JP2018084652A - コーティング層付き偏光板の製造方法 - Google Patents

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康隆 石原
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Abstract

【課題】コーティング層の耐候性の低下を防止して、コーティング層と偏光板の保護フィルムとの密着性に優れるコーティング層付き偏光板を製造する方法を提供すること。
【解決手段】本発明のコーティング層付き偏光板の製造方法は、偏光子と、該偏光子の少なくとも一方の面に配置された保護フィルムとを備える、偏光板と、少なくとも1枚の該保護フィルムの該偏光子とは反対側の面に形成されたコーティング層とを含む、コーティング層付き偏光板の製造方法であって、該偏光子と該保護フィルムを積層して、偏光板を形成した後に、該コーティング層を形成することを含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、コーティング層付き偏光板の製造方法に関する。
画像表示装置に用いられる偏光板は、該偏光板に所定の機能を付与すべく、コーティング層が設けられことがある。例えば、外部からの接触による傷付きを防止するためのハードコート層、防眩性向上のためのアンチグレア層が設けられる。従来、このようなコーティング層は、コーティング層と基材とから構成される表面フィルム(例えば、ハードコートフィルム、アンチグレアフィルム)を偏光板に積層することにより、設けられている。
一般に、偏光板は、偏光子と、該偏光子を保護すべく積層された保護フィルムとから構成される。従来は、該保護フィルムにコーティング層を設けた表面フィルムを貼着することで、コーティング層付き偏光板を形成している。また、画像表示装置が屋外で使用される場面も増えており、耐候性に優れるコーティング層付き偏光板を製造する技術の確立が求められている。
特開2016−68497号公報
一般に、偏光板は、偏光子と、該偏光子を保護すべく積層された保護フィルムとから構成される。また、該保護フィルムにコーティング層を塗工して形成されたコーティング層付き保護フィルムを、偏光子に貼り合せることで偏光板が形成されことがある。しかしこの際、貼り合せ工程にてフィルムに加えられる熱、貼り合せにより偏光子等から加えられる応力により、コーティング層付き保護フィルムに負荷がかかり、これが原因となってコーディング層とフィルムの密着性が低下することがある。
また、従来より、耐候性向上ため、偏光板が備える保護フィルムに紫外線吸収剤を含有させることがあり、保護フィルムの薄型化に伴い紫外線吸収剤の添加濃度が増加している。このような保護フィルムにコーティング層を直接形成した場合、コーティング層に溶出する紫外線吸収剤の影響が大きくなり、上記密着性低下の問題はより顕著となる。より詳細には、コーティング層付き保護フィルムを偏光子に貼り合せる際に、コーティング層と保護フィルムとの間に形成される浸透層に多量の紫外線吸収剤が存在することとなり、耐候性試験においてダメージを受けやすく、上記貼り合せ時の負荷の影響が顕在化する。その結果、コーティング層の耐候性(耐候密着性)が著しく低下する。
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、コーティング層の耐候性の低下を防止して、コーティング層と偏光板の保護フィルムとの密着性に優れるコーティング層付き偏光板を製造する方法を提供することにある。
本発明のコーティング層付き偏光板の製造方法は、偏光子と、該偏光子の少なくとも一方の面に配置された保護フィルムとを備える、偏光板と、少なくとも1枚の該保護フィルムの該偏光子とは反対側の面に形成されたコーティング層とを含む、コーティング層付き偏光板の製造方法であって、該偏光子と該保護フィルムを積層して、偏光板を形成した後に、該コーティング層を形成することを含む。
1つの実施形態においては、上記保護フィルムにコーティング層形成用組成物を塗工することにより、前記コーティング層を形成することを含む。
1つの実施形態においては、上記保護フィルムの厚みが、30μm以下である。
1つの実施形態においては、上記保護フィルムが、紫外線吸収剤を含む。
1つの実施形態においては、上記保護フィルムの紫外線吸収能が10%以下である。
1つの実施形態においては、上記保護フィルムに前記コーティング層形成用組成物の一部を浸透させて、浸透層を形成することを含む。
1つの実施形態においては、上記コーティング層が、硬化性樹脂から構成されている。
