)を以前に有すると示された3つの参照ヒトDNA試料のそれぞれ20ngの単色マルチプレックス定量PCR(MMQPCR)の結果である。鋳型コントロール無しの増幅曲線は黒色四角で示される。パネル上:片対数プロット;パネル下:線形プロット。 相対的T/S比を測定するために使った検量線を示す図である。81倍の範囲でまたがる標準的ヒトゲノムDNA試料の5つの濃度は、3倍の段階希釈(1ウェルにつき、150ng、50ng、16.7ng、5.55ng、および1.85ng)で調整し、そして96ウェルのPCRプレートに2つ組でアリコートした。標的と参照蛍光性シグナルの両方を各反応ウェルから収集した。丸印は、88℃で得た単一コピー遺伝子アルブミンのデータを表し、三角形は、74℃で得たテロメア反復配列のデータを表す。同じ標準DNAを、この実験の全てのプレートの検量線反応をセットアップするために使った。 95個体からの全血DNA試料の、単一コピー遺伝子としてのアルブミンを使用した単色マルチプレックス定量PCR法によって測定した相対的T/S比とサザンブロット法で測定した平均末端制限断片(TRF)長との相関を示す図である。各T/S値は3つ組の測定平均である。各平均TRF長は二重測定の平均である。線形回帰式と相関係数を、マイクロソフトエクセルを使って求めた。 MMQPCRアッセイの独立の組の相対的T/S比の再現性を表す図である。図4でアッセイされた同じ95DNA試料は、翌日に再びアッセイされ、各DNA試料で占有された特定のMyiQPCR装置および反応ウェルの位置は前日とは異なるように管理した。線形回帰式と相関係数を、マイクロソフトエクセルを使って求めた。 単一コピー遺伝子としてのアルブミンから得たT/S比と単一コピー遺伝子としてのβグロビンから得たT/S比との相関を示す図である。相対的T/S比を、同じ95DNA試料について、三重測定を、2回の別々のランでアルブミンプライマーをβグロビンプライマーで置換して測定した。各試料について、アルブミンを単一コピー遺伝子(x軸)とする2回の別々のランからの平均T/Sを、βグロビンを単一コピー遺伝子(y軸)とする2回のランからの平均T/Sに対してプロットする。線形回帰式と相関係数を、マイクロソフトエクセルを使って求めた。
本発明は、1つ以上の標的核酸のコピー数を測定することを目的とする方法およびシステムを含む。開示された方法と構成は、以下の特定の実施形態およびそこに含まれた実施例の詳細な説明記載、および図とそれらの前後の記載を参照することによってより容易に理解されうる。
開示された構成と方法は、標的核酸を実時間で検出することに利用できる。実時間検出は、増幅反応または操作の間または直後に実行する検出である。一般に、そのような検出は、増幅中の1つ以上の別々の時刻に、増幅の1つ以上の部分を連続的に、または、別々の時刻と連続した時間の組み合わせで増幅産物を検出することによって達成できる。実時間検出は、増幅反応または操作を中断させることなく検出できる検出可能なシグナルを具体化または産生する標識または成分を使用して促進できる。蛍光ラベルは、実時間検出のために有用な標識の例である。実時間検出を得るのに特に有用な手段は、増幅において検出標識を使用することである。好適にデザインされた検出標識を使用して、蛍光シグナルを含む検出シグナルは、増幅が進行するに従って生成できる。多くの場合、検出シグナルは、増幅産物および/または標的配列もしくは標的分子の量に比例する。
本明細書で開示されたのは、第1の標的核酸および第2の標的核酸のコピー数を測定する方法である。標的核酸は、試料から得ることができるか、または本明細書の別のところに記載されているように人工的に産生することができる。
本明細書に引用した全ての特許、特許出願、出版物は、本明細書の前後を問わず本明細書で記載され、請求された時点において、当業者には既知の最先端の技術をより十分に記載するために、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本発明は、特定の合成方法、特に他に指定がなければ特定の組換バイオテクノロジー、特に他に指定がなければ特定の試薬、医薬品のキャリア、特定の医薬品の処方、または投与計画、もちろんそれぞれはそれなりに異なるが、に限定されるものでないことを理解されたい。
定義と用語
本明細書で使用した用語は、特定の実施形態を記載する目的のみであり、これに制限されるものではない。
明細書と付随する請求の範囲で使用されるとき、単数形の、「a」「an」「the」は、文脈から明確に他のものが指示されているのでなければ、複数形の意味を有することができる。従って、例えば、「化合物」(a compound)という表現は、複数の化合物(compounds)の混合物を含み、「医薬担体」(a pharmaceutical carrier)という参照は、2つ以上のそのような担体などの混合物を含む。成分という表現は、文脈が明確に他のものを指示するのでなければ、単一のもしくは複数の成分、または複数の成分の混合物を含むことができる。
範囲は、「約」(about)特定の値から、および/または、「約」別の特定の値までとして本明細書では表現する。用語「約」は、本明細書では、近似的に、〜の辺りで、おおよそ、近傍に、の意味で使われる。用語「約」が、数値的範囲と共に使われる場合は、言及した数値の上下に境界を広げることによって範囲を修飾する。一般に、用語「約」は、ある数値を、その値の上下に分散20%分だけ修飾する意味で本明細書では使われる。そのような範囲が表現されるとき、別の実施形態はある特定の値から、および/または別の特定の値までを含む。同様に、数値が「約」という先行詞によって近似の意味として表現される時は、特定の値で別の実施形態が成立しうることを理解されたい。範囲の各終末点は、もう一方の終末点との関係において、またもう一方の終末点とは独立に意味を持つことを更に理解されたい。
本明細書で使用されるとき、用語「または」(or)は、ある特定のリストのメンバーの内の1つを意味し、さらにそのリストのメンバーの任意の組み合わせをも含む。
「試料」とは、動物のことを意味する;動物の組織または器官;細胞(対象内か、対象から直接取り出したもの、または培養中に維持された細胞、または培養細胞系統由来のもの):細胞可溶化物(または可溶化液画分)または細胞抽出液;または細胞もしくは細胞物質(例えば、ポリペプチドもしくは核酸)由来の1つ以上の分子を含む溶液、それぞれは本明細書で記載されるようにアッセイされる。試料は、細胞または細胞成分を含む任意の体液または排泄物(例えば、以下に限定されるものではないが、血液、尿、糞便、唾液、涙、胆汁)である。
本明細書で使用されるとき、句「核酸」は、(DNAもしくはRNAもしくはDNA−RNAハイブリッド一本鎖もしくは二重鎖の、センスもしくはアンチセンスであるかに関わらず)ワトソン−クリック塩基対形成による相補的核酸にハイブリダイズすることのできる自然発生もしくは合成されるオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドを言及する。本発明の核酸は、ヌクレオチド類似体(例えば、BrdU)と非リン酸ジエステルヌクレオシド間連鎖(例えば、ペプチド核酸(PNA)またはチオジエステル(thiodiester))連鎖をも含むことができる。特に、核酸は、制限なしに、DNA、RNA、cDNA、gDNA、ssDNA、dsDNAまたはこれらの組み合わせを含む。
「特異的に結合する」とは、同族の標的を認識し、物理的に相互作用することを意味する。例えば、プライマーは標的核酸に特異的に結合することができる。例えば、第1のプライマーセットのプライマーは、第1の標的核酸配列に特異的に結合することができるが、その他の標的または標的核酸配列を有意に認識したり、また相互作用したりしない。
「プローブ」、「プライマー」、または「オリゴヌクレオチド」とは、相補的配列(「標的」)含む第2のDNAまたはRNA分子と塩基対形成をすることができる明確な配列の一本鎖DNAまたはRNA分子を意味する。結果として生じるハイブリットの安定性は、生起する塩基対形成の範囲に依存する。塩基対形成の範囲は、プローブおよび標的分子の相補性の度合いとハイブリダイズ条件の厳密性の度合いのなどのパラメータによって影響される。ハイブリダイズの厳密性の度合いは、温度、塩濃度、およびホルムアミドなどの有機分子の濃度などのパラメータによって影響され、当業者に知られた方法で測定する。標的核酸(例えば、遺伝子および/またはmRNA)に特異的なプローブまたはプライマーは、ハイブリダイズする標的領域と少なくとも80%〜90%の配列相補性、少なくとも91%〜95%の配列相補性、少なくとも96%〜99%配列相補性、または少なくとも100%の配列相補性を有する。プローブ、プライマー、およびオリゴヌクレオチドは、当業者に知られた方法によって放射線または非放射線で検出可能な標識をつけることができる。プローブ、プライマー、およびオリゴヌクレオチドは、例えば、本明細書で記載した単色マルチプレックス定量PCR法(MMQPCR)、同様に核酸シークエンス逆転写および/またはポリメラーゼ連鎖反応法による核酸増幅、一本鎖立体構造の多型(SSCP)解析、制限酵素断片多型(RFLP)解析、サザンブロット法、ノーザンブロット法、インサイツハイブリダイゼーション、電気泳動移動度シフトアッセイ(EMSA)などの核酸ハイブリダイゼーションに関わる方法に使われる。
「プライマーセット」とは、少なくとも2つのプライマーを意味し、各プライマーは、同じ標的配列の逆鎖に相補的配列を含む。プライマーセットにおいて、2つのプライマーの内少なくとも1つは「順方向プライマー」であり、2つのプライマーの内少なくとも1つは「逆方向プライマー」である。「順方向プライマー」は、標的核酸のセンス鎖に相補的なプライマーであり、逆方向プライマーは、標的核酸のセンス鎖に相補的な鎖に相補的なプライマーである(標的核酸のアンチセンス鎖とも呼ばれる)。プライマーセットは、PCR反応に使うことができるプライマー対である。
「アンプリコン」とは、自然のまたは人工的な増幅現象の産生物として形成したDNA断片を意味する。例えば、これらは、本明細書で記載した方法、ポリメラーゼ連鎖反応法(PCR法)またはリガーゼ連鎖反(LCR)、同様に自然な遺伝子重複により形成することができる。
「特異的にハイブリダイズする」とは、プローブ、プライマー、またはオリゴヌクレオチドが認識し、高い厳密な条件の下、実質的に相補的核酸(例えば、標的核酸)と物理的に相互作用し(即ち、塩基対)、そして他の核酸と実質的に塩基対を形成しないことを意味する。
「高い厳密性条件」とは、少なくとも長さ40ヌクレオチドのDNAプローブを、温度65℃で、0.5M NaHPO4、pH7.2、7%SDS、1mM EDTA、および1%BSA(画分V)、を含有する緩衝液、温度42℃で、48%ホルムアミド、4.8X SSC、0.2Mトリス−Cl、pH 7.6、1Xデンハート溶液、10%デキストラン硫酸と、0.1%SDS、を含有する緩衝液を使用した場合の結果に匹敵する条件を意味する。高い厳密性のハイブリダイズ法のその他の条件は、例えば、PCR法、ノーザンブロット解析、サザンブロット解析、または、インサイツハイブリダイゼーション、DNAシークエンシングなどが分子生物学の分野ではよく知られている(例えば、F.Ausubel etal.,Current Protocols in Molecular Biology, JohnWiley & Sons, New York, NY,1998を参照)。
材料
目的として使用でき、共に使うことができ、調製目的として使用できる材料、構成、および、成分を開示し、もしくは開示した方法と構成の産物を開示する。これらとその他の材料は本明細書で開示される、またこれらの材料の組み合わせ、サブセット、相互作用、グループなどが開示される場合は、これらの化合物の様々な個々と集合の組み合わせと順列の特定の言及は明示的に開示できないが、その各々は、特に十分考慮されて本明細書で記載されていることを理解されたい。従って、分子A、B、およびCのクラスが開示され、同様に分子D、E、およびFのクラス、ならびに組み合わせの分子の例A−Dも開示されるならば、それぞれは個別に列挙しないとしても、それぞれは個別にまたはひとまとめにして熟慮されている。従って、この例では、A−E、A−F、B−D、B−E、B−F、C−D、C−E、およびC−Fの組み合わせのそれぞれを特に熟慮し、A、B、およびC;D、E、およびF;組み合わせA−Dの例の開示により開示されたものとして見なされるべきである。同様に、これらの任意のサブセットまたは組み合わせもまた特に熟慮し開示される。従って、例えば、A−E、B−F、およびC−Eのサブグループを特に熟慮するが、A、B、およびC;D、E、およびF;組み合わせA−Dの例の開示により開示されたものとして見なされるべきである。この概念を、それに限定されるわけではないが、開示した構成を精製し使用する方法の各段階を含むこの開示の全ての態様に対して適用する。従って、遂行されるはずの様々な付加的段階があるならば、これらの付加的段階のそれぞれは、特定の実施形態または開示された方法の実施形態の組み合わせを使って遂行でき、さらに組み合わせのそれぞれも特に熟慮され開示されたものと見なすべきであることを理解されたい。
A.標的試料
標的試料は、標的分子を有するまたは有し得る任意の源由来であっても良い。標的試料は、例えば、核酸などの標的分子を含むことができる。標的試料は標的核酸の源でも良い。標的試料は、自然の標的核酸、化学的に合成した標的核酸、またはその両方を含むことができる。標的試料は、例えば、1つ以上の細胞、組織、または血液、尿、精液、リンパ性液体、脳脊髄液などの体液、または羊水、または組織培養、細胞、頬綿棒で採取した試料、口腔洗浄、糞便、組織スライス、組織診吸引物などのその他の生物学的試料、および骨やミイラ化した組織などの考古学的試料からの試料であって良い。有用な標的試料の種類は、血液試料、尿、試料、精液試料、リンパ性液体試料、脳脊髄液試料、羊水試料、生検組織試料、針吸引生検試料、癌試料、腫瘍試料、組織試料、細胞試料、細胞可溶化物試料、粗製細胞可溶化物試料、法医学的試料、考古学的試料、感染症試料、院内感染試料、産生試料、薬標本試料、生物学的分子産生試料、タンパク質標本試料、脂質標本試料および/または炭水化物標本試料を含む。
1.標的核酸
標的試料は、標的分子を有するか、有し得る任意の源由来であっても良い。核酸試料は、標的核酸などの核酸分子と塩基配列を源とする。核酸試料は、RNA、DNAまたはその両方を含んで良い。標的核酸はcDNAであっても良い。さらに加えて、mRNAは、逆転写されて、本明細書で記載した方法で使用する標的核酸の役割を果たすcDNAを形成することができる。
