JP2018084478A - ガス濃度検出方法及び固体電解質センサ - Google Patents

ガス濃度検出方法及び固体電解質センサ Download PDF

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孝治 常吉
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Abstract

【課題】固体電解質センサで、正確にガス濃度を検出することができるガス濃度検出方法を提供する。【解決手段】第一空間11及び第二空間12における検出対象ガスの分圧と第一電極21及び第二電極22間の電位差との関係がネルンストの式を満たすイオン伝導性を固体電解質が示す温度範囲より、第二空間の温度が低い場合に、センサ素子10をヒータ30で加熱すると共に、センサ素子において第一空間に接している表面の第一温度を第一温度センサ31で測定し第二空間に接している表面の第二温度を第二温度センサ32で測定し、基準ガスにおける検出対象ガスの分圧、測定された電位差、及び、第一温度と第二温度との差に基づいて定めた補正値で補正した温度を用いて、ネルンストの式から第二空間における検出対象ガスの分圧を算出する。【選択図】図1

Description

本発明は、固体電解質をセンサ素子とする固体電解質センサでガス濃度を検出するガス濃度検出方法、及び、該ガス濃度検出方法に使用される固体電解質センサに関するものである。
固体電解質(イオン電導性セラミックス)をセンサ素子として、水素ガス、酸素ガス、炭酸ガス、水蒸気などのガス濃度を検出する固体電解質センサが種々提案されており、本出願人も過去に複数の提案を行っている(例えば、特許文献1参照)。固体電解質センサは、同一イオンの濃度差により電位差が生じる濃淡電池の原理を使用したものであり、固体電解質を挟んで区画されている二つの空間で検出対象ガスの濃度が異なる場合に、固体電解質に生じる起電力(電位差)を測定する。一方の空間に検出対象ガスの濃度が既知の基準ガスを導入し、基準ガスの雰囲気側で固体電解質の表面に設けた電極と、他方の空間である測定雰囲気側で固体電解質の表面に設けた電極との間の電位差を測定すれば、ネルンストの式により、測定雰囲気における検出対象ガスの濃度を知ることができる。
ネルンストの式は、以下の数式(1)で表される。
Figure 2018084478
上式において、Eは起電力(V)、Rは気体定数(8.31J/mol・K)、Tは絶対温度(K)、Fはファラデー定数(96485C/mol)であり、P,Pは固体電解質を挟んで区画されている二つの空間それぞれにおける検出対象ガスの分圧である。また、nは電子数であり、例えば、検出対象ガスが水素のときはn=2であり、酸素のときはn=4である。
ここで、固体電解質は、検出対象ガスの分圧(濃度)と起電力とがネルンストの式の関係を満たすイオン伝導性を示す温度が、所定の温度範囲内に限られる。つまり、固体電解質は、センサ素子として使用できる温度として固有の温度範囲を有しており、一般的には350℃以上である。
ところが、ガス濃度を検出しようとしている測定雰囲気の温度が、固体電解質がネルンストの式の関係を満たすイオン伝導性を示す温度範囲より低い場合がある。例えば、常温〜100℃の測定雰囲気におけるガス濃度を検出したい場合、その温度範囲でネルンストの式の関係を満たすイオン伝導性を示す固体電解質は、現状では存在しない。本出願人は、このように低温の測定雰囲気でガス濃度を検出したい場合に使用する固体電解質センサとして、ヒータが設けられた固体電解質センサを提案している(例えば、特許文献2参照)。この固体電解質センサでは、センサ素子の温度が、固体電解質がネルンストの式の関係を満たすイオン伝導性を示す温度範囲内となるまで、センサ素子をヒータで加熱する。
