JP2018086657A - 純水製造装置、超純水製造システム及び純水製造方法 - Google Patents

純水製造装置、超純水製造システム及び純水製造方法 Download PDF

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【課題】長期間にわたってホウ素を高度に除去することができる純水製造装置、超純水製造システム及び純水製造方法を提供すること。【解決手段】前処理装置で処理され、二酸化炭素(炭酸水素イオン及び/又は炭酸イオンを含む。)及び/又はカルボン酸化合物を1〜50μg/L(as C)と、ホウ素成分とを含む被処理水を処理して純水を製造する純水製造装置であって、ホウ素吸着性樹脂及び強塩基性陰イオン交換樹脂を混合してなるホウ素吸着/陰イオン交換混床樹脂を備えるホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置を具備する純水製造装置。【選択図】図1

Description

本発明は、純水製造装置、超純水製造システム及び純水製造方法に関する。
従来、半導体製造工程で使用する超純水は、超純水製造システムを用いて製造されている。超純水製造システムは、例えば、原水中の懸濁物質を除去する前処理装置、前処理水中の全有機炭素(TOC)成分やイオン成分を、逆浸透膜装置やイオン交換装置を用いて除去する一次純水システム及び一次純水中の極微量の不純物を除去する二次純水システムで構成されている。原水としては、市水、井水、地下水、工業用水等が用いられる他、POU(ユースポイント)で回収された使用済みの超純水(以下、回収水と称する。)が用いられる。
超純水については、高純度化に対する要求が年々高まってきており、各種不純物濃度について例えばng/L(ppt)オーダーまで除去することが求められるようになってきた。そのため、例えば、TOCを低減する目的で、TOC成分を分解する紫外線酸化装置(TOC−UV)とTOC−UVの処理水中に残留する低分子量の有機酸、二酸化炭素を吸着除去する混床式イオン交換樹脂装置の組合せを、一次純水システム及び二次純水システムにそれぞれ設置することが行われている(例えば、特許文献1参照。)。
また、極微量の不純物として、例えば、ホウ素の低減が求められている。そのため、ホウ素除去能を向上させる目的で、ホウ素選択性イオン交換樹脂と混床式イオン交換樹脂を積層して又は混合して充填したイオン交換樹脂塔を用いた超純水製造システムが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
また、超純水製造においては、超純水の高純度化に加えて、環境保全の観点から超純水の製造に伴う廃水の減容化が課題とされている。そのため、薬品使用量を低減しつつホウ素の除去能を向上させる目的で、2段逆浸透膜装置、電気再生式脱塩装置(EDI)、蒸留装置の少なくともいずれかで構成される脱塩装置の後段に、ホウ素選択性イオン交換樹脂を備えるホウ素除去装置を設けた、薬品再生型のイオン交換装置をもたない構成の超純水製造システムが提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
特開2004−025184号公報 特開平8−84986号公報 特開平9−192661号公報
しかしながら、ホウ素を高度に除去するために、TOC−UVと混床式イオン交換装置の組合せを2組備える超純水製造システムにホウ素選択性イオン交換樹脂を設置する場合に、TOC−UVの処理水をホウ素選択性イオン交換樹脂で処理するように構成すると、TOC−UVの処理水に含まれる低分子量の有機酸等が、ホウ素選択性イオン交換樹脂でのホウ素の吸着を阻害し、ホウ素除去能が早期に低下するという課題があった。
また、混床式イオン交換装置の処理水をホウ素選択性イオン交換樹脂で処理するように構成すると、ホウ素選択性イオン交換樹脂からの溶出物(有機物)により、処理水中のTOC濃度が上昇してしまうという課題があった。
また、ホウ素選択性イオン交換樹脂を、一次純水システムの前段側(前処理装置の後)に設置すると、ホウ素選択性樹脂がホウ素以外の不純物成分を吸着してしまい、ホウ素の除去能を得られないという課題があった。
このように、従来のホウ素選択性イオン交換樹脂を用いた超純水製造システムでは、例えば高純度の純水を製造する場合に、ホウ素の除去能が十分に得られないという課題や、ホウ素除去能が早期に低下し、ホウ素選択性イオン交換樹脂やこれを用いたイオン交換樹脂の交換頻度、再生頻度が増大するという課題があった。
本発明は上記した課題を解消するためになされたものであって、長期間にわたってホウ素を高度に除去することができる純水製造装置、超純水製造システム及び純水製造方法を提供することを目的とする。
本発明の純水製造装置は、前処理装置で処理されて、二酸化炭素(炭酸水素イオン及び/又は炭酸イオンを含む。)及び/又はカルボン酸化合物を1〜50μg/L(as C)と、ホウ素成分とを含む被処理水を処理して純水を製造する純水製造装置であって、ホウ素吸着性樹脂及び強塩基性陰イオン交換樹脂を混合してなるホウ素吸着/陰イオン交換混床樹脂を備えるホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置を具備することを特徴とする。
本発明の純水製造装置において、前記ホウ素吸着/陰イオン交換混床樹脂における、前記ホウ素吸着性樹脂及び前記強塩基性陰イオン交換樹脂の混合割合は、前記強塩基性陰イオン交換樹脂の交換容量を「C」、前記ホウ素吸着性樹脂の交換容量を「C」として、C/Cが0.2〜5であることが好ましい。
本発明の純水製造装置において、前記ホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置は、前記ホウ素吸着性樹脂及び前記強塩基性陰イオン交換樹脂にさらに強酸性陽イオン交換樹脂を混合してなるホウ素吸着/陽イオン交換/陰イオン交換混床樹脂を備えることが好ましい。
本発明の純水製造装置において、前記ホウ素吸着/陽イオン交換/陰イオン交換混床樹脂における前記ホウ素吸着性樹脂、前記強酸性陽イオン交換樹脂及び前記強塩基性陰イオン交換樹脂の混合割合は、前記強酸性陽イオン交換樹脂の交換容量を「C」として、C/(C+C)が0.3〜1.3であることが好ましい。
本発明の純水製造装置において、前記被処理水は、前記カルボン酸化合物として、ギ酸、酢酸及びシュウ酸から選ばれる1種以上を含むことが好ましい。
本発明の純水製造装置は、前記前処理装置と前記ホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置の間に、酸化分解装置を具備し、前記酸化分解装置の処理水をホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置に供給することが好ましい。
本発明の純水製造装置において、前記前処理装置と前記酸化分解装置の間に、逆浸透膜装置を単段もしくは複数段で具備することが好ましい。また、前記前処理装置と前記逆浸透膜装置の間に、2床3塔式装置を具備することが好ましい。または、前記逆浸透膜装置と前記酸化分解装置の間に、電気脱イオン装置を単段もしくは複数段で具備することが好ましい。
本発明の純水製造装置において、前記酸化分解装置は、紫外線酸化装置であることが好ましい。
また、前記ホウ素吸着/陽イオン交換/陰イオン交換混床樹脂は、純水を用いて逆洗分離した際に、下層から前記強酸性陽イオン交換樹脂、前記ホウ素吸着性樹脂、前記強塩基性陰イオン交換樹脂の順に分離することが好ましい。
本発明の超純水製造システムは、上記各純水製造装置の下流側に、二次純水システムを具備することを特徴とする。
