JP2018084226A - 燃料噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ニードルの移動を段階的に制御し、ニードルの移動量および燃料噴射率のバラツキを低減する燃料噴射装置を提供する。【解決手段】燃料噴射装置91では、磁石350の磁界と同一方向の磁界をコイル80が生成したとき、第1可動部吸引力および電磁弁吸引力が発生し、電磁弁330が第1プレート部燃料流路255を開く。第2可動部吸引力が発生し、第2可動部362が第2プレート部燃料流路256を開く。逆方向の磁界をコイル80が生成したとき、第1可動部反発力が発生し、電磁弁330が第1プレート部燃料流路255を閉じる。第2可動部362が第2プレート部燃料流路256を開く。コイル80の磁界の向きの変更だけで、ニードル340が段階的に移動し、電磁弁330の位置が決定される。このため、電流のバラツキによる影響を受けないで、ニードル340の移動量のバラツキが低減され、燃料噴射率のバラツキが低減される。【選択図】図17

Description

本発明は、燃料噴射装置に関する。
従来、特許文献1に記載されているように、1つのニードルが段階的に移動することによって、第1圧力室および第2圧力室の圧力が変化し、第1ピストンおよび第2ピストンが段階的にリフトする燃料噴射装置が知られている。この燃料噴射装置では、第1ピストンおよび第2ピストンは、ニードルとともにリフトし、ニードルの移動を段階的に制御可能である。
特開2001−227428号公報
特許文献1の構成では、電流の大きさによる吸引力とバネ力とで、中間位置までのニードルの移動量が決定されている。このため、電流バラツキにより、ニードルの移動量にバラツキが生じ、燃料噴射率にバラツキが大きくなる。
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、ニードルの移動を段階的に制御し、ニードルの移動量および燃料噴射率のバラツキを低減する燃料噴射装置を提供する。
本発明の燃料噴射装置は、ハウジング(10、110、210、310)、プレート部(25、125)、電磁弁(30、130、230、330、430、530)を備える。
また、燃料噴射装置は、ニードル(40)、可動部(60、160、361、362)およびコイル(80、181、182)を備える。
ハウジングは、有底筒状で、燃料が噴射される噴孔(12)を先端部に有し、燃料が流入出可能な第1圧力室(19)および第2圧力室(20)を後端部(105)に有する。
プレート部は、ハウジングに設けられており、第1圧力室と第2圧力室とに連通するプレート部燃料流路(251、252、253、255、256)を有する。
電磁弁は、第1圧力室に収容され、プレート部燃料流路を開閉して第1圧力室の圧力および第2圧力室の圧力を制御可能である。
ニードルは、後端部(402)が第2圧力室に収容され、ハウジング内で往復移動可能で、電磁弁が第1圧力室の圧力および第2圧力室の圧力を制御するとき、ハウジングの軸方向に移動し、噴孔を開閉する。
磁石は、ハウジングの後端部に設けられ、両端が互いに異なる極性となるように着磁されている。
可動部は、第1圧力室に収容され、電磁弁の開閉方向に移動可能である。
コイルは、磁石の磁界と同一方向または逆方向の磁界を可動部に生成する。
磁石の磁界と同一方向の磁界をコイルが生成したとき、磁石と可動部との間に可動部吸引力(Fm_A)が発生し、可動部とともに電磁弁が開方向に移動する。
磁石の磁界と逆方向の磁界をコイルが生成したとき、磁石と可動部との間に可動部反発力(Fm_R)が発生し、電磁弁が開閉方向に移動する。
コイルが生成する磁界の向きを変更するだけで、ニードルが段階的に移動し、電磁弁の位置が決定される。このため、電流のバラツキによる影響を受けないで、ニードルの移動量のバラツキを低減する。さらに、ニードルの移動量のバラツキが低減されるため、燃料噴射率のバラツキが低減される。
本発明の第1実施形態による燃料噴射装置を示す断面図。 本発明の第1実施形態による燃料噴射装置のコイルが磁石と同一方向の磁界を生成したときの図1のII部拡大図。 本発明の第1実施形態による燃料噴射装置のコイルが磁石とは逆方向の磁界を生成したときの図1のIII部拡大図。 本発明の第1実施形態による燃料噴射装置のコイルが磁石と同一方向の磁界を生成し、ニードルが移動したときの燃料噴射装置を示す断面図。 本発明の第1実施形態による燃料噴射装置のコイルが磁石とは逆方向の磁界を生成し、ニードルが移動したときの燃料噴射装置を示す断面図。 本発明の第1実施形態による燃料噴射装置の可動部吸引力のみが用いられる場合の燃料噴射率を説明するためのタイムチャート。 本発明の第1実施形態による燃料噴射装置の可動部反発力のみが用いられる場合の燃料噴射率を説明するためのタイムチャート。 本発明の第1実施形態による燃料噴射装置の可動部反発力が発生した後、可動部吸引力が用いられる場合の燃料噴射率を説明するためのタイムチャート。 本発明の第1実施形態による燃料噴射装置の可動部吸引力が発生した後、可動部反発力が用いられる場合の燃料噴射率を説明するためのタイムチャート。 本発明の第2実施形態による燃料噴射装置を示す断面図。 本発明の第2実施形態による燃料噴射装置のコイルが磁石と同一方向の磁界を生成したときの図10のXI部拡大図。 本発明の第2実施形態による燃料噴射装置のコイルが磁石とは逆方向の磁界を生成したときの図10のXII部拡大図。 本発明の第3実施形態による燃料噴射装置を示す断面図。 本発明の第3実施形態による燃料噴射装置のコイルが磁石と同一方向の磁界を生成したときの図13のXIV部拡大図。 本発明の第3実施形態による燃料噴射装置のコイルが磁石とは逆方向の磁界を生成したときの図13のXV部拡大図。 本発明の第4実施形態による燃料噴射装置を示す断面図。 本発明の第5実施形態による燃料噴射装置を示す断面図。 本発明の第5実施形態による燃料噴射装置のコイルが磁石と同一方向の磁界を生成したときの断面図。 本発明の第5実施形態による燃料噴射装置のコイルが磁石と逆方向の磁界を生成したときの断面図。 本発明の第5実施形態による燃料噴射装置の制御プレートの作用を説明するための断面図。 本発明の第5実施形態による燃料噴射装置のコイルが磁石と同一方向の磁界を生成したときの燃料噴射率を説明するためのタイムチャート。 本発明の第5実施形態による燃料噴射装置のコイルが磁石と逆方向の磁界を生成したときの燃料噴射率を説明するためのタイムチャート。 本発明の第5実施形態による燃料噴射装置のコイルが磁石と逆方向の磁界を生成した後、磁石と同一方向の磁界を生成する場合の燃料噴射率を説明するためのタイムチャート。 本発明の第5実施形態による燃料噴射装置のコイルが磁石と同一方向の磁界を生成した後、磁石と逆方向の磁界を生成する場合の燃料噴射率を説明するためのタイムチャート。 本発明の第6実施形態による燃料噴射装置を示す断面図。 本発明の第6実施形態による燃料噴射装置のコイルが磁石と同一方向の磁界を生成したときの断面図。 本発明の第6実施形態による燃料噴射装置の電磁弁が開方向に移動したときの断面図。 本発明の第6実施形態による燃料噴射装置のコイルが磁石と逆方向の磁界を生成したときの断面図。 本発明の第6実施形態による燃料噴射装置のコイルが磁石と同一方向の磁界を生成したときの燃料噴射率を説明するためのタイムチャート。 本発明の第7実施形態による燃料噴射装置の後端部を示す断面図。 本発明の第7実施形態による燃料噴射装置のコイルが磁石と同一方向の磁界を生成したときの後端部の断面図。 本発明の第7実施形態による燃料噴射装置のコイルが磁石と逆方向の磁界を生成したときの後端部の断面図。 本発明の第7実施形態による燃料噴射装置の係止部に付勢部材が接触したときの後端部の断面図。 その他の実施形態による燃料噴射装置のコイルが磁石と同一方向の磁界を生成したときの燃料噴射装置を示す断面図。 その他の実施形態による燃料噴射装置のコイルが磁石とは逆方向の磁界を生成したときの燃料噴射装置を示す断面図。 その他の実施形態による電磁弁移動量と最小流路面積との関係図。 その他の実施形態による燃料噴射装置を示す断面図。 その他の実施形態による燃料噴射装置を示す断面図。 その他の実施形態による燃料噴射装置を示す断面図。 その他の実施形態による燃料噴射装置を示す断面図。 その他の実施形態による燃料噴射装置を示す断面図。 その他の実施形態による燃料噴射装置を示す断面図。 その他の実施形態による燃料噴射装置を示す断面図。 その他の実施形態による燃料噴射装置を示す断面図。 その他の実施形態による燃料噴射装置を示す断面図。 その他の実施形態による燃料噴射装置を示す断面図。
以下、本発明の実施形態による燃料噴射装置を図面に基づいて説明する。複数の実施形態において、実質的に同一の構成には、同一の符号を付して説明する。また、本実施形態という場合、複数の実施形態を包括する。この燃料噴射装置は、ディーゼルエンジンのような内燃機関に用いられる。
(第1実施形態)
第1実施形態の燃料噴射装置1について、図1−図9を参照して説明する。
燃料噴射装置1は、内燃機関の各気筒に取り付けられ、コモンレール90の高圧状態で蓄えられた燃料を各気筒に噴射する。
図1に示すように、燃料噴射装置1は、ハウジング10、プレート部25、電磁弁30、ニードル40、磁石50、可動部60、係止部70およびコイル80を備える。
ハウジング10は、有底筒状に形成され、例えば、炭素鋼等の金属材料で形成されている。
ハウジング10は、ノズル室11、噴孔12および弁座13を先端側に有する。
また、ハウジング10は、燃料流路14−18、第1圧力室19および第2圧力室20を後端側に有する。
ノズル室11は、ハウジング10の内側壁101とニードル40の外側壁401とによって区画形成され、燃料流路16と連通している。
噴孔12は、ハウジング10の周方向に所定の間隔で複数形成されている。噴孔12が開口する全面積を噴孔面積Shとする。噴孔面積Shにより、噴孔12から単位時間あたりに燃料が外部に噴射される量である燃料噴射率Qの最大燃料噴射率Q_maxが決定される。
弁座13は、ハウジング10の周方向における噴孔12の周囲に形成されている。
また、弁座13は、ハウジング10の底部102の内側で、円錐状の底面に形成されている。
燃料流路14は、コモンレール90に接続されており、燃料流路15と燃料流路16とに連通している。
燃料流路15は、第2圧力室20に連通している。
燃料流路16は、ノズル室11に連通している。
燃料流路17は、一端が先端側の第1圧力室19とハウジング10の径方向に向かって連通し、他端が後端側の第1圧力室19とにハウジング10の軸方向に向かって連通している。
燃料流路17は、L字形状の断面を含む。
燃料流路17の流路面積を圧力室流路面積Apとする。
燃料流路18は、第1圧力室19および外部に連通している。
燃料流路14−18は、円形形状の断面を含み、径が一様に形成されている。
燃料流路14−16、18の流路面積は、圧力室流路面積Apより大きく設定されている。
コモンレール90からの燃料は、燃料流路14、16を経由してノズル室11に供給される。
第1圧力室19は、第2圧力室20よりも後端側に形成され、ハウジング10の第1内壁103によって区画形成されており、コモンレール90からの燃料が流入出可能に形成されている。
第2圧力室20は、ハウジング10の第2内壁104によって区画形成されており、コモンレール90からの燃料が流入出可能に形成されている。図中において、煩雑さを避けるため、第1圧力室19および第2圧力室20の折れ線を一部省略している。
第1圧力室19の圧力を第1圧力P1とし、第2圧力室20の圧力を第2圧力P2とする。
プレート部25は、第1圧力室19と第2圧力室20との間に設けられており、プレート部燃料流路251を有する。
プレート部燃料流路251は、第1圧力室19と第2圧力室20との間に形成されており、円形形状の断面を含み、径が一様に形成されている。
また、プレート部燃料流路251は、第1圧力室19と第2圧力室20とに連通している。
電磁弁30は、第1圧力室19に収容されている。
先端側の電磁弁30は、棒状に形成され、後端側の電磁弁30は、板状に形成されている。
電磁弁30は、T字形状の断面を有する。
