JP2018084869A - 電子制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】演算回路構成の動的再構成中であっても、最適な走行計画を計算することが可能な電子制御装置を実現する。【解決手段】運転状態22が変化した際に、走行計画パラメータ生成/選択部24は再構成制御部16を介して評価演算部141〜14Nを、141〜14Mと14M+1〜14Nとの2つに分割し、複数回でそれぞれを再構成する。評価演算部141〜14Mが再構成中のときは、評価演算部14M+1〜14Nが評価演算を行い、評価演算部14M+1〜14Nが再構成中のときは、評価演算部141〜14Mが評価演算を行う。これにより、評価演算部141〜14Nの一部を再構成している最中も残りの評価演算部にて走行計画の評価を継続することができる。【選択図】図1

Description

本発明は電子制御装置に関する。
車両の自動運転を行う電子制御装置は、標識や障害物を認識する処理の他に、目的地まで最適な経路および速度で走行するための走行計画を計算する処理を行う。障害物を回避しつつ、乗り心地や移動時間を考慮した上で最適な走行計画を計算するためには、多大な演算を行う必要があり、その実現のために大きな演算力を持つ演算器が必要となる。
この演算器の演算力を向上させる技術として、動的再構成を用いる方法が知られている。動的再構成とは、動作中の再構成可能回路内の演算回路構成を変更する技術である。この動的再構成を用いて、状況に応じて演算回路を変更することにより、小規模な再構成可能回路でも大きな演算力を有することができる。
この分野の背景技術として、特許文献1がある。特許文献1には、「制御部13は、車内のセンサ18からの情報にもとづいて動的再構成制御部16を制御し画像処理ハードウエア11の回路を再構成して、常に運転環境に応じた画像処理を可能とする。制御部13は、前述のように画像処理された情報にもとづいて前照灯、ブレーキなどの外部装置19を制御する」と記載されている。
特開2005−35396号公報
特許文献1に記載の技術では、動的再構成を行うことで、運転状態に応じて再構成可能回路内の画像処理回路の構成や処理パラメータを変更している。
しかし、動的再構成中は、その回路での演算を行うことができないため、出力を停止させるか、あるいは前回の計算値をそのまま出力するなどの代替処理が必要となる。このような代替処理を走行計画演算で行うと、動的再構成中に新たな障害物が発見された場合に車両軌道の変更が遅くなり、障害物と衝突する可能性が増すほか、急ハンドルや急減速などの運転を行わなければならなくなる虞がある。
本発明の目的は、演算回路構成の動的再構成中であっても、最適な走行計画を計算することが可能な電子制御装置を実現することである。
上記目的を達成するために、本発明は次のように構成される。
電子制御装置において、走行計画パラメータ及び再構成指示を出力するコントローラと、データを格納するメモリと、上記コントローラから出力される上記走行計画パラメータを用いて、走行評価演算を行う複数の評価演算部を有する再構成可能な再構成可能回路と、を備え、上記コントローラから上記再構成指示が出力されると、上記再構成可能回路は、上記複数の評価演算部を複数に分割し、分割した回数に分けて再構成処理を行わせる。
本発明によれば、演算回路構成の動的再構成中であっても、最適な走行計画を計算することが可能な電子制御装置を実現することができる。
上記以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の実施例1における電子制御装置および周辺回路の構成例を示す図である。 走行計画パラメータとして自車の操舵量と加減速度を示した例を示す表である。 リスクマップの一例を表した図である。 走行計画評価における演算リスク評価の一例を表した図である。 各運転状態におけるリスクマップ保持領域の大きさを表した例を示す図である。 実施例1における評価演算部再構成時のタイミングチャート例を示す図である。 実施例2における電子制御装置および周辺回路の構成例を表した図である。 実施例2における評価演算部再構成時のタイミングチャートの例を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
(実施例1)
本発明の実施例1では、車両において、動的再構成中でも走行計画演算を継続可能な電子制御装置の例を示す。
図1は、実施例1における電子制御装置および周辺回路の構成例を示す図である。