1つの実施形態においては、上記硬化性樹脂が、光硬化性である。
1つの実施形態においては、上記硬化性樹脂が、熱硬化性である。
本発明によれば、偏光子と保護フィルムとを積層して偏光板を形成した後に、コーティング層を形成することにより、耐候性の低下を防止して、コーティング層と保護フィルムとの密着性に優れるコーティング層付き偏光板を製造することができる。
本発明の1つの実施形態による本発明の製造方法により製造されるコーティング層付き偏光板の概略断面図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
A.コーティング層付き偏光板の製造方法の概要
図1は、本発明の1つの実施形態による本発明の製造方法により製造されるコーティング層付き偏光板の概略断面図である。本発明の製造方法によれば、偏光板10と、偏光板10の少なくとも一方に配置されたコーティング層20とを備えるコーティング層付き偏光板100が得られる。偏光板10は、偏光子11と、偏光子11の少なくとも一方の面に配置された保護フィルム12とを備える。コーティング層20は、少なくとも1枚の保護フィルム12の偏光子11とは反対側の面に形成されている。コーティング層付き偏光板100においては、保護フィルム12に直接(すなわち、他の層を介することなく)、コーティング層20が設けられている。
本発明のコーティング層付き偏光板の製造方法は、偏光板10にコーティング層20を形成することを含む。偏光子11と保護フィルム12とを積層して、偏光板10を形成した後に、コーティング層20が形成される。1つの実施形態においては、コーティング層20は、保護フィルム12に、コーティング層形成用組成物を塗工することにより、形成される。
本発明によれば、偏光板を形成した後に、該偏光板の保護フィルムにコーティング層を形成することにより、コーティング層付き偏光板の製造途中において、コーティング層と保護フィルムとの密着性が低下することを防ぎ得る。例えば、保護フィルムが紫外線吸収剤等の添加剤を含む場合でも、該添加剤のコーティング層への移行を起因として偏光板製造プロセスにおける負荷が顕在化することで発生するコーティング層の密着性低下が防止される。その結果、耐候性に優れるコーティング層付き偏光板を得ることができる。
B.偏光板
偏光板は、上記のとおり、偏光子と、偏光子の少なくとも一方の面に配置された保護フィルムとを有する。偏光子は、代表的には吸収型偏光子である。1つの実施形態においては、偏光板は、偏光子と保護フィルムとを任意の適切な接着剤を介して貼りあわせた後、加熱して(例えば、65℃〜85℃)、製造することができる。
上記偏光子の波長589nmの透過率(単体透過率ともいう)は、好ましくは41%以上であり、より好ましくは42%以上である。なお、単体透過率の理論的な上限は50%である。また、偏光度は、好ましくは99.5%〜100%であり、更に好ましくは99.9%〜100%である。
上記偏光子の厚みは、例えば、0.5μm〜80μmである。1つの実施形態においては、上記偏光子の厚みは、好ましくは8μm以下であり、より好ましくは7μm以下であり、さらに好ましくは6μm以下である。
好ましくは、上記偏光子は、ヨウ素系偏光子である。より詳細には、上記偏光子は、ヨウ素を含むポリビニルアルコール系樹脂(以下、「PVA系樹脂」と称する)フィルムから構成され得る。
上記PVA系樹脂フィルムを形成するPVA系樹脂としては、任意の適切な樹脂が採用され得る。例えば、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体が挙げられる。ポリビニルアルコールは、ポリ酢酸ビニルをケン化することにより得られる。エチレン−ビニルアルコール共重合体は、エチレン−酢酸ビニル共重合体をケン化することにより得られる。PVA系樹脂のケン化度は、通常85モル%〜100モル%であり、好ましくは95.0モル%〜99.95モル%であり、さらに好ましくは99.0モル%〜99.93モル%である。ケン化度は、JIS K 6726−1994に準じて求めることができる。このようなケン化度のPVA系樹脂を用いることによって、耐久性に優れた偏光子が得られ得る。ケン化度が高すぎる場合には、ゲル化してしまうおそれがある。
PVA系樹脂の平均重合度は、目的に応じて適切に選択され得る。平均重合度は、通常1000〜10000であり、好ましくは1200〜5000であり、さらに好ましくは1500〜4500である。なお、平均重合度は、JIS K 6726−1994に準じて求めることができる。