電磁弁30は、プレート部燃料流路251を開閉して第1圧力P1および第2圧力P2を制御可能である。
電磁弁30がプレート部燃料流路251を開く方向を開方向とし、電磁弁30がプレート部燃料流路251を閉じる方向を閉方向とする。電磁弁30が開方向に向かって移動する方向を正方向とする。電磁弁30が閉方向に向かって移動する方向を負方向とする。電磁弁30が初期状態から開方向に移動した量を電磁弁移動量Leとする。
さらに、電磁弁30は、プレート部燃料流路251を開閉するとき、プレート部25の後端面254との間に隙間燃料流路301が形成される。
隙間燃料流路301は、円柱の側面形状に形成されている。
また、コモンレール90からの燃料は、燃料流路14、15を経由して、第2圧力室20に供給される。第2圧力室20に供給される燃料は、プレート部燃料流路251、隙間燃料流路301および燃料流路17を経由して、第1圧力室19に流れる。第1圧力室19に流れた燃料は、燃料流路18を経由して、外部に流出する。
第2圧力室20の燃料が外部に流出する量は、第2圧力室20を経由する流路における流路面積の最小値で決定される。第2圧力室20の燃料が外部に流出する量を決定する流路面積を最小流路面積Aminとする。
ニードル40は、ニードル40の後端部402が第2圧力室20に収容され、ハウジング10内で往復移動可能に、ハウジング10に収容されている。
ニードル40は、先端側に受圧面41を有し、後端側に背圧面42を有する。
また、ニードル40の後端側に、ニードルスプリング43が設けられている。
受圧面41は、ノズル室11に面し、ノズル室11に流入する燃料から噴孔12を開く方向に働く圧力を受ける。
背圧面42は、第2圧力室20に面し、噴孔12を閉じる方向に第2圧力P2を受ける。
ニードルスプリング43は、プレート部25と背圧面42との間に設けられ、ニードル40を付勢する。ニードルスプリング43がニードル40に作用する付勢力をニードル付勢力Fs_nとする。
ニードル40は、電磁弁30が第1圧力P1を制御するとき、ハウジング10の軸方向に移動し、噴孔12を開閉する。初期状態からニードル40がハウジング10の軸方向に移動する量をニードル移動量Lnとする。ニードル40が噴孔12を開く方向は、電磁弁30の開方向と一致する。また、ニードル40が噴孔12を閉じる方向は、電磁弁30の閉方向と一致する。
ニードル40は、ニードル40の先端部403が弁座13に接触したとき、噴孔12を閉塞する。
また、ニードル40は、ニードル40の先端部403が弁座13から離間したとき、噴孔12を開放する。ニードル40が噴孔12を開放したとき、ノズル室11の燃料が噴孔12から噴射される。
磁石50は、ハウジング10の後端部105に固定され、両端が互いに異なる極性となるように着磁されている。例えば、先端側の磁石50がN極に着磁され、後端側の磁石50がS極に着磁されている。図中において、磁石50は、所在を明確にするため、ドット柄で示す。
磁石50は、例えば、ネオジウム磁石等の永久磁石である。ネオジウム磁石は、ネオジウム(Nd)、鉄(Fe)およびボロン(B)を主成分とした成形焼結品である。また、ネオジウム磁石は、焼結品であり、結晶粒から形成されており、結晶の滑りが少ないため脆性材料である。
磁石50の先端側で、固定部材51と磁石50が接合されている。
また、固定部材51と電磁弁30との間に電磁弁スプリング52が設けられている。
電磁弁スプリング52は、電磁弁30の閉方向に電磁弁30を付勢する。また、電磁弁スプリング52が電磁弁30を付勢する力を電磁弁付勢力Fs_eとする。
可動部60は、筒状で、磁性体で形成されており、コイル80の径方向内側に位置し、コイルコアとして機能する。可動部60に用いられる磁性体は、例えば、高炭素クロム軸受鋼等である。高炭素クロム軸受鋼等を用いることで、熱処理により高い強度が得られる。
可動部60は、第1圧力室19に収容され、磁石50と電磁弁30との間に設けられており、電磁弁30との間に隙間を有する。
また、可動部60は、固定部材51および電磁弁スプリング52を収容している。
さらに、可動部60は、電磁弁30の開閉方向に移動可能で、第1鍔部61および第2鍔部62を有する。
第1鍔部61は、後端側の可動部60に設けられている。
第2鍔部62は、先端側の可動部60に設けられている。
第1鍔部61および第2鍔部62は、ハウジング10の径方向内側から径方向外側に向かって延びており、円環形状の断面を有する。
係止部70は、筒状であり、非磁性体で形成されており、可動部60の移動を係止可能に形成されている。
係止部70は、第1圧力室19に収容され、磁石50と電磁弁30との間に設けられている。
また、係止部70は、可動部60を収容しており、後端側に係止凹部71を有する。
係止凹部71は、第1鍔部61に接触し、第1鍔部61と係合している。可動部60が移動するとき、第1鍔部61は係止凹部71内を移動する。
可動部60が開方向に移動したとき、第1鍔部61が磁石50に接触し、第2鍔部62が係止部70に接触し、係止部70は、可動部60を係止する。
可動部60が閉方向に移動したとき、第1鍔部61が係止凹部71に接触し、係止部70は可動部60を係止する。
コイル80は、ハウジング10の後端部105に設けられている。
また、コイル80は、ボビンの外周に巻線が巻回されている。
さらに、コイル80は、通電されることによって、電磁弁30および可動部60に磁界を生成可能である。
図2に示すように、初期状態からコイル80に通電されるとき、後端側の可動部60がS極、先端側の可動部60がN極となる磁界が生成される。後端側の電磁弁30がS極、後端側の電磁弁30がN極となる磁界が生成される。このとき、コイル80は、磁石50の磁界と同一方向の磁界を生成する。このような磁界が生成されるように、コイル80の巻線方向は設定されている。
コイル80は、磁石50の磁界と同一方向の磁界を生成したとき、磁石50と可動部60との間に可動部吸引力Fm_Aが発生し、磁石50と可動部60とが吸着される。電磁弁30と可動部60との間に電磁弁吸引力Fe_Aが発生する。電磁弁吸引力Fe_Aが電磁弁付勢力Fs_eよりも大きくなるように設定されており、電磁弁30と可動部60とが吸着される。可動部60とともに、電磁弁30が開方向に移動する。電磁弁30とプレート部25の後端面254との間に、隙間燃料流路301が形成される。
図3に示すように、初期状態からコイル80に電流の通電方向を逆にして通電されるとき、後端側の可動部60がN極、先端側の可動部60がS極となる磁界が生成される。後端側の電磁弁30がN極、ハウジング10の後端側の電磁弁30がS極となる磁界が生成される。このとき、コイル80は、磁石50の磁界と逆方向の磁界を生成する。
コイル80は、磁石50の磁界と逆方向の磁界を生成したとき、磁石50と可動部60との間に可動部反発力Fm_Rが発生し、磁石50と可動部60とが離れようとする。電磁弁30と可動部60との間に電磁弁吸引力Fe_Aが発生し、電磁弁30と可動部60とが吸着される。このとき、可動部60が係止部70により停止しており、電磁弁30は開方向に移動する。電磁弁30は、可動部60に接触して停止する。電磁弁30とプレート部25の後端面254との間に、隙間燃料流路301が形成される。
磁石50の磁界と同一方向の磁界をコイル80が生成後、磁石50の磁界と逆方向の磁界をコイル80が生成したとき、可動部60とともに電磁弁30が閉方向に移動する。可動部60が係止部70に係止され、電磁弁30は停止する。
磁石50の磁界と逆方向の磁界をコイル80が生成後、磁石50の磁界と同一方向の磁界をコイル80が生成したとき、可動部60とともに電磁弁30が開方向に移動する。可動部60が磁石50に接触し、可動部60とともに電磁弁30が停止する。
磁石50の磁界と同一方向または逆方向の磁界をコイル80が生成後、コイル80の通電が停止されたとき、電磁弁付勢力Fs_eによって、電磁弁30は閉方向に移動する。電磁弁30が移動して、プレート部燃料流路251を閉塞する。
初期状態から可動部吸引力Fm_Aが発生したときの電磁弁30が開方向に移動した距離を可動部吸引時電磁弁移動量Le_Aとする。
初期状態から可動部反発力Fm_Rが発生したときの電磁弁30が開方向に移動した距離を可動部反発時電磁弁移動量Le_Rとする。
プレート部燃料流路251の流路面積をプレート部流路面積Acとする。電磁弁吸引力Fe_Aおよび可動部吸引力Fm_Aが発生しているときの隙間燃料流路301の流路面積を吸引時隙間流路面積Ag_Aとする。電磁弁吸引力Fe_Aおよび可動部反発力Fm_Rが発生しているときの隙間燃料流路301の流路面積を反発時隙間流路面積Ag_Rとする。
圧力室流路面積Apは、プレート部流路面積Ac、吸引時隙間流路面積Ag_Aおよび反発時隙間流路面積Ag_Rより大きくなるように設定されている。この設定により、最小流路面積Aminは、プレート部流路面積Ac、吸引時隙間流路面積Ag_Aおよび反発時隙間流路面積Ag_Rになる。
プレート部流路面積Acは、反発時隙間流路面積Ag_Rより大きく吸引時隙間流路面積Ag_Aより小さくなるように設定されている。これにより、最小流路面積Aminは、プレート部流路面積Acまたは反発時隙間流路面積Ag_Rになる。
燃料噴射装置1の作用について説明する。
図1に戻って、初期状態では、コモンレール90から燃料流路14、15を経由して、燃料が第2圧力室20に供給されている。コモンレール90から燃料流路14、16を経由して、燃料がノズル室11に供給されている。
第2圧力P2が背圧面42に作用する全圧力をFp_nとし、ノズル室11の燃料が受圧面41に作用する全圧力をFp_bとする。
初期状態では、以下関係式(1)が満たされており、ニードル40は、弁座13に接触し、噴孔12を閉塞している。
また、初期状態では、以下関係式(2)が満たされており、電磁弁30は、電磁弁スプリング52に付勢され、プレート部燃料流路251を閉塞している。
Fp_n+Fs_n>Fp_b ・・・(1)
Fs_e>0 ・・・(2)
図4に示すように、磁石50の磁界と同一方向の磁界を生成するように、初期状態からコイル80に通電する。このとき、可動部吸引力Fm_Aにより可動部60が開方向に移動し、磁石50に吸着する。また、以下関係式(3)が満たされ、電磁弁30が開方向に移動し、可動部60に吸着する。プレート部燃料流路251が開放され、第2圧力室20の燃料が流出する。
関係式(4)に示すように、プレート部流路面積Acが吸引時隙間流路面積Ag_Aより小さいため、最小流路面積Aminは、プレート部流路面積Acになる。
Fe_A>Fs_e ・・・(3)
Ag_A>Ac ・・・(4)
第2圧力室20の燃料が流出したとき、第2圧力P2が低下し、背圧面42に作用する全圧力Fp_nが低下し、以下関係式(5)が満たされる。
関係式(5)が満たされ、ニードル40が弁座13から離間し、噴孔12が開放される。噴孔12を経由して燃料が外部に噴射される。初期状態から可動部吸引力Fm_Aが発生しているときのニードル移動量Lnを可動部吸引時ニードル移動量Ln_Aとする。
Fp_n+Fs_n<Fp_b ・・・(5)
図5に示すように、磁石50の磁界と逆方向の磁界を生成するように、初期状態からコイル80に通電する。このとき、可動部反発力Fm_Rにより、可動部60と磁石50とが反発し合い、可動部60は、係止部70により停止されている。関係式(3)が満たされ、電磁弁30が開方向に移動する。
電磁弁30が開方向に移動して可動部60に吸着し、プレート部燃料流路251が開放される。プレート部燃料流路251が開放され、第2圧力室20の燃料が流出する。このとき、以下関係式(6)に示すように、反発時隙間流路面積Ag_Rがプレート部流路面積Acより小さいため、最小流路面積Aminは、反発時隙間流路面積Ag_Rになる。
Ac>Ag_R ・・・(6)
第2圧力室20の燃料が流出したとき、第2圧力P2が低下し、背圧面42に作用する全圧力Fp_nが低下し、以下関係式(5)が満たされる。関係式(5)が満たされ、ニードル40が弁座13から離間し、噴孔12が開放される。噴孔12を経由して燃料が外部に噴射される。可動部反発力Fm_Rが発生しているときのニードル移動量Lnを可動部反発時ニードル移動量Ln_Rとする。