図1において、電子制御装置1は、自動運転設定部2で設定された内容と、複数のセンサ3から出力されたセンサ値と、通信装置4から出力された情報と、車両位置情報取得部5から出力された自車位置情報と、地図情報格納部6に格納された地図情報とを用いて、目的地までの走行計画を演算する。
そして、電子制御装置1は、複数の車両制御装置7に対して、演算した走行計画を実現するための制御指令値を出力する。これら車両制御装置7としては、例えばエンジン、トランスミッション、ブレーキ、操舵装置やこれらを制御するための電子制御装置などが該当する。
自動運転設定部2は、車両の搭乗者が自動運転時の目的地、ルート、走行速度などを設定する装置である。自動運転設定部2は、搭乗者が設定を行うための入力装置(図示せず)を有する。この入力装置には、例えば、ボタンやタッチパネルといった物理的な入力装置、カメラや赤外線センサを用いたジェスチャ入力装置、音声入力装置などが該当する。
自動運転設定部2は、入力装置を介して搭乗者が入力した情報を電子制御装置1に出力する。
センサ3は、外界情報や車両状態情報を取得するためのセンサであり、例えばカメラやレーダー、超音波センサ、加速度センサ、ヨーレートセンサ、車輪速度センサなどが該当する。このセンサ3は、取得した情報をセンサ値として電子制御装置1に出力する。
通信装置4は、車両外部、例えば、他車両やインフラシステムと通信を行い、車両外部の情報を電子制御装置1に対して出力する。
車両位置情報取得部5は、GPS(Global Positioning System)などの測位用衛星からの電波を用いて、自車両の位置を取得する装置である。車両位置情報取得部5は、取得した自車位置情報を電子制御装置1に対して出力する。
なお、車両位置情報取得部5は、GPS以外の測位システムを用いて自車位置情報を取得しても良い。
地図情報格納部6に格納された地図情報は、自動運転で使用する地図データであり、道路の道幅、車線数、勾配、カーブの曲率、交差点の形状、制限速度情報などが含まれる。なお、図1において、地図情報は電子制御装置1の外部に保存されているが、電子制御装置1内部に格納されていても良い。
電子制御装置1は、内部に再構成可能回路10と、コントローラ20と、メモリ40とを有している。再構成可能回路10は、内部回路の構成を変更可能な回路であり、例えば、FPGA(Filed Programmable Gate Array)やCPLD(Complex Programmable Logic Device)が該当する。
再構成可能回路10は、内部に周辺状況認識部11と、リスクマップ生成部12と、走行計画評価部13と、再構成制御部16とを有している。
周辺状況認識部11は、センサ3から出力されたセンサ値と通信装置4から出力された情報をもとに、自車周辺の状況、例えば、標識の内容や信号の状況、周囲の他車両や歩行者の状況を認識する。
そして、周辺状況認識部11は、周辺認識情報をリスクマップ生成部12に出力する。
リスクマップ生成部12は、車両位置情報取得部5が出力する自車位置情報と、地図情報格納部6に格納される地図情報と、周辺状況認識部11が出力する周辺認識情報とを用いて、走行計画評価に使用するリスクマップ41を生成する。このリスクマップ41の詳細については、図3を用いて後述する。リスクマップ生成部12は、生成したリスクマップ41をメモリ40内に保存する。
なお、本実施例1では、周辺状況認識部11及びリスクマップ生成部12の処理を再構成可能回路10で実施しているが、これらの処理をコントローラ20で実施しても良い。また、これらの処理を電子制御装置1内部の他の処理装置、あるいは電子制御装置1外部の処理装置で実施しても良い。
走行計画評価部13は、互いに独立した複数の評価演算部141〜14Nを有している。なお、本実施例1では、評価演算部141〜14Nの数をN個としている。
また、この評価演算部141〜14Nは、内部に車両モデル(図示せず)とリスクマップ保持領域15を有している。リスクマップ保持領域15には、リスクマップ41のうち、走行計画評価に使用する一部が保存される。
評価演算部141〜14Nは、車両位置情報取得部5から出力される自車位置情報と、コントローラ20から出力される走行計画パラメータ251〜25Nと、内部の車両モデルを用いて、車両の走行軌道や車両の走行速度などを算出する。その後、評価演算部141〜14Nは、算出した車両走行軌道および車両走行速度、コントローラ20から出力される目標地点情報23、リスクマップ保持領域に保存したリスクマップ情報などを用いて走行計画パラメータ251〜25Nを評価し、評価結果261〜26Nをコントローラ20に対して出力する。この評価内容の詳細については後述する。