上記偏光子の製造方法としては、例えば、PVA系樹脂フィルム単体を延伸、染色する方法(I)、樹脂基材とポリビニルアルコール系樹脂層とを有する積層体(i)を延伸、染色する方法(II)等が挙げられる。方法(I)は、当業界で周知慣用の方法であるため、詳細な説明は省略する。上記製造方法(II)は、好ましくは、樹脂基材と該樹脂基材の片側に形成されたポリビニルアルコール系樹脂層とを有する積層体(i)を延伸、染色して、該樹脂基材上に偏光膜を作製する工程を含む。積層体(i)は、樹脂基材上にポリビニルアルコール系樹脂を含む塗布液を塗布・乾燥して形成され得る。また、積層体(i)は、ポリビニルアルコール系樹脂膜を樹脂基材上に転写して形成されてもよい。上記製造方法(II)の詳細は、例えば、特開2012−73580号公報に記載されており、この公報は、本明細書に参考として援用される。
上記保護フィルムは、任意の適切な材料から形成される。保護フィルムを形成する材料としては、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)等のセルロース系樹脂や、(メタ)アクリル系、ポリエステル系、ポリビニルアルコール系、ポリカーボネート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリエーテルスルホン系、ポリスルホン系、ポリスチレン系、ポリノルボルネン系、ポリオレフィン系、アセテート系等の透明樹脂等が挙げられる。また、アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化型樹脂または紫外線硬化型樹脂等も挙げられる。この他にも、例えば、シロキサン系ポリマー等のガラス質系ポリマーも挙げられる。また、特開2001−343529号公報(WO01/37007)に記載のポリマーフィルムも使用できる。このフィルムの材料としては、例えば、側鎖に置換または非置換のイミド基を有する熱可塑性樹脂と、側鎖に置換または非置換のフェニル基ならびにニトリル基を有する熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物が使用でき、例えば、イソブテンとN−メチルマレイミドからなる交互共重合体と、アクリロニトリル・スチレン共重合体とを有する樹脂組成物が挙げられる。上記ポリマーフィルムは、例えば、前記樹脂組成物の押出成形物であり得る。
1つの実施形態においては、保護フィルムとして、ポリカーボネート系フィルムが用いられる。ポリカーボネート系フィルムを用いれば、浸透層(後述)を良好に形成することができる。例えば、ハードコート層を形成する樹脂として、アクリル系樹脂を用い、保護フィルムとしてポリカーボネート系フィルムを用いれば、適切な厚みの浸透層が形成され、保護フィルムとコーティング層との密着性に特に優れるコーティング層付き偏光板を得ることができる。
1つの実施形態においては、上記保護フィルムは、紫外線吸収剤を含む。紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリチル酸フェニルエステル系、トリアジン系の紫外線吸収剤が挙げられる。ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール、2−(2’−ヒドロキシ−5’メタクリルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール等が挙げられる。ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、例えば、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−クロルベンゾフェノン、2,2−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン等が挙げられる。サリチル酸フェニルエステル系紫外線吸収剤としては、例えば、p−t−ブチルフェニルサリチル酸エステル等が挙げられる。トリアジン系紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−エトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−(2−ヒドロキシ−4−プロポキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシエトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