可動部反発時電磁弁移動量Le_Rは、可動部60が係止部70に係止され、可動部60が開方向に移動しない分、可動部吸引時電磁弁移動量Le_Aよりも小さい。このため、可動部反発力Fm_Rが発生しているときの第2圧力P2の低下する量または割合は、可動部吸引力Fm_Aが発生しているときの第2圧力P2の低下する量または割合よりも小さい。これにより、可動部反発時ニードル移動量Ln_Rは、可動部吸引時ニードル移動量Ln_Aよりも小さい。可動部吸引力Fm_Aまたは可動部反発力Fm_Rを用いることによって、ニードル移動量Lnが変更される。
燃料噴射装置1は、可動部吸引力Fm_Aまたは可動部反発力Fm_Rを用いることによって、ニードル移動量Lnを変更する。ニードル移動量Lnが変更されることによって、ノズル室11から噴孔12に燃料が流れる流路面積の最小値である噴射流路面積Sが変更される。これにより、燃料噴射装置1は、燃料噴射率Qを変更可能である。
燃料噴射率Qは、例えば、以下関係式(7)のように表される。ここで、Cは、流量係数を表し、構造に起因する係数で無次元数である。ΔPは、ノズル室11の圧力とコモンレール90から供給される圧力との圧力差を表す。ρは、燃料の密度を表す。燃料は非圧縮性であるため、密度ρは定数とみなせる。
Q=C×S×√(2×ΔP/ρ) ・・・(7)
燃料噴射装置1の燃料噴射率Qについて、図6−図9のタイムチャートを参照して説明する。コイル80が磁石50の磁界と同一方向の磁界を生成するときの電流の通電方向を正方向とする。また、コイル80が磁石50の磁界と逆方向の磁界を生成するときの電流の通電方向を負方向とする。
まず、可動部吸引力Fm_Aのみが用いられる場合の燃料噴射率Qについて、図6を参照して説明する。
図6(a)および図6(b)に示すように、時刻t10に、コイル80に通電が開始され、コイル80に正方向の電流が流れる。電磁弁吸引力Fe_Aおよび可動部吸引力Fm_Aが発生する。可動部60の移動とともに電磁弁30が開方向に移動し始める。プレート部燃料流路251が開放される。電磁弁移動量Leが増加する。
時刻t11に、可動部60が磁石50に接触して停止し、電磁弁30が停止する。電磁弁移動量Leが可動部吸引時電磁弁移動量Le_Aになる。
時刻t11から時刻t15まで、電磁弁移動量Leが可動部吸引時電磁弁移動量Le_Aで一定である。プレート部流路面積Acが吸引時隙間流路面積Ag_Aより小さいため、第2圧力室20から燃料が流出する量は、プレート部流路面積Acで決定される。
時刻t15に、コイル80への通電の停止が開始され、可動部60の移動とともに電磁弁30が閉方向に移動し始める。電磁弁移動量Leが減少する。
時刻t16に、コイル80への通電の停止が完了する。電磁弁30がプレート部燃料流路251を閉塞する。
図6(c)および図6(d)に示すように、時刻t11後の時刻t12に、関係式(5)が満たされ、ニードル40が開方向に移動し始める。ニードル移動量Lnが増加する。ノズル室11が開放される。噴射流路面積Sが大きくなり、燃料噴射率Qが増加し始める。
時刻t13に、噴射流路面積Sが噴孔面積Sh以上となり、燃料噴射率Qは、最大燃料噴射率Q_maxになる。
時刻t13から時刻t16まで、燃料噴射率Qは、最大燃料噴射率Q_maxで一定となる。
時刻t14に、ニードル移動量Lnがニードル最大移動量Ln_maxになる。なお、ニードル移動量Lnがニードル最大移動量Ln_max未満のとき、噴射流路面積Sが噴孔面積Sh以上となるように、ニードル移動量Lnまたは噴射流路面積Sが設定されている。ニードル移動量Lnがニードル最大移動量Ln_maxになるとき、噴射流路面積Sが噴孔面積Shとなるように、ニードル移動量Lnまたは噴射流路面積Sが設定されてもよい。
時刻t14から時刻t16まで、ニードル移動量Lnがニードル最大移動量Ln_maxで一定となる。
時刻t16に、関係式(1)が満たされ、ニードル40が閉方向に移動し始める。ニードル移動量Lnが減少する。ノズル室11が閉塞される。噴射流路面積Sが小さくなり、燃料噴射率Qが減少する。
時刻t17に、ニードル40が噴孔12を閉塞する。ニードル移動量Lnおよび燃料噴射率Qがゼロとなり、燃料の噴射が停止する。
このように、可動部吸引力Fm_Aのみが用いられる場合、燃料噴射装置1は、一定の燃料噴射率Qを噴射する矩形噴射が可能である。
次に、可動部反発力Fm_Rのみが用いられる場合の燃料噴射率Qについて、図7を参照して説明する。
図7(a)および図7(b)に示すように、時刻t20に、コイル80への通電が開始され、コイル80に負方向の電流が流れる。電磁弁吸引力Fe_Aおよび可動部反発力Fm_Rが発生する。係止部70によって可動部60は係止された状態である。電磁弁30が開方向に移動し始め、プレート部燃料流路251が開放される。電磁弁移動量Leが増加する。
時刻t21に、電磁弁30が可動部60に接触して停止する。電磁弁移動量Leが可動部反発時電磁弁移動量Le_Rになる。
時刻t21から時刻23まで、電磁弁移動量Leが可動部反発時電磁弁移動量Le_Rで一定である。反発時隙間流路面積Ag_Rがプレート部流路面積Acより小さいため、第2圧力室20から燃料が流出する量は、反発時隙間流路面積Ag_Rで決定される。
時刻t23に、コイル80への通電の停止が開始される。電磁弁30が閉方向に移動し始める。電磁弁移動量Leが減少する。
時刻t24に、コイル80への通電の停止が完了する。電磁弁30がプレート部燃料流路251を閉塞する。
図7(c)および図7(d)に示すように、時刻t21後の時刻t22に、関係式(5)が満たされ、ニードル40が開方向に移動し始める。第2圧力室20から流出する燃料が反発時隙間流路面積Ag_Rにより絞られるため、ニードル移動量Lnが徐々に増加する。ノズル室11が開放され、噴射流路面積Sが徐々に大きくなり、燃料噴射率Qが徐々に増加する。なお、電磁弁移動量Leが可動部反発時電磁弁移動量Le_Rであるとき、噴射流路面積Sは噴孔面積Sh未満となるように設定されている。
時刻t24に、関係式(1)が満たされ、ニードル40が閉方向に移動し始める。ニードル移動量Lnが減少する。ノズル室11が閉塞され、噴射流路面積Sが小さくなり、燃料噴射率Qが減少する。
時刻t25に、ニードル40が噴孔12を閉塞する。ニードル移動量Lnおよび燃料噴射率Qがゼロとなり、燃料の噴射が停止する。
このように、可動部反発力Fm_Rのみが用いられる場合、燃料噴射装置1は、時間に比例して燃料噴射率Qがゼロから増加されるように噴射するデルタ形噴射を可能にする。
それから、可動部反発力Fm_Rが発生した後、可動部吸引力Fm_Aが用いられる場合の燃料噴射率Qについて、図8を参照して説明する。
図8(a)および図8(b)に示すように、時刻t30に、コイル80への通電が開始され、コイル80に負方向の電流が流れる。可動部反発力Fm_Rが発生し、係止部70によって可動部60が係止された状態になる。電磁弁30が開方向に移動し始める。プレート部燃料流路251が開放される。電磁弁移動量Leが増加する。
時刻t31に、電磁弁30が可動部60に接触して停止する。電磁弁移動量Leが可動部反発時電磁弁移動量Le_Rになる。
時刻t31から時刻t34まで、電磁弁移動量Leが可動部反発時電磁弁移動量Le_Rで一定である。第2圧力室20から燃料が流出する量は、反発時隙間流路面積Ag_Rで決定される。
時刻t33に、コイル80への電流が正方向となるように、コイル80への通電方向の変更が開始される。
時刻t34に、コイル80への電流が正方向に切り替わり、可動部吸引力Fm_Aが発生する。可動部60の移動とともに電磁弁30が開方向に移動し始める。電磁弁移動量Leが増加する。
時刻t35に、可動部60が磁石50に接触して停止し、電磁弁30が停止する。電磁弁移動量Leが可動部吸引時電磁弁移動量Le_Aになる。
時刻t35から時刻t37まで、電磁弁移動量Leが可動部吸引時電磁弁移動量Le_Aで一定である。第2圧力室20から燃料が流出する量は、プレート部流路面積Acで決定される。
時刻t38に、コイル80への通電の停止が開始される。可動部60の移動とともに電磁弁30が閉方向に移動し始める。電磁弁移動量Leが減少する。
時刻t39に、コイル80への通電の停止が完了する。電磁弁30がプレート部燃料流路251を閉塞する。
図8(c)および図8(d)に示すように、時刻t31後の時刻t32に、関係式(5)が満たされ、ニードル40が開方向に移動し始める。第2圧力室20から流出する燃料が反発時隙間流路面積Ag_Rにより絞られるため、ニードル移動量Lnが徐々に増加する。ノズル室11が開放される。噴射流路面積Sが徐々に大きくなり、燃料噴射率Qが徐々に増加する。
時刻t35に、電磁弁30が開方向にさらに移動し、第2圧力P2がさらに低下する。ニードル40が開方向にさらに移動し、ニードル移動量Lnの変化量が大きくなる。噴射流路面積Sがさらに大きくなり、燃料噴射率Qがさらに大きくなる。また、燃料噴射率Qの変化量が大きくなる。
時刻t36に、噴射流路面積Sが噴孔面積Sh以上となり、燃料噴射率Qは、最大燃料噴射率Q_maxになる。
時刻t36から時刻t39まで、燃料噴射率Qは、最大燃料噴射率Q_maxで一定となる。
時刻t37に、ニードル移動量Lnがニードル最大移動量Ln_maxになる。
時刻t37から時刻t39まで、ニードル移動量Lnがニードル最大移動量Ln_maxで一定となる。
時刻t39に、関係式(1)が満たされ、ニードル40が閉方向に移動し始める。ニードル移動量Lnが減少する。ノズル室11が閉塞され、噴射流路面積Sが小さくなり、燃料噴射率Qが減少する。
時刻t40に、ニードル40が噴孔12を閉塞し、ニードル移動量Lnおよび燃料噴射率Qがゼロとなり、燃料の噴射が停止する。
このように、可動部反発力Fm_Rが発生した後、可動部吸引力Fm_Aが用いられる場合、燃料噴射装置1は、デルタ形噴射から矩形噴射へ噴射を変更する可変噴射を可能にする。
最後に、可動部吸引力Fm_Aが発生した後、可動部反発力Fm_Rが用いられる場合の燃料噴射率Qについて、図9を参照して説明する。
図9(a)および図9(b)に示すように、時刻t50に、コイル80に通電が開始され、コイル80に正方向の電流が流れる。電磁弁吸引力Fe_Aおよび可動部吸引力Fm_Aが発生する。可動部60の移動とともに電磁弁30が開方向に移動し始める。プレート部燃料流路251が開放される。電磁弁移動量Leが増加する。このとき、第2圧力室20から燃料が流出する量は、プレート部流路面積Acで決定される。
時刻t51に、可動部60が磁石50に接触して停止し、電磁弁30が停止する。電磁弁移動量Leが可動部吸引時電磁弁移動量Le_Aになる。
時刻t51から時刻t55まで、電磁弁移動量Leが可動部吸引時電磁弁移動量Le_Aで一定である。
時刻t54に、コイル80への電流が負方向となるように、コイル80への通電方向の変更が開始される。
時刻t55に、コイル80への電流が負方向に切り替わり、可動部反発力Fm_Rが発生する。可動部60とともに電磁弁30が閉方向に移動し始める。電磁弁移動量Leが減少する。
時刻t56に、可動部60が係止部70に係止され、電磁弁30が停止する。電磁弁移動量Leが可動部反発時電磁弁移動量Le_Rになる。
時刻t56から時刻t57まで、電磁弁移動量Leが可動部反発時電磁弁移動量Le_Rで一定である。第2圧力室20から燃料が流出する量は、反発時隙間流路面積Ag_Rで決定される。
時刻t57に、コイル80への通電の停止が開始される。電磁弁30が閉方向に移動し始める。電磁弁移動量Leが減少する。
時刻t58に、コイル80への通電の停止が完了する。電磁弁30がプレート部25に接触し、プレート部燃料流路251を閉塞する。
図9(c)および図9(d)に示すように、時刻t51後の時刻t52に、関係式(5)が満たされ、ニードル40が開方向に移動し始める。ニードル移動量Lnが増加する。
ノズル室11が開放される。噴射流路面積Sが大きくなり、燃料噴射率Qが増加し始める。
時刻t53に、噴射流路面積Sが噴孔面積Sh以上となり、燃料噴射率Qは、最大燃料噴射率Q_maxになる。
時刻t53から時刻t58まで、燃料噴射率Qは、最大燃料噴射率Q_maxで一定となる。
時刻t54に、ニードル移動量Lnがニードル最大移動量Ln_maxになる。
時刻t54から時刻t58まで、ニードル移動量Lnがニードル最大移動量Ln_maxで一定となる。