本発明の純水製造方法は、原水を前処理した、二酸化炭素(炭酸水素イオン及び/又は炭酸イオンを含む。)及び/又はカルボン酸化合物を1〜50μg/L(as C)と、ホウ素とを含む被処理水を、ホウ素吸着性樹脂及び強塩基性陰イオン交換樹脂を混合してなるホウ素吸着/陰イオン交換混床樹脂に通流することで、ホウ素の低減された処理水を得ることを特徴とする。
なお、本発明において純水とは、例えばイオン交換樹脂や逆浸透膜等、あるいはこれらを組み合わせた装置で処理した純水であり、超純水とは、当該純水を二次純水システム(サブシステム)でさらに高純度化した超純水を意味する。
本発明の純水製造装置、超純水製造システム及び純水製造方法によれば、長期間にわたってホウ素を高度に除去することができる。
第1の実施形態の純水製造装置の構成を概略的に示すブロック図。 第1の実施形態のホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置の構成の一例を概略的に示すブロック図。 第1の実施形態のホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置の構成の他の例を概略的に示すブロック図。 ホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置の再生処理方法を概略的に示すフロー図。 第2の実施形態の超純水製造システムの構成を概略的に示すブロック図。 第2の実施形態の変形例である超純水製造システムの構成を概略的に示すブロック図。 第2の実施形態の他の変形例である超純水製造システムの構成を概略的に示すブロック図。 実施例で用いた装置の構成を概略的に示すブロック図。 実施例における、各樹脂塔の出口水のホウ素濃度と通水時間の関係を示すグラフ。 実験例における、各樹脂塔の出口水のホウ素濃度と通水量の関係を示すグラフ。 逆洗分離した後のホウ素吸着/陽イオン交換/陰イオン交換混床樹脂を示す写真。
以下、本発明の実施形態を、図面を用いて説明する。各図において、共通する機能を有する構成には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態の純水製造装置10を概略的に示すブロック図である。純水製造装置10は、前処理装置11と、ホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置12を備えている。ホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置12は、ホウ素吸着性樹脂及び強塩基性陰イオン交換樹脂を混合してなるホウ素吸着/陰イオン交換混床樹脂、又は、ホウ素吸着性樹脂、強酸性陽イオン交換樹脂及び強塩基性陰イオン交換樹脂を混合してなるホウ素吸着/陽イオン交換/陰イオン交換混床樹脂を備えて構成される。
先ず、ホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置12の作用、効果について説明する。ホウ素は、被処理水中に通常、ホウ酸イオン、ホウ酸水素イオン等として存在するが、これらは、弱イオンであるため、強塩基性陰イオン交換樹脂や、強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂を混合した混床式イオン交換樹脂を用いてもほとんど除去されない。そこで、ホウ素の除去が求められる場合には従来、上記したように、ホウ素吸着性樹脂が用いられている。ところが、本発明者の検討によれば、このホウ素吸着性樹脂は、ホウ素の選択性が高いものの、被処理中に全有機炭素成分が含まれている場合に、全有機炭素成分のうち、二酸化炭素、カルボン酸化合物をも吸着してしまうことで、ホウ素の吸着が阻害され易いことを知見した。
そのため、本実施形態においては、ホウ素吸着性樹脂、強酸性陽イオン交換樹脂及び強塩基性陰イオン交換樹脂を混合してなるホウ素吸着/陽イオン交換/陰イオン交換混床樹脂、又は、ホウ素吸着性樹脂及び強塩基性陰イオン交換樹脂を混合してなるホウ素吸着/陰イオン交換混床樹脂を用いて純水製造装置を構成した(以下、ホウ素吸着/陽イオン交換/陰イオン交換混床樹脂と、ホウ素吸着/陰イオン交換混床樹脂を総称して「混床樹脂」ともいう。)。本実施形態におけるホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置は、ホウ素吸着性樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂を単に積層してなるイオン交換装置、また、これらにさらに強酸性陽イオン交換樹脂を積層してなるイオン交換装置とは、明らかに区別されるものである。本実施形態のホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置は、ホウ素吸着性樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂を混合し、さらに必要に応じて強酸性陽イオン交換樹脂が混合された混床イオン樹脂を備えているため、これを用いて二酸化炭素及び/又はカルボン酸化合物とホウ素を含む被処理水を処理した場合に、ホウ素吸着性樹脂によるホウ素の吸着と、混床式イオン交換樹脂あるいは強塩基性陰イオン交換樹脂による、二酸化炭素、カルボン酸化合物及びホウ素吸着性樹脂からの溶出物(有機物)の吸着が並行して、これらを理論上無限段数で行うのと同等の効果が得られるものと考えられる。その結果、本実施形態の混床樹脂は、長期間、優れたホウ素の除去能を発揮し得る。
これに対し、ホウ素吸着性樹脂と混床式イオン交換樹脂、あるいはホウ素吸着性樹脂と強酸性陽イオン交換樹脂を積層してなるイオン交換装置を用いて、全有機炭素成分を含む被処理水を処理する場合、例えば、被処理水の流れ方向に対して上流側から、ホウ素吸着性樹脂と混床式イオン交換樹脂又は強酸性陽イオン交換樹脂をこの順に積層して用いると、ホウ素吸着性樹脂が被処理水中の二酸化炭素及び/又はカルボン酸化合物を吸着し、これによってホウ素の除去能が低下する。そして、ホウ素吸着性樹脂で吸着されなかったホウ素は、混床式イオン交換樹脂や強酸性陽イオン交換樹脂でも吸着されずに処理水中に残留してしまうことがある。
また、被処理水の流れ方向に対して上流側から、混床式イオン交換樹脂、ホウ素吸着性樹脂をこの順に積層し、これを用いて二酸化炭素及び/又はカルボン酸化合物を含む被処理水を処理する場合には、上層の混床式イオン交換樹脂が二酸化炭素及びカルボン酸化合物を除去するため、ホウ素吸着性樹脂でのホウ素の除去能は維持できるが、ホウ素吸着性樹脂からの溶出物(有機物)により、処理水の純度が低下してしまうことがある。このように、ホウ素吸着性樹脂と混床式イオン交換樹脂を積層して用いた場合には、被処理水に二酸化炭素及び/又はカルボン酸化合物が含まれる場合に、長期にわたってホウ素濃度を低減した処理水を得ることは困難である。
また、強塩基性陰イオン交換基を有するホウ素吸着性樹脂を用いる場合にも、単位樹脂量当たりのホウ素の吸着量はさほど大きくなく、被処理水に二酸化炭素及び/又はカルボン酸化合物が含まれる場合に、長期にわたってホウ素濃度を低減した処理水を得ることは困難である。
次に、本実施形態の純水製造装置10の構成について説明する。本実施形態の純水製造装置10において、前処理装置11は、原水の懸濁物質を除去して、原水をホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置12に供給するに適した水質に処理する。
原水としては、市水、井水、工業用水等を使用することができる。原水中には、ホウ素が5〜100μgB/L程度含まれている。このうち、前処理装置11で除去されないホウ素が被処理水中に残留することになる。
前処理装置11は例えば、砂ろ過装置、精密ろ過装置等を適宜選択して構成され、さらに必要に応じて被処理水の温度調節を行う熱交換器等を備えて構成される。なお、原水の水質等によっては、前処理装置11は備えなくてもよい。
