JP2015175367A - 遮熱板 - Google Patents

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渡邉 裕彦
Hirohiko Watanabe
裕彦 渡邉
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Abstract

【課題】十分な剛性を確保しつつ、遮熱性の向上を、低コストで図れる構造を実現する。
【解決手段】
第一金属板7に、一定の規則性を有した状態で、第一凸部10と、第一凹部11とを形成する。又、第二金属板8に、各第一凸部10及び凹部11と同様の規則性を有した状態で、第二凸部13と、第二凹部14とを形成する。又、第一金属板7と第二金属板8とを、各第二凸部13及び凹部14と、各第一凸部10及び凹部11とが、オフセットした状態で重ね合わせて、プレス加工を施す事により、第一金属板7と第二金属板8との間に、空隙部15を設ける。
【選択図】図3

Description

本発明は、エキゾーストマニホールド、ターボチャージャー等、運転時に高温となる部分を覆う状態で設置する遮熱板の改良に関する。
自動車用エンジンの排気を導く為、このエンジンのシリンダヘッドの側面にその上流端部を接続したエキゾーストマニホールドの温度は、内部を流れる排気の熱により、相当に上昇する。この様に温度上昇したエキゾーストマニホールドから放射される輻射熱から、エンジンルーム内に設けた他の機器等を保護する為に、前記エキゾーストマニホールドをヒートインシュレータと呼ばれる遮熱板により覆い、このエキゾーストマニホールドからの輻射熱が前記他の機器等に伝わるのを防止する事が行われている。エンジンに過給する為のターボチャージャーに関しても同様である。
図7は、特許文献1に記載された遮熱板1の従来構造の1例を示している。この遮熱板1は、鋼板やアルミニウム板の単板、或いは積層板をプレス加工する事により、前記エキゾーストマニホールドを若干の隙間を介在させた状態で覆える様な形状及び大きさに形成している。この様な遮熱板1は、複数個所に設けた円形の取付孔2、2に挿通したボルト、スタッド等の結合部材(図示省略)により、前記エキゾーストマニホールドに設けた取付座等の取付部(図示省略)に支持固定している。
特許文献2には、遮熱板の遮熱性の向上を図る為の構造として、図8に示す様な遮熱板1aが記載されている。
この遮熱板1aは、第一遮熱層3と、第二遮熱層4と、複数個のスペーサ5a、5bとを備えている。
このうちの第一、第二遮熱層3、4はそれぞれ、1対の金属板により吸音材を挟持して成り、互いにほぼ平行な状態で配置されている。そして、これら第一、第二各遮熱層3、4の、互いに対向する面同士の間に空隙層6(空気層)が設けられている。
前記各スペーサ5a、5bは、前記空隙層6を確保する為に設けられるものであり、前記第一遮熱層3と、前記第二遮熱層4との間に挟持された状態で設けられている。
この様な遮熱板1aの場合、前記第一遮熱層3と前記第二遮熱層4との間に、前記空隙層6を設けている為、遮熱性、遮音性、及び吸音性の向上を図れる。
但し、前記遮熱板1aの場合、前記空隙層6を確保する為に、複数個のスペーサ5a、5bが必要である。この為、部品点数が増加すると共に、前記遮熱板1aを所定の形にプレス加工する際の加工性が低下して、加工コストが嵩んでしまう可能性がある。又、前記遮熱板1aの場合、軽量化を図る為に、前記第一、第二各遮熱層3、4の厚さを薄くした場合に、前記遮熱板1aの剛性を、十分に確保する事が難しくなる可能性がある。
特開2001−115853号公報 特開平11−107772号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、十分な剛性を確保しつつ、遮熱性の向上及び熱源側の保温性の向上を、低コストで図れる構造を実現すべく発明したものである。