時刻t58に、関係式(1)が満たされ、ニードル40が閉方向に移動し始める。ニードル移動量Lnが減少する。ノズル室11が閉塞され、噴射流路面積Sが小さくなり、燃料噴射率Qが減少する。
時刻t59に、ニードル40が噴孔12を閉塞し、ニードル移動量Lnおよび燃料噴射率Qがゼロとなり、燃料の噴射が停止する。
このように、可動部吸引力Fm_Aが発生した後、可動部反発力Fm_Rを用いる場合、燃料噴射装置1は、電磁弁移動量Leが閉方向に移動する量が小さくなる。このため、燃料噴射装置1は、矩形噴射後からニードル40が噴孔12を閉塞するまでの時間を短縮できる。
従来、特許文献1に記載されているように、1つのニードルが段階的に移動することによって、第1圧力室および第2圧力室の圧力が変化し、第1ピストンおよび第2ピストンが段階的にリフトする燃料噴射装置が知られている。
特許文献1の構成では、電流の大きさによる吸引力とバネ力とで、中間位置までのニードルの移動量が決定されている。このため、電流バラツキにより、ニードルの移動量にバラツキが生じ、燃料噴射率にバラツキが大きくなる。
そこで、本実施形態の燃料噴射装置1は、ニードル40の移動を段階的に制御し、ニードル40のニードル移動量Lnおよび燃料噴射率Qのバラツキを低減する。
(効果)
[1]コイル80の通電方向を変更することで、コイル80は、磁石50の磁界と同一方向または逆方向の磁界を生成する。コイル80は、磁界を生成するとき、電磁弁吸引力Fe_Aが発生し、電磁弁30と可動部60とが吸着する。
磁石50の磁界と同一方向の磁界をコイル80が生成したとき、可動部吸引力Fm_Aが発生し、可動部60とともに電磁弁30が磁石50に向かって移動する。
一方、磁石50の磁界と逆方向の磁界をコイル80が生成したとき、可動部反発力Fm_Rが発生し、可動部60が係止部70に係止され、電磁弁30が開閉方向に移動する。
コイル80が生成する磁界の向きの変更および係止部70によって、可動部吸引時電磁弁移動量Le_Aまたは可動部反発時電磁弁移動量Le_Rの2つの電磁弁移動量Leを電磁弁30は移動する。電磁弁移動量Leが移動して、第2圧力室20から燃料が流出する量を決定するプレート部流路面積Acまたは反発時隙間流路面積Ag_Rに変更する。
このため、第2圧力室20から燃料が流出する量を変更でき、ニードル移動量Lnを段階的に変更できる。
また、コイル80が生成する磁界の向きの変更することだけで、電磁弁30の位置が決定されるため、電流のバラツキによる影響を受けない。このため、ニードル移動量Lnのバラツキが低減され、燃料噴射率Qのバラツキが低減される。
(第2実施形態)
第2実施形態では、ハウジング、プレート部および電磁弁の形態が異なる点を除き、第1実施形態と同様である。
図10に示すように、第2実施形態の燃料噴射装置2のハウジング110は、燃料流路17に代替して、燃料流路21が形成されている。
燃料流路21は、先端側の第1圧力室19と燃料流路18に連通している。また、燃料流路21の流路面積は、燃料流路17の流路面積と同様に、設定されている。
さらに、燃料流路18は、第1圧力室19と連通しないように形成されている。
プレート部125は、2つのプレート部燃料流路252、253を有する。
プレート部燃料流路252、253は、一端がハウジング110の径方向に第1圧力室19と連通し、他端がハウジング110の軸方向に第2圧力室20と連通する。
プレート部燃料流路252、253は、L字形状の断面を含み、径が一様に形成されている。
一方のプレート部燃料流路を第1プレート部燃料流路252とする。他方のプレート部燃料流路を第2プレート部燃料流路253とする。
第1プレート部燃料流路252は、第2プレート部燃料流路253よりも後端側で、第1圧力室19と連通している。
第1プレート部燃料流路252の流路面積を第1プレート部流路面積Ac1とする。第2プレート部燃料流路253の流路面積を第2プレート部流路面積Ac2とする。
第1プレート部流路面積Ac1は、第2プレート部流路面積Ac2よりも大きくなるように、すなわち、以下関係式(8)が満たされるように、設定されている。第1プレート部流路面積Ac1および第2プレート部流路面積Ac2は、隙間燃料流路301の流路面積および圧力室流路面積Apよりも小さくなるように設定されている。
Ac1>Ac2 ・・・(8)
電磁弁130は、先端に閉塞部131を有し、プレート部燃料流路252、253を開閉可能である。
閉塞部131は、紡錘形状に形成されている。
初期状態では、閉塞部131は、燃料流路21を閉塞しており、プレート部燃料流路252、253は、閉塞されていない。
コモンレール90からの燃料は、燃料流路14、15を経由し、第2圧力室20に流入する。第2圧力室20に流入した燃料は、第1プレート部燃料流路252または第2プレート部燃料流路253を経由して、第1圧力室19に流入する。
電磁弁130が燃料流路21を開放したとき、第1圧力室19に流入した燃料は、第1圧力室19内または燃料流路21を経由して、燃料流路18に流入する。燃料流路18に流入した燃料は、外部に流出する。
図11に示すように、初期状態からコイル80が磁石50の磁界と同一方向の磁界を生成したとき、可動部吸引力Fm_Aおよび電磁弁吸引力Fe_Aにより、可動部60とともに電磁弁130が開方向に移動する。電磁弁130は、燃料流路21を開放し、第1プレート部燃料流路252を閉塞する。第2プレート部燃料流路253が開放されており、第2圧力室20からの燃料の流出する量は、第2プレート部流路面積Ac2によって決定される。なお、第1プレート部燃料流路252が閉塞されるように、第1圧力室19の一部は、閉塞部131に対応するテーパ形状に形成されている。
図12に示すように、初期状態からコイル80が磁石50の磁界と逆方向の磁界を生成したとき、可動部反発力Fm_Rにより、可動部60は係止部70に係止される。電磁弁吸引力Fe_Aにより、電磁弁130が開方向に移動し、燃料流路21を開放する。プレート部燃料流路252、253が開放されており、第2圧力室20からの燃料の流出する量は、第1プレート部流路面積Ac1と第2プレート部流路面積Ac2との和によって決定される。なお、可動部反発力Fm_Rが発生したとき、電磁弁130が第2プレート部燃料流路253を閉塞してもよい。
第2実施形態においても、コイル80が生成する磁界の向きの変更および係止部70によって、電磁弁移動量Leを変更し、第2圧力室20からの燃料の流出する量を変更できる。このため、第1実施形態と同様の効果を奏する。
さらに、第2実施形態では、第1プレート部流路面積Ac1と第2プレート部流路面積Ac2との和によって、第2圧力室20からの燃料の流出する量が決定される。このため、第2圧力P2の低下する割合を大きくすることができ、矩形噴射がしやすくなる。
(第3実施形態)
第3実施形態では、ハウジングおよび電磁弁の形態が異なる点を除き、第1実施形態と同様である。
図13に示すように、第3実施形態の燃料噴射装置3のハウジング210は、燃料流路17に代替して、第1ハウジング燃料流路22および第2ハウジング燃料流路23が形成されている。
第1ハウジング燃料流路22および第2ハウジング燃料流路23は、第1圧力室19と燃料流路18とに連通している。
燃料流路18は、第1圧力室19と連通しないように形成されている。
第1ハウジング燃料流路22は、第2ハウジング燃料流路23よりも後端側で、先端側の第1圧力室19に連通している。
第1ハウジング燃料流路22の流路面積を第1ハウジング流路面積Ah1とする。第2ハウジング燃料流路23の流路面積を第2ハウジング流路面積Ah2とする。
第1ハウジング流路面積Ah1は、第2ハウジング流路面積Ah2よりも大きくなるように、すなわち、以下関係式(9)が満たされるように、設定されている。なお、第1ハウジング流路面積Ah1および第2ハウジング流路面積Ah2は、プレート部流路面積Acおよび隙間燃料流路301の流路面積よりも小さくなるように設定されている。
Ah1>Ah2 ・・・(9)
電磁弁230は、第2実施形態と同様に、先端に閉塞部231を有し、第1ハウジング燃料流路22および第2ハウジング燃料流路23を開閉可能である。
閉塞部231は、紡錘形状に形成されている。
初期状態では、閉塞部231は、プレート部燃料流路251を閉塞しており、ハウジング燃料流路22、23は閉塞されていない。
コモンレール90からの燃料は、燃料流路14、15を経由し、第2圧力室20に流入する。
電磁弁230がプレート部燃料流路251を開放したとき、第2圧力室20に流入した燃料は、プレート部燃料流路251を経由して、先端側の第1圧力室19に流入する。先端側の第1圧力室19に流入した燃料は、第1ハウジング燃料流路22または第2ハウジング燃料流路23を経由して、燃料流路18に流入する。燃料流路18に流入した燃料は、外部に流出する。
図14に示すように、初期状態からコイル80が磁石50の磁界と同一方向の磁界を生成したとき、可動部吸引力Fm_Aおよび電磁弁吸引力Fe_Aにより、可動部60とともに電磁弁230が開方向に移動する。電磁弁230は、プレート部燃料流路251を開放し、第1ハウジング燃料流路22を閉塞する。第2圧力室20からの燃料の流出する量は、第2ハウジング流路面積Ah2によって決定される。なお、第1ハウジング燃料流路22が閉塞されるように、第1圧力室19の一部は、閉塞部231に対応するテーパ形状に形成されている。
図15に示すように、初期状態からコイル80が磁石50の磁界と逆方向の磁界を生成したとき、可動部反発力Fm_Rにより、可動部60は係止部70に係止される。電磁弁吸引力Fe_Aにより、電磁弁230が開方向に移動し、プレート部燃料流路251を開放する。第1ハウジング燃料流路22および第2ハウジング燃料流路23が開放されている。第2圧力室20からの燃料の流出する量は、第1ハウジング流路面積Ah1と第2ハウジング流路面積Ah2との和によって決定される。なお、可動部反発力Fm_Rが発生したとき、電磁弁230が第2ハウジング燃料流路23を閉塞してもよい。
第3実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。さらに、第3実施形態では、第2実施形態と同様に、第1ハウジング流路面積Ah1と第2ハウジング流路面積Ah2との和によって、第2圧力室20からの燃料の流出する量が決定される。このため、第2圧力P2の低下する割合を大きくすることができ、矩形噴射がしやすくなる。
(第4実施形態)
第4実施形態では、コイルを2つ備える点を除き、第1実施形態と同様である。
図16に示すように、第4実施形態の燃料噴射装置4は、2つのコイル181、182および充電部183を備える。
一方のコイルを第1コイル181とし、他方のコイルを第2コイル182とする。
第1コイル181は、第2コイル182よりもハウジング10の径方向内側に設けられている。
第1コイル181の巻線方向は、第2コイル182の巻線方向と逆に設定されている。2つのコイル181、182を用いることによって、コイル181、182への通電方向を一定可能である。
磁石50の磁界と同一方向の磁界を生成するとき、第1コイル181は通電されており、第2コイル182は停止している。このとき、第1コイル181が生成する磁界によって、第2コイル182には、第1誘導起電力V1が発生する。
磁石50の磁界と逆方向の磁界を生成するとき、第1コイル181は停止しており、第2コイル182は通電される。このとき、同様に、第1コイル181には、第2誘導起電力V2が発生する。
充電部183は、コイル181、182に接続されている。
充電部183は、例えば、コンデンサであり、第1誘導起電力V1または第2誘導起電力V2を充電可能である。
第4実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。
(第5実施形態)
第5実施形態では、ハウジング、プレート部、ニードル、電磁弁、磁石、可動部および係止部の形態が異なり、圧力制御プレートが追加されている点を除き、第1実施形態と同様である。
図17に示すように、燃料噴射装置91のハウジング310の第2圧力室20は、ハウジング310の軸方向の断面がT字形状となるように形成されている。
プレート部325は、2つのプレート部燃料流路255、256を有する。