しかしながら、実際には、固体電解質のセンサ素子をヒータで加熱しても、ガス濃度を正確に検出することが難しいという問題があった。具体的には、一方の空間に基準ガスを導入する一方、他方の空間である測定雰囲気に検出対象ガスの濃度が異なるガスを導入して起電力を測定したとき、測定雰囲気が工業炉内など高温の雰囲気であって、固体電解質がネルンストの式の関係を満たすイオン伝導性を示す温度範囲内である場合は、図6(a)に示すように、測定された起電力からネルンストの式を用いて算出されたガス濃度は、測定雰囲気に導入したガスにおける検出対象ガスの濃度と一致する。これに対し、測定雰囲気が低温の場合は、固体電解質のセンサ素子をヒータで加熱しても、図6(b)に示すように、測定された起電力からネルンストの式を用いて算出されたガス濃度は、測定雰囲気に導入したガスにおける検出対象ガスの濃度からずれてしまう。
なお、図6(a),(b)は、ネルンストの式の関係を満たすイオン伝導性を示す温度範囲が400℃〜600℃である固体電解質を有底筒状のセンサ素子とし、その内部空間に水素1体積%−アルゴン99体積%の基準ガスを導入する一方、測定雰囲気に水素とアルゴンの体積比を異ならせた混合ガスを導入した場合である。図6(a)では、測定雰囲気は高温の工業炉内であり、その温度は550℃、580℃にそれぞれ維持されている。何れの温度においても、ネルンストの式を用いて算出された水素ガス濃度は、測定雰囲気に導入した混合ガスにおける水素ガス濃度と一致している。図6(b)では、測定雰囲気の温度は常温であり、有底筒状のセンサ素子の内部空間にヒータを挿入して、センサ素子における内部空間側の表面に配した熱電対で検出される温度が530℃、560℃、600℃にそれぞれ維持されるように、ヒータへの通電を調整している。何れの温度においても、ネルンストの式を用いて算出された水素ガス濃度は、測定雰囲気に導入した混合ガスにおける水素ガス濃度より小さく、そのずれは、水素ガス濃度が高くなるほど大きくなっている。
特開2011−174832号公報 特開2016−027317号公報
そこで、本発明は、上記の実情に鑑み、固体電解質をセンサ素子とする固体電解質センサでガス濃度を検出するガス濃度検出方法であって、固体電解質がネルンストの式の関係を満たすイオン伝導性を示す温度範囲より測定雰囲気の温度が低く、センサ素子をヒータで加熱する場合に、正確にガス濃度を検出することができるガス濃度検出方法、及び、該ガス濃度検出方法に使用される固体電解質センサの提供を、課題とするものである。
上記の課題を解決するため、本発明にかかるガス濃度検出方法(以下、単に「検出方法」と称することがある)は、
「第一空間及び第二空間が固体電解質のセンサ素子を挟んで区画されおり、検出対象ガスの濃度が既知である基準ガスを前記第一空間に導入し、前記センサ素子において前記第一空間に接している表面に設けられた第一電極及び前記第二空間に接している表面に設けられた第二電極間の電位差を測定することにより、前記第二空間における前記検出対象ガスの濃度を検出するガス濃度検出方法であって、
前記第一空間及び前記第二空間それぞれにおける前記検出対象ガスの分圧と前記電位差との関係がネルンストの式を満たすイオン伝導性を前記固体電解質が示す温度範囲より、前記第二空間の温度が低い場合に、
前記センサ素子をヒータで加熱すると共に、
前記センサ素子において前記第一空間に接している表面の第一温度と前記第二空間に接している表面の第二温度を測定し、
前記基準ガスにおける前記検出対象ガスの分圧、測定された前記電位差、及び、前記第一温度と前記第二温度との差に基づいて定めた補正値で補正した、前記第一温度と前記第二温度との間の温度を用いて、ネルンストの式から前記第二空間における前記検出対象ガスの分圧を算出する」ものである。
以下では、「第一空間及び第二空間における検出対象ガスの分圧と電位差との関係がネルンストの式を満たすイオン伝導性を固体電解質が示す温度範囲」を「適正温度範囲」と称し、「補正値で補正した、第一温度と第二温度との間の温度」を「補正後の温度」と称することがある。また、「第一温度と第二温度との差」を、単に「温度差」と称することがある。なお、「第二空間」が、上述の「測定雰囲気」に相当する。
検討の結果、適正温度範囲より測定雰囲気の温度が低い場合に、センサ素子をヒータで加熱してもガス濃度を正確に検出することができない理由は、センサ素子の全体が均一な温度となるようにヒータで加熱することが難しいためと考えられた。センサ素子の一部は常に温度の低い測定雰囲気に接しているため、その接触部分で常に熱が奪われるためと考えられる。
