JP2018087509A - エンジンの排気装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】コスト及び製造工数を大きく増加させることなく、排気通路における排気熱の放熱を抑制する。【解決手段】エンジン本体1の排気装置20は、燃料と空気との混合気が燃焼する気筒2を備えたエンジンの排気装置であり、排気流の上流側から順に配置された、排気マニホールド21、触媒装置22及びサイレンサ23と、これらを繋ぐ共用排気管30とを備える。共用排気管30は、排気マニホールド21と触媒装置22との間を繋ぐ上流排気管31と、触媒装置22とサイレンサ23との間を繋ぐ下流排気管32とを含む。上流排気管31には、排気熱が外部に逃げることにより発生する排気損失を低減する構造が施与されている。すなわち、上流排気管31の内壁面31Aは、排気の流動方向に延びる複数の微細溝40が密に配列された溝付き内壁面とされている。【選択図】図1

Description

本発明は、所定の燃料と空気との混合気が燃焼する気筒を備えたエンジンの排気装置に関する。
一般に多気筒エンジンの排気通路は、各気筒の排気開口に連なるシリンダヘッドの排気ポート、各排気ポートに上流端が連なる排気マニホールド、及び前記排気マニホールドの下流端に連なる共用排気管により構成される。前記共用排気管には、一般に排気を浄化する触媒装置が組み入れられるが、排気が保有する熱エネルギーを回収する排熱回収装置が組み入れられる場合もある。前記共用排気管の下流端には、消音のためのサイレンサが組み付けられる。
前記排気通路において、排気熱の放熱(排気の温度低下)の抑制が求められる場合がある。例えば、前記触媒装置内の触媒をエンジン始動時に早期活性化させる、若しくは触媒の活性化温度を維持するために、排気熱を可及的に逃がすことなく前記触媒装置へ排気を導くことが求められる。或いは、前記排熱回収装置において、回収する熱量を多くするために、排気熱を可及的に逃がすことなく前記排熱回収装置へ排気を導くことが求められる。特許文献1には、エンジンと触媒装置とを繋ぐ排気管の内壁面に、排気管よりも熱伝導率が低い材料にて形成されたコーティング層を設ける排気装置が開示されている。当該コーティング層により、排気熱の排気管外への放熱が抑制されるので、前記排気熱が保温される。
特開2012−172580号公報
しかし、特許文献1の排気装置のように、排気管の内壁面にコーティング層を設ける場合、当該コーティング層の形成材料の調製及びコーティング層の形成工程が必要となる。これらのことは、排気装置のコスト及び工数を増加させる。
本発明の目的は、コスト及び製造工数を大きく増加させることなく、排気通路における排気熱の放熱を抑制できるエンジンの排気装置を提供することにある。
本発明の一局面に係るエンジンの排気装置は、燃料と空気との混合気が燃焼する気筒を備えたエンジンの排気装置であって、前記気筒から排出される排気が通過する排気通路を備え、前記排気通路の少なくとも一部の区間において、当該排気通路を区画する排気通路内壁面が、前記排気の流動方向に延びる複数の微細溝が密に配列された溝付き内壁面とされていることを特徴とする。
排気通路を通過する排気は、例えば一般乗用車においてエンジン回転数が1000〜6000rpm程度ならば、10〜70m/s程度の流速を持つ。本発明者らの知見によれば、このような排気通路内の排気流は、排気通路の下流側に進行する主流と、この主流に伴う副流であって前記主流の進行軸の軸回りに旋回する渦流(縦渦)とを含む。前記渦流には熱を輸送する性質が強いという特徴がある。排気流の流速が大きいほど、前記渦流の径(スケール)が小さくなる傾向がある。
上記の排気装置によれば、排気通路の少なくとも一部の区間において、当該排気通路を区画する排気通路内壁面が、複数の微細溝が密に配列された溝付き内壁面とされる。微細溝が存在すると、熱伝達性の強い前記渦流が前記微細溝の頂部に留まるようになる。これにより、前記渦流が排気通路内壁面から離間され、排気通路の壁面を通した排気熱の放熱(排気損失)が低減される。従って、排気熱を保温したまま、排気を排気通路の下流側へ流通させることが可能となる。また、排気通路内壁面に微細溝を形成するだけで排気の保温効果を得ることができ、前記内壁面にコーティング層等を別途設ける場合に比べてコスト及び製造工数を低減することができる。
上記のエンジンの排気装置において、前記排気通路に組み込まれ、前記排気を浄化する触媒装置をさらに備え、前記排気通路のうち、前記気筒の出口から前記触媒装置までを繋ぐ排気通路の少なくとも一部の区間における排気通路内壁面が、前記溝付き内壁面とされているころとが望ましい。
この排気装置によれば、触媒装置に至るまでの排気通路における排気熱の放熱を抑制することができる。従って、前記触媒装置内の触媒をエンジン始動時に早期活性化すること、並びに触媒の活性化温度を維持することに貢献することができる。