なお、本実施例1では、各評価演算部141〜14Nがそれぞれリスクマップ保持領域15を有している構成となっているが、必ずしも評価演算部とリスクマップ保持領域15の数が評価演算部141〜14Nの数と1対1である必要は無く、複数の評価演算部141〜14Nでリスクマップ保持領域15を共有する構成にしても良い。ただし、リスクマップ保持領域15は複数個必要である。
再構成制御部16は、評価演算部141〜14Nの再構成を実施する。コントローラ20から再構成指示27が出力されたとき、再構成制御部16は、メモリ40内の回路データ421〜42Xの中から再構成回路データ情報29に合致するものを回路データ43としてメモリ40から読み出す。そして、その回路構成データ43に基づいて、再構成制御部16は、評価演算部141〜14Nのうち、再構成対象演算部情報28に該当する評価演算部を再構成する。再構成が完了した後、再構成制御部16はコントローラ20に対して再構成完了信号30を出力する。
コントローラ20は、内部に運転状態制御部21と、走行計画パラメータ生成/選択部24と、パラメータ変換部32とを有する。
運転状態制御部21は、自動運転設定部2が出力する自動運転設定情報と、車両位置情報取得部5が出力する自車位置情報と、地図情報とをもとに現在の運転状態を判断し、走行計画における目標地点を決定する。
そして、判断した運転状態22(運転状態を示す信号)を経路パラメータ生成/選択部24に対して出力し、決定した目標地点23を走行計画評価部13に対して出力する。
運転状態22には、例えば、直進状態、右カーブ状態、左カーブ状態、右折状態、左折状態、前車追従状態などがある。また、本実施例1においては、自動運転設定部2で設定された目的地までのルートをいくつかの区間に区切り、各区間の走行計画を算出する方法となっており、前述の目標地点23は各区間における目標座標位置を表す。
なお、本実施例1では、運転状態制御部21の処理をコントローラ20で実施しているが、この処理を再構成可能回路10で実施しても良い。また、この処理を電子制御装置1内部の他の処理装置、あるいは電子制御装置1外部の処理装置で実施しても良い。さらに、運転状態制御部21をコントローラ20の内部ではなく、コントローラ20の外部に配置することも可能である。
走行計画パラメータ生成/選択部24は、走行計画パラメータ251〜25Nを生成し、それらを評価演算部141〜14Nに対して出力する。この走行計画パラメータ251〜25Nとは、車両の走行軌道および走行速度を算出するための情報であり、例えば、ある時間における自車の操舵量や自車の加減速度、自車の座標位置などが該当する。
図2は、走行計画パラメータとして自車の操舵量と加減速度を示した例を示す表である。図2に示した例では、Δt秒ごとに自車操舵量と自車加減速度をnΔt秒後まで規定している。また、走行計画パラメータ生成/選択部24は、評価演算部141〜14Nから出力される演算結果261〜26Nに基づいて、最も良い走行計画パラメータを選択し、選択した走行計画パラメータを最適走行計画パラメータ31としてパラメータ変換部32に対して出力する。
走行計画パラメータ生成/選択部24は、上記の処理の他に、評価演算部141〜14Nを再構成するために、再構成制御部16に再構成指示27、再構成対象演算部情報28、再構成回路データ情報29を出力する処理も行う。
パラメータ変換部32は、走行計画パラメータ生成/選択部24から出力された最適走行計画パラメータ31に基づいて、各車両制御装置7の指令値を計算し、計算した指令値を制御指令値として車両制御装置7に出力する。
メモリ40は、内部にリスクマップ41と回路データ421〜42Xを有する。本実施例1では、メモリ40内にX個の回路データ421〜42Xを格納しているが、この個数はあくまで一例である。
また、本実施例1では、同一メモリ40内にリスクマップ41と回路データ421〜42Xを格納しているが、複数のメモリにリスクマップ41と回路データ421〜42Xを分けて格納しても良い。
図3は、リスクマップの一例を示した図である。図3の左側の(a)は、現在の自車周辺の状況を示しており、自車の前方に1台、反対車線に2台の車両(他車)(濃い色で示す))が存在する。この状態をリスクマップで表すと、図3の(b)に示すリスクマップ(現在)のようになる。車両などの障害物がある部分はリスク大(黒色)となり、車道で障害物の無い部分はリスク低(白色(升目状))となる。また、歩道など車両走行が禁止されている部分もリスク大(黒色)となる。
