JP2004533801A - 単一および多重標的dnaのためのインターカレーション色素を用いる実時間定量pcr - Google Patents

単一および多重標的dnaのためのインターカレーション色素を用いる実時間定量pcr Download PDF

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Abstract

PCRに基づくdsDNA定量法では、選択された時点でのそれぞれの増幅サイクルの間に、融解特性があらかじめ決定されている標的の蛍光を測定する。蛍光は、アニーリング相の直後(T におけるF )、標的/アンプリコンの融解の直下(TMSにおけるFMS)および上(TMEにおけるFME)で測定される。基線傾斜(S =−(FMS−F )/(TMS−T ))から融解相傾斜(S =−(FME−FMS)/(TME−TMS))への傾斜変化は、特異性増幅を示す。量(S −S )がゼロより大きくなるために要する増幅サイクルの数(C )は、標的の開始濃度(C)と相関する。試料内の標的の濃度は、試料のC の値を標準曲線と比較して決定される。区別可能な融解曲線特性を有する標的を選択して、複数の標的を同時に検出できる。

Description

【0001】
本出願は、2000年3月7日付けの米国仮出願(US)60/187537号の利益を主張する。
発明の分野
本発明は分子生物学の分野そしてさらに特定するとDNAに基づく診断プロトコールに関する。
発明の背景
多くの場合に、試料中の標的核酸のレベルを定量することが望ましい。例えば、食品または水試料中の病原性生物体の量、または作物中の遺伝子組換え生物体(GMO)の量を決定することは重要であろう。
【0002】
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)は、かかる検出のために感度が高くそして強力な方法である。PCR技術の多数の特異性適用は、定性および定量検出の両方について当該技術分野では公知である。特に、増幅したPCR産物を検出および定量するために蛍光色素を用いることは公知である。均質(homogeneous) PCRとしても知られるその場での増幅および検出もこれまでに記載されている。例えばヒグチら(Higuchi et al., Kinetics PCR Analysis: Real time Monitoring of DNA Amplification Reactions, Bio/Technology, Vol.11, 1026−1030ページ(1993)) 、イシグロら(Ishiguro et al., Homogeneous quantitative Assay of Hepatitis C Virus RNA by Polymerase Chain Reaction in the Presence of a Fluorescent Intercalater, Anal. Biochemistry 229, 20−213ページ(1995)) 、およびヴィトヴァーら(Wittwer et al., Continuous Fluorescence Monitoring of Rapid cycle DNA Amplification, Biotechniques, vol.22, 130−138ページ(1997)) 参照。
【0003】
これらの方法において、蛍光シグナルは、PCR反応のアニーリング/伸長相の間にサイクルあたりに1回得られる。しかし、このようにして測定された蛍光は、特異的に増幅された標的PCR産物(標的アンプリコン)、ならびに単一プライマー産物、プライマー−ダイマー、およびその他の異常なアンプリコンを含む非特異性アンプリコンの混合物の全蛍光を表す。これらのこれまで開示された方法は、特異性および非特異性アンプリコン間の区別ができず、そして標的コピー数が少ない場合には特に問題がある。
【0004】
さらに、これらの方法は、それぞれのPCR反応内の単一標的DNAを検出するために使用できるだけであるが、しかし一つのPCR反応内の複数の標的核酸を同時に検出することがしばしば望まれる。
【0005】
さらに、試料DNAが同時に増幅される場合に、同じ反応内での陽性対照を入手することが必要である。このような「内部陽性対照」は、PCR反応のための陽性制御として、および試験試料により導入される不純物のために増幅効率が変動するPCR反応を校正するための両方の場合に役立つであろう。
【0006】
低いコピー数の試料中の標的核酸濃度を信頼できるように決定し、標的アンプリコンと非特異性アンプリコンとを区別でき、そして複数の標的核酸を同時に検出および定量するために使用できる定量PCR方法を得るという要求がある。本出願で開示する本発明は、これらおよびその他の要求を満足する。
発明の要旨
標的核酸分子の融解が温度TMSで開始しそして温度TMEで完了する、試料内の標的核酸分子の量を実時間で検出するための方法であって、
A.i)適当な蛍光色素の存在下で、既知の開始濃度(C)を有し、変性、アニーリング、および連鎖伸長サイクルを介して標的核酸分子をPCR増幅し、ここで、色素が二本鎖核酸分子と結合すると蛍光が増加し、ここで連鎖伸長は連鎖伸長温度T で起き;
ii)蛍光(F)を、それぞれの増幅サイクルの間に、温度がT から上昇を開始する直前の温度において(T におけるF )、T とTMSとの間のなんらかの温度点(T )において(T におけるF )、TMSにおいて(TMSにおけるFMS)およびTMEにおいて(TMEにおけるFME)測定し;
iii)(T −T )で割った−(F −F )により定義される基線傾斜(S )、および(TME−TMS)で割った−(FME−FMS)により定義されるアンプリコン融解相傾斜(S )を算出し;
iv)量(S −S )が最初に0より大きくなるために必要なPCRサイクルの数(N)を記録し;
v)関係する濃度の適当な範囲内で段階i)からv)までを反復し、そして
vi)標的核酸配列のための標準曲線を得るためにCをC に対してプロットする;
ことにより標準曲線を確定し、そして
B.標的核酸分子の未知濃度を含む試料について段階(A)(i)から(A)(v)までを反復して試料についてのC 値を入手し、そして標準曲線を介して標的核酸分子濃度を決定する
ことを含んでなる方法。
【0007】
上記の本発明の方法は、試料内の複数の標的を検出するために使用してもよい。特に、試料がn種の標的核酸分子を含む場合、ここでnは3より大きい整数であり、ここで、第一標的核酸分子の融解は温度TMS1 で開始しそして温度TME1 で完了し、第二標的核酸分子の融解は温度TMS2 で開始しそして温度TME2 で完了し、第(n−1)標的核酸分子の融解は温度TMS(n−1) で開始しそして温度TME(n−1) で完了し、第n標的核酸分子の融解は温度TMSn で開始しそして温度TMEn で完了し、そしてここでTMSn はTME(n−1) より高い。多重検出のための本方法は、
A.単一標的検出の方法に従って標的核酸分子のそれぞれのための標準曲線を確定し;
B.標的核酸分子の未知濃度を含む試料を同時PCR増幅して、試料についてのN 、N ...およびN 値を入手し、そして標準曲線を介して標的核酸分子濃度を決定することを含んでなる。
【0008】
好ましい態様に従うと、第一および第二標的核酸分子は生物体の同じゲノム上に存在し、そして第一標的核酸分子のゲノムあたりのコピー数は既知であり、これにより、第二標的核酸分子のゲノムあたりのコピー数を決定する。
【0009】
本発明の他の態様に従うと、第一標的核酸はインベルターゼ遺伝子またはレクチン遺伝子であり、そしてここで、第二標的核酸は、CaMVの35Sプロモーター、Cry9C遺伝子、GA21遺伝子よりなる群より選ばれる。
【0010】
特に好ましい態様に従うと、核酸分子は、配列番号11、配列番号12、配列番号9および配列番号10よりなる群より選ばれる。
【0011】
最も好ましい態様に従うと、標的核酸分子は、遺伝子組換え生物体内に含まれる導入遺伝子の部分である核酸断片である。
【0012】
[発明の詳細な説明]
本発明のPCRに基づく方法は、選定された時点でそれぞれの増幅サイクルの間に増幅した標的(「標的アンプリコン」)の蛍光を測定して二本鎖核酸分子(「dsDNA」または「標的」)を検出および定量する。
【0013】
専門家には周知のように、dsDNAの2本の鎖は、温度がその融解温度より高い場合には分離すなわち融解する。dsDNA分子の融解は一つのプロセスであり、そしてある与えられた溶液条件下では、融解はある温度(本明細書中で以後TMSと呼ぶ)で開始し、そして別の温度(本明細書中で以後TMEと呼ぶ)で完了する。慣用の用語T は、融解が50%完了する温度を示す。本発明の方法のために、標的アンプリコンの融解曲線特性があらかじめ決定される。
【0014】
典型的なPCRサイクルは、標的dsDNAが融解する変性相、プライマーが生成した一本鎖に結合するために温度が最適であるプライマーアニーリング相、およびDNAポリメラーゼが機能するために温度が最適である連鎖延伸相(T )を含む。本発明に従うと、TMSはT より高くなければならず、そしてTMEは、DNAポリメラーゼが熱で不活性化される温度より低く(しばしば本質的に低く)なければならない。当然ながら、融解曲線特性は、与えられたdsDNA分子の固有の特性である。望ましい融解曲線は、標的アンプリコンの長さおよび/またはGC含有量を選定して通常は達成される。融解曲線特性は、これらを増幅するためにに使用されるPCRプライマーを交換して変更してもよい。例えば、プライマーの5’末端にGC−リッチオーバーハングを付加すると、増幅した標的のT が上昇する。
【0015】