本発明の遮熱板は、それぞれに凹凸部を有する複数枚の金属板を重ね合わせてプレス加工を施して造られるものであり、使用時に高温となる部材の少なくとも一部を覆える形状を有する。
更に、隣り合う金属板の対向する面同士の一部を直接当接させた状態で、これら対向する面同士の間に、前記凹凸部の存在に基づく空隙部が形成されている。
上述の様な本発明を実施する場合に好ましくは、請求項2に記載した発明の様に、互いに隣り合う前記各金属板のうち、少なくとも一方の金属板の凹凸部を、一定の規則性を有するパターン形状とする。
又、上述の様な本発明を実施する場合に好ましくは、請求項3に記載した発明の様に、互いに隣り合う金属板同士の凹凸部を、互いに同じ規則性を有するパターン形状とする。そして、互いに隣り合うこれら各金属板同士のうち、一方の金属板の凹凸部を、他方の金属板の凹凸部に対して、オフセットさせる。
又、上述の様な本発明の実施する場合に例えば、請求項4に記載した発明の様に、前記各金属板の全面に亙り、凹凸部を形成する。尚、全面とは、実質的に高温部材を覆う面の全体であり、これら各金属板の外周縁寄り部分に、これら各金属板同士を結合する為の、凹凸部が形成されていない結合代を設けた場合には、当該部分を除く。
更に、上述の様な本発明を実施する場合に例えば、遮熱板を2枚の金属板により構成する。
本発明の遮熱板によれば、十分な剛性を確保しつつ、遮熱性の向上及び熱源側の保温性の向上を、低コストで図れる。
先ず、十分な剛性を確保できる理由は、遮熱板を構成する金属板に凹凸部を形成しているからである。即ち、本発明の場合、この凹凸部が、曲げ方向に対して突っ張る事により、この曲げ方向に対する金属板の剛性を高くできる。
又、遮熱性の向上及び熱源側の保温性の向上を図れる理由は、隣り合う金属板の対向する面同士の一部を直接当接させた状態で、これら対向する面同士の間に、前記凹凸部の存在に基づく空隙部(空気層)を形成しているからである。即ち、隣り合う金属板同士の間に、熱伝導率が低い空隙部を設ける事により、使用時に高温となる部材(熱源)から、この熱源に近い方の金属板に伝わった熱を、前記空隙部により、この熱源から遠い方の金属板に伝わり難くする事ができる。この為、遮熱板の遮熱性が向上し、エンジンルーム内に設けた他の機器等の保護強化を図れると共に、遮熱板による熱源側の保温性も向上し、熱源の温度を高い状態に保持する事ができる。
更に、低コスト化を図れる理由は、直接当接させた状態で重ね合わせた各金属板同士の間に、前記凹凸部の存在に基づいて形成される空隙部を設けられるからである。即ち、本発明の場合、空隙部を確保する為に前述した従来構造の様なスペーサを設ける必要がない。この結果、部品点数の低減を図り、製造コストの上昇を抑える事ができる。
特に、請求項4に記載した発明の様に、隣り合う金属板同士の凹凸部を、互いに同じ規則性をするパターン形状にすると共に、互いに隣り合う金属板同士のうち、一方の金属板の凹凸部を、他方の金属板の凹凸部に対して、オフセットさせる構造を採用すれば、前記各金属板に前記凹凸部を形成する加工工程の共通化を図れ、加工コストの低減を図る事ができる。又、前記空隙部の容量を十分に確保すると共に、この空隙部を、むらの少ない状態で形成する事もできる。
本発明の実施の形態の第1例を示す、遮熱板を構成する第一金属板の平面模式図(a)と、第二金属板の平面模式図(b)。 図1(a)の左上部の拡大図(a)と、図1(b)の左上部の拡大図(b)。 第一金属板と、第二金属板とを積層した状態で、図1の左上部に相当する部分を示す図(a)と、(a)の空隙部の位置を説明する為の図(b)。 実施の形態の第1例の遮熱板の遮熱性能を確認する為に行った実験の結果を示す図。 本発明の実施の形態の第2例を示す、図2(b)と同様の図。 本発明の遮熱板を構成する金属板の3例を示す平面模式図。 従来から知られている遮熱板の第1例を示す斜視図。 同じく遮熱板の第2例を示す部分断面図。