このような問題を解決したい場合、何とかしてセンサ素子の全体の温度を均一に近付けようとするのが、通常の当業者の考え方である。これに対し、本発明者らは、不均一なセンサ素子の温度を敢えて使用して、測定雰囲気のガス濃度を正確に検出しようと考えた。
そのために採用した手段は、ネルンストの式に用いる温度として、「第一温度と第二温度との差に基づく補正後の温度」を使用するというものである。ここで、「第一温度と第二温度との差に基づいて定めた補正値」は、予め、第二空間の温度を、検出対象ガスの濃度を検出したい雰囲気の温度と同一とした上で、実際の測定時と同じ条件でセンサ素子をヒータで加熱しつつ、第一空間に基準ガスを導入すると共に、第二空間に検出対象ガスの濃度が異なる数種類のガスを導入して電位差と、第一温度及び第二温度とを測定し、第一空間及び第二空間のガス分圧と測定された電位差との関係をネルンストの式と対比することにより、定めておくことができる。かかる「補正値」は、温度差の1/2、温度差の2/3、温度差の3/4、温度差の4/5など、温度差に係数を乗じた数値とすることができる。そして、「補正値による補正」としては、第一温度及び第二温度のうち温度が高い方から補正値を減算する補正、温度が低い方に補正値を加算する補正、を例示することができる。
本構成の検出方法によれば、センサ素子における温度差を測定し、その温度差に基づく補正後の温度をネルンストの式に用いることにより、ヒータで加熱されたセンサ素子における温度が不均一であっても、第二空間における検出対象ガスの濃度を正確に算出することが可能となる。
本発明にかかるガス濃度検出方法は、上記構成に加え、
「前記検出対象ガスは水素ガスであり、
前記第一温度と前記第二温度との差の大きさに応じて前記補正値を異ならせる」ものとすることができる。
図6(b)を用いて上述したように、測定雰囲気における水素ガス濃度が高くなるほど、ネルンストの式から算出された水素ガス濃度が、測定雰囲気に導入した混合ガスにおける実際の水素ガス濃度より小さくなる“ずれ量”が大きくなる。これは、水素ガスの熱伝導率が非常に高いため、水素ガスの濃度が高くなるほど、センサ素子において測定雰囲気に接している部分から多くの熱が奪われるためと考えられる。具体的には、水素ガスの熱伝導率は、空気や、水素ガスの希釈に通常用いられるアルゴンの熱伝導率に比べて一桁大きく、例えば、50℃及び100℃における熱伝導率は、以下のようである。
<50℃における熱伝導率[W/mK]>
空気:0.028
アルゴン:0.019
水素:0.192
<100℃における熱伝導率[W/mK]>
空気:0.032
アルゴン:0.021
水素:0.214
従って、測定雰囲気における水素ガス濃度が高くなれば、上記理由によって測定雰囲気に接している部分のセンサ素子の温度がより低下し、第一温度と第二温度との差が大きくなる。そこで、温度差の大きさに応じて補正値を異ならせることにより、測定雰囲気の水素ガス濃度をより正確に検出することができる。
次に、本発明にかかる固体電解質センサは、
「第一空間及び第二空間が固体電解質のセンサ素子を挟んで区画されているセンサ本体と、
前記センサ素子において前記第一空間に接している表面に設けられた第一電極及び前記第二空間に接している表面に設けられた第二電極と、
前記センサ素子を加熱するヒータと、
前記センサ素子において前記第一空間に接している表面の第一温度を測定する第一温度センサと、
前記センサ素子において前記第二空間に接している表面の第二温度を測定する第二温度センサと、
を具備する」ものである。
これは、上記の検出方法に使用される固体電解質センサの構成である。従来の固体電解質センサには、センサ素子の温度を測定する温度センサに加えて、測定雰囲気の温度を測定する温度センサを備えるものは存在したが、センサ素子の温度を異なる位置で測定する複数の温度センサを備えているものはなかった。本構成の固体電解質センサは、第一温度を測定する第一温度センサと第二温度を測定する第二温度センサとを備えていることにより、温度差に基づいて補正値を定めてネルンストの式に用いる温度を決定する上記の検出方法によって、ガス濃度の検出を正確に行うことができる。
