JP5686493B2 - テロメアの長さを決定することによって死亡の危険性を予測する方法 - Google Patents

テロメアの長さを決定することによって死亡の危険性を予測する方法 Download PDF

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Description

発明の詳細な説明
関連出願への相互参照
本出願は、2003年1月24日に出願された米国仮特許出願第60/442,456号の利益を主張し、その全内容は、本明細書中に引用によって援用される。
技術分野
本発明は、死亡率を予測する方法に関し、特に、テロメアの長さを決定し、テロメアの長さを生存、死亡の危険性、および心疾患、腫瘍性疾患、および感染症のような年齢関連病に対する罹患性と相関させる方法に関する。さらに、本発明は、そのような年齢関連病を発症する危険のある個人または個人の群を同定するための該方法の使用に関する。
発明の背景
テロメアは、染色体末端の統合性を複製し維持する際に機能する直鎖状真核生物染色体の末端部に存在する特別な構造である。テロメアは、細胞成長抑止および異常な染色体融合の開始に関与する二本鎖切断の他のタイプから染色体末端部を識別する。
テロメア配列は、種の間で変動するが、本質的な特徴は、真核生物の間で似ている。一般的に、テロメアDNAは、基本的な配列単位のタンデム反復よりなる。いくつかの生物のテロメア反復は、ヒトまたは粘菌で見られる配列TTAGGGのような完全な反復である。酵母または原生動物のもののような他のものは、不規則な反復配列を有する。一般的に、Gがリッチなストランドは、5’から3’へ染色体末端まで続く。反復配列の長さは数キロ塩基対ないし数十キロ塩基対の範囲である。
いくつかの生物において、特徴的なテロメア反復配列は存在せず、テロメア反復配列と同様に機能する他の配列によって置き換えられる。例えば、Drosophila melanogasterにおいて、テロメアは、一般的に、Het-AおよびTARTエレメントと呼ばれる非LTR型レトロトランスポゾンよりなる。蚊Anopheles gambiaeにおいて、染色体末端は、短い反復配列よりも、むしろ複雑な配列タンデム反復のアレイよりなる。
いくつかの生物において、3’一本鎖突出が、テロメアの末端に存在する。一本鎖領域の長さは、約100bpまたはそれ以上まで変動し得る。規定されたインビボまたはインビトロ状況下で、突出末端は、様々なテロメア関連蛋白質と関連し、二本鎖テロメア領域に侵入して、t−ループ構造を形成する(Griffith, J.D. et al., Cell 97: 503-514(1999);Munoz-Jordan et al., EMBO J. 20: 579-588(2001))。t−ループ構造の形成は、テロメラーゼによるテロメア延長を負に調節する際に機能し、加えて、一本鎖末端を隔離するメカニズムを提供して、それらを劣化から保護し、DNA損傷チェックポイント経路の活性化を抑制すると考えられる。
典型的には、DNA複製機械は、5’ないし3’方向で作用し、ラギング鎖の合成は、鎖合成後に分解された短いRNAプライマーの使用によって不連続的に起こる。直鎖状DNAの3’末端の配列は、先にRNAプライマーによって占有された領域の合成を完了するのに入手可能ではないため、直鎖状染色体の末端3’領域は複製されない。この「末端複製問題」は、テロメラーゼの作用、テロメラーゼ特異的リボヌクレオ蛋白質逆転写酵素によって解決される。テロメラーゼ酵素は、テロメアの3’末端を延長させるための鋳型として作用する不可欠なRNA要素を有する。テロメラーゼ活性によって反復された延長は、テロメラーゼ結合RNA鋳型から複製されたテロメア反復の発生を引き起こす。テロメラーゼによる延長後、DNAポリメラーゼによるラギング鎖合成は、二本鎖テロメア構造の形成を完了する。
正常なヒト体細胞において、テロメラーゼは、発現されないかあるいは低レベルで発現される。結果的には、その時点で細胞が増殖する能力を失う複製老化に細胞が達するまで、テロメアは、各細胞分裂によって、50ないし200bpだけ短くなる。この細胞の複製する制限された能力は、一般的に、ヘイフリック限界と呼ばれ、細胞分裂をカウントし、細胞発達を制御するためのカウンティングメカニズム、つまり、分裂時計を細胞に与えることができる。これに対して、例えば、構成的レトロウィルスプロモーターからテロメラーゼを発現することによって、テロメラーゼ活性を欠く細胞におけるテロメラーゼの活性化、あるいは内因性ポリメラーゼの活性化によって、細胞は増殖能力を維持することができ、細胞の不死化を招く。
興味深いことに、これらの不死化細胞は、短い安定したテロメアを有し、一方で、最短のテロメアは延長されるようになる。この現象は、テロメラーゼ酵素が、短いテロメアがさらに短くなるのを防ぎ、特定の閾値の長さを切ったものを延長する。従って、テロメラーゼ活性の存在は、テロメアが特定の長さである時は必要ではないようだが、それが限界値を切ると、テロメア統合性の維持に重大な意味を持つ。
テロメアの長さおよび統合性が、染色体の適切な隔離および細胞成長に対して重要であることは、確立されている。例えば、多くのタイプの癌の発症は、テロメア維持の活性化と相関しており、一方、細胞老化はテロメア統合性の喪失と相関する。テロメラーゼ活性を阻害することによって誘発されるテロメアの短縮は、増殖老化および細胞アポトーシスを招き得る(Zhang, X. et al., Genes Dev. 2388-99 (1999)))。さらに、マウスにおけるテロメラーゼRNAの遺伝的ノックアウトが、発育障害、年齢に関連した病理、および増加した癌罹患性を有する動物に生じる(Rudolph, K.L. et al., Cell 96: 701-12 (1999); Herrera, E. et al., EMBO J. 18: 2950-60 (1999))。同様に、テロメラーゼのRNA成分をコードする遺伝子における突然変異から生じる先天性角化不全症(DKC)の常染色体優性疾患において、患者は、加速テロメア短縮を示し、大抵、骨髄機能不全に二次的な重度の感染症から、平均年齢16歳(最大は約50歳)で死亡する。さらに加速老化を示唆するDKC患者の臨床的特徴は、髪の若白髪および喪失;皮膚の色素沈着;創傷治癒の遅延;重度感染症の高いリスク;および悪性腫瘍、骨粗鬆症、および肺線維症の発症率の増加を含む。加えて、正常な高齢者からの血液DNAにおいて測定された最短の平均的なテロメアの長さは、DKC患者からの血液において測定された最長の平均的なテロメアの長さと重なる。
細胞成長および細胞老化においてテロメアが演じる役割を考慮すると、テロメアの長さに基づき、年齢関連病の発症および死亡の危険性を予測する方法を持つことが望ましい。これは、癌および高血圧症のような特定の年齢に関連した疾患を発症するリスクの増加を持つ個人を同定する基準を提供し、それによって高いリスクの群における個人に初期医学的介入をすることができるだろう。加えて、これらの方法を使用して、個人および集団において老化プロセスを変えるまたは病気罹患性を改変する際に役割を演じる遺伝的かつ環境的因子を同定することができる。
発明の概要
本発明の上記目的に従い、本発明は、テロメアの長さを決定し、測定されたテロメアの長さを、集団において観察されたテロメアの長さに対応する死亡の危険性または病気発症の可能性と関連させる方法を提供する。
平均末端制限断片(TRF)、定量的蛍光in situハイブリダイゼーション、フローサイトメトリー、およびポリメラーゼ連鎖反応を測定することを含むテロメアの長さを測定する様々な方法が提供される。好ましい具体例において、テロメアの長さは、テロメア反復配列を増幅するように設計されたPCRおよびテロメア特異的プライマーを用いて測定される。これは、細胞または細胞の集団内で平均テロメアの長さを測定する迅速な方法を提供し、これは大規模な集団研究に特に適している。
1つの具体例において、テロメアの長さは、体細胞、特に低レベルのテロメラーゼ活性を示すまたはテロメラーゼ活性を示さないものから測定される。適した試料は、血液、特に血液中のリンパ系細胞から由来する。
テロメアの長さは、個人に対して決定され、集団において観察されるテロメアの長さと相関される。集団内の死亡率は、テロメアの長さに相対して評価される。好ましい具体例において、集団は、検査される個々の生物の年齢と適合した年齢である。ヒトにつき、年齢の適合した集団は、個人の年齢の約10年以内、より好ましくは5年以内、最も好ましくは1年以内である。
個人および集団の測定されたテロメアの長さの相関は、Cox比例ハザード回帰モデル、カプラン−マイヤー生存分布推定量、Petoウイルコクソン検定、最尤分析、重回帰分析、および他を含む生存分析のような様々な統計方法によって検査される。
もう1つの具体例において、死亡の危険性は、集団内のテロメア短縮および死亡の割合に対して決定される。個人に対してテロメアが短縮する速度を測定して、該個人に対する死亡の危険性を決定する。
もう1つの具体例において、本発明の方法を使用して、集団内において集団および個人における年齢に関連した病気の発症の可能性を予測する。検査され得る年齢に関連した病気は、心疾患(例えば、高血圧症、心筋梗塞症、脳梗塞等)、腫瘍性疾患(例えば、癌、癌腫、悪性腫瘍等)、感染症に対する罹患性を含むが、これらに限定されるものではない。
本発明の詳細な記載
本発明は、真核生物の生存または死亡の危険性を予測するための方法を提供する。具体的には、該方法は、テロメアの長さを決定し、テロメアの長さを集団におけるテロメアの長さと関連した死亡の危険性と相関させることに関する。さらに、本発明は、テロメアの長さを決定し、該長さを、心疾患(例えば、高血圧症、心筋梗塞症等)、腫瘍性疾患(例えば、悪性腫瘍、肉腫等)、神経変性障害、および病原菌に対する罹患性の増加のような、年齢と関連した病気の発症と相関させる方法を提供する。さらなる態様において、本発明は、経時的年齢と対照的に、生物学的年齢を決定して、生物学的年齢を、病気罹患性および死亡の危険性と相関させるためのマーカーを提供する方法を提供する。
本発明の方法は、様々な適用において有用である。テロメアの長さに基づく死亡または生存の推定は、治療的介入または医学スクリーニングのために、個人または個人の群を同定する基礎を提供する。また、例えば、規定食要因、病理学的要因、テロメアの長さおよび死亡と関連した化学的トキシンといった環境要因を同定するための疫学的研究において有用である。同様に、該方法を使用して、遺伝的要因、遺伝的連鎖マーカー、またはテロメアの長さおよび年齢に関連した病気に影響を及ぼす遺伝子を同定することができる。