二本鎖核酸分子は、これらがある種の色素を結合すると紫外線下で蛍光を示し、そして蛍光の強度はdsDNAの濃度に比例するであろう。dsDNAを検出および定量するためにかかる関係を利用する方法は、当該技術分野では公知である。多数の色素が公知でありそしてこれらの目的に当該技術分野で使用される。本方法もかかる関係を利用する。かかる色素の例には、インターカレーション色素が含まれる。かかる色素の例には、これらに限定はされないが、SYBR−グリーン−I(R) 、エチジウムブロミド、プロピジウムヨージド、TOTO(R) −1{キノリニウム、1−1’−〔1,3−プロパンジイルビス〔(ジメチルイミニオ)−3,1−プロパンジイル〕〕ビス〔4−〔(3−メチル−2(3H)−ベンゾチアゾリリデン)メチル〕〕−、テトラヨージド}、およびYoPro(R) {キノリニウム、4−〔(3−メチル−2(3H)−ベンゾオキサゾリリデン)メチル〕−1−〔3−(トリメチルアンモニオ)プロピル〕−、テトラヨージド}が含まれる。本発明にもっとも好ましい色素は、非不斉シアニド色素、例えばMoledcular Probes, Inc. (Eugene, OR)により製造されるSYBR−グリーン−I(R) である。SYBR−グリーン(R) /DNA複合体、およびSYBR−グリーン(R) 単独は、固有の温度依存性蛍光を有する。温度が上昇すると、SYBR−グリーン(R) /DNA複合体の蛍光は、dsDNA鎖が分離しなくても自然に低下する。変化の割合は、DNAの濃度に比例して増加する。dsDNA鎖分離による変化からこの温度依存性変化を区別するために、反応内のそれぞれのアンプリコンを取りまく測定の前およびその間に閾値を事前に確定する必要がある。
【0016】
本発明によると、それぞれのPCRサイクルについて、PCR反応混合物の蛍光(F)は、温度がT から上昇を開始する直前の温度において(T におけるF )、T とTMSとの間のなんらかの温度点(T )において(T におけるF )、溶融の開始温度の直下において(TMSにおけるFMS)および溶融の完了の直上において(TMEにおけるFME)測定される。
【0017】
PCR反応中および種々の蛍光値の測定中に使用される装置に応じて、種々の蛍光測定を行う場合の期間内に温度を一定に保持する必要があるであろう。例えば、パーキンエルマー7700配列検出システム(Perkin−Elmer 7700 SequenceDetection System) を用いる場合には、0.5〜60秒間の間のいずれかの期間が適当である。好ましくは1〜45秒間、さらに好ましくは1〜30秒間、そしてそれよりさらに好ましくは1〜15秒間の期間が適当である。蛍光測定のために最も好ましい期間は7秒間である。
【0018】
これらの値より基線傾斜(S )が算出される。S は、(T −T )で割った−(マイナス)(F −F )により定義され、そして(TME−TMS)で割った−(FME−FMS)により定義される融解相傾斜(S )も算出される。
【0019】
PCR増幅が進行すると、標的アンプリコンの濃度が増加しそしてFMSの値も増加する。量(S −S )がゼロより大きい場合に、傾斜の正の変化が最初に出現する増幅サイクルの数(「閾サイクル数C 」)は、標的アンプリコンの開始濃度(C)と相関する。
【0020】
標的アンプリコンの標準曲線は、濃度が既知の標的アンプリコンの溶液の一連の希釈を用いて開始して確定される。同一のPCR条件下で連続希釈におけるそれぞれの濃度で上記の方法を反復して、C が既知濃度のそれぞれについて決定される。与えられたPCR条件下での標的アンプリコンの標準曲線は、このようにしてC をCに対してプロットして確定される。好ましくは、標準曲線は、標的アンプリコンの1〜10 コピーの間、好ましくは10〜10 、さらに好ましくは10〜10 、特に好ましくは10〜10 コピーの範囲の濃度の適当な範囲をプロットする。
【0021】
標的アンプリコンを含むと推測される試料内の標的アンプリコンの濃度を決定するために、PCRによる増幅のために適するような適当な方法で試料を調製する。次いで対応する標準曲線が確定されると同一の条件下で試料をPCR増幅させる。試料のためのC の値は上記のようにして決定されそして対応する濃度を確定するために標準曲線と比較する。
【0022】
本発明に従う方法は、複数の標的アンプリコンを同時に検出するためにも使用できる(「多重(multiplex) 検出」)。図11を参照すると、試料が1個を越える標的アンプリコンを含む場合に、それぞれのアンプリコンのそれぞれのS およびS 、T におけるF およびT におけるF を決定しなければならない。従って、多重検出のために、標的アンプリコンは、区別が可能な融解曲線特性、例えばそれぞれのアンプリコンに対するT におけるF およびT におけるF が決定可能でなければならない。
【0023】
試料が2個の標的アンプリコン(第一標的核酸分子および第二標的核酸分子と呼ぶ)を含む場合に、第一標的核酸分子の融解は、温度TMS1 で開始しそしてTME1 で完了すし、第二標的核酸分子の融解は、温度TMS2 で開始しそしてTME2 で完了する。本発明に従うと、TMS2 はTME1 より高い。通常の条件下で、TME1 は55℃より低くはなく、一方TMS2 は95℃より高くはなく、そして多重増幅および定量のためには3〜5℃の温度差で通常は十分であることが認められる。多重PCR反応において標的アンプリコンの開始濃度を定量するために、アンプリコン(内部標準対照、その他の標的アンプリコン、および非特異性産物、例えばプライマーダイマーを含む)は、反応内の他の可能な産物と重複しない融解温度を有するように設計または選定しなければならない。これは、産物が異なる温度で融解することを確実にし、そして種々の蛍光値が独立して区別されそして分析できることを確実にする。全蛍光は加法的でありそしてdsDNA産物の濃度への相関を保つ。すなわち、産物が分解または融解した後、これは全蛍光にもはや寄与しない。
【0024】
しかし、鎖延伸温度(T )は、両方のアンプリコンで一致する。標的核酸分子それぞれの標準曲線は、上記のように適当な蛍光色素、既知の開始濃度(C およびC )を有する標的核酸分子の存在中での同時PCR増幅により確定される。具体的には、蛍光(F)を、それぞれの増幅サイクルの間に、温度がT から上昇を開始する直前の温度において(T におけるF )、T とTMS1 との間のなんらかの温度点(TB1)において(TB1におけるFB1)、TMS1 において(TMS1 におけるFMS1 )およびTME1 において(TME1 におけるFME1 )TME1 とTMS2 との間のなんらかの時点(TB2)において(TB2におけるFB2)、TMS2 において(TMS2 におけるFMS2 )、TME2 において(TME2 におけるFME2 )測定し;基線傾斜(baseline slope)は、第一標的分子について、(TB1−T )で割った−(FB1−F )により定義される(SB1)として算出され、そして第一アンプリコン融解相傾斜は、第一標的分子について(TME1 −TMS1 )で割った−(FME1 −FMS1 )により定義される(SM1)として定義され;そして第二標的分子についての基線傾斜(SB2=−(FB2−FME1 )/(TB2−TME1 ))、および第一分子についての融解相傾斜(melting phase slope)(SM2=−(FME2 −FMS2 )/(TME2 −TMS2 ))を同様に決定する。量(SM1−SB1)が最初に0より大きくなるために必要なPCRサイクルの数(N )および量(SM2−SB2)が最初に0より大きくなるために必要なPCRサイクルの数(N )を記録する。これらの段階を、2種の標的分子それぞれについての関係する濃度の適当な範囲内で反復し、そして、第一標的分子のための標準曲線を得るためにC をN に対してプロットし、そして第二標的分子のための標準曲線を得るためにC をN に対してプロットする。
【0025】
次いで第一および第二標的核酸分子の未知濃度を含むと推測される試料に関して上記の段階を反復して、試料に関するN 値およびN 値を入手し、そして標準曲線を介して標的核酸分子濃度を決定する。
【0026】
蛍光強度は、本質的にサイクル毎に変動する。これは背景ノイズを構成する。かかるノイズを除去または少なくとも最小化するために、そして装置間の整合性を得るためにも閾値を任意に設定する。かかる閾値より低いあらゆる蛍光レベルは無視しそして有意または特異性増幅が起きていないと考えられる場合に測定を行う。閾値レベルより上の蛍光レベルのみを測定しそして検出および定量の目的に使用する。
【0027】
典型的には、PCRの初期のサイクルの間には検出可能な産物はない。従って、最初の数サイクルは閾値を決定するために使用できる。本発明によると、初期蛍光値F は、最初の数回のPCRサイクルの平均蛍光値として定義される(図16)。最も好ましい態様に従うと、初期サイクル#4〜12を用いる。閾蛍光F は、閾背景シグナルとしてのPCRの指数相の前のサイクル−10〜−5の平均蛍光シグナルである。アンプリコンの検出可能レベルは、デルタ傾斜(S −S )蛍光が基線上67%であった場合のサイクルであると事前決定される。産物の指数増殖相では、Ln〔(F −F )/F 〕の値がサイクル数の線型関数である。線型回帰の傾斜およびR は、1.06F 〜1.67F の範囲内のF値として決定される。回帰線と1.67F の閾蛍光(Ln=−0.4)の交点が、増幅事象のサイクル閾値C である。次いでDNA濃度の対数をC に対してプロットすると標準曲線が作製される。実施例1、2および6はこの態様を説明する。
【0028】
本発明の別の態様によると、閾は初期10サイクル(#4〜13)の蛍光の平均変化(S −S のデルタ傾斜)とこれらの値の標準偏差の10倍との和でもあるであろう。初期蛍光F は、初期サイクル#4〜13の平均蛍光として定義された。サイクルの数(Ct)は、試料の閾サイクル(Ct)である閾を越えた最初の出現とする。実施例3、4および5は、この方法を説明する。
【0029】
他の好ましい態様では、本発明の多重検出方法は、別の標的核酸(標的B)を基準点として使用する標的核酸(標的A)のゲノムあたりのコピー数を決定するために使用され、ここで標的Bのコピー数/ゲノムは既知である。標的Aおよび標的Bは同一のゲノム内に存在し、そして標的Bのコピー数/ゲノムが既知なので、標的Aおよび標的Bを本発明の多重検出法を用いて同時増幅おおび定量すると、標的Aコピー数/ゲノムは、標的Aの量と標的Bの量との間の比率から容易に算出でき、ゲノムの大きさの知識または決定の必要および開始試料に使用されたゲノムDNAの量を定量する必要はない。この態様の例を実施例2に記載する。