[実施の形態の第1例]
図1〜4は、総ての請求項に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。本例を含め、本発明の遮熱板は、前述した従来構造の遮熱板1、1aと同様に、エキゾーストマニホールド、ターボチャージャー、排気部材等、運転時に高温となる部分を覆う状態で設置されるものである。尚、本例の遮熱板の具体的な形状は、図7等に示した遮熱板1等の形状を含め、覆われる部材の形状に応じて、適宜設計的に変更できる。本例の特徴は、遮熱板を構成する第一、第二各金属板7、8の構造を工夫した点にある。以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
本例の遮熱板は、それぞれが特許請求の範囲の金属板に相当し、ステンレス板等の鋼板やアルミニウム板等の金属板により構成される第一金属板7と、第二金属板8とから構成されている。この様な遮熱板は、それぞれに第一、第二凹凸部9、12を有する第一、第二各金属板7、8を重ね合わせた(積層した)状態で、前記高温となる部材の少なくとも一部を覆える形状にプレス加工されて成る。
先ず、このうちの第一金属板7の、プレス加工(最終的な遮熱板の形状に成形する加工)を施される以前の構造に就いて説明する。
この第一金属板7は、特許請求の範囲の凹凸部に相当する第一凹凸部9を有する。この第一凹凸部9は、図1(a)に示す様に、金属製の平板素材にエンボス加工を施す事により形成されたものであり、複数個の第一凸部10、10と、(これら各第一凸部10、10以外の部分により構成される)複数個の第一凹部11、11とから成る、一定の規則性を有するパターン形状である。尚、これら各第一凸部10、10と各第一凹部11、11とは、前記第一金属板7を一方側(図1の表側)から見た場合と、他方側(図1の裏側)から見た場合とで、その凹凸関係が逆になる。以下の説明では、第一金属板7を一方側から見た状態で、図1の表側に突出した部分(図1にハッチングを付して示す部分)を、前記各第一凸部10、10とし、ハッチングを付していない部分を前記各第一凹部11、11として説明する。後述する第二金属板8の説明に関しても同様である。
本例の場合、前記各第一凸部10、10を、正弦波の如き波形形状に形成している。具体的には、これら各第一凸部10、10を、これら各第一凸部10、10の中心線α(図2参照)の振幅がAで、周期がBである正弦波状に形成している。そして、これら各第一凸部10、10同士を、これら各第一凸部10、10の振幅方向(図1、2の左右方向)に、Xだけオフセットさせて配置している。この様に、前記各第一凸部10、10は、前記第一金属板7の全面(実質的に高温部材を覆う面の全体)に亙り、上述の様な一定の規則性を有した状態で形成されている。尚、規則性とは、前記各第一凸部10、10の形状、及びこれら各第一凸部10、10同士の配置関係(ピッチ)等を言う。後述する第一凹部11、11、及び第二凹凸部12を構成する第二凸部13、13及び第二凹部14、14に就いても同様である。
一方、前記各第一凹部11、11は、前記第一金属板7のうち、前記各第一凸部10、10以外の部分に略正弦波状に形成されている。この様な各第一凹部11、11は、これら各第一凹部11、11の中心線αの振幅がAで、周期がBである。そして、これら各第一凹部11、11同士も、これら各第一凹部11、11の振幅方向(図1の左右方向)に、Xだけオフセットしている。この様に、前記各第一凹部11、11も、前記第一金属板7の全面に亙り、上述の様な一定の規則性を有した状態で形成されている。