「標的核酸」または「標的配列」とは二重のまたは一本鎖核酸上の核酸配列を意味する。本明細書において、「核酸」または「オリゴヌクレオチド」または文法的に等価なものは、共有結合する少なくとも2つのヌクレオチドを意味する。本発明の核酸は、一般にホスホジエステル結合を含むが、いくつかの場合には、別の主鎖を持つことができる核酸類似体が含まれる。この主鎖は、例えば、ホスホルアミド(Beaucage,S.L.et al.,Tetrahedron 49: 1925−63(1993)、とその中の参考文献; Letsinger, R.L. et al., J. Org. Chern. 35: 3800−03(1970); Sprinzl, M. et al., Eur. J. Biochem. 81: 579−89(1977); Letsinger, R. L. et al.,Nucleic Acids Res. 14:3487−99(1986); Sawai et al., Chern. Lett. 805(1984); Letsinger, R.L. et al., 1. Am. Chern. Soc. 110: 4470(1988); および Pauwels et al., Chemica Scripta 26:141−49(1986))、 ホスホロチオエート(Mag, M. et al., Nucleic Acids Res. 19:1437−41(1991);と米国特許第5,644,048号)、ジチオリン酸(Briu et al., 1. Am. Chern. Soc.20 111 :2321 (1989)),O−methylphophoroamidite linkages (see Eckstein, Oligonucleotides and Analogues: A Practical Approach, Oxford University Press, 1991)、およびペプチド核酸主鎖連鎖(Egholm, M., Am. Chern. Soc. 114: 1895−97 (1992); Meier etal., Chern. Int. Ed. Engi. 31:1008 (1992); Egholm, M., Nature 365: 566−68 (1993);Carlsson, C. et al., Nature 380: 207 (1996)、参照により全てを組み込む)を含む。その他の核酸類似体は、ポジティブバックボーン(Dempcy, R. o. et al.,Proc. Nati. Acad. Sci. USA 92:6097−101 (1995));非イオン性のバックボーン(米国特許第5,386,023号; 5,637,684号; 5,602,240号; 5,216,141号;と4,469,863号; Kiedrowshi et al., Angew.Chern. Inti. Ed. English 30:423 (1991); Letsinger, R. L. et al., 1. Am. Chern. Soc. 110:4470 (1988); Letsinger, R. L. et al., Nucleoside & Nucleotide 13: 1597 (1994); Chapters 2 and 3, ASC Symposium Series 580, ”Carbohydrate Modifications in Antisense Research”,Ed. y. S. Sanghui and P. Dan Cook; Mesmaeker et al., Bioorganic & Medicinal Chern.Lett. 4: 395 (1994); Jeffs et al., J. Biomolecular NMR 34:17 (1994))、および米国特許第5,235,033号と5,034,506号とChapters 6と7, ASC Symposium Series 580, ”Carbohydrate Modifications in Antisense Research”, Ed. Y. S. Sanghui and P. Dan Cookに記載された非リボースバックボーン、を含む。1つ以上の炭素環状糖も核酸の定義内に含まれる。(Jenkins et al., Chern. Soc. Rev. 169−176 (1995)、を参照)を含む。全ての参照文献は参照により明示的に組み込む。
測定、同定、検出またはそのコピー数を測定しようと求められている任意の核酸配列も標的核酸配列の役割を果たすことができる。本明細書で記載した方法では、1つ以上の標的核酸配列があるはずである。2つの標的核酸配列が存在する場合は、第1および第2の標的核酸配列とそれぞれ呼ぶ。3つの標的核酸配列が存在する場合は、第1、第2および第3の標的核酸配列とそれぞれ呼ぶ、等々。本明細書の方法に記載した標的核酸は、同じか、同様のまたは異なるコピー数を持つ。例えば、第1の標的核酸は、複数のコピー数の核酸配列であり、第2の標的核酸は単一コピー遺伝子である。例えば、第1の標的核酸はテロメアの反復配列、mtDNA、rDNAまたはAlu反復DNAである。例えば、第1の標的核酸は高いコピー数のmRNAから逆転写されたcDNAであり、第2の標的核酸低いコピー数のmRNAから逆転写されたcDNAである。
単一コピー遺伝子は、一倍体ゲノムにつき単一のコピーを持つ遺伝子である。単一コピー遺伝子は、したがって1つの細胞につき2つのコピー持つ。単一コピー遺伝子は、以下に限定されるものではないが、アルブミン遺伝子またはβグロビンを含む。
テロメアは、真核生物の線形染色体の一端に見いだされる特別の構造である。テロメアは、一般にその生物体に特有のテロメラーゼ酵素によって特定される反復配列単位からなる短いタンデム反復から構成される。テロメア反復配列は種々の生物体に認められる。脊椎動物、植物、ある種のカビ、ならびにいくつかの原虫について、配列は完全な反復である。例えば、ヒト反復配列単位は(TTAGGG)nである。(配列番号:1)その他の生物体では、反復配列は可変のG1−3T/C1−3Aであるパン酵母の配列のように不規則である。いくつかの真核生物では、テロメアは短いタンデム配列反復ではなく、テロメアとして機能する配列エレメントからなる。例え、ショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)では、テロメアは、レトロトランスポゾンエレメントのHeT−AとTARTとからの複合物であり、一方、蚊ハマダラカ(Anopheles gambiae)ではテロメアは、複合配列タンデム反復からなる配列である。本発明の目的のために、異なる構造のテロメアは、本発明の意図するところの範囲内にある。
反復配列にさらに加えていくつかのテロメアの3’末端は一本鎖領域を含み、これはヒトについては、Gリッチ鎖に位置する。一本鎖は、(TTAGGG)nから構成される。(配列番号:1)は反復し、多少の前後することもあるが、nは一般に約9−35である。本明細書で使用されるとき、3’一本鎖領域の長さは死亡リスクにも相関する。
典型的に、鎖合成に引き続いて分解する短いRNAプライマーを使用してDNA核酸複製機構は5’から3’の方向に作用し、またラギング鎖合成は不連続に起こる。直鎖DNAの3’末端の配列は、以前にRNAプライマーによって占有されていた領域を完全に合成するのに有用でないので、線形染色体の3’末端領域は反復しない。この「末端反復問題」は、テロメラーゼ、テロメア特異的リボ核タンパク質逆転写酵素の作用によって解決する。テロメラーゼ酵素は、テロメア3’末端を伸長するための鋳型として作用するのに不可欠なRNA成分を持つ。テロメラーゼ活性による伸長の反復によってテロメラーゼ結合RNA鋳型からコピーしたテロメア反復配列を産生する。テロメラーゼによる伸長に引き続いて、DNAポリメラーゼによるラギング鎖合成によって二重鎖テロメアの構造の形成を完了する。
正常ヒト体細胞では、テロメラーゼは発現しないか低レベルで発現する。従って、テロメアは、細胞が分裂寿命に達するまで各細胞分裂に付き50−200塩基対だけ短縮し、寿命に達した時点で細胞は増殖する能力を失う。細胞が複製する限られた能力は、一般にHayflick限界と呼ばれ、細胞に計数機序、即ち、細胞分裂を数え細胞発生を制御する有糸分裂の時計を提供する。対応して、テロメラーゼ活性が不足する細胞内でテロメラーゼを活性化すると、例えば、レトロウイルス性プロモータ組織からテロメラーゼを発現させるか、内生のポリメラーゼを活性化させることにより、細胞が増殖能力を維持し細胞の不死化に至る。
興味深いことに、これらの不死化細胞は短い安定なテロメアを有し、最も短いテロメアが伸長する。この現象は、テロメラーゼ酵素がある閾値の長さ以下になったこれらのテロメアを伸長して、短いテロメアがさらに短くなることを防ぐことを示唆する。従って、テロメアがある長さである時は、テロメラーゼ活性の存在は必ずしも必要でない。しかし、その長さが限界点以下に落ちるとテロメアの統合性を維持するのが危険になる。
テロメアの長さと統合性は、染色体の好適な分離と細胞増殖に重要であることが良く確立された。例えば、多くの型の癌の発生はテロメア維持の活性化に相関するが、一方細胞老化はテロメア統合性の損失に相関する。テロメラーゼ活性を抑制することで誘発したテロメアの短縮は、増殖性老化および細胞のアポトーシスを導く。(Zhang, X. et al., Genes Dev. 2388−99 (1999))。さらに、マウスのテロメラーゼRNAを遺伝的ノックアウトすると発達不良、加齢による病変、癌感受性の上昇が動物にみられる(Rudolph, K.L. et al., Cell 96: 701−12 (1999); Herrera, E. et al., EMBO J. 18: 2950−60 (1999))。同様に、テロメラーゼのRNA成分をコードする遺伝子の変異から起こる先天性角化異常症の常染色体優性遺伝疾患(DKC)において、罹っている患者は、テロメア短縮を加速させる様相を見せていて、通常骨髄機能不全に二次的な重症感染症から年齢中央値16歳(最大約50年)で死亡する。DKC患者の臨床的特徴は、さらに加齢促進を示唆するが、早発性白髪と脱毛;皮膚色素沈着異常;創傷治癒異常;重症感染症のリスク増大;および悪性腫瘍の発生率上昇、骨粗鬆症、肺線維症を含む。さらに加えて、正常な高齢者の個人からの血液DNAで測定した平均最短テロメア長は、DKC患者由来の血液で測定した平均最長テロメア長と重なる。
細胞増殖および細胞老化においてテロメアが果たした役割の見解から、テロメアの長さに基づいて加齢による疾病出現と死亡リスクを予想する方法が望まれている。MMQPCR法を含む本明細書で記載した方法によって、癌や高血圧などの加齢に伴う特定の病を発症するリスクが高まった個人を特定するための基礎が提供され、初期の処置を高リスクグループの個人に施すことができる。
本明細書に記載した方法では、細胞内の単一染色体のテロメアのコピー数を測定することができる。ある1つの態様において、テロメアの平均コピー数もしくは平均テロメアコピー数を、単一細胞について測定する。別の実施形態では、テロメアの平均コピー数もしくは平均テロメアコピー数を、細胞集団について測定する。テロメアコピー数の変化とは、テロメアコピー数が増加するまたは減少することであり、特に、平均テロメアコピー数の増加または減少のことを指す。この変化は、ある特定時刻に対しての相対的である、すなわち、しばらくした後の時刻t2におけるテロメア長と比較しての時刻t1における生物体のテロメアコピー数である。テロメアコピー数変化または差分はまた、特定の細胞集団または生命体集団の平均テロメアコピー数に対しても比較することができる。ある態様では、テロメアコピー数の変化または差分はさらに、疾病条件から影響を受けていない集団の平均テロメアコピー数に対して比較することができる。ある実施形態では、テロメアコピー数の変化を、異なる期間に存在する集団に対して測定する。
ある態様では、テロメアコピー数は全ての真核生物で測定できるが、テロメアコピー数は、以下に制限されることなく、両生類、トリ、および哺乳類、例えば、げっ歯類、有蹄動物、および霊長類、特にヒトを含む脊椎動物で測定できる。テロメアコピー数は、長寿が望ましい特性であるか、疾病に対する長寿と感受性が相関している場合に測定することができる。別の態様では、テロメアは、これらの生物体における改変したテロメア統合性に付随する死亡リスクまたは疾患感受性を評価するために、生物体のクローンに対して測定することができる。
上記したようなテロメアの核酸配列は、標的配列としての役目を果たすことができる。テロメアの核酸配列またはその他の標的核酸は、より長い配列が特徴的であるが、任意の長さであって良い。いくつかの実施形態では、核酸試料を断片化または切断して、100〜10,000塩基対の断片にすることが望ましい。ある態様では、約500ベース対の断片を使うことができる。断片化または切断は、機械的、化学的および酵素を使った方法を含む当業者に良く知られたいくつかの方法でできる。従って、核酸は、超音波処理、フレンチプレス、剪断、またはヌクレアーゼ(例えば、DNAase、制限酵素、RNaseなど)ならびに化学的切断薬剤(例えば、酸/ピペリジン、ヒドラジン/ピペリジン、鉄−EDTA複合体、1,10−フェナントロリン銅(phenanthrolinecopper)複合体、など)での処置の対象ある。
2.ポリメラーゼ
本明細書で記載した方法で、増幅酵素が必要である。例えば、プライマーを標的核酸に接触させることに引き続いて、この反応は増幅酵素で処置できる。増幅酵素は、一般にDNAポリメラーゼのようなポリメラーゼである。種々の適したポリメラーゼが当業者に良く知られており、以下に制限されるものではないが、TaqDNAポリメラーゼ、KlenTaq、Tflポリメラーゼ、DynaZymeなどを含む。一般に、全てのポリメラーゼが本発明に適用できる。ある態様では、ポリメラーゼは3’to 5’エキソヌクレアーゼ活性を欠損している耐熱性ポリメラーゼ、または酵素3’to 5’エキソヌクレアーゼ活性を減少させたか、非機能の3’to 5’エキソヌクレアーゼ(例えば、Pfu(エキソ)、Vent(エキソ)、Pyra(エキソ)、など)であるポリメラーゼである。なぜならば、強い3’to 5’エキソヌクレアーゼ活性のポリメラーゼを使用すると、いくつかの適用例ではプライマー二量体増幅を防ぐか遅延させるために、またその他の適用では、アリル特異的な増幅を実行するために必要であったミスマッチの3’末端ヌクレオチドを除去する傾向が見られるからである。さらに適用できるのは、ハイブリダイズしたプライマーを至適に伸長するのに使われたポリメラーゼ混合物である。別の態様では、本発明に有用なポリメラーゼ酵素を処方し増幅に適した温度でのみ活性化する。
増幅温度で不活性化し、または増幅温度に達するまで酵素を利用できない状態にレンダリングして酵素を隔離する抗体を抑制するポリメラーゼの存在は、は全て好適である。これらのポリメラーゼの処方によって、非標的核酸配列を刺激するのを防ぎながら、単一反応容器内の全ての成分を混合できる。
さらに加えて、当業者は、多様な薬剤を反応に加えるとポリメラーゼの処理能力を高め、不活性化からポリメラーゼを安定化させ、これらのプライマーの非特異的ハイブリダイズを減少させ、または複製効率を高めることの真価を認めるであろう。そのような添加物は、以下に限定されるものではないが、ジメチルスルホキシド、ホルムアミド、アセトアミド、グリセリン、ポリエチレングリコール、またはタンパク質性の大腸菌、一本鎖DNA結合タンパク質、T4遺伝子32タンパク質、ウシ血清アルブミン、ゼラチン、などのタンパク質性の薬剤を含む。別の態様では、当業者は、特定の型の配列、例えば、GCリッチまたは反復配列の増幅のために様々なヌクレオチド類似体を使うことができる。これらの類似体は、とりわけ、c7−dGTP、ヒドロキシメチルーdUTP、dITP、7−deaza−dGTP、などを含む。
3.プライマー
本明細書で使用されるとき、「プライマー」、「プライマー核酸」、「オリゴヌクレオチドプライマー」、「オリゴヌクレオチドプロー」または文法的に等価なものは、標的核酸の部分とハイブリダイズする核酸を意味する。本発明のプライマーまたはプローブは、本発明の標的配列とプライマーのハイブリダイズが起こるように標的配列に実質的に相補になるようデザインされている。
いくつかの態様では、プライマーは、1つを除き全ての配置の標的核酸のプライミング伸長をするのを阻止するようデザインされる。例えば、プライマーセットの1つのプライマーは、プライマーの3’末端の塩基をミスマッチさせることによって、プライマーが標的核酸のプライミング伸長をするのを阻止するようデザインされる。そのようなプライマーをデザインし利用すると、プライマーは相補的配列といまだハイブリダイズすることができる。しかしながら、それはDNA合成を刺激するという1つの確認であり、こうしてアンプリコンサイズの予測と、したがってアンプリコンの融解温度の予測ができる。