【0030】
本検出法は、あらゆる標的dsDNAを検出および定量するために使用ができ、これから標的生物体の存在およびレベルが決定できる。標的生物体の例には、真菌、細菌、感染性動物、ウイルスなどを含む病原性生物体が含まれる。特に、本方法は、ネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)、腸炎菌(Salmonella enteriditis)、大腸菌(Escherichia coli)O157:H7、リステリア菌(Listeriaspp., Listeria monocytogenes) 、クリプトスポリジウム・パルブム(Cryptosporidium parvum)、カンピロバクター・ジェジュニ(Campylobacter jejuni)、カンピロバクター・コーリ(Campylobacter coli)、黄色ブドウ菌(Staphylococcus aureas) 、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、およびSV−40ウイルスDNAの検出に適用された。本方法は、その他の臨床および非臨床使用にも使用できる。例えば、本方法は食品または飼料内の遺伝子組換え生物体の存在を決定するために使用できる。例えば35S CaMVプロモーター(ラウンドアップレディ(Roundup Ready) (R) ダイズ中で発見された配列)、およびCry9C遺伝子(スターリンク(StarLink)トウモロコシ中で発見、Hua et al.(2001) Appl. Environ Microbiol 67:872−879)のような配列は、本発明を用いて検出および定量された。その他の通常の導入遺伝子には、これらに限定はされないが、グリリン酸(glyphosphate)耐性遺伝子としてのEPSPS(5−エノールピルビルシキマート−3−リン酸合成酵素)(5−enolpyruvylshikimate−3−phosphate)(Ye et al.(2001) Plant J 25:261−270)、ホスホエノールピリビン酸カルボキシラーゼ(PEPC)プロモーター(BT176トウモロコシ中) 、Cry1A(b)遺伝子のhsp70プロモーター(Mon80100トウモロコシ中で発見)、Cry1A(b)遺伝子(Mon809トウモロコシ)、NOS遺伝子(Mon810トウモロコシ)、およびアクチンプロモーター遺伝子(GA21トウモロコシ)が含まれる。内部陽性および/またはコピー数対照として、レクチン遺伝子、インベルターゼ遺伝子、およびアルドラーゼ遺伝子を適する場合にはすべて使用してもよい。
【0031】
本方法は非常に特異性および高感度である。標的dsDNAの10コピーでも検出される。
【0032】
好ましい態様では、病原性生物体のPCRタブレットは内部陽性対照を含む。PCR反応内に含まれる内部陽性対照の利点は、以前に記載され(PCT出願番号WO97/11197号、1997年3月27日付け公開、その内容は、引用することによって本明細書中に編入される)そして(i)単一プライマーを用いて対照を増幅してもよく、(ii)対照増幅産物の量は、試料内に含まれるあらゆる標的DNAとは無関係であり、(iii)対照DNAは、手作業または自動化試験手順の両方において使用の容易さおよび高度の再現性のために他の増幅試薬を用いてタブレット化でき、(iv)対照は均質検出、すなわち反応物から産生DNAが分離しないで使用でき、そして(v)内部対照は、反応中の他の産生される可能性がある酸性アンプリコンとは区別される融解プロフィールを有することを含む。対照DNAはプライマー指令増幅反応中の増幅を許容する適当な大きさおよび塩基組成である。対照DNA配列は、標的細菌から、または他の起源から得てもよいが、しかし標的アンプリコンDNAの増幅を許容すると同じ条件下で再現性をもって増幅されなければならない。好ましい態様では、対照DNAは検出されるべき標的DNAと類似した大きさおよび塩基配列を有する。例えば、対照核酸断片はサルモネラ属から単離され、そして検出されるべき標的と一致したが、これは単一プライマーを用いる増幅を可能とするように操作された場合を除く(WO97/11197号)。対照DNAは、増幅反応を確認するために有用である。対照DNAの増幅は、標的DNAを含む試験試料と同時に達成される。本発明の範囲内で、試料は、対照DNAを含む対照ならびに試料と平行して試験PCR手順にかけられる。対照が増幅を示す場合には、平行試験で達成される陽性または陰性の結果にかかわらず、手順が有効であることの有利な徴候がある。増幅反応の有意な実現を達成するために、対照DNAのコピーの適当な数がそれぞれの増幅反応内に含まれていなければならない。食品を含む試料マトリックス成分はPCRの抑制を起こすことができ、従って産物形成およびシグナルの低下をもたらすことは周知である。あるいは、PCR反応内のある種の食品成分の存在は、蛍光色素検出を用いた場合に反対の結果、すなわちシグナルの増強をもたらすことも見いだされた。本明細書中に記載のような対照の使用は、このような偽りの陽性結果を排除する。さらに、対照内の応答のレベルを校正して、例えば多数の食品由来マトリックス中に見られる外因性物質により起きる試験における反応のあらゆる抑制または促進を評価および補償することが可能である。
【0033】
PCRと関連して使用される他に、本方法は他の核酸増幅法、例えばストランド置換、リガーゼ鎖反応(LCR)および増幅に基づく核酸配列(NASBA)と共に使用してもよい(例えばFood Microbiology Fundamentals and Frontiers, 1997, M.E.Doyle, L.R.Beucha, and T.J. Mondville, ASM Publication, 723−724 ページ参照)。
【0034】
好ましい態様に従うと、蛍光検出の能力を有する自動化熱サイクラー、例えばパーンエルマー社(Perkin−Elmer Corporation)から入手できるパーキンエルマー7700配列検出システムが使用される。蛍光データは、データ処理装置、例えばパーソナルコンピューターを用いて出力および処理され、必要なら種々の変換を行う。かかる自動化操作の方法および装置は熟練者には自明でありそして下記の実施例中で例示する。
実施例1
単一標的Q−PCRアッセイ−35S−CaMVプロモーターを標的とすることによる遺伝子組換えDNAの検出
遺伝子組換え(GM)作物の検出は、食品生産および消費者の関心、および付随する法的問題のためにますます重要となっている。我々は、迅速なDNA抽出法を開発しそしてこれをダイズ、メイズ穀粒、および種々の加工した試料における遺伝子組換え物質の同定および/または定量するための蛍光検出を使用する均質PCRベースアッセイと組み合わせた。GM DNAの存在は、35Sウイルスプロモーターを指向する一対のプライマーを用いて決定した。プライマーのこの対はフランクら(Franck et al.) により設計された。
【0035】
これらのプライマーはCaMV 35Sプロモーター配列の206bp断片を増幅し、これはほとんどすべての遺伝子組換え生物体内に存在し、従ってGM産物に関して試料をスクリーニングするために使用される。殺虫剤として広く使用されているラウンドアップ(Roundup) に対して耐性となるように遺伝子組換えされたダイズは、「ラウンドアップレディー」と呼ばれ、定義によりGM物質を含むことを意味する。
【0036】
以下に記載する閉管(closed tube) 均質PCR法は、市販の検出系およびDNAインターカレーション色素、SYBRグリーン−Iを用いる。それぞれの熱サイクルの間に、伸長と変性段階の間の中間温度において蛍光データを採取した。特異性PCR産物が生成すると、色素は産物中にインターカレーションしそして全蛍光シグナルは増加する。インターカレーション色素の蛍光値は、温度に逆比例する。我々は特異性アンプリコンの蛍光値の傾斜の変化をインターカレーション色素の基線傾斜と比較する。次いで、我々はアンプリコン傾斜が基線傾斜より大きい場合に、傾斜の正変化の最初の出現が起きた熱サイクルを記録する。
【0037】
遺伝子組換え35SプロモーターDNAの既知レベルを有する標準(PCRあたりにゲノムの35〜4375コピーの範囲)を増幅しそして蛍光シグナルをそれぞれのサイクルの後に記録した。閾曲線(C )の遺伝子組換え物質の割合の対数に対するプロットの線型回帰フィットに基づいて曲線を作製した。未知試料C 値を標準曲線に対してプロットし、そして遺伝子組換え百分率を決定する。同様の技術を用いて、全ダイズDNAの量が、ダイズDNAのレクチンコーディング領域への増幅反応を標的することにより定量された。変性挿入物の量のダイズDNAの全量に対する比が、遺伝子組換え物質の正確な百分率の算出を可能とする。
材料および方法
標準GMOキャリブレーターDNAの伸長
材料(DNA抽出)
・キアゲンTM植物DNイージーミニカラムキット(Qiagen TM Plant DNeasy mini column kit, Qiagen Inc., Valencia, CA)
・100%エタノール
・DNA溶出緩衝液A:30mMトリス/0.1mM EDTA、pH8.35・GM−ラウンドアップレディーTM保証基準物質IRMM410(乾燥ダイズ粉末)(GM−RRTM)(Fulka, Retieseweg, ベルギー)
・プロテイン テクノリジーズ インターナショナル(Preotein Technologies Internatuinal, St. Louis, MO)からの未知試料
−G9K−BQAP91(小麦粉)
−G9K−BPW145(単離されたダイズタンパク質、レシチン)
−E9J−BE0122(単離されたダイズタンパク質)
方法
製造者の推奨を採用して、2%RRTMダイズGM−標準DNA(未希釈、レベル1DNAキャリブレーターとして)の一つの大きいプールを抽出