上記保護フィルムの紫外線吸収能は、好ましくは10%以下であり、より好ましくは6%以下である。本明細書において、紫外線吸収能とは、波長380nmの光の透過率を意味する。本発明によれば、紫外線吸収剤の含有量が多く、紫外線吸収能が高い(すなわち、波長380nmの光の透過率の透過率が低い)保護フィルムを用いても、製造途中において、コーティング層と保護フィルムとの密着性が低下することを防ぎ得る。
上記保護フィルムの厚みは、好ましくは30μm以下であり、より好ましくは5μm〜30μmである。1つの実施形態においては、厚みが30μm以下と薄く、かつ、紫外線吸収剤を含む保護フィルムが用いられる。厚みが薄い保護フィルムに紫外線吸収能を付与し、その機能を有用に発揮させる場合、紫外線吸収剤の含有量を多くする必要があるが、本発明によれば、このような場合にも、製造途中において、コーティング層と保護フィルムとの密着性が低下することを防ぎ得る。
1つの実施形態においては、上記保護フィルムは、位相差フィルムとしても機能し得る。
上記偏光子と保護フィルムとは、任意の適切な接着剤を用いて貼り合わされ得る。接着剤としては、水系接着剤であってもよく溶剤系接着剤であってもよく活性エネルギー線硬化型接着剤であってもよい。
上記活性エネルギー線硬化型接着剤としては、活性エネルギー線の照射によって硬化し得る接着剤であれば、任意の適切な接着剤が用いられ得る。活性エネルギー線硬化型接着剤としては、例えば、紫外線硬化型接着剤、電子線硬化型接着剤等が挙げられる。活性エネルギー線硬化型接着剤の硬化型の具体例としては、ラジカル硬化型、カチオン硬化型、アニオン硬化型、これらの組み合わせ(例えば、ラジカル硬化型とカチオン硬化型のハイブリッド)が挙げられる。
上記活性エネルギー線硬化型接着剤としては、例えば、硬化成分として(メタ)アクリレート基や(メタ)アクリルアミド基などのラジカル重合性基を有する化合物(例えば、モノマーおよび/またはオリゴマー)を含有する接着剤が挙げられる。
上記活性エネルギー線硬化型接着剤およびその硬化方法の具体例は、例えば、特開2012−144690号公報に記載されている。当該記載は、本明細書に参考として援用される。
上記水系接着剤としては、任意の適切な水系接着剤が採用され得る。好ましくは、PVA系樹脂を含む水系接着剤が用いられる。水系接着剤に含まれるPVA系樹脂の平均重合度は、接着性の点から、好ましくは100〜5500程度、さらに好ましくは1000〜4500である。平均ケン化度は、接着性の点から、好ましくは85モル%〜100モル%程度であり、さらに好ましくは90モル%〜100モル%である。
上記水系接着剤に含まれるPVA系樹脂は、好ましくは、アセトアセチル基を含有する。PVA系樹脂層と保護フィルムとの密着性に優れ、耐久性に優れ得るからである。アセトアセチル基含有PVA系樹脂は、例えば、PVA系樹脂とジケテンとを任意の方法で反応させることにより得られる。アセトアセチル基含有PVA系樹脂のアセトアセチル基変性度は、代表的には0.1モル%以上であり、好ましくは0.1モル%〜40モル%程度であり、さらに好ましくは1モル%〜20モル%であり、より好ましくは1モル%〜7モル%である。なお、アセトアセチル基変性度はNMRにより測定した値である。
上記水系接着剤の樹脂濃度は、好ましくは0.1重量%〜15重量%であり、さらに好ましくは0.5重量%〜10重量%である。
上記接着剤の塗布時の厚みは、任意の適切な値に設定され得る。例えば、硬化後または加熱(乾燥)後に、所望の厚みを有する接着剤層が得られるように設定する。接着剤層の厚みは、好ましくは0.01μm〜7μmであり、より好ましくは0.01μm〜5μmであり、さらに好ましくは0.01μm〜2μmであり、最も好ましくは0.01μm〜1μmである。
C.コーティング層の形成
上記のように、偏光子と保護フィルムとを積層して偏光板を形成した後、保護フィルム上にコーティング層を形成する。1つの実施形態においては、保護フィルムに、コーティング層形成用組成物を塗工することにより、コーティング層が形成される。このコーティング層形成工程は、代表的には、コーティング層形成用組成物の塗布、塗布層の加熱等を含む。1つの実施形態においては、コーティング層は硬化性樹脂から構成される。この場合、コーティング層形成工程において、塗布層の硬化処理(例えば、紫外線照射または加熱)がさらに行われ得る。本発明の製造方法は、硬化処理を要するコーティング層の形成に特に有用である。従来、硬化処理による硬化性樹脂の硬化収縮は、乾燥によりコーティング層を形成する際の収縮よりも大きく、コーティング層と保護フィルムとの密着性を阻害する要因となっているが、本発明によれば、硬化性樹脂の硬化収縮が生じる場合にも、コーティング層と保護フィルムとの密着性低下を防止してコーティング層付きフィルムを得ることができる。硬化性樹脂としては、光硬化性樹脂(例えば、紫外線硬化性樹脂)または熱硬化性樹脂が用いられ得る。なかでも好ましくは、光硬化性樹脂である。光硬化性樹脂を硬化させる際の硬化収縮は大きいため、本願発明は光硬化性樹脂から構成されたコーティング層を形成する方法として特に有用である。また、コーティング層を形成した後に、該コーティング層にコロナ処理、プラズマ処理等の表面処理を施してもよい。