以上のように、本発明の効果として、固体電解質をセンサ素子とする固体電解質センサでガス濃度を検出するガス濃度検出方法であって、固体電解質がネルンストの式の関係を満たすイオン伝導性を示す温度範囲より測定雰囲気の温度が低く、センサ素子をヒータで加熱する場合に、正確にガス濃度を検出することができるガス濃度検出方法、及び、該ガス濃度検出方法に使用される固体電解質センサを、提供することができる。
本発明の一実施形態である検出方法に使用される固体電解質センサを、縦方向に中央で切断した断面図である。 第一の補正値で補正した温度によるガス濃度の検出を説明するグラフである。 第二の補正値で補正した温度によるガス濃度の検出を説明するグラフである。 第三の補正値で補正した温度によるガス濃度の検出を説明するグラフである。 温度差に応じて異ならせた補正値で補正した温度によるガス濃度の検出を説明するグラフである。 (a)測定雰囲気の温度が適正温度範囲内にあるときのガス濃度の検出を説明するグラフ、及び、(b)測定雰囲気の温度が適正温度範囲より低い場合の従来のガス濃度の検出を説明するグラフである。
以下、本発明の一実施形態であるガス濃度検出方法、及び該検出方法に使用される固体電解質センサ1について、図1乃至図5を用いて説明する。ここでは、気相中の水素ガス濃度を検出するガス濃度検出方法に、本発明を適用した場合を例示する。
まず、固体電解質センサ1の構成について、図1を用いて説明する。固体電解質センサ1は、第一空間11及び第二空間12が固体電解質のセンサ素子10を挟んで区画されているセンサ本体と、センサ素子10において第一空間11に接している表面に設けられた第一電極21及び第二空間12に接している表面に設けられた第二電極22と、第一電極21と第二電極22との間の電位差を測定する電位計(図示を省略)と、センサ素子10を加熱するヒータ30と、センサ素子10において第一空間11に接している表面の第一温度を測定する第一温度センサ31と、センサ素子10において第二空間12に接している表面の第二温度を測定する第二温度センサ32と、を具備している。
より具体的に説明すると、センサ素子10は有底筒状であり、その内部空間が第一空間11であり、その外部空間が第二空間12である。つまり、本実施形態では、センサ素子10のみによって「第一空間及び第二空間が固体電解質のセンサ素子を挟んで区画されているセンサ本体」が構成されている。センサ素子10の底部には、第一空間11側の表面に第一電極21が設けられていると共に、第二空間12側の表面に第二電極22が設けられており、第一電極21及び第二電極22それぞれには、電位計と電気的に接続するリード線41,42が接続されている。ここで、第一電極21と電位計とを接続するリード線41は、アルミナ等のセラミックス製で第一空間11に挿入されている保護管58を挿通している。この保護管58には、第一温度を測定する第一温度センサ31としての熱電対も挿入されており、その測定接点をセンサ素子10の底部における第一空間11側の表面に当接させている。更に、第一空間11にはヒータ30が挿入されている。また、第一空間11には、基準ガスを導入するための導入管50が挿入されている。
一方、第二温度センサ32である熱電対は、アルミナ等のセラミックス製の保護管59を挿通しており、その測定接点をセンサ素子10の底部における第二空間12側の表面に当接させている。
上記構成の固体電解質センサ11を使用して、センサ素子10を構成する固体電解質の適正温度範囲より温度が低い測定雰囲気におけるガス濃度を検出する場合、電線43を介して通電することによりヒータ30を発熱させ、センサ素子10を加熱する。
すなわち、固体電解質センサ11を使用するガス濃度検出方法は、第一空間11及び第二空間12が固体電解質のセンサ素子10を挟んで区画されおり、検出対象ガスの濃度が既知である基準ガスを第一空間11に導入し、センサ素子10において第一空間11に接している表面に設けられた第一電極21及び第二空間12に接している表面に設けられた第二電極22間の電位差を測定することにより、第二空間12における検出対象ガスの濃度を検出するガス濃度検出方法であって、固体電解質の適正温度範囲より第二空間12の温度が低い場合に、センサ素子10をヒータ30で加熱すると共に、センサ素子10において第一空間11に接している表面の第一温度と第二空間12に接している表面の第二温度を測定し、基準ガスにおける検出対象ガスの分圧、測定された電位差、及び、第一温度と第二温度との差に基づいて定めた補正値で補正した温度を用いて、ネルンストの式から第二空間12における検出対象ガスの分圧を算出するものである。補正後の温度は、第一温度より低く第二温度より高い温度である。