・試料あたりに2%GM−RRTMダイズタンパク質粉末の30(±3)mg(または未知GMO試料30mg)を秤取し、そして10個のミクロ遠心分離管に移す。それぞれの管に緩衝液AP1(キットと一緒に供給される)400μlおよびRNアーゼ原溶液4μlを上記の試料に加えそして強く渦攪拌する。混合物を10分間、65℃、水浴中でインキュベーションする。インキュベーションの間に2−3回、管を倒立して混合させる。
・緩衝液AP2(供給)130μlを混合物のそれぞれの管に添加し、混合し、そして5分間氷上でインキュベーションする。混合物を5分間、卓上型遠心分離機中、6000xgで遠心分離して凝集したタンパク質残留物をペレット化する。
・透明溶液の上層をタンパク質残留物ペレットを乱さないようにして新しい管の組に移す(試料あたりに上清約400μl)。その目的は最も多くの上清体積を得ることである。一部の試料はペレット化が良くない。その場合には再び遠心分離する。
・緩衝液AP3(供給)200μlを上清のそれぞれの管に加える。100%エタノール400μlを加えそしてピペット上下することによりおよびバイアルを渦攪拌することにより繰り返して混合させる。
・DNイージーミニカラム(供給)を2ml捕集管内に入れる。混合物650μl管それぞれを適用する。1分間、6000xg以上で遠心分離しそして流出物を廃棄する。残った試料について反復する。流出物および捕集管を廃棄する。
・DNイージーカラムを新しい2ml捕集管内に入れ、緩衝液Aw(供給)500μlをそれぞれのカラム内に加え、そして1分間、6000xg以上で遠心分離する。流出物を廃棄し、そして捕集管を次の段階で再使用する。
・緩衝液AW500μlをそれぞれのカラムに加えそして2分間、最高層度で遠心分離してDNイージー膜を乾燥する。
・DNイージーカラムを1.5mlミクロ遠心分離管内に入れそして予熱(60℃)した30mMトリス/0.1mM EDTA、pH8.35溶出緩衝液200μlををそれぞれのカラム内に直接ピペットから入れる。5分間、室温でインキュベーションし次いで2分間、6000xg以上で遠心分離してDNAを溶出させる。
・溶出した参照標準DNA試料の10個すべてを一緒にプールする。ゲル濾過HPLCを用いて精製されたダイズDNA濃度を定量する。
DNA濃度を定量するためのHPLC法
ゲル濾過HPLCは、水性緩衝液(0.1Mリン酸塩/0.3M NaCl、Ph7.0)を毎分1mlの流量の移動層として行った。アッセイあたりに1000塩基対の純粋DNA(5〜500ng)の既知量を注入してDNA断片濃度を定量し、次いでDNAの量(ng)をHPLCピーク面積(mAU)に対してプロットして校正曲線を作製する。この校正曲線を未知試料DNA濃度を決定するために使用する。
・レベル1キャリブレーターとして全DNA濃度を6ng/ulに調整する。次いで、DNA溶出緩衝液を用いて2%RRTMDNA(L1)を連続希釈して、0.4%(1/5希釈、L2)、0.08%(1/25希釈、L3)、および0.016%GMO(1/125希釈、L4)とする。
・それぞれCaMV(2、0.4、0.08および0.016%)およびレクチン(100、20、4、および0.8%)の両方のGMO DNA標準の同様の組を用いる。
・ダイズDNAの平均的大きさが約1.15E+9塩基対であるというアルムガナサンら(Arumuganathan et al.)による記載の文献に基づく。ゲノムダイズDNAの分子量は約7.475E11ドルトンである。我々はCaMVおよびレクチンのPCRあたりのレベル1〜4のDNAコピー数、CaMVについては4375、875、175、および35、そしてレクチンダイズDNAについては212,500、42,500、8500、および1700とそれぞれ算出した。
PCR試薬およびプロセス
物質(PCR試薬)
リボプリンター(R) システム(RiboPrinter(R) System) 脱イオン水(Qualicon, Inc., Wilmington, DE)
25mM mgCl (Perkin−Elmer, Branchburg, NJ)
10X PCR緩衝液=100mMトリス/500mM KCl/0.01%ゼラチン、pH8.3(Perkin Elmer)
プライマー(Trilink Biotechnologies Inc., San Diego, CA)
−CaMVプライマーP−93:25−マー 5’(CGA AGG ATA GTG GGA TTG TGC GTC A)3’.CAMV1−25−93
−CaMVプライマーrc−290:25−マー5(AAG GTG GCT CCT ACA AAT GCC ATC A)3’.CaMV1−25−rc290
SYBRグリーンIインターカレーション色素(Molecular Probes, Eugene, OR)
ウシ血清アルブミン(Roche Molecular Biochemicals, Indianapolis, IN)
試薬タブレット(Qualicon, Inc., Wilmington, DE)
1.2μM SYBRグリーンI、4mg/タブレットBSA、4種すべてのd−NTP、1.5単位TaqTMポリメラーゼ
ハードウエア
PE/ABI PRISM7700配列検出システム(Perkin−Elmer, FosterCity, CA)
方法
PCR緩衝液の2Xと1mM Mg+2およびCaMVプライマーの2Xを一緒にしてプレミックスして、2X作業濃度を得る(20mMトリス/100mMKCl/4mM MgCl /300nM CaMVプライマー)。この混合物25μlに、抽出したDNAのそれぞれの試料25μlを加える。
最終PCR緩衝液濃度:
25mMトリス/50mM KCl/0.001%ゼラチン/0.05mMEDTA、pH8.3
2mM Mg+2(PE緩衝液からの寄与を含む全量)
それぞれのCaMVプライマー150nM
定量PCRアッセイ
DNA標準のそれぞれ5レベルの25μl(3組)および未知試料抽出物をピペットで採取し、試薬タブレット1個を含むPCRウエル(3組)内に入れた。抽出したDNAのそれぞれの試料25μlに、CaMV/緩衝液混合物25μlを加える。
【0038】
試料管を冷却ブロック(Qualicon Inc)内に移しそして試料、試薬、およびタブレットを混合するためにPCR管を渦攪拌する。PCR管の架台をPE/ABI PRISM7700配列検出システム(Perkin−Elmer)内に配置する。
PCRパラメーター構成
Figure 2004533801
CaMV DNA配列のコピー数を定量するために(T )72℃、(T )82.5℃、(TMS1 )83.5℃、(TME1 )87.6℃でステージIIから蛍光シグナルを採取した。
データ処理および分析
それぞれの増幅サイクルの間にビームにより励起された蛍光を測定する:伸長相の終わりの温度(T :72℃におけるF )、アンプリコン融解開始の前(TB182.5℃におけるFB1)、増幅された35S CaMVPCR産物の融解温度の開始(TMS1 83.5℃におけるFMS1 )および増幅されたCaMVアンプリコンの融解温度の終において(TME1 :87.6℃におけるFME1 )。
【0039】
(TB1−T )で割った(FB1−F )の負の値により定義される基線傾斜(SB1)から、(TME1 −TMS1 )で割った(FME1 −FMS1 )の負の値により定義されるアンプリコン35S CaMV融解相傾斜(SM1)への傾斜の変化を決定する。図1参照。(SM1−SB1)がゼロより大きくなる、傾斜の正変化が最初に現れる熱サイクルを記録する。上記の段階を40回反復して、標的開始濃度としてのCaMVの35から4375までのゲノムコピーの濃度範囲を決定して、標準曲線を作製する。上記の同じDNA抽出およびPCR操作を行って未知試料中のGMOの開始濃度を定量する。次いで、得られた熱サイクル数を標準曲線と比較して未知試料中の開始GMO濃度を決定する。
結果
図1:CaMVアンプリコンの融解プロフィール、図2:CaMVに関する実時間定量PCR、および図3:CaMV標準校正曲線を参照。
【0040】
試料#COC−BXJ539(FUJIタンパク質545)は、最初にサイクル33.65で現れ、そのCaMVアンプリコン融解傾斜は基線傾斜より大きい。CaMVの校正曲線からの線型回帰に基づいて、試料は、その中に35S CaMVプロモーターDNAの18コピー(coy) を含む。
【0041】
#M35−490(単離されたダイズタンパク質)はサイクル30.72で最初に現れ、そのCaMVアンプリコン融解傾斜は基線傾斜および大きい。CaMVの校正曲線からの線型回帰に基づいて、試料は、その中に35S CaMVプロモーターDNAの125コピーを含む。
【0042】
#NAHX−61509(ダイズフレーク)はサイクル33.35で最初に現れ、そのCaMVアンプリコン融解傾斜は基線傾斜および大きい。CaMVの校正曲線からの線型回帰に基づいて、試料は、その中に35S CaMVプロモーターDNAの21コピーを含む。
文献
Franck A, Guilley, H., Jonard, G., Richards, K., and Hirth, L. Nucleotide Sequence of Cauliflower mosaic virus DNA, Cell 21(1):285−294(1980)。
【0043】
Arumuganathan, K. and Earle, e.D. (1991) Nuclear DNA content of some important plant species, Plant Molecular Biology Reporter 9(3):211−215. Tablet I 。
実施例2
単一標的Q−PCRアッセイ−内因性植物遺伝子の検出およびゲノムコピー数基準としてのこれらの使用
我々は迅速なDNA抽出法を開発しそしてこれをダイズ、メイズ穀粒、および種々の加工試料内の遺伝子組換え物質を同定および/または定量するための蛍光検出を使用する均質PCRベースアッセイと組み合わせた。遺伝子組換え物質の百分率は、35S CaMV DNAの存在に依存するだけでなく、全ダイズDNAの何個のコピーがそれぞれの試料内に抽出されたかの決定を必要とする。大部分の緑色植物で天然の標識物質であるレクチンを対照因子として選んだ。プライマーの対は、レクチン遺伝子の186bp断片を増幅するように、ボドキンら(Vodkin et al.) により設計された。