上記のエンジンの排気装置において、前記排気通路に組み込まれ、前記排気が保有する熱エネルギーを回収する排熱回収装置をさらに備え、前記排気通路のうち、前記気筒の出口から前記排熱回収装置までを繋ぐ排気通路の少なくとも一部の区間における排気通路内壁面が、前記溝付き内壁面とされていることが望ましい。
この排気装置によれば、排熱回収装置に至るまでの排気通路における排気熱の放熱を抑制することができる。従って、前記排熱回収装置において排気から回収する熱量を多くすることに貢献することができる。
上記のエンジンの排気装置において、前記排気通路に組み込まれ、前記排気を浄化する触媒装置と、前記触媒装置よりも排気流通方向の下流側において前記排気通路に組み込まれ、前記排気が保有する熱エネルギーを回収する排熱回収装置と、をさらに備え、前記排気通路のうち、前記気筒の出口から前記触媒装置までを繋ぐ第1排気通路の少なくとも一部の区間における排気通路内壁面、及び、前記触媒装置から前記排熱回収装置までを繋ぐ第2排気通路の少なくとも一部の区間における排気通路内壁面が、前記溝付き内壁面とされていることが望ましい。
この排気装置によれば、気筒の出口から触媒装置に至るまでの第1排気通路における排気熱の放熱、及び、前記触媒装置から排熱回収装置に至るまでの第2排気通路における排気熱の放熱を抑制することができる。従って、前記触媒装置における触媒の早期活性化並びに活性化温度の維持、前記排熱回収装置における排気からの回収熱量の増加に寄与することができる。
この場合、前記第1排気通路の前記排気通路内壁面に形成される複数の微細溝の各々は、第1の溝幅を有し、前記第2排気通路の前記排気通路内壁面に形成される複数の微細溝の各々は、前記第1の溝幅よりも広い第2の溝幅を有することが望ましい。
排気流の流速は、排気通路の下流側へ向かうほど低下する。特に、排気が触媒装置を通過する前後で、その流速は大きく変化する。このため、前記第1排気通路を通過する排気流は比較的高速であるので、その渦流は比較的小さいのに対し、前記第2排気通路を通過する排気流は比較的低速であるので、その渦流は比較的大きくなる。上記の排気装置によれば、排気通路における排気流の流速変化に応じた微細溝を、排気通路内壁面に設定することができる。つまり、前記微細溝が、排気通路の下流側へ向かうに連れた排気流の渦流の径変化に応じた溝幅を具備するようになり、前記第1、第2排気通路の各々において、渦流を適正に排気通路内壁面から離間させることができる。従って、排気損失を効果的に低減させることができる。
本発明のエンジンの排気装置によれば、コスト及び製造工数を大きく増加させることなく、排気通路における排気熱の放熱を抑制することができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係るエンジンの排気装置を示す概略図である。 図2(A)は、排気管を軸方向に半分割した状態の斜視図、図2(B)は、排気管の断面図、図2(C)は、図2(B)の部分拡大図である。 図3は、排気流の態様を示す模式図である。 図4(A)は、排気管内壁面が平坦な場合における、排気流の渦流と当該内壁面との位置関係を示す図、図4(B)は、排気内壁面に微細溝が形成されている場合における、前記渦流と当該内壁面との位置関係を示す図である。 図5は、本発明の第2実施形態に係るエンジンの排気装置を示す概略断面図である。 図6は、第2実施形態において、排気管内壁面に形成される微細溝の溝幅を説明するための模式図である。 図7は、排熱回収装置の一例を示すブロック図である。 図8は、本発明の変形実施形態に係るエンジンの排気装置を示す概略断面図である。 図9は、微細溝の変形例を説明するための模式図である。
[第1実施形態]
<エンジンの構造>
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係るエンジンの排気装置を示す概略図であって、エンジン本体1と、当該エンジン本体1の排気装置20の概略構成を示している。先ずはエンジン本体1について説明する。ここに示されるエンジン本体1は、自動車等の車両の走行駆動用の動力源として、前記車両に搭載される往復ピストン型の多気筒ガソリンエンジンである。エンジン本体1に供給される燃料は、本実施形態では、ガソリンを主成分とするものである。
エンジン本体1は、シリンダブロック3、シリンダヘッド4及びピストン5を備える。シリンダブロック3は、図1の紙面に垂直な方向に並ぶ複数の気筒2(図中ではそのうちの1つのみを示す)を有している。気筒2内では、前記燃料と空気との混合気が燃焼する。シリンダヘッド4は、シリンダブロック3の上面に取り付けられ、気筒2の上部開口を塞いでいる。ピストン5は、各気筒2に往復摺動可能に収容されており、コネクティングロッド8を介してクランク軸7と連結されている。ピストン5の往復運動に応じて、クランク軸7はその中心軸回りに回転する。
