JP5724428B2 - 排気循環装置 - Google Patents
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Description
また、吸入空気内に排気ガスが流入することにより、ポンピングロスの低減や耐ノック性の向上により、燃料消費率を低減するようにしている。このようにして、この排気循環装置においては、いわゆる低燃費化および低エミッション化を図るようにしている。
EGRバルブが全閉状態になっても、排気ガスの圧力脈動によりEGRパイプ内に高温の排気ガスが流入してしまう。EGRパイプ内に流入した高温の排気ガスは、EGRパイプ内で冷却され、その温度を下げられるので、EGRパイプ内で凝縮される。すなわち、排気ガスが、EGRパイプ内で冷却されると、その排気ガス中の水蒸気は、温度と圧力によって決まる水蒸気の最大量である飽和水蒸気量を超えてしまい凝縮水となってしまう。
この圧力脈動低減部材より下流側で圧力脈動が低減されると、循環通路内に流入する排気ガスの質量流量が低減され、凝縮水の発生が抑制される。
なお、第1実施形態および第2実施形態は、本発明に係る排気循環装置を内燃機関としてのエンジン10およびエンジン110でそれぞれ実施するための形態であり、以下、順に説明する。
まず、構成について説明する。
吸気パイプ31は、吸気通路31aを有しており、エアクリーナで浄化された吸気をインテークマニホールド32内に流通させるようになっている。
排気パイプ42は、排気通路42aを有しており、排気枝管41a、41b、41c、41dの排気通路41eから排気ガスが排気通路42a内に流入するようになっている。
循環パイプ51は、排気パイプ42と整流器54とを連結する上流側循環パイプ51aと、整流器54とクーラ52とを連結する中間循環パイプ51bと、バルブ53とインテークマニホールド32とを連結する下流側循環パイプ51cを有している。
上流側循環パイプ51a、中間循環パイプ51bおよび下流側循環パイプ51cはそれぞれ循環通路51eを有しており、排気パイプ42の排気通路42aから流入する排気ガスを吸気パイプ31の吸気通路31a内に流入させるようになっている。
したがって、循環パイプ51は、排気パイプ42と本発明の吸気パイプとしてのインテークマニホールド32とを接続している。そして、循環通路51eはクーラ52およびバルブ53の内部にもその一部が形成されており、排気通路42aと吸気通路32eとを連通している。この循環パイプ51は、単一のパイプで形成された単一構造であってもよく、複数のパイプで形成された連結構造であってもよい。
ケース部61は、本体61aと、フランジ61b、61cと、冷却水インレット61dと、冷却水アウトレット61eとを有している。
本体61aには、排気ガス流通部62および排気ガス冷却部63が収容されている。
フランジ61bは、中間循環パイプ51bに連結され、フランジ61cは、バルブ53
に連結されている。なお、クーラ部61とバルブ53とは、別の中間パイプを介して連結されていてもよい。
排気ガス冷却部63には、冷却水インレット61dから流入する冷却水が流通するようになっており、排気ガスを冷却した冷却水は、冷却水アウトレット61eから流出するようになっている。
本体71は、バルブシート71aと、フランジ71bと、排気ガスを流通させる排気通路71cとを有している。バルブシート71aは、排気通路71cの上流側に形成されており、弁体73が着座するよう円錐台形状に形成されている。この排気通路71cは、排気ガスを循環させる本発明の循環通路の一部を構成している。
フランジ71bは、本体71の上流側に設けられており、フランジ61cと連結するようになっている。
弁体73は、バルブシート71aに着座する傘72aと、一端がこの傘72aと一体的に形成され、他端がリニアソレノイド72に挿通された状態で配設されたシャフト72bとを有している。
上流側循環パイプ51aの循環通路51eの断面積をS1とし、各整流通路83の断面積を合計した整流通路83の総断面積をS2とすると、S1=S2、になるよう各通路が形成されており、整流通路83により排気ガスの流通に損失が生じないようになっている。
排気ガスは、この整流通路83により整流され、上流側循環パイプ51aの循環通路51e内で生ずる圧力脈動が低減されるようになっている。
なお、循環パイプ51は、排気浄化装置15の上流側の排気パイプ42ないし下流側の排気パイプ42のいずれに連結されていても構わない。
触媒コンバータ部86は、排気ガス中に含まれる炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)などの有害物質を削減する触媒物質を有している。この触媒物質は、例えば、白金やロジウムなどの化学反応を促進させる物質からなる。
この場合、バルブ53は閉塞状態になっているので、排気ガスは、一見、排気循環装置14の循環パイプ51内には、流入しないようにも思われる。しかしながら、従来の排気循環装置の場合、以下のように排気ガスは循環パイプ内に流入してしまう。この点、後述するように、第1実施形態の排気循環装置14には、整流器54が設けられているので、従来の排気循環装置の循環パイプ内で生じていた、比較的高い排気ガスの圧力脈動は、この整流器54により、上流側循環パイプ51a内で低減されることになる。その結果、循環パイプ内に流入する排気ガスの質量流量が低減されることになる。
このように、従来の排気循環装置の場合、エンジン本体が低温状態のとき、高温の排気ガスが循環パイプ内やクーラ内に流入すると、循環パイプ内でその温度を下げられ循環パイプ内やクーラ内で凝縮される。
この凝縮水中には、排気ガス由来の窒素酸化物(NOx)や硫黄酸化物(SOx)のような腐食性を有する物質が含まれており、この物質により循環パイプやクーラが腐食されてしまうおそれがある。したがって、従来の排気循環装置の場合、このような凝縮水の発生を抑制することが必要となる。