例えば、本明細書で開示されたのは、プライマーおよびプライマーセットであり、ここで第1のプライマーセットの1つのプライマーはプライマーの3’末端に近接した少なくとも1つのヌクレオチドを含み、上記ヌクレオチドは、標的核酸にミスマッチし相補的でないが、プライマーセットのもう一方のプライマー3’末端ヌクレオチドと相補的である。
さらに、本明細書で開示されたのは、プライマーとプライマーセットであり、ここで第1のプライマーセットの1つのプライマーはプライマーの3’末端に近接した少なくとも1つのヌクレオチドを含み、上記ヌクレオチドは、標的核酸にミスマッチし相補的でないが、プライマーセットのもう一方のプライマー3’末端ヌクレオチドと相補的であり、プライマーセットのミスマッチを含むプライマーの伸長産物は、プライマーセットのもう一方のプライマーとハイブリダイズし、もう一方のプライマーが上記伸長産物にそってDNA合成を刺激する。
抑制されたプライマーが単一特定の配置のみで刺激するのを保証するために、抑制されたプライマーを含むプライマーセットは、プライマーセットの複数のプライマーが、抑制されたプライマーに存在するミスマッチした塩基の領域と完全な相補性をもって重なるようにデザインされる。そのようなデザインは、
プライマー二量体形成を防ぐように、また2つのプライマーが互いに刺激しあうような能力を最小化するようになされる。そのようなデザインは、標的核酸配列が、テロメアで見られる反復(テロメア配列)などのマルチプレックス反復を含む配列である時に、利用できる。そのような方法は、下記の実施例を含む本明細書の別の場所に記載してある。
本明細書で記載したように、テロメア反復配列を直接増幅するプライマーは、標的核酸の第1の1本鎖とハイブリダイズする第1のプライマーと標的核酸の第2の1本鎖およびハイブリダイズする第2のプライマーから構成することができ、ここで第1および第2の鎖は実質的に相補的である。プライマーは、それぞれの鎖とハイブリダイズする時ポリメラーゼによってプライマー伸長することができる。即ち、標的核酸とハイブリダイズするプライマーは、プライマーがポリメラーゼによって伸長できるように標的核酸上のヌクレオチド残基と相補的であるそれぞれの3’末端ヌクレオチド残基を持つ。選択されたプライマーは、反復領域の反復単位群に相補的である。例えば、複数のプライマーの内少なくとも1つのプライマーの少なくとも1つのヌクレオチド残基が変化させられ、プライマーがハイブリダイズする少なくとも1つの反復性単位からなるヌクレオチド残基とのミスマッチを起こす、ここで、プライマーが互いにハイブリダイズする時変化したヌクレオチド残基もまたもう一方のプライマーの3’末端ヌクレオチド残基とミスマッチを起こす。ミスマッチが含まれるとプライマー伸長とプライマー−プライマーハイブリッドを防ぎ、制限する。
テロメア反復配列の直接増幅のためのプライマーセットは、第1のプライマーの少なくとも1つのヌクレオチド残基が、変化して変化した残基とプライマーがハイブリダイズする第1鎖の少なくとも1つの反復性単位を持つヌクレオチド残基との間にミスマッチを生じるプライマーセットから構成できる。ここでプライマーが互いにハイブリダイズする時変化したヌクレオチド残基もまたもう一方のプライマーの3’末端ヌクレオチド残基とミスマッチを起こす。変化したヌクレオチド残基は、プライマーが標的核酸とハイブリダイズする時、ポリメラーゼによって効率的な伸長ができる3’末端ヌクレオチドからの1つ以上のヌクレオチド残基である。例えば、変化したヌクレオチド残基は、3’末端ヌクレオチドからの少なくとも1つのヌクレオチド残基、少なくとも2つのヌクレオチド残基、または少なくとも3つのヌクレオチド残基が変化したプライマーが標的核酸とハイブリダイズする時に、ポリメラーゼによって効率的な伸長ができる。
本明細書の別のところで考察したように、プライマーセットのプライマーは、同様のTmsをもつようにデザインされて望ましくない増幅産物が生成されるのを制限し、単一の反応量でいくつかの標的核酸を増幅し検出できる。さらに加えて、様々な生物体のテロメアは異なる反復単位配列を持つので、特定の生物体のテロメアを増幅する時は、各異なる生物体の反復性単位に特異的なプライマーを用いる。ヒトテロメアの配列は、タンデムに反復する核酸配列の直接増幅と定量化のための本発明の実施を説明するために本明細書では使われていているが、この発明は開示された特定の実施形態に制限されるものではない。
さらに開示されたのは、結果として生じるアンプリコンの融解温度(Tm)を、本明細書で記載した方法の他のアンプリコンの融解温度より高くさせるプライマーである。これらのプライマーは、「GC−クランプ」から構成されるプライマーと呼べる。「GC−クランプ」は、GとC塩基間の強い結合により3’末端での特異的結合を促進するのを手助けするプライマーの3’末端からの最後5塩基内のGまたはC塩基の存在を典型的に指す。典型的に、プライマーの3’末端での最後5塩基では、3つより多いG’sまたはC’sは回避すべきである。しかしながら、本明細書で記載した方法では、「GC−クランプ」からなるプライマーとは、GC−クランプなしの場合の融解温度以上に結果として生じるPCR産物(アンプリコン)に高い融解温度を与える5’tag配列(GC−クランプ)からなるプライマーである。「GC−クランプ」から構成されるプライマーの5’tag配列は、標的核酸配列のどの部分とも相補的でないプライマー配列の5’末端にGC−クランプを含む。「GC−クランプ」とは、アンプリコンの融解温度を上昇させるためにプライマーの5’末端と連結できるGおよびCのヌクレオチド系列である。GC−クランプは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30のまたはより長いヌクレオチドである。GC−クランプは、GCリッチ領域またはGCリッチタグと呼ぶこともできる。
GC−クランプは、本明細書で記載した方法で使ってアンプリコンの1つの融解温度を上昇させることができる。アンプリコンの融解温度を上昇させることによって、他のアンプリコンを完全に融解するのに十分な温度で蛍光性シグナルを獲得でき、従って、2つ以上の異なる温度で2つ以上の異なるアンプリコンに対する蛍光性シグナルを獲得できる。GC−クランプのプライマーは、同じ増幅反応で使われるためにデザインされ、増幅反応を休止させてしまうヘアピン形成またはプライマー二量体を防止するように異なるプライマー上のGC−クランプは互いに異なっている。
標的核酸とハイブリダイズするプライマーは、プライマー伸長をすることができなければならず、第1および第2のプライマーの変更は、反復性単位の非相補的ヌクレオチド上でなければならない。従って、1つの態様では第1および第2のプライマーの両方が交互に変わる残基から構成される場合、変化は反復単位に隣接するヌクレオチドの位置にある。別の態様では、変化は反復単位に隣接しないヌクレオチドの位置にある。一般に、隣接するヌクレオチドの位置でのミスマッチは、変化したヌクレオチドと3’末端ヌクレオチドとの間に、塩基対か相補的残基を最も多くもたらす。このことは、短い反復配列(即ち、3−6塩基対)を効率的に増幅するのに重要かもしれない。
プライマーの標的核酸に対する相補性は完全である必要はない。従って、本明細書での「相補的」または「実質的に相補的」は、プローブが正常な反応条件の下でハイブリダイズする標的配列に対して十分に相補的であることを意味する。完全に相補からの偏差は、偏差が完全にハイブリダイズを防止するのに十分でない限り、許容できる。しかしながら、変化または変異の数が、下記に定義してあるような最も緩やかなハイブリダイズ条件の下でもハイブリダイズが起こることができないほど十分であれば、配列は相補的標的配列ではない。
プライマーは一般に一本鎖であるが、明記してあるように、本明細書で記載する核酸は、一本鎖または二重鎖であり、または二重鎖または一本鎖配列のどちらかの部分を含む。核酸は、DNA、RNA、または、2つのハイブリッドであり、核酸は、デオキシリボとリボヌクレオチドを含む任意の組み合わせ、および、ウラシル、アデニン、チミン、シトシン、グアニン、キサンチンヒポキサンチン、イソシトシン、イソグアニン、イノシン、などを含む塩基の任意の組み合わせを含む。本明細書で使用されるとき、用語「ヌクレオシド」は、ヌクレオチド、同様にヌクレオシドおよびヌクレオチド類似体、およびアミノ修飾ヌクレオシドなどの修飾したヌクレオシドを含む。さらに加えて、「ヌクレオシド」は非天然発生の類似構造体を含む。従って、例えば、ペプチド核酸の個々ユニット(各ユニットは塩基を含む)は本明細書ではヌクレオチドと呼ぶ。
プライマー核酸の大きさは異なり当業者で認識されているように、一般に長さが5から500のヌクレオチドである。例えば、10か100のヌクレオチドのプライマー、12か75のヌクレオチドのプライマー、15から50のヌクレオチドのプライマーが、その用途、必要となる詳細、増幅技術によって使用できる。
どのプライマー対についても、プライマーが互いにハイブリダイズする能力は、第1のプライマー配列を第2のプライマーへ整列させることによって検査する。ハイブリッドの安定性、特に熱性融解温度(Tm)は、下記の方法と当業者に良く知られた方法によって測定できる。これは、以下に制限されるものではないが、最近接熱力学的計算(Breslauer, T. et al., Proc. Natl.Acad. Sci. USA 83:8893−97 (1986); Wetmur, 1. G., Crit. Rev. Biochem. Mol. BioI.25 26:227−59 (1991); Rychlik, W. et al., 1. NIH Res. 6:78 (1994))、ウレス規則推定(Suggs, S. V. et al ”Use of Synthetic oligodeoxribonucleotides for the isolation of specificcloned DNA sequences,” Developmental biology using purified genes, D. B. Brown, ed.,pp 683−693, Academic Press, New York (1981)、およびボルトンとマッカーシに基づく融解温度推定(Baldino, F. 1. et al., Methods Enzymol. 168: 761−77 (1989); Sambrook, 1. et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Chapter 10, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y., (2001)を参照)を含む。全ての参照文献は参照により本明細書に組み込まれる。様々なパラメータの効果は、以下を含むがそれに制限されなく、ハイブリッド安定性を評価する時にはイオン強度、プローブ長、G/C含有量、およびミスマッチを考慮する。これらの因子を考慮することは、当業者に良く知られている。(例えば、上記のSambrook,J.,を参照)。
本明細書で記載した方法で使うことのできるプライマーは、様々な標的核酸を増幅するために使うことができる。単一プライマーセット、例えばプライマー対は単一標的核酸を増幅するために使っても良い。別の実施形態では、複数のプライマーセットを複数の標的核酸を増幅するために使って良い。増幅は、マルチプレックスを使う当業者では一般に知られたプライマーセットの組み合わせを使って、各唯一のプライマーセットについてまたは単一の反応容器のなかで別々に行って良い。複数のプライマーセットが単一の反応で使われる時、プライマーは、望ましくない産物の形成を制限し、また各プライマーセットのプライマー同士が干渉するのを制限するように、デザインされる。
一般のPCR増幅反応は、先に述べたように上記した当業者に良く知られた手順に従って遂行することができる。(例えば、米国特許第4,683,195号および同第4,683,202号を参照)。プライマー伸長段階の時間と温度は、ポリメラーゼ、増幅される標的核酸の長さ、および増幅に採用されたプライマー配列、に依存する。標的核酸を十分に増幅するのに必要となる反復数は、各サイクルの増幅効率と標的核酸の開始コピー数に依存する。当業者に知られているように、これらのパラメータは当業者によって調整して所望のレベルの増幅をもたらす。当業者は、本発明が増幅プロセス適用した時間、温度、緩衝液条件、増幅サイクルの変動に制限されるものでないことを理解している。
開示された増幅反応においてプライマーを標的核酸にハイブリダイズさせる場合、アッセイを標的核酸の存在下でハイブリッドを形成させるという厳密な条件の下で一般に行う。当業者は、ハイブリダイズを厳密にコントロールし、さらに非特異的標的とのハイブリダイズを最小化する温度、塩濃度、水素イオン指数、有機溶剤、カオトロピック薬剤、またはその他の変数のパラメータを変更できる(即ち、「ホットスタート」PCRまたは「タッチダウン」PCRの使用によって)。
4.検出標識
開示された構成と方法を使って標的核酸のコピー数を測定することを助けるために、検出標識は、増幅される核酸に直接的に取り込むか、検出分子に結合することができる。本明細書で使用されるとき、検出標識は、直接的にまたは間接的に、増幅される核酸に付随することのできる任意の分子であり、また直接的にまたは間接的に、測定可能で検出可能なシグナルを生み出す。本明細書で記載した方法で単一の検出標識を使うことができる。「シグナル検出標識」とは、単一の型の検出標識を意味する。例えば、単一の検出標識は、本明細書で記載したような任意の検出標識でも良い、しかしながら、唯一1つの型の検出標識が、各同種のシステムで使うことができる。例えば、単一の検出標識は、SYBRグリーンI(Invitrogen)、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、5,6−カルボキシメチルフルオレセン、またはテキサスレッドの何れかであるが、全ての組み合わせではない。従って、SYBRグリーンI(Invitrogen)、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、5,6−カルボキシメチルフルオレセン、またはテキサスレッドはそれぞれの単一検出標識であり、例えば、SYBRグリーンI(Invitrogen)は、単一検出標識であり、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)は単一検出標識であり、5,6−カルボキシメチルフルオレセンは単一検出標識であり、またテキサスレッドは単一検出標識である。
別の例では、SYBRグリーンが、異なる標的のコピー数を測定するのに使われる「単一検出標識」である下記の例題中に提供されている。さらに加えて、単一検出標識は、単一単色検出標識とも呼ばれる。「単一単色検出標識」は、唯一単色の単一検出標識である。例えば、単一、単色検出標識は、検出できる単一色を放射する検出標識である。
多くのそのような核酸に取り込まれた標識、または核酸プローブと結合した標識は当業者に知られている。開示された方法で使用するのに適した検出標識の例は、放射性同位元素、リン光の分子、酵素、抗体、およびリガンド、同様に蛍光色素と蛍光ラベルを含む蛍光性分子である。蛍光ラベルは、実時間の増幅検出に有用である。