上記コーティング層の具体例としては、ハードコート層、アンチグレア層、アンチブロッキング層、反射防止層、導電層等が挙げられる。なかでも、本願発明の製造方法は、ハードコート層またはアンチグレア層を形成する場合に特に有用である。
コーティング層形成用組成物は、樹脂材料(モノマー、オリゴマー、プレポリマーおよび/またはポリマー)を含む。1つの実施形態においては、コーティング層形成用組成物は、樹脂材料として、熱硬化型または光硬化型の硬化性化合物を含む。硬化性化合物を含むコーティング層形成用組成物を用いれば、ハードコート層またはアンチグレア層を形成することができる。硬化性化合物は、モノマー、オリゴマーおよびプレポリマーのいずれであってもよい。硬化性化合物としては多官能モノマーまたはオリゴマーが用いられ得、例えば、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するモノマーまたはオリゴマー、ウレタン(メタ)アクリレートまたはウレタン(メタ)アクリレートのオリゴマー、エポキシ系モノマーまたはオリゴマー、シリコーン系モノマーまたはオリゴマー等が挙げられる。
コーティング層形成用組成物は、任意の適切な添加剤をさらに含み得る。添加剤としては、例えば、重合開始剤、レベリング剤、ブロッキング防止剤、分散安定剤、揺変剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、消泡剤、増粘剤、分散剤、界面活性剤、触媒、フィラー、滑剤、帯電防止剤等が挙げられる。含有される添加剤の種類、組み合わせ、含有量等は、目的や所望の特性に応じて適切に設定され得る。
1つの実施形態においては、コーティング層形成用組成物は添加剤として、微粒子を含む。微粒子を含むコーティング層形成用組成物を用いれば、アンチグレア層を形成することができる。微粒子は無機微粒子であってもよく、有機微粒子であってもよい。無機微粒子としては、例えば、酸化ケイ素微粒子、酸化チタン微粒子、酸化アルミニウム微粒子、酸化亜鉛微粒子、酸化錫微粒子、炭酸カルシウム微粒子、硫酸バリウム微粒子、タルク微粒子、カオリン微粒子、硫酸カルシウム微粒子等が挙げられる。有機微粒子としては、例えば、ポリメタクリル酸メチル樹脂粉末(PMMA微粒子)、シリコーン樹脂粉末、ポリスチレン樹脂粉末、ポリカーボネート樹脂粉末、アクリルスチレン樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、メラミン樹脂粉末、ポリオレフィン樹脂粉末、ポリエステル樹脂粉末、ポリアミド樹脂粉末、ポリイミド樹脂粉末、ポリフッ化エチレン樹脂粉末等が挙げられる。これらの微粒子は、単独で用いてもよく、複数を組み合わせて用いてもよい。
上記コーティング層形成用組成物は、溶媒を含んでいてもよく、含んでいなくてもよい。溶媒としては、例えば、ジブチルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、プロピレンオキシド、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、1,3,5−トリオキサン、テトラヒドロフラン、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン(CPN)、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸n−ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酢酸n−ペンチル、アセチルアセトン、ジアセトンアルコール、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、1−ペンタノール、2−メチル−2−ブタノール、シクロヘキサノール、イソプロピルアルコール(IPA)、酢酸イソブチル、メチルイソブチルケトン(MIBK)、2−オクタノン、2−ペンタノン、2−ヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、複数を組み合わせて用いてもよい。