次に、第一温度と第二温度との差に基づき温度の補正値を定める方法を、具体的に説明する。ここでは、固体電解質として、化学式AB1−aB’3−αにおいて、AをSr、BをZr、B’をYbとし、aが0.1である組成のものを使用する場合を例示する。この固体電解質の適正温度範囲は、380℃〜650℃である。なお、αは酸素欠陥であり、A,B,B’のそれぞれの原子種、aの値、測定雰囲気の温度と酸素分圧等に応じて変化する値である。
第一空間に導入する基準ガスとしては、水素1体積%−アルゴン99体積%のガスを使用した。第二空間には、水素1体積%−アルゴン99体積%、水素5体積%−アルゴン95体積%、水素10体積%−アルゴン90体積%、水素30体積%−アルゴン70体積%、水素50体積%−アルゴン50体積%、の五種類の混合ガスを導入した。それぞれの混合ガスを第二空間に導入した状態で、第一電極及び第二電極間の電位差を測定した。
第二空間の温度は常温とし、第一温度が約620℃に維持されるようにヒータへの通電を調整しつつ、第一温度と第二温度を測定した。第一温度、第二温度、及び、第一温度と第二温度との差を、表1に示す。
Figure 2018084478
第一温度と第二温度との温度差△Tに基づいて、補正値を△T×1/2(第一の補正値)とし、第一温度と第二温度のうち高温である第一温度から補正値△T×1/2を差し引いた温度を、補正後の温度とした。補正後の温度、基準ガスにおける水素ガスの分圧、及び測定された電位差を用いて、ネルンストの式から算出した第二空間における水素ガスの濃度(以下、「補正後の温度による算出濃度」と称する)を、実際に第二空間に導入した混合ガスにおける水素濃度(以下、「実際のガス濃度」と称する)に対してプロットしたグラフを、図2に示す。また、図2には、補正することなく、第一温度をそのまま用いてネルンストの式から算出した水素ガスの濃度(以下、「補正しない温度による算出濃度」と称する)を、あわせて示す。
図2から分かるように、実際のガス濃度が1体積%の場合は、補正後の温度による算出濃度と補正しない温度による算出濃度とは大差がなく、且つ、実際のガス濃度とほぼ一致していた。また、実際のガス濃度が5体積%の場合は、補正しない温度による算出濃度は実際のガス濃度より小さい値であったが、補正後の温度による算出濃度は実際のガス濃度とほぼ一致していた。一方、実際のガス濃度が10体積%の場合、30体積%の場合及び50体積%の場合は、補正後の温度による算出濃度は、補正しない温度による算出濃度よりは実際のガス濃度に近付いていたものの、実際のガス濃度より小さい値であった。
第一温度と第二温度との温度差△Tに基づいて、補正値を△T×2/3(第二の補正値)とし、第一温度から補正値△T×2/3を差し引いた温度を補正後の温度とした場合について、上記と同様に、補正後の温度による算出濃度を実際のガス濃度に対してプロットしたグラフを、図3に示す。また、図3には、図2と同様に補正しない温度による算出濃度をあわせて示している。
図3から分かるように、実際のガス濃度が1体積%の場合、及び5体積%の場合は、補正後の温度による算出濃度は実際のガス濃度より僅かに大きな値であった。また、実際のガス濃度が10体積%の場合は、補正後の温度による算出濃度は実際のガス濃度とほぼ一致していた。一方、実際のガス濃度が30体積%の場合、及び50体積%の場合は、補正後の温度による算出濃度は、補正値を△T×1/2とした場合の補正後の温度による算出濃度よりは実際のガス濃度に近付いていたものの、実際のガス濃度より小さい値であった。
第一温度と第二温度との温度差△Tに基づいて、補正値を△T×4/5(第三の補正値)とし、第一温度から補正値△T×4/5を差し引いた温度を補正後の温度とした場合について、上記と同様に、補正後の温度による算出濃度を実際のガス濃度に対してプロットしたグラフを、図4に示す。また、図4には、図2,3と同様に補正しない温度による算出濃度をあわせて示している。