プレート部燃料流路255、256は、ハウジング310の軸方向に沿って形成されており、第1圧力室19および第2圧力室20に連通している。
また、プレート部燃料流路255、256は、径が一様に形成されている。
一方のプレート部燃料流路を第3プレート部燃料流路255とし、他方のプレート部燃料流路を第4プレート部燃料流路256とする。
第3プレート部燃料流路255は、プレート部325の中央に形成されている。
第4プレート部燃料流路256は、プレート部325の端部側で形成されている。特許請求の範囲の第1プレート部燃料流路は、第3プレート部燃料流路255に相当する。また、特許請求の範囲の第2プレート部燃料流路は、第4プレート部燃料流路256に相当する。
また、プレート部325は、第1プレート溝326および第2プレート溝327が後端面254に形成されている。
第1プレート溝326は、第3プレート部燃料流路255に連通しており、円形形状に形成されている。
第2プレート溝327は、第4プレート部燃料流路256に連通しており、環状に形成されている。
第5実施形態における第3プレート部燃料流路255の流路面積を第3プレート部流路面積Ac3とする。第4プレート部燃料流路256の流路面積を第4プレート部流路面積Ac4とする。
第3プレート部流路面積Ac3は、第4プレート部流路面積Ac4以上となるように、すなわち、関係式(10)が満たされるように、設定されている。第3プレート部流路面積Ac3および第4プレート部流路面積Ac4は、隙間燃料流路301の流路面積よりも小さくなるように設定されている。
Ac3≧Ac4 ・・・(10)
ニードル340は、ニードル鍔部44をさらに有する。
ニードル鍔部44は、ニードル340の中央に形成されている。
また、ニードル鍔部44は、ニードル340の径方向の断面が環状となるように形成されており、ニードル340の径方向内側から径方向外側に延びている。
第5実施形態のニードル340では、ニードル鍔部44が受圧面41を有する。
ニードルスプリング43は、ニードル鍔部44とハウジング内部との間に設けられ、ニードル鍔部44を付勢して、ニードル340を付勢する。
電磁弁330は、非磁性体で形成されている。
また、電磁弁330は、圧着等により第1可動部361に接合されている。
電磁弁330は、第3プレート部燃料流路255を開閉する。
初期状態では、電磁弁330の先端は、第1プレート溝326に係合し、電磁弁330は、第1プレート部燃料流路253を閉塞している。
電磁弁スプリング52は、第1可動部361と固定部材51との間に設けられており、第1可動部361および電磁弁330を電磁弁付勢力Fs_eで付勢している。
磁石350は、ハウジング310の径方向の断面が環状となるように形成されている。
また、磁石350は、磁石穴351を有する。磁石穴351を介して固定部材51が挿入され、ハウジング310の後端部105に固定されている。
燃料噴射装置91は、2つの可動部361、362を備える。
一方の可動部を第1可動部361とする。他方の可動部を第2可動部362とする。
第1可動部361は、第2可動部362よりもハウジング310の後端側に設けられている。
第1可動部361および第2可動部362は、筒状に形成されており、環状形状の断面を有する。
また、第1可動部361および第2可動部362は、第1実施形態と同様に、磁性体で形成されている。
第1可動部361は、磁石350と係止部370との間に設けられ、電磁弁330とともに、電磁弁330の開閉方向に移動可能である。図において、第1可動部361と永久磁石350との間の空間は、誇張して記載されている。第1可動部361と永久磁石350との間の空間は、比較的小さく形成されている。
さらに、第1可動部361は、第1可動部凸部363を有する。
第1可動部凸部363は、電磁弁330に向かって延びており、電磁弁330と接触可能である。初期状態では、第1可動部凸部363は、電磁弁330に接触している。
初期状態では、第1可動部361は、係止部370に係止されている。
コイル80が磁石350の磁界と同一方向の磁界を生成したとき、磁石350と第1可動部361との間に第1可動部吸引力Fm1_Aが発生する。磁石350と第1可動部361とが吸着しようとする。なお、第1可動部吸引力Fm1_Aは、電磁弁付勢力Fs_eよりも大きく設定されている。
また、第5実施形態では、電磁弁330が非磁性体であるため、電磁弁330と第1可動部361との間に電磁弁吸引力Fe_Aが発生しない。電磁弁330と第1可動部361とが接合されている。
コイル80が磁石350の磁界と逆方向の磁界を生成したとき、磁石350と第1可動部361との間に第1可動部反発力Fm1_Rが発生する。磁石350と第1可動部361とが離れようとする。また、電磁弁330と第1可動部361との間に電磁弁吸引力Fe_Aが発生する。電磁弁330と第1可動部361とが吸着されたままである。
初期状態からコイル80が磁石350の磁界と逆方向の磁界を生成したとき、第1可動部反発力Fm1_Rが発生する。第1可動部361が係止部370により係止され、移動しない。また、第1可動部361が移動しないため、電磁弁330と第1可動部361とは吸着されたまま、電磁弁330も移動しない。
第2可動部362は、挿入穴を有し、電磁弁330を収容しており、電磁弁330の側面に摺動可能である。
また、第2可動部362は、第4プレート部燃料流路256を開閉する方向に移動可能である。図において、第2可動部362と、電磁弁330および係止部370との間の空間は、誇張して記載されている。第2可動部362と、電磁弁330および係止部370との間の空間は、比較的小さく形成されている。
さらに、第2可動部362は、第2可動部凸部365、第2可動部スプリング366および第2可動部凹部367を有する。
第2可動部凸部365は、環状形状の断面を有し、プレート部325に向かって延びており、プレート部325と接触可能である。プレート部325には、第2可動部凸部365に対応する第2プレート溝327が形成されている。第2プレート溝327の一部が第4プレート部燃料流路256と連通している。
第2可動部スプリング366は、第2可動部362の後端と係止部370との間に設けられ、第4プレート部燃料流路256を閉じる方向に第2可動部362を付勢する。
第2可動部凹部367は、第2可動部スプリング366を収容している。第2可動部凹部367により、第2可動部スプリング366の位置決めがしやすくなる。
初期状態では、第2可動部凸部365が第2プレート溝327に係合し、第2可動部362は、第4プレート部燃料流路256を閉塞している。
コイル80が磁石350の磁界と同一方向の磁界を生成したとき、第1可動部361と第2可動部362との間に第2可動部吸引力Fm2_Aが発生する。第1可動部361と第2可動部362とが吸着しようとする。
コイル80が磁石350の磁界と逆方向の磁界を生成したとき、第1可動部361と第2可動部362との間に第2可動部吸引力Fm2_Aが発生する。第1可動部361と第2可動部362とが吸着しようとする。
第2可動部吸引力Fm2_Aは、第2可動部スプリング366の付勢力よりも大きく設定されている。
係止部370は、板状に形成されており、環状形状の断面を有する。
また、係止部370は、係止部穴371を有する。初期状態では、係止部穴371に第1可動部凸部363が位置するように設定されている。
さらに、係止部370は、第1可動部361と第2可動部362との間で、第1圧力室19に収容されている。
燃料噴射装置91は、圧力制御プレート380をさらに備える。
圧力制御プレート380は、板状に形成され、プレート部325よりも先端側に設けられ、第2圧力室20に収容されており、第2圧力P2を制御する。
また、圧力制御プレート380は、2つの燃料流路である制御流路381、382および制御プレートスプリング383を有する。
制御流路381、382は、中央で絞られた形状をしている。
一方の制御流路を第1制御流路381とする。他方の制御流路を第2制御流路382とする。
第1制御流路381は、第3プレート部燃料流路255と第2圧力室20とに連通している。
第2制御流路382は、第4プレート部燃料流路256と第2圧力室20とに連通している。
第1制御流路381の流路面積を第1制御流路面積Aq1とする。第2制御流路382の流路面積を第2制御流路面積Aq2とする。
第1制御流路面積Aq1は、第3プレート部流路面積Ac3よりも小さくなるように、すなわち、以下関係式(11)を満たすように、設定されている。
第2制御流路面積Aq2は、第4プレート部流路面積Ac4よりも小さくなるように、すなわち、以下関係式(12)を満たすように、設定されている。
また、第2制御流路面積Aq2は、第1制御流路面積Aq1よりも小さくなるように、すなわち、以下関係式(13)を満たすように、設定されている。
Ac3>Aq1 ・・・(11)
Ac4>Aq2 ・・・(12)
Aq1>Aq2 ・・・(13)
制御プレートスプリング383は、先端側の圧力制御プレート380とハウジング310の内部との間に設けられており、圧力制御プレート380を後端側に付勢する。
初期状態では、制御プレートスプリング383の付勢力および第2圧力P2がコモンレールの圧力よりも大きく設定されており、圧力制御プレート380は、燃料流路15を閉塞している。第5実施形態では、燃料流路15は、ハウジング310の径方向の断面が環状となるように形成されている。
燃料噴射装置91の作用について説明する。
図18に示すように、磁石350の磁界と同一方向の磁界を生成するように、初期状態からコイル80に通電する。第1可動部吸引力Fm1_Aにより第1可動部361が開方向に移動し、磁石350に吸着しようとする。
また、第1可動部361と電磁弁330とが接合されており、第1可動部361とともに電磁弁330が開方向に移動する。第1プレート部燃料流路253が開放される。第1制御流路381および第1プレート部燃料流路253を経由して、第2圧力室20の燃料が流出する。
同時に、第2可動部吸引力Fm2_Aにより第2可動部362が開方向に移動し、第1可動部361に吸着しようとする。第4プレート部燃料流路256が開放される。第2制御流路382および第4プレート部燃料流路256を経由して、第2圧力室20の燃料が流出する。このときの最小流路面積Aminは、第1制御流路面積Aq1および第2制御流路面積Aq2の和になる。
ニードル340が開方向に移動する。燃料が噴孔12から噴射される。
図19に示すように、磁石350の磁界と逆方向の磁界を生成するように、初期状態からコイル80に通電する。第1可動部反発力Fm1_Rは発生するが、第1可動部361は係止部370に係止されたままである。
第1可動部361および電磁弁330は、停止したままであり、第1プレート部燃料流路253は閉塞されたままである。
同時に、第2可動部吸引力Fm2_Aにより第2可動部362が開方向に移動し、第1可動部361に吸着しようとする。第4プレート部燃料流路256が開放される。第2制御流路382および第4プレート部燃料流路256を経由して、第2圧力室20の燃料が流出する。このときの最小流路面積Aminは、第2制御流路面積Aq2である。
ニードル340が開方向に移動する。燃料が噴孔12から噴射される。磁石350の磁界と同一方向の磁界を生成したときの燃料噴射率Qは、磁石350の磁界と逆方向の磁界を生成したときの燃料噴射率Qよりも大きい。
このように、燃料噴射装置91では、コイル80が生成する磁界の向きの変更および係止部70によって、第2圧力室20からの燃料の流出する量を変更できる。このため、第1実施形態と同様の効果を奏する。
次に、圧力制御プレート380の作用について説明する。
図18および図19に示すように、圧力制御プレート380は、燃料流路15を閉塞している。第1プレート部燃料流路253または第4プレート部燃料流路256が開放され、ニードル340が開方向に移動する。噴孔12から燃料が噴射される。燃料流路15が閉塞されているため、燃料流路15から第2圧力室20に燃料が流入されない。
第2圧力P2が低下するに伴い、第2圧力P2および制御プレートスプリング383の付勢力よりも燃料流路15の燃料の圧力が大きくなる。圧力制御プレート380が開方向に移動し、燃料流路15を開放する。燃料流路15から第2圧力室20を経由し、第3プレート部燃料流路255または第4プレート部燃料流路256を経由して燃料が外部へ流出する。