上記論議のとおり、テロメアは真核生物の直鎖状染色体の末端で見受けられる特殊な構造である。テロメアは、一般的に、その生物に特異的なテロメラーゼ酵素によって特定された反復配列単位を持つ、短いタンデム反復よりなる。テロメア反復配列は、様々な生物に対して知られている。脊椎動物、植物、カビの特定のタイプ、およびいくつかの原生動物につき、配列は完全な反復である。例えば、ヒト反復配列単位は、(TTAGGG)nである。他の生物において、配列が可変のG1-3T/C1-3AであるSacharomyces cerevisiaeのもののように、反復配列は不規則である。いくつかの真核生物において、テロメアは、短いタンデム配列反復を欠くが、テロメアとして機能する配列エレメントを有する。例えば、ショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)において、テロメアはレトロトランスポゾンエレメントHet-AおよびTARTの複合物であるが、蚊Anopheles gambiaeにおいて、テロメアは複雑な配列タンデム反復のアレイである。本発明の目的では、異なる構造のテロメアは、本発明の範囲内に網羅される。
反復配列に加えて、いくつかのテロメアの3’末端は、一本鎖領域を含み、それは、ヒトではGがリッチなストランドに位置する。該一本鎖は(TTAGGG)n反復よりなり、nは、一般に、約9ないし35であるが、それ未満でもそれを超えていてもよい。本明細書において使用されるように、3’一本鎖領域の長さも、死亡の危険性と相関され得る。
1つの具体例において、テロメアの長さは、細胞において、単一の染色体に対して決定することができる。もう1つの具体例において、平均のテロメアの長さまたは中間のテロメアの長さは、単一の細胞、より好ましくは細胞の集団に対して測定される。テロメアの長さの変化は、テロメアの長さの増加または減少、特に平均のテロメアの長さの増加または減少である。該変化は、特定の時点に対して相対的であってよく、つまりいくらか後の時間tでのテロメアの長さと比較した時間tでの生物のテロメアの長さであってもよい。また、テロメアの長さの変化または差は、特定の細胞集団または生物集団、好ましくは病気状態に苦しんでいない集団の員の平均または中間のテロメアの長さに対して比較することができる。特定の具体例において、テロメアの長さの変化は、異なる時期に存在する集団に対して測定される。
テロメアの長さは、全ての真核生物に対して決定することができるが、好ましい具体例においては、テロメアの長さは、両生類、鳥類、および哺乳類、例えば齧歯類、有蹄動物、および霊長類、特にヒトを含めた脊椎動物に対して決定され、限定されるものではない。長寿が望ましい特徴であるか、長寿および病気に対する罹患性が相関している生物が好ましい。もう1つの態様において、これらの生物における改変されたテロメア統合性と関連した死亡の危険性または病気罹患性を評価するために、テロメアは、クローン化生物につき測定され得る。
テロメアを測定するために、試料は、当該分野でよく知られた方法を用いて作成される。テロメアを含有する試料は、血液、脳、骨髄、リンパ液、肝臓脾臓、乳房の組織、および生検試料から得られたものを含む他の組織を含むいずれかの生物のいずれかの組織から入手できる。組織および細胞は、冷凍されているか、無傷であってもよい。また、試料は、唾液、尿、排出物、脳脊髄液、精液等のような体液を含み得る。好ましくは、テロメア活性の連続した発現のため、幹細胞のテロメアは、一般的に、時間とともに減少しないので、組織または細胞は、非−幹細胞、つまり体細胞である。しかしながら、いくつかの具体例において、テロメアは、生物の遺伝的テロメア特徴を評価するために、幹細胞に対して測定され得る。
本明細書において使用されるように、テロメア核酸および他の「標的核酸」または「標的配列」は、二本鎖または一本鎖核酸上の核酸配列を意味する。「核酸」または「オリゴヌクレオチド」または本明細書における文法的同等物は、少なくとも2つの一緒に共有結合したヌクレオチドを意味する。本発明の核酸は、一般的に、リン酸ジエステル結合を含むが、いくつかのケースにおいて、例えば、ホスホルアミド(Beaucage, S.L. et al., Tetrahedron 49: 1925-63 (1993),およびその中の引用文献;Letsinger, R.L. et al., J. Org. Chem. 35: 3800-03 (1970); Sprinzl, M. et al., Eur. J. Biochem. 81: 579-89 (1977); Letsinger, R.L. et al., Nucleic Acids Res. 14:3487-99 (1986); Sawai et al, Chem. Lett. 805 (1984); Letsinger, R.L. et al., J. Am. Chem. Soc. 110: 4470 (1988); およびPauwels et al., Chemica Scripta 26:141-49 (1986)、ホスホロチオエート(Mag, M. et al., Nucleic Acids Res. 19:1437-41 (1991);および米国特許第5,644,048号)、ホスホロジチオエート(Briu et al., J. Am. Chem. Soc. 111:2321 (1989))、O-メチルホスホルアミダイト結合(Eckstein, Oligonucleotides and Analogues: A Practical Approach, Oxford University Press, 1991参照)、およびペプチド核酸骨格および結合(Egholm, M., Am. Chem. Soc. 114:1895-97 (1992); Meier et al., Chem. Int. Ed. Engl. 31:1008 (1992); Egholm, M., Nature 365: 566-68 (1993); Carlsson, C. et al., Nature 380: 207 (1996),その全ては引用によって援用される)を含む別の骨格を有し得る核酸アナログが含まれる。他のアナログ核酸は、正骨格(Dempcy, R.O. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 92:6097-101 (1995));非イオン性骨格(米国特許第5,386,023号;同第5,637,684号;同第5,602,240号;同等5,216,141号;および同第4,469,863号;Kiedrowshi et al., Angew. Chem. Intl. Ed. English 30:423 (1991); Letsinger, R.L. et al., J. Am. Chem. Soc. 110:4470 (1988); Letsinger, R.L. et al., Nucleoside & Nucleotide 13: 1597 (1994); Chapters 2 and 3, ASC Symposium Series 580, "Carbohydrate Modifications in Antisense Research", Ed. Y.S. Sanghui and P. Dan Cook; Mesmaeker et al., Bioorganic & Medicinal Chem. Lett. 4: 395 (1994); Jeffs et al., J. Biomolecular NMR 34:17 (1994))および米国特許第5,235,033号および同第5,034,506号、およびChapters 6 and 7, ASC Symposium Series 580, "Carbohydrate Modifications in Antisense Research", Ed. Y.S. Sanghui and P. Dan Cookに記載のものを含む非リボース骨格を有するものを含む。また、1またはそれを超える炭素糖を含有する核酸は、核酸の定義(Jenkins et al., Chem. Soc. Rev. 169-176 (1995)参照)内に含まれ;全ての引用文献は、引用によって、明白に援用される。
テロメア核酸、または標的核酸は、より長い配列はより特異的であるという理解の下で、いずれの長さであってもよい。いくつかの具体例において、試料核酸を、100ないし10,000の塩基対の断片に断片化または開裂することが望ましく、約500の塩基対の断片は、いくつかの具体例で好ましい。断片化または開裂は、機械的、化学的、および酵素的方法を含む当業者によく知られた多くの方法で行うことができる。従って、核酸は、超音波処理、加圧型細胞破壊装置、剪断に付されてもよく、あるいは、ヌクレアーゼ(例えば、DNase、制限酵素、RNase等)、または化学的開裂剤(例えば、酸/ピペリジン、ヒドラジン/ピペリジン、鉄−EDTA錯体、1,10−フェナントロリン−銅錯体、等)で処理されてもよい。
テロメアおよび標的核酸を含有する試料は、よく知られた技術を用いて調製することができる。例えば、試料は、洗剤、超音波処理、エレクトロポレーション、変性剤等を用いて処理して、細胞を破壊させる。標的核酸は、必要に応じて、精製されてもよい。反応の成分は、下記のようにいずれかの順序で、同時に、または順次に添加することができる。加えて、様々な剤を反応に添加して、最適なハイブリダイゼーション、増幅、および検出を促進することができる。これらは、塩、緩衝液、中性蛋白質、洗剤等を含む。試料調製方法および標的核酸の純度に応じて、プロテアーゼ阻害剤、ヌクレアーゼ阻害剤、抗菌剤等のような他の剤を添加して、反応の効率を改善することができる。テロメア核酸がRNAの形態である時、これらの核酸は、当該分野でよく知られるように、例えば、逆転写酵素(例えば、MoMuLV逆転写酵素、Tth逆転写酵素等)による処理によって、DNAに変換することができる。
テロメアの長さを決定するための数多くの方法が利用可能である。1つの具体例において、テロメアの長さは、末端制限断片(TRF)の平均の長さを測定することによって決定される。TRFは、長さ−一般的に、テロメア配列内の核酸を開裂しない制限酵素での、ゲノムDNAの完全な消化から得られた断片の平均の長さとして定義される。典型的には、DNAは、ゲノムDNA内で頻繁に開裂させるが、テロメア配列内で開裂させない制限酵素で消化される。典型的には、制限酵素は、4つの塩基認識配列(例えば、AluI、HinfI、RsaI、およびSau3A1)を有し、単独または併せて使用される。得られた末端制限断片は、テロメア反復およびサブテロメアDNAの両方を含有する。本明細書において使用されるように、サブテロメアDNAは、テロメアの配列のタンデム反復に隣接したDNA配列であり、可変なテロメア様配列が組み入れられたテロメア反復配列を含有する。消化されたDNAは、電気泳動法によって分離され、膜のような支持体にブロットされる。テロメア配列を含有する断片は、プローブ、つまり標識された反復配列を膜にハイブリダイズすることによって検出される。断片を含有するテロメアの視覚化の際に、末端制限断片の平均の長さを計算することができる(Harley, C.B. et al., Nature. 345(6274):458-60(1990)、引用によって本明細書中に援用される)。サザーンブロッティングによるTRF推定によって、細胞または組織におけるテロメアの長さの分布、すなわち、全細胞の中間のテロメアの長さを得ることができる。