例えば、本明細書で記載した方法は、PCR反応中で優先的に二重鎖核酸増幅産物に結合する蛍光色素を使うことができ、それによって産物合成を連続的にモニタリングをすることができる(Higuchi, R. et al., Biotechnology 11: 1026−1030 (1993);Morrison, T. B. et al., Biotechniques 24: 954−962 (1998)を参照)。
好適な蛍光ラベルの例は、以下に制限されるものではないが、SYBRグリーンI(Invitrogen)、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、5,6−カルボキシメチルフルオレセン、テキサスレッド、ニトロベンズ−2−オキサ−l,3−ジアゾール−4−イル(NBD)、クマリン、ダンシル塩化物、ローダミン、アミノメチルクマリン(AMCA)、エオシン、エリスロシン、BODIPY(登録商標)、カスケードブルー(登録商標)、Oregonグリーン(登録商標)、ピレン、リサミン、キサンテン類、アクリジン類、オキサジン類、フィコエリトリン、量子色素TMなどのランタニドイオンのマクロ環状キレート類、チアゾールオレンジ−エチジウムヘテロ二量体などの蛍光性エネルギー移動色素類、およびシアニン色素類Cy3、Cy3.5、Cy5、Cy5.5およびCy7を含む。その他の具体的な蛍光ラベルの例は以下を含む:3−ヒドロキシピレン5,8,10−トリスルホン酸、5−ヒドロキシトリプタミン(5−HT)、フクシン酸、アリザリンコンプレキソン、アリザリンレッド、アロフィコシアニン、アミノクマリン、Anthroylステアリン酸、アストラゾンブリリアントレッド4G、アストラゾンオレンジR、アストラゾンレッド6B、アストラゾンイエロー7GLL、アタブリン、オーラミン、オーロフォスフィン(Aurophosphine)、オーロフォスフィンG、BAO9(Bisaminophenyloxadiazole)、BCECF、ベルベリン硫酸塩、Bisbenzamide、Blancophor FFG溶液、Blancophor SV、 BodipyF1、 Brilliant Sulphoflavin FF、Calcienブルー、カルシウムグリーン、カルコフロールRW溶液、カルコフロールホワイト、CalcophorホワイトABT溶液、Calcophorホワイト標準溶液、Carbostyryl、カスケードイエロー、カテコラミン、Chinacrine、CoriphosphineO、クマリン−ファロイジン、CY3.18、CY5.18、CY7、Dans(I−ジメチルアミノNaphaline5スルホン酸)、Dansa(ジアミノNaphtylスルホン酸)、ダンシルNH−CH3、ジアミノフェニルオキシジアゾール(DAO)、ジメチルアミノ−5−スルホン酸、Dipyrrometheneboron Difluoride、ジフェニル Brilliant Flavine 7GFF、 ドーパミン、エリスロシITC、Euchrysin、FIF(ホルムアルデヒド誘発する蛍光)、Flazoオレンジ、Fluo3、フルオレサミン、Fura−2、Genacryl BrilliantレッドB、Genacryl Brilliantイエロー 10GF、Genacrylピンク3G、Genacrylイエロー5GF、Gloxalic酸、顆粒状ブルー、Haematoporphyrin、Indo−I、Intrawhite Cf液体、 LeucophorPAF、Leucophor SF、Leucophor WS、LissamineローダミンB200(RD200)、LuciferイエローCH、LuciferイエローVS、Magdalaレッド、Marinaブルー、Maxilon Brilliantフラビン10 GFF、 Maxilon Brilliantフラビン8GFF、MPS(メチルグリーンPyronineスチルベン)、ミトラマイシン、NBDアミン、Nitrobenzoxadidole、ノルアドレナリン、Nuclear Fastレッド、Nuclearイエロー、Nylosan BrilliantフラビンE8G、オキサジアゾール、パシフィックブルー、Pararosaniline(Feulgen)、PhorwiteAR溶液、Phorwite BKL、Phorwite Rev、 Phorwite RPA、ホスフィン3R、フタロシアニン、フィコエリトリンR、Polyazaindacene Pontochromeブルーブラック、ポルフィリン、Primuline、Procionイエロー、Pyronine、Pyronine B、Pyrozal Brilliantフラビン7GF、キナクリンマスタード、ローダミン123、ローダミン5GLD、ローダミン6G、ローダミンB、ローダミB200、ローダミンB Extra、ローダミンBB、ローダミンBG、ローダミンWT、セロトニン、Sevron Brilliantレッド2B、Sevron Brilliantレッド4G、Sevron BrilliantレッドB、Sevronオレンジ、SevronイエローL、SITS(Primuline)、SITS(スチルベン Isothiosulphonic酸)、スチルベン、Snarf 1、sulpho ローダミンB Can C、SulphoローダミンG Extra、テトラサイクリン、チアジンレッドR、Thioflavin S、Thioflavin TCN、Thioflavin 5、Thiolyte、Thiozolオレンジ、Tinopol CBS、トルーブルー、Ultralite、 Uranine B、Uvitex SFC、キシレンオレンジ、およびXRITC。蛍光ラベルは、Invitrogen, Carlsbad, CA; Amersham Pharmacia Biotech,Piscataway, NJ; Molecular Probes, Eugene, OR; and Research Organics, Cleveland, Ohio.などを含む種々の市販の源から得ることができる。
5.機器
開示した方法と構成の使用に適した機器は、以下に制限されるものではないが、ABI Prism 7700, Applied Biosystems Division,Perkin Elmer, Fosters City, Calif., USA; LightCycler(商標),Roche Molecular Biochemicals, Indianapolis, Ind., USA.を含む。
様々なアルゴリズムを、本明細書で記載した試料中の標的核酸のコピー数を計測するのに使うことができる(ABI Prism 7700 ソフトウェア バージョン1.7;Lightcycler(商標) ソフトウェア バージョン3を参照、(参照により組み入れる))。コピー数を測定するにはコピー数が知られた標的核酸の標準試料の使用と標準値とサイクルの対数の閾値(Ct)とからの検量線の生成が関わる。一般に、CtはPCRサイクルまたは分画PCRサイクルであり、増幅産物によって産生した蛍光は蛍光ベースラインの偏差値数倍上である(上記のHiguchi,R. et al.,)。MMQPCRは大きさが約7〜8のオーダーでの線形性を提供する、これによって広い動的範囲での標的核酸コピー数を測定することができる。標的核酸コピーの絶対数検量線のCt値と試料のそれとの比較から導ける。
標的核酸コピー数は、比較MMQPCRによっても測定できるコピー数が既知または一定の核酸の使用によって試料中の標的核酸のコピー数を定量できる。標準は、コピー数が既知である核酸の単一コピー遺伝子であっても良く、または、DNAコピー数を定量化する時は、恒常的に発現するハウスキーピング遺伝子でも良い(Johnson, M.R.Anal.Biochem. 278: 175−184 (2000); Boulay, J.−L., et al., Biotechniques 27: 228−232 (1999)を参照)。
方法
本明細書で開示した方法は、第1の標的核酸および第2の標的核酸のコピー数を測定する方法であって、a)第1の標的核酸を第1のプライマーセットと接触させること、第2の標的核酸を第2のプライマーセットと接触させること、単一の検出標識を加えて均一なシステムの反応混合物を形成させること、b)ポリメラーゼ連鎖反応により第1の標的核酸を第1のプライマーセットで増幅して第1の融解温度(Tm)を持つ第1のアンプリコンを形成し、またポリメラーゼ連鎖反応により第2の標的核酸を第2のプライマーセットで増幅して第2の融解温度(Tm)を持つ第2のアンプリコンを形成すること、ここで第2のTmは第1のTmより高い、c)ポリメラーゼ連鎖反応の間、第1の獲得温度で検出標識の量を測定すること、ここで上記第1のシグナル獲得温度は上記第1のTmより低い;d)反応混合物の温度を上昇させて第2のシグナル獲得温度にして、検出標識の量を測定すること、上記第2のシグナル獲得温度は上記第1のTmより高く、上記第2のTmより低い;e)(b)から(d)の段階を少なくとも1回繰り返すこと;およびf)上記第1の標的核酸および上記第2の標的核酸の相対的コピー数を測定することを含む。
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR法)は、標的核酸配列の1つ以上の(即ちコピー数を増やす)コピーを増幅する技術である。増幅は、かなりのオーダーの大きさにまたがり、特定のDNA配列のコピー十億を産生する。ポリメラーゼ連鎖反応は温熱性サイクルに依存し、DNAの融解と核酸の酵素による複製を達成する加温と冷却の反復のサイクルから成り立つ。PCR法が進行するに従って、産生したDNAはそれ自体が複製のための鋳型として使われ、鋳型DNAが指数関数的に増幅する連鎖反応の挙動を設定する。
PCR法は、通常サイクルと呼ばれる一連の温度変化反復サイクルから成り立ち、各サイクルは典型的に2ないし3の別々の温度段階から成り立っている。PCR法は、各サイクルが異なる温度でなされる、3から4の段階からなるサイクルでもって遂行できる。サイクリルは、二重鎖の標的核酸配列十分に融解(即ち、一本鎖にする)するために、ホールドと呼ばれる単一の高温(>90℃)段階がしばしば先行し、続いて、1セットの温度変化の反復を行い、この間に標的核酸の増幅が起こる。最終産物の伸長または短期の貯蔵のために最後に最終のホールドが続く。各サイクルで適用した採用温度と時間の長さは、サイクル様々なパラメータに依存する。これらは、DNA合成のために使った酵素(例えば、DNAポリメラーゼ)、反応中の二価イオンとdNTPの濃度、プライマーの融解温度、および増幅産物の融解温度を含む。
PCR法は、少なくとも変性段階、アニーリング段階、および伸長段階を含む。伸長段階は、拡張段階とも呼ばれる。PCR法で、変性、アニーリング、および伸長段階がこの順番で少なくとも一回起こる(別名単一「サイクル」)、しかし典型的に40サイクルまで反復する。使用したDNAポリメラーゼが熱活性を必要とする時、初期化段階と呼ばれる付加的段階は、PCR法のサイクルステージに先行する。各段階は、それぞれに付随するそれぞれの温度がある。各段階に付随する温度を、初期化温度、変性温度、アニーリング温度、ならびに拡張または伸長温度とそれぞれ呼ぶ。
初期化段階は、反応を初期化温度90、91、92、93、94、95、96、97、および98℃に加温することからなり、それぞれは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14および15分間保持する。初期化段階は、典型的にPCR法で使うDNAポリメラーゼが熱活性を必要とする時のみ必要とする。例えば、耐熱性ポリメラーゼが使われると、初期化温度を98℃にする初期化段階が利用できる。
変性段階は、典型的にPCR法の反復サイクルの第一段階であって、反応を変性温度、90、91、92、93、94、95、96、97、および98℃を15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、および35秒間加熱することから成り立つ。変性段階は、相補的塩基間の水素結合を破壊することによって鋳型DNAを融解し、一本鎖DNAを産生する。
アニーリング段階は、典型的にPCR法の反復サイクルの第一段階であって温度をアニーリング温度の45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、および70℃に、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、および45秒間下げて、プライマーセットのプライマーをアニーリングして標的核酸とハイブリダイズさせる。アニーリング温度は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、および10℃で、使用したプライマーの温度(Tm)より下である。安定したDNA−DNA水素結合は、プライマー配列非常に密接に鋳型配列とマッチングした時に形成される。ポリメラーゼはプライマー−鋳型ハイブリッドと結合し、DNA合成を開始する。
拡張/伸長段階は、核酸ポリメラーゼが、5’→3’方向に標的核酸と相補的なdNTPsを加えることによって標的核酸鎖と相補的な新しい核酸鎖を合成する段階で、この時、dNTPsの5’−リン酸基は新生の(伸長しつつある)標的核酸鎖の末端の3’−ヒドロキシル基と縮合する。拡張時間は使用する核酸ポリメラーゼと増幅される標的核酸の長さの両方に依存する。経験則として、最適温度では核酸ポリメラーゼは、毎分1000塩基を重合する。最適条件の下、すなわち、基質または試薬に制限がない場合は、各伸長段階で、標的核酸の量は2倍になり、特定の標的核酸を指数関数的(幾何的)に増幅する。この段階での伸長温度は、使用する核酸ポリメラーゼに依存する。例えば、Taqポリメラーゼは、75℃〜80℃の温度で最適の活性を持ち、一般に温度72℃がこの酵素と一緒に使われる。
PCR法は、最後の伸長段階をも含む。最終の伸長は、全ての一本鎖DNAが十分に複製され二本鎖DNA産物になるのを保証するために、最後のPCR法サイクルの後に最終伸長温度68、69、70、71、72、73、74および75℃を1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15分間遂行する。
PCR法は、検出標識量を測定するシグナル獲得段階をも含むことができる。シグナル獲得段階は、標的配列の増幅中に遂行される。いくつかの態様では、シグナル獲得段階は、変性段階、アニーリング段階、および伸長段階に続く。シグナル獲得段階は、シグナル獲得温度で遂行される。シグナル獲得温度は任意の温度であって良く、PCR法内で、数回その温度を実施する。2つ以上の標的核酸のコピー数を、本明細書で記載してあるように測定する時、シグナル獲得温度は、各複製配列の検出標識によって異なるようにすべきである。
例えば、2つ以上のシグナル獲得温度は、第1のシグナル獲得温度が、第1のアンプリコンのTmより低く、第2のシグナル獲得温度は上記の第1のTmより高く、第2のアンプリコンのTmより低くなるように選択すべきである。2つ以上のシグナル獲得温度間の差は、3、4、5、6、7、8、9、および10℃である。シグナル獲得段階は、獲得温度で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、および15秒間遂行される。
PCR法は、最後のホールド段階をも含む。この最終ホールド段階は、最後のホールド温度であり:この段階では、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、および15℃で不定時間である。最終段階は、反応の短期貯蔵のために採用できる。