本実施形態の純水製造装置10において、前処理装置11で処理した前処理水は、必要に応じて後述する脱塩処理、酸化分解処理が施された後、ホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置12に供給される。ホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置12の被処理水中には、ホウ素とともに全有機炭素(TOC)成分が含まれる。TOC成分のうち、二酸化炭素及び/又はカルボン酸化合物は、ホウ素吸着性樹脂に吸着されることで、ホウ素吸着性樹脂のホウ素の吸着能を低下させる。
カルボン酸化合物は、例えば、分子内に1又は2以上のカルボキシル基を有する、炭素数が0又は1以上の脂肪族カルボン酸であり、炭素数が0〜5の脂肪族カルボン酸であることが好ましい。カルボン酸化合物が2以上のカルボキシル基を有する場合であって、その炭素数が1以上であるときには、カルボン酸化合物の有するカルボキシル基は同一の炭素原子に結合していることが好ましい。また、カルボン酸化合物が2以上のカルボキシル基を有する場合であって、その炭素数が2以上であるときには、カルボキシル基はより近い炭素原子に結合していることが好ましく、同一の炭素原子又は隣り合う炭素原子に結合していることがより好ましい。
このようなカルボン酸化合物として具体的には、ギ酸、酢酸、シュウ酸等が挙げられる。なかでも、シュウ酸は、ホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置12のホウ素除去能を低下させるため、被処理水がシュウ酸を含む場合に本発明の効果が格別顕著に得られる。
被処理水中の二酸化炭素及び/又はカルボン酸化合物の濃度は、TOC換算で1〜50μg/L(as C)であることが好ましい。カルボン酸化合物の濃度が50μg/L(as C)を超えると、ホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置12への負荷が大きくなり、処理水質が悪化するおそれがある。1μg/L(as C)未満であると、ホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置12におけるホウ素吸着能向上効果が得られにくいことがある。
次に、ホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置12について説明する。図2は本実施形態で用いられる、ホウ素吸着/陰イオン交換混床樹脂を備えるホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置12aの概略構成図である。ホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置12aの内部には、ホウ素吸着性樹脂及び強塩基性陰イオン交換樹脂を混合したホウ素吸着/陰イオン交換混床樹脂130が充填されている。ホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置12aの下部には内部に収容するホウ素吸着/陰イオン交換混床樹脂130を支持するための支持床(図示せず)が敷設されている。また、ホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置12aの上部には被処理水導入管122が接続されており、被処理水導入管122には、切替バルブ(図示せず)等を介して再生剤を導入する再生剤導入管123及び逆洗水を排出する逆洗水排出管124がそれぞれ接続されている。また、ホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置12aの中段には、再生剤廃液を排出する中間抜水管131が接続されている。中間抜水管131は、ホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置12aの高さ方向の略中央部に配設されている。さらに、ホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置12aの下部には、処理水を排出する処理水排出管127が接続され、処理水排出管127には、切替バルブ(図示せず)等を介して再生剤を導入する再生剤導入管128及び逆洗水を導入管する逆洗水導入管129が接続されている。
ホウ素吸着/陰イオン交換混床樹脂における、ホウ素吸着性樹脂及び強塩基性陰イオン交換樹脂の混合割合は、C/Cが0.2〜5が好ましく、1〜5がより好ましい。C/Cが5を超えると、ホウ素吸着性樹脂の割合が少なすぎて、ホウ素吸着能が低下するおそれがあり、0.2未満であると、有機酸の除去能が低下するため、ホウ素吸着樹脂のホウ素除去能が低下する。
図3は、ホウ素吸着/陽イオン交換/陰イオン交換混床樹脂を備えるホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置12bの概略構成図である。ホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置12bの内部には、ホウ素吸着性樹脂、強酸性陽イオン交換樹脂及び強塩基性陰イオン交換樹脂を混合したホウ素吸着/陽イオン交換/陰イオン交換混床樹脂121が充填されている。ホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置12bの下部には内部に収容するホウ素吸着/陽イオン交換/陰イオン交換混床樹脂121を支持するための支持床(図示せず)が敷設されている。また、ホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置12bの上部には被処理水導入管122が接続されており、被処理水導入管122には、切替バルブ(図示せず)等を介して再生剤を導入する再生剤導入管123及び逆洗水を排出する逆洗水排出管124がそれぞれ接続されている。また、ホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置12bの中段には、再生剤廃液を排出する第1中間抜水管125及び第2中間抜水管126が接続されている。第1中間抜水管125は、ホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置12bの高さ方向の中央より上方側に、第2中間抜水管126は、高さ方向の中央より下方側にそれぞれ配設されている。さらに、ホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置12bの下部には、処理水を排出する処理水排出管127が接続され、処理水排出管127には、切替バルブ(図示せず)等を介して酸再生剤を導入する再生剤導入管128及び逆洗水を導入管する逆洗水導入管129が接続されている。
ホウ素吸着/陽イオン交換/陰イオン交換混床樹脂における、ホウ素吸着性樹脂、強酸性陽イオン交換樹脂及び強塩基性陰イオン交換樹脂の混合割合は、上記したホウ素吸着性樹脂の交換容量をC、強酸性陽イオン交換樹脂の交換容量をC、強塩基性陰イオン交換樹脂の交換容量をCで示した場合の交換容量比で、C/(C+C)が0.3〜1.3が好ましく、0.4〜1.0がより好ましい。C/(C+C)が1.3を超えると、ホウ素吸着/陽イオン交換/陰イオン交換混床樹脂内が酸性雰囲気となり、ホウ素吸着能が低下するおそれがあり、0.3未満であると、混合される強酸性陽イオン交換樹脂及び強塩基性陰イオン交換樹脂による混床式イオン交換樹脂としての効果が低下するため、処理水の抵抗率等が下がることがある。