ピストン5の上方には燃焼室6が形成されている。シリンダヘッド4には、燃焼室6と連通する吸気ポート9及び排気ポート10が形成されている。シリンダヘッド4の底面には、吸気ポート9の下流端である吸気側開口部4Aと、排気ポート10の上流端である排気側開口部4B(気筒の出口)とが形成されている。シリンダヘッド4には、吸気側開口部4Aを開閉する吸気バルブ11と、排気側開口部4Bを開閉する排気バルブ12とが組み付けられている。本実施形態のエンジンは、ダブルオーバーヘッドカムシャフト式(DOHC)エンジンである。吸気側開口部4Aと排気側開口部4Bとは、各気筒2につき2つずつ設けられるとともに、吸気バルブ11および排気バルブ12も2つずつ設けられている。
吸気バルブ11及び排気バルブ12は、いわゆるポペットバルブであり、各々開口部4A、4Bを開閉する傘状の弁体と、この弁体から垂直に延びるステムとを含む。前記弁体は、燃焼室6に臨むバルブ面を有する。本実施形態において、燃焼室6は、気筒2の内壁面、ピストン5の冠面、シリンダヘッド4の底面、吸気バルブ11及び排気バルブ12の各バルブ面によって区画されている。
シリンダヘッド4には、吸気バルブ11、排気バルブ12を各々駆動する吸気側動弁機構13、排気側動弁機構14が配設されている。これら動弁機構13、14によりクランク軸7の回転に連動して、吸気バルブ11及び排気バルブ12の各ステムが駆動される。これらステムの駆動により、吸気バルブ11の弁体が吸気側開口部4Aを開閉し、排気バルブ12の弁体が排気側開口部4Bを開閉する。
吸気側動弁機構13には、吸気側可変バルブタイミング機構(吸気側VVT)15が組み込まれている。吸気側VVT15は、吸気カム軸に設けられた電動式のVVTであり、クランク軸7に対する吸気カム軸の回転位相を所定の角度範囲内で連続的に変更することにより、吸気バルブ11の開閉タイミングを変更する。同様に、排気側動弁機構14には、排気側可変バルブタイミング機構(排気側VVT)16が組み込まれている。排気側VVT16は、排気カム軸に設けられた電動式のVVTであり、クランク軸7に対する排気カム軸の回転位相を所定の角度範囲内で連続的に変更することにより、排気バルブ12の開閉タイミングを変更する。
シリンダヘッド4には、燃焼室6内の混合気に点火エネルギーを供給する点火プラグ17が各気筒2につき1つずつ取り付けられている。点火プラグ17は、その点火点が燃焼室6内に臨む姿勢でシリンダヘッド4に取り付けられている。点火プラグ17は、図外の点火回路からの給電に応じてその先端から火花を放電して、燃焼室6内の混合気に点火する。
シリンダヘッド4には、先端部から燃焼室6内にガソリンを主成分とする燃料を噴射するインジェクタ18が、各気筒2につき1つずつ取り付けられている。インジェクタ18は、図略の燃料供給管を通じて供給された燃料を噴射する。前記燃料供給管の上流側には、クランク軸7と連動連結されたプランジャー式のポンプ等からなる高圧燃料ポンプ(図示せず)が接続されている。この高圧燃料ポンプと前記燃料供給管との間には、全気筒2に共通の蓄圧用のコモンレール(図示せず)が設けられている。このコモンレール内で蓄圧された燃料が各気筒2のインジェクタ18に供給されることにより、各インジェクタ18からは、高い圧力の燃料が燃焼室6内に噴射される。
図1では、ガソリンエンジンに一般的に採用されている、点火プラグ17を用いた火花点火燃焼方式のエンジン本体1を例示した。エンジン本体1は、HCCI燃焼(予混合圧縮着火燃焼)方式のエンジンであっても良い。この場合、インジェクタ18は、1サイクル中に噴射すべき量の燃料の少なくとも一部を圧縮上死点よりも前に燃焼室6に噴射する。噴射された燃料は、燃焼室6に導入された空気(吸気)と混合された後に、例えば圧縮上死点の近傍で自着火する。すなわち、燃料と空気との混合気をピストン5による圧縮に伴い自着火させる。HCCI燃焼方式が採用される場合には、点火プラグ17を省くことが可能であるが、エンジンの冷間始動時におけるスパークアシストのために点火プラグ17を具備させる場合もある。HCCI燃焼方式では、燃焼室6において熱効率の高い燃焼を行わせることができるが、それゆえ排気熱が小さくなる(排気温度が低くなる)傾向がある。
<排気装置の構造>
排気装置20は、エンジン本体1の気筒2から排出される燃焼ガス(排気)を外部に放出する装置であり、排気流の上流側から順に配置された、排気マニホールド21、触媒装置22及びサイレンサ23と、これらを繋ぐ共用排気管30とを備えている。本実施形態において、各気筒2の排気ポート10、排気マニホールド21及び共用排気管30は、各気筒2から排出される排気が通過する排気通路である。共用排気管30は、排気マニホールド21と触媒装置22との間を繋ぐ上流排気管31と、触媒装置22とサイレンサ23との間を繋ぐ下流排気管32とを含む。なお、排気マニホールド21と触媒装置22との間にターボ過給機が組み込まれていても良い。