ポリメラーゼ連鎖反応は、連続したサイクルのステージをも持つ。各連続したサイクルのステージは、1つ以上の上記のPCR法の段階を含む。各連続したサイクルのステージは、PCR法の「サイクル」と呼べる。各連続したサイクルのステージは、PCR法の各サイクルで同じか異なる温度で遂行する。PCR法の1回以上のサイクルでアニーリング温度が変化するようにPCR法が遂行されうる。例えば、PCR法は全部で40サイクル遂行するが、ここでアニーリング温度は、第1のステージのサイクルについて同じである、次いでアニーリング温度は第2のステージのサイクルについて上げ、アニーリング温度は、第3のステージのサイクルについて下げる。
「均一システム」とは、標的核酸の増幅と検出が同じ反応で起こることである。均一システムは、標的配列の増幅中に検出可能なシグナルを生成するシステムである。「増幅中」とは、PCR法のあるサイクルの後で、しかしPCR法の次のサイクルの前のことである。「増幅中」とは、PCR法の間で最終段階の前のことである。
相対的コピー数は、本明細書で別の場所で記載した方法で遂行される。例えば、本明細書で記載した方法は、参照DNAと比較して1セットの反応ウェルの実験のDNA核酸試料中のテロメア(T)反復配列の量とまた異なるウェルの単一コピー遺伝子(S)の量を測定することに使うことができ、平均テロメア長に比例する相対的T/S比を得る。ある態様では、Sシグナルがベースラインより上になる前にTシグナルが初期のサイクルで収集され、またテロメア産物を完全に融解する温度でSシグナルが収集され、そのシグナルをベースラインに送る。T/S比の相関は、コピー数を測定するためにサザンブロットにより測定した末端制限断片(TRF)長にも相関する。
さらに本明細書で開示された方法は、第1の標的核酸と第2の標的核酸のコピー数を測定する方法であって、第1の標的核酸のコピー数は第2の標的核酸のコピー数より大きく、a)第1の標的核酸を第1のプライマーセットと接触させること、第2の標的核酸を第2のプライマーセットと接触させること、単一の検出標識を加えて均一なシステムの反応混合物を形成させること、b)ポリメラーゼ連鎖反応により第1の標的核酸を第1のプライマーセットでもって増幅して第1の融解温度(Tm)を持つ第1のアンプリコンを形成し、またポリメラーゼ連鎖反応により第2の標的核酸を第2のプライマーセットでもって増幅して第2の融解温度(Tm)を持つ第2のアンプリコンを形成すること、ここで上記第2のTmは上記第1のTmより高い、c)ポリメラーゼ連鎖反応の間、第1の獲得温度で検出標識の量を測定すること、ここで上記第1のシグナル獲得温度は上記第1のTmより低い、d)反応混合物の温度を上昇させて第2のシグナル獲得温度にして、検出標識の量を測定すること、ここで上記第2のシグナル獲得温度は上記第1のTmより高く、上記第2のTmより低い、e)(b)から(d)までの段階を少なくとも1回反復すること、f)上記第1の標的核酸と上記第2の標的核酸の相対的コピー数を測定すること、を含む。
さらに本明細書で開示された方法は、第1の標的核酸と第2の標的核酸のコピー数を測定する方法であって、a)第1の標的核酸を第1のプライマーセットと接触させること、第2の標的核酸を第2のプライマーセットと接触させること、単一の検出標識を加えて均一なシステムの反応混合物を形成させること、b)ポリメラーゼ連鎖反応により第1の標的核酸を第1のプライマーセットでもって増幅して第1の融解温度(Tm)を持つ第1のアンプリコンを形成し、またポリメラーゼ連鎖反応により第2の標的核酸を第2のプライマーセットでもって増幅して第2の融解温度(Tm)を持つ第2のアンプリコンを形成すること、ここで上記第2のTmは上記第1のTmより高い、c)ポリメラーゼ連鎖反応の間、第1の獲得温度で検出標識の量を測定すること、ここで上記第1のシグナル獲得温度は上記第1のTmより低い、d)反応混合物の温度を上昇させて第2のシグナル獲得温度にして、検出標識の量を測定すること、ここで上記第2のシグナル獲得温度は上記第1のTmより高く、上記第2のTmより低い、e)上記第2のシグナル獲得温度で検出標識を測定されるまで(b)から(d)までの段階を反復すること、f)上記第1の標的核酸と上記第2の標的核酸の相対的コピー数を測定すること、を含む。
さらに本明細書で開示された方法は、第1の標的核酸と第2の標的核酸のコピー数を測定する方法であって、a)第1の標的核酸を第1のプライマーセットと接触させること、第2の標的核酸を第2のプライマーセットと接触させること、単一の検出標識を加えて均一なシステムの反応混合物を形成させること、b)ポリメラーゼ連鎖反応により第1の標的核酸を第1のプライマーセットでもって増幅して第1の融解温度(Tm)を持つ第1のアンプリコンを形成し、またポリメラーゼ連鎖反応により第2の標的核酸を第2のプライマーセットでもって増幅して第2の融解温度(Tm)を持つ第2のアンプリコンを形成すること、ここで第2のTmは第1のTmより高い、c)ポリメラーゼ連鎖反応の間、第1の獲得温度で検出標識の量を測定すること、ここで上記第1のシグナル獲得温度は上記第1のTmより低い、d)反応混合物の温度を上昇させて第2のシグナル獲得温度にして、検出標識の量を測定すること、ここで上記第2のシグナル獲得温度は上記第1のTmより高く、上記第2のTmより低い、またここで検出標識の量は、上記増幅段階のそれぞれで、上記第1および上記第2のシグナル検出温度で検出される、e)b)から(d)までの段階を少なくとも1回反復すること、f)上記第1の標的核酸および上記第2の標的核酸の相対的コピー数を測定すること、を含む。
さらに本明細書で開示された方法は、第1の標的核酸と第2の標的核酸のコピー数を測定する方法であって、a)第1の標的核酸を第1のプライマーセットと接触させること、第2の標的核酸を第2のプライマーセットと接触させること、単一の検出標識を加えて均一なシステムの反応混合物を形成させること、b)ポリメラーゼ連鎖反応により第1の標的核酸を第1のプライマーセットでもって増幅して第1の融解温度(Tm)を持つ第1のアンプリコンを形成し、またポリメラーゼ連鎖反応により第2の標的核酸を第2のプライマーセットでもって増幅して第2の融解温度(Tm)を持つ第2のアンプリコンを形成すること、ここで第2のTmは第1のTmより高い、c)ポリメラーゼ連鎖反応の間、第1の獲得温度で検出標識の量を測定すること、ここで上記第1のシグナル獲得温度は上記第1のTmより低い、d)反応混合物の温度を上昇させて第2のシグナル獲得温度にして、検出標識の量を測定すること、ここで上記第2のシグナル獲得温度は上記第1のTmより高く、上記第2のTmより低い、またここで、上記第1のTmおよび上記第2のTmの温度差は少なくとも4℃である、e)(b)から(d)までの段階を少なくとも1回反復すること、f)上記第1の標的核酸および上記第2の標的核酸の相対的コピー数を測定すること、を含む。
さらに本明細書で開示された方法は、第1の標的核酸と第2の標的核酸のコピー数を測定する方法であって、a)第1の標的核酸を第1のプライマーセットと接触させること、第2の標的核酸を第2のプライマーセットと接触させること、単一の検出標識を加えて均一なシステムの反応混合物を形成させること、ここで第2のプライマーセットのプライマーの内少なくとも1つが、プライマの5’末端にGCクランプを含む、b)ポリメラーゼ連鎖反応により第1の標的核酸を第1のプライマーセットでもって増幅して第1の融解温度(Tm)を持つ第1のアンプリコンを形成し、またポリメラーゼ連鎖反応により第2の標的核酸を第2のプライマーセットでもって増幅して第2の融解温度(Tm)を持つ第2のアンプリコンを形成すること、ここで上記第2のTmは上記第1のTmより高い、c)ポリメラーゼ連鎖反応の間、第1の獲得温度で検出標識の量を測定すること、ここで上記第1のシグナル獲得温度は上記第1のTmより低い、d)反応混合物の温度を上昇させて第2のシグナル獲得温度にして、検出標識の量を測定すること、ここで上記第2のシグナル獲得温度は上記第1のTmより高く、上記第2のTmより低い、e)上記第2のシグナル獲得温度で検出標識を測定する(b)から(d)までの段階を少なくとも1回反復すること、f)上記第1の標的核酸および上記第2の標的核酸の相対的コピー数を測定すること、を含む。
さらに本明細書で開示された方法は、第1の標的核酸と第2の標的核酸のコピー数を測定する方法であって、a)第1の標的核酸を第1のプライマーセットと接触させること、第2の標的核酸を第2のプライマーセットと接触させること、単一の検出標識を加えて均一なシステムの反応混合物を形成させること、ここで第1のプライマーセットのプライマーの内少なくとも1つが、AとTのヌクレオチドを含む5’配列を含む、b)ポリメラーゼ連鎖反応により第1の標的核酸を第1のプライマーセットでもって増幅して第1の融解温度(Tm)を持つ第1のアンプリコンを形成し、またポリメラーゼ連鎖反応により第2の標的核酸を第2のプライマーセットでもって増幅して第2の融解温度(Tm)を持つ第2のアンプリコンを形成すること、ここで上記第2のTmは上記第1のTmより高い、c)ポリメラーゼ連鎖反応の間、第1の獲得温度で検出標識の量を測定すること、ここで上記第1のシグナル獲得温度は上記第1のTmより低い、d)反応混合物の温度を上昇させて第2のシグナル獲得温度にして、検出標識の量を測定すること、ここで上記第2のシグナル獲得温度は上記第1のTmより高く、上記第2のTmより低い、e)(b)から(d)までの段階を少なくとも1回反復すること、f)上記第1の標的核酸および上記第2の標的核酸の相対的コピー数を測定すること、を含む。
さらに本明細書で開示された方法は、第1の標的核酸と第2の標的核酸のコピー数を測定する方法であって、a)第1の標的核酸を第1のプライマーセットと接触させること、第2の標的核酸を第2のプライマーセットと接触させること、単一の検出標識を加えて均一なシステムの反応混合物を形成させること、ここで第1のプライマーセットのプライマーの3’末端は互いに相補であり、また第1のプライマーセットの1つのプライマーが、プライマーの3’末端に隣接する少なくとも1つのミスマッチのプライマーからなる、さらにここで、上記ヌクレオチドは標的核酸と相補ではないが、第1のプライマーセットの他のプライマーの3’末端ヌクレオチドと相補である。b)ポリメラーゼ連鎖反応により第1の標的核酸を第1のプライマーセットでもって増幅して第1の融解温度(Tm)を持つ第1のアンプリコンを形成し、またポリメラーゼ連鎖反応により第2の標的核酸を第2のプライマーセットでもって増幅して第2の融解温度(Tm)を持つ第2のアンプリコンを形成すること、ここで上記第2のTmは上記第1のTmより高い、c)ポリメラーゼ連鎖反応の間、第1の獲得温度で検出標識の量を測定すること、ここで上記第1のシグナル獲得温度は上記第1のTmより低い、d)反応混合物の温度を上昇させて第2のシグナル獲得温度にして、検出標識の量を測定すること、ここで上記第2のシグナル獲得温度は上記第1のTmより高く、上記第2のTmより低い、e)(b)から(d)までの段階を少なくとも1回反復すること、f)上記第1の標的核酸と上記第2の標的核酸の相対的コピー数を測定すること、を含む。
さらに本明細書で開示された方法は、第1の標的核酸と第2の標的核酸のコピー数を測定する方法であって、a)第1の標的核酸を第1のプライマーセットと接触させること、第2の標的核酸を第2のプライマーセットと接触させること、単一の検出標識を加えて均一なシステムの反応混合物を形成させること、ここで第1のプライマーセットのプライマーの1つが、第1の標的核酸を刺激することを阻止される、b)ポリメラーゼ連鎖反応により第1の標的核酸を第1のプライマーセットでもって増幅して第1の融解温度(Tm)を持つ第1のアンプリコンを形成し、またポリメラーゼ連鎖反応により第2の標的核酸を第2のプライマーセットでもって増幅して第2の融解温度(Tm)を持つ第2のアンプリコンを形成すること、ここで上記第2のTmは上記第1のTmより高い、c)ポリメラーゼ連鎖反応の間、第1の獲得温度で検出標識の量を測定すること、ここで上記第1のシグナル獲得温度は上記第1のTmより低い、d)反応混合物の温度を上昇させて第2のシグナル獲得温度にして、検出標識の量を測定すること、ここで上記第2のシグナル獲得温度は上記第1のTmより高く、上記第2のTmより低い、e)(b)から(d)までの段階を少なくとも1回反復すること、f)上記第1の標的核酸および上記第2の標的核酸の相対的コピー数を測定すること、を含む。
さらに本明細書で開示された方法は、第1の標的核酸と第2の標的核酸のコピー数を測定する方法であって、a)第1の標的核酸を第1のプライマーセットと接触させること、第2の標的核酸を第2のプライマーセットと接触させること、単一の検出標識を加えて均一なシステムの反応混合物を形成させること、ここで検出標識は挿入色素である、b)ポリメラーゼ連鎖反応により第1の標的核酸を第1のプライマーセットでもって増幅して第1の融解温度(Tm)を持つ第1のアンプリコンを形成し、またポリメラーゼ連鎖反応により第2の標的核酸を第2のプライマーセットでもって増幅して第2の融解温度(Tm)を持つ第2のアンプリコンを形成すること、ここで上記第2のTmは上記第1のTmより高い、c)ポリメラーゼ連鎖反応の間、第1の獲得温度で検出標識の量を測定すること、ここで上記第1のシグナル獲得温度は上記第1のTmより低い、d)反応混合物の温度を上昇させて第2のシグナル獲得温度にして、検出標識の量を測定すること、ここで上記第2のシグナル獲得温度は上記第1のTmより高く、上記第2のTmより低い、e)(b)から(d)までの段階を少なくとも1回反復すること、f)上記第1の標的核酸および上記第2の標的核酸の相対的コピー数を測定すること、を含む。
本明細書で記載した方法のいくつかの態様では、第1と第2の標的核酸のコピー数は、第1の核酸の第2の核酸と比較した相対的量を測る。
いくつかの態様において、標的と参照配列は、初期増幅鋳型の増幅が後期増幅鋳型の増幅を妨害するのを防ぐ戦略によって、唯一の蛍光色素としてSYBRグリーンIを、また単一色検出専用のQPCR機器を利用するマルチプレックスQPCRで正確に定量化できる。いくつかの態様では、MMQPCRによるDNA試料セットの2つの鋳型を定量化するために、2つの要件を満たさなければならない。始めに、セット内の各DNA試料について、初期増幅の産物がサイクル閾値に達する時、後期増幅産物の増幅シグナルは未だベースラインにあるようにPCR法条件は満たさなければならない。第2に、後期増幅産物の蛍光を二重鎖が維持するのに十分な低い温度でモニターできるように、しかし、初期増幅産物を完全に融解するのに十分な高い温度になるように後期増幅産物は初期増幅産物より高い融解温度を持たねばならなく、こうして蛍光シグナルをベースラインに送る。両方のPCR産物を小さく維持できるようにプライマーをデザインし、GC−クランプなどのGCリッチな5’タグを後期増幅産物のためのプライマーに加えることによって、後期増幅産物はより高い融解温度を持てることが保証される。
本明細書で記載した方法は、生物学的試料の中の2つの異なる鋳型のレベルを定量化することに使うことができ、各鋳型のコピー数は異なるが、第1と第2の鋳型のコピー数の範囲には重なりがない。例えば、細胞は、単一コピー核内遺伝子のコピーより遙かに多いテロメア反復のコピーを持つ。同じ状況が、mtDNAコピー対単一コピー遺伝子、rDNAコピー対単一コピー遺伝子、AluDNAコピー対単一コピー遺伝子などについても適用する。同様に、マルチプレックス逆転写酵素QPCR(RT−QPCR)によるmRNAレベルの実験では、コピー数は異なるがコピー数の範囲は重ならない2つの異なるmRNA種のレベルを数量化することをしばしば目的としている。鋳型のこれらの対のそれぞれについて、豊富でない鋳型からの増幅シグナルがベースラインにある時、豊富な鋳型のCtは収集できる。またGCリッチな産物を二重鎖のままにする高温で、豊富でない鋳型のCtが収集でき、同時に豊富な鋳型産物からのシグナルは完全に融解し除去される。PCR法サイクルを通じての2つの異なる温度で蛍光シグナルを収集し、これらのシグナルを別々に分析することにより、単一単色検出標識を使って2つの鋳型をそれぞれ独立に定量化できる。
