JP2018084731A - トナー - Google Patents

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Takeshi Hashimoto
武 橋本
裕斗 小野▲崎▼
Yuto Onozaki
裕斗 小野▲崎▼
仁思 佐野
Hitoshi Sano
仁思 佐野
伊知朗 菅野
Ichiro Sugano
伊知朗 菅野
浜 雅之
Masayuki Hama
雅之 浜
小堀 尚邦
Naokuni Kobori
尚邦 小堀
小松 望
Nozomi Komatsu
望 小松
隼人 井田
Hayato Ida
隼人 井田
藤川 博之
Hiroyuki Fujikawa
博之 藤川
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Abstract

【課題】低温定着性を有し、かつ耐ホットオフセット性に優れるとともに、温湿度環境や印字比率によらず高い耐久安定性を有するトナーを提供すること。
【解決手段】結着樹脂、着色剤を含有するトナー粒子を有するトナーにおいて、
該結着樹脂は、
溶解性パラメータSP1が以下の関係を満たしかつ該結着樹脂100質量部に対して50質量部以上含有される非晶性ポリエステル、
溶解性パラメータSP2が以下の関係を満たしかつ該結着樹脂100質量部に対して1質量部以上含有される結晶性ポリエステル、
および溶解性パラメータSP3が以下の関係を満たしかつ該結着樹脂100質量部に対して1質量部以上含有されるオレフィン系共重合体を含有し、
該オレフィン系共重合体は、特定の構造単位を有する樹脂群から選択される1種または複数のオレフィン系共重合体であることを特徴とする。
0.5≦SP1−SP2≦2.5
0.5≦SP2−SP3≦3.5
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真方式、静電記録方式、静電印刷方式、トナージェット方式に用いられるトナーに関する。
近年、電子写真方式のフルカラー複写機が広く普及するに従い、高速印刷化や省エネルギー対応への要求がさらに高まっている。高速印刷に対応するため、定着工程においてトナーをより素早く溶融させる技術が検討されている。また、省エネルギー対応策として、定着工程での消費電力を低下させるために、トナーをより低い定着温度で定着をさせる技術が検討されている。
高速印刷に対応し、かつトナーの低温定着性を向上させるために、トナーの結着樹脂に結晶性ポリエステルを使用したトナーが提案されている。結晶性ポリエステルは非晶性ポリエステルに比較してシャープメルトな特性を有するとともに、非晶性ポリエステルに対して可塑剤としてもはたらくため、トナーの低温定着化に対して有効な材料である。一方、結晶性ポリエステルは、非晶性ポリエステルに比べ体積抵抗が低い、水分を吸着しやすいなどの特徴もある。このため、トナー表面に結晶性ポリエステルが露出してしまうとトナーの帯電特性や耐久安定性が悪化するなどの弊害もあることが徐々にわかってきた。非晶性ポリエステルに対する結晶性ポリエステルの分散性が悪い場合、トナー表面に露出する結晶性ポリエステルの割合が増加するため、結晶性ポリエステルの分散性を良くすることが求められている。
特許文献1には、非晶質ポリエステル樹脂、結晶性ポリエステル樹脂、グラフト変性ポリマー及び離型剤のSP値が特定の関係にあるトナーが提案されている。
特許文献1によれば、これらのトナーはフィルミングがなく、優れた低温定着性、耐高温オフセット性、及び耐熱保存性を有するトナーを提供することができる。ただし、本発明者らの検討によると、高温高湿環境下における帯電安定性の点ではまだ改良の余地があるものであった。
また、トナーに使用する結着樹脂として、エチレンと酢酸ビニル、またはエチレンとアクリル酸誘導体との共重合体を用いたトナーも提案されている。特許文献2においては、熱可塑性ポリエステル樹脂を主成分とするバインダー樹脂に、特定のエチレン−酢酸ビニル共重合体5〜50質量%を含有させたトナーが提案されている。また、特許文献3においては、ポリエステルを主成分とし、エチレンと、(メタ)アクリル酸のα−もしくはβ−誘導体及び不飽和ジカルボン酸誘導体の少なくとも1種とが共重合されている共重合体を3〜50質量%含有されているトナーが提案されている。
これらのトナーは、低温定着化に一定の効果は有しているものの、近年のカラー複写機に要求される処理枚数・省エネルギー性能を満たす低温定着性・耐ホットオフセット性を有するには至っていない。
近年、複写機の省エネルギー化および複写機内での各種調整を出来る限り減らし生産性を最大化するというという要求はますます高くなっている。それに応じて、トナーもより低い定着温度で定着可能で、かつ高温においてもホットオフセットしたりしない、定着可能温度領域の高いトナーが求められている。また、複写機内での各種調整を減らすために、温湿度環境や印字比率によらず長時間の印刷前後で画像品位の変わらない耐久安定性の高いトナーが求められている。結晶性ポリエステルを使用したトナーにおいて、これらの性能を十分満足しかつ高い耐久安定性を有するトナーは得られていなかった。
特開2012−53196号公報 特開平6−308764号公報 特開平6−342227号公報
本発明の目的は、上記の課題を解決したトナーを提供することにある。具体的には、低温定着性を有し、かつ耐ホットオフセット性に優れるとともに、温湿度環境や印字比率によらず高い耐久安定性を有するトナーを提供することにある。
本発明は、結着樹脂、着色剤を含有するトナー粒子を有するトナーにおいて、
該結着樹脂は、
溶解性パラメータSP1が以下の関係を満たしかつ該結着樹脂100質量部に対して50質量部以上含有される非晶性ポリエステル、
溶解性パラメータSP2が以下の関係を満たしかつ該結着樹脂100質量部に対して1質量部以上含有される結晶性ポリエステル、
および溶解性パラメータSP3が以下の関係を満たしかつ該結着樹脂100質量部に対して1質量部以上含有されるオレフィン系共重合体を含有し、
該オレフィン系共重合体は、下記の式(1)で示される構造単位と、式(2)および/または式(3)で表される構造単位を有する樹脂群から選択される1種または複数のオレフィン系共重合体であることを特徴とするトナーに関する。
0.5≦SP1−SP2≦2.5
0.5≦SP2−SP3≦3.5
Figure 2018084731
(式中、R1はHまたはCH3であり、R2はHまたはCH3であり、R3はCH3またはC25であり、R4はHまたはCH3であり、R5はCH3またはC25である。)
本発明のトナーは、低温定着性を有し、かつ耐ホットオフセット性に優れるとともに、温湿度環境や印字比率によらず高い耐久安定性を有するトナーを提供することができる。
結着樹脂、着色剤を含有するトナー粒子を有する本発明トナーは、該結着樹脂として、
溶解性パラメータSP1が以下の関係を満たしかつ該結着樹脂100質量部に対して50質量部以上含有される非晶性ポリエステル、
溶解性パラメータSP2が以下の関係を満たしかつ該結着樹脂100質量部に対して1質量部以上含有される結晶性ポリエステル、
および溶解性パラメータSP3が以下の関係を満たしかつ該結着樹脂100質量部に対して1質量部以上含有されるオレフィン系共重合体を含有し、
該オレフィン系共重合体は、後述の式(1)で示される構造単位と、式(2)および/または式(3)で表される構造単位を有する樹脂群から選択される1種または複数のオレフィン系共重合体であることを特徴としている。
0.5≦SP1−SP2≦2.5
0.5≦SP2−SP3≦3.5
本発明者らの検討によれば、エチレンとビニル系化合物の共重合体が結晶性ポリエステルの非晶性ポリエステルへの分散性を向上させる作用があることを見出した。これは、エチレンとビニル系化合物の共重合体はエチレン部分が結晶性を有し結晶性ポリエステルと相互作用しやすいためと考えている。本発明者らは、エチレンと特定の化合物の共重合体、非晶性ポリエステル、結晶性ポリエステルの溶解性パラメータを制御することにより、低温定着性と耐ホットオフセット性、高い耐久安定性を有するトナーとなることを見出し、本発明に至った。
本発明の効果が発現するメカニズムについては、不明な点もあるものの、本発明者らは以下のように考えている。
本発明におけるエチレン共重合体は結晶性を有するエチレン部位とポリエステルとの親和性を示す(メタ)アクリル酸エステル部位とを分子構造内に有している。また、本発明におけるエチレン共重合体はランダム共重合体であるため、ポリエチレングラフト変性ポリマーほど連続するメチレン基の長さが長くなく、結晶性ポリエステルのメチレン基の数に近い構造をとっている個所が多くなっていると推測される。そのため、結晶性ポリエステルとの親和性が強く、トナー中にて結晶性ポリエステルとエチレン共重合体とが強く相互作用した状態で存在していると考えている。その結果、結晶性ポリエステルが本来もつ弊害が大きく緩和され、本発明の効果が発現するにいたったと推測している。
以下、本発明のトナーの構成について詳細に説明する。
(非晶性ポリエステル)
本発明のトナーに使用される非晶性ポリエステルは、アルコール成分と酸成分から構成される通常のものが使用できる。
アルコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ブテンジオール、オクテンジオール、シクロヘキセンジメタノール、水素化ビスフェノールA、下記式(X)で表されるビスフェノール誘導体が挙げられる。水素化ビスフェノールA、下記式(X)で表されるビスフェノール誘導体などの、ビスフェノール類が好ましい。
Figure 2018084731
[式(X)中、Rはエチレン基又はプロピレン基であり、x及びyはそれぞれ0以上の整数であり、かつx+yの平均値は1〜10である。]