本明細書中に記載の様々な方法に対して、高い、中程度、および低いストリンジェンシー条件を含む様々なハイブリダイゼーション条件を使用することができる(例えば、Sambrook, J. Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 3rd Ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY (2001); Ausubel, F.M. et al., Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons (2002年までのアップデート);本明細書中に引用によって援用される)。ストリンジェンシー条件は、配列依存性であり、プローブまたはプライマーの長さ、ミスマッチの数、G/C含有量、およびイオン強度を含む異なる状態において異なるだろう。核酸のハイブリダイゼーションの手引きは、Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecular Biology: Hybridization with Nucleic Acid Probes, Vol 24, Elsevier Publishers, Amsterdam (1993)におけるTijssen, P. "Overview of Principles of Hybridization and the Strategy of Nucleic Acid Assays"において提供される。一般的に、ストリンジェント条件は、プローブまたはプライマーの50%が、平衡にて、標的核酸にハイブリダイズする規定された溶液条件下で、規定された温度にて、特異的なハイブリッドに対する熱融解点(つまり、Tm)より約5ないし10℃低くなるように選択される。ストリンジェンシーの程度は、一般的に、ハイブリダイゼーション温度およびTmの差によって決定され、Tmからの温度の差が維持される限り、ハイブリダイゼーションの溶液状態の変化にも拘わらず、ストリンジェンシーの特定の程度は維持される。また、ハイブリダイゼーション条件は、例えば、リボ核酸またはペプチド核酸骨格といった核酸骨格のタイプとともに変動し得る。
もう1つの具体例において、テロメアの長さは、定量的蛍光in situハイブリダイゼーション(Q-FISH)によって測定される。この方法において、細胞は、固定され、例えばCy-3、フルオレセイン、ローダミン等といった蛍光標識にコンジュゲートされたプローブとハイブリダイズされる。この方法のためのプローブはテロメア配列に特異的にハイブリダイズするように設計されたオリゴヌクレオチドである。一般的に、プローブは、8またはそれを超えるヌクレオチドの長さ、好ましくは12ないし20より多くのヌクレオチドの長さである。1つの態様において、プローブは、天然に生じるヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドである。好ましい具体例において、プローブは、類似の天然配列より高いTmを有し、従って、よりストリンジェントなハイブリダイゼーション条件の使用が可能なペプチド核酸である。一般的に、細胞は、コルセミドのような剤で処理されて、中期における細胞周期停止がハイブリダイゼーションおよび分析のための中期染色体を供するように誘導する。無傷の中期染色体のデジタルイメージが得られ、テロメアにハイブリダイズしたプローブの蛍光強度が定量化される。これによって、細胞における平均のテロメアの長さに加えて、個々の染色体のテロメアの長さの測定が可能になり、サブテロメアDNAの存在と関連した問題を回避することができる(Zjilmans, J.M. et al., Proc. Natl. Acad Sci. USA 94:7423-7428 (1997); Blasco, M.A. et al., Cell 91:25-34 (1997); 引用によって援用される)。
もう1つの具体例において、テロメアの長さはフローサイトメトリーによって測定される(Hultdin, M. et al., Nucleic Acids Res. 26: 3651-3656 (1998); Rufer, N. et al., Nat. Biotechnol. 16:743-747 (1998);引用によって、本明細書中に援用される)。フローサイトメトリー方法は、FISH技術の変形である。もし出発物質が組織であるならば、細胞懸濁液が、一般的に、機械的分離および/またはプロテアーゼによる処理によって作成される。細胞は、固定剤で固定され、テロメア配列特異的プローブ、好ましくは蛍光標識で標識されたPNAプローブでハイブリダイズされる。ハイブリダイゼーション後、細胞は洗浄され、次いで、FACSによって分析される。バックグラウンド蛍光に対する適当な控除に引き続いて、蛍光シグナルは、G0/G1における細胞に対して測定される。この技術は、多数の試料に対するテロメアの長さの迅速な推定に適している。TRFと同様、テロメアの長さは、細胞内のテロメアの平均の長さである。
好ましい具体例において、テロメアの長さは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いて、平均のテロメアの長さを評価することによって決定される。PCRのための手順は、広く使用され、よく知られている(例えば、米国特許第4,683,195号および同第4,683,202号参照)。簡潔には、標的核酸は、標的核酸にハイブリダイズするプライマーの存在下でインキュベートされる。標的核酸が二本鎖である時、それらはまず変性されて、第1の一本鎖および第2の一本鎖を発生させて、プライマーのハイブリダイゼーションを可能にする。温度のようないずれの数の変性技術を使用してもよいが、二本鎖核酸の性質に適切であるため、pH変化、変性剤、および他の技術が適用されてもよい。DNAポリメラーゼを使用して、ハイブリダイズされたプライマーを延長し、すなわち標的核酸の新たなコピーを発生する。合成された二本鎖は変性され、ハイブリダイゼーションおよび延長工程が繰り返される。単一のプライマーの存在下で増幅を行うと、標的核酸が直線状の様式で増幅される。本発明の目的のため、単一のプライマーを用いる直線状増幅は、PCRの意味に網羅される。相補的な標的鎖にハイブリダイズする第2のプライマーの存在下で変性、アニーリング、および延長の工程を繰り返すことによって、2つのプライマーによって網羅される標的核酸は、急激に増幅する。
「プライマー」、「プライマー核酸」、「オリゴヌクレオチドプライマー」、「オリゴヌクレオチドプローブ」または本明細書中で使用される文法的同等物によって、標的核酸のある部分にハイブリダイズするであろう核酸を意味する。本発明のプライマーまたはプローブは標的配列に実質的に相補的であるように設計され、そのため標的配列および本発明のプライマーのハイブリダイゼーションが起こり、適切な3’塩基対によってプライマー延長が起こる。そのような相補性は完全である必要はない。従って、本明細書中の「相補的」または「実質的に相補的な」は、プローブが、通常の反応条件下でハイブリダイズするのに十分に、標的核酸に対して相補的であることを意味する。逸脱がハイブリダイゼーションを完全に妨げるのに十分でない限り、完全な相補性からの逸脱は許容される。しかしながら、下記のように、最低のストリンジェントのハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイゼーションが起こりえないぐらい改変または突然変異の数が十分であれば、配列は相補的な標的配列ではない。
プライマーは、一般的に一本鎖であるが、本明細書に記載の核酸は、正確には一本鎖または二本鎖であってもよく、あるいは二本鎖または一本鎖配列の両方の部分を含有してもよい。核酸は、DNA、RNA、またはハイブリッドであってもよく、ここに核酸は、デオキシリボ−およびリボヌクレオチドのいずれかの組合せ、および一般的に生じる塩基が好ましいが、ウラシル、アデニン、チミン、シトシン、グアニン、キサンチン、ヒポキサンチン、イソシトシン、イソグアニン、イノシン等を含む塩基のいずれかの組合せを含有する。本明細書中で使用されるように、用語「ヌクレオシド」は、ヌクレオチドならびにヌクレオシドおよびヌクレオチドアナログ、およびアミノ修飾されたヌクレオシドのような修飾されたヌクレオシドを含む。加えて、「ヌクレオシド」は、非−天然に生じるアナログ構造を含む。従って、例えば、各々が塩基を含有するペプチド核酸の個々の単位は、本明細書において、ヌクレオチドと呼ばれる。
プライマー核酸のサイズは、当業者によって理解されるように、変動し得、使用、必要な特異性、および増幅技術によって、一般的には長さ5ないし500ヌクレオチドを変動し、10および100の間のプライマーが好ましく、12および75の間が大いに好ましく、15ないし50が特に好ましい。
いずれかのプライマー対に対して、プライマーがお互いにハイブリダイズする能力は、第1のプライマーの配列を第2のプライマーに並べることによって検査することができる。ハイブリッドの安定性、特に、熱融解温度(Tm)は、下記の方法によっておよび当該分野でよく知られる方法によって決定することができる。これらは、限定されるものではないが、最隣接熱力学計算(Breslauer, T. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 83:8893-97 (1986); Wetmur J.G., Crit. Rev. Biochem. Mol. Biol. 26:227-59 (1991); Rychlik, W. et al., J. NIH Res. 6:78 (1994))、Wallace Rule推定(Suggs, S.V. et al "Use of Synthetic oligodeoxribonucleotides for the isolation of specific cloned DNA sequences," Developmental biology using purified genes, D.B. Brown, ed., pp 683-693, Academic Press, New York (1981)、およびBolton and McCarthyに基づいたTm推定(Baldino, F.J. et al., Methods Enzymol. 168:761-77 (1989); Sambrook, J. et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Chapter 10, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY, (2001)参照)を含む。全引用文献は、本明細書中に、引用によって、明白に援用される。ハイブリッド安定性を評価する時、イオン強度、プローブの長さ、G/C含有量、およびミスマッチを含むが、これらに限定されるものではない様々なパラメーターの影響が考慮される。これらの要因の考慮は、当業者によく知られている(例えば、Sambrook, J., 上記参照)。