また、ホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置12(12a、12b)内の混床樹脂に対しては、後述するように、再生処理することも行われる。この再生処理の際には、ホウ素吸着/陽イオン交換/陰イオン交換混床樹脂の場合、純水を用いてホウ素吸着/陽イオン交換/陰イオン交換混床樹脂を逆洗、分離した後に再生処理液を通水する。この際、ホウ素吸着性樹脂、強酸性陽イオン交換樹脂及び強塩基性陰イオン交換樹脂を逆洗により明瞭に分離して高度に再生するために、ホウ素吸着/陽イオン交換/陰イオン交換混床樹脂を、純水を用いて逆洗分離した際に、下層から強酸性陽イオン交換樹脂、ホウ素吸着性樹脂、強塩基性陰イオン交換樹脂の順に分離し得るものを選択することが好ましい。この際、逆洗分離後の積層状態における順序は、それぞれのイオン交換樹脂の比重、粒径等により変化するため、これらを指標に適宜選択すればよい。
ホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置12を、ホウ素吸着/陰イオン交換混床樹脂を用いて構成する場合、逆洗、分離した後の積層状態は特に限定されず、ホウ素吸着性樹脂が下層、強塩基性陰イオン交換樹脂が上層であってもよく、また、この逆であってもよい。
ホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置12は、例えば、ホウ素吸着性樹脂、強塩基性陰イオン交換樹脂、強酸性陽イオン交換樹脂を容器内に収容して混合することで構成することができる。混合方法は特に限定されず、例えば容器内に各イオン交換樹脂を所定の容量で収容した後、窒素ガス等の不活性ガスをバブリングして混合することができる。
ホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置12において用いられるホウ素吸着性樹脂としては、ホウ素を選択的に吸着できるものであれば限定されず、耐熱性、耐水性、耐薬品性に優れたポリスチレン樹脂や、フェノール樹脂に官能基として多価アルコール基を付与させたイオン交換樹脂を用いることができる。ホウ素吸着性樹脂としては、高いイオン交換能を有するN−メチルグルカミン基を含むイオン交換樹脂が特に好ましい。また、ホウ素除去能の点から、ホウ素吸着性樹脂の交換容量は、0.15〜1.5meq/mLが好ましい。
ホウ素吸着性樹脂の比重は、1.05〜1.15g/cmであることが好ましい。
ホウ素吸着性樹脂の市販品としては、例えばアンバーライト(登録商標:ローム・アンド・ハース社製)IRA−743T、ダイヤイオンCRB02(三菱化学(株)社製)などを挙げることができる。
強酸性陽イオン交換樹脂としては、イオン交換樹脂の加水分解が少なく有機陽イオン成分の超純水への溶出が少ないため、官能基としてスルホン酸基を有するスチレン系樹脂などが好ましい。強酸性陽イオン交換樹脂は、交換容量が好ましくは1.5〜2.5meq/mL、より好ましくは2〜2.5meq/mLのものが好適である。
強酸性陽イオン交換樹脂としては、イオン選択性の低い陽イオン成分を除去できることからH型が好ましい。H型転換率としては、99.95%以上のものが好適に用いられる。
強酸性陽イオン交換樹脂の比重は、1.2〜1.3g/cmであることが好ましい。
強酸性陽イオン交換樹脂の市販品として、Duolite CGP(ローム・アンド・ハース社製)、ダイヤイオンSKT20L(三菱化学(株)社製)等が挙げられる。
強塩基性陰イオン交換樹脂としては、イオン交換樹脂の加水分解が少なく有機系陰イオン成分の超純水への溶出が少ないため、官能基として第4級アンモニウム基を有するスチレン系樹脂などが好ましく用いられる。強塩基性陰イオン交換樹脂としては交換容量が好ましくは0.7〜1.5meq/mL、より好ましくは1〜1.5meq/mLのものが好適である。
また、強塩基性陰イオン交換樹脂は、イオン選択性の低い陰イオン成分を除去できることからOH型が好ましい。OH型転換率としては、99.95%以上のものが好適に用いられる。
強塩基性陰イオン交換樹脂の比重は、1.0〜1.1g/cmであることが好ましい。
強塩基性陰イオン交換樹脂の市販品として、Duolite AGP(ローム・アンド・ハース社製)、ダイヤイオンSAT20L(三菱化学(株)社製)等が挙げられる。
本実施形態の純水製造装置1は、前処理装置11とホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置12の間に、酸化分解装置を備えることが好ましく、前処理装置11と酸化分解装置の間に脱塩装置を備えることがより好ましい。この場合、酸化分解装置の処理水がホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置に供給される。
脱塩装置としては、逆浸透膜装置及び電気脱イオン装置がイオン成分の除去能に優れるため好適に用いられ、これらを単独で、あるいは複数を組み合わせて用いることができる。
逆浸透膜装置は、前処理水中の塩類及びイオン性、コロイド性の有機物等を除去して濃縮水及び透過水を生成する。逆浸透膜装置としては、三酢酸セルロース系非対称膜や、ポリアミド系複合膜を用い、シート平膜、スパイラル膜、管状膜、中空糸膜とした膜モジュールを用いることができる。中でも、不純物の除去率を高める点から、ポリアミド系の複合膜であることが好ましく、膜形状はスパイラル膜であることが好ましい。
逆浸透膜装置は2台以上の逆浸透膜装置を直列に接続して複数段として構成してもよい。この場合、逆浸透膜装置での脱塩率を高め、その結果、ホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置12において、ホウ素吸着/陽イオン交換/陰イオン交換混床樹脂の負荷を小さくすることができるので、ホウ素除去能を高めることができる。なお、逆浸透膜装置を複数段として構成する場合には、2段逆浸透膜装置であることが好ましい。
電気脱イオン装置は、陰イオン交換膜と陽イオン交換膜で形成された空隙にイオン交換体を充填して、脱塩室、濃縮室を形成し、直流電流を印加して被処理水中のイオンを除去するよう構成されている。電気脱イオン装置としては、MK−3シリーズ(E−Cell社製)、VNXシリーズ(IONPURE社製)等の市販品を用いることができる。なお、電気脱イオン装置の水回収率は、80〜98%であることが好ましい。電気脱イオン装置は、1台を単段で用いてもよく、2台以上を直列に接続して複数段として用いてもよい。
また、脱塩装置を、2床3塔式(2B3T)装置と逆浸透膜装置を接続して構成してもよい。2床3塔式装置は、陽イオン交換塔、脱炭酸塔及び陰イオン交換塔をこの順に備えて構成され、不純物であるイオン成分、特には、逆浸透膜装置においてスケールを生成するイオン成分を除去する。これら不純物の除去された水は、逆浸透膜装置に供給され、ここで、イオン成分、非イオン性の有機物、微粒子等が除去される。次いで、逆浸透膜装置の透過水が酸化分解装置に供給される。
酸化分解装置は、被処理水中の有機物を酸化分解する。酸化分解装置は、被処理水中の有機物を、例えば、二酸化炭素と低分子量の有機酸にまで酸化分解する。これにより、二酸化炭素及びカルボン酸化合物が生成し得る。
酸化分解装置として例えば、紫外線酸化装置、次亜臭素酸酸化装置、オゾン酸化装置等を用いることができる。次亜臭素酸酸化装置は、例えば被処理水に次亜臭素酸を添加、混合することで、被処理水中の難分解性物質である尿素等を酸化分解する。オゾン酸化装置は、オゾン発生装置によってオゾンを発生させて、発生したオゾンを被処理水中に供給して、被処理水中の有機物等を分解する。
紫外線酸化装置は例えば、185nm付近の波長を有する紫外線を照射可能な紫外線ランプを有し、この紫外線ランプによって紫外線を被処理水に照射することで、被処理水中のTOCを酸化分解する。紫外線酸化装置に用いられる紫外線ランプは、185nmの紫外線のみを発生するランプである必要はなく、例えば、185nmの紫外線とともに254nm付近の紫外線を放射する低圧水銀ランプを使用することができる。