さらに、アルコール成分としてグリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビット、ソルビタン、ノボラック型フェノール樹脂のオキシアルキレンエーテルのような多価アルコールが挙げられる。
上記のうち、非晶性ポリエステルの溶解性パラメータSP1が後述する関係を満たすのが比較的容易であり、本発明の効果が生まれやすいことから、ビスフェノール類を使用することが好ましい。
さらに、アルコール成分の総モル数に対し、前記ビスフェノール誘導体を80mol%以上100mol%以下含有するとさらに好ましい。
一方、非晶性ポリエステルを構成する2価のカルボン酸としてはフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸のようなベンゼンジカルボン酸又はその無水物;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸のようなアルキルジカルボン酸又はその無水物が挙げられる。さらには、炭素数6〜18のアルキル基若しくはアルケニル基で置換されたコハク酸又はその無水物;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸のような不飽和ジカルボン酸又はその無水物などが挙げられる。また、トリメリット酸、ピロメリット酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸やその無水物等の多価カルボン酸が挙げられる。
本発明における非晶性ポリエステルは、以下式(A)のユニットを有する非晶性ポリエステルであることが、特に高温高湿下における帯電安定性が向上するため特に好ましい。
Figure 2018084731
(式(A)中、Rはエチレン基またはプロピレン基であり、a及びbはそれぞれ1以上の整数であり、かつa+bの平均値は2から10である。R3は炭素数2〜12の飽和または不飽和炭化水素基またはベンゼン環である。)
本発明における非晶性ポリエステルに対して、式(A)で示されるユニットを70質量%以上含有することがさらに好ましい。
上記非晶性ポリエステル樹脂は、通常用いられる触媒、例えばスズ、チタン、アンチモン、マンガン、ニッケル、亜鉛、鉛、鉄、マグネシウム、カルシウム、ゲルマニウム等の金属;及びこれらの金属含有化合物など、いずれの触媒を用いても製造することができる。
上記非晶性ポリエステルの酸価は、1mgKOH/g以上40mgKOH/g以下であると帯電安定性の観点から好ましく、1mgKOH/g以上15mgKOH/g以下であることがさらに好ましい。
上記非晶性ポリエステルは、溶解性パラメータSP1が後述の関係を満たし、かつ結着樹脂100質量部に対して50質量部以上含有されることを特徴とする。
該非晶性ポリエステルの溶解性パラメータSP1が後述の関係を満たし、かつ結着樹脂100質量部に対して50質量部以上含有されることで、低温定着性と帯電安定性を両立することが可能となる。また、上記非晶性ポリエステルの軟化点は75℃以上110℃以下であると低温定着性とトナー保存性を両立しやすいため好ましい。
本発明のトナーに使用される非晶性ポリエステルは、上記非晶性ポリエステルの他に、さらに別の非晶性ポリエステルを含んでいてもよい。この場合、軟化点が120℃以上180℃以下のものであると低温定着性と耐ホットオフセット性を両立しやすいため好ましい。
別に含まれる非晶性ポリエステルの溶解性パラメータをSP1xとした場合、SP1xとSP2とが後述の関係を満たす必要は必ずしもない。しかし、後述の関係を満たしているとさらに本発明の効果が顕著に表れるため好ましい。さらに、SP1とSP1xの差の絶対値が1.0以内であるとさらに好ましい。
<結晶性ポリエステル樹脂>
本発明の結晶性ポリエステル樹脂は、脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸とを主成分として含む単量体組成物を重縮合反応させることにより得られることが好ましい。
脂肪族ジオールとしては、特に限定されないが、鎖状(より好ましくは直鎖状)の脂肪族ジオールであることが好ましく、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−ブタジエングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、オクタメチレングリコール、ノナメチレングリコール、デカメチレングリコール、ネオペンチルグリコールが挙げられる。これらの中でも、特にエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、及び1,6−ヘキサンジオールのような直鎖脂肪族、α,ω−ジオールが好ましく例示される。
上記アルコール成分のうち、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上が炭素数2以上22以下(好ましくは6以上12以下)の脂肪族ジオールから選ばれるアルコールである。より好ましくは上記アルコール成分のうち、80質量%以上が炭素数6以上12以下の脂肪族ジオールから選ばれるアルコールである。
本発明において、上記脂肪族ジオール以外の多価アルコール単量体を用いることもできる。該多価アルコール単量体のうち2価アルコール単量体としては、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA等の芳香族アルコール;1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。また、該多価アルコール単量体のうち3価以上の多価アルコール単量体としては、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等の芳香族アルコール;ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセリン、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等の脂肪族アルコール等が挙げられる。
一方、脂肪族ジカルボン酸としては、特に限定されないが、鎖状(より好ましくは直鎖状)の脂肪族ジカルボン酸であることが好ましい。具体例としてはシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スペリン酸、グルタコン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ノナンジカルボン酸、デカンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、メサコン酸、シトラコン酸、イタコン酸が挙げられ、これらの酸無水物又は低級アルキルエステルを加水分解したものなども含まれる。
本発明において、上記カルボン酸成分のうち、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上が、炭素数2以上22以下(好ましくは6以上12以下)の脂肪族ジカルボン酸から選ばれるカルボン酸である。より好ましくは上記カルボン酸成分のうち、80質量%以上が炭素数6以上12以下の脂肪族ジカルボン酸から選ばれるカルボン酸である。
本発明において、上記脂肪族ジカルボン酸以外の多価カルボン酸を用いることもできる。その他の多価カルボン酸単量体のうち、2価のカルボン酸としては、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族カルボン酸;n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸の脂肪族カルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式カルボン酸が挙げられ、これらの酸無水物又は低級アルキルエステルなども含まれる。また、その他のカルボン酸単量体のうち、3価以上の多価カルボン酸としては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸等の芳香族カルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン等の脂肪族カルボン酸が挙げられ、これらの酸無水物又は低級アルキルエステル等の誘導体等も含まれる。
本発明において、低温定着性と保存性を一段高いレベルで両立するという点から、以下の式(C)で示されるユニットを有する結晶性ポリエステルであることが特に好ましい。
Figure 2018084731
(式(C)中、mは6〜12の整数であり、nは4〜10の整数である。)
式(C)で示されるユニットは結晶性ポリエステル100質量部に対し80質量部以上含有することがさらに好ましい。
本発明において、該結着樹脂100質量部に対して50質量部以上含有される該非晶性ポリエステルの溶解性パラメータSP1と、該結着樹脂100質量部に対して1質量部以上含有される該結晶性ポリエステル溶解性パラメータSP2が、0.5≦SP1−SP2≦2.5の関係を満たすことが必要である。SP1−SP2が0.5を下回る場合、該結晶性ポリエステルが該非晶性ポリエステルと相溶しやすくなり、相対的に該オレフィン系共重合体との相互作用が弱まるため帯電安定性が悪化する。一方、SP1−SP2が2.5を上回る場合、該結晶性ポリエステルが該非晶性ポリエステル内で分散しづらくなるため該結晶性ポリエステルがトナー表面に露出しやすくなるため帯電性・保存性が悪化する。