圧力脈動が低減されると、循環パイプ51内に流入する排気ガスの質量流量が低減され、凝縮水の発生が抑制される。
この凝縮水は、クーラの入口部分に設けたガラス窓を通して循環パイプ51の循環通路51e内に生じている凝縮水の発生状況を目視で確認することができ、第1実施形態の排気循環装置14においては、従来の排気循環装置と比較して凝縮水が少なくなっていることが確認された。
その結果、加工コストや組立コストなどの製造コストが低減されるという効果が得られる。
なお、第2実施形態に係る排気循環装置114においては、第1実施形態に係る排気循環装置14に形成された整流器54が異なっているが、他の構成要素は第1実施形態に係る排気循環装置14と同様に構成されている。したがって、同一の構成については、図1に示した第1実施形態に係る排気循環装置14と同一の符号を用いて説明し、特に相違点についてのみ詳述する。
図8に示すように、エンジン110は、エンジン本体11と、吸気装置12と、排気装置13と、排気循環装置114と、排気浄化装置15と、冷却装置16と、電子制御装置17とを含んで構成されている。
循環パイプ151は、第1実施形態と同様に、排気パイプ42とラビリンス154とを連結する上流側循環パイプ151aと、ラビリンス154とクーラ52とを連結する中間循環パイプ151bと、バルブ53と吸気パイプ31とを連結する下流側循環パイプ151cを有している。
内側ケース部181は、所定の肉厚を有する円筒形状で、上流側循環パイプ151aの下流端部分に上流側循環パイプ151aと一体的に形成されている。
また、内側ケース部181は、その径方向の周囲を貫通する12個の貫通孔で形成されたラビリンス通路183を構成するラビリンス通路181bを有している。
この外側ケース部182の内壁と内側ケース部181の外壁との間の環状の隙間によりラビリンス通路183を構成するラビリンス通路182bが画成されている。
排気ガスは、このラビリンス154により整流され、上流側循環パイプ151aの循環通路151e内で生ずる圧力脈動が低減されるようになっている。
圧力脈動が低減されると、第1実施形態と同様に、循環パイプ151内に流入する排気ガスの質量流量が低減され、凝縮水の発生が抑制される。
この凝縮水は、第1実施形態と同様に、クーラの入口部分に設けたガラス窓を通して循環パイプ151内に生じている凝縮水の発生状況を目視で確認することができ、第1実施形態の排気循環装置114においても、従来の排気循環装置と比較して凝縮水が少なくなっていることが確認された。
その結果、加工コストや組立コストなどの製造コストが低減されるという効果が得られる。
しかしながら、本発明の圧力脈動低減部材は、整流器54およびラビリンス154以外の他の構造で構成するようにしてもよい。
しかしながら、本発明の圧力脈動低減部材は、整流器54以外の他の整流構造で構成するようにしてもよい。
また、図14に示すように、整流器54と同様の構造で、断面が波形の板を丸めて形成される整流通路83Bを有する整流器54Bで構成するようにしてもよい。
また、図15に示すように、整流器54と同様の構造で、断面が三角形の整流通路83Cを有する整流器54Cで構成するようにしてもよい。
これらの整流器54A、54B、54Cにおいても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
しかしながら、本発明の圧力脈動低減部材は、ラビリンス154以外の他のラビリンス構造で構成するようにしてもよい。
例えば、図16に示すように、ラビリンス154と同様の構造で、64個の貫通孔で形成されたラビリンス通路183Aを有するラビリンス154Aで構成するようにしてもよい。
11 エンジン本体(内燃機関)
12 吸気装置
13 排気装置
14、114 排気循環装置
15 排気浄化装置
16 冷却装置
17 電子制御装置(ECU)
31 吸気パイプ
31a、32e 吸気通路
32 インテークマニホールド(吸気パイプ)
41 エキゾーストマニホールド
41e、42a 排気通路
42 排気パイプ
51、151 循環パイプ
51a、151a 上流側循環パイプ(循環パイプ)
51b、151b 中間循環パイプ(循環パイプ)
51c、151c 下流側循環パイプ(循環パイプ)
51e、151e 循環通路
52 クーラ
53 バルブ
54、54A、54B、54C 整流器(圧力脈動低減部材、整流構造)
83 整流通路(流通通路)
154、154A ラビリンス(圧力脈動低減部材、ラビリンス構造)
181b、182b、183 ラビリンス通路(流通通路)
S1、S2、S3、S4、S5 断面積
Claims (2)
- 内燃機関から排気される排気ガスを前記内燃機関に循環させる排気循環装置において、
前記排気ガスを流通させる排気通路と前記内燃機関内に吸入空気を流通させる吸気通路とを接続し前記排気ガスを前記吸気通路内に循環させる循環通路と、
前記循環通路内を循環する前記排気ガスを冷却するクーラと、
前記クーラより吸気通路側の前記循環通路に設けられ、前記循環を停止する停止状態と前記停止状態を解除する解除状態とを切り替えるバルブと、
前記クーラと前記排気通路との間の前記循環通路に設けられ、前記循環通路内の前記排気ガスの圧力脈動を低減する圧力脈動低減部材と、を備え、
前記圧力脈動低減部材は、径方向に貫通する貫通孔を有する内側ケースと、前記内側ケースを周方向に取り囲んでラビリンス通路を画成する外側ケースとを含むラビリンスであり、
前記内側ケースは、上流側端部が前記循環通路の前記排気通路側に連通して下流側端部に閉塞端を有し、前記外側ケースは、上流側端部に閉塞端を有して下流側端部が前記循環通路の前記クーラ側に連通するよう構成されていることを特徴とする排気循環装置。 - 前記循環通路の断面積と、前記貫通孔の総断面積と、前記ラビリンス通路の断面積とが略等しく形成されていることを特徴とする請求項1に記載の排気循環装置。
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