図4から分かるように、実際のガス濃度が1体積%の場合、5体積%の場合、及び10体積%の場合は、補正後の温度による算出濃度は実際のガス濃度より大きな値であった。一方、実際のガス濃度が30体積%の場合、及び50体積%の場合は、補正後の温度による算出濃度は、実際のガス濃度とほぼ一致していた。
上記のような事前の測定により、固体電解質の適正温度範囲が380℃〜650℃で、第二空間の温度が常温の場合、第一温度と第二温度との差が180℃未満のときは補正値を△T×1/2とし、温度差が180℃以上200℃未満のときは補正値を△T×2/3とし、温度差が200℃以上のきは補正値を△T×4/5とし、第一温度から補正値を差し引いた温度を補正後の温度とすると、予め定めておくことができる。これにより、固体電解質の適正温度範囲より測定雰囲気の温度が低く、センサ素子をヒータで加熱する場合であっても、図5に示すように、測定雰囲気におけるガス濃度によらず、正確にガス濃度を検出することができる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
例えば、上記の実施形態では、センサ素子10が有底筒状であることにより第一空間11及び第二空間12がセンサ素子10を挟んで区画されている場合を例示した。これに限定されず、筒状のホルダの一端をセンサ素子で閉塞して全体を有底筒状とすることによっても、第一空間及び第二空間がセンサ素子を挟んで区画されている構成とすることができる。この場合、センサ素子とホルダとで「第一空間及び第二空間が固体電解質のセンサ素子を挟んで区画されているセンサ本体」が構成される。
また、長棒状のヒータを図示により例示したが、ヒータの形状は特に限定されず、例えば、筒状とすることができる。更に、ヒータを有底筒状のセンサ素子の内部空間に挿入する場合を例示したが、センサ素子を加熱することができれば、ヒータの位置は特に限定されない。例えば、センサ素子が筒状のホルダに保持されている場合に、ホルダの内周面にヒータを支持させることができる。
1 固体電解質センサ
10 センサ素子
11 第一空間
12 第二空間
21 第一電極
22 第二電極
30 ヒータ
31 第一温度センサ
32 第二温度センサ

Claims (3)

  1. 第一空間及び第二空間が固体電解質のセンサ素子を挟んで区画されおり、検出対象ガスの濃度が既知である基準ガスを前記第一空間に導入し、前記センサ素子において前記第一空間に接している表面に設けられた第一電極及び前記第二空間に接している表面に設けられた第二電極間の電位差を測定することにより、前記第二空間における前記検出対象ガスの濃度を検出するガス濃度検出方法であって、
    前記第一空間及び前記第二空間それぞれにおける前記検出対象ガスの分圧と前記電位差との関係がネルンストの式を満たすイオン伝導性を前記固体電解質が示す温度範囲より、前記第二空間の温度が低い場合に、
    前記センサ素子をヒータで加熱すると共に、
    前記センサ素子において前記第一空間に接している表面の第一温度と前記第二空間に接している表面の第二温度を測定し、
    前記基準ガスにおける前記検出対象ガスの分圧、測定された前記電位差、及び、前記第一温度と前記第二温度との差に基づいて定めた補正値で補正した、前記第一温度と前記第二温度との間の温度を用いて、ネルンストの式から前記第二空間における前記検出対象ガスの分圧を算出する
    ことを特徴とするガス濃度検出方法。
  2. 前記検出対象ガスは水素ガスであり、
    前記第一温度と前記第二温度との差の大きさに応じて前記補正値を異ならせる
    ことを特徴とする請求項1に記載のガス濃度検出方法。
  3. 第一空間及び第二空間が固体電解質のセンサ素子を挟んで区画されているセンサ本体と、
    前記センサ素子において前記第一空間に接している表面に設けられた第一電極及び前記第二空間に接している表面に設けられた第二電極と、
    前記センサ素子を加熱するヒータと、
    前記センサ素子において前記第一空間に接している表面の第一温度を測定する第一温度センサと、
    前記センサ素子において前記第二空間に接している表面の第二温度を測定する第二温度センサと、
    を具備することを特徴とする固体電解質センサ。
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