本発明において、溶解性パラメータは、Fedors法で算出している。算出に当たり使用した蒸発エネルギー(Δei[cal/mole])とモル体積(Δvi[cal/mole])は、井上稔著「接着の基礎理論」刊行会発行 第五章、R.F.Fedors,Polym.Eng.Sci.14,147(1974)に記載の数値を使用している。本発明においては、ポリマー構成単位の構造を元に計算を行っている。
本発明において、溶解性パラメータSP2が0.5≦SP1−SP2≦2.5および0.5≦SP2−SP3≦3.5の関係を満たす結晶性ポリエステル樹脂の含有量は、結着樹脂100質量部に対し、1質量部以上であることが低温定着性の向上のために必要であり、30質量部以下であることが好ましい。該結晶性ポリエステルの含有量が1質量部を下回る場合、低温定着性が劣る。低温定着性と帯電性の両立の観点から1質量部以上15質量部以下であることがより好ましい。
また、溶解性パラメータSP2が0.5≦SP1−SP2≦2.5および0.5≦SP2−SP3≦3.5の関係を満たさない結晶性ポリエステルをさらに含有していても構わない。この場合、結着樹脂中に含有される結晶性ポリエステルの合計質量部は結着樹脂100質量部に対し1質量部以上30質量部以下であることが好ましい。
<オレフィン系共重合体>
本発明のオレフィン系共重合体は下記式(1)で示される構造単位と、下記式(2)および/または式(3)で表される構造単位を有する樹脂群から選択される1種または複数のオレフィン系共重合体で示される構造単位からなる共重合体である。
Figure 2018084731
(式中、R1はHまたはCH3であり、R2はHまたはCH3であり、R3はCH3またはC25であり、R4はHまたはCH3であり、R5はCH3またはC25である。)
前記オレフィン系共重合体としては、例えば、
式(1)および式(2)で示されるユニットの共重合体であって、R1がH、R2がH、R3がCH3であるエチレン−酢酸ビニル共重合体、
式(1)および式(3)で示されるユニットの共重合体であって、R1がH、R4がH、R5がCH3であるエチレン−アクリル酸メチル共重合体、
式(1)および式(3)で示されるユニットの共重合体であって、R1がH、R4がH、R5がC25であるエチレン−アクリル酸エチル共重合体、
式(1)および式(3)で示されるユニットの共重合体であって、R1がH、R4がCH3、R5がCH3であるエチレン−メタアクリル酸メチル共重合体
等が挙げられる。
前記オレフィン系共重合体としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体が、エステル基濃度が低い場合でも融点が低いため、低温定着性と帯電保持性の両立が容易である観点から好ましく、エチレン−アクリル酸エチルまたはエチレン−アクリル酸メチル共重合体またはエチレン−メタクリル酸メチル共重合体のようなアクリル酸エステル共重合体が、高い化学的安定性のために高温高湿下における保管性が高い観点から好ましい。
前記結着樹脂中に前記オレフィン系共重合体は1種または複数含有されてもよい。
前記オレフィン系共重合体の質量の総和をW、前記式(1)、式(2)および式(3)で示されるユニットの質量をそれぞれl、m、nとしたとき、結着樹脂中に含有される前記オレフィン系共重合体の(l+m+n)/Wの平均値は0.80以上であることが低温定着性や電荷保持性の観点から好ましく、0.95以上であることがより好ましい。ここで、(l+m+n)/Wの平均値とは、結着樹脂中に複数の前記オレフィン系共重合体を含有する場合は、各オレフィン系共重合体の(l+m+n)/Wと、オレフィン系共重合体の総量に対する各オレフィン系共重合体の成分比の加重平均である。結着樹脂中に1種の前記オレフィン系共重合体を含有する場合は、その(l+m+n)/Wそのものが適用される。
式(1)、式(2)および式(3)で示されるユニット以外で、前記オレフィン系共重合体中に含まれてもよいユニットの例としては、例えば、式(4)で示されるユニットが挙げられる。また、式(2)中のR3や式(3)中のR5がC37やC49であるものも挙げられる。これらは前記オレフィン系エステル基含有共重合体を製造する共重合反応の際に相当するモノマーを添加したりすること等で導入することができる。
Figure 2018084731
前記オレフィン系共重合体の式(2)および(3)で表わされるユニットの比率の平均は、3質量%以上35質量%以下であることが好ましく、5質量%以上20質量%以下がさらに好ましい。前記オレフィン系共重合体の式(2)および(3)で表わされるユニットの比率の平均が35質量%以下であると、オレフィン系共重合体が結晶性を有しやすくなる。その結果、結晶性ポリエステルと相互作用が発現しやすくなって帯電保持性が良化し、20質量%以下でさらに良化する。一方、前記オレフィン系共重合体の式(2)および(3)で表わされるユニットの比率の平均が3質量%以上であることで結晶性ポリエステルのエステル基と相互作用する部位が多くなり、帯電安定性や保存性が良好になり、5質量%以上でさらに良化する。
本発明において、前記オレフィン系共重合体の溶解性パラメータが、0.5≦SP2−SP3≦3.5の関係を満たすものが結着樹脂100質量部に対し1質量部以上含有されることが必要である。SP2−SP3が0.5未満である場合、オレフィン系共重合体と結晶性ポリエステルは相互作用しやすいものの、オレフィン系共重合体の疎水性が低下するために本発明の効果が発現せず、帯電性の向上効果が現れない。また、SP2−SP3が3.5を超える場合、結晶性ポリエステルとオレフィン系共重合体とが相互作用しにくいため、やはり帯電性や保存性が低下する。SP3の値は、前記l、m、nに相当するモノマーの種類を変えたり、前記l、m、nの比率を変えることで変化させることができる。
前記溶解性パラメータの関係を満たす前記オレフィン系共重合体が1質量部未満であると、本発明の効果が発現しない。好ましくは1質量部以上30質量部以下であり、1質量部以上15質量部以下であると低温定着性との両立の観点からより好ましい。
前記オレフィン系共重合体は示差熱走査分析(DSC)によって65℃〜110℃の範囲に吸熱ピークを有すると、結晶性ポリエステルとの相互作用がより発現しやすくなるため好ましい。
前記オレフィン系共重合体は、メルトフローレートが30g/10分以下であることが好ましい。それより大きい場合は、トナーとしての強度が低く、保管時にブロッキングしてしまうことがある。また、トナー使用時の衝撃や圧力に耐える観点から、20g/10分以下がより好ましい。また、前記オレフィン系共重合体は、メルトフローレートが5g/10分以上であることが画像の光沢性の観点から好ましい。
メルトフローレートは、JIS K 7210に基づき、190℃、2160g荷重の条件で測定した。結着樹脂中に複数の前記オレフィン系共重合体を含有する場合は、溶融混合した後に上記条件により測定を行なった。
メルトフローレートは、前記オレフィン系共重合体の分子量を変えることで制御することが可能であり、分子量を大きくすることでメルトフローレートを下げることができる。具体的には、前記オレフィン系共重合体の分子量は、重量平均分子量50000以上であることが好ましく、100000以上がより好ましい。また、前記オレフィン系共重合体の分子量は500000以下であることが画像の光沢性の観点から好ましい。
(他の結着樹脂)
本発明のトナーに使用される結着樹脂としては、顔料分散性を向上させたり、トナーの帯電安定性、耐ブロッキング性を改善したりする目的で上記非晶性ポリエステル、結晶性ポリエスル、オレフィン系共重合体以外に下記「その他の樹脂」を本発明の効果を阻害しない量で添加することも可能である。
本発明のトナーの結着樹脂に用いられる「その他の樹脂」としては、例えば以下の樹脂が挙げられる。ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体などのスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロン−インデン樹脂、石油系樹脂等が挙げられる。
(着色剤)
本発明のトナーに含有できる着色剤としては、以下のものが挙げられる。
黒色着色剤としては、カーボンブラック;イエロー着色剤とマゼンタ着色剤及びシアン着色剤とを用いて黒色に調色したものが挙げられる。着色剤には、顔料を単独で使用してもかまわないが、染料と顔料とを併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点からより好ましい。
マゼンタトナー用顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48:2、48:3,48:4、49、50、51、52、53、54、55、57:1、58、60、63、64、68、81:1、83、87、88、89、90、112、114、122、123、146、147、150、163、184、202、206、207、209、238、269、282;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35。
マゼンタトナー用染料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、81、82、83、84、100、109、121;C.I.ディスパースレッド9;C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21、27;C.I.ディスパーバイオレット1のような油溶染料、C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39、40;C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27、28のような塩基性染料。