排気マニホールド21は、各気筒2の排気ポート10から排出される排気を一つの流路に集合させ、共用排気管30へ送り出す。排気マニホールド21の入気側はシリンダヘッド4に連結され、出気側は上流排気管31の上流端311に接続されている。排気マニホールド21の内部には、各気筒2の排気ポート10に連なる分岐通路と、これらを一つに集合する集合通路とからなる排気通路が備えられている。前記排気通路は、排気マニホールド21内の内壁面211によって区画されている。
触媒装置22は、排気通路中に組み込まれ排気を浄化する装置であって、排気中に含まれるNOx、CO、HC等の有害成分を除去する。触媒装置22は、例えば三元触媒を格子状の担体の表面に付着させてなる触媒コンバーター221を備えている。なお、触媒コンバーター221を機能させるためには、触媒が活性化する所定温度(活性化温度)以上への加熱が必要である。触媒装置22の入気側には上流排気管31の下流端312が、出気側には下流排気管32の上流端321が、各々接続されている。
サイレンサ23は、排気通路の末端に配置され、排気騒音の低減、並びに排気温度の低減を行わせるための装置である。サイレンサ23の内部には、消音空間(膨張室)、排気導入管、排気導出管及び消音材等が備えられている。前記排気導入管には、下流排気管32の下流端322が接続されている。前記排気導出管の下流端は、サイレンサ23から引き出されたテール管231である。このテール管231から、排気が外部に放出される。
<排気管の内部構造>
上述の通り、触媒装置22が備える触媒をエンジン本体1の始動時に早期活性化させる、並びに運転中に触媒の活性化温度を維持するために、エンジン本体1から排出される排気が保有する熱を可及的に逃がすことなく、触媒装置22へ排気を導くことが望ましい。とりわけ、エンジン本体1にHCCI燃焼方式が採用されている場合は、排気温度が本来的に低くなるので、排気熱を逃がさないようにするという要請は自ずと高くなる。
この点に鑑み第1実施形態では、上流排気管31に、排気熱が外部に逃げることにより発生する排気損失を低減する構造が施与されている例を示す。図2(A)は、上流排気管31を軸方向に半分割した状態の斜視図、図2(B)は、上流排気管31の断面図、図2(C)は、図2(B)の部分拡大図である。
上流排気管31は、排気通路を区画する内壁面31A(排気通路内壁面)を有する。この内壁面31Aは、複数の微細溝40が密に配列された溝付き内壁面とされている。微細溝40は、図2(A)において矢印で示す上流排気管31内を流れる排気流50の流動方向に、直線的に延びている。微細溝40は、所定長の溝幅Sを有する断面V字型の溝であり、V字溝の開口縁である一対の頂部401と、V字溝の最深部である谷部402と、一対の頂部401と谷部402との間に存在する一対の傾斜面とを備えている。
微細溝40の形状は適宜選択することができる。例えば断面U字型、断面矩形型等の微細溝40であっても良い。また、微細溝40の延伸方向は、排気流50の流動方向である上流排気管31の管軸方向と一致していることが望ましいが、前記管軸方向に対して少々角度を持つ方向が延伸方向とされていても良い。なお、微細溝40は、上流排気管31の内壁面31Aの円周方向の全周及び軸方向の全長に亘って設けることが望ましいが、一部の円周方向領域又は一部の軸方向区間への微細溝40の形成を省いても良い。
本実施形態では、微細溝40の溝幅Sと、複数の微細溝40の配列ピッチPとが実質的に同じとされている。すなわち、隣り合う微細溝40は、その頂部401同士が隣接(接合)するように、上流排気管31の周方向に配列されている。このため、微細溝40の延伸方向と直交する断面視(図2(A)、(B))において、隣り合う微細溝40間に頂部401同士の接合部からなる尖った山部が存在する構造、つまり、微細溝40間には平面部が実質的に存在しない構造とされている。ここで、溝幅Sと配列ピッチとが「実質的に」同じとしているのは、隣り合う微細溝40の頂部401間に、加工上において不可避的に生じる微細幅の平面部や、前記山部が尖りすぎないように僅かな幅の平面部を積極的に形成するケースが想定されているからである。
ここでは、上流排気管31の内壁面31Aが、微細溝40を備える溝付き内壁面とされる例を示している。前記溝付き内壁面は、気筒2と触媒装置22との間の排気通路の少なくとも一部の区間又は全区間において、当該排気通路を区画する排気通路内壁面に適用されていれば良い。本実施形態では、シリンダヘッド4の排気側開口部4B(気筒の出口)と触媒装置22とを繋ぐ排気通路は、排気ポート10、排気マニホールド21及び上流排気管31からなる。微細溝40は、これら排気通路のうち、少なくとも一部又は全区間の排気通路を区画する排気通路内壁面に設けられていれば良い。例えば、上流排気管31の内壁面31Aに加えて、排気ポート10の内壁面にも微細溝を設けても良いし、排気マニホールド21の内壁面の適所に微細溝を設けても良い。