コーティング層形成用組成物の塗布方法としては、任意の適切な方法を採用し得る。例えば、バーコート法、グラビアロールコート法、ダイコート法、ロッドコート法、スロットオリフィスコート法、カーテンコート法、ファウンテンコート法、コンマコート法が挙げられる。
コーティング層形成用組成物の塗布層の加熱温度は、コーティング層形成用組成物の組成に応じて、適切な温度に設定され得、好ましくは、上記フィルムに含まれる樹脂のガラス転移温度以下に設定される。上記フィルムに含まれる樹脂のガラス転移温度以下の温度で加熱すれば、加熱による変形が抑制されたコーティング層付きフィルムを得ることができる。加熱温度は、例えば、60℃〜140℃であり、好ましくは60℃〜100℃である。このような範囲で加熱することにより、フィルムとの密着性に優れるコーティング層を形成することができる。
上記硬化処理としては、任意の適切な硬化処理が採用され得る。代表的には、硬化処理は紫外線照射により行われる。紫外線照射の積算光量は、好ましくは200mJ〜400mJである。
上記コーティング層の厚みは、好ましくは10μm以下であり、より好ましくは2μm〜6μmである。このような範囲であれば、コーティング層としての機能を十分に発揮させ得、かつ、外観に優れるコーティング層付きフィルムを得ることができる。
1つの実施形態においては、上記コーティング層の鉛筆硬度は、好ましくはH以上であり、より好ましくは3H以上である。このような範囲であれば、コーティング層は、ハードコート層として有効に機能し得る。鉛筆硬度は、JIS K 5400の鉛筆硬度試験に準じて測定され得る。
(浸透層の形成)
1つの実施形態において、本発明のコーティング層付き偏光板の製造方法は、保護フィルムに上記コーティング層形成用組成物を塗工し、保護フィルムに該コーティング層形成用組成物の一部を浸透させて、浸透層を形成することを含む。浸透層とは、保護フィルムにおいて、コーティング層成分が存在している部分であり、保護フィルム成分とコーティング層成分との両方を含む層である。
上記浸透層は、例えば、保護フィルムを構成する樹脂と、コーティング層形成用組成物に含まれる樹脂材料との親和性を高めることにより、形成され得る。例えば、保護フィルムとしてのポリカーボネート系フィルムに、アクリル系モノマーまたはオリゴマーを含むコーティング層形成用組成物を塗工することにより形成される。浸透層を形成する方法の別の例としては、保護フィルムとしての(メタ)アクリル系フィルムに、アクリル系モノマーまたはオリゴマー(例えば、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するモノマーまたはオリゴマー、ウレタン(メタ)アクリレートまたはウレタン(メタ)アクリレートのオリゴマー)を含むコーティング層形成用組成物を塗工することが挙げられる。また、浸透層の厚みは、コーティング層形成用組成物中のモノマーまたはオリゴマーの分子量を調整したり、コーティング層形成時の加熱温度を調整すること等により、制御することができる。
浸透層の厚みは、好ましくは0.1μm〜5μmであり、より好ましくは0.5μm〜2μmである。
本発明においては、上記のように浸透層を形成することにより、コーティング層と保護フィルムとの密着性に優れるコーティング層付き偏光板を得ることができる。従来、浸透層が形成されるような場合、保護フィルム中の添加剤が多量にコーティング層に移行して、その結果、製造途中において、コーティング層と保護フィルムとの密着性が低下して、浸透層を形成することの効果が得られない場合がある。一方、本発明によれば、浸透層を形成しつつも、製造途中の不具合なくコーティング層付き偏光板を製造することができ、得られたコーティング層付き偏光板は、浸透層の形成を起因として、コーティング層と保護フィルムとの密着性に優れる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。実施例における評価方法は以下のとおりである。また、実施例において、特に明記しない限り、「部」および「%」は重量基準である。
(1)フェード密着性試験
フェード密着性試験は、紫外線照射下における密着耐久性(耐候性)を評価する試験である。