好ましい具体例において、本発明のプライマーは、同様のTmを有するように設計される。本明細書中で使用されるように、同様のTmを有するプライマーは、約10℃またはそれ未満、好ましくは5℃またはそれ未満、より好ましくは2℃またはそれ未満のTm差を有する。同様または同一のTmによるプライマー組(例えば、プライマー対)の使用によって、両方のプライマーに最適なアニーリング/延長温度の使用が可能になり、特定の増幅条件にて同様の増幅効率を提供する。利点は、同様の濃度のプライマー、特に、不要な増幅産物の発生を制限する低濃度を使用する能力である。比較すると、プライマーのTmが異なる時、1つのプライマーがより高濃度で使用されて、増幅効率の差を相殺する。このより高いプライマー濃度は、より低い数のPCRサイクルにて、不要な増幅産物を生む。
1つの態様において、同様のTmを有するプライマーは、プライマーの長さを改変することによって、あるいは同様のグアノシン−シトシン(GC)含有量を有するプライマーを選択することによって作成される。Tmは上記の方法によって評価される。本明細書中で使用されるように、「同様のGC含有量」は、プライマーが上記のように同様のTmを示すように、約10%またはそれ未満のGC含有量差、より好ましくは約5%またはそれ未満の差、最も好ましくは約2%またはそれ未満の差を有するプライマー組を意味する。プライマー設計工程において、Tmおよび/またはGC含有量は、最初に、標的核酸にハイブリダイズする領域につき評価される。上記のハイブリダイズしない5’末端領域を有するプライマーに対して、TmおよびGC含有量のさらなる分析を、全プライマー配列に対して実施する。一般的に、プライマーは、3’末端領域でのGC含有量のより高い同様性を有するように設計されるが、これはこの領域がポリメラーゼによって延長される領域だからである。
本発明のプライマーを使用して、様々な標的核酸を増幅することができる。単一のプライマー組、例えばプライマー対を使用して、単一の標的核酸を増幅することができる。もう1つの具体例において、複数のプライマー組を使用して、複数の標的核酸を増幅することができる。増幅は、各ユニークなプライマー組に対して別々に、あるいは一般的に当該分野で多重化として知られるプライマー組の組合せを用いて単一の反応容器中で、行うことができる。多重のプライマー組が単一の反応において使用される時、プライマーは、望ましくない産物の形成を制限し、各プライマー組のプライマーの間の干渉を制限するように設計される。
テロメアの長さを測定するためのPCRベースの技術の1つの具体例において、該方法は、ゲノムDNAを制限酵素で消化して、サブテロメアおよびテロメア領域を含有するDNA断片を生じさせることを含む。リンカーの形態のオリゴヌクレオチドを、DNA断片のテロメア末端に共有結合させる。リンカーに相補的なプライマーのハイブリダイゼーションに続いて、ポリメラーゼによるプライマー延長を行い、その結果、サブテロメアおよびテロメア領域を網羅する延長産物を得る。サブテロメア領域に特異的な第2のプライマーの使用によって、2つのプライマーの間の領域によって規定された産物の増幅が可能になる(例えば、米国特許第5,834,196号参照;引用によって援用される)。1つの態様において、ゲノムDNAを、一本鎖特異的ヌクレアーゼで処理して、平滑末端を生じさせ、これにより、テロメア領域の末端への二本鎖リンカーの効率的な連結反応が可能になる。ヌクレアーゼによる処理は、テロメアの末端に存在する3’一本鎖領域を除去するであろうが、引き続いての増幅は、テロメア長の代表的な測定を提供するだろう。
プライマー延長方法に対する変形において、サブテロメア領域に特異的なオリゴヌクレオチドプライマーは、テロメア末端にリンカーを付着させることなく、テロメアおよびサブテロメア領域の複製の起点として使用される。ハイブリダイゼーション、延長および変性を繰り返すと、サブテロメア/テロメア領域が直線状に増幅される。増幅された産物は、増幅反応において標識されたプライマーを用いることによって、または標識されたプローブを増幅された産物にハイブリダイズさせることによって検出することができる。
PCRによってテロメアの長さを決定するもう1つの方法は、タンデム反復テロメア配列を増幅するように設計されたテロメア特異的プライマーの使用を含む(Cawthon, R.M. Nucleic Acids Res. 30:e47 (2002);WO 03/064615;引用によって援用される)。この方法は、テロメア反復に対して実質的に相補的であるが、PCR反応の間に、プライマーがお互いにハイブリダイズする時、セルフ−プライミングを起こさないプライマーの使用を含む。このPCR技術による増幅は、定量化された時に、平均的なテロメアの長さの測定を提供するテロメア配列の直接的な増幅を招く。
本明細書中に使用されるように、「反復(repetitive)単位」、「反復(repeat)単位」、「反復エレメント」は、テロメア反復配列のような、反復領域において反復されるまたは繰り返される最小のヌクレオチド配列を意味する。本発明において、増幅のための反復単位は、1またはそれを超えるヌクレオチドの反復単位、より好ましくは3および100ヌクレオチドの間の反復単位、最も好ましくは4および30ヌクレオチドの間の反復単位を含み得る。一般的に、これらの反復単位は、タンデム様式で並べられるが、反復単位の間に、非反復ヌクレオチドが存在し得る。本明細書において、「複数」の反復エレメントは、反復領域における少なくとも2またはそれを超える反復単位を意味する。各組のプライマーに対して増幅される反復単位の数は、プライマーの長さおよび反復単位のヌクレオチドの長さによって決まるであろう。当業者によって理解されるように、プライマー配列およびプライマーの長さは、反復単位に対するプライマーの安定性および特異性によって選択することができる。
一般的に、テロメア反復の直接的増幅のためのプライマーは、標的核酸の第1の一本鎖にハイブリダイズする第1のプライマーおよび標的核酸の第2の一本鎖にハイブリダイズする第2のプライマーを含み、ここに第1および第2の鎖は実質的に相補的である。プライマーは、その各鎖にハイブリダイズすると、ポリメラーゼによるプライマー延長が可能である。つまり、標的核酸にハイブリダイズしたプライマーは、標的核酸上のヌクレオチド残基に対して相補的な3’末端ヌクレオチド残基を有し、プライマーをポリメラーゼによって延長可能にする。選択されたプライマーは、反復領域の反復単位に対して相補的である。1つの態様において、少なくとも1つのプライマーの少なくとも1つのヌクレオチド残基は、改変されて、プライマーがハイブリダイズする少なくとも1つの反復単位のヌクレオチド残基とのミスマッチを生じ、ここに改変されたヌクレオチド残基は、プライマーが相互にハイブリダイズする時、他のプライマーの3’末端ヌクレオチド残基とのミスマッチも生じる。ミスマッチの含有は、プライマー−プライマーハイブリッドのプライマー延長を防ぐまたは制限する。
1つの好ましい具体例において、第1のプライマーの少なくとも1つのヌクレオチド残基は、改変されて、プライマーがハイブリダイズする第1の鎖の少なくとも1つの反復単位の改変された残基およびヌクレオチド残基の間にミスマッチを生じ、ここに改変されたヌクレオチド残基は、第1および第2のプライマーがお互いにハイブリダイズする時、第2のプライマーの3’末端ヌクレオチド残基とのミスマッチも生じる。
改変されたヌクレオチド残基は、3’末端ヌクレオチドから、好ましくは少なくとも1ヌクレオチド残基、より好ましくは少なくとも2ヌクレオチド残基、最も好ましくは少なくとも3ヌクレオチド残基であり、改変されたプライマーが標的核酸にハイブリダイズする時、ポリメラーゼによる効率的な延長を可能にする。
もう1つの態様において、反復単位を直接的に増幅するのに使用される両方のプライマーは、お互いへのプライマーのハイブリダイゼーションが、両方のプライマーの改変された残基および3’末端残基の間にミスマッチを生じるように、少なくとも1つの改変されたヌクレオチド残基を含む。従って、好ましい具体例において、上記の第1のプライマー上の改変されたヌクレオチド残基に加えて、第2のプライマーの少なくとも1つのヌクレオチド残基を改変して、第2のプライマーがハイブリダイズする第2の鎖の少なくとも1つの反復単位の改変された残基およびヌクレオチド残基の間にミスマッチを生じ、ここに第2のプライマー上の改変された残基は、プライマーが相互にハイブリダイズする時、第1のプライマーの3’末端ヌクレオチドとのミスマッチも生じる。
反復領域の反復単位を増幅するさらにもう1つの具体例において、本発明は、標的核酸の第1の一本鎖上の1を超える反復単位にハイブリダイズする第1のプライマー、および標的核酸の第2の一本鎖上の1を超える反復単位にハイブリダイズする第2のプライマーを含み、ここに、第1および第2の鎖は、実質的に相補的である。上記のように、標的核酸のその各鎖にハイブリダイズすると、プライマーはプライマー延長が可能である。1つの態様において、少なくとも1つのプライマーのヌクレオチド残基は、改変されて、プライマーがハイブリダイズする標的核酸の一本鎖の各反復単位の同一のヌクレオチド位置にて、改変された残基およびヌクレオチド残基の間にミスマッチを生じる。また、これらの改変されたヌクレオチド残基は、プライマーが相互にハイブリダイズする時、他のプライマーの3’末端ヌクレオチド残基とミスマッチを生じ、すなわち、プライマー−プライマーハイブリッドのプライマー延長をさらに制限する。
従って、1つの好ましい具体例において、第1のプライマーのヌクレオチド残基は改変されて、プライマーがハイブリダイズする標的核酸の第1の鎖の各反復単位の同一のヌクレオチド位置にて、改変された残基およびヌクレオチド残基の間にミスマッチを生じる。また、これらの改変されたヌクレオチドは、第1および第2のプライマーが相互にハイブリダイズする時に、第2のプライマーの3’末端ヌクレオチド残基とミスマッチを生じる。
改変されたヌクレオチド残基は、3’末端ヌクレオチドから、好ましくは少なくとも1ヌクレオチド残基、より好ましくは少なくとも2ヌクレオチド残基、最も好ましくは少なくとも3ヌクレオチド残基で、改変されたプライマーが標的核酸にハイブリダイズする時、ポリメラーゼによる効率的な延長を可能にする。
もう1つの態様において、両方のプライマーは、改変されたヌクレオチド残基を含んで、プライマーの相互へのハイブリダイゼーションは、両方のプライマーの3’末端ヌクレオチドのミスマッチを生じさせる。従って、好ましい具体例において、第1のプライマー上の改変されたヌクレオチド残基に加えて、第2のプライマーのヌクレオチド残基は改変されて、プライマーがハイブリダイズする第2の鎖の各反復単位の同一のヌクレオチド位置にて、第2のプライマーの改変された残基およびヌクレオチド残基の間にミスマッチを生じる。また、第2のプライマーのこれらの改変されたヌクレオチドは、プライマーが相互にハイブリダイズする時、第1のプライマーの3’末端ヌクレオチド残基とミスマッチを生じる。
標的核酸にハイブリダイズしたプライマーは、プライマー延長が可能でなければならないため、第1および第2のプライマーの改変は、反復単位の非相補的ヌクレオチド上になければならない。従って、1つの態様において、第1および第2のプライマーの両方が改変された残基を含む時、改変は、反復単位の隣接したヌクレオチド位置にある。もう1つの態様において、改変は、反復単位の非隣接ヌクレオチド位置にある。一般的に、隣接したヌクレオチド位置のミスマッチは、短い反復配列(つまり、3-6塩基対)を効果的に増幅するのに重要であり得る改変されたヌクレオチドおよび3’末端ヌクレオチドの間の非常に多数の塩基対合したまたは相補的残基を提供する。