材料および方法
GMO標準キャリブレーターDNAの抽出
実施例I記載と同様の手順。
PCR試薬およびプロセス
材料(PCR試薬)
リボプリンター(R) システム脱イオン水(Qualicon, Inc., Wilmington, DE)
25mM MgCl (Perkin−Elmer, Branchburg, NJ)
10XPCR緩衝液=100mMトリス/500mM KCl/0.01%ゼラチン、pH8.3(Perkin−Elmer)
プライマー(Trilink Biotechnologies Inc., San Diego, CA)
レクチンプライマーP−1423:5’(CAA CGA AAA CGA GTC TGG TGA TCG AGT)3’
レクチン−27−1423
レクチンプライマーrc1555:5’(TGG TGG AGG CAT CAT AGG TAA TGA GAA)3’
レクチン−27−rc1555
SYBRグリーンIインターカレーション色素(Molecular Probes, Eugene, OR)
ウシ血清アルブミン(Roche Molecular Biochemicals, Indianapolis, IN)
試薬タブレット(Qualicon, Inc., Wilmington, DE)
1.2μM SYBRグリーンI、4mg/タブレットBSA、4種すべてのd−NTP、1.5単位TaqTMポリメラーゼ
ハードウエア
PE/ABI PRISM7700配列検出システム(Perkin−Elmer, FosterCity, CA)
方法
PCR緩衝液の2Xと1mM Mg+2およびレクチンプライマーの2Xを一緒にしてプレミックスして、2X作業濃度を得る(20mMトリス/100mMKCl/4mM MgCl /400nM レクチンプライマー)。この混合物25μlに、抽出したDNAのそれぞれの試料25μlを加える。
最終PCR緩衝液濃度:
25mMトリス/50mM KCl/0.001%ゼラチン/0.05mMEDTA、pH8.3
2mM Mg+2(PE緩衝液からの寄与を含む全量)
それぞれのレクチンプライマー200nM
定量PCRアッセイ
DNA標準のそれぞれ4レベル(L1、L2、L3、およびL4)の25μl(3組)および未知試料抽出物をピペットで採取し試薬タブレット1個を含むPCRウエル(3組)内に入れた。抽出したDNAのそれぞれの試料25μlに、2Xレクチン/緩衝液混合物25μlを加える。
【0044】
試料管を冷却ブロック(Qualicon Inc)内に移しそして試料、試薬、およびタブレットを混合するためにPCR管を渦攪拌する。PCR管の架台をPE/ABI PRISM7700配列検出システム(Perkin−Elmer)内に配置する。
PCRパラメーター構成
Figure 2004533801
レクチンDNA配列のコピー数を定量するために(T )72℃、(T )81℃、(TMS1 )81℃、(TME1 )83.5℃でステージIIから蛍光シグナルを採取した。
データ処理および分析
それぞれの増幅サイクルの間にビームにより励起された蛍光を測定する:伸長相の終わりの温度(T :72℃におけるF )、アンプリコン融解開始の前(TB1:81℃におけるFB1)、増幅されたレクチンPCR産物の融解温度の開始(TMS1 :81℃におけるFMS1 )および増幅されたレクチンPCR産物の融解温度の終(TME1 :83.5℃におけるFME1 )。図4参照
(SM1−SB1)がゼロより大きくなる、傾斜の正変化が最初に現れる熱サイクルを記録する。上記の段階を40回反復して、PCRごとにレクチンゲノムの1700から212500コピーまでの濃度範囲を決定して、標準曲線を作製する。上記の同じDNA抽出およびPCR操作を行って未知試料中のレクチンの開始濃度を定量する。次いで、得られた熱サイクル数を標準曲線と比較して未知試料中の開始レクチンDNA濃度を決定する。
結果
図4:レクチンアンプリコンの融解プロフィール、および図5:レクチン標準校正曲線を参照。
【0045】
試料#COC−BXJ539(FUJIタンパク質545)は、最初にサイクル22.55で現れ、そのレクチンアンプリコン融解傾斜は基線傾斜より大きい。レクチンの校正曲線からの線型回帰に基づいて、試料は、その中にレクチンDNAの29680コピーを含む。
【0046】
実施例Iに基づいて、同じ試料中の35S CaMV含有量は21コピーであった。GMO含有%はCaMVレベルとレクチンレベルとの比でありそしてこれは0.072%に等しい。
【0047】
#M35−490(単離されたダイズタンパク質)はサイクル22.09で最初に現れ、そのレクチンアンプリコン融解傾斜は基線傾斜より大きい。レクチンの校正曲線からの線型回帰に基づいて、試料は、その中にレクチンDNAの40519を含む。実施例Iに基づいて、同じ試料中の35S CaMV含有量は125コピーであった。GMO含有%はCaMVレベルとレクチンレベルとの比でありそしてこれは0.31%に等しい。
【0048】
#NAHX−61509(ダイズフレーク)はサイクル23.57で最初に現れ、そのレクチンアンプリコン融解傾斜は基線傾斜より大きい。レクチンの校正曲線からの線型回帰に基づいて、試料は、その中にレクチンDNAの14880コピーを含む。
【0049】
実施例Iに基づいて、同じ試料中の35S CaMV含有量は18コピーであった。GMO含有%はCaMVレベルとレクチンレベルとの比でありそしてこれは0.117%に等しい。
文献
Vodkin, L.O., Rhodes, P.R., and Goldberg, R.B. Ca lectin gene insertion has the structural features of a transposable element, Cell 34: 1023−1031 (1983)。
実施例3
単一標的Q−PCRアッセイ−細菌DNAの検出
均質定量アッセイを細菌DNAについて開発した。このアッセイは、DNAインターカレーション色素であるSYBRグリーンIの存在下でのPCRを用いる。この方法は、病原性細菌、例えば大腸菌(E. coli) O157:H7の初期コピー数を反応中で定量できる。本方法は、PCRのそれぞれの熱サイクルの間のデータ採取を含む。蛍光データは、伸長および変性段階の間の中間温度で採取される。特定のPCR産物が産生されると、色素は産物内にインターカレーションし、そして全蛍光シグナルが増加する。インターカレーション色素の蛍光値は、温度に逆比例する。我々は特異性アンプリコンの蛍光値の傾斜の変化をインターカレーション色素の傾斜と比較する。次いで、我々は傾斜に正の変化が最初に現れた熱サイクルを記録し、ここでアンプリコン傾斜は基線傾斜よりも大きい。
【0050】
蛍光がこのレベルより上に上昇したサイクルが閾サイクル(C )である。この値は開始標的コピー数に逆に関係する。既知濃度の標準(1.25E+5〜1.25E+1、大腸菌ゲノム/PCR)を使用しそして濃度の対数を標準試料のC に対してプロットして標準曲線を作製する。次いで、未知試料の開始コピー数をこの標準曲線から決定する。本方法は、試験試料の開始コピー数を定量するための特異性で高感度のアッセイを提供する。
材料および方法
細胞培養
大腸菌O157:H7〔DD1977〕の株をBHIブロス(脳心臓浸出液(Brain heart infusion)、Difco, Detroit, MI) 10ml内に接種しそして37℃で24時間インキュベーションした。一夜培養物の細胞カウントは、スプレッドプレート計数(spread plate enumeration)により推定した。これらの培養物は、典型的には、約1x10 コロニー形成単位/ml(CFU/ml)の細胞密度を生成した。
試料希釈
新しい試料をBHIブロスを用いて直ちに10倍に希釈した。最終の標的大腸菌O157:H7の細胞カウントは、それぞれほぼ10 、10 、10 、10 、10 、および0CFU/mlであった。それぞれ希釈した培養物の1個の5μl試料を採取しそしてPCR緩衝液〔3μM SYBRグリーンI(R) (Molecular Probes, Inc) 、200ng/μlプロナーゼ−E(Pronase−E, SigmaChemical Co., St. Louis, MO)、50mMトリスHCL、3mM MgCl 、28mM KCL、0.1%トライトンX100、pH8.3〕の195μlを含む溶解管に移した。すべての溶解管を37℃に設定した加熱架台に20分間置いた。次いで溶解した試料管を95℃加熱ブロック内に10分間置いてプロナーゼ−Eを不活性化した。最後に、すべての試料をPCR増幅し、次いでPE/ABI PRISM7700配列検出システム内での蛍光検出により、それぞれのPCRサイクルに対する大腸菌O157:H7の種々のレベルからのPCR産物の量を決定した。PCR試薬は、スクリーニングのためのBAX(R) /大腸菌O157:H7タブレット(Qualicon, Inc.)からなり、これはdATP、dCTP、dGTP、dTTPの160mM、プライマー5’(TAC CTG AGG CAG TAG CGA TAA TGA GC)3’.33−26−rc1012の72nM、プライマー5’(ATG CAG ACC CGC TGG AGT TTG AGA AA)3’.33−26−538の72nMおよびTaqTMポリメラーゼの1.5単位の保証された有効濃度を含んでいた。タブレット ロット9029大腸菌O157:H7を試験に使用した。
定量PCRプロセス
それぞれ溶解した試料の50μlの2組のアリコートを採取しそしてBAX/大腸菌O157:H7タブレット1個を含むPCR管内に移し、次いでPE/ABI PRISM7700配列検出システム内で増幅した。
【0051】