尚、図1では、説明の便宜の為に、前記各第一凸部10、10(第一凹部11、11)同士を、同一平面上に存在する平坦面状とし、これら各第一凸部10、10と各第一凹部11、11との境界を実線で示している。但し、前記各第一凸部10、10(第一凹部11、11)は、例えば、前記仮想線α(α)に直交する仮想平面に関する断面形状が、円弧状の様に、その高さが変化する形状にする事もできる。又、前記各第一凸部10、10と各第一凹部11、11とを滑らかに連続させる事もできる。
次いで、前記第二金属板8のプレス加工を施される以前の構造に就いて説明する。
この第二金属板8は、特許請求の範囲の凹凸部に相当する第二凹凸部12を有する。この第二凹凸部12は、金属製の平板素材にエンボス加工を施す事により形成された、複数個の第二凸部13、13と、(これら各第二凸部13、13以外の部分により構成される)複数個の第二凹部14、14とから成る、一定の規則性を有するパターン形状である。本例の場合、前記第二凹凸部12(第二凸部13、13及び凹部14、14)は、図1(b)に示す様に、前記第一金属板7の第一凹凸部9(第一凸部10、10及び凹部11、11)を、これら各第一凸部10、10(第一凹部11、11)の振幅方向(図1の左右方向)にYだけオフセットした状態で配置されている。従って、前記第二金属板8の各第二凸部13、13及び凹部14、14も、上述した第一金属板7の各第一凸部10、10及び凹部11、11と同様の規則性(振幅、周期)を有した状態で、前記第二金属板8の全面に亙り形成されている。つまり、前記第一金属板7の第一凹凸部9と、前記第二金属板8の第二凹凸部12とは、互いに同じ規則性を有するパターン形状を有している。
そして、上述の様な第一、第二各金属板7、8同士を、図1に示す状態で、この第一金属板7をこの第二金属板8の上側(図1の表側)に重ねて{図3(a)参照}、この第二金属板8の一方の面(図1、2の表面)の一部と、前記第一金属板7の他方の面(図1、2の裏面)の一部とを、複数箇所で直接当接させた状態で結合する。尚、この様な結合は、例えば、前記第一、第二各金属板7、8同士を同じ大きさに形成し、上述の様に重ね合わせた第一、第二各金属板7、8の周縁寄り部分を、二枚同時に180度折り返す様にして結合する方法、或いは、第一、第二各金属板7、8のうちの何れか一方の金属板を、他方の金属板よりも僅かに大きく形成し、この一方の金属板の周縁寄り部分に折り代を設け、この折り代を前記他方の金属板に向けて180度折り返す事により、この他方の金属板の周縁寄り部分を抑え付ける様にして結合する方法を採用できる。そして、この様な方法により結合した第一、第二各金属板7、8に対して、プレス加工を施す事により、所定の形状を有する前記遮熱板を造る。
上述の様に、前記第一、第二各金属板7、8同士を重ねた状態では、この第一金属板7の他方の面と、この第二金属板8の一方の面とのうち、これら第一、第二各金属7、8同士の積層方向(図1の表裏方向)に関して、前記各第一凹部11と前記各第二凸部13とが重畳する部分{図3(b)の塗りつぶされた部分}が、直接当接している。
一方、直接当接している部分以外の、前記第一金属板7の他方の面と、前記第二金属板8の一方の面との間には、波形形状の空隙部15、15(空気層)が、前記当接している部分を挟んで複数形成されている。具体的には、これら各空隙部15、15は、前記第一金属板7の他方の面と、前記第二金属板8の一方の面との間のうち、これら第一、第二各金属7、8同士の積層方向に関して、前記各第一凸部10、10と、前記各第二凸部13、13及び凹部14、14とが重畳する部分、並びに、前記各第一凹部11、11と前記各第二凹部14、14とが重畳する部分に形成されている。
尚、遮熱性を向上する観点から、重ね合わせた前記第一、第二各金属板7、8にプレス加工を施して所定の形状に加工した状態で、前記各空隙部15、15を、この空隙部15、15内に存在する空気が対流しない様に閉鎖空間するのが好ましい。
以上の様な構成を有する本例の遮熱板によれば、十分な剛性を確保しつつ、遮熱性の向上及び熱源側の保温性の向上を、低コストで図れる。