リスクマップ生成部12では、現在の状態のほかに、予測によって未来のリスクマップも作成する。未来のリスクマップを作成するのは、走行計画評価において、未来の自車位置において障害物と衝突するか否かを判定するためである。リスクマップ生成部12は、自車周辺の物体の移動速度により、周辺物体の未来位置を予測し、その未来位置に基づいて未来のリスクマップを作成する。図3の(c)の例では、現在からM秒後のリスクマップを示しているが、自車前方および反対車線の車両ともに、M秒間移動すると予測されるため、リスク高(黒色)の位置が現在のリスクマップとは異なる。
このリスクマップの枚数は、走行計画パラメータの時間間隔と最大時間によって決まる。図2のように、走行計画パラメータがΔt秒ごとにnΔt秒間規定されている場合、リスクマップも同様にΔt秒ごとにnΔt秒先のものまで作成する必要がある。そのため、この場合に生成されるリスクマップの枚数はn枚となる。
<走行計画評価演算>
評価演算部141〜14Nで実施される走行計画評価演算の一例を説明する。
評価演算部141〜14Nでは、以下に示す式(1)に基づいて走行計画評価結果の演算を実施する。なお、式(1)の計算結果が小さいほど、より最適な走行計画パラメータであると判断される。そのため、この例の場合、走行計画パラメータ生成/選択部24は、評価結果が最も小さい走行計画パラメータを最適走行計画パラメータ31として選択する。
評価結果=H1+H2+H3 ・・・(1)
式(1)の中のH1は、走行中のリスク評価値である。H2及びH3は後述する。
このリスク評価では、走行計画パラメータの時間間隔(図2におけるΔt秒)ごとにリスクを計算し、各時間帯でのリスクを積算することで評価値を計算する。このリスク評価には、評価演算部141〜14N内のリスクマップ保持領域15に格納されたリスクマップ情報を用いて行う。
図4は、走行計画評価演算におけるリスク評価の一例を表した図である。なお、図4における自車周辺の状況は、図3の状態と同様である。図4の左側の(a)は、t=0秒後の状態を表した図である。t=0秒後の状態では、自車位置のリスクマップ情報はすべてリスク低(白色)の状態であるため、このときのリスクは小となる。
図4の右側の(b)は、t=xΔt秒後の状態を示した図である。自他車共に進行方向に向けて直進を行っており、t=0秒後のマップとは状態が異なっている。このt=xΔt秒後では、自車は前方を走行している車両と接触しており、自車位置の一部がリスク高(黒色)の状態となっている。そのため、このときのリスクは高となる。
このように、自車両が障害物と衝突するような走行軌道をとる走行計画パラメータの場合には、H1の値が大きくなる。そのため、そのような走行計画パラメータは最適走行計画パラメータ31として選択されない。
上記式(1)の中のH2は、目標地点情報23が示す地点に至るまでの走行時間の評価値である。走行時間が短いほどH2の値は小さくなる。
上記式(1)の中のH3は、走行中の乗り心地の評価値である。この乗り心地の評価は、例えば、走行中の各時間帯での車両の前後加速度、車両の横加速度などを用いて評価する。乗り心地が良いほど、H3の値は小さくなる。
このように、走行計画パラメータの評価では、走行中のリスクH1、走行時間H2、乗り心地H3を総合的に評価する。走行中に障害物と衝突せず、走行時間がなるべく短く、走行中の乗り心地が良い結果が得られる走行計画パラメータほど評価結果の値が小さくなる。
<走行計画評価部の再構成>
評価演算部141〜14Nの再構成を行う際、大きく変更となるのはリスクマップ保持領域15の部分である。図5は、各運転状態におけるリスクマップ保持領域15の大きさを表した例を示す図である。図5において、図5の(a)は運転状態22が左カーブ状態の図である。
また、図5の(b)は運転状態22が直進状態の図であり、図5の(c)は運転状態22が右カーブ状態の図である。
図5の(a)に示すように、運転状態22が左カーブ状態の場合、自車両は現在位置から右方向に大きく移動するような軌道は描かないと考えられる。つまり、リスクマップのうち、自車両から大きく右側に位置する部分であるリスクマップ不使用領域(斜線部分)は使用しない。そのため、左カーブ状態におけるリスクマップ保持領域15の大きさは、リスクマップ不使用領域を除いた左側の部分のみで十分となる。