シアントナー用顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントブルー2、3、15:2、15:3、15:4、16、17;C.I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45、フタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1個以上5個以下置換した銅フタロシアニン顔料。
シアントナー用染料としては、C.I.ソルベントブルー70がある。
イエロートナー用顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、62、65、73、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、185;C.I.バットイエロー1、3、20。
イエロートナー用染料としては、C.I.ソルベントイエロー162がある。
着色剤の使用量は、結着樹脂100質量部に対して0.1質量部以上30質量部以下が好ましい。ここで、結着樹脂とは、前記非晶性ポリエステルと前記「その他の樹脂」の合計を指す。
(ワックス)
本発明のトナーに使用できるワックスとしては、例えば以下のものが挙げられる。低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、アルキレン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスのような炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスのような炭化水素系ワックスの酸化物又はそれらのブロック共重合物;カルナバワックスのような脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスのような脂肪酸エステル類を一部又は全部を脱酸化したもの。
さらに、以下のものが挙げられる。パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸のような飽和直鎖脂肪酸類;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸のような不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールのような飽和アルコール類;ソルビトールのような多価アルコール類;パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸のような脂肪酸類と、ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールのようなアルコール類とのエステル類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドのような脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドのような飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’ジオレイルセバシン酸アミドのような不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’ジステアリルイソフタル酸アミドのような芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムのような脂肪族金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸のようなビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドのような脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加によって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物。
これらのワックスの中でも、耐ホットオフセット性をより向上させるという観点で、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスのような炭化水素系ワックス、又はカルナバワックスのような脂肪酸エステル系ワックスが好ましい。本発明においては、耐ホットオフセット性がより向上する点で、炭化水素系ワックスがより好ましく、フィッシャートロプシュワックスがさらに好ましい。
ワックスの含有量は、結着樹脂100質量部に対し、1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
また、示差走査熱量測定(DSC)装置で測定される昇温時の吸熱曲線において、ワックスの最大吸熱ピークのピーク温度としては45℃以上140℃以下であることが好ましい。ワックスの最大吸熱ピークのピーク温度が上記範囲内であるとトナーの保存性と耐ホットオフセット性を両立できるため好ましい。60℃以上110℃以下であるとオレフィン系共重合体の融点と近いため、本発明の結晶性ポリエステルおよびオレフィン系共重合体にさらなる疎水性向上をもたらし、本発明においてさらに好ましい。
(荷電制御剤)
本発明のトナーには、必要に応じて荷電制御剤を含有させることもできる。トナーに含有される荷電制御剤としては、公知のものが利用できるが、特に、無色でトナーの帯電スピードが速く且つ一定の帯電量を安定して保持できる芳香族カルボン酸の金属化合物が好ましい。
ネガ系荷電制御剤としては、サリチル酸金属化合物、ナフトエ酸金属化合物、ジカルボン酸金属化合物、スルホン酸又はカルボン酸を側鎖に持つ高分子型化合物、スルホン酸塩又はスルホン酸エステル化物を側鎖に持つ高分子型化合物、カルボン酸塩又はカルボン酸エステル化物を側鎖に持つ高分子型化合物、ホウ素化合物、尿素化合物、ケイ素化合物、カリックスアレーンが挙げられる。ポジ系荷電制御剤としては、四級アンモニウム塩、前記四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物が挙げられる。荷電制御剤はトナー粒子に対して内添してもよいし外添してもよい。荷電制御剤の添加量は、結着樹脂100質量部に対し0.2質量部以上10質量部以下が好ましい。
(無機微粉末)
本発明のトナーには、必要に応じて他の無機微粉末を含有させることもできる。無機微粉末は、トナー粒子に内添しても良いし外添剤としてトナー粒子と混合してもよい。外添剤としては、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウムのような無機微粉末が好ましい。無機微粉末は、シラン化合物、シリコーンオイル又はそれらの混合物のような疎水化剤で疎水化されていることが好ましい。
流動性向上のための外添剤としては、比表面積が50m2/g以上400m2/g以下の無機微粉末が好ましく、耐久性安定化のためには、比表面積が10m2/g以上50m2/g以下の無機微粉末であることが好ましい。流動性向上や耐久性安定化を両立させるためには、比表面積が上記範囲の無機微粉末を併用してもよい。
外添剤は、トナー粒子100質量部に対して0.1質量部以上10.0質量部以下使用されることが好ましい。トナー粒子と外添剤との混合は、ヘンシェルミキサーのような公知の混合機を用いることができる。
<現像剤>
本発明のトナーは、一成分系現像剤としても使用できるが、ドット再現性をより向上させるために、磁性キャリアと混合して、二成分系現像剤として用いることが、また長期にわたり安定した画像が得られるという点で好ましい。
磁性キャリアとしては、例えば、表面を酸化した鉄粉、又は未酸化の鉄粉や、鉄、リチウム、カルシウム、マグネシウム、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、クロム、希土類のような金属粒子、それらの合金粒子、酸化物粒子、フェライト等の磁性体や、磁性体と、この磁性体を分散した状態で保持するバインダー樹脂とを含有する磁性体分散樹脂キャリア(いわゆる樹脂キャリア)等、一般に公知のものを使用できる。
本発明のトナーを磁性キャリアと混合して二成分系現像剤として使用する場合、その際のキャリア混合比率は、二成分系現像剤中のトナー濃度として、好ましくは2質量%以上15質量%以下、より好ましくは4質量%以上13質量%以下にすると通常良好な結果が得られる。
<製造方法>
本発明のトナー粒子を製造する方法としては、粉砕法などの乾式法、乳化凝集法、溶解懸濁法などの湿式法など、公知の方法で得ることができる。
以下、粉砕法でのトナー製造手順の一例について説明する。
原料混合工程では、トナー粒子を構成する材料として、例えば、結着樹脂、必要に応じてワックス、着色剤、及び荷電制御剤等の他の成分を所定量秤量して配合し、混合する。混合装置の一例としては、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウタミキサ、メカノハイブリッド(日本コークス工業株式会社製)などが挙げられる。
次に、混合した材料を溶融混練して、結着樹脂中にワックス等を分散させる。混練吐出温度は、使用する結着樹脂、着色剤によって適宜調整可能であるが一般的には100〜180℃が好ましい。その溶融混練工程では、加圧ニーダー、バンバリィミキサーなどのバッチ式練り機や、連続式の練り機を用いることができ、連続生産できる優位性から、1軸又は2軸押出機が主流となっている。例えば、KTK型2軸押出機(神戸製鋼所社製)、TEM型2軸押出機(東芝機械社製)、PCM混練機(池貝鉄工社製)、2軸押出機(ケイ・シー・ケイ社製)、コ・ニーダー(ブス社製)、ニーデックス(日本コークス工業株式会社製)などが挙げられる。さらに、溶融混練することによって得られる樹脂組成物は、2本ロール等で圧延され、冷却工程で水などによって冷却してもよい。