反応は、94℃で2分間の初期保持期間、次いで94℃/15秒間および70℃/2.53分間、次いで(T )70℃、(TB1)76.5℃/7秒間、(TMS1 )82.6℃、(TME1 )および89.5℃/7秒間の38サイクルで進行した。我々はすべてのサイクルから最後の4事象(70℃/7秒間でのF 、76.5℃/7秒間でのFB1、82.6℃/7秒間でのFMS1 、89.4℃/7秒間でのFME1 )から蛍光シグナルを採取した。38サイクルが完了した後、PCR管を分析まで25℃で保持した。
PCR産物分析
選択されたプライマー対P−538およびrc−1012は、大腸菌O157:H7を同定するために使用された475塩基対DNA断片を増幅した。標的細胞を含まないものからの大腸菌O157:H7の種々のレベルを含む区別試料のための閾サイクル値(C )の確定は、基線傾斜(SB1)からの標的PCR産物融解相傾斜(SM1)の正の変化の最初の出現に基づいた。
【0052】
それぞれの増幅サイクルの間にビームにより励起された蛍光を測定する:
伸長相の終わりの温度(T :70℃におけるF )、アンプリコン融解開始の前(TB1:76.5℃におけるFB1)、増幅された大腸菌O157:H7 PCR産物の融解温度の開始(TMS1 :82.6℃におけるFMS1 )および増幅された大腸菌O157:H7PCR増幅産物の融解温度の終(TME1 :89.4℃におけるFME1 )。
【0053】
(TB1−T )で割った(FB1−F )の負の値により定義される基線傾斜(SB1)から、(TME1 −TMS1 )で割った(FME1 −FMS1 )の負の値により定義されるアンプリコン大腸菌O157:H7融解相傾斜(SM1)への傾斜の変化を決定する。図6参照。(SM1−SB1)がゼロより大きくなる、傾斜の正変化が最初に現れる熱サイクルを記録する。段階1)〜3)を38回反復して、PCRごとに大腸菌O157:H7ゲノムの1.25E+1から1.25E+5までの濃度範囲を決定して標準曲線を作製する。上記のPCRプロセスにおける溶解操作を行って未知試料中の大腸菌O157:H7の開始濃度を定量する。次いで、得られた熱サイクル数を標準曲線と比較して未知試料中の開始大腸菌O157:H7濃度を決定する。
結果
図6:大腸菌O157:H7アンプリコンの融解プロフィール、および図7:大腸菌O157:H7標準校正曲線を参照。
実施例4
単一標的Q−PCRアッセイ−ウイルスDNAの検出
細菌DNAを定量するために使用した同じ基本的方法を本実施例ではウイルスDNAに適用した。
材料および方法
SV40ウイルスDNAはCIBCO BRL(R) Life technologies(Rockville, MD)より購入した。これをBSC−1細胞中に増殖させたCsClバンド付SV40ウイルス(株776)から精製する。分子量は約3.5E6ドルトン(5243塩基対dsDNA)スーパーコイル環状DNAである。SV40ウイルスDNAを本試験のPCR増幅のための鋳型として使用した。
【0054】
原液SV40DNAの濃度は500ng/ulであり、次いで蒸留、脱イオン水を用いて10,000倍に希釈して50pg/ul作業原液とした。50pg/ulから20、10、4、0.8、および0.16pg/ul(3.44E+6、1.72E+6、6.88E+5、1.38E+5および2.75E+4コピーDNAに相当)の最終濃度へのSV40の連続希釈物をPCR反応に使用した。
【0055】
最後に、すべての試料をPCR増幅、次いでPE/ABI PRISM7700配列検出システム内で蛍光検出を行って、それぞれのPCRサイクルでSV40の種々のレベルからのPCR産物の量を決定した。PCR試薬は、スクリーニングのためのBAX(R) /大腸菌O157:H7タブレット(Qualicon, Inc.)からなり、これはdATP、dCTP、dGTP、dTTPの160mM、プライマー5’(TAC CTG AGG CAG TAG CGA TAA TGA GC)3’.33−26−rc1012の72nM、プライマー5’(ATG CAG ACC CGC TGG AGT TTG AGA AA)3’.33−26−538の72nMおよびTaqTMポリメラーゼの1.5単位の保証された有効濃度を含んでいた。追加のSV40プライマーP−4158 5’(TTA AAA AGC TAA AGG TAC ACA ATT TTT GAG CA)−3’の200nMおよびプライマーrc−4289 5’(AAA AGC TGC ACT GCT ATA CAA GAA AAT TAT GG)−3’の200nMをそれぞれのPCR反応物に加えた。ロット9020タブレットを試験に使用した。
定量PCRプロセス
それぞれのSV40DNA試料の50μlの2組のアリコートを採取しそしてスクリーニングのためのBAX(R) /大腸菌O157:H7タブレット1個を含むPCR管内に移し、次いでPE/ABI PRISM7700配列検出システム内で増幅した。反応は、94℃で2分間最初に保持し、次いで94℃/15秒間および70℃/2.53分間、次いで(T )70℃/7秒間、(TB1)76.5℃/7秒間、(TMS1 )77.5℃/7秒間、および(TME1 )79.5℃/7秒間の38サイクルで進行した。それぞれおよびすべてのサイクルから最後の4事象(70℃/7秒間でのF 、76.5℃/7秒間でのFB1、77.5℃/7秒間でのFMS1 および79.5℃/7秒間でのFME1 )から蛍光シグナルを採取した。38サイクル後に完了した後、PCR管を分析まで25℃に保持した。
PCR産物分析
選択されたプライマー対P−4158およびrc−4289を、SV40標的DNAを同定できるDNA断片の132bpを増幅するために使用した。標的細胞を含まないものからのSV40の種々のレベルを含む区別試料に対する閾サイクル値(C )の確定は、基線傾斜(SB1)からの融解相傾斜(SM1)の正の変化の最初の出現に基づいた。
【0056】
それぞれの増幅サイクルの間にビームにより励起された蛍光を測定する:
伸長相の終わりの温度(T :70℃におけるF )、増幅されたSV40PCR産物の融解温度の前(TB1:76.3℃におけるFB1)、増幅されたSV40PCR産物の融解温度の開始(TMS1 :77.5℃におけるFMS1 )および増幅されたSV40PCR産物の融解温度の後(TME1 79.5℃におけるFME1 )。
【0057】
(TB1−T )で割った(FB1−F )の負の値により定義される基線傾斜(SB1)から、(TME1 −TMS1 )で割った(FME1 −FMS1 )の負の値により定義されるアンプリコンSV40融解相傾斜(SM1)への傾斜の変化を決定する。図8参照。
【0058】
(SM1−SB1)がゼロより大きくなる、傾斜の正変化が最初に現れる熱サイクルを記録する。上記の段階を38回反復して、PCRごとに2.75E+4から3.44E+6コピーまでの濃度範囲を決定して標準曲線を作製する。
【0059】
未知試料中のSV40DNA濃度におけるSV40の開始濃度を定量する。次いで、得られたサイクル数を標準曲線と比較して未知試料中の開始SV40DNA濃度を決定する。
結果
図8:SV40アンプリコンの融解プロフィール、および図9:SV40標準校正曲線を参照。
実施例5
多重Q−PCRアッセイ
本実施例は、以上に記載した2種のアッセイが両方の標的を試験するために単一反応内にどのように組合せてもよいかを示す。本方法は、実施例IVのものと同様であるが、しかし本試験では試料は大腸菌O157:H7およびSV40のための鋳型DNAを含み、従って両方の標的のためのアンプリコンが産生および測定される。
材料および方法
細胞培養大腸菌O157:H7
それぞれのプロセスは実施例IIIと同様であり新しいカルチャーを調整およ希釈した。最終的な標的大腸菌O157:H7の細胞カウントは、それぞれほぼ10 、10 、10 、10 、10 、および0CFU/mlであった。細胞溶解プロセスは、実施例IIIと同様であった。
【0060】
SV40ウイルスDNAを大腸菌O157:H7細胞溶解物内にスパイクした。
【0061】
実施例VIと同様のSV40 DNAを本試験に使用した。50pg/ulから20、10、4、0.8、0.16および0pg/50ulのSV40の連続希釈物をそれぞれ0、10 、10 、10 、10 、および10 CFU/mlのレベルの大腸菌O157:H7内にそれぞれスパイクした。最後に、すべての試料をPCR増幅し、次いでPE/ABI PRISM7700配列検出システム内で蛍光検出を行って、それぞれのPCRサイクルでの大腸菌O157:H7の種々のレベルからのPCR産物の量を決定した。PCR反応あたりの最終の大腸菌O157:H7およびSV40 DNA濃度は、それぞれ1.25E+5大腸菌ゲノム/0SV40、1.25E+4大腸菌ゲノム/2.75E+4コピーSV40、1.25E+3大腸菌ゲノム/1.38E+5コピーSV40、1.25E+2大腸菌ゲノム/6.88E+5コピーSV40、1.25E+1大腸菌ゲノム/1.72E+6コピーSV40、およびスパイクしない大腸菌O157:H7ゲノム/3.44E+6コピーSV40DNAであった。
PCR試薬
PCR試薬は、スクリーニングのためのBAX(R) /大腸菌O157:H7タブレット(Qualicon, Inc.)からなり、これはdATP、dCTP、dGTP、dTTPの160mM、プライマー5’(TAC CTG AGG CAG TAG CGA TAA TGA GC)3’.33−26−rc1012の72nM、プライマー5’(ATG CAG ACC CGC TGG AGT TTG AGA AA)3’.33−26−538の72nMおよびTaqTMポリメラーゼの1.5単位の保証された有効濃度を含んでいた。追加のSV40プライマーP−4158 5’(TTA AAA AGC TAA AGG TAC ACA ATT TTT GAG CA)−3’の200nMおよびプライマーrc−4289 5’(AAA AGC TGC ACT GCT ATA CAA GAA AAT TAT GG)−3’の200nMをPCR反応物に加えた。ロット9029タブレットを本試験に使用した。これは実施例IVで使用したPCR試薬組成と同様である。
定量PCRプロセス