図5の(b)に示すように、運転状態22が直進状態の場合、自車両は横方向(進行方向とは直角の方向)には大きく移動するような軌道は描かないと考えられる。つまり、リスクマップのうち、自車両から大きく右側および左側に位置する部分(リスクマップ不使用領域の部分)は使用しない。そのため、直進状態におけるリスクマップ保持領域15の大きさは、リスクマップ不使用領域を除いた中央部分のみで十分となる。
図5の(c)に示すように、運転状態が右カーブ状態の場合、自車両は現在位置から左方向に大きく移動するような軌道は描かないと考えられる。そのため、左カーブ状態、直進状態と同様に、リスクマップ保持領域15の大きさは、リスクマップ不使用領域を除いた右側部分のみで十分となる。
このように、運転状態に応じて評価演算部141〜14Nの動的再構成を行い、リスクマップ保持領域15の大きさを最適化することで、全運転状態に対応可能な大きなリスクマップ保持領域15を有する場合と比べて評価演算部141〜14Nの回路面積を小さくできる。それにより、同じ回路面積でも評価演算部141〜14Nの数を増やすことができ、走行計画評価に関する演算力を高めることができる。
図6は、本実施例1における評価演算部再構成時のタイミングチャートの例を示す図である。
図6において、期間1は、評価演算部141〜14Nの再構成は行われず、通常通りの処理が行われている期間である。この期間の運転状態22は直進状態であり、走行計画パラメータ生成/選択部24は、評価演算部141に対して、まず走行計画パラメータ251としてP111を出力している。
また、走行計画パラメータ生成/選択部24は、それ以外の評価演算部142〜14Nにも独立した走行計画パラメータ251〜25NとしてP211〜PN11を出力している。評価演算部141〜14Nは、各走行計画パラメータの評価を行い、対応した評価結果を走行計画パラメータ生成/選択部24に対して出力する。例えば、評価結果261のR111は、走行計画パラメータP111に対する評価結果であり、評価結果26NのRN11は、走行計画パラメータPN11に対する評価結果である。
その後、走行計画パラメータ生成/選択部24は、走行計画パラメータ251〜25Nの値を変更し(P112〜PN12)、評価演算部141〜14Nに対して出力する。評価演算部141〜14Nは、各走行計画パラメータ251〜25N(P112〜PN12)の評価を行い、対応した評価結果261〜26N(R112〜RN12)を走行計画パラメータ生成/選択部24に対して出力する。
規定回数(1〜L)だけ評価が完了した後、走行計画パラメータ生成/選択部24は、評価演算部141〜14Nから入手した評価結果261〜26N(R111〜R11L、・・・RN11〜RN1L)を用いて、走行計画パラメータ251〜25N(P111〜P11L、・・・PN11〜PN1L)の中で最も評価結果の良い走行計画パラメータを最適走行計画パラメータ31として選択する。図6の例では、走行計画パラメータP11Lを最適走行計画パラメータ31として選択している。
次の運転状態は、右カーブ状態であり、この右カーブ状態を最初の期間2と、次の期間3とに分けている。期間2は、経路更新期間として設定している。
期間2では、運転状態22が直進状態から右カーブ状態に切り替わっている。これを受けて、走行計画パラメータ生成/選択部24は評価演算部141〜14Nの一部を再構成する。
図6の例では、期間2の間に評価演算部141〜14MまでのM個を再構成している。再構成を行うために、走行計画パラメータ生成/選択部24は、再構成指示27を立ち上げ、再構成制御部16に再構成の開始を伝達する。また、走行計画パラメータ生成/選択部24は、再構成対象演算部情報28を再構成する評価演算部の番号に設定し、再構成制御部16に出力する。この例の場合では、再構成対象演算部情報28の値は、評価演算部141〜14Mとなる。
再構成を行う評価演算部141〜14Mに対しては、走行計画パラメータ生成/選択部24から、走行計画パラメータ251〜25Mは出力していない。評価演算部14M+1〜14Nに対しては、走行計画パラメータ生成/選択部24から走行計画パラメータ25M+1〜25Nが出力される。
その他、走行計画パラメータ生成/選択部24は、再構成を行うための回路データ情報を再構成回路データ情報29として、再構成制御部16に出力する。この例では、評価演算部を右カーブ状態に対応する回路構成に再構成するために、回路データ再構成回路データ情報29に回路データ1〜Xのうちの回路データAを設定している。