微細溝40の形成方法としては、既存の各種の方法を採用することができる。例えば、矩形状の金属平板の片面に一方向へ直線状に延びる微細溝40を刻設し、その金属平板を微細溝40の刻設面を内側にして円筒型に成形する方法を挙げることができる。前記金属平板の、円筒成形によって互いに重ね合わされる一対の端縁は、シーム溶接によって接合される。この他、微細溝40に対応する微細突起を有する中子を、金属管内へ挿通させる方法も採用可能である。
<微細溝の利点>
微細溝40を備えた溝付き内壁面の利点について説明する。図3は、排気流50の態様を示す模式図である。排気流50は、主流51と、この主流51に伴う副流である渦流52とを含む。主流51は、排気方向、つまり上流排気管31の延伸方向下流側に向かうガス流である。渦流52は、主流51の進行軸の軸回りに旋回する渦である。
排気流50は、例えば一般乗用車において、排気管の直径が30mmφ程度、エンジン回転数が1000〜6000rpm程度ならば、10〜70m/s程度の流速を持つ。本発明者らの知見によれば、このような排気流50は、上述の主流51及び渦流52を具備する。また、渦流52には熱を輸送する性質が強いという特徴がある。さらに、排気流50の流速が大きいほど、渦流52の径(スケール)が小さくなる傾向がある。
図4(A)は、排気通路内壁面(上流排気管31の内壁面31A)が平坦な場合における、排気流50の渦流52と当該内壁面との位置関係を示す図である。排気通路内壁面が平坦であると、渦流52は排気通路内壁面に接近することが可能となり、これに伴い両者間で熱伝達が行われ易くなる。このため、上流排気管31内を通過する排気流50の保有する熱が、上流排気管31の管壁を通して外部に放熱され易くなる。つまり、渦流52と内壁面31Aとの間における熱エネルギーの授受(熱伝達)が活発となり、排気熱の放熱損失が大きくなる。この放熱により、触媒の活性化に必要な温度を保有した排気を、排気通路を通して触媒装置22に供給できない場合が生じ得る。
一方、図4(B)は、排気通路内壁面に微細溝40が形成されている場合における、渦流52と当該内壁面との位置関係を示す図である。微細溝40の溝幅Sは、排気流50の渦流52の渦スケールD(直径)よりも小さく設定されている。このような微細溝40が内壁面31Aに設けられると、渦流52(乱流)は微細溝40に入り込むことができず、微細溝40の頂部に留まるようになる。つまり、図4(A)のように平坦な内壁面の場合に比べて、渦流52が内壁面31Aから離間されるようになる。従って、渦流52と内壁面31Aとの間において熱伝達は行われ難くなり、上流排気管31の管壁を通した放熱が抑制される。
上流排気管31が、上掲の例のように直径30mmφ程度、排気流50の流速が10〜70m/s程度と想定される場合、好ましい微細溝40の溝幅Sは、100μm〜700μm程度である。微細溝40の溝高さhについて、渦流52を内壁面31Aからなるべく離間させるには、溝高さhを高くすれば良いことになるが、過度にこれを高くすると内壁面31Aの表面積が大きくなりすぎる。この場合、表面積の増加に伴う放熱性向上が、渦流52を内壁面31Aから離間させる効果に勝ってしまう。従って、微細溝40の溝幅Sと、溝高さhとは、S≧hを満たす関係とすることが望ましい。ここで、溝高さhが低すぎると、渦流52を内壁面31Aから離間させる効果が比較的小さくなってしまう。従って、h/Sが0.5〜1.0の範囲となるよう、微細溝40の溝幅S及び溝高さhを設定することが特に望ましい。これにより、微細溝40の形成による内壁面31Aの表面積増加と、渦流52を内壁面31Aから離間させることによる熱伝達抑制の効果とのバランスを取ることができる。
内壁面31Aを、上記のような溝幅S及び溝高さhを有する微細溝40の多数が密に配列された溝付き内壁面とすることで、熱伝達性の強い渦流52を伴う排気流50を内壁面31Aから離間させることができ、排気熱の放熱が抑制される。従って、排気熱を保温したまま、排気流50を上流排気管31の下流端312に接続された触媒装置22へ導入させることが可能となる。このことは、触媒の早期活性化、活性化温度の維持に寄与する。また、内壁面31Aに微細溝40を形成するだけで排気の保温効果を得ることができ、内壁面31Aに保温のためのコーティング層等を別途設ける場合に比べて、コスト及び製造工数を低減することができる。
特に、エンジン本体1にHCCI燃焼方式が採用される場合には、微細溝40を設けることの利点が顕著となる。既述の通り、HCCI燃焼方式では、燃焼室6において熱効率の高い燃焼を行わせることができるが、それゆえ排気熱が小さくなる傾向がある。このため、従来は触媒の活性化温度維持のため、あえてエンジンの熱効率を低下させる制御、例えば燃料噴射タイミングを変更して燃焼を緩慢化させる等の制御を行っている。しかし、本実施形態によれば、排気熱の損失を低レベルに抑制できるので、触媒の活性化温度維持のためにエンジンの熱効率を意図的に低下させる制御等は最小限で済む。従って、エンジンの熱効率を向上させることができる。
[第2実施形態]