ついで、樹脂組成物の冷却物は、粉砕工程で所望の粒径にまで粉砕される。粉砕工程では、例えば、クラッシャー、ハンマーミル、フェザーミルなどの粉砕機で粗粉砕した後、さらに、例えば、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、スーパーローター(日清エンジニアリング社製)、ターボ・ミル(フロイントターボ社製)やエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕する。
その後、必要に応じて慣性分級方式のエルボージェット(日鉄鉱業社製)、遠心力分級方式のターボプレックス(ホソカワミクロン社製)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製)、ファカルティ(ホソカワミクロン社製)などの分級機や篩分機を用いて分級し、分級品(トナー粒子)を得る。中でも、ファカルティ(ホソカワミクロン社製)は、分級と同時にトナー粒子の球形化処理を行うことができ、転写効率の向上という点で好ましい。
また、必要に応じて、粉砕後に、ハイブリタイゼーションシステム(奈良機械製作所製)、メカノフージョンシステム(ホソカワミクロン社製)、ファカルティ(ホソカワミクロン社製)、メテオレインボー MR Type(日本ニューマチック社製)を用いて、球形化処理などのトナー粒子の表面処理を行うこともできる。
トナーの平均円形度は、転写性の向上とクリーニング性を両立する観点から0.930以上0.985以下であることが好ましい。粉砕法にてトナーを製造する場合、上記平均円形度のトナーを製造するには、トナー粒子に球形化処理などの表面処理や熱処理による表面処理を行うことで製造することができる。
さらに、必要に応じて、トナー粒子の表面に外添剤が外添処理される。外添剤を外添処理する方法としては、分級されたトナーと公知の各種外添剤を所定量配合し、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウタミキサ、メカノハイブリッド(日本コークス工業株式会社製)、ノビルタ(ホソカワミクロン株式会社製)等の混合装置を外添機として用いて、撹拌・混合する方法が挙げられる。
以下、実施例に先立って、トナー及び原材料の各種物性の測定法、及び非晶性ポリエステル樹脂の製造例を説明する。
(GPCによる重量平均分子量(Mw)、ピーク分子量(Mp)の測定方法)
樹脂の重量平均分子量(Mw)及びピーク分子量(Mp)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
まず、室温で24時間かけて、試料(樹脂)をテトラヒドロフラン(THF)に溶解する。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マエショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液を得る。尚、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が約0.8質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置 :HLC8120 GPC(検出器:RI)(東ソー社製)
カラム :Shodex KF−801、802、803、804、805、
806、807の7連(昭和電工社製)
溶離液 :テトラヒドロフラン(THF)
流速 :1.0ml/min
オーブン温度:40.0℃
試料注入量 :0.10ml
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(例えば、商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500」、東ソ−社製)を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。
(樹脂の軟化点の測定方法)
樹脂の軟化点の測定は、定荷重押し出し方式の細管式レオメータ「流動特性評価装置 フローテスターCFT−500D」(島津製作所社製)を用い、装置付属のマニュアルに従って行う。本装置では、測定試料の上部からピストンによって一定荷重を加えつつ、シリンダ内に充填した測定試料を昇温させて溶融し、シリンダ底部のダイから溶融された測定試料を押し出し、この際のピストン降下量と温度との関係を示す流動曲線を得る。
本発明においては、本装置に付属のマニュアルに記載の「1/2法における溶融温度」を軟化点とする。尚、1/2法における溶融温度とは、次のようにして算出されたものである。まず、流出が終了した時点におけるピストンの降下量Smaxと、流出が開始した時点におけるピストンの降下量Sminとの差の1/2の値Xを求める(X=(Smax−Smin)/2)。そして、前記流動曲線においてピストンの降下量が「Smin+X」となるときの流動曲線の温度が、1/2法における溶融温度である。
測定試料は、約1.0gの樹脂を、25℃の環境下で、錠剤成型圧縮機(例えば、NT−100H、エヌピーエーシステム社製)を用いて約10MPaで、約60秒間圧縮成型し、直径約8mmの円柱状としたものを用いる。
CFT−500Dの測定条件は、以下の通りである。
試験モード:昇温法。
開始温度:50℃
到達温度:200℃
測定間隔:1.0℃
昇温速度:4.0℃/min
ピストン断面積:1.000cm2
試験荷重(ピストン荷重):10.0kgf(0.9807MPa)
予熱時間:300秒
ダイの穴の直径:1.0mm
ダイの長さ:1.0mm
(NMRによるオレフィン系共重合体の組成分析)
本発明のオレフィン系共重合体の構造は核磁気共鳴分光分析(1H−NMR)[400MHz、CDCl3、室温(25℃)]を用いて特定する。使用した装置と測定条件は以下のとおりである。
測定装置:FT NMR装置 JNM−EX400(日本電子社製)
測定周波数:400MHz
パルス条件:5.0μs
周波数範囲:10500Hz
積算回数:64回
(樹脂の酸価の測定方法)
ポリエステル樹脂の酸価は以下の方法により測定する。酸価は試料1gに含まれる酸を中和するために必要な水酸化カリウムのmg数である。ポリエステル樹脂の酸価はJIS K 0070−1992に準じて測定する。具体的には、以下の手順に従う。
(1)試薬の準備
フェノールフタレイン1.0gをエチルアルコール(95vol%)90mlに溶かし、脱イオン水を加えて100mlとし、フェノールフタレイン溶液を得る。特級水酸化カリウム7gを5mlの脱イオン水に溶かし、エチルアルコール(95vol%)を加えて1リットルとする。炭酸ガス等に触れないように、耐アルカリ性の容器に入れて3日間放置後、ろ過して、水酸化カリウム溶液を得る。得られた水酸化カリウム溶液は、耐アルカリ性の容器に保管する。前記水酸化カリウム溶液のファクターは、0.1モル/l塩酸25mlを三角フラスコに取り、前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液で滴定し、中和に要した前記水酸化カリウム溶液の量から求める。前記0.1モル/l塩酸は、JIS K 8001−1998に準じて作成されたものを用いる。
(2)操作
(A)本試験
粉砕したポリエステル樹脂の試料2.0gを200mlの三角フラスコに精秤し、トルエン:エタノール(2:1)の混合溶液100mlを加え、5時間かけて溶解する。次いで、指示薬として前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液を用いて滴定する。尚、滴定の終点は、指示薬の薄い紅色が約30秒間続いたときとする。
(B)空試験
試料を用いない(すなわちトルエン:エタノール(2:1)の混合溶液のみとする)以外は、上記操作と同様の滴定を行う。
(3)得られた結果を下記式に代入して、酸価を算出する。
A=[(C−B)×f×5.61]/S
ここで、A:酸価(mgKOH/g)、B:空試験の水酸化カリウム溶液の添加量(ml)、C:本試験の水酸化カリウム溶液の添加量(ml)、f:水酸化カリウム溶液のファクター、S:試料(g)である。
(樹脂のガラス転移点の測定方法)
樹脂のガラス転移温度は、示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
具体的には、樹脂約5mgを精秤し、アルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用い、測定範囲30〜200℃の間で、昇温速度10℃/minで測定を行う。なお、測定においては、樹脂を一旦200℃まで昇温させ10分間保持し、続いて30℃まで降温し、その後に再度昇温を行う。この2度目の昇温過程で、温度35〜100℃の範囲において比熱変化が得られる。このときの比熱変化が出る前と出た後のベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を、樹脂のガラス転移温度(Tg)とする。
(オレフィン系共重合体及びワックスの最大吸熱ピークのピーク温度の測定方法)
オレフィン系共重合体及びワックスの最大吸熱ピークのピーク温度は、示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
具体的には、オレフィン系共重合体またはワックス約10mgを精秤し、これをアルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用い、測定温度範囲30〜200℃の間で、昇温速度10℃/minで測定を行う。尚、測定においては、オレフィン系共重合体またはワックスを一旦200℃まで昇温させ10分間保持し、続いて30℃まで降温し、その後に再度昇温を行う。この2度目の昇温過程での温度30〜200℃の範囲におけるDSC曲線の最大の吸熱ピークを示す温度を、オレフィン系共重合体またはワックスの最大吸熱ピークのピーク温度とする。