再構成制御部16は、走行計画パラメータ生成/選択部24が出力する再構成指示27、再構成対象演算部情報28、再構成回路データ情報29を受け付け、メモリ40から再構成回路データ情報29に該当する回路データ43を読み出す。この例の場合、回路データ43は回路データAとなる。その後、再構成制御部16は再構成対象演算部情報28に該当する評価演算部141〜14Mに対して再構成を実施する。
再構成実施中は、評価演算部141〜14Mの出力は不定値となる。評価演算部141〜14Mの再構成が正常に完了した後、再構成制御部16は、再構成完了信号30を走行計画パラメータ生成/選択部24に対して出力する。
走行計画パラメータ生成/選択部24は、再構成完了信号30の出力を受け付け、再構成指示27を立ち下げる。これにより期間2における再構成処理は完了となる。
期間2において、評価演算部141〜14Mの再構成が行われている間も他の評価演算部(評価演算部14M+1〜14N)は、通常通り走行計画パラメータの評価を行う。走行計画パラメータ生成/選択部24は、評価演算部14M+1〜14Nが出力する評価結果26M+1〜26Nをもとに、最適走行計画パラメータ31を選択する。図6の例では、期間2での最適走行計画パラメータ31はPN2Lとなっている。
期間3では、期間2に引き続き、運転状態22は右カーブ状態である。このとき、走行計画パラメータ生成/選択部24は、期間2で再構成を行わなかった評価演算部14M+1〜14Nに対して再構成を実施する。期間3では、再構成を行う評価演算部14M+1〜14Nに対しては、走行計画パラメータ生成/選択部24から、走行計画パラメータ25M+1〜25Nは出力していない。
再構成の方法は期間2で説明したとおりであり、走行計画パラメータ生成/選択部24は再構成指示27を立ち上げると共に、再構成対象演算部情報28を評価演算部14M+1〜14Nに設定し、再構成回路データ情報29を回路データAに設定する。
再構成制御部16は、走行計画パラメータ生成/選択部24が出力する再構成指示27、再構成対象演算部情報28、再構成回路データ情報29を受け付け、メモリ40から再構成回路データ情報29に該当する回路データAを回路データ43から読み出す。
その後、再構成制御部16は再構成対象演算部情報28に該当する評価演算部14M+1〜14Nに対して再構成を実施する。再構成実施中は、評価演算部14M+1〜14Nの出力は不定値となる。再構成が正常に完了した後、再構成制御部16は再構成完了信号30を走行計画パラメータ生成/選択部24に対して出力する。
走行計画パラメータ生成/選択部24は再構成完了信号30の出力を受け付け、再構成指示27を立ち下げる。これにより、期間3における再構成処理は完了となる。
期間3において、評価演算部14M+1〜14Nの再構成が行われている間も他の評価演算部(評価演算部141〜14M)は通常通り走行計画パラメータの評価を行う。走行計画パラメータ生成/選択部24は、評価演算部141〜14Mが出力する評価結果261〜26Mをもとに、最適走行計画パラメータ31を選択する。図6の例では、期間3での最適走行計画パラメータ31はPM3Lとなっている。
なお、図6の例では、評価演算部141〜14Nを2回に分割して再構成しているが、さらに多数回に分割して再構成しても良い。
また、図6の例では、期間2および期間3において、走行計画パラメータ生成/選択部24はその期間中に再構成が完了した評価演算部に対して走行計画パラメータを出力していないが、再構成完了後には評価演算部は通常通り動作が可能であるため、再構成が完了次第、再構成していた評価演算部141〜14M又は14M+1〜14Nに対して走行計画パラメータ251〜25M又は25M+1〜25Nを入力し、走行計画パラメータの評価演算を開始しても良い。
つまり、走行計画パラメータ生成/選択部24は、再構成を終了した評価演算部141〜14M又は14M+1〜14Nを判断し、再構成終了とほぼ同時に、評価結果を出力するように構成し、評価結果が出力された評価演算部に対して、走行計画パラメータ生成/選択部24が、走行計画パラメータを出力するように構成することも可能である。
このように構成すれば、制御周期内に同時に動作可能な評価演算部の数を増加でき、評価できるパラメータを多くすることができる。その結果、より最適な車両の動作制御が可能となる。
以上のように、本実施例1によれば、運転状態22が変化した際に、走行計画パラメータ生成/選択部24は再構成制御部16を介して評価演算部141〜14Nを複数回に分割して再構成する。