もう1つの具体例において、第1および第2のプライマーは、さらに、標的核酸とハイブリダイズしない5’末端領域(つまり、塩基対)を含む。不対合領域は、3ないし60ヌクレオチドの好ましい範囲、4ないし30ヌクレオチドの最も好ましい範囲で、1またはそれを超えるヌクレオチドを含む。プライマーが、反復領域の反復単位の増幅に向けられると、5’不対合領域は、複製されたプライマー延長産物の3’末端が、次の増幅サイクルの間に、増幅産物の内部反復単位からの核酸合成を開始するのを妨害する。
5’−末端不対合領域は、標的核酸にハイブリダイズしないいずれの配列のものであってもよいが、好ましい具体例において、不対合領域は、制限部位、配列決定またはプライマー延長反応(つまり、増幅)の目的のための独特の配列、または増幅産物を検出および測定するためのタグ配列を含む。
上記のように、好ましい具体例において、本発明のプライマーは、望ましくない増幅産物の発生を制限し、単一の反応体積におけるいくつかの標的核酸の増幅および検出を可能にするために、同様のTmを有するように設計される。加えて、様々な生物のテロメアは、異なる反復単位配列を有するため、特異的な生物のテロメアの増幅は、各異なる生物の反復単位に特異的なプライマーを使用するであろう。ヒトテロメア配列を本明細書中で使用して、タンデム反復核酸配列の直接的な増幅および定量化に対する本発明の実施を示すが、開示される特定の具体例に制限されるものではない。
増幅反応は、上記論議のように、当該分野においてよく知られる手順によって実施する(例えば、米国特許第4,683,195号および同第4,683,202号参照)。プライマー延長段階の時間および温度は、ポリメラーゼ、増幅される標的核酸の長さ、および増幅に使用されるプライマー配列によって決まるであろう。標的核酸を十分に増幅するのに必要な反復段階の数は、各サイクルに対する増幅の効率および標的核酸の出発コピー数によって決まるであろう。当該分野においてよく知られるように、これらのパラメーターは、当業者によって調整されて、増幅の所望のレベルを達成することができる。当業者は、本発明が、増幅プロセスにおいて適用される時間、温度、緩衝条件、および増幅サイクルにおける変動によって制限されないことを理解するであろう。
プライマーの標的核酸へのハイブリダイゼーションおよび増幅反応において、アッセイは、一般的に、標的核酸の存在下で、ハイブリッドの形成を可能にするストリンジェンシー条件下で行われる。当業者は、温度、塩濃度、pH,有機溶媒、カオトロピック剤、または他の変数を改変して、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーを制御し、またプライマーの非特異的標的へのハイブリダイゼーションを(つまり、「ホットスタート」PCRまたは「タッチダウン」PCRによって)最小化する。
プライマーを標的核酸に接触させた後、反応を、増幅酵素、一般的にポリメラーゼによって処理する。適当なポリメラーゼの種類は、Taqポリメラーゼ、KlenTaq、Tflポリメラーゼ、DynaZyme等を含めて、当該分野でよく知られている。一般的に、全てのポリメラーゼは本発明に適用可能であるが、好ましいポリメラーゼは、強い3’ないし5’エキソヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼの使用は、ミスマッチの3’末端ヌクレオチドを排除する傾向があるため、3’ないし5’エキソヌクレアーゼ活性を欠く熱安定性ポリメラーゼである。また、減少したまたは非−機能的3’ないし5’エキソヌクレアーゼ活性(例えば、Pfu(エクソ−)、Vent(エクソ−)、Pyra(エクソ−)等)を有するように設計されたポリメラーゼも有用である。また、ハイブリダイズされたプライマーを最適に延長するために使用されるポリメラーゼの混合物も適用可能である。もう1つの態様において、本発明に有用なポリメラーゼ酵素は、増幅に適した温度でのみ活性化するように処方される。増幅温度において不活性となるポリメラーゼ阻害抗体の存在、あるいは増幅温度に到達するまでそれを利用できなくする形態に酵素を隔離することは、いずれも適当である。これらのポリメラーゼ処方によって、非標的核酸配列のプライミングを防ぎつつ、全要素を混合することが可能である。
もう1つの態様において、当業者は、様々な剤を反応物に添加して、ポリメラーゼの処理性を増加させる、不活性化からポリメラーゼを安定させる、プライマーの非特異的ハイブリダイゼーションを減少させる、あるいは複製の効率を増加させることができることを認識するであろう。そのような添加剤は、硫酸ジメチル、ホルムアミド、アセトアミド、グリセロール、ポリエチレングリコール、またはE.coli、一本鎖DNA結合タンパク質、T4遺伝子32蛋白質、ウシ血清アルブミン、ゼラチン等のような蛋白質性剤を含むが、これらに限定されるものではない。もう1つの態様において、当業者は、例えばGCリッチまたは反復配列といった特定のタイプの配列の増幅に対して、様々なヌクレオチドアナログを使用することができる。これらのアナログは、c7-dGTP、ヒドロキシメチル−dUTP、dITP、7-デアザ-dGTP等を含む。
増幅の産物は、当業者によく知られた方法によって検出され分析される。増幅された産物は、産物の分離および/または精製後、あるいは、増幅反応において形成された産物の直接的測定によって分析することができる。分離および精製方法は、なかでも、電気泳動法(つまり、アガロースまたはアクリルアミドゲル)、クロマトグラフィー(つまり、親和性、モレキュラーシーブ、逆相等)およびハイブリダイゼーションを含む。精製された産物は、当該分野でよく知られるように、さらに増幅に付されてもよい。検出のため、産物は、蛍光化合物で、例えば、臭化エチジウムまたはSYBRTMGreenで、あるいは標識された核酸プローブによるハイブリダイゼーションによって、間接的に同定することができる。別法として、標識されたプライマーまたは標識されたヌクレオチドを、増幅反応で使用して、増幅産物を標識する。標識は、蛍光標識、放射性標識、電子標識、およびビオチンまたはジゴキシゲニンのような間接標識を含むいずれの検出部位も含む。間接標識が使用される時、間接標識を結合する二次結合剤を使用して、増幅産物の存在を検出する。これらの二次結合剤は、抗体、ハプテン、または間接標識に結合する他の結合パートナー(例えば、アビジン)を含み得る。二次結合剤は、好ましくは、蛍光部位、放射性部位、酵素等で標識される。
1つの具体例において、増幅産物は、その変形が当該分野でよく知られているリアルタイム定量PCRによる増幅反応の間に、検出され、定量化され得る。例えば、TaqManシステムは、標的核酸を増幅するのに使用されるプライマーによって網羅された核酸セグメント内の内部配列における配列にハイブリダイズするプローブプライマーを使用する(Heid, C.A. et al., Genome Res. 6:986-94 (1996); Holland, P.M. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88:7276-80 (1991))。このプローブは、2つの異なる蛍光色素(つまり、二重標識された蛍光発生的なオリゴヌクレオチドプローブ)、5’末端レポーター色素(TAMRA)および3’末端蛍光クエンチング色素(FAM)によって標識される。PCRの延長相の間のDNAポリメラーゼの5’ないし3’エクソヌクレアーゼ活性によるプローブの開裂は、クエンチャーの近くから蛍光発生的な分子を放出し、従って、蛍光強度を増加させる。
もう1つの態様において、リアルタイム定量PCRは、ハイブリダイゼーションプローブの間の蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)に基づいていてもよい(Wittwer, C.T., Biotechniques 22:130-138 (1997))。この方法において、2つのオリゴヌクレオチドプローブは、標的核酸配列の隣接領域にハイブリダイズする。上流プローブは、エキサイサー色素(つまり、FITC)によって3’末端にて標識され、一方、隣接してハイブリダイズする下流プローブは、レポーター色素によって5’末端にて標識される。増幅された標的核酸配列への2つのプローブのハイブリダイゼーションは、FRETが起こるのに十分に空間的近くに、2つの色素を置く。これによって、ポリメラーゼ連鎖反応の間、増幅された産物の量をモニタリングすることが可能になる。同様のアプローチが、分子ビーコン(beacon)プローブにおいて使用される(Tyagi, S., Nat. Biotechnol. 16:49-53 (1998))。分子ビーコン(beacon)は、PCR産物特異的オリゴヌクレオチドの反対端に、クエンチャー色素およびレポーター色素を含むオリゴヌクレオチドプローブである。また、色素はFRETに基づき機能し、従って、刺激色素およびレポーター色素よりなっていてもよい。5’および3’末端領域の短い相補的セグメントによって、ステムループ構造の形成が可能になり、これはオリゴヌクレオチドの末端の色素を近くに置き、従って、蛍光クエンチングまたはFRETが生じる。オリゴヌクレオチドが分子ビーコン(beacon)プローブの内部領域における相補的配列を介して、PCR産物にハイブリダイズする時、オリゴヌクレオチドプローブの蛍光は影響され、従って、産物合成のモニタリングを可能にする。
好ましい具体例において、リアルタイム定量PCRは、PCR反応の間、二本鎖核酸増幅産物に優先的に結合する蛍光色素を使用して、産物合成の継続モニタリングを可能にする(例えば、Higuchi, R. et al., Biotechnology 11:1026-30 (1993); T.B. et al., Biotechniques 24:954-62 (1998)参照)。適当な蛍光色素は、なかでも、臭化エチジウム、YO PRO-1TM(Ishiguro, T., Anal. Biochem. 229:207-13 (1995))、およびSYBRTM Green色素(Molecular Probes, Eugene, OR, USA)を含む。反復領域を含む標的核酸を増幅する時、もしFRETまたは分子ビーコン(beacon)プローブが反復単位に指向されるなら、FRETまたは分子ビーコン(beacon)べースのプローブは好ましくないが、これはそれらはプライマー上の反復配列にハイブリダイズし、すなわちプライマーおよび増幅された産物の間を識別することができないからである。