(無機微粉末のBET比表面積の測定)
無機微粉末のBET比表面積の測定は、JIS Z8830(2001年)に準じて行なう。具体的な測定方法は、以下の通りである。
測定装置としては、定容法によるガス吸着法を測定方式として採用している「自動比表面積・細孔分布測定装置 TriStar3000(島津製作所社製)」を用いる。測定条件の設定および測定データの解析は、本装置に付属の専用ソフト「TriStar3000 Version4.00」を用いて行う。本装置には真空ポンプ、窒素ガス配管、ヘリウムガス配管が接続される。窒素ガスを吸着ガスとして用い、BET多点法により算出した値を本発明における無機微粉末のBET比表面積とする。
なお、BET比表面積は以下のようにして算出する。
まず、無機微粉末に窒素ガスを吸着させ、その時の試料セル内の平衡圧力P(Pa)と外添剤の窒素吸着量Va(モル/g)を測定する。そして、試料セル内の平衡圧力P(Pa)を窒素の飽和蒸気圧Po(Pa)で除した値である相対圧Prを横軸とし、窒素吸着量Va(モル/g)を縦軸とした吸着等温線を得る。次いで、外添剤の表面に単分子層を形成するのに必要な吸着量である単分子層吸着量Vm(モル/g)を、下記のBET式を適用して求める。
Pr/Va(1−Pr)=1/(Vm×C)+(C−1)×Pr/(Vm×C)
ここで、CはBETパラメーターであり、測定サンプル種、吸着ガス種、吸着温度により変動する変数である。
BET式は、X軸をPr、Y軸をPr/Va(1−Pr)とすると、傾きが(C−1)/(Vm×C)、切片が1/(Vm×C)の直線と解釈できる。この直線をBETプロットという。
直線の傾き=(C−1)/(Vm×C)
直線の切片=1/(Vm×C)
Prの実測値とPr/Va(1−Pr)の実測値をグラフ上にプロットして最小二乗法により直線を引くと、その直線の傾きの値と切片の値が算出できる。これらの値を上記の数式に代入して、得られた連立方程式を解くと、VmとCが算出できる。
さらに、ここで算出したVmと窒素分子の分子占有断面積(0.162nm2)から、下記の式に基づいて、無機微粉末のBET比表面積S(m2/g)を算出する。
S=Vm×N×0.162×10-18
ここで、Nはアボガドロ数(モル-1)である。
本装置を用いた測定は、装置に付属の「TriStar3000 取扱説明書V4.0」に従うが、具体的には、以下の手順で測定する。
充分に洗浄、乾燥した専用のガラス製試料セル(ステム直径3/8インチ、容積約5ml)の風袋の質量を精秤する。そして、ロートを使ってこの試料セルの中に約0.1gの外添剤を入れる。
無機微粉末を入れた該試料セルを真空ポンプと窒素ガス配管を接続した「前処理装置 バキュプレップ061(島津製作所社製)」にセットし、23℃にて真空脱気を約10時間継続する。なお、真空脱気の際には、無機微粉末が真空ポンプに吸引されないよう、バルブを調整しながら徐々に脱気する。試料セル内の圧力は脱気とともに徐々に下がり、最終的には約0.4Pa(約3ミリトール)となる。真空脱気終了後、試料セル内に窒素ガスを徐々に注入して試料セル内を大気圧に戻し、試料セルを前処理装置から取り外す。そして、この試料セルの質量を精秤し、風袋の質量との差から外添剤の正確な質量を算出する。なお、この際に、試料セル内の外添剤が大気中の水分等で汚染されないように、秤量中はゴム栓で試料セルに蓋をしておく。
次に、無機微粉末が入った該試料セルのステム部に専用の「等温ジャケット」を取り付ける。そして、この試料セル内に専用のフィラーロッドを挿入し、本装置の分析ポートに試料セルをセットする。なお、等温ジャケットとは、毛細管現象により液体窒素を一定レベルまで吸い上げることが可能な、内面が多孔性材料、外面が不浸透性材料で構成された筒状の部材である。
続いて、接続器具を含む試料セルのフリースペースの測定を行なう。フリースペースは、23℃においてヘリウムガスを用いて試料セルの容積を測定し、続いて液体窒素で試料セルを冷却した後の試料セルの容積を、同様にヘリウムガスを用いて測定して、これらの容積の差から換算して算出する。また、窒素の飽和蒸気圧Po(Pa)は、本装置に内蔵されたPoチューブを使用して、別途に自動で測定される。
次に、試料セル内の真空脱気を行った後、真空脱気を継続しながら試料セルを液体窒素で冷却する。その後、窒素ガスを試料セル内に段階的に導入してトナーに窒素分子を吸着させる。この際、平衡圧力P(Pa)を随時計測することにより前記吸着等温線が得られるので、この吸着等温線をBETプロットに変換する。尚なお、データを収集する相対圧Prのポイントは、0.05、0.10、0.15、0.20、0.25、0.30の合計6ポイントに設定する。得られた測定データに対して最小二乗法により直線を引き、その直線の傾きと切片からVmを算出する。さらに、このVmの値を用いて、上述したように無機微粉末のBET比表面積を算出する。
(トナー粒子の重量平均粒径(D4))
トナー粒子の重量平均粒径(D4)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行い、算出する。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
なお、測定、解析を行う前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行う。
前記専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μm以上60μm以下に設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れ、この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。なお、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)を算出する。なお、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
以下の実施例において、部数は質量基準である。
<非晶性ポリエステルの製造例(1)>
・ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:71.1部(0.20モル;アルコール成分総モル数に対して100.0mol%)
・テレフタル酸:28.2部(0.17モル;カルボン酸成分総モル数に対して95.0mol%)
・コハク酸:10.6部(0.09モル;カルボン酸成分総モル数に対して5.0mol%)
・2−エチルヘキサン酸錫:0.6部
冷却管、撹拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、5時間反応させ、非晶性ポリエステル樹脂(1)を得た。
得られた非晶性ポリエステル樹脂(1)のGPCによる重量平均分子量は5700であった。また、軟化点は110℃であり、ガラス転移点は54℃であり、酸価は6mg/KOHであった。
<非晶性ポリエステルの製造例(2)〜(6)>
非晶性ポリエステルの製造例(1)において、使用するアルコール成分又はカルボン酸成分とモル比率を表1のように変更したほかは同様にして反応を行い、非晶性ポリエステル樹脂(2)〜(6)を得た。その際、アルコール成分、カルボン酸成分の総モル数が製造例1と同じになるように原材料の質量部を調整した。得られた非晶性ポリエステル樹脂(2)〜(6)の物性を表1に示す。
<非晶性ポリエステルの製造例(7)>
・ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:72.4部(0.20モル;多価アルコール総モル数に対して100.0mol%)
・テレフタル酸:23.6部(0.13モル;多価カルボン酸総モル数に対して65.0mol%)
・コハク酸:4.8部(0.03モル;多価カルボン酸総モル数に対して15.0mol%)
・2−エチルヘキサン酸錫(エステル化触媒):0.5質量部
冷却管、撹拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、2時間反応させた。
さらに、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、1時間維持した後、180℃まで冷却し、大気圧に戻した(第1反応工程)。
・無水トリメリット酸:2.1部(0.01モル;多価カルボン酸総モル数に対して20.0mol%)
・tert−ブチルカテコール(重合禁止剤):0.1部
その後、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度160℃に維持したまま、15時間反応させ、ASTM D36−86に従って測定した軟化点が145℃の温度に達したのを確認してから温度を下げて反応を止め(第2反応工程)、非晶性ポリエステル樹脂(7)を得た。得られた非晶性ポリエステル樹脂(7)の軟化点は145℃であり、その他の物性を表1に示す。
Figure 2018084731
<結晶性ポリエステルの製造例(1)>
(結晶性ポリエステル(1)の合成例)
・ヘキサンジオール:34.5部(0.29モル;多価アルコール総モル数に対して100.0mol%)
・ドデカン二酸:65.5部(0.28モル;多価カルボン酸総モル数に対して100.0mol%)
冷却管、撹拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、140℃の温度で撹拌しつつ、3時間反応させた。