先ず、十分な剛性を確保できる理由は、前記遮熱板を構成する第一、第二各金属板7、8に第一、第二各凹凸部9、12を形成しているからである。即ち、本例の場合、これら第一、第二各凹凸部9、12が、曲げ方向に対して突っ張る事により、この曲げ方向に対する前記第一、第二各金属板7、8の剛性を高くできる。
又、遮熱性の向上及び熱源側の保温性の向上を図れる理由は、前記第一、第二各金属板7、8の対向する面同士の一部を直接当接させた状態で、これら対向する面同士の当接部以外の部分に、前記各空隙部15、15を形成しているからである。即ち、前記第一、第二各金属板7、8同士の間に、熱伝導率が低い前記各空隙部15、15(空気層)を設ける事で、使用時に高温となる部材(熱源)から、前記第一、第二各金属板7、8のうち、この熱源に近い方の金属板(例えば、第二金属板8)に伝わった熱を、この熱源から遠い方の金属板(第一金属部7)に伝わり難くする事ができる。この結果、前記遮熱板の遮熱性が向上し、エンジンルーム内に設けた他の機器等を保護の強化を図れると共に、遮熱板による熱源側の保温性が向上し、熱源の温度を高い状態に保持する事ができる。
又、図4は、上述の様な本例の遮熱板の遮熱性の向上を確認する為に行った実験結果を示している。比較対象となる遮熱板は、2枚の前記第一金属板7を、それぞれの第一凹凸部9同士がオフセットしていない状態で、重ね合わせる事により構成している。即ち、比較対象の遮熱板は、金属板同士の間に前記各空隙部15、15が形成されていない。尚、本例の遮熱板と比較対象の遮熱板とは、構成する金属板の材質、厚み等の条件は同じである。又、熱源として加熱ヒータを使用し、この熱源を熱源板に挿入した。そして、この熱源板を、遮熱板により覆うと共に、この熱源を850℃に加熱して、前記熱源板の温度及び前記熱源から遠い側に配置された金属板(外側金属板)の温度を測定した。その結果、比較対象の遮熱板の場合、外側金属板の温度が254℃まで上がったのに対して、本例の遮熱板の場合、外側金属板の温度は208℃までしか上がらなかった。又、比較対象の遮熱板の場合、熱源板の温度が713℃であるのに対して、本例の遮熱板の場合、720℃であった。この事から、本例の遮熱板の場合、比較対象の遮熱板と比べて、熱源からこの熱源側に配置された金属板に伝わった熱が、外側金属板に伝わり難く(放熱され難く)、熱源板の温度を高く保てる事を確認できた。
更に、遮熱性の向上を低コストで図れる理由は、前記第一、第二各金属板7、8同士の間に、前記第一、第二各凹凸部9、12の存在に基づく、前記各空隙部15、15を設ける事ができるからである。即ち、本発明の場合、これら各空隙部15、15を確保する為に、前述した従来構造の様なスペーサ5a、5b(図8参照)を設ける必要がない。この結果、部品点数の低減を図り、製造コストの上昇を抑える事ができる。
又、本例の場合、前記第一金属板7の各第一凹凸部9と、前記第二金属板8の第二凹凸部12とを、互いに同じ規則性を有するパターン形状とし、これら第一、第二各金属板7、8の全面に亙り形成している。この為、前記第一金属板7と前記第二金属板8との製造工程のうち、少なくとも金属製の平板素材にエンボス加工を施して前記第一、第二各凹凸部9、12を形成する工程の共通化を図れる。この結果、前記遮熱板の製造コストの低減を図れる。又、前記各空隙部15、15の容量を十分に確保し、且つこれら各空隙部15、15を遮熱板全体に、むらが少ない状態で形成する事ができる。
又、本例の場合、2枚の金属板を積層して成る遮熱板の構造に於いて、前記各空隙部15、15を設けない構造(前記第一、第二各凹凸部同士がオフセットしていない状態で結合した構造)と比べて、重量が同じでありながら、前記第一、第二各金属板の積層方向に関する厚さ寸法を大きくできる。この為、遮熱板の曲げ剛性を向上する事ができる。
[実施の形態の第2例]