評価演算部141〜14Nの再構成を複数回に分割することで、評価演算部141〜14Nの一部を再構成している最中も残りの評価演算部にて走行計画の評価を継続することができる。
そのため、本実施例1によれば、前回評価した走行計画を再度出力するなどの代替処理を行う必要がなくなり、評価演算部141〜14Nの一部についての再構成中に自車周辺の状況が変化した際にも、状況に応じて走行計画の変更を即座に実施することが可能となり、演算回路構成の動的再構成中であっても、最適な走行計画を計算することが可能な電子制御装置を実現することができる。
(実施例2)
次に、本発明の実施例2について説明する。実施例2は、実施例1の変形例である。
図7は、実施例2における電子制御装置および周辺回路の構成例を表した図である。なお、実施例1における構成部分と同一の要素には同一の符号を付与しており、それら同一要素の説明は省略する。
図7において、走行計画パラメータ生成/選択部24aは、評価演算部141〜14Nの再構成を行う際、メモリ40から回路データ421〜42Xのいずれかを回路データ43として読み出し、走行計画パラメータ生成/選択部24a内部に保持する。
そして、走行計画パラメータ生成/選択部24aは、図1に示した再構成回路データ情報29の代わりに、内部に保持した回路データ43を再構成回路データ33として再構成制御部16aに出力する。
図7における再構成制御部16aは、走行計画パラメータ生成/選択部24から再構成指示27が出力された際、走行計画パラメータ生成/選択部24aから出力された再構成回路データ33をもとに、再構成対象演算部情報28で設定された評価演算部の再構成を行う。
図8は、本実施例2における評価演算部再構成時のタイミングチャートの例を示す図である。
図8において、期間2では走行計画パラメータ生成/選択部24aは、評価演算部141〜14Mの再構成のために、まずメモリ40から評価演算部141〜14Mを再構成するための回路データ43を読み出す。この例では、回路データ43の内容は回路データAとする。
走行計画パラメータ生成/選択部24aは回路データ43の読み出し完了後、このデータを内部に保持する。そして、走行計画パラメータ生成/選択部24aは再構成指示27を立ち上げ、再構成制御部16aに対して再構成対象演算部情報28、再構成回路データ33を出力する。ここで、再構成回路データ33の内容は、先ほどメモリ40から読み出した回路データAとなる。
再構成制御部16aは、再構成対象演算部情報28で設定された評価演算部141〜14Mの再構成が完了すると、再構成完了信号30を立ち上げる。走行計画パラメータ生成/選択部24aは、再構成完了信号30の立ち上がりを確認後、再構成指示27を立ち下げる。これにより、評価演算部141〜14Mの再構成処理が完了する。
期間3において、走行計画パラメータ生成/選択部24aは、評価演算部14M+1〜14Nの再構成のために、再構成指示27を立ち上げ、再構成制御部16aに対して再構成対象演算部情報28、再構成回路データ33を出力する。
ここで、再構成回路データ33の内容は期間2と同様に回路データAとなる。なお、期間2で、走行計画パラメータ生成/選択部24aの内部に回路データAが保持されているため、期間3では、メモリ40から回路データAを読み出す処理は発生しない。
その後は、再構成制御部16aが評価演算部14M+1〜14Nの再構成を実施し、再構成完了後に再構成完了信号30を立ち上げる。走行計画パラメータ生成/選択部24aは、再構成完了信号30の立ち上がりを確認後、再構成指示27を立ち下げる。これにより、評価演算部14M+1〜14Nの再構成処理が完了する。
以上のように、本実施例2では、メモリ40から読み出した回路データ43を走行計画パラメータ生成/選択部24a内部に保持し、走行計画パラメータ生成/選択部24aから再構成制御部16aに対して回路データを伝送する。
これにより、メモリ40のアクセス回数が実施例1と比べて減少するため、他のメモリアクセス、例えば、リスクマップ41の更新処理などを早期に行うことが可能となる。
したがって、実施例1と同様に、演算回路構成の動的再構成中であっても、最適な走行計画を計算することが可能な電子制御装置を実現することができる。