・2−エチルヘキサン酸錫:0.5質量部
その後、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度200℃に維持したまま、4時間反応させた後、反応槽内の圧力を序々に開放して常圧へ戻し、結晶性ポリエステル樹脂(1)を得た。得られた結晶性ポリエステル樹脂(1)は結晶性に由来する融解ピークを70℃に示した。酸価は5mgKOH/gであった。
<結晶性ポリエステルの製造例(2)〜(6)>
結晶性ポリエステルの製造例(1)において、使用するアルコール成分又はカルボン酸成分を表2のように変更したほかは同様にして反応を行い、結晶性ポリエステル樹脂(2)〜(6)を得た。その際、アルコール成分、カルボン酸成分の総モル数が製造例1と同じになるように原材料の質量部を調整した。得られた結晶性ポリエステル(2)〜(6)の物性を表2に示す。
Figure 2018084731
<オレフィン系共重合体の製造例(1)>
室温下、オートクレーブ器内をエチレンで置換した後、メタノール120部と2,2’−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)1.0部とを加えた。次いで、エチレンを導入して数回加圧し(5.0×106Pa)、溶液をエチレンで飽和させた。
圧力を3.0×105Pa(ゲージ圧)に設定した後、酢酸ビニル100部を加え、本混合物を70℃で1時間撹拌した。このとき、エチレンをさらに計量導入することによって、エチレンの圧力を5.0×106Paに保持し、反応物を得た。
得られた反応物をメタノール1000部に徐々に滴下した後、100℃で30分撹拌し、次いで沈殿物を濾別した。濾過ケーキをメタノールで数回洗浄し、ポリマーを得た。
得られたポリマーを濾別し、0.2×105Paの圧力及び50℃の温度にて24時間乾燥した後、オレフィン系共重体を得た。
得られたオレフィン系共重体10部をトルエン30部に溶解した溶液を調製した。並行して、ノニオン界面活性剤0.5部をイオン交換水50部に溶解した溶液を調製した。室温中、調製した界面活性剤の水溶液に対し、プライミクス(株)製T.K.ホモミキサーにて撹拌しながら、ポリオレフィン樹脂のトルエン溶液を滴下した。その後、室温にて1時間継続撹拌し、乳化液とした。
室温中、得られた乳化液をメタノール300部に徐々に滴下し、スリーワンモーター(プロペラ翼)を用いて20分間撹拌した。
析出した樹脂粒子を濾別し、イオン交換水50部で5回洗浄した。得られた樹脂粒子を0.2×105Paの圧力及び50℃の温度にて24時間乾燥した後、オレフィン系共重合体(1)を得た。
得られたオレフィン系共重合体(1)を構成するユニット組成をNMRにて分析した結果、表3に示す質量%であった。その他物性を表3に示す。
<オレフィン系共重合体の製造例(2)〜(5)>
オレフィン系共重合体の製造例(1)において、酢酸ビニルの代わりに表3に記載の材料に変更する以外は同様にして反応を行い、オレフィン系共重合体(2)〜(5)を得た。物性を表3に示す。
<オレフィン系共重合体の製造例(6)〜(9)、(12)>
オレフィン系共重合体の製造例(1)において、酢酸ビニルの質量部を変更した以外は同様にして反応を行い、オレフィン系共重合体(6)〜(9)、(12)を得た。物性を表3に示す。
<オレフィン系共重合体の製造例(10)>
オレフィン系共重合体の製造例(1)において、エチレンの質量部を変更し、酢酸ビニルの100部の代わりに酢酸ビニル30部と吉草酸ビニル70部の混合物に変更した以外は同様にして反応を行いオレフィン系共重合体(10)を得た。物性を表3に示す。
<オレフィン系共重合体の製造例(11)>
オレフィン系共重合体の製造例(10)において、エチレン、酢酸ビニル、吉草酸ビニルの質量部を変更した以外は同様にして反応を行いオレフィン系共重合体(11)を得た。物性を表3に示す。
Figure 2018084731
<トナーの製造例1>
・非晶性ポリエステル樹脂(1) 65部
・非晶性ポリエステル樹脂(7) 20部
・結晶性ポリエステル(1) 4部
・オレフィン系共重合体(1) 6部
・フィッシャートロプシュワックス(最大吸熱ピークのピーク温度89℃) 5部
・C.I.ピグメントブルー15:3 5部
・3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 0.5部
上記材料をヘンシェルミキサー(FM−75型、日本コークス工業株式会社製)を用いて、回転数20s-1、回転時間5minで混合した後、温度130℃に設定した二軸混練機(PCM−30型、株式会社池貝製)にて吐出温度140℃にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。得られた粗砕物を、機械式粉砕機(T−250、フロイントターボ(株)製)にて微粉砕した。さらにファカルティF−300(ホソカワミクロン社製)を用い、分級を行い、トナー粒子1を得た。運転条件は、分級ローター回転数を130s-1、分散ローター回転数を120s-1とした。
得られたトナー粒子1 100部に、ヘキサメチルジシラザン4質量%で表面処理したBET比表面積25m2/gの疎水性シリカ微粒子1.0部、ポリジメチルシロキサン10質量%で表面処理したBET比表面積100m2/gの疎水性シリカ微粒子0.8部を添加し、ヘンシェルミキサー(FM−75型、日本コークス工業株式会社製)で回転数30s-1、回転時間10min混合して、トナー1を得た。トナー1の重量平均粒径(D4)は6.2μmであった。
<トナー2〜33の製造例>
トナー1の製造例において、結着樹脂として使用した非晶性ポリエステル、結晶性ポリエステル、オレフィン系共重合体、及びその質量部を表4に記載したように変更したこと以外は同様にして、トナー2〜33を得た。
Figure 2018084731
<磁性コア粒子1の製造例>
工程1(秤量・混合工程):
・Fe23 62.7部
・MnCO3 29.5部
・Mg(OH)2 6.8部
・SrCO3 1.0部
上記材料を上記組成比となるようにフェライト原材料を秤量した。その後、直径1/8インチのステンレスビーズを用いた乾式振動ミルで5時間粉砕・混合した。
工程2(仮焼成工程):
得られた粉砕物をローラーコンパクターにて、約1mm角のペレットにした。このペレットを目開き3mmの振動篩にて粗粉を除去し、次いで目開き0.5mmの振動篩にて微粉を除去した後、バーナー式焼成炉を用いて、窒素雰囲気下(酸素濃度0.01体積%)で、温度1000℃で4時間焼成し、仮焼フェライトを作製した。得られた仮焼フェライトの組成は、下記の通りである。
(MnO)a(MgO)b(SrO)c(Fe23)d
上記式において、a=0.257、b=0.117、c=0.007、d=0.393
工程3(粉砕工程):
クラッシャーで0.3mm程度に粉砕した後に、直径1/8インチのジルコニアビーズを用い、仮焼フェライト100部に対し、水を30部加え、湿式ボールミルで1時間粉砕した。そのスラリーを、直径1/16インチのアルミナビーズを用いた湿式ボールミルで4時間粉砕し、フェライトスラリー(仮焼フェライトの微粉砕品)を得た。
工程4(造粒工程):
フェライトスラリーに、仮焼フェライト100部に対して分散剤としてポリカルボン酸アンモニウム1.0部、バインダーとしてポリビニルアルコール2.0部を添加し、スプレードライヤー(製造元:大川原化工機)で、球状粒子に造粒した。得られた粒子を粒度調整した後、ロータリーキルンを用いて、650℃で2時間加熱し、分散剤やバインダーの有機成分を除去した。
工程5(焼成工程):
焼成雰囲気をコントロールするために、電気炉にて窒素雰囲気下(酸素濃度1.00体積%)で、室温から温度1300℃まで2時間で昇温し、その後、温度1150℃で4時間焼成した。その後、4時間をかけて、温度60℃まで降温し、窒素雰囲気から大気に戻し、温度40℃以下で取り出した。
工程6(選別工程):
凝集した粒子を解砕した後に、磁力選鉱により低磁力品をカットし、目開き250μmの篩で篩分して粗大粒子を除去し、体積分布基準の50%粒径(D50)37.0μmの磁性コア粒子1を得た。
<被覆樹脂1の調製>
・シクロヘキシルメタクリレートモノマー 26.8質量%
・メチルメタクリレートモノマー 0.2質量%
・メチルメタクリレートマクロモノマー 8.4質量%
(片末端にメタクリロイル基を有する重量平均分子量5000のマクロモノマー)
・トルエン 31.3質量%
・メチルエチルケトン 31.3質量%
・アゾビスイソブチロニトリル 2.0質量%
上記材料のうち、シクロヘキシルメタクリレート、メチルメタクリレート、メチルメタクリレートマクロモノマー、トルエン、メチルエチルケトンを、還流冷却器、温度計、窒素導入管及び撹拌装置を取り付けた四つ口のセパラブルフラスコに添加し、窒素ガスを導入して充分に窒素雰囲気にした後、80℃まで加温し、アゾビスイソブチロニトリルを添加して5時間還流し重合させた。得られた反応物にヘキサンを注入して共重合体を沈殿析出させ、沈殿物を濾別後、真空乾燥して被覆樹脂1を得た。得られた被覆樹脂1を30部、トルエン40部、メチルエチルケトン30部に溶解させて、重合体溶液1(固形分30質量%)を得た。
<被覆樹脂溶液1の調製>
・重合体溶液1(樹脂固形分濃度30%) 33.3質量%
・トルエン 66.4質量%
・カーボンブラック(Regal330;キャボット社製) 0.3質量%
(一次粒径25nm、窒素吸着比表面積94m2/g、DBP吸油量75ml/100g)
を、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、ペイントシェーカーで1時間分散をおこなった。得られた分散液を、5.0μmのメンブランフィルターで濾過をおこない、被覆樹脂溶液1を得た。