本明細書においては、紫外線ロングライフフェードメーター(スガ試験機社製、型式:U48HB)に実施例または比較例で得られたコーティング層(ハードコート層)付き偏光板を投入し、該コーティング層付き偏光板に紫外線を所定時間照射した。紫外線照射直後、ならびに、紫外線照射開始から、48時間後、96時間後、144時間後、192時間後および240時間後のコーティング層付き偏光板を下記碁盤目剥離試験に供し、コーティング層の偏光板に対する密着性を評価した。
(碁盤目試験)
コーティング層付き偏光板のコーティング層表面に、カッターナイフを用いて、碁盤目状に1mm角のマスを100個(10×10)形成した。次いで、コーティング層表面に、粘着テープ(積水化学工業社製、商品名「セロテープ(登録商標)No.252」)貼り付け、その後、剥離した。この操作を2回繰り返し、剥離したマスの個数を計測した。剥離したマスの個数が、ない場合を合格とした。
(2)紫外線吸収能
偏光板が備える保護フィルムについて、波長380nmの光の透過率を、日立製作所社製のU−4100を用いて測定し、該透過率を保護フィルムの紫外線吸収能とした。
(3)浸透層厚みの測定
コーティング層の表面に、黒色アクリル板(三菱レイヨン社製、厚み2mm)を、厚み20μmのアクリル系粘着剤を介して貼着した。次いで、コーティング層の反射スペクトルを、瞬間マルチ測光システム(大塚電子社製、商品名:MCPD3700)を用いて以下の条件で測定し、浸透層が形成されている場合には、コーティング層と浸透層、浸透層と保護フィルムのそれぞれの界面にてFFTスペクトルのピークが得られる為、FFTスペクトルのピーク位置の間の厚みを浸透層の厚みとして評価した。
・反射スペクトル測定条件
リファレンス:ミラー
アルゴリズム:FFT法
計算波長:450nm〜850nm
・検出条件
露光時間:20ms
ランプゲイン:ノーマル
積算回数:10回
・FFT法
膜厚値の範囲:2〜15μm
膜厚分解能:24nm
<製造例1>ハードコート層形成用組成物の調製
ウレタンアクリレート樹脂(DIC社製、製品名「ユニディック17−806」)100部とレベリング剤(DIC社製、製品名「GRANDIC PC4100」)1部、光重合開始剤(チバ・ジャパン社製、商品名:イルガキュア907)3部を混合し、固形分濃度が40%になるようにシクロペンタノンで希釈して、ハードコート層形成用組成物を調整した。
<製造例2>偏光子の作製
平均重合度2400、ケン化度99.9モル%の厚み75μmのポリビニルアルコールフィルムを、30℃の温水中に60秒間浸漬し膨潤させた。次いで、ヨウ素/ヨウ化カリウム(重量比=0.5/8)の濃度0.3%の水溶液に浸漬し、3.5倍まで延伸させながらフィルムを染色した。その後、65℃のホウ酸エステル水溶液中で、トータルの延伸倍率が6倍となるように延伸を行った。延伸後に、40℃のオーブンにて3分間乾燥を行い、偏光子を得た。得られた偏光子の厚みは23μmであった。得られた偏光子の光学特性は、透過率42.8%、偏光度99.99%であった。
<実施例1>
(偏光板の作製)
製造例2で作製した偏光子の一方の面に、保護フィルムとしてのポリカーボネート系フィルム(厚み:20μm)を貼り合せ、他方の面に、保護フィルムとしてのトリアセチルセルロースフィルムを貼り合せて、その後、70℃で加熱して、偏光板を作製した。ポリカーボネート系フィルムとしては、紫外線吸収剤を含み、紫外線吸収能が6%であるフィルムを用いた。また、保護フィルムと偏光子との貼り合せには、ポリビニルアルコール系接着剤を用いた。
ポリカーボネートフィルム(厚み:20μm)の偏光子とは反対側の面に、製造例1で調製したハードコート層形成用組成物を塗布し、75℃で加熱した。加熱後の塗布層に高圧水銀ランプにて積算光量300mJ/cmの紫外線を照射して塗布層を硬化させ、ハードコート層(厚み:2μm)を形成した。
上記のようにして、ハードコート層付き偏光板を得た。得られたハードコート層付偏光板を上記評価(1)に供した。結果を表1に示す。なお、得られたハードコート層付き偏光板の断面を上記(3)の方法により評価したところ、1.0μmの浸透層が形成されていた。
<実施例2>
保護フィルムとしてのポリカーボネート系フィルム(厚み:20μm、紫外線吸収能:6%)に代えて、ポリカーボネート系フィルム(厚み:25μm、紫外線吸収能:5%)を用い、ハードコート層の厚みを5μmとしたこと以外は、実施例1と同様にして、ハードコート層付き偏光板を得た。
得られたハードコート層付偏光板を上記評価(1)に供した。結果を表1に示す。なお、得られたハードコート層付き偏光板の断面を上記(3)の方法により評価したところ、2.0μmの浸透層が形成されていた。
<実施例3>