図5は、本発明の第2実施形態に係るエンジンの排気装置20Aを示す概略断面図であって、エンジン本体1と、当該エンジン本体1の排気装置20Aの概略構成を示している。エンジン本体1の構造については、第1実施形態において説明した通りであるので、ここでは説明を省く。排気装置20Aは、第1実施形態で示した排気マニホールド21、触媒装置22及びサイレンサ23に加え、排熱回収装置24を備え、これらを繋ぐ共用排気管30Aを備えている。排熱回収装置24は、排気流通方向において、触媒装置22よりも下流側(サイレンサ23の上流)の排気通路に組み込まれている。
排熱回収装置24は、後記(図7)でその具体例を示すが、排気通路を流れる排気が保有する熱エネルギーを回収する装置である。回収された熱エネルギーは、エンジン本体1の運転効率の向上等のために利用される。当然のことながら、熱エネルギーの回収量を多くするためには、なるべく高温の排気が排熱回収装置24に導入されることが望ましい。
共用排気管30Aは、排気マニホールド21と触媒装置22との間を繋ぐ上流排気管31(第1実施形態と同じ)と、触媒装置22と排熱回収装置24との間を繋ぐ第1下流排気管33と、排熱回収装置24とサイレンサ23との間を繋ぐ第2下流排気管34とを含む。第1下流排気管33の上流端331は触媒装置22の出気側に、下流端332は排熱回収装置24の入気側に、各々接続されている。第2下流排気管34の上流端341は排熱回収装置24の出気側に、下流端342はサイレンサ23が備える排気導入管に、各々接続されている。
第2実施形態の排気通路において、保温を要するのは、排気側開口部4B(気筒の出口)から排熱回収装置24までを繋ぐ排気通路である。具体的には、排気ポート10、排気マニホールド21、上流排気管31及び第1下流排気管33からなる排気通路である。第1実施形態において説明した前記溝付き内壁面は、これら排気通路の少なくとも一部の区間又は全区間において、当該排気通路を区画する排気通路内壁面に適用される。
好ましい例として、上流排気管31(第1排気通路の一部の区間)の内壁面31Aと、第1下流排気管33(第2排気通路の一部の区間)の内壁面33Aとに、それぞれ排気の流動方向に延びる微細溝40を形成する例を挙げることができる。第1下流排気管33に形成される微細溝40も、図2(A)〜(C)に示した構造と同一のものを採用することができる。なお、微細溝40は、上流排気管31及び第1下流排気管33の内壁面31A、33Aの円周方向の全周及び軸方向の全長に亘って設けることが望ましいが、一部の円周方向領域又は一部の軸方向区間への微細溝40の形成を省いても良い。
第2実施形態の排気装置20Aによれば、排気側開口部4Bと触媒装置22との間に配置された上流排気管31における排気熱の放熱、及び、触媒装置22と排熱回収装置24との間に配置された第1下流排気管33における排気熱の放熱を抑制することができる。従って、触媒装置22における触媒の早期活性化並びに活性化温度の維持、排熱回収装置24における排気からの回収熱量の増加に寄与することができる。
上流排気管31及び第1下流排気管33に、同じ溝幅Sの微細溝40を設けても良いが、排気流50の流速に応じて、溝幅Sを異ならせるようにしても良い。図6は、第2実施形態において、好ましい微細溝の配置を説明するための模式図である。図6では、上流排気管31の内壁面31A及び第1下流排気管33の内壁面33Aを、平面的に展開した状態で示している。
上流排気管31の内壁面31Aには第1微細溝41が形成されている。上流排気管31よりも排気流通方向の下流側に位置する第1下流排気管33の内壁面33Aには、第2微細溝42が形成されている。第1微細溝41の各々は、所定の第1の溝幅S1を有している。第2微細溝42の各々は、第1の溝幅S1よりも広い第2の溝幅S2を有している。
排気流50の流速は、排気通路の下流側へ向かうほど低下する。特に、排気が触媒装置22を通過する前後で、その流速は大きく変化する。このため、上流排気管31を通過する排気流50は比較的高速であるので、その渦流52は比較的小さいのに対し、第1下流排気管33を通過する排気流50は比較的低速であるので、その渦流52は比較的大きくなる。従って、図4(B)に示したような状態、つまり渦流52が入り込ませないようにするための微細溝40の最適な溝幅Sは、上流排気管31と第1下流排気管33とでは異なることになる。
図6の例によれば、排気通路における排気流の流速変化に応じた微細溝を、内壁面31A、33Aに各々設定することができる。つまり、第1、第2微細溝41、42が、排気通路の下流側へ向かうに連れた排気流50の渦流52の径変化に応じた溝幅を具備するようになる。従って、排気管31、33の各々において、渦流52を適正に内壁面31A、33Aから離間させることができ、排気の放熱を効果的に低減させることができる。
