JP2018088003A - レンズ鏡筒 - Google Patents
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Description
特許文献1のレンズ鏡筒は、レンズ枠ごとにカムピンの外径を変更し、各レンズ枠のカムピンの形状に応じてカム筒に形成される各カム溝の幅を変更することにより、効率よく複数のレンズ枠をカム筒に挿入して組み立てられている。
しかし、このようなレンズ鏡筒は、被写体側に位置するレンズ枠のカムピンの外径が撮像側に位置するレンズ枠のカムピンに比して小さい。そのため、被写体側に位置するレンズ枠に大型のレンズが搭載される傾向にある昨今のレンズ鏡筒においては、そのレンズの重量から被写体側のレンズ枠のカムピンの耐衝撃性が不足してしまう場合があった。この耐衝撃性を向上するために、カムピンの形状を大きくすることも考えられるが、その場合、他のレンズ枠のカムピンの形状も大きくする必要があり、カムピンの設計の自由度が制限されてしまう場合があった。
以下、図面を参照して、本発明に係るレンズ鏡筒及びこれを備えた撮像装置の第1実施形態について説明する。本実施形態では、本発明に係るレンズ鏡筒を備えた撮像装置として、レンズ鏡筒が装着されたデジタルカメラを例に挙げて説明する。
図2は、本実施形態のレンズ鏡筒のWIDE端撮影状態及びTELE端撮影状態を示す断面図である。図2において、紙面上半分はWIDE端撮影状態のレンズ鏡筒を示し、紙面下半分はTELE端撮影状態のレンズ鏡筒を示す。
図3は、本実施形態のレンズ鏡筒の固定筒周りの構成を説明する斜視図である。
図4は、本実施形態の第2レンズ枠、第3レンズ枠、第5レンズ枠の構成を説明する図である。図4(a)は、各レンズ枠の斜視図である、図4(b)は、図4(a)のb部詳細図であり、図4(c)は、図4(a)のc部詳細図である。
図5は、本実施形態の第2レンズ枠、第3レンズ枠、第5レンズ枠が当接した状態を示す斜視図である。
図6は、本実施形態のレンズ鏡筒のカム筒の詳細を説明する図である。図6(a)は、内周面に設けられたカム溝を示すカム筒の展開図である。図6(b)は、図6(a)のb部詳細図である。
マウント部4は、カメラ本体2に設けられたカメラ側のマウントであり、レンズ鏡筒30に設けられたレンズ側のマウント部32に着脱可能に接続される。マウント部4及びマウント部32には、それぞれ、カメラ本体2とレンズ鏡筒30との間でデータを送受信するための電極(不図示)や、カメラ本体2からレンズ鏡筒30へ電力を送信するための電極(不図示)等を備える。
メインミラー8は、撮像前においては光軸OA上に位置する(ポジションA)。この場合、レンズ鏡筒30からカメラ本体2に入射した被写体光は、メインミラー8により上方へ導かれ、拡散スクリーン(不図示)に被写体像として結像する。メインミラー8は、その一部にハーフミラーが形成されている。このため、被写体光の一部は、メインミラー8においてサブミラー9で下方に反射され、測距ユニット10にも結像する。また、拡散スクリーンに結像した被写体光は、ペンタプリズム15へ入射する。
また、ペンタプリズム15は、入射した被写体光の一部を測光ユニット(不図示)へ導く。測光ユニットは、被写体光の輝度情報を検出する。測光制御演算部(不図示)は、測光ユニットで検出された輝度情報に基づいて被写体輝度を算出する。また、測光制御演算部は、設定された撮像感度、レンズ情報、及び算出した被写体輝度等を用いて演算を行い、露出値(絞り値、シャッタースピード)を決定する。
光学フィルタ12は、撮像素子13の撮像面において、不要な空間周波数成分を除去する部材である。
撮像素子13は、取り込んだ被写体光を信号電荷として蓄積し、画像情報に変換する。この画像情報は、画像制御部(不図示)により画像補正や補間処理等の画像処理が施された後、メモリ(不図示)に記憶される。
液晶モニタ14は、撮影された静止画像や動画像を表示する。また、液晶モニタ14は、撮影条件やカメラ操作に関する情報、並びに各種のメッセージ等を表示する。
直進筒34は、カム筒50内に配置される筒状の部材であり、その筒内に第2レンズ枠体42の直進キー42c(後述する)及び第3レンズ枠体43の直進キー43c(後述する)にそれぞれ係合するキー溝が形成されている。
操作環40は、固定筒31の外周側面上に配置される円筒状の部材であり、固定筒31の外周に対して回転可能であって、前後方向(Z方向)に移動不可能に設けられている。この操作環40を回転させることにより、各レンズ群は固定筒31に対して光軸方向(Z方向)に移動することができ、レンズ鏡筒30は、図2に示すように、撮影状態から沈胴状態へと変化する。