それぞれ溶解したSV40スパイク試料の50μlの2組のアリコートを採取しそして1個のスクリーニングのためのBAX(R) /大腸菌O157:H7タブレットを含むPCR管内に移し、次いでPE/ABI PRISM7700配列検出システム内で増幅した。反応は、94℃で2分間の初期保持期、次いで94℃/8秒間および70℃/2.53分間、次いで(T )70℃/7秒間、(TB1)73.5℃/7秒間、および(TMS1 )77.5℃/7秒間、(TME1 )78.9℃/7秒間、(TB2)83℃/7秒間、および(TME2 )89.4℃/7秒間の38サイクルで進行した。我々はそれぞれおよびすべてのサイクルから最後の6事象(70℃/7秒間でのF 、73.5℃/7秒間でのFB1、77.5℃/7秒間でのFMS1 、78.9℃/7秒間でのFME1 、83℃/7秒間でのFB2/FMS2 、および89.4℃/7秒間でのFME2 )から蛍光シグナルを採取した。この場合に、FB2はFMS2 と同様であった。38サイクルが完了した後、PCR管を分析まで25℃に保持した。
PCR産物分析
標的細胞を含まないものからのSV40の種々のレベルを含む区別試料に対する閾サイクル(C )値の確定は、基線傾斜(SB1)からのSV40アンプリコン融解相傾斜(SM1)の正の変化および基線傾斜(SB2)からの大腸菌O157:H7アンプリコン融解相傾斜(SM2)の正の変化の最初の出現に基づいた。
【0062】
別に、(TB1−T )で割った(FB1−F )の負の値により定義される基線傾斜(SB1)から、(TME1 −TMS1 )で割った(FME1 −FMS1 )の負の値により定義される融解相傾斜(SM1)へのSV40アンプリコンに対する傾斜の変化を決定する。図10参照。
【0063】
(TB2−TME1 )で割った(FB2−FME1 )の負の値により定義される基線傾斜(SB2)から、(TME2 −TMS2 )で割った(FME2 −FMS2 )の負の値により定義されるアンプリコン融解相傾斜(SM2)への大腸菌O157:H7アンプリコンに対する傾斜の変化を決定する。図10参照。
【0064】
別に、(SM1−SB1)がゼロより大きくなる、SV40アンプリコンに対する傾斜の正変化が最初に現れる熱サイクルを記録する。濃度2.75E+4コピーから3.44E+6コピーSV40 DNAの範囲について段階1)〜3)を38回反復して、標準曲線を作製する。
【0065】
上記のPCRプロセスにおける溶解を行って未知試料内のSV40の開始濃度を定量する。次いで、得られた熱サイクル数を標準曲線と比較して未知試料中の開始SV40コピー数を決定する。
【0066】
(SM2−SB2)がゼロより大きくなる、大腸菌O157:H7アンプリコンに対する傾斜の正変化が最初に現れる熱サイクルを記録する。
【0067】
濃度1.25E+1コピーから1.25E+5大腸菌O157:H7ゲノム/PCRの範囲について上記の段階を38回反復して、大腸菌O157:H7標準曲線を作製する。
【0068】
上記のPCRプロセスにおける溶解を行って未知試料中の大腸菌O157:H7の開始濃度を定量する。次いで、得られた熱サイクル数を標準曲線と比較して未知試料中の開始大腸菌O157:H7コピー数を決定する。
結果
図10:SV40/大腸菌O157:H7アンプリコンの融解プロフィール、および図11:SV40/大腸菌O157:H7標準校正曲線を参照。
実施例6
単一標的定量PCRアッセイ:追加閾決定
上記の実施例I〜IVでは、インターカレーション色素の基線の傾斜に対する特異性アンプリコンの蛍光値の傾斜の変化を比較している。閾サイクルは、基線傾斜に対して、アンプリコン傾斜における最初の正の変化が検出されたサイクルとして定義される。PCR反応における特異性アンプリコンの最初の出現の閾を決定するための他の方法もある。最初の10回のPCRサイクルにおいては標的アンプリコンの検出可能な産生がないと推定できる。従って、閾蛍光値は、最初の10回の蛍光値を平均しそしてこの蛍光値の標準偏差の15倍を加えてて算出できる。この方法には幾つかの欠点がある。第一に、多数のアンプリコンは類似した開始融解温度を有するので、標的DNAへの特異性が低い。これは単一標的PCR定量にのみ適用できる。これは装置毎の変動、およびPCR性能におけるウエル毎の変動により影響を受けるので、実施例1〜4で使用した方法よりも再現性が低い。これは基線シグナルをシフトするアッセイにおける蛍光色素濃度にも依存する。
【0069】
CaMVウイルスプロモーターを用いる例で本方法を説明する。特異性アンプリコン蛍光シグナルは、すべてのサイクルの融解の前および完全変性の後に測定された。初期のPCRサイクルの間には検出可能な増幅産物蛍光シグナルがないであろう。閾は最初の10回のサイクルの蛍光値の平均変化に10個の蛍光値の標準偏差の15倍を加えて決定される(FE−10 ave +15XSD)。閾サイクルは、試料の蛍光がFE−10 ave +15XSDを越えるサイクルとして定義される。出発物質内の標的核酸の未知濃度の定量は、これらの閾サイクル(Ct)を既知濃度の対照から生成したCtの標準曲線と比較して外挿できる。
材料および方法
実施例Iと同様−既知濃度を有するCaMV 35SウイルスDNA。
PCR試薬およびプロセス
実施例Iと同様
定量PCRアッセイ
DNA標準の5レベルのそれぞれ25μl(3組)および未知試料抽出物をピペットで採取し試薬タブレット1個を含むPCRウエル(3組)内に入れた。抽出したDNAのそれぞれの試料25μlに、CAMV/緩衝液混合物25μlを加えた。
【0070】
試料管を冷却ブロック(Qualicon Inc)内に置きそして試料,試薬、およびタブレットを混合するためにPCR管を渦攪拌した。PCR管の架台をPE/ABI7700配列検出システム(Perkin−Elmer)内に配置する。
PCRパラメーター構成
Figure 2004533801
CAMV DNA配列のコピー数を定量するために(TMS)82℃、(TMT)94℃でステージIIのそれぞれのサイクルから蛍光シグナルを採取する。
【0071】
MS:すべてのdsDNAについて全融解温度のPCR反応中の温度。
【0072】
MT:アンプリコンについて融解温度の開始のPCR反応中の温度。
データ処理および分析
それぞれの増幅サイクルの間にビームにより励起された蛍光を測定する。
【0073】
・増幅された35S CaMV PCR産物が融解を開始する温度において(TMS:82℃におけるFMS)および
・増幅された35S CaMVアンプリコンの全融解温度の後(TMT:94℃におけるF )。
【0074】
MTをFMSから差し引いて、それぞれのPCRサイクルのFMTからFMSへの蛍光シグナルの変化を決定する。図14参照。値が閾値より大きくなった正値の最初の出現の熱サイクルを記録する。35S CaMVゲノム/PCRの35〜4375コピーの濃度の範囲を決定する上記の段階を40回反復して、標準曲線を作製する。図15参照。
【0075】
上記と同じDNA抽出およびPCRプロセスを行って未知試料内のCaMV35SプロモーターDNAの開始濃度を定量する。次いで、得られた熱サイクル数を標準曲線と比較して未知試料中の開始濃度を決定する。
結果
図14:CaMVアンプリコンの融解プロフィールおよびシグナル決定、図15:CaMVの実時間定量PCR。
[配列表の簡単な説明]
配列番号1は、カリフラワーモザイクウイルス35Sプロモーター(35SCaMV)のプロモーター領域の一部分をコードする合成オリゴヌクレオチドの配列である。配列番号2に示すオリゴヌクレオチドを用いるPCR反応に使用すると、配列番号9に示す断片が産生される。
【0076】
配列番号2は、カリフラワーモザイクウイルス35Sプロモーター(35SCaMV)のプロモーター領域の一部分をコードする合成オリゴヌクレオチドの配列である。配列番号1に示すオリゴヌクレオチドを用いるPCR反応に使用すると、配列番号9に示す断片が産生される。
【0077】
配列番号3は、ダイズレクチン遺伝子Le−1の一部分をコードする合成オリゴヌクレオチドの配列である。配列番号4に示すオリゴヌクレオチドを用いるPCR反応に使用すると、配列番号10に示す断片が産生される。
【0078】
配列番号4は、ダイズレクチン遺伝子Le−1の一部分をコードする合成オリゴヌクレオチドの配列である。配列番号3に示すオリゴヌクレオチドを用いるPCR反応に使用すると、配列番号10に示す断片が産生される。
【0079】
配列番号5は、大腸菌O157:H7にユニークなゲノムの一部分をコードする合成オリゴヌクレオチドの配列である。配列番号6に示すオリゴヌクレオチドを用いるPCR反応に使用すると、配列番号11に示す断片が産生される。
【0080】
配列番号6は、大腸菌O157:H7にユニークなゲノムの一部分をコードする合成オリゴヌクレオチドの配列である。配列番号5に示すオリゴヌクレオチドを用いるPCR反応に使用すると、配列番号11に示す断片が産生される。
【0081】
配列番号7は、SV−40からのラージ−T抗原の一部分をコードする合成オリゴヌクレオチドの配列である。配列番号8に示すオリゴヌクレオチドを用いるPCR反応に使用すると、配列番号12に示す断片が産生される。
【0082】
配列番号8は、SV−40からのラージ−T抗原の一部分をコードする合成オリゴヌクレオチドの配列である。配列番号7に示すオリゴヌクレオチドを用いるPCR反応に使用すると、配列番号12に示す断片が産生される。
【0083】
配列番号9は、配列番号1および2で示されたプライマーにより増幅された35−S CaMVプロモーター領域のヌクレオチド配列部分である。この断片は、83〜87.5℃の融解温度を有する。
【0084】
配列番号10は、配列番号3および4で示されたプライマーにより増幅されたダイズレクチン遺伝子LE−1のヌクレオチド配列部分である。この断片は、81.5〜83.5℃の融解温度を有する。
【0085】
配列番号11は、配列番号5および6で示されたプライマーにより増幅された大腸菌O157:H7からのユニークなゲノム座のヌクレオチド配列部分である。この断片は、82.6〜89℃の融解温度を有する。