今までに、単一DNA介入色素を使うマルチプレックス定量ポリメラーゼ連鎖反応の2つの異なるDNA配列の相対コピー数を測定することは不可能だと考えられてきた、なぜなら両方のアンプリコンから蛍光性シグナルが起こり蓄積するからである。本明細書で記載した方法は、2つのアンプリコンからのシグナルを収集する戦略を提案する。第1のアンプリコンのサイクル閾値(Cs)は、初期サイクルで収集されが、その時第2のアンプリコンからのシグナルは未だベースラインである。第2のアンプリコンのCsは、第1のアンプリコンの融解温度(Tm)を遙かに超える温度で収集され、第1のアンプリコン一本鎖を提供し、そのシグナルをベースラインに送る。プライマーは、両方のアンプリコンを小さくし、また第2のアンプリコンをGCリッチにして、そのTmを上昇させるようにデザインされる。コピー数の範囲に重複がない多数もしくは少数種の生物学的試料で起こる鋳型対は、このアプローチの自然な標的である。ほぼ同等のコピー数を持つ2つの鋳型でさえ、1つのアンプリコンの増幅を遅らせるプライマーと熱サイクルデザインを適用することによって区別できる。本明細書で記載した方法は、ヒトDNA試料の相対的テロメア長を測定するのに使うことができる。
同様のコピー数の方法
また、第1の標的核酸および第2の標的核酸のコピー数を決定する方法を本明細書で開示する。第1の標的核酸配列のコピー数が第2の標的核酸配列のコピー数と同様である本方法は、a)第1の標的核酸を第1のプライマーセットと接触させ、第2の標的核酸を第2のプライマーセトと接触させ、かつ均一系での反応混合物を形成するために単一の検出標識を付加することと、b)上記第1のTmよりも高い第2のTmを有する第2のアンプリコンを形成するために、第1のプライマーセットを用いて第1の標的核酸をポリメラーゼ連鎖反応によって増幅して第1の融解温度(Tm)を有する第1のアンプリコンを形成し、かつ第2のプライマーセットを用いて第2の標的核酸をポリメラーゼ連鎖反応によって増幅することと、c)ポリメラーゼ連鎖反応中に、上記第1のTmより低い第1のシグナル取得温度で検出標識の量を測定することと、d)上記第1のTmより高くかつ上記第2のTmより低い第2のシグナル取得温度まで反応混合物の温度を上げて、検出標識の量を測定および決定することと、e)ステップ(b)から(d)を少なくとも1回繰り返すことと、f)上記第1および第2の標的核酸の相対的コピー数を決定することとを含む。
第1の標的核酸配列のコピー数が第2の標的核酸配列のコピー数と同様であるとき、PCRのサイクルまたはPCRの個々のステップを変更するまたは変えることができる。たとえば、第1の標的核酸配列のコピー数が第2の標的核酸配列のコピー数と同様であるとき、本方法のポリメラーゼ連鎖反応は少なくとも3つの連続的なステージをさらに含むことができ、ここでポリメラーゼ連鎖反応の第1のステージが、ポリメラーゼ連鎖反応のアニーリング温度が第2のステージのアニーリング温度よりも高いポリメラーゼ連鎖反応のサイクルを含み、ポリメラーゼ連鎖反応の第2のステージが、ポリメラーゼ連鎖反応のアニーリング温度が第1のステージのアニーリング温度よりも低いポリメラーゼ連鎖反応のサイクルを含み、かつポリメラーゼ連鎖反応の第3のステージが、ポリメラーゼ連鎖反応のアニーリング温度が第1のステージのアニーリング温度よりも低く、かつ第2のステージのアニーリング温度よりも高いポリメラーゼ連鎖反応のサイクルを含む。
いくつかの態様では、ポリメラーゼ連鎖反応を連続的なステージで用いるとき、ポリメラーゼ連鎖反応の第1ステージの間に第2のアンプリコンだけが形成される。いくつかの態様では、ポリメラーゼ連鎖反応を連続的なステージで用いるとき、ポリメラーゼ連鎖反応の第2ステージの間に第1のアンプリコンだけが形成される。いくつかの態様では、ポリメラーゼ連鎖反応を連続的なステージで用いるとき、ポリメラーゼ連鎖反応の第3ステージの間に第1および第2の両アンプリコンが形成される。いくつかの態様では、ポリメラーゼ連鎖反応を連続的なステージで用いるとき、ポリメラーゼ連鎖反応の第1のステージの間に第2のアンプリコンだけが形成され、かつポリメラーゼ連鎖反応の第3のステージの間に第1および第2の両アンプリコンが形成される。
PCRのプライマー組成物および種々の温度は、用いられるまたは生成されるプライマー、アンプリコンおよびポメラーゼの標的ならびにTmに応じて変更することもできる。
いくつかの態様では、同様の存在量の2つの鋳型をMMQPCRによって定量化するために、これらの鋳型のうちの1つを増幅することで、数サイクル遅らせる。たとえば、1つのプライマー対を68℃でアニールし、別の対を50℃でアニールするように設計することができる。ホットスタートDNAポリメラーゼの最初の15分間の活性化およびゲノムDNA試料の変性の後、少なくとも4サイクル中、94℃と68℃の間でサイクリングさせることで、第1の鋳型の増幅において4サイクル(またはそれ以上)をヘッドスタートさせ、第2の鋳型をアンプライムのままにしておく。次に、2サイクルの間、94℃と50℃の間でサイクリングさせ、第1の鋳型の増幅を続けるが、第2の鋳型からの増幅も開始する。ここで留意すべきは、第2の鋳型のプライマーは、GCクランプなどのGCリッチな5’タグを有し、高い融解温度をそれらのPCR産物に与えることができることである。2サイクルの間、94℃と50℃の間でサイクリングさせると、これらのプライマーの完全長と相補的な配列を合成するのに十分であるので、これらの2サイクルが終了した時点でアニーリング温度を再び上げて、プログラムの残りのサイクルは、下記のプロトコール(材料および方法の節を参照されたい)のステージ3の熱プロファイルと同様のプロファイルを有することができ、その間に各サイクル中に2つの異なる温度で蛍光シグナルを収集することになる。
別の態様では、1つの鋳型の増幅を数サイクル遅らせる第2のアプローチを提供して、両プライマー対が産物形成を開始し、次いで低融解アンプリコンを融解させるのに十分に高いが高融解アンプリコンを融解させるまで高くない変性温度を4サイクル以上に適用し、次いで最終的に、残りのサイクル中にステージ3の熱プロファイル(材料および方法の節を参照されたい)と同様のプロファイルに切り替えることが可能になる。変性温度を低下させた状態でのサイクリングのステージは依然として、その増幅を遅らせるように意図された最初の鋳型からの線形増幅を可能にすることもある。この問題の解決法は、GCクランプなどの5’タグによって与えられる、比較的低い最初のアニーリング温度、たとえば50℃を有するが、PCRアンプリコンにとってはより高いその後のアニーリング温度を有する、両方のプライマー対を用いることである。2サイクル中に94℃と50℃との間でサイクリングさせることによって、最初のPCR産物を十分に生成させ、その後アニーリング温度が、元のDNA鋳型がそれ以上プライミングしないように抑制する十分な温度まで高くなるだろう。
一態様では、第1の標的核酸は第1の核酸内に存在し、上記第2の標的核酸は第2の核酸内に存在する。この態様では、第1および第2の標的核酸のコピー数は、上記第2の核酸と比較して上記第1の核酸の相対量を測定する。別の態様では、第1の標的核酸は第1の核酸内に存在し、第2の標的核酸は第2の核酸内に存在する。第1の標的核酸のコピー数は、非タンデムリピートが上記第1のプライマー対によって非依存的に増幅される第1の核酸内の第1の標的核酸の非タンデムリピートを測定する。
また、第2の標的核酸のコピー数と比較して、第1の標的核酸のコピー数をマルチプレックス定量PCRによって決定するための方法を開示する。第1の標的核酸はタンデムリピートを含み、かつ上記第1の標的核酸配列のコピー数は上記第2の標的核酸配列のコピー数よりも大きい。本方法は、(1)第1の標的核酸および第2の標的核酸を含む試料を第1のプライマーセットと、第2のプライマーセットと、インターカレーティング染料とに接触させることであって、第1のプライマーセットが第1の標的核酸をPCR増幅させて第1の融解温度(Tm)を有する第1のアンプリコンを形成することができ、上記第1のプライマーが第1の鎖とハイブリダイズするとき、第1のプライマー対の第1のプライマーが、上記第1の標的核酸の上記第1の鎖中のヌクレオチドと塩基対をなさない3’末端以外でミスマッチヌクレオチドを含み、および上記第2のプライマーがPCR転写物とハイブリダイズするとき、上記第1のプライマー対の第2のプライマーが、上記第1の核酸の第2の鎖中でヌクレオチドと塩基対をなさないが上記第1の鎖の上記PCR転写物中の上記ミスマッチヌクレオチドと塩基対をなす3’ヌクレオチドを有し、それによってPCRサイクルを繰り返すことで生成される第1のアンプリコンが上記第1のTmで規定される大きさを有し、および上記第2のプライマーセットが上記第2の標的核酸を増幅して、上記第1のTmよりも高い第2のTmを有する第2のアンプリコンを形成することができる、接触させることと、(2)第1および第2のアンプリコン中の染料のインターカレーションを測定するための第1および上記第2のシグナル取得温度を含む温度プロファイルを介して試料のPCRサイクリングを行うことであって、第1のシグナル取得温度が第1のTmより低く、および上記第2のシグナル取得温度が第1のTmより高くかつ第2のTmより低い、PCRサイクリングを行うことと、(3)PCRサイクリングステップを繰り返すことと、および(4)少なくとも2つの異なるPCRサイクル中に、第1および上記第2のシグナル取得温度で染料のインターカレーションからのインターカレーションシグナルを測定して、第1および第2の標的核酸の相対的コピー数を決定することとを含む。
また、第2の標的核酸のコピー数と比較して第1の標的核酸のコピー数をマルチプレックス定量PCRによって決定するための方法を開示する。ここで第1の標的核酸配列のコピー数は第2の標的核酸配列のコピー数と同様である。本方法は、(1)第1の標的核酸および第2の標的核酸を含む試料を第1のプライマーセットと、第2のプライマーセットと、インターカレーティング染料とに接触させることであって、第1のプライマーセットが第1の標的核酸を増幅させて、第1の融解温度(Tm)を有する第1のアンプリコンを形成することができ、および第1のプライマー対と第1の標的核酸との間のハイブリダイゼーション複合体が第1のプライマーTmを有し、および第2のプライマーセットが第2の標的核酸を増幅して第2のTmを有する第2のアンプリコンを形成することができ、および上記第2のプライマーセット対および上記第2の標的核酸の間のハイブリダイゼーション複合体が第2のプライマーTmを有し、ここで上記第2のTmが上記第1のTmよりも大きく、および上記第1のプライマーTmが上記第2のプライマーTmよりも大きい、接触させることと、(2)上記試料を所定数のPCRサイクルにかけることであって、所定のPCRサイクル中のプライマーのアニーリング温度が、上記第2の標的核酸の増幅を抑制するために上記第2のプライマーTmより高い、PCRサイクルにかけることと、(3)温度プロファイルを介して上記試料のPCRサイクルを行うことであって、プライマーのアニーリング温度が上記第2のプライマーTmであるかまたはそれより低く、それによって上記第1および上記第2の標的核酸がPCR増幅され、かつ、上記温度プロファイルが、上記第1および第2のアンプリコン中の上記染料のインターカレーションを測定するための第1および第2のシグナル取得温度を含み、ここで上記第1のシグナル取得温度が上記第1のTmより低く、および上記第2のシグナル取得温度が上記第1のTmより高くかつ上記第2のTmより低い、PCRサイクルを行うことと、(4)上記PCRサイクルのステップを繰り返すことと、および(5)少なくとも2つの異なるPCRサイクル中に上記第1および上記第2のシグナル取得温度で上記染料のインターカレーションからのインターカレーションシグナルを測定することであって、上記第1および上記第2の標的核酸の相対的コピー数が、上記インターカレーションシグナルおよび上記所定数のPCRサイクルから決定される、測定することを含む。
また、第2の標的核酸のコピー数と比較して第1の標的核酸のコピー数をマルチプレックス定量PCRによって決定するための方法を開示する。ここで上記第1の標的核酸配列のコピー数は上記第2の標的核酸配列のコピー数と同様である。本方法は、(1)上記第1の標的核酸および上記第2の標的核酸を含む試料を第1のプライマーセットと、第2のプライマーセットと、インターカレーティング染料とに接触させることであって、上記第1のプライマーセットが上記第1の標的核酸配列を増幅させて第1の融解温度(Tm)を有する第1のアンプリコンを形成することができ、および上記第1のプライマー対と上記第1の標的核酸のハイブリダイゼーション複合体が第1のプライマーTmを有し、および上記第2のプライマーセットが上記第2の標的核酸を増幅させて第2のTmを有する第2のアンプリコンを形成することができ、および上記第2のプライマー対と上記第2の標的核酸のハイブリダイゼーション複合体が第2のプライマーTmを有し、ここで上記第2のTmが上記第1のTmよりも大きく、かつ上記第1のプライマーTmが上記第2のプライマーTmよりも大きい、接触させることと、(2)上記試料を第1の所定数のPCRサイクルにかけることであって、上記所定のPCRサイクル中のプライマーのアニーリング温度が、上記第1および上記第2の標的核酸を増幅するために上記第1のプライマーTmであるかまたはそれより低い、PCRサイクルにかけることと、(3)上記試料を第2の所定数のPCRサイクルにかけることであって、上記第2の標的核酸のさらなる増幅を抑制するために変性温度が上記第2のTmより低い、PCRサイクルにかけることと、(4)温度プロファイルを介して上記試料のPCRサイクルを行うことであって、プライマーのアニーリング温度が上記第2のプライマーTmであるかまたはそれより低く、それによって上記第1および上記第2の標的核酸がPCR増幅され、および上記温度プロファイルが、上記第1および第2のアンプリコン中の上記染料のインターカレーションを測定するための第1および第2のシグナル取得温度を含み、ここで上記第1のシグナル取得温度が上記第1のTmより低く、かつ上記第2のシグナル取得温度が上記第1のTmより高くかつ上記第2のTmより低い、PCRサイクルを行うことと、(5)上記PCRサイクルのステップを繰り返すことと、(6)少なくとも2つの異なるPCRサイクル中に、上記染料のインターカレーションからのインターカレーションシグナルを上記第1および上記第2のシグナル取得温度で測定することであって、上記第1および上記第2の標的核酸の相対的コピー数が、上記インターカレーションシグナルおよび上記第2の所定数のPCRサイクルから決定される、測定することとを含む。
本明細書に記載する方法のいくつかの態様では、第2の試料は、コピー数を測定するための参照として用いられることができる。本方法はさらに、既知のコピー数の上記第1および上記第2の標的核酸と、上記第1および上記第2のプライマー対と、上記インターカレーティング染料とを含む参照核酸を有する少なくとも1つの参照試料を含み、ここで上記第2の試料は上記第1の試料と同じPCR条件下におかれ、上記第1および上記第2の標的核酸の絶対コピー数の判定の目安とするために、上記第1の試料で上記第1および第2のシグナル取得温度での上記第2の試料用のインターカレーションシグナルが、上記第1および第2のシグナル取得温度でインターカレーションシグナルと比較される。