図20に示すように、第3プレート部燃料流路255および第4プレート部燃料流路256が閉塞されたとき、第3プレート部燃料流路255および第4プレート部燃料流路256における比較的高い圧力の燃料が第2圧力室20に流入する。また、燃料流路15から第2圧力室20に高い圧力の燃料が流入する。
第2圧力P2が上昇するに伴い、第2圧力P2および制御プレートスプリング383の付勢力よりも燃料流路15の燃料の圧力が大きくなる。圧力制御プレート380が開方向に移動し、燃料流路15を開放する。ニードル340が閉方向に移動し、噴孔12から燃料が停止する。圧力制御プレート380が燃料流路15を閉塞する。
燃料噴射装置91では、燃料の噴射開始時に、燃料流路15が閉塞されているため、燃料流路15から第2圧力室20に燃料が流入されない。また、燃料の噴射完了時に、燃料流路15だけでなく第3プレート部燃料流路255および第4プレート部燃料流路256における燃料も第2圧力室20に流入するため、第2圧力P2の上昇の応答性が向上する。第2圧力P2の応答性が向上し、ニードル移動量Lnの応答性が向上する。したがって、燃料噴射率Qの応答性が向上する。
第5実施形態の燃料噴射装置91の燃料噴射率Qについて、図21−図24のタイムチャートを参照して説明する。
初期状態から第1可動部361が電磁弁330の開方向に移動した距離を第1可動部移動量Lm1とする。なお、第5実施形態において、第1可動部移動量Lm1と電磁弁移動量Leとは等しい。
初期状態から第1可動部吸引力Fm1_Aが発生したときの第1可動部361が移動した距離を吸引時第1可動部移動量Lm1_Aとする。
吸引時第1可動部移動量Lm1_Aは、第1可動部吸引力Fm1_Aがつり合う位置で、第1可動部移動量Lm1の最大値である。
初期状態から第2可動部362が第4プレート部燃料流路256を開く方向に移動した距離を第2可動部移動量Lm2とする。
初期状態から第2可動部吸引力Fm2_Aが発生したときの第2可動部362が移動した距離を吸引時第2可動部移動量Lm2_Aとする。
吸引時第2可動部移動量Lm2_Aは、第2可動部吸引力Fm2_Aと第2可動部スプリング366の付勢力がつり合う位置で、第2可動部移動量Lm2の最大値である。
まず、磁石350の磁界と同一方向の磁界を生成する場合の燃料噴射率Qについて、図21を参照して説明する。
図21(a)、図21(b)および図21(c)に示すように、時刻t60に、コイル80に通電が開始され、コイル80に正方向の電流が流れる。第1可動部吸引力Fm1_Aおよび第2可動部吸引力Fm2_Aが発生する。電磁弁330が第1プレート部燃料流路253を開放する。第2可動部362が第4プレート部燃料流路256を開放する。第1可動部移動量Lm1および第2可動部移動量Lm2が増加する。
時刻t61に、第1可動部移動量Lm1が吸引時第1可動部移動量Lm1_Aになり、第2可動部移動量Lm2が吸引時第2可動部移動量Lm2_Aになる。
時刻t61から時刻t63まで、第1可動部移動量Lm1は、吸引時第1可動部移動量Lm1_Aで一定であり、第2可動部移動量Lm2は、吸引時第2可動部移動量Lm2_Aで一定である。
時刻t63に、コイル80への通電の停止が開始される。電磁弁330が第1プレート部燃料流路253を閉塞し始める。第2可動部362が第4プレート部燃料流路256を閉塞し始める。第1可動部移動量Lm1および第2可動部移動量Lm2が減少する。
時刻t64に、コイル80への通電の停止が完了する。電磁弁330が第1プレート部燃料流路253を閉塞する。第2可動部362が第4プレート部燃料流路256を閉塞する。第1可動部移動量Lm1および第2可動部移動量Lm2がゼロになる。
図21(d)および図21(e)に示すように、時刻t61に、ニードル340が開方向に移動し始め、ニードル移動量Lnが増加する。ノズル室11が開放され、噴射流路面積Sが大きくなり、燃料噴射率Qが増加し始める。
時刻t62に、ニードル移動量Lnがニードル最大移動量Ln_maxになる。また、燃料噴射率Qは、最大燃料噴射率Q_maxになる。
時刻t62から時刻t64まで、ニードル移動量Lnは、ニードル最大移動量Ln_maxで一定となり、燃料噴射率Qは、最大燃料噴射率Q_maxで一定となる。
時刻t64に、ニードル40が閉方向に移動し始める。ニードル移動量Lnが減少する。ノズル室11が閉塞され、噴射流路面積Sが小さくなり、燃料噴射率Qが減少する。
時刻t65に、ニードル40が噴孔12を閉塞する。ニードル移動量Lnおよび燃料噴射率Qがゼロとなり、燃料の噴射が停止する。
次に、磁石350の磁界と逆方向の磁界を生成する場合の燃料噴射率Qについて、図22を参照して説明する。
図22(a)、図22(b)および図22(c)に示すように、時刻t70に、コイル80への通電が開始され、コイル80に負方向の電流が流れる。第1可動部反発力Fm1_Rおよび第2可動部吸引力Fm2_Aが発生する。係止部370によって第1可動部361は係止された状態である。電磁弁330は第1プレート部燃料流路253を閉塞した状態である。第1可動部移動量Lm1はゼロである。第2可動部362が第4プレート部燃料流路256を開放する。第2可動部移動量Lm2が増加する。
時刻t71に、第2可動部移動量Lm2が吸引時第2可動部移動量Lm2_Aになる。
時刻t71から時刻t72まで、第2可動部移動量Lm2は吸引時第2可動部移動量Lm2_Aで一定である。
時刻t72に、コイル80への通電の停止が開始される。第2可動部362が第4プレート部燃料流路256を閉塞し始める。第2可動部移動量Lm2が減少する。
時刻t73に、コイル80への通電の停止が完了する。第2可動部362が第4プレート部燃料流路256を閉塞する。第2可動部移動量Lm2がゼロになる。
図22(d)および図22(e)に示すように、時刻t71に、ニードル340が開方向に移動し始める。第2圧力室20から流出する燃料が第4プレート部燃料流路256であるため、ニードル移動量Lnが徐々に増加する。燃料噴射率Qが徐々に増加する。
時刻t73に、ニードル340が閉方向に移動し始める。ニードル移動量Lnが減少する。燃料噴射率Qが減少する。
時刻t74に、ニードル340が噴孔12を閉塞する。ニードル移動量Lnおよび燃料噴射率Qがゼロとなり、燃料の噴射が停止する。
それから、磁石350の磁界と逆方向の磁界を生成した後、磁石350の磁界と同一方向の磁界を生成する場合の燃料噴射率Qについて、図23を参照して説明する。
図23(a)、図23(b)および図23(c)に示すように、時刻t80に、コイルへの通電が開始され、コイル80に負方向の電流が流れる。第1可動部反発力Fm1_Rおよび第2可動部吸引力Fm2_Aが発生する。第1可動部移動量Lm1はゼロである。第2可動部362が第4プレート部燃料流路256を開放する。第2可動部移動量Lm2が増加する。
時刻t81に、第2可動部移動量Lm2が吸引時第2可動部移動量Lm2_Aになる。
時刻t81から時刻t85まで、第2可動部移動量Lm2は、吸引時第2可動部移動量Lm2_Aで一定である。
時刻t82に、コイル80への電流が正方向となるように、コイル80への通電方向の変更が開始される。
時刻t83に、コイル80への電流が正方向に切り替わり、第1可動部吸引力Fm1_Aが発生する。第1可動部361とともに電磁弁330が開方向に移動し始める。電磁弁330が第1プレート部燃料流路253を開放する。第1可動部移動量Lm1が増加する。
時刻t84に、第1可動部移動量Lm1が吸引時第1可動部移動量Lm1_Aになる。
時刻t84から時刻t86まで、第1可動部移動量Lm1は、吸引時第1可動部移動量Lm1_Aで一定である。
時刻t86に、コイル80への通電の停止が開始される。電磁弁330が第1プレート部燃料流路253を閉塞し始める。第2可動部362が第4プレート部燃料流路256を閉塞し始める。第1可動部移動量Lm1および第2可動部移動量Lm2が減少する。
時刻t87に、コイル80への通電の停止が完了する。電磁弁330が第3プレート部燃料流路255を閉塞する。第2可動部362が第4プレート部燃料流路256を閉塞する。第2可動部移動量Lm2がゼロになる。
図23(d)および図23(e)に示すように、時刻t81に、ニードル340が開方向に移動し始める。ニードル移動量Lnが徐々に増加する。燃料噴射率Qが徐々に増加する。
時刻t84に、第1プレート部燃料流路253が開放されるため、ニードル移動量Lnがさらに増加する。また、燃料噴射率Qがさらに増加する。
時刻t85から時刻t87まで、燃料噴射率Qは、最大燃料噴射率Q_maxで一定となる。
時刻t87に、ニードル340が閉方向に移動し始める。ニードル移動量Lnが減少する。ノズル室11が閉塞され、燃料噴射率Qが減少する。
時刻t88に、ニードル340が噴孔12を閉塞する。ニードル移動量Lnおよび燃料噴射率Qがゼロとなり、燃料の噴射が停止する。
最後に、磁石350の磁界と同一方向の磁界を生成した後、磁石350の磁界と逆方向の磁界を生成する場合の燃料噴射率Qについて、図24を参照して説明する。
図24(a)、図24(b)および図24(c)に示すように、時刻t90に、コイル80に通電が開始され、コイル80に正方向の電流が流れる。第1可動部吸引力Fm1_Aおよび第2可動部吸引力Fm2_Aが発生する。電磁弁330が第1プレート部燃料流路253を開放する。第2可動部362が第4プレート部燃料流路256を開放する。第1可動部移動量Lm1および第2可動部移動量Lm2が増加する。
時刻t91に、第1可動部移動量Lm1が吸引時第1可動部移動量Lm1_Aになり、第2可動部移動量Lm2が吸引時第2可動部移動量Lm2_Aになる。
時刻t91から時刻t93まで、第1可動部移動量Lm1は、吸引時第1可動部移動量Lm1_Aで一定であり、第2可動部移動量Lm2は、吸引時第2可動部移動量Lm2_Aで一定である。
時刻t93に、コイル80への電流が負方向に切り替わり、第1可動部361とともに電磁弁330が閉方向に移動し始める。電磁弁330が第1プレート部燃料流路253を閉塞し始める。第1可動部移動量Lm1が減少する。
時刻t94に、電磁弁330が第3プレート部燃料流路255を閉塞する。第1可動部移動量Lm1がゼロになる。
時刻t96に、コイル80への通電の停止が開始される。第2可動部362が第4プレート部燃料流路256を閉塞し始める。第2可動部移動量Lm2が減少する。
時刻t97に、コイル80への通電の停止が完了する。第2可動部362が第4プレート部燃料流路256を閉塞する。第2可動部移動量Lm2がゼロになる。
図24(d)および図24(e)に示すように、時刻t91に、ニードル340が開方向に移動し始め、ニードル移動量Lnが増加する。ノズル室11が開放され、噴射流路面積Sが大きくなり、燃料噴射率Qが増加し始める。
時刻t92に、ニードル移動量Lnがニードル最大移動量Ln_maxになる。また、燃料噴射率Qは、最大燃料噴射率Q_maxになる。
時刻t92から時刻t97まで、ニードル移動量Lnは、ニードル最大移動量Ln_maxで一定となり、燃料噴射率Qは、最大燃料噴射率Q_maxで一定となる。
時刻t97に、ニードル40が閉方向に移動し始める。ニードル移動量Lnが減少する。ノズル室11が閉塞され、噴射流路面積Sが小さくなり、燃料噴射率Qが減少する。
時刻t98に、ニードル40が噴孔12を閉塞する。ニードル移動量Lnおよび燃料噴射率Qがゼロとなり、燃料の噴射が停止する。
第5実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。
さらに、第5実施形態では、応答性が向上している。このため、コイル80へ通電開始してからニードル移動量Lnが増加するまでの時間、および、コイル80への通電方向を切り替え後からニードル移動量Lnが減少するまでの時間が短縮されている。
(第6実施形態)
第6実施形態では、電磁弁および第2可動部の形態が異なる点を除き、第5実施形態と同様である。
図25に示すように、燃料噴射装置92の電磁弁430は、開閉方向の断面がT字形状である。第6実施形態では、電磁弁430は、磁性体で形成されている。