ここで、排熱回収装置24の具体例を例示しておく。図7は、気筒2へ高温水を噴射させる水噴射装置用の排熱回収装置24の一例を示すブロック図である。排熱回収装置24は、気筒2へ供給する高温水を生成する機能と、吸気を昇温させる機能とを備え、コンデンサ241、水タンク242、熱交換器243及び吸気昇温装置244を含む。また、前記高温水の気筒2への噴射のため、エンジン本体1には蓄圧レール248及び水噴射ノズル24Nが備えられている。
コンデンサ241は、共用排気管30A内を流れる排気中に含まれる水蒸気を凝縮させる熱機器である。コンデンサ241は、例えばエンジン冷却水などの冷媒との熱交換により排気を冷却することで、当該排気に含まれる水蒸気を凝縮させる。水タンク242は、凝縮水を貯留するタンクであり、コンデンサ241で生成された凝縮水が第1配管245を通して導入される。熱交換器243は、コンデンサ241よりも上流側に配置され、水タンク242に貯留された凝縮水を、コンデンサ241に流入する前の排気との熱交換により昇温させる熱交換器である。吸気昇温装置244は、共用排気管30A内を流れる排気から熱エネルギーを受け取り、吸気通路91を流れる吸気に前記熱エネルギーを与える熱交換を行う熱機器である。
凝縮水は、図略の低圧ポンプの稼動により、水タンク242から第2配管246を通して熱交換器243に送られる。熱交換器243は、共用排気管30Aと熱交換可能に配設された蛇行管を含む。熱交換器243を通過した凝縮水は、概ね150〜250℃程度に加熱される。この高温凝縮水は、第3配管247を通して蓄圧レール248へ送られる。この際、図略の高圧ポンプにより前記高温凝縮水は圧送され、蓄圧レール248の内部に蓄圧状態で貯留される。蓄圧レール248から延び出す4つの枝管に、水噴射ノズル24Nが取り付けられている。水噴射ノズル24Nからは、排熱回収装置24によって排気熱を利用して生成された高温凝縮水が気筒2に噴射される。
高温凝縮水が気筒2に噴射されると、当該高温凝縮水が気筒2内で膨張して気筒2内の圧力を上昇させる。このように高温凝縮水のエネルギーが圧力(仕事)に変換されることにより、エンジンの熱効率を向上させることができる。また、吸気通路91を流れる吸気も加熱されるので、燃焼室6における燃焼温度を高温化させることができる。そして、本実施形態では、排熱回収装置24まで排気を導く上流排気管31及び第1下流排気管33の内壁面31A、33Aが、微細溝40(第1、第2微細溝41、42)を有する溝付き内壁面とされる。従って、排気熱の損失を低レベルにして排気を排熱回収装置24に導入することができるので、排熱回収装置24による高温凝縮水の生成及び吸気の加熱の機能を一層高めることができる。
[第3実施形態]
図8は、本発明の第3実施形態に係るエンジンの排気装置20Bを示す概略断面図であって、エンジン本体1と、当該エンジン本体1の排気装置20Bの概略構成を示している。エンジン本体1の構造は、第1実施形態と同じである。排気装置20Bは、触媒レスの排気系統であり、第1実施形態で示した排気マニホールド21及びサイレンサ23と、第2実施形態で示した排熱回収装置24とを備え、これらを繋ぐ共用排気管30Bを備えている。
共用排気管30Bは、排気マニホールド21と排熱回収装置24との間を繋ぐ上流排気管35と、排熱回収装置24とサイレンサ23との間を繋ぐ下流排気管36とを含む。上流排気管35の上流端351は排気マニホールド21の出気側に、下流端352は排熱回収装置24の入気側に、各々接続されている。下流排気管36の上流端361は排熱回収装置24の出気側に、下流端362はサイレンサ23が備える排気導入管に、各々接続されている。
エンジン本体1において、リーン燃焼や圧縮着火方式を採用するなどして、排気中にNOx、CO、HC等の有害成分が発生しないようにすることが可能である。この場合、第1、第2実施形態において示した触媒装置22を排気系統から省く(触媒レス)ことが可能となる。第3実施形態の排気装置20Bでは、触媒装置22が省かれる一方で、排熱回収装置24が共用排気管30Bに組み込まれている。
第3実施形態の排気通路において、保温を要するのは、排気側開口部4B(気筒の出口)から排熱回収装置24までを繋ぐ排気通路である。具体的には、排気ポート10、排気マニホールド21及び上流排気管35からなる排気通路である。第1実施形態において説明した前記溝付き内壁面は、これら排気通路の少なくとも一部の区間又は全区間において、当該排気通路を区画する排気通路内壁面に適用される。
好ましい例として、上流排気管35の内壁面に、排気の流動方向に延びる微細溝40を形成する例を挙げることができる。上流排気管35に形成される微細溝40は、図2(A)〜(C)に示した構造と同一のものを採用することができる。なお、微細溝40は、上流排気管35の内壁面の円周方向の全周及び軸方向の全長に亘って設けることが望ましいが、一部の円周方向領域又は一部の軸方向区間への微細溝40の形成を省いても良い。