いくつかの態様では、本方法は、(1)上記第1の標的核酸を含む試料を第1のプライマーセットと接触させ、次いで上記第2の標的核酸を第2のプラマーセットと接触させることとであって、上記第1のプライマーセットが上記第1の標的核酸を増幅させて、第1の融解温度(Tm)を有する第1のアンプリコンを形成することができ、次いで上記第2のプライマーセットが上記第2の標的核酸を増幅させて、第2のTmを有する第2のアンプリコンを形成することができ、ここで上記第1のアンプリコンが、上記第2のアンプリコンがまだ融解し始めない温度で完全に融解することを確実にするために、上記第2のTmは上記第1のTmよりも十分に大きい、二本鎖DNAへのインターカレーション後直ちに蛍光を発する任意の単一の検出標識の存在下で、接触させることと、(2)上記第1および第2のアンプリコン中で上記染料のインターカレーションを測定するための第1および第2のシグナル取得温度を含む温度プロファイルを介して、上記試料のPCRサイクルの繰り返しを行うことであって、上記第1のシグナル取得温度が、上記第1のアンプリコンが依然として融解し始めない上記第1のTmより十分に低く、かつ上記第2のシグナル取得温度が、第1のアンプリコンが完全に融解する上記第1のTmより十分に高く、かつ第2のアンプリコンが依然として融解し始めない上記第2のTmより十分に低い、PCRサイクルの繰り返しを行うことと、(3)少なくとも2つの異なるPCRサイクル中に、上記第1および上記第2のシグナル取得温度で上記染料からのインターカレーションシグナルを測定して、上記第2のシグナルが依然としてベースラインにあるサイクル数で、上記第1のシグナルが検出の閾値を越えることができる一連の条件下で、上記第1および上記第2の標的核酸の相対的コピー数を決定すること、とを含む。
キット
上述の材料ならびに他の材料は、開示した方法を実行するため、またはその実行の際に役立つ有用なキットとしてどのような好適な組み合わせでも共にパッケージにすることができる。所与のキット内のキット構成成分を開示した方法で共に使用するように設計し適合させる場合に、有用である。たとえば、1つまたは複数の標的核酸のコピー数を決定するためのキットを開示し、このキットは1つまたは複数の試薬組成物および1つまたは複数の標的核酸のコピー数を決定するための1つまたは複数の組成物または試薬を含む。たとえば、このキットは1つまたは複数の試薬組成物および1つまたは複数のプライマーセット、検出標識、核酸ポリメラーゼ、または組合せを含むことができる。キットの別の形は、複数の試薬組成物を含むことができる。このキットは、たとえば、ヌクレオチド、バッファ、リガーゼ、オープンサークルプローブ、ギャップオリゴヌクレオチド、または組合せを含むことができる。
このような方法で用いることができるキットを開示する。このキットは、第1および第2の標的核酸を増幅するために、少なくとも第1および第2のPCRプライマー対を含むことができる。このような構成要素をPCR増幅装置での使用に適している第1の容器に入れることができる。一態様では、試験試料は容器に入れられ、次いでPCR増幅が開示された方法によって実施される。このキットは、デオキシヌクレオチド三リン酸、耐熱性DNAポリメラーゼおよび検出標識を含む、PCRを実施するための構成成分のうちの1つもしくは複数、またはすべてを含むこともできる。
一態様では、このキットは、PCR装置での使用にも適している第2の容器を備えることができ、既知のコピー数の第1および上記第2の標的核酸と、PCRを実施するために必要とされる任意の別の構成成分とを有する参照核酸を含む第2の試料を含有し、第1および第2のプライマー対およびインターカレーティング染料を含む。この第2の容器は、第1の容器の試料と同じPCR条件下にする。第2の容器は、既知のコピー数の第1および第2の標的核酸に対する参照インターカレーションシグナルを提供し、それによって試験試料中の第1および上記第2の標的核酸の絶対コピー数の決定を促進する。異なるコピー数の第1および第2の標的核酸を有する参照核酸を含有する追加の容器を、このキットに含むこともできる。このような容器は、絶対コピー数の比の範囲にわたって異なる参照点をもたらす追加のインターカレーションシグナルを提供する。このような追加の容器は、試験試料中の第1および第2の標的核酸のコピー数が広い範囲にわたって変動できるときに特に有用である。
また、PCR装置での使用に適した第1の容器を有するキットも開示する。このキットの上記第1の容器は、既知のコピー数の第1および第2の標的核酸を含む参照核酸を含む。このキットは、上記第1の容器の参照核酸と比べると、コピー数が異なる第1および第2の標的核酸を有する第2の参照核酸を含む少なくとも1つの追加の容器をさらに含んでもよい。これらの容器は、PCRで必要とされるインターカレーティング染料および他の構成成分を任意に含有する。このようなキットは、1つまたは複数の異なる参照核酸のためのPCR装置からのインターカレーションシグナルを標準化する際に有用である。
システム
開示した方法を実施するために、または実施の際に役に立つ有用なシステムを開示する。また、試薬組成物を生成するためのシステムを開示する。システムは通常、たとえば構造体、装置、デバイスなど、および組成物、化合物、材料などの製造品の組み合わせを含む。開示される、または開示により明白であるこのような組み合わせが考えられる。たとえば、固体支持体および試薬組成物を含むシステムが開示され、考えられる。
データ構造体およびコンピュータ制御
開示した方法において用いられる、方法によって生成される、または方法から生成されるデータ構造体を開示する。データ構造体とは通常、組成物または媒体に収集され、構築され、保存され、および/または、具体化された任意の形式のデータ、情報、および/またはオブジェクトである。電子的方式、たとえばRAMまたはストレージディスクに保存された標的フィンガープリントは、ある種のデータ構造体である。
開示した方法、もしくはその任意の部分、またはそのための前処理は、コンピュータ制御によって制御する、管理する、さもなければ支援することができる。このコンピュータ制御は、コンピュータ制御されたプロセスまたは方法によって達成可能であり、データ構造体を使用することおよび/または生成すること、ならびにコンピュータプログラムを使用することも可能である。このようなコンピュータ制御、コンピュータ制御されたプロセス、データ構造体、およびコンピュータプログラムが考えられ、かつ本明細書に開示されると理解されたい。
実施例1
研究課題
標準手順によってゲノムDNAを血液試料から直接抽出して、TE−4(10mM Tris−HCl、0.1mM EDTA、pH7.5)中で、4℃で、マイクロリットルあたり100ngにほぼ等しい濃度で長期保存した。DNAのストックを、QPCRランを開始する直前に純水で希釈した。モノプレックス定量PCR法によるテロメア長の測定を記載した我々の以前の論文(Cawthon, R.M. (2002) Telomere measurement by singleplex quantitative PCR. Nucleic Acids Res, 30, e47)で解析した試料は、95名のユタ在住の個人(女性47名および男性48名、年齢の範囲5歳〜94歳)に由来するものである。
単色マルチプレックス定量PCR(MMQPCR)
Bio−Rad MyiQ Single Color Real−Time PCR Detection Systemに対応する96ウェルプレートの各反応ウェルにマスターミックス溶液を15マイクロリットルに等分し、続いてDNA実験試料を純水に希釈した約20ナノグラムのDNAを含有する各DNA試料を10マイクロリットルに等分して、1反応あたり25マイクロリットルの最終量にして、PCR反応を開始した。本研究では96ウェルプレートごとに二重に、DNA濃度が81倍の範囲におよぶ参照DNA試料(「標準DNA」)の5つの濃度を段階希釈によって調製して解析した。これらの反応は、相対定量で用いる標準曲線の作成のためのデータをもたらした。すべてのDNA実験試料を3つ組でアッセイした。
このPCRでの試薬の最終濃度は、0.75×SYBR GreenI(Invitrogen)、10mM Tris−HCl pH8.3、50mM KCl、3mM MgCl、各0.2mMのdNTP、1mM DTT、および1M ベタイン(U.S. Biochemicals)であった。各25マイクロリットルの反応に、0.625 U AmpliTaq Gold DNAポリメラーゼ(Applied Biosystems, Inc.)を与えた。マルチプレックスQPCRの場合、テロメアプライマー対のtelgおよびtele(それぞれ900nMの最終濃度)を、アルブミンプライマー対のalbuおよびalbd(それぞれ900nMの最終濃度)またはβ−グロビンプライマー対のhbguおよびhbgd(それぞれ500nMの最終濃度)のいずれかとマスターミックス溶液中で混合した。すべてのプライマー配列およびそれらの設計原理を結果の節に示す。
熱サイクルプロファイルは、ステージ1:95℃で15分間、ステージ2:94℃で15秒間、49℃で15秒間での2サイクル、およびステージ3:94℃で15秒間、62℃で10秒間、74℃で15秒間のシグナル収集、84℃で10秒間、88℃で15秒間のシグナル収集での32サイクルであった。74℃での読み取りは、テロメア鋳型の増幅のためのC値をもたらした。88℃での読み取りは、単一コピー遺伝子の鋳型の増幅のためのC値をもたらした。
熱サイクルおよび生データの収集を終了した後、MyiQソフトウェア(Bio−Rad iQ5 2.0 Standard Edition Optical System Software)を用いて、各プレートの標準曲線、1つはテロメアシグナルの曲線であり、1つはscgシグナルの曲線である2つを作成した。DNA実験試料のT/S比は、T(テロメア鋳型のコピー数のための実験試料にマッチする標準DNAのナノグラム数)をS(scgのコピー数のための実験試料にマッチする標準DNAのナノグラム数)で割ったものである。各実験試料を3つ組でアッセイしたので、各試料に対して3つのT/S結果を得た。所与のランでの試料に対する最終的に報告された結果は、3つのT/S値の平均である。平均T/Sは、1細胞あたりの平均テロメア長と比例すると予想される。T/S>1.0の試料は、標準DNAのそれよりも大きい平均テロメア長を有し、T/S<1.0の試料は、標準DNAのそれよりも短い平均テロメア長を有する。
平均末端制限酵素断片(TRF)長の決定
以前に記載した(Cawthon、R.M. (2002)Nucleic Acids Res, 30,e47)ように、平均TRF長を2つ組で決定した。手短に言えば、DNAをHaeIII制限酵素で消化して、消化した試料をDNAサイズ標準物と混合してから、アガロースゲル電気泳動およびナイロンメンブレン上へのサザンブロットを行った。放射性テロメアのオリゴヌクレオチドプローブ(TTAGGG)(配列番号1)によるブロットのハイブリダイゼーションおよびテロメアスメア画像のキャプチャーに続いて、DNAサイズ標準物に特異的な放射性プローブを用いてブロットを取り除いて、ハイブリダイズした。次いで、サイズ標準物の画像とテロメアスメアの画像を重ね合わせて、テロメアスメア内のサイズ間隔の位置を捜し出した。次いで、平均TRF長をΣ(OD)/Σ(OC/L)として算出した。ここでODは間隔i内のバックグランド上の総放射活性であり、Lは塩基対内のiの平均長である。
結果
テロメアタンデム六量体のリピートに由来する固定長の産物を増幅するプライマー
相対的平均テロメア長は、テロメア六量体のリピートをハイブリダイズするプライマーを用いる定量PCR法によって測定できる。平均テロメア長が増加すると、プライマーの結合部位の数が増加するからである。シングルプレックスQPCR(1)によるテロメア長の測定のための我々のオリジナルのtel1およびtel2プライマーは双方とも、テロメアDNAのタンデムリピートにそって複数の位置でプライムすることが可能である。したがって、これらのプライマーは種々のサイズの一連の産物を生成し、そのなかにはscgのアンプリコンの融解曲線に重なるのに十分に高い温度で融解するものもある。したがって、tel1およびtel2がテロメアプライマーであるとき、MMQPCRを成功させるために必要とされるように、二本鎖テロメアPCR産物からの任意の干渉シグナルなしで、scgの二本鎖アンプリコンからのSYBR GreenI蛍光シグナルを高温で「明確に」読み取ることは可能でない。
この問題を解決するために、一対のテロメアプライマーを設計した。すなわちtelg、ACACTAAGGTTTGGGTTTGGGTTTGGGTTTGGGTTAGTGT(配列番号2)およびtele、TGTTAGGTATCCCTATCCCTATCCCTATCCCTATCCCTAACA(配列番号3)であり、これらは短い、固定長の産物を生成する(図1)。telgだけは、天然のテロメアDNA配列にそってDNA合成をプライムすることができる。teleプライマーは、その3’末端でミスマッチ塩基によって天然のテロメアDNAをプライミングすることからブロックされる。しかし、teleはtelgプライマーの伸長産物の種々のストレッチにそってハイブリダイズすることができ、かつそれらのハイブリダイゼーションのまさに1つの配置がDNA合成のプライミングを可能にし、それによって単一の固定長の産物の生成を可能にする。これは、telgおよびteleのプライマーの最後の3つの塩基が完全な相補性で重なるように、telg中の3’末端から3番目の塩基にヌクレオチド変化を導入することによって達成される。この重複は、telgおよびteleの天然のプライマーに互いに効率的にプライムを与えることを可能にするには十分でなく、したがってプライマー二量体の形成は、テロメア長の定量化が起こる数サイクルにわたって検出できない。しかし、telg伸長産物をteleとハイブリダイズすると、この3つの塩基の重複は、teleの3’末端がDNA合成を効率的にプライムすることができる部位のみになる。たとえば、米国特許公報第2003/0162266号を参照されたい。したがって、結果として生じるPCR産物は固定長であり、かつ3つの塩基はそれを生成するのに用いた2つのプライマーの長さの計よりも短い。この産物の急な融解曲線(図2での緑の曲線)は、特定の固定長の産物の形成と一致し、および6%ゲルでのアガロースゲル電気泳動は、予想された79bp産物だけを示した(データ図示せず)。また、図2が示しているのは、テロメアPCR産物の融解曲線がアルブミンPCR産物の融解曲線(図2での青の曲線)から十分に離れており、アルブミンからのSYBR GreenIシグナルがテロメアPCR産物を完全に融解する温度で読み取れることを可能にしていることである。
単一コピー遺伝子(アルブミンとβ−グロビン)用プライマーの設計
scgアンプリコンがテロメアアンプリコンよりもかなり高い温度で融解するようにプライマーを設計した。その結果、scgアンプリコンからの蛍光シグナルは、テロメアアンプリコンを完全に融解するに十分に高い温度で得ることが可能になり、シグナルへのその寄与を排除するが、scgアンプリコン二本鎖を維持するのに十分低い温度であり、したがってSTBR GreenIを結合できる。