紫外線酸化装置は、波長185nm付近の紫外線により、水を分解してOHラジカルを生成し、このOHラジカルが、被処理水に含有される有機物を酸化分解する。なお、紫外線照射量は、被処理水の水質によって適宜変更する。
次に、図1に示す純水製造装置を用いた純水の製造方法について説明する。
先ず、原水を、前処理装置11に通水して、前処理水を得る。この前処理水を、必要に応じて脱塩処理、酸化分解処理を行った後、ホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置12へ通水する。このとき、ホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置12への通水速度は特に限定されず、被処理水中のホウ素濃度、混合される各イオン交換樹脂の交換容量等の態様に応じて適宜決定することができる。より長期間ホウ素を高度に除去する観点からは、ホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置12での通水速度は、空間速度SVが、10〜100[1/h]であることが好ましく、20〜50[1/h]であることが特に好ましい。通水速度が上記した上限値より速すぎる場合にはホウ素を十分に除去できないおそれがある。一方、上記した下限値より遅い場合には、混床樹脂から有機物等の溶出が起こり、処理水の水質が低下するおそれがある。
ホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置12における被処理水の水温は特に制限はないが、5〜40℃が好ましい。また、処理水質を安定させるためには被処理水の温度を一定にすることが好ましい。そのため、逆浸透膜装置の前段には、プレート型熱交換器などを備えることが好ましい。
こうして、ホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置12の処理水として、例えば、ホウ素濃度が1.0ng/L(as B)以下、TOC濃度が5.0μg/L(as C)以下の純水を得ることができる。
次に、図2及び図3に示すホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置12a、12bの再生処理について、図4を参照して説明する。図4は、混床樹脂の再生処理を概略的に示すフロー図である。
先ず、図2に示すホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置12aの再生処理方法について説明する。イオン交換処理後のホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置12aに、逆洗水導入管129から逆洗水として純水等を導入し、ホウ素吸着/陰イオン交換混床樹脂層に下方から逆洗水を上昇流で流入し、ホウ素吸着/陰イオン交換混床樹脂130を膨張流動させる。逆洗水は逆洗水排出管124から排出する。その後、ホウ素吸着/陰イオン交換混床樹脂130を沈静させて、ホウ素吸着/陰イオン交換混床樹脂に混合されたホウ素吸着性樹脂及び強塩基性陰イオン交換樹脂を分離する(逆洗工程S100。)。
次いで、塩酸などの酸再生剤を再生剤導入管123又は再生剤導入管128からホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置12a内に導入して、ホウ素吸着性樹脂に通流した後、再生排水を中間抜水管130より排出する(酸再生工程S200。)。これにより、ホウ素吸着性樹脂を再生することができる。なお、酸再生工程S200において、酸再生剤は、ホウ素吸着性樹脂と接触させればよく、その通流方向は、下降流、上昇流のいずれであってもよい。
次いで、水酸化ナトリウムなどのアルカリ再生剤を再生剤導入管123又は再生剤導入管128からホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置12a内に導入して、強塩基性陰イオン交換樹脂及びホウ素吸着性樹脂に通流した後、処理水排出管127又は逆洗水排出管124を介してホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置12bから排出する(アルカリ再生工程S300。)。アルカリ再生工程S300において、アルカリ再生剤は、ホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置12b内の強塩基性陰イオン交換樹脂及びホウ素吸着性樹脂の両者と接触させればよく、その通流方向は、下降流、上昇流のいずれであってもよい。
さらに、逆洗水導入管129からホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置12内に純水等を導入して、再生処理の施された強塩基性陰イオン交換樹脂及びホウ素吸着性樹脂を洗浄する。洗浄廃水は、逆洗水排出管124より排出する(純水洗浄工程S400。)。このようにして、再生処理を行った後、ホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置12内に窒素を導入し、強塩基性陰イオン交換樹脂及びホウ素吸着性樹脂を撹拌して、ホウ素吸着/陰イオン交換混床樹脂130を形成させる(混合工程S500。)。
このように、本実施形態のホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置12aを用いることで、ホウ素吸着/陰イオン交換混床樹脂を簡易に再生することができる。
次に、図3に示すホウ素吸着/陽イオン交換/陰イオン交換混床樹脂を用いたホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置12bの再生処理について、図4を参照して説明する。
先ず、イオン交換処理後のホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置12bに、逆洗水導入管129から逆洗水として純水等を導入し、ホウ素吸着/陽イオン交換/陰イオン交換混床樹脂層に下方から逆洗水を上昇流で流入し、ホウ素吸着/陽イオン交換/陰イオン交換混床樹脂121を膨張流動させる。逆洗水は逆洗水排出管124から排出する。その後、ホウ素吸着/陽イオン交換/陰イオン交換混床樹脂121を沈静させて、ホウ素吸着/陽イオン交換/陰イオン交換混床樹脂に混合された強酸性陽イオン交換樹脂、ホウ素吸着性樹脂、強塩基性陰イオン交換樹脂を、下層から強酸性陽イオン交換樹脂、ホウ素吸着性樹脂、強塩基性陰イオン交換樹脂の順に積層した状態に分離する(逆洗工程S100。)。
次いで、塩酸などの酸再生剤を再生剤導入管128からホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置12b内に導入して、強酸性陽イオン交換樹脂及びホウ素吸着性樹脂に上昇流で通流した後、再生排水を第1中間抜水管125より排出する(酸再生工程S200。)。これにより、強酸性陽イオン交換樹脂及びホウ素吸着性樹脂を再生することができる。なお、酸再生工程S200において、酸再生剤は、第1中間抜水管125から導入し、下降流でホウ素吸着性樹脂及び強酸性陽イオン交換樹脂に通流して、再生剤導入管128から排出してもよい。
次いで、水酸化ナトリウムなどのアルカリ再生剤を再生剤導入管123からホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置12b内に導入して、強塩基性陰イオン交換樹脂及びホウ素吸着性樹脂に下降流で通流した後、第2中間抜水管126から排出する(アルカリ再生工程S300。)。アルカリ再生工程S300では、中間抜水管126からアルカリ再生剤をホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置12b内に導入して、ホウ素吸着性樹脂及び強塩基性陰イオン交換樹脂に上昇流で通流した後、再生剤導入管123から排出してもよい。これにより、強塩基性陰イオン交換樹脂及びホウ素吸着性樹脂をアルカリ再生剤によって再生することができる。