また、第2レンズ枠体42は、図4(b)に示すように、カムピン42aの近傍であって第2レンズ枠体42の後端面に、第3レンズ枠体43に最も接近した状態で当接する平面から構成される当接部42bが形成されている。第2レンズ枠体42は、第3レンズ枠体43と当接部42bで当接することによって、他の部位が第3レンズ枠体43と接触し、破損等してしまうのを防ぐことができる。
また、第3レンズ枠体43は、図4(c)に示すように、カムピン43aの近傍に、第5レンズ枠体45に最も接近した状態で当接する平面から構成される当接部43bが形成されている。第3レンズ枠体43は、第5レンズ枠体45と当接部43bで当接することによって、他の部位が第5レンズ枠体45と接触し、破損等してしまうのを防ぐことができる。
ここで、第2レンズ枠体42の直進キー42cと、第3レンズ枠体43の直進キー43cとが、それぞれ直進筒34のキー溝に係合することによって、第2レンズ枠体42のカムピン42a及び第3レンズ枠体43のカムピン43aは、図5に示すように、同一直線上に位置することとなる。
ここで、第5レンズ枠体45の直進キーが、第3レンズ枠体43のキー溝43dに係合することによって、第3レンズ枠体43のカムピン43a及び第5レンズ枠体45のカムピン45aは、図5に示すように、同一直線上に位置することとなる。
第6レンズ枠体46は、図1に示すように、第6レンズ群L6を保持する枠体であり、固定筒31の後端部に配置される。
電磁絞り部47は、第2レンズ枠体42と第3レンズ枠体43との間に配置された電磁式の絞り機構である。
また、カム筒50は、図6(a)に示すように、その内周面にカム溝52、カム溝53、カム溝55が光軸方向に並んで形成されている。また、カム筒50には、各カム溝にカムピンを挿入する挿入溝56が形成されている。
カム溝52は、第2レンズ枠体42のカムピン42aが係合する溝であり、カム筒50の円周方向に延在する。カム溝52は、カム筒50の最も被写体側に形成される。
カム溝53は、第3レンズ枠体43のカムピン43aが係合する溝であり、カム筒50の円周方向に延在する。カム溝53は、カム溝52及びカム溝55間に形成される。
カム溝55は、第5レンズ枠体45のカムピン45aが係合する溝であり、カム筒50の円周方向に延在する。カム溝55は、カム筒50の最も後端側(撮像素子側)に形成される。
本実施形態では、上述の各レンズ枠体に設けられたカムピン42a、43a、45aの数(3つ)に対応して、各カム溝及び挿入溝56は、カム筒50の円周方向に3組並んで形成されている。
この組立領域は、挿入溝56から挿入された各カムピンが各カム溝に係合する位置となる係合完了位置(図6(b)参照)を含んだ領域である。組立領域は、カム筒50内に各レンズ枠体を組み込む工程において使用されるため、製造後のレンズ鏡筒の通常の使用時においては、各カムピンがこの領域を通過することはない。
撮影領域は、カム筒50に係合された各レンズ群が撮影可能となる領域であり、組立領域との境がTele位置であり、沈胴領域との境がWide位置となる。
沈胴領域は、カメラ1の電源OFF時等において、各レンズ枠体が固定筒31内に沈胴して収納状態に移行する領域であり、各カム溝の挿入溝56側とは反対側の終端部が沈胴位置となる。
また、カム溝53及びカム溝55は、組立領域の各カム溝の係合完了位置における距離Q1が、第3レンズ枠体43を当接部43bで第5レンズ枠体45と当接させた場合におけるカムピン43a及びカムピン45aの距離q(図5参照)と略等しく形成されている。
本実施形態では、距離P1及び距離Q1は、それぞれ距離p、距離qよりも若干大きく形成されている。
このように、組立領域の係合完了位置における距離P1、距離Q1を、他の領域における距離よりも狭くすることによって、カムピンをカム溝に係合させた係合完了位置以外のカム溝の領域(撮影領域、沈胴領域)において、各レンズ枠体が互いに干渉してしまうのを回避することができる。
なお、係合完了位置は、カム溝に係合したカムピンが、面取りの斜面を滑り落ちない程度にその斜面から離れた位置となる。また、各カム溝の接続箇所に施される面取り処理は、挿入溝56からカム溝へのカムピンの移動をより容易にするために、カム筒50や各レンズ枠体の設計時の寸法公差や、上述の距離P1及び距離pの寸法差、距離Q1及び距離qの寸法差等に応じて斜面の寸法を決定することが望ましい。
また、複数のカム溝(例えばカム溝52とカム溝53)において、光軸方向後側(撮像素子側)のカム溝53と挿入溝56との接続箇所を、面取り処理するのが好ましい。組立時に、第2レンズ枠体42と第3レンズ枠体43とが当接した状態でカム筒内に組み込むので、光軸方向後側のカム溝53と挿入溝56との接続箇所の方が光軸方向前側のカム溝52と挿入溝56との接続箇所より製造誤差の累積が大きいためである。