図5も、総ての請求項に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合、遮熱板を構成する第二金属板8aの第二凹凸部12aの構造を、前述した実施の形態の第1例の場合と異ならせている。尚、第一金属板7{図1(a)参照}は、この第1例の構造と同様である。
具体的には、前記第二金属板8aの第二凹凸部12aを構成する各第二凸部13a、13a及び凹部14a、14aの形状を、前記第一金属板7の第一凹凸部9を、時計方向に45度回転させた状態(回転方向にオフセットさせた状態)で形成している。尚、前記第一金属板7の第一凹凸部9と、前記第二金属板8の第二凹凸部12との角度は、本例の場合に限定されるものではない。この角度は、第一、第二各凹凸部の形状、遮熱性等を考慮して、適宜設定できる。その他の構造、及び作用・効果は前述した実施の形態の第1例と同様である。
本発明の遮熱板を構成する各金属板に形成する凹凸部の形状は前述した実施の形態の各例に限定されるものではない。
又、前述した実施の形態の各例では、第一金属板の第一凹凸部と、第二金属板の第二凹凸部とを、互いに同じ規則性を有するパターン形状にすると共に、これら第一、第二各凹凸部同士をオフセットさせた構造を採用している。但し、本例を実施する場合に、各金属板の凹凸部同士を、異なる規則性を有するパターン形状にする事もできる。例えば、前述した実施の形態の第1例の、第一、第二各金属板7、8のうちの何れか一方の金属板を、図6(a)に示す様に、一定の規則性を有するストライプ状や、図6(b)に示す様に、一定の規則性を有する円形状の凹凸部が形成された金属板にする事もできる。又、図6(c)に示す様に、一定の規則性を有していない凹凸部が形成された金属板を採用する事もできる。
又、本発明を実施する場合には、遮熱板を構成する金属板の枚数を、3枚以上にする事もできる。又、使用する金属板は総て同じ材料製としても良いし、互いに異ならせても良い。
又、遮熱板を構成する各金属板同士の、凹凸部の形状及び配置等の規則性を互いに異ならせる事もできる。
更に、第一金属板の凹凸部と、第二金属板の凹凸部とをオフセットさせる手段は、前述した実施の形態の各例に限定されず、各種手段を採用できる。
1、1a 遮熱板
2 取付孔
3 第一遮熱層
4 第二遮熱層
5a、5b スペーサ
6 空隙層
7 第一金属板
8、8a 第二金属板
9 第一凹凸部
10、10a 第一凸部
11、11a 第一凹部
12、12a 第二凹凸部
13、13a 第二凸部
14、14a 第二凹部
15 空隙部



























Claims (5)

  1. それぞれに凹凸部を有する複数枚の金属板を重ね合わせてプレス加工を施して造られるものであり、使用時に高温となる部材の少なくとも一部を覆える形状を有する遮熱板であって、
    隣り合う金属板の対向する面同士の一部を直接当接させた状態で、これら対向する面同士の間に、前記凹凸部の存在に基づく空隙部が形成されている事を特徴とする遮熱板。
  2. 互いに隣り合う前記各金属板のうち、少なくとも一方の金属板の凹凸部が、一定の規則性を有するパターン形状である、請求項1に記載した遮熱板。
  3. 互いに隣り合う金属板同士の凹凸部が、互いに同じ規則性を有するパターン形状であり、互いに隣り合う金属板のうち、一方の金属板の凹凸部が、他方の金属板の凹凸部に対して、オフセットしている、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載した遮熱板。
  4. 前記各金属板の全面に亙り、凹凸部が形成されている、請求項1〜3のうちの何れか1項に記載した遮熱板。
  5. 2枚の金属板により構成されている、請求項1〜4のうちの何れか1項に記載した遮熱板。
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