【0086】
配列番号12は、配列番号7および8で示されたプライマーにより増幅されたSV40ラージ−T抗原のヌクレオチド配列部分である。この断片は、77〜79℃の融解温度を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】
CaMVプロモーターの断片の融解プロフィールであって、温度と相対蛍光強度との関係、および基線傾斜(S )およびアンプリコン傾斜(S )を示す。
【図2】
図1中のアンプリコンの実時間定量PCR増幅であって、温度と開始濃度との関係およびデルタ傾斜差(S −S )との関係を示す。
【図3】
図1のアンプリコンの標準曲線であって、開始標的濃度の対数とPCR中の閾サイクル数との間の関係を示す。
【図4】
レクチンアンプリコンの融解プロフィールであって、温度と相対蛍光強度との関係および基線傾斜(S )およびアンプリコン傾斜(S )を示す。
【図5】
図3のアンプリコンの標準曲線であって、開始標的濃度の対数とPCR中の閾サイクル数との間の関係を示す。
【図6】
大腸菌O157:H7アンプリコンの融解プロフィールであって、温度と相対蛍光強度との関係、および基線傾斜(S )およびアンプリコン傾斜(S )を示す。
【図7】
図6中のアンプリコンの実時間定量PCR増幅であって、温度と開始濃度との関係およびデルタ傾斜差(S −S )との関係を示す。
【図8】
図6のアンプリコンの標準曲線であって、開始標的濃度の対数とPCR中の閾サイクル数との間の関係を示す。
【図9】
SV40アンプリコンの融解プロフィールであって、温度と相対蛍光強度との関係および基線傾斜(S )およびアンプリコン傾斜(S )を示す。
【図10】
図9のアンプリコンの標準曲線であって、開始標的濃度の対数とPCR中の閾サイクル数との間の関係を示す。
【図11】
大腸菌O157:H7およびSV40アンプリコン両方の混合物の融解プロフィール。混合および傾斜決定。
【図12】
多重Q−PCRアッセイからのSV40アンプリコンの標準曲線。
【図13】
多重Q−PCRアッセイからの大腸菌O157:H7アンプリコンの標準曲線。
【図14】
35S CaMV融解プロフィールおよびシグナル決定。本図は、温度と特異性CaMV増幅産物の相対蛍光強度との関係を示し、そしてアンプリコンシグナルと背景蛍光との間の差も示す。
【図15】
CaMVの実時間定量PCR反応。本図は、閾値を設定するための平均基線の使用を示し、そしてCaMV試料のそれぞれの濃度の熱サイクルの数と蛍光シグナル差(特異性−背景)の間の関係を示す。
【図16】
アンプリコンの閾サイクルの決定。初期蛍光(F )および背景閾蛍光(F )を定義するために使用したサイクルを示す。閾サイクル(C )は、アンプリコン産生およびF の関数として決定できる。

Claims (10)

  1. 標的核酸分子の融解が温度TMSで開始しそして温度TMEで完了する、試料内の標的核酸分子の量を実時間で検出するための方法であって、
    A.i)適当な蛍光色素の存在下で、既知の開始濃度(C)で、変性、アニーリング、および連鎖伸長サイクルを介して標的核酸分子をPCR増幅し、ここで、色素が二本鎖核酸分子と結合すると蛍光が増加し、ここで連鎖伸長は連鎖伸長温度T で起き;
    ii)蛍光(F)を、それぞれの増幅サイクルの間に、温度がT から上昇を開始する直前の温度において(T におけるF )、T とTMSとの間のいずれかの温度点(T )において(T におけるF )、TMSにおいて(TMSにおけるFMS)およびTMEにおいて(TMEにおけるFME)測定し;
    iii)(T −T )で割った−(F −F )により定義される基線傾斜(S )、および(TME−TMS)で割った−(FME−FMS)により定義されるアンプリコン融解相傾斜(S )を算出し;
    iv)量(S −S )が最初に0より大きくなるために必要なPCRサイクルの数(N)を記録し;
    v)関係する濃度の適当な範囲内で段階i)からv)までを反復し、そして
    vi)標的核酸配列のための標準曲線を得るためにCをC に対してプロットする;
    ことにより標準曲線を確定し、そして
    B.標的核酸分子の未知濃度を含む試料について段階(A)(i)から(A)(v)までを反復して試料についてのC 値を得て、そして標準曲線を介して標的核酸分子濃度を決定する
    ことを含んでなる方法。
  2. 試料が第一標的核酸分子および第二標的核酸分子を含み、ここで第一標的核酸分子の融解は温度TMS1 で開始しそしてTME1 で完了し、第二標的核酸分子の融解は温度TMS2 で開始しそしてTME2 で完了し、そしてここでTMS2 はTME1 より高く、
    A.i)適当な蛍光色素の存在下で、既知の開始濃度(C およびC )で、変性、アニーリング、および連鎖伸長サイクルを介して標的核酸分子を同時PCR増幅し、ここで、色素が二本鎖核酸分子と結合すると蛍光が増加し、ここで連鎖伸長は連鎖伸長温度T で起き;
    ii)蛍光(F)を、それぞれの増幅サイクルの間に、温度がT から上昇を開始する直前の温度において(T におけるF )、T とTMS1 との間のなんらかの温度点(TB1)において(TB1におけるFB1)、TMS1 において(TMS1 におけるFMS1 )、TME1 において(TME1 におけるFME1 )、TME1 とTMS2 との間のいずれかの時点(TB2)において(TB2におけるFB2)、TMS2 において(TMS2 におけるFMS2 )TME2 において(TME2 におけるFME2 )測定し;
    iii)(TB1−T )で割った−(FB1−F )により定義される第一標的分子の基線傾斜(SB1)、および(TME1 −TMS1 )で割った−(FME1 −FMS1 )により定義される第一分子の第一アンプリコン融解相傾斜(SM1)を算出し;そして(TB2−TME1 )で割った−(FB2−FME1 )により定義される第二標的分子の基線傾斜(SB2)、および(TME2 −TMS2 )で割った−(FME2 −FMS2 )により定義される第一分子の融解相傾斜(SM2)を算出し;
    iv)量(SM1−SB1)が最初に0より大きくなるために必要なPCRサイクルの数(N )を記録し;そして量(SM2−SB2)が最初に0より大きくなるために必要なPCRサイクルの数(N )を記録し;
    v)2種の標的分子それぞれについての関係する濃度の適当な範囲内で段階i)からv)までを反復し、そして
    vi)第一標的分子のための標準曲線を得るためにC をN に対してプロットし;そして第二標的分子のための標準曲線を得るためにC をN に対してプロットする;
    ことにより標的核酸分子のそれぞれのための標準曲線を確定し、そして
    B.第一および第二標的核酸分子の未知濃度を含む試料について段階(A)(i)から(A)(v)までを反復して試料についてのN 値およびN 値を入手し、そして標準曲線を介して標的核酸分子濃度を決定する
    ことを含んでなる、請求項1記載の方法。
  3. 試料が、第一標的核酸分子、第二標的核酸分子および第三標的核酸分子を含み、ここで第一標的核酸分子の融解は温度TMS1 で開始しそして温度TME1 で完了し、第二標的核酸分子の融解は温度TMS2 で開始しそして温度TME2 で完了しそして第三標的核酸分子の融解は温度TMS3 で開始しそして温度TME3 で完了し、そしてここでTMS3 はTME2 より高く、
    A.請求項1記載の方法に従って標的核酸分子のそれぞれのための標準曲線を確定し;
    B.標的核酸分子の未知濃度を含む試料を同時PCR増幅して、試料についてのN 、N およびN 値を得て、そして標準曲線を介して標的核酸分子濃度を決定することを含んでなる、請求項1記載の方法。
  4. 試料がn種の標的核酸分子を含み、ここでnは3より大きい整数であり、ここで、第一標的核酸分子の融解は温度TMS1 で開始しそして温度TME1 で完了し、第二標的核酸分子の融解は温度TMS2 で開始しそして温度TME2 で完了し、第(n−1)標的核酸分子の融解は温度TMS(n−1) で開始しそして温度TME(n−1) で完了し、第n標的核酸分子の融解は温度TMSn で開始しそして温度TMEn で完了し、そしてここでTMSn はTME(n−1) より高く、
    A.請求項1記載の方法に従って標的核酸分子のそれぞれのための標準曲線を確定し;
    B.標的核酸分子の未知濃度を含む試料を同時PCR増幅して、試料についてのN 、N ...およびN 値を得て、そして標準曲線を介して標的核酸分子濃度を決定することを含んでなる、請求項1記載の方法。
  5. 第一および第二標的核酸分子が生物体の同じゲノム上に存在し、そしてここで第一標的核酸分子のゲノムあたりのコピー数が既知であり、それにより第二標的核酸分子のゲノムあたりのコピー数を決定する、請求項2記載の方法。
  6. 標的核酸分子が病原性生物体由来である、請求項1記載の方法。
  7. 第一標的核酸がインベルターゼ遺伝子、アルドラーゼ遺伝子またはレクチン遺伝子であり、そしてここで第二標的核酸が、35S CaMVプロモーター、Cry9C遺伝子、GA21遺伝子、EPSPS(5−エノールピルビルシキマート−3−リン酸合成酵素遺伝子、PEPCプロモーター;Cry1A(b)遺伝子のhsp70プロモーター、Cry1A(b)遺伝子;NOS遺伝子、およびアクチンプロモーター遺伝子よりなる群より選ばれる、請求項2記載の方法。
  8. 標的核酸分子が、配列番号11、配列番号12、配列番号9、および配列番号10よりなる群より選ばれる、請求項1記載の方法。
  9. 標的核酸分子が、遺伝子組換え生物体内に含まれる導入遺伝子の部分である核酸断片である請求項1記載の方法。標的核酸分子が導入遺伝子のプロモーターを含んでなる、請求項9記載の方法。
  10. プロモーターがカリフラワーモザイクウイルスの35Sプロモーターである、請求項10記載の方法。
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