さらに好ましい具体例において、リアルタイム定量PCRは、3’末端ヌクレオチドの近くに付着した単一のフルオロフォアを含有するプライマーで達成される(Nazarenko, I. et al., Nucleic Acids Res. 30:e37 (2002); Nazarenko, I. et al., Nucleic Acids, Res, 30:2089-2195 (2002); LUXTM Fluorogenic Primers, Invitrogen, Palo Alto, CA;本明細書中に引用によって援用される)。これらのプライマーの5’末端は、平滑末端ヘアピン(つまり、ステムループ)構造を生じる3’末端領域にハイブリダイズすることが可能な5ないし7ヌクレオチド延長を有し、この形成は、フルオロフォアの蛍光クエンチングを生じる。プライマーが、例えば鋳型上のプライマー延長によって二本鎖を形成する時、クエンチングは減少または排除され、従って、試料中のPCR産物の測定を提供する。単一のフルオロフォアのみが使用されるため、異なるフルオロフォアが単一の反応において使用され検出されてもよい。結果的に、これらのプライマーは、識別可能なフルオロフォアを有する異なるプライマー組の使用によって、単一の反応容器における複数の異なる標的核酸の増幅および検出に有用である。本明細書中で論議されるように、様々な標的核酸は、さらに本明細書中で記載されるように、単一のコピー遺伝子および反復配列の組合せを含む。
PCR反応のリアルタイムモニタリングに適した器具類は、定量PCR方法における使用に対して入手可能である(ABI Prism 7700, Applied Biosystems Division, Perkin Elmer, Fosters City, CA, USA; LightCyclerTM, Roche Molecular Biochemicals, Indianapolis, IN, USA)。他のリアルタイムPCR検出システムは、当業者に知られている。
リアルタイム定量PCRを使用して、増幅産物を検出し測定する時、様々なアルゴリズムを使用して、試料中の標的核酸の数を計算する(例えば、ABI Prism 7700 Software Version 1.7; LightcyclerTM Software Version 3参照)。定量化は、標的核酸の既知のコピー数を有する標準試料の使用、および標準の対数および閾値(Ct)のサイクルからの標準曲線の発生を含む。一般的に、Ctは、増幅産物によって生じる蛍光がベースライン蛍光を数偏差超えるPCRサイクルまたは分別PCRサイクルである(Higuchi, R. et al., 上記)。リアルタイム定量PCRは、約7ないし8桁の直線性を提供し、これにより広範なダイナミックレンジにわたる標的核酸のコピー数の測定が可能になる。標的核酸コピーの絶対数は、標準曲線のCt値および試料の比較から引き出すことができる。
また、テロメア反復または標的核酸のコピー数は、比較定量的リアルタイムPCRによって決定することができる。既知のコピー数または定常的コピー数の核酸の使用によって、試料における標的核酸のコピー数の定量化が可能である。基準は、単一のコピー遺伝子、既知のコピー数を有する核酸、あるいはRNAコピー数を定量化する時には、構成的に発現するハウスキーピング遺伝子であってもよい(Johnson, M.R. Anal. Biochem. 278:175-84 (2000); Boulay, J.-L., et al., Biotechniques 27:228-32 (1999)参照)。
増幅された産物は、上記のように定量化される。好ましい具体例において、リアルタイム定量PCRを使用して、標的核酸試料におけるテロメア反復単位のコピー数を決定する。テロメア反復単位数を決定し比較する基準は、単一のコピー遺伝子(例えば、リボソームリン蛋白質 364B)または既知のコピー数の標的核酸(例えば、既知の数のテロメア反復単位を有するプラスミド)の使用を含む。本明細書中に記載の方法によって、大多数の試料の反復単位のコピー数は、テロメア反復単位の数、すなわちテロメアの平均の長さを決定する目的のために定量化されてもよい。
個体または集団のテロメアの長さの決定後、測定された値は、集団、特に集団内の個体に対する死亡の危険性または病気の発症率と相関させることができる。様々な統計学的分析をこの目的のために使用することができ、これは、限定されるものではないが、Cox比例ハザード回帰分析、カプラン−マイヤー生存分布推定量、Peto ウイルコクソン検定、最尤分析、重回帰分析その他を含む。様々な形態の生存分析を含むそのような統計の方法は、当該分野でよく知られており、統計学に関する標準の文献に記載されている(例えば、Cantor, A.B. SAS Survival Analysis Techniques for Medical Research, 2nd Ed., SAS Publishing, Cary, North Carolina (2003); Hosmer, D.W. et al., Applied Survival Analysis: Regression Modeling of Time to Event Data Wiley-Interscience, Hoboken, NJ (2002); Lee, E.T., Statistical Methods for Survival Data Analysis, 2nd Ed., John Wiley & Sons, Hoboken, NJ (1992); and Schork, M.A. and Remington, R.D., Statistics with Applications to the Biological and Health Sciences, 3rd Ed., Prentice Hall, Upper Saddle River, NJ (2000)参照)。全出版物は、その全文において、引用によって援用される。
本発明において、テロメアの長さ、あるいはいくつかの具体例において、テロメアの長さの変化の速度は、死亡の危険性と相関している。すなわち、テロメアの長さは、異なる年齢群に対する生存または死亡の危険性を予測するのに有用なマーカーである。さらなる具体例において、測定されたテロメアの長さは、病気、特に年齢に関連した病気の発症率を相関させるのに使用され、該病気は、心疾患(例えば、高血圧症、心筋梗塞、脳梗塞等)、腫瘍性疾患(例えば、癌、癌腫、悪性腫瘍等)、および感染症に対する罹患性を含むが、これらに限定されるものではない。
テロメアの長さおよび死亡の危険性または病気発症率の間の相関は、病気の予後診断および治療的適用に使用することができる。1つの好ましい具体例において、該方法を使用して、増加した死亡の危険性、高齢な生物学的年齢、または年齢に関連した病気からの死亡の増加した危険性を有する集団の範囲内にあるテロメアの長さを有する個体または個体の群を同定する。これは、さらなる医学スクリーニングまたは早期の医学介入を必要とし得る個体を同定する基準を提供することができる。
例えば、テロメアの長さの上位半数のものと比較して、テロメアの長さの下位半数のものに対して、感染症からの死亡に対する統計学的に有意に増加した死亡率割合が存在することが本明細書中に示される。加えて、心臓病からの死亡に対する死亡率割合の統計学的に有意な増加が、テロメアの長さの下位半数対上位半数に対して観察される。従って、臨床実践におけるテロメアの長さのアッセイの結果は、医師がこれらの病気の各々の特異的な患者の危険性を評価するのを助け、そして、該患者に対する医師の治療計画において違いが出てくるかもしれない。
もう1つの適用において、該方法を使用して、テロメアの短縮に影響を及ぼすまたはそれに関連した環境要因を同定することができる。発癌性物質、催奇形物質、放射線、または他の環境要因に対する露出の多い集団を、露出、テロメアの長さ、および年齢に関連した病気の間のいずれかの統計学的に有意な相関の存在についてテストし検査することができる。これは、集団の健康に対する有害な影響を減少させるために減らす、あるいは最小化することが可能な環境リスク要因を同定することができる。
さらなる適用において、本発明の方法を使用して、テロメアの短縮およびそれらの死亡に対する関係および様々な年齢に関連した病気に対する罹患性に寄与する遺伝子、遺伝的連鎖、または他の遺伝的要因を同定することができる。大集団の研究はそのようなリスク要因の同定を促進することができる。
本発明の特異的な具体例の前記の記載は、説明および記載の目的のために提示されてきた。それらは、包括的であるように、あるいは本発明を開示される正確な形態に制限するように意図されておらず、明らかに、多くの修飾および変形が、上記教示に鑑みて可能である。
本明細書中で言及される全出版物および特許出願は、各個々の出版物または特許出願が、引用によって援用されるように、具体的かつ個々に示されるなら、同程度に引用によって本明細書中に援用される。
実施例1
平均のテロメア長の決定
ゲノムDNAを、標準的な手順によって血液試料から抽出した。テロメア測定に対する定量PCR対サザーンブロットアプローチを比較するのに使用した試料は、ヒト遺伝子連鎖マップを作成するために世界中で使用されるCentre pour les Etudes du Polymorphisme Humaine(CEPH)コレクションの一員であるユタ家族からの21人の関連のない個人(年齢が61ないし94歳の11人の女性および10人の男性)によって提供された(White, R. et al. (1985) Nature 313:101-105)。精製されたDNA試料を、96−ウェルマイクロタイターソースプレートにおいて、10mM Tris-HCl, 0.1mM EDTA, pH 7.5中の約1.75ng/ul(最終容量300ul/ウェル)まで希釈し、熱サイクラーにおいて5分間、95℃まで加熱し、氷水漕への移動によって5分間素速く冷やし、700xgにて簡潔に遠心分離し、粘着性アルミホイルで密閉し、アッセイの時間まで4℃にて保存した。
抽出したDNA試料に対するリアルタイム定量PCRを、別々の96ウェルプレート上で行う。PCR試薬の2つのマスターミックスを調製し、1つはテロメア(T)プライマー対を有し、他方は単一のコピー遺伝子(S)プライマー対を有する。Tマスターミックスの30マイクロリットルを、各試料ウェルおよび第1のプレートの標準曲線ウェルに添加し、Sマスターミックスの30マイクロリットルを、各試料ウェルおよび第2のプレートの標準曲線ウェルに添加した。T/S率がアッセイされた各個人につき、DNA試料の3つの同一の20ulアリコット(35ng/アリコット)をプレート1に添加し、もう1つの3つのアリコットをプレート2の同一のウェル位置に添加した。各標準曲線に、1つの標準DNA試料を、〜1.68倍/希釈によって、TE(10mM Tris, 1mM EDTA, pH 7.0)中で連続して希釈して、0.63ng/ulから最大5ng/ulの範囲のDNAの5つの濃度を生成し、次いで、これを各プレート上の標準曲線ウェルへ、20ulアリコットに分けた。次いで、プレートを透明の粘着カバーで密閉し、700xgにて簡潔に遠心分離し、PCRを行うまで(0ないし3日後)暗室で4℃にて保存した。