scgアルブミンを増幅するためのプライマーは、albu:CGGCGGCGGGCGGCGCGGGCTGGGCGGaaatgctgcacagaatccttg(配列番号4)およびalbd:GCCCGGCCCGCCGCGCCCGTCCCGCCGgaaaagcatggtcgcctgtt(配列番号5)である。予測される産物のサイズは98bpである。scg β−グロビンを増幅するためのプライマーは、hbgu:CGGCGGCGGGCGGCGCGGGCTGGGCGGcttcatccacgttcaccttg(配列番号6)およびhbgd:GCCCGGCCCGCCGCGCCCGTCCCGCCGgaggagaagtctgccgtt(配列番号7)である。予測される産物のサイズは、106bpである。大文字で書いた塩基は、非鋳型5’タグ配列であり、結果としてもたらすPCR産物に極めて高い融解温度を与える。アルブミンプライマー用のこの5’タグ配列はβ−グロビンプライマーで用いたものと同一であることに留意されたい。各プライマーセット中の2つのGCリッチ5’タグ付け配列は、互いに全く異なることにも留意されたい。これらの配列が同じ場合、増幅を停止するヘアピン形成がPCR作用中に起こる可能性があるだろう。
遺伝子を点変異のために変性剤濃度勾配ゲル電気泳動法(2)によってスクリーニングするとき、PCR産物の一方の末端の融解温度を上げるためにGCクランプをPCRプライマーの5’末端に付加することはよく行われる。scgを増幅するために用いる両プライマーに5’GCクランプを添加して、標的ゲノム配列を短く保つことによって、極めて高い融解温度を有するPCR産物が生成される。二重にGCクランプしたアルブミンPCR産物のTmが91℃であることを図2は示している。6%ゲルでのアガロースゲル電気泳動は、予想されたサイズの産物だけを示した。二重にGCクランプしたβ−グロビンPCR産物に対しても同様の結果が得られた(データは図示せず)。
また、5’GCクランプは、scgを増幅するために用いる両プライマーが、それらのアンプリコンに対して、テロメアPCR産物のTmよりも高いTmを確実に有するようにする。この設計の利点を後述する(熱プロファイルおよびサイクリング設計を参照されたい)。OligoAnalyzerプログラム(www.idtdna.com)を使用した解析では、4つのscgプライマー(albu、albd、hbgu、およびhbgd)のすべてが本研究で用いるバッファ組成物で84℃より高いTmを有することを示した。
熱プロファイルおよびサイクリング設計
熱サイクリングプロトコールのステージ1では、AmpliTaq Gold DNAポリメラーゼを加熱によって活性化して、ゲノムDNA試料を変性させる。ステージ2では、プライマー二量体PCR産物(1)の形成および増幅を抑制する、意図的に導入した変異がそれらのプライマーに存在するため、テロメアプライマーを効果的にアニールして伸長するために比較的低い温度での2サイクルが必要とされる。
ステージ3では、従来のQPCRに特有であるシグナル取得による変性、アニーリング、および伸長のステップによる繰り返しサイクルを開始する。これらのサイクルの後に、従来にはない2つのステップ;第2のシグナル取得による、84℃で10秒間のインキュベーションと、88℃で15秒間のインキュベーションが続く。84℃までの加熱により、初期の増幅テロメア産物を融解させ、scgPCR産物で作用するためのDNAポリメラーゼ(二本鎖DNAを結合するが、一本鎖DNAを結合しない、参照番号3)を放出させ、scgプライマーの高いアニーリング温度(84℃を超える)およびTaqDNAポリメラーゼが84℃でも強い活性を維持する能力のためにDNA合成が進行できる(4)。
従来のマルチプレックスPCRでは、初期の産物によるDNAポリメラーゼの上述の結合のため、高濃度の最も早い増幅産物は、多くない鋳型の後の増幅が抑制されることが多い。通常の推奨される解決策は、産物がより少なく形成され、非結合で自由なDNAポィメラーゼを十分に残し、多くない鋳型を連続してコピーできるように、より多い標的配列のためのプライマー濃度を限定することである。しかし、プライマー濃度を低下させると、PCR効率の低下、または標的配列増幅の完全な失敗さえ生じることが多い。効率の低下は、複写物間のC値の大きなばらつきの一因にもなる。MMQPCRにおけるこの84℃インキュベーションステップは、第2の産物を効率的に合成できるように、より多い鋳型のためのプライマー濃度を限定する必要性を排除し、対応する高濃度のPCR産物からでもポリメラーゼを放出させる。
第2のシグナル取得ステップのために88℃までさらに加熱することで、テロメアPCR産物を完全に融解し、蓄積するscgアンプリコンからの上昇するSYBR GreenI蛍光シグナルの収集を妨げることが確実にできなくする。
テロメア長の自然の範囲にわたるMMQPCR法の有効性 図3は、高平均、中間平均、または低平均のテロメア長(テロメア長の約3倍の範囲)を有することを以前に示した3つのヒトゲノムDNAの参照試料に対して2つの異なる温度(74℃と88℃)で収集した増幅曲線を示す。図2に示した融解プロファイルに基づいて、74℃での読み取りはテロメアおよびアルブミンの両PCR産物を検出するはずであり、88℃での読み取りはアルブミン産物だけを検出するはずである。しかし、各DNA試料中のアルブミン鋳型はテロメア鋳型よりコピー数がはるかに低いので、対応するアルブミンシグナルが依然としてベースラインにあったときにすべて収集した74℃のCsは、テロメア増幅だけの目安である。(テロメアプライマーなしの反応物では、単一コピー遺伝子シグナルは、74℃で収集されようと88℃で収集されようと基本的には同じサイクル数でベースラインを超えて上昇することが確認されている。)最も短いテロメア(およそ1,670bp)、したがって最も右方シフトする増幅曲線(青の曲線)、を有する試料でも、アルブミン遺伝子の増幅シグナルが依然としてベースラインにあるときのサイクル数で閾値を越える。年齢5歳〜94歳の被験者からの95例の全血DNA試料についての本研究では、各試料のscg増幅シグナルは、対応するテロメアシグナルのCを収集したときベースラインにあった。
テロメアおよび単一コピー遺伝子のための別個の標準曲線
図4は、1つはテロメアリピートのための、もう1つはscgアルブミンのための2つの独立した標準曲線を示す。これらはサイクリングプロトコールのステージ3の各サイクルにおいて、2つの異なる温度(テロメアシグナルの場合は74℃、アルブミンシグナルの場合は88℃)でSYBR GreenI蛍光シグナルを得ることによって標準DNAに対して決定した。この同じDNA試料を用いて、本研究でのそれぞれ別のPCR反応プレートに対して2つの標準曲線を作成した。DNA濃度対サイクル閾値のこの片対数プロットでは、両曲線は81倍のDNA濃度範囲にわたり線形になる。テロメアおよびアルブミンの両増幅のPCR効率は、90%を超え、ほぼ等しかった。この特定の標準DNA試料の場合、各DNA濃度でのアルブミンのCは、サイクリングにおいてテロメアリピートのCよりもほぼ6サイクル後に生じた。
図3では、74℃で観察されたCにおける差がテロメア長における差だけに反映するように、基本的に同量のDNAを反応物にインプットした(OD260UV分光光度計の目盛りに基づく)。(通常の実行では、TシグナルをSシグナルに標準化する手順がこの問題に対応するので、インプットDNAのための実験的試料を正確にマッチさせる必要はない。広範なインプットDNAの量は、TおよびSの両シグナルがTおよびSの標準曲線の範囲内に入っている限り、許容される。図4を参照されたい。)この単一コピー遺伝子(アルブミン遺伝子)のみが88℃で収集されるので、この温度で得られる3つの増幅曲線がほぼ完全に重複することが予想される。下部パネルは、アルブミンシグナルが依然としてベースラインにあるとき、テロメアシグナルのサイクル閾値が74℃で収集できることを示す。(テロメアプライマーなしの反応物では、単一コピー遺伝子シグナルは、74℃で収集されようと88℃で収集されようと基本的には同じサイクル数でベースラインを超えて上昇することが確認されている。また、単一コピー遺伝子プライマーなしの反応物では、図2に示した融解プロファイルに基づいて予想されるように、88℃で読み取るとき、PCRのラン全体にわたりテロメア増幅シグナルは完全に変化がないまたはゼロであることが確認されている。)Bio−Rad MyiQソフトウェアは1回にただ1つの温度の増幅曲線を表示することができるので、74℃および88℃の読み取りの表示は重ねられていた。
平均TRF長と相対的T/S比の相互関係
テロメア長の測定へのMMQPCRアプローチの有効性を試験するために、年齢5歳〜94歳の95名の個人に由来する全血DNA試料で相対的テロメア長(平均T/S比)をMMQPCRによって3つ組で測定し、従来のサザンブロットアプローチ(1)によって測定されたものと同じこれらのDNA試料の平均末端制限酵素断片(TRF)と比べた。図5は、これらの極めて異なる技法によって測定された相対的テロメア長における強い相互関係を示す(R=0.844)。この相互関係は、シングルプレックスQPCRによってこれらの同じ試料で測定されたT/S比対それらの平均TRF長について以前に報告された(1)ように、その相互関係よりも高い(R=0.677)。
T/S比測定の再現性
MMQPCRによるT/S測定のアッセイ内の再現性を調べるために、T/Sに対する変動係数(平均値で割った標準偏差)を、scgとしてアルブミンを使用した単回のMMQPCRアッセイにおいて、3つ組でアッセイした95例のDNA試料それぞれに対して決定した。変異係数のアッセイ内幾何平均は、5.22%であった。アッセイ間の再現性を調べるために、同じ95例のDNA試料でT/Sの測定を再び3つ組で、別の日に繰り返した。アッセイをこれら2回別個に実行した際に、各DNA試料が使用した特定のMyiQ PCR装置および反応ウェルの位置が異なるように注意して行った。図6は、第1および第2のランによって決定した平均T/S比間の強い相関を示す(R=0.91)。データを通して線形回帰線の勾配は予想どおり、ほぼ単一であり、ほぼゼロのy切片であった。これら2回の別個のランからの95対の平均T/S値のそれぞれの変異係数を決定した。変異係数のアッセイ間の幾何平均は、3.13%であった。
使用した単一コピー遺伝子のT/S比は非依存的である
scgとしてアルブミンの代わりにβ−グロビンを使用することで、明らかに相対的テロメア長を変化させるかどうかを試験するために、アルブミンプライマーの代わりにβ−グロビンプライマーを用いて、同じ95例のDNA試料でのT/S測定を三重測定で、2回の別々のランで繰り返した。図7は、scgとしてアルブミンを用いた2回のランからの平均T/S値(x軸)に対してscgとしてβ−グロビンを用いた2回のランからの平均T/S値(y軸)をプロットしている。アルブミンを用いて得たT/S値は、β−グロビンを用いて得たT/S値と一致し、高い相関を示した(R=0.934)。
記載した単色マルチプレックス定量PCR法によって95例のDNA試料で測定した相対的テロメア長(T/S比)は、サザンブロットによって測定した相対的末端制限断片と極めて高い相関を示した。元のシングルプレックスQPCRアッセイによってこれらの同じ試料で測定したT/S比は、TRF長ほど高い相関を示さなかった。これらの結果は、MMQPCRによるテロメア長の測定がシングルプレックスQPCRによるテロメア長測定よりも正確であることを示唆している。さらに、MMQPCRによって得られたT/S結果は、アッセイの別個のランにおいて高度に再現可能であった。テロメアQPCRアッセイを多重化することでスループットを高めかつテロメア長の疫学的研究コストを下げることを可能にする。さらに、高価なオーダーメイドの多色蛍光プローブを合成または購入しなければならないマルチプレックスアッセイへの転換に付随する通常の追加費用も、この方法を採用することで避けることができる。
MMQPCRは、非常に異なるコピー数で天然に存在する、たとえばmtDNAコピー対単一コピー遺伝子、rDNAコピー対単一コピー遺伝子、およびAIuDNAコピー対単一コピー遺伝子などDNA鋳型の多数の対についての研究に容易に適応させることができる。同様に、極めて異なるコピー数を有するRNA種の対をcDNAに逆転写した後で本方法によって定量化することも可能である。標的の大部分の対の場合、わずかに付加的なガイドラインによって、プライマー設計の標準原則を理解することができる。このガイドラインとは、より多い鋳型用のプライマーは、そのTmが好適に低く(<83℃)になるように、比較的に短い産物(40〜80bp)を生成することも可能であり、多くない鋳型用のプライマーは、そのTmが十分に高く(>90℃)なるように、本明細書に示した5’GCクランプ(または同様のもの)を含有し、短い産物を生成することも可能である、というガイドラインである。さらに、より多い鋳型を増幅するために用いるプライマー濃度を限定しなければならない従来のマルチプレックスQPCRでは、妨害および付随する障害は、MMQPCRでは排除される。本明細書でのtelgおよびteleのテロメアプライマイーの設計上の特徴を、プライマーによって短いタンデムリピートを増幅し、これらのリピートとハイブリダイズするために使用した。MMQPCRによるテロメア長の測定に加えて、mtDNA対nDNAの比をこのアプローチによって測定した。このアプローチは功を奏した。同様のコピー数を有する鋳型対でも、1つのアンプリコンの増幅を遅らせる、プラマーおよび熱プロファイルの設計を適用することによるこのアプローチによって研究を行うことも可能である。
実施例2−同様に多い2つの標的核酸のMMQPCR法 2つの標的核酸が同様に大量にある現象では、MMQPCR法を用いることができる。これを行うために、1つの標的核酸の増幅を人為的に遅らせ、一方ではもう1つの標的核酸の増幅を続けることができるようにする。たとえば、第1および第2の標的核酸が同様に多いとき、実施例1に記載した組成物および方法を用いて第1の標的核酸のコピー数を決定し、次いで第2の標的核酸のコピー数を決定する。これを行うために、提供されたPCRサイクリングパラメーターを除いた、上述の方法を用いる。熱サイクルプロファイルは、ステージ1:95℃で15分間、ステージ2:94℃で15秒間、49℃で15秒間の2サイクル、ステージ3:88℃で15秒間、62℃で10秒間、74℃で15秒間を2〜6サイクル、ステージ4:94℃で15秒間、62℃で10秒間、74℃で15秒間のシグナル取得、84℃で10秒間、88℃で15秒間のシグナル取得を32サイクルであり得る。
上述のステージ3では、88℃で完全に融解するためにテロメア産物の指数関数的増幅が可能となるであろう。しかし、単一コピー遺伝子の産物は、88℃で完全に二本鎖化されるの、このステージ3のサイクリングで、単一コピー遺伝子プライマーはこの単一コピー遺伝子の産物にのって増幅することができない。
別段定義されない限り、本明細書で用いた技術用語および科学用語は、開示した方法および組成物が属する技術分野の当業者によって通常理解されるのと同じ意味を有する。本明細に記載した方法および材料と同様のまたは同等のいかなるものも、本方法および組成物の実行または試験において用いることが可能であるが、特に有用な方法、装置、および材料は記載したとおりである。本明細書で引用した刊行物およびそれらが引用する材料を、特に参照によって援用する。本発明が先行発明を理由にこの開示に先行する権利を有しないことの承認として解釈すべきものは本明細書には含まれていない。
当業者は、ただ通例の実験を用いることで本明細書に記載した方法および組成物の具体的な実施形態と同等である多くのものを認識し、または確認することができるであろう。このような同等物は、以下の特許請求の範囲に包含されるものとする。

Claims (1)

  1. 図面に記載された発明。
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