さらに、上記と同様に純水洗浄工程S400を行い、その後、混合工程S500を行ってホウ素吸着/陽イオン交換/陰イオン交換混床樹脂121を形成させる。
このように、本実施形態のホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置12bを用いることで、ホウ素吸着/陽イオン交換/陰イオン交換混床樹脂を劣化、逆再生させずに再生することができる。この際、強酸性陽イオン交換樹脂、強塩基性陰イオン交換樹脂及びホウ素吸着性樹脂として、上記したように、強酸性陽イオン交換樹脂、ホウ素吸着性樹脂、強塩基性陰イオン交換樹脂を、下層から強酸性陽イオン交換樹脂、ホウ素吸着性樹脂、強塩基性陰イオン交換樹脂の順に分離され得るように、それぞれのイオン交換樹脂を選択することで、ホウ素吸着/陽イオン交換/陰イオン交換混床樹脂の再生を容易に行うことが可能となる。
これに対し、例えば、ホウ素吸着/陽イオン交換/陰イオン交換混床樹脂を、逆洗分離を行った際に、下層又は上層から、強酸性陽イオン交換樹脂、強塩基性陰イオン交換樹脂、ホウ素吸着性樹脂の順に分離されるように、それぞれのイオン交換樹脂を選択して混合した場合には、逆洗分離後に、酸再生剤を強酸性陽イオン交換樹脂及びホウ素吸着性樹脂に通流する際に、強塩基性陰イオン交換樹脂にも酸再生剤が通流されてしまい、強塩基性陰イオン交換樹脂の逆汚染、損傷を招きやすい。下層又は上層から、ホウ素吸着性樹脂、強酸性陽イオン交換樹脂、強塩基性陰イオン交換樹脂の順に分離されるように、それぞれ比重の異なるイオン交換樹脂を選択して混合した場合にも同様に、逆洗分離後に、アルカリ剤を強塩基性陰イオン交換樹脂、ホウ素吸着性樹脂に通流する際に、強酸性陽イオン交換樹脂が逆再生され易いという問題がある。
以上、本実施形態の純水製造装置によれば、ホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置が長期間にわたってホウ素を高度に除去するため、各イオン交換樹脂の使用量を削減することが可能である。また、ホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置を、ホウ素吸着/陽イオン交換/陰イオン交換混床樹脂を用いて構成した場合には、処理水の抵抗率を上げることができ、ホウ素吸着/陰イオン交換混床樹脂の処理水を処理する混床式イオン交換装置等の設置を省略することができるため、装置構成を簡素化することができ、さらに、イオン交換樹脂の再生処理を簡易に行うことができる。この場合に、ホウ素吸着/陽イオン交換/陰イオン交換混床樹脂は、逆洗分離した際に、下層から強酸性陽イオン交換樹脂、ホウ素吸着性樹脂、強塩基性陰イオン交換樹脂の順に分離するように構成することで、イオン交換樹脂の逆汚染、損傷を生じずに、再生処理を容易に行うことができるため、ランニングコストの削減にもつながる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係る超純水製造システム20について説明する。図5は、超純水製造システム20の構成を概略的に示すブロック図である。超純水製造システム20は、純水製造装置10を用いた超純水製造システムであり、純水製造装置10の下流側に、二次純水システム26を備えている。
超純水製造システム20は、前処理装置11、2床3塔式装置22、逆浸透膜装置23、紫外線酸化装置24を順に備え、紫外線酸化装置24の処理水がホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置12に供給される。
超純水製造システム20において、ホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置12の下流側には、ホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置12の処理水を貯留するタンク25を介して、二次純水システム26が接続されている。二次純水システム26は、例えば、紫外線酸化装置、非再生式ポリッシャー、膜脱気装置及び限外ろ過装置を備えており、一次純水中の有機炭素(TOC)濃度を1μgC/L程度まで低減して超純水を製造する。
(第2の実施形態の変形例1)
図6は、第2の実施形態の超純水製造システム20の変形例である超純水製造システム30を概略的に示すブロック図である。超純水製造システム30は、2床3塔式装置22及び逆浸透膜装置23に代えて2段逆浸透膜装置31,32を備える点で第2の実施形態の超純水製造システム20と異なる他は、第2の実施形態の超純水製造システム20と同様の構成である。
超純水製造システム30は、前処理装置11、逆浸透膜装置31、逆浸透膜装置32、紫外線酸化装置24、ホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置12、タンク25、二次純水システム26を順に備えて構成される。
超純水製造システム30では第1段目の逆浸透膜装置31は前処理水のイオン成分や非イオン性の有機物や微粒子を除去する。第1段目の逆浸透膜装置31では、溶存している炭酸を除去するために、その入口で水酸化ナトリウム等のアルカリを添加して被処理水のpHを7.5〜11.0程度のアルカリ性に調製してもよい。
第2段目の逆浸透膜装置32は、第1段目の逆浸透膜装置31の透過水中に残留するイオン成分を除去する。第1段目及び第2段目の逆浸透膜装置31,32の濃縮水の一部は、第1段目の逆浸透膜装置31の入水口に供給されてもよい。このように、2段の逆浸透膜装置を用いることで、水回収率を高めつつ、ホウ素濃度が著しく低減された、純度の高い処理水を得ることができる。
(第2の実施形態の変形例2)
図7は、第2の実施形態の超純水製造システム20の他の変形例である超純水製造システム40を概略的に示すブロック図である。超純水製造システム40は、2床3塔式装置22及び逆浸透膜装置23に代えて、逆浸透膜装置41と電気脱イオン装置42を備える点で、第2の実施形態の超純水製造システム20と異なる他は、第2の実施形態の超純水製造システム20と同様の構成である。
超純水製造システム40は、前処理装置11、逆浸透膜装置41、電気脱イオン装置42、紫外線酸化装置24、ホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置12、タンク25、二次純水システム26を順に備えて構成される。
超純水製造システム40では、逆浸透膜装置41が電気脱イオン装置42のスケール生成の原因となるイオン成分を除去することができる。さらに、電気脱イオン装置42においても、ホウ素が若干除去されるため、ホウ素濃度を著しく低減した超純水を得ることができ、ホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置12をより長寿命化することができる。さらに、イオン成分の除去を逆浸透膜装置41と電気脱イオン装置42で行うため、ホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置12を非再生式に構成すれば、薬品再生を必要としない超純水製造システム40を構成することができる。