tel 1およびtel 2プライマーによるPCRにおける試薬の最終濃度は、150nM 6-ROXおよび0.2x SYBRTM Green I (Molecular Probes, Inc.); 15mM Tris-HCl, pH 8.0; 50mM KCl; 2mM MgCl2; 各dNTPの0.2mM; 5mM DTT; 1% DMSO; およびAmpliTaq Gold DNAポリメラーゼの1.25単位(Applied Biosystems, Inc.)であった。熱サイクリングプロファイルは、10分間の95℃インキュベーションで始まって、AmpliTaq Gold DNAポリメラーゼを活性化した。tel 1およびtel 2プライマーによって、続けて、95℃x15s、54℃x2分の18サイクルがあった。テロメアプライマー濃度は、tel 1, 270nM; tel 2, 900nMであった。5’ないし3’方向におけるプライマー配列は、tel 1、GGTTTTTGAGGGTGAGGGTGAGGGTGAGGGTGAGGGT;およびtel 2、TCCCGACTATCCCTATCCCTATCCCTATCCCTATCCCTAであった。
別法として、テロメア反復配列を増幅するのに使用されるプライマーを、特に、同様または同一のGC含有量を有するようにプライマーを設計することによって、同様のTmを有するように最適化した:tel 1b, CGGTTTGTTTGGGTTTGGGTTTGGGTTTGGGTTTGGGTT;およびtel 2b, GGCTTGCCTTACCCTTACCCTTACCCTTACCCTTACCCT。Tm最適化プライマーの各々は、プライマーの3’末端の最後の5つの塩基において、テロメアDNA配列に対して完全な相補性を有する。tel 1およびtel 2プライマーに関しては、最適化されたプライマーは、合計して5つの導入された塩基変化につき、3’末端から6番目の塩基における、および5’方向でその後の6番目毎の塩基において、意図的に導入された単一塩基置換を有する。これによって、プライマーがテロメアDNAに最適にハイブリダイズする時、5つの単一塩基ミスマッチが生じる。最適化プライマーの相互に対するハイブリダイゼーションの結果、反復において、かつ各プライマーの3’末端塩基が他のプライマーに対してミスマッチしているところの6つの位置のうち4つにおいて塩基対合が生じる。
tel 1bおよびtel 2bを用いる増幅に対して、増幅条件は、30マイクロリットル/反応の最終容量において、0.4xSybr Green I, 1.5mM MgCl2, 1% DMSO, 2.5mM DTT, 200マイクロモラー各dNTP, AmpliTaq Gold DNAポリメラーゼの0.75単位, tel 1bプライマーの450nM,およびtel 2bプライマーの450nMであった。熱サイクリングプロファイルは、ポリメラーゼを活性化するのに95℃x10分であり;続いて15秒間、95℃の18サイクル(変性)および2分間56℃(アニール/延長)であった。ROX色素は全くこのアッセイに必要ない。
単一コピー遺伝子36B4プライマーによるPCRに対して、反応条件は、150nM 6-ROXおよび0.2xSYBRTM Green I (Molecular Probes, Inc.); 15mM Tris-HCl, pH 8.0; 50mM KCl; 2mM MgCl2; 各dNTPの0.2mM; 5mM DTT; 1% DMSO; およびAmpliTaq Gold DNAポリメラーゼ(Applied Biosystems, Inc.)の1.25単位であった。最終36B4(単一コピー遺伝子)プライマー濃度は、36B4u、300nMおよび36B4d、500nMであった。熱サイクリングプロファイルは、10分間の95℃インキュベーションによって開始して、AmpliTaq Gold DNAポリメラーゼを活性化した。その後、95℃x15秒、58℃x1分の30回転が続いた。別法として、増幅条件は、30マイクロリットル/反応の最終容量において、0.4xSybr Green I, 3.5mM MgCl2, 1% DMSO, 2.5mM DTT, 200マイクロモラー各dNTP, AmpliTaq Gold DNAポリメラーゼの0.75単位, 36B4uプライマーの300nM, および36B4dプライマーの500nMであった。熱サイクリングプロファイルは、ポリメラーゼを活性化するのに95℃x10分;その後、15秒間、95℃の30サイクル(変性)および1分間56℃(アニール/延長)であった。このアッセイに、ROX色素は必要ない。単一コピー遺伝子プライマーの配列は、36B4u, CAGCAAGTGGGAAGGTGTAATCC;および36B4d, CCCATTCTATCATCAACGGGTACAAである。(酸性リボソームリン酸蛋白質POをコードする36B4遺伝子は、染色体12に位置する;Boulay et al. (1999) Biotechniques 27: 228-32参照)。
全PCRを、ABI Prism 7700 Sequence Detection System (Applied Biosystems, Inc., Foster City, CA, USA)、PCRの各サイクルの間、蛍光分子からの発光を励起し読み取るように備えられた熱サイクラー上で行った。次いで、ABIのSDSバージョン1.7ソフトウェアを使用して、各プレートに対する標準曲線を作り、各試料においてTおよびS量に対応する標準の希釈因子を決定した。
ヒトDNAの35ngの存在下で、テロメアPCR産物を、PCRの約9サイクルから始まるリアルタイム定量PCRによって検出した。アガロースゲル上の電気泳動法による25サイクル後の産物の分析および臭化エチジウムによる染色は、テロメア特異的プライマーの長さの合計に等しい約76塩基対から始まる産物ないし約400塩基対の産物の塗沫を示す。PCRのコピー数は、PCRの第1のサイクルにおいてプライマーの結合に利用可能な部位の数に比例する。ゲノムDNAを排除すると、テロメアまたは単一のコピー遺伝子プライマーのいずれかの25サイクル後、増幅産物の検出はできない。
平均のテロメア制限断片(TRF)の長さは、Slagboom et al,, (1994) Am. J. Hum. Genet 55:876-82によって記載されるように決定された。精製した全血DNAの約0.5ugを、Hae III制限酵素によって、完全に消化した。次いで、消化された試料を、DNAサイズ標準と混合し、アガロースゲル上の電気泳動法によって分離し、ナイロン膜に移した。該膜を、32P末端標識オリゴヌクレオチド、(TTAGGG)7とハイブリダイズさせ、洗浄して、非特異的結合分子を除去し、1ないし5日間、ホスホルプレートに暴露し、PhosphorImager(Molecular Dynamics, Inc.)でスキャンした。次いで、ブロットはテロメアプローブを失い、DNAサイズ標準に対して照射標識されたプローブとハイブリダイズさせ、洗浄し、ホスホルプレートに暴露し、スキャンした。次いで、サイズ標準イメージおよびテロメア塗沫イメージを、テロメア塗沫内のサイズ間隔の位置に置くように重ね合わせた。次いで、平均のTRFの長さを、平均のTRFの長さ=(S ODi)/(S ODi/Li)[式中、ODiは、間隔iにおけるバックグラウンドを超える総放射能であり、Liは、塩基対におけるiの平均の長さである]として計算した。この全手順を二度行った;つまり、各個に対して決定された2つの平均TRFの長さの値を、2つの独立した実験から得た。
T/S値(テロメア対単一のコピー遺伝子率)を測定するために、Ct値−増幅試料の累積蛍光が、バックグラウンド蛍光を数標準偏差超える設定閾値と交差するところでの部分サイクル数を、テロメア特異的(T)プライマーおよび単一のコピー遺伝子特異的(S)プライマーで増幅した試料に対して決定した。PCR産物の量が、PCRの各サイクルにおいて、ほぼ二倍であるため、T/S率は、大体、[2Ct(テロメア)/2Ct(単一のコピー遺伝子)]-1=2-ΔCtである。平均のΔCtは、−9.05であった(図2参照)。つまり、単一のコピー遺伝子のPCRは、リアルタイムPCRで測定された同等の蛍光シグナルを生じるのに、テロメアのPCRよりも約9サイクルを余計に必要とした。標準偏差は1.48%であった。
もう1つの試料のT/Sに対する1つの試料のT/Sである相対的T/S率を、2-(ΔCt1-ΔCt2)=2-ΔΔCtと表す。この式で、各試料の相対的T/S率を計算することができる。21人の無関連の患者のDNA試料を増幅し、リアルタイム定量PCRによって定量化した(実験2参照)。PCRから計算された相対的T/S率の比較は、サザーンハイブリダイゼーションによって決定された平均のTRFの長さと上手く相関した(図3参照)。y切片は、約3.6kbpであり、これは、大体、制限酵素認識部位およびテロメア六量体反復の始まりの間のサブテロメア領域の平均の長さである(Hultdin, M. (1998) Nucleic Acids. Res. 26: 3651-56)。さらに、相対的T/S率によって測定されたように、全血において観察された平均のテロメアの長さは、無関連の年齢および性別適合した成人の間で、2.5範囲を超えて変動する。変動のこの範囲は、もし3.4kbpの平均のサブテロメアの長さが、各報告された平均のTRFの長さから減算されるなら、年齢の適合した成人におけるTRFの長さの変動の範囲に対する他の研究と非常に一致する(Hultdin, M. (1998) Nucleic Acids Res. 3651-56; Vaziri, H. et al. (1993) Am. J. Hum. Genet. 52: 661-67)。
実施例2
ヒトにおけるテロメアの長さおよび死亡
143人のリサーチ対象は、60−97歳の無関連のユタ州住民であり、彼らは、ヒト遺伝子連鎖マップ(White R. et al, Nature 313: 101-105 (1985))を作るのに使用される細胞系統のCEPH(Centre d'Etude du Polymorphisme Humain)コレクションに提供するために、1982年ないし1986年に血液を提供し、追跡生存データが入手可能であった人々である。誕生日および死亡日を、Utah Population Database (UPDB)、およびSocial Security Death Indexから得た。2002年半ばまでに、101の既知の死亡があった。残りの42人の対象に関して、彼らが生存していたと最後に分かる日付を、採血後に確立した。(International Classification of Diseases, 第九および第十改訂版にコードされたユタ州死亡診断書からの)死因による生存分析を、UPDB識別番号を有する124の個人に制限した。この研究は、ユタ大学のInstitutional Review Boardによって承認された。
元の採血から直接調製した総ゲノムDNAにおける相対的TLを、定量ポリメラーゼ連鎖反応アッセイによって測定し(Cawthon, R.M. Nucleic Acids Res. 30: e47 (2002))、これは参照DNA試料と比較して、実験試料におけるテロメア反復コピー数対単一のコピー遺伝子コピー数の相対的割合(T/S率)を決定する。DNA試料のもう一組において、T/S率を、同一の参照DNA試料に対して測定し、平均の末端制限断片(TRF)の長さを決定した(Cawthon, 上記)。これらの試料に対する平均のTRFの長さ対T/Sのプロットの勾配を、この生存研究において、各T/S率に対する塩基対における大体のテロメアの長さを計算するための換算率として使用した。年齢60ないし97歳のこれらの対象において、TLは1930ないし4310bpの範囲であった。採血時の年齢の各1年増加は、約14bpのテロメア配列喪失/年に対応する、相対的T/S率の0.0048減少(95% CI [0.00137ないし0.00823], P=0.0074)と関連していた。女性および男性は、これらの断面データ(P=0.645)から予測されるテロメア短縮の速度において有意に異ならなかった。女性のテロメアは、年齢の調整後、男性のものより3.5%長かったが、この差は統計学的に有意ではなかった(P=0.157)。