まず、作業者は、図5に示すように、第2レンズ枠体42、第3レンズ枠体43、第5レンズ枠体45を各当接部42b、43bに当接させて、それぞれが最も接近した状態にして(以下、レンズ枠体群という)、カム筒50内に組み込む。このとき、作業者は、同一直線上に並んだカムピン42a、43a、45aをカム筒50の挿入溝56に挿入することによって、レンズ枠体群をカム筒50内に組み込む。
次に、作業者が組み込んだレンズ枠体群に対してカム筒50を回転させると、図6(b)に示すように、各カムピンは、挿入溝56から各カム溝に入り込んで係合し、係合完了位置へと移動する。
このとき、各カム溝には、挿入溝56との接続箇所に斜面が形成されているので、各カムピンは、その面取りの斜面を経て、挿入溝56から各カム溝へと円滑に移動する。
以上により、第2レンズ枠体、第3レンズ枠体、第5レンズ枠体のカム筒50内への組み込み作業が完了となる。
(1)カム溝52及び挿入溝56が接続される係合完了位置と、カム溝53及び挿入溝56が接続される係合完了位置との光軸方向における距離P1が、第2レンズ枠体42と第3レンズ枠体43とが当接した状態におけるカムピン42aとカムピン43aとの光軸方向における距離pに略等しい。同様に、カム溝53とカム溝55の係合完了位置の光軸方向における距離Q1が、第2レンズ枠体42と第3レンズ枠体43とが当接した状態におけるカムピン42aとカムピン43aとの光軸方向における距離pに略等しい。
これにより、レンズ鏡筒30は、複数のレンズ枠体(52、53、55)をカム筒50内に効率よく組み込むことができる。また、各レンズ枠体に設けられるカムピンの形状には制限が生じないので、各レンズ枠体に保持されるレンズ群の仕様等に応じてカムピンの形状を変更することができ、カムピンの設計の自由度を向上させることができる。
(3)カム筒50の各カム溝52、53、55は、挿入溝56との接続箇所が面取り処理されているので、挿入溝56に挿入されたカムピンが、各カム溝に係合するのを容易にすることができる。
(1)実施形態において、レンズ鏡筒30は、第2レンズ枠体42、第3レンズ枠体43、第5レンズ枠体45の各カムピン42a、43a、45aと、カム筒50のカム溝52、53、55とが、それぞれ3つずつ設けられる例を示したが、これに限定されるものでない。例えば、各カムピン及びカム溝は、3以外の数ずつで設けるようにしてもよい。
(2)実施形態において、各カムピン42a、43a、45aは、それぞれ各レンズ枠体42、43、45に対して別体で構成される例を示したが、これに限定されるものでない。例えば、各カムピンは、各レンズ枠体に対して一体で形成されるようにしてもよい。こうすることによって、レンズ鏡筒を構成する部品点数を減らすことができるとともに、レンズ鏡筒の製造効率も向上させることができる。
(4)実施形態において、挿入溝56は、光軸方向に平行な方向に形成される例を示したが、これに限定されるものでなく、光軸方向に対して傾斜したり、曲線で光軸方向に延在させたりして形成してもよい。
(5)実施形態において、第2レンズ枠体42及び第3レンズ枠体43に設けられた当接部42b、43bは、平面で構成される例を示したが、これに限定されるものでなく、例えば曲面で構成されるようにしてもよい。
Claims (1)
- 第1カム溝及び第2カム溝の少なくとも一部が光軸方向に並んで形成されたカム筒と、
前記第1カム溝に係合する第1カムピンが設けられ、前記第1カムピンが前記第1カム溝内を移動することにより、前記カム筒内で光軸方向に移動する第1移動体と、
前記第2カム溝に係合する第2カムピンが設けられ、前記第2カムピンが前記第2カム溝内を移動することにより、前記カム筒内で光軸方向に移動する第2移動体とを備え、
前記カム筒は、前記第1カム溝及び前記第2カム溝に連続するとともに前記カム筒の一端に連続するように形成され、前記第1カムピン及び前記第2カムピンを挿入可能な挿入溝を有し、
前記第1カム溝及び前記挿入溝が接続される第1位置と、前記第2カム溝及び前記挿入溝が接続される第2位置との光軸方向における距離は、前記第1カムピン及び前記第2カムピンが前記挿入溝内に挿入されて前記第1移動体と前記第2移動体とが当接した状態における前記第1カムピンと前記第2カムピンとの光軸方向における距離に略等しいこと、
を特徴とするレンズ鏡筒。
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