以上、本実施形態及びその変形例の超純水製造システムによれば、ホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置が長期間にわたってホウ素を高度に除去するため、ホウ素除去に対するイオン交換樹脂の使用量を削減することが可能である。これにより、従来と同量のイオン交換樹脂により、より長期間、高純度の超純水を製造することが可能である。また、ホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置を、ホウ素吸着/陽イオン交換/陰イオン交換混床樹脂を用いて構成すれば、処理水の抵抗率を向上させて、純度の高い超純水を製造できる。また、この場合には、装置構成を簡素化でき、さらに、再生処理が容易であることから、ランニングコストの削減にもつながる。
次に、実施例について説明する。例1,2は実施例であり、例3,4は比較例である。なお、例1〜4においては、図8に示す装置を用いた。
(例1)
内径φ50mmのカラムに、ホウ素吸着性樹脂(ダイヤイオンCRB03、三菱化学(株)社製、交換容量:0.8meq/mL)750mL及び強塩基性陰イオン交換樹脂(Duolite AGP、ローム・アンド・ハース社製、交換容量:1.1meq/mL)12450mLを充填し、ホウ素吸着/陰イオン交換混床樹脂塔(B・SA塔)61aを構成した。B・SA塔61aにおける樹脂層の高さは1630mmであった。
比抵抗値18.0MΩ・cm以上、ホウ素(B)濃度10ng/L(as B)以下の超純水に、TOC成分として、濃度15μg/Lとなる量のイソプロピルアルコール(IPA)、ホウ素(B)濃度が0.41μg/Lとなる量のホウ酸(HBO)を添加し、紫外線酸化装置(TOC−UV)70に通水した。次いで、TOC−UV処理水を、B・SA塔61aに流量1700mL/min(空間速度SV=32/h、線速度LV=52m/L)で通水した。
B・SA塔61aの出口水を定期的に採取し、ホウ素濃度を測定した。結果を、B・SA塔61aへの通水日数を横軸、B・SA塔61aの処理水のホウ素濃度を縦軸として、図9のグラフに示す。
例1では、約140日経過後にもB・SA塔61aの出口水のホウ素濃度は0.001ngB/L以下であった。なお、B・SA塔61aの出口水中にホウ素が検出されるまでの間に、B・SA塔61a内の単位体積当たりのイオン交換樹脂が吸着したホウ素の量(ホウ素吸着量)は45mg/L(as B)以上と計算される。
(例2)
内径φ50mmのカラムに、ホウ素吸着性樹脂(ダイヤイオンCRB03、三菱化学(株)社製、交換容量:0.8meq/mL)750mL、強酸性陽イオン交換樹脂(Duolite CGP、ローム・アンド・ハース社製、交換容量:2.0meq/mL)530mL、強塩基性陰イオン交換樹脂(Duolite AGP、ローム・アンド・ハース社製、交換容量:1.1meq/mL)1920mLを充填し、ホウ素吸着性樹脂混合イオン交換樹脂塔(B・MB塔)61bを構成した。ホウ素吸着性樹脂混合イオン交換樹脂塔B・MB塔61bにおける樹脂層の高さは1630mmであった。
B・MB塔61bの出口水を定期的に採取し、ホウ素濃度を測定した。結果を、B・MB塔61bへの通水日数を横軸、B・MB塔61bの処理水のホウ素濃度を縦軸として、図9のグラフに示す。
例2では、約140日経過後にもB・MB塔61bの出口水のホウ素濃度は0.001ngB/L以下であった。なお、B・MB塔61bの出口水中にホウ素が検出されるまでの間に、B・MB塔61b内の単位体積当たりのイオン交換樹脂が吸着したホウ素の量(ホウ素吸着量)は45mg/L(as B)以上と計算される。
(例3)
強酸性陽イオン交換樹脂1280mL、強塩基性陰イオン交換樹脂1920mLとして混床式イオン交換樹脂塔(MB塔)62を構成し、B・SA塔61aに代えてMB塔62を用いた他は例1と同様の条件で試験を行い、MB塔62の出口水のホウ素濃度を例1と同様に測定した。結果を、図9に示す。
例3では、約13日経過後にMB塔62の出口水中のホウ素濃度が0.001ng/L(as B)から上昇を始め、その後、急激に上昇した。このように、例3では、例2よりも早期にMB塔62のホウ素除去能が低下したことが分かる。なお、MB塔62の出口水中にホウ素が検出されるまでの間にMB塔62内の単位体積当たりのイオン交換樹脂が吸着したホウ素の量(ホウ素吸着量)は4mg/L(as B)と計算される。
(例4)
強酸性陽イオン交換樹脂及び強塩基性陰イオン交換樹脂を混合した混床式イオン交換樹脂と、ホウ素吸着性樹脂との積層樹脂を模擬し、B・SA塔61aに代えて、ホウ素吸着性樹脂を750mL充填したホウ素樹脂塔(B塔)63と、強酸性陽イオン交換樹脂530mL及び強塩基性陰イオン交換樹脂1920mLを混合して充填した混床式イオン交換樹脂塔(MB塔)64とを上流側からこの順に直列に接続した。その他は例1と同様の条件で試験を行い、B塔63の出口水、MB塔4の出口水のホウ素濃度を例1と同様に測定した。結果を図9に示す。
例4では、B塔63では通水から約30日後、MB塔64では通水から約70日後に出口水中のホウ素濃度が上昇を始めた。この結果から、混床式イオン交換樹脂と、ホウ素吸着性樹脂とを積層した場合にも、これらを混合した場合に比べて、ホウ素の除去率が早期に低下することが分かる。なお、B塔63又はMB塔64のそれぞれの出口水中にホウ素が検出されるまでの間にB塔63、MB塔64内の単位体積当たりのイオン交換樹脂が吸着したホウ素の量(ホウ素吸着量)は、B塔63及びMB塔64の合計で、22mg/L(as B)と計算される。
例1〜例4における処理条件及び単位体積当たりのイオン交換樹脂によるホウ素の吸着量(ホウ素吸着量)を表1に示す。
なお、例1〜4において、TOC濃度は、TOC濃度計(Anatel社製、Anatel A1000 XP)、ホウ素濃度は、誘導結合プラズマ質量分析(ICP−MS)装置、抵抗率は抵抗率計(HORIBA社製、HE−960RW)によって測定した。
Figure 2018086657
表1及び図9より、ホウ素吸着/陰イオン交換混樹脂及びホウ素吸着/陽イオン交換/陰イオン交換混床樹脂では、ホウ素の平衡吸着量が大幅に高まり、長期にわたってホウ素の除去能が維持されていることが分かる。
(実験例1)
例1と同様の超純水に、IPAを濃度15μg/Lで混合して、これを紫外線酸化装置(TOC−UV)に通水した。この紫外線酸化装置(TOC−UV)の処理水にホウ素(B)濃度が0.41μg/L(as B)となる量のホウ酸(HBO)を添加したサンプル水を、例4と同様のB塔63に、空間速度SV=136(1/h)、線速度LV=51.9(m/h)で通水し、B塔63の出口水の水質を測定した。B塔63の出口水のホウ素濃度と、サンプル水の通水量(B.V.)を、ホウ素濃度を縦軸、通水量を横軸として図10に示す。
また、実験例1において、B塔63の出口水中にホウ素が検出されるまでに、B塔63内の単位体積当たりのイオン交換樹脂のホウ素吸着量(mg/L(as B))を算出した。結果を通水条件とともに、表2に示す。
(実験例2)
例1と同様の超純水に、ホウ素(B)濃度が0.4μg/L(as B)となる量のホウ酸(HBO)を添加したサンプル水(IPAの添加と、紫外線酸化装置(TOC−UV)での処理を行っていないサンプル水)を、例4と同様のB塔63に、空間速度SV=90(1/h)、線速度LV=18(m/h)で通水し、B塔63の出口水の水質を測定した。B塔63の出口水のホウ素濃度と、サンプル水の通水量(B.V.)を、ホウ素濃度を縦軸、通水量を横軸として実験例1と併せて図10に示す。また、実験例2において、B塔63の出口水中にホウ素が検出されるまでの、B塔63内の単位体積当たりのイオン交換樹脂のホウ素吸着量(mgB/L)を算出した。実験例2における通水条件及び吸着されたホウ素の量を、実験例1と併せて表2に示す。
(実験例3)
実験例2において、B塔63への被処理水の通水条件を、空間速度SV=45(1/h)、線速度LV=9(m/h)として実験を行った。実験例3における、B塔63の出口水中にホウ素が検出されるまでの、B塔63内の単位体積当たりのイオン交換樹脂のホウ素吸着量(mg/L(as B))を算出した。実験例3における通水条件及びホウ素吸着(mg/L(as B))を実験例1、2と併せて表2に示す。