Cox比例ハザード回帰モデル(Ghali, W.A. et al. JAMA 286: 1494-1497 (2001))を使用して、統計学的に年齢の適合した個人の間のテロメアの長さ(TL)の差が、生存の差と関連するかをテストした。連続型変数として分析される時、TLは、年齢適合死亡率と逆に関連していた(Cox比例ハザード回帰計数=-1.87, 95% CI [-3.35ないし-0.392], P=0.013)。全ての他の分析において、TLを、各比較において全ての利用可能な試料を用いて、二分特徴(「より短い」対「より長い」)として処理した(つまり、TL分布の下位半数対上位半数、および下位25%対上位75%)。高齢の個人が若齢の個人より短いテロメアを有する傾向にあるため、全試料に対する単一のTL分布の使用の結果、TLにつき「より短い」と評点される若い対象よりも高齢対象の割合が高く、かつTLにつき「より長い」と評点される高齢対象よりも若い対象の割合が高くなるだろう。各年齢にて、「より短い」対「より長い」TLを有する対象のより均整のとれた比率を達成するために、試料を採血時の年齢の6つのカテゴリー(60ないし64歳、対象の数:n=19;65−69、n=37;70−74、n=37;75−79、n=29;80−84、n=12;および85+、n=9)に階層化し、TL分布を各カテゴリー内で独立して決定した。各年齢群のTLに対して下位半数の個人を一緒にプールし、彼らの生存をプールした上位半数の個人のものと比較した。同様に、各年齢群のTLに対する下位4分の1の個人をプールし、彼らの生存をプールした上位75%の個人のものと比較した。比較された群(つまり、下位対上位半数、下位25%対上位75%)の間に、採血時の平均の年齢の有意な差はなかった。記述したものを除いて、生存を採血時から評価した。Coxモデルを使用して、採血時カテゴリーの年齢の間、および各年齢群内の両方の年齢差による死亡率の変動を制御した。
より短いテロメアを有する個人は、より長いテロメアを有する個人の二倍近い死亡率を有した(表1)。より短いテロメアと関連した平均生存期間の喪失(図1)は、女性に対して4.8年であり、男性に対して4.0年であった(全ての採血時の年齢カテゴリーにわたり平均した)。TLは、年齢60ないし74(P=0.021)から測定される時、死亡の有意な予測の判断材料であり、年齢75以上(P=0.086)から測定すると、適度な判断材料であった(表1、図2)。短い対長いテロメアと関連した過剰な死亡の危険性は、性別(P=0.878)、採血時の年齢(P=0.946)、または採血からの時間(P=0.851)によって変動しなかった。TLの下位半数のものの過剰な死亡率は、採血後少なくとも5年生存している対象のみを分析に含んだ時でさえ、有意であった(P=0.0063、n=112)。
Figure 0005686493
本明細書において提示される各死亡率の割合(MMR)は、より短いテロメアを有する対象の死亡率対より長いテロメアを有する対象の死亡率の割合である。全ての原因による死亡の全5つのカテゴリーにおいて、および原因特異的な死亡の最初のカテゴリー(心臓病)において、上記報告されたMMRは、テロメアの長さ(TL)分布の下位半数からの個人対該分布の上位半数からの個人に対してである。残りの5つのカテゴリーの原因特異的な死亡において、報告されたMMRは、TL分布の下位25%からの個人対分布の上位75%からの個人に対してである。n:各分析における個人の総数。d:全ての原因による死亡に対して、各分析において減少した個人の数;原因特異的な死亡に対して、リストされた死因から死亡した各分析における個人の数。
より短い対より長いテロメアを有することと関連した原因特異的な死亡の率の割合は、表1にも提示される。TL分布の下位半数からの対象は、上位半数の対象の三倍以上の心臓病死亡率を有した。分析が採血後少なくとも5年間生存した対象に制限された時でさえ、心臓病から死亡するこの上昇した危険性は有意なままであった(心臓病死亡の数=21、死亡率の割合4.87、95%CI[1.59ないし14.9]、P=0.006)。有意により高くはないが、脳血管病および癌に対する死亡率も、より短いテロメアを有する個人においてより高かった。感染症からの死亡率は、TL分布の下位25%の個人に対して、上位75%の個人に対してよりも、八倍高く、これは統計学的に有意な差である。感染症による死亡の中でも、採血および死亡の間の最短時間は1.5年であった。上記以外の既知の原因による残りの16の死亡は、死亡の単一のカテゴリーとして処理された;このカテゴリーにおける死亡の危険性も、有意により高くはないが、より短いテロメアを有する個人においてより高かった。
図1は、ヒトテロメア反復単位を増幅するのに使用されるオリゴヌクレオチドプライマー対、tel-1およびtel-2の配列を示す。テロメア反復配列に対するプライマーのハイブリダイゼーション図式およびプライマーの相互に対するハイブリダイゼーションを示す。tel-1プライマーは、セントロメアに向かって5’ないし3’の位置に置かれたテロメアDNAの鎖に沿って延びるいずれかの入手可能な相補的な31塩基対にハイブリダイズすることができる。tel-2プライマーは、染色体の末端に向かって5’ないし3’の位置に置かれた鎖に沿って延びるいずれかの相補的な33塩基対にハイブリダイズすることができる。各プライマーに対して、ヌクレオチド残基は改変されて、プライマーがハイブリダイズする各反復単位の同一のヌクレオチド位置にて、改変された残基およびヌクレオチド残基の間にミスマッチを生成する。従って、tel-1およびtel-2に対して、各6番目の塩基はミスマッチされる。プライマー−ダイマー産物を制限するために、各プライマーの改変された残基は、プライマーが相互にハイブリダイズする時に他方のプライマーの3’末端ヌクレオチド残基とミスマッチを生成し、従ってポリメラーゼによる延長を阻害する。加えて、プライマーの5’末端領域は、テロメア反復と塩基対しないように設計される。これらの相補的でない5’末端配列は、PCR産物の3’末端が、テロメア増幅産物の最中にDNA合成を開始するのを防ぐ。 図2は、相対的T/S率を測定するのに使用される標準曲線を示し、ここにT/S率は、単一のコピー遺伝子(S)に対するテロメア(T)の率である(実施例2参照)。八倍範囲を超える5つのDNAの濃度を、連続希釈(希釈因子〜1.68)によって生成し、マイクロタイタープレートウェルに等分した;最終容量/ウェルは、12.64ngないし100ngの範囲であり、中間の量は、アッセイされる試料のものと大体マッチした。DNA試料のCtは、蛍光シグナルの振幅の設定閾値と交差するのに十分な産物を累積するために、試料が付されなければならないPCRサイクルの部分数である。各アッセイされた試料のCtが、標準曲線のCtの範囲内にある限り、いずれかの個人またはプールされたヒトDNA試料を使用して、標準曲線を作り出してもよい。O=単一のコピー遺伝子36B4;Δ=テロメア。 図3は、本明細書において記載されるプライマーおよび従来のサザーンハイブリダイゼーション分析によって決定された平均のテロメア制限断片(TRF)の長さを用いるリアルタイム定量PCRによって決定された相対的T/S率の相関を示す。分析に使用されたDNA試料は、21人の個人から採取された血液からであった。標準曲線を用いて決定された初期T/S率は、全て、試料の間で観察された最低T/S率(0.69)に正規化されているため、プロットされた全ての相対的T/S率は、1.0の値を有する。最もデータに適合する直線回帰線に対する方程式を示す。 図4は、年齢60以降の血液DNAにおけるテロメアの長さ(TL)のその後の生存との関連を示す。グラフは、採血後、様々な時点(x軸)で、生存(y軸)していたリサーチ対象のオリジナル試料の割合を示す。各パネルにおいて、「より長い」は、TL分布の上位半数からの個人を確認し、「より短い」は、分布の下位半数からの個人を確認する;a、男女両方;b、女性;c、男性。データは、群予後診断法(Ghali, W.A. et al., JAMA 286: 1494-1497 (2001)、引用によって本明細書中に援用される)に従い、適切な標準曲線としてプロットされる。 図5は、年齢60ないし74歳の対象における、および年齢75歳またはそれ以上の対象におけるテロメアの長さ(TL)のその後の生存との関連を示す。グラフは、採血後の様々な時点(x軸)にて生存(y軸)していたリサーチ対象のオリジナル試料の割合を示す:a、採血時に年齢60ないし74歳だった対象;b、採血時に年齢75またはそれ以上だった対象。各パネルにおいて、「より長い」は、TL分布の上位半数からの個人を同定し、「より短い」は、分布の下位半数からの個人を確認する。

Claims (12)

  1. 生物の死亡の危険性を予測する方法であって:
    a)該生物のテロメアの長さを決定し
    b)該生物と60歳以上の年齢を適合させた集団において、二分特徴処理を行い、テロメアの長さと死亡の危険性とを相関させ;次いで
    c)該生物のテロメアの長さが、該生物と年齢を適合させた集団において、より短い場合、該生物は増大した死亡の危険性を有する生物であると予測する方法。
  2. 生物の死亡の危険性を予測する方法であって:
    a)該生物のテロメアの長さを決定し
    b)該生物と60歳以上の年齢を適合させた集団において、テロメアの長さを分布の下位半数対上位半数または下位25%対上位75%の二分特徴として処理し、テロメアの長さと、テロメアの長さ分布の下位からの個人対該分布の上位の個人に対する死亡率の割合である死亡の危険性と相関させ;次いで
    c)該生物のテロメアの長さが、該生物と年齢を適合させた集団において、より短い場合、該生物は増大した死亡の危険性を有する生物であると予測する方法。
  3. 該生物がヒトである請求項1または2記載の方法。
  4. テロメアの長さが平均的なテロメアの長さである請求項1または2記載の方法。
  5. 該平均的なテロメアの長さがポリメラーゼ連鎖反応によって決定される請求項4記載の方法。
  6. 該テロメアの長さが血液から決定される請求項1または2記載の方法。
  7. 該テロメアの長さがリンパ系細胞から決定される請求項1または2記載の方法。
  8. 該リンパ系細胞がT細胞を含む請求項7記載の方法。
  9. 該年齢を適合させた集団が、約10歳以内である請求項1または2記載の方法。
  10. 該年齢を適合させた集団が、約5歳以内である請求項1または2記載の方法。
  11. 該死亡が感染症に関連するものである請求項1または2記載の方法。
  12. 該死亡が血管疾患に関連するものである請求項1または2記載の方法。
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