実施例2においても、実施例1と同様に、再構成を終了した評価演算部141〜14M又は14M+1〜14Nは、再構成終了とほぼ同時に、評価結果を出力するように構成し、評価結果が出力された評価演算部に対して、走行計画パラメータ生成/選択部24aが、走行計画パラメータを出力するように構成することも可能である。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウエアで実現しても良い。
また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現しても良い。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
上述した例は、本発明を車両制御に適用した場合の例であるが、車両制御以外にも適用可能である(例えば、船舶、ロボット等)。
また、上述した例において、最初に再構成する評価演算部141〜14Mの数は、適用する対象により、任意に設定することができる。さらに、制御動作の種類に応じて変更することも可能である。
また、上述した例は、車両が直線道路走行から、右カーブ道路走行に切り替わる場合を説明したが、一般道走行から高速道路走行への変化、高速道路走行から一般道走行への変化、停止から走行への変化、走行から停止への変化等にも本発明は適用可能である。
1・・・電子制御装置、2・・・自動運転設定部、3・・・センサ、4・・・通信装置、5・・・車両位置情報取得部、6・・・地図情報格納部、7・・・車両制御装置、10・・・再構成可能回路、13・・・走行計画評価部、15・・・リスクマップ保持領域、16、16a・・・再構成制御部、20・・・コントローラ、21・・・運転状態制御部、22・・・運転状態、24、24a・・・走行計画パラメータ生成/選択部、251〜25N・・・走行計画パラメータ、261〜26N・・・評価結果、33・・・再構成回路データ、40・・・メモリ、41・・・リスクマップ、43・・・回路データ、141〜14N・・・評価演算部

Claims (10)

  1. 走行計画パラメータ及び再構成指示を出力するコントローラと、
    データを格納するメモリと、
    上記コントローラから出力される上記走行計画パラメータを用いて、走行評価演算を行う複数の評価演算部を有する再構成可能な再構成可能回路と、
    を備え、上記コントローラから上記再構成指示が出力されると、上記再構成可能回路は、上記複数の評価演算部を複数に分割し、分割した回数に分けて再構成処理を行わせることを特徴とする電子制御装置。
  2. 請求項1に記載の電子制御装置において、
    上記再構成可能回路は、同一の回路データを上記複数の評価演算部に供給することを特徴とする電子制御装置。
  3. 請求項2に記載の電子制御装置において、
    上記メモリは上記回路データを格納し、上記再構成回路は、上記メモリから読み出した回路データを上記複数の評価演算部に供給することを特徴とする電子制御装置。
  4. 請求項2に記載の電子制御装置において、
    上記回路データは、上記コントローラから上記再構成回路に伝送されることを特徴とする電子制御装置。
  5. 請求項1に記載の電子制御装置において、
    上記複数の評価演算部のうち、同一の期間内に再構成を行う評価演算部と、他の期間内に再構成を行う評価演算部とに分割され、上記コントローラは、再構成を行っていない評価演算部にのみ、上記走行計画パラメータを出力することを特徴とする電子制御装置。
  6. 請求項1から5のうちのいずれか一項に記載の電子制御装置において、
    運転状態を判断する運転状態制御部を備え、上記コントローラは、上記運転状態制御部が判断した運転状態に基づいて、上記再構成指示を出力することを特徴とする電子制御装置。
  7. 請求項6に記載の電子制御装置において、
    上記分割した回数は、2回であることを特徴とする電子制御装置。
  8. 請求項5に記載の電子制御装置において、
    上記コントローラは、上記同一の期間内又は上記他の期間内にて、再構成が終了した評価演算部を判断し、再構成が終了した評価演算部に対して上記走行計画パラメータを出力することを特徴とする電子制御装置。
  9. 請求項6に記載の電子制御装置において、
    上記運転状態制御部は、上記コントローラの内部に配置されていることを特徴とする電子制御装置。
  10. 請求項1から9のうちのいずれか一項に記載の電子制御装置において、
    上記電子制御装置は、車両の自動運転制御に用いられる車両制御装置であることを特徴とする電子制御装置。
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