<磁性キャリア1の製造例>
(樹脂被覆工程):
常温で維持されている真空脱気型ニーダーに被覆樹脂溶液1を充填コア粒子1の100部に対して樹脂成分として2.5部になるように投入した。投入後、回転速度30rpmで15分間撹拌し、溶媒が一定以上(80質量%)揮発した後、減圧混合しながら80℃まで昇温し、2時間かけてトルエンを留去した後冷却した。得られた磁性キャリアを、磁力選鉱により低磁力品を分別し、開口70μmの篩を通した後、風力分級器で分級し、体積分布基準の50%粒径(D50)38.2μmの磁性キャリア1を得た。
<二成分系現像剤の製造例1>
磁性キャリア1を92.0部に対し、トナー1を8.0部加え、V型混合機(V−20、セイシン企業製)により混合し、二成分系現像剤1を得た。
<二成分系現像剤の製造例2〜33>
二成分系現像剤の製造例1において、トナーを表5のように変更する以外は同様にして製造を行い、二成分系現像剤2〜33を得た。
Figure 2018084731
〔実施例1〕
前記製造の二成分系現像剤1およびトナー1に対して、以下の各種評価テストを行った。
[1.低温定着性評価]
キヤノン(株)製フルカラー複写機imagePress C800を、定着温度、プロセススピードを自由に設定できるように改造して、前記二成分系現像剤1について、定着温度領域の試験を行った。評価機を用いて、前記二成分系現像剤1について、低温定着性の試験を行った。画像は単色モードで常温常湿度環境下(温度23℃、相対湿度50%以上60%以下)において、紙上のトナー載り量が1.2mg/cm2になるように調整し、未定着画像を作成した。評価紙は、コピー用紙GF−C081(A4、坪量81.4g/m2、キヤノンマーケティングジャパン株式会社より販売)を用い、画像印字比率25%で画像を形成した。
その後、低温低湿度環境下(温度15℃、相対湿度10%以下)において、プロセススピードを450mm/secに設定し、定着温度を120℃から順に5℃ずつ上げ、オフセットが生じない下限温度を低温定着温度とした。
(低温定着温度の評価基準)
A:145℃未満 (非常に優れている。)
B:145℃以上155℃未満(良好である。)
C:155℃以上165℃未満(本発明の効果が得られているレベルである。)
D:165℃以上 (本発明の効果が十分に得られていないレベルである。)
評価結果を表6に示す。
[2.耐ホットオフセット性評価]
低温定着性評価で使用した画像形成装置を用い、前記二成分系現像剤1について、定着温度領域の試験を行った。画像は単色モードで常温常湿度環境下(温度23℃、相対湿度50%以上60%以下)において、紙上のトナー載り量が0.6mg/cm2になるように調整し、未定着画像を作成した。評価紙は、コピー用紙CS−680(A4、坪量68.0g/m2、キヤノンマーケティングジャパン株式会社より販売)を用い、画像印字比率25%で画像を形成した。
その後、常温低湿度環境下(温度23℃、相対湿度5%以下)において、プロセススピードを450mm/secに設定し、定着温度を160℃から順に5℃ずつ上げ、オフセットが生じない上限温度を耐ホットオフセット温度とした。
耐ホットオフセット温度を以下の基準でランク付けした。評価結果を表6に示す。
(耐ホットオフセット温度の評価基準)
A:210℃以上 (非常に優れている。)
B:200℃以上210℃未満(良好である。)
C:190℃以上200℃未満(本発明の効果が得られているレベルである。)
D:190℃未満 (本発明の効果が十分に得られていないレベルである。)
[3.トナーブロッキング評価]
100ccのポリカップに前記トナー1を5g入れ、高温高湿環境(温度40℃ 相対湿度95%)において、トナーを7日間放置した後にトナーを取出し、放置後にトナーの凝集性を評価した。
凝集性は、ホソカワミクロン社製パウダーテスタPT−Xにて0.5mmの振幅にて10秒間、目開き20μmのメッシュで振るった際に、残ったトナーの残存率を評価指標とした。
(評価基準)
A:残存率5.0%未満 (非常に優れている)
B:残存率5.0%以上10.0%未満 (良好である)
C:残存率10.0%以上20.0%未満(本発明の効果が得られているレベルである。)
D:残存率20.0%以上 (本発明の効果が十分に得られていないレベルである。)
評価結果を表6に示す。
[4.帯電安定性評価]
(4−1:常温常湿環境 中印字比率)
画像形成装置としてキヤノン製フルカラー複写機imagePress C800を用いて、上記二成分系現像剤1を、画像形成装置のシアン用現像器に入れて後述の評価を行った。改造点は、現像器内部で過剰になった磁性キャリアを現像器から排出する機構を取り外したことである。
FFh画像(ベタ画像)におけるトナーの紙上への載り量が0.45mg/cm2となるように、調整した。FFhとは、256階調を16進数で表示した値であり、00hが256階調の1階調目(白地部)であり、FFが256階調の256階調目(ベタ部)である。
耐久画像出力試験では、常温常湿環境下(温度23℃、相対湿度50%以上60%以下)において、画像比率5%で、1万枚の耐久画像出力試験を行った。1万枚連続通紙中は、1枚目と同じ現像条件、転写条件(キャリブレーション無し)で通紙を行うこととする。評価紙は、1万枚の耐久画像出力にコピー普通紙GF−C081(A4、坪量81.4g/m2、キヤノンマーケティングジャパン株式会社より販売)を用いた。
初期(1枚目)と10,000枚連続通紙時の画出し評価の項目と評価基準を以下に示す。また評価結果を表7に示す。
・画像濃度の測定
X−Riteカラー反射濃度計(500シリーズ:X−Rite社製)を使用し、初期(1枚目)及び10,000枚目のFFh画像部:ベタ部の画像濃度を測定し、両画像濃度の差Δから、以下の基準でランク付けした。
A:0.05未満(非常に優れている。)
B:0.05以上0.10未満(良好である。)
C:0.10以上0.15未満(本発明の効果が得られているレベルである。)
D:0.15以上(本発明の効果が十分に得られていないレベルである。)
(4−2:常温低湿環境 低印字比率)
前述の(4−1:常温常湿環境 中印字比率)の試験において、画像比率を5%から1%に変えたことと、環境を常温低湿環境(温度23℃、相対湿度5%)に変えたこと以外は同様にして耐久画像出力試験を行った。評価結果を表7に示す。
(4−3:常温常湿環境 高印字比率)
前述の(4−1:常温常湿環境 中印字比率)の試験において、画像比率を5%から40%に変えたこと以外は同様にして耐久画像出力試験を行った。評価結果を表7に示す。
(4−4:高温高湿環境 高印字比率)
前述の(4−1:常温常湿環境 中印字比率)の試験において、画像比率を5%から40%に変えたことと、環境を高温高湿環境(温度30℃、相対湿度80%)に変えたこと以外は同様にして耐久画像出力試験を行った。評価基準を以下に示す。評価結果を表7に示す。
・画像濃度の測定
測定方法は上記と同様である。
A:0.05未満(非常に優れている。)
B:0.05以上0.15未満(良好である。)
C:0.15以上0.20未満(本発明の効果が得られているレベルである。)
D:0.20以上(本発明の効果が十分に得られていないレベルである。)
〔実施例2〜27、及び比較例1〜6〕
実施例1において、評価に用いる二成分系現像剤を表5に記載の二成分現像剤に変更する以外は同様にして、評価を行った。評価結果を表6および表7に示す。
Figure 2018084731
Figure 2018084731

Claims (4)

  1. 結着樹脂、着色剤を含有するトナー粒子を有するトナーにおいて、
    該結着樹脂は、
    溶解性パラメータSP1が以下の関係を満たしかつ該結着樹脂100質量部に対して50質量部以上含有される非晶性ポリエステル、
    溶解性パラメータSP2が以下の関係を満たしかつ該結着樹脂100質量部に対して1質量部以上含有される結晶性ポリエステル、
    および溶解性パラメータSP3が以下の関係を満たしかつ該結着樹脂100質量部に対して1質量部以上含有されるオレフィン系共重合体を含有し、
    該オレフィン系共重合体は、下記の式(1)で示される構造単位と、式(2)および/または式(3)で表される構造単位を有する樹脂群から選択される1種または複数のオレフィン系共重合体であることを特徴とするトナー。
    0.5≦SP1−SP2≦2.5
    0.5≦SP2−SP3≦3.5
    Figure 2018084731
    (式中、R1はHまたはCH3であり、R2はHまたはCH3であり、R3はCH3またはC25であり、R4はHまたはCH3であり、R5はCH3またはC25である。)
  2. 前記1種または複数の共重合体の質量の総和をW、式(1)、式(2)および式(3)で示されるユニットの質量をそれぞれl、m、nとしたとき、結着樹脂中に含有される前記オレフィン系共重合体の(l+m+n)/Wの平均値は0.80以上である請求項1に記載のトナー。
  3. 該結晶性ポリエステルは、以下式(C)のユニットを有する結晶性ポリエステルである請求項1又は2に記載のトナー。
    Figure 2018084731
    (式(C)中、mは6〜12の整数であり、nは4〜10の整数である。)
  4. 該非晶性ポリエステルは、以下式(A)のユニットを有する非晶性ポリエステルである請求項1〜3のいずれか1項に記載のトナー。
    Figure 2018084731
    (式(A)中、Rはエチレン基またはプロピレン基であり、a及びbはそれぞれ1以上の整数であり、かつa+bの平均値は2から10である。R3は炭素数2〜12の飽和または不飽和炭化水素基またはベンゼン環である。)
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