第1可動部361は、固定部材51を収容している。
また、第1可動部361は、第1可動部スプリング364を有する。
第1可動部スプリング364は、磁石350と第1可動部361との間に設けられている。
また、第1可動部スプリング364は、第1可動部361を電磁弁330の閉方向に付勢する。
また、電磁弁430と第1可動部361との間に隙間が形成されている。電磁弁430から第1可動部361までの距離を電磁弁隙間距離Lsとする。
さらに、電磁弁430は、中央で電磁弁鍔部431を有する。
電磁弁鍔部431は、径方向の環状形状であり、ハウジング310の径方向内側から径方向外側に延びており、第2可動部462に接触可能である。
第2可動部462は、非磁性体で形成されている。
また、第2可動部462は、挿入穴を有する。挿入穴を介して、第2可動部462に電磁弁430が挿入されている。
さらに、第2可動部462は、電磁弁鍔部431と電磁弁430の後端部との間に設けられている。電磁弁鍔部431から第2可動部462までの距離を電磁弁鍔部距離Liとする。
電磁弁隙間距離Lsは、電磁弁鍔部距離Liよりも小さくなるように、すなわち、関係式(14)を満たすように、設定されている。
Ls>Li ・・・(14)
図26に示すように、磁石350の磁界と同一方向の磁界を生成するように、初期状態からコイル80に通電する。第1可動部吸引力Fm1_Aにより第1可動部361が移動し、磁石350に吸着しようとする。電磁弁吸引力Fe_Aにより電磁弁430が第1可動部361に吸着する。第1可動部361とともに、電磁弁430が開方向に移動する。第1プレート部燃料流路253が開放される。第1制御流路381および第1プレート部燃料流路253を経由して、第2圧力室20の燃料が流出する。ニードル340が開方向に移動し始める。
図27に示すように、電磁弁430が開方向に移動したとき、電磁弁鍔部431が第2可動部462に接触する。電磁弁鍔部431が第2可動部462に与える力により、電磁弁430とともに第2可動部462が開方向に移動する。第4プレート部燃料流路256が開放される。第2制御流路382および第4プレート部燃料流路256を経由して、第2圧力室20の燃料が流出する。燃料が噴孔12から噴射される。
図28に示すように、磁石350の磁界と逆方向の磁界を生成するように、初期状態からコイル80に通電する。第1可動部361は係止部370に係止されたままである。電磁弁吸引力Fe_Aにより電磁弁430が第1可動部361に吸着する。電磁弁430が開方向に移動する。第3プレート部燃料流路255が開放される。第1制御流路381および第3プレート部燃料流路255を経由して、第2圧力室20の燃料が流出する。ニードル340が開方向に移動する。燃料が噴孔12から噴射される。
関係式(13)が満たされているため、電磁弁鍔部431は第2可動部462に接触しない。第2可動部462は、第4プレート部燃料流路256を閉塞したままである。
磁石350の磁界と同一方向の磁界を生成した場合の燃料噴射装置92の燃料噴射率Qを図29のタイムチャートを参照して説明する。
図29(a)、図29(b)および図29(c)に示すように、時刻t100に、コイル80に通電が開始され、コイル80に正方向の電流が流れる。電磁弁吸引力Fe_Aにより、電磁弁430が移動し、電磁弁430と第1可動部361とが吸着される。第1可動部361とともに、電磁弁430が開方向に移動する。電磁弁430が第3プレート部燃料流路255を開放する。第1可動部移動量Lm1が増加する。
時刻t100から時刻t101までの間に、第1可動部移動量Lm1が電磁弁鍔部距離Liになる。
時刻t101に、第1可動部移動量Lm1が電磁弁隙間距離Lsになる。電磁弁鍔部431が第2可動部462に接触する。電磁弁430とともに第2可動部462が開方向に移動する。第2可動部462が第4プレート部燃料流路256を開放する。第2可動部移動量Lm2が増加する。
時刻t102に、第1可動部移動量Lm1が吸引時第1可動部移動量Lm1_Aになり、第2可動部移動量Lm2が吸引時第2可動部移動量Lm2_Aになる。なお、第6実施形態において、吸引時第2可動部移動量Lm2_Aは、電磁弁鍔部431が第2可動部462に与える力と第2可動部スプリング366の付勢力がつり合う位置である。
時刻t102から時刻t104まで、第1可動部移動量Lm1は、吸引時第1可動部移動量Lm1_Aで一定であり、第2可動部移動量Lm2は、吸引時第2可動部移動量Lm2_Aで一定である。
時刻t104に、コイル80への通電の停止が開始される。電磁弁430が第3プレート部燃料流路255を閉塞し始める。第2可動部462が第4プレート部燃料流路256を閉塞し始める。第1可動部移動量Lm1および第2可動部移動量Lm2が減少する。
時刻t105に、第1可動部移動量Lm1が電磁弁隙間距離Lsになる。電磁弁鍔部431と第2可動部462とが離れる。第2可動部462が第4プレート部燃料流路256を閉塞する。第2可動部移動量Lm2がゼロになる。
時刻t106に、コイル80への通電の停止が完了する。電磁弁330が第3プレート部燃料流路255を閉塞する。第1可動部移動量Lm1がゼロになる。
図29(d)および図29(e)に示すように、時刻t101に、ニードル340が開方向に移動し始める。ニードル移動量Lnが増加する。燃料噴射率Qが増加する。
時刻t103に、ニードル移動量Lnは、ニードル最大移動量Ln_maxになり、燃料噴射率Qは、最大燃料噴射率Q_maxになる。
時刻t103から時刻t106まで、ニードル移動量Lnは、ニードル最大移動量Ln_maxで一定となり、燃料噴射率Qは、最大燃料噴射率Q_maxで一定となる。
時刻t106に、ニードル340が閉方向に移動し始める。ニードル移動量Lnが減少する。燃料噴射率Qが減少する。
時刻t107に、ニードル340が噴孔を閉塞する。ニードル移動量Lnがゼロになる。燃料噴射率Qがゼロになる。
磁石350の磁界と逆方向の磁界を生成する場合の燃料噴射率Qは、第3プレート部燃料流路255のみが開放される期間を除き、第5実施形態と同様である。
また、磁石350の磁界と逆方向の磁界を生成した後、磁石350の磁界と同一方向の磁界を生成する場合の燃料噴射率Qは、第3プレート部燃料流路255が先に開放された後に第4プレート部燃料流路256が開放される期間を除き、第5実施形態と同様である。
さらに、磁石350の磁界と同一方向の磁界を生成した後、磁石350の磁界と逆方向の磁界を生成する場合の燃料噴射率Qは、第3プレート部燃料流路255のみが開放される期間を除き、第5実施形態と同様である。
第6実施形態においても、第5実施形態と同様の効果を奏する。
(第7実施形態)
第7実施形態では、係止部の形態および付勢部材が追加されている点を除き、第1実施形態と同様である。
図30に示すように、燃料噴射装置93の係止部571、572は、電磁弁530の側壁に、複数設けられている。
係止部571、572は、電磁弁530の径方向内側から径方向外側に延びている。
また、係止部571、572は、電磁弁530の軸方向における外縁の断面形状が湾曲している。
さらに、係止部571、572は、電磁弁530の径方向の断面が環状となるように形成されている。電磁弁530が係止部571、572に挿入されている。
一方の係止部を第1係止部571とする。他方の係止部を第2係止部572とする。
第1係止部571は、第2係止部572よりもハウジング10の先端側に設けられている。
図31に示すように、磁石50の磁界と同一方向の磁界をコイル80が生成したとき、第1係止部571の後端側に付勢部材580が接触する。これにより、電磁弁530は係止される。
図32に示すように、磁石50の磁界と逆方向の磁界をコイル80が生成したとき、第2係止部572の後端側に付勢部材580が接触する。これにより、電磁弁530は係止される。
付勢部材580は、第1圧力室19に設けられている。
また、付勢部材580は、接触部581およびスプリング582を有し、電磁弁530の径方向内側から径方向外側に電磁弁530を付勢する。
接触部581は、電磁弁の径方向の断面が長方形形状であり、電磁弁の軸方向の断面が円形形状である。
また、接触部581は、外縁が湾曲して形成され、半円柱形状に形成されている。電磁弁530の側壁531に線接触する。
スプリング582は、一端がハウジング内部に接続され、他端が接触部581に接続されており、接触部581を付勢する。
さらに、付勢部材580は、電磁弁530の移動に伴い電磁弁530の側壁531に沿って摺動する。
付勢部材580は、係止部570に接触したとき、電磁弁530が開閉する方向の力である電磁弁補助力Fe_O、Fe_Cを電磁弁530に作用する。
図31および図32に示すように、先端側の係止部571、572に付勢部材580が接触したとき、付勢部材580の付勢力は、電磁弁530が閉方向に向かう電磁弁補助力Fe_Cと、径方向外側から径方向内側に向かう力と、に分解することができる。電磁弁補助力Fe_Cにより、電磁弁530が閉方向に移動しやすくなる。このため、電磁弁530がプレート部燃料流路251を閉塞しやすくなり、第2圧力P2が上昇するときの第2圧力P2の応答性が向上する。
図33に示すように、後端側の係止部571、572に付勢部材580が接触したとき、付勢部材580の付勢力は、電磁弁530が開方向に向かう電磁弁補助力Fe_Oと、径方向外側から径方向内側に向かう力と、に分解することができる。電磁弁補助力Fe_Oにより、電磁弁530が開方向に移動しやすくなる。このため、電磁弁530がプレート部燃料流路251を開放しやすくなり、第2圧力P2が低下するときの第2圧力P2の応答性が向上する。
第7実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。
さらに、第7実施形態では、電磁弁補助力Fe_O、Fe_Cにより、電磁弁530の開閉方向に移動しやすくなる。このため、プレート部燃料流路251を開放または閉塞しやすくなる。これにより、第5実施形態と同様に、第2圧力P2の応答性が向上する。
(その他の実施形態)
第1実施形態の思想を共有する他の実施形態を以下に示す。
(i)図34および図35に示すように、燃料噴射装置5は、吸引時隙間流路面積Ag_Aがプレート部流路面積Ac以下、反発時隙間流路面積Ag_Rより大きくなるように、以下関係式(15)を満たすように、設定されている。
Ac≧Ag_A>Ag_R ・・・(15)
また、図36に示すように、電磁弁移動量Leが可動部吸引時電磁弁移動量Le_Aのとき、最小流路面積Aminは、吸引時隙間流路面積Ag_Aになる。電磁弁移動量Leが可動部反発時電磁弁移動量Le_Rのとき、最小流路面積Aminは、反発時隙間流路面積Ag_Rになる。このような構成においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。
(ii)図37に示すように、燃料噴射装置6の磁石150は、電磁石であってもよい。磁石150は、磁性体の周りに、電磁石コイル151が巻回されている。
磁石150は、電磁石コイル151に通電することによって、磁界が発生する。
(iii)図38に示すように、燃料噴射装置7の可動部160は、1つの鍔部161を有する。
鍔部161は、可動部160の中央で、ハウジング10の径方向外側から径方向内側に延びている。
係止部170は、ハウジング10の径方向における断面が環状に形成され、可動部160の先端側および後端側に2つ設けられている。このように、可動部および係止部の形状は限定されない。
また、可動部160が閉方向に移動しやすくするために、可動部160の後端に、可動部スプリング162を設けてもよい。
第4実施形態の思想を共有する他の実施形態を以下に示す。
(iv)図39に示すように、燃料噴射装置8の第1コイル181は、第2コイル182よりも後端側に設けられている。コイルの配置は限定されず、第4実施形態と同様の効果を奏する。
第5実施形態の思想を共有する他の実施形態を以下に示す。
(v)図40に示すように、燃料噴射装置94の第3プレート部流路面積Ac3は、第4プレート部流路面積Ac4より小さくなるように、すなわち、関係式(16)が満たされるように、設定されてもよい。なお、第2制御流路面積Aq2は、第1制御流路面積Aq1よりも大きくなるように、すなわち、以下関係式(17)を満たすように、設定されている。