偏光子と保護フィルムとの貼り合せに、紫外線硬化型接着剤を用いたこと以外は、実施例2と同様にして、ハードコート層付き偏光板を得た。
<比較例1>
実施例1で用いたポリカーボネート系フィルムの一方の面に、製造例1で調製したハードコート層形成用組成物を塗布し、75℃で加熱した。加熱後の塗布層に高圧水銀ランプにて積算光量300mJ/cmの紫外線を照射して塗布層を硬化させ、ハードコート層(厚み:2μm)を形成し、ハードコート層付き保護フィルムを得た。
実施例1で用いた偏光子の一方の面に、上記ハードコート層付き保護フィルムを、ポリビニルアルコール系接着剤を介して貼り合せ、該偏光子の他方の面に、トリアセチルセルロースフィルムを貼り合せて、その後、70℃で加熱して、ハードコート層付き偏光板を作製した。
得られたハードコート層付偏光板を上記評価(1)に供した。結果を表1に示す。なお、得られたハードコート層付き偏光板の断面を上記(3)の方法により評価したところ、1.0μmの浸透層が形成されていた。
<比較例2>
実施例1で用いたポリカーボネート系フィルムに代えて、実施例2で用いたポリカーボネート系フィルムを用い、ハードコート層の厚みを5μmとしたこと以外は、比較例1と同様にして、ハードコート層付き偏光板を得た。
得られたハードコート層付偏光板を上記評価(1)に供した。結果を表1に示す。なお、得られたハードコート層付き偏光板の断面を上記(3)の方法により評価したところ、2.0μmの浸透層が形成されていた。
<比較例3>
偏光子と保護フィルムとの貼り合せに、紫外線硬化型接着剤を用いたこと以外は、比較例2と同様にして、ハードコート層付き偏光板を得た。
Figure 2018084652
比較例1〜3から明らかなように、ハードコート層形成用組成物の直接塗工により、紫外線吸収剤を含み紫外線吸収能が高い保護フィルムにハードコート層を設け、その後、ハードコート層付き保護フィルムと偏光子とを貼り合せて偏光板を形成する場合、得られたハードコート層付き偏光板の耐候性は著しく低い。これは、紫外線吸収剤が保護フィルムからハードコート層に移行し、フェード密着性試験中に受けるダメージが増加する事で、偏光板作製時にハードコート層付き保護フィルムに加わる応力の影響が顕在化し、ハードコート層と保護フィルムとの密着性低下として表出したためと考えられる。
一方、実施例1〜3から明らかなように、本願発明によれば、保護フィルムと偏光子とを貼り合せて偏光板を形成した後にハードコート層を設けることで、偏光板製造プロセスにおいて発生する密着性への影響を低減することができ、紫外線吸収能が高い薄型保護フィルムを用いながらも、耐候性に優れるハードコー層付偏光板を得ることができる。
本発明の製造方法で得られたコーティング層付きフィルムは、画像表示装置に好適に用いられ得る。
10 偏光板
20 コーティング層
100 コーティング層付き偏光板

Claims (9)

  1. 偏光子と、該偏光子の少なくとも一方の面に配置された保護フィルムとを備える、偏光板と、
    少なくとも1枚の該保護フィルムの該偏光子とは反対側の面に形成されたコーティング層とを含む、
    コーティング層付き偏光板の製造方法であって、
    該偏光子と該保護フィルムを積層して、偏光板を形成した後に、該コーティング層を形成することを含む、
    コーティング層付き偏光板の製造方法。
  2. 前記保護フィルムにコーティング層形成用組成物を塗工することにより、前記コーティング層を形成することを含む、
    請求項1に記載のコーティング層付き偏光板の製造方法。
  3. 前記保護フィルムの厚みが、30μm以下である、請求項1または2に記載のコーティング層付き偏光板の製造方法。
  4. 前記保護フィルムが、紫外線吸収剤を含む、請求項1から3のいずれかに記載のコーティング層付き偏光板の製造方法。
  5. 前記保護フィルムの紫外線吸収能が10%以下である、請求項4に記載のコーティング層付き偏光板の製造方法。
  6. 前記保護フィルムに前記コーティング層形成用組成物の一部を浸透させて、浸透層を形成することを含む、請求項2から5のいずれかに記載のコーティング層付き偏光板の製造方法。
  7. 前記コーティング層が、硬化性樹脂から構成されている、請求項1から6のいずれかに記載のコーティング層付きフィルムの製造方法。
  8. 前記硬化性樹脂が、光硬化性である、請求項7に記載のコーティング層付きフィルムの製造方法。
  9. 前記硬化性樹脂が、熱硬化性である、請求項7に記載のコーティング層付きフィルムの製造方法。
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