第3実施形態の排気装置20Bによれば、排気側開口部4Bと排熱回収装置24との間に配置された上流排気管35における排気熱の放熱を抑制することができる。従って、排熱回収装置24における排気からの回収熱量の増加に寄与することができる。
[変形実施形態の説明]
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば下記のような変形実施形態を取ることができる。
(1)上記実施形態では、上流排気管31などへの微細溝40の形成によって、排気熱の放熱を抑止する例を示した。微細溝40に加えて、他の放熱防止構造を具備させても良い。例えば、微細溝40を内壁面に刻設した排気管の外周を別の保温管で被覆するようにし、排気熱の放熱を一層抑制する構造としても良い。
(2)第1実施形態では、所定の溝幅Sを有する微細溝40を、上流排気管31の内壁面31Aに形成する例を示した。第2実施形態では、第1の溝幅S1を有する第1微細溝41を上流排気管31の内壁面31Aに、第2の溝幅S2を有する第2微細溝42を第1下流排気管33の内壁面33Aに形成する例を示した。排気流50の流速が、排気通路下流側に向かうほど減速する場合、上記に代えて、1本の排気管において、微細溝の溝幅Sを異ならせても良い。
図9は、変形例に係る微細溝パターンを説明するための模式図である。例えば、上流排気管31の内壁面31Aを、排気通路上流側の第1領域R1と、下流側の第2領域R2とに区分する。そして、第1領域R1には第1の溝幅S11を有する上流微細溝43を配置し、第2領域R2には第2の溝幅S12(S11<S12)の下流微細溝44を配置する。排気流50の流速が下流側で減速する場合、排気流50の渦流52の渦スケールは、下流に向かうほど大きくなる。図9の変形例によれば、排気流50の流速に応じて設定された溝幅S11、S12を有する微細溝43、44が、第1領域R1及び第2領域R2にそれぞれ配置される。従って、より高い排気熱の放熱損失の低減効果を得ることができる。
1 エンジン本体
2 気筒
3 シリンダブロック
4A 吸気側開口部
4B 排気側開口部(気筒の出口)
5 ピストン
6 燃焼室
10 排気ポート(排気通路の一部)
20、20A、20B 排気装置
21 排気マニホールド(排気通路の一部)
22 触媒装置
23 サイレンサ
24 排熱回収装置
30、30A、30B 共用排気管(排気通路の一部)
31 上流排気管(第1排気通路)
31A 内壁面(排気通路内壁面)
32 下流排気管
33 第1下流排気管(第2排気通路)
33A 内壁面(排気通路内壁面)
34 第2下流排気管
40 微細溝
41 第1微細溝
42 第2微細溝
50 排気流
51 主流
52 渦流(縦渦)
S 溝幅
S1、S2 第1、第2の溝幅
h 溝高さ

Claims (5)

  1. 燃料と空気との混合気が燃焼する気筒を備えたエンジンの排気装置であって、
    前記気筒から排出される排気が通過する排気通路を備え、
    前記排気通路の少なくとも一部の区間において、当該排気通路を区画する排気通路内壁面が、前記排気の流動方向に延びる複数の微細溝が密に配列された溝付き内壁面とされている、エンジンの排気装置。
  2. 請求項1に記載のエンジンの排気装置において、
    前記排気通路に組み込まれ、前記排気を浄化する触媒装置をさらに備え、
    前記排気通路のうち、前記気筒の出口から前記触媒装置までを繋ぐ排気通路の少なくとも一部の区間における排気通路内壁面が、前記溝付き内壁面とされている、エンジンの排気装置。
  3. 請求項1に記載のエンジンの排気装置において、
    前記排気通路に組み込まれ、前記排気が保有する熱エネルギーを回収する排熱回収装置をさらに備え、
    前記排気通路のうち、前記気筒の出口から前記排熱回収装置までを繋ぐ排気通路の少なくとも一部の区間における排気通路内壁面が、前記溝付き内壁面とされている、エンジンの排気装置。
  4. 請求項1に記載のエンジンの排気装置において、
    前記排気通路に組み込まれ、前記排気を浄化する触媒装置と、
    前記触媒装置よりも排気流通方向の下流側において前記排気通路に組み込まれ、前記排気が保有する熱エネルギーを回収する排熱回収装置と、をさらに備え、
    前記排気通路のうち、前記気筒の出口から前記触媒装置までを繋ぐ第1排気通路の少なくとも一部の区間における排気通路内壁面、及び、前記触媒装置から前記排熱回収装置までを繋ぐ第2排気通路の少なくとも一部の区間における排気通路内壁面が、前記溝付き内壁面とされている、エンジンの排気装置。
  5. 請求項4に記載のエンジンの排気装置において、
    前記第1排気通路の前記排気通路内壁面に形成される複数の微細溝の各々は、第1の溝幅を有し、
    前記第2排気通路の前記排気通路内壁面に形成される複数の微細溝の各々は、前記第1の溝幅よりも広い第2の溝幅を有する、エンジンの排気装置。
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