Ac3<Ac4 ・・・(16)
Aq1<Aq2 ・・・(17)
(vi)図41に示すように、燃料噴射装置95では、圧力制御プレートが備えられていない。このような場合であっても、第1実施形態と同様の効果を奏する。
圧力制御プレートが設けられない場合、磁石350の磁界と同一方向の磁界を生成したときの最小流路面積Aminは、第3プレート部流路面積Ac3および第4プレート部流路面積Ac4の和である。また、磁石350の磁界と逆方向の磁界を生成したときの最小流路面積Aminは、第4プレート部流路面積Ac4である。
(vii)図42に示すように、燃料噴射装置96は、第1可動部661、第2可動部662および係止部670が一体となって形成されてもよい。
(viii)また、図43に示すように、燃料噴射装置97は、第1可動部761と係止部770とが一体となって形成されてもよい。
第1可動部761は、中央に凹部が形成されている。
電磁弁330は、磁性体で形成されており、電磁弁吸引力Fe_Aが発生する。
電磁弁スプリング52は、第1可動部761と電磁弁330との間に設けられており、電磁弁330を付勢する。
初期状態では、一体となった第1可動部761と電磁弁330とは離れている。
コイル80に通電が開始されたとき、第1可動部761と電磁弁330とが吸着しようとする。
磁石350と同一方向の磁界が生成されたとき、一体となった第1可動部561とともに電磁弁330が開方向に移動する。第3プレート部燃料流路255および第4プレート部燃料流路256が開放される。
磁石350と逆方向の磁界が生成されたとき、一体となった第1可動部561は移動しないで、電磁弁330が開方向に移動する。第3プレート部燃料流路255のみが開放される。
(ix)図44に示すように、燃料噴射装置98の電磁弁鍔部831は、第2可動部862に挿入されている。
電磁弁830は、磁性体で形成されている。
第1可動部861は、中央に凹部および第1可動部鍔部863を有し、係止部と一体となって形成されている。
第1可動部鍔部863は、第2可動部862に接合されており、ハウジング310の径方向内側から径方向外側に伸びている。
第2可動部862は、非磁性体で形成されており、第1可動部861とともに開閉方向に移動可能である。
また、第1圧力室19内の隙間を調整するために、複数のスペーサ864が設けられている。
スペーサ864は、ハウジング310と電磁弁830との間に設けられている。
また、スペーサ864は、ハウジング310と第2可動部862との間に設けられている。
また、図45に示すように、第2可動部862は、電磁弁830よりも電磁弁830の径方向外側に設けられてもよい。第2可動部862は、電磁弁830には挿入されなくてもよい。
第6実施形態の思想を共有する他の実施形態を以下に示す。
(x)図46に示すように、燃料噴射装置99の電磁弁鍔部931は、電磁弁930の先端に設けてもよい。初期状態では、電磁弁鍔部931は、第1プレート溝326と係合している。
第7実施形態の思想を共有する他の実施形態を以下に示す。
(xi)燃料噴射装置の係止部は、電磁弁と一体に形成されてもよい。また、係止部は、可動部に設けてもよい。さらに、係止部は、可動部と一体になって形成されてもよい。なお、係止部は、多角形形状であってもよい。
以上、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の形態で実施することができる。
10、110、210、310 ・・・ハウジング、 105 ・・・後端部(ハウジング)、
12 ・・・噴孔、 19 ・・・第1圧力室、 20 ・・・第2圧力室、
25、125 ・・・プレート部、
251、252、253、255、256 ・・・プレート部燃料流路、
30、130、230、330、430、530 ・・・電磁弁、
40、140、340 ・・・ニードル、 402 ・・・後端部(ニードル)、
50、150 ・・・磁石、 80、181、182 ・・・コイル、
60、160、361、362、461、462 ・・・可動部、
Fm_A ・・・可動部吸引力、 Fm_R ・・・可動部反発力。

Claims (14)

  1. 燃料が噴射される噴孔(12)を先端部に有し、燃料が流入出可能な第1圧力室(19)および第2圧力室(20)を後端部(105)に有し、有底筒状のハウジング(10、110、210、310)と、
    前記ハウジングに設けられており、前記第1圧力室と前記第2圧力室とに連通するプレート部燃料流路(251、252、253、255、256)を有するプレート部(25、125)と、
    前記第1圧力室に収容され、前記プレート部燃料流路を開閉して前記第1圧力室の圧力および前記第2圧力室の圧力を制御可能な電磁弁(30、130、230、330、430、530)と、
    後端部(402)が前記第2圧力室に収容され、前記ハウジング内で往復移動可能で、前記電磁弁が前記第1圧力室の圧力および前記第2圧力室の圧力を制御するとき、前記ハウジングの軸方向に移動し、前記噴孔を開閉するニードル(40、140、340)と、
    前記ハウジングの後端部に設けられ、両端が互いに異なる極性となるように着磁された磁石(50、150)と、
    前記第1圧力室に収容され、前記電磁弁の開閉方向に移動可能な可動部(60、160、361、362、461、462)と、
    前記磁石の磁界と同一方向または逆方向の磁界を前記可動部に生成するコイル(80、181、182)と、
    を備え、
    前記磁石の磁界と同一方向の磁界を前記コイルが生成したとき、前記磁石と前記可動部との間に可動部吸引力(Fm_A)が発生し、前記可動部とともに前記電磁弁が開方向に移動し、
    前記磁石の磁界と逆方向の磁界を前記コイルが生成したとき、前記磁石と前記可動部との間に可動部反発力(Fm_R)が発生し、前記電磁弁が開閉方向に移動する燃料噴射装置。
  2. 前記可動部を係止可能な係止部(70、170、370、571、572)をさらに備え、
    前記磁石の磁界と逆方向の磁界を前記コイルが生成したとき、前記可動部が前記係止部に係止される請求項1に記載の燃料噴射装置。
  3. 2つの前記可動部(361、362、461、462)を備え、
    前記プレート部は、2つの前記プレート部燃料流路(255、256)を有し、
    一方の前記可動部を第1可動部(361、461)とし、他方の前記可動部を第2可動部(362、462)とし、一方の前記プレート部燃料流路を第1プレート部燃料流路(255)とし、他方の前記プレート部燃料流路を第2プレート部燃料流路(256)とすると、
    前記第1可動部は、前記磁石と前記電磁弁との間に設けられ、前記電磁弁とともに移動可能で、
    前記第2可動部は、前記第2プレート部燃料流路を開閉する方向に移動可能で、
    前記磁石の磁界と同一方向の磁界を前記コイルが生成し、前記磁石と前記第1可動部との間に第1可動部吸引力(Fm1_A)が発生したとき、前記電磁弁が前記第1プレート部燃料流路を開くとともに、前記第2可動部が前記第2プレート部燃料流路を開き、
    前記磁石の磁界と逆方向の磁界を前記コイルが生成し、前記磁石と前記第1可動部との間に第1可動部反発力(Fm1_R)が発生したとき、前記電磁弁は前記第1プレート部燃料流路を閉じ、かつ、前記第2可動部は前記第2プレート部燃料流路を開く、または、前記電磁弁は前記第1プレート部燃料流路を開き、かつ、前記第2可動部は前記第2プレート部燃料流路を閉じる請求項1または2に記載の燃料噴射装置。
  4. 前記第1プレート部燃料流路の流路面積(Ac3)は、前記第2プレート部燃料流路の流路面積(Ac4)以上である請求項3に記載の燃料噴射装置。
  5. 前記第1プレート部燃料流路の流路面積(Ac3)は、前記第2プレート部燃料流路の流路面積(Ac4)より小さい請求項3に記載の燃料噴射装置。
  6. 前記第2圧力室に設けられ、前記第2圧力室の圧力を制御可能な圧力制御プレート(380)をさらに備え、
    前記圧力制御プレートは、
    前記第1プレート部燃料流路と連通する第1制御流路(381)と、
    前記第2プレート部燃料流路と連通する第2制御流路(382)と、
    を有し、
    前記第1制御流路の流路面積(Aq1)は、前記第1プレート部燃料流路の流路面積(Ac3)よりも小さく、
    前記第2制御流路の流路面積(Aq2)は、前記第2プレート部燃料流路の流路面積(Ac4)より小さい請求項3から5のいずれか一項に記載の燃料噴射装置。
  7. 前記電磁弁が前記プレート部燃料流路を開閉するとき、前記電磁弁と前記プレート部との間に隙間燃料流路(301)が形成される請求項1または2に記載の燃料噴射装置。
  8. 前記プレート部燃料流路の流路面積をプレート部流路面積(Ac)とし、前記可動部吸引力が発生したときの前記隙間燃料流路の流路面積を吸引時隙間流路面積(Ag_A)とし、前記可動部反発力が発生したときの前記隙間燃料流路の流路面積を反発時隙間流路面積(Ag_R)とすると、
    前記プレート部流路面積は、前記反発時隙間流路面積より大きく、前記吸引時隙間流路面積より小さい請求項7に記載の燃料噴射装置。
  9. 前記プレート部燃料流路の流路面積をプレート部流路面積(Ac)とし、前記可動部吸引力が発生したときの前記隙間燃料流路の流路面積を吸引時隙間流路面積(Ag_A)とし、前記可動部反発力が発生したときの前記隙間燃料流路の流路面積を反発時隙間流路面積(Ag_R)とすると、
    前記吸引時隙間流路面積は、前記反発時隙間流路面積より大きく、前記プレート部流路面積より小さい請求項7に記載の燃料噴射装置。
  10. 前記プレート部は、2つの前記プレート部燃料流路(252、253)を有し、
    一方の前記プレート部燃料流路を第1プレート部燃料流路(252)とし、他方の前記プレート部燃料流路を第2プレート部燃料流路(253)とすると、
    前記第1プレート部燃料流路は、前記第2プレート部燃料流路よりも、前記ハウジングの後端部側で、前記第1圧力室に連通しており、
    前記電磁弁は、
    前記可動部吸引力が発生したとき、前記第1プレート部燃料流路を閉塞し、
    前記可動部反発力が発生したとき、前記第1プレート部燃料流路または前記第2プレート部燃料流路を開放する請求項1または2に記載の燃料噴射装置。
  11. 前記第1プレート部燃料流路の流路面積(Ac1)は、前記第2プレート部燃料流路の流路面積(Ac2)よりも大きい請求項10に記載の燃料噴射装置。
  12. 前記ハウジング(210)は、前記第1圧力室に連通する2つのハウジング燃料流路(22、23)を有し、
    一方の前記ハウジング燃料流路を第1ハウジング燃料流路(22)とし、他方の前記ハウジング燃料流路を第2ハウジング燃料流路(23)とすると、
    前記第1ハウジング燃料流路は、前記第2ハウジング燃料流路よりも、前記ハウジングの後端部側で、前記第1圧力室に連通しており、
    前記電磁弁は、
    前記可動部吸引力が発生したとき、前記第1ハウジング燃料流路を閉塞し、
    前記可動部反発力が発生したとき、前記第1ハウジング燃料流路または前記第2ハウジング燃料流路を開放する請求項1または2に記載の燃料噴射装置。
  13. 前記第1ハウジング燃料流路の流路面積(Ah1)は、前記第2ハウジング燃料流路の流路面積(Ah2)よりも大きい請求項12に記載の燃料噴射装置。
  14. 前記可動部を係止可能な係止部と、
    前記ハウジングの内部に設けられており、前記電磁弁の径方向内側から径方向外側に前記電磁弁を付勢し、前記電磁弁の移動に伴い前記電磁弁の側壁に沿って摺動する付勢部材(580)と、
    を備え、
    前記係止部(571、572)は、前記電磁弁の側壁に設けられ、前記電磁弁の径方向内側から径方向外側に延びて、前記電磁弁の軸方向における外縁の断面形状が湾曲しており、
    前記付勢部材は、前記係止部に接触したとき、前記電磁弁が開閉する方向の力(Fe_O、Fe_C)を前記電磁弁に作用する請求項1から13のいずれか一項に記載の燃料噴射装置。
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