Figure 2018086657
実験例1〜実験例3より、超純水に、IPAを添加した後、紫外線酸化装置(TOC−UV)で処理し、ホウ素(B)を添加したサンプル水では、IPA添加及びTOC−UV処理を行わないサンプル水を用いた場合に比べて、ホウ素吸着性樹脂によるホウ素の吸着量が少なくなることが分かる。これは、IPAが紫外線酸化装置(TOC−UV)で分解されることで生じる二酸化炭素及び/又はカルボン酸化合物がホウ素吸着性樹脂に吸着されることで、ホウ素吸着性樹脂によるホウ素イオンの吸着を阻害するためであると考えられる。
(実験例4)
(ホウ素吸着/陽イオン交換/陰イオン交換混床樹脂の逆洗分離試験)
ホウ素吸着/陽イオン交換/陰イオン交換混床樹脂の混合状態と、逆洗の際の分離状態の観察を次のように行った。
例1と同様のホウ素吸着性樹脂、強酸性陽イオン交換樹脂及び強塩基性陰イオン交換樹脂について、湿潤状態での樹脂重量と体積を測定し、見かけ密度を算出した。それぞれの見かけ密度は次のようであった。
ホウ素吸着性樹脂:733[g/L]
強酸性陽イオン交換樹脂:798[g/L]
強塩基性陰イオン交換樹脂:689[g/L]
内径φ50mmのカラムに、上記ホウ素吸着性樹脂、強酸性陽イオン交換樹脂及び強塩基性陰イオン交換樹脂をそれぞれ50mLずつ充填し、上向流(線速度LV=450m/L)で1分間、窒素をバブリングして、イオン交換樹脂を混合した。この際のカラム内の樹脂は、おおよそ全体的に均一に混合されていた。その後、混合されたイオン交換樹脂を超純水によって逆洗分離し、分離性を確認した。逆洗分離は、超純水の線速度LV=4m/L、LV=8mLでそれぞれ行った。
LV=4m/L、LV=8m/Lで逆洗分離した後のカラムでは、いずれも、下層から、強酸性陽イオン交換樹脂、ホウ素吸着性樹脂、強塩基性陰イオン交換樹脂の順の3層に明瞭に分離された。また、分離後の積層の順序は、下槽から、上記で測定した見かけ密度の大きい順となった。図11に、LV=4m/Lで逆洗分離した後のカラム内のイオン交換樹脂の写真を示す。図11に示されるように、逆洗分離によって、下層から、強酸性陽イオン交換樹脂、ホウ素吸着性樹脂、強塩基性陰イオン交換樹脂の順の3層に明瞭に分離されていることが分かる。
また、イオン交換樹脂が塩型化(イオン交換した状態)した場合を考慮し、混合後のイオン交換樹脂に市水を、LV=8m/Lで2時間通水した後、超純水による逆洗分離(LV=8m/L)を行った他は上記と同様の試験を行った。当該逆洗分離後のカラムでも、下層から、強酸性陽イオン交換樹脂、ホウ素吸着性樹脂、強塩基性陰イオン交換樹脂の順の3層に明瞭に分離された。
これらにより、ホウ素吸着/陽イオン交換/陰イオン交換混床樹脂は、逆洗により分離されることが分かった。そのため、ホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置は、アルカリ再生剤、酸再生剤を順に用いて再生が可能であることが分かる。
S100…逆洗工程、S200…酸再生工程、S300…アルカリ再生工程、S400…純水洗浄工程、S500…混合工程、10…純水製造装置、11…前処理装置、12…ホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置、20,30,40…超純水製造システム、22…2床3塔式装置、23…逆浸透膜装置、24…紫外線酸化装置、25…タンク、26…二次純水システム、31,32,41…逆浸透膜装置、42…電気脱イオン装置、121…ホウ素吸着/陽イオン交換/陰イオン交換混床樹脂、122…被処理水導入管、123…アルカリ再生剤導入管、124…逆洗水排出管、125…第1中間抜水管、126…第2中間抜水管、127…処理水排出管、128…酸再生剤導入管、129…逆洗水導入管、130…ホウ素吸着/陰イオン交換混床樹脂、131…中間抜水管。

Claims (13)

  1. 前処理装置で処理され、二酸化炭素(炭酸水素イオン及び/又は炭酸イオンを含む。)及び/又はカルボン酸化合物を1〜50μg/L(as C)と、ホウ素成分とを含む被処理水を処理して純水を製造する純水製造装置であって、
    ホウ素吸着性樹脂及び強塩基性陰イオン交換樹脂を混合してなるホウ素吸着/陰イオン交換混床樹脂を備えるホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置を具備することを特徴とする純水製造装置。
  2. 前記ホウ素吸着/陰イオン交換混床樹脂における、前記ホウ素吸着性樹脂及び前記強塩基性陰イオン交換樹脂の混合割合は、前記強塩基性陰イオン交換樹脂の交換容量を「C」、前記ホウ素吸着性樹脂の交換容量を「C」として、C/Cが0.2〜5であることを特徴とする請求項1記載の純水製造装置。
  3. 前記ホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置は、前記ホウ素吸着性樹脂及び前記強塩基性陰イオン交換樹脂にさらに強酸性陽イオン交換樹脂を混合してなるホウ素吸着/陽イオン交換/陰イオン交換混床樹脂を備えることを特徴とする請求項1又は2記載の純水製造装置。
  4. 前記ホウ素吸着/陽イオン交換/陰イオン交換混床樹脂における前記ホウ素吸着性樹脂、前記強酸性陽イオン交換樹脂及び前記強塩基性陰イオン交換樹脂の混合割合は、前記強酸性陽イオン交換樹脂の交換容量を「C」として、C/(C+C)が0.3〜1.3であることを特徴とする請求項3記載の純水製造装置。
  5. 前記ホウ素吸着/陽イオン交換/陰イオン交換混床樹脂は、純水を用いて逆洗分離した際に、下層から前記強酸性陽イオン交換樹脂、前記ホウ素吸着性樹脂、前記強塩基性陰イオン交換樹脂の順に分離することを特徴とする請求項3又は4記載の純水製造装置。
  6. 前記被処理水は、カルボン酸化合物として、ギ酸、酢酸及びシュウ酸から選ばれる1種以上を含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の純水製造装置。
  7. 前記前処理装置と前記ホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置の間に、酸化分解装置を具備し、前記酸化分解装置の処理水を前記ホウ素吸着性樹脂混合イオン交換装置に供給することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の純水製造装置。
  8. 前記前処理装置と前記酸化分解装置の間に、逆浸透膜装置を単段もしくは複数段で具備することを特徴とする請求項7記載の純水製造装置。
  9. 前記前処理装置と前記逆浸透膜装置の間に、2床3塔式装置を具備することを特徴とする請求項8記載の純水製造装置。
  10. 前記逆浸透膜装置と前記酸化分解装置の間に、電気脱イオン装置を単段もしくは複数段で具備することを特徴とする請求項8又は9記載の超純水製造装置。
  11. 前記酸化分解装置は、紫外線酸化装置であることを特徴とする請求項7乃至10のいずれか1項記載の純水製造装置。
  12. 請求項1乃至11のいずれか1項記載の純水製造装置の下流側に、二次純水システムを具備することを特徴とする超純水製造システム。
  13. 原水を前処理した、二酸化炭素(炭酸水素イオン及び/又は炭酸イオンを含む。)及び/又はカルボン酸化合物を1〜50μg/L(as C)と、ホウ素成分とを含む被処理水を、ホウ素吸着性樹脂及び強塩基性陰イオン交換樹脂を混合してなるホウ素吸着/陰イオン交換混床樹脂に通流することで、ホウ素の低減された処理水を得ることを特徴とする純水製造方法。
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